JP2007529482A - 引き締め剤とグラフトアクリルポリマーの固体粒子の分散物とを含む化粧品組成物を利用する、シワを有する皮膚の美容処理方法 - Google Patents

引き締め剤とグラフトアクリルポリマーの固体粒子の分散物とを含む化粧品組成物を利用する、シワを有する皮膚の美容処理方法 Download PDF

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Abstract

顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体中に、
−組成物の全重量に対して0.1から20重量%の少なくとも一つの引き締め剤、及び
−グラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相中への少なくとも一つの分散物
を含む化粧品組成物をシワを有する皮膚に適用することからなる工程を含む、シワを有する皮膚のシワを軟化するための美容方法の提供。

Description

本発明は、顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体中に、組成物の全重量に対して0.1から20重量%の引き締め剤と、上述の引き締め剤によってもたらされる引き締め効果を永続的にすることが可能な特定のエチレン性ポリマーの分散物とを含む化粧品組成物、特に抗シワ組成物を利用する、シワを有する皮膚のシワの美容的軟化方法に関する。
本発明は、引き締め剤によって与えられる引き締め効果の永続性を改良するための、特定のエチレン性ポリマーの分散物の使用に関する。
本発明はまた、引き締め剤として、皮膚のシワ形成を予防するための無機粒子のコロイド状分散物を含む組成物における、特定のエチレン性ポリマーの分散物の使用に関する。
かくして本発明の一般的分野は、皮膚の老化の分野である。
皮膚の老化の間で各種の兆候が現れ、皮膚の構造と皮膚の機能の改変によって特に反映されている。これらの主たる兆候の一つが、深いシワと小ジワの出現であり、その大きさと数は年齢と共に増大する。皮膚の微環境はますます不均一となり異方性質を示す。
α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、及びレチノイドのような老化を打ち消すことができる活性成分を含む化粧品組成物でこれらの老化の兆候を処理することが通常である。これらの活性成分は、皮膚から死んだ細胞を除去し、細胞の置換工程を加速することにより特にシワに作用する。しかしながらこれらの活性成分は、特定の適用時間、特に数日から数週間の範囲でありうる時間の後のみに、シワの処理において有効であるという欠点を示す。
実際、シワ及び/または小ジワを平滑化し、一時的にでさえ疲労の兆候の消失を迅速に引き起こす、迅速な効果を得ることが可能な組成物に生産に対して、現在必要性がますます増大している。そのような組成物は、引き締め剤を含む組成物である。用語「引き締め剤」は、引き締め効果を有することができる、即ち皮膚を引き締め、シワと小ジワの迅速な減少、更には消失をもたらすことができる化合物を意味するように解されると特定される。
これらの引き締め剤は特に、角質層、即ち上皮の表面角質層の収縮をもたらす皮膜を形成できる水性分散物中の天然または合成起源のポリマーであることができる。皮膚の老化の作用を軟化するためのそのようなポリマーシステムの美容的または皮膚科学的使用は、仏国特許出願FR-A-2 758 083(特許文献1)に開示されている。
仏国特許出願FR-A-2 758 083 米国特許第6 139 322号 米国特許第6 465 001号 米国特許第5 349 003号 欧州特許出願EP-1 038 519 仏国特許出願第2 819 429号 仏国特許出願第03/11346号 Food Gels, Peter Harris, Elsevier 1989, Chap. 3 Food Gels, Peter Harris, Elsevier 1989, Chap. 1 Food Gels, Peter Harris, Elsevier 1989, Chap. 6 仏国特許第2 829 025号 Kirk-Othmer Encyclopedia Of Chemical Technology, 第3版, Volume 21, pp. 492-507, Wiley Interscience, 1983 Light Scattering by Small Particles, Wiley, New York, 1957, Chap. 9と10 Polymer Handbook, 第3版, Chapyer VII, pp. 519-559 J. Paint Technol., 39, 105 (1967) 欧州特許出願EP 895 467 欧州特許出願EP 96 459 Polymer Letters, Vol. 5, pages 477-481 (1967) 米国特許第5 625 005号
しかしながら、これらの引き締めポリマーシステムの使用は場合により、あるユーザー、特にデリケートな皮膚を有するユーザーに不快感を与える。更に、引き締め剤が提供する引き締め効果は、皮膚に形成された皮膜が顔の表情の影響の下でひび割れる傾向を有する限りにおいて、あまり長い時間は続かない。これは、これらの引き締め剤が、顔に比較的硬直性であまり変形しない皮膜を形成するためである。
本出願人は驚くべきことに、化粧品組成物中で引き締め剤と組み合わせた特定のエチレン性ポリマーの分散物の使用が、シワを有する皮膚への局所適用の後、永続的な引き締め効果を示し、機械的な観点からより変形可能である皮膜を得ることを可能にすることを見出した。
更に、この特定のエチレン性ポリマーの分散物は更に、引き締め剤として、無機粒子、特にシリカのコロイド状分散物を含む組成物の皮膚への適用から生ずる皮膚の白色化を防止する特性を有することが本出願人に分かった。
かくして本発明は、第一の特徴点によれば、顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体中に、
−組成物の全重量に対して0.1から20重量%の少なくとも一つの引き締め剤、及び
−グラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相中への少なくとも一つの分散物
を含む化粧品組成物、特に抗シワ組成物を皮膚に適用することからなる工程を含む、シワを有する皮膚のシワを軟化するための美容方法に関する。
引き締め剤と組み合わせた上述の分散物の使用は、引き締め剤を含む組成物に永続的な引き締め効果、即ち経時的にある程度の耐久性を示す引き締め効果を与えることができ、前記分散物は、引き締め皮膜のための強化剤の役割を果たす。そのような組み合わせのこの永続特性を示すための標的となる試験は、本明細書の実験例の部分に示されている。この永続性は、引き締め皮膜の機械的特性の改良によって、本明細書の文脈で示されている。
本明細書において更なる詳細に入る前に、以下の定義が提供される。
用語「引き締め剤」は、本発明によれば、水中に7%の濃度で伸長計で測定すると、40%の相対湿度で30℃で1%より大きい、好ましくは1.5%より大きい単離した角質層の収縮を生ずるいずれかの試薬を一般的に意味するように解される。
角質層の収縮を測定するためのプロトコールは以下の通りである。
本明細書で記載される引き締め剤の引き締め力は、伸長計で測定された。
前記方法の原理は、試験組成物での処理の前後での、外科的操作から由来するヒトの皮膚から単離された角質層の試験標本の長さを測定することを含む。
これを実施するために、30℃の温度で40%の相対湿度で、一方が固定され他方が可動的である前記装置の二つの顎部の間に試験標本を配置する。試験標本に引っ張り力を加え、長さ(ミリメートル単位)の関数としての力(グラム単位)の曲線を記録し、ここでゼロの長さは前記装置の二つの顎部の間の距離に対応する。前記曲線の直線領域に対する接線をその後にプロットする。横軸とこの接線との交点は、ゼロの力で試験標本の見かけの長さLに対応する。その後試験標本を緩め、次いで2mg/cmの試験組成物(考慮される引き締め剤の7%溶液)を角質層に適用する。15分間乾燥後、処理の後の試験標本の長さLを測定するために、上記工程を再び実施する。収縮のパーセンテージは下式によって定義される:収縮%=100×(L−L)/L。引き締め効果を特徴付けするため、このパーセンテージは負の値でなければならず、収縮のパーセンテージの絶対値が大きくなると、引き締め効果は大きくなる。
本発明の文脈において、前記引き締め剤は、特に以下のものから選択できる:
a)合成ポリマー;
b)天然起源のポリマー;
c)混合シリケート;
d)ワックス微粒子;
e)無機フィラーのコロイド状粒子;
及びこれらの混合物。
a)合成ポリマー
引き締め剤として使用できる合成ポリマーは、以下のものから選択できる:
−ポリウレタンポリマー及びコポリマー;
−アクリルポリマー及びコポリマー;
−スルホイソフタル酸のポリマー;
−グラフトシリコーンポリマー;
−水溶性または水分散性単位とLCST単位とを含む水溶性または水分散性ポリマー;
−1Hz且つ22℃で200MPaより大きい動的記憶モジュラスE’を示す非エラストマー性且つ水不溶性の皮膜形成性直鎖状エチレン性ブロックポリマー;
−40℃より大きいガラス転移温度を示すグラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相における分散物;
−及びこれらの混合物。
本発明に係るポリウレタンコポリマー、アクリルコポリマー、及び他の合成ポリマーは、特に重縮合物、ハイブリッドポリマー、及び相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)から選択できる。
本発明の意味において用語「相互貫入ポリマーネットワーク」(IPN)は、二つのタイプのモノマーの同時重合及び/または架橋によって得られる二つの絡み合ったポリマーの混合物を意味するように解され、得られた混合物は単一のガラス転移温度を有する。
本発明における使用に適したIPNの例は、その調製方法と共に、例えば米国特許第6 139 322号(特許文献2)及び米国特許第6 465 001号(特許文献3)に記載されている。
好ましくは、本発明に係るIPNは、少なくとも一つのポリアクリルポリマーを含み、より好ましくは、少なくとも一つのポリウレタン、またはビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとの少なくとも一つのコポリマーを更に含む。
好ましい実施態様によれば、本発明に係るIPNは、ポリウレタンポリマーとポリアクリルポリマーとを含む。そのようなIPNは、特にAir Products社により市販されているHybridurシリーズのものである。
特に好ましいIPNは、90から110nmの間の重量平均サイズを有し、約80nmの数量平均サイズを有する粒子の水性分散物の形態で見出される。このIPNは好ましくは、約−60℃から+100℃の範囲であるガラス転移温度Tgを有する。このタイプのIPNは、特にAir Products社によりHybridur X-01602の商標名で市販されている。本発明における使用に適した別のIPNは、Hybridur X18693-21の名称を有する。
本発明における使用に適した別のIPNは、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーと、ポリウレタンとの混合物からなるIPNを含む。これらのIPNは、特に米国特許第5 349 003(特許文献4)に記載されたように調製できる。代替的な形態では、それらは、Atofina社製の商標名Kynar RC-10,147及びKynar RC-10,151の下で、フッ素化コポリマー:アクリルポリマーの比が70:30と75:25の間である水中のコロイド状分散物の形態で市販されている。
グラフトシリコーンポリマーの例は、特許出願EP-1 038 516(特許文献5)に示されており、それは参考としてここに取り込まれる。
本発明の文脈で使用できるグラフトシリコーンポリマーは、ポリシロキサン部分と、非シリコーン有機鎖からなる部分とを含み、二つの部分の一方がポリマーの主鎖を構成し、他方が前記主鎖にグラフトされている。
前記ポリマーがポリシロキサンを含む少なくとも一つのモノマーによってグラフトされや非シリコーン有機骨格を含むポリマーである第一の代替形態では、それは好ましくは以下のものを含むグラフトシリコーンコポリマーである:
a)ラジカル経路によって重合できるエチレン性不飽和を含む少なくとも一つの脂溶性モノマー(A);
b)(A)タイプのモノマー(類)と共重合できるエチレン性不飽和を含む少なくとも一つの極性親水性モノマー(B)(ここで(A)+(B)は99.99から50重量%まで変化する);及び
c)0.01から50重量%の、下式(I)の少なくとも一つのポリシロキサンマクロモノマー(C):
X(Y)Si(R)3−m (I)
[式中、
Xはモノマー(A)と(B)と共重合できるエチレン性不飽和を含む基を表し;
Yは二価結合基を表し;
Rは水素、ヒドロキシル基、C−Cアルキル若しくはアルキルアミノ若しくはアルコキシ基、またはC−C12アリール基を表し;
Zは少なくとも50の数量平均分子量を有するポリシロキサン単位を表し;
nは0または1であり、mは1から3の範囲の整数であり;
前記パーセンテージはモノマー(A)、(B)、及び(C)の全重量に対して計算される]。
モノマー(A)は、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−(N−メチルパーフルオロオクチルスルホンアミド)−エチルアクリレート、2−(N−ブチルパーフルオロオクチルスルホンアミド)−エチルアクリレート、及びそれらの混合物からなる群から選択できる。
モノマー(B)は、アクリル酸、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、第四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、及びそれらの混合物からなる群から選択できる。
ポリシロキサンマクロモノマー(C)は例えば、下式(II)を有する:
Figure 2007529482
[式中、nは1から700の範囲の整数である]。
第二の好ましい代替形態では、前記ポリマーは、少なくとも一つのシリコーン有機モノマーによってグラフトされたポリシロキサン骨格を含むポリマーである。
このポリマーは有利には、一方で、エチレン性不飽和を示す少なくとも一つの非シリコーンアニオン性有機モノマー(例えば(メタ)アクリル酸及びそれらの塩から選択される)、及び/またはエチレン性不飽和を示す少なくとも一つの非シリコーン疎水性有機モノマー(例えば(メタ)アクリル酸とアルカノールとのエステルから選択される)と、他方で、前記非シリコーンモノマーの前記エチレン性不飽和と共有結合を形成して反応できる少なくとも一つの官能基を鎖中に示すシリコーンとの間のラジカル共重合から由来する。
この場合、前記シリコーンポリマーは好ましくは、その構造中に下式(III)の単位を含む:
Figure 2007529482
[式中、G基は同一または異なり、水素またはC−C10アルキル基またはフェニル基を表し;G基は同一または異なり、C−C10アルキレン基を表し;Gはエチレン性不飽和を含む少なくとも一つのアニオン性モノマーの(ホモ)重合から由来するポリマー残基を表し;Gはエチレン性不飽和を含む少なくとも一つの疎水性モノマーの(ホモ)重合から由来するポリマー残基を表し;m及びnは互いに独立に0または1に等しく;aは0から50の範囲の整数であり;bは10から350の間であることができる整数であり;cは0から50の範囲の整数であり;但し前記パラメーターa及びcの一方は0以外である]。
更により好ましくは、前記式(III)の単位は、以下の特徴の少なくとも一つ、好ましくは全てを示す:
−G基はC−C10アルキル基を表し;
−nは0ではなく、G基は二価C−C基を表し;
−Gはエチレン性不飽和タイプを含むカルボン酸の少なくとも一つのモノマーの(ホモ)重合から由来するポリマー残基を表し;
−GはC−C10アルキル(メタ)アクリレートタイプの少なくとも一つのモノマーの(ホモ)重合から由来するポリマー残基を表す。
かくして前記シリコーンポリマーは、チオプロピレンタイプの結合基を介して、ポリ((メタ)アクリル酸)タイプとポリ(アルキル(メタ)アクリレート)タイプの混合ポリマー単位をグラフトしたポリジメチルシロキサンであることができる。
グラフトシリコーンポリマーの特に好ましい例は、チオプロピレンタイプの結合基を介して、ポリ((メタ)アクリル酸)タイプとポリ(アルキル(メタ)アクリレート)タイプの混合ポリマー単位をグラフトしたポリジメチルシロキサンであるポリシリコーン−8(CTFA命名法で既知)である。このタイプのポリマーは、3M社から商標名VS80(水中に10%)またはLO21(粉体形態)の名称で特に入手可能である。それはプロピルチオ、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、及びメタクリル酸基を含むポリジメチルシロキサンコポリマーである。
上述の合成ポリマーは、ラテックス形態で提供できる。引き締め剤として本発明によって使用できる適切なラテックスとして、ポリエステル/ポリウレタン及びポリエーテル/ポリウレタン分散物、例えばNoveon社により"Avalure UR410及びUR460"の名称で市販されている製品、及びAvecia社により"Neorez R974"、"Neorez R981"、"Neorez R970"の名称で市販されている製品、並びにアクリルコポリマー分散物、例えばAvecia社により"Neocryl XK-90"の名称で市販されている製品が特に挙げられる。
本発明によって、水溶性または水分散性単位とLCST単位とを含む水溶性または水分散性ポリマーの使用が挙げられ、前記LCST単位は、水中に1重量%の濃度で5から40℃の相分離温度を特に示す。このタイプのポリマーは、仏国特許出願FR 2 819 429(特許文献6)により十分に記載されている。
本発明の文脈で引き締め剤として使用できる他の合成ポリマーは、仏国特許出願FR 03/11346(特許文献7)に記載されているもののような、1Hzで22℃で200MPaより大きい動的記憶モジュラスE’を示す、非エラストマー性で水不溶性の皮膜形成性直鎖状エチレン性ブロックポリマーである。
最後に、本発明の文脈で使用できる引き締め剤は、40℃より大きいガラス転移温度を示すグラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相への分散物であることができる。上述のこの分散物は、引き締め効果の永続性を促進する目的のために組成物中に取り込まれるものとは異なり、この場合後者は有利には、40℃以下のガラス転移温度を有する。このタイプの引き締め剤の例として、メチルアクリレート、アクリル酸、及びポリエチレン/ポリブチレンメタクリレートマクロモノマーのイソドデカン中の重合によって得られる分散物が挙げられる(例えばKraton L-1253)。
b)天然起源のポリマー
引き締め剤として使用できる天然起源のポリマーは、以下のものから選択できる:
−植物タンパク質及び植物タンパク質加水分解産物;
−ミクロゲル形態の植物起源のポリサッカリド、例えばデンプン;
−植物起源のラテックス;
−及びこれらの混合物。
本発明に係る引き締め剤として使用できる植物タンパク質及び植物タンパク質加水分解産物の例は、トウモロコシ、ライムギ、コムギ、ソバ、ゴマ、スペルトコムギ、マメ、ソラマメ、ヘラマメ、ダイズ、及びウチワマメのタンパク質及びタンパク質加水分解産物からなる。
本発明に係る組成物の製剤に適したポリサッカリドは、熱的に可逆的なまたは架橋されたゲル、及び溶液を形成できる天然起源の全てのポリサッカリドである。用語「熱的に可逆的」は、これらのポリマー溶液が使用されるポリサッカリドに特徴的なゲル化温度未満に冷却されると、ポリマー溶液のゲル状態が可逆的に得られることを意味するように解される。
本発明で使用できる天然起源のポリサッカリドの第一のファミリーはカラギーナン、特にκ−カラギーナン及びτ−カラギーナンからなる。これらは、特定の紅藻類に存在する直鎖状ポリサッカリドである。それらは硫酸化できる数多くのガラクトース残基で、互換的なβ−1,3−及びα−1,4−ガラクトース残基からなる。このファミリーのポリサッカリドは、文献"Food Gels"(Peter Harris編), Elsevier, 1989, Chap. 3(非特許文献1)に記載されている。使用できる別のファミリーのポリサッカリドはアガーからなる。これらも紅藻類から抽出されたポリマーであり、それらは互換的な1,4−L−ガラクトースと1,3−D−ガラクトース残基からなる。このファミリーのポリサッカリドも、上述の文献"Food Gels"(非特許文献2)の第1章に記載されている。第三のファミリーのポリサッカリドは、ゲランとして既知である細菌起源のポリサッカリドからなる。これらは、グルコース、グルクロン酸、及びラムノース残基の交互物からなるポリサッカリドである。ゲランは、上述の文献"Food Gels"(非特許文献3)の第6章に特に記載されている。特に塩の添加によって誘導される、架橋タイプのゲルを形成するポリサッカリドの場合、アルギネートとペクチンのファミリーに属するポリサッカリドが挙げられる。
プルラン及びそれらの誘導体、並びに静電相互作用を介して複合体を形成する反対の荷電を有するポリマーの混合物のまた挙げられる。
引き締めポリサッカリドは、仏国特許第2 829 025号(特許文献8)に記載されたミクロゲルの形態で存在する。
本発明によって使用できる特に有利なポリサッカリドのカテゴリーは、デンプン及びその誘導体からなる。
デンプンは、当業者に周知の天然産物である。それは直鎖状または分枝状の、α−D−グルコピラノシル単位からなるポリマーまたはポリマーの混合物からなる。デンプンは特に、"Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 第3版, Volume 21, pp. 492-507, Wiley Interscience, 1983"(非特許文献4)に記載されている。
本発明によって使用されるデンプンは、コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバ、マメ、コムギ、オートムギ等といったいずれかの起源を有することができる。それは天然のものでもよく、または架橋、アセチル化、または酸化タイプの処理によって任意に変性できる。それは任意にグラフトできる。
c)混合シリケート
本発明によって使用できる別のカテゴリーの引き締め剤は、混合シリケートからなる。呼の用語は、アルカリ金属(例えばNa、Li、K)またはアルカリ土類金属(例えばBe、Mg、Ca)、及び遷移金属から選択されるいくつかのタイプのカチオンを含む天然または合成起源の全てのシリケートを意味するように解される。
好ましくはフィロシリケート、特にSiOテトラヘドラがシート状に整列し、その間で金属カチオンが取り囲まれるように見いだされる構造を有するシリケートの使用が挙げられる。
引き締め剤として特に好ましいシリケートのファミリーは、ラポナイトのファミリーである。ラポナイトは、モンモリロナイトの構造と同様の層状構造を有するマグネシウム、リチウム、及びナトリウムシリケートである。ラポナイトは、「ヘクトライト」と称される天然のミネラルの合成形態である。例えばRockwood社によりLaponite XLSまたはLaponite XLGの名称で市販されているラポナイトの使用が挙げられる。
d)ワックス微小分散物
本発明で使用できる引き締め剤のまた別のカテゴリーは、ワックス粒子の微小分散物からなる。それらは、一般的に5μm未満、より好適には0.5μm未満の直径を有する粒子の分散物であり、例えばカルナウバ、カンデリラ、及びアルファワックスから選択されるワックスまたはワックスの混合物から必須になる。ワックスまたはワックスの混合物の融点は好ましくは50℃から150℃の間である。
e)無機フィラーのコロイド状粒子
別の変形例では、本発明に係る引き締め剤として、無機フィラーのコロイド状粒子の使用が挙げられる。用語「コロイド状粒子」は、0.1から100nmの間、好ましくは3から30nmの間の数量平均径を有する、水性、水性/アルコール性、またはアルコール性媒体中に分散したコロイド状粒子を意味するように解される。
これらの粒子は水性分散物の形態で提供され、水中、アルコール中、オイル中、及びいずれの他の溶媒中でいずれの引き締め特性をも有さない。水中に15重量%以上の濃度で、かくして得られた溶液の粘度は、10s−1の剪断速度で0.05Pa.s未満である。粘度の測定は、60mmの直径、2°の角度の寸法を有する測定コーン/プレート形状で、Haake社製のRheostress RS150レオメーターを使用して25℃で実施される。
無機フィラーの例として、シリカ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、及び二酸化チタンが含まれる。シリカは特に無機フィラーが好ましい。コロイド状シリカ粒子は、特にCosmo S-40及びCosmo S-50の商標名でCatalysts & Chemicals社から、水性コロイド状シリカ分散物の形態で入手可能である。
無機フィラーのコロイド状粒子の特定の例は、シリカ/アルミナ複合体コロイド状粒子であることができる。用語「シリカ/アルミナ複合体」は、アルミニウム原子が部分的にシリカ原子によって置換されているシリカ粒子を意味するように解される。
7のpHでは、本発明に係るシリカ/アルミナ複合体コロイド状粒子は、−20mV未満、好ましくは−25mV未満のゼータ電位を有する。前記測定は、Coulter Scientific Instrument社製のDelsa 440SX装置を使用して25℃で実施される。
本発明に係る組成物で使用できるシリカ/アルミナ複合体コロイド状粒子として、例えばLudox AM、Ludox HSA、及びLudox TMAの名称でGrace社により市販されているものが挙げられる。
組成物中に存在する引き締め剤の性質が何であれ、それは組成物の全重量の0.1から20重量%、好ましくは1から10重量%の範囲の含量で組成物中に存在する。
上述の通り、前記組成物は、グラフトエチレン性ポリマーの液体脂肪相中の固体粒子の分散物を含む。
そのような固体粒子の分散物を形成するために、前記ポリマーは、主鎖を構成するモノマー(例えば短いアルキルアクリレートまたはメタクリレートモノマーから主になる)と、グラフトを構成するマクロモノマー(例えばポリマーの重量の20%未満を占める割合で存在する)の注意深い選択から生ずる。
引き締め剤と組み合わせたそのような分散物は、それを取り込む組成物に対して、引き締め皮膜の強化しながら、それの柔軟特性に寄与する能力によって、永続的な引き締め効果を与える。この永続性は、特に引き締め皮膜の機械的特性の改善の測定(とりわけ破壊強度の改善の測定)によって本発明に従って定量され、ならびに本明細書の実験例の部分に存在するプロトコールにおいて説明される。
この分散物は有利には、活性物質として、組成物の全重量に対して0.01から20%、好ましくは1から10%の範囲の含量で組成物中に存在し、前記分散物は好ましくは、多くとも引き締め剤と同量で存在する。
本発明の特定の実施態様によれば、液体脂肪相中の固体粒子の分散物を形成する(且つ引き締め効果を強化する試薬の役割を実現する)グラフトエチレン性ポリマーは、前記液体脂肪相に不溶性である骨格と、前記骨格に共有結合した側鎖からなる、前記液体脂肪相に可溶性である部分を含む。
特に、グラフトエチレン性ポリマーは、グラフトアクリルポリマーであることができる。
そのようなグラフトアクリルポリマーは、特に前記液体脂肪相中の以下のもののラジカル重合によって得ることが可能である:
−前記不溶性骨格を形成するために、少なくとも一つのアクリルモノマー、及び任意に少なくとも一つの付加的な非アクリルビニルモノマー;及び
−側鎖を形成するために、200以上の重量平均分子量を有し、重合した際の含量が前記ポリマーの0.05から20重量%を占める重合可能な末端基を含む少なくとも一つのマクロモノマー。
前記ポリマーの重量平均分子量は、本発明によれば、10000から300000、好ましくは20000から200000、より好適には25000から150000の範囲であることができる。
前記ポリマーの骨格を構成するモノマー、及びマクロモノマーの選択、並びに前記ポリマーの重量平均分子量、側鎖の選択、及び前記側鎖の割合は、前記相中のポリマーの固体粒子の分散物、有利には安定な分散物を得るために、選択された液体脂肪相に従って実施することができ、この選択は当業者により実施可能である。
用語「安定な分散物」は、特に例えば4000回転/分で15分間遠心分離した後、固体沈着物の形成または固体/液体相分離ができない分散物を意味するように解される。
グラフトアクリルポリマーは、ランダムポリマーであることができる。
かくしてグラフトアクリルポリマーは、特に一つ以上のアクリルモノマーの重合から生ずるアクリル単位の連続からなる骨格(または主鎖)と、前記主鎖に共有結合した、マクロモノマーの反応から生ずる側鎖(またはグラフト)を含む。
骨格(または主鎖)は、考慮される液体脂肪相中に不溶性である一方で、側鎖(またはグラフト)は、前記相中に可溶性である。
上述の特徴によって、所定の液体相中で、前記ポリマーはそれら自体で凝集する能力を有し、かくして実質的に球状の粒子を形成し、側鎖がこれらの粒子の周辺部で開いており、側鎖がこれらの粒子に安定性を与える。そのような粒子は、グラフトポリマーの特徴から由来し、前記相中で集塊せず、かくして自己安定化し、ポリマー粒子の特に安定な分散物を形成する特徴的な性質を有する。
特に本発明のポリマーは、考慮される液体脂肪相中で、10から400nm、好ましくは20から200nmの範囲の平均サイズを有するナノ粒子を形成できる。
この非常に小さいサイズのため、分散したグラフトポリマー粒子は特に安定であり、かくして集塊を形成することにあまり感受性ではない。
かくしてグラフトポリマー分散物は、考慮される相中で安定である分散物であることができ、それが環境温度(25℃)で長期的な期間(例えば24時間)配置されても沈降物を形成しない。
前記粒子のサイズは、各種の方法によって測定できる。特に光散乱法(動的及び静的)、コールターカウンター法、沈降速度による測定(ストーク法則を介したサイズに関する)、及び顕微鏡測定が挙げられる。これらの方法は、粒径を測定することを可能にし、それらのあるものは粒径分布を測定できる。
好ましくは、本発明に係る組成物の粒子の粒径及び粒径分布は、Malvern社製のMasterSizer 2000タイプの市販の粒径サイズ測定器を使用して、静的光散乱によって測定される。ミー散乱理論に基づいてデータを加工する。この理論は、等方性の粒子について正確であり、非球状の粒子の場合、「有効な」粒径を測定することが可能であり。この理論は、Van de Hulst, H.C.,による文献、"Light Scattering by Small Particles", Chapter 9と20, Wiley, New York, 1957(非特許文献5)に特に記載されている。
前記組成物は、以下の等式で規定される体積当たりの「有効な」直径D[4,3]の意味によって特徴づけされる:
Figure 2007529482
[式中、Vは有効直径dを有する粒子の体積を表す]。このパラメータは、粒径測定器の技術文献に特に記載されている。
この測定は、以下の方法によって組成物から得られる粒子の希釈分散物に対して25℃で実施される:
1)水で100倍に希釈する;
2)溶液をを均一化する;
3)18時間溶液を静置する;
4)灰色の均一な上清を回収する。
「有効な」直径は、水についての1.33の屈折率と、粒子についての1.42の平均屈折率を考慮することにより得られる。
有利にはアクリルモノマーは、アクリルモノマー+任意の非アクリルビニルモノマー混合物の50から100重量%、好ましくは55から100重量%(特に55から95重量%)、より好ましくは60から100重量%(特に60から90重量%)を占める。
好ましくは、前記アクリルモノマーは、そのホモポリマーが考慮される液体脂肪相に不溶性であるモノマー、即ちそのホモポリマーが前記液体脂肪相中に環境温度(20℃)で5重量%以上の濃度で固体形態(または非溶解形態)であるモノマーから選択され、前記%は前記ホモポリマーと考慮される液体脂肪相からなる混合物の全重量に対して表される。
用語「アクリルモノマー」は本明細書において、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル((メタ)アクリレートとしても既知である)、(メタ)アクリル酸のアミド((メタ)アクリルアミドとしても既知である)から選択されるモノマーを意味するように解される。
単独でまたは混合物として、ポリマーの不溶性骨格を形成するために使用できるアクリルモノマーとして、以下のモノマーが挙げられる:
−(i)下式(IV)の(メタ)アクリレート:
Figure 2007529482
[式中、
−Rは水素原子またはメチル基を表し;
−Rは以下のものから選択される基を表す:
−1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基であって、前記基はその鎖中に、O、N、及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含むことができ;及び/または前記基は、−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)及び−NR’R”{式中、R’及びR”は同一または異なり、直鎖状または分枝状C−Cアルキル基から選択される}から選択される一つ以上の置換基を含むことができ;及び/または前記基は、少なくとも一つのポリオキシアルキレン基、特にC−Cアルキレン基、特にポリオキシエチレン及び/またはポリオキシプロピレンによって置換することができ、前記ポリオキシアルキレン基は5から30のオキシアルキレン単位の繰り返しからなる;
−3から6の炭素原子を含む環状アルキル基であって、前記基は、O、N、及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含むことができ;及び/または前記基は、OH及びハロゲン原子(F、Cl、Br、I)から選択される一つ以上の置換基を含むことができる
R2の例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシ(ポリオキシエチレン30OE)(OEはオキシエチレンを意味する)、トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、またはジメチルアミノプロピル基が挙げられる];
−(ii)下式(V)の(メタ)アクリルアミド:
Figure 2007529482
[式中、
−Rは水素原子またはメチル基を表し;
−R及びRは同一または異なり、水素原子、あるいは−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、及び−NR’R”{式中、R’及びR”は同一または異なり、直鎖状または分枝状C−Cアルキル基から選択される}から選択される一つ以上の置換基を含むことができる、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し;
−Rは水素原子を表し、Rは1,1−ジメチル−3−オキソブチル基を表し;
及びRが構成できるアルキル基の例として、n−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、及びジメチルアミノプロピル基が挙げられる];
−(iii)少なくとも一つのカルボン酸、リン酸、またはスルホン酸官能基、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、またはアシルアミドメチルプロパンスルホン酸を含む(メタ)アクリルモノマー;
前記モノマー類は、塩の形態で存在することができる。
これらのアクリルモノマーとしてとりわけ、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、(メタ)アクリルレン、及びそれらの塩が挙げられる。
好ましくはアクリルモノマーは、メチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びそれらの混合物から選択される。
付加的な非アクリルビニルモノマーとして、以下のものが挙げられる:
−下式(VI)のビニルエステル:
−COO−CH=CH (VI)
[式中、Rは1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基、または3から6の炭素原子を含む環状アルキル基、及び/または芳香族基、例えばベンゼン、アントラセン、及びナフタレンタイプを表す];
−少なくとも一つのカルボン酸またはスルホン酸官能基を含む非アクリルビニルモノマー、例えばクロトン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、及びこれらの塩;
−少なくとも一つの第三級アミン官能基を含む非アクリルビニルモノマー、例えば2−ビニルピリジンまたは4−ビニルピリジン;
−及びこれらの混合物。
塩の中では、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化アンモニウム、あるいはアルカノールアミンタイプの有機塩基、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、または2−メチル−2−アミノ−1−プロパノールを使用する酸基の中和によって得られるものが挙げられる。
例えば無機または有機酸を使用して、適切であれば第三級アミン単位の中和によって形成される塩も挙げられる。無機酸としては、硫酸、塩化水素酸、シュウ化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、またはホウ酸が挙げられる。有機酸として、一つ以上のカルボキシル、スルホ、またはホスホ基を含む酸が挙げられる。それらは、直鎖状、分枝状、または環状の脂肪酸、あるいは芳香族酸であることができる。これらの酸は、例えばヒドロキシル基の形態で、O及びNから選択される一つ以上のヘテロ原子を更に含むことができる。特に酢酸またはプロピオン酸、テレフタル酸、並びにクエン酸及び酒石酸が挙げられる。
グラフトポリマーは、上述の付加的な非アクリルビニルモノマーを含まないであろう。この実施態様では、グラフトポリマーの不溶性骨格は、上述のアクリルモノマー単独から形成される。
これらの非重合化アクリルモノマーは、考慮さされる媒体中に可溶性でも良いが、これらのモノマーの重合によって形成されるポリマーは、考慮される液体脂肪相中に不溶性であると解される。
本発明によれば、グラフトアクリルポリマーは、重合可能な末端基を有するマクロモノマーの重合から生ずる側鎖を含む。
用語「重合可能な末端基を有するマクロモノマー」は、その末端の一方のみで、アクリルモノマーと、任意に骨格を構成する付加的な非アクリルビニルモノマーとの重合反応の間で反応できる重合可能な末端基を含むいずれかのオリゴマーを意味するように解される。マクロモノマーは、グラフトアクリルポリマーの側鎖を形成することが可能である。マクロモノマーの重合可能な基は有利には、骨格を構成するモノマーとラジカル経路によって重合可能なエチレン性不飽和を含む基であることができる。
マクロモノマーは、鎖の末端の一方で、アクリルモノマー、及び任意に付加的なビニルモノマーとの重合の間で反応可能は重合可能な末端基を含み、グラフトポリマーの側鎖を形成する。前記重合可能な末端基は特に、ビニルまたは(メタ)アクリレート(または(メタ)アクリロイルオキシ)基、好ましくは(メタ)アクリレート基であることができる。
マクロモノマーは好ましくは、そのホモポリマーが25℃以下、特に−100℃から25℃の範囲、好ましくは−80℃から0℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有するマクロモノマーから選択される。
好ましくはマクロモノマーは、そのホモポリマーが考慮される液体脂肪相において可溶性である、つまり前記液体脂肪相中で環境温度(20℃)で5重量%以上の濃度で完全に溶解するマクロモノマーから選択され、前記%はホモポリマーと考慮される液体脂肪相からなる混合物の全重量に対して表される。
好ましくは、重合したマクロモノマー(グラフトポリマーの側鎖を構成する)は、ポリマーの全重量の0.1から15重量%、好ましくは0.2から10重量%、より好ましくは0.3から8重量%を占める。
マクロモノマーは一般的に、200より大きい、好ましくは300より大きい、より好適には500より大きい、更により好適には600より大きい重量平均分子量(Mw)を有する。それらは好ましくは、200から100000の範囲、好ましくは500から5000の範囲、より好ましくは800から20000の範囲、更により好ましくは800から10000の範囲、更に好適に好ましくは800から6000の範囲の重量平均分子量を有する。
本明細書では、重量平均分子量(Mw)と数量平均分子量(Mn)は、ゲル浸透液体クロマトグラフィー(溶媒THF、直線状ポリスチレンスタンダードで引かれた較正曲線、反射測定検出器)によって測定される。
上述の通り、本発明の強化剤は、液体脂肪相中のグラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の分散物を構成する。
この液体脂肪相は、以下に定義されるであろう一つ以上の液体有機化合物から主になる。
用語「液体有機化合物」は、環境温度(25℃)で液体状態で存在する、即ちそれ自体の重量の影響下で流動する非水性化合物を意味するように解される。
液体脂肪相に存在できる液体有機化合物として、以下のものが挙げられる:
−18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する液体有機化合物;
−20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有するモノアルコール;及び
−それらの混合物。
ハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターδは、文献"Polymer Handbook", 第3版, Chapter VII, pp. 519-559(非特許文献6)におけるEric A. Grulkeによる論文"Solubility parameter values"に、以下の関係式によって定義されている:
δ=(d +d +d 1/2
[式中、
−dは、分子衝突の間で誘導された双極子の形成から生ずるロンドン分散力を特徴づけ;
−dは、永久双極子の間のデバイ相互作用の力を特徴づけ;及び
−dは、特定の相互作用(水素結合、酸/塩基またはドナー/アクセプタータイプ等)の力を特徴付ける]。
ハンセンによる溶解度スペースにおける溶媒の定義は、C.M. Hansenによる論文、"The three-dimensional solubility parameters", J. Paint Technol., 39, 105 (1967)(非特許文献7)に記載されている。
第一の変形例によれば、液体脂肪相は、非シリコーン脂肪相であることができる。
用語「非シリコーン液体脂肪相」は、以下のものから選択される一つ以上の非シリコーン液体有機化合物を含む脂肪相を意味するように解される:
−18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する非シリコーン液体有機化合物;
−20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する液体モノアルコール;及び
−それらの混合物。前記非シリコーン化合物は、液体脂肪相中に主たる化合物として、特に液体脂肪相の全重量に対して少なくとも50重量%、特に50から100重量%、例えば60から99重量%、更には65から95重量%で存在する。
かくして前記非シリコーン液体脂肪相は、以下に記載されるもののようなシリコーン液体有機化合物またはシリコーンオイルを任意に含むことができ、それらは液体脂肪相の全重量に対して50重量%未満、特に0.1から40重量%の範囲、実際には1から35重量%の範囲、更には5から30重量%の範囲の量で存在できる。
本発明の特定の実施態様によれば、非シリコーン液体脂肪相は、シリコーン液体有機化合物またはシリコーンオイルを含まない。
18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する非シリコーン液体化合物は、以下のものから選択できる:
−単独でまたは混合物として、任意に分枝した炭素、炭化水素、またはフッ素化した天然または合成オイル;
−任意に揮発性、直鎖状、分枝状、及び/または環状のアルカン;
−エステル、特に少なくとも6の炭素原子、特に6から30の炭素原子を有する直鎖状、分枝状、または環状のエステル;
−エーテル、特に少なくとも6の炭素原子、特に6から30の炭素原子を有するエーテル;
−ケトン、特に少なくとも6の炭素原子、特に6から30の炭素原子を有するケトン。
オイルとしては、脂肪酸及びポリオール、特にトリグリセリドのエステルによって形成される植物オイル、たとえばヒマワリオイル、ゴマオイル、またはレープシードオイルが挙げられる。
任意に揮発性である直鎖状、分枝状、および/または環状アルカン、特に流動パラフィン、流動ワセリン、または水素化ポリイソブチレン、イソドデカン、または「イソパール」、揮発性イソパラフィンも挙げられる。
用語「20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する液体モノアルコール」は、少なくとも6の炭素原子、例えば6から30の炭素原子を有する飽和または不飽和の液体脂肪族脂肪モノアルコールであって、炭化水素鎖が置換基を含まないものを意味するように解される。本発明に係るモノアルコールとして、オレイルアルコール、デカノール、及びリノレイルアルコールが挙げられる。
そのような液体脂肪では、分散物を形成するポリマーは、本発明の一つの実施態様によれば、上述のようなグラフトアルキルポリマーであることができる。
好ましくは、そのようなグラフトポリマーに存在するマクロモノマーは、有利にはカーボンマクロモノマーである。
用語「カーボンマクロモノマー」は、非シリコーンマクロモノマー、特にエチレン性不飽和を含む非シリコーンモノマー(類)の重合によって、特にアクリル及び/または非アクリルビニルモノマーの重合によって得られるオリゴマー状マクロモノマーを意味するように解される。
カーボンマクロモノマーとして特に以下のものが挙げられる:
−(i)ビニルまたは(メタ)アクリレート基から選択される重合可能な末端基を示す直鎖状または分枝状C−C22アルキル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマーであって、特に以下のものが挙げられる:モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ドデシルアクリレート)またはポリ(ドデシルメタクリレート)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ステアリルアクリレート)またはポリ(ステアリルメタクリレート)マクロモノマー。
そのようなマクロモノマーは、特許出願EP 895 467(特許文献9)及びEP 96 459(特許文献10)並びにGillman K.F.による文献Polymer Letters, Vol. 5, pages 477-481 (1967)(非特許文献8)に記載されている。
特にモノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)またはポリ(ドデシルアクリレート)に基づくマクロモノマーが挙げられる。
−(ii)エチレン性不飽和を含む末端基を有する、特に(メタ)アクリレート末端基を有するポリオレフィン。そのようなポリオレフィンの例として、以下のマクロモノマーが挙げられ、それらは(メタ)アクリレート末端基を有するものと解される:ポリエチレンマクロモノマー、ポリプロピレンマクロモノマー、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーマクロモノマー、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーマクロモノマー、ポリイソブチレンマクロモノマー;ポリブタジエンマクロモノマー、ポリイソプレンマクロモノマー、ポリブタジエンマクロモノマー、ポリ(エチレン/ブチレン)−ポリイソプレンマクロモノマー。
そのようなマクロモノマーは、米国特許第5 625 005(特許文献11)に特に記載されており、その文献は、(メタ)アクリレート反応性末端基を含むポリエチレン/ポリブチレン及びポリエチレン/ポリプロピレンマクロモノマーを言及している。
特にポリ(エチレン/ブチレン)メタクリレート、例えばKraton Polymers社によりKtaron Liquid L-1253の名称で市販されているものが挙げられる。
本発明の文脈で特に有効である組成物は、分散物(強化剤の役割を果たす)がメチルアクリレートとマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレート(特にKraton L-1253)とのイソドデカン中での重合によって得られる分散物であり、引き締め剤が好ましくはコロイド状シリカ分散物である組成物である。
本発明の文脈で特に有効である別の組成物は、分散物(強化剤の役割を果たす)がメチルメタクリレートとマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレート(特にKraton L-1253)とのイソドデカン中での重合によって得られる分散物であり、引き締め剤が好ましくはメチルメタクリレート、アクリル酸、及びマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレート(特にKraton L-1253)のイソドデカン中での重合によって得られる分散物である組成物である。
第二の変形例によれば、液体脂肪相はシリコーン脂肪相であることができる。
用語「シリコーン液体脂肪相」は、17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメータを有するシリコーン液体有機化合物から選択される一つ以上のシリコーン液体有機化合物を含む脂肪相を意味するように解され、前記シリコーン化合物は、液体脂肪相における主要な成分として、つまり液体脂肪相の全重量に対して少なくとも50重量%、特に50から100重量%、例えば60から99重量%、更には65から95重量%で存在する。
かくして前記シリコーン液体脂肪相は、上述の非シリコーン液体有機化合物または非シリコーンオイルを任意に含むことができ、それらは液体脂肪相の全重量に対して50重量%未満、特に0.1から40重量%の範囲、実際には1から35重量%の範囲、更には5から30重量%の範囲の量で存在できる。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーン液体脂肪相は、非シリコーン液体有機化合物を含まない。
上述の定義に対応するシリコーン化合物としては、シリコーンオイル、例えば任意にフッ素化された脂肪族及び/または芳香族基、あるいは官能基、例えばヒドロキシル、チオール、及び/又はアミン基によって任意に置換されたポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサン、及び揮発性シリコーンオイル、特に環状オイルが挙げられる。
特に任意に分枝状の揮発性及び/または非揮発性のシリコーンオイルが挙げられる。
用語「揮発性オイル」は、環境温度且つ大気圧下で、10−3から300mmHg(0.13Paから40000Pa)の範囲の蒸気圧を特に有する、1時間未満で皮膚または唇から蒸発可能なオイルを意味するように解される。
本発明で使用できる揮発性シリコーンオイルとして、任意に1から10の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を含む、2から7のケイ素原子を有する直鎖状または環状シリコーンオイルが挙げられる。特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びそれらの混合物が挙げられる。
非揮発性シリコーンオイルとして、非揮発性ポリジアルキルシロキサン、例えば非揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS);ペンダント状のアルキル、アルコキシ、またはフェニル基、あるいはシリコーン鎖の末端でのアルキル、アルコキシ、またはフェニル基(2から24の炭素原子を有する基)を含むポリジメチルシロキサン;フェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、またはポリメチルフェニルシロキサン;脂肪酸(特にC−C20脂肪酸)、脂肪アルコール(特にC−C20脂肪アルコール)、またはポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/またはポリオキシプロピレン)で修飾されたポリシロキサン;アミノ化ポリシロキサン;ヒドロキシル基を含むポリシロキサン;ペンダント状フッ素化基、またはシリコーン鎖の末端でフッ素化基(1から12の炭素原子を有し、その全てまたは一部の水素がフッ素原子によって置換されている)を含むフッ素化ポリシロキサン;並びにそれらの混合物が挙げられる。
そのような液体脂肪相では、分散物を形成するポリマーは、本発明の一つの実施態様によれば、上述のもののようなグラフトアクリルポリマーであることができる。
好ましくは、そのようなグラフトアクリルポリマーに存在するマクロモノマーは、有利にはシリコーンマクロモノマーである。
用語「シリコーンマクロモノマー」は、オルガノシロキサンマクロモノマー、特にポリジメチルシロキサンマクロモノマーを意味するように解される。
シリコーン液体相において、強化剤として有効である分散物を形成するポリマーは、前記相において以下のもののラジカル重合によって得られることができるポリマーから選択されるものである:
−前記不溶性骨格を形成するための、単独でまたは混合物としてC−Cアルキル(メタ)アクリレートから選択される主たる(つまり50重量%より多くを占める)アクリルモノマー、並びに任意にアクリル酸、メタクリル酸、及び以下の式(VII)のアルキル(メタ)アクリレート、及びそれらの塩から選択される一つ以上の付加的(つまり50重量%未満を占める)アクリルモノマー;
−及び上述の重合可能な末端基を含む少なくとも一つのシリコーンマクロモノマー。
主たるアクリルモノマーとして、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、及びイソプロピルメタクリレート、並びにそれらの混合物の使用が挙げられる。とりわけ好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、及びエチルメタクリレートが挙げられる。
付加的なアクリルモノマー以下のものから選択できる:
−(メタ)アクリル酸またはその塩;
−式(VII)の(メタ)アクリレート及びその塩:
Figure 2007529482
[式中、
−R’は水素原子またはメチル基を表し;
−R’は以下のものを表し:
−1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基であって、鎖中に一つ以上の酸素原子を含み、及び/または−OH、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、及び−NR’R”{式中R’及びR”は同一または異なり、直鎖状または分枝状C1−C3アルキル基から選択される}から選択される一つ以上の置換基を含む
−3から6の炭素原子を含む環状アルキル基であって、前記基は鎖中に一つ以上の酸素原子を含むことができ、及び/または前記基はOH及びハロゲン原子(F,Cl,Br,I)から選択される一つ以上の置換基を含むことができる;または
−それらの混合物]。
R’の例として、メトキシエチル、エトキシエチル、トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、またはジメチルアミノプロピル基が挙げられる。
これらの付加的なアクリルモノマーとしてはとりわけ、(メタ)アクリル酸、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。とりわけ好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸が挙げられる。
シリコーンマクロモノマーとして特に、モノ(メタ)アクリレート末端基を含むポリジメチルシロキサン、特に下式(VIII)のものが挙げられる:
Figure 2007529482
[式中、
−Rは水素原子またはメチル基を表し;
−Rは1から10の炭素原子を有し、任意に一つまたは二つのエーテル−O−結合を含む二価炭化水素基を表し;
−R10は1から10の炭素原子、特に2から8の炭素原子を有するアルキル基を表し;
−nは1から300の範囲、好ましくは3から200の範囲、より好ましくは5から100の範囲の整数を表す]。
特にモノ(メタ)アクリレート末端基を含むポリジメチルシロキサン、特にモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサン、例えばUnited Chemical Technologies Inc.(UCT)によりPS560-K6の名称で、またはGelest Inc.によりMCR-M17の名称で市販されている製品が挙げられる。
本発明の文脈で特に有効である組成物は、分散物(強化剤の役割を果たす)がメチルアクリレートとマクロモノマーモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンとのシクロペンタジメチルシロキサン中での重合によって得られる分散物であり、引き締め剤が好ましくはコロイド状シリカ分散物である組成物である。
本発明の文脈で有効である別の組成物は、分散物(強化剤の役割を果たす)がメチルメタクリレートとマクロモノマーモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンとのシクロペンタジメチルシロキサン中での重合によって得られる分散物であり、引き締め剤がポリジメチルシロキサングラフトによってグラフトされたイソブチル(メタ)アクリレートまたはtert−ブチル(メタ)アクリレートを含む骨格を含むコポリマーである組成物である。
グラフトポリマー粒子の分散物は、上述の定義に対応する液体脂肪相中での、上述の一つ以上のアクリルモノマー(及び任意に一つ以上の付加的な非アクリルビニルモノマー)と、上述の一つ以上のマクロモノマーとのラジカル共重合の段階を含む方法によって調製できる。
従来では、共重合は重合開始剤の存在下で実施できる。重合開始剤はラジカル開始剤であることができる。一般的にそのような重合開始剤は、有機過酸化化合物、例えばジラウロイルパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、またはtert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、あるいはジアゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、またはアゾビスジメチルバレロニトリルから選択できる。
前記反応は、光開始剤を使用して、または放射線、例えば紫外線、ニュートロン、またはプラズマによって開始することもできる。
一般的に、この方法を実施するために、少なくとも液体脂肪相の一部、重合後に不溶性骨格を構成するであろうアクリル及び/または付加的ビニルモノマーの一部、全てのマクロモノマー(ポリマーの側鎖を構成するであろう)、及び重合開始剤の一部が、生産されるポリマーの量に適したサイズを有する反応器に導入される。この導入段階で、反応媒体は比較的均一な媒体を形成する。
反応媒体はその後攪拌され、モノマーとマクロモノマーの重合を得るための温度に加熱する。所定時間の後、最初の均一で透明な媒体は、乳状の外観の分散物を生じる。モノマーと重合開始剤の残余の部分からなる混合物をその後添加する。適切な時間の後、混合物を攪拌しながら過熱する間、媒体は乳状の外観の形態で、粒子が作成された液体脂肪相中で安定化されたポリマーの粒子を含む分散物を安定化し、前記安定化は、ポリマー中の前記媒体に可溶性の側鎖の存在のために生ずる。
ポリマー分散物は、組成物中に3から95重量%の活性物質の割合で、特に組成物の全重量に対して4から90重量%、実際には20から70重量%で存在できる。
最後に、引き締め皮膜の機械的特性を改良する、分散物を構成するグラフトポリマーは有利には、40℃以下のガラス転移温度を示すことに注意すべきである。
本発明によれば、上述のポリマー分散物は、化粧品組成物で使用される。
本発明に係る組成物は、上述のように、上述のポリマーが分散物を形成する脂肪相を含む。
前記脂肪相は、例えば組成物全重量の0.5から80%、好ましくは1から55%、より好適には1から25%を占める。
前記組成物はまた有利には、引き締め剤が一般的に見出される水性相を含むが、引き締め剤は別の形態では、その性質に依存して脂肪相に見出すことができる。
かくして本発明の組成物は、エマルション、特に水中油型(O/W)、または油中水型(W/O)、または複相(W/O/W若しくはポリオール/O/W若しくはO/W/O)エマルション、クリーム、ゲル、乳液、ペースト、フォーム、若しくは二相または複相ローション形態であることができる。
前記化粧品組成物は、上述のポリマー(類)に加えて、顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体を含むであろうと解される。
前記生理学的に許容可能な媒体は一般的に、化粧品的に許容可能な、即ち美容的使用と適合的な好ましい臭気、好ましい着色、及び好ましい間隔を示し、ユーザーにそれを使用することを避けさせる不快感(ヒリヒリ感、突っ張り感、赤み)を生じないものである。
本発明に係る組成物は、化粧品で一般的に使用される成分、例えば増粘剤、金属イオン遮蔽剤、香料、塩基性化剤若しくは酸性化剤、防腐剤、サンスクリーン剤、界面活性剤、フィラー、顔料及び色素、並びにそれらの混合物を含むことができる。
それはまた、上述のポリマーに対して補完的な効果を有する抗老化活性成分、例えば剥離剤、保湿剤、ケラチノサイトの増殖及び/または分化を刺激する試薬、コラーゲン及び/またはエラスチンの合成を刺激する試薬、またはそれらの分解を防止する試薬、脱色剤、抗グリケーション剤、グリコサミノグリカンの合成を刺激する試薬、皮膚脱収縮剤、または筋弛緩剤、抗酸化剤、及びフリーラジカルを打ち消す試薬、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも一つの化合物を含むことができる。
もちろん当業者は、このまたはこれらの任意に付加的化合物及びその量を選択するのに注意を払い、本発明に係る対応する組成物の有利な特性が、考慮される添加によって負に影響されない、または実質的に負に影響されないようにするであろう。
前記組成物は一般的に、常法に従って、例えば処理されることが企図される皮膚、特に目の周辺の皮膚に対するクリーム、ゲル、漿液、またはローションの適用によって適用される。この方法の文脈では、前記組成物は例えば、ケア組成物またはメイクアップ組成物、特にファンデーションであることができる。
本発明は、第二の特徴点によれば、顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体中に、
−組成物の全重量に対して0.1から20重量%の、無機フィラーのコロイド状粒子の形態で存在する、少なくとも一つの引き締め剤;及び
−グラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相中への少なくとも一つの分散物
を含む化粧品組成物に関する。
本発明は、第三の特徴点によれば、上述の引き締め剤によって提供される引き締め効果の永続性を改良するための、上述のエチレン性ポリマーの固体粒子の分散物の使用に関する。
引き締め効果の永続性は、本明細書の実験例の部分に記載されている試験によって定量できる。
第四の特徴点によれば、本発明は、皮膚の白色化を防止する一方で、引き締め剤によって誘導される引き締め効果の永続性の改良を提供するための、引き締め剤として、コロイド状無機粒子、特にシリカの水性分散物を含む化粧品組成物における、上述の植物オイルのような液体脂肪相中の上述のエチレン性ポリマーの固体粒子の分散物の使用に関する。
本発明は、以下の実施例を参考にして記載され、それらは説明の目的のためのものであり、如何なる制限的性格をも有さない。
各種のポリマーと製剤を、引き締め剤と組み合わせて上述のポリマーを取り込ませて調製し、これらの組成物におけるそのようなポリマーの使用によって誘導される引き締め効果の永続性の改良を示すために試験した。
ポリマーと製剤の調製の詳細な説明を示す前に、上述のポリマー/引き締め剤の組み合わせによって誘導される引き締め効果の永続性を定量することが可能な二つのプロトコールを記載する。
*引き締め効果の永続性の定量のためのプロトコール
*第一のプロトコール
試験の原理
求められている永続特性は、強化剤として作用する化合物の導入によって達成され、これらの化合物は前述の分散物形態のグラフトエチレン性ポリマーである。使用される化合物の強化能力は、材料(ここでの場合抗シワクリーム)の破壊強度の測定から定量された。
前記試験は、可撓性で変形可能なフォームの表面に沈着した物質に、破壊点まで圧縮下でストレスをかけることを含む。フォームから形成されたこの支持体の使用は、表面に沈着した物質に対して有意な変形を生じ、隠してその破壊強度を定量することを可能にする。圧縮機械的ストレスは、1mmの直径を有するシリンダー状プローブを使用して発揮され、プローブの変位速度は0.1mm/sである。この試験は、Stable Micro System社により市販されているTA.XT2iテクスチャー分析器を使用して実施される。かくして変位d(mm単位)の関数としての力F(N単位)の曲線を得て、そこから材料の破壊点Fbreak(N)を測定することが可能である(図1に表されているものによる)。
物質の破壊強度を定量するために二つのパラメーターを選択する:
(1)Fbreak(N):破壊時の力
(2)Wbreak(J/m):破壊時のエネルギー:曲線Force=f(d)の下部の領域/プローブの領域
基体は13mmの厚みを有するネオプレンフォームからなる。物質(本発明の抗シワ組成物)をこの基体に沈着し、24時間後、15から30μmの厚みを有する皮膜を得る。650μmウェット(即ち乾燥前)を沈着する皮膜ドローアーを使用して、沈着した層を生産する。
*第二のプロトコール
この第二のプロトコールは、in vitro収縮試験により、本発明の組成物によって誘導される永続的なき締め効果を定量することを目指す。
とりわけこのプロトコールは、20MPaのオーダーのモジュラスを有し、100μmの厚みを有するエラストマーで形成された基体に沈着した組成物の永続的な引き締め効果をin vitroで定量することを含む。
第一の工程では、20重量%で引き締め剤を含む組成物を、エラストマーから形成された長方形の試験標本(10×40mm)の形態の基体に30μlの量で沈着させる。22±3℃で40±10%の相対湿度で3時間乾燥させた後、基体上のこの沈着した層によって発揮される引き締めと、その後の引き締め効果は、前記試験標本の中央で一定の幅の減少に直接的に関連する。次いでこの引き締め効果(TE)は、以下の態様で定量される:
TE=(L−L3h/L)×100(%として表される)
[式中、
−Lは試験標本の初期の幅、即ち10mmを表し;
−L3hは3時間乾燥させた後の試験標本の幅を表す]。
第二の工程では、その後試験標本を手動で50%(試験標本の長さは40mmから60mmまで変化する)まで引っ張り、初期の長さに戻した後、その幅を再び測定して、ストレス付与の後の引き締め効果の永続性(TE)を定量する。
この量TEは、以下の態様で定量される:
TE=(L−L100%/L)×100(%として表される)
[式中、
−Lは試験標本の初期の幅、即ち10mmを表し;
−L100%は試験標本を上記の変形に供し、初期の長さにもとぢたの値の試験標本の幅を表す]。
この量TEが大きければ、引き締め効果の永続性も大きい。
比較例
この実施例は、水性コロイド状シリカ分散物(Cosmo S40)の形態の引き締め剤を含む化粧品組成物は説明し、前記組成物は、本発明に係る分散物形態のグラフトエチレン性ポリマーを含まない。
組成は以下の通りである:
Figure 2007529482
前記組成物は、以下の態様で調製される。
水、フェノキシエタノール、金属イオン遮蔽剤、及びキサンタンゴムからなる相を75℃に加熱する。増粘ポリマー(つまりポリアクリルアミド)をその後そこに取り込ませる。均一なゲルが得られるまで、混合物を攪拌する。
グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ジミリスチルタートレート、セテアリールアルコール、C12−C15−パレス−7、PPG−25−ラウレス−25、シクロヘキサシロキサン、及びステアリルアルコールからなる相を75℃に加熱する。その後この相を上述の相に取り込ませ、エマルションを生産する。その後水性コロイド状シリカ分散物を40−45℃でエマルションに取り込ませ、完全に冷却するまで攪拌を維持する。
実施例1
この実施例は、カーボン溶媒中の粒子の分散物を形成するポリマーの調製と使用を説明し、前記ポリマーは、メチルアクリレートとマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレート(Kraton L-1253)のイソドデカン中の重合によって得られる。
*分散物の調製
50gのヘプタン、50gのイソドデカン、7gのメチルアクリレート、3gのポリエチレン/ポリブチレンメタクリレートタイプのマクロモノマー(Kraton L-1253)、及び0.8gのtert−ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)(Trigonox 21S)を500mlの反応器にチャージする。
反応混合物を攪拌し、環境温度から1時間掛けて90℃に加熱する。90℃で15分後、透明な外観から乳状の外観への反応媒体の外観の変化を観察する。さらに15分間攪拌しながら加熱を維持し、次いで40gのメチルアクリレートと0.5gのTrigonox 21Sからなる混合物を1時間に亘り滴下する。
その後混合物を90℃で4時間放置し、次いでヘプタンを反応媒体から蒸留する。
この蒸留操作の結果、かくして調製されたポリマー粒子の分散物を得、それはイソドデカン中で安定である。このポリマーと前記ポリマーから形成された粒子の特徴は以下の通りである:
粒子サイズ:25℃でMalvern Autosizer Lo-Cで実施して46mm;
固体含量:サーモバランスで実施してイソドデカン中に50%;
重量平均分子量Mw:119200;
数量平均分子量Mn:31900;
多分散度(Mw/Mn):3.74;
使用されるマクロモノマーの分子量:4000;
ガラス転移温度:<40℃(動的機械的熱分析(DMTA)によって測定)。
*組成物の調製
組成物は以下の成分を含む:
Figure 2007529482
この実施例の組成物は、上記比較例と同じ態様で調製され、この調製物は、水性コロイド状シリカ分散物を導入の後に、エマルション中に40-45℃で上記調製されたポリマーの導入を更に含む。
実施例2
この実施例は、シリコーン溶媒中の粒子の分散物を形成するポリマーの調製と使用を説明し、前記ポリマーは、メチルアクリレートとモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンに対応するマクロモノマーのシクロペンタジメチルシロキサン中の重合によって得られる。
*分散物の調製
50gのヘプタン、50gのシクロペンタジメチルシロキサン、7.5gのメチルアクリレート、2.5gのモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンタイプのマクロモノマー、及び0.8gのtert−ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)(Trigonox 21S)を500mlの反応器にチャージする。
反応混合物を攪拌し、環境温度から1時間掛けて90℃に加熱する。90℃で15分後、透明な外観から乳状の外観への反応媒体の外観の変化を観察する。さらに15分間攪拌しながら加熱を維持し、次いで40gのメチルアクリレートと0.5gのTrigonox 21Sからなる混合物を1時間に亘り滴下する。
その後混合物を90℃で4時間放置し、次いでヘプタンを反応媒体から蒸留する。
この蒸留操作の結果、かくして調製されたポリマー粒子の分散物を得、それはシクロペンタジメチルシロキサン中で安定である。このポリマーと前記ポリマーから形成された粒子の特徴は以下の通りである:
粒子サイズ:25℃でMalvern Autosizer Lo-Cで実施して162mm;
固体含量:サーモバランスで実施してシクロペンタジメチルシロキサン中に51.4%;
重量平均分子量Mw:104400;
数量平均分子量Mn:28500;
多分散度(Mw/Mn):3.67;
使用されるマクロモノマーの分子量:5000;
ガラス転移温度:<40℃(動的機械的熱分析(DMTA)によって測定)。
*組成物の調製
組成物は以下の成分を含む:
Figure 2007529482
この実施例の組成物は、上記比較例と同じ態様で調製され、この調製物は、水性コロイド状シリカ分散物を導入の後に、エマルション中に40-45℃で上記調製されたポリマーの導入を更に含む。
実施例3
この実施例は、メチルアクリレート、アクリル酸、及びマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレート(Kraton L-1253)の重合によって得られる、カーボン溶媒中のポリマーの固体粒子の調製を説明する。この分散物は、本発明の文脈で引き締め剤として使用される。
この特定の分散物の調製方法は以下の通りである:
50gのヘプタン、50gのイソドデカン、3.5gのメチルアクリレート、、2.5gのアクリル酸、4gのマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレート(Kraton L-1253)、及び0.8gのtert−ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)(Trigonox 21S)を500mlの反応器にチャージする。
反応混合物を攪拌し、環境温度から1時間掛けて90℃に加熱する。90℃で15分後、透明な外観から乳状の外観への反応媒体の外観の変化を観察する。さらに15分間攪拌しながら加熱を維持し、次いで17.5gのメチルアクリレート、22.5gのアクリル酸、及び0.5gのTrigonox 21Sからなる混合物を1時間に亘り滴下する。
その後混合物を90℃で4時間放置し、次いでヘプタンを反応媒体から蒸留する。
この蒸留操作の結果、かくして調製されたポリマー粒子の分散物を得、それはイソドデカン中で安定である。このポリマーと前記ポリマーから形成された粒子の特徴は以下の通りである:
粒子サイズ:25℃でMalvern Autosizer Lo-Cで実施して63mm;
固体含量:サーモバランスで実施してイソドデカン中に53.6%;
使用されるマクロモノマーの分子量:4000;
実施例4:第一のプロトコールによる永続的な引き締め効果の説明
上述の引き締め効果の永続性を定量するためのプロトコールは、比較例及び実施例1と2の3種の組成物について実施した。
このプロトコールは、抗シワ組成物内に一度導入された実施例1(イソドデカン中)及び実施例2(シクロペンタジメチルシロキサン中)の分散物の形態のポリマーの強化能力を定量することを目指す。
得られた結果は、以下の表に組み合わされている。
Figure 2007529482
これらの結果は、引き締め剤の存在下で研究された2種の分散物の強化の役割を説明する。この強化の役割は、力及び破壊時のエネルギーの増大によって説明される。
実施例5:第二のプロトコールによる永続的な引き締め効果の説明
第二のプロトコールを、以下の組成物について実施した:
−イソドデカン中に、実施例3のポリマーの分散物単独からなる組成物(組成物aと称する);
−イソドデカン中に、実施例3の分散物と実施例1の分散物との90/10の比の混合物からなる組成物(組成物bと称する);
−シクロペンタジメチルシロキサン中に、イソブチルメタクリレート、アクリル酸、及びCTFAシリコーンマクロモノマー(上述の通り)のコポリマーの23重量%の分散物(3M社により参照名SA70で市販されている)の引き締め剤単独からなる組成物(組成物cと称する);
−シクロペンタジメチルシロキサン中に、引き締め剤SA70と実施例2で調製された分散物の90/10の比の混合物からなる組成物(組成物dと称する)。
この第二のプロトコールによって得られた結果は、以下の表に組み合わされている。
Figure 2007529482
本発明に係る分散物を含む組成物は、そのような分散物を含まない組成物より大きな量のTEを示すことが観察でき、それは本発明の分散物が、引き締め剤によって生ずる引き締め効果の永続性をもたらすことを意味する。
実施例6:皮膚の白色化に対する効果
上述の比較例及び実施例2に対応する化粧品組成物を、Erichsen者により市販されているコントラストカード(Prufkarteタイプ24/5−250cm)に機械的フィルムドローアーを使用して広げた(皮膜の厚み:30μm)。その後前記組成物を20℃で3時間乾燥させ、処理された領域の写真を撮影した。
比較例の組成物の場合、処理された領域の見苦しい白色の沈着物の出現に気付いた。本発明に係る実施例2の組成物の場合、そのような見苦しい沈着物は存在しない。
図1は、変位d(mm単位)の関数としての力F(ニュートン、N単位)を表す曲線を説明するグラフであり、前記曲線は、本発明の組成物の引き締め効果の永続性を定量するために使用される。

Claims (59)

  1. 顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体中に、
    −組成物の全重量に対して0.1から20重量%の少なくとも一つの引き締め剤、及び
    −グラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相中への少なくとも一つの分散物
    を含む化粧品組成物をシワを有する皮膚に適用することからなる工程を含む、シワを有する皮膚のシワを軟化するための美容方法。
  2. 前記引き締め剤が、組成物の全重量に対して1から10%の範囲の含量で存在する、請求項1に記載の美容方法。
  3. 前記分散物が、組成物の全重量の0.01から20%、好ましくは1から10%の範囲の含量で組成物中に存在する、請求項1または2に記載の美容方法。
  4. 前記液体脂肪相が、組成物の全重量の0.5から80%、好ましくは1から55%、より好ましくは1から25%の範囲の含量で組成物中に存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の美容方法。
  5. 前記引き締め剤が、30℃で40%の相対湿度で、水中に7%の濃度で伸長計で測定すると、1%より大きい、好ましくは1.5%より大きい単離した角質層の伸縮を生ずる試薬である、請求項1から4のいずれか一項に記載の美容方法。
  6. 前記引き締め剤が、合成ポリマー、天然起源のポリマー、混合シリケート、ワックス微粒子、無機フィラーのコロイド状粒子、及びこれらの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の美容方法。
  7. 前記合成ポリマーが
    −ポリウレタンポリマー及びコポリマー;
    −アクリルポリマー及びコポリマー;
    −スルホイソフタル酸のポリマー;
    −グラフトシリコーンポリマー;
    −水溶性または水分散性単位とLCST単位とを含む水溶性または水分散性ポリマー;
    −1Hz且つ22℃で200MPaより大きい動的記憶モジュラスE’を示す非エラストマー性且つ水不溶性の皮膜形成性直鎖状エチレン性ブロックポリマー;
    −40℃より大きいガラス転移温度を示す液体脂肪相の固体粒子の分散物としてのグラフトエチレン性ポリマー;
    −及びこれらの混合物
    から選択される、請求項6に記載の美容方法。
  8. 前記天然起源のポリマーが、植物タンパク質及び植物タンパク質加水分解産物、ミクロゲル形態の植物起源のポリサッカリド、植物起源のラテックス、及びこれらの混合物から選択される、請求項6に記載の美容方法。
  9. 前記グラフトエチレン性ポリマーが、前記液体脂肪相に不溶性である骨格と、前記骨格に共有結合した側鎖からなる前記液体脂肪相に可溶性である部分とを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の美容方法。
  10. 前記グラフトエチレン性ポリマーが、グラフトアクリルポリマーである、請求項1から9のいずれか一項に記載の美容方法。
  11. 前記グラフトアクリルポリマーが
    −前記不溶性骨格を形成するために、少なくとも一つのアクリルモノマー、及び任意に少なくとも一つの付加的な非アクリルビニルモノマー;及び
    −側鎖を形成するために、200以上の重量平均分子量を有し、重合した際の含量が前記ポリマーの0.05から20重量%を占める重合可能な末端基を含む少なくとも一つのマクロモノマー
    の前記液体脂肪相中のラジカル重合によって得ることが可能である、請求項10に記載の美容方法。
  12. 前記アクリルモノマーが、そのホモポリマーが考慮される液体脂肪相に不溶性であるモノマー、即ちそのホモポリマーが前記液体脂肪相中に環境温度(20℃)で5重量%以上の濃度で固体形態であるモノマーから選択される、請求項11に記載の美容方法。
  13. 前記アクリルモノマーが
    −下式(IV)の(メタ)アクリレート:
    Figure 2007529482
    [式中、
    −Rは水素原子またはメチル基を表し;
    −Rは以下のものから選択される基を表す:
    −1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基であって、前記基はその鎖中に、O、N、及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含むことができ;及び/または前記基は、−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)及び−NR’R”{式中、R’及びR”は同一または異なり、1から4の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基から選択される}から選択される一つ以上の置換基を含むことができ;及び/または前記基は、少なくとも一つのポリオキシアルキレン基、特に1から4の炭素原子を含むアルキレン基、特にポリオキシエチレン及び/またはポリオキシプロピレン基によって置換することができ、前記ポリオキシアルキレン基は5から30のオキシアルキレン単位の繰り返しからなる;
    −3から6の炭素原子を含む環状アルキル基であって、前記基はその鎖中に、O、N、及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含むことができ、前記基は、OH及びハロゲン原子(F、Cl、Br、I)からなる群から選択される一つ以上の置換基を含むことができる];
    −下式(V)の(メタ)アクリルアミド:
    Figure 2007529482
    [式中、
    −Rは水素原子またはメチル基を表し;
    −R及びRは同一または異なり、水素原子、あるいは−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、及び−NR’R”{式中、R’及びR”は同一または異なり、1から4の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基から選択される}から選択される一つ以上の置換基を含むことができる、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基を表し;または
    −Rは水素原子を表し、Rは1,1−ジメチル−3−オキソブチル基を表す];
    −少なくとも一つのカルボン酸、リン酸、またはスルホン酸官能基を含む(メタ)アクリルモノマー;
    から選択されるモノマー(前記モノマー類は、塩の形態で存在することができる)から選択される、請求項11または12に記載の美容方法。
  14. 前記付加的な非アクリルビニルモノマーが
    −下式(VI)のビニルエステル:
    −COO−CH=CH (VI)
    [式中、Rは1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキル基、または3から6の炭素原子を含む環状アルキル基、及び/または芳香族基、例えばベンゼン、アントラセン、及びナフタレンタイプを表す];
    −少なくとも一つのカルボン酸またはスルホン酸官能基を含む非アクリルビニルモノマー、例えばクロトン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、及びこれらの塩;
    −少なくとも一つの第三級アミン官能基を含む非アクリルビニルモノマー、例えば2−ビニルピリジンまたは4−ビニルピリジン;
    −及びこれらの混合物
    からなる群から選択される、請求項11から13のいずれか一項に記載の美容方法。
  15. 前記アクリルモノマーが、前記アクリルモノマーと前記任意の非アクリルビニルモノマーからなる混合物の50から100重量%、好ましくは55から100重量%、より好ましくは60から100重量%を占める、請求項11から14のいずれか一項に記載の美容方法。
  16. 前記グラフトアクリルポリマーが、付加的な非アクリルビニルモノマーを含まない、請求項11から13のいずれか一項に記載の美容方法。
  17. 前記マクロモノマーが、ビニル基または(メタ)アクリレート基から選択される重合可能な末端基をその末端の一方で含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の美容方法。
  18. 前記マクロモノマーが、200から100000の範囲、好ましくは500から50000の範囲、より好ましくは800から20000の範囲、更に好ましくは800から10000の範囲、更により好ましくは800から6000の範囲の重量平均分子量(Mw)を示す、請求項11から17のいずれか一項に記載の美容方法。
  19. 前記重合したマクロモノマーが、ポリマーの全重量の0.1から15重量%、好ましくは0.2から10重量%、より好ましくは0.3から8重量%を占める、請求項11から18のいずれか一項に記載の美容方法。
  20. 前記マクロモノマーが、そのホモポリマーが考慮される液体脂肪相において可溶性である、つまり前記液体脂肪相中で環境温度(20℃)で5重量%以上の濃度で完全に溶解するマクロモノマーから選択される、請求項11から19のいずれか一項に記載の美容方法。
  21. 前記液体脂肪相が
    −18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する液体有機化合物;
    −20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有するモノアルコール;及び
    −それらの混合物
    からなる群から選択される少なくとも一つの非水性液体化合物を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の美容方法。
  22. 前記液体脂肪相が非シリコーン脂肪相である、請求項21に記載の美容方法。
  23. 前記非シリコーン脂肪相が
    −18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する非シリコーン液体有機化合物;
    −20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する液体モノアルコール;及び
    −それらの混合物
    から選択される少なくとも一つの非シリコーン液体有機化合物を少なくとも50重量%含む、請求項22に記載の美容方法。
  24. 前記18(MPa)1/2以下、好ましくは17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有する非シリコーン液体化合物が
    −単独でまたは混合物として、任意に分枝した炭素、炭化水素、またはフッ素化した天然または合成オイル;
    −任意に揮発性、直鎖状、分枝状、及び/または環状のアルカン;
    −エステル、特に少なくとも6の炭素原子、特に6から30の炭素原子を有する直鎖状、分枝状、または環状のエステル;
    −エーテル、特に少なくとも6の炭素原子、特に6から30の炭素原子を有するエーテル;
    −ケトン、特に少なくとも6の炭素原子、特に6から30の炭素原子を有するケトン
    から選択される、請求項23に記載の美容方法。
  25. 前記20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメーターを有するモノアルコールが、少なくとも6の炭素原子を有する飽和または不飽和の液体脂肪族脂肪モノアルコールによって形成される群から選択される、請求項23に記載の美容方法。
  26. 前記非シリコーン液体脂肪相が、シリコーン液体有機化合物を50重量%未満含む、請求項23から25のいずれか一項に記載の美容方法。
  27. 前記非シリコーン液体脂肪相が、シリコーン液体有機化合物を含まない、請求項23から25のいずれか一項に記載の美容方法。
  28. 前記マクロモノマーがカーボンマクロモノマーである、請求項23から27のいずれか一項に記載の美容方法。
  29. 前記カーボンマクロモノマーが
    −(i)ビニルまたは(メタ)アクリレート基から選択される重合可能な末端基を示す直鎖状または分枝状C−C22アルキル(メタ)アクリレートホモポリマー及びコポリマー;
    −(ii)エチレン性不飽和を含む末端基を有する、特に(メタ)アクリレート末端基を有するポリオレフィン
    から選択される、請求項28に記載の美容方法。
  30. 前記カーボンマクロモノマーが
    −(i)モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ドデシルアクリレート)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ドデシルメタクリレート)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ステアリルアクリレート)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ステアリルメタクリレート)マクロモノマー;
    −(ii)ポリエチレンマクロモノマー、ポリプロピレンマクロモノマー、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーマクロモノマー、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーマクロモノマー、ポリイソブチレンマクロモノマー;ポリブタジエンマクロモノマー、ポリイソプレンマクロモノマー、ポリブタジエンマクロモノマー、ポリ(エチレン/ブチレン)−ポリイソプレンマクロモノマー(これらは(メタ)アクリレート末端基を有する)
    から選択される、請求項28に記載の美容方法。
  31. 前記カーボンマクロモノマーが
    −(i)モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)マクロモノマー、モノ(メタ)アクリレート末端を含むポリ(ドデシルアクリレート)マクロモノマー;
    −(ii)ポリ(エチレン/ブチレン)メタクリレート
    から選択される、請求項29または30に記載の美容方法。
  32. 前記分散物が、メチルアクリレートとマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレートとのイソドデカン中での重合によって得られる分散物であり、前記引き締め剤がコロイド状シリカ分散物である、請求項1から31のいずれか一項に記載の美容方法。
  33. 前記分散物が、メチルメタクリレートとマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレートとのイソドデカン中での重合によって得られる分散物であり、前記引き締め剤が、メチルメタクリレート、アクリル酸、及びマクロモノマーポリエチレン/ポリブチレンメタクリレートのイソドデカン中での重合によって得られる分散物である、請求項1から31のいずれか一項に記載の美容方法。
  34. 前記液体脂肪相がシリコーン液体脂肪相である、請求項21に記載の美容方法。
  35. 前記シリコーン液体脂肪相が、17(MPa)1/2以下のハンセン溶解度スペースによる全体溶解度パラメータを有するシリコーン液体有機化合物から選択される少なくとも一つのシリコーン液体有機化合物を少なくとも50重量%含む、請求項34に記載の美容方法。
  36. 前記液体脂肪相が揮発性シリコーンオイルを含む、請求項34または35に記載の美容方法。
  37. 前記揮発性シリコーンオイルが、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びそれらの混合物から選択される、請求項36に記載の美容方法。
  38. 前記液体脂肪相が非揮発性シリコーンオイルを含む、請求項34または35に記載の美容方法。
  39. 前記非揮発性シリコーンオイルが、非揮発性ポリジアルキルシロキサン;ペンダント状のアルキル、アルコキシ、またはフェニル基、あるいはシリコーン鎖の末端でのアルキル、アルコキシ、またはフェニル基(2から24の炭素原子を有する基)を含むポリジメチルシロキサン;フェニル化シリコーン;脂肪酸(特にC−C20脂肪酸)、脂肪アルコール(特にC−C20脂肪アルコール)、またはポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/またはポリオキシプロピレン)で修飾されたポリシロキサン;アミノ化ポリシロキサン;ヒドロキシル基を含むポリシロキサン;ペンダント状フッ素化基、またはシリコーン鎖の末端でフッ素化基(1から12の炭素原子を有し、その全てまたは一部の水素がフッ素原子によって置換されている)を含むフッ素化ポリシロキサン;並びにそれらの混合物から選択される、請求項38に記載の美容方法。
  40. 前記液体脂肪相が、非シリコーン液体有機化合物を50重量%未満含む、請求項34から39のいずれか一項に記載の美容方法。
  41. 前記液体脂肪相が 非シリコーン液体有機化合物を含まない、請求項34から39のいずれか一項に記載の美容方法。
  42. 前記マクロモノマーがシリコーンマクロモノマーである、請求項34から41のいずれか一項に記載の美容方法。
  43. 前記シリコーンマクロモノマーが、オルガノポリシロキサンマクロモノマー、好ましくはポリジメチルシロキサンマクロモノマーである、請求項42に記載の美容方法。
  44. 前記グラフトアクリルポリマーが
    −前記不溶性骨格を形成するための、単独でまたは混合物として、C−Cアルキル(メタ)アクリレートから選択される主たるアクリルモノマーと、任意にアクリル酸、メタクリル酸、及び下式(VII):
    Figure 2007529482
    [式中、
    −R’は水素原子またはメチル基を表し;
    −R’は以下のものを表し:
    −1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基であって、鎖中に一つ以上の酸素原子を含み、及び/または−OH、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、及び−NR’R”{式中R’及びR”は同一または異なり、直鎖状または分枝状C−Cアルキル基から選択される}から選択される一つ以上の置換基を含む
    −3から6の炭素原子を含む環状アルキル基であって、前記基は鎖中に一つ以上の酸素原子を含むことができ、及び/または前記基はOH及びハロゲン原子(F,Cl,Br,I)から選択される一つ以上の置換基を含むことができる;
    及びそれらの塩]。
    のアルキル(メタ)アクリレートから選択される一つ以上の付加的なアクリルモノマー;
    −及びシリコーンマクロモノマー
    の、前記液体脂肪相中でのラジカル重合によって得ることができる、請求項34から43のいずれか一項に記載の美容方法。
  45. R’が、メトキシエチル、エトキシエチル、トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、及びジメチルアミノプロピル基から選択される基を表す、請求項44に記載の美容方法。
  46. 前記主たるアクリルモノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物から選択される、請求項44に記載の美容方法。
  47. 前記主たるアクリルモノマーが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、またはエチルメタクリレートから選択される、請求項46に記載の美容方法。
  48. 前記付加的なアクリルモノマーが、(メタ)アクリル酸、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、それらの塩、及びそれらの混合物から選択される、請求項44に記載の美容方法。
  49. 前記付加的なアクリルモノマーが、アクリル酸またはメタクリル酸から選択される、請求項48に記載の美容方法。
  50. 前記シリコーンマクロモノマーが、モノ(メタ)アクリレート末端基を含むポリジメチルシロキサンから選択される、請求項44から49のいずれか一項に記載の美容方法。
  51. 前記シリコーンマクロモノマーが、下式(VIII):
    Figure 2007529482
    [式中、
    −Rは水素原子またはメチル基を表し;
    −Rは1から10の炭素原子を有し、任意に一つまたは二つのエーテル−O−結合を含む二価炭化水素基を表し;
    −R10は1から10の炭素原子、特に2から8の炭素原子を有するアルキル基を表し;
    −nは1から300の範囲、好ましくは3から200の範囲、より好ましくは5から100の範囲の整数を表す]
    に対応する、請求項50に記載の美容方法。
  52. 前記分散物が、メチルアクリレートとマクロモノマーモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンとのシクロペンタジメチルシロキサン中での重合によって得られ、前記引き締め剤がコロイド状シリカ分散物である、請求項35から51のいずれか一項に記載の美容方法。
  53. 前記グラフトポリマーが、10000から300000、特に20000から200000、より好適には25000から150000の間の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1から52のいずれか一項に記載の美容方法。
  54. 前記グラフトポリマー粒子が、10から400nmの範囲、好ましくは20から200nmの範囲の平均径を有する、請求項1から53のいずれか一項に記載の美容方法。
  55. 前記組成物が目の輪郭に適用される、請求項1から54のいずれか一項に記載の美容方法。
  56. 前記組成物がケア組成物またはメイクアップ組成物である、請求項1から55のいずれか一項に記載の美容方法。
  57. 顔の皮膚への局所適用に適した生理学的に許容可能な媒体中に、
    −組成物の全重量に対して0.1から20重量%の、無機フィラーのコロイド状粒子の形態で存在する、少なくとも一つの引き締め剤;及び
    −グラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の液体脂肪相中への少なくとも一つの分散物
    を含む化粧品組成物。
  58. 請求項1から7のいずれか一項に定義された引き締め剤によって提供される引き締め効果の永続性を改良するための、請求項1から54のいずれか一項に定義されたグラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の分散物の使用。
  59. 皮膚の白色化を防止するための、引き締め剤として、コロイド状無機粒子、特にシリカの水性分散物を含む化粧品組成物における、請求項1から54のいずれか一項に定義されたグラフトエチレン性ポリマーの固体粒子の分散物の使用。
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