JP2007510704A - 組成物及びその使用 - Google Patents

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Abstract

個体における血清グルコース濃度を調節する方法を説明する。説明される方法は、個体に、モチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンであるデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含むものである。この方法は、低血糖症状を引き起こしやすい患者、例えば、糖原病、糖尿病又は肝疾患を有する患者における低血糖を治療し、又は予防するために用いることができる。上記方法は、スポーツ栄養にも用いることができる。上記方法において使用される組成物についても説明する。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、哺乳動物における血清グルコース濃度を調節する方法に関する。特に、本発明は、グルコース濃度の激しい変動を防止する方法に関するものであり、また、低血糖を特徴とする疾患(例えば、糖原病(GSD))、及び、グルコースの形のエネルギーの徐放が要求される可能性がある臨床状態(例えば、糖尿病)、の治療における上記方法の使用、並びに、エネルギーの徐放が望ましい、スポーツタイプ及びフィットネスタイプの製品のための上記方法の使用に関するものである。
発明の背景
食物及び食料品からのエネルギーの放出は複雑な過程である。それは、食物の組成、構造、加工の程度、及び体積に依存する。また、エネルギーの放出は個体間でも多様であり、恐らく年齢、フィットネスのレベル、胃内容排出及び胃蠕動の速度、性別、サイズ、健康状態等の組合せを含む、多種多様な要因を反映する。エネルギーは、種々の食物源、例えば、炭水化物、脂質及びタンパク質、アルコール等から発生する可能性がある。ヒトを含む多くの動物では、エネルギーが脂肪(脂肪組織)として貯蔵され、食物が不足すると、貯蔵されたエネルギーが供給される。しかし、より容易に利用可能な形式のエネルギーがあり、その形式では、グルコースポリマー(グリコーゲン)が筋肉及び肝臓に貯蔵され、必要な時に迅速に動員することができる。グリコーゲンの形成及び貯蔵は同調した酵素過程であり、その過程は、グルコース前駆体からのグリコーゲンの形成を促進するインスリンによって部分的に調節される(図1)。ヒトでは、グルコースの蓄積及びグリコーゲンの異化が協調して、血中グルコースを約4.5mmol・L−1に維持する。
糖原病:
正常なヒトにおいて、グリコーゲンの同化及び異化は、通常は調整的に制御される。グリコーゲンの蓄積はインスリンによって促進されるが、グリコーゲンの加水分解及びグルコースへの変換は、アドレナリン(特に筋肉)及びグルカゴン(特に肝臓)によって促進される。
糖原病(GSD)では、グリコーゲンの蓄積又は加水分解(http://www.agsd.org.uk/home/information.asp、http://agsdus.org/body_whatis_1.html)に関して、また、それ故、血中グルコース濃度に関して遺伝的欠損が存在する。図1は、グリコーゲン代謝の原理の概略を示している。
最もよく見られるタイプの糖原病は以下の通りである。
I型(フォンギールケ病)の個体は、グルコース−6−ホスファターゼ活性(図1中の「h」)を欠如し、それ故、グリコーゲンからグルコースを生成することができない。その結果、それらの個体は、経管栄養補給を受けて血中グルコースを維持する必要がある。
II型(ポンペ病)の個体は、α−グルコシダーゼ活性(図1中の「i」)を欠如している。乳児は、この型が原因でごく早く死亡することが多い。
III型(コリ病)の個体は、脱分枝酵素活性(図1中の「i」)を欠如している。治療は、通常は高タンパク食からなる。
IV型(アンダーソン病)の個体は、分枝酵素活性(図1中の「e」)を欠如している。肝臓移植が、唯一の実行可能な治療法である。
V型(マックアードル病)の個体は、筋ホスホリラーゼ活性(図1中の「f」)を欠如している。過度の運動は避けた方がよい。
VI型(ヘルス病)の個体は、肝ホスホリラーゼ活性(図1中の「f」)を欠如している。雄X染色体連鎖が存在する。
VII型(垂井病)の個体は、筋ホスホフルクトキナーゼ活性を欠如している。過度の運動は避けた方がよい。
IX型の個体は、肝ホスホリラーゼ活性(図1中の「f」)を欠如している。雄X染色体連鎖が存在し、VI型に類似する。
低血糖は、グルコースの低速投与(経口投与又は静脈内投与)によって、或いは、デンプンの加水分解物(例えば、マルトース、デキストリン等)、又は消化されてグルコースが遊離される天然デンプンから治療することができる。実際には、入手が可能であること、及び消化応答の点で優れた代替物が存在しないことにより、通常のトウモロコシデンプンである「コーンスターチ」を使用して、(特に睡眠中に)糖原病を治療する。デンプンは、ゆっくり消化される必要があり、速やかにグルコースに変換されたり、ほとんど加水分解されずに排泄されたりすることがあってはならない。糖尿病のような他の臨床状態でも、グルコースを低速で、且つ非糖系マトリックス(例えば、ケーキ、ビスケット、菓子等)から供給する必要がある。従って、これはデンプンによっても達成することができる(腸内加水分解)。また、血中でグルコースが必須であり、且つ当該グルコースが制御されている必要がある夜間治療法において重要である。
最適と思われる基質を用いて、臨床栄養のためにグルコース、マルトデキストリン又はトウモロコシデンプンを投与することの利点及び欠点を表1に明示する。
Figure 2007510704
(エネルギーの徐放)
上述の臨床状態とは別に、運動選手はエネルギーの持続放出を必要とする。糖又はマルトデキストリンに基づいてエネルギーを放出する多くの製品が市販されている。例えば、表2に示した製品が挙げられる。しかし、糖及びデキストリンは極めて迅速に吸収される。そして、必要とされる身体へのエネルギー負荷を維持するためには、これらの製品を定期的に摂取しなければならない。
Figure 2007510704
(エネルギー徐放性栄養製剤)
上述のように、スポーツ栄養のための徐放製品はパウチに収容され、グルコース又はマルトデキストリンにエネルギーを供給させる傾向にある。これらは実際に、直ちに吸収される(例えば、グルコース)か、比較的迅速にグルコースに変換される(例えば、マルトデキストリン。恐らく、遅くても60分以内)かのいずれかであるので、速やかに吸収される。
他方、糖原病(特定の治療可能なタイプ、上記参照)の管理は、患者が特に、例えば夜間のグルコースの徐放を受けることを必要とする。この目的のために天然デンプンが提供される。天然デンプンの場合、グルコースの初期の遊離段階が短かすぎず(下図参照)、グルコースが、遅すぎても速すぎてもならない、可能な限り一定の速度で放出され、乳酸の生成(嫌気呼吸)が最小限に抑えられる。ある種のデンプンは、天然形態において限定的な加水分解しか示さないことから避けるべきである(例えば、ジャガイモ)。
従って、デンプンの消化の程度及び速度は、摂取されたα−グルカンからのグルコースの放出に関する重要なパラメーターである。これらのパラメーターの制御は、デンプンの状態、及びエネルギー源が腸を移動する速度を反映する。エネルギー源及び通過時間によって調節可能な、エネルギー放出における均衡が必要となる。
浸透圧もまた、炭水化物の利用に関する重大な特性である。砂糖水は、溶液中のモル数により、多糖に比べて高い浸透圧を及ぼす。
摂取された物質の粘度もまた、加水分解を受けて、関連化合物を粘膜表面と接触可能にする、当該物質の能力に影響する。これは、潜在的なエネルギー源に関する製品開発に関わる極めて重要な問題である。
血糖指数(GI)もまた、食物、より詳細にはα−グルカンからのエネルギー利用率の重要な決定因子である。これに関連して、白パンはGI1を示す。これは、α−グルカン画分の利用率が百パーセント(0から1の尺度では1)であることを表す。
(胃内容排出)
上述のように、胃内容排出の速度及び程度は、腸管を通過する食物の通過時間を部分的に調節する。高体積−低エネルギーは胃内容排出を促進し、他方、低体積−高エネルギーは胃内容排出を制限することが明らかになっている。脂質及びタンパク質は、胃内容排出の制限に関わる重要な補助物質である。
糖原病及び糖尿病は、従来、通常のトウモロコシデンプンである「コーンスターチ」を投与することによって管理されている(Kaufman、2002)。高速(例えば、糖)、中速(例えば、糊化デンプン)及び低速(「コーンスターチ」)で消化され、その結果、血中にグルコースを出現させる複数の炭水化物が種々の割合で利用されることもある(Wilbert、1998)。マルトデキストリン又は「グルコースポリマー」を伴う、又は伴わない糖の組合せは、「エネルギー飲料」(水分補給飲料を含む。)に利用されることが多く、また、塩類、タンパク質、脂肪酸、グリセロール、無機質、香料等、他の成分と共に利用されることが多い(Gawen、1981;Tauderら、1986;Burlingら、1989;Gordeladze、1997;Paul及びAshmead、1993及び1994;Vinciら、1993;Fischerら、1994;Simone、1995;Gordeladze、1997;King、1998;Kurppa、1998;Cooperら、2001;Portman、2002)。マルトデキストリン/グルコースポリマーは、(糖と比較して、)エネルギー利用率を低減させ、より低い浸透圧を及ぼすために使用される。
Brynolfら(1999)は、デンプンの古典的酸加水分解によって生産され、身体活動前のエネルギー源として使用する、分子量15000〜10000000の酸修飾デンプンの生産について記載している。Lapreら(1996)は、非デンプン性多糖で食物を被覆し(カチオン性ゲル化)、炭水化物含有食物の血糖反応を低減させるという方法について論じている。
しかし、GSDのような状態の治療に使用される、現在入手可能なデンプン製剤は、グルコース系及びマルトデキストリン系の製品に比べて長時間のグルコースの放出プロフィールを有するが、その製品が血清グルコース濃度を許容可能な範囲内に維持することができる時間は比較的短い。従って、現在のところ、従来の経口製剤を使用すると、低血糖症状を引き起こしやすい患者は、一般に、4時間を超えない間隔でそのようなグルコース源を摂取しなければならない。日中は許容可能であるとしても、繰返し投与が必要であることは夜間には極めて不便である。患者は、一晩中眠らずに、又は起きて投与を受けるか、或いはグルコースの不断の供給源を提供する経鼻胃管を留置して眠らなければならない。
従って、従来の治療法よりも長時間に渡って、血清グルコース濃度を安全範囲内に維持する別の手段に対する需要は大きい。
発明の概要
本発明者らは、鋭意研究の結果、驚くべきことに、エネルギー徐放用製剤に従来使用されていた、通常のデンプン、又は高アミロース半結晶性デンプンと比較して、半結晶性モチデンプンが、ヒトGI管におけるグルコース放出の時間を有意に長くすることを見出した。
従って、第1の態様において、本発明は、個体における血清グルコース濃度を調節する方法であって、前記個体に、モチデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
第2の態様において、本発明は、個体における低血糖を治療し、又は予防する方法であって、前記個体に、モチデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
第3の態様によれば、本発明は、低血糖症状を引き起こしやすい個体を治療して、低血糖症状を予防し、又は減少させる方法であって、前記個体に、モチデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
好ましい一実施形態において、前記治療は、夜間の低血糖症状を予防し、又は低減する治療である。
本明細書で説明するように、本発明者らは、モチデンプンを摂取すると、グルコースの放出時間が長くなることを見出した。
また、そのような半結晶性デンプンがグルコースの有利な徐放をもたらすことを見出しただけでなく、本発明者らは、意外なことに、デンプンからグルコースが放出される時間、及び、食品組成物の更なる服用がなくても、患者の血清グルコース濃度が維持される時間を、本発明で使用されるデンプンの水熱処理によって顕著に増大させることができることを更に見出した。実際に、下記の実施例に示すように、食品組成物の更なる服用がなくても、患者の血清グルコース濃度が維持される時間は、そのような水熱処理デンプン(例えば、湿熱処理デンプン)の使用によって、6時間を超える時間、実際には通常7時間を超える時間まで延長される可能性がある。従って、本発明の方法におけるそのようなデンプン(又は、実際には他の水熱処理デンプン)の使用は、夜間に低血糖症状を引き起こしやすい患者が、経鼻胃管投与、又は更なる食物服用を一晩中行うことなしに、十分に正常な時間、すなわち6時間を超える時間、好ましくは7時間を超える時間、睡眠し続けることを可能にする。
従って、本発明の好ましい実施形態において、デンプンは水熱処理(HTT)モチデンプンである。前記水熱処理モチデンプンは、好ましくは湿熱処理(HMT)モチデンプンである。
しかし、水熱処理がモチデンプンに極めて有利な効果を奏することを見出しただけでなく、本発明者らはまた、水熱処理が非モチデンプンのグルコース放出プロフィールも改善延長することを明らかにした。
従って、本発明の第4の独立した態様では、個体における血清グルコース濃度を調節する方法であって、前記個体に、水熱処理デンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法が提供される。
第5の態様において、本発明は、個体における低血糖を治療し、又は予防する方法であって、前記個体に、水熱処理デンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
第6の態様によれば、本発明は、低血糖症状を引き起こしやすい個体を治療して、低血糖症状を予防し、又は減少させる方法であって、前記個体に、水熱処理デンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
好ましい一実施形態において、前記治療は、夜間の低血糖症状を予防し、又は低減する治療である。
本発明の第4、第5及び第6の態様では、任意の適当な水熱処理デンプンを使用することができる。前記水熱処理デンプンは、湿熱処理されたデンプン、又はアニーリング処理に供されたデンプンでもよい。好ましい実施形態において、水熱処理デンプンは湿熱処理デンプンである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明のデンプン、及び本発明で使用されるデンプンは、「モチデンプン」である。
本発明のいずれかの態様で使用されるモチデンプンは、アミロペクチン含有量が70%以上のデンプンであればよく、アミロペクチン含有量は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、一層更に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上である。そのようなモチデンプンは、穀類のモチデンプンであっても、非穀類のモチデンプンであってもよい。前記モチデンプンは、好ましくは、穀類のモチデンプン、例えばモチトウモロコシデンプンである。
本発明のデンプン、及び本発明で使用されるデンプンは、好ましくは、顆粒のサイズが10〜35μmの範囲内にあるものであり、顆粒のサイズは、より好ましくは15〜30μmの範囲内である。
本発明で使用されるデンプンは、好ましくは、投与300分後に、血中グルコース濃度が3.0mmol・L−1を超えていることを可能にするものである。
好ましい実施形態において、治療用食品組成物は、使用時に、投与の結果、最大血中グルコース濃度が9mmol・L−1を超えることがないものである。更なる実施形態において、治療用食品組成物は、使用時に、投与の結果、最大血中グルコース濃度が8mmol・L−1を超えることがないものである。
特に好ましい実施形態において、デンプンは、使用時に、投与300分後に、血中グルコース濃度が3.0mmol・L−1を超えていることを可能にするが、9.0mmol・L−1を超える血中グルコース濃度のピーク、例えば8.0mmol・L−1を超えるピークを生じないものである。
血中グルコース濃度への言及は、通常の体重、例えば72kgの典型的な成人を基準として行う。
本発明の治療用食品組成物、及び本発明の方法で使用される治療用食品組成物は、好ましくは、単位用量当たり50gを超えるデンプンを含有するものであり、単位用量当たりのデンプン含有量は、好ましくは60gを超え、例えば70gを超え、更に好ましくは80gを超え、最も好ましくは90g以上である。
本発明の第7の態様では、低血糖の治療のための治療用食品の調製におけるデンプンの使用であって、前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである使用が提供される。
また、低血糖症状、例えば夜間の低血糖症状の治療又は予防のための治療用食品の調製におけるデンプンの使用であって、前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである使用が、本発明によって提供される。
また、デンプンを含有する治療用食品であって、前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである治療用食品が、本発明によって更に提供される。
本発明の治療用食品及び食品組成物、並びに本発明で使用される治療用食品及び食品組成物は、キットの形態で提供されてもよい。従って、第8の態様において、本発明は、
a)デンプンを含有する治療用食品組成物と、
b)前記治療用食品組成物の摂取に関する説明書と、
を備える治療用食品キットを提供する。ここで、上記デンプンは、モチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである。
本発明の方法及び治療用食品、並びに本発明で使用される方法及び治療用食品は、低血糖の存在又は低血糖に対する感受性に関連した疾患を有する個体を治療するために使用することができる。そのような疾患としては、糖尿病(I型及びII型)、糖原病、肝疾患(例えば、肝硬変)が挙げられるが、それらに限定されない。
また、本発明の方法及び治療用食品、並びに本発明で使用される方法及び治療用食品は、そのような疾患を有する個体に対してのみ使用されるわけではない。モチデンプンであり、且つ/又は水熱処理されたデンプンであるデンプンが、通常のデンプンと比較して、GI管におけるグルコース放出の時間を有意に長くすることが、本発明者らによって明らかにされたことにより、そのような、モチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンであるデンプンを、例えば、スポーツ栄養のための治療用食品で使用して、運動時(例えば、長時間の運動時)に食物源の持続放出をもたらすことを可能にする。
従って、本発明は更に、スポーツ栄養食品の調製におけるデンプンの使用であって、前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである使用に及ぶ。
また、デンプンを含有するスポーツ栄養食品であって、前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンであるスポーツ栄養食品が、本発明によって更に提供される。
本発明の各態様の好ましい特徴は、適宜変更を加えた他の態様の各々に関するものでもある。
詳細な説明
上述したように、本発明者らは、α−グルカンの供給源としてモチデンプンを使用すると、哺乳動物血液中のグルコースの形成及び出現の速度の調節に関して大幅な改善が可能となり、低血糖症状を特徴とする状態に対する従来の治療法を改善し、且つ/又は補完することができることを見出した。そのようなデンプンは、小腸におけるアミラーゼ加水分解によるグルコース放出の持続時間に関して、従来使用されている「コーンスターチ」(天然トウモロコシデンプン)に比べて大幅に優れている。
また、本発明者らは、最適なデンプンを加工すること、例えば、水熱処理(例えば、湿熱処理)を行うことによって、グルコース放出プロフィールを更に劇的に延長することができることを示した。実際に、水熱処理は、従来の非モチデンプンにおいても大幅な改善をもたらす。従って、本発明は、モチデンプンの代わりに、水熱処理デンプン、好ましくは湿熱処理デンプン(モチ性及び非モチ性のいずれでもよい。)を使用する、本発明の第1、第2及び第3の態様の方法にも及ぶ。
(デンプン)
デンプンは、直径>5〜<50μmの範囲のほぼ球形の顆粒として、植物によって生成される。デンプンは、供給源に応じて、約11〜17%の水分、約82〜88%のα−グルカン、<約1.5%の脂質、及び<約0.6%のタンパク質を含有する。α−グルカンは、2種の分子、すなわちアミロース及びアミロペクチンを含有する。前者は、約99%のα−(1−4)結合、及び約1%のα−(1−6)結合を含有する、分子量約500000の実質的に線状の分子である。アミロペクチンは、アミロースよりはるかに大きい、分子量数百万の分子であり、約95%のα−(1−4)結合、及び約5%のα−(1−6)結合を有し、高度に分岐している。アミロペクチンの外部鎖同士は二重らせんとして会合し、二重らせん自体は整然と配列して結晶性積層膜を形成する。これらの結晶性積層膜には、アミロースに加えて、アミロペクチンの非結晶性領域(分枝領域)を含む無定形物質が散在している。アミロースは、穀類デンプンにおいて、脂質と包接錯体を形成し、2種の形態の分子、すなわち、脂質と錯体形成している分子、及び脂質と錯体形成していない分子をもたらす。
通常のデンプンにおいて、アミロペクチンは結晶の「シート」である。モチデンプンはアミロペクチン含有量が高いことから、より大きな比率の結晶化度を有する。高アミロースデンプンは、アミロペクチン及びアミロースの両方に由来する結晶性物質を含有する。
<約20%のアミロース(80%のアミロペクチン)を含有するデンプンは一般に「モチデンプン」と呼ばれ、約20〜40%のアミロースを含有するものは一般に「通常のデンプン」と呼ばれ、約>40%のアミロースを含有するものは一般に高アミロースデンプン又はアミロスターチ(amylostarch)と呼ばれる。例えば、通常のトウモロコシデンプン及びコムギデンプンでは、アミロースが約30%である。
半結晶性天然デンプン顆粒は不溶性であり、大部分はヒトの消化酵素では消化されない。ヒトにおける天然デンプンの消化の調節は十分に理解されていないが、たいていのデンプンが調理前に加工処理されることから、栄養学上の大きな関心を集めていない。デンプンの加工処理には、水に浸けて加熱する工程が含まれ、この工程により、結晶性領域が破壊され、デンプンが「糊化」する。糊化デンプンは、その無定形性故に、ヒトの小腸において、アミラーゼ及び関連酵素に極めて消化されやすい。天然デンプン及び抵抗性デンプン(下記)は、小腸で部分的に消化されるものの、大腸で発酵する。大腸における炭水化物の発酵生成物としては、短鎖脂肪酸(SCFA)、並びに二酸化炭素、水素及びメタンのような気体がある。
抵抗性デンプンには、多数の形態のものが含まれる。抵抗性デンプンは、ただ単に、ヒトの小腸で合成された酵素による加水分解に対して抵抗性であるに過ぎない。このようなデンプンとしては、小食物粒子封入デンプン、天然デンプン、再結晶(老化)デンプン、及び化学的に修飾されたデンプンが挙げられる。
デンプンを(典型的には、酸で化学的に、又はα−アミラーゼ及びアミログルコシダーゼで酵素的に)加水分解すると、「デキストリン」と呼ばれるより小分子が生成する。生成物は、最も小さい単糖であるグルコースと同じ大きさであってもよいし、また、僅かに加水分解を受けただけで、依然としてポリマーであってもよい。グルコースシロップはデンプンの加水分解から作られ、変換の性質及び程度に応じて多様な比率の糖及びデキストリンを含有する。変換の程度は、通常はデキストロース当量(DE)で表される。DEは、加水分解物の還元力を純デキストロース(グルコース)の還元力に換算したものである。
マルトデキストリンはDP20以下、GRAS品質、無味及び易溶性である。マルトデキストリンは消化されやすく、その溶解性、及び、グルコース(容易に吸収される。)に比べて低速と報告されている消化性からエネルギー飲料に使用されている。グルコース溶液又はマルトデキストリン溶液を飲用した時の、血中におけるグルコース出現速度の差は比較的小さい(例えば、約45分)が、これは、マルトデキストリンの変換の程度に起因する。
本発明では、任意の適当な半結晶性又は結晶性デンプンを使用することができる。好ましい実施形態において、本発明のデンプン、及び本発明で使用されるデンプンは、モチデンプンである。
デンプンは、天然に生成したデンプンであってもよいし、また、任意の適当な方法、例えば、植物育種法又はバイオテクノロジー法(トランスジェニック技術等を含む。)を用いて合成的に生産されたものであってもよい。
天然デンプンとしては、平均直径約15〜35μmのモチデンプンが好ましい。
(水熱処理デンプン)
上述したように、また、下記の実施例に示すように、本発明者らは、水熱処理デンプンを使用した時に特に良好な結果が得られることを見出した。
2つの主な方法、すなわち湿熱処理(高温、低水分)及びアニーリング(高水分、低温)が、現在、デンプンの水熱処理に用いられている。
(湿熱処理デンプン(HMTデンプン))
湿熱処理デンプンは、典型的には、含水デンプン(例えば、水分15〜30%)を、例えば95℃〜130℃の温度に最大30時間(概して16〜24時間)曝露することによって生産される。これらの範囲は、他の湿熱プロフィールを排除するものではない。例えば、本発明で使用されるHMTデンプンは、密封容器中、「水分20%、105℃、及び16時間」の条件でデンプンを熱処理することによって生産することができる。処理されたデンプンは、次いで室温まで冷却し、空気乾燥した後、300umのふるいに通してもよい。
このような湿熱処理は、デンプンに多数の重大な性質の変化をもたらす。効果の程度はデンプンの種類によって異なるが、効果は、一般に下記の通りである。
・糊化温度の上昇
・水分吸収及び膨化力の低減
・X線回折パターンの変化
・酵素感受性の増大
本明細書で説明するように、湿熱処理は、酵素分解に対する感受性が増加したデンプンをもたらすが、本発明者らは、驚くべきことに、湿熱処理デンプンを本発明の方法において使用すると、対応する非湿熱処理デンプンと比較して、血清グルコース濃度が維持される時間が有意に長くなることを示した。
(デンプンのアニーリング処理)
本発明の特定の実施形態において、本発明のデンプン、及び本発明で使用されるデンプンは、アニーリング処理デンプンである。任意の適当なアニーリング処理デンプンを使用することができる。
アニーリングは、デンプン顆粒を、過剰量の水の中で、室温よりも若干高い温度で、比較的長時間処理する処理法である。一般に、デンプンのアニーリングには、ガラス転移温度と糊化温度との間の温度下、水(>40w/w%)中で、1時間〜10日間、デンプン顆粒をインキュベーションする工程が含まれる。アニーリング条件としては、「過剰な水の中、糊化開始温度を10℃未満下回る温度、最大7日間」が好ましい。
(治療(法)(Treatment/Therapy))
「治療(法)(Treatment)」(文脈上、異なる意味に解するべき場合でない限り、「Therapy」と同義で用いられる。)には、ヒト又は非ヒト動物の利益となりうる任意の治療(法)(regime)が含まれる。治療(法)(Treatment)は、現在の状態に関するものであってもよいし、また、予防的なもの(予防的治療(法))であってもよい。治療(法)は、治癒効果、緩和効果又は予防効果を含む意味で用いられることもある。
(食品組成物)
本発明は、低血糖症状を特徴とする疾患の治療のための治療用食品組成物であって、前記組成物が半結晶性デンプンを含有する治療用食品組成物に及ぶ。
本発明の治療用食品組成物、及び本発明で使用される治療用食品組成物は、単に上記デンプンからなるものであってもよいが、添加物を更に含有するのが好ましい。そのような添加物は、単に当該組成物の味に寄与するもの(例えば、着香料)であってもよいし、また、重要なカロリーに寄与するもの(例えば、デンプンよりも迅速な放出プロフィールを有する糖、又は脂質)であってもよい。これらの化合物は、胃内容排出を遅らせ、効果発現を促進するために組み入れることもできる(例えば、アミノ酸、脂質等)。
治療用食品組成物は、多様な形態(例えば、食物、栄養補助食品、液体、エマルション又はそれらの混合形態)を採ることができる。好ましくは、インスタント食品(例えば、スナックバー、ベーカリー製品、パスタ又は飲料)として調製されたものである。
或いは、治療用食品組成物は、医薬組成物として投与してもよい。医薬組成物は、一般に、目的の投与経路に応じて選択された、適当な医薬賦形剤、希釈剤又は担体を含有する。
適当な投与経路としては、経口投与、直腸投与又は非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内、皮内投与等)が挙げられる(但し、それらに限定されない)。
静脈内注射の場合、有効成分は、発熱物質を含有せず、適当なpH、等張性及び安定性を有する、非経口的に許容可能な水溶液の形態にする。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液又は乳酸リンゲル液のような等張ビヒクルを用いて適当な溶液を調製する十分な能力を有する。必要に応じて、保存剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤及び/又は他の添加物を含有させてもよい。
しかし、上記組成物は、好ましくは経口投与用である。経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末及び液体のいずれの形態でもよい。錠剤は、ゼラチンのような固体担体、又は補助剤を含有してもよい。液体医薬組成物は、一般に、水、石油、動物油、植物油、鉱物油又は合成油のような液体担体を含有する。生理食塩水、デキストロース溶液若しくは他の糖溶液、又はエチレングリコール、プロピレングリコール若しくはポリエチレングリコールのようなグリコール類を含有してもよい。
上述の技法及びプロトコル、並びに本発明により使用可能な他の技法及びプロトコルの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Oslo,A.(編)、1980に見出すことができる。
(投与量)
本発明の治療用食品組成物、及び本発明で使用される治療用食品組成物は、好ましくは「治療有効量」で個体に投与される。「治療有効量」とは、個体に対する有益性を示すのに十分な量である。実際の投与量、及び投与の速度及び時間的経過は、治療対象の性質及び重症度によって決定される。治療の処方、例えば用量等の決定は、最終的には、一般医及び他の医師の責任の範囲内で、その裁量により行われるが、一般には、処方の際に、治療対象となる疾患、個々の患者の状態、送達部位、投与方法、及び医師に知られた他の要因が考慮される。
最適な投与量は、例えば、年齢、性別、体重、治療対象となる状態の重症度、投与される有効成分及び投与経路等、多数のパラメーターに基づいて、医師が決定することができる。
以下の実施例において、本発明を更に説明する。但し、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。添付の図面を参照する。
(実施例1:in vitro加水分解)
普通の天然デンプン(オオムギ、トウモロコシ、ジャガイモ、コメ及びコムギ)について、アミラーゼ加水分解プロフィール、及び個体におけるエネルギーの徐放の可能性を確認するために、Karkalasら(1992)の方法(in vitro)を用いて、それらのデンプンを評価した。これらのデータを図2に示す。
図2から明らかなように、コメデンプンは、最初は高速のエネルギー放出プロフィールを有し、その後、はるかに低速の過程が続く。対照的に、バレイショデンプン及び高アミロースデンプンはアミラーゼ加水分解に大きな抵抗性を示し、酵素の影響をほとんど受けない。通常のトウモロコシ、モチトウモロコシ及びコムギに由来するデンプンは、持続的な徐放エネルギープロフィールを示す。これらのデータは、本発明の目的に最も適したデンプンをin vitroで選択するための基礎を提供する(後述)。それらが、現実の腸管における加水分解の速度又は程度を規定するものではなく、in vitro系に基づく加水分解の速度又は程度を整理する手段を提供するものであることに注意すること。
(実施例2:天然デンプンの消化)
臨床管理下で、GSDに罹患した個体に、セミスキムドミルクに分散した天然デンプン試料60gを投与した。血中のグルコース及び乳酸の量を測定した。その結果を図3及び4に示す。消化に対する抵抗性(及び、それ故、潜在的大腸障害の原因になること)を考慮して、天然バレイショデンプンは摂取させなかった。
これらのデータは、モチゴメデンプンが極めて迅速にグルコースを放出し、摂取1時間後に、最高の(高すぎる)初期グルコースピーク(8.7mmol・L−1)が得られたことを示している。その後、血中グルコース濃度は、4.5時間(270分)以内に3mmol・L−1に低下した。通常のコメは、より長時間の放出プロフィールを伴う、はるかに低い初期グルコースピークを示した(5時間(300分)以内に示したピークが3.2mmol・L−1であったことに対応する。)が、実験の全過程で放出されたグルコースは、モチゴメデンプンに比べて少なかった。高アミロースデンプンは、極めて長時間に渡ってグルコースの放出を制限した(但し、これは、物理的/化学的/酵素的修飾、又はバイオテクノロジーによる修飾によって緩和することができる)。通常のトウモロコシデンプン(「コーンスターチ」)は、摂取1時間後に低いグルコースピーク(6.6mmol・L−1)を示し、300分後の値が2.9mmol・L−1、という持続放出を伴った。モチトウモロコシデンプンは、驚くべきことに、摂取1時間後の血中グルコースが7mmol・L−1未満、という最適な放出プロフィールを示した。この放出プロフィールは、6時間(330分)の時点までは特筆すべきものであり、血中グルコースは、その時点で2.9mmol・L−1に低下していた。
血中乳酸も、摂取されたデンプンを反映していた(図4)。高アミローストウモロコシデンプンは、ほとんど消化されないことから、最小の乳酸応答(最高の乳酸値)を示した(図3)。乳酸の最大の減少は、モチトウモロコシデンプンによって達成された。これは、以前のデータと同様であり、GSD、及びエネルギーの徐放を必要とする類似の状態に対してモチトウモロコシデンプンが使用される可能性を増大させるものである。
これらのデータを基にすると、腸における天然デンプンからグルコースへの加水分解を制御する、顆粒のサイズ及び組成の効果が存在するのは明らかである。1時間グルコースピーク、放出持続時間に基づいて治療用デンプンを選択することと、時間を伴ったグルコース放出量(積分面積)に基づいて治療用デンプンを選択することと、の間にはバランスがある。従って、本発明の目的のために好ましいデンプンは下記の通りである。
a)高度な結晶性(半結晶性)を有するもの。モチデンプンは、本発明の目的に最も適当な結晶性(アミロペクチン)マトリックスを提供する。
b)消化能力を超えない程度の適度に大きな顆粒を有するもの。コメデンプン(平均直径約5μm)は小さすぎる。トウモロコシデンプン顆粒が好ましい(平均直径約20〜25μm)。
穀類デンプンは脂質を含有し、サイズ及び組成の点では、それ以外のデンプンがより適当であると考えられている。しかし、消化性の欠如、及び、大きな顆粒を食する潜在的危険性(大腸損傷を引き起こすおそれがある。)を考慮して、本発明の目的のためには、直径約40μmを超える顆粒を摂取しないことを提案する。
(実施例3:糊化デンプン増粘剤の存在下の天然デンプンの消化)
臨床管理下で、GSDに罹患した個体に、2種の天然デンプン試料(コムギデンプン又はモチトウモロコシデンプン)60gを投与した。各試料は、冷セミスキムドミルクに分散した、いずれかのデンプン54g及び糊化トウモロコシデンプン(National B37、National Starch & Chemical)6gを含有していた。血中のグルコース及び乳酸の量を測定した。その結果を図5及び6に示す。
これらのデータは、無定形(糊化)デンプンの存在下でも、モチトウモロコシデンプンは、コムギデンプンよりも消化に抵抗性であることを示している(図5)。コムギデンプンは、二峰性分布を示す、小顆粒(平均直径約10μm)及び大顆粒(平均直径約25μm)を含有するが、類似した組成(アミロース、脂質、水分及びタンパク質)を有する。上述のことは、低い血中乳酸に反映される(図6に示すように、患者がモチトウモロコシデンプンを投与され、より高い乳酸含有量から開始した場合であっても)。この研究の重要性は、モチデンプンを、より速やかなグルコース応答をもたらす能力を有する他の物質と混合しても、モチデンプンが依然として徐放機能を発揮することができることを示していることにある。
(実施例4:非デンプン性多糖の存在下の天然デンプンの消化)
Tester及びKarkalas(1999)に従って、天然モチトウモロコシデンプン(Amioca Powder T、National Starch)を、可溶性デンプン(Crystal Tex 626、National Starch)と、ペクチン(LM−104AS−FS、CPKelco)又はアルギン酸(Manugel GMB、Manugel)と、に封入した。デンプンと非デンプン性多糖(NSP)との最終的な比は、5.7:1又は19:1であった。天然デンプンに対する可溶性デンプンの割合は、上記2条件に関しては、使用した天然デンプンの割合に応じて変化させたが、両方の非デンプン性多糖条件に関しては同じとした。これは、単に比較のためである。
臨床管理下で、GSDに罹患した個体に、冷セミスキムドミルクに分散したNSP封入デンプン試料70g又は63g(デンプン対NSPの比に依存)を投与した。血中のグルコース及び乳酸の量を測定した。その結果を図7及び8に示す。
これらのデータは、デンプンの量は予想通りグルコースの放出の程度を変化させるものの、アルギン酸成分又はペクチン成分は、5時間(300分)を大きく超えて放出プロフィールを延長することがないことを示している。従って、非デンプン性多糖の「ラフト」又は食物マトリックスの存在は、それだけでは、デンプン(天然であれ可溶性であれ)の加水分解速度を遅くするには不十分である。血中乳酸応答は血中グルコースを反映するが、ここで、アルギン酸は、ペクチンと比較して、(加水分解をより制限することから)乳酸の生成をより顕著に低減するようである。
(実施例5:脂質存在下の天然デンプンの消化)
デンプン(Amioca Powder T、National Starch)を、可溶性デンプン(Crystal Tex 626、National Starch)を添加して、又は添加せずに、次のように脂質(Revel A、Loders Croklaan B.V.)に封入した。デンプンを溶解可能な最少量のエタノールに、脂質を溶解させた。次いで、均質になるまで、デンプンをそのエタノール溶液と十分に混合した。デンプンをトレーに載せ、エタノールが系からすべて蒸発するまで、(ガス排出装置付きの箱の中で)エタノール/脂質/デンプン系の上に35℃の空気を流した。デンプンと脂質との最終的な比率は9:1であった。使用時において、可溶性デンプンの割合は全デンプン画分の10%であった。
臨床管理下で、GSDに罹患した個体に、冷セミスキムドミルクに分散した脂質封入デンプン試料66gを投与した。血中グルコースの量を測定した。その結果を図9に示す。
これらのデータは、すべての時点で、脂質がデンプン消化量を制限することを示している(比較のために前図を参照のこと)。全般的に見れば、このアプローチは、デンプンからのグルコース放出(加水分解の程度)を調節するのに適当でない。それは、全過程で放出される量が減少し、また、実際の持続時間が短くなるからである。
(実施例6:水熱処理デンプンの消化)
デンプン(Amioca Powder T、National Starch)を、密封容器中、「水分20%、105℃、16時間」の条件で熱処理した。次いで、処理後のデンプンを室温まで冷却し、空気乾燥した後、300umのふるいに通した。
臨床管理下で、GSDに罹患した個体に、冷セミスキムドミルクに分散した湿熱処理デンプンの試料60g又は90gを投与した。血中のグルコース及び乳酸の量を測定した。その結果を図10及び11に示す。
これらのデータは、下記のことを示している。
(i)湿熱処理(HMT)モチトウモロコシデンプンは、天然モチトウモロコシデンプンと比較して、60分の時点で、はるかに低い初期グルコース応答を示す(図10)。
(ii)初期応答が低くなることから、更に投与して、この時点におけるグルコースの増加のレベルを許容可能範囲内に収めることができる(好ましい応答は<8mmol・L−1)。
(iii)上述のことから、より多量(60gに対して90g)を投与して、7.5時間(450分)のプロフィールをもたらすことができる。そのプロフィールにおいて、HMTデンプンは、依然として、血中グルコースを約2.5mmol・L−1に維持することができる。
(iv)そのグルコース応答は、結果的に、許容可能で望ましい乳酸応答をもたらす(図11)。
別の患者に実験を繰り返したところ、類似の結果が得られた(結果は示さず)。
図12に示すように、これらのデータは、in vitroアッセイによって補強される。ここで、HMT処理は、モチトウモロコシデンプンの加水分解を明らかに制限することを示すことができる。
従って、モチデンプンとその湿熱処理との組合せは、理想的な徐放グルコース治療法の形成を可能にする。モチトウモロコシデンプンは、高アミロペクチン含有量を考慮すると、潜在的には、通常のデンプン又は高アミロースデンプンよりも高い結晶性を有する。
本発明の目的のために特に好ましい種類のデンプンは、好ましくは可能な限り最も高い割合の結晶化度を有し、且つ湿熱加工処理により強化されたアミラーゼアクセシビリティを有する半結晶性デンプンである。
更に、水熱処理によって付与される利点がモチデンプンに限定されないことを示すために、図12と同じアッセイを用いて、天然の通常のトウモロコシデンプン、及び湿熱処理した通常のトウモロコシデンプンの消化性を検査した。結果を図13に示す。図13に示されるように、通常のトウモロコシデンプン(すなわち非モチデンプン)の水熱処理は、デンプンの加水分解プロフィールを改善する。従って、この結果は、本発明の方法において、水熱処理した通常のデンプンを徐放グルコース治療のために使用することを支持するものである。
本明細書で参照したすべての文献は、参照したことにより本明細書に組み込まれている。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載の本発明の実施形態に加えられる種々の改良及び変更は、当業者に明白であろう。本発明は、特定の好ましい実施形態と関係付けて説明されたが、請求された本発明が、そのような特定の実施形態に不当に限定されてはならないことは理解されるはずである。実際に、本明細書に記載の本発明の実施形態に加えられる、当業者に自明の種々の改変は、本発明の範囲に含ませることが意図されている。
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Wilbert,G.J.、Greene,H.L.、Keating,K.R.及びLee,Y−H (1998) US5,776,887
グルコース及びグリコーゲンの代謝反応を概略的に示す図である。 グルコース及びグリコーゲンの代謝反応を概略的に示す図である。 Karkalasら(1992)の方法を用いた天然デンプンの加水分解プロフィールの比較を示す図である。 天然デンプン摂取後の血中グルコース濃度を示す図である。 天然デンプン摂取後の血中乳酸濃度の比較を示す図である。 糊化(トウモロコシ)デンプンを添加した2種の天然デンプン(コムギデンプン及びモチトウモロコシデンプン)の摂取後の血中グルコースの比較を示す図である。 糊化(トウモロコシ)デンプンを添加した2種の天然デンプン(コムギデンプン及びモチトウモロコシデンプン)の摂取後の血中乳酸濃度の比較を示す図である。 ペクチン又はアルギン酸で封入したデンプン(天然モチトウモロコシデンプン及び可溶性デンプン)の摂取後の血中グルコースの比較を示す図である。 ペクチン又はアルギン酸で封入したデンプン(天然モチトウモロコシデンプン及び可溶性デンプン)の摂取後の血中乳酸の比較を示す図である。 脂質で封入したデンプン(天然モチトウモロコシデンプン及び可溶性デンプン)の摂取後の血中グルコースの比較を示す図である。 湿熱処理モチトウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、及び通常のトウモロコシデンプンの摂取後の血中グルコースの比較を示す図である。 湿熱処理モチトウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、及び通常のトウモロコシデンプンの摂取後の血中乳酸の比較を示す図である。 天然モチトウモロコシデンプン及び湿熱処理モチトウモロコシデンプンの消化性の比較を示す図である。 天然の通常のトウモロコシデンプン、及び湿熱処理した通常のトウモロコシデンプンの消化性の比較を示す図である。

Claims (33)

  1. 個体における血清グルコース濃度を調節する方法であって、
    前記個体に、モチデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法。
  2. 個体における低血糖を治療し、又は予防する方法であって、
    前記患者に、モチデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法。
  3. 低血糖症状を引き起こしやすい個体を治療して、低血糖症状を予防し、又は減少させる方法であって、
    前記個体に、モチデンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法。
  4. 前記モチデンプンが水熱処理デンプンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記水熱処理デンプンが湿熱処理デンプンである、請求項4に記載の方法。
  6. 個体における血清グルコース濃度を調節する方法であって、
    前記個体に、水熱処理デンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法。
  7. 個体における低血糖を治療し、又は予防する方法であって、
    前記患者に、水熱処理デンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法。
  8. 低血糖症状を引き起こしやすい個体を治療して、低血糖症状を予防し、又は減少させる方法であって、
    前記個体に、水熱処理デンプンを含有する治療用食品組成物を投与するステップを含む方法。
  9. 前記水熱処理デンプンが湿熱処理デンプンである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記個体が糖原病を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記個体がI型又はII型糖尿病を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記個体が肝疾患を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  13. デンプンのアミロペクチン含有量が80%以上である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. デンプンがモチトウモロコシデンプンである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記治療用食品組成物が、投与300分後に、3.0mmol・L−1を超える血中グルコース濃度を維持するのに十分なデンプンを単位当たりに含有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記治療用食品組成物が、投与450分後に、2.25mmol・L−1を超える血中グルコース濃度を維持するのに十分なデンプンを単位当たりに含有する、請求項10に記載の方法。
  17. 前記治療用食品組成物が、単位用量当たり50gを超えるデンプンを含有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  18. 低血糖の治療のための治療用食品の調製におけるデンプンの使用であって、
    前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである使用。
  19. 低血糖症状の治療又は予防のための治療用食品の調製におけるデンプンの使用であって、
    前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである使用。
  20. 前記デンプンが湿熱処理デンプンである、請求項18又は19に記載の使用。
  21. 前記個体が糖原病を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の使用。
  22. 前記個体がI型又はII型糖尿病を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の使用。
  23. 前記個体が肝疾患を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の使用。
  24. 半結晶性デンプンが「モチデンプン」である、請求項18〜23のいずれか一項に記載の使用。
  25. 半結晶性デンプンのアミロペクチン含有量が70%以上、好ましくは80%以上である、請求項18〜24のいずれか一項に記載の使用。
  26. 半結晶性デンプンがモチトウモロコシデンプンである、請求項18〜25のいずれか一項に記載の使用。
  27. 前記治療用食品組成物が、投与300分後に、3.0mmol・L−1を超える血中グルコース濃度を維持するのに十分なデンプンを単位当たりに含有する、請求項18〜26のいずれか一項に記載の使用。
  28. 前記治療用食品組成物が、投与390分後に、3.0mmol・L−1を超える血中グルコース濃度を維持するのに十分な半結晶性デンプンを単位当たりに含有する、請求項27に記載の使用。
  29. 前記治療用食品組成物が、投与450分後に、2.25mmol・L−1を超える血中グルコース濃度を維持するのに十分な半結晶性デンプンを単位当たりに含有する、請求項27又は28に記載の使用。
  30. 前記治療用食品組成物が、単位用量当たり50gを超える半結晶性デンプンを含有する、請求項18〜29のいずれか一項に記載の使用。
  31. a)請求項1〜17のいずれか一項に記載の治療用食品組成物と、
    b)前記治療用食品組成物の摂取に関する説明書と、
    を備える治療用食品キット。
  32. スポーツ栄養食品の調製におけるデンプンの使用であって、
    前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンである使用。
  33. デンプンを含有するスポーツ栄養食品であって、
    前記デンプンがモチデンプンであり、且つ/又は水熱処理デンプンであるスポーツ栄養食品。

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