JP2007519954A - 組み込み表示装置を有するミラー - Google Patents

Abstract

例えばＬＣＤ表示装置（５）に基づいて表示のために同時に使用可能なミラー装置（１）であって、表示装置は、その前に配置される偏光ミラー（２）を有する。リターデーション層（３１、３２）の配向方向は、最適な光学性能を与えるよう偏光ミラーの偏光方向に対して揃えられる。

Description

発明の詳細な説明

本発明は、ビューイング側に第１の種類の直線偏光の光を反射する第１の面を有するビューイング目的のための偏光ミラーであって、この偏光ミラーは、第２の種類の直線偏光の光を透過し、その非ビューイング側において表示装置が設けられ、この表示装置は、使用時に、第２の種類の直線偏光の光を供給する偏光ミラーに係る。本願における「ビューイング目的のためのミラー」又は「ディスプレイミラー」は、人の目（又は（赤外線）カメラレンズといった人工目）が外界の反射された部分をそのミラーを介して見るミラーを意味する。例として、お風呂場のミラー、更衣室の全身用ミラー、又はミラー状の壁といった大きいミラーが挙げられ得る。他の例には、トラック用の外側ミラー又は化粧台のミラーといった中位の又は小さいミラーが挙げられる。

「第１の種類の直線偏光の光を反射する第１の面を有する」ことによって、ミラー面が偏光面として作用することを意味する。使用時には、偏光面上に入射する光の波長の特定範囲における光は、偏光面により反射される成分と、偏光面を透過する成分の２つの成分に分割される。一般的に、最もよく知られているのは、直線偏光された直線偏光の垂直方向を有する２つの成分への光の分割である。この特定の適用における例では、光は、一般的に、直線偏光された偏光の垂直方向に分割されるが、本発明は、右円偏光及び左円偏光に分割される光に同等に適用可能である。

上述したようなディスプレイミラーは、２００２年３月１８日に出願した係属中の欧州特許出願番号第０２０７６０６９．２号及び２００２年１０月１７日に出願した第０２０７９３０６．３号（＝ＰＨＮＬ０２．１０３８）に記載される。ミラー機能は、表示装置の前に部分反射層ではなく偏光ミラー又は反射偏光器を導入することにより得られる。

実際には、偏光方向が揃った表示装置と偏光ミラーを使用することは必ずしも可能ではない又は望ましくない。組み合わせられる表示装置及びミラーは、通常、様々な偏光方向を有し（表示装置は、しばしば、０、４５、又は９０度、ミラーは、しばしば、０又は９０度）、これらは、必ずしも一致しない。より大きい偏光ミラーを使用して、サイズ及び向きにおいて表示装置と一致する部分を除外することが可能である。しかし、これは、材料費用を大幅に増加し、生産処理を複雑にし、柔軟性を低減し、且つ、利用可能な表示装置−ミラーの最大サイズを制限してしまう。

本発明は、これらの問題を少なくとも部分的に解決することをその目的とする。本発明では、光学フィルムが表示装置とミラーとの間に設けられ、このフィルムは、偏光方向における差を補正する。一般的に、このフィルムは、例えば、１／２λ及び１／４λ板である１つ以上のリターダから構成される。

１／２λリターダは、偏光方向を回転させることが可能であり、一方で、１／４λリターダは、回転偏光を直線偏光に、及び、直線偏光を回転偏光に変換する。全ての場合において、リターダの光学軸は、明確な向きを有するべきであることが分かった。従来のリターダは、１つの波長（多くの場合、５５０ｎｍ）に対して１／２ラムダ又は１／４ラムダのリターデーションしか有さない。一方で、リターダは、可視範囲（４００−７００ｎｍ）全体を対象とすることが望まれる。本発明では、（広帯域）リターダが使用される。このリターダは、特定の向きにおける幾つかのリターダの組合せを有する。

１つの好適な実施例では、表示装置と、その非ビューイング側における偏光ミラーは共に、１／４λホイルといったリターデーション層を有する。λは、例えば、５５０±２０ｎｍ（狭帯域）、又は、例えば、５５０±２５５ｎｍ（広帯域）の波長値を有する。表示装置は、偏光ミラーと、製造耐性の観点から好まれる吸収偏光器（遮光体内）の間で、自由に動かされる、及び／又は、任意の角度に亘って回転されることが可能であり、回転軸は、表示装置の表面に対して垂直である。

吸収偏光層が、第１の種類の直線偏光の光を吸収する及び第２の種類の直線偏光の光を吸収する下位層を有する場合、最適なミラー性能を有する非常に良好な表示性能を得ることができる。

１つの実施例では、少なくとも１つのリターデーション層は、そのリターデーション層が少なくとも１つの１／２λホイルを有するよう表示装置と偏光ミラーとの間に設けられ、λは、例えば、５５０±３０ｎｍ（狭帯域）、又は、例えば、５５０±２５５ｎｍ（広帯域）の波長値を有する。

本発明のこれらの及び他の面は、以下に説明する実施例を参照することにより明らかにし説明する。

これらの図面は、概略的であり、縮尺がとられているわけではない。対応する素子は、一般的に同じ参照番号で示す。

図１は、ガラス板又は任意の他の基板４上に光を反射する偏光ミラー２を有し、それにより、人３が自分の像３’（及び図示しない更なる背景）を見るようビューイング目的のためのミラー装置１を示す。本発明では、ミラー（面）は、第１の種類の直線偏光（方向）の光のみを反射し、第２の種類の直線偏光（方向）の光を透過する。更に、偏光ミラーには、その非ビューイング側において表示装置５が設けられる（図２も参照されたい）。

表示装置５は、この例では、２つの基板（ガラス或いはプラスチック、又は任意の他の好適な材料）の間に液晶材料７を有する液晶表示装置である。多くの液晶表示装置は、偏光効果に基づいているので、表示装置５は、使用時に、偏光を放射する。一般的に、バックライト１０からの光は、液晶表示効果により変調される。液晶表示装置は、偏光効果に基づくので、表示装置５は、第１の偏光器８と、特定の偏光（方向）の光を透過する第２の偏光器（又は分析器）９を有する。

この特定の偏光の光は、第２の種類の偏光（方向）と同じ（直線）偏光方向を有し、それにより、光の任意の損失なくミラー（面）２を透過する（１００％透過）。

多くの液晶表示装置は、直線偏光の変調に基づいているので、直線偏光器８、９が使用され、また、ミラー２も直線偏光選択ミラーであり、例えば、誘電層の積み重ねであり、各層は、選択された波長の４分の１（又はあるスペクトルについての平均値）の光学厚さを有し、同時に層は、選択された屈折率又はワイヤグリッド偏光器を有する。

一方で、特定の適用では、例えば、（Ｏ）ＬＥＤ又は任意の他の表示装置からの光を（直線又は回転）偏光に偏光し、ミラー適用における反射像に対する表示情報の高いコントラストの効果を得ることが魅力的であり得る。

実際では、表示装置とミラー装置は、完全な装置に組み合わされ、これにより調整が必要となる。更に、偏光方向（表示装置は、しばしば、０、４５、又は９０度、ミラーは、しばしば０又は９０度）は必ずしも一致しない。ミラー又は表示装置基板のうちのいずれかが回転されなければならず、これは、特に大きい面積の装置の場合では、材料の損失につながる。同様のことが（Ｏ）ＬＥＤ表示装置といった非偏光を放射する表示装置について言える。この場合、ミラーと追加の偏光器の偏光方向を揃えないといけなくなる。

図３の実施例では、このことは、この実施例ではリターダ層（又は偏光回転ホイル）３１であるリターダを導入することにより解決される。リターダ層は、第１の種類の偏光を回転させる。これは、偏光ミラー２を透過する第２の種類の入射偏光は回転されるが、このことは、ミラー機能には影響を与えないことを示唆する。表示装置によって供給される第２の種類の偏光は、ここでは、ホイル３１と偏光ミラー２の両方を透過する。この例では、偏光ミラー２の偏光方向に対して４５度における配向方向を有する１／２λホイルを使用し、これは、広帯域又は狭帯域ホイルでありうる。従って、安価なリターダ層３１を用いることによって、表示装置５と、実質的に同じ（大きい）サイズの偏光ミラー２を、高価な表示又はミラー面積を失うことなく組み合わせることが可能となる。吸収偏光器３０が、偏光ミラー２の後ろに使用される。

この例では、１／２λホイルは、偏光ミラー２の偏光方向に対して４５度における配向方向を有する。このような単一の半波長ホイルの使用は、透過された像の変色を幾らかもたらしうる。変色は、図４の実施例において解決される。ここでは、互いに対して約４５度の角度で位置合わせされる２つの１／２λホイル３１、３２が設けられる。この例では、第１の１／２λホイル３１は、偏光ミラー２の偏光方向に対して２２．５度における配向方向を有し、第２の１／２λホイル３２は、偏光ミラー２の偏光方向に対して６７．５度における配向方向を有する。

もう一つの実施例では、ホイル３１（図３）は、偏光ミラー２の偏光方向に対して４５度における配向方向を有する１／４λリターダであり、λは、例えば、５５０±３０ｎｍ（狭帯域）、又は、好適には、５５０±２５５ｎｍ（広帯域）の波長値を有する。更に、図４の実施例についても、２つのそのような１／４λリターダ（板）を選択してもよい。

本発明の保護範囲は、記載した実施例に限定されない。例えば、上述したように、例えば、（Ｏ）ＬＥＤからの光が偏光されうる、又は、ミラー適用における反射像に対する表示情報の高いコントラストの効果を得るために他の表示効果を使用することもより一層魅力的であり得る。

より一般的には、図３の実施例は、リターデーション層の配向方向が偏光ミラーと表示装置の偏光方向の二等分線に沿う本発明の装置の例であるのに対して、図４の実施例は、第１及び第２のリターデーション層の配向方向が１／４α及び３／４αに沿う本発明の装置の例である。αは、偏光ミラー及び表示装置の偏光方向間の角度である。この例では、第１及び第２のリターデーション層は、１／２λホイルである。

更に、１つ以上の表示装置をミラーに組み込んでもよく、その一方で、多くの他の適用領域が考えられる。一部の適用において、マトリクス形式が使用される場合、ミラー状態と表示状態の間の切替えは、適切な駆動回路を用いて局所的に行うことが可能である。

本発明は、各及び全ての新規の特徴と、各及び全ての特徴の組合せにある。請求項における参照番号は、請求項の保護範囲を限定しない。「有する」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載する素子以外の素子の存在を排除するものではない。単数形で示す素子も、そのような素子が複数存在することを排除するものではない。

本発明のミラー装置の可能な実施例を示す図である。 そのようなミラー装置の一部を示す断面図である。 本発明のミラー装置の一部を示す断面図である。 本発明の別のミラー装置の一部を示す断面図である。

Claims (11)

1. ビューイング側に第１の種類の偏光の光を反射する第１の面を有するビューイング目的のための偏光ミラーであって、
   該ミラーは、第２の種類の偏光の光を透過し、
   該ミラーの非ビューイング側に表示装置が設けられ、
   該表示装置は、使用時に、前記第２の種類の偏光の光を供給し、
   少なくとも１つのリターデーション層が、前記表示装置と前記偏光ミラーとの間に設けられる、偏光ミラー。
2. 前記リターデーション層の配向方向は、前記偏光ミラーの偏光方向に対して実質的に２２．５度又は４５度にある請求項１記載の偏光ミラー。
3. 少なくとも２つのリターデーション層が、前記表示装置と前記偏光ミラーとの間に設けられる請求項１記載の偏光ミラー。
4. 吸収偏光層及び前記非ビューイング側における前記偏光ミラーは共に、リターデーション層を有し、
   該リターデーション層は、前記偏光を実質的に４５度に亘って回転させる請求項３記載の偏光ミラー。
5. 前記リターデーション層の配向方向は、前記偏光ミラーの偏光方向に対して実質的に４５度にある請求項４記載の偏光ミラー。
6. 前記リターデーション層は、１／４λホイルを有する請求項２記載の偏光ミラー。
7. 前記表示装置と前記偏光ミラーとの間に２つのリターデーション層を有し、
   該２つのリターデーション層は、それぞれ前記偏光を実質的に９０度に亘って回転させる請求項３記載の偏光ミラー。
8. １／４α及び３／４αに沿った第１及び第２のリターデーション層の配向方向を有し、
   αは、前記偏光ミラー及び前記表示装置の偏光方向間の角度である請求項３記載の偏光ミラー。
9. 前記偏光ミラー及び前記表示装置の前記偏光方向の二等分線に沿ったリターデーション層の配向方向を有する請求項２記載の偏光ミラー。
10. 前記リターデーション層は、少なくとも１つの１／２λホイルを有する請求項７乃至９のうちいずれか一項記載の偏光ミラー。
11. 少なくとも１つのリターデーション層は、広帯域リターダである請求項１又は３記載の偏光ミラー。

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