JP2007526318A - Chlamydiapneumoniaeに対する免疫原性組成物 - Google Patents

Chlamydiapneumoniaeに対する免疫原性組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、自己トランスポーター抗原として使用するためのポリペプチドに関する。本発明はさらに、Chlamydia pneumoniae感染の予防もしくは処置のための医薬の調製における自己トランスポーター機能のため、個体におけるChlamydia pneumoniae感染の診断のためのアッセイの調製のための、ポリペプチドの方法および使用に関する。また、自己トランスポーター抗原として使用するためのポリペプチドを個体に投与することによって、この個体において免疫応答を惹起させるための方法も提供される。

Description

この出願は、米国仮特許出願第60/542,832号(2004年3月2日出願)、同第60/643,110号(2005年1月12日出願)および同第60/644,552号(2005年1月19日出願)の利益を主張する。これらは、その全体について、本明細書において参考として援用される。
本明細書中で引用される全ての文献は、その全体について、参考として援用される。
(分野)
本発明は、免疫学およびワクチン学の分野に属する。特に、本発明は、Chlamydia pneumoniae由来の免疫原性分子の組み合わせを含む免疫原性組成物に関する。
Chlamydia属(およびChlamydophila(最近提唱されたが、依然として議論されているChlamydiaceaeの再分類(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)によるもの)の細菌は、真核生物細胞の偏性細胞内寄生生物であり、2つの多形性(pleiomorphic)の発生形態(細胞外における代謝不活性な、胞子様の感染形態(基本小体、EB)および細胞内における非感染性の複製形態(網様体、RB)(この形態は、特化した細胞質コンパートメント(Chlamydophilal封入体)に含まれたままである))を含む、固有の二相性の生活環を有する。EBは、宿主細胞表面への最初の付着、およびEBがRBに分化し得る細胞質封入体の確立を担い、それにより、複製段階を開始する。最終的に、RBは、感染性のEB形態に戻り、隣接する宿主細胞において、新規の複製サイクルを開始し得る。
Chlamydia感染は細胞内感染であるので、現在受け入れられている概念は、有効な抗Chlamydiaの免疫化が、適切なT細胞応答と中和抗体の高い血清レベルとの両方を必要とすること、そして「理想的なワクチンが、長く持続する(中和する)抗体とChlamydiaへの曝露に対し迅速に応答し得る細胞媒介性の免疫とを誘導するはずである」ことである。数例の時折矛盾した研究は、CD4+T細胞およびCD8陽性T細胞の両方が、Chlamydiaの浄化において役割を有することを示唆した(非特許文献4)。実際に、現在、特異的なCD4+T細胞およびCD4+B細胞が、細胞内Chlamydiaの完全な浄化に必須であり、そしてChlamydia感染に対する免疫の回復を媒介するというコンセンサスが一般的であるようである(非特許文献5および非特許文献6を参照のこと)。
現在、Chlamydia pneumoniaeの全ゲノムの探索を実行することは可能であるが、並行するプロテオームの特徴付けにおいて、依然として利用可能な情報が不足している。例として、Chlamydia pneumoniae抗原の多くについて、配列データが利用可能であるが、Chlamydia抗原の免疫学的機能および/または生物学的機能の点からは、Chlamydia抗原の特徴付けが不十分である。例として、特許文献1および特許文献2のような出願は、配列情報を開示するが、これらの免疫学的機能および/または生物学的機能の点からは、これらの配列は特徴付けされていない。対照的に、特許文献3は、特定のChlamydiaタンパク質の免疫原性および免疫接近可能性(immunoaccessibility)についての情報を提供し、以下を強調する:(i)現在のゲノムの注釈ならびに/あるいは(ii)コンピュータ分析に基づく細胞位置および/または細胞機能に基づく予測、は常に正確にはなり得ないこと。
出願人は、最近、C.pneumoniaeの外膜に潜在的に関連するタンパク質の中で、可能性のあるワクチン候補について、全ゲノム探索に取り組んだ(非特許文献7)。この研究のために、マウス抗血清を、インシリコでの分析によりChlamydia細胞の周辺に局在すると予測された遺伝子にコードされる、100種より多い、組み換えHisタグ化タンパク質または組み換えグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質に対して調製した。このスクリーニング研究から、Chlamydia(Chlamydophila pneumoniae(CPn))のゲノムに由来する53種の組み換えタンパク質が、FACSアッセイにおいて、精製CPn細胞の表面に結合し得るマウス抗体を誘導することが説明された。
Montigianiの研究(非特許文献7)の範囲は、CPn抗原に対して組換え発現された抗体に対する、マウスで産生されたポリクローナル抗血清が、CPn細胞の表面に結合し得るか否かを、確認することに限定された。FACS陽性の組換え抗原に対する抗血清が、宿主細胞のEBのインビトロ感染性を妨害し得るか否か(つまり、組換え発現された抗原に対して生じたマウス抗体が、CPnのインビトロでの感染性を、50%を超える程度で阻害し得る(一般的な慣習が、このような抗原を「中和する」抗原と認定する特性)か否か)を、試験する研究はなされていなかった。
実際には、これまでに「中和する」特性を有するほんのわずかのC.pneumoniae抗原が、文献に記載されてきた:特に、76kDaのホモログタンパク質として同定されたタンパク質(非特許文献8)、表面露出外膜タンパク質MOMP(非特許文献9)、PorB(非特許文献10および非特許文献11)、そしてごく最近では外膜タンパク質のChlamydia特異的多型ファミリーのPmp21のメンバー(A.Szczepek、個人的な通信)も。これらの全てのタンパク質は、初期のFAGSに基づくスクリーニング研究(非特許文献7)において、実際に選択された。しかしながら、外膜抗原がMOMPおよびPorBの場合、それが、組換えワクチン開発計画について、おそらく数種類の実施上の問題を提示し得ることが留意され得る。例えば、MOMPおよびPorBの両方が、不連続的かつ高次構造依存的な中和エピトープを維持するために天然の高次構造を必要とするような膜内在性タンパク質である。このようなタンパク質の生成は、仮想ワクチンの調製において望まれ得ない特殊なプロセシング工程(再折りたたみ)を必要とし得る。他の一般的な問題は、対立遺伝子のバリエーションの程度、および、必ずしも、全てのChlamydia細胞または全てのChlamydia単離株において発現されない調節タンパク質から生じ得る。
国際公開第99/28475号パンフレット 国際公開第99/27105号パンフレット 国際公開第02/02404号パンフレット Bushら、Int J Syst Evol Microbiol(2001)51:p.203〜20 Everettら、Int J Syst Bacteriol(1999)49:Pt2415−40 Schachterら、Int J Syst Evol Microbiol(2001)51:249、p.251〜3 LoomisおよびStarnback、Curr Opin Microbiol(2002)5:p.87〜91 Igietseme、BlackおよびCaldwell、Biodrugs(2002)16:p.19〜35 Igietsemeら、Immunology(1999)98:p.510〜519 Montigianiら、Infection and Immunity(2002)70:p.368〜379 Perez−Melgosaら、Infect Immunity(1994)62:p.880〜6 Wolfら、Infect Immun(2001)69:p.3082〜91 Kawaら、J Inimunol(2002)168:p.5184〜91 Kuboら、Mol Microbiol(2000)38:p.772〜80
したがって、Chlamydia pneumoniaeタンパク質への曝露に対して、免疫応答を惹起させ得る、改善された組成物を提供することが望ましい。補完的な免疫学的プロフィールおよび/または生物学的プロフィールを有する、選択される2つ以上のCPnタンパク質の1つ以上の組み合わせを含む、改善された組成物を提供することもまた望ましく、この組成物は、Chlamydia誘発性の疾患および/または感染に対する免疫を提供し得る(例えば、予防用のワクチン接種)か、または(b)確立された慢性Chlamydia感染の根絶(例えば、治療用のワクチン接種)のためのものである。
(発明の要旨)
本発明は、自己トランスポーター抗原(autotransporter antigen)として使用するためのポリペプチドに関し、このポリペプチドは、以下:(a)配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78および配列番号79からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)(a)のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列;または(c)(a)のアミノ酸配列からの少なくとも7個の連続したアミノ酸の1以上のフラグメントを含む、アミノ酸配列、またはこれらの組み合わせを含む、ポリペプチドを含む。
本発明はまた、個体におけるChlamydia pneumoniae感染を予防もしくは処置するための医薬の調製における、ポリペプチドの使用にも関する。例えば、ポリペプチドの使用は、Chlamydia pneumoniaeに感染した個体のセロポジティブな血清と免疫反応する自己トランスポータータンパク質としての使用であり得る。
本発明はさらに、個体において免疫応答を惹起させるための方法に関し、この方法は、個体に、(a)配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78および配列番号79からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)(a)のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列;または(c)(a)のアミノ酸配列からの少なくとも1、2、3、4、5、6もしくは7個のアミノ酸の1以上のフラグメントまたはこれらの組み合わせを含む、アミノ酸配列、を含むポリペプチドを投与する工程を包含する。
また、個体における免疫応答を診断するための方法が提供され、この方法は、(a)個体から得られた生物学的サンプルを、自己トランスポーター機能を有するポリペプチドに結合する結合因子と接触させる工程;(b)生物学的サンプルにおいて、結合因子に結合するポリペプチドの量を決定する工程;および(c)ポリペプチドの量を所定のカットオフ値と比較して、それにより個体における免疫応答の存在を決定する工程、を包含する。
被験体において免疫応答を惹起させるための組成物がまた、提供され、この組成物は、2以上のChlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質もしくはその免疫原性フラグメントを含む。この組成物は、さらに、1以上の免疫賦活薬を含み得る。
また、配列番号86に対応するアミノ酸配列、配列番号86に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号86の少なくとも7個の連続するアミノ酸の1以上のフラグメントを含むアミノ酸配列、を含むポリペプチドの、自己トランスポーター抗原としての使用も提供される。
本発明は、Chlamydia pneumoniae細菌由来の第1の生物学的分子と、Chlamydia pneumoniae細菌由来の第2の生物学的分子とを含有する組成物に関する。第1の生物学的分子は、配列番号1〜配列番号86からなる群、または、配列番号1〜配列番号41からなる群より選択される。
組成物はまた、配列番号1〜配列番号86、もしくは、配列番号1〜配列番号41からなる群より選択される、第2の生物学的分子を含有し得る。
組成物はまた、配列番号1〜41からなる群より選択される、2以上の生物学的分子を含有し得る。
組成物はまた、配列番号1〜41からなる群より選択される1以上の生物学的分子を、配列番号42〜86からなる群より選択される1以上の生物学的分子と組み合せて含有し得る。
添付の特許請求の範囲のいずれかに記載される組成物は、さらに、ADP−リボシル化外毒素(exotoxin)もしくはその誘導体のようなアジュバントを含有するか、または、アジュバントは、コレラ毒素(CT)、Escherichia熱不安定性腸内毒素(exterotoxin)(LT)、およびアジュバント活性を有するこれらの変異体からなる群より選択される。
本発明の組成物を含有するワクチン、およびこのワクチンの使用がまた提供される。ワクチンは、Chlamydia感染の予防もしくは処置のための医薬の調製において使用され得、そして、例えば、経粘膜、鼻腔内、もしくは膣内に投与され得る。
さらに、宿主被験体におけるChlamydia感染を処置するための方法が提供され、この方法は、安全有効量のワクチンの投与を包含する。
本発明の別の局面において、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する免疫原性組成物が提供され、この組み合わせは、Chlamydia pneumoniaeの基本小体と結合した少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原と、Chlamydia pneumoniaeの網様体と結合した少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原とを含む。
本発明の別の局面において、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する免疫原性組成物が提供され、この組み合わせは、第1抗原群の少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原と、第2抗原群の少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原とを含み、上記第1抗原群は、III型分泌系(Type III Secretion System)(TTSS)タンパク質を含み、そして、上記第2抗原群は、III型分泌系(TTSS)エフェクタータンパク質を含む。
本発明のなお別の局面において、少なくとも2つの血液型亜型にわたり保存されている、少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原を含む、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する、免疫原性組成物が提供される。
本発明のなお別の局面において、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する組成物が提供され、上記組み合わせは、Chlamydia pneumoniae特異的TH1免疫応答、およびChlamydia pneumoniae特異的TH2免疫応答を惹起させる。
本発明は、さらに、Chlamydia pneumoniaeに感染した患者の処置の効果をモニタリングする方法を提供し、この方法は、本発明の免疫原性組成物を患者に投与した後に、患者におけるChlamydia pneumoniae特異的抗体のレベルを決定する工程を包含する。
(発明の説明)
本発明は、Chlamydia pneumoniae細菌由来の第1の生物学的分子と、Chlamydia pneumoniae細菌由来の第2の生物学的分子とを含有する組成物を提供する。用語「生物学的分子」としては、タンパク質、抗原および核酸が挙げられる。この組成物はまた、好ましくは、さらなる生物学的分子(これもまたChlamydia pneumoniaeに由来する)を含有し得る。すなわち、組成物は、2以上(例えば、3、4、5、6、7、8など)の生物学的分子を含有し得、これらのうちの少なくとも2つ(例えば、3、4、5、6、7、8など)が、Chlamydia pneumoniaeに由来する。このような組成物としては、(i)2以上の異なるChlamydia pneumoniaeタンパク質;(ii)2以上の異なるChlamydia pneumoniae核酸、または(iii)1以上のChlamydia pneumoniaeタンパク質および1以上のChlamydia pneumoniae核酸の混合物を含有する組成物が挙げられる。
本発明の1つの局面において、Chlamydia pneumoniae特異的なTH1免疫応答(例えば、細胞媒介性もしくは細胞性の免疫応答)を惹起させる少なくとも1つの抗原と、Chlamydia pneumoniae特異的なTH2応答(例えば、体液性もしくは抗体の応答)を惹起させる少なくとも1つの抗原との組み合わせを含有する免疫原性組成物が提供される。この免疫原性組成物は、さらに、TH1アジュバントおよびTH2アジュバントを含有し得る。
本発明の別の局面において、少なくとも2つの血液型亜型にわたって保存される、少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原を含有する、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する免疫原性組成物が提供される。
本発明のなお別の局面において、Chlamydia pneumoniae特異的なTH1免疫応答を惹起させる少なくとも1つの抗原と、Chlamydia pneumoniae特異的なTH2免疫応答を惹起させる少なくとも1つの抗原とを含有する免疫原性組成物が提供され、この組み合わせは、少なくとも2つの血液型亜型にわたって保存される、少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原を含む。
本発明の別の局面において、Chlamydia pneumoniae特異的なTH1免疫応答を惹起させる少なくとも1つの抗原と、Chlamydia pneumoniae特異的なTH2免疫応答を惹起させる少なくとも1つの抗原とを含有する免疫原性組成物は、好ましくは、Chlamydia pneumoniaeのEBに結合した少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原と、Chlamydia pneumoniaeのRBに結合した少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原とを含む、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する。なおさらなるこのような組み合わせは、少なくとも1つの他の血液型亜型に由来するRBおよび/またはEB抗原と結合する、1つの血液型亜型に由来するEBおよび/またはRB抗原を含み得る。
本発明のさらなる局面において、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有するキットが提供され、このキットにおいて、少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原は、Chlamydia pneumoniaeのEBと結合しており、そして、少なくとも1つのChlamydia pneumoniae抗原は、Chlamydia pneumoniaeのRBと結合している。このキットは、さらに、TH1アジュバント、TH2アジュバント、および指示書を備え得る。
本発明は、さらに、本発明の免疫原性組成物を投与することによって、Chlamydia特異的な免疫応答を惹起させる方法を提供する。
本発明は、さらに、Chlamydia pneumoniaeに感染した被験体の処置の効果をモニタリングする方法を提供し、この方法は、本発明の免疫原性組成物を投与した後に、被験体におけるChlamydia特異的抗体またはChlamydia特異的エフェクター分子のレベルを決定する工程を包含する。
1つの好ましい実施形態において、第1および第2の生物学的分子は、異なるChlamydia pneumoniae種に由来する(例えば、異なるChlamydia pneumoniae血液型亜型に由来する)が、これらは、同じ種に由来していてもよい。組成物中の生物学的分子は、異なる血清群に由来しても、同じ種の系統に由来してもよい。第1の生物学的分子は、好ましくは、配列番号1〜86からなる群より選択される。より好ましくは、第1の生物学的分子は、配列番号1〜41および/または配列番号42〜86からなる群より選択される。好ましくは、第1の生物学的分子は、精製されたか、もしくは、単離された生物学的分子である。第2の生物学的分子は、好ましくは、配列番号1〜86からなる群より選択される。より好ましくは、第2の生物学的分子は、配列番号1〜41および/または配列番号42〜86からなる群より選択される。好ましくは、第2の生物学的分子は、精製されたか、もしくは、単離された生物学的分子である。従って、本発明に従う特定の組成物としては、以下を含む組成物が挙げられる:配列番号1〜41からなる群より選択される、2以上の生物学的分子;配列番号1〜41からなる群より選択される1以上の生物学的分子、および配列番号42〜86からなる群より選択される、1以上の生物学的分子の組み合わせ。第1および第2の生物学的分子の一方もしくは両方が、本明細書中に具体的には開示されておらず、そして、本特許出願が出願される前に、同定、発見、もしくは、公的に利用可能に作製、または、精製されていない可能性のある、Chlamydia pneumoniaeの生物学的分子であり得る。
別の実施形態において、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせが提供され、この組み合わせは、少なくとも1つのIII型分泌系(TTSS)タンパク質および、少なくとも1つのIII型分泌系(TTSS)分泌、もしくはエフェクタータンパク質、またはそれらのフラグメントを含む。TTSSタンパク質(すなわち、ChlamydiaのTTSS機構に関連するTTSSタンパク質)を同定するための多数の方法が存在する。TTSSは、複雑なタンパク質の分泌および送達の機構もしくは装置であり、全体的もしくは部分的に基本小体上に位置し得、Chlamydiaのような生物が、細菌感染を確立するため、そして、宿主の細胞機能を調節するために、(抗宿主ビルレンス決定基として機能し得る)細菌エフェクタータンパク質のようなタンパク質を、真核生物細胞の細胞質内に投入することによって、その細胞内の場所を確保することを可能にする。EB表面に露出されるTTSSタンパク質は、宿主細胞内への接着および/または取り込みにおいて役割を果たし得る。
背景的な情報として、TTSSは、複雑なタンパク質の分泌および送達の機構もしくは装置であり、基本小体(EB)上に位置し得、Chlamydiaのような生物が、細菌感染を確立するため、そして、宿主の細胞機能を調節するために、(抗宿主ビルレンス決定基として機能し得る)細菌エフェクタータンパク質のようなタンパク質を、真核生物細胞の細胞質内に投入することによって、その細胞内の場所を確保することを可能にする。これらの投入されたタンパク質(TTSSエフェクタータンパク質)は、宿主細胞に種々の効果を発揮し得る。この効果としては、アクチンおよび他の構造タンパク質の操作、ならびに、宿主細胞のシグナル伝達系の変調が挙げられるがこれらに限定されない。TTSS系の投入された(もしくは転位した)タンパク質もしくは物質はまた、MHC−クラスI分子によってプロセシングおよび提示され得る。
III型分泌系によって分泌されるタンパク質の全てが、宿主細胞内に送達されるか、もしくは、エフェクター機能を有するわけではない。基本小体(EB)は、「代謝的には不活性である」ものと解釈されるが、(EB)上に位置するChlamydiaのTTSS系は、膜の接触によって誘発されず、そして、予め形成されえた「ペイロード(payload)」タンパク質を放出し得ると想定されている。現在の仮説は、III型分泌系(TTSS)は、宿主細胞の細胞質へとタンパク質を分泌するため、そして、封入体膜へとChlamydiaのタンパク質(Incセットなど)を挿入するためのChlamydiaの複製周期の細胞内期の間に活性になり、宿主細胞の細胞質から成長したChlamydiaの微小コロニーを分離する、というものである(Montigianiら(2002)Infection and Immunity 70(1);386−379を参照のこと)。
タンパク質は、感染後2時間(初期周期(early cycle))で発現および分泌され得、一方で、他の初期周期および中期周期のIII型特異的な遺伝子の発現は、6〜12時間(中期周期(mid cycle))まで検出できない。16〜20時間後、RBは、EBへと分化し始め、そして、48〜72時間までに、EBは、封入体内で優勢となる。宿主細胞が溶解すると、EBの細胞外空間への放出が生じ、細胞外空間で、より多くの細胞に感染し得る。本明細書の目的のために、初期遺伝子とは、(mRNA発現の観点で)感染の初期に発現されるものであり、中期遺伝子とは、感染後の中期周期において発現されるものであり、そして、後期遺伝子とは、RBのEBへの最終的な移行の間に発現されるものである。初期、中期および後期の段階のタンパク質と、これらの転写および翻訳のプロフィールと間には、タイムラグが存在し得る。なぜならば、mRNAが豊富であることは、タンパク質が豊富であることと常には相関し得ないからである。
1つの例において、本発明は、TTSSフェクタータンパク質を含み得る。記載されるTTSSフェクタータンパク質は、Chlamydia pneumoniaeのRBと結合しており、そして、例えば、免疫蛍光顕微鏡法を用いて同定され得る(Bannantineら、Infection and Immunity 66(12);6017−6021を参照のこと)。
TTSS機構により分泌された推定のChlamydia TTSSエフェクタータンパク質に対するエフェクター抗体は、Chlamydia pneumoniae感染(例えば、早期、中期または後期の周期)の間の、特定の時点に、宿主細胞内にマイクロインジェクションされ得る。次いで、Chlamydia pneumoniaeの宿主細胞内への侵入に関連する、Chlamydia pneumoniaeに対する宿主細胞の反応(例えば、アクチン再構築、エンドソームの成熟化の阻害、宿主の脂質獲得、ならびにMHCクラスI分子およびMHCクラスII分子のダウンレギュレーション)が観察される。これらの一次的な観察に基づいて、TTSSエフェクタータンパク質(RBに結合したChlamydia pneumoniaeタンパク質)が検出され得る。
本発明の特定の組成物は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有し得、上記組み合わせは、2、3、4、5、もしくは6つ全ての第1の抗原群のChlamydia pneumoniae抗原からなり、上記第1の抗原群は、(1)pmp2;(2)pmp10;(3)エノラーゼ;(4)OmpH様タンパク質;ならびに(5)CPn特異的な遺伝子であるCPn0759およびCPn0042の生成物からなる。これらの抗原は、本明細書中で、「第1の抗原群」と呼ばれる。
好ましくは、本発明の組成物は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有し、上記組み合わせは、以下からなる群より選択される:(1)pmp2およびpmp10;(2)pmp2およびエノラーゼ;(3)pmp2およびOmpH様タンパク質;(4)pmp2およびCPn0759;(5)pmp2およびCPn0042;(6)pmp10およびエノラーゼ;(7)pmp10およびOmpH様タンパク質;(8)pmp10およびCPn0759;(9)pmp10およびCPn0042;(10)エノラーゼおよびOmpH様タンパク質;(11)エノラーゼおよびCPn0759;(12)エノラーゼおよびCPn0042;(13)OmpH様タンパク質およびCPn0759;(14)OmpH様タンパク質およびCPn0042;(15)CPn0759およびCPn0042;(16)pmp2およびpmp10およびエノラーゼ;(17)pmp2およびpmp10およびOmpH様タンパク質;(18)pmp2およびpmp10およびCPn0759;(19)pmp2およびpmp10およびCPn0042;(20)pmp2およびエノラーゼおよびOmpH様タンパク質;(21)pmp2およびエノラーゼおよびCpn0759;(22)pmp2およびエノラーゼおよびCPn0042;(23)pmp2およびOmpH様タンパク質およびCPn0759;(24)pmp2およびOmpH様タンパク質およびCPn0042;(25)pmp2およびCpn0759およびCPn0042;ならびに(26)pmp10およびエノラーゼおよびOmpH様タンパク質;(27)pmp10およびエノラーゼおよびCPn0759;(28)pmp10およびエノラーゼおよびCPn0042;(29)エノラーゼおよびOmpH様タンパク質およびCPn0759;(30)エノラーゼおよびOmpH様タンパク質およびCPn0042;(31)OmpH様タンパク質およびCPn0759およびCPn0042。
好ましくは、Chlamydia pneumoniae抗原の組成物は、pmp2、pmp10、エノラーゼ、OmpH様タンパク質およびCPn0759からなる。
好ましくは、Chlamydia pneumoniae抗原の組成物は、pmp2、pmp10、エノラーゼ、OmpH様タンパク質およびCPn0042からなる。
好ましくは、Chlamydia pneumoniae抗原の組成物は、pmp2、pmplO、エノラーゼ、OmpH様タンパク質、ならびにCPn0759およびCPn0042からなる。
本発明はまた、特に組み合せて使用する場合に、免疫化の目的に特に適した、12のChlamydia pneumoniae抗原のわずかにより大きい群を提供する。(この第2の抗原群は、第1の抗原群の6つのChlamydia pneumoniae抗原を含む)。これらの12のChlamydia pneumoniae抗原は、以下の第2の抗原群を形成する:(1)pmp2;(2)pmp10;(3)エノラーゼ;(4)OmpH様タンパク質;(5)CPn0759;(6)CPn0042;(7)ArtJ;(8)HtrA;(9)AtoS;(10)OmcA;(11)CPn0498;および(12)CPn0525。これらの抗原は、本明細書中で、「第2の抗原群」と呼ばれる。
従って、本発明は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含有する組成物を提供し、上記組み合わせは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12の第2の抗原群のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。好ましくは、上記組み合わせは、2、3、4もしくは5の第2の抗原群のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。なおより好ましくは、上記組み合わせは、第2の抗原群の6つのChlamydia pneumoniae抗原からなる。第1および第2の抗原群のChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下でより詳細に記載される。
(1)Pmp10(CPn0449)
pmp10タンパク質の1例は、以下に配列番号1(GenBank登録番号GI: 14195016)として示される。本発明と共に使用するために好ましいpmp10タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号1に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号1の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのpmp10(pmp2)タンパク質としては、配列番号1の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号1からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号1のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号1)
Figure 2007526318
(2)Pmp2=多形外膜(Polymorphic Outer Membrane)プロテインGファミリー(CPn 0013)
pmp2タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号139および140として開示される{GenBank登録番号:gi|4376270|gb|AAD18172.1’CPnO013’;以下の配列番号2}。本発明と共に使用するために好ましいpmp2タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号2に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号2(Seq ID NO:1)の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのpmp2タンパク質としては、配列番号2の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号2(Seq ID NO:1)からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号2のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号2)
Figure 2007526318
(3)エノラーゼ(Cpn0800)
「Eno」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号93および94として開示される{GenBank登録番号:gi|4377111|gb|AAD18938.1|’Cpn0800’;以下の配列番号3}。本発明と共に使用するために好ましいEnoタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号3(Seq ID No:2)に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号3(Seq ID No:2)の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのEnoタンパク質としては、配列番号3の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号3からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号3のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号3)
Figure 2007526318
(4)OmpH様外膜タンパク質(CPn0301)
OmpH様タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号77および78として開示される{GenBank登録番号:gi|4376577|gb|AAD18450.1|’CPn0301’;以下の配列番号4}。本発明と共に使用するために好ましいOmpH様タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号4に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号4(Seq ID No:3)の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのOmpH様タンパク質としては、配列番号4の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号4からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号4のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、19、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号4)
Figure 2007526318
(5)CPn0042(仮想(hypothetical))
仮想タンパク質の1例は、以下に配列番号5として示される。GenBank登録番号:gi|4376296|gb|AAD18195.1。本発明と共に使用するために好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号5に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号5の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらの仮想タンパク質としては、配列番号5の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号5からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号5のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、19、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号5)
Figure 2007526318
(6)CPn0795(仮想)
仮想タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号63および64として開示される{GenBank登録番号:gi|4377106|gb|AAD18933.1|’CPn07957’;以下の配列番号6}。実施例が実証するように、本発明者らは、CPn0795およびCpn0794〜Cpn0799の群における関連のタンパク質が、分泌型の自己トランスポーター機能を有することを初めて示した。自己トランスポーター分泌機構により分泌されるタンパク質は、全体的に求心力のある(unifying)構造((内側の膜を横切る分泌のための)アミノ末端のリーダーペプチド、分泌された成熟タンパク質(またはパッセンジャー(passenger)ドメイン)、および、外膜の孔(この孔を通ってパッセンジャードメインが細胞表面へと通過する)を形成する、専用のC末端ドメインを含む)を有することが示されている。外膜を横切る分泌のために必要とされるものは、単一の分子内に含まれ、そして、分泌は、エネルギーに依存しないプロセスであるようである。タンパク質の構造上の特性は、分泌に課され得る生物物理学的な制約を考慮すると、孔のサイズにより制限され得る。
自己トランスポーター、すなわち、V型の分泌系は、生物が、細菌の表面に、そして、細菌の表面を越えてタンパク質を分泌することを可能にする、専用のタンパク質転位機構である。分泌機構、および、単に単回の認識事象によって新しい自己トランスポータータンパク質を発生させるその能力は、細菌が、周辺質、または輸出された(exported)ビルレンス因子として発生される、タンパク質の分泌効率を増加させる、豊富な機会を与えている。
自己トランスポーター(V型)分泌機構の1つのモデルにおいて、タンパク質は、自己トランスポーター分泌機構によって輸出され、そして、ポリタンパク質プロセシングドメインとして翻訳される。自己トランスポーターは、全体的に求心力のある(unifying)構造を有し、これらは、3つの機能ドメイン:アミノ末端のリーダーペプチド、分泌された成熟タンパク質(パッセンジャードメイン)、および、パッセンジャードメインの分泌を可能にするためのβ−バレル孔を形成するC末端(β)ドメインを含む。リーダー配列は、sec装置を介して分泌を命令し、そして、シグナルペプチだーゼによって、内側の膜で切断され、そして、分子の残りの部分を周辺質へと放出する。一旦、周辺質に入ると、βドメインが、β−バレル形状の構造により特徴付けられる、生物物理学的に好ましい状態を確実なものにし、それ自体を、外膜へと挿入して、孔を形成する。外膜に挿入した後、パッセンジャードメインが、細菌の細胞表面に転位され、そして、細菌の細胞表面において、パッセンジャードメインは、インタクトなままであっても、プロセシングを受けてもよい。プロセシングを受けたタンパク質は、細胞外環境へと放出されても、細菌の細胞表面と結合したままであってもよい(HendersonおよびNataro,「Virulence Functions of Autotransporter Proteins」,Infection and Immunity,Vol.69,No.3,2001年3月,1231−1243頁)。
本発明と共に使用するために好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号6に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号6の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらの仮想タンパク質としては、配列番号6の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号6からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号6のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、19、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。実施例が実証するように、本発明者らは、CPn0795が、感染性EB形状の表面上にある抗体に対して提示され、そしてアクセス可能であるようであり、そして、このタンパク質が、免疫原性の組成物もしくはワクチンの良好な成分になることを初めて示した。
本願の表1は、Cpn特異的な仮想タンパク質であるCpn0795(配列番号6)が、FACS陽性なタンパク質であり、そして、Chlamydia pneumoniae感染のハムスター脾臓モデルにおいて、有意な免疫保護活性を示すことを実証する。本発明者らは、Cpn特異的な仮想タンパク質のこの群における他のCpnタンパク質が、分泌型の自己トランスポーター機能を有することがここで見出された、ということを実証する証拠を見出した。Chlamydia trachomatisには存在しない、これらのタンパク質としては、以下が挙げられる:gi/4377105(Cpn0794)、gi/4377106(Cpn0795)、gi/4377107(Cpn0796)、gi/4377108(Cpn0797)、gi/4377109(CPn0798)、gi/4377110(Cpn0799)。
(配列番号6)
Figure 2007526318
(7)ArtJアルギニン周辺質結合タンパク質(CPn0482)
「ArtJ」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号73および74として開示される{GenBank登録番号:gi|4376767|gb|AAD18622.1|’CPn0482’;以下の配列番号7}。本発明と共に使用するために好ましいArtJタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号7に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号7の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのArtJタンパク質としては、配列番号7の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号7からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号7のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。ArtJタンパク質は、低分子様アルギニンもしくは別のアミノ酸に結合し得る。
(配列番号7)
Figure 2007526318
(8)HrtA(HtrA) DOセリンプロテアーゼ(CPn0979)
「HrtA」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号111および112として開示される{GenBank登録番号:gi|4377306|gb|AAD19116.1|’CPn0979’;以下の配列番号8}。本発明と共に使用するために好ましいHrtAタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号8に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号8の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのHrtAタンパク質としては、配列番号8の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号8からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号8のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、16、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。配列番号8に関連して、区別可能なドメインは、以下の残基である:1−16;17−497;128−289;290−381;394− 485;および394−497。
(配列番号8)
Figure 2007526318
(9)AtoS2成分調節系センサーヒスチジンキナーゼタンパク質(CPn0584)
「AtoS」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号105および106として開示される{GenBank登録番号:gi|4376878|gb|AAD18723.1|’CPn0584’;以下の配列番号9}。本発明と共に使用するために好ましいAtoSタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号9に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号9の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのAtoSタンパク質としては、配列番号9の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号9からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号9のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号9)
Figure 2007526318
(10)OmcA 9kDa−システインリッチリポタンパク質(CPn0558)
「OmcA」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号9および10として開示される{GenBank登録番号:gi|4376850|gb|AAD18698.1|’CPn0558’,’OmcA’,’Omp3’;以下の配列番号10}。本発明と共に使用するために好ましいOmcAタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号10に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号10の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのOmcAタンパク質としては、配列番号10の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号10からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号10のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、18、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。このタンパク質は、(例えば、N−アシルジグリセリドによって)脂質化され得、従って、N−末端システインを有し得る。
(配列番号10)
Figure 2007526318
(11)CPn0498(仮想)
仮想タンパク質の1例は、以下に配列番号11(GenBank登録番号GI:4376784;AAD18638.1)として示される。本発明と共に使用するために好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号11に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号11の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらの仮想タンパク質としては、配列番号11の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号11からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号11のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、18、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。このタンパク質は、(例えば、N−アシルジグリセリドによって)脂質化され得、従って、N−末端システインを有し得る。
(配列番号11)
Figure 2007526318
(12)CPn0525(仮想)
「CPn0525」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号117および118として開示される{GenBank登録番号:gi|4376814|gb|AAD18665.1|’CPn0525’,以下の配列番号12}。本発明と共に使用するために好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号12に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号12の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのOmcAタンパク質としては、配列番号12の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号12からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号12のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く;シグナルペプチドを除去するためには、好ましくは、18、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、上記のシグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号12)
Figure 2007526318
(第3の抗原群)
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原群または第2の抗原群のいずれかからの、2以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合せることによって向上され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原としては、以下からなる、第3の抗原群が挙げられる:(1)LcrE、(2)DnaK、(3)Omp85ホモログ、(4)Mip−様;(5)OmcB、(6)MurG、(7)Cpn0186および(8)fliY。これらの抗原は、本明細書中で、「第3の抗原群」と呼ばれる。
(13)LcrE低カルシウム応答性Eタンパク質(CPn0324)
「LcrE」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号29および30として開示される{GenBank登録番号:gi|4376602|gb|AAD18473.1|’CPn0324’;以下の配列番号13}。本発明と共に使用するために好ましいLcrEタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号13に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号13の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのLcrEタンパク質としては、配列番号13の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号13からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号13のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号13)
Figure 2007526318
(14)DnaK熱ショックタンパク質70(シャペロン)(CPn0503)
「DnaK」タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号103および104として開示される{GenBank登録番号:gi|4376790|gb|AAD18643.1|’CPn0503’;以下の配列番号14}。本発明と共に使用するために好ましいDnaKタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号14に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号14の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのDnaKタンパク質としては、配列番号14の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号14からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号14のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多くを欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号14)
Figure 2007526318
(15)Omp85ホモログ(Cpn0300)
Omp85ホモログタンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号147および148として開示される{GenBank登録番号:gi4376576|gb|AAD18449.1|’CPn0300’;以下の配列番号15}。本発明と共に使用するために好ましいOmp85タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号15に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号15の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのOmp85ホモログタンパク質(DnaK protein)としては、配列番号15の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号15からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号15のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号15)
Figure 2007526318
(16)Mip様FKBP型ペプチジル−プロリル シス−トランス(CPn0661)
Mip様タンパク質の1例は、WO 02/02606において配列番号55および56として開示される{GenBank登録番号:gi|4376960|gb|AAD18800.1|’CPn0661’;以下の配列番号16}。本発明と共に使用するために好ましいMip様タンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号16に対して、50%以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれより高い)の同一性を有し;そして/または(b)配列番号16の少なくともn個連続したアミノ酸のフラグメントであり、ここで、nは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、またはそれより多く)である。これらのmip様タンパク質としては、配列番号16の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号16からのエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号16のC末端から、1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)、および/または、N末端からの1以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多く)を欠く。他のフラグメントは、タンパク質の1以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号16)
Figure 2007526318
(17)OmcB 60kDa システインリッチOMP(CPn0557)
OmcBタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号47および配列番号48として開示される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376849|gb|8697.1|’CPn0557’;以下の配列番号17}。本発明で使用するための好ましいOmcBタンパク質は、以下のアミノ酸配列を含む:(a)配列番号17に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号17の少なくともn個の連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60,70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらのOmcBタンパク質は、配列番号17の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号17に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号17のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号17のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号17)
Figure 2007526318
(18)MurGペプチドグリカントランスフェラーゼタンパク質(CPn0904)
「MurG」タンパク質の一例は、WO02/02606において配列番号107および配列番号108として開示される。{GenBankアクセッション番号:gi|4377224|gb|AAD19042.1|’CPn0904’;以下の配列番号18}。本発明で使用するための好ましいMurGタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号18に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号18の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7個以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらのMurGタンパク質は、配列番号18の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号18に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号18のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号18のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、細胞質ドメインの上記のシグナルペプチド、膜貫通ドメインの上記のシグナルペプチド、または細胞外ドメインの上記のシグナルペプチドの省略)。そのMurGは、例えば、ウンデカプレニルで脂質化されていてもよい。
(配列番号18)
Figure 2007526318
(19)CPn0186(仮想)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号19として示される。(GenBankアクセッション番号GI:4376456;AAD18339.1)。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号19に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号19の少なくともn個の連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらの仮想タンパク質は、配列番号19の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号19に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号19のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号19のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号19)
Figure 2007526318
(20)FliYグルタミン結合タンパク質(CPn0604)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号11および配列番号12として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376900|gb|AAD18743.1|’CPn0604’;以下の配列番号20}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号20に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号20の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらの仮想タンパク質としては、配列番号20の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)が挙げられる。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号20に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号20のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号20のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号20)
Figure 2007526318
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第3の抗原グループのいずれかに由来する2個以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneufnoniae抗原としては、PMPファミリーの1個以上のメンバーからなる第4の抗原グループが挙げられる。これらの抗原は、「第4の抗原グループ」として本明細書で言及される。第4の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下で詳細に記載される。
(第4の抗原グループ)
(21)多型膜タンパク質(PMP)
推定多型膜タンパク質(PMP)をコードする21個のChlamydia pneumoniae遺伝子のファミリーが、同定された(pmp1〜pmp21)。
Pmp 1(CPn0005)
Pmp 1タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号41および配列番号42として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376260|gb|AAD18163.1 ’CPn0005’;以下の配列番号21}。
(配列番号21)
Figure 2007526318
Pmp 4(CPn0017)
Pmp 4タンパク質の一例は、配列番号22と指定される。pmp4タンパク質の配列は、AE001587.1 GI:4376271で見出され得る。
Pmp 6(CPn0444)
Pmp 6タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号31および配列番号32として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376727|gb|AAD18588.1|’CPn0444’;以下の配列番号23}。
(配列番号23)
Figure 2007526318
Pmp 7(CPn0445)
Pmp 7タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号153および配列番号154として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376728|gb|AADl8589.1|’CPn0445’;以下の配列番号24}。
(配列番号24)
Figure 2007526318
Pmp 8タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号45および配列番号46として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376729|gb|AAD18590.1|’CPn0446’;以下の配列番号25}。
(配列番号25)
Figure 2007526318
Pmp 9(CPn0447)
Pmp 9タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号33および配列番号34として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376731|gb|AAD18591.1|’CPn0447’;以下の配列番号26}。
(配列番号26)
Figure 2007526318
Pmp 11(CPn0451)
Pmp 11タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号115および配列番号116として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376733|gb|AAD18593.1|’CPn0451’;以下の配列番号27)。
(配列番号27)
Figure 2007526318
Pmp 12(CPn0452)
Pmp 12タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号51および配列番号52として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376735|gb|AAD18594.1 ’CPn0452’;以下の配列番号28)。
(配列番号28)
Figure 2007526318
Pmp 13 (CPn0453)
Pmp 13タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号3および配列番号4として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376736|gb|AAD18595.1 ’CPn0453’;以下の配列番号29}。
(配列番号29)
Figure 2007526318
Pmp 14(CPn0454)
Pmp 14タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号35および36として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376737|gb|AAD18596.1 ’CPn0454’;以下の配列番号30}。
(配列番号30)
Figure 2007526318
Pmp 15(CPn0466)
Pmp 15 タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号5および6として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376751|gb|AAD18608.1 ’CPn0466’;以下の配列番号31}。
(配列番号31)
Figure 2007526318
Pmp 16(CPn0467)
Pmp 16タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号7および8として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376752|gb|AAD18609.1|’CPn0467’;以下の配列番号32}。
(配列番号32)
Figure 2007526318
Pmp 18(CPn0471)
Pmp 18タンパク質の一例は、以下に配列番号33として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376753|gb|AAD18610.1|’CPn0471’。
(配列番号33)
Figure 2007526318
Pmp 19(CPn0539)
Pmp 19タンパク質の一例は、以下に配列番号34として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376829|gb|AAD18679.1 ’CPn0539’;以下の配列番号34}。
(配列番号34)
Figure 2007526318
実施例で実証されるように、本発明者らは、フローサイトメトリー(FACS)分析およびウェスタンブロット分析を用いて、PMP19が表面に露出されていないようであるということを実証した(Grimwood et al (2001),Infection and Immunity 69 (4),2383−2389)。しかし、高レベルのmRNA発現が、やはりpmp19(CPn0539)の遺伝子マイクロアレイ分析において観察される。
Pmp 20(CPn0540)
Pmp 20タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号119および配列番号120として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376830|gb|AAD18680.1 ’CPn0540’;以下の配列番号35}。
(配列番号35)
Figure 2007526318
Pmp21(CPn0963)
Pmp 21タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号83および配列番号84として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4377287|gb|AAD19099.1|’CPn0963’;以下の配列番号36}。
(配列番号36)
Figure 2007526318
本発明で使用するための好ましいPMPタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)上記のpmpタンパク質について記載されるポリペプチド配列のうちの1つに対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上の)を有する、および/または(b)上記に記載されるポリペプチド配列のうちの1つの少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらPMPタンパク質は、上記に記載されるポリペプチド配列の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、上記に記載されるポリペプチド配列のうちの1つに由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、上記に記載されるポリペプチド配列のうちの1つのC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または上記に記載されるポリペプチド配列のうちの1つのN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(第15の抗原グループ)
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第3の抗原グループまたは第4の抗原グループのいずれかに由来する2つ以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原としては、1つ以上の細胞表面露出タンパク質からなる第5の抗原グループが上げられる。これらの抗原は、「第5の抗原グループ」と本明細書でいわれる。第5の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下に詳細に記載される。
(37)PorB外膜タンパク質B(CPn0854)
PorBタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号67および配列番号68として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4377170|gb|AADl8992.1|’CPn0854’;以下の配列番号37}。本発明で使用するための好ましいPorBタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号37に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上の)を有する;および/または(b)配列番号37の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらPorBタンパク質は、配列番号37の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号37に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号37のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号37のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号37)
Figure 2007526318
(38)76kDaタンパク質ホモログ(CPn0728)
76kDaタンパク質のホモログタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号13および14として記載される。{GenBankアクセッション番号:gi|4377033|gb|AAD18867.1|’CPn0728’;以下の配列番号38}。本発明で使用するための好ましい76kDaタンパク質のホモログは、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号38に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号21の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら76kDaタンパク質のホモログは、配列番号38の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号38に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号38のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号38のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)
(配列番号38)
Figure 2007526318
(39)OmpA保存外膜タンパク質(CPn0695)
OmpA保存外膜タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号59および配列番号60として記載されるタンパク質である。{GenBankアクセッション番号:gi|4376998|gb|AAD18834.1|’CPn10695’;以下の配列番号39}。本発明で使用するための好ましいompAタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号39に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号39の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号39の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号39に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号39のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号39のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号39)
Figure 2007526318
(40)PepA(CPn0385)
PepAタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号99および配列番号100として記載されるタンパク質である。{GenBankアクセッション番号:gi|4376664|gb|AAD18529.1’CPn0385’;以下の配列番号40}。本発明で使用するための好ましいPepAタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号40に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号40の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらPepAタンパク質は、配列番号40の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号40に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号40のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号40のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失する。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号40)
Figure 2007526318
(41)保存外膜タンパク質(CPn0278)
保存外膜タンパク質の一例は、以下に配列番号41として記載されるタンパク質である。GenBankアクセッション番号GI:4376552;AAD18427.1。本発明で使用するための好ましい保存外膜タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号41に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号41の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら保存外膜タンパク質は、配列番号41の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号41に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号41のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号41のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号41)
Figure 2007526318
(第6の抗原グループ)
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第3の抗原グループまたは第4の抗原グループまたは第5の抗原グループのいずれかに由来する2つ以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原は、1種以上のFACS陽性CPn抗原からなる第6の抗原グループを包含する。これらの抗原は、本明細書で「第6の抗原グループ」といわれる。第6の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下に詳細に記載される。
(42)推定Omp(CPn0020)
推定Ompタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号91および配列番号92として記載される。{GenBankアクセッション番号gi|4376272|gb|AAD18173.1:’CPn0020’;以下の配列番号42)。本発明で使用するための好ましいOmpタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号42に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号42の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらOmpタンパク質は、配列番号42の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号42に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号42のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号42のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号42)
Figure 2007526318
(43)推定Omp(CPn0021)
推定Ompタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号49および配列番号50として記載される。{GenBankアクセッション番号gi|4376273|gb|AAD18174.1:’CPn0021’;以下の配列番号43}。本発明で使用するための好ましいOmpタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号43に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号43の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号43の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号43に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号43C末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号43のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号43)
Figure 2007526318
(44)オリゴヌクレオチド結合タンパク質Oppa−1リポタンパク質(CPn0195)
オリゴヌクレオチド結合タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号23および配列番号24として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4376466|gb|AAD18348.1:’CPn0195’;以下の配列番号44}。本発明で使用するための好ましいオリゴヌクレオチド結合タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号44に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号44の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号44の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号44に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号44のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)および/または配列番号44のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号44)
Figure 2007526318
(45)CHLPS 43kDaタンパク質ホモログ−1(CPn0562)
CHLPSタンパク質の一例は、以下に配列番号45として記載される。GenBankアクセッション番号GI:4376854;AAD18702.1。本発明で使用するための好ましいCHLPSタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号45の50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号45の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらCHLPSタンパク質は、配列番号45の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号45に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号45のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号45のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号45)
Figure 2007526318
(46)YscJ(YopトランスロケーションJタンパク質)(CPn0828)
YscJタンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号109および配列番号110として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4377140|gb|AAD18965.1|’CPn0828’;以下の配列番号46。本発明で使用するための好ましいYscJタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号46の50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号46の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらYscJタンパク質は、配列番号46の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号46に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号46のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号46のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号46)
Figure 2007526318
(47)仮想(CPn0415)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号101および配列番号102として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|437696|gb|AAD18559.1|’CPn0415’;以下の配列番号47}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号47に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号47の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号47の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号47に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号47のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号47のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号47)
Figure 2007526318
(48)仮想(CPn0514)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号87および配列番号88として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4376802|gb|AAD18654.1|’CPn0514’;以下の配列番号48}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号48に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号48の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号48の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号48に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号48のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号48のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号48)
Figure 2007526318
(49)仮想(CPn0668)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号57および配列番号58として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4376968|gb|AAD18807.1’CPn0668’;以下の配列番号49}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号49に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号49の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号49の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号49に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号49のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号49のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号49)
Figure 2007526318
(50)仮想(CPn0791)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号123および配列番号124として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4377101|gb|AAD18929.1|’CPn0791’;以下の配列番号50}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号50の50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、9
9.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号50の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号50の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号50に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号50のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号50のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号50)
Figure 2007526318
(51)仮想(CPn0792)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号61および配列番号62として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4377102|gb|AAD18930.1|’CPn0792’;以下の配列番号51}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号51に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号51の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号51の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号51に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号51のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号51のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号51)
Figure 2007526318
(52)仮想(CPn0820)
仮想タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号113および配列番号114として記載される。{GenBankアクセッション番号 gi|4377132|gb|AAD18958.1|’CPn0820’;以下の配列番号52}。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号52に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号52の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号52の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号52に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号52のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号52のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号52)
Figure 2007526318
(53)仮想(CPn0126)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号53として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376390;AAD18279.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号53に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号53の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8,10、12,14、16,18、20、25、30,35、40,50、60,70、80,90、100,150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号53の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号53に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号53のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号53のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号53)
Figure 2007526318
(54)仮想(CPn0794)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号54として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377105;AAD18932.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号54に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号54の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号54の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号54に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号54のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号54のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号54)
Figure 2007526318
(55)仮想(CPn0796)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号55として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377107;AAD18934.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号55に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号55の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号55の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号55に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号55のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号55のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。Cpn0796は、C.pneumoniaeから分泌され得、若い封入体のChlamydiaの膜に位置するのに対して、Cpn0796のN末端部分は、その後で、宿主細胞細胞質に分泌される。Cpn0796は、自己トランスポーター(autotrasporter)であると提唱された。そしてCpn0796は、提唱されたChlamydia自己トランスポーターの宿主細胞細胞質への分泌の最初の例である。Cpn0796が宿主細胞細胞質において見出されたことは、未知の輸送機構が、封入体膜を超えるトランスロケーションのために存在することを示唆する(Vandahl,「Proteome analysis of Chlamydia pneumoniae−proteins at the Chlamydia− host cell Interface」,Abstract of PhD Dissertation,Dan Med Bull 2004:51:306)。
(配列番号55)
Figure 2007526318
本発明で使用するための1つの好ましいタンパク質は、細菌の細胞表面に露出されるように分泌され得るCpn0796のN末端ペプチドを含み、タンパク質分解事象を介して分離され得る。一実施形態において、Cpn0796のN末端ペプチドは、β−プロペラ構造の配座を形成し得る。Cpn0796のN末端ペプチドの一例は、以下に配列番号86として記載される。本発明で使用するためのCpn0796のN末端ペプチドは、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号86の50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号86の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号86の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号86に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号86のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号86のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。
(配列番号86)
Figure 2007526318
(56)仮想(CPn0797)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号56として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377108;AAD18935.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号56に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上の)を有する;および/または(b)配列番号56の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号56の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号56に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号56のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号56のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号56)
Figure 2007526318
(76)オリゴペプチド結合タンパク質Oppa−2リポタンパク質(CPn0196)
オリゴペプチド結合タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号127および配列番号128として記載される。{GenBankアクセッション番号 GI:4376467;AAD18349.1 ’CPn0196’;以下の配列番号76}。本発明で使用するための好ましいオリゴペプチド結合タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号76に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号76の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号76の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号76に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号76のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)および/または配列番号76のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号76)
Figure 2007526318
(第6の抗原グループ)
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第3の抗原グループまたは第4の抗原グループまたは第5の抗原グループまたは第6の抗原グループのいずれかに由来する2種以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原は、1種以上の仮想タンパク質(すなわち、例えば、細胞位置および/または機能が分かっていないタンパク質)からなる第7の群を包含する。これら抗原は、本明細書で「第7の抗原グループ」といわれる。第7の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下に詳細に記載される。
(57)仮想(CPn0331)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号57として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376609;AAD18480.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号57に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号57の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号57の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号57に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号57のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号57のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号57)
Figure 2007526318
(58)仮想(CPn0234)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号58として記載される。GenBankアクセッション番号 gi|4376508|gb|AAD18387.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号58に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号58の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号58の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号58に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号58のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号58のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号58)
Figure 2007526318
(59)仮想(CPn0572)
仮想タンパク質一例は、以下に配列番号59として記載される。GenBankアクセッション番号 gi|4376866|gb|;AAD18712.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号59に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号59の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号59の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号59に由来するエピトープを含む。他のの好ましいフラグメントは、配列番号59C末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号59N末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号59)
Figure 2007526318
(第8の抗原グループ)
他のClilainydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第4の抗原グループまたは第4の抗原グループまたは第5の抗原グループまたは第6の抗原グループまたは第7の抗原グループのいずれかに由来する2種以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原は、1種以上のFACS陽性CPn抗原からなる第8の抗原グループを包含する。これら抗原は、本明細書で「第8の抗原グループ」といわれる。第8の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下に詳細に記載される。
(60)低カルシウム応答タンパク質H(CPn0811)
低カルシウム応答タンパク質Hの一例は、以下に配列番号60として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377123;AAD18949.1。本発明で使用するための好ましい低カルシウム応答タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号60に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号60の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら低カルシウム応答タンパク質は、配列番号60の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号60に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号60のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号60のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号60)
Figure 2007526318
(61)Yopタンパク質トランスロケーションタンパク質T(CPn0823)
Yopタンパク質トランスロケーションタンパク質Tの一例は、以下に配列番号61として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377135;AAD18960.1。本発明で使用するための好ましいYopタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号61に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号61の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらYopタンパク質は、配列番号61の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号61に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号61のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号61のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号61)
Figure 2007526318
(62)Yopタンパク質トランスロケーションタンパク質J
Yopタンパク質トランスロケーションタンパク質Jの一例は、以下に配列番号62として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377140;AAD18965.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号62に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号62の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、 8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号62の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号62に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号62のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号62のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号62)
Figure 2007526318
(63)OmpA(CPn0695)
OmPAコード(MOMP)タンパク質の一例は、以下に配列番号63として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376998;AAD18834.1。本発明で使用するための好ましいOmpAタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号63に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号63の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8,10、12,14、16,18、20、25、30,35、40,50、60,70、80,90、100,150、200、250以上)である)。これらOmpAタンパク質は、配列番号63の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号63に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号63ののC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号63のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号63)
Figure 2007526318
(64)仮想(CPn0210)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号64として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376482;AAD18363.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号64に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号64の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号64の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号64に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号64のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号64のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号64)
Figure 2007526318
(65)低カルシウム応答タンパク質遺伝子座タンパク質H(CPn1021)
低カルシウム応答タンパク質Hの一例は、以下に配列番号65として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377352;AAD19158.1。本発明で使用するための好ましい低カルシウム応答タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号65に対する50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号65の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8,10、12,14、16,18、20、25、30,35、40,50、60,70、80,90、100、150,200、250以上)である。これら低カルシウム応答タンパク質は、配列番号65の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号65に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号65のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号65のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号65)
Figure 2007526318
(第9の抗原グループ)
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第3の抗原グループまたは第4の抗原グループまたは第5の抗原グループまたは第6の抗原グループまたは第7の抗原グループまたは第8の抗原グループのいずれかに由来する2種以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原は、第9の抗原グループを包含する。これら抗原は、本明細書で「第9の抗原グループ」といわれる。第9の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下に詳細に記載される。
(66)低カルシウム応答タンパク質D(CPn0323)
低カルシウム応答タンパク質Dの一例は、以下に配列番号66として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376601;AAD18472.1。本発明で使用するための好ましい低カルシウム応答タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号66に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号66の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら低カルシウム応答タンパク質は、配列番号66配列番号66の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号66に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号66のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号66のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号66)
Figure 2007526318
(67)CHLPS 43kDaタンパク質ホモログ−1(CPn0062)
CHLPS 43kDaタンパク質ホモログ−1の一例は、以下に配列番号67として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376318;AAD18215.1。本発明で使用するための好ましいCHLPSタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号67に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号67の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらCHLPSタンパク質は、配列番号67の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号67に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号67のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号67のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号67)
Figure 2007526318
(68)仮想(CPn0169)
CHLPS 43kDaタンパク質ホモログ−1の一例は、以下に配列番号68として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376437;AAD18322.1。本発明で使用するための好ましいCHLPSタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号68に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号68の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8,10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60,70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらCHLPSタンパク質は、配列番号68の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号68に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号68のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号68のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号68)
Figure 2007526318
(69)PmpDファミリー(CPn0963)
PmpDタンパク質の一例は、以下に配列番号69として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377287;AAD19099.1。本発明で使用するための好ましいPmpDタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号69に対して50%以上の同一性 (例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号69の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらPmpDタンパク質は、配列番号69の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号69に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号69のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号69のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号69)
Figure 2007526318
(第10の抗原グループ)
他のChlamydia pneumoniae抗原の免疫原性は、第1の抗原グループまたは第2の抗原グループまたは第3の抗原グループまたは第4の抗原グループまたは第5の抗原グループまたは第6の抗原グループまたは第7の抗原グループまたは第8の抗原グループまたは第9の抗原グループのいずれかに由来する2種以上のChlamydia pneumoniae抗原と組み合わせることによって改善され得る。このような他のChlamydia pneumoniae抗原は、第10の抗原グループを包含する。第10の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原の各々は、以下に詳細に記載される。
(70)OmpH様外膜タンパク質(CPn0301)
「OmpH様」タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号77および配列番号78として開示される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376577|gb|AAD18450.1|’CPn0301’;以下の配列番号70および上記の配列番号4}。本発明で使用するための好ましいOmpH様タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号4に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号3の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらOmpH様タンパク質は、配列番号4の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号4に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号4のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号4のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上;好ましくは、シグナルペプチドを除去するために19個以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、細胞質ドメインの上記のシグナルペプチド、膜貫通ドメインの上記のシグナルペプチド、または細胞外ドメインの上記のシグナルペプチドの省略)。
(配列番号70)
Figure 2007526318
(71)L7/L12リボソームタンパク質(CPn0080)
L7/L12リボソームタンパク質の一例は、以下に配列番号71として記載される。{GenBankアクセッション番号:GI:4376338;AAD18233.1}。’CPn0080’;以下の配列番号71。本発明で使用するための好ましいL7/L12タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号71に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号71の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらL7/L12リボソームタンパク質は、配列番号71の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号71に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号71のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号71のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上;好ましくは、シグナルペプチドを除去するために19個以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインを欠失している(例えば、細胞質ドメインの上記のシグナルペプチド、膜貫通ドメインの上記のシグナルペプチド、または細胞外ドメインの上記のシグナルペプチドの省略)。
(配列番号71)
Figure 2007526318
(72)AtoS 2成分調節系センサヒスチジンキナーゼタンパク質(CPn0584)
「AtoS」タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号105および配列番号106として開示される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376878|gb|AAD18723.1|’CPn0584’;以下の配列番号72および上記の配列番号9}。本発明で使用するための好ましいAtoSタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号72に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号72の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらAtoSタンパク質は、配列番号72の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号72に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号72ののC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号72のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号72)
Figure 2007526318
(73)OmcA 9kDaシステインリッチリポタンパク質(CPn0558)
「OmcA」タンパク質の一例は、WO 02/02606において配列番号9および配列番号10として開示される。{GenBankアクセッション番号:gi|4376850|gb|AAD18698.1|’CPn0558’、’OmcA’、’Omp3’;以下の配列番号73および上記の配列番号10}。本発明で使用するための好ましいOmcAタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号73に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号73の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これらOmcAタンパク質は、配列番号73の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号73に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号73のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号73のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上;好ましくは、シグナルペプチドを除去するために18個以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、細胞質ドメインの上記のシグナルペプチド、膜貫通ドメインの上記のシグナルペプチド、または細胞外ドメインの上記のシグナルペプチドの省略)。このタンパク質は、(例えば、N−アシルジグリセリドによって)脂質化され得るので、N末端システインを有し得る。
(配列番号73)
Figure 2007526318
(74)仮想(CPn0331)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号74および上記に配列番号57として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4376609;AAD18480.1。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号74に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号74の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号74の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号74に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号74のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号74のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号74)
Figure 2007526318
(75)PmpDファミリー(CPn0963)
PmpDタンパク質の一例は、以下に配列番号75として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377287;AAD19099.1。本発明で使用するための好ましいPmpDタンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号75に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号75の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号75の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号75に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号75のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号75のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号75)
Figure 2007526318
(76)仮想(CPn0798)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号78として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:4377109;AAD18936。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号78に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号78の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号78の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号78に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号78のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号78のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号78)
Figure 2007526318
(77)仮想(CPn0799)
仮想タンパク質の一例は、以下に配列番号79として記載される。GenBankアクセッション番号 GI:15618708;AAD18937。本発明で使用するための好ましい仮想タンパク質は、以下のアミノ酸配列を包含する:(a)配列番号79に対して50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上)を有する;および/または(b)配列番号79の少なくともn個連続するアミノ酸のフラグメントである(ここでnは、7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250以上)である)。これら仮想タンパク質は、配列番号79の改変体(例えば、対立遺伝子改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など)を包含する。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号79に由来するエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、配列番号79のC末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を、および/または配列番号79のN末端から1個以上のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25以上)を欠失している。他のフラグメントは、そのタンパク質の1個以上のドメインが抜けている(例えば、シグナルペプチドの抜け、細胞質ドメインの省略、膜貫通ドメインの省略、または細胞外ドメインの省略)。
(配列番号79)
Figure 2007526318
好ましくは、本発明の組成物は、(1)CPn0301とCPn0080;(2)CPn0584とCPn0558;および(3)CPn0331とCPN0963、からなる群より選択されるCPn抗原の組み合わせを含む。好ましくは、この組成物は、群(1)、群(2)および群(3)のうちのいずれか1つ以上の組み合わせを含む。なおより好ましくは、本発明の組成物は、(1)CPn0385、CPn0324、CPn0503、CPn0525およびCPn0482からなる群より選択されるCPn抗原の組み合わせを含む。好ましくは、この組成物は、ミョウバンおよび/またはcPGの存在下で投与される。
従って、本発明は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含む組成物を包含し、この組み合わせは、第1の抗原グループのうちの2種、3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原、および第2に抗原グループのうちの2種、3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。好ましくは、この組み合わせは、第1の抗原グループから3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原、および第2の抗原グループから3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。さらにより好ましくは、この組み合わせは、第1の抗原グループから6種のChlamydia pneumoniae抗原、および第2の抗原グループから3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原からなる。
本発明は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含む組成物をさらに包含し、この組み合わせは、第2の抗原グループのうちの2種、3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原、および第3の抗原グループのうちの2種、3種、4種、5種、6種、7種または8種のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。好ましくは、この組み合わせは、第2の抗原グループから3種、4種、5種または6種のChlamydia pneumoniae抗原、および第3の抗原グループから3種、4種、5種、6種、7種または8種のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。なおより好ましくは、この組み合わせは、第2の抗原グループから6種のChlamydia pneumoniae抗原、および第3の抗原グループのうちの3種、4種、5種、6種、7種または8種のChlamydia pneumoniae抗原からなる。
本発明の組成物中に存在するChlamydia pneumoniae抗原の総数には上限がある。好ましくは、本発明の組成物中のChlamydia pneumoniae抗原の総数は、20未満、19未満、18未満、17未満、16未満、15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、または3未満である。なおより好ましくは、本発明の組成物中のChlamydia pneumoniae抗原の総数は、6未満、5未満、または4未満である。本発明において使用されるChlamydia pneumoniae抗原は、好ましくは単離されている(すなわち、この分子が天然に見出される生物全体から切り離されかつ分離されているか、またはこのポリヌクレオチドもしくはポリペプチドが天然において見出されない場合、そのポリヌクレオチドまたはポリペプチドが意図される目的で使用され得るように、他の生物学的高分子を含まない)。
上記の組み合わせのいずれにおいても、好ましくは、この組成物は、第4の抗原グループ(porBを含む)から1種以上のChlamydia pneumoniae抗原を含む。または、代わりに、上記の組み合わせのいずれにおいても、好ましくは、第4の抗原グループのChlamydia pneumoniae抗原は、pmp3ファミリーのうちの1種以上のメンバーを含む。
本発明の他の局面は、添付の特許請求の範囲、および以下の説明および図面に示される。これらの局面は、別個のセクションの見出しで示される。しかし、各セクションの下での教示は、その特定のセクションの見出しに必ずしも限定されないことが理解されるべきである。
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、具体的に例示された分子またはプロセスのパラメーターに限定されず、よって当然のことながら、変動し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を記載することが目的であるにすぎず、限定を意図しないことを理解するべきである。さらに、本発明の実施は、別段示されない限り、ウイルス学、微生物学、分子生物学、組換えDNA技術および免疫学の従来の方法を用いており、これらの方法の全ては、当業者の技術範囲内である。このような技術は、文献中に十分に説明されている。例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989);DNA Cloning:A Practical Approach、vol.I&II(D.Gloverら);Oligonucleotide Synthesis.Gait編、1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);ならびにFundamental Virology、第2半、vol.I&II(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編)を参照のこと。
本明細書で引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、前出、後出に拘わらず、それらの全体が本明細書に参考として援用される。本願および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの、ある(a、an)」および「その、この(the)」は、文脈上明らかに別のものを示さない限り、複数形への言及を包含することに注意しなければならない。本願で使用される全ての科学用語および技術用語は、別段特定されない限り、当該分野で一般的に使用されている意味を有する。本願で使用される場合、以下の語または語句は、特定された意味を有する。
用語「〜を含む、〜を包含する、〜を含有する(comprising)」とは、「〜を含む、〜を包含する(including)」ならびに「〜からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、もっぱらXからなっていてもよいし、何か他のものを含んでいてもよい(例えば、X+Y)。
数値xに関して、用語「約」とは、例えば、x±10%を意味する。
2つ以上のアミノ酸配列間の配列同一性%への言及は、整列された場合、そのアミノ酸のパーセンテージが、2つの配列を比較したときに同じであることを意味する。この整列および相同性%または配列同一性%は、当該分野で公知のソフトウェアプログラム(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編、1987)補遺30の第7.7.18節に記載されるもの)を用いて決定され得る。好ましい整列は、ギャップオープンペナルティー12およびギャップエクステンションペナルティー2、BLOSUMマトリックス62とともにアフィンギャップ検索を用いるSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムにより決定される。このSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、Smith&Waterman(1981) Adv.Appl.Math.2:482−489に開示されている。
(免疫応答)
免疫系が疾患を制御する機構としては、体液性免疫を介する中和抗体の誘導および細胞性免疫を介するT細胞応答の生成が挙げられる。本明細書で使用される場合、用語、抗原に対する「免疫応答」とは、その抗原に対する体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答が宿主哺乳動物被験体において発生することをいう。
本明細書で使用される場合、用語「体液性免疫応答」とは、抗体分子によって媒介される免疫応答をいう。体液性免疫によって生成される抗体は、主に、細胞外の感染性因子に対して有効である。
本発明の組成物中の配列番号1〜86には、タンパク質に結合する抗体が補充されるかまたはこの抗体で弛緩される。この抗体は、モノクローナル抗体であってもよいし、ポリクローナル抗体であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「細胞媒介性免疫(CMI)応答」とは、Tリンパ球および/または他の白血球によって媒介される応答である。このCMI免疫機構は、一般に、細胞内の感染および疾患に対してより有効である。なぜなら、このCMI機構は、抗原が後に出現した場合に、記憶T細胞が活性化されて、標的細胞(その細胞表面上に対応する抗原またはその一部を有する)を、よって感染している病原体を破壊するCMI応答を生じる様式で、T細胞を刺激するからである。このCMI応答は、直接的な細胞間接触によって、および/または抗ウイルス活性を有する分子(例えば、サイトカイン)の放出によって、宿主の感染した細胞を破壊するいずれかのエフェクター細胞によって媒介される、感染源の破壊に焦点を当てる。従って、このCMI応答は、特異的Tリンパ球細胞応答によって特徴づけられ、癌、ウイルス、病原性微生物および他の細胞内微生物によって引き起こされる疾患に対する耐性を引き起こすために重要である。
本発明の一局面において、免疫原性組成物が提供され、この免疫原性組成物は、Chlamydia pneumoniae特異的Th1免疫応答(例えば、細胞媒介性免疫応答または細胞性免疫応答)を誘発する少なくとも1種の抗原と、Chlamydia pneumoniae特異的Th2応答(例えば、体液性応答または抗体応答)を誘発する少なくとも1種の抗原との組み合わせを含む。この免疫原性組成物は、Th1アジュバントおよびTh2アジュバントをさらに含み得る。
一実施形態において、本発明は、少なくともChlamydia pneumoniae特異的Th1免疫応答を誘発するClalamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含む組成物を提供する。例として、このChlamydia pneumoniae抗原の組み合わせは、Chlamydia pneumoniaeの網様体(RB)と関連した少なくとも1つの抗原を含み得る。これらの抗原としては、封入体膜(inclusion membrane)で発現される抗原、その膜上で曝される抗原またはその中に移動される(translocated)抗原またはその膜を貫通もしくは横切る抗原、宿主細胞のサイトゾルで発現される抗原、分泌される抗原、放出される抗原、もしくはその中に移動される抗原、あるいは宿主細胞のサイトゾル中でプロセシングされるかもしくは分解される抗原、および/または宿主細胞の表面で発現される抗原、露出される抗原または提示される抗原が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、好ましくは、Chlamydia細胞内感染に効率的に対処するために、細胞媒介性免疫応答および体液性免疫応答の両方を誘発する。この免疫応答は、好ましくは、長期間持続する(例えば、中和)抗体、およびChlamydiaに曝露されたら迅速に応答し得る細胞媒介性免疫を含む。
本発明はまた、1種以上の免疫調節因子を含む免疫原性組成物を包含する。好ましくは、免疫調節因子のうちの1種以上がアジュバントを包含する。このアジュバントは、以下でさらに議論される、Th1アジュバントおよびTh2アジュバントからなる群のうちの1種以上より選択され得る。このアジュバントは、鉱物塩(例えば、アルミニウム塩)およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドからなる群より選択され得る。最も好ましくは、この免疫原性組成物は、アルミニウム塩およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドの両方を含む。鉱物塩(例えば、アルミニウム塩)とCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用すると、増強された免疫応答が提供される。この改善された免疫応答は、完全に予測外であり、いずれかの因子単独の使用からは推定することはできない。従って、本発明は、CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド、鉱物塩(例えば、アルミニウム塩)、および抗原(例えば、Chlamydia pneumoniae抗原)を含む。
(CMI応答に影響を与えるT細胞)
少なくとも2種の特定の型のT細胞が、CMI応答および体液性応答を開始するために、および/または増強するために必要とされる。CD4補助受容体を発現するT細胞の特定のサブセット上のこの抗原レセプターは、Tヘルパー(Th)細胞またはCD4 T細胞(本明細書以降、Tヘルパー細胞といわれる)であり得、これら細胞は、MHCクラスII分子に結合した抗原性ペプチドを認識する。対照的に、CD8補助受容体を発現するT細胞の特定のサブセット上の抗原レセプターは、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはCD8+ T細胞(本明細書以降、CD8+ T細胞といわれる)であり、これら細胞は、MHCクラスI分子上で提示される抗原と反応する。
(ヘルパーT細胞)
ヘルパーT細胞またはCD4+細胞は、2つの機能的に異なるサブセットにさらに分けられ得る:Th1およびTh2は、それらのサイトカインおよびエフェクター機能が異なる。Th1応答およびTh2応答は、Th1細胞応答が、Th1サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12およびIFN−γによって増強され、Th2サイトカイン(例えば、IL−4およびIL−10)によって低下されるように、ポジティブな様式にもネガティブな様式にも調節され得ることが示された。対照的に、抗体応答は、Th2サイトカイン(例えば、IL−4およびIL−10)によって増強されるが、Th1サイトカイン(例えば、IFN−γ)およびIFN−γを増強し、単球によって生成される別のサイトカインIL−12)によってダウンレギュレートされる。従って、古典的なTh1サイトカイン(例えば、IFN−γ、IL−2およびIL−12)は、有効な炎症応答を誘導する免疫補因子として調節され得る。対照的に、この古典的なTh2サイトカイン(例えば、IL−4およびIL−10)は、重篤な炎症応答を抑制するサイトカインとして調節され得る。
(CD8+ T細胞)
CD8+ T細胞は、1つより多くの様式で機能し得る。CD8+ T細胞の最もよく知られている機能は、MHCクラスI分子の状況においてペプチド抗原を有する標的細胞の殺傷または溶解である。従って、これが、これらの細胞がしばしば細胞傷害性Tリンパ球(CTL)といわれる理由である。しかし、別の機能(おそらく、特定の感染において保護により関連する)は、CD8+ T細胞がインターフェロンγ(IFN−γ)を分泌する能力である。従って、溶解活性のアッセイおよびIFN−γ放出のアッセイはともに、CD8+ T細胞免疫応答を測定するにあたって価値がある(例えば、以下に示されるELISPOTアッセイ)。感染性疾患において、CD8+ T細胞が、疾患の任意の症状が引き起こされる前に、疾患のより初期段階において感染性抗原を含む感染性因子を殺傷することによって防御し得ることを示唆する証拠がある。
(増強されたCMI応答)
本発明は、宿主被験体における、標的抗原に対するCMI応答を増強および/または調節し得る方法、プロセスおよび組成物に関する。本明細書で使用される得場合、用語「増強する」とは、CMI応答の全ての局面における改善を包含する。この改善としては、抗原または目的の抗原をコードするヌクレオチド配列に対するCMI応答の刺激および/または増大、ならびに/あるいはその程度および/または持続時間、および/または質の強化および/またはアップレギュレーションが挙げられるが、これらに限定されない。例示すると、このCMI応答は、(i)標的抗原を認識するCD8+ T細胞の活性化および/または生成および/または増殖を増強すること、ならびに/あるいは(ii)CMI応答を、Th2型の応答からTh1型の応答へとシフトすること、を誘発することによって増強され得る。このTh1関連応答の増強は、細胞内感染に応答するにあたって特に価値がある。なぜなら、上記で説明したように、このCMI応答は、活性化Th1(例えば、IFN−γ誘導)細胞によって増強されるからである。
このような増強された免疫応答は、一般に、Tヘルパー2様免疫応答(Th2)の代わりに、インターフェロン生成CD4+ Tリンパ球および/または CD8+ Tリンパ球の増大した力価、増大した抗原特異的CD8+ T細胞活性、ならびに目的の抗原に対するTヘルパー1様免疫応答(Th1)(体液性免疫と代表的には関連しているサブクラス(例えば、IgGI)の抗体力価の減少と同時に、細胞性免疫と代表的には関連しているサブクラス(例えばIgG2a)の増大した抗原特異的抗体力価によって特徴づけられる)によって特徴づけられ得る。
CMI応答の増強は、多くの周知のアッセイによって、例えば、リンパ球増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CD8+ T細胞アッセイによって、または感作した被験体におけるエピトープに特異的なTリンパ球についてアッセイすること(例えば、Ericksonら.(1993)J.Immunol.151:4189−4199;およびDoeら.(1994) Eur.J.Immunol.24:2369−2376を参照のこと)によって、またはインターフェロンγ生成を測定するためのCD8+ T細胞ELISPOTアッセイ(Miyaharaら PNAS(USA)(1998)95:3954−3959)によって、決定され得る。
(増強されたT細胞応答)
本明細書で使用される場合、用語「T細胞応答を増強する」とは、T細胞応答の全ての局面における改善を包含する。その改善としては、抗原(これは反復して投与され得る)もしくは抗原をコードするヌクレオチド配列に対するT細胞応答の刺激および/もしくは増加、ならびに/またはその応答の程度および/または持続時間および/または質の強化および/またはアップレギュレーションが挙げられるが、これらに限定されない。この抗原は、Chlamydia抗原、好ましくは、Chlamydia pneumoniae抗原であり得る。例示すると、そのT細胞応答は、その誘導されたT細胞の活性化および/または生成および/または分配および/または増殖を高めるか、ならびに/あるいはT細胞誘導/調節抗原もしくは抗原をコードするヌクレオチド配列に対するT細胞応答の寿命を高めることによって、増強され得る。宿主被験体におけるT細胞応答の増強は、宿主被験体におけるTh1免疫応答の増強および/または調節と関連し得る。
T細胞応答の増強は、多くの周知のアッセイによって、例えば、リンパ球増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CD8+ T細胞アッセイによって、または感作した被験体におけるエピトープに特異的なTリンパ球についてアッセイすること(例えば、Ericksonら.(1993)J.Immunol.151:4189−4199;およびDoeら.(1994) Eur.J.Immunol.24:2369−2376を参照のこと)によって、またはインターフェロンγ生成を測定するためのCD8+ T細胞ELISPOTアッセイ(Miyaharaら PNAS(USA)(1998)95:3954−3959)によって、決定され得る。
活性化したTh1細胞は、細胞性免疫(抗原特異的CTL生成の増大を含む)を増強し、従って、細胞内感染に対する応答において特に価値がある。活性化したTh1細胞は、IL−2、IFN−γ、およびTNF−βのうちの1種以上を分泌し得る。Th1免疫応答は、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞、およびCD8 細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化することによって、局所的炎症反応を生じ得る。Th1免疫応答はまた、IL−12でB細胞およびT細胞の増殖を刺激することによって、免疫応答を拡大するように作用し得る。Th1刺激B細胞は、IgG2aを分泌し得る。
活性化したTh2細胞は、抗体生成を増強し、従って、細胞外感染に対する応答において特に価値がある。活性化したTh2細胞は、IL−4、IL−5、IL−6、およびIL−10のうちの1種以上を分泌し得る。Th2免疫応答は、将来的な防御のために、IgG1、IgE、IgAおよび記憶B細胞の生成を生じ得る。
(抗原)
各疾患を引き起こす因子または疾患状態は、抗原またはその抗原上の免疫優性(immunodominant)エピトープ(免疫認識および宿主における疾患を引き起こす因子または疾患状態の最終的な除去または制御に重要である)と関連づけた。特定の疾患に対する体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答を上昇させるために、その宿主免疫系は、その疾患状態と関連する抗原またはその抗原上の免疫優性エピトープと接触させなければならない。
本明細書で使用される場合、用語「抗原」とは、個体において免疫学的応答を誘発し得る任意の因子(一般に、高分子)をいう。用語「抗原」は、用語「免疫原」と交換可能に使用される。この免疫学的応答は、Bリンパ球および/またはTリンパ球の応答であり得る。この用語は、個々の高分子、または抗原性高分子の均質な集団もしくは不均質な集団をいうために使用され得る。本明細書で使用される場合、「抗原」は、1種以上の抗原決定基またはエピトープを含むタンパク質分子またはその一部をいうために使用される。本明細書で使用される場合、用語「抗原」とは、感染性Chlamydia病原体に対するCMI応答を誘導し得る1種以上のエピトープを含む、目的の免疫原性ペプチドまたはタンパク質を意味する。この抗原は、自己抗原(auto−antigen)、自己抗原(self−antigen)、交叉反応抗原、同種抗原、寛容原、アレルゲン、ハプテン、免疫原またはそれらの一部、ならびにこれらの任意の組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
(エピトープ)
本明細書で使用される場合、用語「エピトープ」とは、一般に、T細胞レセプターおよび/または抗体によって認識される抗原上の部位をいう。好ましくは、エピトープは、タンパク質抗原に由来する短いペプチドまたはタンパク質抗原の一部である。しかし、この用語はまた、糖ペプチドおよび炭水化物エピトープを有するペプチドを包含することが意図される。いくつかの異なるエピトープは、単一の抗原性分子によって保持され得る。用語「エピトープ」はまた、アミノ酸または炭水化物の改変された配列を包含する。これらの配列は、生物全体を認識する応答を刺激する。選択されたエピトープが、感染性疾患を引き起こす感染性因子(例えば、Chlamydia細菌)のエピトープである場合には有利である。
配列番号1〜86は、本発明の組成物において、配列番号1〜86のフラグメントを含む分子が補充され得るか、またはこれらの分子で置換され得る。このようなフラグメントは、その分子に由来し、特定の配列に依存して、少なくともn個連続するモノマーを含み得る。nは、次のいずれかである:(i)タンパク質分子に関しては、好ましくは、そのフラグメントがその配列に由来するエピトープを含むように、7以上(例えば、8、18、20以上)、(ii)核酸分子に関しては10以上(例えば、15、18、20、25、30、35、40以上)。
(エピトープ源)
このエピトープは、過度の実験なくして、アミノ酸およびそのペプチドまたはポリペプチドの対応するDNA配列に関する理解、ならびに特定のアミノ酸の性質(例えば、大きさ、電荷など)、およびコドン辞書から作製され得る。例えば、Ivan Roitt、Essential Immunoloqy、1988;Kendrew、前出;Janis Kuby、Immunology、1992 例えば、pp.79−81を参照のこと。タンパク質が応答を刺激するか否かを決定するにあたってのいくつかのガイドラインとしては、以下が挙げられる:ペプチドの長さ−好ましくは、そのペプチドは、MHCクラスI複合体にフィットするように、約8アミノ酸または9アミノ酸の長さであり、クラスIIのMHC複合体にフィットするように、約13〜25アミノ酸の長さである。この長さは、そのペプチドがMHC複合体に結合するための最小限である。そのペプチドが、これらの長さより長いことは、好ましい。なぜなら細胞は、ペプチドを切断し得るからである。そのペプチドは、免疫応答を生成するに十分高い特異性を有する、種々のクラスI分子またはクラスII分子に結合することができるように、適切なアンカーモチーフを含み得る(Bocchia,M.ら、Specific Binding of Leukemia Oncogene Fusion Protein Pentides to HLA Class I Molecules、Blood 85:2680−2684;Englehard,VH,Structure of peptides associated with class I and class II MHC molecules Ann.Rev.Immunol.12:181(1994)を参照のこと)。これは、過度の実験なくして、目的のタンパク質の配列を、MHC分子と関連したペプチドの公にされた構造と比較することによって、行われ得る。従って、当業者は、そのタンパク質配列と、タンパク質データベースに載せられた配列とを比較することによって、目的のエピトープを確認し得る。
(T細胞エピトープ)
好ましくは、本発明の1種以上の抗原は、1種以上のT細胞エピトープを含む。本明細書に記載される場合、用語「T細胞エピトープ」とは、一般に、T細胞応答を誘導し得るペプチド構造を特徴とするものをいう。この点に関して、T細胞エピトープが直線的なペプチド決定基を含むことは受け入れられており、この決定基は、MHC分子のそのペプチド結合溝内の拡大したコンホメーションをとる(Unanueら.(1987) Science 236:551−557)。本明細書で使用される場合、T細胞エピトープは、一般に、少なくとも約3〜5アミノ酸残基、および好ましくは、少なくとも5〜10以上のアミノ酸残基を有するペプチドである。しかし、本明細書で使用される場合、用語「T細胞エピトープ」は、任意のMHCクラスI拘束ペプチドまたはMHCクラスII拘束ペプチドを包含する。特定のT細胞エピトープがCMI応答を刺激/増強する能力は、多くの周知のアッセイによって、例えば、リンパ球増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CD8+ T細胞アッセイによって、または感作した被験体におけるエピトープに特異的なTリンパ球についてアッセイすること(例えば、Ericksonら.(1993)J.Immunol.151:4189−4199;およびDoeら.(1994) Eur.J.Immunol.24:2369−2376を参照のこと)によって、またはインターフェロンγ生成を測定するためのCD8+ T細胞ELISPOTアッセイ(Miyaharaら PNAS(USA)(1998)95:3954−3959)によって、決定され得る。
(CD8+ T細胞エピトープ)
好ましくは、本発明の抗原は、CD8+ T細胞誘導エピトープを含む。A CD8+ T細胞誘導エピトープは、宿主被験体への投与後に、特異的CD8+ T細胞の形成を刺激し得るかまたはそのT細胞の活性を増大させ得るエピトープである。このCD8+ T細胞エピトープは、種々の異なる形態(例えば、1種または2種以上のエピトープの組換え文字列)で提供され得る。CD8+ T細胞エピトープが同定されており、多くの異なる疾患に関して、文献中に見出され得る。このようなCD8+ T細胞エピトープを含む任意の選択された抗原に対してCD8+ T細胞応答を発生させるように、エピトープ文字列を設計することが可能である。有利には、CD8+ T細胞誘導エピトープは、複数のエピトープの文字列中で提供され得る。このエピトープは、不要な核酸物質が避けられるように、介在する配列なしで一緒に連結される。
(Tヘルパーエピトープ)
好ましくは、本発明の抗原は、ヘルパーTリンパ球エピトープを含む。種々の方法が、本明細書に従う使用に適したTヘルパー細胞エピトープを同定するために利用可能である。例えば、ペプチド配列の両親媒性は、Tヘルパー細胞誘導因子として機能する能力をもたらすことが公知である。Tヘルパー細胞誘導エピトープの完全な議論は、米国特許第5,128,319号(本明細書に参考として援用される)に示される。
(B細胞エピトープ)
好ましくは、本発明の抗原は、CD8+ T細胞エピトープとB細胞エピトープとの混合物を含む。本明細書で使用される場合、用語「B細胞エピトープ」とは、一般に、特異的抗体分子が結合する抗原上の部位をいう。好太王糖を誘発し得るエピトープの同定は、当該分野で周知の技術を用いて容易に達成される。例えば、Geysenら (1984) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002(所定の抗原中の免疫原性エピトープの位置を決定するための、迅速にペプチドを合成する一般的方法);米国特許第4,708,871号(抗原のエピトープを同定し、化学的に合成するための手順);ならびにGeysenら.(1986) Molecular Immunology 23:709−715(所定の抗体に対して高い親和性を有するペプチドを同定するための技術)を参照のこと。
(エピトープの組み合わせ)
本発明の好ましい実施形態において、抗原または抗原の組み合わせは、CD8+ T細胞誘導エピトープとTヘルパー細胞誘導エピトープとの混合物を含む。
当該分野で周知であるように、T細胞誘導エピトープおよびB細胞誘導エピトープは、頻繁には、互いに異なり、異なるペプチド配列を含み得る。従って、タンパク質のペプチド鎖の特定の領域は、T細胞エピトープまたはB細胞エピトープのいずれかを有し得る。従って、そのCD8+ T細胞エピトープに加えて、CD8+ T細胞エピトープによって生成される免疫応答を増大するために、Tヘルパー細胞によって認識される1種以上のエピトープを含めることが好ましいと思われる。
Tヘルパー細胞誘導因子による、インビボでのCD8+ T細胞誘導性応答を増強する機構は、完全に明らかではない。しかし、理論に束縛されることなく、その増強因子は、Tヘルパー細胞を誘導する園の雨緑によって、特定のCD8+ T細胞のクローン性増殖および普及を補助する、必要なサイトカインのレベルの増大をもたらすようである。根底にある機構に拘わらず、ヘルパーT細胞と、本発明のCD8+ T細胞誘導抗原の組み合わせとの混合物を使用することによって、CMI応答の増強が補助されることが想定される。特に適したTヘルパー細胞エピトープは、異なるHLA型の個体において活性であるもの(例えば、破傷風由来のTヘルパーエピトープ(このエピトープに対して、大部分の個体は既に感作されている))である。B細胞応答および抗体生成を刺激するためにB細胞エピトープを含めることが有用であり得る。合成ヌクレオチド配列はまた、免疫応答の2つの型:T細胞のみと、B細胞応答と組み合わされたT細胞を引き起こすために構築され得る。
(免疫優性エピトープ)
個体が抗原もしくは抗原の組み合わせ、またはヌクレオチド配列もしくは標的抗原の複数のエピトープをコードするヌクレオチド配列の組み合わせで免疫される場合、多くの場合、応答するTリンパ球の大部分が、その標的抗原に由来する1種以上の直線状エピトープに対して特異的であり、そして/または応答するBリンパ球の大部分は、その抗原もしくは抗原の組み合わせに対する、1種以上の直線状エピトープもしくはコンホメーションエピトープに対して特異的である。本発明の目的のために、次いで、このようなエピトープは、「免疫優性エピトープ」といわれる。いくつかの免疫優性エピトープを有する抗原において、1つのエピトープが、特異的T細胞応答またはB細胞応答を命令する点で最も優性であり得る。
実施例で示されるように、本発明の少なくとも16個のペプチドが、細菌感染の結果として実際に増殖したIFN−γ陽性CD8+ T細胞集団によって認識された。
(アジュバント)
本発明の組成物は、他の免疫調節因子とともに投与され得る。特に、本発明の組成物は、アジュバントとともに投与され得る。
アジュバント(特に、遺伝子アジュバント(genetic adjuvant))を含めることは、CMI応答をさらに増強または調節することにおいて有用であり得る。アジュバントは、免疫した被験体において同時投与される抗原の免疫原性を増強することによって、およびワクチン製品において有益な同時投与される抗原に対するTh1様免疫応答を誘導することによって、CMI応答を増強し得る。
免疫応答および特にCMI応答は、抗原の組み合わせまたは抗原の組み合わせをコードするヌクレオチド配列(これらは、長期の持続した、増強されたCMI応答を誘発するために特に有効な組成物をもたらす)にアジュバントを添加することによって、洗練され得る。
本明細書で使用される場合、用語「アジュバント」とは、抗原特異的免疫応答を、特異的にまたは非特異的に、変化し得るか、増強し得るか、指向し得るか、再指向し得るか、強化し得るかまたは開始し得る全ての物質または組成物をいう。
用語「アジュバント」は、細菌性ADPリボシル化外毒素、生物学的に活性な因子、免疫調節分子、生物学的応答改変因子または免疫賦活分子(例えば、サイトカイン、インターロイキン、ケモカインまたはリガンドもしくはエピトープ(例えば、ヘルパーT細胞エピトープ))、および最適には、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アジュバントは、抗原とともに投与される場合、抗原組成物またはこのような抗原をコードするヌクレオチド配列は、その抗原または抗原の組み合わせ単独を投与する際に生成されるCMI応答と比較して、そのCMI応答を強化または調節する。アジュバントは、ヒトまたは動物での使用に適した、当該分野で公知の任意のアジュバントであり得る。
免疫調節分子(例えば、サイトカイン(TNF−α、IL−6、GM−CSF、およびIL−2)、ならびに同時刺激分子およびアクセサリ分子(B7−1、B7−2))は、種々の組み合わせにおいてアジュバントととして使用され得る。一実施形態において、GM−CSFは、投与レジメンの前にも、その最中にも、その後にも、被験体に投与されない。目的の抗原の発現部位における、免疫調節分子および目的の抗原の同時の生成は、CMI応答を増強する一助となり得る特異的エフェクターの生成を増強し得る。CMI応答の増強の程度は、使用される特定の面系刺激分子および/またはアジュバントに依存し得る。なぜなら、異なる免疫賦活分子は、CMI応答を増強および/または調節するための異なる機構を誘発し得るからである。例示すると、その異なるエフェクター機構/免疫調節分子としては、ヘルプシグナルの増大(IL−2)、プロフェッショナルAPCの増員(GM−CSF)、T細胞出現の増大(IL−2)、抗原プロセシング経路およびNHC発現に対する効果(IFN−γおよびTNF−α)ならびに免疫応答を、Th1応答からTh2応答に向かうとうに変更すること(LTB)(WO 97/02045を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチド(WO96/02555を参照のこと)は、Th1応答の優先的な誘導因子であり、本発明における使用に適している。
理論に束縛されることなく、アジュバントを含めることは、有利である。なぜならアジュバントは、Th2応答をTh1応答に変更することによる、発現される抗原に対するCMI応答ならびに/または増強したCMI応答の結果的な生成および維持を伴う、発現されるエピトープに対する特異的エフェクター関連機構を増強する一助となり得る(例えば、WO 97/02045の教示を参照のこと)。
抗原またはその抗原をコードするヌクレオチド配列と一緒にアジュバントを含めることも有利である。なぜなら、アジュバントは、その抗原またはその抗原をコードするヌクレオチド配列が投与される被験体において望ましいCMI応答を達成するために必要な抗原/抗原組み合わせのより低下した量またはより少ない量を生じ得るか、あるいはアジュバントは、定量的にかつ/もしくは定性的に異なる免疫応答を生じ得るからである。アジュバントの有効性は、抗原単独と平行して、アジュバントと抗原とを動物に投与し、その2つの群における抗体および/または細胞媒介性免疫を標準的なアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ、ELISA、CD8+ T細胞アッセイなど(全て当該分野で周知))を用いて比較することによって、決定され得る。代表的には、このアジュバントは、抗原とは別個の部分であるが、単一の分子(例えば、CTB)は、アジュバント特性および抗原特性の両方を有し得る。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子アジュバント(genetic adjuvant)」とは、ヌクレオチド配列によってコードされかつ、抗原と共に投与された場合に、抗原単独で投与した際に生成されるCMI応答と比較して、CMI応答を増強させる、アジュバントをいう。
細菌性ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体は、本発明において、アジュバントとして使用され得る。好ましくは、そのタンパク質は、E.coli(すなわち、E.coli非耐熱性腸毒素「LT」)、コレラ(「CT」)、または百日咳(「PT」)に由来する。一実施形態において、この遺伝子アジュバントは、細菌性ADPリボシル化毒素である。
ADPリボシル化細菌毒素は、関連する細菌性外毒素のファミリーであり、これらの毒素としては、ジフテリア毒素(DT)、百日咳毒素(PT)、コレラ毒素(CT)、E.coli非耐熱性毒素(LT1およびLT2)、Pseudomonas内毒素A、Pseudomonas外毒素S、B.cereus細胞外酵素、B.sphaericus毒素、C.botulinuna C2およびC3毒素、C.limosum細胞外酵素、ならびにC.perfringens、C.spiriformaおよびC.difficile、Staphylococcus aureus EDIN、およびADPリボシル化細菌性毒素変異体(例えば、CRM197、非毒性ジフテリア毒素変異体(例えば、Bixlerら(1989) Adv.Exp.Med.Biol.251:175;およびConstantinoら(1992) Vaccineを参照のこと)に由来する毒素が挙げられる。大部分のADPリボシル化細菌性毒素は、A:Bマルチマーとして組織化され、このマルチマーにおいて、Aサブユニットは、ADP−リボシルトランスフェラーゼ活性を含み、そのBサブユニットは、結合部分として作用する。本発明における組成物に使用するための好ましいADP−リボシル化細菌性毒素としては、コレラ速度およびE.coli非耐熱性毒素が挙げられる。
コレラ毒素(CT)および関連したE.coli非耐熱性腸毒素(LT)は、強力な免疫原であり、かつ全身に、経口的にまたは粘膜に投与されたとき強い毒性を示すそれらそれぞれの腸毒素の細菌株の分泌生成物である。
CTおよびLTの両方が、筋肉内経路もしくは経口経路を介して投与したときに、抗原に対するアジュバント効果を提供することが公知である。これらのアジュバント効果は、毒性に必要とされる用量未満の用量で観察された。これら2つの毒素は、分子が非常に似ており、アミノ酸レベルで少なくとも約70〜80%相同である。
好ましくは、遺伝子アジュバントは、コレラ毒素(CT)、腸毒素産生性E.coli非耐熱性毒素(LT)、あるいはアジュバント性を保持している、CTまたはLTの誘導体、サブユニット、またはフラグメントである。さらにより好ましい実施形態において、その遺伝子アジュバントは、LTである。別の好ましい実施形態において、その遺伝子アジュバントは、CTBまたはLTBであり得る。
好ましくは、腸毒素は、非毒性腸毒素である。
粘膜用アジュバントとしての解毒化ADPリボシル化毒素の使用は、参考文献103において記載され、非経口用アジュバントとしての解毒化ADPリボシル化毒素の使用は、WO95/17211において記載され、非経口アジュバントとしてWO98/42375において記載されている。毒素または類毒素は、好ましくは、AサブユニットおよびBサブユニットの両方を含む完全毒素の形態である。好ましくは、Aサブユニットは、解毒化変異体を含み;好ましくは、Bサブユニットは、変異していない。好ましくは、このアジュバントは、解毒化LT変異体(例えば、LT−K63、LT−R72、およびLT−G192)である。ADP−リボシル化毒素およびその解毒化誘導体、特にLT−K63およびLT−R72のアジュバントとしての使用は、以下の参考文献(その各々は、本明細書にその全体が参考として援用される)において見出され得る:Beignonら,Infection and Immunity(2002)70(6):3012−3019;Pizzaら,Vaccine(2001)19:2534−2541;Pizzaら,Int.J.Med.Microbiol(2000)290(4−5):455−461;Scharton−Kerstenら,Infection and Immunity(2000)68(9):5306−5313;Ryanら,Infection and Immunity(1999)67(12):6270−6280;Partidosら,Immunol.Lett.(1999)67(3):209−216;Peppoloniら,Vaccines(2003)2(2):285−293;およびPineら,J.Control Release(2002)85(1−3):263−270。アミノ酸置換についての多くの参考文献が、好ましくは、Domenighiniら,Mol.Microbiol(1995)15(6):1165−1167(具体的に、その全体が本明細書に参考として援用される)に示される、ADPリボシル化毒素のAサブユニットおよびBサブユニットのアラインメントに基づいている。
さらに例示すると、その腸毒素サブユニットコード領域のうちの少なくとも1つは、この領域にによってコードされるサブユニットペプチドを解毒するように遺伝的に改変され得る。例えば、ここで短縮されたAサブユニットコード領域は、そのサブユニットペプチド発現生成物においてADP−リボシルトランスフェラーゼ活性を破壊または不活性化するように、遺伝的に改変されている(例えば、WO 03/004055を参照のこと)。
従って、これらの結果は、この遺伝子アジュバントが、さらにいっそう増強されたCMI応答が望ましい場合に特に適切であることを実証している。他の望ましい遺伝子アジュバントとしては、IL−10、IL−12、IL−13、インターフェロン類(IFN類)(例えば、IFN−α、IFN−β、およびIFN−γ)、およびこれらの好ましい組み合わせをコードするヌクレオチド配列が挙げられるが、これらに限定されない。CMI応答を増強するなお他の生物学的に活性な因子は、当業者によって容易に選択され得る。そして同じものを含む適したプラスミドベクターも公知の技術によって構築され得る。
好ましいさらなるアジュバントとしては、以下に記載されるもののうちの1種以上が挙げられるが、これらに限定されない。
(鉱物含有組成物)
本発明におけるアジュバントとしての使用に適した鉱物含有組成物としては、鉱物塩(例えば、アルミニウム塩およびカルシウム塩)が挙げられる。本発明は、鉱物塩(例えば、水酸化物(例えば、オキシヒドロキシド)、リン酸塩(例えば、水酸化リン酸塩、オルトリン酸塩)、硫酸塩など(例えば、参考文献Bush and Everett(2001) Int J Syst Evol Microbiol 51:203−220の第8章および第9章を参照のこと)、または異なる鉱物化合物の混合物を含み、これらの化合物は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質など)をとり、そして吸着されることが好ましい。WO 00/23105を参照のこと。
アルミニウム塩は、Al3+の用量が0.2〜1.0mg/用量の間であるように、本発明の免疫原性組成物/ワクチン中に含められ得る。
好ましくは、アジュバントは、ミョウバンであり、好ましくは、アルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウム(AlOH)またはリン酸アルミニウムもしくは硫酸アルミニウム)である。なおより好ましくは、このアジュバントは、水酸化アルミニウム(AlOH)である。
好ましくは、鉱物塩(例えば、アルミニウム塩)は、別のアジュバント(例えば、CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド、またはADPリボシル化毒素)と組み合わされる。なおより好ましくは、この鉱物塩は、CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドと組み合わされる。
(油のエマルジョン)
本発明においてアジュバントとしての使用に適した油のエマルジョン組成物は、スクアラン−水エマルジョン(例えば、微量流動装置(microfluidizer)を用いてミクロン未満の粒子に処方された、MF59(5% スクアラン、0.5% Tween 80、および0.5% Span 85)を含む。WO90/14837を参照のこと。Freyら,「Comparison of the safety,tolerability,and immunogenicity of a MF59−adjuvanted influenza vaccine and a non−adjuvanted influenza vaccine in non−elderly adults」、Vaccine(2003)21:4234−4237。MF59は、FLUADTMインフルエンザウイルス三価サブユニットワクチン中で、アジュバントとして使用されている。
この組成物において使用するために特に好ましいアジュバントは、ミクロン未満の水中油型エマルジョンである。本明細書で使用するための好ましいミクロン未満の水中油型エマルジョンは、必要に応じて、種々の量のMTP−PEを含むスクアラン/水エマルジョン(例えば、4〜5% w/v スクアラン、0.25〜1.0% w/v Tween80TM(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、および/もしくは0.25〜1.0% Span85TM(ソルビタントリオレエート)を含むミクロン未満の水中油型エマルジョン、ならびに必要に応じてN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル(isogluatminyl)−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ(huydroxyphsphophoryloxy))−エチルアミン(MTP−PE)を含むスクアラン/水エマルジョン(例えば、「MF59」として公知のミクロン未満の水中油型エマルジョン((国際公開番号WO90/14837;米国特許第6,299,884号および同第6,451,325号(本明細書にそれらの全体が参考として援用される);ならびにOttら「MF59−Design and Evaluation of a Safe and Potent Adjuvant for Human Vaccines」、Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach(Powell,M.F.およびNewman,M.J.編) Plenum Press,New York,1995,pp.277−296))である。MF59は、4〜5% w/v スクアラン(例えば、4.3%)、0.25〜0.5% w/v Tween80TM、および0.5% w/v Span85TMを含み、必要に応じて、種々の量のMTP−PEを含み、Model 110Y微量流動装置(Microfluidics,Newton,MA)のような微量流動装置を用いて、ミクロン未満の粒子に処方される。例えば、MTP−PEは、約0〜500μg/用量、より好ましくは、0〜250μg/用量、および最もより好ましくは、0〜100μg/用量の量で存在し得る。本明細書で使用される場合、用語「MF59−0」とは、MTP−PEを欠く、上記のミクロン未満の水中油型エマルジョンをいう一方で、用語MF59−MTPは、MTP−PEを含む処方物を意味する。例えば、「MF59−100」は、100μg MTP−PE/用量を含むなどである。MF69(すなわち、本明細書で使用するための別のミクロン未満の水中油型エマルジョン)は、4.3% w/v スクアラン、0.25% w/v Tween80TM、および0.75% w/v Span85TM、ならびに必要に応じてMTP−PEを含む。なお別のミクロン未満の水中油型エマルジョンはまた、MF75(SAFとしても公知であり、10% スクアラン、0.4% Tween80TM、5% プルロニック−ブロックコポリマーL121、およびthr−MDPを含む)であり、これもまた、ミクロン未満のエマルジョンへと流動化される。MF75−MTPは、MTP(例えば、100〜400μg MTP−PE/用量)を含むMF75処方物を意味する。
この組成物において使用するためのミクロン未満の水中油型エマルジョン、これを作製する方法、および免疫賦活因子(例えば、ムラミルペプチド)は、国際公開番号WO90/14837および米国特許第6,299,884号および米国特許第6,451,325号(それらの全体が本明細書に参考として援用される)に詳細に記載される。
完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)もまた、本発明において、アジュバントとして使用され得る。
(サポニン処方物)
サポニン処方物はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。サポニンは、広い範囲の植物種の樹皮、葉、茎、根およびさらに花において見出される、ステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの不均一の(heterologous)グループである。Quillaia saponaria Molinaの樹の樹皮に由来するサポニンは、アジュバントとして広く研究されてきた。サポニンはまた、Smilax ornata(サルサパリラ)、Gypsophilla paniculata(かすみ草(brides veil))、およびSaponaria officianalis(かすみ草(soap root)から、商業的に得られ得る。サポニンアジュバント処方物としては、精製処方物(例えば、QS21)、および脂質処方物(例えば、ISCOM)が挙げられる。サポニン組成物は、高性能薄層クロマトグラフィー(HP−LC)および逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を用いて精製された。これらの技術を用いて精製される特定の画分が同定されており、これらの画分としては、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−BおよびQH−Cが挙げられる。好ましくは、そのサポニンは、QS21である。QS21の生成方法は、米国特許第5,057,540号に開示される。サポニン処方物はまた、ステロール(例えば、コレステロール)を含み得る(WO96/33739を参照のこと)。
サポニンとコレステロールとの組み合わせは、免疫賦活複合体(ISCOM)とよばれる独特の粒子を形成するために使用され得る。ISCOMはまた、代表的には、リン脂質(例えば、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリン)を含む。任意の公知のサポニンは、ISCOM中で使用され得る。好ましくは、そのISCOMは、Quil A、QHAおよびQHCのうちの1種以上を含む。ISCOMは、EP0109942、WO96/11711およびWO96/33739にさらに記載される。必要に応じて、そのISCOMは、さらなる界面活性剤を全く含まない可能性がある。WO00/07621を参照のこと。
サポニンベースのアジュバントの開発の総説は、Barrら,Advanced Drug Delivery Reviews(1998)32:247−271およびSjolanderら,Advanced Drug Delivery Reviews(1998)32:321−338に見出され得る。
(ビロゾームおよびウイルス様粒子(VLP))
ビロゾームおよびウイルス様粒子(VLP)はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。これらの構造は、一般には、リン脂質と必要に応じて組み合わされるかまたは処方される、ウイルス由来の1種以上のタンパク質を含む。これらの構造は、一般には、非病原性で、複製せず、そして一般に、いかなる天然のウイルスゲノムも含まない。このウイルスタンパク質は、組換え生成されてもよいし、完全ウイルスから単離されてもよい。ビロゾームまたはVLPにおける使用に適したこれらのウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス由来のタンパク質(例えば、HAまたはNA)、B型肝炎ウイルス由来のタンパク質(例えば、コアタンパク質またはキャプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス由来のタンパク質、麻疹ウイルス由来のタンパク質、シンドビスウイルス由来のタンパク質、ロタウイルス由来のタンパク質、口蹄疫ウイルス由来のタンパク質、レトロウイルス由来のタンパク質、ノーウォークウイルス由来のタンパク質、ヒトパピローマウイルス由来のタンパク質、HIV由来のタンパク質、RNAファージ由来のタンパク質、Qβファージ由来のタンパク質(例えば、コートタンパク質)、GAファージ由来のタンパク質、frファージ由来のタンパク質、AP205ファージ由来のタンパク質、およびTy由来のタンパク質(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質pl)が挙げられる。VLPは、さらにWO03/024480、WO03/024481、およびNiikuraら,Virology(2002)293:273−280;Lenzら,Journal of Immunology(2001)5246−5355;Pintoら,Journal of Infectious Diseases(2003)188:327−338;およびGerberら,Journal of Virology(2001)75(10):4752−4760において議論される;ビロゾームは、例えば、Gluckら,Vaccine(2002)20:B10−B16においてさらに議論される。
(細菌誘導体または微生物誘導体)
本発明における使用に適したアジュバントとしては、以下のような細菌誘導体または微生物誘導体が挙げられる。
(腸内細菌リポポリサッカリド(LPS)の非毒性誘導体)
このような誘導体としては、モノホスホリル脂質A(MPL)および3−O−デアシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、4アシル化鎖,5アシル化鎖または6アシル化鎖を有する3 De−O−アシル化モノホスホリル脂質Aの混合物である。3 De−O−アシル化モノホスホリル脂質Aの好ましい「小粒子」形態は、EP 0 689 454に開示される。このような3dMPLの「小粒子」は、0.22ミクロン膜を通して滅菌濾過するために十分小さい(EP 0 689 454を参照のこと)。他の非毒性LPS誘導体としては、モノホスホリル脂質A模倣物(例えば、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体(例えば、RC−529))が挙げられる。Johnsonら.(1999)Bioorg Med Chem Lett 9:2273−2278を参照のこと。
(脂質A誘導体)
脂質A誘導体としては、Escherichia coli由来の脂質Aの誘導体(例えば、OM−174)が挙げられる。OM−174は、例えば、Meraldiら,Vaccine(2003)21:2485−2491;Pajakら,Vaccine(2003)21:836−842において記載される。
免疫賦活性オリゴヌクレオチド
本発明においてアジュバントとして使用するために適した免疫賦活性オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフ(非メチル化シトシン、次に、リン酸結合によって連結されるグアノシンを含む配列)を含むヌクレオチド配列が挙げられる。パリンドローム配列またはポリ(dG)配列を含む細菌の二本鎖RNAまたはオリゴヌクレオチドもまた、免疫賦活性であることが示された。
このCpGは、ヌクレオチド改変/アナログ(例えば、ホスホロチオエート改変)を含み得、二本鎖または一本鎖であり得る。必要に応じて、そのグアノシンは、2’−デオキシ−7−デアザグアノシンのようなアナログで置換され得る。例えば、考えられるアナログ置換についてKandimallaら,Nucleic Acids Research(2003)31(9):2393−2400;WO02/26757およびWO99/62923を参照のこと。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、Krieg,Nature Medicine(2003)9(7):831−835;McCluskieら,FEMS Immunology and Medical Microbiology(2002)32:179−185;WO98/40100;米国特許第6,207,646号;米国特許第6,239,116号および米国特許第6,429,199号においてさらに議論される。
このCpG配列は、TLR9(例えば、モチーフGTCGTTまたはTTCGTT)に指向され得る。Kalmanら(1999)(Nature Genetics 21:385−389)を参照のこと。このCpG配列は、Th1免疫応答の誘導に対して特異的であってもよいし(例えば、CpG−A ODN)、B細胞応答の誘導により特異的であってもよい(例えば、CpG−B ODN)。CpG−A ODNおよびCpG−B ODNは、Blackwellら,J.Immunol.(2003)170(8):4061−4068;Krieg BBRC(2003)306:948−953;およびWO01/95935を参照のこと。好ましくは、このCpGは、CpG−A ODNである。
好ましくは、このCpGオリゴヌクレオチドは、5’末端がレセプター認識に利用しやすいように構築される。必要に応じて、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列が、「イムノマー(immunomer)」を形成するために、それらの3’末端に結合され得る。例えば、Kandimallaら,(2003)31(part 3):664−658;Bhagatら,BBRC(2003)300:853−861およびWO03/035836を参照のこと。
好ましくは、このアジュバントは、CpGである。なおより好ましくは、そのアジュバントは、ミョウバンとCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドアジュバント、またはAlOHとCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドである。
(ヒト免疫調節因子)
本発明においてアジュバントとして使用するために適したヒト免疫調節因子としては、サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など))、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子が挙げられる。
(ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体)
細菌性ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体は、本発明において、アジュバントとして使用され得る。好ましくは、そのタンパク質は、E.coli(すなわち、E.coli非耐熱性エンテロトキシン「LT」)、コレラ(「CT」)、または百日咳(「PT」)に由来し得る。粘膜アジュバントとしての解毒ADPリボシル化毒素の使用は、WO95/17211において記載され、非経口アジュバントとしてWO98/42375において記載されている。好ましくは、このアジュバントは、解毒LT変異体(例えば、LT−K63、LT−R72、およびLTR192G)である。アジュバントとしての、ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体(特に、LT−K63およびLT−R72)の使用は、以下の参考文献(その各々は、本明細書にその全体が参考として援用される)において見出され得る:Beignonら,「The LTR72 Mutant of Heat−Labile Enterotoxin of Escherichia coli Enahnces the Ability of Peptide Antigens to Elicit CD4+ T Cells and Secrete Gamma Interferon after Coapplication onto Bare Skin」,Infection and Immunity(2002)70(6):3012−3019;Pizzaら,「Mucosal vaccines: non toxic derivatives of LT and CT as mucosal adjuvants」,Vaccine(2001)19:2534−2541;Pizzaら,「LTK63 and LTR72,two mucosal adjuvants ready for clinical trials」Int.J.Med.Microbiol(2000)290(4−5):455−461;Scharton−Kerstenら,「Transcutaneous Immunization with Bacterial ADP−Ribosylating Exotoxins,Subunits and Unrelated Adjuvants」,Infection and Immunity(2000)68(9):5306−5313;Ryanら,「Mutants of Escherichia coli Heat−Labile Toxin Act as Effective Mucosal Adjuvants for Nasal Delivery of an Acellular Pertussis Vaccine:Differential Effects of the Nontoxic AB Complex and Enzyme Activity on Th1 and Th2 Cells」Infection and Immunity(1999)67(12):6270−6280;Partidosら,「Heat−labile enterotoxin of Escherichia coli and its site−directed mutant LTK63 enhance the proliferative and cytotoxic T−cell responses to intranasally co−immunized synthetic peptides」,Immunol.Lett.(1999)67(3):209−216;Peppoloniら,「Mutants of the Escherichia coli heat−labile enterotoxin as safe and strong adjuvants for intranasal delivery of vaccines」,Vaccines(2003)2(2):285−293;Pineら,(2002)「Intranasal immunization with influenza vaccine and a detoxified mutant of heat labile enterotoxin from Escherichia coli(LTK63)」J.Control Release(2002)85(1−3):263−270。アミノ酸置換についての多くの参考文献が、好ましくは、Domenighiniら,Mol.Microbiol(1995)15(6):1165−1167(具体的に、その全体が本明細書に参考として援用される)に示される、ADPリボシル化毒素のAサブユニットおよびBサブユニットのアラインメントに基づいている。
好ましくは、アジュバントは、ADPリボシル化毒素およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドであり(例えば、WO 01/34185を参照のこと)、好ましくは、このアジュバントは、解毒ADPリボシル化毒素およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドである。
好ましくは、解毒ADPリボシル化毒素は、LTK63またはLTK72である。
好ましくは、このアジュバントは、LTK63である。好ましくは、このアジュバントは、LTK72である。
好ましくは、このアジュバントは、LTK63およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドである。
好ましくは、このアジュバントは、LTK72およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドである。
(生体接着剤および粘膜接着剤)
生体接着剤および粘膜接着剤はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。適切な生体接着剤としては、エステル化ヒアルロン酸マイクロスフェア(Singhら.(2001)J.Cont.Rele.70:267−276)、または粘膜接着剤(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリドおよびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体)が挙げられる。キトサンおよびその誘導体はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。例えば、WO99/27960を参照のこと。
(G.微粒子)
微粒子もまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。生分解性かつ非毒性である材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど)からポリ(ラクチド−co−グリコリド)とともに形成される微粒子(すなわち、約100nm〜約150μm直径、より好ましくは、約200nm〜約30μm直径、および最も好ましくは約500nm〜約10μm直径の粒子)が好ましく、必要に応じて、負に荷電した表面を有するように(例えば、SDSで)処理されるか、または正に荷電した表面を有するように(例えば、陽イオン性界面活性剤(例えば、CTAB)で)処理される。
(リポソーム)
アジュバントとしての使用のために適したリポソーム処方物の例は、米国特許第6,090,406号、米国特許第5,916,588号、およびEP 0 626 169に記載される。
(I.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルの処方物)
本発明における使用に適したアジュバントとしては、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが挙げられる(WO99/52549)。このような処方物としては、オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(WO01/21207)、ならびに少なくとも1種のさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤(WO01/21152)が挙げられる。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(laureth 9)、ポリオキシエチレン−9−ステアリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)−8−ステアリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテルから選択される。
(ポリホスファゼン(PCPP))
PCPP処方物は、例えば、Andrianovら,Biomaterials(1998)19(1−3):109−115およびPayneら,Adv.Drug.Delivery Review(1998)31(3):185−196に記載される。
(ムラミルペプチド)
本発明においてアジュバントとして使用するために適したムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン MTP−PE)が挙げられる。
(L.イミダゾキノロン化合物)
本発明においてアジュバントとして使用するために適したイミダゾキノロン化合物の例としては、Imiquamodおよびそのホモログ(Stanley,「Imiquimod and the imidazoquinolones:mechanism of action and therapeutic potential」Clin Exp Dermatol(2002)27(7):571−577およびJones,「Resiquimod 3M」,Curr Opin Investig Drugs(2003)4(2):214−218にさらに記載される)が挙げられる。本発明はまた、上記で同定されるアジュバントのうちの1つ以上の局面の組み合わせを包含し得る。例えば、以下のアジュバント組成物が、本発明において使用され得る:
(1)サポニンと水中油型エマルジョン(WO99/11241);
(2)サポニン(例えば、QS21) + 非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)(WO94/00153を参照のこと);
(3)サポニン(例えば、QS21) + 非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL) + コレステロール;
(4)サポニン(例えば、QS21) + 3dMPL + IL−12(必要に応じて+ステロール)(WO98/57659);3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ(欧州特許出願第0835318号、同第0735898号および同第0761231号を参照のこと)
(5)10% スクアラン、0.4% Tween 80、5% プルロニック−ブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含む、SAF(ミクロン未満のエマルジョンに微量流体化されるか、またはボルテックスされてより大きな粒子サイズのエマルジョンが生成されるかのいずれかである);
(6)2% スクアラン、0.2% Tween 80、ならびにモノホスホリル脂質A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくは、MPL + CWS(DetoxTM)からなる群からの1種以上の細菌細胞壁成分を含む、RibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem);
(7)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ(欧州特許出願第0835318号、同第0735898号および同第0761231号を参照のこと)
(8)1種以上の鉱物塩(例えば、アルミニウム塩) + LPSの非毒性誘導体(例えば、3dPML);ならびに
(9)1種以上の鉱物塩(例えば、アルミニウム塩) + 免疫賦活性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド)。
アルミニウム塩およびMF59は、非経口免疫に適した好ましいアジュバントである。変異細菌性毒素は、好ましい粘膜用アジュバントである。細菌性毒素および生体接着剤は、粘膜から送達されるワクチン(例えば、鼻用ワクチン)とともに使用するための好ましいアジュバントとである。
この組成物は、抗生物質を含み得る。
好ましくは、本発明の組成物は、ミョウバンおよび/またはCpG配列とともに投与される。
(核酸)
本発明の抗原またはエピトープは、その抗原またはエピトープをコードする核酸として投与され得る。本明細書で使用される場合、用語、ヌクレオチド配列とは、本発明の組成物または組み合わせにおいて使用される1種以上のエピトープをコードする1種以上のヌクレオチド配列をいう。用語「ヌクレオチド配列(NOI)」とは、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」と同義である。このNOIは、ゲノムまたは合成のまたは組換え起源のDNAであってもよいし、ゲノムまたは合成のまたは組換え起源のRNAであってもよい。このNOIは、センス鎖もしくはアンチセンス鎖またはこれらの組み合わせを表すかどうかに拘わらず、二本鎖であってもよいし、一本鎖であってもよい。いくつかの適用について、好ましくは、そのNOIは、DNAである。いくつかの適用について、好ましくは、そのNOIは、組換えDNA技術の使用によって調製される(例えば、組換えDNA)。いくつかに適用について、好ましくは、そのNOIは、cDNAである。いくつかの適用について、好ましくは、そのNOIは、天然に存在する形態と同じであり得る。
用語「核酸」は、DNAおよびRNAを包含し、そしてまた、それらのアナログ(例えば、改変骨格(例えば、ホスホロチオエートなど)を含むもの)、そしてまたペプチド核酸(PNA)なども包含する。本発明は、上記のものに相補的な配列を含む核酸を包含する(例えば、アンチセンスまたはプローブする目的で)。
本発明に従う核酸は、多くの様式で(例えば、化学合成によって、ゲノムライブラリーもしくはcDNAライブラリーから、生物自体から、など)調製され得、種々の形態(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プローブなど)をとり得る。それらは、好ましくは、実質的に純粋な形態(すなわち、他のChlamydia細胞の核酸も宿主細胞の核酸も実質的に含まない)で調製される。
本発明は、本発明の核酸を生成するためのプロセスを提供し、このプロセスは、プライマーベースの増幅法(例えば、PCR)を使用して、核酸を臓腑kする工程を包含する。
本発明は、本発明の核酸を生成するためのプロセスを提供し、化学的手段によって核酸の少なくとも一部分を合成する工程を包含する。
(ベクター)
本発明の一実施形態において、抗原または抗原の組み合わせ、またはそれらをコードするNOIが、宿主被験体に直接投与される。本発明の別の実施形態において、NOIを含むベクターが、宿主被験体に投与される。好ましくは、そのNOIは、遺伝子ベクターを使用して調製および/または投与される。当該分野で周知であるように、ベクターは、ある環境から別の環境への実体の転移を可能にするかまたは促進するツールである。本発明に従って、例として、組換えDNA技術において使用されるいくつかのベクターは、実体(例えば、DNAセグメント(例えば、異種DNAセグメント(例えば、異種cDNAセグメント)))が、宿主中および/または標的細胞中へと、本発明のNOIを含むベクターを複製するため、および/またはそのNOIによりコードされる本発明の抗原もしくはエピトープを発現するために転移されることを可能にする。組換えDNA技術において使用されるベクターの例としては、プラスミド、染色体、人工染色体、またはウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ベクター」とは、発現ベクターおよび/または形質転換ベクターを包含する。用語「発現ベクター」とは、インビボまたはインビトロ/エキソビボでの発現が可能な構築物を意味する。用語「形質転換ベクター」とは、ある種から別の種へと転移可能な構築物を意味する。
(裸のDNA)
本発明のNOIを含むベクターは、「裸の核酸構築物」(好ましくは、宿主細胞のゲノムに対して相同性である隣接配列をさらに含む)として、直接投与され得る。本明細書中で使用される場合、用語「裸のDNA」とは、本発明のNOIを、その生成を制御するための短いプロモーター領域とともに含む、プラスミドを指す。これは、「裸」のDNAと呼ばれる。なぜなら、このプラスミドは、いかなる送達ビヒクル中にも保有されていないからである。そのようなDNAプラスミドが宿主細胞(例えば、真核生物細胞)中に入る場合、そのDNAプラスミドがコードするタンパク質が、その細胞中で転写され翻訳される。
(ウイルスベクター)
あるいは、本発明のNOIを含むベクターは、当該分野で公知である種々のウイルス技術(例えば、組換えウイルスベクター(例えば、レトロウイルスベクター、単純ヘルペスベクター、およびアデノウイルスベクター)による感染)を使用して、適切な宿主細胞中に導入され得る。このベクターは、組換えウイルスベクターであり得る。適切な組換えウイルスベクターとしては、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、またはパルボウイルスベクター(Kestlerら、1999、Human Gene Ther 10(10):1619〜32を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。ウイルスベクターの場合、上記NOIの投与は、標的細胞のウイルス感染によって媒介される。
(標的化ベクター)
用語「標的化ベクター」とは、細胞に感染する能力もしくは細胞をトランスフェクトもしくは形質導入する能力または宿主および/もしくは標的細胞中で発現される能力が、その宿主被験体中の特定の細胞型(通常は、共通する表現型もしくは類似する表現型を有する細胞)に制限される、ベクターを指す。
(発現ベクター)
好ましくは、ベクター中に挿入される本発明のNOIは、宿主細胞による上記抗原またはエピトープの発現を提供可能な制御配列に対して作動可能に連結される。すなわち、そのベクターは、発現ベクターである。宿主細胞によって生成される因子は、そのNOIおよび/または使用されるベクターに依存して、分泌されても細胞内に含まれてもよい。当業者によって理解されるように、上記NOIを含む発現ベクターは、特定の原核生物細胞膜または真核生物細胞膜を通して、そのNOIの直接分泌するように、シグナル配列を用いて設計され得る。
(融合タンパク質)
本発明において使用されるChlamydia pneumoniae抗原は、個別のポリペプチドとして上記組成物中に存在し得るが、それらの抗原のうちの少なくとも2つ(すなわち、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個)が1つのポリペプチド鎖(「ハイブリッド」ポリペプチド)として発現されることが、好ましい。ハイブリッドポリペプチドは、2つの原理的利点を提供する:第一に、そのままでは不安定であり得るかまたはほとんど発現されないものであり得るポリペプチドは、その問題を克服する適切なハイブリッドパートナーを付加することによって補助され得る;第二に、商業的製造が、単純化される。なぜなら、両方とも抗原的に有用な2つのポリペプチドを生成するためには、たった1回の発現および精製しか使用される必要がないからである。
上記ハイブリッドポリペプチドは、第一の抗原グループに由来する2つ以上のポリペプチド配列を含み得る。従って、本発明は、第一のアミノ酸配列と第二のアミノ酸配列とを含む組成物を包含し、その第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、第一の抗原グループのChlamydia細菌(好ましくは、Chlamydia pneumoniae)の抗原またはそのフラグメントから選択される。好ましくは、上記ハイブリッドポリペプチド中の第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、異なるエピトープを含む。
上記ハイブリッドポリペプチドは、上記第二の抗原グループに由来する2つ以上のポリペプチド配列を含み得る。従って、本発明は、第一のアミノ酸配列と第二のアミノ酸配列とを含む組成物を包含し、その第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、第二の抗原グループのChlamydia pneumoniaeの抗原またはそのフラグメントから選択される。好ましくは、上記ハイブリッドポリペプチド中の第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、異なるエピトープを含む。
上記ハイブリッドポリペプチドは、第一の抗原グループに由来する1つ以上のポリペプチド配列と、第二の抗原グループに由来する1つ以上のポリペプチド配列とを含み得る。従って、本発明は、第一のアミノ酸配列と第二のアミノ酸配列とを含む組成物を包含し、その第一のアミノ酸配列は、第一の抗原グループのChlamydia pneumoniaeの抗原またはそのフラグメントから選択され、その第二のアミノ酸配列は、第二の抗原グループに由来するChlamydia細菌(好ましくはChlamydia pneumoniae)の抗原またはそのフラグメントから選択される。好ましくは、上記ハイブリッドポリペプチド中の第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、異なるエピトープを含む。
上記ハイブリッドポリペプチドは、第一の抗原グループに由来する1つ以上のポリペプチド配列と、第三の抗原グループもしくは第四の抗原グループもしくは第五の抗原グループもしくは第六の抗原グループもしくは第七の抗原グループもしくは第八の抗原グループもしくは第九の抗原グループもしくは第十の抗原グループに由来する1つ以上のポリペプチド配列とを含み得る。従って、本発明は、第一のアミノ酸配列と第二のアミノ酸配列とを含む組成物を包含し、その第一のアミノ酸配列は、上記第一の抗原グループに由来するChlamydia pneumoniae抗原もしくはそのフラグメントから選択され、その第二のアミノ酸配列は、第三の抗原グループもしくは第四の抗原グループもしくは第五の抗原グループもしくは第六の抗原グループもしくは第七の抗原グループもしくは第八の抗原グループもしくは第九の抗原グループもしくは第十の抗原グループに由来するChlamydia pneumoniae抗原もしくはそのフラグメントから選択される。好ましくは、上記ハイブリッドポリペプチド中の第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、異なるエピトープを含む。
上記ハイブリッドポリペプチドは、上記第二の抗原グループに由来する1つ以上のポリペプチド配列と、上記第三の抗原グループもしくは第四の抗原グループもしくは第五の抗原グループもしくは第六の抗原グループもしくは第七の抗原グループもしくは第八の抗原グループもしくは第九の抗原グループもしくは第十の抗原グループに由来する1つ以上のポリペプチド配列とを含み得る。従って、本発明は、第一のアミノ酸配列と第二のアミノ酸配列とを含む組成物を包含し、その第一のアミノ酸配列は、上記第二の抗原グループに由来するChlamydia pneumoniae抗原もしくはそのフラグメントから選択され、その第二のアミノ酸配列は、第三の抗原グループもしくは第四の抗原グループもしくは第五の抗原グループもしくは第六の抗原グループもしくは第七の抗原グループもしくは第八の抗原グループもしくは第九の抗原グループもしくは第十の抗原グループに由来するChlamydia pneumoniae抗原もしくはそのフラグメントから選択される。好ましくは、上記ハイブリッドポリペプチド中の第一のアミノ酸配列および第二のアミノ酸配列は、異なるエピトープを含む。
2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、もしくは10個のChlamydia pneumoniae抗原に由来するアミノ酸配列からなるハイブリッドが、好ましい。特に、2個、3個、4個、もしくは5個のChlamydia pneumoniae抗原に由来するアミノ酸配列からなるハイブリッドが、好ましい。種々のハイブリッドポリペプチドが、1つの処方物中で一緒に混合され得る。そのような組み合わせにおいて、Chlamydia pneumoniae抗原は、1つよりも多いハイブリッドポリペプチド中に、および/または非ハイブリッドポリペプチドとして、存在し得る。しかし、抗原は、ハイブリッドまたは非ハイブリッドのいずれかとして存在するが、両方としては存在しないことが、好ましい。
本発明における使用のための二抗原ハイブリッドは、上記に開示される組み合わせのうちのいずれか1つを含み得る。
ハイブリッドポリペプチドは、式NH−A−{−X−L−}−B−COOHによって示され得、Xは、第一の抗原グループ、第二の抗原グループもしくは第三の抗原グループもしくは第四の抗原グループもしくは第五の抗原グループもしくは第六の抗原グループもしくは第七の抗原グループもしくは第八の抗原グループもしくは第九の抗原グループもしくは第十の抗原グループに由来する、Chlamydia pneumoniae抗原もしくはそのフラグメントのアミノ酸配列である;Lは、必要に応じたリンカーアミノ酸配列である;Aは、必要に応じたN末端アミノ酸配列である;Bは、必要に応じたC末端アミノ酸配列である;nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15である。
−X−部分が、その野生型形態においてリーダーペプチド配列を有する場合、これは、上記のハイブリッドタンパク質において含まれても省略されてもよい。いくつかの実施形態において、そのリーダーペプチドは、そのハイブリッドタンパク質のN末端に位置するこの−X−部分のリーダーペプチド以外は欠失される。すなわち、Xのリーダーペプチドは保持されるが、X...Xのリーダーペプチドは、省略される。これは、すべてのリーダーペプチドを欠失させてXのリーダーペプチドを部分−A−として使用することと、等しい。
各nの場合の{−X−L−}について、リンカーアミノ酸配列−L−は、存在しても存在しなくてもよい。例えば、n=2である場合、そのハイブリッドは、NH−X−L−X−L−COOH、NH−X−X−COOH、NH−X−L−X−COOH、NH−X−X−L−COOHなどであり得る。リンカーアミノ酸配列−L−は、代表的には、短い(例えば、20アミノ酸以下(すなわち、19アミノ酸、18アミノ酸、17アミノ酸、16アミノ酸、15アミノ酸、14アミノ酸、13アミノ酸、12アミノ酸、11アミノ酸、10アミノ酸、9アミノ酸、8アミノ酸、7アミノ酸、6アミノ酸、5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸、1アミノ酸)である)。例としては、クローニングを容易にする短いペプチド配列、ポリグリシンリンカー(すなわち、Glyを含み、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10以上である)、およびヒスチジンタグ(すなわち、Hisであり、n=3、4、5、6、7、8、9、10以上である)が挙げられる。他の適切なリンカーアミノ酸配列は、当業者にとって明らかである。有用なリンカーは、GSGGGG(配列番号77)であり、そのGly−Serジペプチドは、BamHI制限部位から形成され、それによって、クローニングおよび操作を補助し、その(Gly)テトラペプチドは、代表的なポリグリシンリンカーである。
−A−は、必要に応じたN末端アミノ酸配列である。これは、代表的には、短い(例えば、40アミノ酸以下(すなわち、39アミノ酸、38アミノ酸、37アミノ酸、36アミノ酸、35アミノ酸、34アミノ酸、33アミノ酸、32アミノ酸、31アミノ酸、30アミノ酸、29アミノ酸、28アミノ酸、27アミノ酸、26アミノ酸、25アミノ酸、24アミノ酸、23アミノ酸、22アミノ酸、21アミノ酸、20アミノ酸、19アミノ酸、18アミノ酸、17アミノ酸、16アミノ酸、15アミノ酸、14アミノ酸、13アミノ酸、12アミノ酸、11アミノ酸、10アミノ酸、9アミノ酸、8アミノ酸、7アミノ酸、6アミノ酸、5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸、1アミノ酸)である)。例としては、タンパク質輸送を指向するリーダー配列、またはクローニングもしくは精製を容易にする短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ(すなわち、Hisであり、nは、3、4、5、6、7,8、9、10以上である))が挙げられる。他の適切なN末端アミノ酸配列は、当業者にとって明らかである。Xがそれ自体のN末端メチオニンを欠く場合、−A−は、好ましくは、N末端メチオニンを提供するオリゴペプチド(例えば、1アミノ酸、2アミノ酸、3アミノ酸、4アミノ酸、5アミノ酸、6アミノ酸、7アミノ酸、もしくは8アミノ酸を含む)である。
−B−は、必要に応じたC末端アミノ酸配列である。これは、代表的には、短い(例えば、40アミノ酸以下(すなわち、39アミノ酸、38アミノ酸、37アミノ酸、36アミノ酸、35アミノ酸、34アミノ酸、33アミノ酸、32アミノ酸、31アミノ酸、30アミノ酸、29アミノ酸、28アミノ酸、27アミノ酸、26アミノ酸、25アミノ酸、24アミノ酸、23アミノ酸、22アミノ酸、21アミノ酸、20アミノ酸、19アミノ酸、18アミノ酸、17アミノ酸、16アミノ酸、15アミノ酸、14アミノ酸、13アミノ酸、12アミノ酸、11アミノ酸、10アミノ酸、9アミノ酸、8アミノ酸、7アミノ酸、6アミノ酸、5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸、1アミノ酸)である)。例としては、タンパク質輸送を指向する配列、クローニングもしくは精製を容易にする短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ(すなわち、Hisであり、nは、3、4、5、6、7,8、9、10以上である)を含む)、またはタンパク質の安定性を増強する配列が挙げられる。他の適切なC末端アミノ酸配列は、当業者にとって明らかである。最も好ましくは、nは、2または3である。
本発明はまた、本発明のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸を提供する。さらに、本発明は、この核酸に対して、好ましくは「高ストリンジェンシー」条件(例えば、0.1×SSC、0.5% SDSの溶液中で65℃)の下でハイブリダイズし得る、核酸を提供する。
本発明のNOIは、本発明の抗原もしくはエピトープと融合された、アジュバントおよび/または生物学的応答改変因子および/または免疫調節因子を含んで、得られるCMI応答をさらに増大および/または増強する、融合タンパク質として発現され得る。上記生物学的応答改変因子は、上記CMI応答の一般化された刺激を提供するという意味で、アジュバントとして作用し得る。上記抗原またはエピトープは、上記生物学的応答改変因子のアミノ酸末端またはカルボキシ末端のいずれかに結合され得る。
(生成方法)
本発明のポリペプチドは、種々の手段(例えば、組換え発現、細胞培養物からの精製、化学合成など)によって、種々の形態(例えば、ネイティブ形態、融合物形態、非グリコシル化形態、脂質化形態など)にて、調製され得る。それらのポリペプチドは、好ましくは、実質的に純粋な形態で(すなわち、他のChlamydiaタンパク質も他の宿主細胞タンパク質も実質的には含まずに)調製される。
本発明はまた、本発明のポリペプチドを生成するためのプロセスを提供し、このプロセスは、本発明の核酸で形質転換された宿主細胞を、ポリペプチド発現を誘導する条件下で培養する工程を包含する。本発明は、本発明のポリペプチドを生成するためのプロセスを提供し、このプロセスは、そのポリペプチドのうちの少なくとも一部を、化学的手段によって合成する工程を包含する。本発明は、本発明に従う組成物を生成するためのプロセスをさらに提供し、このプロセスは、配列番号1〜86のうちの1つ以上を、配列番号1〜86のうちの他の1つ以上と組み合わせる工程を包含する。
(株)
本発明の好ましいポリペプチドは、C.pneumoniae血液型亜型においてかまたは疫学的に優勢な血清型のうちの1つ以上において見出される、アミノ酸配列を含む。ハイブリッドポリペプチドが使用される場合、そのハイブリッド中の個々の抗原(すなわち、個々の−X−部分)は、1種以上の株に由来し得る。例えば、n=2である場合、Xは、Xと同じ株に由来しても、異なる株に由来してもよい。n=3である場合、その株は、(i)X=X=X、(ii)X=X≠X、(iii)X≠X=X、(iv)X≠X≠X、または(v)X=X≠Xなどであり得る。
(異種宿主)
本発明のポリペプチドの発現はClamydiaにおいて生じ得るが、本発明は、好ましくは、異種宿主を利用する。その異種宿主は、原核生物宿主(例えば、細菌)であっても、真核生物宿主であってもよい。その異種宿主は、好ましくはE.coliであるが、他の適切な宿主としては、Bacillus subtilis、Vibrio cholerae、Salmonella typhi、Salmonella typhimurium、Neisseria lactamica、Neisseria cinerea、Mycobacteria(例えば、M.tuberculosis)、酵母などが挙げられる。
配列番号1〜86を構成する分子が生成され使用され得る方法に関する詳細は、関連する国際出願(例えば、WO00/37494、WO02/02606、およびWO03/049762、およびWO03/068811)から見出され得、これらの詳細は、本明細書中で反復される必要がない。上記組成物が、種々の新生(nascent)形態および成熟形態で存在するタンパク質を含む場合、そのタンパク質の成熟形態が、好ましくは使用される。例えば、シグナルペプチドを欠くChlamydia pneumoniaeタンパク質の成熟形態が、使用され得る。
(投与)
本発明の組成物は、一般的には、患者に直接投与される。直接送達は、非経口注射(例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、筋肉内注射、もしくは組織の間隙空間へ)によって、または直腸投与、経口投与(例えば、錠剤、スプレー)、経膣投与、局所投与、経皮投与(例えば、WO99/27961を参照のこと)投与もしくは経皮的投与(例えば、WO02/074244およびWO02/064162}、鼻内投与{例えば、WO03/028760を参照のこと}、眼内投与、耳投与、肺投与、または他の粘膜投与によって、達成され得る。本発明は、全身免疫および/または粘膜免疫を惹起するために使用され得る。
本発明の組成物は、単独でかまたは組成物の一部としてのいずれかで、種々の経路を介して投与され得る。特定の経路が、特定の組成物のために好ましいものであり得る。なぜなら、より有効な免疫応答(好ましくはCMI応答)の生成をもたらすから、または副作用を誘導する可能性が低いから、または投与がより容易であるからである。
例として、本発明の組成物は、全身経路もしくは粘膜経路もしくは経皮経路を介して投与されても、特定の組織中に直接投与されてもよい。本明細書中で使用される場合、用語「全身投与」とは、任意の非経口投与経路を包含するがこれに限定はされない。具体的には、非経口投与としては、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、もしくは胸骨内注射、静脈内注入技術、動脈内注入技術、もしくは腎臓透析注入技術が挙げられるが、これらに限定はされない。好ましくは、この全身非経口投与は、筋肉内注射である。
上記方法の1つの好ましい実施形態において、本発明の組成物は、経皮経路を介して投与される。受容される任意の免疫様式および免疫経路が使用され得、それにも関わらず、本明細書に従ういくつかの利点を達成し得ると考えられるが、下記の例は、経皮NOI投与に関する特定の利点を示す。これに関して、理論によって拘束はされないが、組成物の経皮投与は、免疫系の細胞媒介性免疫(CMI)部門をより効率的に活性化させるので、好ましいものであり得ると考えられる。
用語「経皮」送達は、(例えば、真皮または表皮中への)皮内投与、経皮的(例えば、「経皮」)投与、および経粘膜投与(すなわち、皮膚もしくは粘膜組織中へまたは皮膚もしくは粘膜組織を通る、因子の通過による送達)を意図する。例えば、Transdemal Drug Delivery:Developmental Issues and Research Initiatives.HadgraftおよびGuy編,Marcel Dekker,Inc.(1989);Controlled Drug Delivery:Fundamentals and Applications,RobinsonおよびLee編,Marcel Dekker Inc.(1987);ならびにTransdermal Delivery of Drugs,Vols.1〜3,KydonieusおよびBerner編,CRC Press(1987)を参照のこと。従って、この用語は、粒子送達デバイス(例えば、針なしシリンジ)(例えば、米国特許第5,630,796号に記載されるもの)を使用する因子送達、ならびに粒子媒介性送達デバイス(例えば、米国特許第5,865,796号に記載されるもの)を使用する送達を包含する。
本明細書中で使用される場合、用語「粘膜投与」とは、経口投与、鼻内投与、膣内投与、直腸内投与、気管内投与、腸内投与、および眼内投与を包含するが、これらに限定はされない。
粘膜経路(特に、鼻内経路、気管内経路、および眼内経路)が、環境病原体(例えば、RSV、インフルエンザウイルス、および感冒ウイルス)またはアレルゲン(例えば、草花粉およびブタクサ花粉およびイエダニ)に対する自然暴露に対する防御のために好ましい。上記免疫応答(好ましくは、CMI応答)の増強は、後に遭遇する標的抗原(例えば、アレルゲンまたは微生物因子)に対する防御効果を増強する。
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、宿主被験体から単離された細胞に投与され得る。この好ましい実施形態において、好ましくは、上記組成物は、プロフェッショナル抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞)に投与される。APCは、宿主被験体に由来し得、そして目的とする抗原を発現するようにエキソビボで改変され得、その後、増強されたCMI応答を誘導するようにその宿主被験体中に移入して戻され得る。樹状細胞は、増強されたCMI応答を刺激するための最も強力なAPCであると考えられる。なぜなら、目的とする抗原の発現されたエピトープは、プロフェッショナルAPCによって捕捉され、プロセシングされ、そしてT細胞(Th1ヘルパー細胞およびTh2ヘルパー細胞ならびにCD8+T細胞の両方)に提示されて、増強されたCMI応答を誘導するに違いないからである。
(粒子投与)
本発明の組成物を送達するための粒子媒介性方法は、当該分野で公知である。従って、一旦、調製されて適切に精製された後は、上記の抗原またはその抗原をコードするNOIは、当該分野で公知の種々の技術を使用して、コアキャリア粒子上にコーティングされ得る。キャリア粒子は、遺伝子銃デバイスからの細胞内送達のために代表的に使用される粒径の範囲内にある適切な密度を有する物質から選択される。最適なキャリア粒径は、当然、標的細胞の直径に依存する。
「コアキャリア」によって、規定された粒径および/または細胞膜貫入のために必要な運動量を達成するために十分に大きな密度を付与するためにゲスト(guest)抗原またはゲスト(guest)核酸(例えば、DNA、RNA)がコーティングされ、そのゲスト(guest)分子が粒子媒介性技術を使用して送達され得るようになる、キャリアを意味する(例えば、米国特許第5,100,792号を参照のこと)。コアキャリアとしては、代表的には、タングステン、金、プラチナ、フェライト、ポリスチレン、およびラテックスなどの物質が挙げられる。例えば、Particle Bombardment Technology for Gene Transfer(1994)Yang,N.編,Oxford University Press,New York,NY,p.10〜11を参照のこと。タングステン粒子および金粒子が、好ましい。タングステン粒子は、直径0.5ミクロン〜2.0ミクロンの平均サイズにて、容易に入手可能である。金粒子または微結晶性金(例えば、金粉A1570(Engelhard Corp.,East Newark,NJから入手可能))はまた、本発明との使用が見出される。金粒子は、サイズの均一性を提供する(1ミクロン〜3ミクロンの粒径にてAlpha Chemicalsから入手可能。または一定範囲の粒径(0.95ミクロンが挙げられる)にてDegussa,South Plainfield,NJから入手可能)。微結晶性金は、多岐にわたる粒径分布(代表的には、0.5ミクロン〜5ミクロンの範囲内にある)を提供する。しかし、微結晶性金の不規則な表面積は、核酸による非常に効率的なコーティングを提供する。NOIを金粒子またはタングステン粒子上にコーティングもしくは沈殿するための、多数の方法が、公知であり、そして記載されている。ほとんどのそのような方法は、一般的には、所定の量の金またはタングステンを、プラスミドDNA、CaCl、およびスペルミジンと合わせる。生じる溶液は、そのコーティング手順の間に継続的にボルテックスされて、その反応混合物の均一性が確保される。そのNOIの沈殿の後に、コーティングされた粒子は、適切な膜に移され得、そして使用前に乾燥され得、サンプルモジュール表面もしくはカセット表面上にコーティングされ得るか、または特定の遺伝子銃機器における使用のための送達カセット中に充填され得る。
上記粒子組成物またはコーティングされた粒子は、上記投与処方物と適合する様式で、本発明の目的のために有効な量で、個体に投与される。送達されるべき組成物の量(例えば、約0.1mg〜1mg、より好ましくは1μg〜50μgの上記抗原もしくはアレルゲン)は、試験されるべき個体に依存する。必要とされる正確な量は、処置されるべき個体の年齢および全身状態に依存して変化し、適切な有効量は、本明細書を読めば当業者によって容易に決定され得る。
(宿主哺乳動物被験体)
本明細書中で使用される場合、用語「宿主哺乳動物被験体」は、脊椎動物亜門の任意のメンバーを意味し、このメンバーとしては、ヒトおよび他の霊長類(非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種)が挙げられる);家畜(farm animal)(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ);家畜(domestic animal)(例えば、イヌおよびウシ);実験室動物(齧歯類(例えば、マウス、ラット、およびモルモット)が挙げられる);鳥類(飼われた鳥(domestic bird)、野生の鳥、狩猟鳥(例えば、ニワトリ、七面鳥、および他の家禽、アヒル、ガチョウなどが挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。この用語は、特定の年齢は意味しない。従って、成体個体および新生児個体が、網羅されることが意図される。本明細書中に記載される方法は、上記の脊椎動物種のうちのいずれかにおける使用について意図される。なぜなら、これらの脊椎動物のうちのすべての免疫系は、同様に作動するからである。哺乳動物の場合、その被験体は、好ましくは、ヒトであるが、家畜、実験室被験体、または愛玩動物でもあり得る。上記哺乳動物は、好ましくはヒトである。上記ワクチンが予防用途のためのものである場合、そのヒトは、好ましくは、小児(例えば、幼児もしくは乳児)またはティーンエイジャーである。上記ワクチンが治療用途のためのものである場合、そのヒトは、好ましくは、ティーンエイジャーまたは成人である。小児のために意図されるワクチンはまた、成人に対しても、例えば、安全性、投与量、免疫原性などを評価するために投与され得る。
(予防および/または処置)
本発明はまた、哺乳動物における免疫応答を惹起するための医薬の製造における、本発明の組成物の使用を提供する。その医薬は、好ましくは、ワクチンであり、Clamydia細菌に関連する障害を予防および/または処置するためのワクチンの調製のためである。処置に対する本明細書中の言及すべては、治癒的処置、待機療法、および予防的処置を包含することが、認識されるべきである。
本発明の抗原の組み合わせの投与、またはその抗原の組み合わせをコードするNOIを含む組成物の投与は、「予防」目的または「治療」目的のうちのいずれかのためであり得る。本明細書中で使用される場合、用語「治療的」または「処置(治療)」とは、感染もしくは再感染の予防;症状の低減もしくは排除;および病原体の低減または完全排除のうちのいずれかを包含する。処置は、予防的に(感染前に)行われても、治療的に(感染後に)行われてもよい。
予防または治療としては、有効な免疫応答(好ましくは、CMI免疫応答)を惹起すること、ならびに/あるいはT細胞媒介性免疫障害から生じる症状および/または合併症を軽減、低減、治癒、もしくは少なくとも部分的に停止することが挙げられるが、これらに限定はされない。予防的に提供される場合、本発明の組成物は、代表的には、あらゆる症状の前に提供される。本発明の組成物の予防的投与は、その後のあらゆる感染または疾患を予防もしくは軽減することである。治療的に提供される場合、本発明の組成物は、代表的には、感染もしくは疾患の症状開始時(または直後)に提供される。従って、本発明の組成物は、疾患を引き起こす因子に対する予期された暴露もしくは疾患状態の前、または感染もしくは疾患の開始後のいずれかに、提供され得る。
予防的投与または治療的投与(単独、または組成物の一部として、のいずれか)がより適切であるかは、通常は、その疾患の性質に依存する。例として、本発明の免疫治療組成物は、ワクチン接種によって免疫を能動的に誘導するために、免疫治療プロトコルにおいて使用され得る。後者の治療形態は、有利である。なぜなら、その免疫は長期にわたるからである。一方、ワクチン組成物は、好ましくは(しかし、必ずしもその必要はないが)、標的抗原に関連する後に遭遇する抗原またはその部分(例えば、エピトープ)に対する有効なCMI応答を誘導するために、予防的に使用される。
これらの使用および方法は、好ましくは、Chlamydiaにより引き起こされる疾患(例えば、トラコーマ、骨盤炎症疾患、精巣上体炎、乳児肺炎、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患など)の予防および/または処置ためのものである。この組成物はまた、C.pneumoniaeに対して有効であり得る。
(予防的に有効な量、または治療的に有効な量、または免疫学的に有効な量)
宿主被験体に対して投与される組成物の用量は、本発明に状況においては、有益な予防免疫応答または治療免疫応答(好ましくはCMI応答)を被験体において経時的にもたらすために十分であるべきである。
本発明はまた、哺乳動物において免疫応答を惹起するための方法を提供し、この方法は、有効量の本発明の組成物を投与する工程を包含する。この免疫応答は、好ましくは、予防的であり、好ましくは、抗体媒介性免疫および/または細胞媒介性免疫を包含する。この方法は、ブースター応答を惹起し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「予防的に有効な用量または治療的に有効な用量」とは、1つ以上の抗原もしくはエピトープに対する増強された免疫応答(好ましくはCMI応答)を惹起するため、そして/あるいはT細胞媒介性免疫障害に由来する症状および/または合併症を軽減、低減、治癒、もしくは少なくとも部分的に停止するために、十分な量の用量を意味する。
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的に有効な量の抗原と、必要な場合には、他の任意成分とを、含む。「免疫学的に有効な量」によって、個体に対して単回投与または一連の投与の一部としてのいずれかでその量を投与することが処置または予防のために有効であることが、意味される。この量は、処置されるべき個体の健康および身体状態、年齢、処置されるべき個体の分類学的グループ(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、その個体の免疫系が抗体を合成する能力、望ましい防御の程度、そのワクチンの処方、その医学的状態についての主治医の評価、および他の関連する要因に依存して変化する。その量は、慣用的試行を通して決定され得る比較的広い範囲内にあることが、予期される。
上記哺乳動物は、好ましくはヒトである。上記ワクチンが予防的使用のためのものである場合、上記ヒトは、小児(幼児もしくは乳児)またはティーンエイジャーまたは成人である。そのワクチンが治療的使用のためのものである場合、そのヒトは、好ましくはティーンエイジャーまたは成人である。小児のために意図されるワクチンはまた、成人に対して、例えば、安全性、投与量、免疫原性などを評価するために投与され得る。好ましくは、そのヒトは、ティーンエイジャーである。より好ましくは、その人は、思春期直前のティーンエイジャーである。なおより好ましくは、そのヒトは、思春期直前の女性または男性である。好ましくは、その思春期直前の男性または女性は、約9歳〜約12歳である。
本発明の免疫原性組成物の成分タンパク質の免疫原性を評価するための一方法は、そのタンパク質を組換え発現し、免疫ブロットまたはタンパク質マイクロアレイまたはDNAマイクロアレイによって患者の血清分泌物もしくは粘膜分泌物をスクリーニングすることである。そのタンパク質と患者血清との間の陽性反応は、その患者が、問題のタンパク質に対する免疫応答を以前に生じたこと、すなわち、そのタンパク質が免疫原であることを示す。この方法はまた、免疫優性タンパク質を同定するために使用され得る。
治療的処置の効力を検討するための一方法は、本発明の組成物の投与後にChlamydia感染をモニターすることである。予防的処置の効力を検討するための一例は、本発明の組成物中のChlamydia抗原(例えば、Chlamydia pneumoniae抗原)に対する免疫応答を、この組成物の投与後にモニターする工程を包含する。例えば、予防的処置の効力を検討することは、本発明の組成物中のChlamydia penumoniae抗原に対する免疫応答を、この組成物の投与後に、全身的にモニターすること(例えば、IgG1およびIgG2の生成レベルをモニターすること)および粘膜的にモニターすること(例えば、IgAの生成レベルをモニターすること)の両方を包含し得る。代表的には、血清Chlamydia特異的抗体応答が、免疫後であるがチャレンジ前に測定され、一方、粘膜Chlamydia特異的抗体応答が、免疫後かつチャレンジ後に測定される。
これらの使用および方法は、好ましくは、Chlamydia pneumoniaeによって引き起こされる疾患(例えば、肺炎、気管支炎、咽頭炎、静脈洞炎、結節性紅斑、喘息、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、心筋梗塞、冠状動脈疾患など)の予防および/または処置のためのものである。
本発明のワクチン組成物は、宿主(例えば、ヒト)への投与の前に、インビトロ動物モデルおよびインビボ動物モデルにおいて評価され得る。例えば、Petersonら(1988)によるインビトロ中和が、Chlamydia(好ましくは、Chlamydia pneumoniae)に対するワクチン組成物を試験するために適切である。
そのようなインビトロ試験の一例は、以下のように記載される。超免疫抗血清が、5%モルモット血清を補体原として含むPBS中に、希釈される。Chlamydia pneumoniae(10 IFU;封入体形成単位)が、この抗血清希釈物に添加される。その抗原−抗体混合物は、37℃にて45分間インキュベートされ、ガラスバイアル(15mm×45mm)中に含まれた二連のコンフルエントなHep−2細胞単層またはHeLa細胞単層(これは、接種前にPBSで二回洗浄済みである)中に接種される。その単層細胞を、1000×gにて1時間の遠心分離と、その後の37℃にて1時間の静置インキュベーションとによって、感染させる。感染した単層は、48時間または72時間インキュベートされ、固定され、そしてChlamydia特異的抗体(例えば、抗MOMP)により染色される。封入体を保有する細胞が、倍率200×にて10個の視野でカウントされる。中和力価が、コントロール単層/IFUと比較して50%の阻害を生じる希釈物に対して割り当てられる。
免疫原性組成物の効力はまた、Chlamydia pneumoniae感染の動物モデル(例えば、モルモットまたはマウス)を、その免疫原性組成物でチャレンジすることによって、インビボで決定され得る。この免疫原性組成物は、そのチャレンジ血液型亜型と同じ血液型亜型に由来してもよいし、由来しなくてもよい。好ましくは、その免疫原性組成物は、チャレンジ血液型亜型と同じ血液型亜型に由来可能である。より好ましくは、本発明の血液型亜型は、臨床単離株からまたは培養物コレクション(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC))から入手可能である。
インビボ効力モデルとしては、(i)ヒトChlamydia pneumoniae血清型を使用するマウス感染モデル;(ii)マウス適合型Chlamydia pneumoniae株(例えば、Chlamydia pneumoniaeマウス肺炎(MoPn)株(Chlamydia muridarumとしても公知である))を使用するマウスモデルであるマウス疾患モデル;および(iii)ヒトChlamydia pneumoniae単離株を使用する霊長類モデルが挙げられるが、これらに限定されない。上記MoPn株は、マウス病原体であり、一方、ヒトChlamydia pneumoniae血清型は、ヒト病原体である(例えば、Brunhamら(2000)J Infect Dis 181(Suppl 3)S538〜S543;Murdinら(2000)J Infect Dis 181(Supp 3)S544〜S551およびReadら(2000)NAR 28(6)1397〜1406を参照のこと)。実施例が示すように、ヒトChlamydia pneumoniae血清型が、マウスモデルにおいて使用され得るが、これらは、通常は、大量の接種物または事前プロゲステロン処理を必要とする。プロゲステロンが、一般的に使用される。なぜなら、プロゲステロンは、クラミジア感染に対して上皮をより感受性にするようであるからである(Palら、2003,Vaccine 21:1455〜1465を参照のこと)。一方、MoPn(これは、元々、マウス組織から単離された)は、天然のマウス病原体であると考えられ、従って、宿主−病原体相互作用の分析のために、進化的に適合した病原体を提供する。このMoPn血液型亜型は、ヒトChlamydia血液型亜型と高い程度のDNA相同性を有すると考えられるが、このMoPN血液型亜型はまた、いくつかの独特の特性を有し得る(例えば、Palら(2002)Infection and Immunity 70(9)4812〜4817を参照のこと)。
例として、インビボワクチン組成物チャレンジ研究は、Chlamydia pneumoniaeのマウスモデルにおいて実施され得る(Morrisonら、1995)。この型のアプローチの一例の説明は、以下の通りである。7週齢〜12週齢の雌マウスに、2.5mgのデポプロベラが、膣感染前10日目および3日目に皮下投与される。ワクチン接種後、マウスは、5mlのスクロース−リン酸−グルタミン酸緩衝液(pH7.4)中に含まれる1,5000封入体形成単位のChlamydia pneumoniaeで、生殖管において感染させられる。感染の経過が、Chlamydia pneumoniae特異的抗血清を用いる間接的免疫蛍光によってか、または感染マウスの生殖管からの擦過標本からのギムザ染色塗抹標本によって、封入体を保有する細胞の割合を決定することによってモニターされる。マウスの血清における抗体力価の存在は、酵素結合イムノソルベントアッセイによって決定される。本発明の免疫原性組成物は、多数の種々の免疫経路(例えば、筋肉内(i.m.)経路、腹腔内(i.p.)経路、鼻内(i.n.)経路、皮下(s.c.)経路、または経皮(t.c.)経路であるが、これらに限定されない)を使用して、投与され得る。一般的に、必要とされる粘膜表面または表面において望ましい免疫応答が達成される限り、任意の投与経路が使用され得る。同様に、そのチャレンジ血液型亜型は、多数の種々の経路によって投与され得る。代表的には、そのチャレンジ血液型亜型は、粘膜投与(例えば、鼻内(i.n.)チャレンジであるが、これに限定されない)される。
代替的インビボ効力モデルとしては、モルモットモデルが挙げられる。例えば、Chlamydia pneumoniae感染のモルモットモデルにおけるインビボワクチン組成物チャレンジ研究が、実施され得る。この型のアプローチの一例の説明が、以下に続く。体重が450g〜500gである雌モルモットが、12時間の明−暗サイクルにて環境を制御された部屋に収容され、種々の免疫経路を介してワクチン組成物で免疫される。ワクチン接種の後、モルモットは、生殖管において、モルモット封入体性結膜炎(GPIC)の感染因子(これは、Hela細胞中またはMcCoy細胞中で増殖済みである)を感染させられる(Rankら(1988)。各動物に、0.05mlのスクロース−リン酸−グルタミン酸緩衝液(pH7.4)中に含まれる約1.4×10封入体形成単位(IFU)が与えられる(Schacter,1980)。感染の経過が、GPIC特異的抗血清を用いる間接的免疫蛍光によってか、または生殖管からの擦過標本からのギムザ染色塗抹標本によって、封入体を保有する細胞の割合を決定することによってモニターされる。血清における抗体力価が、酵素結合イムノソルベントアッセイによって決定される。
本発明の組成物は、一般的には、患者に対して直接投与される。直接送達は、非経口注射(例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、筋肉内注射、または組織間隙空間への注射)によって、または粘膜的に(例えば、直腸投与、経口(錠剤、スプレー)投与、経膣投与、局所投与、経皮投与(例えば、WO99/27961を参照のこと)、または経皮(例えば、WO02/074244およびWO02/064162を参照のこと)、鼻内投与(例えば、WO03/028760を参照のこと)、眼内投与、耳投与、肺投与、または他の粘膜投与)によって、達成され得る。
(投与量)
予防または治療は、単一の時点または複数の時点における、単回直接投与によって達成され得る。投与はまた、単一の部位または複数の部位へと送達され得る。いくつかの投与経路(例えば、点眼を介する粘膜投与)は、より高用量を必要とし得る。当業者は、その投与量および濃度を、特定の送達経路に適合するように調節し得る。
投与処置は、単回投与スケジュールであってもよいし、または複数回投与スケジュールであってもよい。複数回投与は、一次免疫スケジュールおよび/またはブースター免疫スケジュールにおいて使用され得る。複数回投与スケジュールにおいて、種々の投与が、同じ経路または異なる経路(例えば、非経口的プライミングおよび粘膜ブースト、粘膜プライミングおよび非経口ブーストなど)によって与えられ得る。
(ホモログ)
本発明の組成物における配列番号1〜86は、配列番号1〜86に対して相同な(すなわち、配列同一性を共有する)配列を含む分子を補充され得るか、またはその分子で置換され得る。
本発明において使用される(上記NOIによってコードされる)ようなタンパク質(タンパク質抗原を含む)は、天然に存在する形態と相同性および/または配列同一性を有し得る。同様に、そのようなタンパク質を発現可能なコード配列は、一般的には、天然に存在する配列と相同性および/または配列同一性を有する。核酸「配列同一性」およびアミノ酸「配列同一性」を決定するための技術はまた、当該分野で公知である。代表的には、そのような技術は、遺伝子のmRNAのヌクレオチド配列を決定すること、および/またはそのヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を決定すること、そしてこれらの配列を、第二のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と比較することを包含する。
一般的には、「同一性」とは、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の、正確なヌクレオチド対ヌクレオチドの一致またはアミノ酸対アミノ酸の一致をそれぞれ指す。2つ以上の配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、それらの「同一性パーセント」を決定することによって比較され得る。2つの配列の同一性パーセントは、核酸配列であろうと、アミノ酸配列であろうと、整列された2つの配列の間での正確な一致の数を、短い方の配列の長さによって除算し、100を乗じたものである。
核酸配列についての適切なアライメントは、SmithおよびWaterman, Advances in Applied Mathematics 2:482〜489(1981)の局所相同性アルゴリズムによって提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff, Atlas of Protein Sequences and Structure, M. O. Dayhoff編、5 suppl.3:353〜358,National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.,USAによって開発され、そしてGribskov, Nucl. Acids Res.14(6):6745〜6763(1986)によって標準化されたスコアリングマトリックスを使用することによって、アミノ酸配列に対して適用され得る。配列同一性パーセントを決定するためのこのアルゴリズムの例示的実施が、Genetics Computer Group(Madison, WI)によって、「BestFit」の出願において提供されている。この方法についてのデフォルトパラメーターは、Wisconsin Sequence Analysis Package Program Manual, Version 8(1995)(Genetics Computer Group, Madison, WIから入手可能である)によって記載されている。本発明の状況において同一性パーセントを確立するための好ましい方法は、John F. CollinsおよびShane S. Sturrokによって開発され、InterlliGenetics,Inc.(Mountain View, CA)によって流通される、University of Edinburghによって著作権を有されるMPSRCHパッケージのプログラムを使用することである。このパッケージ一式から、Smith−Watermanアルゴリズムが使用され得、デフォルトパラメーターは、スコアリングテープルについて使用される(例えば、gap open penalty 12、gap extension penalty 1、およびgap 6)。生成されたデータから、「一致(Match)」値は、「配列同一性」を反映する。配列間の同一性パーセントまたは類似性パーセントを算出するための他の適切なプログラムは、当該分野で一般的に公知であり、例えば、別のアライメントプログラムは、デフォルトパラメーターとともに使用されるBLASTである。例えば、BLASTNおよびBLASTPが、以下のデフォルトパラメーターを使用して使用され得る:genetic code=standard;fileter=none;strand=both;cutoff=60;expect=10;Matrix=BLOSUM62;Descriptions=50 sequencs;sort by=HIGH SCORE;Databases=non−redundant,GenBanl+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+Swiss protein+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、インターネットアドレスhttp://www.ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLASTにおいて見出され得る。
あるいは、相同性は、相同性領域間で安定な二重鎖を形成する条件下でのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションと、その後の、一本鎖特異的ヌクレアーゼによる消化、および消化されたフラグメントのサイズ決定とによって、決定され得る。2つのDNA配列または2つのポリペプチド配列は、それらの配列が、上記の方法を使用して決定した場合に、少なくとも約80%〜約85%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%〜約98%の配列同一性をそれらの分子の規定された長さにわたって示す場合に、互いに対して「実質的に相同」である。
本明細書中で使用される場合、「実質的に相同」または「相同」とはまた、特定のDNA配列またはポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列を指す。実質的に相同であるかまたは相同であるDNA配列は、例えば、その特定の系について規定される、ストリンジェントな条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験において同定され得る。例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、5×デンハート溶液、5×SSC、0.1% SDS、および100pg/ml変性サケ精子DNAを含み得、洗浄条件は、2×SSC、0.1% SDS(37℃)と、その後の1×SSC、0.1% SDS(68℃)とを含み得る。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当業者の範囲内にある。
好ましくは、同一性の程度は、好ましくは、50%よりも大きい(例えば、65%、80%、90%、またはそれ以上)。この同一性の程度は、変異体および対立遺伝子改変体を包含する。それらのタンパク質の間での配列同一性は、好ましくは、MPSRCHプログラム(Oxford, Molecular)において実施されるSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって、gap open penalty=12およびgap extension penalty=1のパラメーターを用いるアフィンギャップ検索を使用して決定される。
本発明の組成物における配列番号1〜86は、好ましくは「高ストリンジェンシー条件」(0.1×SSC、0.5% SDS溶液中で65℃)下でChlamydia核酸に対してハイブリダイズし得る核酸を補充され得るか、またはその核酸で置換され得る。
(仮想タンパク質)
本明細書中で使用される場合、用語「仮想タンパク質」とは、既知の細胞位置も既知の細胞機能も欠くタンパク質を指す。代表的には、仮想タンパク質は、既知の十分に特徴付けられたタンパク質との有意な相同性を欠く。
(組成物)
本発明はまた、宿主被験体におけるChlamydia感染の医薬として(例えば、免疫原性組成物またはワクチンとして)またはその感染を検出するための診断試薬として使用するための、本発明の組成物を提供する。本発明はまた、(i)Chlamydia pneumoniae細菌に起因する感染を処置もしくは予防するための医薬;(ii)Chlamydia pneumoniae細菌の存在またはChlamydia pneumoniae細菌に対して惹起された抗体の存在を検出するための検出試薬;および/あるいは(iii)Chlamydia pneumoniae細菌に対する抗体を惹起し得る試薬;の製造における上記組成物の使用を提供する。
本発明はまた、患者を処置するための方法を提供し、この方法は、治療的に有効な量の本発明の組成物をその患者に投与する工程を包含する
本発明は、T細胞媒介性免疫障害を予防および/または処置するために有用な組成物を提供する。一実施形態において、その組成物は、薬学的組成物である。別の好ましい実施形態において、その組成物は、免疫治療組成物である。なおより好ましい実施形態において、その組成物は、ワクチン組成物である。その組成物はまた、キャリア(例えば、薬学的に受容可能なキャリアまたは免疫学的に受容可能なキャリア)を含み得る。薬学的に受容可能なキャリアまたは免疫学的に受容可能なキャリアは、部分的には、投与される特定の組成物によって、およびその組成物を投与するために使用される特定の方法によって、決定される。従って、本発明の薬学的組成物またはワクチン組成物または免疫治療組成物の広範な種々の適切な処方物が、存在する。
(免疫原性組成物および医薬)
本発明の組成物は、好ましくは、免疫原性組成物であり、より好ましくは、ワクチン組成物である。その組成物のpHは、好ましくは6〜8であり、好ましくは約7である。そのpHは、緩衝剤の使用によって維持され得る。この組成物は、滅菌され得、かつ/または発熱物質を含まないものであり得る。その組成物は、ヒトに対して等張性であり得る。
本発明に従うワクチンは、予防的(すなわち、感染を予防するため)または治療的(すなわち、感染を処置するため)のいずれかであり得るが、代表的には、予防的である。従って、本発明は、Chlamydia感染に対して感受性である動物におけるChlamydia pneumoniae感染の治療的処置または予防的処置のための方法を包含し、この方法は、その動物に対して、治療量または予防量の本発明の免疫原性組成物を投与する工程を包含する。好ましくは、その免疫原性組成物は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含み、その組み合わせは、第一の抗原グループのうちの2つ、3つ、4つ、5つ、または6つすべてのChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。なおより好ましくは、その組み合わせは、上記の第一の抗原グループうちの6つすべてのChlamydia pneumoniae抗原からなる。
あるいは、上記免疫原性組成物は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含み、その組み合わせは、第一の抗原グループおよび第二の抗原グループから選択される2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、11個、もしくは12個のChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。好ましくは、その組み合わせは、上記第二の抗原グループから選択される、3つ、4つ、または5つのChlamydia pneumoniae抗原からなる群より選択される。なおより好ましくは、その組み合わせは、上記第二の抗原グループから選択される5つのChlamydia pneumoniae抗原からなる。
あるいは、その免疫原性組成物は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含み、その組み合わせは、第一の抗原グループのうちの2つ、3つ、4つ、もしくは5つのChlamydia pneumoniae抗原と、第三の抗原グループのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つのChlamydia pneumoniae抗原とからなる。好ましくは、その組み合わせは、上記第一の抗原グループのうちの3つ、4つ、もしくは5つのいChlamydia pneumoniae抗原と、上記第三の抗原グループのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つのChlamydia pneumoniae抗原とからなる。
あるいは、その免疫原性組成物は、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含み、その組み合わせは、第一の抗原グループおよび第二の抗原グループのうちの2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9個、10個、11個、もしくは12個のChlamydia pneumoniae抗原と、第三の抗原グループのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つのChlamydia pneumoniae抗原とからなる。好ましくは、その組み合わせは、上記第二の抗原グループに由来する3つ、4つ、もしくは5つのChlamydia pneumoniae抗原と、第三の抗原グループに由来する3つ、4つ、もしくは5つのChlamydia pneumoniaeとからなる群より選択される。なおより好ましくは、その組み合わせは、上記第二の抗原グループに由来する5つのChlamydia pneumoniae抗原と、上記第三の抗原グループに由来する3つ、4つ、もしくは5つのChlamydia pneumoniae抗原とからなる。
特定の実施形態において、その組成物は、種々のChlamydia種に由来する分子を含む。いくつかの実施形態において、その組成物は、同じChlamydia種の異なる血清群および/または株に由来する分子を含み得る。さらなる実施形態は、種々の株に由来する1つ以上のChlamydia分子の混合物を含む。
多くのタンパク質は、Chlamydia trachomatisおよびChlamydia pneumoniaeの異なる種の血清群および株の間で比較的保存されている。最大の種交差認識および種交差反応性を確保するために、種々のChlamydiaの種、血清群および株の間で保存されるタンパク質領域が、本発明の組成物において使用され得る。従って、本発明は、大多数のChlamydia株の間で共有される一連のアミノ酸配列を含むタンパク質を提供する。従って、好ましくは、その組成物は、Chlamydia pneumoniaeタンパク質(好ましくは、配列番号1〜86のタンパク質、より好ましくは、配列番号1〜41のタンパク質)のフラグメントを含むタンパク質を含み、そのフラグメントは、連続的な保存アミノ酸からなる。
(さらなる抗原)
本発明の組成物は、Chlamydia trachomatisに加えて、1つ以上の性感染症に由来する抗原をさらに含み得る。好ましくは、その抗原は、以下の性感染症:N.gonorrhoeae(例えば、i、ii、iii、iv);ヒトパピローマウイルス;Treponema pallidum;単純ヘルペスウイルス(HSV−1もしくはHSV−2);HIV(HIV−1もしくはHIV−2);およびHaemophilus ducreyiのうちの1つ以上に由来する。
好ましい組成物は、(1)第一の抗原グループもしくは第二の抗原グループのうちのいずれかに由来する少なくともt個のChlamydia pneumoniae抗原(tは、2、3、4、5,6、7、8、9、10、11、12、もしくは13であり、好ましくはtは5である);(2)別の性感染症に由来する1つ以上の抗原を含む。好ましくは、その性感染症は、単純ヘルペスウイルス(好ましくは、HSV−1および/もしくはHSV−2);ヒトパピローマウイルス;N.gonorrhoeae;Treponema pallidum;およびHaemophilus ducreyiからなる群より選択される。従って、これらの組成物は、以下の性感染症:クラミジア、陰部ヘルペス、性器いぼ、淋病、梅毒、および軟性下疳(Stephensら(1998)Science 282:754〜759を参照のこと)に対する防御を提供し得る。
糖抗原または糖質抗原が使用される場合、免疫原性を増強するために、これらは、好ましくは、キャリアタンパク質に結合される(例えば、Ramsayら(2001)Lancet 357(9251):195〜196;Lindberg(1999)Vaccine 17 Suppl 2:S28〜36;ButteryおよびMoxon(2000)J R Coll Physicians Lond 34:163〜168;AhmadおよびChapnick(1999)Infect Dis Clin North Am 13:113〜133;Goldblatt(1998)J.Med.Microbiol.47:563〜567;欧州特許第0 477 508号;米国特許第5,306,492号;国際特許出願公開WO98/42721;Cojugate Vaccines(Cruseら編)ISBN 3805549326(特に、vol.10:48〜114;およびHermanson(1996)Bioconjugate Techniques ISBN:0123423368もしくは012342335)。
好ましいキャリアタンパク質は、細菌毒素もしくは細菌トキソイド(例えば、ジフテリアトキソイドもしくは破傷風トキソイド)である。CRM197ジフテリアトキソイドが、特に好ましい(Research Disclosure,453077(Jan 2002))。他のキャリアポリペプチドとしては、N.meningitidis外膜タンパク質(EP−A−0372501)、合成ペプチド(EP−A−037881、EP−A−0427347)、熱ショックタンパク質(WO93/17712、WO94/03208)、百日咳タンパク質(WO98/58668、EP−A−047177)、H.influenzae由来のプロテインD(WO00/56360)、サイトカイン(WO91/01146)、リンホカイン、ホルモン、増殖因子、C.difficile由来の毒素Aもしくは毒素B(WO00/61761)、鉄取込みタンパク質(WO01/72337)などが挙げられる。混合物が、血清群Aおよび血清群Cの両方に由来する夾膜糖を含む場合、MenA糖:MenC糖の比(重量/重量)が1よりも大きい(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、またはそれ以上である)ことが、好ましいものであり得る。種々の糖が、同じ型または異なる型のキャリアタンパク質に結合体化され得る。適切な任意の結合体化反応が、必要な場合には適切な任意のリンカーを用いて使用され得る。
毒性タンパク質抗原は、必要な場合には、無毒化され得る(例えば、化学的手段および/または遺伝的手段による百日咳毒素の無毒化)。ジフテリア抗原が上記組成物中に含まされる場合、破傷風抗原および百日咳抗原もまた含むことが好ましい。同様に、破傷風抗原が含まれる場合には、ジフテリア抗原および百日咳抗原もまた含むことが好ましい。同様に、百日咳抗原が含まれる場合には、ジフテリア抗原および破傷風抗原もまた含むことが好ましい。
上記組成物中の抗原は、代表的には、各々少なくとも1μg/mlの濃度にて存在する。一般的に、所定の任意の抗原の濃度は、その抗原に対する免疫応答を惹起するために十分である。本発明の組成物中でタンパク質抗原を使用することに対する代替法として、その抗原をコードする核酸が、使用され得る。RobinsonおよびTorres(1997)Seminars in Immunology 9:271〜283;Donnellyら(1997)Annu Rev Immunol 15:617〜648;Scott−TaylorおよびDalgleish(2000)Expert Opin Investig Drugs 9:471〜480;ApostolopoulosおよびPlebanski(2000)Curr Opin Mol Ther 2:441〜447;Ilan(1999)Curr Opin Mol Ther 1:116〜120;Dubenskyら(2000)Mol Med 6:723〜732;RobinsonおよびPertmer(2000)Adv Virus Res 55:1〜74;Donnellyら(2000)Am J Respir Crit Care Med 162(4 Pt 2):S190〜193、ならびにDavis(1999)Mt.Sinal J.Med.66:84〜90を参照のこと。従って、本発明の組成物のタンパク質成分は、そのタンパク質をコードする核酸(好ましくは、DNA(例えば、プラスミド形態である))によって置換され得る。
(疾患状態)
本発明の組成物は、障害を予防および/または処置するために使用され得る。その障害は、例えば、肺炎、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、気管支炎、咽頭炎、喉頭炎、静脈洞炎、閉塞性肺疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患、反応性関節炎、中耳炎、腹大動脈瘤、結節性紅斑、ライター症候群、サルコイドーシス、アルツハイマー病、多発性硬化症、性病性リンパ肉芽腫、眼トラコーマ、骨盤炎症疾患、封入体性結膜炎、性器トラコーマ、乳児肺炎、初期(incipient)トラコーマ、角膜炎、乳頭状肥大、角膜浸潤、外陰部膣炎、粘液膿性鼻炎、卵管炎、子宮頚管炎、子宮頚部卵胞(cervical follicle)、前立腺炎、直腸炎、尿道炎、鼡径リンパ肉芽腫、気候性横痃、熱帯性横痃、および/または慢性陰門潰瘍(esthiomene)であるが、これらに限定はされない。
(処方物)
Chlamydia感染は、身体の種々の領域を冒す。従って、本発明の組成物は、種々の形態で調製され得る。例えば、この組成物は、注射可能物質として、液体溶液または液体懸濁物のいずれかとして、調製され得る。注射前に液体ビヒクル中の溶液または懸濁物のために適切な固体形態もまた、調製され得る(例えば、凍結乾燥組成物)。この組成物は、局所投与のために(例えば、軟膏、クリーム、または粉末として)調製され得る。この組成物は、経口投与のために(例えば、錠剤もしくはカプセル剤として、スプレーとして、またはシロップ剤(必要に応じて矯味矯臭される)として)調製され得る。上記組成物は、肺投与のために(例えば、微細粉末またはスプレーを使用する、吸入器として)調製され得る。上記組成物は、坐剤またはペッサリーとして調製され得る。上記組成物は、鼻内投与、耳内投与、または眼内投与のために(例えば、点滴剤として)調製され得る。上記組成物は、キット形態(組み合わせた組成物が、患者への投与直前に再構成されるように設計される)であり得る。そのようなキットは、液体形態である1つ以上の抗原と、1つ以上の凍結乾燥抗原とを含み得る。
(上記組成物のさらなる成分)
本発明の組成物は、代表的には、上記の成分に加えて、1つ以上の「薬学的に受容可能なキャリア」を含み、この「薬学的に受容可能なキャリア」とは、その組成物を受ける個体にとって有害な抗体の生成をそれ自体は誘導しない任意のキャリアを含む。適切なキャリアは、代表的には、大きくゆっくり代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、および脂質凝集物(例えば、油滴もしくはリポソーム))である。そのようなキャリアは、当業者にとって周知である。上記ワクチンはまた、希釈剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロールなど)を含み得る。さらに、補助物質(例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝物質など)が、存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤の完全な考察は、Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed,ISBN:0683306472において利用可能である。
本発明の生物学的分子は、薬学的組成物または免疫治療組成物またはワクチン組成物へと処方され得る。そのような処方物は、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、滅菌水または滅菌等張性生理食塩水)と組み合わせた生物学的分子を含む。そのような処方物は、ボーラス投与のためまたは連続投与のためのために適切な形態にて、調製、パッケージ、または販売され得る。注射可能処方物が、単位投与形態(例えば、アンプル中または防腐剤を含む多用量容器中)にて、調製、パッケージ、または販売され得る。処方物としては、油状ビヒクル中もしくは水性ビヒクル中の懸濁物、油状ビヒクル中もしくは水性ビヒクル中の溶液、油状ビヒクル中もしくは水性ビヒクル中のエマルジョン、ペースト、および移植可能な徐放性処方物もしくは移植可能な生分解性処方物が挙げられるが、これらに限定されない。そのような処方物は、1つ以上のさらなる成分(懸濁剤、安定化剤、または分散剤が挙げられるが、これらに限定されない)をさらに含み得る。非経口投与のための処方物の一実施形態において、その活性成分は、再構成された組成物の非経口投与前に適切なビヒクル(例えば、発熱物質を含まない滅菌水)で再構成するための乾燥(例えば、粉末または顆粒)形態で提供される。上記薬学的組成物は、滅菌した注射可能な、水性懸濁物もしくは水溶液または油性懸濁物もしくは油性溶液の形態で、調製、パッケージ、または販売され得る。この懸濁物もしくは溶液は、公知技術に従って処方され得、その活性成分に加えて、さらなる成分(例えば、本明細書中に記載される分散剤、湿潤剤、もしくは懸濁剤)を含み得る。そのような滅菌した注射可能な処方物は、非経口的に受容可能な非毒性の希釈剤もしくは溶媒(例えば、水もしくは1,3−ブタンジオール)を使用して調製され得る。他の受容可能な希釈剤および溶媒としては、リンガー溶液、等張性塩化ナトリウム溶液、および不揮発性油(例えば、合成モノグリセリドもしくは合成ジグリセリド)が挙げられるが、これらに限定されない。有用な他の非経口投与可能な処方物としては、微結晶形態で活性成分を含む処方物、リポソーム調製物中に活性成分を含む処方物、または生分解性ポリマー系の成分として活性成分を含む処方物が、挙げられる。徐放のための組成物または移植のための組成物は、薬学的に受容可能なポリマー物質または疎水性物質(例えば、エマルジョン、イオン交換樹脂、難溶性ポリマー、または難溶性塩)を含み得る。
(キット)
また、本発明中に含まれるのは、本発明の生物学的分子に対するCMI応答を増強するためのキットである。そのようなキットは、抗原性組成物またはそれをコードするヌクレオチド配列を含み得る。そのキットはまた、上記生物学的分子ととともに投与されるかまたは上記生物学的分子の一部として投与されるアジュバント(好ましくは、遺伝子アジュバント)と、その生物学的分子を投与することに関する指示とを含み得る。そのキットの他の好ましい成分としては、その生物学的分子を投与するためのアプリケーターが挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「アプリケーター(applicator)」とは、上記NOIを宿主被験体に対して全身にかまたは粘膜にかまたは経皮的に適用するための任意のデバイス(皮下注射器、遺伝子銃、粒子加速デバイス、噴霧器、点滴注入器、気管支鏡、坐剤、膣挿入可能な含浸もしくはコーティングされた物質(例えば、タンポン)、圧注調製物、膣洗浄用溶液、貯留(retention)浣腸調製物、坐剤、または直腸洗浄用溶液もしくは結腸洗浄用溶液が挙げられるが、これらに限定されない)を指す。
本発明はまた、Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせを含むキットを提供する。Chlamydia pneumoniae抗原の組み合わせは、本発明の免疫原性組成物のうちの1つ以上であり得る。上記キットは、第二の成分(指示書、シリンジもしくは他の送達デバイス、アジュバント、または薬学的に受容可能な処方溶液のうちの1つ以上が挙げられる)をさらに含み得る。本発明はまた、本発明の免疫原性組成物を予め充填した送達デバイスを提供する。
以下の発明は、例としてのみここでさらに記載され、添付の図面が参照される。以下の実施例は、本発明を例示するためおよび当業者が本発明を作製して使用するのを助けるためだけに、提示される。これらの実施例は、本発明の範囲をいかなるようにも限定することは意図されない。使用される数字(例えば、量、温度など)に関する精度を確保するための努力は行ったが、いくらかの実験誤差および偏差は、当然許容されるべきである。
図1A。組換えChlamydiaタンパク質に対するポリクローナルマウス抗血清による、LLC−MK2細胞に関するC.pneumoniae感染性のインビトロ中和アッセイ。結果は、抗血清処理された感染性EBに単層が感染した場合に得られた封入体の数を、未処理EBにより得られる封入体数と比較した減少として示される。減少値のパーセントが、対応する血清希釈の逆数に対してプロットされる。各希釈物について、封入体数は、免疫前血清の対応する希釈物を用いて得られた感染性のバックグラウンド阻害について補正された。この図は、「中和」抗原に対して惹起された抗体(黒塗りハート印)、「非中和」FACS陽性抗原に対して惹起された抗体(ν)、および融合構築物中で使用されたGSTポリペプチド単独に対して惹起された抗体(σ)の、連続希釈物を用いて得られた結果を示す。
図1Bは、本文中に記載される10個のC.pneumoniae組換え抗原について、感染性の50%中和を与える血清力価を示す。各々の力価は、3つの個別の実験において評価された(平均値標準誤差(SEM)の値を示す)。
図2は、本文中に記載される免疫血清を使用する、C.pneumoniae EBの二次元電気泳動マップの免疫ブロット分析を示す。免疫ブロットは、種々のpH区間を網羅する2つのEBゲル(上部のパネルAおよびパネルB)のうちのいずれかから得られた。この2つのどちらかに従って、所定の抗原の最良の検出が可能になった。HtrA免疫ブロット中の矢印は、シグナルのうちのどれが、MALDI−TOF同定に供されたゲル中の対応する染色スポット(パネルA中の矢印)を有したかを示す。HtrAブロットにおける2つのパターンは、両方とも、同じタンパク質の一変化改変体から構成される代表的な電気泳動「結果(train)」を示唆する。
図3は、全身チャレンジ後の免疫化ハムスターおよび偽免疫化ハムスターに由来する対応する脾臓サンプルから回収されたC.pneumoniae IFUの平均数を示す。標準偏差値が、バーの上に示される。有意な防御を誘導した抗原が、対応するバーの上のアスタリスクにより強調される。すべての抗原は、フロイントアジュバント中にて送達される。n.i.=非免疫コントロール。
図4は、DNA免疫化HLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスに由来する脾細胞のフローサイトメトリー分析を示す。4匹ずつのマウスからなるグループが、C.pneumoniae低カルシウム応答タンパク質Hを発現する50μgのプラスミドDNAで3回筋肉内(i.m.)免疫された。脾細胞からのIFN−γ生成が、ペプチドCH−6(10μg/ml)による6時間のパルス(エキソビボ)または6日間のパルス(再刺激された)のいずれかの後に、モニターされた。同数のゲート通過した生存リンパ球細胞が、LSRII FACS System(Becton Dickinson)を用いて取得され、INF−γ生成CD8T細胞の割合が、DIVA Software(Becton Dickinson)を使用して算出された。
図5は、C.pneumoniae EBを感染させたトランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスに由来する脾細胞のフローサイトメトリー分析を示す。(A)HLA−A2トランスジェニックマウスが、5×10個のC.pneumoniae FB/96 EBで2回鼻内感染され、脾細胞が、関連するペプチドの存在下で6日間刺激され、その後、図4の説明文において記載されるように、CD8T細胞によるIFN−γ生成を測定された。(B)HLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスが、同じEB調製物で一緒に感染され、CD8T細胞が、(A)において報告されるようにFACS分析に供された。
表1は、本文中に記載されるC.pneumoniae抗原のデータおよび特性の要約を示す。中和力価が、インビトロ感染性アッセイにおける封入体数の50%減少を引き起こす抗血清希釈の逆数として報告される。ハムスターモデルデータについて、結果の統計学的有意性が、両側スチューデントt検定によって評価された。有意なデータ(p≦0.05)が、アスタリスクで強調されている。ND=検出せず。
表2は、仮想タンパク質についてのハムスターマウス研究からの結果を示す。
表3は、マイクロアレイにより選択されたCPn EBの発現遺伝子を示す。
表4は、C.pneumoniaeの選択されたペプチド:タンパク質供給源およびHLA−A2安定化アッセイを示す。
表5は、DNA免疫化HLA−A2トランスジェニックマウス由来のCD8+T細胞を用いるELISPOTアッセイを示す。
表6は、DNA免疫化HLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスの脾細胞からのIFN−γ生成を示す。
(方法および材料)(実施例1〜4)(参考文献の節1を参照のこと)
(C.pneumoniae EB精製)
C.pneumoniae FB/96(Sant’Orsola Polyclinic(Bologna,Italy)において肺炎患者から得られた臨床単離株)を、6ウェルプラスチックプレートの個々のウェル中に播種したLLC−MK2細胞において増殖させた(7)。細胞を、感染72時間後に滅菌ゴムを用いて採集し、超音波により破壊し、基本小体(EB)を、記載される(26)ように勾配遠心分離によって精製した。精製したChlamydiaeを、スクロース−リン酸−グルタミン酸(SPG)輸送緩衝液中に再懸濁し、使用するまで0.5mlアリコート中において−80℃で保存した。必要な場合には、保存前に、EB感染性を、65℃で3時間のインキュベーションによって熱不活化した。
(組換えタンパク質の発現および精製)
オープンリーティングフレーム(ORF)(C.pneumoniae CWL029ゲノム配列(16)から選択した)を、基本的に以前に記載された(25)ようにして、プラスミド発現ベクター中にPCRクローン化し、E.coli培養物から精製した。組換えChlamydiaタンパク質を、pGEX−KG誘導体ベクター(12)をE.coli BL21(Novagen)において使用することによって、GST融合タンパク質として得た。PCRプライマーを、N末端シグナルペプチドコード配列を含まない遺伝子を増幅するように設計した。シグナルペプチドまたは処理部位が明確には予測不能な場合、ORF配列を、Kalmanおよび共同研究者(16)によって注釈されたようにクローン化した。組換えE.coli細胞を、LB培地(500ml)(100μg/mlアンピシリンを含む)中で増殖させ、OD600=0.5になるまで37℃で増殖させ、その後、1mM IPTGを用いて誘導した。細胞を、誘導の3時間後に遠心分離によって収集し、フレンチプレス(SLM Aminco,Rochester,NY)において破壊した。30,000gにおいて遠心分離した後に、上清を、Glutathione Sepharose 4Bカラム(Amersham Pharmacia Biotech)にローティングし、カラムに結合したタンパク質を、50mM Tris−HCl、10mM還元型グルタチオン(pH8.0)を用いて溶出した。サンプル中のタンパク質濃度を、Bradford法を使用して決定した。
(マウス抗血清の調製)
4匹の5週齢/6週齢のCD1雌マウス(Charles River,Como,Italy)からなるグループを、完全フロイントアジュバント(CFA)中の20μgのタンパク質で1日目に腹腔内免疫し、不完全フロイントアジュバント(IFA)中の20μgの組換えタンパク質で15日目および28日目にブーストした。免疫前血清および免疫血清を、0日目、27日目、および42日目に収集した血液サンプルから調製した。混入しているE.coli抗原によって惹起される可能性がある抗体の量を減少するために、その免疫血清を、E.coli BL21からの全タンパク質抽出物を吸着させたニトロセルロースストリップとともに4℃で一晩インキュベートした。
(フローサイトメトリーアッセイ)
分析を、基本的に以前に記載される(25)ようにして実施した。リン酸−生理食塩水緩衝液(PBS)+0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)中に再懸濁した、勾配精製し熱不活化したC.pneumoniae FB/9由来のEB(2×10個の細胞)を、特異的マウス抗血清(標準希釈1:400)とともに4℃にて30分間インキュベートした。遠心分離し200μlのPBS−0.1% BSAで洗浄した後に、サンプルを、R−フィコエリトリン(Jackson Immunoresearch Laboratories,Inc.)と結合体化したF(ab)’2特異的ヤギ抗マウスIgGとともに、4℃にて30分間インキュベートした。そのサンプルを、PBS−0.1% BSAで洗浄し、150μlのPBS−0.1% BSA中に再懸濁し、FACSCalibur装置(Becton Dickinso,Mountain View,CA)を使用するフローサイトメトリーによって分析した。コントロールサンプルを、同様に調製した。陽性コントロール抗体は、i)市販の抗C.pneumoniae特異的モノクローナル抗体(Argene Biosoft,Varilhes,France);およびii)勾配精製したC.pneumoniae EBでマウスを免疫することによって調製したマウスポリクローナル血清であった。バックグラウンドコントロール血清を、上記融合構築物において使用される精製GSTペプチドで免疫したマウスから得た(GST融合物コントロール)。FACSデータを、Cell Quest Software(Becton Dickinson,Mountain View,CA)を使用して分析した。バックグラウンドコントロールヒストグラムと、免疫血清試験ヒストグラムとの間のシフトを、EB細胞表面に対する抗体結合の尺度として得た。Kolmorov−Smirnov(K−S)2サンプル試験(44)を、重なり合った2つのヒストグラムに対して実施した。D/s(n)値(この2つの曲線間の相違点の指標)が、表1において「K−Sスコア」として報告される。
(免疫血清の二次元ウェスタンブロット分析および質量分析)
勾配精製したC.pneumoniae EBを、5mM Tris−HCl(pH7.5)+0.1mM EDTA+10%グリセロールで洗浄し、13000×gにて15分間遠心分離し、ペレットを、再膨張(reswelling)溶液(7M尿素、2Mチオ尿素、2%(w/v)CHAPS、2%(w/v)ASB14、2%(v/v)IPG緩衝液(pH3〜10 NLまたはpH4〜7、2mM TBP、65mM DTT)中に再懸濁した。タンパク質(200μgのクマシーブルー染色基準ゲル用タンパク質、または20μgの免疫ブロッティングのために処理されるゲル用のタンパク質)を、Immobiline DryStrips(7cm,pH3〜10NL、またはpH4〜7)上に一晩吸着させた。エレクトロフォーカシングを、IPGphor Isoelectric Focusing Unit(Amersham Biosciences,Uppsala,Sweden)において実施した。収束したストリップを、記載される(15)ように平衡化し、Mini Protein III Cell(Bio−Rad,Hercules,CA)におけるSDS−PAGE分離のために直線9%〜16.5%アクリルアミド勾配(7×4cm、1.5mm厚)上にローディングした。ゲルを、コロイド状クマシーブルー(Novex,San Diego,CA)(4)で染色し、そのようにして得られたタンパク質マップを、12ビットおよび50mm/ピクセルにてPersonal Densitometer SI(Molecular Dynamics)を用いてスキャンした。
ウェスタンブロット分析のために、上記の二次元マップにおいて分離したタンパク質を、Protean III装置(BioRad,Hercules,CA)を使用して30Vで一晩ニトロセルロース膜に移した。膜を、12mM HCl中の0.05%(w/v)CPTS(銅(II)フタロシアニン−3,4’,4’’,4’’’−テトラスルホン酸四ナトリウム塩)で染色し、後の画像重複およびマッチングのためのアンカーを提供するために8個のIndia−inkドットで周辺にマークを付けた。スキャンおよび画像獲得の後、膜を、0.5M NaHCOで脱染し、分析されるべきマウス血清(1:1000希釈した、免疫前血清または特異的免疫血清)とともにインキュベートし、その後、ペルオキシダーゼ結合体化抗マウス抗体(Amersham Biosciences,Uppsala,Sweden)とともにインキュベートした。PBS+0.1% Tween−20で洗浄した後、ブロットを、Opti−4CN Substrate Kit(Biorad,Hercules,CA)を使用して発色させ、免疫染色したブロットの画像を、上記のようにして再度取得した。画像を、コンピュータープログラムImage Master 2D Elite,version 4.01(Amersham Bisciences,Uppsala,Sweden)を用いて分析した。ウェスタンブロット膜とクマシー染色したゲルとの間での画像重複およびマッチングを、以下のように実施した。まず、CPTS染色した膜画像と、免疫染色したブロット画像とを、周辺ドットマークを使用して重複した。その後、そのようにして得た合計画像を、CPTS染色したCpnタンパク質をアンカーとして使用して、クマシーブルー染色したタンパク質マップに重複した。そのブロット上の免疫染色したスポットに対応するクマシー染色したマップ上の領域を、タンパク質同定のために調製用ゲルから切り出した。タンパク質サンプルを、真空遠心機において乾燥させ、過剰なブタトリプシン(Promega,Madison,WI)を用いて、100mM重炭酸アンモニア中で37℃にて2時間ゲル内(in−gel)消化した。トリプシン消化ペプチドを脱塩し、Zip−Tip(Millipore,Bedford,MA)を使用して濃縮した。ペプチドを、直接溶出し、50%アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸中の2,5−ジヒドロキシ安息香酸(5g/l)溶液を含むSCOUT 384 Anchor Chipマルチプローブプレート(400μm,Bruker Daltonics,Bremen,Germany)上にローディングした。Bruker Biflex IIIマトリックス支援型レーザー脱離イオン化飛行時間(MALDI−TOF)装置にて、スペクトルを得た。一同位体ピークについて得られる値を、Mascotソフトウェア(32)(ウェブサイトhttp://www.matrixscience.com/.にて得られる)を使用するデータベース検索のために使用した。
(インビトロ中和アッセイ)
LLC−MK2(アカゲザル腎臓)上皮細胞培養物において、インビトロ中和アッセイを行った。ショ糖−リン酸−グルタミン酸緩衝液(SPG)中において、マウス免疫血清および対応する免疫前血清の連続4倍希釈を調製した。全EBに対するマウスポリクローナル血清を、中和の陽性コントロールとして使用し、一方でSPG緩衝液を、中和の陰性コントロールとして使用した(感染のコントロール)。C.pneumoniae FB/96由来の精製した感染性EBをSPG緩衝液中で希釈して2.5×10IFU/mlを含むようにし、そして10μlのEB懸濁液を、最終容量100μlの各血清希釈物に添加した。30分間、37℃、ゆっくりと揺れるプラットホーム上で、抗体−EB相互作用を進行させた。100μlの各サンプルの反応混合物を使用して、24ウェル組織培養プレートにおいて、PBS洗浄されたLLC−MK2のコンフルエントな単層に接種し(各血清希釈物について、3つ)、そして805×gで1時間、37℃で遠心分離した。遠心分離後、イーグル最小必須培地(アール塩、20%ウシ胎仔血清、および1μg/mlシクロヘキシミド含有)を添加した。感染させた培養物を、37℃、5%CO中で72時間インキュベートした。単層をメタノールで固定し、クラミジア封入体を、マウス抗クラミジアフルオレセイン結合体化モノクローナル抗体(Merifluor Chlamydia、Meridian Diagnostics,Inc.)染色によって検出し、そして倍率40倍で10視野/ウェルを計数することによって定量化した。免疫血清とのEBの相互作用に起因する感染性の阻害を、SPG(緩衝液のみ)/EBコントロールに対する平均IFU数の低下の百分率として計算した。この計算において、免疫血清から得られたIFU計数を、対応する前免疫マウス血清に起因する感染のバックグラウンド阻害に対して補正した。慣行に従って、この血清が50%以上の感染性の低下を生じる場合、この血清を「中和性」とみなした。対応する中和滴定を、感染性の50%低下が観察された血清希釈物として規定した。図1Bに示すように、実験の変動性を、各組換え抗原についての3つの滴定実験から測定の標準誤差(SEM)を計算することによって評価した。
(インビボスクリーニング)
最近記載されたように(34)、全身感染のハムスターモデルを使用して、インビボ評価を行った。本質的には、組換えワクチン候補物で予め免疫した成体(10〜11週齢)Syrianハムスター(Morini、S.Polo D’Enza、Italy)を、感染性Cpn基本小体(EB)で全身性にチャレンジした。脾臓から回収された生存EBのレベルを、非免疫動物と比較して決定することによって、防御を評価した。結果の統計学的有意性を、両側スチューデントt検定によって評価した。
8匹のハムスターの群を、0日、7日および21日において、組換え抗原によって皮下的に免疫したか、またはコントロール群については緩衝液のみを注射した。各免疫については、フロイント完全アジュバントで1:1希釈した20μgのタンパク質(初回投与)、およびフロイント不完全アジュバントで1:1希釈した20μgのタンパク質(追加投与)を注射した。感染後35日において、ハムスターをケタミンで麻酔し、腹腔内および鼻腔内に接種した(各部位に、0.1mlのC.pneumoniae EB懸濁液(1.0×10)を使用)。感染の7日後、動物を屠殺した。脾臓を秤量し、乳鉢でホモジェナイズして、冷SPG緩衝液中10%(重量/体積)の懸濁液を得た。組織懸濁液を、300×g、4℃で10分間遠心分離し、粗細片を除去した。清浄化されたホモジネート(0.2ml)を、24ウェルプレートのプラスチック製の個別のウェルに播種されたLLC−MK2細胞に対して、2つのウェルに接種し、37℃で72時間インキュベートして、免疫蛍光顕微鏡検査によるウェルあたりのクラミジア封入体の数の検出および計数の前にアセトンで固定した。このプロトコールは、the University of Bolognaの倫理委員会で承認された。
(実施例1(インビトロ研究))
(インビトロ中和特性についての抗血清のスクリーニング)
C.pneumoniaeの細胞表面上に局在する可能性のあるタンパク質についての全ゲノム(genome−wide)スクリーニングに従って、本発明者らは、FACSアッセイにおいて、53個の組換えクラミジア抗原に対する抗血清がクラミジア細胞の表面に結合し得たことを最近報告した(25)。FACS陽性抗原のいくつかがEBインビトロ感染性に干渉し得たか否かを調べるために、本発明者らは、マウス抗血清を組換えFACS陽性抗原に対して惹起し、LLC−MK2細胞の単層に関して、精製EBの感染性に対する各抗血清の効果を評価した。感染性EBを、抗血清とともに最初にインキュベートし、次いで24ウェルマルチタイタープレート中の細胞単層を感染させるために使用した。並行して、コントロールサンプルを同様に処理した。コントロールサンプルにおいては、EBを:i)緩衝液のみで処理したか、またはii)対応する前免疫マウス血清の同じ希釈物で処理したかのいずれかであった。
(結果I)
このアッセイを使用して、これまで10種の血清が、50%を超える程度でインビトロ感染性を効果的に中和することを示した(慣行では、このような抗原を「中和性」とみなす特性である(図1))。以下のC.pneumoniae遺伝子に由来する組換えタンパク質によるマウス免疫によって、これら10種の血清を得た:
・pmp10およびpmp2、異種クラミジアPMPファミリーの多型膜タンパク質の2つのメンバーをコードする;
・artJ、アミノ酸輸送系のタンパク質に結合する推定細胞外溶質(おそらくアルギニン)をコードする;
・eno、細菌エノラーゼに対するタンパク質ホモログ(細菌表面にもまた見出され得る糖分解酵素)をコードする;
・htrA、熱ショック誘導性プロテアーゼ活性を有する推定シャペロンをコードする;
・Cpn0301「仮想的」遺伝子、細菌タンパク質のompHファミリーに対するタンパク質ホモログをコードする、これらのメンバーのいくつかは、外膜生合成に関与するシャペロンであることが示された;
・2つのCpn特異的「仮想的」遺伝子、Cpn0795およびCpn0042;
・omcA、外膜タンパク質としてアノテーション付けされる7〜9kDaタンパク質をコードする;ならびに
・atoS、輸送系の推定センサーメンバー。
図1に示され、そして表Iにまとめられるように、OmpH、エノラーゼおよびCpn0795は、約400の力価を有する最も高い中和性の血清を誘導するように見えた。対照的に、Pmp2、ArtJおよびCpn0042は、100以下の力価を誘導した。一方残りの4つの抗原(Pmp10、HtrA、AtoSおよびOmcAは、中間的な力価を示した。
(実施例2(インビボ研究))
(Cpnタンパク質抽出物の2D免疫ブロット分析による抗血清特異性の評価)
LLC−MK2単層のインビトロ感染において観察される中和活性が、考えられる他の抗原との交差反応に起因するのではなく、選択されたC.pneumoniaeタンパク質への抗体の結合に実際に起因するのか否かを調べるため、本発明者らは、EBタンパク質の2次元電気泳動マップの免疫ブロット分析によって、抗血清の特異性を評価した。
詳細には、この分析を、EB全タンパク質の2Dマップにおいて可視であることが知られている6種の抗原(Pmp2、Pmp10、Eno、ArtJ、HtrAおよびOmpH様)において実施した(Montigianiら、2002 Infection and Immunity 70:368−379)。全EBタンパク質を、2つの異なるpH間隔(それぞれ、pH3〜10(非線形)、およびpH4〜7)を使用して2D電気泳動によって分解した。なぜなら、研究のもとで、タンパク質のいくつかは、上記pH間隔の一方よりも他方を使用してよりよく検出されたことが示されているからである。各々のpH間隔について、4つのゲルを並行して泳動した。1つのゲルを、クマシーブルーで染色してタンパク質のスポットを可視化し、一方他のゲルを、ニトロセルロースフィルターでブロッティングし、1000倍希釈の選択された血清のうちの1つを用いて染色した。その後、免疫染色ブロットの画像(図2、パネルc〜h)を、対応するクマシーブルー染色ゲルに重ね、所与の抗血清と反応したスポットを同定した。適合するタンパク質スポットを切り出し、そしてMALDI−TOF分析によるペプチド同定のために処理した。
(結果2)
6つのマップ全てにおいて、切り出したゲル領域中の免疫反応性タンパク質種が予測されるクラミジアタンパク質に由来するペプチドを含むことを見出した。血清が1つ以上の電気泳動タンパク質種と反応した場合でさえ、クマシーブルー染色2DEマップにおいて検出され得る全てのスポットの質量スペクトルは、複数の電気泳動種として存在する同じポリペプチドと常に一致した。
興味深いことに、HtrA抗血清によって得られる免疫ブロットは、2つの異なる分子量において、2つの代表的な電気泳動の「列(train)」として整列する、2つの、4スポットのセットを示した。クマシーブルー染色ゲルにおいて、4つの対応するスポット(より大きな分子量セットの列に3つ、より小さな分子量セットに1つ)を同定することが可能であった。MS分析は、これら全てを、Cpn HtrA遺伝子の産物として同定した。興味深いことに、より小さな分子量の種は、3個のN末端トリプシンペプチドを失っている。このペプチドは、より大きな分子量スポットのシリーズにおいては検出され、そしてORFの最初の100aaのうちに位置する。これらの結果は、HtrAが、全血清産物として、およびおそらく何らかの翻訳後プロセシングの結果として短いN末端ペプチドを欠く分離した種としての両方で、EBタンパク質サンプル中に存在したことを示唆する。
(結果2の考察)
ポリクローナル抗体反応性に基づくデータ分析においては、エピトープ擬態に起因する交差反応を排除することは常に困難であると考えるべきである。この研究においては、抗血清特異性の問題を、2D免疫ブロット法、および質量分析による反応性電気泳動種の同定によって解決した。このアプローチは、10種の抗血清のうちの6つについて可能であった(すなわち、タンパク質に対応するものを、予め、C.pneumoiziae EBタンパク質の2D電気泳動マップ上で、質量分析(MALDI−TOF)によって同定した(25、42)(表1および図2))。未処理クラミジアタンパク質種間の偶然の交差反応の確率を、免疫ブロット分析の結果によって最小限にした。この分析は、マップにおける約300を超えるタンパク質スポット(これら全ては、試験された抗血清と反応する)が、予測された抗血清特異性と一致したことを示した。明らかに、2D電気泳動の間に、高次構造エピトープはほぼ失われるので、構造依存性交差反応は、この型の分析においては除外され得ない。
(実施例3)
(ハムスター全身感染モデルにおけるインビトロ中和性抗原のインビボ評価)
本発明者らは最近、Chlamydia pneumoniae全身感染の新規のハムスターモデルを記載した。このモデルにおいて、複製したクラミジアはマクロファージを介して広がり、脾臓に蓄積する(34)。よって、本発明者らは、本発明者らが同定したインビトロ中和性抗原がインビボにおいてやはり防御活性を有していたか否かを、このモデルを用いて問うた。この目的のため、10種のインビトロ中和性組換え抗原を使用して、8匹のハムスターを、3週間にわたる3回の皮下注射によって免疫し、そして2週間後に、2×10Cpn EBでチャレンジした。脾臓感染を、チャレンジの7日後に評価した。コントロール動物から回収された感染性クラミジアの平均数と組換えクラミジア抗原で免疫された動物から回収されたクラミジアの平均数との差異を、推定ワクチン候補物によって特異的に誘発された防御の測定値として得た。
(結果3)
繰り返しの実験において、種々の抗原について観察された脾臓防御の結果を、図3に示し、そして表1において百分率の値として報告する。10種の抗原のうち6つ(Pmp2、Pmp10、エノラーゼ、OmpH様タンパク質)、ならびにC.pneumoniae特異的遺伝子Cpn0759およびCpn0042の産物は、統計学的に有意な防御活性を示し、免疫動物の脾臓から回収されたIFUを、偽免疫コントロールに対して80%より大きく減少させた。
ハムスターモデルの限界は、免疫学的試薬がないために、体液性免疫および細胞媒介性免疫の相対的な寄与が評価できないことである。しかし、本発明者らは、組換え抗原がまた、ハムスター中和抗体において十分高い力価で誘発し得るか否かを問うた。したがって、本発明者らは、Pmp2およびエノラーゼ(2つの最も防御性の抗原)で免疫したハムスターからの血清を、インビトロ中和アッセイにおいて試験した。両抗原とも、約100の中和力価を有した(データ示さず)。
(結果3のまとめ)
結論として、かなりの割合(60%)のインビトロ中和性抗原が、ハムスターインビボモデルにおいても防御性であり、そして本発明者らのデータは、抗体媒介性中和が、少なくともこの全身感染モデルにおいて役割を果たし得ることを示唆する。
(結果3の考察)
10種のFACS陽性抗原の選択されたサブセットのインビトロ中和特性をアッセイすることのほかに、本発明者らはまた、最近ハムスターにおいて記載された全身感染後動物モデル(34)における、C.pneumoniae感染に対する防御においての、これらの抗原の性能を評価した。この評価は、組換え抗原が有する、(人工的条件で増殖したインビトロ培養物から精製されたEBではなく)天然に複製するクラミジアに対する、全身感染の状況における防御反応を誘発する能力に取り組む。実際、本発明者らが使用したハムスターモデルは、C.pneumoniaeがヒトに感染する主要な経路であると考えられる代表的な呼吸器感染をモデルするものではないが、それにもかかわらず、数人の著者によって心血管疾患および他の慢性変性疾患の発症もしくは進行に関連するとみなされる、C.pneumoniae慢性感染の確立に先立ち得る全身侵襲の状況を模倣した。明らかに、あらゆるハムスターモデルの限界は、細胞媒介性免疫応答の分析を可能にするハムスター特異的免疫学的試薬が、現在ないことである。しかし全身感染の場合、一般的知識によると、中和抗体は、防御作用を有する可能性がある。10種の「インビトロ中和性」抗原のうち6つが、>80%のインビボ防御作用もまた有していたという知見、および免疫ハムスターの血清中に測定可能な中和活性がまた見出されたという知見は、特異的抗体媒介性免疫が、本明細書において記載された動物の防御に、少なくとも部分的に寄与し得ることを示唆する。
(実施例4)
2つの「仮想的」タンパク質6784および6814(ORFのCpn0498およびCpn0525によってコードされる)は、FACS陽性血清を生じた。これらはしかし、インビトロにおける宿主細胞感染を中和できなかった。しかし、これらの抗原は、ハムスター脾臓試験において、非常に良好に機能した。
Figure 2007526318
(結果4の考察)
興味深いことに、CPn0525に対する抗血清は、インビトロでの結果では陰性であった(すなわち、中和活性がなかった)が、このCPn0525タンパク質は、インビボハムスター免疫アッセイにおいて、脾臓感染からの97%防御(すなわち、陽性インビボ結果)を生じた。同様に、Cpn0498に対する抗血清は、インビトロでの結果では陰性であった(すなわち、中和活性がなかった)が、このCPn0498タンパク質は、インビボハムスター免疫アッセイにおいて、脾臓感染からの94%防御を生じた。したがって、FACSアッセイにおいて得られた陽性シグナルは、対応する陽性インビトロ中和活性を保証せず、逆に陰性中和活性は、陽性インビボ結果を除外できることを意味しない。
(結果1〜4の全体的考察)
(目的のChlamydia pneumoniae抗原の同定のためのストラテジー)
本発明者らのストラテジーは、以下の実験工程に基づいた:1)推定膜結合抗原を選択するための、クラミジアゲノム配列の分析、2)選択された抗原のクローニング、発現および精製、3)この精製抗原を用いたマウス免疫による抗原特異的血清の調製、4)表面露出抗原を同定するための、マウス血清を用いたクラミジアEBのFACS分析、5)所与の抗原によって誘導された抗体が真核生物細胞感染を干渉し得るか否かを試験するための、「インビトロ中和」アッセイ、ならびに6)選択された抗原がクラミジアチャレンジに対する防御を与える能力を試験するための、適切な動物モデルの使用。
C.pneumoniaeゲノムの最初のスクリーニングから、Montigianiら((2002)Infection and Immunity 70:368−379)によって最近記載されたように、クラミジア細胞において末梢性に局在すると何れにしてか予測される、遺伝子または「オープンリーディングフレーム」によってコードされる、170種を超える組換えHisタグ化タンパク質またはGST融合タンパク質全体に対して、マウス血清のパネルを調製した。これらの抗体を、精製C.pneumoniae EBの表面に結合するその能力についてFACSアッセイにおいて試験した場合、53種の「FACS陽性」血清の一覧を得た。次いで、対応する推定表面抗原を、それらの中和抗体を誘導する能力について評価した。この研究のこの部分は、どの血清が上皮細胞培養物のインビトロ感染のプロセスを干渉し得る抗体を含有するかを試験することを包含する。インビトロ「中和」アッセイにおいて、精製された感染性EBを、免疫血清の段階希釈液とともにインキュベートし、並行して、対応する前免疫血清および非クラミジアコントロール血清に対する血清の希釈液とともにインキュベートした。
細胞培養物を、シクロヘキシミドの存在下で感染させる。このことは、宿主細胞タンパク質合成を阻害し、クラミジア細胞内増殖を助け、結果として、クラミジア特異的経口標識モノクローナル抗体で染色し得そしてUV光顕微鏡で計数し得る、典型的な細胞質封入体の形成をもたらす。適切な病原 対 宿主細胞比で行う場合、検出される細胞質封入体の数は元のサンプル中の感染性クラミジアの数に比例することが、合理的に想定され得る。したがって、コントロール血清によって得られる封入体数に対する、抗原特異的抗血清の存在によって引き起こされる封入体数の減少は、所与の抗原の、クラミジア感染プロセスのある段階を阻害し得る抗体を誘起する能力の測定値を与える。通例に従って、感染性の低下が50%以上である場合、抗血清を「中和性」といい、そして感染性の50%低下を生じる血清希釈物を、50%終点中和力価と呼ぶ。
C.pneumoniaeインビトロ中和アッセイにより組換え抗原のパネルをスクリーニングすることによって得られる結果の一部は、列挙された抗原の一部が、文献データに基づく異種多型膜タンパク質(PMP)のファミリーのメンバーと同様に、表面露出されており、そしておそらく中和抗体を誘導すると予測され得ることを確証する。しかし、現在のところ仮想的にのみ考えられ得るタンパク質、およびそれらの現在の機能的アノテーションにのみ基づくと、細菌表面に見出されるとは全く予測することができないタンパク質がまた存在する。インビトロ中和アッセイを使用して、10種のCPn抗原に対する血清が、現在のところ、50%を超える程度(慣行では、このような抗原が「中和性」であるとみなされる特性)で、有効にインビトロ感染性を中和することを示したことが見出された(図1)。以下に列挙するC.pneumoniae遺伝子由来の組換えタンパク質によるマウス免疫によって、これらの10種の血清を得た。
最近記載された全身感染のインビボモデル(ハムスターモデル)を使用して、6種のインビトロ中和性抗原で免疫されたハムスターは、CPn EBでチャレンジされる場合、非免疫コントロールと比較して、脾臓感染の80%を超える低下を示した。
(10種のCPhタンパク質の特徴付け)
本研究によって同定されるタンパク質は、3つの群に分けられ得る:
・クラミジア細胞表面上での予測的/予期的露出部と、そのタンパク質に結合する抗体が、実際に宿主細胞への結合および侵入を干渉し得る可能性とに適合するアノテーションを有する(有すると合理的に予測され得る)、タンパク質(すなわち、中和抗体を誘導し得る可能性のあるタンパク質)
・他のグラム陰性細菌との相同性により、ペリプラズム露出部を有することが予測され得る(すなわち、細菌細胞表面に見出されると全く予測されない)、タンパク質;ならびに
・未だに「仮想的」といわれる(すなわち、細胞局在および/もしくは細胞機能が未知である)、タンパク質。
(群1)
(Pmpタンパク質(pmp2およびpmp10)、OmcAならびにOmpH)
第1の群は、以下を含む:2つの多型外膜タンパク質タンパク質(Pmp)、Pmp2およびPmp10(10、11、14、30)、外膜タンパク質OmpH様、ならびにOmcA(これは、「予測的9kDシステインリッチな外膜タンパク質、リポタンパク」としてアノテーション付けされている(クラミジアゲノム計画、http://Chlamydia−www.berkeley.edu:4231/))。クラミジア特異的タンパク質のPmpファミリーは、一般的に、推定的病原性因子を含むと考えられ、自立性分泌能(自己トランスポーター)を有し、宿主細胞への接着に重要であり、そして有望なワクチン候補と考えられている。しかし、Pmp21におけるごく最近の未公開の結果を除いて、組換えPmpに対する抗血清が中和特性を有することが報告されるのは、これが初めてである。
(OmcA)
OmcAは、60kDaのOmcBシステインリッチタンパク質(これは、クラミジア外膜の主要な構造成分であり、そしてヒトC.trachomatis感染における主要な免疫原である)と同じオペロンにおける遺伝子同時転写産物である。OmcBおよびOmcAは、まだ知られていない外膜構造として、一部相互作用する可能性があり、したがって、OmcAに対する抗体は、EB感染性に干渉し得る可能性がある。
(OmpH)
最後に、クラミジアOmpHは、おそらく、他の細菌において外膜の正しい生合成のために重要なシャペロン活性を有することが報告されている、タンパク質のOmpH(Skp)ファミリーのメンバーである。これらのタンパク質は、この仕事において、HtrAと協働するようにみえる(以下参照)。実際、E.coliの、OmpH(Skp)またはHtrA(DegP)のいずれかの単一KO変異体は、なお生存可能であるが、二重変異体は成長しない(37)。たとえ、クラミジア(C.pneumoniae改変体およびC.trachomatis改変体またはC.caviae改変体の全て)のompH様タンパク質のアミノ酸配列が、残りの細菌OmpHタンパク質によって良好にラインナップされたとしても、それらは、酸性のもののみであり、一方ファミリーの残りは、ほとんどが非常に塩基性のタンパク質を含む(いくつかの、少なくともインビトロでヒストン様挙動を有するものを含む)ことが、指摘されるべきである。シャペロン活性がompH様クラミジアタンパク質でもまた維持される場合、これがいくつかのクラミジア特性に関連し得ることが推測できる。
(選択されたタンパク質の第2の群)
(ArtJ、AtoS、HtrAおよびエノラーゼ)
第2の群(何らかの驚くべき知見を示すもの)としては、ArtJ、AtoS、HtrAおよびエノラーゼが挙げられる。現行のアノテーション(他の細菌における相同遺伝子との類似性によって証明された)が正しいならば、これらタンパク質の全ては、グラム陰性細菌において、ペリプラズム局在を有し、そしてグラム陽性細菌においてのみ、表面に露出されていると予測される。休止した胞子様状態(EB)から侵襲に対する宿主細胞の応答に迅速に適応することを必要とする活性形態への、効率的な経過を要求する、それらの非定型的なライフサイクルに起因して、クラミジアは、実際、それらの感染性形態の外側表面に直接的に、いくつかのセンサーを示す可能性がある。
(ArtJ)
ArtJの場合(これに関しては、本発明者らは、抗原発現および血清特異性の両方を支持するデータを有する)、クラミジアに特有の非定型的状況についての仮説は、クラミジアゲノムの現在の分析から得られる異常な遺伝子設定によって支持される。そしてArtJは、2つのオペロンに構成された5つの遺伝子を有するE.coliのART輸送系との類似によってアノテーション付けされている(24):artPIQMおよびartJ(これらは、アルギニン輸送に関与する)。しかしCpnにおいては、artPIQM遺伝子は存在せず、したがって、クラミジアArtJは、そのE.coliモデルとは異なる分子的状況において働き、この種に特有でなければならないようにみえる。
(HtrA)
HtrA(DegP)(これは、他の細菌においては、複合6量体構造を有する)は、複数の機能を有すると記載されている(3、5、18、19、27、38):正しい外膜生合成を補助するシャペロニン、誤って折り畳まれた膜タンパク質を除去するための誘導性プロテアーゼ、そしてまた、「ストレス」状態のセンサー。クラミジアにおいて、これらの特性の何れもまだ示されていないが、本発明者らは、精製EB HtrAが、2つの形態で存在し、その1つはN末端フラグメントを奪われることによってプロセシングされるようにみえることを見出す。このフラグメントは、Thermologa maritima由来の相同なHtrA配列とアラインメントされる場合(18)、プロテアーゼ活性の利用を制御する構造上の蓋として作用する予測的なループを含む。したがって、このことは、HtrAが同様のプロテアーゼ活性を有し得、そして2Dマップ上で同定される2つの形態が、活性種と不活性種とを表現することを推測するよう導くようにみえる。興味深いことに、C.trachomatis HtrAオルソログ(ortholog)は、クラミジア性器感染を有する患者由来のヒト血清によって認識され(35)、そして同様に、HtrAは、Helicobacter pyloriの免疫プロテオーム(immunoproteome)における抗原の1つである(13)。さらに、Haemophilus influenzaeにおけるホモログタンパク質は、菌血症の受動的幼生ラットモデルと中耳炎の能動的チンチラモデルとの両方における、防御抗原である(23)。
(エノラーゼ)
やはりタンパク質の第2の群において、細胞表面以外のいずれかの場所に局在すると予測されるものは、Cpnエノラーゼである。このタンパク質は、保存的グリコシラーゼの周知のファミリーと協調する、本質的に細胞質酵素であるが、連鎖球菌エノラーゼは、細胞表面局在および細胞外マトリックス結合特性もまた有することが示されている(1、28、29)。興味深いことに、Gastonおよび同僚(8)は、また、C.trachomatisによって誘発された反応性関節炎を有する患者において、エノラーゼが特異的CD4T細胞応答を誘導することを示した。さらに、エノラーゼC.trachomatisオルソログに反応するクローンは、C.pneumoniae EBにもまた反応し、そして増殖性反応は、真菌エノラーゼまたは哺乳動物エノラーゼを使用する場合に観察することができなかったので、この研究の著者らは、CD4 T細胞刺激性エピトープがクラミジア特異的であるはずだと結論付けた。
(タンパク質の第3の群)
(細胞局在および/または細胞機能が未知、Cpn0795、CPn0042)
本発明者らが、考察の目的のみのために上記10種の中和抗原を分類することを提唱している3つの群の3番目は、2つのタンパク質を含み、これらは、公的なクラミジアデータベースにおいて、2つのCPn特異的遺伝子:Cpn0759およびCpn0042の仮想的産物として、さらにアノテーション付けされる。Cpn0759遺伝子は、エノラーゼ遺伝子のすぐ上流にある6つのCpn特異的仮想的遺伝子(Cpn0794〜Cpn0799)のクラスタの2番目の遺伝子である。Cpn0759を除いて、クラスタ中の他の遺伝子全ての産物は、アミノ酸の長い広がりにわたって30%〜40%の類似性を共有する。Cpn0042遺伝子は、4つのコイルドコイル領域を有する、超可変外膜タンパク質の新規のファミリーのメンバーとして記載されている仮想的タンパク質をコードする(33)。興味深いことに、これらのタンパク質の可変性は、対応する遺伝子のコード領域内部のポリ(C)伸展の存在によって誘導される鎖滑り機構(strand−slippage mechanism)(Pmpファミリーにおいてpmpl0遺伝子に関して記載されている機構)に起因し得る(30)。しかし、これらのアノテーションによって示されるように、これらのタンパク質の機能は未だ知られておらず、本発明者らの観察は、クラミジア感染プロセスに関する考えられる機能の最初の実験的指標を提供する。
本出願の表1は、Cpn0795(配列番号6)(Cpn特異的仮想的タンパク質)が、Chlamydia pneumoniae感染のハムスター脾臓モデルにおいて顕著な免疫防御活性を示す、FACS陽性タンパク質であることを示す。本発明者らは、Cpn特異的仮想的タンパク質のこの群における他のCpnタンパク質が、分泌性自己トランスポーター機能を有することがここで見出されたことを示す、証拠を見出した。これらのタンパク質はChlamydia trachomatisには存在せず、これらのタンパク質としては以下が挙げられる:gi/4377105(Cpn0794)、gi/4377106(Cpn0795)、gi/4377107(Cpn0796)、gi/4377108(Cpn0797)、gi/4377109(CPn0798)、gi/4377110(Cpn0799)。
図6は、7105〜7110タンパク質ファミリーにおけるタンパク質の、アラインメントを示す。このアラインメントは、おそらくCpn表面上に送達されるか、またはV型(自己トランスポーター)分泌機構によって分泌される抗原の系を構成すると予測される、新規のタンパク質ファミリーを示す。このアラインメントは、以下のように作製された:
不完全な反復を同定し、遺伝子のアラインメントを可能にした。分子モデリングはまた、7106および7107のC末端端部が、β−バレル構造に折り畳まれて、外膜を横切る分泌のためのトランスロケーション孔を形成し得ると予測され得ることを示した。
Cpn0794=7105=FACS陽性
Cpn0795=7106=FACS陽性
Cpn0796=7107=FACS陽性
Cpn0797=7108=FACS陽性
Cpn0798=7109=データなし
Cpn0799=7110=データなし
(FACS陽性データのための参照=Montigianiら(2002)Infect Immun 70(1)368−79)
Operon1=0794、0795、0796 Operon2=0797、0798
Cpn0795およびCpn0796は、膜貫通孔を形成し得るC末端端部を有する(アラインメントを参照のこと、図9)。CPn0794、Cpn0797、Cpn0798、およびCpn0799は、N末端端部を有する。このことは、全てのタンパク質は、N末端端部およびC末端端部を有することを示す。
図7は、Cpn0794〜Cpn0799のアラインメントを示す。遺伝子Cpn0794、Cpn0795、Cpn0796、およびCpn0797によってコードされるタンパク質は、クラミジア細胞の表面に露出されている可能性があり、可能性のあるワクチン候補として示されている。これらのタンパク質は、インビボでCpnによって実際に発現されることが示されている(WBデータおよびFACSデータ)。Cpn0797の場合、本発明者らはまた、CPn EBの発現レベルが、タンパク質抽出物の2EDマップにおける質量分析によって検出するのに十分高いことを示した(Montigianiらを参照のこと)。
これらの観察に従って、Cpn0794、Cpn0796およびCpn0797タンパク質によってコードされるタンパク質は、それらのアミノ酸配列内に存在する不完全な反復のセットに従ってアラインメントされ得(図7を参照のこと)、一方CPn0795の推定産物は、Cpn0796タンパク質のC末端部分に対してほぼアラインメントされ得ることがわかる。
さらに、遺伝子Cpn0798またはCpn0799によってコードされるタンパク質は、上述の反復配列モチーフに従って、上記のタンパク質とアラインメントされ得る(図7を参照のこと)。
6つの遺伝子の全体的なアラインメントは、これらの遺伝子が、機能的に関連するタンパク質のファミリーをコードすることを示す。
さらに、Cpn0796によってコードされるタンパク質のインシリコ分析(これは、このファミリーのタンパク質全ての全体的アラインメントを含む)は、以下に報告されるアミノ酸配列を有する機能的前駆体を示す:
(配列番号80)
Figure 2007526318
細胞質からのポリペプチドの分泌およびペリプラズムへのその放出を補助するプロセシング部位は、アミノ酸31の後に位置する(PSORT予測に基づく)、および/または他の細菌自己トランスポーター分子(例えば、B.pertussis由来のBrkA)において実験的に決定されたプロセシング部位と同様に、アミノ酸47の後に位置する。したがってCpn0796産物の成熟形態は、以下のとおりである:
(配列番号81)
Figure 2007526318
または
(配列番号82)
Figure 2007526318
Cpn0796によってコードされるタンパク質のインシリコ分析において、およそ1〜648の残基を含むC末端ドメインがまた示される。図8に示すように、Cpn0796は、β−バレル構造を形成し、そして細菌の外膜(OM)を横切る孔を形成し得る。「自己トランスポーター」分子の典型として、N末端シグナルペプチド機構を介して、細菌内膜を横切ってペリプラズムに分泌された後、この分子は、OMに孔を形成し得、これを通って、細菌細胞の外部へとN末端ドメインが通過し得る(「パッセンジャー(passenger)」ドメイン)。また、これらの分子は、細菌の表面に固定されて残され得るか、またはタンパク質分解性切断を受けて、「通過」ドメインもしくはその一部を細菌細胞周辺の培地中に放出し得るかのいずれかである。この分子の例を、以下の配列に表す:
(配列番号83)
Figure 2007526318
図8に示すように、アミノ酸残基365〜385は、β−バレル孔にまたがるα−ヘリックス立体配置を表す。
N末端パッセンジャードメインは、膜に固定された孔構造から特異的タンパク質分解作用を介して切断され得る。以下の配列において太字で示されるペプチド配列PSPAPV(配列番号84)を含むリンカードメインは、N末端パッセンジャードメインの切断が起こる部位を示す:
(配列番号85)
Figure 2007526318
N末端ペプチドは、分泌されて細菌細胞表面に露出し得、そしてまた上記のタンパク質分解事象を解して脱離され得る。ペプチドは、以下の配列において示される、β−プロペラとして公知の、構造の立体配置を形成し得る:
(配列番号86)
Figure 2007526318
さらに、N末端パッセンジャードメインはまた、特異的プロテアーゼ活性(例えば、セリンプロテアーゼ様活性)を有する。種々の基質上での作用に加えて、プロテアーゼ活性は、膜に固定された形態の分子において、N末端パッセンジャードメインがクラミジア細胞の表面から切り離されるように作用し得る。セリンプロテアーゼ様活性は、適切に間隔を空けたアミノ酸残基のコンセンサスセリンプロテアーゼ三つ組(triad)(すなわち、H、DおよびS)の存在によって支持される。これらは、実験的に決定された鋳型のセット上に成形される、「通過」ドメインの仮想的構造上に位置し得る。(例えば、InrO(PDB識別コード))。
上記分析に基づいて、遺伝子Cpn0796遺伝子は、EB表面におけるそれ自身の分泌を促進し、そしてまた周辺培地へのそれ自身の放出を媒介もしくは促進し得るタンパク質をコードする。分泌される通過ペプチドは、以下に挙げられる数種の活性を有する:
1.アクチン結合ペプチド、これは、クラミジア表面層の一部であり、宿主細胞感染を確立するプロセスに役立つ
2.宿主細胞の細胞質内での特異的プロテアーゼ活性、これは、感染クラミジアの細胞内生存に役立つ
3.宿主細胞の細胞質内での特異的活性、これは、選択された遺伝子の発現を、それらの転写を阻止することによってか、および/またはそれらの翻訳を阻止すること(mRNA分解)によってかのいずれかで、ダウンレギュレートする
4.遺伝子Cpn0794、0795,0797、0798、0799の産物の協働
5.上記N末端βプロペラドメインの別の機能は、宿主細胞特性を、クラミジアの発生、生存もしくは存続に都合よく変化させるための、宿主細胞の細胞質プロテアーゼの活性の調節(regulation)/調節(modulation)である。Fulop V,Bocskei Z,Polgar L.「Prolyl oligopeptidase:an unusual beta−propeller domain regulates proteolysis」,Cell.1998年7月24日;94(2):161−70を参照のこと。
Cpn0794、Cpn0797、Cpn0798、Cpn0799によってコードされるタンパク質、これら全ては、上記に記載されたCpn0796構造の改変体を含み、上記と類似のおよび/または相補的な活性を有するβプロペラ構造をやはり提供する。
したがって、タンパク質のファミリーは、上記Cpn0796産物に類似する構造および活性を有する新たな分子を(部位特異的組換えの事象を介して)生成することによってか、または数種の関連する構成要素の協調的作用に必要な複数のタンパク質構造に独立に寄与することによってかのいずれかで、共通の機能に対して協働する。
図9は、C.pneumoniae遺伝子Cpn0795およびCpn0796によってコードされるタンパク質のC末端ドメインのアラインメントを示す。図9に示すように、Cpn0795またはCpn0796のβバレルドメインは、MKDLGTLGG(配列番号87)、SXDGK(配列番号88)VIVG(配列番号89)、VIXG(配列番号90)またはHAF(配列番号91)を含む。
(タンパク質の第4の群)
(Cpn0498)
そしてこの場合、3重並行スクリーニング評価(2つの陽性結果および1つの陰性結果)は、現在の見解に従う、ワクチン候補の抗原性機能に関して所望される基本特性を有する、これまで未知の抗原(すなわち、未知の生物機能を有する抗原)を同定させた。Cpn抗原データのさらなる特徴付けは、Fincoら,「Identification of New Potential Vaccine Candidates Against Chlamydia pneumoniae by Multiple Screenings」、Vaccine、23(2005)1178−1188(その全体が本明細書において援用される)に含まれる。
(実施例5)
(背景)
クラミジアライフサイクルにおける主な段階は、以下である:
(i)宿主細胞表面への結合、および基本小体(EB)と呼ばれる、感染形態のような細胞外胞子による、特別な小胞(クラミジア封入体)を介した細胞質への侵入;ならびに
(ii)EBの、網様体(reticulate body)(RB)と呼ばれる非感染性複製可能形態への変換(これは、封入体内部で多くの回数の二分裂によって複製し、マイクロコロニーを形成する)
クラミジアライフサイクルの種々の段階で発現される遺伝子のセット、および1つの段階から次への通過を誘起するシグナルは、あまり知られておらず、未だに調査を必要とする。
タンパク質マイクロアレイは、タンパク質を検出してそれらの発現レベルをモニタリングすることによる、ハイスループットタンパク質分析のために使用される。タンパク質マイクロアレイの使用を介して、数千のたんぱく質の複雑なスクリーニングおよびタンパク質の相互作用が、並行して行われ得る。タンパク質アレイは、代表的に、リガンド、タンパク質、もしくは抗体を結合するための表面(例えば、ガラス、膜、マイクロタイターウェル、質量分析プレート、ビーズ、または他の粒子を備える。例えば、抗体は、マイクロアレイに結合して、捕獲アレイを形成し得る。この捕獲アレイは、生物学的サンプルと接触して、この生物学的サンプル中のタンパク質を定量化し得る。また、タンパク質がマイクロアレイと結合して、生物学的サンプルと接触し、タンパク質−タンパク質相互作用もしくはタンパク質−リガンド相互作用を定量化し得る。したがって、タンパク質マイクロアレイは診断も使用され得、ここでは、複数の免疫アッセイが並行して行われ得、これによって、種々のサンプルのタンパク質のレベルが定量化されて、疾患の処置もしくは診断における適用に関して比較され得る。
例えば、捕獲アレイにおいて、抗体は、マイクロアレイに結合されて、生物学的サンプルに暴露される。抗体アレイに結合するタンパク質およびリガンドは、結合タンパク質の直接的標識によって検出され得る。より高い感度または特異性が所望される場合、サンドイッチ技術が利用され得る。この技術においては、抗体の対が同じタンパク質リガンドに指向する。この技術は、検出されるべきタンパク質の量が低い場合、またはタンパク質への修飾がある場合、特に有用である。さらに、サンドイッチアッセイの使用は、二重レベル(すなわち、アレイにおける各位置に対する2つのレベルの特異性)の標的認識を提供することによって、高度に多重化されたアッセイにおける交差反応の危険を最小限にさせる。あるいは、結合タンパク質は、標識なしの検出法(例えば、質量分析法、表面プラズモン共鳴および原子間力顕微鏡法が挙げられる)を介して検出され得る。この技術は、タンパク質の改変または変更が回避されるべき場合に有用である。
また、多数の固定化精製タンパク質を含む大規模機能的チップが、広範な生化学機能(例えば、他のタンパク質とのタンパク質相互作用、薬物標的相互作用、酵素−基質など)をアッセイするために使用され得る。このようなタンパク質は、例えば、発現ライブラリから精製され得、そしてタンパク質アレイは、ライブラリをスクリーニングして特異的結合パートナー(抗体、合成骨格、ペプチドおよびアプタマーが挙げられる)を選択するために使用され得る。このように、「ライブラリ 対 ライブラリ」スクリーニングが行われ得る(例えば、ゲノム計画から同定されたタンパク質標的のアレイに対する、コンビナトリアル化学ライブラリにおける薬物候補のスクリーニング)。
タンパク質マイクロアレイ技術は、タンパク質の機能、相互作用、およびmRNA発現を介した特徴の推測よりもむしろ、タンパク質自体の分析を可能にする。多くの場合、mRNA発現は、タンパク質量とは正確には相関しない。さらに、mRNA発現分析は、タンパク質−タンパク質相互作用または翻訳後修飾に関する十分な情報を提供しない。したがって、タンパク質マイクロアレイを介したタンパク質の直接分析は、mRNA発現の測定を通じては容易に利用可能でない可能性のあるタンパク質およびタンパク質−タンパク質相互作用の、より正確な情報を提供することによって、利点を提供する。
現行のDNAマイクロアレイ技術は、細胞の状態の関数としてのmRNAレベルにおける遺伝子発現のプロファイリングを可能にする。これは、そのアップレギュレートまたはダウンレギュレートが細胞の特定の状態に伴う遺伝子または遺伝子のクラスタの同定および治療に関連する標的の同定をさせ得る。この技術を使用して、所与の生物に属する全ての遺伝子の特定の部分を表現するDNAフラグメント(cDNAライブラリに由来し得るフラグメント、またはPCR増幅および化学合成によって得ることができるフラグメント)が、固体支持体(チップ)の表面に、高密度かつ秩序ある様式で化学的に結合される。現在、10,000個までのDNAフラグメントまたは250,000個までのオリゴヌクレオチドが、1平方センチメートルのチップ表面上にスポットされ得る。次いで、DNAチップは、どのスポットされた遺伝子が特定の細胞集団において転写的に活性であるかを規定するために、利用される。これを行うために、RNAは、調製され、蛍光色素で標識され、最後にチップの表面に固定されたDNAフラグメントにハイブリダイズされる。適切なコンピュータ支援蛍光検出器を使用することによって、レーザービームでの励起において、各スポットによって放射される蛍光シグナルが慎重に定量化されて、全てのアレイ化された遺伝子の転写活性を規定する。
CPn DNAマイクロアレイは、インビボおよびインビトロ両方の設定において、所与のCPn病原が宿主細胞と接触する場合に生じる転写事象をみるために開発された。特定の細菌(例えば、CPn細菌)の全ゲノムを有するDNAチップは、非常に短時間で調製され得るので、全ゲノム発現分析が決定され得る。
(実験方法)
具体的には、CPn細菌における遺伝子発現のためのゲノムDNA(オープンリーディングフレームプローブ)マイクロアレイアプローチを採用した。これに関して、完全なゲノムの公開されたアノテーションに基づいて、CPnライフサイクルの分析のためにアレイを調製した。クラミジアDNAチップは、約1000個のPCR由来のDNAフラグメントを有する。これらは、400〜700bpの平均サイズを有し、全てのCPnのアノテーション付けされた遺伝子の内部部分に対応する。
(結果5)
表3(i)〜(xi)は、マイクロアレイによって選択されたCPn EBに関する発現遺伝子の転写活性を示す。表3(i)〜(iv)のデータは、それらの感染性の「胞子様」(EB)形態にある細胞からの量の順で、種々のmRNAを示す。表3(v)〜(xi)のデータは、CPnについての遺伝子のmRNA発現レベルに相関し、そしてそれをまとめる。細胞を、遺伝子発現がその最高の状態にある可能性がある、その細胞のサイクルの終わりに使用した。約10000未満の値はバックグラウンドである可能性があるので、より強いシグナルを有する上位のセットのタンパク質(およそ上位30)が、最も関心のあるタンパク質である可能性がある。
発現された遺伝子に関する値の精査は、3つのFACS陽性CPn抗原(CPn0331(仮想的l),CPn0234(仮想的)およびCPn0572(仮想的))が、全て高度に発現された遺伝子であることを示す。
表3(v)〜(xi)は、マイクロアレイによって選択されたCPn EBに関する発現遺伝子についての転写活性を示す。表は、それらの感染性の「胞子様」(EB)形態にある細胞からの量の順で、種々のmRNAを示す。細胞を、遺伝子発現がその最高の状態にある可能性がある、サイクルの終わりに使用した。表3(i)〜(iv)および(v)〜(xi)の精査は、CPn抗原のCPn0558(OmcA)、CPn0331(仮想的)、CPn0539(Pmpl9)、CPn0234(仮想的)およびCPn0572(仮想的)が、全て比較的高度に発現された遺伝子であることを示す。
可能な場合、表3(v)〜(xi)に開示される転写活性を、クラミジア発生サイクルに関連して位置付ける試みがなされた。これに関して、クラミジア後期遺伝子産物は、初期遺伝子産物よりも頻繁に記載されている。これは第1に、EBにおいては後期遺伝子産物が存在するが、RBにおいては存在しないこと、および、RBよりもEBを研究することがより容易であることに起因する。
加えて、後期遺伝子機能は、EBに戻るRBの最終の分化に主に関与するものであるようにみえる(Shawら,Mol Microbiology 37(4),2000,913−925)。後期遺伝子産物は、細菌の細胞分裂の終止において機能し、そして新しい宿主細胞の結合および侵襲において機能する架橋性外膜複合体の形成に関与する、構造的構成要素および再構成活性を構成するようにみえる。例として、第二の分化プロセス(RBから感染性EBへ)の重要な局面は、高度にジスルフィド架橋された細菌外膜(OM)複合体を形成するタンパク質をコードする遺伝子の発現である。数種の後期サイクル遺伝子は、感染性EBの発生における重要な工程であるOM複合体の形成および成熟に、潜在的な役割を有するタンパク質をコードすると考えられる(Bellandら,PNAS(USA)100(14),2003,8478−83を参照のこと)。後期遺伝子omcAおよびomcBは、主要なOMタンパク質(OmpA)と相互作用してこの複合体を形成する、2つのシステインリッチOMタンパク質をコードする。重要なタンパク質構成要素であるOM複合体、OmcBタンパク質は、翻訳後修飾のタンパク質分解性プロセシングを受けることが見出された。本発明者らは、OmcBおよびOmcAが、高レベルの転写活性を示すことを見出した(表3(ii)の一番上を参照のこと)。Cpn0384(このCT等価物はCT046(hctB)である)は、RBからEBへの分化に関与することが示されている(Bellandら,PNAS(USA)100(14),2003,8478−83を参照のこと)。本発明者らはまた、Cpn0384が比較的高レベルの転写活性を有することを見出した(再び、表3(v)〜(xi)の一番上を参照のこと)。III型分泌系に関与すると考えられる他のCpn抗原は、転写活性から見て中程度の発現レベルを有することが見出された。これらの知見は、公開されたアノテーションに沿っているようにみえる。このアノテーションでは、III型分泌系の2つの推定的構造構成要素(yscJおよびyscN(Cpn669))の転写が、サイクル中期に始まる一方で、エフェクター分子の輸送は、発生サイクルの異なる段階にあり得ると考えられている。
表3(v)〜(xi)は、PmpAもしくはPmp19としても公知である、98Kdaタンパク質に対応するCpn0539(CT412)について、高転写活性が観察されたことを示す。たとえPmpl9タンパク質が比較的「高い」レベルの転写活性を示したとしても、この結果は興味深い。なぜなら、pmpl9についてのmRNA量は、タンパク質量と相関するように見えないからである。これに関して、本発明者らの研究室からの結果は、以下のことを示した:(i)Pmpl9は、2Dマップ研究でも、ウェスタンブロット研究でも、FACS分析研究でも検出されなかった。このことは、pmpl9タンパク質はどれも、高レベルのmRNAが発現されたとしても表面露出されないことを示唆する;または、(ii)Pmpl9タンパク質は、発現されるが、タンパク質分解性消化によってプロセシングされるか分解されて、免疫ブロット分析によって検出不可能にされる。本発明者らの研究室におけるこれらの結果は、他者によって確認される。これに関して、Grimwoodら((2001)Infection and Immunity 69(4)2383−2389)は、Chlamydia pneumoniaeの21個のPmp遺伝子の各々について、転写プロフィールが検出されたことを示した。このことは、全てのpmp遺伝子は、感染の間に転写されることを示す。Pmp遺伝子の各々が転写されたことから、Grimwoodら(2001)は、ペプチド特異的抗血清を用いたChlamydia pneumoniae CWL029 EB溶解物の免疫ブロットによって、タンパク質発現を評価した。興味深いことに、PmpA(Pmpl9)またはPmpB/CおよびPmpD遺伝子のいずれからの血清に関しても、高い抗ペプチド反応性に関わらず、免疫ブロットによってPmp特異的反応性は、検出されなかった。この結果は、これらのタンパク質のどれも、安定でないかまたは翻訳されないことを示唆した。これらの知見は、細菌外膜に局在することが予測されるChlamydia pneumoniaeの21種の多型膜タンパク質(Pmp)のファミリーに関して、Pmp発現において変動が存在することを示す。クラミジアPmpの機能は未知のままであるが、配列予測および実験的試験に基づいて、これらのPmpは、表面膜タンパク質としてみなされ、したがって、クラミジアビルレンスにとって重要である可能性がある。封入体(Inc)膜タンパク質と同様、Pmpタンパク質は、現在のところ、クラミジアファミリーに固有とみなされる(Rockeyら(2000)Infection and Immunity 69(10)5473−5479を参照のこと)。本明細書において開示される知見および他者(例えば、Grimwoodら)によって開示される知見は、クラミジア生物体が、機能的Pmpタンパク質(例えば、Pmp19タンパク質)の産生の欠如の可能性にもかかわらず、Pmp転写(例えば、Pmp19転写)にかなりの代謝コストを費やしているようみえることを示す。
(材料および方法)
(実施例6〜8)(参照セクションII)
(T細胞エピトープ予測およびペプチド合成)
C.pneumoniae CWL029菌株(登録番号NC 000922またはAE001363)のゲノム配列において、BIMASアルゴリズム[24]を使用して、T細胞エピトープ予測を行った。合成ペプチド(純度>80%)を、Primm Srl(Milan,Italy)によって合成し、100%DMSOに懸濁し、そして使用前に−20℃に保った。
(RMA−S/A2細胞株ならびにHLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウス)
HLA−A2(RMA−S/A2、H−2、TAP2)で安定にトランスフェクトされたT細胞リンパ腫マウス細胞であるRMA−Sは、Barnaba博士(Universita degli Studi「La Sapienza」、Rome、Italy)から提供いただき、これを、熱不活性化10%FCS、100IU/mlペニシリン/ストレプトマイシン、2mMのLグルタミン(GIBCO)および5×10−5Mの2−ME(Sigma)を補充したRPMI−1640(GIBCO)中で、37℃で培養した。H2−b HLA−A2トランスジェニックマウス[35]を病原の存在しない環境に収容し、BB7.2抗−A2 mAb[48]を使用して、全血サンプルにおいて、FCMによってHLA−A2発現についてスクリーニングした。70〜80%より高いA2発現細胞のパーセンテージを有するマウスのみを、DNA免疫実験およびC.pneufnoyaiae感染実験のために使用した。HLA−A2発現を示さなかった動物を交配して、HLA−A2非トランスジェニックマウスの集団を得、これを実験のコントロールとして使用した。
(エピトープ安定化アッセイ)
RMA−S/A2細胞(3〜5×10/ウェル)を、試験ペプチド(10μM)を含むかもしくは含まない、ヒトβ2ミクログロブリン(3μg/ml、Sigma)を補充した無血清RPMI培地に播種した。26℃、加湿した5%CO雰囲気中で一晩インキュベーションした後、BB7.2抗A2 mAbおよびPE結合体化抗マウスIgG(Jackson Immuno Research)を使用して細胞表面におけるHLA−A2発現レベルを決定する前に、細胞を37℃へと2時間シフトさせた。ヨウ化プロピジウムを取り込まなかった生細胞での蛍光強度を、FCMによって分析した。コントロールとして、ペプチドを含まない対応するサンプル、およびペプチドを含むが抗マウス二次抗体のみで処理されたサンプルを使用した。
(HLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスの感染およびDNA免疫)
トランスジェニックマウスを、50μlのPBS中で希釈した5×10個のC.pneumoniae FB/96 EB[4]を使用して、1ヶ月間隔で2回鼻腔内感染させた。C.pneumoniae抗原をコードする遺伝子を、FB/96ゲノムDNA使用してPCRで増幅し、プラスミドpcmvKaSF2120[49]にクローニングし、そしてDNA配列分析によって確認した。50μgの内毒素を含まない組換えプラスミドDNA(ダルベッコリン酸緩衝液(GIBCO)中に希釈)を、0日、21日および35日において、マウスの脛骨筋に注射した。
(CD8T細胞単離およびELISpotアッセイによるIFN−γ決定)
DNA免疫マウスからの脾細胞を、3回目の免疫の後にCell Strainer(Falcon)フィルターを使用して調製した。赤血球溶解の後、脾臓細胞懸濁液からのCD8T細胞を、CD8a(Ly−2)マイクロビーズを用いた磁気活性細胞分類法(MACS−Miltenyi Biotec)を使用した陽性選択によって、濃縮した。FMCによって決定されたように、CD8T細胞純度は、90%より高かった。Multiscreen 96ウェルニトロセルロースプレート(Millipore)を、100μlの炭酸塩緩衝液(pH9.2)中、5μg/mlの抗マウスIFN−γ抗体(R4−6A2、PharMingen)によってコーティングした。4℃で一晩インキュベートした後、プレートを、200μlのPBS中のBSA(1%)で、37℃で飽和させた。抗原提示細胞の供給源としての非免疫HLA−A2トランスジェニックマウスからの、照射された(3,000rad)脾臓細胞(2×10/ウェル)、10μg/mlのペプチドおよび10U/mlのヒトr−IL−2(Chiron Corporation)の存在下で、精製CD8(5×10)を200μl/ウェルの総量で添加した。37℃、5%COで20時間インキュベーションした後、プレートを洗浄し、そしてビオチン化抗マウスIFN−γ(XMB1.2、PharMingen)、ExtrAvidinアルカリホスファターゼおよび水に溶解した基質BCIP/NBT(Sigma)との連続的インキュベーションを使用して、結合IFN−γについて発色させた。解剖顕微鏡を使用して、スポットを各ウェルにおいて数えた。無関係のペプチドを含む培地またはペプチドを含まない培地を、陰性コントロールとして使用し、一方陽性コントロールを、ConA(5μg/ml)で処理されたCD8T細胞によって表した。
(C.pneumoniaeに感染したトランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスからの脾細胞の、インビトロ培養およびフローサイトメトリー分析)
感染マウスからの脾細胞を、2回目のC.pneumoniae Ebによる感染の1週間後に単離した。IFN−γ産物のエキソビボ分析のため、試験ペプチド(10μg/ml)および同時刺激として抗マウスCD28抗体(1μg/ml、PharMingen)の存在下で2×10脾細胞を播種した。37℃、5%COで2時間インキュベーションした後、Brefeldin A(10μg/ml、Sigma)を添加し、そしてインキュベーションをさらに4時間延長した。PBSで2回洗浄した後、細胞を透過性にし、固定し、そして抗マウス−IFN−γ−(PE)、抗マウスCD8(APC)および抗マウスCD69(FITC)と対応するアイソタイプとの両方で染色した。サイトカイン産生についての陽性コントロールを、抗マウスCD3および抗マウスCD28抗体(1μg/ml、PharMingen)で刺激した細胞上で行った。ペプチドの非存在下においてか、またはHepB陰性コントロールペプチドをパルスしたかのいずれかで培養した細胞を、陰性コントロールとして用いた。FACS LSRIIフローサイトメトリー(Becton Dickinson)を使用して全てのサンプルを分析した。短期T細胞株によるIFN−γ産物の分析のために、感染マウスからの5〜10×10脾細胞を試験ペプチド(20μg/ml)の存在下で、最初の2日間の後にrIL−2(10μg/ml)を添加して、6日間培養した。インキュベーション期間の終わりに、細胞をRPMIで2回洗浄し、試験ペプチド(10μg/ml)、1×10の新たに調製したHLA−A2トランスジェニックマウス(3000radで照射)由来のCD8枯渇(depleted)抗原提示細胞、および同時刺激として抗マウスCD28抗体(1μg/ml、PharMingen)の存在下で6時間再度パルスした。37℃、5%COで2時間インキュベーションした後、Brefeldin A(10μg/ml、Sigma)を添加し、そしてインキュベーションをさらに4時間延長し、そしてIFN−γ産生をFCMで分析した。
(実施例6)
(Chlamydia pneumoniaeゲノムのインシリコ分析およびHLA−A2 T細胞エピトープの予測)
Chlamydia pneumoniae CWL029株のゲノムを、高確率でクラスI HLA−A2分子に結合する9merのペプチド配列を予測するために使用した。この分析を、NIH Bioinformatics & Molecular Analysis Sectionウェブサーバー(http://bimas.cit.nih.gov/)において利用可能な予測アルゴリズムを使用して行った。このアルゴリズムは、ペプチド/MHC複合体[24]の予測的半減解離時間(half−time dissociation)にしたがって、潜在的MHC結合体を順位付ける。いくつかのクラミジアタンパク質が、自己免疫応答を誘導することを報告されているので[25−28]、本発明者らは、III型分泌システムのメンバーとして同定される13個のタンパク質、17個の多型膜タンパク質(PMP)および19個のさらなるタンパク質(それらのうち5つは、EB表面抗原として既に同定されている[4])から構成される、クラミジア属に特有のタンパク質のサブセットに検索を限定した。予測結合スコア157.22が、十分に特徴付けられたHIV−1 pl7gagエピトープ77SLYNTVATL85について得られており[29]、これを、ペプチド選択についての任意のカットオフとして利用した。全部で55個の、潜在的C.pneumoniae由来T細胞エピトープ(31種の異なるタンパク質に属する)が同定された(表I)。これは、156.77〜42,485.263の範囲の予測結合スコアを有した。
(HLA−A2へのペプチドのインビトロ結合)
選択されたペプチドのHLA−A2に結合する能力を、インビトロMHCクラスI安定化アッセイを使用して評価した。このアッセイは、ヒトクラスI A2遺伝子で安定にトランスフェクトされた抗原プロセシング(TAP)欠損細胞株RMA−S/A2に結合したマウストランスポーターを用いて行った。MHCクラスI分子(37℃で培養された)は、TAP欠損細胞の細胞表面上に不安定に発現された[30〜32]。結合ペプチドの存在下で37℃で細胞を培養することによって、フローサイトメトリー分析によってモニタリングされ得るより安定なMHC/ペプチド複合体が形成された。したがって、RMA−S/A2細胞を、試験ペプチドの存在下で26℃で一晩培養し、37℃に2時間シフトし、そして安定化されたA2分子の表面レベルを、抗HLA−A2特異的mAbによる直接的染色によって定量化した。2つの公知のHLA−A2拘束(restrict)CTLエピトープを、A2に対する結合についての陽性コントロールとして使用し(HIV−1 pl7gagペプチド[29]およびインフルエンザマトリックスM1タンパク質ペプチドFluMP58[33])、一方B型肝炎ウイルスエンベロープ抗原ペプチドHbenvAg125(HepB)[34]を、陰性コントロールとして使用した。
(結果6)
得られた結合結果を、表4に示す。これは、92.3より大きい正味の平均蛍光強度(Net MFI)(HIV−1p 17gag陽性コントロールペプチドによって得られた値に対応する)を有する15個のペプチド、値92.3と63.1との間の中間にあるNet MFI(2つの陽性コントロールペプチドによって得られる)を有する8個のペプチド、および、29.6と63との間の範囲のNet MFIを有する12個のペプチドを同定する。15個のインシリコにおける予測的ペプチド(27.2%)は、A2分子に安定化を与えず、HepB陰性コントロールペプチドで得られた14よりも低いNet MFIを示した。
(実施例7)
(いくつかのHLA−A2結合体は、DNA免疫トランスジェニックマウス由来のCD8T細胞によって認識される)
RMA−S/A2細胞によるインビトロアッセイは、細胞表面のHLA−A2分子に結合してそれを安定化し得る、ペプチドのセットの定義を可能にする。予測的エピトープが、それらが由来する抗原のインビボプロセシングによって実際に生成され得る確率についての情報をふやすため、CD8T細胞によるペプチド認識を、関連する完全抗原が細胞内で発現されてインビボで存在する条件下で研究した。13個のクラミジアタンパク質についてコードする全長ORF配列(全部で24個の予測的ペプチドを含む)を、安定なDNA発現ベクター中にクローニングし、各組換えプラスミドを使用して、HLA−0201のα1ドメインおよびα2ドメインならびにH−2Kのα3ドメイン(膜貫通性および細胞質性)[35]から構成されるキメラクラスI分子を発現するトランスジェニックマウスの、別個の群を免疫した。
インビトロアッセイにおいて1つ以上のエピトープ陽性を含むか、または陽性エピトープと陰性エピトープとの組み合わせを含むかのいずれかである、ORF配列を選択した。外膜タンパク質A(OMPA、CPn0695)に対応するORF配列を、この分析に含めた。なぜなら、ヒトMHC−I拘束エピトープは、C.trachomatisにおいてこのタンパク質について既に報告されているからである[18;36]。遺伝子CPn 0131に関する1つのコード配列を決定した。これは、4つのエピトープを含み、これら全ては、インビトロ安定化アッセイにおいて陰性であった。3回の免疫サイクル後、トランスジェニックマウスを屠殺し、脾臓CD8T細胞を単離し、対応するペプチドで20時間刺激して、酵素連結免疫スポット(ELISpot)アッセイを使用して、エキソビボIFN−γ産生を評価した。
(結果7)
ペプチドCH−6(CPn0811)、CH−7(CPn0623)、CH−10(CPn0828)、CH−13(CPn0695、OMPA)およびCH−37(CPn0210)を含むORFのDNA媒介性発現は、HepB非関連ペプチドによって得られる数よりも顕著に高いスポット形成細胞(SFC)の数を伴った。一方、遺伝子CPn0131、CPn0323およびCPn0062によってコードされる抗原に関連するいくつかのペプチドは、HepBコントロールペプチド(表5)よりも2〜3倍だけ高いSFC値を誘導した。CPn0132、CPn0322、CPn0325、CPn0415およびCPn0728によってコードされる抗原に関連するペプチドは、いずれのIFN−γ産物も誘導しなかった(データ示さず)。
(実施例8)
ペプチドの、インビトロで特異的CD8T細胞集団を増幅させる能力を試験するため、これらのプラスミドのいくつかを使用して、DNA免疫実験を繰り返し、エキソビボおよび6日間の刺激後の両方における、関連するペプチドの存在下での、CD8T細胞による細胞内IFN−γ産生を、フローサイトメトリーによって決定した。CD8T細胞によるIFN−γ産生とHLA−A2特異的拘束との間の直接的な相関の確立を試みるため、トランスジェニック同系マウスとトランスジェニック同系マウスとの両方で実験を行った。使用されたプラスミドは遺伝子CPn0695、CPn0811およびCPn0823(これらの遺伝子は、ペプチドCH−13、CH−6およびCH−7をそれぞれ包含し、これらのペプチドは、インビトロ結合アッセイおよびELISpotアッセイにおいて、高度に陽性であった)。および遺伝子CPn0323(この遺伝子は、6つの異なるペプチドを包含し、これらのペプチド全ては、バックグラウンドよりもわずかに高いELISpot値を有した)を含んだ。
(結果8)
この実験の結果を表6にまとめる。一方で、ペプチドCH−6で刺激された脾細胞のフローサイトメトリー分析からの代表的ドットプロットを、図4に示す。DNA免疫トランスジェニックマウスの新鮮な脾臓細胞を、試験されたペプチドでパルスした。CH−6またはCH−7のみが、HepB陰性コントロールペプチドによって同じ細胞をパルスして得られた値よりも約5倍高い相対倍増(relative fold increase;RFI)値を誘導した(表6、それぞれ、4.58RFIおよび5.2RFI)。
新鮮な非細胞の代わりに、短期T細胞株(TCL)を使用した場合、より大きなペプチドのパネルが、有意に高いCD8T細胞によるIFN−γ産生を誘発することができた(表6)。実際、ペプチドCH−6およびCH−7に加えて、ペプチドCH−13、CH−44、CH−45およびCH−46もまた、HepBペプチドによって同じ細胞をパルスすることによって誘導されたよりも有意に大きいCD8T細胞集団によって認識された(RFI>5)。重要なことに、ペプチド誘導IFN−γ集団は、ほとんどHLA−A2依存性であったようにみえた。なぜなら、同じ実験を非トランスジェニックマウスで行った場合、得られたRFI値は、確実により低かった(表6)。非トランスジェニック脾臓細胞およびトランスジェニック脾臓細胞が両方ともポリクローナル刺激(抗CD3/抗CD28)を使用して有効に活性化されたという事実は、非トランスジェニックマウスにおけるより低いCD8T細胞誘導が、上記ペプチドとヒトHLA−A2分子との間の特異的相互作用の欠如に起因したという仮説を強化した。
(C.pneunaoniaeに感染したトランスジェニックマウスのCD8T細胞は、インビボにおいてHLA−A2結合体を認識する)
C.pneumoniaeによるマウスの感染が、病原特異的マウスクラスI拘束免疫応答を誘起することが最近示された[22]。したがって、本発明者らは、任意のA2インビトロ結合体が、C.pneumoniae感染細胞中の対応するネイティブ抗原に対応して惹起された免疫応答の間にクローン的に選択された特異的CD8T細胞によって認識され得たか否かを問うた。
この問題を解決するために、HLA−A2トランスジェニックマウスを非致死的用量のC.praeumoniae EBで鼻腔内感染させ、そして一ヵ月後、屠殺してCD8T細胞によるIFN−γ産生を測定するために使用した脾細胞を得る前に、等用量の細菌でチャレンジした。感染マウスからの脾細胞が直接的にエキソビボで試験された場合、感知できるIFN−γ産生が観察できなかったため(データ示さず)、各々の個別のペプチドまたはHepBに関連性のないペプチドとともに、6日間脾臓細胞を培養した。次いで、得られた短期TCLを、同じペプチドで再度パルスし、そしてCD8T細胞による細胞内IFN−γ産生を評価した。40種の試験ペプチドによって得られた結果を図5Aに示す。16種のペプチド(CH−2、CH−7、CH−8、CH−10、CH−13、CH−15、CH−20、CH−21、CH−28、CH−35、CH−37、CH−45、CH−46、CH−47、CH−50およびCH−55)が、最も強いCD8応答を誘発し(IFN−γ産生CD8T細胞の1〜7.1%)、一方19種のペプチドが、低いが一貫した応答を誘発した(CD8/IFN−γT細胞のパーセンテージで0.3と0.9との間)。5種のペプチドは、HepBコントロールペプチドの応答において観察されたよりも有意に高いIFN−γ産生CD8T細胞のパーセンテージを誘導しなかった。
最も反応性のペプチドのうちの8種を再度使用して、C.pneumoniaeに感染させたトランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウス両方の脾細胞をパルスした場合、それらのうち7種が、トランスジェニックマウスにおいてのみ存在する特異的CD8/IFN−γT細胞集団によって認識された。一方ペプチドCH−7は、両マウス群に存在するCD8T細胞によって認識された(図5B)。
(実施例6〜8における結果の全体的考察)
本研究において、本発明者らは、共通ヒトクラスI MHC A2ハプロタイプによって認識される推定T細胞エピトープとして同定された、C.pneumoniae抗原に由来するペプチドを記載した。
C.pneumoniae特異的CD8T細胞媒介性免疫応答を理解すること、および防御ワクチンを設計することは、CD8T細胞によって認識される細菌の抗原またはエピトープを同定する確率に依存する。CTL依存性免疫応答の誘導が、細胞の細胞質ゾルで複製する病原に応じて予測可能である一方で、細胞のMHC−I提示経路に侵入し得る抗原を提供しても、クラミジアの場合、どの抗原がプロテアソームに対して利用可能となるか、そしてどのようにそれらが細胞質ゾルに達するのかは、すぐには分からない。なぜなら、これらの細菌は、感染細胞内部で厳密な空胞内局在を有するからである。
本発明者らは、HLA−A2トランスジェニックマウスに基づいて、インビボ系を選択し、個々の抗原をコードする遺伝子によるDNA免疫またはC.pneumoniaeによる感染のいずれかの後、予測ペプチドのいずれが特異的CD8T細胞によって認識され得るかを試験した。本発明者らのマウスモデルの選択は、以前に公開されたデータによって支持される。Wizelら[22]は、C.pneumoniae抗原にとって特異的なCD8T細胞が、感染マウスにおいて誘導され、そして感染細胞の溶解または病原細胞内増殖のインビトロ阻害のいずれかを誘発し得る細菌由来マウスMHC−I拘束T細胞エピトープを同定したという第1の証拠を最近報告した。これらの知見は、一部のC.pneumoniae抗原が、実際に感染細胞の細胞質ゾルに達し得、そしてMHC−I提示経路(すなわち、クラミジア複製中に起こる再構成の間か、またはその後の発生した細菌粒子の自己溶解の間)に侵入し得ることを確認するようにみえる[22]。
さらにKuonら[42]は、11種のC.trachomatis由来HLA−B27拘束ペプチド(CD8T細胞を刺激し得る)の同定が、Chlamydia誘導性反応性関節炎を有する患者から得られたことを最近報告した。重要なことに、これらのうち8種は、C.trachomatisに感染したHLA−B27トランスジェニックマウスの脾細胞を分析することによって選択されたものと重複した。このことは、抗原プロセシングは、マウス抗原とヒトとの間の抗原プロセシングおよびT細胞レパートリーの差異が仮定されるが、マウス動物モデルを使用してそっくりに再現され得ることを示す[43]。
本発明者らがC.pneumoniae感染A2トランスジェニックマウスを用いて行った実験は、少なくとも16種のペプチドが、事実上細菌感染の結果として増殖されたIFN−γ陽性CD8T細胞集団によって認識されたことを明らかにした。なぜなら、本発明者らは、同じペプチドによって非感染トランスジェニックマウスからの脾臓細胞をパルスすることで、IFN−γ産生を検出し得なかったからである(データ示さず)。これらの結果は、対応するクラミジア抗原が、MHC−I提示経路に侵入でき得ることを示唆する。これらのペプチドの多くがまた特異的CD8T細胞によって認識され得るという知見は、対応するタンパク質がDNA免疫によって別個に発現される場合、感染マウスで観察された応答は、インシリコで予測されたペプチドエピトープおよびそれらの対応する抗原にとって事実上特異的であるという仮説を強力に強化する。重要なことに、A2トランスジェニックおよび非トランスジェニックマウス(DNAで免疫されるか、またはC.pneumoniaeに感染するかのいずれか)におけるペプチド誘導IFN−γ陽性CD8T細胞の比較は、この認識事象がかなりA2特異的であることを示す。
しかし、本発明者らは、感染非トランスジェニックマウスにおいてCH−7によって得られた結果(図5)、ならびにDNA免疫非トランスジェニックマウス(表6)においてCH−7、CH−8およびCH−13を用いて得られるRFI値によって示唆されるように、試験ペプチドの一部がマウスクラス−I MHC分子とも相互作用し得る確率を除外し得ない。
DNA免疫によっても細菌感染によっても、本発明者らは、OMPA由来CH−13ペプチドが、A2トランスジェニックマウスにおいて、特異的CD8T細胞応答を誘導することを示すことができた。これらの結果は、この動物モデルの選択の有効性を確認するようにみえる。なぜなら、OMPAがMHC−I提示経路に侵入し得るという本発明者らの観察は、それぞれ、C.trachomatis[18]およびC.pneumoniae[23]のOMPAタンパク質において、以前のHLA−A2拘束エピトープの同定およびマウスMHC−I拘束エピトープの同定と相関するからである。CH−13およびCH−17を除いて、感染マウスのCD8T細胞によって認識される他の全てのペプチドは、それに対してヒトT細胞エピトープもマウスT細胞エピトープも同定されなかったC.pneumoniae抗原に属する[22;23]。興味深いことに、一組の陽性に反応するペプチド(CH−50およびCH−55)は、多型外膜タンパク質の群に属し[44;45]、一方他のほとんどは、III型分泌系−関連タンパク質の群の一部である[45;46]。ペプチドCH−7およびCH−8は(両方ともエルジニア外部タンパク質(outer protein)(Yop)系のタンパク質Tに含まれる[47])、およびCH−10(トランスロケーション系の一部であるタンパク質Jに含まれる)は、感染マウスを用いたアッセイにおいて、特に反応性であるようにみえる(図5A)。
このことはまた、III型分泌系にやはり関連する抗原に含まれる他のペプチド(例えば、CH−45、CH−46、およびCH−47)にとっても真実である。これら全ては、低カルシウム応答タンパク質Dに存在する。興味あることに、CH−8(感染マウスを用いたアッセイにおいて最も反応性のペプチド)は、対応する抗原がDNA免疫によって発現される場合(表5および6)、特異的T細胞集団によって認識されるようにみえない。このことは、種々の要因(すなわち、注射されたDNAの低いインビボ発現レベルまたは変化したタンパク質高次構造)に起因し得る。
一方で、本発明者らはまた、C.pneumoniaeによるマウスの感染に続いて、このペプチドが、代わりに、密接に関連した配列を有する未同定C.pneumoniae抗原に由来するエピトープにとって特異的なCD8T細胞集団によって認識される確率を考慮しなければならない。CH−8と対照的に、ペプチドCH−6に感染したトランスジェニックマウスからの脾臓細胞の刺激は、IFN−γ/CD8T細胞の検出を可能にしなかったが(図5A)、同じペプチドは、DNA免疫実験において明らかに反応性であった(表5および6)。このことは、低カルシウム応答タンパク質Hが、細胞プロテアソームに利用可能でないことを示唆し得る。しかし、本発明者らは、MHC提示機構に利用可能なペプチドの量が、本発明者らのアッセイで検出可能な細胞応答を誘導するのに十分でないこと、または反応性CD8T細胞集団が、本発明者らのアッセイの検出限界を超えて増殖しなかったことのいずれかもまた想定し得る。
全体として、本明細書において提示される結果は、C.pneumoniae感染の過程でプロテアソーム媒介性プロセシングにとって利用可能であり得る、多くの抗原の同定を可能にした。このことは、HLA−A2依存性細胞免疫応答に対する考えられる標的として、それらを提唱する。特異的に誘導されたCD8T細胞がパルスされたペプチドまたはC.pneumoniae感染哺乳動物細胞を認識し、そしてそれらの溶解を誘導できるか否かを検証するために(おそらく、同定されたT細胞エピトープとC.pneumoniae感染患者において天然に誘導されるCD8T細胞集団とを相関させるために)、さらなる分析が必要とされる。重要なことに、個々の抗原のDNA媒介性発現によって得られた結果は、C.pneumoniae HLA−A2拘束エピトープの重要なセット(これらは、最終的に、CTL依存性抗クラミジア防御免疫応答を誘導しようとして、DNAミニ遺伝子中で組み合わせられ得る)の定義に向けた初期の段階を表し得る。
(実施例9)
(第1の抗原群の組み合わせによる免疫)
第1の抗原群のうちの5種の抗原(OmpH様タンパク質、pmp10、pmp2、エノラーゼ、OmpH様、CPn0042およびCPn00795)を、実施例1〜4に関する上記の材料および方法のセクションにおいて記載されるように調製した。抗原を、発現し、精製する。次いで、抗原組み合わせの組成物を調製する。これは、組成物あたり5種の抗原を含有する(そして、組成物あたり15gの各抗原を含有する)。CD1マウスを、7つの群に分け(群1〜4については、1群あたり5〜6匹のマウス;群5、6および7については、1群あたり3〜4匹のマウス)、そして以下のように免疫した:
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マウスを2週間間隔で免疫する。最後の免疫の2週間後、全てのマウスを、Chlamydia pneumoniae血液型亜型による膣内(intravaginal)感染によってチャレンジする。
CPn抗原の別の群を使用して、実施例9を繰り返した。これの抗原は、以下である:
CPn0385(PepA)、CPn0324(LcrE)、CPn0503(DnaK)、CPn0525(仮想的)およびCPn0482(ArtJ)。これらの抗原を合わせ、実施例9に記載されるように、ミョウバンおよびCpGとともに、ならびにミョウバンおよびCpGなしで、投与する。
(要旨)
出願人は、所望の免疫学的および/または生物学的特性を有する多くのCPnタンパク質を同定した。具体的には、インビトロ細胞培養物中のC.pneumoniae感染性を、用量依存的様式で中和し得る抗体の産生を誘導し得る少なくとも12のCPnタンパク質が同定された。中和性抗体の誘導は重要である。なぜなら、それは感染性EBがヒト組織を侵襲することを防止するからである。さらに、これらのCPnタンパク質の少なくとも6つはまた、インビボハムスターモデルにおいて、クラミジア(C.pneumoniae)感染を弱毒化し得た。加えて、これらのCPnタンパク質の一部はまた、適切なT細胞応答のみならず、中和抗体の高い血清レベルを誘導し得る。
pmp21に関するごく最近の非公開の結果を除いて、これは、組換えpmp(pmp2およびpmp10)に対する抗血清が中和特性を有することの初めて報告である。興味深いことに、CPn0525に対する抗血清が、陰性インビトロ結果を生じた(すなわち、中和活性がなかった)一方で、CPn0525タンパク質は、インビボハムスター免疫アッセイにおける脾臓感染から、97%防御を生じた(表2を参照のこと)(すなわち、陽性インビボ結果)。同様に、Cpn0498に対する抗血清が、陰性インビトロ結果を生じた(すなわち、中和活性がなかった)一方で、CPn0498タンパク質は、インビボハムスター免疫アッセイにおける脾臓感染から、94%防御を生じた(すなわち、陽性インビボ結果)。したがって、FACSアッセイにおいて得られる陽性シグナルは、対応する陽性インビトロ中和活性を保証せず、逆に陰性中和活性は、陽性インビボ結果を排除することを意味しない。
C.pneurnoniaeインビトロ中和アッセイで、組換え抗原のパネルをスクリーニングすることによって得られる結果の一部を、表2に示す。「current annotation」列を一瞥するだけで、表1および表2の両方において抗原が列挙され(これらは、公開された文献データに基づくと、異種多型膜タンパク質(PMP)のファミリーのメンバーと類似する)、これらの抗原は、表面露出されていること、そしておそらく中和抗体を誘導することが合理的に予測され得るが、現在のところ仮想的と考えられ得るタンパク質、およびそれらの現在の機能的アノテーションのみに基づいて細菌表面に見出されることを全く予測できないタンパク質もまた存在することが、理解され得る。
これらのCPnタンパク質の一部の最初の特徴付けは、中和特性に関してだけでなく、スクリーニング試験のパネルにおける種々のスコアプロフィールに関してもまた、当該分野に大きく貢献するものである。なぜなら、これは、特定の免疫学的および生物学的特性を有するCPn抗原の選択的な組合せを容易にするからである。
結論として、本明細書は、インビトロにおけるC.pneumoniaeの感染性を阻害する抗体を誘導し得、そしてインビボにおける防御効果を有し得る、一群の組換え抗原を記載する。
上記の明細書に記述された全ての刊行物は、本明細書において参考として援用される。記載された方法および本発明の系の種々の改変および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されたが、特許請求される本発明がこのような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことが、理解されるべきである。実際、記載される本発明を実施するための様式の種々の改変は、分子生物学分野または関連分野の当業者に明らかであり、本発明によって網羅されることが意図される。
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(表の説明)
(表1) 本明細書中に記載されるC.pneumoniae抗原のデータおよび特性のまとめを示す。
(表2) 仮想タンパク質のためのハムスターマウスモデル研究からの結果を示す。
(表3) マイクロアレイにより選択されたCPn EBの発現遺伝子を示す。
(表4) C.pneumoniaeの選択されたペプチド:タンパク質供給源およびHLA−A2安定化アッセイを示す。
(表5) DNA免疫化HLA−A2トランスジェニックマウス由来のCD8+T細胞を用いたELISPOTアッセイを示す。
(表6) DNA免疫化HLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウスの脾細胞からのIFN−γ産生を示す。
組換えChlamydiaタンパク質に対するポリクローナルマウス抗血清による、LLC−MK2細胞へのC.pneumoniae感染性のインビトロ中和アッセイ。 10個のC.pneumoniae組換え抗原について、感染性の50%の中和を与える、血清力価を示す。各々の力価を、3つの個別の実験において評価した(SEMを示した)。 本明細書中に記載される免疫血清を使用した、C.pneumoniae EBの2次元電気泳動マップの免疫ブロット分析を示す。 全身性チャレンジ後の、免疫化ハムスターおよび偽免疫化ハムスター由来の対応する脾臓サンプルから回収されたC.pneumoniae IFUの平均個数を示す。 DNA免疫化HLA−A2トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウス由来の脾細胞のフローサイトメトリー分析を示す。 C.pneumoniae EBで感染させたトランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックマウス由来の脾細胞のフローサイトメトリー分析を示す。 7105−7110タンパク質ファミリー内のタンパク質のアラインメントを示す。 Cpn0794−Cpn0799のN末端アラインメントを示す。 Cpn0796にコードされるタンパク質を示し、C末端ドメインが、おおよそ1〜648の残基を含むことを示す。 C.pneumoniae遺伝子Cpn0795およびCpn0796にコードされるタンパク質のC末端(βバレル)ドメインのアラインメントを示す。

Claims (31)

  1. 自己トランスポーター抗原として使用するためのポリペプチドであって、該ポリペプチドは、以下:
    (a)配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78および配列番号79からなる群より選択されるアミノ酸配列、
    (b)(a)のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列;または
    (c)(a)のアミノ酸配列からの少なくとも7個の連続したアミノ酸の1以上のフラグメントまたはこれらの組み合わせを含む、アミノ酸配列
    を含む、ポリペプチド。
  2. 前記使用が、Chlamydia pneumoniae特異的な免疫応答を惹起させるための抗原としての使用である、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記使用が、Chlamydia pneumoniaeに感染した個体において全身性の免疫応答を惹起させるための使用である、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. V型の自己トランスポーター分泌系の機構を通して、宿主細胞の細胞質内へと分泌される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドが、配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78および配列番号79からなる群より選択され、そして、G、DG、VG、G、AV、G、IVG、GTLGG、S、IVG、およびMからなる群より選択される、1以上の一般的なN末端配列モチーフを共有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  6. 前記一般的なN末端配列モチーフが、GTLGG、S、IVGおよびMからなる群より選択される、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 診断において使用するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  8. 個体におけるChlamydia pneumoniae感染の予防または処置のための医薬の調製における、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
  9. 前記使用が、Chlamydia pneumoniaeに感染した個体のセロポジティブな血清と免疫反応する、自己トランスポータータンパク質を使用する、請求項8に記載の使用。
  10. 個体におけるChlamydia pneumoniae感染の診断のためのアッセイの調製における、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
  11. 個体において免疫応答を惹起させる方法であって、該方法は、該個体に、以下:
    (a)配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78および配列番号79からなる群より選択されるアミノ酸配列、
    (b)(a)のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または
    (c)(a)のアミノ酸配列からの少なくとも1、2、3、4、5、6もしくは7個のアミノ酸の1以上のフラグメントまたはこれらの混合物を含む、アミノ酸配列
    を含むポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  12. 個体における免疫応答を診断する方法であって、該方法は、以下:
    (a)該個体から得られた生物学的サンプルを、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチドに結合する結合因子と接触させる工程;
    (b)該生物学的サンプルにおいて、該結合因子に結合するポリペプチドの量を決定する工程;および
    (c)該ポリペプチドの量を所定のカットオフ値と比較して、それにより該個体における免疫応答の存在を決定する工程
    を包含する、方法。
  13. 前記ポリペプチドが、請求項1〜3のいずれか1項に記載される、請求項11または請求項12に記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドが、請求項2〜6のいずれか1項に記載される、請求項11に記載の方法、または請求項8〜9のいずれか1項に記載の使用。
  15. 1以上のChlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質またはその免疫原性フラグメント、および、1以上の免疫賦活薬を含有する、免疫応答を惹起させるための組成物。
  16. 請求項15に記載の組成物であって、前記Chlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質もしくはその免疫原性フラグメントが、以下:
    (a)配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78、配列番号86および配列番号79からなる群より選択されるアミノ酸配列;
    (b)(a)のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列;または
    (c)(a)のアミノ酸配列からの少なくとも1、2、3、4、5、6もしくは7個のアミノ酸の1以上のフラグメントまたはこれらの組み合わせを含む、アミノ酸配列
    を含む、組成物。
  17. 前記タンパク質またはその免疫原性フラグメントが、請求項1〜3のいずれか1項に記載される、請求項15または16に記載の組成物。
  18. 2以上のChlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質またはその免疫原性フラグメントを含む、被験体において免疫応答を惹起させるための組成物。
  19. 請求項18に記載の組成物であって、前記Chlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質またはその免疫原性フラグメントが、以下:
    (a)配列番号54、配列番号6、配列番号55、配列番号56、配列番号78、配列番号86および配列番号79からなる群より選択されるアミノ酸配列;
    (b)(a)のアミノ酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列;または
    (c)(a)のアミノ酸配列からの少なくとも1、2、3、4、5、6もしくは7個のアミノ酸の1以上のフラグメントまたはこれらの組み合わせを含む、アミノ酸配列
    を含む、組成物。
  20. 請求項18または19に記載の組成物であって、該組成物は、さらに、1以上の免疫賦活薬を含む、組成物。
  21. 請求項15または16のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法であって、該方法は、1以上のChlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質またはその免疫原性フラグメントを、1以上の免疫賦活薬と混合する工程を包含する、方法。
  22. 請求項18または19に記載の組成物を作製する方法であって、該方法は、2以上のChlyamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質またはその免疫原性フラグメントを混合する工程を包含する、方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、該方法は、前記Chlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質または免疫原性フラグメントに、1以上の免疫賦活薬を加える工程を包含する、方法。
  24. Cpn0794、Cpn0795、Cpn0796、Cpn0797、CPn0798およびCpn0799からなる群より選択されるChlamydia pneumoniae自己トランスポータータンパク質、またはその免疫原性フラグメントであって、該自己トランスポータータンパク質のアミノ酸モチーフは、IVG、A、LGGおよびSを含む、タンパク質。
  25. 前記繰返しアミノ酸モチーフが、IVG、A、LGGおよびSを含む、請求項24に記載の自己トランスポータータンパク質。
  26. 自己トランスポーター抗原として使用するためのポリペプチドであって、該ポリペプチドは、配列番号86に対応するアミノ酸配列、配列番号86に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号86の少なくとも7個の連続するアミノ酸の1以上のフラグメントを含むアミノ酸配列、を含む、ポリペプチド。
  27. 前記使用が、Chlamydia pneumoniae特異的な免疫応答を惹起させるための抗原としての使用である、請求項26に記載のポリペプチド。
  28. 前記使用が、Chlamydia pneumoniaeに感染した個体における全身性の免疫応答を惹起させるための使用である、請求項2に記載のポリペプチド。
  29. 個体におけるChlamydia pneumoniae感染の予防または処置のための医薬の調製における、請求項26〜28のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
  30. 個体において免疫応答を惹起させる方法であって、該方法は、該個体に、配列番号86に対応するアミノ酸配列、配列番号86に対して少なくとも50%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号86の少なくとも7個の連続するアミノ酸の1以上のフラグメントを含むアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  31. 個体における免疫応答を診断する方法であって、該方法は、以下:
    (a)該個体から得られた生物学的サンプルを、請求項26〜28のいずれか1項に記載のポリペプチドに結合する結合因子と接触させる工程;
    (b)該生物学的サンプルにおいて、該結合因子に結合するポリペプチドの量を決定する工程;および
    (c)該ポリペプチドの量を所定のカットオフ値と比較して、それにより該個体における免疫応答の存在を決定する工程
    を包含する、方法。
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