図1に、従来技術のパルス電力回路を示す。パルス電力回路は、例えば、高電圧共振電源30、コミュテータモジュール40、圧縮ヘッドモジュール60、及びレーザチャンバモジュール80を含むことができる。高電圧電源モジュール20は、10V乃至300Vの直流源23から得た3相208Vの通常のプラント電力を変換する、例えば300V整流器22を含むことができる。インバータ24は、整流器22の出力を例えば100kHz乃至200kHzの範囲の高周波数の300Vのパルスに変換する。抵抗VDR1及びVDR2を有する分圧器からなる電圧モニタ44の出力に基づいてインバータの周波数及びオン周期を高電圧電源制御盤(図示してない)によって制御し、システムの最終出力パルスエネルギの粗調整を行うことができる。
インバータ24の出力は、ステップアップ変成器26において約1,200Vまでステップアップすることができる。変成器26の出力は、例えば標準ブリッジ整流回路28及びフィルタコンデンサ32を含むことができる整流器28によって1,200Vの直流に変換される。回路20の直流出力は、インバータ24の動作を制御することができる高電圧電源制御盤(図示してない)の指令に基づいて、コミュテータモジュール40内の例えば8.1μFの充電用コンデンサC042を充電するために使用することができる。高電圧電源制御盤(図示してない)内の設定点は、レーザシステム制御盤(図示してない)によって設定することができる。この実施の形態においては、レーザシステムのパルスエネルギ制御は電源モジュール20によって行うことができる。
コミュテータモジュール40及び圧縮ヘッドモジュール60内の電気回路は、電圧を増幅し、電源モジュール20によって充電用コンデンサC042に蓄えられる電気エネルギを圧縮し、例えば700Vを充電用コンデンサC042に供給することができる。この電圧は、充電サイクル中、ソリッドステートスイッチ46によって下流の回路から絶縁することができる。
コミュテータモジュール40は、フィードバック電圧信号を高電圧電源制御盤(図示してない)へ供給するために、充電用コンデンサC042及び分圧器44を含むことができる。充電用コンデンサC042は、合計で例えば8.1μFの容量が得られるように並列接続されているコンデンサのバンク(図示してない)であることができる。制御盤(図示してない)はこのフィードバック電圧信号を使用して充電用コンデンサC042の充電をある電圧(いわゆる“制御電圧”)に制限する。この制御電圧は電気パルスに成形され、コミュテータ40及び圧縮ヘッド60において圧縮され、増幅された時に、ピーキングコンデンサCp82上に、及び電極83及び84にまたがって、所望の放電電圧を発生させることができる。
当分野においては公知のように、図1の従来技術の回路は、3ジュールまたはそれ以上の範囲の、そして毎秒2,000−4,000パルスまたはそれ以上のパルスレートで、14,000Vより高いパルスを発生させるために使用することができる。このような回路においては、直流電源モジュール20が充電用コンデンサC042を例えば700Vまで充電するのに、例えば約250マイクロ秒を必要とし得る。従って、コミュテータ制御盤(図示してない)からソリッドステートスイッチ46を閉じるための信号が供給される時点に、充電用コンデンサC042は完全に充電されており、また所望の電圧において安定であることができる。ソリッドステートスイッチ46は、電極83及び84にまたがる放電を発生させるために、充電用コンデンサC042上に蓄えられた3ジュールの電気エネルギからピーキングコンデンサCp上の例えば14,000Vまたはそれ以上の電荷への変換を非常に高速なステップで開始する。ソリッドステートスイッチ46は、例えばIGBTスイッチ、または例えばSCR、GTO、MCT、大電力MOSFET等のような他の適当な高速動作大電力ソリッドステートスイッチであることができる。ソリッドステートスイッチ46が閉じ、充電用コンデンサC042上に蓄えられた電荷が第1段コンデンサC152へ放電されてパルス圧縮の第1の状態を形成する際に、ソリッドステートスイッチ46を通る電流を一時的に制限するために、ソリッドステートスイッチ46と直列に600nHの充電用インダクタL048を使用することもできる。
パルス発生及び圧縮の第1段50においては、コンデンサC042上の電荷が約5μs以内にコンデンサ(例えば、8.5μFのコンデンサC152)上へスイッチされる。適当なインダクタ54は、それが飽和するまでコンデンサC152上の電圧を遅延させ、飽和するとコンデンサC152から流れる電流に対して本質的に0インピーダンスを呈してコンデンサC152から、例えば1:23のステップアップパルス変成器56を通して圧縮ヘッドモジュール60内のコンデンサCp-162を充電するための電荷の転送を可能にする。この電荷の転送時間は約550nsであり、圧縮の第1段を構成している。
パルス変成器56の設計は、例えば1999年8月10日付Partloらの米国特許第5,936,988号「高パルスレートパルス電力システム」に開示されているように、多くの従来特許に記載されている。このような変成器は、例えば700V、17,500A、550nsパルスを、圧縮ヘッドモジュールのコンデンサCp-162(これも、コンデンサのバンクであることができる)上に極く一時的に蓄えられる例えば16,100V、760A、550nsパルスに変換する。圧縮ヘッドモジュール60は、パルスを更に圧縮することができる。例えば約125nHの飽和したインダクタンスであることができる可飽和リアクタインダクタLp-164は、コンデンサCp-162上の電圧をほぼ550nsの間遅延させ、Cp-1上の電荷が例えば約100ns以内にピーキングコンデンサCp82上へ流れることを可能にする。ピーキングコンデンサCp82は、例えば16.5nFのコンデンサであり、レーザチャンバ(図示してない)の頂部に位置決めされている。ピーキングコンデンサCp82は、電極83及び84と電気的に並列に接続されている。例えば550ns幅のパルスから、ピーキングコンデンサCp82を充電するための例えば100ns幅のパルスへのこの変換は、圧縮の第2の、そして最後の段を構成することができる。レーザチャンバモジュール80内のレーザチャンバ(図示してない)の頂部に、そして該チャンバの一部として取付けられているピーキングコンデンサCp82上へ電荷が流れ始めてから約100nsの後に、ピーキングコンデンサCp82上の電圧は例えば約14,000Vに到達し、電極83と84との間の放電が開始される。放電は例えば約50ns間持続し、この時間中に例えばエキシマレーザの共鳴チャンバ(図示してない)内でレージングが発生する。
図1の従来技術の回路は更に、バイアス電流源I-及びバイアス電流I+によって示されているバイアス回路を含むことができる。例えばインダクタLB1及びLB2のようなバイアスインダクタを、それぞれバイアス電流源I-及びI+に、及びそれぞれ、ソリッドステートスイッチ46上のダイオード47と充電用インダクタL048との間の、及び圧縮ヘッドコンデンサCp-162と圧縮ヘッド可飽和インダクタLp-164との間の第1段圧縮回路50に接続することができる。バイアス電流源I-は、可飽和インダクタL1を事前に飽和させることができるバイアスを供給することができる。インダクタLB1は、圧縮ヘッドモジュール60の時定数に対して比較的長い時定数が得られるように、そしてそれによってバイアス電流源I+をパルス電力から絶縁するように、比較的高いインダクタンス値を有することができる。同様に、バイアス電流I+は、圧縮ヘッド可飽和インダクタLp-164を(バイアスインダクタLB36を通して接地へ戻る)、及びパルス変成器56を(変成器56の二次巻線を通して接地へ戻る)をバイアスすることができる。
電極83、84の間の放電が終了した後に、コンデンサCpは負極性電荷へ駆動され得る。それは、回路40、50、60、80とレーザチャンバモジュールの電極83、84との間のインピーダンスが整合していないこと、及び、可飽和インダクタLp-1がコンデンサCp-1からコンデンサCpへの順電流に対して既に事前に飽和されていて、電極83と84との間に例えば電極83、84を浸食するエネルギリンギングを発生させる代わりに、コンデンサCp上の逆電荷が共振的にコンデンサCp-1内へ戻されるように転送される等々によってコンデンサC0へ戻り、次のパルスのために電源20から充電される前にコンデンサC0を予備充電していることが原因である。このようにして、電子回路は、コンデンサC042が先行パルスから充電される際の過剰エネルギを回復することができ、これはエネルギの浪費を大幅に減少させ、且つレーザチャンバモジュール80内のアフターリンギングを実質的に排除する。
これは、エネルギ回復インダクタ58及びエネルギ回復ダイオード59からなることができるエネルギ回復回路57によっても促進される。充電用コンデンサC042と並列に接続されているこれら2つの要素の直列組合わせは、例えばパルス電力システムのインピーダンスがチャンバのインピーダンスと正確に一致していないことから、また、パルスの放電中にチャンバのインピーダンスが数桁も変化することから、電極83、84にまたがる主パルスから負へ進む“反射”が発生してパルス発生システム40、50、60、80のフロントエンドへ向かって戻り伝播すのを防いでいる。
過剰エネルギが圧縮ヘッド60及びコミュテータ40を通って戻り伝播した後に、コントローラ(図示してない)によってソリッドステートスイッチ46のトリガ信号が除かれてソリッドステートスイッチ46が開く。エネルギ回復回路57は、充電用コンデンサC042上に負電圧を発生させた反射の極性を、共振フリーホイーリングを通して反転させることができる。(共振フリーホイーリングは、充電用コンデンサC042及びエネルギ回復インダクタ58からなるL−C回路のリンギングの半サイクルであって、ダイオード59はインダクタ58内の電流の反転をクランプする。)正味の結果は、チャンバモジュール80からの実質的に全ての反射エネルギを各パルスから回復し、次のパルスのために直ちに使用される正電荷として充電用コンデンサC042上に蓄え得ることである。
上述した直流バイアス回路は、可飽和インダクタ及びパルス変成器に使用されている磁性材料の全B−H曲線スウィングをより完全に使用するのを援助することができる。上述したように、バイアス電流が各可飽和インダクタL048、L154、及びLp-164へ供給され、ソリッドステートスイッチ46が閉じられることによってパルスが開始される時点に各インダクタL048、L154、及びLp-164を逆飽和させる。コミュテータモジュール40の可飽和インダクタL048及びL154の場合には、これは、正常なパルス電流の流れに対して、即ちバイアス電流源120からインダクタL048及びL154を通るI-の方向に対して約15Aの逆バイアス電流を流すことによって達成する。実際の電流の流れは矢印B1で示すように、電源から、コミュテータの接地接続、パルス変成器56の一次巻線、可飽和インダクタL154、可飽和インダクタL048、及び絶縁インダクタLB1を通ってバイアス電流源120へ戻る。圧縮ヘッド可飽和インダクタの場合には、約5Aのバイアス電流B2が第2のバイアス電流源126から絶縁インダクタLB2を通して供給される。圧縮ヘッドモジュール60においては電流は分流し、一部は可飽和インダクタLp-164を通って進み、絶縁インダクタLB3から第2のバイアス電流源126へ戻る。残余の電流B2-2は、圧縮ヘッドモジュール60とコミュテータモジュール40とを接続している高電圧ケーブルからパルス変成器56の二次巻線を通って接地へ達し、またバイアス用抵抗(図示してない)を通って第2のバイアス電流源126へ戻る。この第2の電流はパルス変成器56をバイアスし、それをパルス化動作に対してリセットさせるように使用することができる。2つの各流路へ分流する電流の量は各流路内の抵抗によって決定することができ、また各流路が正確な量のバイアス電流を受け取るように調整することができる。
プラント電源23から、システム40、50、60、80を通って電極83、84へ、及び電極84を越えて接地へ達するパルスエネルギの流れを以下に“順方向の流れ”と呼び、この方向を順方向と称する。可飽和インダクタのような電気的要素が順方向に導電しているという場合には、これは該要素が飽和するようにバイアスされて“パルスエネルギ”を電極に向かう方向に、即ち順方向に導いていることを意味する。それが逆方向に導電している場合、それは逆方向に飽和するように駆動されており、その方向にバイアスされていよう。システムを通る電流の流れ(または、電子の流れ)の実際の方向は、システム内の観測点及び観測時点に依存する。
充電用コンデンサC042は(例えば)正の700Vで充電することができ、ソリッドステートスイッチ46が閉じた時に、充電用コンデンサC042から充電用インダクタL048及び第1段圧縮インダクタL1を通って第1段圧縮コンデンサC152に向かう方向に電流を流すようになる。同様に、電流はC152からパルス変成器の一次側を通って接地へ向かって流れる。従って、電流及びパルスエネルギの方向は、充電用コンデンサC042からパルス変成器56まで同一である。パルス変成器56の一次ループ及び二次ループの両方内の電流の流れは、例えば接地に向かうことができる。
ソリッドステートスイッチ46は、ペンシルバニア州ヤングウッドのPowerex, Inc.から入手できるP/N CM 1000 HA-28H IGBTスイッチであることができる。
これらの高い電圧及び電流で動作する回路、より特定的には、例えば4,000Hzまで、またはそれ以上のような極めて高いパルス繰り返しレートで動作する磁気回路要素は、大量の熱を発生することは明白である。これは多分、圧縮ヘッド磁気可飽和インダクタ/リアクタLp-1の場合に最もクリティカルであるが、パルス電力供給システム40、50、60、80内の全ての可飽和リアクタ/インダクタにも言えることである。これはまた、ステップアップパルス変成器56の動作のクリティカルファクタでもある。従来は、これらの磁気回路要素は、例えば冷板(コールドプレート)を使用して冷却していた。冷板は、板を通る1つまたはそれ以上の通路を有しており、これらの通路は、例えば1995年11月5日付Birxらの米国特許第5,448,580号「空冷及び水冷モジュレータ」に示されているように、通常、これらの通路の間の冷板の実質的な広がりによって分離されている。例えば2002年8月27日付Oliverらの米国特許第6,442,181号「極度の繰り返しレートガス放電レーザ」に示されているように、磁気回路要素のハウジングの外側に接触している冷却液(例えば、水)を含む配管コイルのような伝導性結合による冷却も提唱されている。この特許は、磁気回路要素のハウジングの外側にヒートシンク型の冷却用フィンを使用するそれ程効果的ではない方法をも示している。勿論、明白な理由から、例えば変圧器油、または例えばCastrol製Brayco Micronic 889、または多数の公知のフルオリナート(Fluorinert)化合物の何れかのような他の適当な誘電性冷却流体のような誘電体でなければならない液体をもハウジング内に導入し、導体及びコア磁気片と接触させなければならない。このような液体絶縁体は、時間が経過するに従って固体粒子、または水、または他の汚染物によって降伏(ブレークダウン)する傾向があるために、部分的に受入れ難いことが分かっている。1991年1月8日付Nakajimaらの米国特許第4,983,859号「高電圧パルス発生装置のための磁気デバイス」はこのような流体を使用し、それをハウジングの内側を通して循環させることをも提唱している。このようなシステムは、特に、高度のクリーンルームが要求される設備、即ち半導体製造設備に使用することはできない。それは、これらが冷却油をポンプし、循環させる必要があるからである。他の従来技術は、ハウジング内に静的にシールされているこのような流体の使用を含む。これは、例えば流体の対流によってハウジング内に循環作用がもたらされ、この循環作用が熱エネルギを導体及び磁気片からハウジングへ運び去るのを少なくとも援助し、上述した引例に記載されているようにして熱エネルギの主要な量を更に熱交換させるようになっている。
電圧及びパルス繰り返しレートをより高め、パルスバースト間の時間を短縮する、即ちデューティサイクルをより高くしようとすると、これらの磁気回路要素において解放される熱エネルギが、調停を益々困難にする。これは、パルス発生機器内に使用されている磁気回路要素のクリティカルな磁気特性の故に、以前にも増して温度を厳密に制御しない限り、適切に動作させることに少なくとも失敗はしないにしても、温度関連ドリフトを極めて受け易いので、パルス間に変動が殆どない1ns程度またはそれ以下のパルス持続時間の極めて狭い、極めて高いパルス繰り返しレートの、極めて高いパルスを必要とする例えばUV、及びEUV、及びより短い光波長のレーザ光源のようなマシンにおいてよりクリティカルである。上述した従来技術の方法及び装置、及びそれらの等価物は、過去の要求に対してはサービスしてきたが、直ちにではないにしても、急速に不十分なものになりつつある。従って、導体、磁気コア片等が発生する熱エネルギを除去するための改善された方法及び装置の磁気回路要素の分野においては、例えばクリーンルーム環境には潜在的に不利である油のような循環流体を使用することなく、冷却中の部品間の電気絶縁を維持する要望が存在している。
パルスステップアップ変成器の物理的構造についても、例えば2000年11月21日付Partloらの米国特許第6,151,346号「高速立ち上がり時間及び低電流を有する高パルスレートパルス電力システム」、及び1999年8月17日付Partloらの米国特許第5,940,421号「パルス化ガス放電レーザのための電流反転防止回路」を含む多くの先行特許に記載されている。
上述したような高電圧応用においては、個々の部品間に電位差をつけて印加される電圧に耐えさせるために、2つの導電性金属部品の間に電気絶縁体を用いる必要がある。多くの場合、空気は絶縁体ではあるが、空気だけでは十分ではない。更に、多くの場合、1つより多くの軸内に存在しているために、これらの金属部品間の絶縁が必要であり得る。上述したような公知の回路内に使用されている公知のインダクタにおいては、金属要素を絶縁するためにカプトン(Kapton:ポリイミド)のような絶縁体が使用されてきた。このような場合、例えば前記米国特許第5,936,988号の図8Bに示されているインダクタハウジングではカプトンのような絶縁体のシートを使用し、そのシートを同図に示されているハウジングの内壁と同図に示されている磁気コア301及び302との間に挿入し、インダクタハウジングの内壁に概ね接する円筒を形成させている。また、公知のインダクタにおいては、このシートはハウジング(同図には示されていない)の内部に形成されている別の内部円筒形壁に隣接する円筒を形成することができる。このような材料のシートは適切な形状及びサイズに切断し、ハウジング内に挿入して例えばハウジングの床をカバーし、ハウジングの床をハウジング内の近傍の電気的に付勢される金属要素から分離することもできる。これらの配列が、カバー内にギャップを生じさせてアーキングその他の望ましくない効果(例えば、絶縁体シートとハウジングとの間に気泡が形成されて誘電率の不一致状態を生じさせ、電界を集中させて電気的降伏をももたらし得る)をもたらす不適切なフィット及び/または変形の存在の傾向を含む多くの理由から、不満足であることが分かっている。
代替として、常にそうであるとは限らないが、形状及びフィットが許容する場合には、例えば絶縁材料を、開放端を有するトロイダル形状の片に加工し、同じような形状のトロイダル要素をその開口の中に配置することができる。しかしながら、加工の際に除かれる例えばマイラーまたはカプトンのような絶縁材料は単純に破棄されるから、これは極めて高価になり得る。更に、絶縁材料の別のシートを使用して開放トロイダル絶縁構造の頂部開口を閉じようとする場合には、ギャップ及び付随問題がもたらされる。
図2に、本発明の一実施の形態による磁気誘導リアクタハウジング200を斜視図で示す。ハウジング200の形状はほぼ円筒形であり、底部分202、中央部分204、及び上側部分206を有することができる。図4に示すように、棚218は環状のシール溝232を有することができ、この溝の中に、例えば“ビトン(viton)”製のOリングのような環状のシール用リング(図示してない)を挿入することができる。ハウジングカバー230は、カバー230上の環状フランジ(図示してない)と係合し且つ上側部分206の一部を形成している棚218内に形成されているねじ孔内にねじをねじ込むことによって側壁210に取付けられる環状の保持リング(図示してない)によって、側壁210に取付けることができる。ハウジング200は更に、中心円柱212を有することができる。中心円柱212は、例えば溶接または真空ろう付け(当分野において公知の真空ろう付けの技術の何れかを使用する)によってハウジング200の底板216に取付けることができる。代替として、底部分202全部を、底板216及び中心円柱212と共に、1つの材料片から加工することができる。中心円柱212は、複数のねじ(図示してない)によってハウジングカバー230をハウジング200に取付けるためのねじ孔214を有することができる。これらのねじは、ハウジングカバー230と中心円柱212との間の電気的接続を行うのにも役立たせることができる。図3に示すように、ハウジング200は、ハウジング200のシーリングの一部を形成している頂板208を有することができる。
図4に、ハウジング200の側壁210をより詳細に示す。図4は、側壁210の内面211を左側に示している。ハウジング200の側壁210の底部分202は、真空ろう付け接続224によって中央部分244に取付けることができる。中央部分204も、真空ろう付け接続222によって上側部分206に接続することができる。図4の断面図から明かなように、ハウジング側壁210の中央部分204には、その中に複数のほぼ垂直の冷却材通路240が形成されている。各冷却材流路240は、ハウジング壁冷却材上側プレナム242及びハウジング壁冷却剤下側プレナム244と流体的に通じさせることができる。
図5は、ハウジング200の上側部分206を示すハウジング200の上面図であり、明瞭化のために側壁210は図示してない。図5は、ハウジング側壁の中央部分204内の各冷却材通路が、図5にそれぞれ破線で示されているハウジング冷却材上側プレナム242(中央部分204の頂リム内に加工されている溝によって形成することができる)、またはハウジング冷却材下側プレナム244(ハウジング中央部分の底リム内に加工されている溝によって形成することができる)の何れかを通して各近傍冷却材通路240と流体的に通じている。このように接続されていない2つだけの冷却材通路240は、それぞれ冷却材入口管246及び冷却材出口管248に接続されている。冷却材入口管246及び冷却材出口管248に接続されているこれら2つの冷却材通路は、中空の、真空にされた孔245によって分離されている。以下に詳述するように、ハウジング内に収容されている磁気リアクティブインダクタ回路要素の動作によってハウジング200内に発生する熱に起因してハウジング側壁210、底板216、及び頂板208、及び/またはカバー230に進入する熱を除去するために、例えば水のような冷却材を、ハウジング熱除去システムとして使用できることは理解されよう。
冷却材は、入口管246を通して図5に示すように入口管246と流体的に通じている冷却材通路240内へ導入することができ、その後に冷却材は冷却材通路を通って下方へ流れて図5に破線で示すハウジング壁冷却材下側プレナムへ達する。この下側冷却材プレナムにおいて冷却材通路240は、次に続く冷却材通路240と流体的に通ずるように配置されており、冷却材は後者の冷却材通路240を通ってハウジング壁冷却材上側プレナムへ戻る。ハウジング壁上側冷却材プレナムは、この次の冷却材通路240を更に次に続く冷却材通路240と流体的に通じさせる等々と、冷却材が冷却材出口管248と流体的に通じている冷却材通路240を通過するまで続く。冷却材出口管248において、冷却材を、例えば適当な熱交換器のような適当な熱除去ユニット(図示してない)へ戻すことができる。
冷却材通路240、及びハウジング壁冷却材上側プレナム242、及びハウジング壁冷却材下側プレナム244は、後述するように下側部分202及び上側部分206を中央部分に取付ける前に、ハウジング側壁210の中央部分204内に加工することができることも理解されよう。
図6は図8の6−6矢視部分切除断面図であり、本発明の一実施の形態による磁気コアバスケットアセンブリ150を示している。磁気コアバスケットアセンブリ150は、例えばマンドレル250を含むことができる。マンドレル25は、ほぼ円筒形のマンドレル下側部分252、ほぼ円筒形のマンドレル中央部分254を含むことができる。マンドレル中央部分254は、一体形成されたマンドレルフランジ底部分256を含むことができる(本明細書に使用している頂及び底という方向は、図示の向きを表すのに便宜上使用しているに過ぎないことを理解されたい)。マンドレル250は更に、マンドレルフランジ頂部分258を含むことができる。マンドレル下側部分252、中央部分254、マンドレル底部分256、及び頂部分258は、ほぼ円筒形の中央開口260を限定している。マンドレル下側部分は、例えば真空ろう付けによってマンドレル中央部分254に取付けることができ、またマンドレルフランジ底部分256は、同様に例えば真空ろう付けによってマンドレルフランジ頂部分258に取付けることができる。
例えば真空ろう付けによって、複数の(例えば、6つの)スタンドオフ280がマンドレルフランジ頂部分258に取付けられている。これらのスタンドオフ280の中の2つ(図6にそれらが示されており、また図6には1つが断面で示されている)は、図6に断面で示してあるスタンドオフの内部の入口/出口プレナム284と通じているマンドレル入口管282及びマンドレル出口管283を通して冷却材システム(図示してない)に接続することができる。これもまた図6に示されているように、マンドレル入口または出口プレナム284は4つの入口/出口プレナム指276のセットと流体的に通じさせることができる。これらの入口/出口プレナム指276は、マンドレルフランジ底部分256の上面に溝を加工することによって、そしてその後に、上述したようにマンドレルフランジ頂部分258をマンドレルフランジ底部分256に取付けることによって、マンドレルフランジ底部分256内に形成することができる。入口/出口指276を形成している溝に整合する溝は、マンドレルフランジ頂部分258の下側に形成させることもできることは理解されよう。しかしながら、図示の実施の形態においては、マンドレルフランジの底部分256だけがそれぞれの溝を有するように示されている。マンドレル下側部分252及びマンドレル中央部分254も、内側側壁262及び外側側壁264を有するほぼ円筒形のマンドレル壁を形成している。図6に断面で示してあるように、マンドレル中央部分254は、マンドレル中央部分254内をほぼ垂直に伸びる複数のマンドレル冷却材通路270を含むことができる。各マンドレル冷却材通路270は、図7に示すように、マンドレル中央部分上側冷却材混合プレナム272及びマンドレル中央部分冷却材混合プレナム274の両方と流体的に通じている。但し、2つの指276と流体的に通じている2つのマンドレル冷却材通路270が、マンドレル冷却材入口管282及びマンドレル冷却材出口管283とそれぞれ流体的に通じているマンドレル冷却材入口プレナム284から伸びていることを除く。
図7は、マンドレル中央部分254内に形成され、マンドレル中央部分256を180°取り巻いて伸びる冷却材通路270の概要図である。これらの通路270は、入口管282から出口管283まで2つのほぼ平行な流路を形成しており、マンドレル冷却材上側混合プレナム272とマンドレル冷却材下側混合プレナム274とを混合する。冷却材は、図7の右側に示されているスタンドオフ280の内部プレナム284を通して、入口管282と流体的に通じている指276内へ進入し、指276と流体的に通じている2つのマンドレル冷却材通路270のそれぞれに分流する。これらの2つの冷却材通路270自体は、複数のマンドレル中央部分冷却材下側混合プレナム274の1つと流体的に通じている。複数のマンドレル中央部分冷却材下側混合プレナム274において冷却材は混合され、別の2つの冷却材通路270内を分流してマンドレル中央部分冷却材上側混合プレナム272の1つに達する等々、冷却材が複数のマンドレル中央部分冷却材下側混合プレナム274の1つに到達するまで続けられる。図7の左側に示されているように、マンドレル中央部分冷却材下側混合プレナム274は1対の冷却材通路270と流体的に通じており、これらの冷却剤通路対はスタンドオフ出口プレナム284と流体的に通じ、そしてスタンドオフ出口プレナム284はスタンドオフ出口管283と流体的に通じている。
図8に上面図で示すように、指276、冷却材通路270、冷却材上側混合プレナム272、及び冷却材下側混合プレナム274と同一のシステムが、入口管282から出口管283まで、マンドレル中央部分254の他方を180°取り巻いて冷却材を輸送できることが理解されよう。
マンドレル250の部分切除上面図である図8を、図7と共に参照する。図8は、マンドレル中央部分のフランジ底部分256内に蛇行フランジ冷却通路330が形成されている様子を示す。蛇行フランジ冷却通路332は、マンドレルフランジ256、258の内側半径のほぼ近くからマンドレルフランジ256、258の外側半径のほぼ近くまで、ほぼ対称的なループを形成することによってその内側直径からその外側直径までフランジの冷却を平衡させるのに役立つ。このパターンは、指276(冷却材をフランジ256、258の内側半径に向かって運ぶのに役立っている)付近だけは変化している。ハウジング中央部分204、冷却材通路270、及びプレナム272、274は、指276を形成している溝及び蛇行フランジ冷却チャンネル330と共に、マンドレル下側部分252及びフランジ頂部分258をそれぞれマンドレル中央部分254及びフランジ底部分256に真空ろう付け等によって取付ける前に加工できることも理解されよう。
磁気コアバスケットアセンブリ150は、マンドレル下側部分のほぼ円形の底板300に取付けることもできる。底板300自体は、例えば底板300を通ってマンドレル下側部分252のねじ孔303内にねじ込まれるねじ(図示してない)によって、マンドレル下側部分252に取付けることができる。フランジ256、258の周縁に離間している複数のスタンドオフ302及び底板300を含み、且つねじ孔308及び306を通してそれぞれフランジ256、258及び底板300に取付けられている磁気コアバスケットアセンブリ150は、1つまたはそれ以上の磁気コア(図示してない)を閉じ込めるのに役立つ。磁気コアは、例えば磁性材料の1つまたはそれ以上のトロイダル片によって形成することができる。これらは、例えば、金属のトロイダル片によって形成することができる。この金属のトロイダル片は、例えばアルミニウムであって、その上に例えばニッケル、または鉄、またはニッケル・鉄合金製の磁気テープをスプール状に巻き付け、それによって、アルミニウムがマンドレルの底部分252、または中央部分254、または少なくとも1つの場合には両方と電気的に接触させてマンドレル250上にフィットするコアを形成させることができる。若干の場合には、例えば製造公差にを斟酌して、マンドレル底部分252及び/または中央部分254との間に良好な電気的接触を得るために、例えばシートのテープの形状の、例えば銅のような適当な導電性材料のシムを、アルミニウムトロイド(図示してない)とマンドレル250との間に挿入することができる。磁気コア(図示してない)は、例えばマンドレル底部分252及び中央部分254内に挿入し、底板300によって所定の位置に保持することができる。バスケットアセンブリ150は頂板304を有することもでき、頂板304は、例えばスタンドオフ280が通る孔を用いてフィットさせることができる。頂板304は、例えば、ねじ孔214内にねじ込まれるねじ(図示してない)によって、中心円柱212に取付けることもできる。
フランジ256、258、及びスタンドオフ280を含むマンドレル250は、ニッケルめっきされた銅で製造することができ、また頂及び底板もニッケルめっきされた銅で製造することができる。スタンドオフ302は、例えばアルミニウムで製造することができる。底板300及びスタンドオフ280が通る孔の中を含む頂板304は、適当な誘電材料でコーティングすることができ、これらの孔には、例えばパリレンのコーティングを噴霧することができる。ハウジングの内壁及び側壁の突起234上を伸びてシール用溝218へ下る部分も、絶縁の目的のためにパリレンでコーティングすることができる。動作中、磁気誘導リアクタを図1の回路に接続し、カバー230を例えば圧縮ヘッドモジュール60内の例えばコンデンサCp-1と電気的に接触させることができる。従って、電流は、カバー230を通ってカバー230と電気的に接触しているスタンドオフ280に達し、マンドレル中央部分254及び底部分252を通って底板に進み、孔303内のねじを通り、孔306内のねじによって底板300に電気的に接続されているスタンドオフ302へ上昇し、次いで孔308内のねじを通して頂板へ達し、次いで孔214内のねじを通って中心円柱に進み、回路内の電気的に接続されているハウジングの底から例えば次段のコンデンサCpへ流れる。従って、ハウジング200及び磁気コアバスケットアセンブリ150内に収容されている磁気コア(図示してない)は、例えば2巻回の誘導性要素Lp-1を形成することができる。
図9に示す本発明の別の実施の形態は、例えば図1の変成器56のような変成器の巻線要素で実現することができる。巻線要素350は、囲い板の形状であることができる。囲い板は、右囲い板壁352及び左囲い板壁354を含み、これらの壁はマンドレル358と共に右壁352と左壁354との間を伸びるマンドレル358を形成し、各壁はマンドレル358のフランジを形成している。マンドレルは、変成器56の二次巻線を通すための中心開口356を有している。変成器巻線要素350への本発明の適用例として、右壁352はその中に、冷却材入口プレナム371を通して冷却材垂直通路376へ達する冷却用入口通路372(右壁352の部分的に切除した部分内に示す)を形成することができる。図9から明白なように、同じようにしてマンドレル358内に冷却材通路376を形成させることができる。この通路376は、ハウジング中央部分204内の上側プレナム242及び下側プレナム244のマンドレル内の冷却材右側プレナム374及び冷却材左側プレナム375によって相互接続される。
本発明は、ハウジング200を形成している隣接要素、例えば内側壁211、ハウジングの底216の内側、及びカバー230の内側、並びにハウジング内の要素、中心円柱212、チャンネル260の内壁262、及びマンドレル250のフランジ部分256、258の表面上に、絶縁材料のコーティングを使用する。電気絶縁性のコーティングの使用は、極めて高いカバレッジで、即ち電気絶縁の面から見て本質的に完璧なカバレッジで、当該金属表面に直接適用することができる。コーティングのための電気絶縁材料は、少なくともマイラーまたはカプトンのような極めて良好な絶縁特性を有するが、同時に比較的高い熱伝導特性をも有する材料(殆どの電気絶縁体は、熱絶縁体でもある)から選択される。これは、高パルスレートで、従って高い平均電力で動作する磁気インダクタのような回路要素の熱予算の管理を改善する。
この材料は、例えば約10−500μmの範囲の極めて選択可能な厚みを有する薄いフィルムを堆積させるために使用することができるプラズマコーティング、溶射または熱噴霧コーティング、化学または物理蒸着等のような多くの公知堆積技術の何れかによって堆積させることができる。材料は、パリレン、サファイア、窒化アルミニウム、または酸窒化アルミニウムを含む酸化アルミニウムまたは他の類似セラミック材料、ダイヤモンドまたはダイヤモンド状炭素(“DLC”)コーティング、ダイヤモンド結合を有する炭素のアモルファス形のような電気絶縁性ではあるが熱伝導性の材料のグループから選択することができる。アルファアルミナ(アモルファスアルミナ)、イットリア安定化ジルコニア、McrAlY等のコーティングのようなこれらの材料の若干のための堆積プロセスは、堆積が行われる基体に分子結合され、ピンホールもボイドも存在しないが必要な電気抵抗及び熱伝導性を呈する極めて薄いフィルムを形成するものであることができる。これらのコーティングは、例えばオハイオ州コロンバスのApplied Coatings, Inc.から入手可能である。
DLCコーティングの例として、例えばペンシルバニア州アレンタウンのDiamonex社のDiamonexは、106−1012Ω/cmの固有抵抗と、本質的にガラスまたは金属と類似の熱伝導率とを有する0.001乃至10μmの範囲内で入手することができる。本発明の実施の形態に使用可能なパリレンも公知であり、実質的に如何なる形状にも順応するポリマーコーティングからなり、例えば真空堆積プロセスによって分子レベルで付着させることもできる。始めに、例えばパリレン蒸気のようなジ・パラ・キシレンの蒸気を先ず熱分解し、次いで堆積チャンバ内において真空の下で堆積させてポリマーコーティングを形成させる。パリレンも、約1016の範囲内の高い固有抵抗を有し、合理的な熱伝導体である。カリフォルニア州ランチョ・クカモンガのAdvanced Coating製のパリレンC、パリレンD、及びパリレンNのような他の公知のパリレン二量体も使用することができる。
例えば頂板298と磁気コアバスケット150の底板300とを接続しているスタンドオフ302のようなハウジング200内に収容されているリアクタのアルミニウムバスワーク、またはハウジング200の外部の他の類似スタンドオフ(図示してない)は、特に別の金属導体との界面(例えば、ねじ孔304、306)において導電率の劣化を受け得る。これは、このようなバスワークのために現在使用されている無被覆アルミニウムが原因であることが分かった。即ち、このバスワーク要素が存在している環境に部分的に起因して、及び/またはこの界面を通過する電流に部分的に起因して、界面に不要なコーティング、例えば絶縁体である酸化アルミニウムが形成されることが分かった。若干の場合には、絶縁コーティングが界面においてアーキング及び/または炭化をもたらし、最終的には例えばアーキングがより強くなる等によってアセンブリに障害をもたらす恐れがある。
この問題に対する解決方法として、バスワークの露出された表面上に、例えばSheffield Plates製のMIL-C5541仕様のChem Filmのような、クロム酸転換コーティングのようなコーティングを配置することが提唱されている。これは、バスワークの表面を導電性にし、腐食を阻止するのを援助することができる。しかしながら、例えばChem Filmのようなコーティングは、十分な厚みに付着させることが困難であり、極めて脆く、そして引掻き及び摩耗に起因する毀損を受け易い。このため、意図した目的のためには、このようなコーティングは効果的ではない。
出願者らは、例えば非電着性ニッケルコーティングのような非電着性金属コーティングを使用すると、Chem Filmの低電気抵抗及び良好な耐食性という利点を、Chem Film等のコーティングの使用に有害な影響を与えることなく達成できることを見出した。制御が公知であるめっきプロセスによって付着させた非電着性ニッケルのような材料を用いてコーティングをより正確に制御することによって、引掻きまたは摩耗による劣化に耐える極めて頑丈なコーティングの形成と同時に、表面抵抗のような抵抗を極めて効果的に制御して高パルス電力回路バスワークの有効性及び信頼性を大幅に改善することができる。
上述した本発明の実施の形態は単に説明を目的とするに過ぎず、これらの実施の形態が本発明を限定するものではない。当業者ならば、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、上述した実施の形態の多くの変更及び変化が理解されよう。例えば、冷却材通路は、上述した実施の形態のようにハウジングまたはマンドレルの中心軸に対応する軸方向に形成する必要はなく、例えばハウジングまたはマンドレルの中心部分を形成している複数の部分を使用することによって、ハウジングまたはマンドレルの中心部分の周縁を伸びる通路を加工することも、または図1に示すような垂直以外の、垂直に対してある角度をなすことも、または他の類似変更を行うこともできる。また上述した実施の形態は、例えば単なるねじ止めまたはボルト止めとOリングとの併用等によって適当にシーリングしたろう付け以外の異なるアセンブリ技術の使用のような、若干の構造面の変更もあり得る。従って、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解されたい。