半導体製造は典型的には、各基板を多数の個別プロセス、例えばフォトマスキング、エッチング、打込み、および洗浄に順次に曝すことによって、基板、例えば円形ウェハを半導体チップに処理する。最新の半導体処理システムはしばしば、基板操作ロボットを収容した中央転送チャンバの周りに多数の処理チャンバを集めたクラスタツールを含む。多数の処理チャンバは、例えばガス抜きチャンバ、基板前処理チャンバ、クールダウンチャンバ、転送チャンバ、化学蒸着(CVD)チャンバ、物理蒸着チャンバ、エッチングチャンバなどを含む可能性がある。
これら種々の処理チャンバと転送チャンバは、半導体の可能性のある汚染を制限するためと、最適な処理条件が維持されることを保証するために、互いに隔離され得る。クラスタツールの例は、米国特許第5,955,858号、第5,447,409号、第5,469,035号、第6,071,055号に見ることができ、これらのすべては参照によってここに組み入れられている。
これらの処理チャンバ内で行われる従来の処理、例えば低圧化学蒸着(LPCVD)は、典型的には真空またはほぼ真空で行われる。したがって大気圧に在る基板を真空に保たれたクラスタツール内に導入するために典型的にはロードロックが設けられる。
半導体製造はまた、典型的には基板の表面からのレジスト洗浄および/または残留物エッチングを必要とする。一般に基板の表面を洗浄するための二つの方法、すなわち湿式処理と乾式処理とが存在する。湿式処理は、一般に環境にやさしくない高価な化学溶液で基板をスプレーする、および/または浸漬するという一連のステップからなる。その代わりに乾式処理は、基板を洗浄するために湿式の化学溶液の代わりにガスを使用する一連のステップからなる。例えばO2プラズマを使用する灰化。
更に最近では、半導体基板からフォトレジストを洗浄するまたは剥ぎ取るため、または残留物をポストエッチするために、副溶媒または界面活性剤を持つ、または持たない超臨界流体、例えば二酸化炭素(CO2)が現在使用されている。したがって超臨界洗浄は、湿式でも乾式でもない洗浄プロセスである。
超臨界流体による洗浄は、このような流体が液体の特性を保持しながら気体の拡散性と粘性とを有するので、望ましい。超臨界流体の溶解性は、半導体製造で使用される材料と相互作用する化学薬品または副溶媒の添加によって高めることができる。副溶媒を持つ、あるいは持たない超臨界流体は、典型的にはウェハ表面から汚染物を除去して基板の表面を効果的に洗浄するために溶媒として作用する。
超臨界流体洗浄技術は、危険な化学薬品の使用を大幅に減らす、または除去するために、天然資源例えば水を保存するために、および以前は可能でなかった仕事、例えば半導体素子の小さな特徴要素(例えばレジスト画像、VLSI(超大規模集積回路)形状的特徴要素、例えばバイアなど)の迅速な精密洗浄を遂行するために、多くの工業プロセスにおいて適用可能である。
更に、特定のプロセス性能を達成するために、超臨界圧力および温度付近の高圧限界と低圧限界との間の循環する圧力が実施される可能性がある。これは別名、相シフトとして知られている。
したがって超臨界流体処理は、従来の湿式または乾式処理と比較して、より安全で低価格でより性能有効であり得る。しかしながら従来の処理と異なり、超臨界技術は、超臨界流体相を維持するために高圧の動作環境を必要とする。また超臨界流体の溶媒としての有効度は圧力の増加と共に増加する。
動作圧力の大きな差のために、超臨界流体洗浄は一般に、従来の半導体処理とは分けられている。したがって超臨界流体処理が必要とされるとき、クラスタツール内で処理される基板は超臨界流体洗浄モジュールに配置される前に先ず、このクラスタツールから取り外されなくてはならない。その後に基板は、超臨界流体洗浄モジュールから取り外されて更なる処理のためにクラスタツール内に再配置される必要があり得る。これは、現在の自動化されたクラスタツール技術によって与えられる全体的スループットを大幅に減少させ、このような転送に起因する汚染の可能性を増大させる。
超臨界流体洗浄モジュールを既存のクラスタツールに連結することは、従来プロセスと超臨界流体プロセスとの間の大きな圧力差と、処理チャンバを加圧し減圧するために必要とされるサイクルタイムと、超臨界流体洗浄モジュール内で除去された粒子による転送チャンバの汚染と、を含む多くの難題を抱える。したがって超臨界流体洗浄モジュールを既存の自動化された処理ツールに連結するための方法とシステムとが強く望まれているであろう。
発明の詳細な説明
下記に説明されるシステムと方法は、基板の高圧処理のために使用される。このような高圧処理は、真空より実質的に高い圧力、例えば60psiから3000psiの間の圧力で行われる如何なる処理をも含む。更にこのような高圧処理は特に、高圧洗浄または高圧薄膜蒸着を含む。高圧洗浄は典型的には基板の表面からフォトレジストを除去するため、または残留物をポストエッチするために使用されるが、高圧薄膜蒸着は基板上に所望の材料、または所望の材料への前駆物質を堆積させるために使用される。
図1Aは、システムの一実施形態による、ロードロックを組み込んだ基板処理システム100の概略上面図である。システム100は、真空または真空近くで従来の処理ツールを使用して基板(S)136をインライン処理するために使用される。システム100はまた、従来の処理の前、または処理中、または処理後の基板(S)136のインライン高圧処理のためにも使用される。基板(S)136は、好適には半導体ウェハであるが、低圧、例えば真空での処理を必要とする他の如何なる構成要素であってもよい。
システム100は、好適には、真空または真空近くで動作する少なくとも一つの低圧処理チャンバと、超臨界流体圧力および温度で、またはその近くで動作する高圧処理チャンバと、これら二つのチャンバを分離する少なくとも一つのロードロックと、を含む。しかしながら更に可能性の高い実施形態ではシステム100は、好適には、多数の低圧処理チャンバ104、112と、少なくとも一つの高圧処理チャンバ(HPPC)108と、多数のロードロック102、106、110、114とを含む。
更に具体的にはシステム100は、基板(S)136が一般に大気圧またはその付近にあるシステムの周囲環境からシステム内に導入される第1のドア(Door1)116を有する第1のロードロック(LL1)102を含む。この第1のロードロック(LL1)102はまた、第1のロードロック(LL1)102を第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)104に連結する第2のドア(Door2)118を含む。第3のドア(Door3)120は、第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)104を第2のロードロック(LL2)106に連結する。同様に第4のドア(Door4)122は、第2のロードロック(LL2)106を高圧処理チャンバ(HPPC)108に連結し、第5のドア(Door5)124は、高圧処理チャンバ(HPPC)108を第3のロードロック(LL3)110に連結し、第6のドア(Door6)126は、第3のロードロック(LL3)110を第2の低圧処理チャンバ(LPPC2)112に連結し、第7のドア(Door7)128は、第2の低圧処理チャンバ(LPPC2)112を第4のロードロック(LL4)114に連結し、第8のドア(Door8)130は、第4のロードロック(LL4)114を大気圧または大気圧近くの周囲環境に連結する。しかしながら本システムが多かれ少なかれ複数の処理チャンバを含むことができ、各セットの処理チャンバがロードロックによって分離されることは理解されるべきである。同様に本システムが多かれ少なかれ複数の高圧処理チャンバを含むことができ、各セットの高圧処理チャンバがロードロックによって処理チャンバから分離されることは理解されるべきである。代替の実施形態では二つの高圧処理チャンバは、これら二つを分離するロードロックを持たずにシステム内で互いに連結されることができる。例えばこの処理順序は、分離したチャンバ内で超臨界CO2洗浄から超臨界CO2蒸着に進むステップを必要とする可能性があるであろう。
従来の処理は、真空または真空近くの第1、第2の低圧処理チャンバ104、112内で実行される。このような処理は、化学蒸着(CVD)、低圧化学蒸着(LPCVD)、急速熱処理(RTP)、エッチング、灰化(アッシング)などを含み得る。したがって第1、第2の低圧処理チャンバ104、112は、真空または真空近くの圧力での動作と、実行されるこの特定の処理に関連する温度とに関して構成される。
基板(S)136の高圧処理は、高圧処理チャンバ(HPPC)108内で実行される。このような高圧処理は、高密度相流体によって高い圧力で基板を洗浄するステップを含み得る。高密度相流体は、洗浄される基板の物理的または化学的特性を低下させない温度と圧力で超臨界流体に変換され得る、または液化され得る既知のガスの如何なるものも含む。これらのガスは典型的には、(1)炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、およびプロピレン、(2)ハロゲン化炭化水素、例えばテトラフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、六フッ化硫黄、およびパーフルオロプロパン、(3)無機物、例えば二酸化炭素、アンモニア、ヘリウム、クリプトン、アルゴン、三酸化硫黄、および亜酸化窒素、および(4)これらの混合物を含むが、これらに限定されない。ここで使用される用語「高密度相流体」は、このような高密度相ガスの混合物を含むように意図されている。
更に特定の汚染物質を除去するために選択される高密度相流体は、目標とする汚染物質の溶解度化学特性に類似した溶解度化学特性を有するように選択される。例えばもし水素結合が、ある汚染物質の内部凝集エネルギー容量または安定度に大きな寄与をするならば、選択される高密度相流体は、溶媒和が起こるために少なくとも適度の水素結合能力を所有しなくてはならない。ある幾つかのケースでは、二つ以上の高密度相ケースの混合物は、所望の溶媒特性を持つために処方され得る。選択された高密度相流体はまた、洗浄される基板に適合しなければならず、また好適には低いコストと高い健康性と高い安全性とを有する。更に高密度相流体は、基板からの望ましくない汚染物質の除去を助けるための一つ以上の副溶媒を含むこともできる。
二酸化炭素は、低価格で無毒であるので本発明を実施する際の使用ために好適な高密度相流体である。二酸化炭素の臨界温度は、約305°K(32℃)であって、臨界圧力は約72.9気圧(1057psi)である。臨界点より高い圧力において二酸化炭素の相は、305ケルビン(K)の臨界温度より高く、または低く温度を変化させることによって液相と超臨界流体相との間でシフトされ得る。二酸化炭素は、少なくとも約305°K(32℃)において約4.14気圧(60psi)から約34.47気圧(500psi)の間の圧力における液体のときに洗浄のために有用である。同様に二酸化炭素は、少なくとも約305°K(32℃)において約72気圧(1044psi)から約206気圧(3000psi)の間の圧力における気体のときに洗浄のために使用される。
したがって好適な実施形態では高圧処理チャンバは好適には、約4.14気圧(60psi)から約206気圧(3000psi)の間の内部圧力で動作するように構成される。更に好適な実施形態では高圧処理チャンバは好適には、約6.9気圧(100psi)から約138気圧(2000psi)の間の内部圧力で動作するように構成される。最も好適な実施形態では高圧処理チャンバは好適には、液体に関しては約305°K(32℃)において約4.14気圧(60psi)から約34.47気圧(500psi)の間の内部圧力で、また気体に関しては少なくとも約305°K(32℃)において約73.77気圧(1070psi)から約124.1気圧(1800psi)の間の内部圧力で、動作するように構成される。
これらの高い圧力で動作するために高圧処理チャンバ(HPPC)108は、当業者によく知られた特性を持つように設計される。例えば高圧処理チャンバ(HPPC)108は、内部圧力を広げるために環状または球形の内部を持つことができる、第1、第2の低圧処理チャンバより厚い壁を持つことができる、などである。
更にドア116〜130は、気密シールするように構成され、また好適には油圧ラムまたは空気圧ラムによって迅速に開閉される。転送機構(図示せず)は、種々のロードロック、処理チャンバ、および高圧処理チャンバを通して基板(S)136を搬送するために使用される。このような転送機構は、当業者によってよく知られるように、コンベヤーシステム、ロボット操作システム、などを含み得る。好適な一実施形態では転送機構は、ロードロックの各々の内部に配置される基板操作ロボットである。
図示されていないが、各ロードロックは各ロードロック内の圧力を迅速に上昇または下降させるための圧力ポンプに連結される。各処理チャンバは、その特定目的の従来処理を実行するために必要とされる機械と電子回路と化学手段とに連結される。高圧処理チャンバ(HPPC)108は、必要な処理を実行するために、例えば上記の高密度相流体を使用する洗浄を実行するために必要とされる機械と電子回路と化学手段とに連結される。第1のロードロック(LL1)102と第4のロードロック(LL4)114は、それらの内部圧力を大気圧と真空との間で上昇および下降させるように構成される。第2のロードロック(LL2)106と第3のロードロック(LL3)110は、前述のように真空と処理に必要とされる高圧との間でこれらの圧力を上昇および下降させるように構成される。更に当業者は、上記のシステムには他の構成要素も本来備えられていることを理解するであろう。例えば(1)チャンバの動作圧力と温度とにおける高密度流体、副溶媒、反応副生成物、および汚染物質に適合する構造材料と、(2)安定で制御された動作圧力を維持するように構成された、高密度流体と副溶媒とのための入口ポートおよび出口ポートと、(3)バルブ(弁)とドアが開閉されるときに圧力偏移を制御するための制御機構と、(4)安定で制御された動作温度を維持するためと、バルブ(弁)とドアが開閉されて基板の熱質量がチャンバの内または外に転送されるときに温度偏移を制御するために適した温度制御機構、などが存在する。
図1Bは、基板(S)136(図1A)が図1Aに示すシステムを通過するときの圧力138対時間140の単純化されたグラフである。図1Cは、図1A、1Bに関連して上記に説明された本発明の実施形態による基板を処理するための方法のフローチャートである。下記の説明は、主として図1Cを参照するが、図1A、1Bも参照するであろう。ステップ170で、いったん第1のドア(Door1)116が開放されると、基板(S)136(図1A)が第1のロードロック(LL1)102に装填され、第1のドアは閉鎖される。ドアの如何なるものも閉鎖することがドアを気密にシールすることであることは理解されるべきである。図1Bから分かるように第1のロードロック(LL1)102内の圧力は、内部的に周囲圧力になっている。それからステップ172で、第1のロードロック(LL1)102内の圧力は真空に減圧される(図1Bの148)。第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)104内の圧力は、既に真空になっているか真空に減圧される。それからステップ174で第2のドア(Door2)118が開放され、基板は第1のロードロックチャンバから第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)104内に転送され、そして第2のドア(Door2)118は閉鎖される。それからステップ176で従来処理が第1の処理チャンバ(LPPC1)104内で実行される。ステップ178で基板が処理されながら、第2のロードロック(LL2)106内の圧力は真空に減圧される。それからステップ180で第3のドア(Door3)120が開放され、基板は第2のロードロック(LL2)106内に転送され、そして第3のドアは閉鎖される。
それからステップ182で、第2のロードロック(LL2)106内の圧力は高圧(HP)に昇圧される(図1Bの146)。高圧(HP)は、上記の高圧、すなわち60psi〜3000psiと同じである。高圧処理チャンバ(HPPC)108内の圧力は、既に高圧(HP)になっているか、高圧(HP)に昇圧される。それからステップ184で第4のドア(Door4)122が開放され、基板は高圧処理チャンバ(HPPC)108内に転送され、第4のドアは閉鎖される。それからステップ186で当業者によってよく理解されるように、高圧処理、例えば高圧洗浄が実行される。適当な高圧洗浄方法の一例は、米国特許第5,013,366号に開示されており、これは参照によってここに組み込まれている。このような高圧洗浄は、各プラズマエッチング、プラズマ灰化、イオン打込み、および化学機械研磨(CMP)のステップの後と、各拡散、イオン打込み、酸化、蒸着、プラズマエッチング、および急速熱アニール/プロセスのステップの前とに行われてもよい。同様に高密度流体媒体からの高圧蒸着の機会は、拡散バリア用の薄膜と銅シード層とを堆積する、または後でバリア層またはシード層に変換されるこれらバリア層およびシード層のための前駆物質を堆積する各ダマスク(象嵌)相互接続銅金属蒸着に先立って存在する。前駆物質蒸着のこのような順序は、LL=>HPPC前駆物質蒸着=>LL=>前駆物質を変換するための大気圧または真空におけるUVおよび/またはRTPチャンバ=>銅蒸着であってもよい。
ステップ186で高圧処理が実行されながら、第3のロードロック(LL3)110内の圧力はステップ188で高圧(HP)に昇圧される。それからステップ190で第5のドア(Door5)124が開放され、基板は第3のロードロック(LL3)110内に転送され、そして第5のドアは閉鎖される。それからステップ191で第3のロードロック(LL3)110内の圧力は真空に減圧される(図1Bの148)。第2の低圧処理チャンバ(LPPC2)112内の圧力は、既に真空になっているか、真空に減圧される。それからステップ192で第6のドア(Door6)126が開放され、基板は第2の低圧処理チャンバ(LPPC2)112内に転送され、そして第6のドア(Door6)126は閉鎖される。
それからステップ193で従来処理が、第2の処理チャンバ(LPPC2)112内で実行される。基板が処理されながら、ステップ194で第4のロードロック(LL4)114内の圧力は真空に減圧される。それからステップ195で第7のドア(Door7)128が開放され、基板は第4のロードロック(LL4)114内に転送され、そして第7のドアは閉鎖される。それからステップ196で第4のロードロック(LL4)114内の圧力は、大気圧または周囲圧力に昇圧される(図1Bの142)。それからステップ197で第8のドア(Door8)130が開放されて、基板はシステム100から取り外される。各処理ステップの後に、起り得る相互汚染を防止するためにチャンバ内のすべての液体または気体がパージされ得ることは理解されるべきである。
図2Aは、本システムのもう一つの実施形態によるロードロックを組み込んだもう一つの基板処理システム200の概略上面図である。システム200は、基板(S)212を処理するために使用され、また真空または真空付近で行われる従来の処理の前、または処理中、または処理後にこの基板を高圧処理するために使用される。基板(S)212は、好適には半導体ウェハであるが、真空での処理を必要とする他の如何なる構成要素であってもよい。
このシステム200は、好適にはクラスタツール構成に構成される。本システム200は好適には、真空または真空近くで動作する少なくとも一つの低圧処理チャンバと、高圧で動作する少なくとも一つの高圧処理チャンバと、を含んでおり、これら低圧および高圧処理チャンバは、少なくとも一つのロードロックによって分離される。
本システム200は好適には、種々の低圧処理チャンバと高圧処理チャンバとによって取り囲まれた中央転送チャンバ(TC)208を含む。第1のロードロック(LL1)202は、基板(S)212を転送チャンバ(TC)208内に導入するために使用される。この第1のロードロック(LL1)202は、典型的には大気圧で室温(周囲)である周囲環境から第1のロードロック(LL1)202内に基板(S)212を導入するための第1のドア(Door1)218を含む。第1のロードロック(LL1)202は、第2のドア(Door2)220を介して転送チャンバ(TC)208に連結される。第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)204は、第3のドア(Door3)222を介して転送チャンバ(TC)208に連結される。同様に第2の低圧処理チャンバ(LPPC2)206は、第6のドア(Door6)228を介して転送チャンバ(TC)208に連結される。基板(S)212を種々のドアを介してそれぞれ第1、第2の低圧処理チャンバ204、206に転送するために、好適には転送チャンバ(TC)208内に基板操作ロボット210が配置される。中央転送チャンバを取り囲む多数の低圧処理チャンバを有する同様のクラスタツールは、当業者にはよく知られている。例えば参照によってここに組み入れられている米国特許第5,186,718号を参照されたい。しかしながらこのような従来技術のクラスタツールは、このクラスタツール内への高圧処理の組込みを考慮していない。
システム200はまた、高圧処理モジュール215を含む。高圧処理モジュール215は好適には、低圧処理チャンバを組み入れた既存のクラスタツールに連結されるように構成される。高圧処理モジュール215は、第4のドア(Door4)224を介して転送チャンバ(TC)208に連結されるように構成された第2のロードロック(LL2)214を含む。
高圧処理モジュール215はまた、第5のドア(Door5)226を介して第2のロードロック(LL2)214に連結された高圧処理チャンバ(HPPC)216を含む。第2のロードロック(LL2)214は第1のロードロック(LL1)102(図1A)に類似しているが、高圧処理チャンバ(HPPC)216は高圧処理チャンバ(HPPC)108(図1A)に類似しており、これらは前記したとおりである。
これらの処理チャンバとロードロックは、任意の適当な手段によって、例えば互いにボルト結合されているか、適当なOリングまたはガスケットによって分離されている処理チャンバまたはロードロックと転送チャンバとの両者上で各相互連結ドアを取り囲む対応するフランジによって、転送チャンバ(TC)に連結され得る。
図2Bは、基板(S)212(図2A)が図2Aに示すシステムを通過するときの圧力240対時間242の単純化されたグラフである。図2Cは、図2A、2Bに関連して上記に説明された本発明の実施形態による基板を処理するための方法のフローチャートである。下記の説明は、主として図2Cを参照するが、図2A、2Bも参照するであろう。ステップ260で、第1のドア(Door1)218が開放され、基板は第1のロードロック(LL1)202に装填され、そして第1のドア218は閉鎖される。それからステップ262で、第1のロードロック(LL1)202内の圧力は、大気圧250(図2B)から真空252(図2B)に減圧される。転送チャンバ(TC)208と第1の処理チャンバ(LPPC1)204と第2のロードロック(LL2)214と第2の処理チャンバ(LPPC2)206の内部の圧力は、既に真空または真空近くになっているか、あるいはまた真空に減圧される。それからステップ264で第2のドア(Door2)220が開放され、基板(S)212は転送チャンバ(TC)208内に転送される。それから第2のドアは閉鎖され得る。
それからステップ266で、第3のドア(Door3)222が開放され、基板は第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)204内に転送され、そして第3のドア(Door3)は閉鎖される。それからステップ268で第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)204内で基板に従来の処理が実施される。いったん第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)204内での従来の処理が完了すると、ステップ270で第3のドア(Door3)222が再び開放され、基板は第1の低圧処理チャンバ(LPPC1)204から転送チャンバ(TC)208に転送され、そして第3のドア(Door3)は閉鎖される。
それからステップ272で、第4のドア(Door4)224が開放され、基板(S)は第2のロードロック(LL2)214内に転送され、そして第4のドア(Door4)は閉鎖される。それからステップ274で、第2のロードロック(LL2)214内の圧力は、真空から高圧(HP)に昇圧される(図2Bの256)。高圧(HP)は、上記の高圧、すなわち60psi〜3000psiと同じである。高圧処理チャンバ(HPPC)216内の圧力は好適には、既に高圧(HP)に、または高圧近くになっているが、このチャンバ内の圧力は第2のロードロック内の圧力と同時に、あるいは他の任意の適当な時刻に昇圧され得る。それからステップ276で、第5のドア(Door5)226が開放され、基板は高圧処理チャンバ(HPPC)216内に転送され、そして第5のドアは閉鎖される。
それからステップ278で高圧処理チャンバ(HPPC)216内で高圧処理が実行される。この高圧処理は上述の処理、例えば超臨界流体洗浄などと同じである。超臨界流体は、単一相の単一成分を含むか、あるいは主要高密度流体キャリア内に一つまたは多数の副溶媒を含むことができる。これらの副溶媒は、現在の温度と圧力における高密度流体の副溶媒成分の溶解度に依存して単一相で、または同時に多数の異なる相で存在し得る。
いったん高圧処理が完了すると、ステップ280で第5のドア(Door5)226が再び開放され、基板は第2のロードロック(LL2)214に転送され、そして第5のドアは閉鎖される。ステップ282で第2のロードロック(LL2)214内の圧力は再び真空に減圧される(図2Bの254)。その後、ステップ284で第4のドア(Door4)224が開放され、基板は第2のロードロックから転送チャンバ(TC)208に転送され、そして第4のドアは閉鎖される。
それからステップ286で、第6のドア(Door6)228が開放され、基板は第2の低圧処理チャンバ(LPPC2)内に導入され、そして第6のドア(Door6)228は閉鎖される。それからステップ288で、第2の低圧処理チャンバ内で基板に従来の処理が実行される。いったん従来の処理が完了すると、ステップ290で第6のドア(Door6)228が再び開放され、基板は第2の低圧処理チャンバから転送チャンバ内に転送され、そして第6のドアは閉鎖される。しかしながら、基板の従来の低圧処理が高圧処理ステップの前、後または前後両方のいずれかで(前述のように)行われ得ることは当業者に理解されるべきである。また異なる基板の処理が同時に行われ得ることも理解されるべきである。
システム200から基板を取り外すために、それからステップ292で第2のドア(Door2)220が開放され、基板は第1のロードロックチャンバ(LL1)202内に転送され、そして第2のドアは閉鎖される。それからステップ294で、第1のロードロック(LL1)202内の圧力は大気圧に昇圧される(図2Bの250)。最後にステップ296で、第1のドア(Door1)218が開放されて、基板は第1のロードロック(LL1)202から取り出される。
したがって高圧処理モジュール215は、真空で、または真空近くで動作する一つ以上の従来の処理チャンバを有する既存のクラスタツールに連結され得る。他の利点は、サイクルタイムの削減と、敏感な基板の周囲大気と汚染物質への露出をなくすこととを含む。
更に他の実施形態ではシステム200は、第2のロードロック(LL2)214を含まない。その代わりに転送チャンバ(TC)208それ自身の内部の圧力が真空と高圧との間で、昇圧されたり、減圧されたりする。しかしながら転送チャンバは基板操作ロボット210を収容するために第2のロードロックよりもかなり大きな容積を有するので、転送チャンバ内の圧力を調整することは、単に第2のロードロック(LL2)214内の圧力を調整することほど効率的ではない。
もう一つの実施形態では、真空ロードロックと湿式処理チャンバとの間に超臨界CO2乾燥チャンバが連結される。例えば図1Bに関連して説明された直列レイアウトでは、基板は第2のロードロック(LL2)から湿式チャンバ内に転送され、それから高圧処理チャンバ(HPPC)内に、それから第3のロードロック(LL3)内に転送される、等となるであろう。同様に図2Aに関連して説明されたクラスタ型レイアウトでは、最も簡単な修正は高圧処理チャンバ(HPPC)216の上方に湿式チャンバ217を追加することである。しかしながらこのHPPCは現在、湿式チャンバ217内に行く通過チャンバとして機能するだけであって、この目的を果たすためにはアイドル状態で空になっていなくてはならない。更に好適な実施形態は、中央転送チャンバ(TC)208の外側に一方向ループを有する構成である。処理の順序は、TC208から始まって、湿気が湿式チャンバ217からTC内に移動するのを防止するための任意選択的ロードロック内に、湿式チャンバ217内に、CO2乾燥のためのHPPC内に、再び前記任意選択的ロードロック内に、そして再びTC208内に、ということになるであろう。
本発明の幾つかの特定の実施形態の前述の説明は、例示と説明の目的のために提示されたものである。例えばここに説明された如何なる方法も、単に本発明を実施する一つの方法を例示することを意図した例である。これらは、網羅的であることも、本発明を開示された正確な形式に限定することも意図していない。上記の教えを考慮すれば多くの修正と変形が可能であることは明らかである。例えば、真空という用語の使用は、真空、または真空近くであることを指す。超臨界という用語の使用は、超臨界流体ばかりでなく液化されたガスまたは高密度流体をさす。更に、当業者に知られるように、大気圧で、高圧で、および/または真空で行われ得る他の適当な処理ステップが含まれ得る。またここに記載された如何なるグラフも、正しい拡大縮小率で描かれてはいない。これらの実施形態は、本発明の原理と本発明の実際の応用とを最もよく説明するために、またそれによって、考えられる特定の用途に適するように、当業者が本発明と種々の修正による種々の実施形態とを最もよく利用することを可能にするために、選択され説明されたものである。更に本方法におけるステップの順序は、必ずしも配列された順序に行われることを意図していない。本発明の範囲は前記の請求項とそれらの同等事項とによって定義されることが意図されている。