JP2007513154A - 化合物、組成物及び方法 - Google Patents

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Abstract

KSPの活性を調節することにより細胞増殖性の疾患及び障害を治療するのに有用な化合物が開示されている。

Description

本発明は、有糸分裂キネシンKSPの阻害薬であって、細胞増殖性疾患、例えば、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害及び炎症などの治療において有用な化合物に関する。
癌の治療に用いられる治療薬の中には、タキサン類及びビンカアルカロイド類があり、これらは、微小管に作用する。微小管は、有糸分裂紡錘体の主要な構造要素である。有糸分裂紡錘体は、細胞分裂に由来する2つの娘細胞のそれぞれにゲノムの複製コピーを分配することに関与している。上記薬剤により有糸分裂紡錘体が破壊されることで、癌細胞の分裂が阻害され、癌細胞の細胞死が誘発されると考えられる。しかしながら、微小管は、神経突起内の細胞内輸送用通路などの他の種類の細胞構造も形成する。上記薬剤は、有糸分裂紡錘体を特異的に標的とはしないので、そのような薬剤の有用性を制限する副作用を有している。
癌の治療に使用される薬剤の投与に伴う副作用を低減させることができれば、その治療上の利点が認識されると思われるので、そのような薬剤の特異性を向上させることは非常に興味深い。伝統的には、癌の治療における劇的な改善は、新しい機序で作用する治療薬を同定することに関連付けられる。そのようなものの例には、タキサン類のみではなく、カンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害薬も含まれている。これらの両方の観点から、有糸分裂キネシン類は、新しい抗癌剤の魅力的な標的である。
有糸分裂キネシン類は、有糸分裂紡錘体の集合及び機能に不可欠な酵素であるが、一般に、神経突起などにおけるような他の微小管構造の一部分にはなっていない。有糸分裂キネシン類は、有糸分裂の全ての段階で欠くことのできない役割を果たしている。これらの酵素は、ATPの加水分解により放出されたエネルギーを、微小管に沿った細胞カーゴ(cellular cargo)の指向性運動を駆動する機械的な力に変換する「分子モーター」である。この作業を行うのに十分な触媒領域は、約340のアミノ酸からなるコンパクト構造体である。有糸分裂に際して、キネシン類は、微小管を、有糸分裂紡錘体である二極性構造体の形に組織化する。キネシン類は、紡錘体微小管に沿った染色体の運動に介在し、また、有糸分裂の特定の段階に関連した有糸分裂紡錘体の構造変化にも介在する。有糸分裂キネシンの機能を実験的に撹乱すると、有糸分裂紡錘体の形成異常又は機能障害が生じ、その結果、多くの場合、細胞周期が停止し、細胞死が起こる。
すでに同定されている有糸分裂キネシン類の中に、KSPがある。KSPは、逆平行ホモ二量体からなる双極性ホモ四量体の形に集合するプラス末端指向性微小管モーターの進化的に保存されてきたキネシンサブファミリーに属する。有糸分裂に際して、KSPは、有糸分裂紡錘体の微小管と会合する。KSPに対する抗体をヒト細胞内に微量注入すると、前中期における紡錘体極の分離が阻止され、その結果、単極紡錘体が形成され、有糸分裂が停止し、プログラム細胞死が誘発される。他の非ヒト生物におけるKSP及び関連するキネシン類は、逆平行微小管を束ね、それらを互いにスライドさせることにより、2つの紡錘体極を分離させる。KSPは、さらにまた、分裂後期Bにおいて、紡錘体の伸長と紡錘体極における微小管の集束にも介在し得る。
ヒトKSP(HsEg5とも称される)については、既に記述されており[Blangy, et al., Cell, 83: 1159-69 (1995); Whitehead, et al., Arthritis Rheum., 39: 1635-42 (1996); Galgio et al., J. Cell Biol., 135: 339-414 (1996); Blangy, et al., J Biol. Chem., 272: 19418-24 (1997); Blangy, et al., Cell Motil Cytoskeleton, 40: 174-82 (1998); Whitehead and Rattner, J. Cell Sci., 111: 2551-61 (1998); Kaiser, et al., JBC 274: 18925-31 (1999); GenBank accession numbers: X85137, NM004523 and U37426]、また、KSP遺伝子の断片(TRIP5)についても、既に記述されている[Lee, et al., Mol Endocrinol., 9: 243-54 (1995); GenBank accession number L40372]。XenopusKSP相同体(Eg5)や、Drosophila KLP61 F/KRP1 30についても、既に報告されている。
KSPを包含する有糸分裂キネシン類は、新規な抗有糸分裂化学療法薬を発見及び開発するための魅力的な標的である。従って、本発明の目的は、KSPを阻害するのにに有用な化合物、組成物及び方法を提供することである。
上記で概説した目的に従い、本発明は、細胞増殖性疾患を治療するのに使用可能な化合物を提供する。そのような化合物は、KSP阻害薬、例えば、ヒトKSP阻害薬である。本発明は、さらに、そのような化合物を含んでいる組成物も提供し、また、細胞増殖性疾患を治療するのに使用可能な、そのような化合物又は組成物を利用する方法も提供する。
一態様において、本発明は、細胞増殖性疾患を治療する方法、及び、KSPの活性を阻害することにより障害を治療する方法に関する。該方法は、式(I):
Figure 2007513154
[式中、
W、X、Y及びZは、独立して、-N=、N、-C=、CR18、O又はSであり、また、Zは、場合により、存在していなくてもよいが、但し、W、X及びYを含み、場合によりZも含んでいる環は、ヘテロ環又はヘテロ芳香族環であり、W、X、Y及びZの2つ以下が-N=であり、及び、Zが存在していない場合にのみ、W、X又はYは、O又はSであることができる;
当該構造中の点線は、場合により存在している二重結合を表す;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンである;
R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;
又は、
R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成している;
R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される;
R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-及びR17-NH-から選択される;
R3aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及びR17-NH-から選択される;
R4は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及び場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択されるか;
又は、
R4は、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているか;
又は、
R4は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成している;
R5、R6、R7、R8及びR18は、独立して、水素、アシル、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド-、アルキルチオ-、カルボキシアルキル-、カルボキサミド-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択されるが、但し、W、X、Y又はZが、それぞれ、-N=、O若しくはSであるか又は存在していない場合、R5、R6、R7及びR8は、存在していない;
R15は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
及び、
R17は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-である]
で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質を使用する。
一部の実施形態では、上記方法は、式(II):
Figure 2007513154
[式中、R1、R2、R2'、R4〜R8、R12、T及びT'は、上記で定義されているとおりであるが、但し、T及びT'が両方とも存在していないことはない]
で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質を使用する。
一部の実施形態では、上記方法は、式(III):
Figure 2007513154
[式中、
R1、R3、R3a、R15、R17及びR5〜R8は、上記で定義されているとおりである;
及び、
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか、若しくは、R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成しており;且つ、R12は、R4及び、R12とR4が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているが、但し、当該5員窒素含有ヘテロ環は、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環又はイミダゾリニル環ではない;
又は、
R2は、R4と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しており;且つ、R2'は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルであり;且つ、R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される]
で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質を使用する。
一態様において、本発明は、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物並びにそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される治療上有効量の少なくとも1種類の化学物質を投与することによる、細胞増殖性疾患の治療方法及びKSPを阻害することにより治療可能な他の障害の治療方法に関する。そのような疾患及び障害としては、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害及び炎症などを挙げることができる。当該方法において、1以上の上記化合物を使用することが可能であることは理解されるであろう。
別の態様において、本発明は、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物並びにそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質に関する。本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物並びにそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される治療上有効量の少なくとも1種類の化学物質と少なくとも1種類の製薬用賦形剤を含んでいる医薬組成物にも関する。別の態様においては、該組成物は、本発明の化学物質以外の化学療法薬も含んでいる。
本明細書で使用される場合、以下の単語及び語句は、それらが使用されている文脈において別途示されている場合を除き、一般に、以下に記載してある意味を有する。以下の略語及び用語は、全体を通して、示されている意味を有する:
Figure 2007513154
アルキルは、直鎖、分枝鎖又は環状の脂肪族炭化水素構造及びそれらの組合せを包含するものであり、その構造は飽和していても又は不飽和であってもよい。低級アルキルは、1〜5個の炭素原子、例えば、1〜4個の炭素原子からなるアルキル基を意味する。低級アルキル基の例としては、メチル-、エチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、s-ブチル及びt-ブチルなどを挙げることができる。一部の実施形態では、アルキル基は、C20以下のアルキル基である。一部の実施形態では、アルキル基は、C13以下のアルキル基である。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子からなる環式脂肪族炭化水素基を包含する。シクロアルキル基の例としては、c-プロピル-、c-ブチル-、c-ペンチル-、ノルボルニル-及びアダマンチルなどを挙げることができる。シクロアルキル-アルキル-は、アルキルの別のサブセットであり、非環状アルキル-を介して親構造に結合しているシクロアルキルを意味する。シクロアルキル-アルキル-の例としては、シクロヘキシルメチル-、シクロプロピルメチル-及びシクロヘキシルプロピル-などを挙げることができる。本出願において、アルキルは、アルカニル残基、アルケニル残基及びアルキニル残基を包含し;ビニル-、アリル-及びイソプレニル-などを包含する。特定の数の炭素を有するアルキル残基について言及されている場合、その数の炭素を有する全ての幾何異性体が包含される。かくして、例えば、「ブチル」には、n-ブチル-、s-ブチル-、イソブチル及びt-ブチル-が包含され、「プロピル」には、n-プロピル-、イソプロピル-及びc-プロピルが包含される。
アルキレン-アルケニレン-及びアルキニレン-は、アルキル-の別のサブセットであり、アルキル-と同一の残基を含んでいるが、化学構造内に2つの結合点を有している。アルキレンの例としては、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ジメチルプロピレン(-CH2C(CH3)2CH2-)及びシクロヘキシルプロピレン(-CH2CH2CH(C6H13)-)などを挙げることができる。同様に、アルケニレンの例としては、エテニレン(-CH=CH-)、プロペニレン(-CH=CH-CH2-)及びシクロヘキシルプロペニレン(-CH=CHCH(C6H13)-)などを挙げることができる。アルキニレンの例としては、エチニレン(-C≡C-)及びプロピニレン(-CH≡CH-CH2-)などを挙げることができる。
シクロアルケニルは、アルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子からなる不飽和環状炭化水素基を包含する。シクロアルケニル基の例としては、c-ヘキセニル及びc-ペンテニルなどを挙げることができる。
アルコキシ又はアルコキシルは、酸素を介して親構造に結合している直鎖、分枝鎖又は環状の立体配置又はそれらの組合せの(例えば、1〜8個の炭素原子からなる)アルキル基(即ち、基アルキル-O-)を意味する。その例としては、メトキシ-、エトキシ-、プロポキシ-、イソプロポキシ-、シクロプロピルオキシ-及びシクロヘキシルオキシ-などを挙げることができる。低級アルコキシは、1〜4個の炭素を含んでいるアルコキシ基を意味する。
アシルは、カルボニル官能基を介して親構造に結合している直線、分枝鎖又は環状の立体配置又はそれらの組合せの1〜8個の炭素原子からなる基を意味する。そのような基は、飽和していても又は不飽和であってもよく、また、脂肪族又は芳香族であり得る。該親構造への結合点が該カルボニルにあるかぎり、アシル残基中の1個以上の炭素は、酸素、窒素(例えば、カルボキサミド)又は硫黄で置き換えることができる。その例としては、アセチル-、ベンゾイル-、プロピオニル-、イソブチリル-、オキサリル-、t-ブトキシカルボニル-、ベンジルオキシカルボニル及びモルホリニルカルボニルなどを挙げることができる。低級アシルは、1〜4個の炭素を含んでいるアシル基を意味する。
アミノは、基-NH2を意味する。用語「置換されたアミノ」は、基-NHR又は基-NRR[ここで、各Rは、独立して、以下の群から選択される:場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、場合により置換されていてもよいアミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-、アシル-、アルコキシカルボニル-、スルファニル-、スルフィニル-及びスルホニル-]、例えば、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、フラニル-オキシ-スルホンアミノなどを意味する。置換されているアミノには、基-NRcCORb、基-NRcCO2Ra又は基-NRcCONRbRcが包含され、ここで、
Raは、場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール-C1-C4-アルキル基又はヘテロアリール-C1-C4-アルキル基であり;
Rbは、Hであるか、又は、場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール-C1-C4-アルキル基若しくはヘテロアリール-C1-C4-アルキル基であり;
及び
Rcは、水素、アルキル-、アリール-又はヘテロアリール-であり;
ここで、場合により置換されていてもよいRb基の各々は、独立して、置換されていないか、又は、C1-C4-アルキル-、アリール-、ヘテロシクリル-、アリール-C1-C4-アルキル-、ヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、C1-C4-ハロアルキル-、-OC1-C4-アルキル、-OC1-C4-アルキルフェニル、-C1-C4-アルキル-OH、-OC1-C4-ハロアルキル、ハロゲン、-OH、-NH2、-NRcC(NRb)(NRbRc)(即ち、グアニジン)、-NRcCRbNRbRc、-CNRcNRbRc、-C1-C4-アルキル-NH2、-N(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキル)、-NH(C1-C4-アルキル)、-N(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキルフェニル)、-NH(C1-C4-アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールの置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1-C4-アルキル-、-CON(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキル)、-CONH(C1-C4-アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1-C4-アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1-C4-アルキル)C(O)(C1-C4-アルキル)、-N(C1-C4-アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1-C4-アルキル-、-C(O)C1-C4-フェニル-、-C(O)C1-C4-ハロアルキル-、-OC(O)C1-C4-アルキル-、-SO2(C1-C4-アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1-C4-ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1-C4-アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1-C4-アルキル)、-NHSO2(フェニル)及び-NHSO2(C1-C4-ハロアルキル)から独立して選択される1以上の置換基で置換されている。
抗有糸分裂剤は、例えば中期停止を引き起こすことにより、有糸分裂を阻害又は防止する薬剤を意味する。一部の抗腫瘍薬は、増殖を阻止し、抗有糸分裂剤であるみなされる。
アリールには、以下のものが包含される:
5員炭素環式芳香族環及び6員炭素環式芳香族環、例えば、ベンゼン;
少なくとも1の環が炭素環式及び芳香族である二環式環系、例えば、ナフタレン、インダン及びテトラリン;
及び
少なくとも1の環が炭素環式及び芳香族である三環式環系、例えば、フルオレン。
例えば、アリールは、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいる5員〜7員のヘテロシクロアルキル環に縮合した5員及び6員の炭素環式芳香族環を包含する。置換されているベンゼン誘導体から形成させ、環原子に自由原子価を有する二価ラジカルは、置換フェニレンラジカルと称される。自由原子価を有する炭素原子から1個の水素原子を取り除くことにより「-yl」で終わる名称を有する一価多環式炭化水素ラジカルから誘導された二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名前に「-idene」を付け加えることにより命名される。例えば、2つの結合点を有するナフチル基は、ナフチリデンと称される。
「ヘテロアリール」以下のものが包含される:
N、O及びSから選択される1個以上(例えば、1〜4個、又は、特定の実施形態では、1〜3個)のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、5員〜7員の芳香族単環式環;
及び
N、O及びSから選択される1個以上(例えば、1〜4個、又は、特定の実施形態では、1〜3個)のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、二環式ヘテロ環(ここで、少なくとも1個のヘテロ原子は、芳香族環内に存在している)。
例えば、ヘテロアリールは、5員〜7員のシクロアルキル環に縮合した5員〜7員のヘテロシクロアルキル芳香族環を包含する。それらの環の内の1つの環のみが1個以上のヘテロ原子を含んでいる上記縮合二環式ヘテロアリール環系の場合、結合点は、ヘテロ芳香族環に存在し得るか又はシクロアルキル環に存在し得る。該ヘテロアリール基内のS原子とO原子の総数が1を超える場合、それらのヘテロ原子は、互いに隣接していることはない。特定の実施形態では、該ヘテロアリール基内のS原子とO原子の総数は、2以下である。特定の実施形態では、該芳香族ヘテロ環内のS原子とO原子の総数は、1以下である。ヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、系(優先して1を割り当てられている結合位置から番号を付ける)、例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2,3-ピラジニル、3,4-ピラジニル、2,4-ピリミジニル、3,5-ピリミジニル、2,3-ピラゾリニル、2,4-イミダゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、チアジアゾリニル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリニル、インドリニル、ピリジジニル(pyridizinyl)、トリアゾリル、キノリニル、ピラゾリル及び5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンなどを挙げることができる。自由原子価を有する原子から1個の水素原子を取り除くことにより「-yl」で終わる名称を有する一価ヘテロアリールラジカルから誘導された二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名前に「-idene」を付け加えることにより命名される。例えば、2つの結合点を有するピリジル基は、ピリジリデンである。
アラルキル-は、アリール部分がアルキル残基を介して親構造に結合している残基を意味する。その例としては、ベンジル-、フェネチル-、フェニルビニル-及びフェニルアリルなどを挙げることができる。ヘテロアラルキル-は、ヘテロアリール部分がアルキル残基を介して親構造に結合している残基を意味する。その例としては、フラニルメチル-、ピリジニルメチル-及びピリミジニルエチルなどを挙げることができる。
アラルコキシ-は、基-O-アラルキルを意味する。同様に、ヘテロアラルコキシ-は、基-O-ヘテロアラルキル-を意味し;アリールオキシ-は、基-O-アリール-を意味し;アシルオキシ-は、基-O-アシル-を意味し;ヘテロアリールオキシ-は、基-O-ヘテロアリール-を意味し;及び、ヘテロシクリルオキシ-は、基-O-ヘテロシクリルを意味する(即ち、アラルキル-、ヘテロアラルキル-、アリール-、アシル-、ヘテロシクリル-又はヘテロアリールが、酸素を介して親構造に結合している)。
カルボキシアルキル-は、基-アルキル-COOHを意味する。
アミノカルボニルは、基-CONRbRcを意味し、ここで、
Rbは、Hであるか、又は、場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール-C1-C4-アルキル基若しくはヘテロアリール-C1-C4-アルキル基であり;
及び
Rcは、水素、アルキル-、アリール-又はヘテロアリール-であり;
ここで、場合により置換されていてもよいRb基の各々は、独立して、置換されていないか、又は、C1-C4-アルキル-、アリール-、ヘテロシクリル-、アリール-C1-C4-アルキル-、ヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、C1-C4-ハロアルキル-、-OC1-C4-アルキル-、-OC1-C4-アルキルフェニル-、-C1-C4-アルキル-OH、-OC1-C4-ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1-C4-アルキル-NH2、-N(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキル)、-NH(C1-C4-アルキル)、-N(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキルフェニル)、-NH(C1-C4-アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールの置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1-C4-アルキル-、-CON(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキル)、-CONH(C1-C4-アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1-C4-アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1-C4-アルキル)C(O)(C1-C4-アルキル)、-N(C1-C4-アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1-C4-アルキル-、-C(O)C1-C4-フェニル-、-C(O)C1-C4-ハロアルキル-、-OC(O)C1-C4-アルキル-、-SO2(C1-C4-アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1-C4-ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1-C4-アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1-C4-アルキル)、-NHSO2(フェニル)及び-NHSO2(C1-C4-ハロアルキル)から独立して選択される1以上の置換基で置換されている。アミノカルボニルは、カルバモイル-、低級-アルキルカルバモイル-、ベンジルカルバモイル-、フェニルカルバモイル-及びメトキシメチル-カルバモイル-などを包含する。
ハロゲン又はハロは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。フッ素、塩素及び臭素が好ましい。ジハロアリール-、ジハロアルキル-、トリハロアリール-などは、指定されている数の複数個のハロゲン(ここでは、それぞれ、2個、2個及び3個)で置換されたアリール及びアルキルを意味するが、必ずしも、複数個の同一のハロゲンで置換されているる必要はない。従って、4-クロロ-3-フルオロフェニル-は、ジハロアリール-の範囲内に含まれている。
「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子又はこれらヘテロ原子の少なくとも1種類を含んでいる組合せから選択される1〜3個のヘテロ原子に加えて、少なくとも2個の炭素原子を含んでいる、単一の脂肪族環を意味する。適切なヘテロシクロアルキル基としては、例えば(優先して1を割り当てられている結合位置から番号を付ける)、2-ピロリニル、2,4-イミダゾリジニル、2,3-ピラゾリジニル、2-ピペリジル、3-ピペリジル、4-ピペリジル及び2,5-ピペラジニルなどを挙げることができる。2-モルホリニル及び3-モルホリニル(酸素に優先して1を割り当てて番号を付ける)などのモルホリニル基も、適切なヘテロシクロアルキル基である。
脱離基又は脱離原子は、当該反応条件下で出発物質から切断されて、特定部位における反応を促進する任意の基又は原子である。そのような基の適切な例は、特に別途示されていない限り、ハロゲン原子、メシルオキシ基、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基及びトシルオキシ基である。
場合による(optional)又は場合により(optionally)は、続いて記載されている出来事又は状況が起こっても又は起こらなくてもよいことを意味し、また、その記載にはそのような出来事又は状況が起こる場合と起こらない場合の両方が包含されていることを意味する。例えば、「場合により置換されていてもよいアルキル」には、本明細書で定義してある「アルキル」及び「置換されているアルキル」が包含される。1つ以上の置換基を含んでいる任意の基に関して、そのような基に、立体的に実現不可能であるか及び/又は合成不可能であるか及び/又は本質的に不安定であるようないかなる置換又は置換パターンも導入することは意図されていないということは、当業者には理解されるであろう。
置換されているアルコキシは、アルキル構成成分が置換されているアルコキシを意味する(即ち、-O-(置換されたアルキル))。1つの適切な置換されているアルコキシ基は、「ポリアルコキシ」又は-O-(場合により置換されていてもよいアルキレン)-(場合により置換されていてもよいアルコキシ)であり、そのような置換されているアルコキシ基には、-OCH2CH2OCH3、及び、グリコールエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール)の残基、及び、-O(CH2CH2O)xCH3[ここで、xは、約2〜20の整数、例えば、約2〜10、例えば、約2〜5の整数である]などの基が包含される。他の適切な置換されているアルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシ又は-OCH2(CH2)yOH[ここで、yは、約1〜10の整数、例えば、約1〜4の整数である]である。
置換されているアルキル-、置換されているアリール-及び置換されているヘテロアリール-は、それぞれ、1個以上(約5個以下、例えば、約3個以下)の水素原子が、以下の群から独立して選択される置換基で置き換えられているアルキル-、アリール-及びヘテロアリールを意味する:-Ra、-ORb、-O(C1-C2-アルキル)O-(アリール置換基として)、-SRb、-NRbRc、-NRcC(NRb)(NRbRc)(即ち、グアニジン)、-NRcCRbNRbRc、-CNRcNRbRc、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CORb、-CO2Rb、-CONRbRc、-OCORb、-OCO2Ra、-OCONRbRc、-NRcCORb、-NRcCO2Ra、-NRcCONRbRc、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRbRc及び-NRcSO2Ra
[ここで、
Raは、場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール-C1-C4-アルキル基又はヘテロアリール-C1-C4-アルキル基であり;
Rbは、Hであるか、又は、場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール-C1-C4-アルキル基若しくはヘテロアリール-C1-C4-アルキル基であり;
及び
Rcは、水素、アルキル-、アリール-又はヘテロアリール-であり;
ここで、場合により置換されていてもよいRa基及びRb基の各々は、独立して、置換されていないか、又は、C1-C4-アルキル-、アリール-、ヘテロシクリル-、アリール-C1-C4-アルキル-、ヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、C1-C4-ハロアルキル-、-OC1-C4-アルキル-、-OC1-C4-アルキルフェニル-、-C1-C4-アルキル-OH、-OC1-C4-ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1-C4-アルキル-NH2、-N(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキル)、-NH(C1-C4-アルキル)、-N(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキルフェニル)、-NH(C1-C4-アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールの置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1-C4-アルキル-、-CON(C1-C4-アルキル)(C1-C4-アルキル)、-CONH(C1-C4-アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1-C4-アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1-C4-アルキル)C(O)(C1-C4-アルキル)、-N(C1-C4-アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1-C4-アルキル-、-C(O)C1-C4-フェニル-、-C(O)C1-C4-ハロアルキル-、-OC(O)C1-C4-アルキル-、-SO2(C1-C4-アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1-C4-ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1-C4-アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1-C4-アルキル)、-NHSO2(フェニル)及び-NHSO2(C1-C4-ハロアルキル)から独立して選択される1以上の置換基で置換されている]。
スルファニルは、以下の基を意味する:-S-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)及び-S-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)。
スルフィニルは、以下の基を意味する:-S(O)-H、-S(O)-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)及び-S(O)-(場合により置換されていてもよいアミノ)。
スルホニルは、以下の基を意味する:-S(O2)-H、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアルコキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアリールオキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ)及び-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアミノ)。
製薬上許容される塩は、適切な酸又は塩基を用いて形成させた塩を意味し、ここで、そのような製薬上許容される塩は、当該遊離化合物の生物学的有効性を保持しており、且つ、製薬的な使用上、生物学的に有害でも不適切でもない。製薬上許容される塩には、製薬上許容される酸付加塩及び塩基付加塩などがある。製薬上許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸などの無機酸から誘導される塩、並びに、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びサリチル酸などの有機酸から誘導される塩などを挙げることができる。
製薬上許容される塩基付加塩としては、無機塩基から誘導される塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩及びアルミニウム塩などを挙げることができる。一部の実施形態では、製薬上許容される塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩である。塩基付加塩には、さらに、製薬上許容される有機無毒性塩基から誘導される塩も包含され、そのような塩基付加塩としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、置換アミン(天然置換アミンも包含される)、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン及びエタノールアミンの塩などを挙げることができる。
保護基は、有機合成において慣習的にそれに関連づけられてきた意味を有する。即ち、保護基は、多官能性化合物内の1つ以上の反応性部位を選択的にブロックし、それにより、他の保護されていない反応性部位における化学反応を選択的に実施可能とするような基であり、しかも、その基は、当該選択的反応が完了した後で容易に除去し得るようなものである。例えば、「T.H. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons, New York (1999)」に、さまざまな保護基が開示されている。この文献は、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。例えば、ヒドロキシ保護形態では、化合物内に存在しているヒドロキシル基の少なくとも1つがヒドロキシ保護基で保護されている。さらに、アミン及び別の反応性基も同様に保護し得る。
溶媒和物は、式(I)で表される化合物又はその塩と溶媒の相互作用により形成された化合物を意味する。また、当業者には明らかなように、溶媒和物は、例えば結晶構造中に、溶媒が組み入れられている化合物又はその塩である。式(I)で表される化合物又はその塩の適切な溶媒和物は、製薬上許容される溶媒を用いて形成させた溶媒和物であり、そのような溶媒和物としては、水和物(即ち、溶媒が水である溶媒和物)などを挙げることができる。
本明細書に記載されている化合物の多くは、1つ以上の不斉中心(例えば、R2がR2'と異なる場合にR2とR2'が結合している炭素)を含んでおり、従って、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び、絶対立体化学に関して(R)-又は(S)-として定義し得る別の立体異性体形態を生じ得る。本発明には、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態及び中間体混合物を含めて、そのような可能な全ての異性体が包含される。光学的に活性な(R)異性体及び(S)異性体は、キラルなシントン若しくはキラルな試薬を用いて調製し得るか、又は、慣習的な技術を用いて分割し得る。本明細書に記載されている化合物が、オレフィン性二重結合を含んでいるか又は別の幾何学的不斉中心を含んでいる場合、特に別途示されていなければ、そのような化合物には、E-幾何異性体とZ-幾何異性体の両方が包含されるものである。同様に、全ての互変異性形態及び回転異性体も包含されるものである。
望ましい場合には、(R)異性体と(S)異性体は、当業者には既知の方法により、例えば、結晶化などにより分離可能なジアステレオマー塩又は複合体を形成させることにより;又は、結晶化、気-液クロマトグラフィー若しくは液体クロマトグラフィーなどにより分離可能なジアステレオマー誘導体を形成させることにより;又は、1種類のエナンチオマーをエナンチオマー特異的試薬との選択的な反応(例えば、酵素的酸化又は酵素的還元)に付した後、化学修飾を受けたエナンチオマーと化学修飾を受けていないエナンチオマーを分離させることにより;又は、キラルな環境中の、例えば、キラルなリガンドが結合しているシリカなどのキラルな支持体上での、若しくは、キラルな溶媒の存在下における、気-液クロマトグラフィー若しくは液体クロマトグラフィーに付すことにより、分割することができる。所望のエナンチオマーを上記分離手順の内の1つで別の化学物質に変換した場合、所望される当該エナンチオマー形態を遊離させるために、さらなるステップが必要とされ得ることは理解されるであろう。あるいは、特定のエナンチオマーは、光学的に活性な試薬、基質、触媒若しくは溶媒を使用する不斉合成により合成し得るか、又は、1種類のエナンチオマーを不斉変換により他のエナンチオマーに変換することにより合成し得る。
本発明は、イソキノロン誘導体として記述可能な一群の新規化合物に関し、ここで、該化合物は、1種類以上の有糸分裂キネシンの阻害薬である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、有糸分裂キネシン、KSP、例えば、ヒトKSPを阻害する。一部の実施形態では、該化合物は、有糸分裂キネシン、KSPを阻害するのに加えて、以下のものからなる群から選択される1種類以上のヒト有糸分裂キネシンを調節する:HSET(米国特許第6,361,993号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);MCAK(米国特許第6,331,424号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);CENP-E(PCT公開WO99/13061号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);Kif4(米国特許第6,440,684号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);MKLP1(米国特許第6,448,025号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);Kif15(米国特許第6,355,466号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);Kid(米国特許第6,387,644号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);Mpp1, CMKrp, KinI-3(米国特許第6,461,855号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);Kip3a(PCT公開WO01/96593号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);Kip3d(米国特許第6,492,151号を参照されたい;この特許は、参照により本明細書に組み入れる);及び、RabK6。
有糸分裂キネシンを阻害するための該方法は、本発明の阻害薬を、キネシン、例えば、ヒトキネシン、例えば、ヒトKSP、又は、その断片及び変異体に接触させることを含む。該阻害は、KSPキネシンのATP加水分解活性の阻害であり得るか、及び/又は、有糸分裂紡錘体形成活性の阻害であり得、この場合、有糸分裂紡錘体が破壊される。同様に、減数分裂紡錘体も破壊され得る。
本発明は、細胞増殖に関連する障害を治療するための、KSP(例えば、ヒトKSP)などの有糸分裂キネシン類の阻害薬を提供する。本明細書に記載されている化合物は、それらの選択性において相違し得る。本明細書に記載されている化合物は、細胞増殖性疾患を治療するために使用され、そのような細胞増殖性疾患としては、限定するものではないが、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害及び炎症などを挙げることができる。
従って、本発明は、式(I):
Figure 2007513154
[式中、
W、X、Y及びZは、独立して、-N=、N、-C=、CR18、O又はSであり、また、Zは、場合により、存在していなくてもよいが、但し、W、X及びYを含み、場合によりZも含んでいる環は、ヘテロ環又はヘテロ芳香族環であり、W、X、Y及びZの2つ以下が-N=であり、及び、Zが存在していない場合にのみ、W、X又はYは、O又はSであることができる;
当該構造中の点線は、場合により存在している二重結合を表す;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンである;
R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;
又は、
R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成している;
R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される;
R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-及びR17-NH-から選択される;
R3aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及びR17-NH-から選択される;
R4は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及び場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択されるか;
又は、
R4は、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているか;
又は、
R4は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成している;
R5、R6、R7、R8及びR18は、独立して、水素、アシル、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド-、アルキルチオ-、カルボキシアルキル-、カルボキサミド-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択されるが、但し、W、X、Y又はZが、それぞれ、-N=、O若しくはSであるか又は存在していない場合、R5、R6、R7及びR8は、存在していない;
R15は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
及び、
R17は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-である]
で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質を使用することによる方法に関する。
一部の実施形態では、上記方法は、式(II):
Figure 2007513154
[式中、R1、R2、R2'、R4〜R8、R12、T及びT'は、上記で定義されているとおりであるが、但し、T及びT'が両方とも存在していないことはない]
で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質を使用する。
一部の実施形態では、上記方法は、式(III):
Figure 2007513154
[式中、
R1、R3、R3a、R15、R17及びR5〜R8は、上記で定義されているとおりである;
及び、
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか、若しくは、R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成しており;且つ、R12は、R4及び、R12とR4が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているが、但し、当該5員窒素含有ヘテロ環は、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環又はイミダゾリニル環ではない;
又は、
R2は、R4と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しており;且つ、R2'は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルであり;且つ、R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される]
で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質を使用する。
特定の実施形態では、R2及びR2'が結合しているステレオジェン中心は、(R)配置である。
式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物は、下記反応スキームに関連して記述されている手順に従って調製することができる。
特に別途示されていない限り、用語「溶媒」、「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、その用語と関連して記述されている反応の条件下で不活性である溶媒[例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(又は、ジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール及びピリジンなど]を意味する。特に別途示されていない限り、本発明の反応に使用する溶媒は、不活性有機溶媒である。
一般に、カルボン酸のエステルは、慣習的なエステル化手順により調製することができる。例えば、アルキルエステルは、一般に、酸性条件下において、所要のカルボン酸を適切なアルカノールで処理することにより調製することができる。同様に、アミドは、慣習的なアミド化手順を用いて調製することができる。例えば、アミドは、活性化させたカルボン酸を適切なアミンで処理することにより調製することができる。あるいは、「Tetrahedron Lett. 48, 4171-4173(1977)」に記載されている手順に従い、場合によりトリメチルアルミニウムの存在下で、酸の低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル)をアミンで処理することにより、所要のアミドを提供することができる。カルボキシル基は、アルキルエステル(例えば、メチルエステル)として保護することができる。このエステルは、慣習的な手順を用いて調製及び除去することができる。カルボメトキシをカルボキシルに変換する便利な方法の1つは、水性水酸化リチウムを用いる方法である。
本明細書中で言及されている化合物の塩及び溶媒和物は、必要に応じ、当技術分野における慣習的な方法により調製することができる。例えば、本発明の化合物が酸である場合、所望の塩基付加塩は、該遊離酸を、アミン(第一級、第二級又は第三級);アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物などのような無機塩基又は有機塩基で処理することにより調製することができる。適切な塩の例としては、アミノ酸、例えば、グリシン及びアルギニン;アンモニア;第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミン、例えば、エチレンジアミン、及び環状アミン、例えば、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン及びピペラジンなどから誘導される有機塩;並びに、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム及びリチウムから誘導される無機塩などを挙げることができる。
化合物が塩基である場合、所望の酸付加塩は、当技術分野で既知の任意の適切な方法により調製することができる。そのような方法には、該遊離塩基を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸などのような無機酸で処理すること、又は、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(pyranosidyl acid)、例えば、グルクロン酸若しくはガラクツロン酸、α-ヒドロキシ酸、例えば、クエン酸若しくは酒石酸、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸若しくはグルタミン酸、芳香族酸、例えば、安息香酸若しくはケイ皮酸、又は、スルホン酸、例えば、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸などのような有機酸で処理することなどが包含される。
本明細書に記載されている化合物及び中間体は、必要に応じ、任意の適切な分離手順又は精製手順により、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー若しくは厚層クロマトグラフィー又はこれら手順を組み合わせたものにより、単離し、精製することができる。適切な分離手順及び単離手順についての具体的な例証は、下記実施例を参照することにより知ることができる。しかしながら、他の同等な分離手順や単離手順も当然用いることができる。
式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物は、米国特許出願第10/462,002号及び対応するPCT出願PCT/US03/18778号;米国特許出願第10/366,828号及び対応するPCT出願PCT/US03/04713号;PCT公開WO01/30768号、PCT公開WO01/98278号、PCT公開WO03/39460号、PCT公開WO03/49678号、PCT公開WO03/50122号、PCT公開WO03/49527号、PCT公開WO03/49679号及びPCT公開WO03/50064号(これらの特許文献は、それぞれ、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる)に記載されている手順に従い、また、下記反応スキームを参照して、調製することができる。
式(101)で表される場合により置換されていてもよい安息香酸及び他の反応体は、例えば、Aldrich Chemical Company(Milwaukee, WI)から、商業的に入手可能であるか、又は、一般的に用いられている合成方法を使用して当業者が容易に調製することができる。
反応スキーム1
Figure 2007513154
Figure 2007513154
Figure 2007513154
式(103)で表される化合物の調製
反応スキーム1のステップ(Step)1参照。式(101)で表される場合により置換されていてもよいカルボン酸を、適切な保護基で保護する。例えば、以下の手順を用いて、当該カルボン酸のエステルを調製する。式(101)で表される化合物及び塩化チオニルを極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF)に溶解させた溶液を、その混合物が均質になるまで、穏やかに昇温させる。その溶液を濃縮させる。次いで、低級アルカノール(例えば、メタノール)を添加する。式(103)で表される対応する場合により置換されていてもよい化合物を単離し、精製する。
式(105)で表される化合物の調製
反応スキーム1のステップ(Step)2参照。式(103)で表される化合物を式(104)で表される化合物にカップリングさせる。このカップリングは、例えば、パラジウム触媒(例えば、(ジフェニルホスフィンフェロセニル)ジクロロパラジウム又はトリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム)、塩基(例えば、炭酸セシウム又はトリエチルアミン)及びリガンド(例えば、トリフェニルアルシン又はトリフェニルホスフィン)を用いるソノガシラカップリング条件;パラジウム触媒(例えば、トリス(ジベンジリジンアセトン)-ジパラジウム)、塩化リチウム及びトリフェニルアルシンを用いるStille条件;又は、式(104)で表される化合物をボラン(例えば、カテコールボラン又は9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)で処理し、パラジウム触媒(例えば、上記パラジウム触媒)、塩基(例えば、炭酸セシウム)及びトリフェニルアルシンを用いて2つの断片をカップリングさせるスズキカップリング条件などの、さまざまな反応条件を用いてを行わせることができる。
一部の実施形態では、塩基(例えば、トリエチルアミン)中の、式(103)で表される化合物と僅かに過剰量(例えば、約1.1当量)の式(104)で表されるアセチレン化合物とパラジウム触媒(例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、例えば、約0.025当量の該触媒)とヨウ化第一銅の混合物を、約50℃で加熱する。式(105)で表される対応する場合により置換されていてもよい化合物を単離し、精製する。
式(107)で表される化合物の調製
反応スキーム1のステップ(Step)3参照。次いで、当該カルボン酸から保護基を除去する。該保護基が低級アルキルエステルである場合、それは、昇温条件下、水性アルコール性塩基で処理することにより、除去することができる。例えば、メチルエステルは、メタノールとTHFとアルコールの(1:1:1)溶液中、約50℃で、該エステルを水酸化カリウムで30分間処理することにより、対応するカルボン酸に変換することができる。式(107)で表される対応する場合により置換されていてもよい化合物を単離し、それ以上精製することなく使用する。
式(109)で表される化合物の調製
反応スキーム1のステップ(Step)4参照。式(107)で表される化合物及び塩基(例えば、トリエチルアミン)を非極性非プロトン性溶媒(例えば、THF)に溶解させた溶液に、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(約0.050当量)を添加する。その溶液を、昇温条件下(例えば、約50℃)に維持する。式(109)で表される対応する場合により置換されていてもよいイソクロメン-1-オンを単離し、精製する。
式(111)で表される化合物の調製
反応スキーム1のステップ(Step)5参照。式(109)で表されるイソクロメン-1-オン及び過剰量(例えば、約3当量)の式R1NH2で表される第一級アミンを非極性溶媒(例えば、トルエン)に溶解させた溶液を、例えば、約140℃で、加熱還流する。得られたアミドを単離し、極性プロトン性溶媒(例えば、メタノール)に溶解させる。その溶液に、水性酸(例えば、約5%水性塩酸)を添加し、次いで、それを約50℃に加熱する。必要に応じ、反応を完結させるために、さらに、付加的な水性アルコール性酸を添加してもよい。式(111)で表される対応する場合により置換されていてもよい2H-イソキノリン-1-オンを単離し、精製する。
式(113)で表される化合物の調製
反応スキーム1のステップ(Step)6参照。当該第一級アミンから、保護基を除去する。一部の実施形態では、該保護基はBocであり、それは、室温で水性TFAで処理することにより除去することができる。生成物である式(113)で表される化合物を単離し、それは、それ以上精製することなく使用することが可能である。
特定の実施形態では、R2置換基に関して特定の立体配置、例えば、(R)異性体を得ることができる。式(113)で表されるアミンを、不活性有機溶媒(例えば、IPA)に溶解させ、60℃まで昇温させる。別の容器内で、分割剤(例えば、ジベンゾイル-D-酒石酸)を、例えば昇温させてある同一の溶媒に、溶解させ、次いで、直ちに、昇温させてある該アミン溶液に(撹拌しながら)添加する。その反応混合物を、連続的に撹拌しながら16時間にわたり室温に冷却することにより、結晶化させる。所望の異性体(例えば、(R)異性体)を、通常の方法で、単離し、精製する。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物の合成についての残りの記載において、簡潔にすることを目的として、単一の異性体か又は異性体の混合物のいずれかを用いて、対応する生成物を得ることができるということは理解されるべきである。
反応スキーム2
Figure 2007513154
式(203)の調製
反応スキーム2のステップ(Step)1参照。式(113)で表される化合物の溶液に、僅かに過剰量(例えば、約1.2当量)のR4'含有アルデヒド(即ち、式R4'CHO[ここで、R4'CH2-は、R4と同等であり、R4は、上記で記載されているとおりであるか又はそのような置換基の保護されている前駆体、例えば、(3-オキソ-プロピル)-カルバミン酸t-ブチルエステルである]で表される化合物)及び還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)を順次添加する。得られた混合物を、数時間撹拌する。生成物である式(203)で表される化合物を単離し、精製する。
式(205)の調製
反応スキーム2のステップ(Step)2参照。式(203)で表される化合物及びアミン塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)を非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)に溶解させた溶液に、R3アシルクロリド(例えば、Cl-C(O)-R3[ここで、R3は、上記で記載されているとおりである])を添加する。得られた溶液を、窒素下、室温で、数時間撹拌する。生成物である式(205)で表される化合物を単離し、精製する。
次いで、場合により、式(205)で表される化合物上の任意の保護基を除去してもよい。例えば、R4が保護されているアミン(ここで、保護基はBoc基である)を含んでいる場合、該Boc基は、非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、反応物の温度をほぼ室温に維持しながら、式(205)で表される化合物を酸(例えば、トリフルオロ酢酸)で処理することにより、除去することができる。その反応は、例えばTLCにより、モニタリングする。反応が完結した時点で、生成物を単離し、精製する。
反応スキーム3
Figure 2007513154
反応スキーム3参照。式(203)で表される化合物及びアミン塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)を非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)に溶解させた溶液に、式Cl-S(O)2-R3a又はO-(S(O)2-R3a)2[ここで、R3aは、上記で記載されているとおりである]で表される化合物を添加する。得られた溶液を、窒素下、室温で、数時間撹拌する。生成物である式(303)で表される化合物を単離し、精製する。
反応スキーム4
Figure 2007513154
反応スキーム4参照。式(203)で表される化合物及びアミン塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)を非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)に溶解させた溶液に、式X-R12[ここで、R12は、上記で記載されているとおりであり、Xは、脱離基である]で表される化合物を添加する。得られた溶液を、窒素下、室温で又は加熱しながら、数時間撹拌する。生成物である式(403)で表される化合物を単離し、精製する。
反応スキーム5
Figure 2007513154
Figure 2007513154
式(503)の調製
反応スキーム5のステップ(Step)1参照。式(113)で表される場合により置換されていてもよい化合物を極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF)に溶解させ、それに、塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下、1当量の適切に保護された場合により置換されていてもよいアルデヒド(ここで、該アルデヒドは、さらに、ハライドなどの脱離基も含んでいる)を添加する。得られた溶液を加熱還流し、その際、反応が完結したことについて(例えば、TLCにより)モニタリングする。その反応混合物を冷却し、式(503)で表される対応する場合により置換されていてもよい化合物を単離し、精製する。
式(505)の調製
反応スキーム5のステップ(Step)2参照。式(503)で表される場合により置換されていてもよい化合物を不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)の中に入れ、それに、約1.5モル当量のアミン塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、約1.5モル当量のR9酸塩化物(例えば、Cl-C(O)-R9[ここで、R9は、本明細書において記載されているとおりである]を添加する。その反応は、室温で、撹拌しながら4〜24時間にわたり行わせる。反応が完結したことについて、例えばTLCで、モニタリングする。式(505)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
式(507)の調製
反応スキーム5のステップ(Step)3参照。式(505)で表される化合物及び過剰量の酢酸アンモニウムを酢酸に溶解させた溶液を、1〜4時間加熱還流する。反応が完結したことについて、例えばTLCで、モニタリングする。式(507)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
反応スキーム6
Figure 2007513154
Figure 2007513154
式(603)の調製
反応スキーム6のステップ(Step)1参照。式(113)で表される化合物、式R13'(CO)CH2X[式中、Xは、脱離基(例えば、ハライド)であり、R13'は、本明細書において記載されているとおりである]で表されるα-ハロケトン試薬及び約1当量の塩基(例えば、炭酸カリウム)を極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF)に懸濁させた懸濁液を、室温で撹拌する。その反応物を水で希釈し、生じた固体(式(603)で表される化合物)は、それ以上精製することなく、次のステップで使用する。
式(605)の調製
反応スキーム6のステップ(Step)2参照。式(603)で表される化合物、約1当量のアミン塩基(例えば、トリエチルアミン)及び約1当量の酸塩化物(例えば、式R9-COClで表される化合物)を有機溶媒(例えば、塩化メチレン)に溶解させた溶液を、室温で数時間撹拌する。反応が完結したことについて、例えばTLCで、モニタリングする。式(605)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
式(607)の調製
反応スキーム6のステップ(Step)3参照。式(605)で表される化合物及び過剰量の酢酸アンモニウムを酢酸に溶解させた溶液を、ディーンスタークトラップと冷却器を用いて加熱還流する。反応が完結したことについて、例えばTLCで、モニタリングする。式(607)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
場合により、基R13'が保護基を有する官能基を含んでいる場合、その保護基を除去してもよい。従って、R13'が、さらに、Pht基を有するアミンを含んでいる場合、その保護基は、極性プロトン性溶媒(例えば、エタノール)中で式(607)で表される化合物の溶液を過剰量の無水ヒドラジンで処理することにより除去する。その溶液を還流した後、約5℃に冷却し、全ての沈澱物を濾過して除去する。濾液を減圧下に濃縮し、精製して、対応する遊離アミンを得る。
反応スキーム7
Figure 2007513154
Figure 2007513154
式(703)の調製
反応スキーム7のステップ(Step)1参照。式(113)で表されるアミン(WO0130768に記載されている方法で調製したもの)を場合により置換されていてもよいアルデヒド含有カルバミン酸エステル(Seki et.al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44, 2061)を用いた還元的アミノ化に付すことにより、ウレタン中間体が得られる。Boc保護基を除去して、式(705)で表されるアミンを得る。
さらに具体的にいえば、式(113)で表される化合物及び1当量の適切に保護されているアルデヒド(Seki et.al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44, 2061)をジクロロメタンに溶解させた溶液に、僅かに過剰量の還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)を添加する。得られた濁っている混合物を周囲温度に維持する。反応が完結したことについて、例えばTLCで、モニタリングする。式(703)で表される対応する化合物を単離し、精製することなく次のステップで使用する。
式(705)の調製
反応スキーム7のステップ(Step)2参照。次いで、アミン保護基PGを除去する。例えば、PGがBocである場合、式(703)で表される化合物を非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)に溶解させた溶液に、強酸(例えば、トリフルオロ酢酸)を添加する。得られた溶液を周囲温度に一晩維持し、減圧下に濃縮する。残渣を単離して、式(705)で表される化合物を得る。この化合物は、精製することなく次のステップで使用した。
式(707)の調製
反応スキーム7のステップ(Step)3参照。式(705)で表される化合物を非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)に溶解させた溶液に、過剰量(例えば、約2当量)のアミン塩基(例えば、トリエチルアミン)を添加した後、約1当量又は僅かに過剰量の式R14COClで表される酸塩化物を添加する。得られた溶液を周囲温度で約3時間撹拌する。反応が完結したことについて、例えばTLCで、モニタリングする。式(707)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
式(709)の調製
反応スキーム7のステップ(Step)4参照。式(707)で表される化合物を過剰量のオキシ塩化リンに溶解させた溶液を、加熱還流する。8時間経過した後、その反応混合物を周囲温度まで冷却し、減圧下に濃縮する。式(709)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
反応スキーム8
Figure 2007513154
式(709)の調製
反応スキーム7のステップ(Step)3及びステップ(Step)4に代わる方法として、式(705)で表される第一級アミンのアシル化と、それに続く、酢酸が介在する環化を、中間体アミドを単離することなく続けて行うことが可能であり、それにより、目標とする式(709)で表される化合物を得ることができる。この反応経路は、反応スキーム8に示してある。
さらに具体的にいえば、式(705)で表される化合物を非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)に溶解させた溶液に、過剰量(例えば、約2当量)のアミン塩基(例えば、トリエチルアミン)を添加した後、約1当量の式R14COClで表される酸塩化物を添加する。得られた溶液を、周囲温度で2時間撹拌し、次いで、減圧下に蒸発させる。生じた固体を、氷酢酸で処理し、次いで、得られた懸濁液を、約48時間、加熱還流する。その反応物を周囲温度まで冷却した後、減圧下に蒸発させる。式(709)で表される対応する化合物を単離し、精製する。
反応スキーム9
Figure 2007513154
反応スキーム9参照。式(203)で表される化合物を、僅かに過剰量の式R15O(CO)Clで表される化合物と、非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下で反応させる。生成物である式(903)で表される化合物を単離し、精製する。
反応スキーム10
Figure 2007513154
反応スキーム10参照。非極性非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、式(203)で表される化合物を、僅かに過剰量のイソシアネートR17-N=C=Oで処理する。生成物である式(1003)で表される化合物を単離し、精製する。
反応スキーム11
Figure 2007513154
式(1103)で表される化合物の調製
反応スキーム11参照。式(1101)で表される化合物を非極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF)に溶解させた溶液に、塩基(例えば、トリエチルアミン)及び過剰量(例えば、約1.5当量)のイミダゾールを添加した後、約1当量のテトラブチルアンモニウムヨージドを添加する。得られた溶液を、約90℃に加熱し、約18時間撹拌し、室温まで冷却する。生成物である式(1103)で表される化合物を単離し、精製する。
反応スキーム12
Figure 2007513154
式(1203)で表される化合物の調製
反応スキーム12のステップ(Step)1参照。式(113)で表される化合物及び過剰量の場合により置換されていてもよいアルデヒド含有カルバミン酸エステルを非極性非プロトン性溶媒(例えば、CH2Cl2)に溶解させた溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加する。その混合物を、一晩撹拌する。生成物である式(1203)で表される化合物を単離し、精製する。
式(1207)で表される化合物の調製
反応スキーム12のステップ(Step)2参照。式(1203)で表される化合物を非極性非プロトン性溶媒(例えば、トルエン)に溶解させた溶液に、塩基(例えば、トリエチルアミン)を添加した後、過剰量の式R14-COClで表される酸塩化物を滴下して加える。その反応混合物を、約18時間、約80℃に加熱し、次いで、約4時間加熱還流する。生成物である式(1207)で表される化合物を単離し、精製する。
式(1207)で表される化合物の代替的調製
反応スキーム12のステップ(Step)3参照。一部の実施形態では、環化させてイミダゾリニル化合物を形成させる前に、保護基PGを別々に除去しなければならない。例えば、PGがBocである場合、式(1205)で表される化合物をCH2Cl2/TFA(例えば、約4:1 CH2Cl2/TFA)などの溶媒に溶解させた溶液を、室温で撹拌する。その反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣を、非極性非プロトン性溶媒(例えば、CH2Cl2)で希釈し、水性塩基で洗浄する。水層を、非極性非プロトン性溶媒(例えば、CH2Cl2)で抽出し、抽出物を合して乾燥させ、濾過し、減圧下に濃縮する。残渣を、非極性非プロトン性溶媒(例えば、THF)及び水性塩基(例えば、飽和水性NaHCO3)で希釈する。その混合物を、室温で10日間撹拌する。生成物である式(1207)で表される化合物を単離し、精製する。
反応スキーム13
Figure 2007513154
反応スキーム13参照。式(113)で表される化合物内の第一級アミノ基を、(2-オキソ-エチル)-カルバミン酸t-ブチルエステルを用いる還元的アミノ化に付して、対応する第二級アミンを得る。塩化アクリロイルを用いるアシル化に付した後、第三級アミドの脱保護及び塩基が介在する環化に付して、所望のジアゼパノンを得る。必要に応じ、当業者にはよく知られている条件下で、塩基性アミンをさらに官能基化することができる。
反応スキーム14
Figure 2007513154
Figure 2007513154
反応スキーム14参照。式(113)で表される化合物内の第一級アミノ基を、(2-オキソ-エチル)-カルバミン酸t-ブチルエステルを用いる還元的アミノ化に付して、対応する第二級アミンを得る。塩化クロロピバロイルを用いるアシル化に付した後、第三級アミドの脱保護及び塩基が介在する環化に付して、所望のジアゼパノンを得る。必要に応じ、当業者にはよく知られている条件下で、塩基性アミンをさらに官能基化することができる。
反応スキーム15
Figure 2007513154
反応スキーム15参照。式(1501)で表される化合物と0.5モル当量の場合により置換されていてもよいピペラジン又はジアゼパム(上記で示されているとおり;ここで、R32は、本明細書において記載されているとおりである)と過剰量の炭酸カリウムを、有機溶媒(例えば、アセトニトリル)中で合する。当該反応は、窒素雰囲気下、昇温条件下(例えば、100℃)で8時間にわたり行わせた後、ある程度低い温度(例えば、60℃)で5日間行わせる。生成物である式(1503)で表される化合物を単離し、精製する。
場合により、R32がアミン保護基(例えば、Boc)である場合、その保護基は、例えば、TFA/水の95/5混合物で処理した後、室温で1時間撹拌することにより、除去することができる。生成物である式(1803)[式中、R32は水素である]で表される化合物を単離及び精製することができる。必要に応じ、当業者にはよく知られている条件下で、塩基性アミンをさらに官能基化することができる。
反応スキーム16
Figure 2007513154
Figure 2007513154
Figure 2007513154
式(I)、式(II)又は式(III)[式中、R4は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成している]で表される化合物は、スキーム16において示されている一般的な手順に従い、上記反応スキーム1の記載に準じて、合成することができる。
式(203):
Figure 2007513154
[式中、R4は、場合により保護されていてもよい]
で表される化合物を、僅かにモル過剰量のR3塩化物(例えば、Cl-C(O)-R3、Cl-S(O)2-R3a、Cl-R3、Cl-C(O)-O-R15及びCl-S(O)2-NH-R3a)又はイソシアネート(例えば、O=C=N-R17)又は無水物(例えば、O[C(O)R15]2又はO[S(O)2R3a]2)と接触させて、式(I)、式(II)又は式(III)で表される対応する場合により保護されていてもよい化合物を得る。
式(505)、式(605)、式(705)又は式(707)で表される化合物は、場合により、酸が介在する環化により、環化させる。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物の異性体のラセミ混合物は、場合により、クロマトグラフィーカラム上に配置して、(R)エナンチオマーと(S)エナンチオマーに分離させる。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物は、場合により、製薬上許容される酸又は塩基と接触させて、対応する酸付加塩又は塩基付加塩を形成させる。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物の製薬上許容される酸付加塩は、場合により、塩基と接触させて、式(I)、式(II)又は式(III)で表される対応する遊離塩基を形成させる。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物の製薬上許容される塩基付加塩は、場合により、酸と接触させて、式(I)、式(II)又は式(III)で表される対応する遊離酸を形成させる。
T及びT'
式(I)又は式(II)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、Tは、場合により置換されていてもよいアルキレンであるか、又は、存在せず(即ち、共有結合である);及び、T'は、場合により置換されていてもよいアルキレンであるか、又は、存在していない(即ち、共有結合である)。一部の実施形態では、T及びT'の内の一方は存在せず、他方は、場合により置換されていてもよいアルキレン(例えば、場合により置換されていてもよいメチレン)である。一部の実施形態では、両方とも存在していない。一部の実施形態では、両方とも、場合により置換されていてもよいアルキレンである。
R 1
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-(例えば、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-)から選択される。 一部の実施形態では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル、場合により置換されていてもよいフェニル-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール- C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル、場合により置換されていてもよいフェニル及びナフチルから選択される。一部の実施形態では、R1は、場合により置換されていてもよいフェニル-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル、場合により置換されていてもよいフェニル又はナフチル(例えば、場合により置換されていてもよいフェニル-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-)である。
一部の実施形態では、R1は、ナフチル、フェニル、ブロモフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、トリル、ジメチルフェニル、クロロフルオロフェニル、メチルクロロフェニル、エチルフェニル、フェネチル、ベンジル、ハロベンジル(例えば、クロロベンジル又はブロモベンジル)、メチルベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル、ヒドロキシベンジル、ジクロロベンジル、ジメトキシベンジル又はナフタレニルメチルである。一部の実施形態では、R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル又はナフタレニルメチルである。一部の実施形態では、R1は、ベンジルである。
R 2 及びR 2'
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物について考察する場合、当業者には理解されるように、本明細書中で記載されている化合物は、R2とR2'が結合している炭素において、潜在的に、キラル中心を有している。このR2基とR2'基は、同一であることも又は異なっていることも可能であり;異なっている場合は、該化合物は、キラルである(即ち、ステレオジェン中心を有する)。R2とR2'が異なっている場合、一部の実施形態では、R2'は水素であり、且つ、R2は水素以外のものである。本発明は、純粋なエナンチオマー及びエナンチオマー混合物(ここで、エナンチオマー混合物はラセミ混合物を包含する)の使用を意図している。用語「実質的に純粋な(substantially pure)」は、少なくとも約95%の化学的純度を有し、約1%を超える単一の不純物は含んでいないことを意味する。用語「光学的に実質的に純粋な(substantially optically pure)」又は「エナンチオマー的に純粋な(enantiomerically pure)」は、少なくとも約97.5%のエナンチオマー過剰率を有することを意味する。一部の実施形態では、R2及びR2'が結合しているステレオジェン中心は(R)配置である。
式(I)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;又は、R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成している。
一部の実施形態では、R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-であり、且つ、R2'は、水素又は場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-である。一部の実施形態では、R2'は、水素であり、且つ、R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-である。一部の実施形態では、R2は、メチル-、エチル-、プロピル(例えば、c-プロピル又はi-プロピル)、ブチル(例えば、t-ブチル)、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-及びヒドロキシメチル-から選択され、且つ、R2'は、水素である。一部の実施形態では、R2'は、水素であり、且つ、R2は、エチル又はプロピル(例えば、c-プロピル又はi-プロピル)である。一部の実施形態では、R2は、i-プロピルである。一部の実施形態では、R2とR2'が結合しているステレオジェン中心は(R)配置である。
一部の実施形態では、R2又はR2'の一方が水素である場合、もう一方は、水素ではない。一部の実施形態では、R2及びR2'は、いずれも水素である。
R 2 がR 4 と一緒になる場合
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R2とR4は一緒になって5員〜12員の環を形成しており、ここで、該環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよく、また、該環は、場合により、以下の基の内の1つ以上で置換されていてもよい:アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されているアルキル、置換されているアリール、置換されているアラルキル、置換されているヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、オキソ又はカルバミル。
式(I)又は式(II)で表される化合物の一部の実施形態では、R2とR4は一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、R41及びR41'は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されているアルキル、置換されているアリール、置換されているアラルキル及び置換されているヘテロアリールから選択され;mは、0、1、2又は3であり;T、T'、R12及びR2'は、上記で定義されているとおりである]
で表される場合により置換されていてもよい環を形成している。一部の実施形態では、R41は、水素である。一部の実施形態では、R41及びR41'は、いずれも水素である。一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいアラルキル(例えば、ベンジル)又は場合により置換されていてもよいアシルである(即ち、R12は、-(CO)R3であり、ここで、R3は、上記で定義されているとおりであり、例えば、R3は、場合により置換されていてもよいフェニルである)。例えば、PCT/US03/030788を参照されたい。この特許文献は、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる。
式(III)で表される化合物の一部の実施形態では、R2とR4は一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、R41及びR41'は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されているアルキル、置換されているアリール、置換されているアラルキル及び置換されているヘテロアリールから選択され;mは、1、2又は3であり;R12及びR2'は、上記で定義されているとおりである]
で表される場合により置換されていてもよい環を形成している。一部の実施形態では、R41は、水素である。一部の実施形態では、R41及びR41'は、いずれも水素である。一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいアラルキル(例えば、ベンジル)又は場合により置換されていてもよいアシルである(即ち、R12は、-(CO)R3であり、ここで、R3は、上記で定義されているとおりであり、例えば、R3は、場合により置換されていてもよいフェニルである)。例えば、USSN PCT/US03/030788を参照されたい。この特許文献は、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる。
式(I)又は式(II)で表される化合物の一部の実施形態では、R2とR4は一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、R12、R2'、T及びT'は、上記で定義されているとおりであり;R51及びR51'は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されているアルキル、置換されているアリール、置換されているアラルキル及び置換されているヘテロアリールから選択され;Uは、共有結合、CR'R''又はNR'''であり;R'及びR''は、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアルキルアミノ、場合により置換されていてもよいアルキル及び場合により置換されていてもよいアルコキシから選択され;R'''は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択される]
で表される場合により置換されていてもよい環を形成している。
一部の実施形態では、R51は、水素又は場合により置換されていてもよい低級アルキルである。一部の実施形態では、R51は、水素である。一部の実施形態では、R51'は、水素又は場合により置換されていてもよい低級アルキルである。一部の実施形態では、R51'は、水素である。
一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいアリール又は場合により置換されていてもよいアラルキルである。一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいフェニル、ベンジル又はメチル-ベンジル(例えば、ベンジル又はメチル-ベンジル)である。
一部の実施形態では、Uは、CR'R''であり、ここで、R'及び/又はR''は、水素である。一部の実施形態では、Uは、NR'''であり、ここで、R'''は、水素又は場合により置換されていてもよいアルキルである。一部の実施形態では、R'''は、水素又は場合により置換されていてもよいアミノ-低級アルキルである。例えば、PCT/US03/23319を参照されたい。この特許文献は、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる。
式(III)で表される化合物の一部の実施形態では、R2とR4は一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、R12及びR2'は、上記で定義されているとおりであり;R51及びR51'は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されているアルキル、置換されているアリール、置換されているアラルキル及び置換されているヘテロアリールから選択され;Uは、共有結合、CR'R''又はNR'''であり;R'及びR''は、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアルキルアミノ、場合により置換されていてもよいアルキル及び場合により置換されていてもよいアルコキシから選択され;R'''は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択される]
で表される場合により置換されていてもよい環を形成している。一部の実施形態では、R51は、水素又は場合により置換されていてもよい低級アルキルである。一部の実施形態では、R51は、水素である。一部の実施形態では、R51'は、水素又は場合により置換されていてもよい低級アルキルである。一部の実施形態では、R51'は、水素である。一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいアリール又は場合により置換されていてもよいアラルキルである。一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいフェニル、ベンジル又はメチル-ベンジル(例えば、ベンジル又はメチル-ベンジル)である。一部の実施形態では、Uは、CR'R''であり、ここで、R'及び/又はR''は、水素である。一部の実施形態では、Uは、NR'''であり、ここで、R'''は、水素又は場合により置換されていてもよいアルキルである。一部の実施形態では、R'''は、水素又は場合により置換されていてもよいアミノ-低級アルキルである。例えば、PCT/US03/23319を参照されたい。この特許文献は、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる。
R 5 、R 6 、R 7 、R 8 及びR 18
式(I)、式(II)及び式(III)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R5、R6、R7、R8及びR18は、独立して、水素、アシル、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド-、アルキルチオ-、カルボキシアルキル-、カルボキサミド-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択されるが、但し、W、X、Y又はZが、それぞれ、-N=、O若しくはSであるか又は存在していない場合、R5、R6、R7及びR8は存在していない。一部の実施形態では、R5、R6、R7、R8及びR18が存在している場合、それらは、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-(例えば、メチル-)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、シアノ、アミノ、置換されているアミノ又はカルバミル-から選択される。一部の実施形態では、R5、R6、R7、R8及びR18は、メトキシ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、水素又はハロである。一部の実施形態では、R5は、水素又はハロであり;R6は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-(例えば、メチル-)又はハロであり;R7は、水素、ハロ、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-(例えば、メチル-又はトリフルオロメチル-)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、シアノ、置換されているアミノ又はカルバミル-であり;R8は、水素、C1-C4-アルキル-(例えば、メチル-)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、ヒドロキシ又はハロである。一部の実施形態では、R5、R6、R7及びR8の内の1つのみ(例えば、R7)が、水素ではない。一部の実施形態では、R7及びR8は、水素ではない。一部の実施形態では、R18は、水素である。
R 4 がR 12 と一緒になる場合
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R4は、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成しており、ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよく、また、該ヘテロ環は、場合により、以下の基の内の1つ以上で置換されていてもよい:アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されているアルキル、置換されているアリール、置換されているアラルキル、置換されているヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、オキソ又はカルバミル。
式(I)で表される化合物について考察する場合、及び、式(II)で表される化合物の一部の実施形態では、T及びT'が両方とも存在していないことはない場合、R4は、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、
R9は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルコキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルコキシ及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;
及び
R13及びR13'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-又は場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-である]
で表される場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成している。例えば、PCT/US03/14787を参照されたい。この特許文献は、参照により本明細書に組み入れる。
一部の実施形態では、R9は、C1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ-及び/若しくはハロで置換されているフェニル;フェニル-;ベンジル-;チエニル-;又は、C1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ-及び/若しくはハロで置換されているチエニルである。一部の実施形態では、R9は、1以上のハロ及び/又はメチルで置換されているフェニルである。
一部の実施形態では、R13は、水素であり、且つ、R13'は、置換されているC1-C4-アルキル-である。一部の実施形態では、R13は、水素であり、且つ、R13'は、アミノメチル-、アミノエチル-、アミノプロピル-、アセチルアミノ-メチル-、アセチルアミノエチル-、ベンジルオキシカルボニルアミノ-メチル-又はベンジルオキシカルボニルアミノ-エチル-である。
式(I)で表される化合物について考察する場合、及び、式(II)で表される化合物の一部の実施形態では、T及びT'が両方とも存在していないことはない場合、R4はR12と一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、
R14は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-から選択され;
及び
R10、R10'、R11及びR11'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-及び場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-から選択される]
で表される場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成している。
一部の実施形態では、R14は、メチレンジオキシフェニル-;フェニル-;C1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ-及び/若しくはハロで置換されているフェニル;ベンジル-;C1-C4-アルキルで置換されているチエニル;ベンジル;チオフェニル-;又は、C1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ-及び/若しくはハロで置換されているチオフェニル-である。一部の実施形態では、R14は、メチレンジオキシフェニル-;フェニル-;トリル-;メトキシフェニル-;又は、ハロメチルフェニル-である。
一部の実施形態では、R10、R10'、R11'及びR11は、独立して、水素又は場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-である。一部の実施形態では、R11'及びR11は、水素である。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R4はR12と一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、A及びBは、それぞれ独立して、C(R20)(R21)、N(R22)、O又はSから選択され、ここで、R20及びR21は、それぞれ独立して、H、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され;R22は、H、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、場合により置換されていてもよいアルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアルコキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルオキシカルボニルである]
で表される場合により置換されていてもよいジアゼピノン環を形成している。一部の実施形態では、該ジアゼピノン環は、さらに、以下の基の内の1つ以上で置換されている:場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物の一部の実施形態では、A又はBの一方は、C(R20)(R21)[ここで、R20及びR21は、それぞれ独立して、H又はC1-C4-アルキルから選択される]であり、A又はBのもう一方は、N(R22)[ここで、R22は、H、C1-C4-アルキル、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、C1-C6-アルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルオキシカルボニルであり、その際、場合により置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールの基又は部分は、置換されていないか、又は、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ-C1-C4-アルキルアミノ、カルボキシ、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、C1-C4-アルコキシカルボニル、カルボキサミド、C1-C4-アルキルカルボキサミド、アミノカルボニル、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-C4-アルキルアミノカルボニル、シアノ、C1-C4-アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト及びニトロから選択される1以上の置換基で置換されている]である。一部の実施形態では、Aは、C(R20)(R21)[ここで、R20及びR21は、それぞれ、H又はC1-C4-アルキルである]であり、Bは、N(R22)[ここで、R22は、H、C1-C4-アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-C6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル又はヘテロアリールカルボニルである]である。式(I)で表される化合物の一部の実施形態では、Aは、CH2であり、Bは、N(R22)[ここで、R22は、H、メチル、ベンジ
ル又はアセチル(-C(O)メチル)である]である。例えば、USSN60/435,001を参照されたい。この特許文献は、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる。
式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物の一部の実施形態では、R4はR12と一緒になって、式:
Figure 2007513154
[式中、R31及びR32は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択され;nは、1又は2である]
で表される場合により置換されていてもよいピペラジン又はジアゼパムを形成している。一部の実施形態では、R31は、アリール(例えば、フェニル)、置換されているアリール(例えば、低級アルキル、低級アルコキシ及び/又はハロで置換されているフェニル)、アラルキル(例えば、ベンジル及びフェニルビニル)、ヘテロアラルキル、置換されているアラルキル(例えば、置換されているベンジル及び置換されているフェニルビニル)又は置換されているヘテロアラルキルであり;R32は、水素であり;nは、1である。例えば、PCT/US03/026093を参照されたい。この特許文献は、参照により本明細書に組み入れる。
R 4
式(I)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R4は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C13-アルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロシクリル及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-(例えば、水素又は場合により置換されていてもよいC1-C13-アルキル)から選択される。
一部の実施形態では、R4は、水素、C1-C4-アルキル;シクロヘキシル;ヒドロキシル、C1-C4-アルコキシ又はC1-C4-アルキルで置換されているフェニル;ベンジル;及び、R16-アルキレン-[ここで、R16は、ヒドロキシル、カルボキシ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、(C1-C4-アルキル)アミノ-、アミノ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニルアミノ-、C1-C4-アルコキシ-又は場合により置換されていてもよいN-ヘテロシクリル-(例えば、アゼチジニル、モルホリニル、ピリジニル、インドリル、フラニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はイミダゾリル;ここで、これらは、それぞれ、場合により置換されていてもよい)である]から選択される。
一部の実施形態では、R4は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、カルボキシエチル、カルボキシメチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、アミノプロピル、メチルアミノプロピル、2,2-ジメチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル、アミノエチル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、イソプロピルアミノプロピル、ジイソプロピルアミノエチル、1-メチル-4-(ジエチルアミノ)ブチル、(t-Boc)アミノプロピル、ヒドロキシフェニル、ベンジル、メトキシフェニル、メチルメトキシフェニル、ジメチルフェニル、トリル、エチルフェニル、(オキソピロリジニル)プロピル、(メトキシカルボニル)エチル、ベンジルピペリジニル、ピリジニルエチル、ピリジニルメチル、モルホリニルエチル、モルホリニルプロピル、ピペリジニル、アゼチジニルメチル、アゼチジニルエチル、アゼチジニルプロピル、ピロリジニルエチル、ピロリジニルプロピル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチル、イミダゾリルプロピル、イミダゾリルエチル、(エチルピロリジニル)メチル、(メチルピロリジニル)エチル、(メチルピペリジニル)プロピル、(メチルピペラジニル)プロピル、フラニルメチル及びインドリルエチルから選択される。
一部の実施形態では、R4は、R16-アルキレン-であり、ここで、R16は、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、C1-C4-アルコキシ-、ヒドロキシル又はN-ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、R16は、アミノである。一部の実施形態では、R16-アルキレン-のアルキレン部分は、1〜6個の炭素原子を有する。
一部の実施形態では、R4は、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、メチルアミノブチル、メチルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノブチル、ジメチルアミノペンチル、ジメチルアミノヘキシル、エチルアミノエチル、エチルアミノプロピル、エチルアミノブチル、エチルアミノペンチル、エチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンチル又はジエチルアミノヘキシルである。一部の実施形態では、R4は、アミノプロピルである。
R 12
式(I)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される。一部の実施形態では、R12は、場合により置換されていてもよいC1-C13-アルキル(例えば、置換されているC1-C4-アルキル);場合により置換されていてもよいアラルキル(例えば、場合により置換されていてもよいベンジル又はナフチルメチル-);及び、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルである。一部の実施形態では、R12は、ベンジルであるか、又は、以下の基の内の1つ以上で置換されているベンジルである:カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロ、C1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ又はトリフルオロメチル。一部の実施形態では、以下で記載されているように、R12は、-C(O)R3である。一部の実施形態では、以下で記載されているように、R12は、-SO2R3aである。
R 12 が-C(O)R 3 である場合
式(I)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R12が-C(O)R3である場合、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアリール、R15O-及びR17-NH-から選択され、R15は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル及び場合により置換されていてもよいアリールから選択され、R17は、水素、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル及び場合により置換されていてもよいアリールから選択される。
一部の実施形態では、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいアリールから選択される。一部の実施形態では、R3は、以下のものから選択される;
フェニル;
フェニル(ここで、該フェニルは、以下の置換基の内の1つ以上で置換されている:ハロ;C1-C4-アルキル;ヒドロキシで置換されているC1-C4-アルキル(例えば、ヒドロキシメチル);C1-C4-アルコキシ;C1-C4-アルコキシ、ハロ、ニトロ、ホルミル、カルボキシ、シアノ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アシル(例えば、アセチル)、-N-アシル(例えば、N-アセチル)又はトリフルオロメチルで置換されているC1-C4-アルキル);
ベンジル;
フェノキシメチル-;
ハロフェノキシメチル-;
フェニルビニル-;
ヘテロアリール-;
ヘテロアリール-(ここで、該ヘテロアリールは、C1-C4-アルキルで置換されているか、又は、ハロで置換されているC1-C4-アルキル(例えば、CF3)で置換されている);
C1-C4-アルキル(ここで、該C1-C4-アルキルは、C1-C4-アルコキシ-で置換されている);
及び
ベンジルオキシメチル-。
一部の実施形態では、R3が、R17NH-又はR15O-でない場合、R3は、フェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、シアノフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メトキシメチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、カルボキシフェニル、ホルミルフェニル、エチルフェニル、トリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、メトキシクロロフェニル、ジヒドロ-ベンゾジオキシニル、メチルハロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、フラニル、C1-C4-アルキルで置換されているフラニル、トリフルオロメチルフラニル、C1-C4-アルキルで置換されているトリフルオロメチルフラニル、ベンゾフラニル、チオフェニル、C1-C4-アルキルで置換されているチオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジニル、インドリル、メチルピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、ピロリル、キノリニル、ピコリニル、ピラゾリル、C1-C4-アルキルで置換されているピラゾリル、N-メチルピラゾリル、C1-C4-アルキルで置換されているN-メチルピラゾリル、C1-C4-アルキルで置換されているピラジニル、C1-C4-アルキルで置換されているイソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、モルホリノメチル、メチルチオメチル、メトキシメチル、N-メチルイミダゾリル及びイミダゾリルから選択される。一部の実施形態では、R3は、場合により置換されていてもよいフェニル(例えば、トリル、ハロフェニル、メチルハロフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、メチレンジオキシフェニル、ホルミルフェニル又はシアノフェニル)である。
一部の実施形態では、R3がR17NH-である場合、R17は、以下のものから選択される:水素、C1-C4-アルキル;シクロヘキシル;フェニル;及び、ハロ、C1-C4-アルキル、トリフルオロメチル、C1-C4-アルコキシ又はC1-C4-アルキルチオで置換されているフェニル。
一部の実施形態では、R3がR17NH-である場合、R17は、水素、イソプロピル、ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、ジクロロフェニル、メトキシフェニル、エチルフェニル、トリル、トリフルオロメチルフェニル又はメチルチオフェニルである。
一部の実施形態では、R3がR15O-である場合、R15は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル及び場合により置換されていてもよいアリールから選択される。
R 12 が-SO 2 R 3a である場合
式(I)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、R12が-SO2R3aである場合、R3aは、以下のものから選択される:C1-C13-アルキル-;フェニル-;ナフチル;シアノ、ハロ、低級-アルキル-、低級-アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ又はトリフルオロメチル-で置換されているフェニル;ビフェニリル;及び、ヘテロアリール-。一部の実施形態では、R3aは、フェニル(ここで、該フェニルは、ハロ、低級-アルキル-、低級-アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ又はトリフルオロメチル-で置換されている)及びナフチル-から選択される。
塩形態
本発明の化合物は、一般に、酸付加塩を形成することができる(即ち、本発明の化合物は、製薬上許容される酸と反応して酸付加塩を形成する部位を含有している)。本発明は、式(I)で表される化合物の製薬上許容される酸付加塩を包含する。本発明化合物の酸付加塩は、適切な溶媒中で、親化合物と過剰量の酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸又はメタンスルホン酸)から、標準的な方法で調製する。
式(I)で表される化合物の製薬上許容されない塩及び/又は溶媒和物は、式(I)で表される化合物の製薬上許容される塩及び/若しくは溶媒和物の調製において、又は、式(I)で表される化合物自体の調製において、中間体として有用であり得る。式(I)で表される化合物の製薬上許容されない塩及び/又は溶媒和物は、それ自体で、本発明の別の態様を構成する。
式(I)で表される化合物
式(I)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、
W、X、Y及びZの内の1つはNであり、且つ、残りは、Cである;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル-、シアノベンジル又はナフタレニルメチル-である;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレン(例えば、T及びT'がいずれも存在していない場合)である;
R12は、-C(O)R3であり、その際、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル(例えば、低級-アルコキシで置換されているC1-C8-アルキル)、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいアリール(例えば、ハロフェニル、ハロメチルフェニル-、メチレンジオキシフェニル-、メトキシフェニル-、エトキシフェニル-若しくはシアノフェニル-であるか、又は、低級-アシル若しくは低級-アルキルアミノカルボニル-(例えば、メチルアミノカルボニル-若しくはエチルアミノカルボニル-)で置換されているフェニル、又は、ジ(低級-アルキル)アミノカルボニル-(例えば、ジメチルアミノカルボニル-若しくはジエチルアミノカルボニル-)で置換されているフェニル、又は、低級アルキルで置換されているフェニル)である;
及び
R4は、R16-アルキレン-であり、その際、R16は、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、C1-C4-アルコキシ-、ヒドロキシル又はN-ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;R2は、プロピル(例えば、i-プロピル又はc-プロピル)である。
一部の実施形態では、
W、X、Y及びZの内の1つはNであり、且つ、残りは、Cである;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレン(例えば、T及びT'がいずれも存在していない場合)である;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリルを形成している。
一部の実施形態では、
W、X、Y及びZの内の1つはNであり、且つ、残りは、Cである;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレン(例えば、T及びT'がいずれも存在していない場合)である;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリジニル環を形成している。
一部の実施形態では、
W、X、Y及びZの内の1つはNであり、且つ、残りは、Cである;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレン(例えば、T及びT'がいずれも存在していない場合)である;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジニル環を形成している。
一部の実施形態では、
W、X、Y及びZの内の1つはNであり、且つ、残りは、Cである;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレン(例えば、T及びT'がいずれも存在していない場合)である;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノイル環を形成している。
式(II)で表される化合物
式(II)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル-、シアノベンジル又はナフタレニルメチル-である;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'の内の一方は存在せず、もう一方は、場合により置換されていてもよいアルキレンである;
R12は、-C(O)R3であり、その際、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル(例えば、低級-アルコキシで置換されているC1-C8-アルキル)、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいアリール(例えば、ハロフェニル、ハロメチルフェニル-、メチレンジオキシフェニル-、メトキシフェニル-、エトキシフェニル-若しくはシアノフェニル-であるか、又は、低級-アシル若しくは低級-アルキルアミノカルボニル-(例えば、メチルアミノカルボニル-若しくはエチルアミノカルボニル-)で置換されているフェニル、又は、ジ(低級-アルキル)アミノカルボニル-(例えば、ジメチルアミノカルボニル-若しくはジエチルアミノカルボニル-)で置換されているフェニル、又は、低級アルキルで置換されているフェニル)である;
及び
R4は、R16-アルキレン-であり、その際、R16は、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、C1-C4-アルコキシ-、ヒドロキシル又はN-ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;R2は、プロピル(例えば、i-プロピル又はc-プロピル)である。
一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'の内の一方は存在せず、もう一方は、場合により置換されていてもよいアルキレンである;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリルを形成している。
一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'の内の一方は存在せず、もう一方は、場合により置換されていてもよいアルキレンである;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリジニル環を形成している。
一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'の内の一方は存在せず、もう一方は、場合により置換されていてもよいアルキレンである;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジニル環を形成している。
一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
T及びT'の内の一方は存在せず、もう一方は、場合により置換されていてもよいアルキレンである;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノイル環を形成している。
式(III)で表される
式(III)で表される化合物について考察する場合、一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジニル環を形成している。
一部の実施形態では、
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルである;
R2は、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルである;
R2'は、水素である;
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、クロロ及びフルオロ)、C1-C4-アルキル(例えば、メチル)、C1-C4-ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C1-C4-アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択される;
及び
R4は、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノイル環を形成している。
調製後、本発明の化合物は、有糸分裂の改変を必要とするさまざまな用途に使用することができる。当業者には理解されるように、有糸分裂はさまざまな方法で改変することができる。即ち、有糸分裂経路における成分の活性を増大又は低下させることにより、有糸分裂に影響を及ぼすことができる。別の言い方をすれば、特定の成分を阻害又は活性化して平衡を撹乱することにより、有糸分裂に影響を及ぼすことができる(例えば、中断させることができる)。同様のアプローチを用いて、減数分裂も改変することができる。
一部の実施形態では、本発明の化合物を用いて有糸分裂紡錘体の形成を阻害し、それにより、有糸分裂状態で細胞周期の長期停止を引き起こす。これに関連して、「阻害」は、有糸分裂紡錘体の形成を低減若しくは妨害することを意味するか、又は、有糸分裂紡錘体の機能障害を誘発することを意味する。「有糸分裂紡錘体の形成」は、本明細書では、微小管が有糸分裂キネシンにより二極性構造体の形に組織化されることを意味する。「有糸分裂紡錘体機能障害」は、本明細書では、有糸分裂の停止及び単極紡錘体の形成を意味する。
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンKSPに結合させるのに有用であるか、及び/又は、有糸分裂キネシンKSPの活性を阻害するのに有用である。一部の実施形態では、KSPはヒトKSPであるが、本発明の化合物を用いては、他の生物に由来するKSPキネシンにも結合させ得るか、及び/又は、他の生物に由来するKSPキネシンの活性も阻害し得る。これに関連して、「阻害」は、紡錘体極分離の増大若しくは低減、有糸分裂紡錘体極の形成異常(即ち、開張(splaying))の誘発、又は、他の方法による有糸分裂紡錘体の形態学的撹乱の誘発を意味する。これらの目的に関し、KSPの定義には、KSPの変異体及び/又は断片も包含される。米国特許第6,437,115号(参照によりその全体を本明細書に組み入れる)を参照されたい。本発明の化合物は、KSPに対して特異性を有することが示されている。しかしながら、本発明には、他の有糸分裂キネシン類に結合させるか又は他の有糸分裂キネシン類を調節するために、該化合物を使用することが包含される。
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患を治療するために使用される。本明細書において提供されている化合物、組成物及び方法により治療可能な疾患状態としては、限定するものではないが、癌(以下で、さらに論じる)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、及び、医療処置(この医療処置には、手術及び血管形成術などがあるが、それらに限定されない)のあとで誘発された細胞増殖などを挙げることができる。治療には、細胞増殖を阻害することも包含される。細胞は異常な状態にないかもしれないが、それにもかかわらず治療が必要な場合もあり得ることは理解されるであろう。従って、一部の実施形態では、本発明は、これらの障害又は状態の内のいずれか1つに罹患しているか又は今にも罹患しそうな細胞又は個体に適用することを包含する。
本明細書において提供されている化合物、組成物及び方法は、皮膚癌、乳癌、脳腫瘍、子宮頚癌及び睾丸癌などの充実性腫瘍を包含する癌の治療に有用である。一部の実施形態では、本発明の化合物、組成物及び方法により治療可能な癌としては、限定するものではないが、以下のものなどを挙げることができる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形種;:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形膠芽腫、乏突起細胞腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、頚部(子宮頚癌、前腫瘍性子宮頚部形成異常)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類癌腫)、顆粒莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌腫);血液系:血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎、形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;副腎:神経芽細胞腫。従って、本明細書において記載されている用語「癌細胞」には、上記で特定した状態の内のいずれか1つに罹患した細胞が包含される。
KSP調節活性についてアッセイするためには、一般に、KSP又は本発明化合物のいずれか一方を、分離されたサンプル受容領域を有する不溶性支持体(例えば、マイクロタイタープレート及びアレイなど)に拡散不能に結合させる。該不溶性支持体は、当該サンプルを結合させることが可能で、可溶性物質から容易に分離され且つそれ以外においてもスクリーニング方法全体に適合可能な任意の材料物質から製造することができる。そのような支持体の表面は、中実性又は多孔性であることが可能であり、また、都合のよい任意の形状を有し得る。適切な不溶性支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、膜及びビーズなどを挙げることができる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、多糖類、ナイロン又はニトロセルロース、テフロンTMなどで製造されている。マイクロタイタープレート及びアレイは、少量の試薬及びサンプルを用いて、多数のアッセイを同時に行うことができるので、都合がよい。該サンプルを結合させる方法は、それが本発明の方法全体及び試薬に適合し、当該サンプルの活性を保持し且つ非拡散性であるかぎり、重要ではない。結合方法には、抗体(ここで、この抗体は、タンパク質を該支持体に結合させたときに、リガンド結合部位と活性化シーケンスのいずれも、立体的にブロックすることはない)の使用、「粘着性」又はイオン性の支持体への直接的結合、化学的架橋、表面上でのタンパク質又は作用物質の合成などが包含される。サンプルを結合させた後、過剰の未結合物質を洗浄により除去する。次いで、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン又は他の無害なタンパク質若しくは他の部分と一緒にインキュベーションすることにより、サンプル受容領域をブロックすることができる。
本発明の化合物は、KSPなどの有糸分裂キネシンの活性を阻害するために、それ自体で使用することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物をKSPと組み合わせて、KSPの活性についてアッセイする。キネシン(例えば、KSP)の活性については、当技術分野で既知であり、1以上のキネシン活性が包含される。キネシン活性としては、以下のものなどを挙げることができる:ATP加水分解に影響する能力;微小管結合;滑走及び重合/解重合(微小管の動力学への影響);紡錘体の他のタンパク質への結合;細胞周期の制御に関与するタンパク質への結合;キナーゼ又はプロテアーゼなどの他の酵素に対する基質としての機能;及び、紡錘体極分離のような特定のキネシン細胞活性。
運動性アッセイを行う方法については、当業者にはよく知られている。(例えば、以下の文献を参照されたい:Hall, et al.(1996), Biophys. J., 71: 3467-3476, Turner et al., 1996, AnaL Biochem. 242(1): 20-5; Gittes et al., 1996, Biophys. J. 70(1): 418-29; Shirakawa et al., 1995, J. Exp. BioL 198: 1809-15; Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68: 2444-53; Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68: 72S)。
ATPアーゼ加水分解活性を測定するための当技術分野で既知の方法を使用することもできる。適切には、溶液系アッセイを使用する。米国特許第6,410,254号(参照によりその全体を本明細書に組み入れる)には、そのようなアッセイが記述されている。あるいは、慣習的な方法を使用する。例えば、キネシンからのPi放出を定量化することができる。一部の実施形態では、ATPアーゼ加水分解活性についてのアッセイで、0.3M PCA(過塩素酸)及びマラカイトグリーン試薬(8.27mMモリブデン酸ナトリウムII、0.33mMマラカイトグリーンシュウ酸塩、及び、0.8mM Triton X-100)を利用する。そのアッセイを実施するために、10μLの反応混合物を90μLの低温の0.3M PCAでクエンチする。リン酸標準を使用することにより、データをmM単位の無機リン酸放出量に変換することができる。全ての反応物と標準がPCA中でクエンチされた時点で、関連するウェル(例えば、マイクロタイタープレート内のウェル)に、100μLのマラカイトグリーン試薬を添加する。10〜15分間、その混合物の反応を進行させ、650nmにおけるプレートの吸光度を読み取る。リン酸標準を使用した場合、表示された吸光度の値をPi(mM)に変換して、時間に対してプロットすることができる。当技術分野で知られている他のATPアーゼアッセイには、ルシフェラーゼアッセイなどがある。
さらにまた、キネシンモータードメインのATPアーゼ活性を用いて作用剤の影響をモニタリングすることもできる。キネシンモータードメインのATPアーゼ活性については、当業者にはよく知られている。一部の実施形態では、キネシンのATPアーゼアッセイを、微小管の非存在下で行う。一部の実施形態では、そのようなATPアーゼアッセイを、微小管の存在下で実施する。上記のアッセイで、種々のタイプの作用剤を検出することができる。一部の実施形態では、作用剤の効果は、微小管及びATPの濃度に依存しない。一部の実施形態では、キネシンATPアーゼに対する作用剤の効果は、ATPの濃度、微小管の濃度又はその両方を増大させることによりを低減する。一部の実施形態では、作用剤の効果は、ATPの濃度、微小管の濃度又はその両方の濃度を増大させることにより増大する。
次に、インビトロでKSPの生化学的活性を阻害する化合物を、インビボでスクリーニングすることができる。インビボでのスクリーニング方法としては、細胞周期分布についてのアッセイ、細胞の生存能力についてのアッセイ、又は、有糸分裂紡錘体の存在、形態、活性、分布若しくは数についてのアッセイなどを挙げることができる。フローサイトメトリーなどにより細胞集団の細胞周期分布をモニタリングする方法については、細胞の生存能力の測定方法と同様に、当業者にはよく知られている。例えば、米国特許第6,437,115号(参照によりその全体を本明細書に組み入れる)を参照されたい。紡錘体の形成と形成異常をモニタリングするための顕微鏡法は、当業者にはよく知られている(例えば、以下の文献を参照されたい:Whitehead and Rattner (1998), J. Cell Sci. 111: 2551-61; Galgio et al, (1996) J. Cell Biol., 135: 399-414)。これら文献のそれぞれは、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
本発明の化合物は、KSPキネシンを阻害する。阻害の1つの尺度はIC50であり、これは、KSPの活性を対照に対して50パーセント低下させる化合物の濃度として定義される。KSPの活性を50パーセント低下させる当該化合物の濃度として定義される。一部の実施形態では、化合物は、約1mM未満のIC50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約100μM未満のIC50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約10μM未満のIC50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約1μM未満のIC50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約100nM未満のIC50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約10nM未満のIC50を有する。IC50の測定は、本明細書に記載されているようなATPアーゼアッセイを用いて行う。
阻害についての別のもう1つの尺度は、Kiである。1μM未満のIC50を有する化合物の場合、Ki又はKdは、本明細書に記載されている化合物とKSPの相互作用についての解離速度定数として定義される。一部の実施形態では、化合物は、約100μM未満のKiを有する。一部の実施形態では、化合物は、約10μM未満のKiを有する。一部の実施形態では、化合物は、約1μM未満のKiを有する。一部の実施形態では、化合物は、約100nM未満のKiを有する。一部の実施形態では、化合物は、約10nM未満のKiを有する。
化合物のKiは、3つの仮定及びミカエリス・メンテンの式に基づいて、IC50から求められる。第一に、当該酵素には、化合物分子1個だけが結合し、協同作用は存在していない。第二に、活性酵素及び被験化合物の濃度は既知である(即ち、当該調製物中には、有意量の不純物や不活性形態は存在していない)。第三に、酵素-阻害薬複合体の酵素的変化率は、ゼロである。速度(即ち、化合物濃度)のデータは、以下の式に当てはめられる。
Figure 2007513154
上記式中、Vは、観察された速度であり、Vmaxは、遊離酵素の速度であり、I0は、阻害薬の濃度であり、E0は、酵素の濃度であり、Kdは、酵素-阻害薬複合体の解離定数である。
阻害についての別のもう1つの尺度は、GI50であり、これは、細胞の増殖速度を50パーセント低下させる当該化合物の濃度として定義される。一部の実施形態では、化合物は、約1mM未満のGI50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約20μM未満のGI50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約10μM未満のGI50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約1μM未満のGI50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約100nM未満のGI50を有する。一部の実施形態では、化合物は、約10nM未満のGI50を有する。GI50の測定は、本明細書に記載されているような細胞増殖アッセイを用いて行う。この種類の化合物は細胞増殖を阻害することが認められた。
小分子阻害薬のインビトロでの効力は、例えば、ヒト卵巣癌細胞(SKOV3)を、化合物の9点連続希釈物に72時間接触させたあとで生存能力についてアッセイすることにより、求められる。細胞の生存能力は、ホルマゾンの吸光度を測定することにより求められる。ホルマゾンは、市販試薬であるMTS/PMSが生体内還元されることにより形成される産物である。当該用量反応曲線の各点は、72時間における未処理対照細胞からバックグラウンド吸収(完全な細胞死)を引いたものに対する割合として計算する。
癌を治療するために臨床で使用されて良好な結果を示してきた抗増殖性化合物(癌化学療法薬)のGI50は、非常にさまざまである。例えば、A549細胞において、パクリタキセルのGI50は4nMであり、ドキソルビシンのGI50は63nMであり、5-フルオロウラシルのGI50は1μMであり、ヒドロキシ尿素のGI50は500μMである(これらのデータは、以下から提供されたものである:National Cancer Institute, Developmental Therapeutic Program, http://dtp.nci.nih.gov/)。従って、細胞の増殖を阻害する化合物は、阻害を示す濃度にかかわりなく、臨床における潜在的な有用性を有する。
KSPキネシンに結合する化合物についてのスクリーニング方法で本発明の化合物を使用するために、当該KSPを支持体に結合させ、本発明の化合物をそのアッセイに添加する。あるいは、本発明の化合物を支持体に結合させ、KSPを添加する。その中で新規な結合剤を探求し得る化合物の群には、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーニングで同定された非天然結合剤及びペプチド類似体などがある。一部の実施形態では、ヒト細胞に対する毒性が低い候補作用剤をスクリーニングする。この目的のために多種多様なアッセイを用いることが可能であり、そのようなアッセイとしては、標識化インビトロタンパク質-タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合についてのイムノアッセイ及び機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などを挙げることができる。
KSPへの本発明化合物の結合の測定は、多くの方法で実施することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物を、例えば蛍光性部分又は放射性部分を用いて標識化し、結合を直接測定する。例えば、これは、KSPの全部又は一部分を固体支持体に結合させ、標識化被験化合物(例えば、少なくとも1個の原子が検出可能な同位体で置き換えられている本発明の化合物)を添加し、洗浄して過剰の試薬を除去し、当該固体支持体上に存在する標識の量を測定することにより、実施することができる。
「標識化(labeled)」は、本明細書中では、当該化合物を、検出可能なシグナルを提供する標識(例えば、放射性同位体、蛍光性タグ、酵素、抗体、粒子(例えば、磁性粒子)、化学発光性タグ又は特異的結合性分子など)で、直接的又は間接的に標識化することを意味する。特異的結合性分子には、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシンなどのような対などがある。特異的結合性メンバーの場合、上記で概説したように、既知手順に従い、通常、その相補的メンバーを、検出を可能とする分子で標識化することが考えられる。そのような標識により、検出可能なシグナルを直接的又は間接的に提供することができる。
一部の実施形態では、成分のうちの1つだけを標識化する。例えば、キネシンタンパク質は、そのチロシン位置を125Iを用いて標識化することができるか又は発蛍光団で標識化することができる。あるいは、2つ以上の成分を、異なった標識で標識化することが可能であり、例えば、タンパク質に対しては125Iを使用し、抗分裂剤に対しては発蛍光団を使用して標識化することができる。
本発明の化合物は、さらに別の候補薬剤をスクリーニングするためのコンペティターとして使用することもできる。「候補作用剤(candidate agent)」又は「候補薬剤(drug candidate)」又は本明細書中で使用されている文法的に等価な表現は、生物活性について試験される任意の分子、例えば、タンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、多糖、ポリヌクレオチドなどを表す。それらは、細胞増殖の表現型又は細胞増殖配列(核酸配列とタンパク質配列の両方が包含される)の発現を直接的又は間接的に改変する能力を有し得る。別の場合には、細胞増殖タンパク質の結合及び/又は活性の改変についてスクリーニングする。この種のスクリーニングは、微小管の存在下又は非存在下で実施することができる。タンパク質の結合又は活性についてスクリーニングする場合、一部の実施形態では、そのようなタンパク質(例えば、微小管のようなポリマー構造体)に結合することがすでに知られている分子及びエネルギー源(例えば、ATP)は除外する。本明細書におけるアッセイの一部の実施形態では、内因性天然状態にある細胞増殖タンパク質に結合しない候補作用剤(これは、本明細書では、「外因性」作用剤と称する)を含んでいる。一部の実施形態では、外因性作用剤から、さらに、KSPに対する抗体も除外される。
候補作用剤には、多くの化学物質種が包含され得るが、典型的には、それらは、有機分子、例えば、100ダルトンより大きく且つ約2,500ダルトン未満の分子量を有する小さな有機化合物である。候補作用剤は、タンパク質との構造的相互作用(例えば、水素結合及び親油性結合)に必要な官能基を含んでおり、典型的には、少なくとも、アミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、エーテル基又はカルボキシル基を含み、多くの場合、該官能性化学基の内の少なくとも2つを含んでいる。該候補作用剤は、多くの場合、1つ以上の上記官能基で置換された環状炭素構造若しくはヘテロ環式構造及び/又は芳香族構造若しくはポリ芳香族構造を含んでいる。候補作用剤は、さらにまた、生体分子、例えば、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、それらの構造類似体又はそれらを組合せたものなどの中にも見いだされる。
候補作用剤は、合成化合物又は天然化合物のライブラリなどを包含するさまざまな供給源から得られる。例えば、多種多様な有機化合物及び生体分子のランダム合成及び指向合成を行うために多くの方法が利用可能であり、そのような方法には、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現などがある。あるいは、細菌抽出物、真菌抽出物、植物抽出物及び動物抽出物の形態にある天然化合物のライブラリーが、利用可能であるか又は容易に作製される。さらに、天然に生成されたライブラリー及び化合物又は合成的に生成されたライブラリー及び化合物は、慣習的な化学的手段、物理的手段及び生化学的手段により容易に改変される。既知の薬物を指向的化学修飾又はランダム化学修飾(例えば、アシル化、アルキル化、エステル化及び/又はアミド化)に付して、構造的類似体を生成させることも可能である。
競合的スクリーニングアッセイは、第一のサンプル中でKSPと候補薬剤を合することにより実施することができる。第二のサンプルは、本発明の化合物とKSPと候補薬剤を含んでいる。これは、微小管の存在下又は非存在下で行うことが可能である。両方のサンプルについて当該候補薬剤の結合を測定する。2つのサンプルの間に結合の変化又は差異があれば、それにより、KSPに結合することが可能で、その活性を阻害する可能性を有する候補薬剤の存在が示唆される。即ち、候補薬剤の結合が、第一のサンプルと比較して第二のサンプル中で異なっていた場合、当該候補薬剤は、KSPに結合可能である。
一部の実施形態では、候補作用剤のKSPへの結合は、競合的結合アッセイを用いて測定する。一部の実施形態では、コンペティターは、KSPに結合することが知られている結合性部分、例えば、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなどである。特定の状況下では、候補作用剤と結合性部分の間で競合的結合が起こり得るが、その場合、結合性部分と候補作用剤が置き換わる。
一部の実施形態では、候補作用剤を標識化する。結合が存在する場合その結合が生じるのに十分な時間にわたり、最初に、候補作用剤若しくはコンペティターのいずれか一方又は候補作用剤とコンペティターの両方をKSPに添加する。インキュベーションは、最適な活性を促進する任意の温度(典型的には、4〜40℃)で実施することができる。
インキュベーション時間は、最適な活性が得られるように選択するが、迅速なハイスループットスクリーニングを促進するように最適化することも可能である。典型的には、0.1〜1時間で充分である。過剰の試薬は、一般に、除去するか又は洗い流す。次いで、第二の成分を添加し、標識化成分の存在又は非存在に従って、それにより結合を示す。
一部の実施形態では、コンペティターを最初に添加し、次いで、候補作用剤を添加する。コンペティターの置き換えが起これば、それにより、候補作用剤がKSPに結合していることが示唆され、従って、KSPに結合してその活性を阻害することができる可能性を有することが示唆される。一部の実施形態では、いずれかの成分を標識化し得る。かくして、例えば、コンペティターを標識化した場合、洗浄溶液中に標識が存在すれば、それは、作用剤による置き換えが起こったことを示唆している。あるいは、候補作用剤を標識化した場合、支持体上に標識が存在すれば、それは、置き換えが起こったことを示唆している。
一部の実施形態では、候補作用剤を最初に添加し、インキュベーション及び洗浄を行い、その後、コンペティターを添加する。コンペティターによる結合が存在しない場合、それは、当該候補作用剤がより高い親和性でKSPに結合していることを示唆し得る。かくして、候補作用剤を標識化した場合、支持体上に標識が存在すれば、それは、コンペティターの結合が欠如していることと相まって、当該候補作用剤がKSPに結合可能であることを示唆し得る。
阻害は、KSPの活性を阻害することのできる候補作用剤をスクリーニングすることにより試験する。このスクリーニングには、上記で述べたように、候補作用剤とKSPを組み合わせるステップと、KSPの生物学的活性の改変を測定するステップが含まれている。一部の実施形態では、候補作用剤は、KSPに結合するはずであり(これは必要でない場合もある)、また、本明細書で定義してある生物学的活性又は生化学的活性を改変するはずである。この方法には、上記で概説したように、インビトロスクリーニング方法と、細胞周期分布若しくは細胞生存能力における改変について又は有糸分裂紡錘体の存在、形態、活性、分布若しくは量についてのインビボスクリーニング方法の両方が包含される。
あるいは、ディファレンシャルスクリーニングを用いて、天然のKSPには結合するが修飾されたKSPには結合できない候補薬剤を同定することができる。
該アッセイにおいて、正の対照及び負の対照を使用することができる。適切には、統計的に有意な結果が得られるように、全ての対照及び被験サンプルは、少なくとも3反復で実施する。該作用剤がタンパク質に結合するのに十分な時間にわたり、全てのサンプルをインキュベーションする。インキュベーションした後、全てのサンプルを洗浄して非特異的に結合した物質を除去し、結合している一般に標識化された作用剤の量を測定する。例えば、放射性標識を用いた場合、サンプルをシンチレーションカウンターでカウントして、結合している化合物の量を求めることができる。
該スクリーニングアッセイには、さまざまな他の試薬をを含ませることができる。これらの試薬には、最適のタンパク質-タンパク質結合を促進するために使用し得るか、及び/又は、非特異的相互作用若しくはバックグラウンド相互作用を低減させるために使用し得る、塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤などのような試薬がある。さらにまた、別の方法でアッセイの効率を向上させる試薬、例えば、プロテアーゼ阻害薬、ヌクレアーゼ阻害薬、抗微生物薬なども使用することができる。必要な結合を提供する成分の混合物は、任意の順序で添加可能である。
従って、本発明の化合物は、細胞に投与される。「投与(administered)」は、本明細書では、細胞培養内の細胞又は患者の体内の細胞に治療上有効な用量の本発明の化合物を投与することを意味する。「治療上有効な用量」は、本明細書では、投与の目的とする効果を生じる用量を意味する。正確な用量は、治療の目的に依存し、当業者であれば既知の方法を用いて確認可能であろう。当技術分野では知られているように、全身送達と局所送達、年齢、体重、健康状態、性別、規定食、投与の時間、薬物相互作用及び状態の重症度に対して、調整することが必要であり得る。そのような調整は、当業者であれば慣習的な実験で確認可能であろう。「細胞」は、本明細書では、有糸分裂又は減数分裂を改変させ得る任意の細胞を意味する。
本発明の目的に関し、「患者」は、ヒト及び他の動物(例えば、哺乳動物)及び他の生物を包含する。かくして、当該方法は、ヒトの治療と獣医学的用途の両方に適用可能である。一部の実施形態では、該患者は、哺乳動物である。一部の実施形態では、該患者は、ヒトである。
所望される薬理活性を有する本発明の化合物は、一般に、製薬用賦形剤を含む製薬上許容される組成物として、本明細書に記載されているような患者に投与し得る。導入方法に応じて、該化合物は、以下で論じているようなさまざまな方法で製剤し得る。製剤中の治療活性を有する化合物の濃度は、約0.1〜100重量%の範囲でさまざまであり得る。
作用剤は、単独で投与することも可能であるし、又は、別の治療(即ち、放射線)又は別の化学療法薬(例えば、微小管形成に作用すると思われているタキサン類の作用剤、又は、カンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害薬)と組合せて投与することも可能である。別の化学療法薬を使用する場合、それは、本発明化合物の投与前、投与と同時、又は、投与後に投与することが可能である。本発明の一態様において、本発明の化合物は、1種類以上の別の化学療法薬と共投与される。「共投与」は、本発明化合物及び共投与された化合物が実際にいつ投与されたかにかかわりなく、本発明化合物及び共投与された化合物が患者の血流中に同時に見いだされ得るように、本発明化合物を患者に投与することを意味し、それは、同時に投与することを包含する。
本発明の化合物及び組成物は、さまざまな方法で投与することができる。そのような方法としては、限定するものではないが、経口投与、皮下投与、静脈内投与、鼻腔内投与、経皮投与、腹腔内投与、筋肉内投与、肺内投与、膣内投与、直腸内投与又は眼内投与などがある。場合によっては、例えば、創傷及び炎症の治療において、当該化合物又は組成物を溶液剤又はスプレー剤として直接適用することができる。
医薬投与形態は、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物若しくは式(III)で表される化合物、又は、その製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物と、1種類以上の製薬用賦形剤を含有する。当技術分野では知られているように、製薬用賦形剤は、さまざまな投与形態(例えば:錠剤、カプセル剤及び液剤のような経口用形態;局所用形態、例えば、経皮用形態、経眼用(opthalmic)形態及び経耳用形態;坐剤;注射剤;呼吸器用形態など)にある薬物又は医薬の送達を可能にするか又は増強する機能を有する補助的な成分である。製薬用賦形剤には、不活性成分、共力剤、又は、活性成分の医薬的効果に実質的に寄与する化学物質などがある。例えば、製薬用賦形剤は、流動特性、製品均一性、安定性、風味若しくは外観を改善するように機能し得るか、使用の便宜上、用量の取扱い及び投与を容易にするように機能し得るか、又は、生物学的利用能を制御するように機能し得る。製薬用賦形剤は、通常、不活性であるとして記述されるが、製薬用賦形剤の特性とその製薬用賦形剤を含んでいる投与形態の間に関連性があることは、当技術分野では認識されている。
担体又は希釈剤として使用するのに適した製薬用賦形剤は、当技術分野ではよく知られており、さまざまな製剤で使用可能である。例えば、以下の文献を参照されたい:Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A.R. Gennaro, Editor, Mack Publishing Company (1990); Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, A.R. Gennaro, Editor, Lippincott Williams & Wilkins (2000); Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition, A.H. Kibbe, Editor, American Pharmaceutical Association, and Pharmaceutical Press (2000); 及び Handbook of Pharmaceutical Additives, compiled by Michael and Irene Ash, Gower (1995)。これらの文献は、それぞれ、全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れる。
錠剤などの経口用固体投与形態は、典型的には、1種類以上の製薬用賦形剤を含有する。それらの賦形剤は、例えば、満足できる加工特性及び圧縮特性を錠剤に付与したり、又は、付加的な望ましい物理的特性を錠剤に提供したりするのに役立ち得る。そのような製薬用賦形剤は、希釈剤、結合剤、流動促進剤(glidant)、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、矯味矯臭剤、甘味剤、ポリマー、ワックス又は他の溶解遅延物質から選択し得る。
静脈内投与用の組成物は、一般に、静脈内輸液(即ち、循環系により容易に運ばれて同化され得る糖、アミノ酸又は電解質のような単純な化学物質の滅菌溶液)を含有する。そのような液体は、注射用蒸留水USPを用いて調製する。
静脈内(IV)用途で一般に使用される液体は、「Remington, The Science and Practice of Pharmacy」(完全な引用は、先に挙げてある)に開示されており、以下の物質を含んでいる:
・ アルコール(例えば、デキストロース及び水(「D/W」)[例えば、5%デキストロース]中のアルコール、又は、規定食塩液(「NSS」)中のデキストロース及び水[例えば、5%デキストロース]中のアルコール;例えば、5%アルコール);
・ 合成アミノ酸、例えば、Aminosyn、FreAmine、Travasol、例えば、それぞれ、3.5%又は7%;8.5%;3.5%、5.5%又は8.5%;
・ 塩化アンモニウム、例えば、2.14%;
・ デキストラン40、NSS中の例えば10%、又は、D5/W中の例えば10%;
・ デキストラン70、NSS中の例えば6%、又は、D5/W中の例えば6%;
・ デキストロース(グルコース、D5/W)、例えば、2.5〜50%;
・ デキストロース及び塩化ナトリウム、例えば、5〜20%デキストロース及び0.22〜0.9% NaCl;
・ 乳酸リンゲル液(ハルトマン液)、例えば、NaCl 0.6%、KCl 0.03%、CaCl2 0.02%;
・ ラクテート 0.3%;
・ マンニトール、例えば、5%、これは、場合により、デキストロース(例えば、10%)又はNaCl(例えば、15%又は20%)と組み合わせる;
・ 電解質、デキストロース、フルクトース、転化糖、リンゲル液(例えば、NaCl 0.86%、KCl 0.03%、CaCl2 0.033%)をさまざまに組み合わせて得た多電解質溶液;
・ 重炭酸ナトリウム、例えば、5%;
・ 塩化ナトリウム、例えば、0.45%、0.9%、3%又は5%;
・ 乳酸ナトリウム、例えば、1/6M;
及び
・ 注射用滅菌水。
そのような液体のpHは、さまざまな値をとりうるが、典型的には、当技術分野で知られているように、3.5〜8である。
本明細書中で引用した全ての参考文献及び刊行物(そのような参考文献及び刊行物には、特許及び特許出願などがあるが、それらに限定されない)は、個々の参考文献及び刊行物について、完全に記述されているように参照により本明細書に組み入れるということが、あたかも具体的且つ個別的に示されているように、参照により本明細書に組み入れる。
本発明が上記で記載されている亜群の全ての組合せを包含するということは、理解されるべきである。
本明細書及び「特許請求の範囲」がその一部分を構成している本出願は、任意の後続出願に関して優先権の基礎として用いることができる。
以下の実施例は、上記で記載した本発明の使用方法についてさらに充分に説明するためのものである。当然のことながら、これらの実施例は、本発明の真の範囲を決して限定するものではなく、例証を目的として提示されたものである。
実施例1
KSP阻害薬で処理した腫瘍細胞系における細胞の生存能力の阻害
材料及び溶液:
・ 細胞: SKOV3, 卵巣癌(ヒト);
・ 培地: フェノールレッド非含有RPMI+5%ウシ胎児血清+2mM L-グルタミン;
・ 細胞の生存能力を測定するための比色剤:Promega MTS テトラゾリウム化合物;
・ 最大細胞死滅を得るための対照化合物:トポテカン, 1μM。
手順:1日目 - 細胞平板培養:
付着SKOV3細胞を、10mLのPBSで洗浄した後、2mLの0.25%トリプシンを添加し、37℃で5分間インキュベーションする。8mLの培地(フェノールレッド非含有RPMI+5% FBS)を用いて細胞をフラスコから濯ぎ落とし、新しいフラスコに移す。コールターカウンターを用いて細胞濃度を測定し、100μL当たり1000個の細胞となる細胞の適切な体積を計算する。100μLの培地細胞懸濁液(100μL当たり1000個の細胞に調整したもの)を96ウェルプレートの全てのウェルに添加した後、37℃、湿度100%及び5%CO2で、18〜24時間インキュベーションし、細胞をプレートに付着させる。
手順:2日目 - 化合物の添加:
高圧滅菌したアッセイブロックの1列のウェルに、400×最大所望濃度で、最初の2.5μLの被験化合物を添加する。1.25μLの400×(400μM)トポテカンを他のウェルに添加する(これらのウェルのODを用いて、死滅細胞及びビヒクルのバックグラウンド吸光度を差し引く)。DMSOを含まない培地500μLを被験化合物を含んでいるウェルに添加し、また、250μLをトポテカンのウェルに添加する。残りの全てのウェルには、250μLの培地+0.5%DMSOを添加し、その中で被験化合物を連続希釈する。化合物含有培地を、行単位で、アッセイブロックから対応する細胞プレートにレプリカ平板培養する(2反復)。その細胞プレートを、37℃、湿度100%及び5%CO2で、72時間インキュベーションする。
手順:4日目 - MTS添加及びOD読取り:
培養器からプレートを取り出し、各ウェルに、40μLのMTS/PMSを添加する。次いで、プレートを、37℃、湿度100%及び5%CO2で120分間インキュベーションした後、96ウェル分光光度計内で5秒間の振盪サイクルを行った後、490nmでODを読み取る。
データ解析:
対照の規格化%(吸光度-バックグラウンド)を計算し、XLfitを用いて、用量-反応曲線を作成する。この曲線から、生存能力を50%阻害するのに必要な化合物濃度を求める。本発明の化合物は、上記で説明した本方法で試験した場合、活性を示す。
実施例2
エナンチオマー分離
一般に、適切な(R)配置又は(S)配置の出発アミノ酸を選択することにより、上記で説明した手順を用いて、実質的に純粋な又は富化された(R)エナンチオマー又は(S)エナンチオマーを調製することができる。一部の実施形態では、化合物は、R2が結合しているステレオジェン中心において(R)配置を有する。(R):(S)混合物は、当業者にはよく知られている方法により、その構成成分の純粋エナンチオマーに分離することができる。そのような方法には、ジベンゾイル酒石酸などの光学的に純粋な酸と反応させることにより形成させたジアステレオマー誘導体のような、ジアステレオマー誘導体の形成及び分離などがある。あるいは、例えば下記条件を用いて、キラルクロマトグラフィーにより分離することも可能である:
カラム: Chiralcel OD 20×250 mm;
サンプル充填量 約100mg・mL-1(0.01%イソプロピルアミンを含有する1:2のエタノール:ヘキサン中);
クロマトグラフィー条件: 0.01%イソプロピルアミンを含有する1:2のエタノール:ヘキサンを15mL・分-1の流量で用いるイソクラティック溶離;
UV検出 254nm。
実施例3
KSP阻害薬適用後の単極紡錘体形成
ヒト腫瘍細胞Skov-3(卵巣)を1ウェル当たり4,000個の細胞の密度で96ウェルプレート内で平板培養し、24時間かけて付着させ、種々の濃度のピリミジノン(pyridmidinone)誘導体で24時間処理する。細胞を4%ホルムアルデヒド中で固定し、抗チューブリン抗体(次に、蛍光標識化二次抗体を用いて認識する)及びヘキスト染料(これはDNAを染色する)で染色する。
視覚的に検査することにより、該化合物が有糸分裂の前中期において細胞周期停止を引き起こしたことが示される。DNAが濃縮され、紡錘体形成が開始されるが、停止した細胞は、一様に、単極紡錘体を示す。このことにより、紡錘体極体の分離が阻害されていることが示唆される。抗KSP抗体を微量注入した場合も、それにより有糸分裂が停止し、停止した細胞は単極紡錘体を呈する。
実施例4
KSP阻害薬で処理した腫瘍細胞系における細胞増殖の阻害
細胞を、96ウェルプレートの1ウェル当たり1000個〜2500個の細胞の密度で96ウェルプレートで平板培養し、24時間にわたり付着/増殖させる。次いで、その細胞を、さまざまな濃度の薬物で48時間処理する。化合物を添加した時間をT0とみなす。試薬3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム(MTS)(米国特許第5,185,450号)(以下のものを参照されたい:Promega製品カタログ#G3580, CeIlTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation Assay)を使用するテトラゾリウムに基づくアッセイを用いて、T0における生存細胞の数及び化合物に48時間接触させたあとで残存している細胞の数を求める。48時間後に残存している細胞の数を薬物添加時の生存細胞の数と比較することにより、増殖の阻害を計算することができる。
ビヒクル(0.25% DMSO)のみで処理した対照ウェルにおける48時間での細胞増殖を100%増殖とみなし、化合物を含んでいるウェルにおける細胞の増殖をこれと比較する。
処理したウェルにおける細胞増殖の割合(%)に対して化合物の濃度(μM)をプロットすることにより、Gi50を計算する。当該化合物に対して計算されたGi50は、対照と比較して増殖が50%阻害される推定濃度である。即ち、以下の式が成立するときの濃度である:
100×[(処理48−T0)/(対照48−T0)]=50
[式中、処理48は、処理された細胞についての48時間における値であり、対照48は、対照集団についての48時間における値である。
化合物の全ての濃度について2反復で試験し、対照は、12個のウェルの平均である。National Cancer Instituteでは、極めて類似した96ウェルプレートのレイアウト及びGi50の計算スキームを使用している(以下の文献を参照されたい: Monks, et al., J. NatI. Cancer Inst. 83: 757-766 (1991))。しかしながら、National Cancer Institute が細胞の数を定量するのに用いている方法は、MTSを使用せず、その代わりに、代替的な方法を使用している。
本発明の化合物は、ヒト卵巣腫瘍細胞系(SKOV-3)で細胞増殖を阻害する。
実施例5
IC 50 の計算
化合物のKSP活性に対するIC50の測定では、ATPアーゼアッセイを用いる。以下の溶液を使用する:溶液1は、3mM ホスホエノールピルビン酸カリウム塩(Sigma P-7127)、2mM ATP(Sigma A-3377)、1mM IDTT(Sigma D-9779)、5μM パクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppm 消泡剤289(Sigma A-8436)、25mM Pipes/KOH pH6.8(Sigma P6757)、2mM MgC12(VWR JT400301)及び1mM EGTA(Sigma E3889)からなる。溶液2は、1mM NADH(Sigma N8129)、0.2mg/mL BSA(Sigma A7906)、ピルビン酸キナーゼ 7U/mL、L-乳酸デヒドロゲナーゼ 10U/mL(Sigma P0294)、100nM KSPモータードメイン、50μg/mL 微小管、1mM DTT(Sigma D9779)、5μM パクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppm 消泡剤289(Sigma A-8436)、25mM Pipes/KOH pH6.8(Sigma P6757)、2mM MgC12(VWR JT4003-01)及び1mM EGTA(Sigma E3889)からなる。96ウェルマイクロタイタープレート(Corning Costar 3695)内で、溶液1を用いて、当該化合物を連続希釈する(8〜12回の2倍希釈)。連続希釈の後では、各ウェルは、50μLの溶液1を有している。各ウェルに50μLの溶液2を添加することにより反応を開始させる。これは、マルチチャンネルピペッターを用いて、手動で又は自動液体取扱い装置により実施可能である。次いで、マイクロタイタープレートをマイクロプレート吸光度読み取り装置に移し、各ウェルについて、動力学的モードで、340nmにおける吸光度の多重読み取りを行う。次いで、観測された変化率(これはATPアーゼの比率に比例する)を、化合物濃度の関数としてプロットする。標準的なIC50測定では、非線形当てはめプログラム(例えば、Grafit 4)を用いて、以下の4パラメーター方程式により、獲得したデータの当てはめを行う:
Figure 2007513154
[式中、yは、観測された比率であり、xは、化合物の濃度である]。

Claims (55)

  1. 式(I):
    Figure 2007513154
    [式中、
    W、X、Y及びZは、独立して、-N=、N、-C=、CR18、O又はSであり、また、Zは、場合により、存在していなくてもよいが、但し、W、X及びYを含み、場合によりZも含んでいる環は、ヘテロ環であり、W、X、Y及びZの2つ以下が-N=であり、及び、Zが存在していない場合にのみ、W、X又はYは、O又はSであることができる;
    当該構造中の点線は、場合により存在している二重結合を表す;
    T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンである;
    R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
    R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;
    又は、
    R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成している;
    R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される;
    R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-及びR17-NH-から選択される;
    R3aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及びR17-NH-から選択される;
    R4は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及び場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択されるか;
    又は、
    R4は、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているか;
    又は、
    R4は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成している;
    R5、R6、R7、R8及びR18は、独立して、水素、アシル、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド-、アルキルチオ-、カルボキシアルキル-、カルボキサミド-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択されるが、但し、W、X、Y又はZが、それぞれ、-N=、O若しくはSであるか又は存在していない場合、R5、R6、R7及びR8は、存在していない;
    R15は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
    及び、
    R17は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-である]
    で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質。
  2. 式(II):
    Figure 2007513154
    [式中、
    T及びT'は、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンであるが、但し、T及びT'が両方とも共有結合であることはない;
    R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
    R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;
    又は、
    R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成している;
    R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される;
    R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-及びR17-NH-から選択される;
    R3aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及びR17-NH-から選択される;
    R4は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及び場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択されるか;
    又は、
    R4は、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているか;
    又は、
    R4は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成している;
    R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アシル、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド-、アルキルチオ-、カルボキシアルキル-、カルボキサミド-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択される;
    R15は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
    及び、
    R17は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-である]
    で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質。
  3. 式(III):
    Figure 2007513154
    [式中、
    R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
    R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-及びR17-NH-から選択される;
    R3aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-及びR17-NH-から選択される;
    R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、アシル、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド-、アルキルチオ-、カルボキシアルキル-、カルボキサミド-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択されるが、但し、W、X、Y又はZが、それぞれ、-N=、O若しくはSであるか又は存在していない場合、R5、R6、R7及びR8は、存在していない;
    R15は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される;
    R17は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-である;
    R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか、若しくは、R2とR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3員〜7員の環を形成しており;且つ、R12は、R4及び、R12とR4が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しているが、但し、当該5員窒素含有ヘテロ環は、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環又はイミダゾリニル環ではない;
    又は、
    R2は、R4と一緒になって、場合により置換されていてもよい5員〜12員の窒素含有ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、場合により、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を当該ヘテロ環内に含んでいてもよい)を形成しており;且つ、R2'は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-又は場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルであり;且つ、R12は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-C(O)-R3及び-S(O)2-R3aから選択される]
    で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形態、キレート、非共有結合錯体、プロドラッグ及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の化学物質。
  4. R1が、水素、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル、場合により置換されていてもよいフェニル-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル、場合により置換されていてもよいフェニル又はナフチルである、請求項1、2又は3に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  5. R1が、場合により置換されていてもよいフェニル-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル、場合により置換されていてもよいフェニル又はナフチルである、請求項4に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  6. R1が、ナフチル、フェニル、ブロモフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、トリル、ジメチルフェニル、クロロフルオロフェニル、メチルクロロフェニル、エチルフェニル、フェネチル、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル、ヒドロキシベンジル、ジクロロベンジル、ジメトキシベンジル又はナフタレニルメチルである、請求項5に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  7. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル又はナフタレニルメチルである、請求項6に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  8. R1が、ベンジルである、請求項7に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  9. R5、R6、R7及びR8が存在している場合、それらが、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロ、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ、シアノ、アミノ、置換されているアミノ又はカルバミル-から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  10. R5、R6、R7及びR8が、独立して、メトキシ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、水素及びハロから選択される、請求項9に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  11. R5が、水素又はハロであり;
    R6が、水素、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-又はハロであり;
    R7が、水素、ハロ、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ、シアノ、置換されているアミノ又はカルバミル-であり;
    及び
    R8が、水素、C1-C4-アルキル-、C1-C4-アルコキシ、ヒドロキシ又はハロである;
    請求項9に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  12. R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-であり、R2'が、水素又は場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  13. R2'が、水素であり、R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキル-である、請求項12に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  14. R2が、メチル-、エチル-、プロピル、ブチル、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-及びヒドロキシメチルから選択される、請求項13に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  15. R2が、エチル又はプロピルである、請求項14に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  16. R2が、i-プロピルである、請求項15に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  17. R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノン環を形成している、請求項1〜16のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  18. R4が、R12及び、R4とR12が結合している窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成している、請求項1、2又は4〜16のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  19. R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成している、請求項1、2又は4〜16のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  20. R4が、水素、C1-C4-アルキル、シクロヘキシル、フェニル(ここで、該フェニルは、ヒドロキシル、C1-C4-アルコキシ又はC1-C4-アルキルで置換されている)、ベンジル及びR16-アルキレン-(ここで、R16は、ヒドロキシル、カルボキシ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、(C1-C4-アルキル)アミノ-、アミノ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニルアミノ-、C1-C4-アルコキシ-又は場合により置換されていてもよいN-ヘテロシクリル-である)から選択される、請求項1、2又は4〜16のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  21. R4が、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、カルボキシエチル、カルボキシメチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、アミノプロピル、メチルアミノプロピル、2,2-ジメチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル、アミノエチル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、イソプロピルアミノプロピル、ジイソプロピルアミノエチル、1-メチル-4-(ジエチルアミノ)ブチル、(t-Boc)アミノプロピル、ヒドロキシフェニル、ベンジル、メトキシフェニル、メチルメトキシフェニル、ジメチルフェニル、トリル、エチルフェニル、(オキソピロリジニル)プロピル、(メトキシカルボニル)エチル、ベンジルピペリジニル、ピリジニルエチル、ピリジニルメチル、モルホリニルエチル、モルホリニルプロピル、ピペリジニル、アゼチジニルメチル、アゼチジニルエチル、アゼチジニルプロピル、ピロリジニルエチル、ピロリジニルプロピル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチル、イミダゾリルプロピル、イミダゾリルエチル、(エチルピロリジニル)メチル、(メチルピロリジニル)エチル、(メチルピペリジニル)プロピル、(メチルピペラジニル)プロピル、フラニルメチル及びインドリルエチルから選択される、請求項20に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  22. R4が、R16-アルキレン-(ここで、R16は、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、C1-C4-アルコキシ-、ヒドロキシル又はN-ヘテロシクリルである)である、請求項20に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  23. R16が、アミノである、請求項22に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  24. R4が、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、メチルアミノブチル、メチルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノブチル、ジメチルアミノペンチル、ジメチルアミノヘキシル、エチルアミノエチル、エチルアミノプロピル、エチルアミノブチル、エチルアミノペンチル、エチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンチル又はジエチルアミノヘキシルである、請求項22に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  25. R4が、アミノプロピルである、請求項24に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  26. T及びT'の内の一方が存在せず、且つ、もう一方は場合により置換されていてもよいアルキレンである、請求項1、2又は4〜25のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  27. R12が、場合により置換されていてもよいC1-C13-アルキル、場合により置換されていてもよいアラルキル及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルである、請求項1〜16又は20〜26のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  28. R12が、-C(O)R3であり、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1-C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいアリールから選択される、請求項1〜16又は20〜26のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  29. R3が、
    フェニル;
    フェニル(ここで、該フェニルは、以下の置換基の1つ以上で置換されている:ハロ;C1-C4-アルキル;ヒドロキシで置換されているC1-C4-アルキル;C1-C4-アルコキシ;C1-C4-アルコキシ、ハロ、ニトロ、ホルミル、カルボキシ、シアノ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アシル、-N-アシル又はトリフルオロメチルで置換されているC1-C4-アルキル);
    ベンジル;
    フェノキシメチル-;
    ハロフェノキシメチル-;
    フェニルビニル-;
    ヘテロアリール-;
    ヘテロアリール-(ここで、該ヘテロアリールは、C1-C4-アルキルで置換されているか、又は、ハロで置換されているC1-C4-アルキルで置換されている);
    C1-C4-アルキル(ここで、該アルキルは、C1-C4-アルコキシ-で置換されている);
    及び
    ベンジルオキシメチル-;
    から選択される、請求項28に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  30. R3が、フェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、シアノフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メトキシメチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、カルボキシフェニル、ホルミルフェニル、エチルフェニル、トリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、メトキシクロロフェニル、ジヒドロ-ベンゾジオキシニル、メチルハロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、フラニル、C1-C4-アルキル置換フラニル、トリフルオロメチルフラニル、C1-C4-アルキル置換トリフルオロメチルフラニル、ベンゾフラニル、チオフェニル、C1-C4-アルキル置換チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジニル、インドリル、メチルピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、ピロリル、キノリニル、ピコリニル、ピラゾリル、C1-C4-アルキル置換ピラゾリル、N-メチルピラゾリル、C1-C4-アルキル置換N-メチルピラゾリル、C1-C4-アルキル置換ピラジニル、C1-C4-アルキル置換イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、モルホリノメチル、メチルチオメチル、メトキシメチル、N-メチルイミダゾリル及びイミダゾリルから選択される、請求項29に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  31. R3が、場合により置換されていてもよいフェニルである、請求項28に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  32. R3が、トリル、ハロフェニル、メチルハロフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、メチレンジオキシフェニル、ホルミルフェニル又はシアノフェニルである、請求項31に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  33. R12が、-SO2R3aであり、R3aは、C1-C13-アルキル-、フェニル-、ナフチル、フェニル(ここで、該フェニルは、シアノ、ハロ、低級-アルキル-、低級-アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ又はトリフルオロメチル-で置換されている)、ビフェニリル及びヘテロアリールから選択される、請求項1〜16又は20〜26のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  34. T及びT'が存在していない、請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  35. W、X、Y及びZの内の1つがNであり、且つ、残りはCであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル-、シアノベンジル又はナフタレニルメチル-であり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'が、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンであり;
    R12が、-C(O)R3(ここで、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいアリールである)であり;
    及び
    R4が、R16-アルキレン-(ここで、R16は、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、C1-C4-アルコキシ-、ヒドロキシル又はN-ヘテロシクリルである)である;
    請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  36. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり、R2が、プロピルである、請求項35に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  37. W、X、Y及びZの内の1つがNであり、且つ、残りはCであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'が、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンであり;
    及び
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリルを形成している;
    請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  38. W、X、Y及びZの内の1つがNであり、且つ、残りはCであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'が、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンであり;
    及び
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリジニル環を形成している;
    請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  39. W、X、Y及びZの内の1つがNであり、且つ、残りはCであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'が、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンであり;
    及び
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジニル環を形成している;
    請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  40. W、X、Y及びZの内の1つがNであり、且つ、残りはCであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'が、独立して、共有結合又は場合により置換されていてもよい低級アルキレンであり;
    及び
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノイル環を形成している;
    請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  41. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル-、シアノベンジル又はナフタレニルメチル-であり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'の内の一方が存在せず、且つ、もう一方は場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R12が、-C(O)R3(ここで、R3は、場合により置換されていてもよいC1-C8-アルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール及び場合により置換されていてもよいアリールである)であり;
    及び
    R4が、R16-アルキレン-(ここで、R16は、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ-、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ-、C1-C4-アルコキシ-、ヒドロキシル又はN-ヘテロシクリルである)である;
    請求項2に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  42. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり、R2が、プロピルである、請求項41に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  43. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'の内の一方が存在せず、且つ、もう一方は場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリルを形成している;
    請求項2に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  44. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'の内の一方が存在せず、且つ、もう一方は場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリジニル環を形成している;
    請求項2に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  45. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'の内の一方が存在せず、且つ、もう一方は場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジニル環を形成している;
    請求項2に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  46. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    T及びT'の内の一方が存在せず、且つ、もう一方は場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノイル環を形成している;
    請求項2に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  47. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    及び
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジニル環を形成している;
    請求項3に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  48. R1が、ベンジル、ハロベンジル、メトキシベンジル、シアノベンジル又はナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1-C4-アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R5、R6、R7及びR8が、独立して、水素、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びシアノから選択され;
    及び
    R4が、R12と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノイル環を形成している;
    請求項3に記載の少なくとも1種類の化学物質。
  49. 請求項1〜48のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質及び少なくとも1種類の製薬上許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物。
  50. 化学療法薬をさらに含んでいる、請求項49に記載の医薬組成物。
  51. KSPを阻害する方法であって、KSPを、有効量の請求項1〜48のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質又は請求項49若しくは50のいずれか1項に記載の医薬組成物と接触させることを含む、前記方法。
  52. 細胞増殖性疾患を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、請求項1〜48のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質又は請求項49若しくは50のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
  53. 前記細胞増殖性疾患が、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害及び炎症から選択される、請求項52に記載の方法。
  54. 細胞増殖性疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1〜48のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質の使用。
  55. KSPキネシン活性に関連する障害を治療するための医薬を製造するための、請求項54で定義されている少なくとも1種類の化学物質の使用。
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