JP2007528846A - フルオレセイン標識ペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規ペプチド系化合物並びに画像診断法におけるそれらの使用に関する。さらに具体的には、本発明は、血管新生に関連する受容体に結合するターゲティングベクターとしての上記ペプチド系化合物の使用に関する。この化合物はフルオレセインで標識され、血管新生関連疾患の診断における造影剤として使用し得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規ペプチド系化合物並びに画像診断法又は疾患治療におけるそれらの使用に関する。さらに具体的には、本発明は、血管新生に関連する受容体に結合するターゲティングベクターとしての上記ペプチド系化合物の使用に関する。この化合物は血管新生関連疾患の診断における造影剤として使用し得る。
一般に、新しい血管は脈管形成と血管新生という2つの異なる機序で形成される。血管新生は既存の血管からの枝分れによる新しい血管の形成である。このプロセスに対する主な刺激として、組織内の細胞への栄養及び酸素の不十分な供給(低酸素)がある。細胞は血管新生因子の分泌によって応答することがある。血管新生因子は多数存在するが、しばしば言及されるその一例は血管内皮増殖因子(VEGF)である。これらの因子は、基底膜のタンパク質を分解するタンパク分解酵素の分泌だけでなく、かかる潜在的に有害な酵素の作用を制限する阻害剤の分泌も惹起する。血管新生因子のもう一つの顕著な作用は内皮細胞を遊走させ分裂させることである。血管の反管腔側に連続層をなす基底膜に付着した内皮細胞は有糸分裂を起こさない。付着の喪失と血管新生因子受容体からのシグナルとの複合作用によって、内皮細胞の移動、増殖及び再配列が起こり、最終的には新血管周囲に基底膜が合成される。
血管新生は創傷治癒及び炎症過程を始めとする組織の増殖及びリモデリングに重要である。血管新生の阻害は抗腫瘍療法の有望な方策であると考えられる。血管新生に伴う形質転換も診断に極めて有望であり、明らかな例は悪性疾患であるが、この方策は、炎症及びアテローム性動脈硬化症を始めとする様々な炎症関連疾患にも極めて有望である。初期アテローム性動脈硬化病変のマクロファージは血管新生因子の潜在的発生源である。これらの因子は心筋梗塞の血管再生にも関与しており、狭窄が短時間で解放された場合にみられる。
新脈管形成又は血管新生、つまり新血管の発生又は増殖に関連した望ましくない病態を以下に示す。これに関しては国際公開第98/47541号も参照できる。
血管新生に関連した疾患及び適応症は例えば様々な形態の癌及び転移、例えば乳癌、皮膚癌、結腸直腸癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌又は卵巣癌である。
その他の疾患及び適応症は、炎症(例えば慢性)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ及び歯肉炎である。
血管新生に関連したさらに別の疾患及び適応症は、動静脈奇形、星細胞腫、絨毛癌、グリア芽細胞種、神経膠腫、血管腫(小児性、毛細血管性)、肝細胞腫、過形成性子宮内膜症、虚血性心筋症、子宮内膜症、カポジ肉腫、黒色腫、神経芽細胞腫、閉塞性末梢動脈疾患、骨関節炎、乾癬、網膜症(糖尿病性、増殖性)、強皮症、精上皮腫及び潰瘍性大腸炎である。
血管新生には、内皮細胞及び周囲組織に特有の受容体が関与する。これらのマーカーとしては、VEGFのような増殖因子受容体及びインテグリンファミリーの受容体がある。免疫組織化学的研究によって、様々なインテグリン(最も重要なのはおそらくαクラス)が血管の頂端面で発現され[Conforti, G., et al.(1992) Blood 80: 37−446]、循環リガンドによるターゲティングに利用できる[Pasqualini, R., et al. (1997) Nature Biotechnology 15: 542−546]ことが示されている。α5β1も、フィブロネクチンマトリックスの構築を促進し、フィブロネクチンへの細胞付着を起こす重要なインテグリンである。α5β1は細胞遊走にも重要な役割を果たす。
インテグリンαvβ3は血管新生との関連が知られている受容体の一つである。αvβ3インテグリン受容体/リガンド相互作用の拮抗剤がアポトーシスを惹起して血管増殖を阻害するので、血管新生プロセスの臨界期における刺激を受けた内皮細胞の生存はこの受容体に依存していると考えられている。
インテグリンはヘテロ二量体分子であり、αサブユニットとβサブユニットが細胞膜脂質二重層を貫通している。αサブユニットはその細胞外鎖に4つのCa2+結合ドメインを有し、βサブユニットはシステインリッチな細胞外ドメインを多数有している。
細胞接着に関与するリガンド(例えばフィブロネクチン)の多くはアルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)のトリペプチド配列を含んでいる。RGD配列は、この配列を提示するリガンドと細胞表面の受容体との間の一次認識部位として作用すると考えられている。リガンドと受容体の二次的相互作用は上記相互作用の特異性を高めると一般に考えられている。こうした二次的相互作用は、リガンドと受容体のRGD配列に直接隣接した部分又はRGD配列から離れた部位で起こり得る。
RGDペプチドは様々なインテグリン受容体に結合することが知られており、臨床に重要な用途をもつ数多くの細胞内事象を調節できる可能性がある。最も広く研究されたRGDペプチドとその模倣体の作用は抗血栓剤としての使用に関するものであり、これらは血小板インテグリンGpIIbIIIaをターゲットとする。
αvβ3又はαvβ5拮抗剤の投与による組織内での血管新生の阻害は例えば国際公開第97/06791号及び同第95/25543号に記載されており、抗体又はRGD含有ペプチドが用いられている。欧州特許出願公開第578083号には、一群の単環式RGD含有ペプチドが記載されている。
複数の架橋を含む環状RGDペプチドも、国際公開第98/54347号及び同第95/14714号に記載されている。
RGD含有ペプチド系化合物のその他の例は、国際公開第01/77145号、同第02/26776号及び同第03/006491号にみられる。
国際公開第98/47541号パンフレット 国際公開第97/06791号パンフレット 国際公開第95/25543号パンフレット 欧州特許出願公開第578083号明細書 国際公開第98/54347号パンフレット 国際公開第95/14714号パンフレット 国際公開第01/77145号パンフレット 国際公開第02/26776号パンフレット 国際公開第03/006491号パンフレット Conforti, G., et al. (1992) Blood 80: 37−446 Pasqualini, R., et al. (1997) Nature Biotechnology 15: 542−546
血管新生関連疾患のためのさらに特異的な非侵襲性イメージング技術を開発する臨床上のニーズが存在する。かかるイメージング技術は、新しい抗血管新生治療の評価に中心的役割を果たすであろう。血管新生の実際のレベルの評価が可能になると、血管新生関連疾患の初期段階での診断に臨床上有益である。今回、血管新生のレベルの評価に光学イメージングを使用し得るという予想外の知見が得られ、本発明はこの目的のための新規光学イメージング用造影剤を提供する。
当技術分野のニーズに鑑みて、本発明は、光学イメージングにおける造影剤として或いは治療に用いられるフルオレセインで標識したペプチド系化合物を提供する。血管新生に関連するインテグリン受容体のインビボでの効率的ターゲティング及びイメージングには、化学的に頑強かつ安定で選択的かつ親和性の高いRGD系ベクターが要求される。さらに、バックグラウンドノイズに付随する問題を軽減するための造影剤の設計に際しては、排泄経路が重要な要因である。これらの厳しい条件は、本明細書に記載したフルオレセイン標識ペプチド化合物によって満足される。
本発明は、その一態様では、特許請求の範囲に記載した新規ペプチド系化合物を提供する。これらの化合物はインテグリン受容体に対する親和性(例えばインテグリンαvβ3に対する親和性)を有しており、フルオレセイン色素リポーターで標識されている。
本化合物又はその生理学的に許容される塩はペプチドベクターと1以上のフルオレセイン色素を含んでおり、ペプチドベクターはアミノ酸配列X−G−Dを含んでいて、ペプチドベクターとフルオレセイン色素は好ましくは共有結合で連結されている。Xはアルギニン、N−メチルアルギニン又はアルギニン模倣体を表し、Gはグリシンを表し、Dはアスパラギン酸を表す。ペプチドベクターは、αvβ3受容体のようなインテグリン受容体に対して親和性を有する。
本発明の化合物は、インテグリン受容体に対する親和性を有するアミノ酸配列X−G−Dを含む。本化合物は好ましくは追加のアミノ酸、適宜他の部分を含み、X−G−D配列はインテグリン型受容体に結合するベクターとして機能するペプチドベクターの結合座である。
本発明の化合物は、例えばペプチドベクター部における1以上の環化架橋の形成によって束縛させることができる。単環式ペプチド化合物は、アミノ酸間のジスルフィド結合又はチオエーテル結合の形成によって得ることができる。1つの環化架橋を含むペプチド系化合物は、直鎖ペプチドよりもαvβ3に対する特異的が高く、一段と好ましい。本発明の化合物は、好ましくはその異なるアミノ酸間に2つの環化架橋を含む。「環化架橋」という用語は、アミノ酸同士の組合せ又はアミノ酸と橋かけし得る官能基をもつ−(CH)n−又は−(CH)n−C−基との組合せをいう。nは1〜10の正の整数を表す。幾つかの好ましい例は、ジスルフィド、−(CH−カルバ橋のようなジスルフィド模倣体、チオアセタール、チオエーテル架橋(シスタチオン又はランチオニン)並びにエステル及びエーテルを含む架橋である。好ましくは、1つの架橋がジスルフィド結合を形成し、第二の架橋はチオエーテル(スルフィド)結合を含む。
もう一つの実施形態では、本発明の化合物は次の式(I)で表され、2つの環化架橋を含む。
−C(=O)−X−X−X−G−D−X−X−X−X (I)
式中、X、G及びDは既に定義した通りである。
はX、X又はXのいずれかと架橋を形成する−(CH−又は−(CH−C−を表す(式中、nは1〜10の正の整数を表す。)。
は結合又は1、2、3、4若しくは5個のアミノ酸残基を表し、1つのアミノ酸残基は適宜スペーサー部分で官能化され、好ましくは、該アミノ酸残基は酸又はアミン基のような官能性側鎖を有していて、好ましくはアスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、ホモリシン、ジアミノアルキル酸又はジアミノプロピオン酸から選択される。
及びXは各々独立に環化架橋を形成し得るアミノ酸残基、例えばジスルフィド又はチオエーテル結合を形成するシステインやホモシステイン残基、その他アスパラギン酸やリシンのように環化架橋を形成し得るアミノ酸残基を表す。好ましくは、X及びXはシステイン又はホモシステインの残基を表す。
は疎水性アミノ酸又はその誘導体を表し、好ましくはチロシン、フェニルアラニン、3−ヨード−チロシン又はナフチルアラニン残基、さらに好ましくはフェニルアラニン又は3−ヨード−チロシン残基を表す。
は環化架橋を形成し得るアミノ酸残基、好ましくはチオール含有アミノ酸残基、好ましくはシステイン又はホモシステイン残基を表す。
はスペーサー又はバイオモディファイヤー部分であるか存在せず、好ましくは単分散ポリエチレングリコール(PEG)構成単位を1〜10単位含むものであり、バイオモディファイヤーは薬剤の薬物動態及び血液クリアランス速度を変化させる機能を有する。また、Xは1〜10個のアミノ酸残基を表すものでもよく、好ましくはグリシン、リシン、アスパラギン酸又はセリンを含む。さらに好ましくは、Xはアミノ酸残基とPEG様構造を共に含むスペーサー又はバイオモディファイアー、例えば1〜10個のアミノ酸残基とPEG様構造の組合せ、好ましくはビスアミノエチルエチレングリコールグリシンの組合せである。好ましい実施形態では、Xは単分散PEG様構造の式(II)の17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸からなる単位を表す。
式中、mは1〜10の整数であり、C末端はアミド又は酸部分である。バイオモディファイヤーXが化合物の薬物動態及び血液クリアランス速度を変化させることが判明した。バイオモディファイアー基は化合物の組織(筋肉、肝臓など)への取り込みを低減し、バックグラウンド干渉が低減するので診断画像が向上する。バイオモディファイヤーの追加の利点として、分泌は主に腎臓を経る。
本化合物は、さらに、X、X又はXの1以上に適宜スペーサー基を介して連結したフルオレセイン基を表す1以上のZ基を含む。
ペプチド系化合物は、式IのX、X、X、G、D、X、X及びXで形成されるアミノ配列によって規定されるペプチドベクターを含み、このペプチドは血管新生に関連するインテグリン受容体に対して親和性をもつターゲティングベクターをなす。
環化架橋の配置に応じて、本化合物は「離散」、「ネステッド」又は「交差」立体配置を含む。好ましくは、各化合物における2つの架橋は以下の通りである。
とXの間及びXとXの間(ネステッド立体配置を形成)、
とXの間及びXとXの間(離散立体配置)、
とXの間及びXとXの間(交差立体配置を形成)。
別の実施形態では、本発明の化合物は以下のいずれかの式で規定される。
式中、R、X、X、G、D、X、及びXは式Iで定義した通りである。
、X及びXはシステイン又はホモシステインのようにジスルフィド又はチオエーテル結合を形成し得るアミノ酸残基を表す。
はスペーサー部分であるか存在せず、好ましくは、例えば式IIについて挙げた部分を始め、グルタル酸及び/又はコハク酸及び/又はポリエチレングリコール系単位から誘導されるもので、フルオレセイン色素をペプチドに連結する。その他の代表的なスペーサー(W)要素としては、構造型の多糖類、貯蔵型の多糖類、ポリアミノ酸及びそのメチル及びエチルエステル、ポリペプチド、オリゴ糖及びオリゴヌクレオチドが挙げられ、酵素切断部位を含んでいても含んでいなくてもよい。スペーサー部分Wの役割は、ペプチド成分の受容体結合ドメインから比較的嵩高い色素を離隔することである。
hは1又は2の正の整数である。
また、フルオレセイン色素を表すZ基が少なくとも1つ存在する。
本化合物は好ましくはZ基を1個しか含まない。
Zで表されるフルオレセイン色素はX、W、X又はXと好ましくはアミド結合の形成によって連結し得る。
好ましい態様では、式III〜Vの化合物又はその生理学的に許容される塩は以下に挙げる特徴を有する。
は好ましくは−(CH)−を表す。
さらに、Xは酸又はアミン基のような官能性側鎖を有するアミノ酸残基を表し、アミノ酸は、好ましくはアスパラギン酸又はグルタミン酸、リシン、ホモリシン、ジアミノアルキル酸又はジアミノプロピオン酸、さらに好ましくはアスパラギン酸又はリシンから選択される。
、X及びXは好ましくは各々独立にシステイン又はホモシステイン残基を表す。
は好ましくはアルギニンを表す。
は好ましくはチロシン、フェニルアラニン、3−ヨード−チロシン又はナフチルアラニン、さらに好ましくはフェニルアラニン又は3−ヨード−チロシンを表す。
及びWは各々式I及びII〜Vで定義した通りである。好ましくは、Xは1〜10単位の単分散PEG構成単位を含むか存在せず、Wは好ましくは存在しない。
Zはフルオレセイン色素を表すか或いは存在しないが、化合物が1以上のフルオレセイン色素を含むようにする。
好ましい態様では、化合物は式III(ネステッド)のもの又は生理学的に許容されるその塩であり、さらに好ましくは上述の好ましい態様で挙げた特徴を有する。
式III〜Vの化合物は2以上の架橋を含んでいて、1つの架橋はジスルフィド結合を形成し、第二の架橋はチオエーテル(スルフィド)結合を含む。式IIIの好ましい化合物は、架橋によってペプチド部分が「ネステッド」立体配置に折り畳まれるように架橋が配置される。そこで、本発明のこの実施形態の化合物は、1分子部分当たり最大1個のジスルフィド架橋を有する。本発明で規定する化合物は、生体内だけでなく、フルオレセイン標識する際に用いられる条件下で驚異的な安定性を有する。
リポーターZはフルオレセイン色素、つまりフルオレセイン又はフルオレセイン誘導体を含む。フルオレセインは黄色色素であり、可視光域で発光する。フルオレセインは典型的にはアルゴンレーザーの488nm線で励起され、530nmに発光が認められる。フルオレセイン及びその誘導体は吸光率が比較的高く、蛍光量子収率二優れ、良好な水溶性を有する。過去に大量に使用されているので、これらの特性は十分に明らかにされており、入手が容易で、概してmg当たりの価格が低い。
次の式(VI)に、フルオレセインを位置番号と共に示す。
フルオレセインの関連誘導体には、例えばカルボキシフルオレセインがあり、次の式VIIに示す5−カルボキシフルオレセイン、又は6−カルボキシフルオレセインがある。
もう一つの関連フルオレセイン誘導体は式VIIIに示すフルオレセインイソチオシアネートである。
さらに一段と好ましいのは、フルオレセインの活性カルボン酸エステル、例えば式IXに示すN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル(「フルオレセインNHSエステル」と呼ばれる)を用いることである。スクシンイミジルエステルは、形成されるアミド生成物の安定性が非常に高いので、優れた試薬である。
Zで表されるフルオレセイン色素は、式IのX、X又はXに、適宜式III〜Vに示すスペーサーWを介して連結し得る。好ましくは、フルオレセインは、ペプチドの適当なアミノ基とのアミド結合の形成によってペプチドベクターにカップリングされる。このような化合物の合成には、フルオレセインの活性エステル、例えばNHSエステル(Pierce社カタログ番号46100)が特に有用であると考えられる。フルオレセインの好ましいカップリング部位は5位及び6位である。
アミノ酸は好ましくは天然に存在するアミノ酸を表す。多くの事例では、ペプチドのアミノ酸はすべてL型であるのが好ましい。ただし、実施形態によっては、ペプチドの1、2又は3個以上のアミノ酸がD型であるのが好ましい。かかるD型アミノ酸の導入は化合物の血清安定性に多大な影響をもつことがある。
本発明の化合物の幾つかは高親和性RGD系ベクターである。本明細書で用いる「高親和性RGD系ベクター」という用語は、αvβ3インテグリンの競合結合アッセイで既知の高親和性リガンドであるエキスタチンとの競合によってKi値を求めたときに<10nM、好ましくは<5nMのKiを有する化合物をいう。かかる競合アッセイの実施方法は当技術分野で周知である。
以下、本発明の好ましい化合物の例を幾つか例示する。化合物A及びBはフルオレセインをアミド結合の形成によってRGD含有ペプチド(Lys−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cysにコンジュゲートしもので、いずれも「ネステッド」立体配置を与える。
化合物A及びB:
本発明の化合物のその他の例を以下の化合物C及びDで例示する。
化合物C:
この化合物はRGDペプチド(Lys−Asp−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys−Gly)をフルオレセインに連結したもので、「離散」立体配置を形成する。
化合物D:
この化合物はRGD−ペプチド(Lys−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys)をフルオレセインに連結したもので、「交差」立体配置を形成する。
本発明の新規化合物は、光学イメージング用造影剤として又は疾患治療用に使用し得る。したがって、上記化合物の治療用又は光学イメージング用造影剤としての使用は、本発明の一実施形態をなす。本発明の好ましい実施形態は、光学イメージング用造影剤用、特に血管新生関連疾患の光学イメージング及び診断用の上記化合物である。
本発明の化合物は、ヒト及び動物における血管新生の検出のための造影剤として有用である。本生成物は前臨床動物モデルにも有用である可能性があり、製薬研究、例えば腫瘍学での新薬の治療効果のモニタリングが可能となる。
本発明は、本発明の化合物又はその塩の有効量(例えばインビボイメージングで画像コントラストの強調に有効な量)を、薬学的に許容される1種以上の補助剤、賦形剤又は希釈剤と共に含んでなる医薬組成物も提供する。
本発明は、さらに、本発明の化合物又はその塩の有効量を、薬学的に許容される1種以上の補助剤、賦形剤又は希釈剤と共に含んでなる疾患治療用の医薬組成物も提供する。
別の態様では、本発明は、造影剤をヒト又は動物の身体に投与して身体の少なくとも一部分の画像を生成させる診断法に用いられる光学イメージング用造影剤の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
そこで、ヒト又は動物の身体の治療組成物(医薬品)の製造並びに治療又は予防的治療法、好ましくは血管新生関連疾患の治療法における上記化合物の使用は、本発明の別の態様をなす。
また別の態様では、本発明は、造影剤をヒト又は動物の身体(例えば血管系)に投与して造影剤が分配された身体の少なくとも一部分の画像を生成させる光学イメージングによるヒト又は動物の身体の画像生成方法であって、上記化合物を造影剤として用いる方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、上記化合物を含む造影剤組成物を予め投与しておいたヒト又は動物の身体の強調画像を光学イメージングで生成させる方法であって、身体の少なくとも一部分の画像を生成させることを含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、血管新生に関連した病態に対処するための薬剤によるヒト又は動物の身体の治療効果をモニタリングする方法であって、本発明の薬剤を身体に投与し、細胞受容体(好ましくは内皮細胞受容体、特にαvβ3受容体)による上記薬剤の取り込みを検出し、任意ではあるが好ましくは、投与と検出を、例えば薬剤による治療の前後途中のいずれかに繰り返すことを含む方法を提供する。上記検出は光学イメージング技術による。
フルオレセイン及び本発明のフルオレセイン−ペプチド化合物は可視域スペクトルで発光するので、従来の検眼鏡装置を用いて画像を取得できる。さらに、インビボ共焦点顕微鏡観察も応用できる。最近開発された時間領域及び周波数領域イメージング技術も、フルオロフォアの寿命のような追加の特徴を活用して使用できる可能性がある。
本発明の化合物は公知の化学合成法で合成できるが、特に好ましいのは、自動ペプチド合成装置を用いたMerrifieldの固相法(J. Am. Chem. Soc., 85: 2149 (1964))である。さらに、フルオレセイン活性エステルのようなフルオレセインのカップリングも自動化法で実施することができ、ペプチドベクターとフルオレセイン基とのアミド結合が得られる。ペプチドベクター及びペプチド化合物は、インビトロスクリーニングで試験する前に。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製し、質量分析及び分析用HPLCで特性決定してもよい。
以下の非限定的な実施例によって本発明をさらに例示する。
実施例1
ジスルフィド[Cys 2−6 ]チオエーテルシクロ[CH CO−Lys(フルオレセイン)−Cys −Arg−Gly−Asp−Cys −Phe−Cys]−PEG−NH の合成
1a)17−(Fmoc−アミノ)−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸の合成
この構成単位をFmoc化学を用いて固相にカップリングした。このカップリングした形態の構成単位をPEGと略す。
1,11−ジアジド−3,6,9−トリオキサウンデカン
乾燥テトラエチレングリコール(19.4g、0.100mol)及び塩化メタンスルホニル(25.2g、0.220mol)の乾燥THF(100ml)溶液をアルゴン雰囲気下に保ち、氷/水浴中で0℃に冷却した。フラスコに、トリエチルアミン(22.6g、0.220mol)の乾燥THF(25ml)溶液を45分間かけて滴下した。1時間後に冷却浴を取り外し、攪拌を4時間続けた。水(60ml)を加えた。混合物に炭酸水素ナトリウム(6g、pH8まで)及びアジ化ナトリウム(14.3g、0.220mmol)をこの順序で加えた。THFを留去し、水溶液を24時間還流した(二層が形成した)。混合物を冷却し、エーテル(100ml)を加えた。水相を塩化ナトリウムで飽和させた。相を分離し、水相をエーテル(4×50ml)で抽出した。これらの有機相を一緒にして塩水(2×50ml)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。濾過及び濃縮で、22.1g(91%)の黄色油が得られた。生成物はそれ以上精製せずに次の工程に用いた。
11−アジド−3,6,9−トリオキサウンデカナミン
機械的に激しく攪拌した5%塩酸(200ml)中の1,11−ジアジド−3,6,9−トリオキサウンデカン(20.8g、0.085mol)の懸濁液に、トリフェニルホスフィン(19.9g、0.073mol)のエーテル(150ml)溶液を室温で3時間かけて加えた。反応混合物をさらに24時間攪拌した。相が分離し、水相をジクロロメタン(3×40ml)で抽出した。水相を氷/水浴中で冷却し、KOHの添加によってpHを約12に調節した。生成物をジクロロメタン(5×50ml)中に抽出した。有機相を一緒にして乾燥させた(MgSO)。濾過及び蒸発で14.0g(88%)の黄色油が得られた。MALDI−TOF質量分析(マトリックス:α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸)分析で、予測通り219にM+Hピークが得られた。H(500MHz)及び13C(125MHz)NMR分光分析での特性決定で上記構造を確認した。
17−アジド−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸
11−アジド−3,6,9−トリオキサウンデカナミン(10.9g、50.0mmol)のジクロロメタン(100ml)溶液に、ジグリコール酸無水物(6.38g、55.0mmol)を加えた。反応混合物を一晩攪拌した。HPLC分析(カラム:Vydac 218TP54;溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=アセトニトリル/0.1%TFA;勾配は20分間で4〜16%B;流速:1.0ml/分;UV検出波長:214及び284nm)は、出発物質が保持時間18.3分の生成物に完全に添加したことを示していた。溶液を濃縮して定量的収量で黄色シロップを得た。生成物をLC−MS(ESイオン化)で分析したところ、予測通り335に[MH]+が得られた。H(500MHz)及び13C(125MHz)NMR分光分析は構造と一致した。
生成物はそれ以上精製せずに次の工程に用いた。
17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸
17−アジド−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸(8.36g、25.0mmol)の水(100ml)溶液を、H(g)−Pd/C(10%)を用いて還元した。LC−MS分析で出発物質が完全に転化したことが分かるまで反応を続けた(カラム:Vydac 218TP54;溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=アセトニトリル/0.1%TFA;勾配は20分間で4〜16%B;流速:1.0ml/分;UV検出波長:214及び284nm;ESイオン化で得られたM+Hは出発物質で335、生成物で309)。溶液を濾過して、次の工程に直接使用した。
17−(Fmoc−アミノ)−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸
上記で得た17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸の水溶液(アミノ酸換算量25.0mmol)に、炭酸水素ナトリウム(5.04g、60.0mmol)及びジオキサン(40ml)を加えた。Fmoc−クロリド(7.11g、0.275mol)のジオキサン(40ml)溶液を滴下した。反応混合物を一晩攪拌した。ジオキサンを留去し(Rotavapor)、水相を酢酸エチルで抽出した。塩酸を添加して水相を酸性化し、沈殿をクロロホルム中に抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過及び濃縮して11.3g(85%)の黄色シロップを得た。構造はLC−MS分析で確認した(カラム:Vydac 218TP54;溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=アセトニトリル/0.1%TFA;勾配は20分間で40〜60%B;流速:1.0ml/分;UV検出波長:214及び254nm;5,8分の生成物ピークのESイオン化で得られたM+Hは予測通り531)。分析結果は、副生物含有量が非常に低いことを示しており、この物質をそれ以上精製せずに用いた。
1b)ClCH CO−Lys−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys−PEG−NH の合成
PEG単位を、HATU活性化法によって初期量0.25mmolスケールでRink Amide AM樹脂に手作業でカップリングした。残りのペプチドは1mmolアミノ酸カートリッジを用いてABI 433A自動ペプチド合成装置で合成した。アミノ酸は、カップリングの前にHBTUを用いて予備活性化した。無水クロロ酢酸のDMF溶液を用いてN末端アミン基を30分間クロロアセチル化した。樹脂からのペプチドと側鎖保護基(tBu以外)の同時除去は、TIS(5%)、H0(5%)及びフェノール(2.5%)を含有するTFA中で2時間行った。後処理後、322mgの粗ペプチドを得た(分析用HPLC;勾配:10分間で5〜50%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;流速:2mL/分;検出:UV214nm;生成物の保持時間:6.37分)。質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1409、実測値1415。
1c)チオエーテルシクロ[CH CO−Lys−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys]−PEG−NH の合成
322mgのClCHCO−Lys−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys−(PEG)n−NHを水/アセトニトリルに溶解した。アンモニア溶液を用いて混合物をpH8に調節し、16時間攪拌した。後処理後、粗ペプチドを得た(分析用HPLC;勾配:10分間で5〜50%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;流速:2mL/分;検出:UV214nm;生成物の保持時間:6.22分)。質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1373、実測値1378。
1d)ジスルフィド[Cys 2−6 ]チオエーテルシクロ[CH CO−Lys−Cys −Arg−Gly−Asp−Cys −Phe−Cys]−PEG−NH の合成
チオエーテルシクロ[CHCO−Lys−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys]−(PEG)n−NHをアニソール(200μL)、DMSO(2mL)及びTFA(100mL)の溶液で60分間処理し、次いでTFAを減圧除去し、ジエチルエーテルを添加してペプチドを沈殿させた。調製用HPLC(Phenomenex Luna5μC18(2)250×21.20mmカラム)による粗製物70mgの精製を、0〜30%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA)を用いて10mL/分の流速で40分間実施した。凍結乾燥後、46mgの純物質を得た(分析用HPLC;勾配:10分間で0〜30%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;流速:2mL/分;検出:UV214nm;生成物の保持時間:6.80分)。質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1258.5、実測値1258.8。
1e)ジスルフィド[Cys 2−6 ]チオエーテルシクロ[CH CO−Lys(フルオレセイン)−Cys −Arg−Gly−Asp−Cys −Phe−Cys]−PEG−NH の合成
30mgの[Cys2−6]シクロ[CHCO−Lys−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−PEG−NH、16.2mgのフルオレセインNHSエステル及び4μLのN−メチルモルホリンをDMF(3mL)に溶解した。混合物を遮光して一晩攪拌した。調製用HPLC(Vydac218TP1022 C18カラム)による反応混合物の精製は、20〜30%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA)を用いて10mL/分の流速で40分間実施した。凍結乾燥後、21.6mgの純物質を得た(分析用HPLC;勾配:10分間で10〜40%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;流速:2mL/分;検出:UV214nm;生成物の保持時間:7.0分)。質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1616.5、実測値1616.3。
実施例2
ジスルフィド[Cys 2−6 ]チオエーテルシクロ[CH CO−Asp−Cys −Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys−Gly]−ビス(アミノエチル)エチレングリコール−フルオレセインの合成
2a.ClCH CONH−Asp−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys−Gly−NH−(CH CH O) CH CH NH の合成
ペプチドの合成は、ABI 433A自動ペプチド合成装置で1mmolのアミノカートリッジを用いて、0.25mmolスケールのO−ビス−(アミノエチル)エチレングリコールトリチル樹脂から開始した。アミノ酸はカップリング前にHBTUを用いて予備活性化しておいた。無水クロロ酢酸を用いてN末端をクロロアセチル化した。樹脂からのペプチドと側鎖保護基(tBu以外)の同時除去は、TIS(5%)、H0(5%)及びフェノール(2.5%)を含有するTFA中で2時間行った。後処理後、364mgの粗ペプチドを得た(分析用HPLC;勾配:10分間で5〜50%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);2mL/分;カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;検出:UV214nm;生成物の保持時間:6.55分)。エレクトロスプレー質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1293.5、実測値1293.4。
2b.シクロ[CH CONH−Asp−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys]−Gly−NH−(CH CH O) CH CH NH の合成
250mgのClCHCONH−Asp−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys−Gly−NH−(CHCHO)CHCHNHを水/アセトニトリルに溶解した。アンモニア溶液を用いて混合物をpH8に調節し、18時間攪拌した。
凍結乾燥後、粗ペプチドを白色粉末として得た。(分析用HPLC;勾配:10分間で5〜50%B(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);流速:2mL/分;カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;検出:UV214nm;生成物の保持時間:6.17分)。エレクトロスプレー質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1257.5、実測値1257.6。
2c.[Cys 2−6 ]シクロ[CH CONH−Asp−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−NH−(CH CH O) CH CH NH の合成
シクロ[CHCONH−Asp−Cys(tBu)−Arg−Gly−Asp−Cys(tBu)−Phe−Cys]−Gly−NH−(CHCHO)CHCHNHをアニソール(500μl)、DMSO(4ml)及びTFA(200ml)の溶液に溶解した。混合物を室温で15分間攪拌し、次いでTFAを減圧除去し、ジエチルエーテルを添加してペプチドを沈殿させた。
調製用HPLC(Phenomenex Luna5μC18(2)250×21.20mmカラム)による粗物質の精製は、0〜30%のB(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA)を用いて10mL/分の流速で40分間実施した。凍結乾燥後、44mgの純物質を得た。(分析用HPLC;勾配:10分間で0〜30%のB(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);流速:2mL/分;カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;検出:UV214nm;生成物の保持時間:5.88分)。エレクトロスプレー質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1143.4、実測値1143.5。
2d.[Cys 2−6 ]シクロ[CH CONH−Asp−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−NH−(CH CH O) CH CH NH とフルオレセインとのコンジュゲート
10mgの[Cys2−6]シクロ[CHCONH−Asp−Cys−Arg−Gly−Asp−Cys−Phe−Cys]−Gly−NH−(CHCHO)CHCHNH、4.7mgのフルオレセインNHSエステル及び5μLの4−メチルモルホリンをDMF(0.5mL)に溶解し、溶液を3時間攪拌した。
調製用HPLC(Phenomenex Luna5μC18(2)250×21.20mmカラム)による粗物質の精製は、0〜30%のB(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA)を用いて10mL/分の流速で40分間実施した。凍結乾燥後、6mgの純物質を得た。(分析用HPLC;勾配:10分間で0〜30%のB(A=HO/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA);流速:2mL/分;カラム:Phenomenex Luna 3μC18(2)50×4.6mm;検出:UV214nm;生成物の保持時間:10.07分)。エレクトロスプレー質量分析法でさらに生成物の特性決定を行った。M+Hの予測値1501.4、実測値1501.4。

Claims (13)

  1. ペプチドベクターと1以上のフルオレセイン色素を含む化合物又はその生理学的に許容される塩であって、ペプチドベクターがアミノ酸配列X−G−Dを含んでいて、ペプチドベクターとフルオレセイン色素が連結している化合物又はその生理学的に許容される塩。
    式中、Xはアルギニン、N−メチルアルギニン又はアルギニン模倣体を表し、Gはグリシンを表し、Dはアスパラギン酸を表す。
  2. 2つの環化架橋を含んでいて次の式Iで表される、請求項1記載の化合物。
    −C(=O)−X−X−X−G−D−X−X−X−X (I)
    式中、X、G及びDは請求項1で定義した通りであり、
    はX、X又はXのいずれかと架橋を形成する−(CH−又は−(CH−C−を表し(式中、nは1〜10の正の整数を表す。)、
    は結合又は1、2、3、4若しくは5個のアミノ酸残基を表し、1つのアミノ酸残基が適宜スペーサー部分で官能化されているか、或いはアミノ酸残基は酸又はアミン基のような官能性側鎖を有し、
    及びXは各々独立に環化架橋を形成し得るアミノ酸残基を表し、
    は疎水性アミノ酸又はその誘導体を表し、
    は環化架橋を形成し得るアミノ酸残基を表し、
    はスペーサー又はバイオモディファイヤー部分であるか、或いは存在せず、
    当該化合物は、X、X又はX基の1以上に適宜スペーサー基を介して連結したフルオレセイン色素を表す1以上のZ基をさらに含む。
  3. 以下のいずれかの式から選択される、請求項2記載の化合物。
    式中、R、X、X、G、D、X、及びXは請求項1及び請求項2で定義した通りであり、
    、X及びXはジスルフィド又はチオエーテル結合を形成し得るアミノ酸残基を表し、
    はスペーサー部分であるか、或いは存在せず、
    hは1又は2の正の整数であり、
    フルオレセイン色素を表すZ基が少なくとも1つ存在する。
  4. が−(CH)−を表す、請求項3記載の式IIIの化合物。
  5. が酸又はアミン基のような官能性側鎖を有するアミノ酸残基を表し、該アミノ酸がアスパラギン酸、リシン、グルタミン酸、ホモリシン又はジアミノアルキル酸又はその誘導体から選択される、請求項3又は請求項4記載の式IIIの化合物。
  6. 、X及びXが各々独立にシステイン又はホモシステイン残基を表す、請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の式IIIの化合物。
  7. がアルギニンを表す、請求項3乃至請求項6のいずれか1項記載の式IIIの化合物。
  8. がフェニルアラニン、チロシン、3−ヨード−チロシン又はナフチルアラニンを表す、請求項3乃至請求項7のいずれか1項記載の式IIIの化合物。
  9. が1〜10単位の単分散PEG構成単位を含むか、或いは存在しない、請求項3乃至請求項8のいずれか1項記載の式IIIの化合物。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の化合物の有効量を、薬学的に許容される1種以上の補助剤、賦形剤又は希釈剤と共に含んでなる医薬組成物。
  11. 光学イメージング用造影剤として用いられる請求項1乃至9のいずれか1項記載の化合物。
  12. 造影剤をヒト又は動物の身体に投与してヒト又は動物の身体の少なくとも一部分の画像を生成させる診断法に用いられる光学イメージング用造影剤の製造における、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の化合物の使用。
  13. 造影剤をヒト又は動物の身体に投与して造影剤が分配された身体の少なくとも一部分の画像を生成させる光学イメージングによるヒト又は動物の身体の画像生成方法であって、該造影剤が請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の化合物を含むことを特徴とする方法。
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