JP2007516288A - 金属キレート剤として有用な新規化合物 - Google Patents

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Abstract

金属をキレートするために用いることができる新規化合物を提供する。該化合物は、ポリアザ大環状化合物の少なくとも一つのアザ基に置換された少なくとも一つのホスホン酸基を有するポリアザ大環状化合物からなる。化合物を製造する方法もまた、提供される。該化合物を用いた診断用イメージング剤を製造する方法および診断用イメージングの方法をさらに提供する。該化合物を用いた治療薬を製造する方法および治療方法をさらに提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2003年12月23日出願の米国仮出願番号60/532,842の利益および優先権を主張し、これは本明細書にそのまま引用される。
発明の分野
本発明は、金属と錯体化して診断薬または治療薬を形成することができる新規化合物に関する。該化合物はまた、金属との錯体化の前または後に、標的部分または診断もしくは治療部分に付加または連結して、標的とされたイメージングまたは治療を提供することもできる。
発明の背景
医薬(例えば診断用イメージング剤、治療薬として)は、身体形態および臓器形態および構造のイメージを増強し、および/または疾患を検出および治療するために用いられてきた。これらの医薬は、疾患の診断用イメージングおよび/または治療に有用な、常磁性金属またはランタニド金属などの金属とのキレーション錯体を形成させることができる化合物からなることができる。そのような錯体を形成しなければ、該金属はあまりに有毒すぎて用いることができないか、あるいは動物またはヒトにおいて好ましくない分布、代謝もしくは排除特性またはいくつかの他の望ましくない効果を有することがある。従って、金属の毒性を低減し、および/または金属の分布、代謝もしくは排除に役立つ化合物が必要である。得られた薬剤を特定の部位または代謝機能に向ける標的部分に結合させ、それにより特異的な臓器または構造のイメージングおよび疾患の検出および/または治療を可能にする化合物もまた必要である。
特に磁気共鳴イメージング(「MRI」)に関して、ガドリニウムをキレートする化合物は、イメージを増強する薬剤として臨床実践で用いられる。例えばジエチレントリアミン五酢酸のGd(III)錯体、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸のGd(III)錯体、10−(2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のGd(III)錯体およびジエチレントリアミン五酢酸ビス(メチルアミド)のGd(III)錯体は、MRI剤として臨床実践で用いられる。文献に記載のポリアザリガンドの多くは、窒素原子における同一の配位ペンダントアームを有する大員環である。ポリアザ大環状体の選択的官能基化には有意な合成的挑戦が存在すると観察されてきた。
常磁性金属とキレーション化合物の錯体の一つの目安は、MRIのための造影剤として用いた場合のそのシグナル増強効果である。常磁性錯体(例えばGd(III)などの錯体)のビシナル水プロトンの緩和時間(T1)の軽減における効果は、以下の式:
1=BQτc/A6
[式中、Bは定数であり、AはプロトンからGdまでの距離であり、Qはバルク水と交換している配位水分子の数であり、τcは総相関時間である]
で示される、緩和能r1と呼ばれる固有特性である。緩和能がQおよびτcが増大するにつれて増大するだろうことは上記式から明らかである。相関時間τcは回転相関時間τr、電子緩和時間τsおよび金属における配位水分子の交換時間τmの組合せであり、以下の式:
τc -1=τr -1+τs -1+τm -1
で示される。
高緩和率は、イメージにおける増大したコントラストを確実にする。増大したコントラストは、より短期間にてより良い生理学的情報を得ることを可能にし、これはイメージの質およびコストに関して有意な利点を有する。増強された緩和能を有する化合物は、コントラスト増強に用いられるより典型的な緩和剤により得ることができるものよりも強い分子あたりのシグナル増強効果を提供する。高緩和能キレートをうまく利用することができるある適用は、生物活性化合物または特定の組織を標的する標的部分に化合物または錯体を連結することである。標的部分による標的における局在化は、正常な緩和能を有する同程度の化合物が連結するならば得ることができるものよりも高いシグナル増強をもたらすだろう。それゆえ、標的部分に付加または連結することができる高緩和能化合物の合成は、立派な目的であることができる。
本化合物はまた、ランタニドおよび放射性核種とキレーション錯体を形成させるために用いることもできる。本化合物が造影剤もしくは放射性医薬品として用いられるときにランタニドまたは放射性核種の毒性を低減し、および/または金属の分布、代謝もしくは排除を改善する化合物は、それらが標的部分に結合しているため、またはそうでなくとも、有益であろう。
発明の概要
本発明の典型的な具体的態様にて、金属キレート剤(例えば医学的に有用な金属イオンまたは放射性核種を錯体化させることができる化学的部分)であることができる新規化合物を提供する。金属に錯体化された化合物は、診断用イメージングおよび/または疾患の治療に有用であることができる。
本発明の新規化合物は、n=1〜12である、少なくとも一つのホスホン酸基(P)を含むポリアザ大環状化合物(Aza):
Aza−Pn (I)
からなる。
これらの新規化合物は、二価および三価金属イオンとキレートすることができる。新規化合物および金属から形成される錯体は、MRIのための造影剤として、または放射性核種イメージング(例えばシンチグラフィック・イメージング)のための放射性医薬品として供することができる。新規化合物および適切な金属はまた、癌などの疾患の治療のための治療薬として供することができる。
本発明の典型的なポリアザ大環状化合物は、一般式(II):
Figure 2007516288
[式中、
1=R2=R7=R8=R10=R11はHであり;
12、R13、R14およびR15はCH3またはHであり;
4=R5およびR10=R11はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
R、R3、R6またはR9の少なくとも一つはX(ここに、X=CH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2H、CHP(O)(OH)2−アリール−NH2またはCHP(O)(OH)2−アリール−NHCSであり、n=1〜12である)であり;
R、R3、R6またはR9がXでないとき、R、R3、R6またはR9はCO2C(CH)3またはCO2Hである]
で示すことができる。
さらに好ましく、典型的な本発明のポリアザ大環状化合物は一般式(III):
Figure 2007516288
[式中、
R=R3=R9はCO2C(CH)3またはCO2Hであり;
1=R2=R4=R5=R7=R8=R10=R11はHであり;
12、R13、R14およびR15はCH3またはHであり;
10=R11はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
6はCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2HまたはCHP(O)(OH)2−アリール−NH2(ここに、n=1〜12である)である]
で示すことができる。
さらに好ましく、典型的な本発明のポリアザ大環状化合物は一般式(IV):
Figure 2007516288
[式中、
1=R2=R3=R4=R6=R7=R8=R9はHであり;
3=R4およびR8=R9はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
10、R11、R12およびR13はCH3またはHであり;
RはCO2C(CH33であり;
5はCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2H、CHP(O)(OH)2−アリール−NH2またはCHP(O)(OH)2−アリール−NHCS(ここに、n=1〜12である)である]
で示すことができる。
本発明化合物はまた、組み合わされて、ホモおよびヘテロ二量体およびホモおよびヘテロ多量体を形成することもできる。
本発明化合物は、放射性核種、常磁性金属またはランタニドなどの金属と錯体化することがあるか、またはしないこともある。
本発明の化合物および錯体はまた、塩の形態であることもできる。本発明の錯体を加塩するために適切に用いることができる無機塩基の好ましいカチオンは、他のものの中でナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属からなる。有機塩基の好ましいカチオンは、N−メチルグルカミンおよびN,N−ジメチルグルカミンおよびジエタノールアミンである。
任意のリンカーは、化合物または化合物の錯体および金属に結合することができ、化学結合、化学基、ペプチドまたはいくつかの他の化学物質からなることができる。
ペプチド、ホルモン、胆汁酸、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗原もしくは他の化学物質、または上記の等価体、誘導体もしくは類似体などの任意の化学物質であり、特定の部位または代謝機能への結合親和性を有する、任意の標的部分もまた、用いることができる。標的部分は、化合物または化合物の錯体および金属に付加している連結基に結合することができる。あるいは、標的部分は、化合物または化合物と金属の錯体に直接結合することができる。標的部分は好ましくは、対象のレセプターまたは酵素に結合するペプチドである。例えば、標的ペプチドは、LHRH、インスリン、オキシトシン、ソマトスタチン、NK−1、VIP、GRP、ボンベシンまたは当業者に知られている他のいくつかのホルモンペプチド、ならびにその類似体および誘導体であることができる。さらに、他の診断用または治療用部分は、直接的に、またはリンカーを経由し間接的に、本発明のキレート剤に付加することができる。
金属キレート剤を製造する方法およびそれらを使用して診断用イメージング剤および治療薬を製造する方法を以下により詳細に開示する。上記イメージング剤は、本発明化合物をキレートする金属を含む物質を注射用イメージング媒体に加えることを特徴とする方法により製造することができる。上記治療薬は、本発明化合物を含む物質を注射用治療媒体に加えることを特徴とする方法により製造することができる。これらの診断薬および治療薬はまた、それらの製造および使用に役立つキットにて利用可能となることもできる。
MRI剤として用いるとき、本発明の錯体は、より大きなまたはより小さな範囲を場合によっては達成することができるが、30〜200mM-1-1の範囲にて固定化された緩和能を示すことができる。
本発明はまた、イメージングの新規方法および本発明化合物を用いた放射線治療の新規方法も含む。
本発明のさらなる記載および具体的態様は以下に続く。
本発明の詳細な記載
次の記載にて、本発明の種々の態様をさらに詳しく述べる。説明の目的のために、本発明の徹底的な理解を提供するために特異的なコンフィギュレーションおよび詳細を説明する。しかし、本発明が特異的な詳細なしで実行することができることは当業者に明らかであろう。さらに、よく知られた特徴は、本発明を不明瞭にしないために省略するか、または簡略化することがある。
金属キレート化合物、前駆体および金属錯体
用語「金属キレート剤」は、金属原子と錯体を形成することができる化合物を意味し、該錯体は生理条件下、比較的安定である。すなわち、金属はインビボにて有意な程度までキレート剤に錯体化したままであろう。より詳細には、金属キレート剤は、常磁性体、ランタニドまたは他の放射性核種金属に錯体化して生理条件下、比較的安定な金属錯体を形成することができる分子である。金属キレート化合物は、金属または放射性核種と錯体化することがあるか、またはしないこともある。
本発明は、n=1〜12である、少なくとも一つのホスホン酸基(P)を含むポリアザ大環状化合物(Aza)からなる金属キレート剤:
Aza−Pn (I)
であることができる新規化合物に関する。
ホスホン酸基は、化合物が金属イオンをキレートするために用いられる場合、化合物の窒素上の配位ペンダントアームとして作用することができる。これらの新規化合物は、二価および三価金属イオンをキレートすることができる。
本発明の典型的なポリアザ大環状化合物は、一般式(II):
Figure 2007516288
[式中、
1=R2=R7=R8=R10=R11はHであり;
12、R13、R14およびR15はCH3またはHであり;
4=R5およびR10=R11はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
R、R3、R6またはR9の少なくとも一つはX(ここに、XはCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2H、CHP(O)(OH)2−アリール−NH2またはCHP(O)(OH)2−アリール−NHCSであり、nは1〜12である)であり;
R、R3、R6またはR9がXでないとき、R、R3、R6またはR9はCO2C(CH)3またはCO2Hである]
で示すことができる。
さらに好ましく、典型的な本発明のポリアザ大環状化合物は、一般式(III):
Figure 2007516288
[式中、
R=R3=R9はCO2C(CH)3またはCO2Hであり;
1=R2=R4=R5=R7=R8=R10=R11はHであり;
12、R13、R14およびR15はCH3またはHであり;
10=R11はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
6はCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2HまたはCHP(O)(OH)2−アリール−NH2であり、nは1〜12である]
で示すことができる。
さらに好ましく、典型的な本発明化合物は一般式(IV):
Figure 2007516288
[式中、
1=R2=R3=R4=R6=R7=R8=R9はHであり;
3=R4およびR8=R9はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
10、R11、R12およびR13はCH3またはHであり;
RはCO2C(CH33であり;
5はCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2H、CHP(O)(OH)2−アリール−NH2またはCHP(O)(OH)2−アリール−NHCS(ここに、nは1〜12である)である]
で示すことができる。
本発明化合物はまた、組み合わされて、ホモおよびヘテロ二量体およびホモおよびヘテロ多量体を形成することもできる。
本発明の他の化合物としては、式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される化合物(ここに、ホスホン酸基および/またはカルボン酸基は、脱保護が穏やかな条件下(すなわち、ペプチド合成に両立可能なTFA開裂)一工程にて達成することができるようなt−ブチルエステルとして保護される)が挙げられる。保護基の容易な除去により、本発明化合物はコンビナトリアルライブラリー合成に非常に有用なシントンとなる。
本発明のいくつかの化合物は、生理系と相互作用することができる適切な分子、例えば標的部分とコンジュゲートすることができる。標的部分の有用な例は、ペプチド、ホルモン、胆汁酸、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗原または他の化学物質および上記の等価体、誘導体または類似体(以下にさらに記載)である。そのような化合物は好ましくは、適切な分子とのコンジュゲーションを可能にする少なくとも一つの官能基を含むだろう。
さらに、金属キレート化合物としては、化学基または一つ以上のアミノ酸(例えばGly)などの化学物質などの任意のスペーサーを挙げることができ、これは金属と有意に錯体化しないが、金属キレート剤とリンカー、標的部分などとの間に物理的な分離を生み出す。
金属キレート化合物は、金属と組み合わされて、化合物と金属のキレートされた錯体を形成することができる。例として、本発明はさらに、特に式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物の20〜31、39、42、43、44、49および57〜83の範囲の原子番号を有する元素の二価または三価イオンを有する常磁性金属イオンまたは放射性金属イオンとのキレート、ならびにその生理的に両立可能な塩基および酸との塩に関する。
MRIを用いた診断薬としての使用のために、本化合物は好ましくは、Gd3+、Dy3+、Fe3+、Fe2+およびMn2+などの常磁性イオンと錯体化する。特に好ましくは、Gd3+である。放射性核種(例えばシンチグラフィック・イメージング)を用いた診断薬としての使用、または放射線治療における使用のために、本化合物は好ましくは、111In、62Cu、153Smおよび177Lu、90Y、166Hoまたは111Inと錯体化する。特に好ましくは、177Luおよび111Inである。MRI剤として用いられる場合、本発明の錯体は、より大きなまたはより小さな範囲を場合によっては達成することができるが、30〜200mM-1-1の範囲にて固定化された緩和能を示すことができる。
シンチグラフィーまたは放射線治療のための金属放射性核種のさらに好ましい基としては、99mTc、51Cr、67Ga、68Ga、47Sc、51Cr、167Tm、141Ce、111In、168Yb、175Yb、140La、90Y、88Y、153Sm、166Ho、165Dy、166Dy、62Cu、64Cu、67Cu、97Ru、103Ru、186Re、188Re、203Pb、211Bi、212Bi、213Bi、214Bi、105Rh、109Pd、117mSn、149Pm、161Tb、177Lu、198Auおよび199Auおよびその酸化物または窒化物が挙げられる。金属の選択は、所望の治療用途または診断用途に基づいて決定されよう。例えば、診断目的(例えば原発腫瘍および転移などの疾患の治療における治療進行を診断およびモニターするため)のために、好ましい放射性核種としては、64Cu、67Ga、68Gaおよび111Inが挙げられ、特に好ましくは111Inである。治療目的のため(例えば前立腺癌、乳癌、肺癌などの癌に関連する原発腫瘍および転移などの疾患のための放射線治療を提供するため)、好ましい放射性核種としては、64Cu、90Y、105Rh、111In、117mSn、149Pm、153Sm、161Tb、166Dy、166Ho、175Yb、177Luおよび199Auが挙げられ、特に好ましくは177Lu、90Yである。177Lu、90Yまたは他の治療用放射性核種で標識された化合物は、前立腺癌、乳癌、肺癌などの癌に関連する原発腫瘍および転移のための放射線治療を提供するために使用することができる。
本発明の化合物および錯体はまた、塩の形態であることもできる。加塩される官能基を有する化合物および錯体は、塩の形態であることができる特定の例である。本発明の錯体に加塩するために適切に用いることができる無機塩基の好ましいカチオンは、とりわけナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属からなる。有機塩基の好ましいカチオンは、n−メチルグルカミンおよびN,N−ジメチルグルカミンおよびジエタノールアミンである。
他の診断部分
別の具体的態様にて、本発明化合物は、x線、MRI、超音波、蛍光および他の光学イメージング法などの技術、および用いられている他の技術、発展している他の技術または発展するであろう他の技術により、化合物の検出を可能とする薬剤などの他の診断部分を包含することができる。診断部分の選択は、所望の用途に基づき、決定されよう。
他の治療部分
別の具体的態様にて、本発明化合物は、抗生物質、ホルモン、酵素、抗体、成長因子などの他の治療部分、および用いられている他の治療部分、発展している他の治療部分または発展するであろう他の治療部分を包含することができる。治療部分の選択は、所望の用途に基づき、決定されよう。
あるいは、本発明化合物は、治療部分と組み合わせて投与することができる。そのような治療部分の選択もまた、所望の用途に基づき、決定されよう。適切な治療部分としては、例えば白金化合物(例えばスピロプラチン、シスプラチンおよびカルボプラチン)、メトトレキサート、アドリアマイシン、マイトマイシン、アンサマイトシン(ansamitocin)、ブレオマイシン、シトシン、アラビノシド、アラビノシル・アデニン、メルカプトポリリジン、ビンクリスチン、ブスルファン、クロラムブシル、メルファラン(例えばPAM、a、L−PAMまたはフェニルアラニンマスタード)、メルカプトプリン、ミトタン、プロカルバジン塩酸塩、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(daunorubcin)塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩、タキソール、マイトマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、アミノグルテチミド、エストラムスチンリン酸ナトリウム、フルタミド、酢酸ロイプロリド、酢酸メゲストロール、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(m−AMSA)、アスパラギナーゼ(L−アスパラギナーゼ)、エルヴィニア・アスパラギナーゼ(Erwina aparaginase)、エトポシド(VP−16)、インターフェロンα−2a,インターフェロンα−2b、テニポシド(VM−26)、硫酸ビンブラスチン(VLB)およびアラビノシルなどの抗腫瘍剤;例えば非経口鉄、ヘミン、ヘマトポルフィリンおよびそれらの誘導体などの血液製剤;例えばムラミルジペプチド(muramyldipeptide)、ムラミルトリペプチド(muramyltripeptide)などの生物反応修飾物質;微生物細胞壁構成成分;リンフォカイン(例えばリポ多糖類、マクロファージ活性化因子などの細菌内毒素);バクテリアのサブユニット(マイコバクテリア、コリネバクテリアなど);合成ジペプチドN−アセチル−ムラミル−l−アラニル−I)−イソグルタミン;抗真菌薬;ホルモン;ビタミン;レチノイドおよび誘導体;酵素;抗アレルギー薬;抗凝固剤;循環器官用薬;例えばグルタチオンなどの代謝増強剤;抗結核剤;抗ウィルス剤;抗狭心症剤;抗生剤、抗炎症薬;抗原虫薬;抗リウマチ剤;麻酔剤;鎮静剤;強心配糖体;神経筋遮断薬;鎮痛剤(催眠剤);局所麻酔薬;および全身麻酔薬が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの具体的態様にて、治療部分は、メラノーマ抗原に結合可能なモノクローナル抗体などのモノクローナル抗体もしくはそのフラグメント、または別の腫瘍もしくは癌マーカーであることができる。
リンカーまたは連結基
任意の連結基(リンカーとも称する)は、本発明の化合物および錯体とともに使用することができる。そのようなリンカーとしては、標的部分を金属キレート剤にカップリングさせるために供する化学結合、化学基または化合物を挙げることができる。リンカーが標的部分の標的機能または金属キレート剤の金属錯体機能のいずれにも有意に悪影響を与えないことが好ましい。適切なリンカーとしては、化学結合、ペプチド(すなわち一緒に連結されたアミノ酸)のみ、非ペプチド基(例えば炭化水素鎖)、アミノ酸配列と非ペプチド基との組合せ、または標的部分を本発明の化合物もしくは錯体に連結させた所望の結果を達成する他のいずれかの化学物質が挙げられる。いくつかの具体的な連結基は以下の実施例に記載する。
ある具体的態様にて、連結基としては、置換胆汁酸およびL−グルタミンもしくは炭化水素鎖、またはその組合せが挙げられる。
別の具体的態様にて、連結基としては、置換胆汁酸および一連のアミノ酸(例えばジグリシン、トリグリシン、gly−gly−glu、gly−ser−gly)からなる純粋なペプチド連結基が挙げられる。
さらに具体的態様にて、連結基としてはまた、置換胆汁酸および炭化水素鎖[すなわちR1−(CH2n−R2](ここに、nは0〜10、好ましくはn=3〜9、R1はリガンド骨格または予め形成された金属キレート剤の共有的連結のための部位として使用することができる基(例えばH2N−、HS−、−COOH)であり、R2は任意の標的ペプチドのN末端NH2−基に共有的にカップリングするために使用される基(例えばR2は活性化されたCOOH基)である)も挙げることができる。リガンド(すなわちキレート剤)またはキレート(放射性核種と錯体化したキレート剤/リガンド)を生体分子(標的ペプチドなど)にコンジュゲートさせるいくつかの化学的方法は、文献(Wilbur, 1992、Parker, 1990、Hermanson, 1996、Frizberg et al., 1995)によく記載されている。一つ以上のこれらの方法は、錯体化されていないリガンド(キレート剤)または金属キレートのいずれかをリンカーにカップリングさせるか、またはリンカーを標的部分にカップリングさせるために用いることができる。これらの方法としては、酸無水物、アルデヒド、アリールイソチオシアネート、活性化エステルまたはN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの形成が挙げられる(文献(Wilbur, 1992、Parker, 1990、Hermanson, 1996、Frizberg et al., 1995))。
好ましい具体的態様にて、他のリンカーは、以下に説明する求電子剤または求核剤を有するリンカー前駆体から全部または一部として形成させることができる:
LP1: リンカーの少なくとも二つの位置に、同じ求電子剤E1または同じ求核剤Nu1を有するリンカー前駆体;
LP2: 求電子剤E1を有し、リンカーの別の位置に異なる求電子剤E2を有するリンカー前駆体;
LP3: 求核剤Nu1を有し、リンカーの別の位置に異なる求核剤Nu2を有するリンカー前駆体;
LP4: 求電子剤E1により官能基化された一つの末端と求核剤Nu1により官能基化された他の末端を有するリンカー前駆体。
好ましい求核剤Nu1/Nu2としては、−OH、−NH、−NR、−SH、−HN−NH2、−RN−NH2および−RN−NHR’(ここに、R’およびRは、上記で与えられたRについての定義から独立して選択されるが、R’はHではない)が挙げられる。
好ましい求電子剤E1/E2としては、−COOH、−CH=O(アルデヒド)、−CR=OR’(ケトン)、−RN−C=S、−RN−C=O、−S−S−2−ピリジル、−SO2−Y、−CH2C(=O)Yおよび
Figure 2007516288
(ここに、Yは以下の基:
Figure 2007516288
から選択することができる)が挙げられる。
特に好ましいリンカーとしては、同時係属出願U.S.S.N. 60/439,722およびPCT/US03/41656に開示されているものが挙げられ、これらの出願は本明細書にそのまま引用される。
標的部分
標的部分は、特定の部位または特異的な代謝機能に対して結合親和性を有する任意の分子である。標的部分は本発明化合物を、所望の診断または治療活動が起こる、適当な部位に方向づけるか、または反応に関与させる。典型的な具体的態様にて、標的部分はペプチド、その等価体、誘導体または類似体であることができ、特定の部位に結合するリガンドとして機能する。別の典型的な具体的態様にて、標的部分は酵素、または酵素に結合する分子であることができる。別の典型的な具体的態様にて、標的部分は抗生剤であることができる。
好ましい具体的態様にて、標的部分は、興味のレセプターまたは酵素に結合するペプチドである。例えば標的部分は、文献(例えば黄体形成ホルモン放出ホルモンの放射性金属結合類似体 PCT/US96/08695、PCT/US97/12084(WO 98/02192))に記載の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH);インスリン;オキシトシン;ソマトスタチン;ニューロキニン−1(NK−1);文献(例えば血管活性腸管ペプチドの環状類似体と線状類似体の比較 D. R. Bolin, J. M. Cottrell, R. Garippa, N. Rinaldi, R. Senda, B. Simkio, M. O'Donnell. ペプチド: 化学、構造および生物学 Pravin T. P. Kaumaya, and Roberts S. Hodges (Eds). Mayflower Scientific LTD., 1996, pgs 174-175)に示される線状および環状の両方を含む血管活性腸管ペプチド(VIP);ガストリン放出ペプチド(GRP);ボンベシンおよび他の既知のホルモンペプチドなどのペプチドホルモン、ならびにその類似体および誘導体であることができる。
他の有用な標的部分としては、ソマトスタチンの類似体、例えばランレオチド(Nal−Cys−Thr−DTrp−Lys−Val−Cys−Thr−NH2)、オクトレオチド(Nal−Cys−Thr−DTrp−Lys−Val−Cys−Thr−オール)およびY3−オクトレオテート(DPhe−Cys−Tyr−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−OH)が挙げられる。これらの類似体は文献(例えばN末端改変を含む有効なソマトスタチン類似体, S. H. Kim, J. Z. Dong, T. D. Gordon, H. L. Kimball, S. C. Moreau, J.-P. Moreau, B.A. Morgan, W. A. Murphy and J. E. Taylor、ペプチド: 化学、構造および生物学 Pravin T. P. Kaumaya, and Roberts S. Hodges (Eds)., Mayflower Scientific LTD., 1996, pgs 241-243.)に記載されている。
さらに他の有用な標的部分としては、P物質アゴニスト(例えばG. Bitan, G. Byk, Y. Mahriki, M. Hanani, D. Halle, Z. Selinger, C. Gilon, 文献(ペプチド: 化学、構造および生物学, Pravin T. P. Kaumaya, and Roberts S. Hodges (Eds), Mayflower Scientific LTD., 1996, pgs 697-698);文献(Gタンパク質アンタゴニスト 新規疎水性ペプチドのGタンパク質結合のための受容体との競争, Hidehito Mukai, Eisuke Munekata, Tsutomu Higashijima, J. Biol. Chem. 1992, 267, 16237-16243));NPY(Y1)(例えば文献(Y1レセプターを好む神経ペプチドYの新規類似体, Richard M. Soll, Michaela, C. Dinger, Ingrid Lundell, Dan Larhammer, Annette G. Beck-Sickinger, Eur. J. Biochem. 2001, 268, 2828-2837);文献(潜在的腫瘍イメージング剤としての99mTc標識神経ペプチドY類似体, Michael Langer, Roberto La Bella, Elisa Garcia-Garayoa, Annette G. Beck-Sickinger, Bioconjugate Chem. 2001, 12, 1028-1034);文献(腫瘍特異的化学療法のための新規ペプチドコンジュゲート, Michael Langer, Felix Kratz, Barbara Rothen-Rutishauser, Heidi Wnderli-Allenspach, Annette G. Beck-Sickinger, J. Med. Chem. 2001, 44, 1341-1348));オキシトシン;エンドセリンAおよびエンドセリンB;ブラジキニン;上皮増殖因子(EGF);インターロイキン−1(文献(IL−1ファミリータンパク質のペプチドフラグメントの抗IL−1活性, I. Z. Siemion, A. Kluczyk, Zbigtniew Wieczorek, Peptides 1998, 19, 373-382));およびコレシストキニン(CCK−B)(文献(甲状腺髄様癌の患者におけるオクタペプチドDTPA−CCK類似体を用いたコレシストキニンレセプターイメージング, Eur. J. Nucl Med. 200, 27, 1312-1317))が挙げられる。
標的部分の一般的評論を示す文献は、例えば次の文献: ジャン・クロード・ルビの文献(腫瘍マーカーとしてのペプチドおよびそのレセプターの役割, Jean-Claude Reubi, 医学における胃腸ホルモン, pg. 899-939);ブロックらの文献(核医学におけるペプチド放射性医薬品, D. Blok, R. I. J. Feitsma, P. Vermeij, E. J. K. Pauwels, Eur. J. Nucl Med. 1999, 26, 1511-1519);およびマッカフィーらの文献(新生物のイメージングのための腫瘍細胞にて過剰発現されたレセプターについての放射性標識ペプチドおよび他のリガンド, John G. McAfee, Ronald D. Neumann, Nuclear Medicine and Biology, 1996, 23, 673-676)(ソマトスタチン、VIP、CCK、GRP、P物質、ガラニン(Galanan)、MSH、LHRH、アルギニン−バソプレシン、エンドセリン)に見ることができる。先の段落におけるすべての上記文献は、本明細書にそのまま引用される。
他の標的部分の参考文献としては、次の文献: ジャン・クロード・ルビらの文献(インビボ多重レセプター腫瘍標的化の分子基盤としての乳癌における過剰発現ペプチドレセプター Jean Claude Reubi, Mathias Gugger, Beatrice Waser. Eur. J. Nucl Med. 2002, 29, 855-862(NPY、GRPなど));国際出願番号PCT/US96/08695(黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)の放射性金属結合類似体);国際出願番号PCT/US97/12084(国際公開番号WO 98/02192)(LHRH);国際出願番号PCT/EP90/01169(ペプチドの放射線治療);国際公開番号WO 91/01144(ペプチドの放射線治療);および国際出願番号PCT/EP00/01553(腫瘍の治療用および診断用分子)が挙げられ、これらはすべて本明細書にそのまま引用される。
さらに、標的部分の類似体を使用することができる。これらの類似体としては、標的部分自体より小さいか、またはより好ましくはそれより大きいか、もしくはそれと同程度の親和力で所望の部位レセプターを標的する分子、ならびに標的部分の突然変異タンパク質、レトロペプチド(retropeptide)およびレトロ・インベルソ・ペプチド(retro-inverso-peptide)が挙げられる。これらの類似体はまた、改変が文献記載の部分の生物活性を有意に否定的に変えない程度において、一つ以上のアミノ酸の置換および/または削除および/または付加を含む改変を含むこともできることを当業者は十分認識するだろう。これらの置換は、一つ以上のアミノ酸をその同義的アミノ酸で置き換えることにより実行することができる。ある群内の同義的アミノ酸は、分子の生物学的機能を維持するために群のメンバー間の置換を可能にするのに十分類似の物理化学的特性を有するアミノ酸として定義される。本明細書において同義的アミノ酸としては、これらのアミノ酸の合成誘導体(例えばアミノ酸のD体)および他の合成誘導体が挙げられる。
アミノ酸の削除または挿入もまた、定義の配列の生物学的機能を有意に否定的に変えない場合、その配列に導入することができる。優先的に、そのような挿入または削除は、1、2、3、4または5アミノ酸に限定すべきであり、機能上のコンフォメーションに重大なアミノ酸を除去または物理的に阻害もしくは置換するべきではない。本明細書記載のペプチドまたはポリペプチドの突然変異タンパク質は、アミノ酸の置換、削除または挿入が一つ以上のアミノ酸の位置にて存在する、本明細書開示の配列と相同的な配列を有することができる。突然変異タンパク質は、本明細書記載のペプチドの少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは60〜70%、最も好ましくは80〜90%の生物活性を有することができる。しかしそれはまた、具体的に例示されているペプチドよりも大きな生物活性を有することができ、従って例示のペプチドの生物学的機能と必ずしも同一でなければならないことはない。標的部分の類似体としてはまた、チオアミド、メチレンアミンおよびE−オレフィンなどのペプチド骨格のアミド結合への変化を組み込んだペプチド模倣薬または疑似ペプチド(pseudopeptide)も挙げられる。N−置換ヒドラジンカルボニル化合物で置き換わっているアミノ酸(アザアミノ酸としても知られる)を有する標的部分またはそのペプチド類似体の構造に基づくペプチドまたは他の化学化合物もまた、本明細書における用語類似体に含まれる。
例として、標的部分は、NまたはC末端により、あるいはリジンのイプシロン窒素、オルニチンのガンマ窒素またはアスパラギン酸もしくはグルタミン酸の第二カルボキシル基への結合により、リンカーに結合することができる。
典型的な具体的態様にて、標的ペプチドQはLHRHまたはその類似体もしくは誘導体である。例えば、LHRHアゴニストの6位は異なる官能基、例えばD−リジンなどで置換することができることは当業者によく知られている。好ましい具体的態様にて、標的ペプチドQは式:
PGlu−His−Trp−W−Tyr−DLys−X−Y−Pro−Z
[式中、
W=Ser、NMeSerまたはThr
X=Leu、NMeLeu、t−ブチルGly
Y=Arg、Arg(Et2)、Cit、Lys(イソプロピル)
Z=Gly−NH2、NHエチル、アザgly−NH2
で示されるLHRH類似体である。
グリシンおよびD−リジンにカップリングした本発明のリンカーは、6位にてLHRH類似体に付加することができる。
好ましい具体的態様にて、上記式のW、X、YまたはZ構成成分は、W=Ser、X=Leu、Y=ArgおよびZ=Gly−NH2である。
別の具体的態様にて、QはGRPまたはボンベシンの類似体または誘導体などのGRPレセプターファミリーにおけるレセプターを標的するペプチドである。そのような標的ペプチドは、2003年1月13日出願の同時係属出願U.S.S.N. 10/341,577、ならびに米国特許番号6,200,546、U.S. 2002/0054855、国際公開番号WO 02/87637およびU.S. 2003/0224998に開示されており、これらは本明細書にそのまま引用される。GRPレセプターを標的する特定のリンカーおよび標的ペプチドを含む化合物は、U.S.S.N. 10/341,577およびPCT/US03/41328に開示されており、これらの出願は本明細書にそのまま引用される。これらの化合物は、動物モデルにおいて、予想外に優れた薬物動態および腫瘍の取り込み(tumor uptake)を示すことがある。
標的ペプチドは、選択されたキレート剤およびリンカーに応じて種々の方法により製造することができる。ペプチドは一般に、固相ペプチド合成(SPPS)アプローチなどのペプチド合成分野で一般に確立されており、知られている技術により最も利便的に製造することができる。固相ペプチド合成(SPPS)は、ポリスチレンなどの固体担体(support)またはマトリックスに連結した成長ペプチド鎖へのアミノ酸残基の段階的付加を伴う。ペプチドのC末端残基はまず、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基またはフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基などのN保護剤で保護されたアミノ基により、市販の担体に固定される。アミノ保護基は、BocまたはFmocのピペリジンの場合には、TFAのような適切な脱保護剤で除去され、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドまたはヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)のようなカップリング剤とともに次のアミノ酸残基(N保護体にて)が加えられる。ペプチド結合が形成されて、試薬を担体から洗浄する。最終残基の付加後、トリフルオロ酢酸(TFA)またはフッ化水素(HF)などの適切な試薬でペプチドを担体から開裂させる。
次いで、標的部分の選択された残基の遊離アミノ基をリンカー、キレート化合物または錯体の適当な官能基と反応させることにより、リンカーをカップリングさせてコンジュゲートを形成させることができる。上記リンカーおよび標的部分の完全な構築もまた、樹脂上に組み立てることができ、次いでトリフルオロ酢酸またはHFのような適切な試薬の作用によりさらに開裂させることができる。
用いられる標的部分に関わらず、標的部分は、最も好都合なときにキレート化合物、リンカーまたは錯体に付加させることができる。例えば標的部分は、いずれの工程が収率および付加達成への容易さに関して最も好都合であるかにより、1)金属を加える前のキレート化合物自体、2)キレート化合物および金属からなる錯体、3)リンカー(リンカー/標的部分の生成物が次いでキレート化合物または錯体に付加する)、4)リンカー/キレート化合物、または5)リンカー/錯体に付加することができる。
化合物の標識および投与
金属の本発明化合物内への組み込みは配位化学の分野において一般に知られている種々の方法により達成することができる。
例えば金属が常磁性金属であるとき、標識は本明細書の具体的な実施例に記載の方法により達成することができる。さらなる方法は当業者によく知られている。
Gdなどの常磁性金属で標識されたコンジュゲートは、医薬的に許容されるキャリアおよび/または等張食塩水のような塩溶液などの溶液における、静脈内注射、皮下注射または腹腔内注射による、ヒト患者または対象などの哺乳類への投与のために製造することができる。所望のイメージを提供するために必要な特定の用量は、当業者により決定することができる。
放射性核種金属で標識されたコンジュゲートは、医薬的に許容されるキャリアおよび/または等張食塩水のような塩溶液などの溶液にて、静脈内注射、皮下注射または腹腔内注射による、ヒト患者または対象などの哺乳類への投与のために製造することができる。本発明により提供される放射性標識シンチグラフィック・イメージング剤は、適切な量の放射能を有して提供される。診断用放射活性錯体を形成する際、1mLあたり約0.01ミリキュリー(mCi)〜100mCiの濃度にて放射能を含む溶液中にて放射活性錯体を形成することが一般に好ましい。一般に投与される単位用量は、約0.01mCi〜約100mCi、好ましくは1mCi〜30mCiの放射能を有する。単位投与量にて注射されるべき溶液は約0.01mL〜約10mLである。投与に適した標識コンジュゲートの量は、急速に除去されたコンジュゲートがより緩やかに除去されるものよりも高用量にて投与するために必要であることがあるという意味で、選択されるコンジュゲートの分布プロファイルに依存する。インビボ分布および局在化は、投与後の適当な時間; 非標的組織における除去速度に対する標的部位における蓄積速度に応じて典型的には30分〜180分にて、標準的シンチグラフィー法により追跡することができる。例えば本発明の診断用放射性核種標識化合物の患者への注射後、イメージング剤に組み込まれた核種のガンマ線エネルギーについて測定するガンマカメラは、薬剤の吸収の領域をイメージし、部位に存在する放射能の量を定量するために使用することができる。インビボにおける部位のイメージングは数分間行うことができる。しかし所望ならば、放射性標識化合物が患者に注射された後、何時間かまたはさらに長期間イメージングを行うことができる。たいていの場合、十分な量の投与された線量は、約0.1時間以内でイメージされる領域に蓄積され、シンチフォトをとることが可能であろう。
本発明化合物は、それのみで、または当業者によく知られている賦形剤、希釈剤、ラジカル捕捉剤、安定剤およびキャリアなどの他の成分を含む組成物の一部として患者に投与することができる。本化合物は、静脈内または腹腔内投与のいずれかにて患者に投与することができる。放射性医薬品の場合、本発明の組成物は、注射前の化合物または錯体の放射線分解損傷を阻止するために放射安定剤を必要とすることができる。放射安定剤は当業者に知られており、例えばパラアミノ安息香酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸などを含むことができる。特に好ましい安定剤および製剤は同時係属の米国仮出願番号60/489,850に記載されており、これは本明細書にそのまま引用される。
本発明に関連する数多くの利点がある。本発明に従って製造される化合物は、安定で明確な金属錯体を形成し、連結基により、およびそれによらずに標的部分にコンジュゲートすることができる。存在しうる別の利点は、イメージングが完了しているか、または所望の標的部位もしくは代謝機能に達していない(例えば結合していない)ため、体にもはや必要でない金属を選択的に、腎臓中に最小限の金属を保持して、効率的に尿中に排出することができることである。
診断的および治療的使用
診断的および/または治療的に有用な金属で標識された場合、本発明化合物は、診断および放射線治療の分野にて確立された手順(Bushbaum, 1995、Fischman et al., 1993、Schubiger et al., 1996、Lowbertz et al., 1994、Krenning et al., 1994)により、腫瘍などの癌のような疾患を治療および/または検出するために用いることができる。
これらの化合物の診断的用途は、MR、放射性核種(例えばシンチグラフィック)イメージング、x線またはCTのための一般的なイメージング剤としてであることができる。それらはまた、シンチグラフィック・イメージングを用いた標的細胞の存在のための第一線診断的スクリーンとして、ラジオイムノガイド手術(radioimmuno guided surgery、RIGS)の分野における手持ち式放射線検出装置を用いた選択された組織の標的のための薬剤として、マッチドペア(matched pair)放射線治療用化合物の投与前に線量測定データを得る方法として、そして例えば長期間の治療の効用として標的レセプター群を評価する手段として用いることもできる。他の用途は実際可能であり、当業者に知られているだろう。
これらの化合物の治療的用途は、癌などの疾患の治療における第一線療法として、これらの放射性標識物質を補助的な化学療法と併せて(例えば本明細書記載の他の治療部分の一つを用いて)利用することができる組合せ療法として、および/またはマッチドペア治療薬として使用されるであろう薬剤として定義することができる。マッチドペア概念は、適当なキレートに結合するために選択されている放射性金属に依存する診断薬および治療薬の両方として機能することができる単一の金属化されていない化合物を意味する。キレート剤が所望の金属に適合できない場合、適当な置換は、異なる金属を適合させるためになすことができる一方、診断化合物のインビボにおける振る舞いが放射線治療用化合物の振る舞いを予測するために使用することができるような薬理学を維持する。
放射線治療
放射性同位体治療は、標的組織を損傷させるか、または破壊するのに十分な量における放射性標識化合物の投与に関与する。化合物の投与(例えば静脈内、皮下または腹腔内注射による)後、放射性標識医薬品は疾患部位にて優先的に局在化する。局在化すると、次いで放射性標識化合物は、投与される同位体の放射性崩壊の間に放出されるエネルギーで病変組織を損傷させるか、または破壊する。
成功した放射線治療の設計は、いくつかの要因に関与することができる:
1)疾患部位に放射線を照射するために適当な標的基の選択;
2)隣接する正常組織を実質的に損傷せずに、その疾患部位を損傷させるために十分なエネルギーを放出する適当な放射性核種の選択; および
3)疾患部位にて局在化するための本コンジュゲートの能力に悪影響を及ぼさない、標的基と放射性核種の適当な組合せの選択。これは、放射性金属について、キレートを標的基にカップリングさせるリンカーと組み合わさった放射性核種にしっかりと配位するキレート基、および標的組織への吸収を最大限にする化合物の全般的生体内分布に影響し、正常非標的組織への吸収を最小限にするキレート基に関与することが多い。本発明を用いて、標的基、放射性核種、金属キレートおよびリンカーの適切な選択を通して、上記3つの基準すべてを満たす放射線治療薬を提供することができる。
放射線治療薬は、ランタニド(原子番号57〜71の元素)およびその類似体(すなわちイットリウムおよびインジウムなどのM3+金属)として知られている元素群からのキレートされた3+金属イオンを含むことができる。このクラスの典型的な放射性金属としては、同位体90−イットリウム、111−インジウム、149−プロメチウム、153−サマリウム、166−ジスプロシウム、166−ホルミウム、175−イッテルビウムおよび177−ルテチウムが挙げられる。
本発明のポリアザ大環状化合物の標的基へのリンカーを通じたカップリングのための一般的方法(例えば、ポリアザ大環状体のカルボン酸塩の一つを活性化させて活性化エステルを形成させ、次いでリンカー上のアミノ基と反応させて安定なアミド結合を形成させることによる)は、当業者に知られている(例えば、Tweedleら 米国特許4,885,363を参照のこと)。
特定の放射線治療的用途における使用のための適切な核種の選択は多くの因子に依存し、次のようなものが挙げられる:
a. 物理的半減期−これは、放射性金属およびコンジュゲートからの放射線治療用構築物の合成および精製、および注射前の有意の放射能崩壊なしで、上記構築物の注射部位への照射を可能にするのに十分に長いものであるべきである。好ましい放射性核種は、約0.5〜8日の間の物理的半減期を有するべきである。
b. 放射性核種からの放出エネルギー−粒子放射体(例えばアルファ線放射体、ベータ線放射体およびオージェ電子放射体)である放射性核種は、短い期間にわたってそれらのエネルギーを堆積させる高エネルギーの粒子を放出し、それにより高く局在化された損傷を生成するので特に有用である。ベータ線放出放射性核種は、これらの同位体からのベータ粒子放出からのエネルギーが5〜約150細胞直径内に堆積されるので、特に好ましい。これらの核種から製造される放射線治療薬は、その局在化部位に比較的近い病変細胞を殺すことが可能であるが、長い距離を移動して骨髄などの隣接した正常組織を損傷することはない。
c. 特異的活性(すなわち放射性核種の質量あたりの放射能)−高特異的活性を有する放射性核種(例えば、ジェネレータ生成90−Y、111−In、177−Lu)が特に好ましい。放射性核種の特異的活性は、放射性核種の生成方法、それを生成するために使用される特定の標的および問題の同位体の特性により決定される。
多くのランタニドおよびランタノイドは、ベータ粒子を放出するので、放射性同位体を放射線治療薬としての使用に適したものとする核特性を有する放射性同位体を含む。これらのうちいくつかを以下の表に記載する。
Figure 2007516288
Pm: プロメチウム, Sm: サマリウム, Dy: ジスプロシウム, Ho: ホルミウム, Yb: イッテルビウム, Lu: ルテチウム, Y: イットリウム, In: インジウム
ベータ線放出ランタニド放射性同位体などの放射性金属の製造方法は、当業者に知られており、他の文献[例えば、文献(Cutler C S, Smith CJ, Ehrhardt GJ.; Tyler TT, Jurisson SS, Deutsch E.「ランタニド放射性同位体の現在および将来の治療的使用」Cancer Biother. Radiopharm. 2000; 15(6): 531-545)]に記載されている。これらの同位体の多くは、比較的低コストのために高収率で産生することができ、多く(例えば90Y、149Pm、177Lu)はキャリア遊離特異的活性に近く産生することができる(すなわち大部分の原子が放射活性である)。非放射性原子は標的組織上のレセプターに結合するためのそれらの放射性類似体と競争することができるので、高特異的活性放射性同位体の使用は、標的組織へのできるだけ高線量の放射能の照射を可能にするのに重要である。
投与量および添加物
本発明化合物についての適切な投与計画は、当業者に知られている。単回または複数回の静脈内または腹腔内注射を含むがこれらに限定されない多くの方法を用いて、本化合物を投与することができる。
例えば式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物により生成する錯体は、非経口的にMRI造影剤として、好ましくはpH6.0〜8.0の範囲の無菌水溶液または懸濁液として製剤化されて、投与することができる。該水溶液または懸濁液は、0.002〜1.0モルの範囲の濃度にて投与することができる。これらの製剤は使用前に再構成させるために、凍結乾燥し、そのまま補充することができる。
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物により生成する錯体はまた、放射性核種(例えばシンチグラフィック)イメージング、x線およびCT造影剤として非経口的に、好ましくはpH6.0〜8.0の範囲の無菌水溶液または懸濁液として製剤化されて投与することもできる。該水溶液または懸濁液は、0.002〜1.0Mの範囲の濃度にて投与することができる。これらの製剤は、放射性核種を加える前または加えた後、使用前に再構成させるために、凍結乾燥し、そのまま補充することができる。
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物により生成する錯体はまた、放射性医薬品として非経口的に、好ましくはpH6.0〜8.0の範囲の無菌水溶液または懸濁液として製剤化されて投与することもできる。該水溶液または懸濁液は、0.002〜1.0Mの範囲の濃度にて投与することができる。これらの製剤は、放射性核種を加える前または加えた後、使用前に再構成させるために、凍結乾燥し、そのまま補充することができる。
さらに放射性医薬品用途について、イメージングを可能にするのに十分であるか、または放射線治療の場合に標的組織の損傷もしくはアブレーション(ablation)を引き起こすのに十分であるが、実質的な損傷を非標的(正常組織)に引き起こさない量の放射能が用いられるだろう。シンチグラフィック・イメージングに必要な量および線量は上述した。放射線治療に必要な量および線量はまた、用いられる同位体のエネルギーおよび半減期、体からの薬剤の摂取および除去の程度ならびに腫瘍の質量に依存し、構築物によって異なる。一般に線量は、約30〜50mCiの単回線量から約3キュリー(Curies)の累積線量の範囲であることができる。
本発明のMRI剤および放射性医薬品組成物としては、生理学的に許容される緩衝液および他の賦形剤を挙げることができる。さらに放射性医薬品組成物は、注射前の化合物への放射線損傷を阻止するために放射線安定剤を含むか、または必要とすることができる。放射線安定剤は、当業者に知られており、例えばパラアミノ安息香酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸などを含むことができる。特に好ましい安定剤は、同時係属のU.S.S.N.60/489,850に記載されており、本明細書にそのまま引用される。
本発明のMRI剤および放射性医薬品を製造するために必要なすべての構成成分を含む単一または複数バイアルキットは、本発明の不可欠な部分である。
放射性医薬品のための単一バイアルキットは、好ましくはキレート化合物/任意のリンカー/任意の標的ペプチドコンジュゲート、スズの塩源(還元が必要である場合)、または他の医薬的に許容される還元剤を含み、医薬的に許容される酸または塩基と適当に緩衝してpHを約3〜約9の値に調節する。用いられる還元剤の量およびタイプは、形成される交換錯体(exchange complex)の性質に高く依存するだろう。適切な条件は当業者によく知られている。キット内容物は凍結乾燥された形態であることが好ましい。そのような単一のバイアルキットは、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、マンニトール、リンゴ酸塩、クエン酸または酒石酸のような不安定リガンドまたは交換リガンドを適宜含んでいてもよく、最終生成物の放射化学的純度および安定性を改善するために機能するジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはα,βもしくはγ−シクロデキストリンのような反応改変剤もまた含むことができる。キットはまた、安定剤、凍結乾燥工程に役立つために設計されたマンニトールなどの充填剤、および当業者に知られている他の添加物も含むことができる。特に好ましい安定剤は、同時係属のU.S.S.N.60/489,850に開示されており、これは本明細書にそのまま引用される。
好ましい複数バイアルキットは、同じ一般的構成成分を含むが、放射性医薬品を再構成する際に二つ以上のバイアルを用いる。例えば一つのバイアルは、過テクネチウム酸塩の添加において不安定な金属錯体を形成するために必要なすべての成分を含むことができる(例えばスズ源または他の還元剤)。過テクネチウム酸塩をこのバイアルに加え、適当な時間放置した後、キレート剤および標的ペプチドならびにpHを最良の値に調節するために適当な緩衝液を含む第二のバイアルにこのバイアルの内容物を加える。約5〜60分の反応時間後、本発明の錯体が形成される。この複数バイアルキットの両方のバイアルの内容物は凍結乾燥されていることが好都合である。上記のように、反応改変剤、交換リガンド、安定剤、充填剤などは、いずれかのまたは両方のバイアルに存在することができる。
化合物の一般的製造
本発明化合物は、選択されたキレート剤に応じた種々の方法により製造することができる。新規な方法を以下の実施例に記載する。
リンカーまたは標的部分として用いられるいずれかのペプチド部分は、ペプチド合成の分野で一般的に確立され、知られている技術、例えば固相ペプチド合成(SPPS)アプローチにより最も利便的に製造することができる。別法のFmoc保護および脱保護の使用は、固相合成に適しているので、短いペプチドの製造に好ましい方法である。組換えDNA法はタンパク質およびその長いフラグメントを製造するために好ましい。
固相ペプチド合成(SPPS)は、ポリスチレンなどの固体担体またはマトリックスに連結した成長するペプチド鎖へのアミノ酸残基の段階的な付加に関与する。ペプチドのC末端残基は、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基またはフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基などのN保護剤で保護されるアミノ基により市販の担体に固定される。BocまたはFmocのピペリジンの場合、アミノ保護基をTFAなどの適切な脱保護剤により除去し、次のアミノ酸残基(N保護形態にて)をN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカップリング剤とともに加える。ペプチド結合が形成されて、試薬を担体から洗浄する。最終残基の添加後、トリフルオロ酢酸(TFA)またはフッ化水素(HF)などの適切な試薬でペプチドを担体から開裂させる。
次の好ましい具体的態様および実施例は、本発明の例示を提供し、限定するものではない。
実施例
以下の実施例1〜6は、金属をキレートすることができる本発明の好ましい化合物である。
実施例1
Figure 2007516288
10−ホスホノメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(MPDO3A)
本化合物は本発明のいくつかの利点を示す。本明細書記載の教示によるDOTAのメチル基(arms)の一つのホスホノメチル基での置換は、ポリアザ大環状体MPDO3Aを提供し、これはDOTAまたはDO3Aと比較したとき、ガドリニウムと錯体化した場合に驚くべき高緩和能を示す。
Figure 2007516288
Figure 2007516288
ガドリニウムと錯体化したときの溶液中のMPDO3Aの構造としては、次の構造:
Figure 2007516288
が挙げられる。
実施例2
Figure 2007516288
10−(1−ホスホノエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸。ガドリニウムと錯体化したときの本化合物(EPDO3A)についての緩和能データについてのすぐ上に記載の表を参照のこと。
実施例3
Figure 2007516288
10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル
実施例4
Figure 2007516288
10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−α’−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル
実施例5
Figure 2007516288
10−[[1−[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]−3−カルボキシ]プロピル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル
実施例6
Figure 2007516288
4,10−ビス[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(1,1−ジメチルエチル)エステル
実施例7−実施例1の化合物(MPDO3A)の合成
反応式1はMPDO3A(10−ホスホノメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸ガドリニウム塩(3)を製造するために用いられる合成経路を示す。
反応式1
Figure 2007516288
DO3A−トリスt−ブチルエステルのホルムアルデヒドおよび亜リン酸ジベンジルとのDMF中、室温における処理により付加体1が60%収率で得られた。脱保護、次いでアニオン交換クロマトグラフィック精製により、MPDO3A 3が40%収率で得られた。
実施例7A
本実施例は、上記反応式1の10−[[ビス(フェニルメトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル(1)を製造するために用いられる合成経路を示す。
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリス−(1,1−ジメチルエチル)エステルの遊離塩基100mg(0.19mmol)のDMF2ml溶液に、亜リン酸ジベンジル0.050ml(アルドリッチ、0.24mmol)を加えた。溶液を100℃まで加熱し、37%水性ホルムアルデヒド0.16ml(2.1mmol)を滴加した。得られた混合物を100℃にて4時間撹拌した。DMFを減圧留去した。MeOH/CHCl3/NH4OH(5:95:2)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、純粋な生成物1(70mg、収率45%)を得た。
TLC: シリカゲル, Rf 0.65, MeOH:CHCl3:NH4OH 10:90:3、ヨウ素により視覚化。
1HNMR (CDCl3,δ): 1.45 (s, 18H); 1.49 (s, 9H); 2.50-3.75 (m, 24 H); 5.00 (2s,); 7.20-7.41 (m, 10H).
MS: 699.3における(M - Bn + H)+
実施例7B
本実施例は、上記反応式1の10−ホスホノメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(2)を製造するために用いられる合成経路を示す。
1(1.4g、1.8mmol)のTFA68ml(アルドリッチ)溶液に、アニソール12ml(アルドリッチ)を加えた。溶液を室温にて16時間撹拌した。TFAを減圧留去した。アニソールを水との共沸蒸発により数回留去した。次いで油状物をMeOH/H2O(62/15mL)に溶解させ、Pd/C(10%、湿、390mg)を用い、50psiにて16時間直接水素化した。混合物をセライトケーキに通してろ過し、ケーキをメタノールおよび水により徹底的に洗浄した。溶媒を留去し、粗製物を得た。次いで水(pH7に調節)中の粗製の生成物を70ml AG1−X2イオン交換樹脂(ギ酸塩形態)カラム上に適用した。樹脂カラムを水、次いでギ酸(0.05〜1M)で溶出した。所望の物質をギ酸約500mMにて溶出した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒の留去により純粋な化合物2を白色固体600mg(2工程について収率76%)として得た。
HPLC1: カラム: PRP-X100. 条件: 3% CH3CN/50 mM NaH2PO4 (pH6.5); 220 nmにおけるUV; 流速 1 ml/分. tR: 12.63分.
HPLC2: カラム: PRP-X100. 条件: Cu法; 3% CH3CN/50 mM NaH2PO4 (pH6.5); 290 nmにおけるUV; 流速 1 ml/分. tR: 12.28分.
MS: 441.2における(M + H)+.
元素分析: 実測値: C 38.99; H 6.62; N 11.78. C15H29N4O9P.1.35H2Oとして計算値: C 38.77; H 6.88; N 12.06.
HNMR (D2O, δ): 3.12-3.80 (m, NCH2による).
実施例7C
本実施例は、上記反応式1の10−ホスホノメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のガドリニウム錯体(3)を製造するために用いられる合成経路を示す。
リガンド2(50mg、0.114mmol)を水3mlに溶解させ、1N水酸化ナトリウムを加えることにより溶液のpHを6.5に調節した。本溶液にGd(OAc)350.8mg(0.125mmol、アルドリッチ)の水3ml溶液を加えた。溶液のpHを6.5に維持し、40℃にて4時間、室温にて一晩撹拌した。反応はHPLCによりモニターした。水を蒸発させ、粗製物をDEAD−セファデックスA−25(30ml)に適用した。5〜1200mM NH4HCO3で溶出した。NH4HCO3250mMで本化合物を溶出した。フラクションを集め、溶媒を減圧留去した。3(79mg)を灰白色固体(収率85.1%)として得た。
HPLC1: カラム: ヌクレオシル(Nucleosil)C-18. 条件: 3% CH3CN/Tris-EDTA (pH7); 蛍光Ex/Em 280/320 nm; 流速 1 ml/分. tR: 3.83分.
HPLC2: カラム: PRP-X100. 条件: 3% CH3CN/50 mM NaH2PO4 (pH6.5); 220 nmにおけるUV; 流速 1 ml/分. tR: 2.56分.
MS: 596.2における(M + H)+.
元素分析: 実測値: C 35.94; H 6.64; N 9.56. C15H26N4O9PGd.1.58Et3N.3.3H2Oとして計算値: C 36.12; H 6.97; N 9.60.
実施例8−実施例2の化合物(10−(1−ホスホノエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸)の合成
反応式2は上記実施例2の化合物(10−(1−ホスホノエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸)を製造するために用いられる合成経路を示す。
反応式2
Figure 2007516288
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリス−(1,1−ジメチルエチル)エステルのアセトアルデヒドおよび亜リン酸ジベンジルによるアセトニトリル中、室温での処理により保護されたリガンド4を60%収率で得た。脱保護、次いでアニオン交換クロマトグラフィー精製により5を44%収率にて得た。
実施例8A
本実施例は上記反応式2の10−[1−[ビス(フェニルメトキシ)ホスフィニル]エチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル(4)を製造するために用いられる合成経路を示す。
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリス−(1,1−ジメチル)エステルの遊離塩基2.65g(5mmol)のアセトニトリル10mL溶液に亜リン酸ジベンジル1.4g(5.5mmol)を加えた。次いでアセトアルデヒド308mg(7mmol)を素早く加えた。徐々に加熱し、溶液は帯黄色になった。室温にて一晩撹拌した。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。溶媒を減圧留去した。MeOH、CHCl3を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物4(2.4g、収率60%)を得た。
TLC: シリカゲル, Fro, 0.3, MeOH:CHCl3 (1:10), ヨウ素により視覚化。
1H NMR: (CDCl3,δ) 1.19-1.31 (m, 3H); 1.45 (3s, 27H); 2.60-3.41 (m, 23 H); 4.70-5.10m, 4 H); 7.35 (2S, 10H).
MS: (M+H) = 803; M+Na) = 825.
実施例8B
本実施例は、上記反応式2の10−(1−ホスホノエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(5)を製造するために用いられる合成経路を示す。
4(1.94g、2.4mmol)のTFA90mL溶液にアニソール12mLを加えた。溶液を室温にて16時間撹拌した。TFAを減圧留去した。アニソールを水と共沸留去により除去した。茶色油状物をMeOH/水(4:1、100mL)に溶解させ、Pd−C10%510mgを用いて50psiにて16時間直接水素化した。次いで混合物をセライトケーキに通してろ過し、ケーキをメタノールおよび水で徹底的に洗浄した。溶媒を留去し、粗製物を得た。次いで水中の粗製の生成物(pH7に調節)をAG1−X2イオン交換樹脂(ギ酸塩形態)カラムに適用した。樹脂カラムを水、次いでギ酸(0.05〜1.75mM)で溶出した。所望の物質をギ酸450Mにて溶出した。所望の生成物を含むフラクションを集め、溶媒を留去し、純粋な化合物5を白色固体470mgとして得た。収率44.3%。
HPLC: カラム PRP-X 100. 条件: 50 mM NaH2PO4における3 CH3CN (pH 7); 220 nmにおけるUV; 流速 1mL/分 Tr: 8.33分.
MS: 455 (M+H)+; 453 (M-H).
元素分析: C16H31N4PO9 1.3 H2Oとして計算値, C, 40.09, H, 7.10, N, 11.69, P 6.46. 実測値: C, 39.85, H, 6.66, N 11.79, P 6.30
IR (KBr, cm-1): 3432 (OH; 1719, 1634(C=O).
1H NMR (D2O) δ: 1.22(br, 3H; 3.05-3.80 (m, 23 h).
13CNMR (D2O) d: 1 1.5 (br) 48.0-572 (br); 172-175.0 (br).
31PNMR (d2O) d, H3PO4に関して): 11.32 (s)
実施例9−実施例3の化合物(10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル)の合成
反応式3は、上記実施例3の化合物(10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル)を製造するために用いられる合成経路を示す。反応式3は、リンカーもしくは標的部分、または他の診断もしくは治療部分へのコンジュゲーションを補助することができるリン酸保護とともにカルボン酸基を有するDO3A類似体の合成において使用することができる。
反応式3
Figure 2007516288
TACD(2.5当量)の2−ブロモ酢酸ベンジルでのモノアルキル化により、モノベンジルエステルが得られ、これを塩化メチレン、メタノールおよびアンモニアを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。モノベンジルエステル6を30%収率にて得た。
次いで化合物6をトルエン中N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタールと反応させ、三環体7をほとんど定量的収率にて得た。三環体7を水−THF混合物で24時間処理し、ホルミル誘導体8を得た。粗製のホルミル化合物のブロモ酢酸tert−ブチルでのアルキル化、次いでアルキル化された生成物のカラムクロマトグラフィーによる精製により、完全に保護された大環状体9を50%収率にて得た。
イソプロパノール中のヒドロキシルアミン塩酸塩を用いた脱ホルミル化により、ジtert−ブチルエステル10を78%収率にて得た。
7−MPDO3Aの合成を完了するために必要なヒドロキシメチルホスホン酸ジtert−ブチル13を亜リン酸tert−ブチルをトリエチルアミンの存在下、水性ホルムアルデヒドと反応させることにより製造した。次いでエーテル中−78℃にて塩化トリフルオロメタンスルホニルおよび水素化ナトリウムを用い、ヒドロキシメチルホスホン酸ジ−tert−ブチル13をトリフレート14に変換した。
Figure 2007516288
ジtert−ブチルエステル10をアセトニトリル中ジイソプロピルエチルアミンの存在下トリフレート14でアルキル化し、ベンジルエステル11を56%収率にて得た。
THF中Pd−C10%を用いて11の脱ベンジル化によりコンジュゲート可能なリガンド12を得た。
実施例9A
本実施例は、上記反応式3の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸フェニルメチルエステル(6)を製造するために用いられる合成経路を示す。
TACD21.5g(0.125mol)のCHCl3200mL溶液に、CHCl350mL中の2−ブロモ酢酸ベンジル11.45g(7.92mL、0.05mol)を2時間かけて滴加し、反応混合物を4℃にて24時間放置した。クロロホルムをロータリーエバポレータにて留去し、残渣を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液200mLで処理した。混合物を塩化メチレンで抽出し、塩化メチレン溶液を水で洗浄し、有機層を取り出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。塩化メチレンを留去して6を粘着性油状物として得、これを24時間真空乾燥した。収率12.0g(75%)。粗製1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸フェニルメチルエステル6をさらに精製せずに次の工程に用いた。
MS: (M+H)+ = 321
1H-NMR (CDCl3): δ2.55および2.75 (m, 16 H), 3.48 (s, 2 H), 5.12(s, 2 H), 7.32 (m, 5 H).
実施例9B
本実施例は、上記反応式3のオクタヒドロ−7H,9bH−2a,4a,7,9a−テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレン−7−酢酸フェニルメチルエステル(7)を製造するために用いられる合成経路を示す。
ベンジルエステル6(11.0g、0.034mol)のトルエン300mL溶液に、ジメチルホルムアミドジエチルアセタール7.3g(8.5mL、0.049mol)を加え、混合物を85℃にて12時間加熱した。トルエンをロータリーエバポレータにて留去した。得られた黄色油状物を乾燥エーテル200mLで処理した。エーテルの添加の間ガム状固体が形成され、黄色エーテル溶液をセライトろ過した。フィルターケーキをエーテル(2×100mL)で洗浄した。集めたエーテル溶液を濃縮し、粘性黄色油状物を得た。収率10.2g(89%)。得られた粗製のオクタヒドロ−7H,9bH−2a,4a,7,9a−テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレン−7−酢酸フェニルメチルエステル(7)をさらに精製せずに次の工程に用いた。
MS: (M+H)+ = 331
1H-NMR (CDCl3): δ2.60および3.09 (m, 16 H), 3.52 (s, 2 H), 4.81 (s, 1 H), 5.12 (s, 2 H), 7.32 (m, 5 H).
実施例9C
本実施例は、上記反応式3の7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸フェニルメチルエステル(8)を製造するために用いられる合成経路を示す。
オクタヒドロ−7H,9bH−2a,4a,7,9a−テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレン−7−酢酸フェニルメチルエステル(7)10.0g(0.06mol)のTHF100mL溶液に水25mLを加え、混合物を室温にて18時間撹拌した。THF−水を減圧留去し、得られた8の明黄色油状物を真空乾燥した。これをさらに精製せずに次の工程に用いた。収率9.0g(85.7%)。
MS: (M+H)+ = 349.2
1H-NMR (CDCl3): δ2.60-2.9および3.4-3.9 (mおよびs, 18 H), 5.12 (s, 2 H), 7.32 (m, 5 H), 8.12 (s, 1H).
実施例9D
本実施例は、上記反応式3の10−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル(9)を製造するために用いられる合成経路を示す。
7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸フェニルメチルエステル(8)9.0g(0.0258mol)のアセトニトリル80mL溶液にジイソプロピルエチルアミン13.0g(17.6mL、0.1mol)およびブロモ酢酸tert−ブチル11.6g(8.8mL、0.06mol)を加え、混合物を室温にて24時間撹拌した。アセトニトリルをロータリーエバポレータにて留去し、残渣を水150mLで処理し、酢酸エチル250mLで抽出した。酢酸エチル層を炭酸水素ナトリウム溶液200mL、水200mLで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。酢酸エチルを留去し、得られた油状物をシリカゲルクロマトグラフィーした。(カラムを7:3ヘキサン−酢酸エチルで詰め込み、7:3ヘキサン−酢酸エチル600mL、50:50ヘキサン−酢酸エチル600mL、最後に純粋な酢酸エチルで溶出した。)生成物を含むフラクションを集めて溶媒を留去し、9を粘性黄色油状物として得、これを真空乾燥した。収率8.7g(59%)。
MS: (M+H)+ = 577.5.
HRMS (FAB) m/z: C30H48N4O7 (M+Na+)として計算値: 599.3421. 実測値: 599.3422.
1H-NMR (CDCl3): δ1.45 (s, 18 H), 2.65-2.95 (m, 12 H), 3.42および3.49 (m, 2 H), 5.12 (s, 2 H), 7.32 (m, 5 H), 8.02 (s, 1 H).
実施例9E
本実施例は、上記反応式3の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル(10)を製造するために用いられる合成経路を示す。
10−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル9(5.0g、8.6mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩0.8g(11.5mmol)および水0.3mLのイソプロパノール35mL中の混合物を12時間還流した。反応の進行は、塩化メチレン、メタノール(95:5)を用いたTLCによりモニターした。イソプロパノールおよび水をロータリーエバポレータで除去し、得られた粘性油状物を真空乾燥した。これをクロロホルム200mLで処理し、形成された明色析出物をろ過し、クロロホルム溶液を濃縮して粘性油状物を得た。油状物を真空乾燥し、泡状固体を得た。これをエーテル75mLでトリチュレーションし、析出した白色固体をろ過し、乾燥して10を得た。収率3.52g(74%)。
MS: (M+H)+ = 549
1H-NMR (CDCl3): δ1.49 (s, 18 H), 2.60-2.9 (mおよび16 H), 3.45 (s, 4 H), 3.52 (s, 2 H), 5.12 (s, 2 H), 7.32 (m, 5 H).
実施例9F
本実施例は、上記反応式3の10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル(11)を製造するために用いられる合成経路を示す。
ベンジルエステル(10)3.0g(5.47mmol)およびジイソプロピルエチルアミン3.25g(4.38mL、25mmol)のアセトニトリル10mL中の混合物にアセトニトリル5mL中のトリフレート(14)3.0g(8.42mmol、Phillion, D.P., 米国特許4,740,608 (1988))を加え、混合物を40℃にて6時間撹拌した。反応後、アセトニトリルを留去し、残渣を炭酸ナトリウムの飽和溶液25mLで処理した。混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、水100mLで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。酢酸エチルを留去し、得られた油状物を真空乾燥した。得られた泡状固体をヘキサン(3×75mL)で50℃にてトリチュレーションし、10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル11を白色固体として得た。収率3.0g(73%)。ヘキサン−酢酸エチルで結晶化させることにより分析用サンプルを得た。
MS: (M+H)+ = 755.5.
HRMS (FAB) m/z: C38H67N4O9P Na (M+Na)として計算値: 777.4543. 実測値: 777.4599.
1H-NMR (CDCl3): δ1.42 (s, 18 H), 1.51(s, 18 H), 2.10-2.95 (m, 24 H), 5.10 (s, 2 H), 7.35 (m, 5 H).
実施例9G
本実施例は、上記反応式3の10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(12)を製造するために用いられる合成経路を示す。
10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル11(1.0g、7.8mmol)のTHF20mL溶液に、Pd−C10%(0.5g、デグサ型〜50%水)を加え、混合物を45psiにて12時間水素化した。触媒をセライトろ過し、フィルターケーキをTHF(2×30mL)で洗浄した。集めたTHF溶液をロータリーエバポレータで濃縮し、酸を高粘性油状物として得た。これを24時間真空乾燥し、泡状固体を得、さらに精製せずにそのようなものとして用いた。収率0.84g(95%)。
MS(FAB): (M+Na)+ = 687. m−ニトロベンジルエステル (M+H)+ = 801, (M-C4H8+H)+ = 743, (M-C4H8O+H)+ = 729.(m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスのために用いた)
HRMS (FAB) m/z: C31H61N4O9P (M+H+)として計算値: 665.4254. 実測値: 665.4256.
1H-NMR (CDCl3): δ1.42 (s, 18 H), 1.51(s, 18 H), 2.50-2.95 (m, 24 H).
実施例10−実施例3の化合物(10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル)の代替的合成
本実施例は、上記実施例3の化合物(10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル)を製造するために用いられる代替的合成経路、反応式3Aを示す。
反応式3A
Figure 2007516288
1−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン15をpH3にてクロロギ酸ベンジルで選択的に保護して16を得、これをブロモ酢酸t−ブチルでアルキル化し、ヒドロキシルアミン塩酸塩で脱ホルミル化して18を得た。P(OtBu)3およびパラホルムアルデヒドとの反応により19を得、これを水素化により脱保護し、ブロモ酢酸ベンジルでアルキル化して21を得、これを最終的に水素化して12とした。
実施例10A
本実施例は、上記反応式3Aの7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−カルボン酸フェニルメチルエステル二塩酸塩(16)を製造するために用いられる合成経路を示す。
1−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン15(14g、69.9mmol)を水100mLに溶解させ、12N塩酸11mLをpH3まで加え、次いで1,4−ジオキサン220mLを加えた。pHスタット(pHstat)装置で2N水酸化ナトリウム68.4mLを連続的に加えることにより反応混合物を常にpH3で維持しながら、クロロギ酸ベンジル13.8g(77mmol)の1,4−ジオキサン15mL溶液をゆっくりと3.5時間で滴加した。添加後、反応物を1時間撹拌し、次いでn−ヘキサン(4×100mL)およびiPr2O(4×100mL)で洗浄した。10N水酸化ナトリウム6.1mLを加えることにより水相をpH13とし、CHCl3(4×100mL)で抽出した。有機相を食塩水100mLで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、溶媒を留去した。油状残渣をアセトン200mLに溶解させ、6N塩酸26mLを加えた。析出した固体をろ過し、アセトン(2×50mL)で洗浄し、真空乾燥して化合物16(23.6g、58mmol)を白色結晶固体として得た。収率83%。
Figure 2007516288
実施例10B
本実施例は、上記反応式3Aの4−(フェニルメトキシ)カルボニル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(18)を製造するために用いられる合成経路を示す。
16(14.4g、35.3mmol)の水450mLおよび1N水酸化ナトリウム74mL(74mmol)中の溶液を20分間撹拌した後、CHCl3(4×200mL)で抽出した。有機層の溶媒を留去し、油状残渣12.3gを得、これをアセトニトリル180mLおよびN−エチルジイソプロピルアミン(DIEA)15mL(88.25mmol)に溶解させた。ブロモ酢酸t−ブチル16.8g(86.1mmol)のアセトニトリル15mL溶液を先の溶液に2.5時間で滴加した。室温にて20時間後、溶媒を留去し、油状残渣をCHCl3150mLに溶解させ、水(5×100mL)で洗浄した。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、溶媒を留去して乾燥し、17を黄色油状物として得た。粗製物17(22g)をエタノール250mLに溶解させ、NH2OH・HCl2.93g(42.2mmol)を加え、溶液を加熱還流した。48時間後、溶媒を留去し、残渣を塩化メチレン250mLに溶解させ、水(3×250mL)、次いで食塩水(3×250mL)で洗浄した。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、溶媒を留去した。油状残渣18.85gをフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒を留去し、ガラス状白色固体17.62gを得、これを水600mLおよび1N水酸化ナトリウム90mL(90mmol)に溶解させ、CHCl3(3×250ml)で抽出した。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、溶媒を留去して乾燥し、18(16.6g、31mmol)を油状物(7)として得た。収率88%。
Figure 2007516288
実施例10C
本実施例は、上記反応式3Aの4−(フェニルメトキシ)カルボニル−10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(19)を製造するために用いられる合成経路を示す。
化合物18(13.87g、26mmol)、P(OtBu)37.6g(28.6mmol)(10)およびパラホルムアルデヒド0.9g(30mmol)の混合物を60℃にて加熱した。16時間後、さらにP(OtBu)31g(3.76mmol)およびパラホルムアルデヒド0.1g(3.33mmol)を加えた。反応物を60℃にてさらに20時間、次いで80℃にて8時間減圧下加熱し、揮発性不純物を除去した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、19(9.33g、8mmol)を油状物として得た。収率31%。
実施例10D
本実施例は、上記反応式3Aの7−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,10−三酢酸1−フェニルメチル4,10−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(21)を製造するために用いられる合成経路を示す。
19(6.5g、5.53mmol)のメタノール160mL溶液に、5%Pd/C1g(0.52mmol)を加え、混合物を水素雰囲気下室温にて撹拌した。4時間後(消費された水素165mL、6.7mmol)、混合物をミリポア(登録商標)フィルター(FT0.45μm)に通してろ過し、溶液を減圧留去した。粗製物5.9gをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、20(4.2g)を油状物として得た。アセトニトリル8mLに溶解させたブロモ酢酸ベンジル1.9g(8.3mmol)を20(4.2g)のアセトニトリル40mLおよびDIEA1.5mL(8.72mmol)の溶液に1時間で滴加した。室温にて36時間後、溶媒を留去し、残渣5.76gをCHCl3100mLに溶解し、水(2×100mL)、次いで食塩水(2×70mL)で洗浄した。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、溶媒を留去した。粗製物5.5gをフラッシュクロマトグラフィーにより2回精製し、フラクションを集め、溶媒を留去し、乾燥して21(1.12g、1.48mmol)を油状物として得た。収率27%。
実施例10E
本実施例は、反応式3Aの7−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,10−三酢酸4,10−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(12)を製造するために用いられる合成経路を示す。
5%Pd/C0.2g(0.087mmol)を21(1.12g、1.48mmol)のメタノール27mL溶液に加え、混合物を水素雰囲気下室温にて撹拌した。2時間後(消費された水素35mL、1.43mmol)、混合物をミリポア(登録商標)フィルター(FT0.45μm)に通してろ過し、溶液を留去して乾燥し、12(0.94g、1.41mmol)を淡黄色油状物として得た。収率97%。
実施例11−実施例4の化合物(10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−α’−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル)の合成
本実施例は、上記実施例4の化合物を製造するために用いられる合成経路を示す。
反応式4
Figure 2007516288
化合物22をトルエン中N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタールと反応させ、三環体23を得、これを水−THF混合物で24時間処理し、ホルミル誘導体24を得た。ホルミル化合物をブロモ酢酸tert−ブチルでアルキル化し、精製して完全に保護された大環状体25を50%収率で得た。
イソプロパノール中ヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて25を脱ホルミル化し、トリtert−ブチルエステル26を78%収率で得た。トリtert−ブチルエステル26をアセトニトリル中ジイソプロピルエチルアミンの存在下トリフレートAでアルキル化し、27を56%収率で得た。THF中でPd−C10%を用いて27を脱ベンジル化し、酸28を得た。
実施例11A
本実施例は、上記反応式4のオクタヒドロ−7H,9bH−2a,4a,7,9a−テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレン−7−酢酸α−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]1,1−ジメチルエチルエステル(23)を製造するために用いられる合成経路を示す。
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ−1−イル−ブタン二酸1−(1,1−ジメチルエチル)4−(フェニルメチル)エステル(22)3.0g(6.9mmol)のベンゼン25mL溶液にジメチルホルムアミドジエチルアセタール1.2g(1.4mL、8.0mmol)を加え、混合物を110℃にて12時間加熱還流した。ディーン・スターク水分離器を用いて共沸蒸留することにより、エタノールおよび形成されたジエチルアミンを除去した。溶媒を留去し、残渣を3時間真空乾燥した。得られたオクタヒドロ−7H,9bH−2a,4a,7,9a−テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレン−7−酢酸α−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]1,1−ジメチルエチルエステル(23)をさらに精製せずにそのまま次の工程に用いた。収率2.98g(97%)。
MS: (M+H)+ = 445.
HRMS (FAB) m/z: C24H36N4O4 (MH+)として計算値: 445.2815. 実測値: 445.2822.
1H-NMR (CDCl3): δ1.42 (s, 9 H), 2.45および2.55 (2 x m, 2 H), 2.65-3.05 (m, 16 H), 3.82 (s,1 H), 4.65 (s, 1 H), 5.12 (quart, 2 H), 5.12 (s, 2 H), 7.38 (m, 5 H).
実施例11B
本実施例は、上記反応式4の7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸α−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]1,1ジメチルエチルエステル(24)を製造するために用いられる合成経路を示す。
オクタヒドロ−7H,9bH−2a,4a,7,9a−テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレン−7−酢酸α−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]1,1−ジメチルエチルエステル(23)2.9g(6.53mmol)をTHF−水(1:1)30mLの混合物に加え、溶液を室温にて12時間撹拌した。THF−水をロータリーエバポレータで留去し、得られた油状物を4時間真空乾燥した。従って得られたホルミル誘導体24を精製せずに次の工程に用いた。収率2.92g(96%)。
1H-NMR (CDCl3): δ1.42 (s, 9 H), 2.45-3.05 (m, 19 H), 3.73 (m,1 H), 4.65 (s, 1 H), 5.12 (m, 2 H), 7.38 (m, 5 H), 8.12 (s).
実施例11C
本実施例は、上記反応式4のα’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−10−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル(25)を製造するために用いられる合成経路を示す。
α−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸1,1ジメチルエチルエステル24(3.0g、6.5mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.26g(3.1mL、17.5mmol)のアセトニトリル中の混合物にブロモ酢酸tert−ブチル3.12g(2.4mL、16.4mol)を加え、混合物を室温にて12時間撹拌した。アセトニトリルを留去し、残渣を炭酸水素ナトリウム溶液15mLで処理した。次いで混合物を酢酸エチルで抽出し、水(2×50mL)、塩化ナトリウム溶液50mLで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル層を濃縮し、油状物を得、これをヘキサン−酢酸エチル(50:50、25:75、100)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒を留去してα’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−10−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル(25)を粘性油状物として得た。収率2.5g(56%)。
MS: (M+H)+ = 691.
HRMS (FAB) m/z: C36H58N4O9 (MH+)として計算値: 691.4282. 実測値: 691.4315.
1H-NMR (CDCl3): δ1.42 (2 s, 27 H), 2.52-2.58 (m, 16 H), 3.20および3.50 (2 x sおよびm, 5 H), 3.30および3.62 (2 x m, 2 H), 3.78 (m, 1 H), 5.05 (s, 2 H), 7.30 (m, 5 H), 7.98 (s, 1 H).
実施例11D
本実施例は、上記反応式4のα’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル(26)を製造するために用いられる合成経路を示す。
α’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−10−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル25(2.46g、3.56mmol)のイソプロパノール15.0mL溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩0.312g(4.5mmol)を加え、混合物を90℃にて12時間加熱した。反応はTLC(塩化メチレン:メタノール、95:5)により追跡した。溶媒をロータリーエバポレータで留去し、残渣を炭酸水素ナトリウム飽和溶液10mLで処理し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。この生成物26をさらに精製せずに次の工程に用いた。収率2.32g(98%)。
MS: (M+H)+ = 663.5, 691.5(未反応出発物質)
1H-NMR (CDCl3): δ1.42 (3 s, 27 H), 2.52-3.05 (m, 18 H) 3.31(m, 4 H), 3.89 (m, 1 H), 5.15 (m, 2 H), 7.30 (m, 5 H).
実施例11E
本実施例は、上記反応式4の10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−α’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル(27)を製造するために用いられる合成経路を示す。
α’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル(26)2.2g(3.32mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.6g(3.6mL、20mmol)のアセトニトリル10mL中の混合物に、アセトニトリル5.0mL中のジ−tert−ブチルホスホノメチルトリフレート(14)(文献(Phillion, D.P., 米国特許4,740,608 (1988))2.5g(7.0mmol)を加え、混合物を40℃にて6時間撹拌した。反応後、アセトニトリルを除去し、残渣を炭酸水素ナトリウム25mLで処理した。次いで混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、水50mLで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。酢酸エチルを除去して油状物を得、0.1%トリエチルアミンを含む塩化メチレンおよびメタノール(9:1)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィーした。生成物を含むフラクションを集め、溶媒を留去し、油状物を得、これを真空乾燥し、27を泡状固体として得た。収率1.4g(49%)。
MS: (M+H)+ = 869.6.
HRMS (FAB) m/z: C44H77N4O11P (M+Na)として計算値: 891.5224. 実測値: 891.5233.
1H-NMR (CDCl3): δ1.38-1.52 (5 s, 45 H), 2.05-3.60 (m, 24 H), 4.10 (m, 1 H), 5.05 (quart, 2 H), 7.30 (m, 5 H).
実施例11F
本実施例は、上記反応式4の10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−α’−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル(28)を製造するために用いられる合成経路を示す。
10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−α’−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸トリス(1,1ジメチルエチル)エステル(27)1.18g(1.35mmol)のTHF15mL溶液に、Pd−C10%0.4g(デグサ・タイプ〜50%水)を加え、混合物を45psiにて6時間水素化した。触媒をセライトろ過し、フィルターケーキをTHF(2×30mL)で洗浄した。集めたTHF溶液をロータリーエバポレータで濃縮し、酸を高粘性油状物として得た。これを24時間真空乾燥して28を泡状固体として得、これをさらに精製せずに用いた。収率0.96g(95%)。
MS: (M+H)+ = 779.6.
HRMS (FAB) m/z: C37H71N4O11P (M+Na)として計算値: 801.4755. 実測値: 801.4805.
1H-NMR (CDCl3): δ1.42-1.52 (5 s, 45 H), 2.05-3.72 (m, 24 H), 4.0 (m, 1 H).
実施例12−実施例5の化合物(10−[[1−[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]−3−カルボキシ]プロピル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル)の合成
反応式5は上記実施例5の化合物を製造するために用いられる合成経路を示す。
反応式5
Figure 2007516288
4−ヒドロキシ酪酸ベンジルを、4−ヒドロキシ酪酸ナトリウム塩の臭化ベンジルとの選択的ベンジル化により製造した。29のピリジニウムクロロクロメートでの酸化によりアルデヒド30を得た。アルデヒドの一連の処理は、ジイソプロピルエチルアミンの存在下、まず亜リン酸トリエチル、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物で行い、トリフルオロメタンスルホニルオキシ誘導体32を得た。DO3A−トリ−t−ブチルエステルのトリフレート32によるアルキル化により、ベンジルエステル5を45%収率にて得た。33のエタノール中のPd−Cによる水素化により、酸34を得た。
実施例12A
本実施例は、上記反応式5の10−[[1−[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]−3−[(フェニルメトキシ)カルボニル]]プロピル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル(33)を製造するために用いられる合成経路を示す。
トリフレート31(4.62g、0.01mol)のアセトニトリル15mL溶液をDO3A−t−ブチルエステル5.14g(0.01mol)およびジイソプロピルエチルアミン2.6g(3.6mL、02mol)の乾燥アセトニトリル25mL中の混合物に45分にわたり滴加した。発熱反応が添加の間観察され、混合物を室温にて12時間撹拌した。次いでアセトニトリルをロータリーエバポレータで留去し、残渣を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)した。酢酸エチルの留去により、高粘性油状物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーした。カラムを塩化メチレンおよびエーテル(95:5)で調製し、塩化メチレンおよびエーテルで溶出し、溶出速度の速いUV可視不純物を得た。溶出速度の速い生成物のNMRスペクトルは、脱離生成物であることを示した。次いでカラムを塩化メチレンおよびメタノール(9:1)で溶出した。フラクションを含む生成物を集め、溶媒を留去して粘性油状物を得、これを真空乾燥して泡状固体を得た。収率2.52g(30%)。
TLC: CH2Cl2:CH3OH, 9:1 (Rf 0.8).
MS: (M+H) = 827
1HNMR (CDCl3): δ1.18および2.28 (2 x t, 6 H), 1.35および1.42 (3 x s, 27 H) 1.8-2.2 (m 4 H), 2.2-3.3 (m, 16 H), 3.38-3.34 (m, 6 H), 3.95-4.15 (m, 4 H), 4.30 (m, 1 H), 5.05 (s, 2 H), 7.35 (m, 5 H).
実施例12B
本実施例は、上記反応式5の10−[[1−[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]−3−カルボキシ]プロピル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル(34)を製造するために用いられる合成経路を示す。
10−[[1−[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]−3−[(フェニルメトキシ)カルボニル]]プロピル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル3.0g(0.0036mol)のエタノール50mL溶液に、Pd−C10%2.0gを加え、混合物を45psiにて水素化した。触媒を除去し、エタノールを留去して酸34を泡状固体として得た。収率2.51g(95%)。
MS: (M+H) = 737
1HNMR (CDCl3): δ18および2.20 (2 x t, 6 H), 1.45 (3 s, 27 H) 1.8-2.2 (m 4 H), 2.2-3.3 (m, 16 H), 3.38-3.34 (m, 6 H), 3.95-4.15 (m, 4 H), 4.40 (m, 1 H).
実施例13−実施例6の化合物(4,10−ビス[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(1,1−ジメチルエチル)エステル)の合成
反応式6は、上記実施例6の化合物(カルボン酸基を含むビスホスホン酸類似体)を製造するために用いられる合成経路を示す。
反応式6
Figure 2007516288
化合物35のトリt−ブチルホスフェートおよびパラホルムアルデヒドによる処理により、直角に保護されたリガンド36が得られるはずである。36の触媒的水素添加分解により化合物37が得られるはずである。ジイソプロピルエチルアミンの存在下、ブロモ酢酸t−ブチルによるアルキル化により、化合物38が得られるはずである。2−ブロモ酢酸ベンジルによる38のアルキル化、次いでPd−Cを用いた脱ベンジル化により、化合物40が得られるはずである。
実施例14
本実施例は、本発明化合物をペプチドにコンジュゲートするための工程を示す。
Figure 2007516288
DCC、HOBTなどの他のペプチドカップリング剤を上記HATUの代わりに用いることができることは当業者により理解されよう。そのようなペプチドおよび他のリンカーおよび標的部分へのコンジュゲーションは、存在するならば例えばカルボキシルおよび/またはアミノ基を用いて本発明化合物上にて達成することができる。
実施例15
上記のように、本発明化合物を集めて、ホモおよびヘテロ二量体、ならびにホモおよびヘテロ多量体を形成することもできる。ホモ二量体およびその製造工程の例を以下に示す。
Figure 2007516288
好ましいホモおよびヘテロ二量体は実施例1〜6の化合物からなる。好ましいホモおよびヘテロ多量体はまた、実施例1〜6の化合物からなる。
本発明の前述の記載を通して、種々の特許、論文および他の刊行物が引用または参照されている。いずれかの特許、論文および他の刊行物は本出願にそのまま引用される。

Claims (23)

  1. ポリアザ大環状化合物および該ポリアザ大環状化合物の少なくとも一つのアザ基に置換されている少なくとも一つのホスホン酸基からなる化合物。
  2. ポリアザ大環状化合物が一般式(II):
    Figure 2007516288
    [式中、
    1=R2=R7=R8=R10=R11はHであり;
    12、R13、R14およびR15はCH3またはHであり;
    4=R5であり;
    10=R11はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
    R、R3、R6またはR9のうち少なくとも一つはX(ここに、XはCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2H、CHP(O)(OH)2−アリール−NH2またはCHP(O)(OH)2−アリール−NHCS(ここに、nは1〜12である)である)であり;
    R、R3、R6またはR9がXでないとき、R、R3、R6またはR9はCO2C(CH)3またはCO2Hである]
    からなる、請求項1記載の化合物。
  3. ポリアザ大環状化合物が一般式(III):
    Figure 2007516288
    [式中、
    R=R3=R9はCO2C(CH)3またはCO2Hであり;
    1=R2=R4=R5=R7=R8=R10=R11はHであり;
    12、R13、R14およびR15はCH3またはHであり;
    10=R11はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
    6はCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2HまたはCHP(O)(OH)2−アリール−NH2(ここに、nは1〜12である)である]
    からなる、請求項1記載の化合物。
  4. ポリアザ大環状化合物が一般式(IV):
    Figure 2007516288
    [式中、
    1=R2=R3=R4=R6=R7=R8=R9はHであり;
    3=R4およびR8=R9はHであるか、または一緒になって環状C3−C4アルケン基を形成する基であることができ;
    10、R11、R12およびR13はCH3またはHであり;
    RはCO2C(CH33であり;
    5はCH2P(O)(OH)2、CH2P(O)(OC49−t)2、CH3CHP(O)(OH)2、CHP(O)(OH)2−(CH2nCO2H、CHP(O)(OH)2、(CH2nNH2、CHP(O)(OH)2−アリール−CO2H、CHP(O)(OH)2−アリール−NH2またはCHP(O)(OH)2−アリール−NHCS(ここに、nは1〜12である)である]
    からなる、請求項1記載の化合物。
  5. 式:
    10−ホスホノメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(MPDO3A);
    10−(1−ホスホノエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸;
    10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸1,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル;
    10−[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−α’−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル;
    10−[[1−[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]−3−カルボキシ]プロピル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸α,α’,α”−トリス(1,1−ジメチルエチル)エステル;または
    4,10−ビス[[ビス(1,1−ジメチルエトキシ)ホスフィニル]メチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(1,1−ジメチルエチル)エステル
    の化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物のホモ二量体、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体からなる化合物。
  7. 常磁性金属または放射性核種金属と錯体化した請求項1〜5のいずれかに記載の化合物からなる錯体。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物を常磁性金属または放射性核種金属とコンジュゲートさせることを特徴とする、錯体を製造する方法。
  9. 常磁性金属または放射性核種金属と錯体化した請求項1〜5のいずれかに記載の化合物からなる診断用イメージング剤を患者に投与し、該患者をイメージングすることを特徴とするイメージング方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物からなる物質を注射用媒体に加えることを特徴とする、診断用イメージング剤を製造する方法。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物からなる診断用イメージング剤を製造するためのキット。
  12. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物からなる放射線治療薬を製造するためのキット。
  13. 治療用放射性核種と錯体化した請求項1〜5のいずれかに記載の化合物からなる放射線治療薬を患者に投与することを特徴とする、患者を治療する方法。
  14. 請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも一つの化合物からなる物質を注射用治療媒体に加えることを特徴とする、放射線治療薬を製造する方法。
  15. 連結基をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  16. 連結基をさらに含む、請求項7記載の錯体。
  17. 標的部分をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  18. 標的部分をさらに含む、請求項7記載の錯体。
  19. 連結基および標的部分をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  20. 連結基および標的部分をさらに含む、請求項7記載の錯体。
  21. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の塩形態。
  22. 請求項7記載の錯体の塩形態。
  23. カップリング剤によりポリアザ大環状化合物をリンカー、標的部分、診断部分または治療部分にコンジュゲートさせることを特徴とする、リンカー、標的部分、診断部分または治療部分に結合したポリアザ大環状化合物(ここに、カップリング剤はDCC、HOBTおよびHATUからなる群から選択され、ポリアザ大環状化合物は一つのカルボキシル基および/または少なくとも一つのアミノ基を含み、リンカー、標的部分、診断部分または治療部分は少なくとも一つのアミノまたは酸官能基を含む)を製造する方法。
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