JP2007521996A - 容器内面のコーティング方法、および、内部コーティングを含む容器 - Google Patents

容器内面のコーティング方法、および、内部コーティングを含む容器 Download PDF

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Abstract

本発明は、(A)ポリエステル、ここで、該ポリエステルは、少なくとも(i)少なくとも2つのカルボキシル基を含む多塩基酸、および、(ii)少なくとも2つのヒドロキシル基を含む多価アルコールの反応生成物である、および、(B)少なくとも(i)(メタ)アクリル酸エステル、および、(ii)エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、の反応生成物を含む水性分散液を提供する。また、本水性分散液を含むコーティング組成物、本水性分散液を形成する方法、および、本コーティング組成物から誘導された内部ライナーを有する金属容器(この金属容器中に飲料または湿気のある食材が内部ライナーと接触して入れられる)も説明される。

Description

発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本願は、2004年2月12日付けで出願された出願番号60/544,385の35U.S.C.§119(e)による優先権の利益を主張し、出願番号60/544,385の全体の内容を参照により含める。
背景
金属製の包装容器(例えば食品または飲料缶)の内面をコーティングするために、多種多様のコーティングが用いられてきた。例えば、数種の食品または飲料缶は、内面を有する胴体部、加えて、内面を有する第一の端部で形成される。胴体部と第一の端部はいずれも、板金から予備形成され、その後、互いに接着し、開口端を有する胴体部と第一の端部とからなる食品または飲料缶を形成する。この食品または飲料缶において、コーティング組成物は、開口端を通過して胴体部と第一の端部の内面に塗布され、その後、この塗布されたコーティング組成物は硬化される。
第二の端部を板金から予備形成し、上記コーティング組成物でコーティングし、その後硬化して食品または飲料缶に接着し、食品および飲料缶の開口端を閉じる。いくつかの食品または飲料缶において、第二の端部で用いられる金属の量を減らすために、胴体部において断面領域が全体的に一定であっても、第二の端部が第一の端部より小さい場合がある。より小さい第二の端部を適合させるために、胴体部にコーティング組成物を塗布し硬化させた後、第二の端部を受け入れるのに十分なサイズに胴体部を機械的にくびれさせてサイズダウンしてもよい。これらの機械的にくびれさせる操作(例えば回転でくびれさせること、または、金型でくびれさせること)は、金属と金属に接着した硬化コーティングに、顕著な応力を付与する延伸操作を伴う。第二の端部を食品または飲料缶の胴体部に接着させる際に、さらなる応力が付与される。
その他の形態において、食品または飲料缶は、「コイルコーティング」操作に基づいていてもよく、この場合、コーティング組成物は、スチールまたはアルミニウムのような適切な基板の平面シートに塗布され、続いて硬化される。次に、このコーティングされた基板は、機械的に、コーティングされた缶の端、および、コーティングされた缶胴体に形成される。このようにコーティングされた基板を缶の端と胴体に機械的に変形させることによって、コーティングされた基板の少なくとも一部分に顕著な応力が付与される。コーティングされた端部をコーティングされた缶胴体に接着させて食品または飲料缶を形成する際に、さらなる応力が付与される。
食品または飲料容器内面に用いられた、または、食品または飲料容器の部品の表面(最終的には食品または飲料容器内面になると予想される)に塗布されたコーティング組成物は、通常、食品または飲料容器中に包装されて保存される食品または飲料のいずれかと接触するため、このようなコーティング組成物には厳しい必要条件が課せられる。第一に、このようなコーティング組成物およびコーティング組成物の成分は、食品または飲料容器中に包装されて保存される食品または飲料に有害な影響を与えるべきではない。第二に、食品または飲料容器中に包装されて保存される食品または飲料は、コーティング組成物、または、コーティング組成物のあらゆる成分のいずれかに有害な影響を与えるべきではない。
このようなコーティング組成物は、少なくとも2つの方法で、包装された食品または飲料に有害な影響を与える可能性がある。例えば、コーティング組成物の成分が食品または飲料に移り、食品または飲料の風味または味を望ましくなく改変する可能性がある。その他の例として、健康に影響があると認識されているコーティング組成物の成分が、食品または飲料に移る可能性もある。例えば、現在の包装用コーティングの多くは、遊離型または結合型ビスフェノールA(「BPA」)、芳香族グリシジルエーテル化合物、または、PVC化合物を含む。これまで得られた科学的な証拠を比較考量すると、現存のコーティングから放出され得るこれらの化合物は、ごくわずかならば人間にとって全く危険ではないことが示されるが、それにもかかわらず、これらの化合物は、ある人々にとっては、人間の健康にとって有害なである可能性があると認識されている。その結果として、食品と接触するコーティングからこれらの化合物を除去したいという強い要望がある。
このような望ましくない風味または味への影響を有する成分に関する問題を回避し、さらに、このように認識された健康への影響を有する成分に関する問題を回避するために、コーティング組成物からこのような成分を除去する、またはその他の方法で、このような成分が食品または飲料へ移行することを予防することが極めて望ましい。これらの問題の解決法は、コーティング組成物の組成に確実に影響を与える可能性があるため、コーティング組成物のその他の望ましい特性にマイナスの影響を与える可能性があり、コーティング組成物の全ての望ましい特性と調和できる相互的な解決法の入念な発想がない。
包装された食品または飲料は、少なくとも1つの重大な方法で、コーティング組成物に有害な影響を与える可能性がある。例えば、酸性食品または飲料は、コーティング組成物のコーティングを劣化させ、コーティングにブリスターを発生させたり、または、食品または飲料缶の内面から離層させたりする可能性がある。そのため、食品または飲料缶の寿命が短くなる可能性があり、さらに、分解したコーティング材料で食品または飲料が汚染されやすくなる。その上、数種の食品または飲料は、食品または飲料容器中に包装した後に、レトルト処理によって高温および高圧で処理されている。このようなレトルト処理は、コーティング組成物に有害な影響を与える可能性がある。例えば、このようなレトルト化は、コーティングにブリスターを発生させたり、または、食品または飲料缶の内面から離層させたりする可能性がある。
食品または飲料、または、包装された食品または飲料の、食品または飲料容器内面上のコーティングを劣化させる加工条件に関する問題を回避するために、コーティング組成物の配合、および/または、コーティング組成物に関する塗布技術がこのようなコーティング組成物の分解を予防すると予想される。これらの問題の解決法は、コーティング組成物の組成に確実に影響を与える可能性があり、そのため、コーティング組成物のその他の望ましい特性にマイナスの影響を与える可能性があり、コーティング組成物の全ての望ましい特性と調和できる相互的な解決法の入念な発想がない。
包装用コーティングは、基板に高速塗布でき、それと同時に、硬化後に要求される最終用途に適した性能の特性を提供することが望ましいと予想される。コーティング組成物の食品または飲料容器内面への塗布は、典型的には、コーティング組成物のスプレー塗布を必要とする。スプレー塗布技術がうまくいくようにコーティング組成物の特性を組み合わせることが必要とされる。例えば、スプレー器具の不加工時間が最小の一定して効率的なスプレー操作には、粘度、固体含量、コーティング組成物中での固体均一性、および、これら変数の相互作用が重要である。その上、食品または飲料缶の内面全てにおいてコーティング組成物で一定して均一なコーティングを塗布するには、粘度、表面張力、固体含量、コーティング組成物中での固体の均一性、および、これらの変数の相互作用が重要である。
食品または飲料容器内に存在する全ての内面に一定して均一なコーティング組成物を塗布することと共に、効率的なスプレー操作を確実にするためには、コーティング組成物の配合および/またはそれらの塗布技術が、このような効率的なスプレー操作と有利な塗布特性を支援するのに十分であるべきである。これらのコーティング組成物の組成に確実に影響を与える可能性がある問題を適応させることにより、コーティング組成物のその他の望ましい特性にマイナスの影響を与える可能性があり、コーティング組成物の全ての望ましい特性と調和できる相互的な解決法の入念な発想がない。
最終的に、コーティング組成物のコーティングは、機械的応力(例えば延伸や、その他の力)で処理される場合が確実にあり、それによって、コーティングの引裂き、または、食品または飲料容器からのコーティングの分離が促進される可能性がある。このような機械的応力は、上述のくびれさせる操作(食品または飲料容器の胴体部は、胴体部の大部分の領域よりも断面が小さい領域を有する端部を受け入れるのに十分なサイズに、機械的にくびれさせてサイズダウンする操作)の結果として生じる場合がある。また、このような機械的応力は、コーティング組成物で予備コーティングした食品または飲料容器の部品を形成する際に生じる場合もあるし、さらに、食品または飲料容器を形成する、または、完成させる過程で、このような部品が互いに接着する際に生じる場合もある。
完成した食品または飲料缶においてコーティング組成物の構造的に適切なコーティングを確実にするために、コーティングは、コーティングされた食品または飲料缶の部品または部分の形成、加工および組み立ての際の引裂き、割れ、離層および/または分離に耐えられるように十分に軟質で、伸張性があり、延性で、かつ粘着性であるべきである。これらの問題の解決法は、コーティング組成物の組成に確実に影響を与える可能性があり、そのため、コーティング組成物のその他の望ましい特性にマイナスの影響を与える可能性があり、コーティング組成物の全ての望ましい特性と調和できる相互的な解決法の入念な発想がない。
前述のことから、当然のことながら、当業界において、食品または飲料缶の全ての内面または缶の組み立てが完了したときに内面になると予想される缶部品の全ての表面への、コーティング組成物の均一で完全なコーティングの効率的なスプレー塗布に特に適したコーティング組成物が必要である。さらに、食品または飲料缶の内面に含まれる完成したコーティングは、抽出できるほどの量の望ましくない化合物を含むべきではなく、さらに、缶に含まれる食品または飲料による分解、または、包装された食品または飲料の加工条件への耐性を有するべきである。最終的に、完成したコーティングは、コーティングされた食品または飲料缶の部品または部分の形成、加工および組み立ての際の引裂き、割れ、離層および分離に耐えられるように十分に軟質で、伸張性があり、延性で、かつ粘着性であるべきである。このようなコーティングされた包装容器、コーティング組成物、完成したコーティング、および、コーティングされた包装容器の製造方法を開示し、さらに本明細書で説明する。
要約
一実施形態において、本発明は、(1)内面と外面とを有する金属容器、および、(2)その容器内面の少なくとも一部の上にコーティングを含む物品に関する。上記コーティングは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含み、ここで、該ポリエステルアクリラートは、(A)ポリエステルと(B)第二の成分群との反応生成物であり、ここで、(A)ポリエステルは、(i)少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸、および、(ii)少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコール、を含む第一の成分群の反応生成物であり、ここで、(B)第二の成分群は、(i)(メタ)アクリル酸エステル、(ii)エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、および、(iii)場合により、ビニル化合物、を含む。
その他の実施形態において、本発明は、(1)内面と外面とを有する金属容器、および、(2)容器内面の少なくとも一部にコーティングを含む物品に関する。この実施形態において、該コーティングは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含み、ここで、該コーティングは、遊離型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物を実質的に含まない。
さらなる実施形態において、本発明は、(1)内面と外面とを有する金属容器、ここで、該内面によって金属容器内の空間の範囲が決められる;(2)容器内面に接着して被覆するライナー、ここで、該ライナーは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含むコーティング組成物から誘導される;および、(3)空間内に含まれて該ライナーと接触している飲料または湿気のある食材、を含む物品に関する。
その他の実施形態において、本発明は、金属容器の内部の部分を、ポリエステルアクリラートの水性分散液を含むコーティング組成物でコーティングする様々な方法に関する。
図面の簡単な説明
図1は、本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートの水性分散液中に存在する粒子の、粒子の体積パーセントに対する粒径のグラフである。
図2は、本発明のコーティング組成物でコーティングされたブリキ缶の、硬化コーティングの重量に対するエナメル評価のグラフである。
定義
が本明細書において、本発明の組成物が、特定の遊離型の化合物を「実質的に含まない」と述べられている場合、この用語「実質的に含まない」の使用は、述べられた組成物は、述べられた組成物100万重量部(ppm)あたり、列挙された遊離型の化合物を1000重量部未満で含むことを意味する。本明細書において、本発明の組成物が、特定の遊離型の化合物を「本質的に含まない」と述べられている場合、この用語「本質的にを含まない」使用は、述べられた組成物は、述べられた組成物100万重量部(ppm)あたり、列挙された遊離型の化合物を100重量部未満で含むことを意味する。本明細書において、本発明の組成物が、特定の遊離型の化合物を「本質的に全く含まない」と述べられている場合、この用語「本質的に全く含まない」の使用は、述べられた組成物は、述べられた組成物100万重量部あたり、列挙された遊離型の化合物を5重量部未満で含むことを意味する。本明細書において、本発明の組成物は、特定の遊離型の化合物を「全く含まない」と述べられている場合、この用語「全く含まない」の使用は、述べられた組成物は、述べられた組成物の十億重量部あたり、列挙された遊離型の化合物を20重量部未満で含むことを意味する。
本明細書において、硬化コーティング中に存在する特定の化合物が「遊離型」であると述べられている場合、この用語「遊離型」の使用は、硬化コーティング(典型的には、基板表面への〜1mg/cmの塗布)を、エタノールの10重量パーセント水溶液に121℃で2時間晒し、続いて、エタノール水溶液中で硬化コーティングを49℃で10日間晒した場合に、この硬化コーティングから上記化合物を抽出することができることを意味する。
上述の成句(実質的にを含まない、本質的にを含まない、本質的に全く含まない、全く含まない)が、本発明の特定の組成物に関して、用語「遊離型」以外の特定の化合物に用いられる場合(例えば、「XYZ化合物を実質的に含まない」)、その特定の組成物は、示された化合物を上述の量(それぞれ上述の成句に関連する量)未満で含む(上記化合物が硬化コーティングの成分に結合しているかどうかに関わらず)。
本明細書で用いられる重合体の「酸価」(または、「酸性度」)という用語は、重合体1グラム中のペンダントカルボキシレート基を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味する。本明細書で用いられる、重合体の「ヒドロキシル価(hydroxyl number)」(または、「ヒドロキシル価(hydroxyl value)」または「OH価」)という用語は、重合体1グラム中のペンダントヒドロキシル基を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味する。
本明細書で用いられる用語「分散液」は、小さい固体粒子の固相が液相中全体に均一に分散されている多相系を意味し、この場合、この小さい固体粒子の固相は、液相、液相の成分に不溶であるか、または、ごくわずかしか溶解しない。
本明細書で用いられる用語「水性分散液」は、液相が水であるか、または、液相の総重量に基づき少なくとも約10重量パーセントの水を含む分散液を意味する。
本明細書で用いられる以下の用語は、その指定された意味を有する:
・ 用語「有機性の基」は、炭化水素(すなわちヒドロカルビル)基を意味し、これは、場合により、炭化水素基の鎖中に、炭素および水素以外の元素(例えば酸素、窒素、硫黄およびケイ素)を含んでもよく、脂肪族基、環式基、または、脂肪族基と環式基との組み合わせ(例えばアルカリルおよびアラルキル基)と分類される。
・ 用語「脂肪族基」は、飽和または不飽和の、直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味する。この用語は、例えばアルキル、アルケニル、および、アルキニル基を含むものとして用いられる。
・ 用語「アルキル基」は、飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
・ 用語「アルケニル基」は、1またはそれ以上の炭素−炭素 二重結合を有する、不飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味し、例えばビニル基である。
・ 用語「アルキニル基」は、1個またはそれ以上の炭素−炭素三重結合を含む不飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味する。
・ 用語「環式基」は、脂環式基、芳香族基、または、ヘテロ環式基と分類される閉環炭化水素基を意味する。
・ 用語「脂環式基」は、脂肪族基に類似した特性を有する環状炭化水素基を意味する。
・ 用語「芳香族基」または「アリール基」は、単環または多環芳香族炭化水素基を意味する。
・ 用語「ヘテロ環式基」は、環中の1個またはそれ以上の原子が、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素、硫黄など)である閉環炭化水素を意味する。
本明細書において、特に他の指定がない限り、
・ 用語「ビニル付加重合体」または「ビニル付加共重合体」は、アクリラート、メタクリレート、ならびに、ビニル重合体および共重合体を含むものとする;
・ また、「重合体」と言う場合は、共重合体も含むものとする;および
・ 「(メタ)アクリラート」化合物(ここで、「メタ」は、括弧で囲まれる)と言う場合は、アクリラート化合物とメタクリレート化合物の両方を含むものとする。
置換は、本発明のコーティング組成物で用いられる重合体の有機性の基において考慮される。本明細書中で用いられる所定の用語の考察と列挙を簡略化する手段として、用語「基(group)」および「成分(moiety)」は、置換が考慮される化学種または置換され得る化学種と、置換が考慮されない化学種または置換され得ない化学種とを区別するために用いられる。従って、化学的な置換基を説明するために用語「基」が用いられる場合、説明されている化学材料は、列挙された基(非置換として)を含み、さらに、例えば、鎖中に(例えばアルコキシ基中に)O、N、SiまたはS原子を含む列挙された基、同様に、列挙された基中の慣習的に置換される、カルボニル基およびその他の原子または基も意味する。化学物質または置換基を説明するために用語「成分」が用いられる場合、非置換の化学材料のみが含まれるものとする。例えば、成句「アルキル基」は、純粋な開鎖飽和炭化水素アルキル置換基(例えばメチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)だけでなく、当業界既知のさらなる置換基(例えばのようなヒドロキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、ハロゲン 原子、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシルなど)を有するアルキル置換基も含むものとする。従って、用語「アルキル基」は、エーテル基、ハロアルキル、ニトロアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、スルホアルキルなどを含む。一方で、成句「アルキル成分」は、純粋な開鎖飽和炭化水素アルキル置換基(例えばメチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)のみを含むものと限定される。用語「ヒドロカルビル成分」は、水素と炭素のみを含む非置換の有機部分を意味する。
詳細な記述
本発明は、金属 食品または飲料容器のあらゆる内面上へのコーティング組成物としての使用に適した新規の分散液(例えば水性分散液)、および、これらの分散液を用いて金属製食品または飲料容器のあらゆる内面をコーティングする方法を提供する。本水性分散液は、少なくとも部分的に塩基で中和されたポリエステルアクリラートを含む。一実施形態において、このポリエステルアクリラートは、ポリエステル(または、ポリエステルの混合物)と、第一の成分群、すなわち(1)(メタ)アクリル酸エステル、(2)エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、および(3)場合により、ビニル化合物との反応生成物を含む。全ての実施形態の、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートは、ポリエステルアクリラートの水性分散液を形成するための任意の架橋剤、およびその他の任意のアジュバントを用いて、キャリアー(例えば水)に分散されていてもよい。
好ましいコーティング組成物および水性分散液は、遊離型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物(例えば、BADGE、BFDGE、および、エポキシノボラック(novalac))を実質的に含まず、より好ましくは、これらの化合物を本質的に含まず、さらにより好ましくは、これらの化合物を本質的に全く含まず、最も好ましくは、これらの化合物を全く含まない。本コーティング組成物および水性分散液はまた、好ましくは、結合型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物を実質的に含まず、より好ましくは、これらの化合物を本質的に含まず、最も好ましくは、これらの化合物を本質的に全く含まず、最適には、これらの化合物を全く含まない。
適切なポリエステルは、当業者周知の従来の手法に従って、多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸(例えば、少なくとも二塩基性のポリカルボン酸)と、多価アルコール分子中少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコール(例えば、少なくとも二価の多価アルコール)とを反応させることによって得てもよい。適切なポリエステルは、例えば、従来のエステル化触媒の存在下で、高温(例えば、約180℃〜約240℃)、溶融状態で、または、不活性溶媒の存在下で約5〜約24時間で、多塩基酸と多価アルコールとをエステル化することにより得てもよい。その他の例として、適切なポリエステルは、従来のエステル化触媒の存在下で、高温(例えば、約180℃〜約240℃)、溶融状態で、または、不活性溶媒の存在下で、多塩基酸エステルと多価アルコールとをトランスエステル化することにより得てもよい。
上記ポリエステル中に、1個またはそれ以上の重合可能な二重結合を含ませてもよく、これは、多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸として重合可能な二重結合を含む多塩基酸を用いることによって、および/または、多価アルコール分子1個あたり少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコールとして重合可能な二重結合を含む多価アルコールを用いることによってなされる。従って、多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸、および/または、多価アルコール分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコール(例えば、少なくとも二価の多価アルコール)は、エチレン部分が不飽和であってもよい。
多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む適切な多塩基酸は、式R(COOH)C=C(COOH)R、R(COOH)CHCH(COOH)R、R(R)C=C(COOH)RCOOH、および、R(R)CHCH(COOH)RCOOHで示されたものでもよく、式中、RおよびRは、水素、1〜8個の炭素原子からなるアルキルラジカル、ハロゲン、3〜7個の炭素原子からなるシクロアルキル、または、フェニルが可能であり、Rは、1〜6個の炭素原子からなるアルキレンラジカルが可能である。多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸の適切な例のいくつかとしては、フタル酸;イソフタル酸;テレフタル酸;テトラヒドロフタル酸;ヘキサヒドロフタル酸;エンドメチレンテトラヒドロフタル酸;ジメチルテレフタラート;マレイン酸;2−メチルマレイン酸;ピロメリット酸;アジピン酸;コハク酸;セバシン酸;グルタル酸;メチレングルタル酸;グルタコン酸;アゼライン酸;アコニット酸;イタコン酸;2−メチルイタコン酸;セバシン酸;ラウリン酸;フマル酸;シトラコン酸;1,2−、1,3−、または、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;ムコン酸;メサコン酸;ショウノウ酸;トリメリト酸;トリカルバリル酸;トリカルボキシエチレン;ジメチロールプロピオン酸;ベータ−アクリルオキシプロピオン酸;これらの誘導体、例えば、これらいずれかのあらゆる可能な無水物:、および、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。いくつかの多塩基酸の適切な無水物の例としては、不飽和 ジカルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸、イタコン酸無水物、無水ノネニルコハク酸、および、シトラコン酸無水物;飽和無水物、例えば無水コハク酸、無水フタル酸、および、トリメリト酸無水物;および、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。上記ポリエステルは場合により修飾されていてもよく、この修飾は、必要に応じて、脂肪酸、例えばヒマシ油の脂肪酸、ヤシ油の脂肪酸、綿実油の脂肪酸、安息香酸、または、これらのあらゆる組み合わせ、あらゆる比率でのいずれかを、多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸と共に含ませることによってなされる。
多価アルコール分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコールの適切な例のいくつかとしては、エチレングリコール;ポリエチレングリコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;テトラエチレングリコール;ヘキサエチレングリコール;ネオペンチルグリコール;1,3−、および、1,2−プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;2,2−ジメチルプロパンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,2−シクロヘキサンジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;トリメチロールプロパン;ペンタエリスリトール;トリシクロデカンジメタノール;グリセロール;および、これらのいずれかの、あらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。
多塩基酸分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多塩基酸の選択は、本コーティング組成物の目的とする最終用途によって決定され、実質的に限定されない。同様に、多価アルコール分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコールの選択は、本コーティング組成物の目的とする最終用途によって決定され、実質的に限定されない。上記ポリエステルを形成するために反応させる成分群は、一般的に、多価アルコール分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコールを、少なくとも約20重量パーセント、より典型的には少なくとも約30重量パーセントから、最大約45重量パーセント含むと予想される。上記ポリエステルを形成するために反応させる成分群のバランスは、多塩基酸分子1個あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸、または、上記多塩基酸および上記多塩基酸の無水誘導体との組み合わせであり得る。上記多塩基酸の無水誘導体の濃度は、上記ポリエステルを形成するために反応させる成分群が約30重量パーセント以下の範囲が可能であるが、より典型的には、上記ポリエステルを形成するために反応させる成分群が約5重量パーセント以下の範囲である。
適切なポリエステルは、一般的に、約8またはそれ未満の酸性度を有すると予想され、約5またはそれ未満の酸性度を有することもあり得る;上記ポリエステルのいくつかの実施形態において、約4〜約8の範囲の酸性度を有すると予想される。適切なポリエステルは、一般的に、下限約2,500〜上限約20,000の範囲の数平均分子量(Mn)を有すると予想される;いくつかの実施形態において、上記ポリエステルのMnは、下限約4,000〜上限約16,000の範囲であり得る。その他の実施形態において、上記ポリエステルのMnは、一般的に、下限約5,000〜上限約12,000の範囲、場合によっては、下限約3,000〜上限約5,000の範囲であり得る。
本発明に従って製造されたポリエステルの酸性度(すなわち、酸価:「「AN」)は、一般的に、0mgKOH/gmポリエステル〜上限約20mgKOH/gmポリエステルの範囲であり得る。酸価決定に関する詳細は、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章に示す。本発明に従って製造されたポリエステルのヒドロキシル価(すなわち、ヒドロキシル価:またはOH価)は、一般的に、下限約20mgKOH/gmポリエステル〜上限約200mgKOH/gmポリエステルの範囲であり得る。ヒドロキシル価測定に関する詳細は、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章に示す。ヒドロキシル価は、上記ポリエステルの反応性のポテンシャルの尺度である。
上記多塩基酸および多価アルコールの他にも、上記ポリエステルの形成の際に、この反応混合物中に、あらゆる望ましい触媒が適切な濃度で含まれていてもよい。例えば、触媒が含まれる場合、触媒は、この反応混合物中の多塩基酸、多塩基酸のあらゆる無水物および多価アルコールの総重量に基づき、上限約0.5重量パーセントの濃度で存在してもよい。適切な触媒の一つは、REATINOR(R)932製品であり、これは、テキサス州パサデナのリージェンズUSA社(Reagens USA,Inc.)より入手可能である。その他の適切な触媒は、FASCAT(R)9100触媒製品、および、FASCAT(R)4102触媒製品であり、これは、フランス国パリのアトフィナ(Atofina)より入手可能である。
本発明で利用されるポリエステルとしては、従来のエステル化、または、エステル交換反応 技術で製造されたものが挙げられる。このポリエステル形成反応は、都合のよい形態としては、溶融相における純粋なプロセスとして、または、適切な溶媒の存在下で、約180℃〜約240℃の範囲の高温で、約5〜約24時間で、約8またはそれ未満の酸性度を有するポリエステル、または、いくつかの形態では約5またはそれ未満の酸性度を有するポリエステルが達成されるまで行なうことができる。次に、このようにして得られたポリエステルは、上記ポリエステルの存在下で、単量体群:(1)(メタ)アクリル酸エステル、(2)エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、および、(3)場合により、ビニル化合物のインサイチュでの重合によるポリエステルアクリラートの形成のための調製物中で、追加の有機溶媒に溶解させてもよい。
水中での本発明に係るポリエステルアクリラートの分散は、従来の方式のいずれを用いて行ってもよい。上記ポリエステルアクリラートのカルボキシル基を、約0.3〜1.5当量の塩基(すなわち中和剤)で少なくとも部分的に中和した後、この少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラート溶液を、水の添加によって水相に転換させてもよく、あるいは、逆転換プロセスによって水に添加してもよい。最終的な水性分散液のpHは、一般的に、下限約7標準pH単位〜上限約10標準pH単位の範囲が可能であり、または、より典型的には、下限約7.3標準pH単位〜上限約8.5標準pH単位の範囲が可能である。
上記ポリエステルの形成の際に用いてもよい適切な有機溶媒の例としては、芳香族溶媒、例えばSOLVESSO(R)100溶媒、SOLVESSO(R)150溶媒、および、SOLVESSO(R)200溶媒、これらはそれぞれ、フランス国リュエイユ・マルメゾンのエクソン・モービル・ケミカル・フランス(Exxon Mobil Chemical France)より入手可能;キシレン;および、これらのあらゆる組み合わせ、あらゆる比率のいずれかが挙げられる。上記ポリエステルアクリラートを形成するために上記ポリエステルと単量体群とを反応させるに適した有機溶媒の例は、完全に、または、部分的に水混和性の有機溶媒であり、例えば、N−メチルピロリドン、アセトン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコールメトキシブタノール、ブチルグリコール、ブチルエチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、および、エチレングリコールブチルエーテル)、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、および、ジエチレングリコールブチルエーテル)、グライム溶媒(例えば、エチレングリコールジメチルエーテル)、ジグライム溶媒(例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル)、アルコール 溶媒(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、および、シクロヘキサノール)、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル {例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(ミッドランド,ミシガン州のダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)より、商標名DOWANOL PMで入手可能)、プロピレングリコールエチルエーテル、および、プロピレングリコールブチルエーテル}、メチルアルキルケトン(例えば、エチルエチルケトン、および、メチルイソブチルケトン)、ジプロピレングリコール、および、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、および、ジプロピレングリコールブチルエーテル)、モノアルキルアクリラート(例えば、プロピルアクリラート、アクリル酸エチル、および、ブチルアクリラート)、および、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。
本水性分散液において、上記ポリエステルアクリラートは、上記ポリエステル(または、様々なポリエステルの混合物)と、単量体群、すなわち(1)(メタ)アクリル酸エステル、(2)エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、および、(3)場合により、ビニル化合物との反応生成物を含む。驚くべきことに、この反応によって形成されたポリエステルアクリラートは、BPAまたは芳香族グリシジルエーテル化合物(例えば、BADGE、BFDGE、および、エポキシノボラック(novalac))を含んだり、または、遊離したりすることなく、従来の「1007−タイプ」;「1009−タイプ」;および、「9−A−9−タイプ」のエポキシ樹脂の特性を「再現する」か、または、それを超えることがわかった。
適切な(メタ)アクリル酸エステルとしては、式:CH=C(R)−CO−ORで示されるアルキル(メタ)アクリラートが挙げられ、上記式中、Rは、水素、または、メチルが可能であり、Rは、好ましくは1〜16個の炭素原子を含むアルキル基が可能である。R基は、1個またはそれ以上の成分、典型的には1〜3個の成分、例えばヒドロキシ、ハロ、フェニル、および、アルコキシで置換されていてもよい。それゆえに、適切なアルキル(メタ)アクリラートは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを包含する。このアルキル(メタ)アクリラートは、典型的には、アクリル酸、および/または、メタクリル酸のエステルである。Rは、一般的に、水素、または、メチルが可能であり、Rは、一般的に、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基が可能である。いくつかの実施形態において、Rは、典型的には、水素、または、メチルが可能であり、Rは、2〜4個の炭素原子を有するアルキル基が可能である。適切な(メタ)アクリル酸エステルの非包括的な例のいくつかとしては、これらに限定されないが、メチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、プロピル(メタ)アクリラート、イソプロピル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート、イソブチル(メタ)アクリラート、ペンチル(メタ)アクリラート、イソアミル(メタ)アクリラート、ヘキシル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、デシル(メタ)アクリラート、イソデシル(メタ)アクリラート、ベンジル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、ラウリル(メタ)アクリラート、イソボルニル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、ノニル(メタ)アクリラート、および、これらのあらゆる組み合わせ、あらゆる比率のいずれかが挙げられる。
上記ポリエステルと反応させる単量体群における(メタ)アクリル酸エステル(1)の濃度は、一般的に、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき下限約40重量パーセント〜上限約70重量パーセントの範囲が可能である。様々な形態において、上記ポリエステルと反応させる単量体群における(メタ)アクリル酸エステル(1)の濃度は、典型的には、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき下限約45重量パーセント〜上限約65重量パーセントの範囲であり得る。
説明されたエチレン部分が不飽和の単官能性の酸(2)は、式CH=C(R)−COOHで示されたものでもよく、上記式中、Rは、水素、または、1〜6個の炭素原子からなるアルキルラジカルが可能である。適切なエチレン部分が不飽和の単官能性の酸(2)は、式RCH=C(COOH)Rで示されたものでもよく、上記式中、R、および、Rは、水素、1〜8個の炭素原子からなるアルキルラジカル、ハロゲン、3〜7個の炭素原子からなるシクロアルキル、または、フェニルラジカルが可能である。エチレン部分が不飽和の単官能性の酸(2)はまた、適切なアルファ、ベータ−エチレン部分が不飽和の式R(COOH)C=C(COOH)R10で示され得るカルボン酸であってもよく、上記式中、R、および、R10は、水素、1〜8個の炭素原子からなるアルキルラジカル、ハロゲン、3〜7個の炭素原子からなるシクロアルキル、または、フェニルラジカルが可能である。
エチレン部分が不飽和の、少なくとも単官能性の酸(2)の例のいくつかとしては、(メタ)アクリル酸;ビニルスルホン酸;クロトン酸;アルファ、ベータ−エチレン部分が不飽和のカルボン酸、例えばマレイン酸、2−メチルマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、および、2−メチルイタコン酸;アルファ−クロロアクリル酸;アルファ−シアノアクリル酸;アルファ−フェニルアクリル酸;ベータ−ステアリルアクリル酸;ソルビン酸;アルファ−クロロソルビン酸;アンゲリカ酸;ケイ皮酸;p−クロロケイ皮酸;シトラコン酸;メサコン酸;アコニット酸;これらの誘導体、例えばこれらのいずれかのあらゆる可能な無水物;および、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。その上、上記で列挙したエチレン部分が不飽和の、少なくとも単官能性の酸(2)のいずれかの塩を用いてもよい。
上記ポリエステルと反応させる単量体群におけるエチレン部分が不飽和の単官能性の酸(2)の濃度は、一般的に、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき下限約5重量パーセント〜上限約40重量パーセントの範囲が可能である。様々な形態において、上記ポリエステルと反応させる単量体群におけるエチレン部分が不飽和の単官能性の酸(2)の濃度は、典型的には、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき下限約10重量パーセント〜上限約30重量パーセントの範囲であり得る。
任意のビニル化合物(3)の説明に役立つ例としては、構造:Ar−C(R11)=C(R12)(R13)で示されるビニル芳香族単量体のいずれかが挙げられ、上記式中、R11、R12およびR13は、水素、または、1〜5個の炭素原子からなるアルキルラジカルが可能であり、Arは、置換された、または、非置換の芳香族基であり得る。適切なビニル芳香族単量体の説明に役立つ例のいくつかとしては、スチレン、ビニルトルエン、ハロスチレン、イソプレン、ジアリルフタラート、ジビニルベンゼン、ブタジエン、アルファ−メチルスチレン、ビニルナフタレン、および、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。適切なビニル化合物(3)のその他の例のいくつかとしては、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルプロピオナート、ビニルブチレート、ビニルステアラート、イソブトキシメチルアクリルアミドなどが挙げられる。多くの形態において、任意のビニル化合物(3)として、適切には、スチレンを用いてもよく、これは、一つには、スチレンは比較的低コストであることによる。
上記ポリエステルと反応させる単量体群における任意のビニル化合物(3)の濃度は、一般的に、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき上限約40重量パーセントの範囲であり得る。様々な形態において、上記ポリエステルと反応させる単量体群における任意のビニル化合物(3)の濃度は、典型的には、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき下限約10重量パーセント〜上限約30重量パーセントの範囲であり得る。
(メタ)アクリル酸エステル(1)、エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸(2)、および、任意のビニル化合物(3)の他にも、多種多様なその他の単量体のいずれかが、上記ポリエステルと反応させる単量体群に場合により含まれていてもよい。例えば、あらゆるヒドロキシ官能性を有する単量体、例えば、あらゆるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート単量体が、上記ポリエステルと反応させる単量体群に場合により含まれていてもよい。このようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート単量体の例のいくつかとしては、ヒドロキシアクリル酸エチル(HEA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルアクリラート(HPA)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート(HPMA)、および、これらのあらゆる組み合わせ、あらゆる比率のいずれかが挙げられる。上記ポリエステルと反応させる単量体群における任意のヒドロキシ官能性を有する単量体の濃度は、一般的に、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき上限約40重量パーセントの範囲であり得る。
また、式:R14(R15)C=C(R16)−CNで示されるあらゆる不飽和ニトリル(上記式中、R14、および、R15は、水素、1〜18個の炭素原子からなるアルキルラジカル、トリル、ベンジル、または、フェニルであり;および、R16は、水素、または、メチルである)、(例えば(メタ)アクリロニトリル)が、上記ポリエステルと反応させる単量体群に場合により含まれていてもよい。上記ポリエステルと反応させる単量体群における任意の不飽和ニトリルの濃度は、一般的に、単量体群中の全ての単量体の総重量に基づき上限約40重量パーセントの範囲であり得る。その上、あらゆるN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、例えばのようなN−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミドが、上記ポリエステルと反応させる単量体群に場合により含まれていてもよい。
上述したように、本発明のポリエステルアクリラートは、上記ポリエステル(または、様々なポリエステルのあらゆる混合物)と、単量体群、すなわち(1)(メタ)アクリル酸エステル、(2)エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、および、(3)場合により、ビニル化合物と反応させることによって形成してもよい。このようにして形成されたポリエステルアクリラートは、BPA、または、芳香族グリシジルエーテル化合物(例えば、BADGE、BFDGE、および、エポキシノボラック(novalac))を含んだり、または、遊離したりすることなく、従来の「1007−タイプ」;「1009−タイプ」;および、「9−A−9−タイプ」のエポキシ樹脂の特性を「再現する」、または、それを超えることが発見された。
上述したように、形成された後、上記ポリエステルは、単量体群との反応によるポリエステルアクリラート形成のための調製物中で、追加の有機溶媒に溶解させてもよい。上記ポリエステルの溶液と、単量体群の溶液とを合わせて、混合物を形成してもよい。次に、上記ポリエステル、および、単量体群中に存在する単量体(すなわち、この混合物の重合可能なの成分)は、フリーラジカル開始剤の存在下でインサイチュでの重合で処理し、ポリエステルアクリラートを含む反応混合物を形成してもよい。上記ポリエステルアクリラート中のアクリル重合体に対する上記ポリエステルの重量比は、一般的に、約90:10〜約50:50の範囲が可能であり、より典型的には、約80:20〜約60:40の範囲が可能であり、いくつかの形態においては、約65:35〜約75:25の範囲であることが多い。
フリーラジカルで開始された重合は、約80℃〜約160℃の温度で行ってもよい。次に、上記ポリエステルアクリラートは、塩基で少なくとも部分的に中和してもよく、その後水に分散させてもよい。この上記ポリエステルアクリラートを含む反応混合物中に残存する有機溶媒は、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートを水に分散させた後に、蒸発プロセス(例えば蒸留)によって、場合により減圧下で、一部を除去してもよい。
上記ポリエステルアクリラートを形成するのに使用するためのいくつかの典型的なフリーラジカル開始剤としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、クモールヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、teat−ブチルペルベンゾアート、tert−ブチルペルピバラート、tert−ブチルペル−3,5,5−トリメチルヘキサノアート、tert−ブチルペル−2−エチルヘキサノアート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、1,1−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、2,2’−アゾ−ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ−ビス−(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾ−ビス−シクロヘキサンカルボニトリル、または、アゾ−ビス−イソブチロニトリルが挙げられる。適切なアゾ−タイプのフリーラジカル開始剤の例は、VAZO(R)67フリーラジカル開始剤(デラウェア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.Du Pont de Nemours)より入手可能)である。適切なフリーラジカル開始剤のその他の例は、TRIGONOX(R)Cフリーラジカル開始剤、有機ペルオキシエステル(具体的には、tert−ブチルペルオキシベンゾアート)(イリノイ州シカゴのアクゾ・ノーベル・ポリマー・ケミカルズLLC(Akzo Nobel Polymer Chemicals LLC)より入手可能)である。
上記ポリエステルアクリラートの水性分散液の安定性を高めるために、アニオン(好ましくはカルボキシル基)を形成することができる基を、本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートに存在させてもよいし、好ましくは最大化させてもよい。これらのアニオンを形成することができる基は、上記ポリエステル成分を介して、同様に、(メタ)アクリル酸エステル(1)を介して導入されてもよいし、また、これらの成分の両方を介して導入されてもよい。しかしながら、好ましいアニオンを形成することができる基は、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル(1)を介して導入される。
本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートの酸価(「AN」)は、一般的に、下限約5mgKOH/gm(上記ポリエステルアクリラート)〜上限約100mgKOH/gm(上記ポリエステルアクリラート)の範囲が可能であり、いくつかの実施形態において、より典型的には、下限約20mgKOH/gm(上記ポリエステルアクリラート)〜上限約70mgKOH/gm(上記ポリエステルアクリラート)の範囲である。適切なポリエステルアクリラートは、一般的には、下限約2,500〜上限約20,000の範囲の数平均分子量(Mn)を有すると予想される;いくつかの実施形態において、上記ポリエステルアクリラートのMnは、下限約3,000〜上限約16,000の範囲が可能である。その他の実施形態において、上記ポリエステルアクリラートのMnは、一般的に、下限約4,000〜上限約12,000の範囲が可能であり、場合によっては、下限約3,000〜上限約5,000の範囲でもよい。
ポリエステルアクリラートの粒子が本発明の水性分散液に存在する場合、それらは、一般的に、本発明の水性分散液およびコーティング組成物中で上記ポリエステルアクリラート粒子の均一で同質のブレンドの維持を助長するあらゆる直径および粒子プロファイルを有していてもよい。本発明の水性分散液の多くにおいて、約5μm(マイクロメーター)未満の直径を有するポリエステルアクリラート粒子全ての集合的な体積は、本発明の水性分散液に存在する全てのポリエステルアクリラート粒子の総体積の少なくとも約90%と予想される。実際に、本発明の様々な水性分散液において、約1μm未満の直径を有するポリエステルアクリラート粒子全ての集合的な体積は、本発明のこれらの様々な水性分散液に存在する全てのポリエステルアクリラート粒子の総体積の少なくとも約90%と予想される。
場合多価不飽和単量体が、上記ポリエステルと反応させるために単量体群に含まれる場合、ゲル化が起こる可能性がある。それゆえに、上記ポリエステルアクリラートの形成のための反応条件を調節して、このような多価不飽和単量体のタイプおよび量を調節して、上記ポリエステルアクリラートの形成の際にゲル化を回避してもよい。要望に応じて、または、必要に応じて、当然ながら、EP−A−0158161で説明されているいわゆる調節剤(例えばドデシルメルカプタン、または、メルカプトエタノール)を付随して使用してもよい。
上記ポリエステルアクリラートの形成後に、上記ポリエステルアクリラートを、本発明の水性分散液に包含させる。この上記ポリエステルアクリラートを含む反応混合物中に残存する有機溶媒は、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートを水に分散させた後に、蒸発プロセス(例えば蒸留)によって、場合により減圧下で、一部を除去してもよい。
本水性分散液を形成する前に、上記ポリエステルアクリラートに存在するアニオンを形成することができる基は、塩基を用いて少なくとも部分的に中和される。この中和は、転換の前にこの反応混合物に塩基を添加することによって実行されてもよい。転換後の上記ポリエステルアクリラートの水性分散液のpHは、一般的に、下限約7標準pH単位〜上限約10標準pH単位の範囲が可能であり、より典型的にはは、下限約7.3標準pH単位〜上限約8.5標準pH単位の範囲が可能である。インサイチュでの単量体の混合物と上記ポリエステルとの反応は、アクリル重合体を上記ポリエステルにグラフト(または共重合)することを伴うアクリル重合体の形成を必要とすると考えられる。上記ポリエステルは、疎水性の性質を有する。上記ポリエステルアクリラートの中和は、上記ポリエステルアクリラートのアクリル重合体部分にある酸官能基を、高い親水性を有する酸官能基の塩の形態に変換することと考えられる。アクリル重合体部分の高い親水性は、少なくとも部分的な中和の後に、上記ポリエステルアクリラートの分散液を維持するために、アクリル重合体部分を、上記ポリエステルアクリラートの疎水性ポリエステル部分を水中に含ませることができる。
上記ポリエステルアクリラートを少なくとも部分的に中和するのに用いられる塩基としては、例えば、アンモニア、または、あらゆる揮発性の第一、第二および/または第三有機アミンが挙げられる。適切な揮発性の第一有機アミンの一例は、エチルアミンである。適切な揮発性の第二有機アミンの例のいくつかは、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、および、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせである。
上記ポリエステルアクリラートを少なくとも部分的に中和するのに用いられる塩基としては、好ましくは、少なくとも1種の揮発性の第三有機アミンが挙げられる。いくつかの典型的な揮発性の第三有機アミンは、式R171819Nで示すことができ、上記式中、R17、R18、および、R19は、独立して、置換された、または、非置換の1価アルキル基のいずれかであり、これらは一般的にそれぞれ1〜8個の炭素原子を含んでいてもよく、いくつかの形態においては、それぞれ1〜4個の炭素原子を含んでいてもよい。適切な揮発性の第三有機アミンの例のいくつかは、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン(また、ジメチルアミノエタノールとしても知られている)、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルメチルエタノールアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチル3−ヒドロキシ−1−プロピルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチル2−ヒドロキシ−1−プロピルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチル1−ヒドロキシ−2−プロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、および、これらのあらゆる組み合わせ、あらゆる比率のいずれかである。一つの典型的な揮発性の第三有機アミン、ジメチルエタノールアミンは、コネチカット州スタンフォードのサイテック・インダストリーズ社(Cytec Industries Inc.)製のAMIETOL(R)M21製品として利用可能である。
このような塩基は、ポリエステルアクリラートの中和がこの反応混合物中全体でより均一に行なわれるように、希釈水溶液でこの反応混合物に有利に添加される。上記ポリエステルアクリラートの中和に用いられる揮発性の第三有機アミンのような塩基の量は、多種多様な要素に応じて調節することもできる。最小限として、上記ポリエステルアクリラートを安定な懸濁液、続いて水性分散液中で維持するのに十分な塩基の量が望ましい。このように順に用いられる塩基の量は、その他の要素、例えば上記ポリエステルアクリラートの分子量;上記ポリエステルアクリラート上の官能基の性質、数および相互作用;および、本水性分散液中の上記ポリエステルアクリラートの濃度に依存する場合がある。一般的に、上記ポリエステルアクリラート(すなわち、上記ポリエステルアクリラートのカルボキシル基)は、約0.3〜1.5当量の塩基で少なくとも部分的に中和されていてもよい。
本発明の水性分散液は、一般的に、2〜3の異なる方法で製造することができる。本発明の水性分散液の成分としては、少なくとも、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラート、有機溶媒、および、中和手順により付随する水および塩基が含まれるが、有機溶媒は必要に応じて除去してもよい。転換のための追加の水、特に脱イオン水を、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラート溶液に添加してもよい。その代わりの方法として、逆転換プロセスで、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラート溶液を水に添加してもよい。少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラート溶液は、あらゆる適切な転換温度(例えば約60℃〜約90℃の範囲の温度)で転換することができる。
転換工程中に成分を混合し、本水性分散液の製造が完了する。これらの成分は、一般的に、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートをせん断または劣化させることなく、上記成分を均一に混合するのに十分なあらゆる従来の混合器具を用いて混合してもよい。上記成分は、一般的に、選択された温度が、本水性分散液のあらゆる成分に有害な影響を与えない限りどのような温度で混合してもよく、例えば約60℃〜約90℃の範囲の室温〜高温を用いてもよい。
食品および飲料とが接触する用途における、金属容器内面をコーティングするのに適したコーティング組成物は、本発明のポリエステルアクリラートのあらゆる水性分散液からなる、または、それらを含む、のいずれかが可能である。多くの用途において、上記ポリエステルアクリラートの水性分散液は、1種またはそれ以上の追加の成分と混合され、特定の使用のための望ましい特性を有するコーティング組成物を形成することができる。上記ポリエステルアクリラートの水性分散液を、1種またはそれ以上の追加の成分と共に含むコーティング組成物において、本コーティング組成物は、本コーティング組成物の液相中に分散された、上記ポリエステルアクリラート、および、本コーティング組成物のその他の残りのあらゆる固体成分を含む水性分散液として存在し、そのようなものとして機能する。本コーティング組成物の成分は、一般的に、上記ポリエステルアクリラートをせん断または劣化させることなく上記成分を均一に混合するのに十分なあらゆる従来の混合器具を用いて混合して、本コーティング組成物を形成することができる。上記成分は、一般的に、選択された温度が、本コーティング組成物のあらゆる成分に有害な影響を与えない限りあらゆる温度で混合してもよく、例えば約60℃〜約90℃の範囲の室温〜高温を用いてもよい。
本コーティング組成物分散液中の少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの濃度は、一般的に、本コーティング組成物の総重量に基づき下限約20重量パーセント〜上限約55重量パーセントの範囲と予想され、より典型的には、いくつかの用途のための形態において、下限約25重量パーセント〜上限約35重量パーセントの範囲と予想される。また、本コーティング組成物中の総固体の濃度は、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示された固体総量の測定法を用いて測定して、一般的に、本コーティング組成物の総重量に基づき下限約20重量パーセント〜上限約55重量パーセントの範囲と予想され、より典型的には、いくつかの用途のための形態において、下限約25重量パーセント〜上限約35重量パーセントの範囲と予想される。いくつかの実施形態において、上記ポリエステルアクリラートの水性分散液を含むコーティング組成物は、本コーティング組成物の総重量に基づき下限約24重量パーセントの固体〜上限約30重量パーセントの固体を含む。スプレー塗布のために、約25℃の温度での本コーティング組成物の粘度は、一般的に、本明細書のフォード#4カップを用いた特性解析および特徴付け手順の章で示された粘度測定法#2に従って測定して、下限約22秒〜上限約26秒の範囲が可能である。
有機溶媒は、本コーティング組成物中に、上記ポリエステルアクリラートの水性分散液と共に包含されることが許容され、典型的には、本コーティング組成物の特定の用途に応じて包含される。有機溶媒は、どのような水溶性のものでもよく、それゆえに、水混和性有機溶媒、水不混和性有機溶媒、および、これらのあらゆる組み合わせが可能である。本コーティング組成物に有機溶媒を含ませるか、または、本コーティング組成物から有機溶媒を排除するかどうかの決定は、本コーティング組成物の用途と望ましい塗布性能、および、本コーティング組成物に包含される上記ポリエステルアクリラートの化学的性質の両方に依存し、これは、飲料および食材の金属製の包装のためのコーティングに関わる当業者の範囲内である。適切な水混和性有機溶媒の例のいくつかとしては、水混和性グリコールエーテル、例えばブチルグリコール、および、ブチルジグリコールが挙げられる。本コーティング組成物に使用するために選択された有機溶媒は、望ましくは、本発明に従って製造された水性分散液およびコーティング組成物において達成可能な低いVOC含量の維持に適するものと予想される。
上記ポリエステルアクリラートの水性分散液がベースのコーティング組成物中の水の濃度は、本コーティング組成物の特定の用途に応じた必要条件に従っていてもよく、一般的に、本コーティング組成物の揮発性部分の総重量に基づき下限約30重量パーセント〜上限100重量パーセントの範囲である。本水性分散液の様々な形態において、本コーティング組成物中の水の濃度は、本コーティング組成物の揮発性部分の総重量に基づき下限約70重量パーセント〜上限100重量パーセントの範囲と予想される。
本コーティング組成物中の有機溶媒の濃度は、本コーティング組成物の特定の用途に応じた必要条件に従っていてもよく、一般的に、本コーティング組成物の揮発性部分の総重量に基づき0重量パーセント〜上限約70重量パーセントの範囲である。本コーティング組成物の様々な形態において、本コーティング組成物中の有機溶媒の濃度は、本コーティング組成物の揮発性部分の総重量に基づき0重量パーセント〜上限約30重量パーセントの範囲と予想される。
本コーティング組成物中の水の濃度、および、本コーティング組成物中の有機溶媒の濃度は、本コーティング組成物の特定の用途に関する要望に応じて、または、必要に応じて、上述した値の外側の値であってもよい。本コーティング組成物中の水の濃度、および、本コーティング組成物中の有機溶媒の濃度はそれぞれ、本コーティング組成物の揮発性部分の重量パーセントで示され、それゆえに、本コーティング組成物の揮発性部分の総重量のみに基づく。
本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、含むコーティング組成物は、安定であり、それゆえに、一般的に、数日間の長い貯蔵時間の後でも、または、数週間でも、液相内で、上記ポリエステルアクリラートおよびその他の任意の粒状の成分の安定で均一な分散を示す。本発明のコーティング組成物に関して、安定性とは、時間が経っても粒子の凝集やあらゆる顕著な粘度変化を起こすことなく、本コーティング組成物(水性分散液)中に存在する固体成分が、本コーティング組成物(水性分散液)中に一様かつ均質に浮動し、分散されたままの状態を保つ性質を意味する。有利なことに、このような本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含むコーティング組成物の安定性は、数日の期間を経ても、さらには数週間の期間を経ても、存在したとしてもごくわずかな固体粒子の分離(沈降)または凝集、および、存在したとしてもごくわずかな粘度変化しか観察されていない。
望ましくは、本発明に従って製造されたコーティング組成物において、本コーティング組成物を製造してから1週間静置した後、元々本コーティング組成物に含まれている固相成分(粒子として)の沈降は、0.1重量パーセントまたはそれ未満であることが示される。同様に、本発明に従って製造されたコーティングにおいて、本コーティング組成物を製造してから1週間静置した後に、粘度の数値の変化は、1パーセントまたはそれ未満であることが示される。
上記ポリエステルアクリラートの水性分散液、および、本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、含む本発明のコーティング組成物は、適切な割合で活性化エネルギーを適用する際に、本コーティング組成物中に存在する少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートと架橋する1種またはそれ以上の架橋剤が場合により含まれるように配合されてもよいことが発見された。あらゆる特定の任意の架橋剤の選択は、典型的には、本コーティング組成物の特定の用途に依存する。本コーティング組成物のいずれかにおいて、任意の架橋剤として、いずれかの周知のヒドロキシル反応性を有する硬化樹脂を用いることができる。例えば、フェノプラストおよび/またはアミノプラスト硬化剤が、本コーティング組成物に包含されていてもよい。
フェノプラスト樹脂としては、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、および、アセトアルデヒド)とフェノールとの縮合生成物が挙げられる。様々なフェノールを用いてもよく、例えばフェノール、クレゾール、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、シクロペンチルフェノール、および、これらの組み合わせである。1つの適切なフェノプラスト樹脂は、米国ノースカロライナ州ダラムのライヒホールド社(Reichhold Corporation)から入手可能なVARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液の一部として利用可能である。VARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液は、VARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき55重量パーセントのフェノール系樹脂を含む。アミノプラスト樹脂は、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、および、ベンズアルデヒド)と、アミノまたはアミド基含有物質(例えば尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、および、これらの組み合わせ)との縮合生成物である。
適切な架橋剤の例としては、これらに限定されないが、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エステル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、および、これらのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせが挙げられる。いくつかの形態においては、用いられる架橋剤は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含む。特に有用な架橋剤の具体的な例の一つは、コネチカット州スタンフォードのサイテック・インダストリーズ社から、CYMEL303という商標名で市販されている、完全にアルキル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。その他の一般的に適切な架橋剤の例のいくつかは、ブロック化、または、非ブロック化脂肪族、脂環式または芳香族二価、三価または多価イソシアネートであり、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネートなどである。
場合によりいずれかのコーティング組成物で用いられた架橋剤の濃度は、多種多様な要素、例えば架橋剤のタイプ、硬化時間およびの温度、ならびに、本コーティング組成物中の上記ポリエステルアクリラートの分子量に依存する場合がある。架橋剤は、一般的に、本コーティング組成物中に下限約5重量パーセント〜上限約50重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。いくつかの形態においては、架橋剤は、本コーティング組成物中に下限約10重量パーセント〜上限約40重量パーセントの範囲の量で存在してもよく、より典型的には、本コーティング組成物中に下限約15重量パーセント〜上限約30重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。これらの架橋剤の重量パーセンテージは、樹脂固体の総重量(例えば、本組成物中の架橋剤の総重量、および、上記ポリエステルアクリラートの総重量)に基づく。
また、本発明のコーティング組成物は、本コーティング組成物、または、本組成物の基板への塗布、それに続く塗布されたコーティング組成物の硬化により得られた硬化コーティングに逆の影響を与えないその他の任意の成分を含んでいてもよい。このような任意の成分は、典型的には、硬化コーティングの外観の美しさを強化するため;製造、加工、取り扱い、および、本コーティング組成物の塗布を容易にするため;および/または、本コーティング組成物、または、本コーティング組成物がベースの硬化コーティングの特定の機能的な特性をさらに改善するために、本コーティング組成物中に含まれる。
このような本コーティング組成物の任意の成分としては、例えば、触媒、染料、色素、トナー、増量剤、充填剤、潤滑剤、耐腐食剤、流れ調整剤、消泡剤、均染剤、チキソトロープ剤、分散剤、抗酸化剤、接着促進剤、光安定剤、および、それらの混合物が挙げられる。それぞれの任意の成分は、任意の成分の目的とする目的には役立つが、本コーティング組成物、または、本コーティング組成物から得られた硬化コーティングの望ましい特性または望ましい特徴に、逆の、または有害な影響を与えないような量で濃度で本コーティング組成物中に含まれてもよい。
本コーティング組成物の任意の成分の一つは、本コーティング組成物の塗布されたコーティングが硬化する速度を高めるための触媒である。このような触媒は、一般的に、0重量パーセント〜上限約1重量パーセントの範囲の濃度で存在してもよい。いくつかの形態において、上記触媒は、典型的には、下限約0.05重量パーセント〜上限約1重量パーセントの範囲、より典型的には下限約0.1重量パーセント〜上限約0.5重量パーセントの範囲の濃度で存在してもよい。これらの重量パーセンテージは、樹脂固体(例えば、本コーティング組成物中の架橋剤の総重量、および、上記ポリエステルアクリラートの総重量)の総重量に基づく。いくつかの適切な触媒の例としては、これらに限定されないが、強酸{例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸(ddbsa,コネチカット州スタンフォードのサイテック・インダストリーズ社製のCYCAT600触媒として入手可能)、msa、パラ−トルエンスルホン酸(ptsa)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(dnndsa)、および、トリフリック酸};第四アンモニウム化合物;リン系化合物;および、スズ、および、亜鉛化合物、例えばテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、テトラアルキル、または、テトラアリールホスホニウムヨウ化物、または、アセタート、オクタン酸スズ、オクタン酸亜鉛、または、トリフェニルホスフィン;および、当業者既知の類似の触媒が挙げられる。
その他の本コーティング組成物に有用な任意の成分は、色素(例えば二酸化チタン)である。色素(例えば二酸化チタン)は、場合により、本コーティング組成物中に、本コーティング組成物中に存在する全ての固体の総重量に基づき約50重量パーセント以下の範囲の量で存在する。
本発明のポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含むコーティング組成物は、特に、金属製の食品および飲料包装容器(例えば、ツーピース缶、スリーピース缶など)のためのコーティングとしての使用によく適合する。ツーピース缶は、缶胴体と缶の端とを接着させることによって製造される。この缶胴体は、典型的には、延伸プロセス(板金を実質的に円形の素材板に切断し、次にこの素材板をダイで成形してカップを形成し、次にこのカップを容器胴体(例えば缶胴体)に延伸する)で製造される。延伸によって形成される缶胴体は、端部、および、胴体(またはシェル)部を有し、この胴体部は、端部と一体化されており、端部から延長している。密閉容器または密閉缶を製造するために缶胴体と接着している缶の端は、スタンピングプロセスまたは延伸プロセスのようなあらゆる従来のプロセスによって形成してもよい。単に延伸させる代わりとして、缶胴体はまた、延伸としごき加工によって形成されてもよく、ここで、延伸のための準備で形成されたカップを延伸し、次第に小さくなる直径を有する一連のダイにカップを通過させて容器胴体にしごき加工してもよい。
本発明のコーティング組成物がベースのコーティングは、食品と接触および飲料と接触する環境で使用するのに適しており、さらに、食品と接触および飲料と接触する環境で用いてもよい。本発明のコーティング組成物でコーティングすることが可能なあらゆる金属を、金属製の食品および飲料包装容器(またはそれらの部品)に用いてもよいが、アルミニウムおよびスチールは、金属製の食品および飲料包装容器(または、それらの部品)に一般的に使用される数種の金属である。
前述の章で説明されているように、本発明のコーティング組成物は、ツーピースの延伸されたブリキ製食品缶の内部の部分、および、ツーピースの延伸させしごき加工したブリキ製食品缶(下記「ブリキ製D&I缶」とする)の内部の部分のための、スプレー塗布された液体コーティングとして高い有用性を有することが実証される。本コーティング組成物の粘度および表面張力を最適なスプレー性能に応じて調節してもよく、スプレーコーティングとして用いられる場合、例えば、本コーティング組成物中に適切なチキソトロープ剤またはレオロジー剤を包含させること、本コーティング組成物中の水の濃度を調節すること、本コーティング組成物に包含される親水性有機溶媒および/または塩基の濃度およびタイプを調節すること、および/または、本コーティング組成物中に含まれる上記ポリエステルアクリラートの濃度、タイプおよび/または分子量を調節することによってなされる。
ツーピースの延伸されたブリキ製食品缶、および、ツーピースの延伸させしごき加工したブリキ製食品缶の内部の部分のためのスプレー塗布された液体コーティングとして使用する他にも、本発明のコーティング組成物はまた、その他の食品と接触する、および、飲料と接触する包装用途において有用性を示す。これらの追加の用途としては、これらに限定されないが、食品または飲料と接触する可能性のある、または接触すると予想される食品および飲料包装容器の部分のための、コイルコーティング、および、シートコーティング用途が挙げられる。
コイルコーティングは、金属(例えばスチールまたはアルミニウム)で構成される連続的なコイルのコーティングと説明される。コーティングされたら、コーティングコイルは、短い熱および/または紫外線および/または電磁気による硬化サイクルで処理され、それにより、コーティングの乾燥と硬化が起こる。コイルコーティングは、定型部材(例えばツーピースの延伸された食品缶、スリーピースの食品缶、食品缶の端、延伸させしごき加工した缶、飲料缶の端など)に加工することができる、コーティングされたスチールおよび/またはアルミニウム基板が提供される。
シートコーティングは、正方形または長方形の「シート」に予め切断された別々のスチールまたはアルミニウムピースのコーティングと説明されている。これらのシートの典型的な大きさは、約1平方メートルである。コーティングされたら、各シート上のコーティングを硬化させる。乾燥し硬化したら、コーティングされた基板のシートを回収し、それに続く製造に応じて調製する。コイルコーティングは、定型部材(例えばツーピースの延伸された食品缶、スリーピース食品缶、食品缶の端、延伸させしごき加工した缶、飲料缶の端など)にうまく加工することができる、コーティングされたスチールおよび/またはアルミニウム基板が提供される。
本発明のコーティング組成物は、あらゆる従来の塗布技術(例えばスプレー)によって、あらゆる食品および飲料包装容器の内部の金属表面に塗布してもよい。例えば、食品および飲料包装容器が、胴体部、および、取り付けられた端部、それに加えて開口端を含む場合、あらゆる適切な塗布技術例えばスプレー技術によって、胴体部、および、取り付けられた端部の全ての内面上に本コーティング組成物をコーティングしてもよい。一形態において、本発明に係るコーティング組成物は、スプレー塗布で用いる場合、低含量の揮発性の有機溶媒、それに加えて高い固体含量と低い粘度の点で、有機成分を含む従来のコーティング組成物とは異なる。その上、本発明のコーティング組成物は、あらゆる従来の塗布技術(例えばスプレー、はけ塗り、ナイフ−コーティングまたは浸漬)によって、あらゆる食品および飲料包装容器に形成される、または、それらに包含されると予想されるあらゆる包装容器材料のあらゆる金属表面に塗布してもよい。食品または飲料缶の内面上に本発明のコーティング組成物を塗布し、塗布を硬化するためのその他の商業的な方法もまた考慮され、例えば電気塗装、押出しコーティング、ラミネート加工、粉末塗装などである。
本発明に係るコーティング組成物は、これらの内部金属表面、あらゆる包装容器材料の金属表面、および、あらゆる包装容器の部品のあらゆるの金属表面にコーティングとして塗布してもよく、本コーティング組成物のコーティングを硬化させる際にあらゆる望ましい厚さ、または、従来の厚さを有するようにすることができる。本発明の特定のコーティング組成物の望ましいの量のコーティングが、これらの内部金属表面、あらゆる包装容器材料の金属表面、および、あらゆる包装容器の部品のあらゆるの金属表面に塗布されたら、このコーティングされた金属表面を熱および/または紫外線および/または電磁気による硬化炉に通過させ、塗布されたコーティングを乾燥させ、硬化させてもよい。硬化炉中でのコーティングされた金属表面の滞留時間は、典型的には、約1分間〜約5分間のレベルであり得る。この炉内の硬化温度は、典型的には、約150℃〜約250℃の範囲であり得る。この乾燥と硬化は、コーティングを凝固させ、強化し、さらに、長持ちし、弾性を有する硬化コーティングを生成する。あらゆる本発明のコーティング組成物から誘導された硬化コーティングは、食品および飲料包装容器中に保持された食品および飲料を、食品および飲料包装容器内面との接触(逆もまた同様)から保護する保護ライナーを構成する。
本発明に係るポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含むコーティング組成物は、、食品または飲料と接触する可能性がある、または、接触すると予想されるあらゆる食品および飲料包装容器中のライナーを形成するコーティングとしての使用に特に適している。実際に、本発明のコーティング組成物の硬化コーティングは、BPA、または、芳香族グリシジルエーテル化合物(例えば、BADGE、BFDGE、および、エポキシノボラック(novalac))を含んだり、または、遊離したりすることなく、従来食品と接触させる用途や飲料と接触させる用途で用いられた「1007−タイプ」;「1009−タイプ」;および、「9−A−9−タイプ」のエポキシ樹脂の硬化コーティングの特性を、「再現する」、または、それを超える。
また、本発明のコーティング組成物の硬化された内部コーティングを含む食品または飲料容器中に包装され保存された食品および飲料は、一般的に、包装された食品および飲料のいくつかは腐蝕性の性質を有するにもかかわらず、硬化された内部コーティングに有害な影響を与えない。例えば、本コーティング組成物の硬化された内部コーティングは、様々な食品および飲料を充填した食品および飲料缶の内面のブリスター形成や、様々な食品および飲料を充填した食品および飲料缶の内面からの離層がほとんどないか、または、全くない。その上、本コーティング組成物の硬化された内部コーティングは、本コーティング組成物の硬化された内部コーティングを含む食品または飲料容器に包装した後、数種の食品または飲料にレトルト処理することによって場合によっては付与される有害な作用がほとんどないか、または、全くない。
多くのツーピース缶の底部(端部)は、高い凸状の中心部を取り囲む周縁のくぼみまたは凹部で構成される。底部または端部の周縁のくぼみまたは凹部は、ツーピース缶の胴体(またはシェル)部の端に取り付けられる(延伸させた缶、または、延伸させしごき加工した缶に一体化させて)。底部または端部の周縁のくぼみまたは凹部と、底部または端部の高い凸状の中心部とを、いわゆる一般的に「裏面の」壁部と称されるものによって相互に連結させて一体化する。このツーピース缶の裏面の壁部に、十分な厚さと均一性を有するコーティングをうまくスプレー塗布することは、少なくとも実質的な程度、塗布しようとする材料の、胴体(またはシェル)部のより下方の内部壁から裏面の壁部へ跳ねる、または跳ね返るコーティングとしての能力に依存すると考えられる。有利に、本発明のコーティング組成物の様々な実施形態は、本コーティング組成物の十分かつ実質的に均一なコーティングを、ツーピース缶の裏面の壁部に塗布するスプレー塗布によく適合する。
加えて、上記ポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含む本発明のコーティング組成物は、内部の容器表面への高速塗布によく適合しており、それでもなお硬化した内面のコーティングとして適切な性能の特性を提供することができる。例えば、本水性分散液(コーティング組成物)中の粘度、固体含量および固体の均一性、ならびに、これらの変数の相互作用は、スプレー器具の不加工時間が最小の、または、わずかな、一定して効率的なスプレー操作に応じて調節してもよい。その上、これらの変数は、食品または飲料缶の全ての内面への本コーティング組成物の一定して均一なコーティングの塗布を補助する。
最終的に、本コーティング組成物の硬化コーティングが、機械的応力(例えば、延伸、および、コーティングを引裂く、または、食品または飲料容器内面からコーティングを分離させると予想されるその他の力)に晒される際、硬化コーティングは、それにもかかわらず、このようなあらゆる引裂き、割れ、離層または分離に耐えるのに十分な程度、軟質で、伸張性があり、延性で、かつ粘着性である。これらの観察は、本コーティング組成物の硬化コーティングを含む内面を用いた、食品または飲料缶の部品または部分の形成、加工および組み立ての際に当てはまる。
前述のことから、当然のことながら、上記ポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含む本発明のコーティング組成物は、特に、食品または飲料缶の全ての内面への、本コーティング組成物の均一で完全なコーティングの効率的なスプレー塗布に適している。加えて、本コーティング組成物の硬化コーティングは、BPA、または、芳香族グリシジルエーテル化合物(例えば、BADGE、BFDGE、および、エポキシノボラック(novalac))を含んだり、または、遊離したりすることなく、従来、食品と接触する用途、および、飲料との接触する用途に用いられた多くの硬化コーティングの特性を「再現する」、または、それを超える。その上、食品および飲料缶中の本コーティング組成物の硬化コーティングは、缶食品または飲料、および、包装された食品または飲料の加工条件の両方による分解に対する耐性を有する。最終的に、本コーティング組成物の硬化コーティングは、食品または飲料缶のコーティングされた部品または部分の形成、加工および組み立ての際に、あらゆる引裂き、割れ、離層または分離に耐えるのに十分な程度、軟質で、伸張性があり、延性で、かつ粘着性である。
金属表面に直接塗布する他にも、本発明のコーティング組成物はまた、その他の水性または非水性のベースコーティングの上に「ウェット・オン・ウェット」塗布を行ってもよい。ウェット・オン・ウェット塗布は、本コーティング組成物をベースコーティング上に塗布する前に、ベースコーティングを手で触れるほどに乾燥させる可能性を排除しない;いずれのコーティングも、典型的には、それぞれ一般的に硬化または焼成させてもよい(例えば、約150℃〜約250℃で、約1〜約15分間)。
いくつかの実施形態において、上記ポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含む本発明のコーティング組成物は、本コーティング組成物1ガロンあたり約3ポンド未満のVOC(揮発性有機化合物)(1リットルあたり360グラムのVOC)を含む。本コーティング組成物の単位体積あたりのVOC重量をどのように測定するかについての詳細は、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章に記載のVOC含量測定法で示される。
本発明によって達成可能な低いVOC含量を考察するその他のアプローチとして、本発明のコーティング組成物のVOC含量は、典型的には、本コーティング組成物の不揮発性物質部分1キログラムあたり上限約1,000ミリグラムのVOC〜本コーティング組成物の不揮発性物質部分1キログラムあたり下限0グラムのVOCの範囲と予想される。多数の実施形態において、本コーティング組成物のVOC含量は、本コーティング組成物の不揮発性物質部分1キログラムあたり上限約600ミリグラムのVOC〜本コーティング組成物の不揮発性物質部分1キログラムあたり下限0グラムのVOCの範囲である。これらの実施形態のいくつかのにおいて、本コーティング組成物のVOC含量は、本コーティング組成物の不揮発性物質部分1キログラムあたり下限約400ミリグラムのVOC〜本コーティング組成物の不揮発性物質部分1キログラムあたり下限0グラムのVOCの範囲である。本コーティング組成物の不揮発性物質部分の単位重量あたりのVOCの重量をどのように測定するかに関する詳細は、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章におけるVOC含量測定法で示される。
本明細書で用いられる用語「湿気のある」食材は、遊離の液体(例えば水)を含む食材を意味する。また、本明細書で用いられる用語「食材」は、人間または動物のいずれかのための食品として使用することができる、または、人間または動物のいずれかのための食品として使用するために製造することができる物質を意味する。加えて、本明細書で用いられる用語「飲料」は、人間または動物のいずれかによって飲まれる様々な液体のいずれか一つを意味する。
本発明のポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含むコーティング組成物がベースの本発明のライナーを含む包装容器には、湿気のある食材などの様々な飲料および食材を充填させてもよい。包装容器内面は、空間を定義し、様々な飲料および食材はこの空間内に存在する。ライナーは、包装容器内面と接触しており、飲料または食材(例えば湿気のある食材)はライナーと接触している。それによって、ライナーは、飲料または食材と、包装容器内面とを分離している。包装容器はまた、容器内面を有する端部と、容器胴体部とを含んでいてもよく、これらが容器内で集合的に空間を取り囲む。ライナーが容器内面の端部に接着して、それらを被覆し、飲料または食材と包装容器内面とを仕切ることによって、飲料または食材と包装容器の内面との接触をさらに防ぐ。
本発明のライナーを有する包装容器中に入れられた飲料および食材のあらゆる湿気のある部分は、あらゆる塩濃度を有していてよい。また、本発明のライナーを有する包装容器中に入れられた飲料および食材のあらゆる湿気のある部分は、あらゆるpHを有していてよい。<7標準pH単位のpHを有する飲料および様々な食材の湿気のある部分は、酸性である。本明細書において食材が酸性であると言われる場合、これは、食材の湿気のある部分が酸性pHを有するという意味と理解することができる。本明細書で用いられるように、飲料および食材に関して、用語「わずかに酸性」は、飲料または食材が、pH<7、および、>4.5を有することを意味し、用語「中度に酸性」は、飲料または食材が、pH3.7〜4.5を有することを意味し、用語「高度に酸性」は、飲料または食材が、pH<3.7を有することを意味する。本発明のライナーを有する包装容器中に入れられた飲料および食材のあらゆる湿気のある部分は、どのようなpHを有していてもよく、それゆえに、わずかに酸性、中度に酸性、または、高度に酸性のいずれでもあり得る。
飲料および食材に関して本明細書で用いられる用語「場合によっては腐蝕性の」は、包装容器の金属と接触すると包装容器中に存在する金属が腐食する可能性がある塩含量またはpH(典型的には、酸性pHであるが、塩基性pH{>7}も可能)を有する飲料および食材を意味する。以下の本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で、腐食が生じたかどうかを決定し、あらゆる腐食の程度を特徴付けるための様々なアプローチを示す。本発明に従ってポリエステルアクリラートの水性分散液からなる、または、それらを含むコーティング組成物から誘導された、包装容器内面に接着し、それらを覆うライナー(また、本明細書においては「内部ライナー」ともいう)は、包装容器中で、酸性の飲料および食材、さらには高度に酸性の飲料および食材、および、塩を含む飲料および食材を長期間の貯蔵しても、包装容器の金属中に存在する金属の腐食を実質的に排除する、本質的に排除する、一層排除する。このように腐食が除去されることによって、包装容器の完全性が維持されるので、包装容器からの飲料および食材の漏れの予防を補助し、包装容器に含まれる飲料および食材の貯蔵寿命の維持を補助し、さらに、飲料および食材に包装容器からの異臭(例えば金属製の風味)が移るのを防ぐ。
本発明の内部ライナーを含む包装中で有利に保存が可能な酸性飲料の非包括的な例のいくつかとしては、ビール;ワイン;清涼飲料;果物ドリンク、例えばオレンジジュース;、野菜ドリンク、例えばトマトジュース;乳飲料、例えばバターミルク;および、コーヒーが挙げられる。本発明の内部ライナーを含む包装中で有利に保存が可能な酸性飲料の非包括的な例のいくつかとしては、野菜、例えばトマト、ザウアークラウト、ピクルス、および、唐辛子;果物、例えばリンゴ、ブルーベリー、モモ、オレンジ、グレープフルーツ、および、ブドウ;酢を含む、酢中に保存された、または、酢漬けにされた様々な食品;調味料、例えばケチャップ、および、酢;乳製食品、例えばヨーグルト;スープ、例えばトマト;ソース、例えばトマトソース、および、多くのバーベキューソース;および、様々なサラダドレッシング、特に酢を含むものが挙げられる。
特性解析および特徴付け手順
本明細書に記載された構成の様々な特性および特徴は、以下で説明されるような様々な試験法で評価することができる:
コーティング均一性/金属接触評価
この試験方法は、スプレーされたコーティングによって効果的にコーティングされていない缶の内面の量を決定する。この決定は、導電性溶液(脱イオン水中の1%NaCl)を用いてなされる。コーティングされた缶にこの導電性溶液を充填する。電気プローブを缶の外側(コーティングされていない、導電性の)に接触させて取り付け、第二のプローブを、缶内部の中間点で塩溶液に浸した。缶の内部に何らかのコーティングされていない金属が存在する場合、電流はこれらの2つのプローブ間を流れ、LEDディスプレイに値として表示される。このLEDは、伝達された電流(ミリアンペア、または、より一般的には「mAs」と称される)を表示する。また、このコーティング均一性/金属接触試験法の際に観察された伝達された電流は、本明細書において「エナメル評価」とも称される。2つのプローブ間を流れる電流は、コーティングで効果的に被覆されなかった金属の量に正比例する。缶の内部で100%のコーティング被覆率が達成されると、LED測定値0.0mAsが得られると予想される。しかしながら、食品および飲料缶に関して商業上許容できる金属接触値は、典型的には、平均約3.0mAs未満である。
コーティングの塗布性/湿潤評価
この試験は、本質的に、コーティングがスプレーされた缶の内面を覆って効果的に「湿潤」させる、または、均一に塗布される能力の視覚的な評価である。スプレーされたコーティングにとって、目に見える欠陥、例えば小さい穴、クリーピング、はじきなど(これらは、より高い金属接触値、またはその他の外観上好ましくない現象を引き起こす可能性がある)がなく、均一に塗布されることが望ましい。優秀という評価は、缶が、商業上許容できる特性を有することを示すと考えられる。評価基準は言葉によるものであり、以下のように定義される:優秀:目に見える欠陥なし;良好:極めてわずかな、最小の欠陥;良:やや顕著な欠陥;不可:顕著な欠陥の頻繁な出現。
ブリスター形成評価
この試験は、本質的に、スプレーコーティングした缶内部の特定の領域において、コーティングが「ブリスター」を形成する傾向、または、望ましくない気泡を形成する傾向の目視検査である。缶内部上のコーティングにとって、目に見えるブリスター形成を有することは、商業上望ましくない。従って、ブリスター評価が「優秀」である場合、缶が、商業的な特性を有すると考えられることを示す。評価基準は言葉によるものであり、以下のように定義される:優秀:目に見えるブリスター形成なし;良好:極めてわずかな小さいブリスター形成;良:小さいブリスターの頻繁な出現;不可:大きいブリスターの頻繁な出現。
硬化したフィルム性能評価
コーティングされたブリキ製D&I缶中に商業的に「包装」された多種多様の食品を用意する。コーティングの調査と開発目的で、数種のコーティングの「スクリーニング試験」が開発されており、コーティングが、商業的に製造され包装されたブリキ製D&I缶で、内部ラッカーとして容認できるように機能するのに必要な汚染性、接着および腐食性能を有するかどうかを予測するのに役立たせることができる。特に興味深いのは、食品滅菌サイクル(より一般的には「食品のレトルト処理」と称される)下でのコーティングの性能である。食品のレトルト処理とは、過熱され加圧された蒸気および/または水中で行われる包装された缶の加熱滅菌である。
一般的に市販されている滅菌レトルトでは、缶のサイズや対象となる食品などの要素に応じて約10分間〜数時間(1〜3時間)の範囲の期間、包装された食品缶を過熱蒸気または水に通過させる。蒸気または水の温度は、約121℃である。いくつかの缶内部のコーティングは、汚染耐性、接着または耐食性のようなコーティング性能が達成されなくなる可能性があるのは、これらのレトルト条件下である。内部のコーティングの機能は、缶の内面を包装された製品から保護すること(腐食、汚染耐性)、同様に、包装された製品を缶から保護すること(金属接触、接着)である。D&I缶の内部コーティングにとって、包装、滅菌または貯蔵条件下でこれらの領域内に劇的な欠陥を示すことは、商業上望ましくない。このようなものとして、あらゆる将来性のある新しいD&I缶の内部の商業的な性能を予測する試験プロトコールが、効果的に開発されてきた。
特に興味深いのは、缶の「上部空間」(または「ドーム」)領域であり、この領域は、性能の必要条件が最も困難になる傾向がある。上部空間は、缶のトップにある、食品が存在しない小さい領域(典型的には0.5〜1.0cm)である。いずれの缶においても、上部空間は、その内容物の圧力によって缶が破裂しないように、レトルト処理中の製品の膨張を許容するために残してある。場合によっては、レトルト処理後に、缶のドームとビード部でさらなる評価がなされる。
この評価を行うために、試験されるコーティングの変数を用いて十分な数の試験用缶を製造する。缶が、対象のコーティングで完全にコーティングされたら、食品耐性試験を行うための数種の食品試験媒体を選択する。金の変数に関して、選択された製品は、典型的に金製D&I缶に商業的に包装される多くの製品の代表的なものである。実際の食品が選択されたら、それらを、商業的に用いられる温度で缶胴体に充填する。一つは、さらなる詳細または参照のために、商業的な缶詰化のガイドの意見を求めるべきである。典型的には、レトルトの際に製品が膨張できるように、各缶に約1.25cm(上部空間)の範囲内まで充填する。充填されたら、各缶を、適切な直径の二重のシーミングによって、食品の缶の端で適切に密閉する。シーミングされたら、商業的な慣例に従って、缶をレトルト滅菌サイクル(時間,温度)で処理する。レトルト滅菌後、缶を十分に冷却し、従来の手動式の缶切りで開ける。開けたら、内容物を出して、缶の内部をきれいな水ですすぎ、缶を、側面から側壁を横方向に4つに切断し、「平坦にした」缶を十分に乾燥させる。この段階で、缶は、以下でより詳細に説明されるフィルム評価(接着,TNO包括的移動および腐食(TNO global Migration,and Corrosion)のための準備を整える:
接着評価法
缶の上部空間(「ドーム」)領域と側壁に、ドイツ国ベルリンのドイツ規格協会(Deutsches Institut fur Normung e.V.)によって公開されているDIN標準(DIN Standard)No.53151で説明されているように、鋭利な物体で平行線のパターンを付ける。この平行線のパターンが作製されたら、この領域を、DIN標準No.53151で粘着テープを用いて調査し、この領域における接着を維持するコーティングの能力を評価する。DIN標準No.53151で説明されている接着評価基準は、GT0〜GT5の範囲である。評価GT0は、試験された領域において、テープ除去操作中に100%のコーティングが接着を維持することを意味する。評価GT5は、試験された領域に高い接着の損失がある場合、例えば、試験された領域においてテープが100%のコーティングを剥がした場合に付与される。
TNO包括的マイグレーション試験(TNO Global Migration Test)
TNO包括的マイグレーション試験は、多数の食品に認可されたラッカーの承認試験(Dutch national laboratory TNOによって考案された)の1つである。TNO包括的マイグレーション試験は、酢酸溶液の総重量に基づき3重量パーセントの酢酸、および、97重量パーセントの脱イオン水を含む酢酸溶液を用いる抽出試験である。この酢酸溶液を、以下の試験条件下で、コーティングされたアルミニウムパネルと接触させて放置する:100℃で30分間,続いて40℃で10日の貯蔵。10日の貯蔵期間の最後に、酢酸溶液を蒸発させ、あらゆる残存する抽出物の重量を量る。TNO包括的マイグレーション試験の合格は、現在のところ、多少の残存するいずれかの抽出物が、コーティングされたアルミニウムパネル1dmあたり10mgまたはそれ未満であることが必要である。
腐食評価
腐食試験法No.1
腐食試験法No.1は、コーティング組成物が内部に塗布され硬化された金属製の食品および飲料包装容器の缶を試験するパックを必要とする。腐食試験法No.1は、製品の使用の実際の商業的な条件を可能な限り最も近い程度に再現するよう試みられている。腐食試験法No.1に従って、コーティングされた金属製の食品および飲料包装容器缶を、パイロット規模のスプレー塗布器具、および、炉で硬化するための器具を用いて製造する。パイロット規模のスプレー塗布器具は、商業的な原寸のスプレー塗布器具の装置に見合うスプレーノズル、および、スプレーガン装置を含む。
腐食試験法No.1に従って、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品または飲料包装容器のサンプルを、サンプルコーティング組成物(すなわち「試験用」コーティング組成物)、例えば本発明のコーティング組成物を用いて製造する。次に、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品および飲料包装容器に、各種ドリンク(ビール、コーラ、アイソトニック飲料)、または、各種食品のいずれか(トマトスープ、野菜など)を、パイロット規模の充填プラントを用いて充填する。次に、容器に入れられた特定の飲料または食品の通常の商業的な慣例に応じて、充填された容器を低温殺菌してもよい(または、低温殺菌しなくてもよい)。充填された容器を、2つの異なる群にに分け、次に、これらを、室温(約20℃)、および、37℃で、あらゆる望ましい期間(例えば12ヶ月)保存する。
選択された試験期間の後、異なる温度および貯蔵時間の変数で試験された充填された容器をそれぞれ開け、充填された容器の内容物を除去する。容器内部のあらゆる腐食存在または非存在を目視で観察し、評価し、記録する。評価基準は、評価ゼロ(目視でわかる重度の腐食)〜評価5(目視でわかる腐食なし)の範囲である。
腐食試験法No.2
腐食試験法No.1は、缶詰製品の実世界での使用状態を代表する結果を示すが、結果を得るのに極めて長い時間がかかる。より早い製品開発に対応して、より迅速な促進腐食試験方法が考案されている。様々な代替腐食試験法、例えば腐食試験法No.2が開発されている。腐食試験法No.2は、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品および飲料包装容器の耐食性を、腐食試験法No.1が必要とする時間よりも短い時間で予測するために考案された促進腐食試験法である。
腐食試験法No.2に従って、コーティングされた(さらに硬化された)金属パネルのサンプルを、アルミニウムパネルとブリキパネルの両方に塗布される標準的な既知の商業的にうまくいっているコーティング組成物(すなわち「コントロール」コーティング組成物)を用いて製造する。次に、コーティングされた(さらに硬化された)金属パネルのその他のサンプルを、類似の条件下で、同様にアルミニウムパネルとブリキパネルの両方に塗布される第二のコーティング組成物(すなわち、「試験」用コーティング組成物)、例えば本発明のコーティング組成物を用いて製造する。
次に、2セットのコーティングされた(さらに硬化された)金属パネルを、塩+酸試験溶液中に置き、これを60℃の温度で試験期間5日間保持する。塩+酸試験溶液は、脱イオン水中に、塩+酸試験溶液の総重量に基づき1.5重量パーセントの塩(NaCl)、および、1.5重量パーセントの酢酸の混合物を含む。5日の試験期間の最後に、2セットのコーティングされた(さらに硬化された)金属パネルを、腐食の兆候に関して、外観的に、さらに顕微鏡下の両方で試験する。
試験用コーティングを用いて製造されたコーティングされた(さらに硬化された)金属パネルの様相が、コントロールコーティングを用いて製造されたコーティングされた(さらに硬化された)金属パネルの様相に見合う、または、それを超える場合、これは、一般的に、試験用コーティングは、長時間のパック試験手順、すなわち腐食試験法No.1に合格する可能性が高いという良好な指標である。また、試験用コーティングを用いて製造されたコーティングされた(さらに硬化された)金属パネルの様相が、コントロールコーティングを用いて製造されたコーティングされた(さらに硬化された)金属パネルの様相に見合う、または、それを超える場合、これは、一般的に、試験用コーティングは、TNO包括的マイグレーション試験に合格する可能性が高いという良好な指標である。
腐食試験法No.3
腐食試験法No.1は、缶詰製品の実世界での使用状態を代表する結果を示すが、結果を得るのに極めて長い時間がかかる。より早い製品開発に対応して、より迅速な促進腐食試験方法が考案されている。様々な代替腐食試験法、例えば腐食試験法No.3が開発されている。腐食試験法No.3は、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品および飲料包装容器の耐食性を、腐食試験法No.1が必要とする時間よりも短い時間で予測するために考案された促進腐食試験法である。
腐食試験法No.3に従って、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品および飲料包装容器のサンプルを、サンプルコーティング組成物(すなわち「試験」用コーティング組成物)、例えば本発明のコーティング組成物を用いて、これをアルミニウム包装容器とブリキ包装容器の両方の内部に塗布し、次に硬化させて製造した。次に、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品および飲料包装容器に、コークL85(Coke L85)として知られている試験溶液を、パイロット規模の充填プラントを用いて充填する。コークL85溶液は、リン酸、クエン酸、および、塩を含む。次に、2セットの充填した容器を、37℃で、望ましい試験期間保存する。
試験期間が完了した後、充填された容器の内容物を、溶解した鉄(ブリキ容器が用いられる場合)、または、溶解したアルミニウム(アルミニウム容器が用いられるの場合)のいずれかについて解析する。この試験を用いて得られた結果は、実際のパック試験を用いて得られた結果(例えば腐食試験法No.1を用いて得られた結果)とよく相関する。1つの試験基準下で、腐食試験法No.3に従って10日の試験期間を用いて試験する場合、コーティングされた(さらに硬化された)金属製の食品および飲料包装容器の内容物は、0.5ppmの溶解した鉄(ブリキ容器が用いられる場合)濃度もしくはそれ未満(重量に基づき)、または、0.1ppmの溶解したアルミニウム(アルミニウム容器が用いられる場合)の濃度もしくはそれ未満(重量に基づき)の平均であると予想される(12種の異なる容器に基づき)。この基準で、10日間の試験期間の後、ブリキ容器はどれも、溶解した鉄を1.0ppm(重量に基づき)より多く含まないと予想され、アルミニウム容器はどれも、溶解したアルミニウムを、0.20ppm(重量に基づき)より多く含まないと予想される。
酸価測定法
特定の重合体(例えばポリエステルまたはポリエステルアクリラート)の酸価は、スチレン−無水マレイン酸樹脂の酸価のための表題の標準試験法であるASTM標準No.D3644−98(2004)を用いて決定してもよい。ASTM標準No.D3644−98は、ペンシルベニア州ウエストコンショホッケンのASTMインターナショナル(ASTM International)により公開され、さらにそこから入手可能である:特に他の指定がない限り、あらゆる重合体または樹脂の全ての酸価の値は、添付の単位が示されずに酸性度として述べられる場合、当然ながら、重合体または樹脂1グラムあたりのKOHのmgという単位で示されるものとする。
ヒドロキシル価測定法
特定の重合体(例えばポリエステルまたはポリエステルアクリラート)のヒドロキシル価の数は、ヒドロキシル基に関する無水酢酸のアセチル化を用いた表題の標準試験法であるASTM標準No.E222−00を用いて決定してもよい。ASTM標準No.E22−00は、ペンシルベニア州ウエストコンショホッケンのASTMインターナショナルにより公開され、さらにそこから入手可能である:特に他の指定がない限り、あらゆる重合体または樹脂の全てのヒドロキシル価の値は、添付の単位が示されずにヒドロキシル価として述べられる場合、当然ながら、重合体または樹脂1グラムあたりのKOHのmgという単位で示されるものとする。
粘度測定法#1
粘度測定法#1は、RELコーン&プレート(REL Cone&Plate,英国トゥィックナムのリサーチ・イクイップメント・リミテッド(Research Equipment Limited)より入手可能)粘度計を用いて、特定のサンプル温度(例えば約50℃の温度)での流体サンプルの粘度を決定することを必要とする。粘度測定法#1に係るRELコーン&プレート粘度計を用いる粘度測定は、RELコーン&プレート粘度計に添付された操作マニュアルの説明書のようにして、ASTM(米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials);ウエストコンショホッケン,ペンシルベニア州)の標準D4287−00(「コーン/プレート粘度計を用いた高せん断粘度のための標準試験法(Standard Test Method for High−Shear Viscosity Using a Cone/Plate Viscometer)」という題)に従う。
粘度測定法#2
粘度測定法#2は、特定のサンプル温度(例えば約20℃の温度)での流体サンプルの粘度を、ASTM(米国材料試験協会;ウエストコンショホッケン,ペンシルベニア州)の標準D1200−94(1999)(「フォード(Ford)のビスコシティカップによる粘度の標準試験法(Standard Test Method for Viscosity by Ford Viscosity Cup)」という題名)に従って決定することを必要とする。フォードのビスコシティカップ、例えばフォード#4ビスコシティクリップを用いる代わりとして、この粘度測定#2を用いてなされた粘度測定は、AFNORカップ、例えばAFNOR#4カップを用いてもよい。
粘度測定法#3
粘度測定法#3は、ストートン,マサチューセッツ州のブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.)より入手可能な、ブルックフィールドモデルLVTダイヤル目盛り式粘度計を用いて、特定のサンプル温度(例えば約25℃の温度)での流体サンプルの粘度を測定することことを必要とする。粘度測定法#3に係る粘度測定は、ブルックフィールドモデルLVTダイヤル目盛り式粘度計に与えられた操作マニュアルの説明書に従う。スピンドルの数で区別され、さらに測定される粘度が特定のスピンドルの範囲内になるように選択された適切なスピンドルを、測定セル内に配置させる。ブルックフィールド粘度は、発明者の指示で行われた較正に関する研究に基づき選択された毎分回転数(RPM)速度で選択されたスピンドルを加工させながら測定される。
粒度測定法
本明細書中に列挙された粒度プロファイルは、ベックマン−コールター(Beckman−Coulter)LSTM230粒度解析器に添付されていた説明マニュアルに従って、ベックマン−コールターLSTM230レーザー回折粒度解析器を用いてなされた粒度測定に基づく。ベックマン−コールターLSTM230粒度解析器ベックマン−コールターLSTM230粒度解析器は、フラトン,カリフォルニア州のベックマンコールター社(Beckman Coulter, Inc.)から入手してもよい。
総固体の測定法
ポリエステルまたはポリエステルアクリラートを含む特定のサンプルの固体(不揮発性物質)全ての実重量は、まず、「そのままの」サンプル1グラムを測定することによって測定してもよい。次に、このサンプル1グラムを、1時間の乾燥時間のために、内部温度が110℃の炉に入れる。乾燥させたサンプルの残存した重量が、元の「そのままの」サンプル1グラム中の、全ての固体の実重量(不揮発性物質)を構成する。次に、元の「そのままの」サンプル中の重量パーセントの総固体(不揮発性物質)は、乾燥させた後の総固体の実重量を、元の「そのままの」サンプル1グラムの実重量(1グラム)で割り、この結果に100%を掛けることによって計算してもよい。
含水量の測定法
特定のサンプルの含水量は、容量式のカール・フィッシャー滴定法を用いた水分の標準試験法(Standard Test Method for Water Using Volumetric Karl Fischer Titration)という題名の、ASTM標準No.E203−01のカール・フィッシャー滴定法を用いて決定してもよい。ASTM標準No.E203−01は、ウエストコンショホッケン,ペンシルベニア州のASTMインターナショナルによって公開されており、そこから入手可能である。サンプルの揮発性部分中の水の濃度は、まず、サンプルの「そのままの」総重量から、サンプル中に存在する全ての固体の実重量(不揮発性物質)(例えば、上記固体総量の測定法を用いて決定される)を引き、サンプルの揮発性部分の総重量を得ることによって測定してもよい。続いて、サンプルの揮発性部分中の水の濃度は、この手順に従って決定された水の実重量を、サンプルの揮発性部分の総重量で割り、この結果に100%を掛けることによって計算してもよい。
VOC含量の測定法
特定のサンプルの揮発性部分中のVOC(揮発性有機化合物)濃度は、この手順に従って計算してもよい。第一に、サンプルの「そのままの」総重量から、サンプル中に存在する全ての固体の実重量(不揮発性物質)(例えば、上記固体総量の測定法を用いて決定される)と、サンプルの揮発性部分中に存在する水の実重量(例えば、上記含水量の測定法を用いて決定される)とを引き、サンプルの揮発性部分中のVOCの総重量を得ることができる。続いて、サンプルの揮発性部分中のVOC濃度は、この手順に従って決定されたVOCの実重量を、サンプルの揮発性部分の総重量で割り、この結果に100%を掛けることによって計算してもよい。
特定のサンプルの不揮発性物質部分の単位重量あたりの、VOC(揮発性有機化合物)重量(例えば、ドライコーティング1キログラムあたりのVOCグラム)は、この手順に従って計算してもよい。まず、サンプルの揮発性部分中のVOCの総重量は、この手順で上述したようにして計算することができる。次に、サンプルの揮発性部分中のVOCの総重量を、サンプル中に存在する全ての固体の実重量(不揮発性物質)(例えば、上記固体総量の測定法を用いて決定される)で割り、サンプル中の不揮発性物質部分の単位重量(水性分散液の乾燥重量)あたりのVOC(揮発性有機化合物)の重量を決定することができる。
サンプルの単位体積あたりのVOC(揮発性有機化合物)重量(サンプル1ガロンあたりのVOCグラム)は、この手順に従って計算してもよい。第一に、サンプルの揮発性部分中のVOCの総重量は、この手順で上述したようにして計算することができる。次に、サンプルの揮発性部分中のVOCの総重量をサンプルの実体積で割り、サンプルの単位体積あたりのVOC(揮発性有機化合物)重量を決定することができる。
実施例
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために提供され、それらの範囲を限定するものとして解釈されない。特に他の指定がない限り、全ての部およびパーセンテージは重量による。
実施例1:ポリエステル合成
この実施例において、配合A〜J(表10を参照)の10種の異なるポリエステルを本発明に従って合成した。これらの10種の異なるポリエステル合成の詳細は、表1に従って提供された。
Figure 2007521996
実施例1−ポリエステルA
5リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。385.0グラムのトリメチロールプロパン、183.0グラムのラウリン酸、および、1.9グラムのREATINOR(R)932オクチル−スズメルカプチド重合安定剤を、上記5リットルのフラスコに添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり215℃〜220℃に加熱し、重縮合反応が起こっている際に生成した水を蒸留して除いた。この反応混合物の酸価が5未満に落ちたら、このフラスコの内容物を170℃に冷却し、541.0グラムのネオペンチルグリコール、343.0グラムのアジピン酸、145.0グレインのテレフタル酸、604.0グラムの無水フタル酸、および、5.0グラムの無水マレイン酸を、上記5リットルのフラスコに添加した。
この混合物を、窒素ブランケットのもとで235℃〜240℃にゆっくり再加熱し、追加の水を蒸留して除いた。この混合物の酸価が30未満に落ちたら、この反応混合物を200℃に冷却し、共沸蒸留のために、充填カラムを、ディーン・スタークカラム(米国ニュージャージー州ヴァインランドのキンブル/コンテス(Kimble Kontes)より入手可能)で置き換え、このフラスコに113.0グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。次に、このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、その後、このフラスコに512.0グラムのブチルグリコールを添加し、溶解したポリエステルAの溶液を作製した。
溶解したポリエステルAの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルAの溶液の総重量に基づき76.6重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルAの酸価は、前述の酸価測定法を用いて7.5と測定された。
実施例1−ポリエステルB
5リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。386.8グラムのプロピレングリコール、779.0グラムの1,4−シクロヘキサンジメタノール、517.9グラムのテレフタル酸、および、2.7グラムのジブチル錫ラウレート(laureate)(重合安定剤)を、上記5リットルのフラスコに添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり215℃〜220℃に加熱し、重縮合反応が起こっている際に生成した水を蒸留して除いた。反応混合物が透明になったらこのフラスコの内容物を180℃に冷却し、120.8グラムのトリメチロールプロパン、1322.5グラムのイソフタル酸、および、29.7グラムの無水マレイン酸を、上記5リットルのフラスコに添加した。
この混合物を、窒素ブランケットのもとで、ゆっくり215℃〜220℃に再加熱し、追加の水を蒸留して除いた。この混合物の酸価が30未満に落ちたら、フラスコ中の反応混合物を200℃に冷却し、共沸蒸留のために、充填カラムを、ディーン・スタークカラム(米国ニュージャージー州ヴァインランドのキンブル/コンテス(Kimble Kontes)より入手可能)で置き換え、このフラスコに29.7グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。次に、このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、このフラスコに1431.0グラムのブチルグリコール、201.1グラムのn−ブタノール、および、422.1グラムのキシレンを添加し、溶解したポリエステルBの溶液を作製した。
溶解したポリエステルBの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルBの溶液の総重量に基づき55.2重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルBの酸価は、前述した酸価測定法を用いて2.3と測定された。上記で示された粘度測定法#1に従って、RELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、溶解したポリエステルBの溶液は、22ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルC
5リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。この5リットルのフラスコに、511.9グラムのプロピレングリコール、111.4グラムのトリメチロールプロパン、524.7グラムのジメチルテレフタラート、および、1.5グラムのFASCAT(R)9100触媒製品を添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり220℃〜230℃に加熱し、エステル交換反応が起こっている際に生成したメタノールを、反応混合物が透明になり、さらにカラムのヘッドの温度が落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を180℃に冷却し、508.3グラムのテレフタル酸を添加した。この反応混合物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり220〜230℃に再加熱し、カラムのヘッドの温度が落ちて反応混合物が透明になるまで、水を蒸留して除いた。次に、このフラスコの内容物を180℃に冷却し、136.1グラムのイソフタル酸、および、17.3グラムの無水マレイン酸を、上記5リットルのフラスコに添加した。
この反応混合物を、窒素ブランケットのもとで、ゆっくり220℃〜230℃に再加熱し、水を、この混合物が透明になりカラムのヘッドの温度が落ちるまで蒸留して除いた。200℃に冷却した後に、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、このフラスコに13.2グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が6未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、811.8グラムのブチルグリコール、114.3グラムのn−ブタノール、および、229.0グラムのキシレンを続いて添加し、溶解したポリエステルCの溶液を作製した。
溶解したポリエステルCの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルCの溶液の総重量に基づき54.8重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルCの酸価は、前述した酸価測定法を用いて4.2と測定された。溶解したポリエステルCの溶液は、上記で示された粘度測定法#1に従ってRELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、18.2ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルD
2リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。このフラスコに、264.3グラムのプロピレングリコール、106.6グラムの1,4−シクロヘキサンジメタノール、42.6グラムのトリメチロールプロパン、92.5グラムのエチレングリコール、および、786.8グラムのジメチルテレフタラート、および、0.7グラムのFASCAT(R)4201触媒製品を添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり215℃〜220℃に加熱し、エステル交換反応が起こっている際に生成したメタノールを蒸留して除いた。反応混合物が透明になったら、このフラスコの内容物を180℃に冷却し、このフラスコに174.7グラムのテレフタル酸、96.8グラムの1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、および、14.6グラムの無水マレイン酸を続いて添加した。
この反応混合物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり235℃に再加熱し、水を蒸留して除いた。反応混合物が透明になったら、反応装置を200℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、このフラスコに40.0グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が4未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、690.3グラムのブチルグリコール、97.8グラムのn−ブタノール、および、191.3グラムのキシレンを続いて添加し、溶解したポリエステルDの溶液を作製した。
溶解したポリエステルDの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルDの溶液の総重量に基づき54.5重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルDの酸価は、前述した酸価測定法を用いて10と測定された。
実施例1−ポリエステルE
2リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。このフラスコに、440.7グラムのプロピレングリコール、76.5グラムのトリメチロールプロパン、432.7グラムのジメチルテレフタラート、および、1.4グラムのFASCAT(R)9100触媒製品を添加した。次に、このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり205℃に加熱し、エステル交換反応が起こっている際に生成したメタノールを蒸留して除いた。カラムのヘッドの温度が落ち、蒸留の速度が落ちたら、このフラスコの内容物を180℃に冷却し、このフラスコに419.2グラムのテレフタル酸を添加した。この反応混合物を、窒素ブランケットのもとで、ゆっくり225℃〜230℃に再加熱し、水を蒸留して除いた。反応混合物が透明になったら、このフラスコの内容物を180℃に冷却し、このフラスコに112.2グラムのイソフタル酸、および、14.3グラムの無水マレイン酸を添加した。
フラスコ中の反応混合物を、充填カラムのヘッドの温度が落ち、蒸留の速度が落ちるまで、ゆっくり225℃〜230℃に再加熱した。フラスコ中の反応混合物を200℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換えた。このフラスコに27.9グラムのキシレンを続いて添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が3未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、662.4グラムのブチルグリコール、93.1グラムのn−ブタノール、および、179.2グラムのキシレンを添加し、溶解したポリエステルEの溶液を作製した。
溶解したポリエステルEの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルEの溶液の総重量に基づき55.1重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルEの酸価は、前述した酸価測定法を用いて2.4と測定された。溶解したポリエステルEの溶液は、RE上記で示された粘度測定法#1に従って、Lコーン&プレート粘度計を用いて、50℃のサンプル温度で測定したところ、10ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルF
2リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。このフラスコに、496.9グラムのプロピレングリコール、80.1グラムのトリメチロールプロパン、880.1グラムのテレフタル酸、125.5グラムのイソフタル酸、16.0グラムの無水マレイン酸、および、3.0グラムのFASCAT(R)9100触媒製品を添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり225℃〜235℃に加熱し、重縮合反応で生成した水を蒸留して除いた。
反応混合物が透明になったらおよび、充填カラムのヘッドの温度を落とし、フラスコ中の反応混合物を200℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、このフラスコに30.0グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、744.6グラムのブチルグリコール、104.7グラムのn−ブタノール、および、219.6グラムのキシレンを続いて添加し、溶解したポリエステルFの溶液を作製した。
溶解したポリエステルFの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルFの溶液の総重量に基づき55.9重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルFの酸価は、前述した酸価測定法を用いて3.2と測定された。溶解したポリエステルFの溶液は、上記で示された粘度測定法#1に従って、RELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、8.4ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルG
ポリエステルEの合成を、バッチサイズ120kgのパイロット規模で繰り返した。ポリエステルGの配合は、ポリエステルEの配合と同じであった。
反応装置に、24610グラムのプロピレングリコール、4274グラムのトリメチロールプロパン、24164グラムのジメチルテレフタラート、および、78グラムのFASCAT(R)9100製品を添加した。反応装置の内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり205℃に加熱し、および、エステル交換反応で生成したメタノールを蒸留して除いた。カラムのヘッドの温度が落ち、蒸留の速度が落ちたら、反応装置の内容物を180℃に冷却し、反応装置に23408グラムのテレフタル酸を添加した。この混合物を、窒素ブランケットのもとで、ゆっくり225℃〜230℃に再加熱し、水を蒸留して除いた。反応混合物が透明になったら、反応装置の内容物を180℃に冷却し、反応装置に6266グラムのイソフタル酸、および、799グラムの無水マレイン酸を添加した。
この反応混合物を、充填カラムのヘッドの温度が落ち、蒸留の速度が落ちるまで、ゆっくり225℃〜230℃に再加熱した。この反応混合物を170℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、反応装置に1579グラムのキシレンを添加した。反応装置の内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。反応装置の内容物を、145℃〜150℃に冷却し、26770グラムのブチルグリコール、5359グラムのn−ブタノール、および、11073グラムのキシレンを添加し、溶解したポリエステルGの溶液を作製した。
溶解したポリエステルGの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルGの溶液の総重量に基づき58.9重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルGの酸価は、前述した酸価測定法を用いて3.9と測定された。溶解したポリエステルGの溶液は、上記で示された粘度測定法#1に従って、RELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、8.6ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルH
2リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。このフラスコに、498.6グラムのプロピレングリコール、80.1グラムのトリメチロールプロパン、880.1グラムのテレフタル酸、40.0グラムのイソフタル酸、および、2.0グラムのFASCAT(R)9100触媒製品を添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり225℃〜235℃に加熱し、重縮合反応で生成した水を蒸留して除いた。反応混合物が透明になり、カラムのヘッドの温度が落ちたら、この反応混合物を160℃に冷却し、このフラスコに85.5グラムのイソフタル酸、および、16.0グラムの無水マレイン酸を添加した。この反応混合物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり220℃〜230℃に再加熱した。
反応混合物が透明になったらおよび、充填カラムのヘッドの温度を落とし、フラスコ中の反応混合物を200℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、このフラスコに30.0グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、744.6グラムのブチルグリコール、104.7グラムのn−ブタノール、および、219.6グラムのキシレンを続いて添加し、溶解したポリエステルHの溶液を作製した。
溶解したポリエステルHの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルHの溶液の総重量に基づき55.2重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルHの酸価は、前述した酸価測定法を用いて3.4と測定された。溶解したポリエステルHの溶液は、上記で示された粘度測定法#1に従って、RELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、11.5ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルI
2リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。このフラスコに、498.8グラムのプロピレングリコール、80.1グラムのトリメチロールプロパン、880.1グラムのテレフタル酸、125.5グラムのイソフタル酸、および、2.0グラムのFASCAT(R)9100触媒製品を添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり225℃〜235℃に加熱し、重縮合反応で生成した水を蒸留して除いた。
反応混合物が透明になったらおよび、充填カラムのヘッドの温度を落とし、フラスコ中の反応混合物を170℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、このフラスコに16.0グラムの無水マレイン酸、および、30.0グラムのキシレンを添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、744.6グラムのブチルグリコール、104.7グラムのn−ブタノール、および、219.6グラムのキシレンを続いて添加し、溶解したポリエステルIの溶液を作製した。
溶解したポリエステルIの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルIの溶液の総重量に基づき55.2重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルIの酸価は、前述した酸価測定法を用いて3.4と測定された。溶解したポリエステルIの溶液は、上記で示された粘度測定法#1に従って、RELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、7.5ポイズの粘度を有していた。
実施例1−ポリエステルJ
2リットルのフラスコに、撹拌器、充填カラム、コンデンサー、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。このフラスコに、498.8グラムのプロピレングリコール、80.1グラムのトリメチロールプロパン、1028.7グラムのジメチルテレフタラート、および、2.0グラムのFASCAT(R)9100触媒製品を添加した。このフラスコの内容物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり225℃〜235℃に加熱し、エステル交換反応で生成したメタノールを蒸留して除いた。反応混合物が透明になり、カラムのヘッドの温度が落ちたら、反応装置を160℃に冷却し、このフラスコに125.5グラムのイソフタル酸、および、16.0グラムの無水マレイン酸を添加した。この反応混合物を、窒素ブランケットのもとでゆっくり220℃〜230℃に再加熱した。
反応混合物が透明になったらおよび、充填カラムのヘッドの温度を落とし、フラスコ中の反応混合物を180℃に冷却し、充填カラムを、共沸蒸留のためにディーン・スタークカラムで置き換え、このフラスコに30.0グラムのキシレンを続いて添加した。このフラスコの内容物を窒素ブランケットのもとで還流温度に再加熱し、追加の反応で生成した水を、この反応混合物の酸価が5未満に落ちるまで蒸留して除いた。このフラスコの内容物を、145℃〜150℃に冷却し、744.6グラムのブチルグリコール、104.7グラムのn−ブタノール、および、219.6グラムのキシレンを続いて添加し、溶解したポリエステルJの溶液を作製した。
溶解したポリエステルJの溶液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、溶解したポリエステルJの溶液の総重量に基づき55.1重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルJの酸価は、前述した酸価測定法を用いて2.4と測定された。溶解したポリエステルJの溶液は、RELコーン&プレート粘度計を用いて50℃のサンプル温度で測定したところ、4.9ポイズの粘度を有していた。
実施例2:ポリエステルアクリラートの合成
この実施例において、15種の異なるポリエステルアクリラートを本発明に従って合成した。これらの15種の異なるポリエステルアクリラート合成の詳細を、以下に示す。
実施例2−ポリエステルアクリラート1
4リットルのフラスコに、撹拌器、還流冷却器、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。この4リットルのフラスコに、1197.0グラムの「実施例1−ポリエステルA」で製造されたポリエステルAが溶解した溶液を入れ、窒素ブランケットのもとで135℃に予熱した。別のフラスコに、277.0グラムのアクリル酸エチル、59.0グラムの精製アクリル酸、83.0グラムのスチレン、および、17.1グラムのVAZO(R)67フリーラジカル開始剤を予備混合した。次に、このポリエステル溶液に、単量体と開始剤の混合物を、窒素ブランケットのもとで、2時間かけて、133℃〜135℃の温度で添加した。単量体/開始剤の添加が完了した後、この4リットルのフラスコ内の温度を、133℃〜135℃で1時間維持した。
次に、この4リットルのフラスコに、2.2グラムのTRIGONOX(R)Cフリーラジカル開始剤を添加し、温度を133℃〜135℃に2時間維持した。次に、この反応混合物を110℃に冷却し、80.0グラムのジメチルエタノールアミン、および、80.0グラムの脱塩水を含む予備混合物を10分かけて添加し、続いて15分間保持した。この反応混合物の温度を、添加の最後に約100℃に落とし、保持の最後に約95℃にそれぞれ落とした。最終的に、1120グラムの脱塩水を30分かけて添加し、このポリエステルアクリラートの溶液を、ポリエステルアクリラート1の水性分散液に転換した。
ポリエステルアクリラート1の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート1の水性分散液の総重量に基づき約30重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート1の酸価は、前述した酸価測定法を用いて37と測定された。ポリエステルアクリラート1の水性分散液は、約20℃の温度で、8.53標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート1の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従って、AFNOR#4カップを用いて20℃のサンプル温度で測定したところ、176秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート2
5リットルのフラスコに、撹拌器、還流冷却器、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。この5リットルのフラスコに、1094.4グラムの「実施例1−ポリエステルB」で製造されたポリエステルBが溶解した溶液を入れ、窒素ブランケットのもとで135℃に予熱した。別のフラスコに、184.7グラムのアクリル酸エチル、39.3グラムの精製アクリル酸、55.3グラムのスチレン、および、11.4グラムのVAZO(R)67フリーラジカル開始剤を予備混合した。次に、このポリエステル溶液に、単量体と開始剤の混合物を、窒素ブランケットのもとで、132℃〜136℃の温度で3時間かけて添加した。次に、この5リットルのフラスコ内の温度を132℃〜136℃で1時間維持した。
次に、この5リットルのフラスコに、1.5グラムのTRIGONOX(R)Cフリーラジカル開始剤を添加し、この5リットルのフラスコ内の温度を132℃〜136℃に2時間維持した。次に、この反応混合物を109℃に冷却し、この5リットルのフラスコに53.3グラムのジメチルエタノールアミン、および、53.3グラムの脱塩水を含む予備混合物を10分かけて添加し、続いて、15分間保持した。この反応混合物の温度を、添加の最後に103℃に落とし、保持の最後にそれぞれ95℃に落とした。最終的に、この5リットルのフラスコに1496グラムの水を30分間かけて添加し、このポリエステルアクリラート溶液を、ポリエステルアクリラート2の水性分散液に転換した。
ポリエステルアクリラート2の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート2の水性分散液の総重量に基づき30.0重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート2の酸価は、前述した酸価測定法を用いて34.3と測定された。ポリエステルアクリラート2の水性分散液は、約20℃の温度で、8.78標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート2の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従って、AFNOR#4カップを用いて20℃のサンプル温度で測定したところ、66秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート3
2リットルのフラスコに、撹拌器、還流冷却器、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。この2リットルのフラスコに、830.0グラムの「実施例1−ポリエステルC」で製造されたポリエステルCが溶解した溶液を入れ、窒素ブランケットのもとで135℃に予熱した。別のフラスコに、139.2グラムのアクリル酸エチル、29.6グラムの精製アクリル酸、41.7グラムのスチレン、および、8.6グラムのVAZO(R)67フリーラジカル開始剤を予備混合した。次に、このポリエステル溶液に、窒素ブランケットのもとで、132℃〜136℃の温度で、単量体と開始剤の混合物を140分かけて添加した。次に、この2リットルのフラスコ内の温度を135℃〜136℃で1時間維持した。
次に、この2リットルのフラスコに1.3グラムのTRIGONOX(R)Cフリーラジカル開始剤を添加し、反応装置の温度を132℃〜136℃で2時間維持した。次に、この反応混合物を110℃に冷却し;および、この2リットルのフラスコに36.6グラムのジメチルエタノールアミン、および、36.6グラムの脱塩水を含む予備混合物を10分かけて添加した。この反応混合物の温度を、添加の最後に100℃に落とし、100℃で15分間維持した。最終的に、1127グラムの水を30分間かけて添加し、このポリエステルアクリラート溶液を、ポリエステルアクリラート3の水性分散液に転換した。
ポリエステルアクリラート3の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート3の水性分散液の総重量に基づき29.9重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート3の酸価は、前述した酸価測定法を用いて33.3と測定された。ポリエステルアクリラート3の水性分散液は、約20℃の温度で、8.49標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート3の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従って、AFNOR#4カップを用いて20℃のサンプル温度で測定したところ、114秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート4
2リットルのフラスコに、撹拌器、還流冷却器、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。この2リットルのフラスコに、834.0グラムの「実施例1−ポリエステルD」で製造されたポリエステルDが溶解した溶液を入れ、窒素ブランケットのもとで135℃に予熱した。別のフラスコに、137.7グラムのアクリル酸エチル、29.3グラムの精製アクリル酸、41.2グラムのスチレン、および、8.5グラムのVAZO(R)67フリーラジカル開始剤を予備混合した。次に、このポリエステル溶液に、単量体と開始剤の混合物を、窒素ブランケットのもとで、135℃〜137℃の温度で128分間かけて添加した。次に、この2リットルのフラスコ内の温度を135℃で1時間維持した。
次に、この2リットルのフラスコに1.1グラムのTRIGONOX(R)Cフリーラジカル開始剤を添加し、この2リットルのフラスコ内の温度を135℃で2時間保持した。次に、この反応混合物を110℃に冷却し、この2リットルのフラスコに36.3グラムのジメチルエタノールアミン、および、36.3グラムの脱塩水を含む予備混合物を10分かけて添加し、続いて15分間維持した。この反応混合物の温度を、添加の最後に103℃に落とし、保持の最後に95℃にそれぞれ落とした。最終的に、この2リットルのフラスコに1096グラムの水を30分間かけて添加し、このポリエステルアクリラート溶液を、ポリエステルアクリラート4の水性分散液に転換した。
ポリエステルアクリラート4の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート4の水性分散液の総重量に基づき30.2重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート4の酸価は、前述した酸価測定法を用いて34.1と測定された。ポリエステルアクリラート4の水性分散液は、約20℃の温度で、8.27標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート4の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従って、AFNOR#4カップを用いて20℃のサンプル温度で測定したところ、105秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート5
5リットルのフラスコに、撹拌器、還流冷却器、熱電対、加熱マントル、および、窒素ブランケットを備え付けた。この5リットルのフラスコに、「実施例1−ポリエステルG」で製造された1782.0グラムのポリエステルGが溶解した溶液、および、123.0グラムのブチルグリコールを入れ、窒素ブランケットのもとで133℃に予熱した。別のフラスコに、321.0グラムのアクリル酸エチル、68.3グラムの精製アクリル酸、96.1グラムのスチレン、および、19.9グラムのVAZO(R)67フリーラジカル開始剤を予備混合した。次に、このポリエステル溶液に、単量体と開始剤の混合物を、窒素ブランケットのもとで135分間かけて、132℃〜133℃の温度で添加した。次に、この5リットルのフラスコ内の温度を132℃で1時間維持した。
次に、この5リットルのフラスコに、2.6グラムのTRIGONOX(R)Cフリーラジカル開始剤を添加し、反応装置の温度を132℃で2時間維持した。次に、この反応混合物を105℃に冷却し、この5リットルのフラスコに150.3グラムのジメチルエタノールアミン、および、150.3グラムの脱塩水を含む予備混合物を10分かけて添加し、続いて10分間保持した。この反応混合物温度を、添加の最後に90℃に落とした。最終的に、この5リットルのフラスコに2554グラムの水を30分間かけて添加し、このポリエステルアクリラート溶液を、ポリエステルアクリラート5の水性分散液に転換した。
ポリエステルアクリラート5の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート5の水性分散液の総重量に基づき29.9重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート5の酸価は、前述した酸価測定法を用いて53.3と測定された。ポリエステルアクリラート5の水性分散液は、約20℃の温度で、8.53標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート5の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、58秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート6
このポリエステルアクリラート6を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート5」の詳細と同一である(ただし1つの例外を含む)。具体的には、この「実施例2−ポリエステルアクリラート6」においては、この反応混合物を105℃に冷却した後、211グラムのVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液を包含させた。VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液を添加した後、1時間保持し、その後、ジメチルエタノールアミンおよび脱塩水を添加し、ポリエステルアクリラート6の水性分散液が形成された。「実施例2−ポリエステルアクリラート6」で用いられたVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液には、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき60重量パーセントのフェノール系樹脂が含まれていた。
ポリエステルアクリラート6の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート6の水性分散液の総重量に基づき30.1重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート6の酸価は、前述した酸価測定法を用いて33.2と測定された。ポリエステルアクリラート6の水性分散液は、約20℃の温度で、8.20標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート6の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、41秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート7
このポリエステルアクリラート7が形成された実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート5」の詳細と同一である(ただし1つの例外を含む)。具体的には、この「実施例2−ポリエステルアクリラート7」においては、このポリエステル溶液に単量体と開始剤を添加する前に、211グラムのVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液を132℃でポリエステル樹脂溶液に包含させた。その後、「実施例2−ポリエステルアクリラート5」のその他の詳細に従い、ポリエステルアクリラート7の水性分散液を形成させた。「実施例2−ポリエステルアクリラート7」で用いられたVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液には、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき60重量パーセントのフェノール系樹脂が含まれていた。
ポリエステルアクリラート7の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート7の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート7の酸価は、前述した酸価測定法を用いて36.7と測定された。ポリエステルアクリラート7の水性分散液は、約20℃の温度で、8.14標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート7の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、63秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート8
このポリエステルアクリラート8を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート5」の詳細と同一である(ただし1つの例外を含む)。具体的には、この「実施例2−ポリエステルアクリラート8」においては、反応混合物に211グラムのVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液を包含させてから5分後に、この反応混合物へのジメチルエタノールアミンおよび脱塩水の添加を完了させた。このVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の添加を続けて90℃で10分間維持し、その後、最終的な水の添加を行い、ポリエステルアクリラート8の水性分散液が形成された。「実施例2−ポリエステルアクリラート8」で用いられたVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液には、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき60重量パーセントのフェノール系樹脂が含まれていた。
ポリエステルアクリラート8の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート8の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート8の酸価は、前述した酸価測定法を用いて35.0と測定された。ポリエステルアクリラート8の水性分散液は、約20℃の温度で、7.85標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート8の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、36秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート9
このポリエステルアクリラート9を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート5」の詳細と同一である(ただし2つの例外を含む)。第一に、アクリル酸含量を68.3グラムから122.4グラムに増やし、および、アクリル酸エチル含量を321グラムから268グラムに減らした。第二に、この「実施例2−ポリエステルアクリラート9」においては、211グラムのVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液を、約60℃の温度で転換させたポリエステルアクリラート樹脂に包含させ、その後、最終的なポリエステルアクリラート樹脂への水の添加を完了させた。VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の添加を、続いて20分維持した。「実施例2−ポリエステルアクリラート9」で用いられたVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液には、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき60重量パーセントのフェノール系樹脂が含まれていた。包含されたVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液のフェノール系樹脂で転換させた樹脂は、この実施例のポリエステルアクリラート9の水性分散液の状態で存在する。
ポリエステルアクリラート9の水性分散液は、上記で示された総固体の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート9の水性分散液の総重量に基づき30.4重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート9の酸価は、前述した酸価測定法を用いて52.0と測定された。ポリエステルアクリラート9の水性分散液は、約20℃の温度で、8.34標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート9の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、42秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート10
このポリエステルアクリラート10を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート9」の詳細と同一である(ただし以下の例外を含む)。具体的には、この「実施例2−ポリエステルアクリラート10」においては、ジメチルエタノールアミンおよび脱塩水をこの反応混合物に添加してから5分後に、211グラムのVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液をと共に224.8グラムのCYMEL303架橋剤、および、389.4グラムのn−ブタノール含む混合物を、この反応混合物に包含させた。従って、「実施例2−ポリエステルアクリラート9」においては、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液は、最終的な水の添加の後に包含させたが、それに対して、この実施例においては、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液は、最終的な水の添加の前に包含させた。VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液、CYMEL303架橋剤、および、n−ブタノールの混合物の添加を、続いて80℃〜90℃で10分間維持し、その後、最終的な水を添加し、ポリエステルアクリラート101の水性分散液を形成させた。「実施例2−ポリエステルアクリラート10」で用いられたVARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液は、VARCUM(R)2227フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき60重量パーセントのフェノール系樹脂を含んでいた。
ポリエステルアクリラート10の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート10の水性分散液の総重量に基づき30.8重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート10の酸価は、前述した酸価測定法を用いて50.0と測定された。ポリエステルアクリラート10の水性分散液は、約20℃の温度で、8.44標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート10の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、137秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート11
このポリエステルアクリラート11を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート9」の詳細と同一である(ただし2つの例外を含む)。第一に、この「実施例2−ポリエステルアクリラート11」においては、フリーラジカルで開始される重合は、「実施例2−ポリエステルアクリラート9」で用いられた132℃の重合に比べて低い温度で、すなわち約121℃で行われた。第二に、この「実施例2−ポリエステルアクリラート11」においては、VAZO(R)67フリーラジカル開始剤の濃度を、「実施例2−ポリエステルアクリラート9」で用いられたVAZO(R)67フリーラジカル開始剤の濃度と比較して約40%まで削減した;従って、この「実施例2−ポリエステルアクリラート11」においては、約11.9グラムのVAZO(R)67フリーラジカル開始剤だけを用いた。これらの2ヶ所の変更により、ポリエステルアクリラート9の配合がポリエステルアクリラート11の配合と同一だとしても、見たところ、ポリエステルアクリラート11のアクリラート部分の分子量がポリエステルアクリラート9の分子量と比較して増加した。
ポリエステルアクリラート11の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート11の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート11の酸価は、前述した酸価測定法を用いて54.2と測定された。ポリエステルアクリラート11の水性分散液は、約20℃の温度で、8.09標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート11の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを20℃のサンプル温度で用いて測定したところ、213秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート12
このポリエステルアクリラート12を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート11」の詳細と同一である(ただし、ポリエステル樹脂の溶液が、「実施例1−ポリエステルF」で製造されたポリエステル樹脂Fの溶液であるという例外を含む)。
ポリエステルアクリラート12の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート12の水性分散液の総重量に基づき29.9重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート12の酸価は、前述した酸価測定法を用いて54.6と測定された。ポリエステルアクリラート12の水性分散液は、約20℃の温度で、8.09標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート12の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを19℃のサンプル温度で用いて測定したところ、351秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート13
このポリエステルアクリラート13を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート11」の詳細と同一である(ただし、ポリエステル樹脂の溶液が、「実施例1−ポリエステルH」で製造されたポリエステル樹脂Hの溶液であるという例外を含む)。
ポリエステルアクリラート13の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート13の水性分散液の総重量に基づき27.9重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート13の水性分散液は、約20℃の温度で、8.14標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート13の水性分散液は、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で上述された粘度測定法#3に従って、そくていブルックフィールドLVTスピンドル#3を12毎分回転数(RPM)で用いてしたところ、25℃のサンプル温度で4965センチポイズの粘度を有していた。
ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する粒子のプロファイルを、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で上述された粒度測定法に従って解析した。ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する全ての粒子の総体積に基づき、この粒子は、1.819μmの分散で、平均直径0.155μm(マイクロメーター)、中位径0.154μm、モード径0.155μm、および、中位径に対する平均直径の比率1.004を有していた。図1に、ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する特定の粒径を有する粒子の体積(パーセント)に対する粒径のプロットを示す。
粒子は、直径0.231μmを有する、または、より集合的には、ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する全ての粒子の総体積の10パーセント未満で構成される。粒子は、直径0.193μmを有する、または、より集合的には、ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する全ての粒子の総体積の25パーセント未満で構成される。粒子は、直径0.154μmを有する、または、より集合的には、ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する全ての粒子の総体積の50パーセント未満で構成される。粒子は、直径0.124μmを有する、または、より集合的には、ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する全ての粒子の総体積の75パーセント未満で構成される。さらに最終的には、粒子は、直径0.104μmを有する、または、より集合的には、ポリエステルアクリラート13の水性分散液に存在する全ての粒子の総体積の90パーセント未満で構成される。
実施例2−ポリエステルアクリラート14
このポリエステルアクリラート14を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート11」の詳細と同一である(ただし、ポリエステル樹脂の溶液が「実施例1−ポリエステルI」で製造されたポリエステル樹脂Iの溶液であるという例外を含むという例外を含む)。
ポリエステルアクリラート14の水性分散液は、ポリエステルアクリラート14の水性分散液の総重量に基づき上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、29重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート14の水性分散液は、約25℃の温度で、8.23標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート14の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを25℃のサンプル温度で用いて測定したところ、243秒の粘度を有していた。
実施例2−ポリエステルアクリラート15
このポリエステルアクリラート15を形成した実施例の詳細は、「実施例2−ポリエステルアクリラート11」の詳細と同一である(ただし、ポリエステル樹脂の溶液が、「実施例1−ポリエステルJ」で製造されたポリエステル樹脂Jの溶液であるという例外を含む)。
ポリエステルアクリラート15の水性分散液は、上記で示された固体総量の測定法に従って測定したところ、ポリエステルアクリラート15の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有していた。ポリエステルアクリラート15の水性分散液は、約25℃の温度で、8.19標準pH単位のpHを有していた。ポリエステルアクリラート15の水性分散液は、上記で示された粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを25℃のサンプル温度で用いて測定したところ、103秒の粘度を有していた。
実施例3:コーティング組成物の製造
この実施例において、15種の異なるポリエステルアクリラートコーティング組成物を本発明に従って製造した。これらのコーティング組成物の製造に関する詳細を以下に示す。
実施例3−コーティング組成物I
709.6グラムのポリエステルアクリラート1の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、105.2グラムの脱イオン水、0.57グラムのCYCAT600触媒、5.1グラムのDOWANOL(R)PMプロピレングリコールメチルエーテル、41.4グラムのn−ブタノール、18.3グラムのアミルアルコール、29.1グラムのCYMEL303架橋剤、および、90.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート1の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物1を形成した。
コーティング組成物1は、コーティング組成物1の総重量に基づき約24.2重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート1の水性分散液は、ポリエステルアクリラート1の水性分散液の総重量に基づき約30重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、(1)CYCAT600触媒は、CYCAT600触媒の総重量に基づき100重量パーセントの固体濃度を有するというCYCAT600触媒の供給元からの知見、および、(2)CYMEL303架橋剤は、CYMEL303架橋剤の総重量に基づき約98重量パーセントの固体濃度を有するというCYMEL303架橋剤の供給元からの知見に基づく。
実施例3−コーティング組成物2
709.6グラムのポリエステルアクリラート2の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、105.2グラムの脱イオン水、0.57グラムのCYCAT600触媒、5.1グラムのDOWANOL(R)PM プロピレングリコールメチルエーテル、41.4グラムのn−ブタノール、18.3グラムのアミルアルコール、29.1グラムのCYMEL303架橋剤、および、90.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート2の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物2を形成した。
コーティング組成物2は、コーティング組成物2の総重量に基づき約24.2重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート2の水性分散液は、ポリエステルアクリラート2の水性分散液の総重量に基づき30重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
実施例3−コーティング組成物3
709.6グラムのポリエステルアクリラート3の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、105.2グラムの脱イオン水、0.57グラムのCYCAT600触媒、5.1グラムのDOWANOL(R)PM プロピレングリコールメチルエーテル、41.4グラムのn−ブタノール、18.3グラムのアミルアルコール、29.1グラムのCYMEL303架橋剤、および、90.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート3の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物3を形成した。
コーティング組成物3は、コーティング組成物3の総重量に基づき約24.1重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート3の水性分散液は、ポリエステルアクリラート3の水性分散液の総重量に基づき29.9重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
実施例3−コーティング組成物4
709.6グラムのポリエステルアクリラート4の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、105.2グラムの脱イオン水、0.57グラムのCYCAT600触媒、5.1グラムのDOWANOL(R)PM プロピレングリコールメチルエーテル、41.4グラムのn−ブタノール、18.3グラムのアミルアルコール、29.1グラムのCYMEL303架橋剤、および、90.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート4の水性分散液と均一にブレンドし、を形成した1,000グラムのコーティング組成物4。
コーティング組成物4は、コーティング組成物4の総重量に基づき約24.3重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート4の水性分散液は、ポリエステルアクリラート2の水性分散液の総重量に基づき30.2重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
実施例3−コーティング組成物5
759グラムのポリエステルアクリラート5の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、66.4グラムの脱イオン水、1グラムのCYCAT600触媒、33.4グラムのVARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液、47.2グラムのn−ブタノール、33.2グラムのCYMEL303架橋剤、および、59.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート5の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物5を形成した。
コーティング組成物5は、コーティング組成物5の総重量に基づき約27.8重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート5の水性分散液は、ポリエステルアクリラート5の水性分散液の総重量に基づき29.9重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。加えて、この計算は、VARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液は、VARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液の総重量に基づき約55重量パーセントの固体濃度を有するという、VARCUM(R)2227B55フェノール系樹脂溶液の供給元からの知見に基づく。
実施例3−コーティング組成物6
808.3グラムのポリエステルアクリラート6の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、65.5グラムの脱イオン水、0.64グラムのCYCAT600触媒、61.5グラムのn−ブタノール、32.7グラムのCYMEL303架橋剤、および、31.4グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート6の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物6を形成した。
コーティング組成物6は、コーティング組成物6の総重量に基づき約27.6重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート6の水性分散液は、ポリエステルアクリラート6の水性分散液の総重量に基づき30.1重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
実施例3−コーティング組成物7
808.3グラムのポリエステルアクリラート7の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、65.5グラムの脱イオン水、0.64グラムのCYCAT600触媒、61.5グラムのn−ブタノール、32.7グラムのCYMEL303架橋剤、および、31.4グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート7の水性分散液と均一にブレンドし、1.000グラムのコーティング組成物7を形成した。
コーティング組成物7は、コーティング組成物7の総重量に基づき約27.3重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート7の水性分散液は、ポリエステルアクリラート7の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
実施例3−コーティング組成物8
808.3グラムのポリエステルアクリラート9の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、65.5グラムの脱イオン水、0.64グラムのCYCAT600触媒、61.5グラムのn−ブタノール、32.7グラムのCYMEL303架橋剤、および、31.4グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート9の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物8を形成した。
コーティング組成物8は、コーティング組成物8の総重量に基づき約27.8重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この−計算は、ポリエステルアクリラート9の水性分散液は、ポリエステルアクリラート9の水性分散液の総重量に基づき30.4重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
上記で配合されたようなコーティング組成物8は、貯蔵の際に十分なレベルの安定性を示す。しかしながら、コーティング組成物8のスプレーコーティング特性は、コーティング組成物9のスプレーコーティング特性と比較して多少不満足であった。これは、中和されたポリエステルアクリラートの転換の後の見たところフェノール系樹脂の取り込みが原因のようであり、それに対して、改善されたスプレーコーティング特性を示すコーティング組成物9において、フェノール系樹脂は、ポリエステルアクリラート中和の後に、かつ、中和されたポリエステルアクリラートの転換の前に、ポリエステルアクリラートに添加されている。
実施例3−コーティング組成物9
808.3グラムのポリエステルアクリラート8の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、65.5グラムの脱イオン水、0.64グラムのCYCAT600触媒、61.5グラムのn−ブタノール、32,7グラムのCYMEL303架橋剤、および、31.4グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート8の水性分散液と均一にブレンドし、1.000グラムのコーティング組成物9を形成した。
コーティング組成物9を約38℃の温度で一晩、または、室温(約20℃)で2日貯蔵した際に、コーティング組成物9は、小さい堆積物の層(多少のポリエステルアクリラート8を含むと考えられる)が貯蔵容器中に沈降するため、完全に安定ではなかったことが観察された。それにもかかわらず、上記で配合されたようなコーティング組成物9は、一般的に、金属製の食品包装容器、および、金属製の飲料包装容器内面上のコーティングのスプレー塗布に適していた。驚くべきことに、顕著な安定性が発表されているにもかかわらず、ポリエステルアクリラート中和の後に、かつ、中和されたポリエステルアクリラートの転換の前にフェノール系樹脂を添加することによって、中和されたポリエステルアクリラートの転換の後までフェノール系樹脂が包含されていないコーティング組成物8のスプレーコーティング特性と比較して、見たところコーティング組成物9のスプレーコーティング特性が改善されたことがが観察された。
コーティング組成物9は、コーティング組成物9の総重量に基づき約27.3重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート8の水性分散液は、ポリエステルアクリラート8の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。コーティング組成物9は、上記の粘度測定法#2によって、フォード#4カップを25℃のサンプル温度で用いて測定した場合、約22秒〜約26秒の範囲の粘度を有していた。コーティング組成物9は、内部がコーティングされた金属製の食品包装容器、および、金属製の飲料包装容器に用いられる場合、均一に被覆することが困難な飲料缶の領域(例えば、ツーピース缶の裏面の壁部)をコーティング組成物9で完全に被覆するのは若干手間がかかったが、許容できるコーティング特徴を実質的に達成した。
実施例3−コーティング組成物10
882.4グラムのポリエステルアクリラート10の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、88.2グラムの脱イオン水、0.64グラムのCYCAT600触媒、5.4グラムのn−ブタノール、および、23.4グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート10の水性分散液と均一にブレンドし、1.000グラムのコーティング組成物10を形成した。
コーティング組成物10は、コーティング組成物10の総重量に基づき約27.2重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート10の水性分散液は、ポリエステルアクリラート10の水性分散液の総重量に基づき30.8重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度に関する情報に基づく。
コーティング組成物10を約38℃の温度で一晩貯蔵した際に、コーティング組成物10は、多少のポリエステルアクリラート10が貯蔵容器中に沈降するため、完全に安定ではないことが観察された。その上、メラミン樹脂(CYMEL架橋剤)、ブタノールおよびフェノール系樹脂転換の前にを添加したため、コーティング組成物10のスプレーコーティング特性は、転換の前にフェノール系樹脂を包含させたコーティング組成物9のスプレーコーティング特性と比較して見たところいくらか低下したことが観察された。
実施例3−コーティング組成物11
735グラムのポリエステルアクリラート11の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、78.6グラムの脱イオン水、0.91グラムのCYCAT600触媒、55.8グラムのn−ブタノール、29.7グラムのCYMEL303架橋剤、および、100グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート11の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物11を形成した。
コーティング組成物11は、コーティング組成物11の総重量に基づき約24.9重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート11の水性分散液は、ポリエステルアクリラート11の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
ポリエステルアクリラートを形成するための重合の際に、温度と、包含されたVAZO(R)67フリーラジカル開始剤の量の両方を減少させることによって、ポリエステルアクリラート(ポリエステルアクリラート11)の分子量が増加したが、これは、コーティング組成物5〜10に関して27重量パーセントより多い固体含量と比較して、コーティング組成物11に関して約24.9重量パーセントの減少した固体含量を裏付けている。コーティング組成物11は、粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを25℃のサンプル温度で用いて測定したところ、約22秒〜約26秒の範囲の粘度を有していた。コーティング組成物11を約37℃の温度で一晩、19日間貯蔵したところ、コーティング組成物11は、極めて安定であることが観察され、貯蔵容器中に沈降するポリエステルアクリラート11は、存在したとしてもほんのわずかであった。
その上、コーティング組成物11のスプレーコーティング特性は、優れており、さらに、BPA、または、芳香族グリシジルエーテル化合物(例えば、BADGE、BFDGE、および、エポキシノボラック(novalac))を含む、または、それらを遊離状態で含む従来技術の内部缶コーティング組成物のいくつかとよく調和することが観察された。また、コーティング組成物11は、コーティングとしてアルミニウムパネルに塗布し、硬化させ、次に、TNO包括的マイグレーション試験(上記の特性解析と特徴付け手順の章を参照)で処理したところ、コーティングされたアルミニウムパネル1dmあたり、抽出物4±1mgの値を示し、これは、TNO包括的マイグレーション試験において許容できる結果のレベルの十分範囲内である。腐食試験法No.2(上記の特性解析と特徴付け手順の章を参照)に従って試験したところ、コーティング組成物11で作製された硬化コーティングを用いた金属缶の外観は、現存の標準的な市販の水ベースのコーティング組成物で作製された硬化コーティングを用いた金属缶と比較して、ほんのわずかしか劣化していなかった。
上記で配合されたようなコーティング組成物11は、金属製の食品包装容器、および、金属製の飲料包装容器内面上のコーティングのスプレー塗布に極めて適していた。コーティング組成物11のスプレーコーティング特性は、ポリエステルアクリラート中和の後、ただし中和されたポリエステルアクリラートの転換の前に、フェノール系樹脂を添加しているため、見たところ極めて適切であった。コーティング組成物11は、内部がコーティングされた金属製の食品包装容器、および、金属製の飲料包装容器に用いられる場合、優れたコーティング特徴(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたコーティングの塗布性/湿潤評価法によって)、および、ブリスター形成が最小〜皆無(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたブリスター形成評価法によって良〜優秀と評価された)を実質的に達成する。コーティング組成物11のスプレー塗布は、被覆が難しいことがある飲料缶の領域(例えばツーピース缶の裏面の壁部)の完全な被覆を容易に達成した。
実施例3−コーティング組成物12
735グラムのポリエステルアクリラート12の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、78.6グラムの脱イオン水、0.91グラムのCYCAT600触媒、55.8グラムのn−ブタノール、29.7グラムのCYMEL303架橋剤、および、100グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート12の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物12を形成した。
コーティング組成物12は、コーティング組成物12の総重量に基づき約25.0重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート12の水性分散液は、ポリエステルアクリラート12の水性分散液の総重量に基づき29.9重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
コーティング組成物12の一晩の貯蔵の際に、コーティング組成物12は、ポリエステルアクリラート12の一部が貯蔵容器中に沈降するため、完全に安定ではないが、それに対して、本発明に係るコーティング組成物13は、より優れた安定性を示すことが観察された。それにもかかわらず、コーティング組成物12のスプレーコーティング特性は、概して、全ての点で優れていた(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたコーティングの塗布性/湿潤評価法によって)ことが観察された。また、コーティング組成物12のスプレー塗布は、一般的に、ブリスター形成が最小〜皆無であること(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたブリスター形成評価法によって良〜優秀と評価された)が示された。
実施例3−コーティング組成物13
697.4グラムの中和されたポリエステルアクリラート13の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、97.8グラムの脱イオン水、0.79グラムのCYCAT600触媒、48.8グラムのn−ブタノール、26.1グラムのCYMEL303架橋剤、および、129.2グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート13の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物13を形成した。
コーティング組成物13は、コーティング組成物13の総重量に基づき約22.1重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート13の水性分散液は、ポリエステルアクリラート13の水性分散液の総重量に基づき27.9重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。コーティング組成物13は、粘度測定法#2に従ってフォード#4カップを25℃のサンプル温度で用いて測定したところ、約22秒〜約26秒の範囲の粘度を有していた。
ポリエステルアクリラートを形成するための重合の際の温度の減少によって、見たところ、ポリエステルアクリラート(ポリエステルアクリラート13)の分子量が増加し、これは、見たところ、コーティング組成物13に関して約22.1重量パーセントの減少した固体含量を裏付けている。コーティング組成物13を約37℃の温度で一晩、2週間より長く貯蔵したところ、コーティング組成物13は、極めて安定であることが観察され、貯蔵容器中に沈降するポリエステルアクリラート13は、存在したとしてもほんのわずかであった。上記で配合されたようなコーティング組成物13は、金属製の食品包装容器、および、金属製の飲料包装容器内面上のコーティングのスプレー塗布極めてに適していた。
コーティング組成物13は、内部がコーティングされた金属製の食品包装容器、および、金属製の飲料包装容器に用いられる場合、優れたコーティング特徴(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたコーティングの塗布性/湿潤評価法によって)、および、ブリスター形成がないこと(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたブリスター形成評価法によって優秀と評価された)を達成した。コーティング組成物13のスプレーコーティングによって、被覆が難しいことがある飲料缶の領域(例えば、ツーピース缶の裏面の壁部)の完全被覆を容易に達成した。
実施例3−コーティング組成物14
715.7グラムのポリエステルアクリラート14の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、139.3グラムの脱イオン水、0.87グラムのCYCAT600触媒、53.7グラムのn−ブタノール、28.7グラムのCYMEL303架橋剤、および、61.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート14の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物14を形成した。
コーティング組成物14は、コーティング組成物14の総重量に基づき約23.6重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート14の水性分散液は、ポリエステルアクリラート14の水性分散液の総重量に基づき29重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。
ポリエステルアクリラートを形成するための重合の際に温度が減少することによって、見たところ、ポリエステルアクリラート(ポリエステルアクリラート14)の分子量が増加しており、さらに、コーティング組成物5〜10に関する27重量パーセントを超える固体含量と比較して、さらに、コーティング組成物11に関する25重量パーセントに近い固体含量と比較して、見たところ、コーティング組成物14に関して、約23.6重量パーセントの減少した固体含量が裏付けられる。コーティング組成物14を約37℃の温度で一晩、2週間より長く貯蔵したところ、コーティング組成物14は、極めて安定であることが観察され、貯蔵容器中に沈降するポリエステルアクリラート14は、存在したとしてもほんのわずかであった。その上、コーティング組成物14のスプレーコーティング特性は、概して、全ての点で優れていた(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたコーティングの塗布性/湿潤評価法によって)ことが観察された。また、コーティング組成物14のスプレー塗布は、概して、ブリスター形成が最小〜皆無であることが示された(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示されたブリスター形成評価法によって良〜優秀と評価された)。
実施例3−コーティング組成物15
751.9グラムのポリエステルアクリラート15の水性分散液を、撹拌器を備えたフラスコに入れた。このフラスコに、132グラムの脱イオン水、0.92グラムのCYCAT600触媒、56.5グラムのn−ブタノール、30.1グラムのCYMEL303架橋剤、および、28.8グラムの脱イオン水を添加し、ポリエステルアクリラート15の水性分散液と均一にブレンドし、1,000グラムのコーティング組成物15を形成した。
コーティング組成物15は、コーティング組成物15の総重量に基づき約25.4重量パーセントの固体濃度を有することが計算された。この計算は、ポリエステルアクリラート15の水性分散液は、ポリエステルアクリラート15の水性分散液の総重量に基づき29.8重量パーセントの固体濃度を有するという実施例2の知見に基づく。その上、この計算は、実施例3−コーティング組成物1に記載の、CYCAT600触媒の固体濃度、および、CYMEL303架橋剤の固体濃度に関する情報に基づく。コーティング組成物15を約37℃の温度で一晩、2〜3日貯蔵した際に、コーティング組成物15は、多少のポリエステルアクリラート15を含むと考えられる顕著な堆積物の層が貯蔵容器中に沈降するため、十分な安定度を示さないことが観察された。
実施例4−コーティング組成物13および14を用いた缶へのスプレーの結果
コーティング組成物13およびコーティング組成物14を用いた試験を行った。まず、一般的に市販されているスプレー装置を有する市販のスプレー器具を用いて、ツーピースの延伸させしごき加工したブリキ缶およびアルミニウム缶の胴体の内面、および、一体化された端部(底部)に、異なる重さのコーティング組成物13をスプレーコーティングした。コーティングの塗布は、胴体部の開口端の上にある別々に形成された端(上部)部を取り付ける前には、缶の両方の開口端を通過させてなされた。全部で78種の異なる缶に様々な範囲の重量のコーティングを用いた9回の異なる試験(すなわち:1試験あたり12缶まで)を、コーティング組成物13を用いて行った。
加えて、コーティング組成物13を塗布するのに使用されたのと同じスプレー器具を用い、一般的に市販されているスプレー装置を用いて、ツーピースの延伸させしごき加工したブリキ缶およびアルミニウム缶の胴体の内面、および、一体化された端部(底部)に、異なる重さのコーティング組成物14をスプレーコーティングした。コーティングの塗布は再度、胴体部の開口端の上に別々に形成された端(上部)部を取り付ける前に、缶の両方の開口端を通過させてなされた。73種の異なる缶に様々な範囲の重量のコーティングを用いた9種の異なる試験(すなわち:1試験あたり9缶まで)を、コーティング組成物14を用いて行った。
コーティング組成物13で形成された缶のコーティングは、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章でで説明されているコーティングの塗布性/湿潤評価法を用いたところ、優秀と評価された。コーティング組成物14で形成された缶のコーティングは、コーティングの塗布性/湿潤評価法を用いたところ、極めて優良と評価された。コーティング組成物14の缶のコーティングは、コーティング組成物13の缶のコーティングよりもわずかに白く、さらに、泡が形成された。
スプレーコーティングした後、各缶を、加熱炉中、約150℃〜約250℃の範囲の温度で約1分間〜約5分間置き、塗布されたコーティング組成物を硬化させた。コーティング組成物13、および、コーティング組成物14の両方に関する様々な試験の、異なる缶上のコーティングをそれぞれ、ほぼ同時間、ほぼ同じ硬化温度で硬化し、差異を示す硬化条件に起因するあらゆるエナメル評価の差異を示す作用を最小化した。
試験3〜9においてコーティング組成物13で形成された缶のコーティングのいずれも、目視で観察できるブリスター形成を全く示さなかったことから、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章でで説明されているブリスター形成評価法を用いていずれも優秀と評価された。試験2におけるコーティング組成物13で形成された缶のコーティングのいくつかは、わずかなブリスター示したため、ブリスター形成評価法を用いて良好と評価された;試験2のその他の缶のコーティングは、優秀という評価受けた。試験1におけるコーティング組成物13で形成された缶のコーティングの多くが、多くのブリスターを示したことから、ブリスター形成評価法を用いて不可と評価された。
試験3〜9におけるコーティング組成物14で形成された缶のコーティングはいずれも、目視で観察できるブリスター形成を全く示さなかったことから、ブリスター形成評価法を用いていずれも優秀と評価された。試験2におけるコーティング組成物14で形成された8種の缶のコーティングのうち2種は、わずかなブリスターを示したことから、ブリスター形成評価法を用いて良好と評価された;試験2におけるその他の6種の缶のコーティングは、優秀という評価受けた。試験1におけるコーティング組成物14で形成された缶のコーティングの多くが、多くのブリスターを示したことから、ブリスター形成評価法を用いて不可と評価された。
コーティング組成物13の塗布、および、コーティング組成物14の塗布に関する各試験のそれぞれの缶のエナメル評価を、上記で示されたコーティング均一性/金属接触試験法に従って行なった。エナメル評価は、コーティングされた缶胴体(塩溶液の電解質を含む)を通過させた際の電流(ミリアンペア)である。エナメル評価は、特定の缶の全ての内面が、特定のスプレー塗布されたコーティング組成物でどの程度均一にコーティングされているかを明らかにする。晒されたコーティングされていない金属はどれも、高い電流測定値が得られると予想される。典型的な工業系の顧客向けの仕様は、33cl.のブリキ製飲料缶に1回160mgのコーティングを塗布した後、<1mAのエナメル評価が必要とされる。以下の表2に、コーティング組成物13でコーティングされた缶全てに関するエナメル評価を示し、以下の表3に、コーティング組成物14でコーティングされた缶全てに関するエナメル評価を示す。
Figure 2007521996
Figure 2007521996
この組成物13および14のスプレーコーティング試験には、「33cl.」ブリキおよびアルミニウム缶を用いた。記号「33cl.」は、上記のコーティング組成物13および14の試験の際の缶の体積が33センチリットルであることを意味する。33cl.は、欧州では共通の飲料缶の体積である。それぞれの缶に関するコーティング重量(mg表示)は、コーティング組成物を缶に噴霧塗布する前と、加熱炉でのコーティング組成物の硬化が完了した後に再度、それぞれの缶を秤量することによって決定された。従って、表2および表3に、コーティング重量を示し、図2のグラフ(以下で考察する)は、元のコーティング組成物から水と溶媒の除去した後、および、硬化によって全ての架橋が達成された後のドライコーティング重量である。
図2に、このコーティング組成物13およびコーティング組成物14の両方に関する実施例の、コーティングされたブリキ缶の硬化されたコーティング重量に対するエナメル評価の測定結果(表2および3を参照)を図示する。図2に示される2つのプロットによれば、コーティング組成物13およびコーティング組成物14はいずれも、33cl.のブリキ製飲料缶に1回160mgのコーティングを塗布した後、<1mAのエナメル評価を必要とする典型的な工業系の顧客向けの仕様を満たすことが証明されているが、図2で示される2つのプロットによれば、さらに、コーティング組成物13は、<1mAのエナメル評価を必要とする(1回160mgのコーティングを塗布した後)典型的な工業系の顧客向けの仕様を可能にするより広いスプレー幅が可能であることが示され、コーティング組成物14よりも少ないコーティング重量で条件を満たすことが可能である。
加えて、コーティング組成物13で形成された、硬化された内部コーティング(ライナー)を含む金属製飲料缶を、腐食試験法No.1(本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示される)に従って試験した。この試験には、アルミニウム缶とブリキ缶両方を用いた。内部にライナーされたアルミニウム缶と、内部にライナーされたブリキ缶それぞれに、ダイエットコーラ(diet cola)、ダイエットスプライト(Diet Sprite)(R)清涼飲料、アイソトニック飲料またはビールを充填し、従来の飲料容器において商業的な様式で密封した。これらの充填した缶を、2種の異なる温度(20℃または37℃)の一方で、さらに、2種の異なる貯蔵時間(6週間または3ヶ月)の一方で保存した充填した缶の群に分けた。表4に、異なる温度での異なる貯蔵時間が完了した際に異なる缶に付与された数値評価を示す:
Figure 2007521996
また、コーティング組成物13で形成された硬化された内部コーティング(ライナー)を含む金属製飲料缶を、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章の腐食試験法No.2に記載の手順に類似の方式で試験した。腐食試験法No.2で示された金属パネルの代わりに金属缶を用いた。この試験には、アルミニウム缶とブリキ缶両方を用いた。内部にライナーされたアルミニウム缶、および、内部にライナーされたブリキ缶にそれぞれ酸+塩溶液を充填し、腐食試験法No.2で規定された条件下で保持した。
5日の試験期間の最後に、缶から酸+塩溶液を出して空にし、あらゆる容器内部の腐食および白化の存在または非存在を目視で観察し、評価し、記録した。腐食評価の基準は、評価ゼロ(目視でわかる重度の腐食)〜評価10(目視でわかる腐食なし)が用いられた。白化の評価基準は、評価ゼロ(目視でわかる実質的な白化)〜評価10(目視でわかる白化なし)が用いられた。本明細書で用いられる「白化」は、それ自身、コーティングの晒された表面に、またはその付近に白濁した様相で現れる高分子コーティングにおける欠陥を意味する。表5に、腐食試験法No.2で説明されている改変法が完了した際にアルミニウムおよびブリキ缶に付与された数値評価を示す:
Figure 2007521996
コーティング組成物13で形成された硬化された内部コーティング(ライナー)を含むブリキの飲料缶を、本明細書の特性解析および特徴付け手順の章に示された腐食試験法No.3に記載の手順を用いて試験した。試験期間を、試験温度37℃で10日とした。表6に、この12種の異なるブリキ製飲料缶で行われた試験の結果を示す:
Figure 2007521996
従って、上記ブリキ製飲料缶は、腐食試験法No.3に記載の腐食の標準規格を満たしていた。
また、コーティング組成物13で形成された硬化された内部コーティング(ライナー)を含む金属製飲料缶も、本明細書の特性解析と特徴付け手順の章で示される接着評価法で処理した。この試験には、ブリキ缶だけを用いた。接着性の評価を行う前に、異なるブリキ缶の内部ライニングを、4種の異なる接触処理の1つで処理した。この4種の異なる接触処理は、水での低温殺菌(85℃の水に30分接触);ジョイ(Joy)での低温殺菌(JOY(R)液体食器用界面活性剤の5体積パーセント水溶液に82℃で30分接触);水での滅菌(121℃の水に90分接触);および、MSEでの低温殺菌(総溶液重量に基づき2重量パーセントの乳酸、2重量パーセントの塩、および、1.3重量パーセントの酢酸を含む水溶液に100℃で15分接触)であった。
それぞれの異なる接触処理の最後に、内部にライナーされたブリキ缶を空にして、平行線を付け、テープを貼り、除去し、および、接着評価法に従って評価した。また、空の内部にライナーされた缶の内部のあらゆる腐食および白化の存在または非存在を目視で観察し、評価し、記録した。白化の評価基準は、評価ゼロ(目視でわかる実質的な白化)〜評価10(目視でわかる白化なし)とした。表7に、接着評価法が完了した際に内部にライナーされたブリキ缶に付与された数値評価と、白化の評価を示す:
Figure 2007521996
8つの接着評価のうち7つがGT0(接着評価法のテープ除去操作の際に、試験された領域におけるコーティングの100%が、接着を維持したことを示す)であった。全ての白化の評価は、コーティング組成物13がベースの硬化されたコーティングに白化が存在しない、または、ほんのわずかな白化しか存在しなかったことを示した。また、場合によっては腐蝕性のMSEでの低温殺菌で処理した缶については、腐食は目視で観察されなかった。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、当業者であれば、ここで見出された教示は、さらにその他の実施形態にも本明細書に添付された特許請求の範囲内で応用可能であることは容易に理解できるであろう。全ての特許、特許文書および出版物の完全な開示は、この参照により開示に含まれ、それぞれ個々に包含されたものとする。
図1は、本発明に従って製造されたポリエステルアクリラートの水性分散液中に存在する粒子の、粒子の体積パーセントに対する粒径のグラフである。 図2は、本発明のコーティング組成物でコーティングされたブリキ缶の、硬化コーティングの重量に対するエナメル評価のグラフである。

Claims (26)

  1. 内面と外面とを有する金属容器;および、
    容器内面の少なくとも一部の上にコーティング、
    を含む物品であって、
    該コーティングは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含み、ここで、該ポリエステルアクリラートは、ポリエステルと、第二の成分群との反応生成物であり:
    該ポリエステルは、第一の成分群の反応生成物であり、ここで、該第一の成分群は:
    少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸;および、
    少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコール、
    を含み、
    該第二の成分群は:
    (メタ)アクリル酸エステル;および、
    エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、
    を含む、上記物品。
  2. 内面と外面とを有する金属容器;および、
    容器内面の少なくとも一部の上にコーティング、
    を含む物品であって、
    該コーティングは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含み、ここで、該コーティングは、遊離型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物を実質的に含まない、上記物品。
  3. 内面と外面とを有する金属容器、ここで、該内面によって金属容器内の空間の範囲が決められる;
    容器内面に接着して被覆するライナー、ここで、該ライナーは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含むコーティング組成物から誘導される;および、
    空間内に含まれて該ライナーと接触している飲料または湿気のある食材、
    を含む物品。
  4. 内面と外面とを有する金属容器を提供すること;
    コーティング組成物を提供すること;および、
    該容器内面の少なくとも一部に該コーティング組成物を塗布すること、
    を含む方法であって、
    該コーティング組成物は、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含み、ここで、該ポリエステルアクリラートは、ポリエステルと、第二の成分群との反応生成物であり:
    該ポリエステルは、第一の成分群の反応生成物であり、該第一の成分群は:
    少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸;
    少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコール、
    を含み、
    該第二の成分群は:
    (メタ)アクリル酸エステル;および、
    エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸、
    を含む、方法。
  5. 前記コーティング組成物を凝固させ、前記容器内面上に保護ライナーを形成することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記コーティング組成物は、遊離型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物を全く含まない、請求項4に記載の方法。
  7. 前記コーティング組成物を塗布することは、前記コーティング組成物をスプレーすることを含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記容器は、内面を有する容器胴体部を含み、前記コーティング組成物を塗布することは、該容器胴体の内面の少なくとも一部に前記コーティング組成物を塗布することを含む、請求項4に記載の方法。
  9. 前記容器は、内面を有する容器胴体部、および、内面を有する容器端部を含み、前記コーティング組成物を塗布することは、該容器端部の内面の少なくとも一部に前記コーティング組成物を塗布することを含む、請求項4に記載の方法。
  10. 前記多塩基酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタラート、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、または、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
  11. 前記第一の成分群中の多価アルコールの濃度は、第一の成分群の総重量に基づき少なくとも約20重量パーセントである、請求項4に記載の方法。
  12. 前記多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、または、これらのいずれかのあらゆる比率でのあらゆる組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
  13. 前記第一の成分群は、第二の多塩基酸無水物をさらに含み、該第二の多塩基酸は、少なくとも2つのカルボキシル基を含む、請求項4に記載の方法。
  14. 前記無水物は、無水マレイン酸を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記無水物の濃度は、第一の成分群の総重量に基づき約40重量パーセント以下の範囲である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記第二の成分群中の(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、第二の成分群の総重量に基づき下限約40重量パーセント〜上限約70重量パーセントの範囲である、請求項4に記載の方法。
  17. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エチルを含む、請求項4に記載の方法。
  18. 前記エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸は、アクリル酸を含む、請求項4に記載の方法。
  19. 前記第二の成分群は、ビニル化合物をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  20. 内面と外面とを有する金属容器を提供すること;
    コーティング組成物を提供すること、ここで、該コーティング組成物は、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液を含み、該コーティング組成物は、遊離型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物を実質的に含まない;および、
    該容器内面の少なくとも一部に該コーティング組成物を塗布すること、
    を含む方法。
  21. 内面と外面とを有する金属容器を提供すること、ここで、該内面によって金属容器内の空間の範囲が決められ、該容器は、容器内面に接着して被覆するライナーを含み、該ライナーは、少なくとも部分的に中和されたポリエステルアクリラートの水性分散液から誘導される;および、
    飲料または湿気のある食材を、該空間内で該ライナーと接触させて保持すること、
    を含む方法。
  22. 前記ポリエステルアクリラートは、ポリエステルと第一の成分群との反応生成物であり、該第一の成分群は、アクリル単量体、および、エチレン部分が不飽和の単官能性または多官能性の酸を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ポリエステルは、第二の成分群の反応生成物であり、該第二の成分群は、少なくとも2個のカルボキシル基を含む多塩基酸;および、少なくとも2個のヒドロキシル基を含む多価アルコールを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ライナーは、遊離型BPA、および、芳香族グリシジルエーテル化合物を実質的に含まない、請求項21に記載の方法。
  25. 前記容器は、内面を有する容器胴体部、および、内面を有する容器端部を含み、ここで、該容器胴体部、および、該容器端部は、該容器内の空間を囲んでおり、該ライナーは、該容器端部の内面に接着し被覆する、請求項21に記載の方法。
  26. 前記飲料または湿気のある食材は、酸性pHを示す、請求項21に記載の方法。
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