JP2007509895A - 新規なチオトロピウム塩、その製造方法及びチオトロピウム塩を含有する医薬組成物 - Google Patents

新規なチオトロピウム塩、その製造方法及びチオトロピウム塩を含有する医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規なチオトロピウム塩、その製造方法、該チオトロピウム塩を含む医薬組成物、及び、呼吸器系疾患、とりわけ慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息の治療に使用される医薬品を製造するための該医薬組成物の使用に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、新規なチオトロピウム塩、その製造方法、チオトロピウム塩を含有する医薬組成物、及び、呼吸器系疾患の治療用、とりわけ慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息の治療用医薬品を製造するための前記医薬組成物の使用に関する。
(発明の背景)
臭化チオトロピウムは、欧州特許出願EP418716A1から公知であり、下記の化学構造を有する。
Figure 2007509895
臭化チオトロピウムは長期間にわたって効力が持続する非常に効果的な抗コリン作用薬であり、呼吸器系の症状、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息の治療に使用することができる。チオトロピウムという用語は遊離アンモニウムカチオンを意味する。
これまで、臭化物以外のチオトロピウム塩について従来技術では明確な記述がなかった。チオトロピウムのハロゲン化物だけでなくアルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩も、EP418716(図1参照)に記載の方法を使って同様に得ることができるはずである。しかしながら、他のチオトロピウム塩については、この方法を用いても製造することができない。
本発明の目的は新規なチオトロピウム塩を提供することであり、また、例外なく適用でき簡単で無理のない方法で新規なチオトロピウム塩を合成することが可能な、前記チオトロピウム塩を製造するための別の合成方法を提供することである。
(発明の詳細な説明)
前記の問題点は、本願明細書に後述のごとく本発明の方法によって解決される。
本発明は、式1の新規なチオトロピウム塩の製造方法に関するものであり、











Figure 2007509895
(式中、X-はアニオンを示す。)
下記式2のチオトロピウム塩を、塩AgX(Xは前記定義を有することができる)と好適な溶媒中で反応させることを特徴とする。
Figure 2007509895
(式中、Y-は、ハロゲン化物から選択される、X-とは異なるアニオンを示す。)
本発明の方法では、銀塩AgXがアニオンX-の供給源として用いられる。理論的には、この方法は、アニオンX-が銀と一緒になって可溶性銀塩を形成するすべての式1で表わされる化合物を製造するのに適している。
本発明の方法は、好ましくは極性溶媒中で行われる。銀塩AgXは可溶であるが得られた銀塩AgYは不溶となる溶媒の使用がとりわけ好ましい。例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチル−ピロリジノン等のアミド類、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルエーテル等のエーテル類ならびにアセトニトリル等のニトリル類等から選択される非プロトン極性溶媒が好適な溶媒である。溶媒として、ジメチルホルムアミド、N−メチル−ピロリジノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルエーテル又はアセトニトリルの使用が特に好ましいが、本発明ではアセトニトリルがとりわけ好ましい。
本発明による方法を実行するためには、使用する出発化合物2に応じて化学量論的量の銀塩AgXを必要とする。しかしながら、所望であれば、銀塩を過剰に用いることもできる(例えば、化合物2に対して1.1当量)。
本発明の反応は、前記溶媒の1種中に式2の化合物と銀塩AgXとを投入し、最低で0℃から最高で使用溶媒の沸点までの範囲の温度で反応させることによって行うことが好ましい。好ましくは100℃未満、とりわけ好ましくは80℃未満、より好ましくは60℃未満で反応を行うことが好ましい。10〜40℃、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度で本発明の反応が起きることが特に好ましい。これより高い温度での反応と比べ、約10〜40℃の範囲の温度であると、反応時間をより長くすることができる。約10〜40℃の範囲内の反応温度は、本発明によるところの無理のない反応条件であることから好ましい。
本発明による好ましい方法において、使用する出発物質は式2の化合物で、式中、
-が、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物からなる群から選択される、X-以外のハロゲン化物を示し、なかでも塩化物、臭化物及びヨウ化物、さらに好ましくは臭化物とヨウ化物が本発明では特に重要である。
特に好ましくは、前記の方法を用いることにより、式1の塩が得られるが、式中、
-が、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、C1-C4-アルキル硫酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、サッカラート及び安息香酸塩、又は
C1-C4-アルキルスルホン酸塩であって、アルキル基がフッ素でモノ−、ジ−もしくはトリ置換されていてもよいアルキルスルホン酸塩、又は
フェニルスルホン酸塩であって、フェニル環がC1-C4-アルキル基によってモノ置換もしくは多置換されていてもよいフェニルスルホン酸塩、からなる群から選択されるアニオンを示す。
また、特に好ましくは、前記方法を用いることにより、式中、
-が、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、サッカラート、フルオロメタンスルホン酸塩、ジフルオロメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、フェニルスルホン酸塩及びトルエンスルホン酸塩からなる群から選択されるアニオンを示す、式1の塩が得られる。
本発明によると、好ましくは前記方法を用いて、式中、
-が、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、サッカラート、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩及びトルエンスルホン酸塩からなる群から選択される塩1が得られるが、さらに好ましくは、式1中、X-が、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、サッカラート、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩及び安息香酸塩から選択される式1の塩、最も好ましくは、式中、X-が、メタンスルホン酸塩、サッカラート、トルエンスルホン酸塩及び安息香酸塩から選択される式1の塩が本発明の方法により得られる。
また、本発明は、式1の化合物を製造するための出発化合物としての、Y-が前記記載の定義を有することができる式2の化合物の使用に関するものでもある。
特に記載のない限り、C1-C10-アルキルは炭素数1〜10、好ましくは1〜4の分岐及び分岐していないアルキル基を指す。例として、以下のメチル、エチル、プロピル又はブチルが挙げられる。メチル、エチル、プロピル又はブチル基を示す際に、省略してMe、Et、Prop又はBuを使う場合もある。特に記載のないかぎり、プロピル及びブチルの定義には、当該基のすべての可能な異性体の形が含まれる。それゆえに、例えば、プロピル基にはn-プロピル、iso-プロピルが、ブチル基にはiso-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル等が含まれる。
特に記載のない限り、アルキル基は、それが他の基の一部である場合(例:アルキル硫酸塩)も含め、例えば、フッ素、塩素、臭素、CF3、水酸基又はメトキシ基からなる群から選択される1個以上の基によって置換されていてもよい。
本発明の範囲におけるハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
C6-C10-アリールという用語は、炭素原子を6〜10個有する芳香環を指す。好ましいアリール基は、フェニル又はナフチルである。これらは、例えば、メチル基、フッ素、塩素、臭素、水酸基、CF3又はメトキシ基からなる群から選択される1個以上の基によって置換されていてもよい。
式2の出発化合物は、例えば、EP-A-418716に開示されている方法と同様にして調製される。下記図式1に概要を示す。

Figure 2007509895
図式1:
スコピンジチエニルグリコール酸エステル3から、試薬Me-Yとの反応により出発化合物2を得ることができる。
これまで、従来技術では臭化チオトロピウムの合成(図式1による)を明示したにすぎなかった。Y-が臭化物以外の定義を有する式2で表わされる化合物は新規であり、かつ該化合物は、式1の化合物を製造するための本発明による合成において臭化チオトロピウム同様に出発化合物として使用することができることから、本発明は、式中、Y-が臭化物以外の上記に挙げたいずれかの定義を有することができる式2の出発化合物に関するものでもあり、これらは溶媒和物又は水和物の形であってもよい。
例えば、本方法を用いることにより、この分野ではまだ説明されていないと同時に式2で表わされる本発明の好ましい下記出発化合物、ジ-(2-チエニル)グリコール酸 スコピンメトヨウ化物(scopine di-(2-thienyl)glycolate-methoiodide)(ヨウ化チオトロピウム)が得られる。
この新規化合物が本発明の製造方法において出発化合物として使用することができる場合、該化合物はとりわけ好ましく本発明に関するものであり、これらは溶媒和物又は水和物の形であってもよい。
以下の実施例は本発明をさらに十分に示すためのものであるが、一例として挙げた実施形態に本発明の範囲が限定されるものではない。
A.I.出発物質
A.I.1.臭化チオトロピウム
臭化チオトロピウムは、例えば欧州特許出願EP418716に記載の手順に従って得ることができる。
A.I.2.ヨウ化チオトロピウム
ジ-(2-チエニル)グリコール酸スコピン124.57gを、650mlのジクロロメタン及び1300mlのアセトニトリル中にゆっくり加熱しながら溶解させる。混合物が周囲温度に冷却された後、51.52gのヨウ化メチルを加える。周囲温度での反応終了後、析出した結晶を分取して冷たいアセトニトリルで洗浄する。母液は濃縮して放置する。母液から結晶化した生成物を分離し、最初の結晶画分とともにメタノールで再結晶させる。
収量:111.33gの白色結晶、融点:202〜203℃(分解)
A.II.本発明による合成例
実施例1:安息香酸チオトロピウム
4.00gの臭化チオトロピウムと1.958gの安息香酸銀を100mlのアセトニトリルに懸濁させ、周囲温度で2時間攪拌する。セライト(Celite)を加え、混合物をさらに30分間攪拌し、濾過を行い、残りの体積が約30mlになるまで真空中で蒸発させる。生成物が結晶化する。濾過と40℃での乾燥によって3.61gの標記化合物が得られる。融点=169℃、生成物の構造及び化学量論は分光法によって確認した。
実施例2:チオトロピウムサッカラート(tiotropium saccharate)
銀サッカラート(silver saccharate)を用いて、実施例1記載の方法と同様にして臭化チオトロピウムから標記化合物を得た。融点=192℃(アセトニトリルから)、生成物の構造及び化学量論は分光法によって確認した。
実施例3:パラトルエンスルホン酸チオトロピウム
トルエンスルホン酸銀を用いて、実施例1記載の方法と同様にして臭化チオトロピウムから標記化合物を得た。融点=153℃(アセトニトリル/ジエチルエーテルから)、生成物の構造及び化学量論は分光法によって確認した。
実施例4:メタンスルホン酸チオトロピウム
メタスルホン酸銀を用いて、実施例1記載の方法と同様にして臭化チオトロピウムから標記化合物を得た。融点=231℃(メタノールから)、生成物の構造及び化学量論は分光法によって確認した。
得られた生成物1は、ヨウ化チオトロピウムを出発原料としても同様に得られる。
A.III.本発明に合成による実施例の特性
前記の方法で得られた化合物の特徴を粉末X線回折でさらに詳しく調べた。以下の手順を用いて下記の粉末X線回折ダイアグラムの記録を得た。
本発明の範囲内でOED(位置依存型検出器(location-sensitive detector))を有するブルーカーD8アドバンスド(Bruker D8 Advanced)を用いて、粉末X線回折ダイアグラムを記録した(CuKα照射、λ=1.5418A、30kV、40mA)。
実施例1:安息香酸チオトロピウム
前記の方法による安息香酸チオトロピウムは、結晶性が高く無水物の形で得られる。これを粉末X線回折にかけてさらに調べた。
無水安息香酸チオトロピウムについて得られた粉末X線回折ダイアグラムを、図1に示す。
特性ピーク及び標準化した強度を下記表1に列挙する。




















Figure 2007509895
上記の表において、「2θ(°)」の値は回折角の角度を表し、「dhkl(A)」の値は指定の格子面間隔をAで表わしたものである。
本発明の合成方法によって得られた安息香酸チオトロピウムは結晶性が高いので、例えば、吸入可能な粉末などの吸入により投与する医薬組成物又は例えば噴射剤含有エアロゾル調合物などの調製に非常に適している。
したがって、本発明は、安息香酸チオトロピウム、とりわけ結晶性安息香酸チオトロピウムに関するものであり、水和物又は溶媒和物の形であってもよい。特に、粉末X線回折ダイアグラムにおいて特性値d=10.38A、5.41A、5.05A及び4.9Aの特徴を有する結晶性安息香酸チオトロピウムがとりわけ好ましい。
前記方法で得ることができる安息香酸チオトロピウムは、水分(即ち、水蒸気等)の調整操作で対応の水和物に直接変換することができる。したがって、本発明は水和物状態の前記安息香酸チオトロピウムに関するものでもある。
実施例2:チオトロピウムサッカラート
前記の方法によるチオトロピウムサッカラートは、結晶性が高く無水物として得られる。これを粉末X線回折によりさらに調べた。
無水チオトロピウムサッカラートから得られた粉末X線回折ダイアグラムを、図2に示す。
特性ピーク及び標準化した強度を下記表2に列挙する。
Figure 2007509895
上記の表において、「2θ(°)」の値は回折角の角度を表し、「dhkl(A)」の値は指定の格子面間隔をAで表わしたものである。
本発明の合成方法によって得られたチオトロピウムサッカラートは結晶性が高いので、例えば、吸入可能な粉末などの吸入により投与する医薬組成物又は例えば噴射剤含有エアロゾル調合物などの調製に非常に適している。
したがって、本発明はチオトロピウムサッカラート、とりわけ結晶性チオトロピウムサッカラートに関するものであり、水和物又は溶媒和物の形であってもよい。特に、粉末X線回折ダイアグラムにおいて特性値d=14.42A、5.61A、4.79A及び3.59Aの特徴を有する本発明の無水結晶性チオトロピウムサッカラートがとりわけ好ましい。
実施例3:パラトルエンスルホン酸チオトロピウム
前記の方法によるトルエンスルホン酸チオトロピウムは、結晶性が高く無水物として得られる。これを粉末X線回折によりさらに調べた。
無水トルエンスルホン酸チオトロピウムから得られた粉末X線回折ダイアグラムを、図3に示す。
特性ピーク及び標準化した強度を下記表3に列挙する。
Figure 2007509895
上記の表において、「2θ(°)」の値は回折角の角度を表し、「dhkl(A)」の値は指定の格子面間隔をAで表わしたものである。
本発明の合成方法によって得られたトルエンスルホン酸チオトロピウムは結晶性が高いので、例えば、吸入可能な粉末などの吸入により投与する医薬組成物又は例えば噴射剤含有エアロゾル調合物などの調製に非常に適している。
したがって、本発明はトルエンスルホン酸チオトロピウム、とりわけ結晶性トルエンスルホン酸チオトロピウムに関するものでもあり、水和物又は溶媒和物の形であってもよい。特に、粉末X線回折ダイアグラムにおいて特性値d=15.73A、5.42A及び4.59Aの特徴を有する本発明の無水結晶性トルエンスルホン酸チオトロピウムがとりわけ好ましい。
実施例4:メタンスルホン酸チオトロピウム
前記の方法によるメタンスルホン酸チオトロピウムは、結晶性が高く無水物として得られる。これを粉末X線回折によりさらに調べた。
無水メタンスルホン酸チオトロピウムから得られた粉末X線回折ダイアグラムを、図4に示す。
特性ピーク及び標準化した強度を下記表4に列挙する。
Figure 2007509895
上記の表において、「2θ(°)」の値は回折角の角度を表し、「dhkl(A)」の値は指定の格子面間隔をAで表わしたものである。
本発明の合成方法によって得られたメタンスルホン酸チオトロピウムは結晶性が高いので、例えば、吸入可能な粉末などの吸入により投与する医薬組成物又は例えば噴射剤含有エアロゾル調合物などの調製に特に適している。
したがって、本発明はメタンスルホン酸チオトロピウム、とりわけ結晶性メタンスルホン酸チオトロピウムに関するものでもあり、水和物又は溶媒和物の形であってもよい。特に、粉末X線回折ダイアグラムにおいて特性値d=7.32A、5.34A、4.93A、4.55A及び4.19Aの特徴を有する本発明の無水結晶性メタンスルホン酸チオトロピウムがとりわけ好ましい。
B.医薬組成物
本発明は、前記の新規なチオトロピウム塩である安息香酸チオトロピウム、チオトロピウムサッカラート、トルエンスルホン酸チオトロピウム又はメタンスルホン酸チオトロピウムを含有する新規な医薬組成物に関する。以下の説明部分におけるチオトロピウム塩という言葉は、前記の新規な4種のチオトロピウム塩の中の1種以上のみを明示している場合をのぞき、4種すべてを指すものとする。新規なチオトロピウム塩は、吸入による投与が好ましい。これは、吸入可能な粉末調合物、噴射剤含有エアロゾル調合物又は噴射剤を含有しない吸入可能な溶液を用いることで達成できる。
B.1.吸入可能な粉末
本発明は、生理的に許容される賦形剤とともに、1種の本発明による新規なチオトロピウム塩の状態のチオトロピウムを0.001〜3%含む吸入可能な粉末に関するものでもある。チオトロピウムはアンモニウムカチオンを意味する。本発明では、チオトロピウムを0.01〜2%含有する吸入可能粉末が好ましい。特に、チオトロピウムを約0.03〜1%、好ましくは0.05〜0.6%、特に好ましくは0.06〜0.3%含有する吸入可能粉末が好ましい。最終的には、チオトロピウムを約0.08〜0.22%含有する吸入可能粉末が本発明では特に重要である。
前記で示したチオトロピウムの量は、含有するチオトロピウムカチオンの量を基準とする。それぞれの調合物で用いられるチオトロピウムカチオンの量から導かれる新規なチオトロピウム塩の絶対量については、当業者であれば特に問題なく計算することができる。
本発明の目的のために使用する賦形剤は、この分野で既知の現行方法を用いて好適な粉砕及び/又は篩分けにより調製される。本発明で使用する賦形剤は、異なる平均粒径を有する賦形剤画分を混合して得た賦形剤混合物でもよい。
本発明のインハレット(inhalettes)に使用するための吸入可能粉末の製造に用いられる吸入可能粉末の調製に用いることができる生理的に許容される賦形剤の例としては、単糖類(例えば、グルコース、フラクトース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖類及び多糖類(例えば、デキストラン、デキストリン、マルトデキストリ、デンプン、セルロース)、多価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、シクロデキストリン類(例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、χ−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、アミノ酸類(例えばアルギニン塩酸塩)又は塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)あるいは、これらの混合物が挙げられる。好ましくは、単糖類又は二糖類が使用され、ラクトース又はグルコースの使用が特に好ましく、限定はされないが、その水和物の形が好ましい。本発明の目的のためには、ラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も好ましい。
本発明による吸入可能粉末の範囲において、賦形剤の最大平均粒子径は250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmの範囲である。上記の賦形剤に平均粒径1〜9μmのより微細な賦形剤画分を添加することが適切と考えられる場合もあろう。平均粒子径はこの分野では既知の方法を用いて求めることができる(例えば、WO02/30389のパラグラフA及びC参照)。このより微細な賦形剤も、本願明細書中で既に列挙した使用可能な賦形剤の群から選択される。本発明の吸入可能粉末を作製するためには、最終的に、微粉化チオトロピウム塩、これは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜5μmの平均粒子径を有することを好ましくは特徴とするものであるが、この微粉化チオトロピウム塩を賦形剤混合物に添加する。平均粒子径はこの分野では既知の方法を用いて求めることができる(例えば、WO02/30389のパラグラフB参照)。有効成分の粉砕及び微粉砕の方法については、従来技術より公知である。
指定により調製された賦形剤混合物を賦形剤として使用しない場合は、平均粒径10〜50μmで、0.5〜6μmの微細分を10%含む賦形剤の使用が特に好ましい。
平均粒径とは、レーザー回折計を用いて乾式分散法により測定した体積分布の50%の値を本願明細書では指す(例えば、WO02/30389のパラグラフA及びC参照)。同様に、本件における10%微細分とは、レーザー回折計を用いて測定した体積分布の10%の値を指す。言い換えると、本発明の目的のためには、10%微細分とは、それよりも小さな粒径の範囲に粒子の量の10%(体積分布基準)が存在する粒径を指す。
本発明の範囲においてパーセンテージを示す場合は、特にそれと異なる記載のない限り常に質量%である。
特に好ましい吸入可能粉末においては、賦形剤は平均粒径が12〜35μm、とりわけ好ましくは13〜30μmであることを特徴とする。
また、10%微細分が約1〜4μm、好ましくは約1.5〜3μmである吸入可能粉末が特に好ましい。
本発明の吸入可能粉末は、本発明のもととなる問題点に応じ、単回投与量の精度という意味で高度な均質性を有することを特徴とする。この均質性は8%未満の範囲、好ましくは6%未満、もっとも好ましくは4%未満の範囲である。
出発物質を秤量した後、この分野では公知の方法を用いて賦形剤と有効成分とから吸入可能粉末を作製する。例えば、WO02/30390の開示を参照することができる。すなわち、本発明の吸入可能粉末は、たとえば以下記載の方法にしたがって得ることができる。本願明細書で後述の製造方法においては、吸入可能粉末についての前記組成に記載の質量比率で各成分が用いられる。
まず、賦形剤と有効成分とを好適な混合容器に投入する。使用する有効成分の平均粒径は0.5〜10μm、好ましくは1〜6μm、特に好ましくは2〜5μmである。好ましくは、賦形剤と有効成分は、メッシュサイズ0.1〜2mm、好ましくは0.3〜1mm、最も好ましくは0.3〜0.6mmの篩又は造粒用篩を使って加えるとよい。混合容器には最初に賦形剤から投入し、そのあと有効成分を加えることが好ましい。混合工程中、この2種の成分は小分けにして加えることが好ましい。とりわけ、2種の成分が交互の層になるよう篩で投入するとよい。賦形剤と有効成分という2種の成分は添加中にすでに混和が起きてはいるが、いったん2種の成分を交互の層になるよう篩い入れてから混合することが好ましい。
また、本発明は、呼吸器系疾患の治療用、特にCOPD及び/又は喘息の治療用医薬組成物を調製するための本発明の吸入粉末の使用に関する。
本発明の吸入粉末は、例えば、計量チャンバーによってリザーバーから一回分の投与量を計量する吸入器(例えば、US4570630A)によって、あるいは、他の手段(例えばDE3625685A)によって投与することができる。
好ましくは、本発明の吸入可能粉末は、カプセルに充填(所謂インハレットの作製)し、例えばWO94/28958に記載されているような吸入器で使用することが好ましい。
本発明の吸入可能粉末を収容するカプセルが、図5に示すような吸入器を使って投与されることが特に好ましい。この吸入器は、2個の窓2を含むハウジング1と、空気導入口を有し、スクリーンハウジング4を介して固定されたスクリーン5を備えたデッキ3と、デッキ3に連結し、2本の尖ったピン7を備えバネ8に対向して可動する押しボタン9を有する吸入チャンバー6と、スピンドル10を介してハウジング1、デッキ3及びカバー11と連結し、跳ね上げ式で開閉可能なマウスピース12と、流動抵抗を調整するための空気穴13とによって特徴づけられる。
また、本発明は、呼吸器系疾患治療用、特にCOPD及び/又は喘息の治療用医薬組成物を調製するための本発明の吸入可能粉末の使用に関するもので、前記で説明した図5に示す吸入器を使用することを特徴とする。
粉末が充填されたカプセルを利用して本発明の吸入可能粉末を投与するには、カプセル材料が合成プラスチック類、特に好ましくはポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートから選択されるカプセルを使用することが特に推奨される。とりわけ好ましい合成プラスチック材料は、ポリエチレン、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレートである。カプセル材料の1つとして、本発明で特に好ましいポリエチレンを用いる場合、密度が900〜1000kg/m3、好ましくは940〜980kg/m3、さらに好ましくは約960〜970kg/m3のポリエチレン(高密度ポリエチレン)の使用が好ましい。
本発明による合成プラスチック類は、この分野で公知の製造方法を用いて様々なやり方で加工することができる。本発明ではプラスチック類の射出成形が推奨される。離型剤を使わない射出成形が特に好ましい。この製造方法は十分に定義されており、とりわけ再現可能であるという特徴を有している。
本発明のまた別の態様では、本発明による前記吸入可能粉末を収容する前記カプセルに関するものである。カプセルには吸入可能粉末を約1〜20mg、好ましくは約3〜15mg、最も好ましくは約4〜12mg収容するとよい。本発明では、4〜6mgの吸入可能粉末を含む調合物が好ましい。本発明によると、本発明の調合物を8〜12mg収容する吸入用カプセルが同様な重要性を有する。
さらに、本発明は、本発明の吸入可能粉末の内容物に特徴がある1個以上の上記カプセルと、図5に準ずる吸入器との組み合わせからなる吸入キットに関するものである。
また、本発明は、呼吸器系疾患の治療用、特にCOPD及び/又は喘息の治療用医薬組成物を調製するための、本発明の吸入可能粉末の内容物に特徴がある上記カプセルの使用に関する。
本発明による吸入可能粉末を収容する充填済みカプセルは、この分野では公知の方法で空のカプセルに本発明の吸入可能粉末を充填することによって製造される。
B.1.1.本発明の吸入可能粉末の例
以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明することを目的とし、以下に挙げる具体的な実施形態に本発明の範囲を限定するものではない。
B.1.1.1.出発材料
有効成分
本発明の新規な結晶性チオトロピウム塩を使って本発明の吸入可能粉末を調製する。この有効成分はこの分野で公知の方法と同様にして微粉砕する(例えばWO03/078429 A1参照)。
賦形剤
以下の実施例では、賦形剤としてラクトース一水和物を使用する。このラクトース一水和物は、例えば、Borculo Domo Ingredients社(ボルクロ/オランダ)から、「Lactochem Extra Fine Powder」という製品名で入手することができる。このグレードのラクトースが粒径や比表面積に関する本発明の仕様を満たす。
B.1.1.2.本発明の粉末調合物の作製
I)装置
吸入粉末を調製するには、例えば下記の装置類を使用する。
混合容器又は粉体ミキサー:Turbulamischer 2L Type 2C(Willy A. Bachofen AG社製、CH-4500、バーゼル)
ハンディータイプの篩:メッシュサイズ0.135mm
チオトロピウム含有吸入粉末を、手動又は機械的に空の吸入用カプセルに充填すればよい。下記の装置を使用することができる。
カプセル充填機:MG2 Type G100、MG2 S.r.l社製(1-40065 Pian di Macina di Pianoro (BO)、イタリア)
処方例1:
粉体混合物:
粉体混合物を調製するために、299.39gの賦形剤と、0.61gの微粉化したチオトロピウム塩とを用いる。できあがった300gの吸入粉末中、有効成分の含有量は、チオトロピウムを基準として、安息香酸チオトロピウム又はメタンスルホン酸チオトロピウムの場合は0.16%、チオトロピウムサッカラート又はトルエンスルホン酸チオトロピウムの場合は0.14%である。
約40〜45gの賦形剤をメッシュサイズ0.315mmのハンディー型篩に通して好適な混合容器に仕込む。約90〜110mgずつに小分けしたチオトロピウム塩と、約40〜45gずつに小分けした賦形剤を篩にかけ、交互の層になるようにする。賦形剤と有効成分を添加して、それぞれが7層と6層になるようにする。
篩で添加した後、成分同士を混合する(混合速度900rpm)。最終的に得られた混合物をハンディー型篩にさらに2回通して、再度900rpmで混合する。
実施例1記載の方法を用いて吸入粉末を得ることができ、それを使用して好適なプラスチック製カプセルに充填すれば、例えば以下のような吸入用カプセルを形成することができる。
処方例2:
安息香酸チオトロピウム 0.0113mg
ラクトース一水和物 5.4887mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
処方例3:
チオトロピウムサッカラート 0.0113mg
ラクトース一水和物 5.4887mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
処方例4:
チオトロピウムサッカラート 0.0113mg
ラクトース一水和物 *) 5.4887mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
*)ラクトースには、微粉砕した平均粒径約4μmのラクトース一水和物を特定して添加した微細分5%が含まれている。
処方例5:
メタンスルホン酸チオトロピウム 0.0113mg
ラクトース一水和物 5.4887mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
処方例6:
トルエンスルホン酸チオトロピウム 0.0225mg
ラクトース一水和物 5.4775mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
処方例7:
安息香酸チオトロピウム 0.0056mg
ラクトース一水和物 5.4944mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
処方例8:
メタンスルホン酸チオトロピウム 0.0056mg
ラクトース一水和物 5.4944mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 105.5mg
処方例9:
メタンスルホン酸チオトロピウム 0.0056mg
ラクトース一水和物 *) 9.9944mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 110.0mg
*)ラクトースには、微粉砕した平均粒径約4μmのラクトース一水和物を特定して添加した微細分5%が含まれている。
処方例10:
トルエンスルホン酸チオトロピウム 0.0113mg
ラクトース一水和物 *) 9.9887mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 110.0mg
*)ラクトースには、微粉砕した平均粒径約4μmのラクトース一水和物を特定して添加した微細分5%が含まれている。
処方例11:
トルエンスルホン酸チオトロピウム 0.0225mg
ラクトース一水和物 9.9775mg
ポリエチレンカプセル 100.0mg
合計 110.0mg
B.2.噴射剤含有吸入可能エアロゾル
新規なチオトロピウム塩は噴射剤含有吸入可能エアロゾルの状態で投与することもできる。このために溶液又は懸濁液状態のエアロゾル調合品を使用することができる。
B.2.1.溶液状態のエアロゾル調合品
エアロゾル溶液という用語は、チオトロピウム塩及び使用したいずれの賦形剤も完全に溶解された医薬調合品を示す。
本発明は、新規なチオトロピウム塩を含むエアロゾル調合品を提供するものであり、この調合品には前記チオトロピウム塩1種に加えて、HFA噴射剤、補助溶媒及び無機酸又は有機酸を含み、さらに前記酸の濃度が水溶液でpH2.5-4.5の範囲に相当することを特徴とする調合品である。
前記エアロゾル溶液はとりわけ安定度が高いという特徴を有する。
酸の濃度が水溶液でpH3.0-4.3、とりわけ好ましくは3.5-4.0の範囲に相当することを特徴とするエアロゾル溶液が好ましい。
また、本発明のエアロゾル溶液は少量の水(好ましくは5%まで、特に好ましくは3%まで、さらに好ましくは2%まで)を含むとよい。
本発明のエアロゾル溶液は、含まれるチオトロピウムカチオンの割合が0.00008〜0.4%、好ましくは0.0004〜0.16%、特に好ましくは0.0008〜0.08%となるような量の新規なチオトロピウム塩を含有することが好ましい。
エアロゾル溶液の範囲における好適なHFA噴射剤とは、使用する補助溶媒とともに均質な噴射剤調合物を形成し、かつ、治療上効果的な量のチオトロピウム塩を溶解させることができるものである。本発明による好ましいHFA噴射剤は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134(a))、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)、HFA-32(ジフルオロメタン)、HFA-143(a)(1.1.1-トリフルオロエタン)、HFA-134(1,1,2,2-テトラフルオロエタン)及びHFA-152a(1,1-ジフルオロエタン)からなる群から選択されるものである。HFA-134(a)及びHFA-227が本発明では特に好ましく、なかでもHFA-134(a)が本発明ではとりわけ重要である。前記HFA噴射剤のほかに、非ハロゲン化噴射剤も単独で又は前記のHFA噴射剤1種以上と一緒に使用することができる。このような非ハロゲン化噴射剤の例としては、例えばn−プロパン、n−ブタン又はイソブタン等の飽和炭化水素化合物、あるいは、例えばジエチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
有機酸又は無機酸を本発明の酸として使用できる。本発明の範囲における無機酸は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸又はリン酸からなる群から選択されるが、本発明では塩酸又は硫酸の使用が好ましく、特に塩酸が好ましい。本発明の範囲における有機酸は、例えばアスコルビン酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、安息香酸又は酒石酸からなる群から選択されるが、本発明ではアスコルビン酸とクエン酸が好ましい。
本発明のエアロゾル溶液はこの分野の公知の方法と同様にして得ることができる。
製薬学的に許容される賦形剤を本発明のエアロゾル溶液に含有させてもよい。例えば、可溶性界面活性剤及び潤滑剤を使用することができる。このような可溶性界面活性剤及び潤滑剤の例としては、トリオレイン酸ソルビタン、レシチン又はミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。含有させることができる他の賦形剤として、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸又はトコフェロール)、風味遮蔽剤(例えば、メントール、甘味料及び合成又は天然の香味付与剤)が挙げられる。
本発明で使用できる補助溶媒の例としては、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール及びベンジルアルコール)、グリコール類(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンのブロック共重合体)、又は例えばグリセロール、ポリオキシエチレンアルコール類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類及びグリコフロール類(例えばグリコフロール75)等が挙げられる。本発明で好ましい補助溶媒はエタノールである。
本発明の調合物において使用できる補助溶媒の量は、全調合物を基準として好ましくは5〜50%の範囲、10〜40%が好ましく、とりわけ15〜30%の範囲が好ましい。
特に異なる記載がない限り、本発明の範囲において記載されているパーセントは質量%として読む。
本発明の調合物には、既に記載したが少量の水を含有させることができる。推奨される態様において、本発明は、水の含有量が5%まで、好ましくは3%まで、さらに好ましくは2%までの調合物に関する。
別の態様では、本発明は水を含まないエアロゾル溶液に関する。これらの調合物では、補助溶媒の量は20〜50%、好ましくは30〜40%の範囲であるとよい。
本発明によるこの調合物は、この分野で公知の吸入器(加圧式定量噴霧吸入器(pMDI))を使って投与することができる。
また、本発明は、呼吸器系疾患の治療、特にCOPD及び/又は喘息の治療用医薬組成物を調製するための、本発明の新規なチオトロピウム塩の内容に特徴がある上記エアロゾル溶液の使用に関する。
以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明することを目的とするものであり、以下に挙げる具体的な実施形態に本発明の範囲は限定されない。
B.2.1.1 エアロゾル溶液の実施例
処方例12:
Figure 2007509895
処方例13:
Figure 2007509895
処方例14:
Figure 2007509895
処方例15:
Figure 2007509895
処方例16:




Figure 2007509895
処方例17:
Figure 2007509895
処方例18:
Figure 2007509895
処方例19:
Figure 2007509895
処方例20:







Figure 2007509895
処方例21:
Figure 2007509895
B.2.2.エアロゾル懸濁液
本発明は、噴射剤ガスHFA−227及び/又はHFA−134a中に、さらに任意で他の噴射剤ガス、好ましくはプロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンからなる群から選択される1種以上の噴射剤ガスとを一緒にしたものの中に、本発明の新規なチオトロピウム塩を含む懸濁液に関するものでもある。
本発明によると、HFA−227のみ、HFA−227とHFA−134aの混合物又はHFA−134aのみを噴射剤ガスとして含む懸濁液が好ましい。
噴射剤ガスHFA−227及びHFA−134aの混合物を本発明の懸濁液調合物で使用する場合は、これら2種の噴射剤ガス成分を使用する際の質量比は任意に変えることができる。
本発明の懸濁液調合物において、他の噴射剤ガスを、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンからなる群から1種以上選択して、噴射剤ガスHFA−227及び/又はHFA−134aに加えて使用する場合は、この噴射剤ガス付加成分の量は好ましくは50%未満、好ましくは40%未満、特に好ましくは30%未満である。
本発明の懸濁液中の新規なチオトロピウム塩の量は、チオトロピウムカチオンの量として0.001〜0.8%、好ましくは0.08〜0.5%、特に好ましくは0.2〜0.4%になるように含まれているとよい。
特に異なる記載がない限り、本発明の範囲において記載されているパーセントは常に質量%である。
本発明の範囲において、懸濁液調合物という用語を懸濁液という用語の代わりに使うことがある。この2つの用語は本発明の範囲において同等であるとする。
本発明による噴射剤含有吸入可能エアロゾル又は懸濁液調合物は、界面活性剤、補助薬、酸化防止剤又は香味付与剤等の他の成分を含んでもよい。
本発明の懸濁液中に含有させることができる界面活性剤としては、ポリソルベート20、ポリソルベート80、Myvacet 9-45、Myvacet 9-08、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、Brij、オレイン酸エチル、トリオレイン酸グリセリン、モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノリシノール酸グリセリン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、塩化セチルピリジニウム、ブロック重合体、天然油、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択されることが好ましい。前記の懸濁液補助薬のなかで、ポリソルベート20、ポリソルベート80、Myvacet 9-45、Myvacet 9-08又はミリスチン酸イソプロピルが好適に使用される。Myvacet 9-45又はミリスチン酸イソプロピルが最も好ましく使用される。
本発明の懸濁液が界面活性剤を含む場合、この界面活性剤は好ましくは0.0005〜1%、特に好ましくは0.005〜0.5%の量で使用されることが好ましい。
本発明の懸濁液中に任意で含有させることができる補助薬としては、アラニン、アルブミン、アスコルビン酸、アスパルテーム、ベタイン、システイン、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸及びクエン酸からなる群から選択されることが好ましい。アスコルビン酸、リン酸、塩酸又はクエン酸が好適に使用され、塩酸又はクエン酸が特に好ましい。
補助薬が本発明の懸濁液中に存在する場合、この補助薬は、0.0001〜1.0%、好ましくは0.0005〜0.1%、特に好ましくは0.001〜0.01%の量で使用され、とりわけ0.001〜0.005%の量が本発明では重要である。
本発明の懸濁液中には酸化防止剤を任意で含有させることができるが、アスコルビン酸、クエン酸、エデト酸ナトリウム、エデト酸、トコフェロール類、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール及びアスコルビン酸パルミチン酸エステルからなる群から選択されることが好ましい。
本発明の懸濁液中には香味付与剤を任意で含有させることができるが、香味付与剤はペパーミント、サッカリン、Dentomint、アスパルテーム及び精油類(例えば、シナモン油、アニス油、メントール、樟脳油等)からなる群から選択されることが好ましく、なかでもペパーミント又はDentomint(登録商標)が特に好ましい。
吸入による投与を意図する場合は、有効成分を微粉状態で提供することが必須である。そのため、本発明の新規なチオトロピウム塩は粉砕(微粉砕)するか、あるいは従来技術から基本的に公知である他の技術的方法(例えば、析出、噴霧乾燥等)により微粉状態で得るかのいずれかである。有効成分の微粉砕方法についてはこの分野では公知である。微粉化後の有効成分の平均粒径は、0.5〜10μm、好ましくは1〜6μm、特に好ましくは1.5〜5μmであると好ましい。有効成分粒子の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも70%が、前記の粒径範囲にはいる粒子であることが好ましい。特に好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の有効成分粒子が前記の粒径範囲にはいる粒子であることが好ましい。
本発明のもう一つの態様では、本発明による2種の有効成分のうち1種のみを含み、他の添加剤を何も含まない懸濁液に関する。
本発明の懸濁液は、この分野では公知の方法で調製することができる。調製するには処方の成分を噴射剤ガス(1種又は複数の噴射剤ガス)と混合し(任意であるが低温で)、適当な容器に充填する。
本発明による前記噴射剤含有懸濁液は、この分野では公知の吸入器(加圧式定量噴霧吸入器(pMDI))を使って投与することができる。したがって、もう一つの態様では、本発明は、本願明細書前記のとおりの懸濁液の状態の医薬組成物と、この懸濁液を投与するのに適した吸入器1種以上との組み合わせに関する。さらに本発明は、本願明細書前記の噴射剤含有懸濁液を収容することを特徴とする吸入器に関する。
また、本発明は、適切なバルブを装着することで好適な吸入器中で使用することができる、前記本発明による噴射剤含有懸濁液の1種を収容する容器(カートリッジ)に関するものである。好適な容器(カートリッジ)及びこれらのカートリッジに本発明による噴射剤含有懸濁液を充填する方法については、この分野では公知である。
チオトロピウムの医薬的活性を考慮し、本発明は、吸入又は鼻からの投与用医薬組成物を製造するための本発明の懸濁液の使用に関するものでもあり、好ましくは、抗コリン作用薬が治療効果を引き出すことができる疾病の吸入治療又は鼻からの治療用の医薬組成物を製造するためである。
特に好ましいのは、呼吸器系疾患、とりわけ喘息又はCOPDの吸入治療用医薬組成物を製造するための本発明の懸濁液の使用に関する。
以下の実施例は、一例を挙げて本発明をさらに詳細に説明することを目的とするものであり、その内容に本発明を限定するものではない。
B.2.1.2 エアロゾル懸濁液調合物の実施例
有効成分及び噴射ガスに加えて他の成分を含む懸濁液
処方例22:
Figure 2007509895
処方例23:
Figure 2007509895
処方例24:
Figure 2007509895
処方例25:
Figure 2007509895
処方例26:


Figure 2007509895
処方例27:
Figure 2007509895
処方例28:
Figure 2007509895
処方例29:
Figure 2007509895
処方例30:
Figure 2007509895
有効成分及び噴射剤ガスのみを含有する懸濁液
処方例31:


Figure 2007509895
処方例32:
Figure 2007509895
処方例33:
Figure 2007509895
処方例34:
Figure 2007509895
処方例35:
Figure 2007509895
処方例36:
Figure 2007509895
処方例37:
Figure 2007509895
処方例38:
Figure 2007509895
B.3.噴射剤ガスを含有しない吸入可能エアロゾル
新規なチオトロピウム塩は、噴射剤ガスを含有しない吸入可能エアロゾルとして投与することもできる。この噴射剤ガスを含有しない吸入可能エアロゾルを投与するためには、新規なチオトロピウム塩は製薬用溶液の状態に調製する。
溶媒は水を単独で使うか水とエタノールとの混合物がよい。水に対するエタノールの相対的比率に制限はないが、最大で容積比70%まで、さらに好ましくは容積比60%まで、最も好ましくは容積比30%までである。残りの容積を水で補う。好ましい溶媒は、エタノールの添加のない水である。
最終的な医薬調合品におけるチオトロピウム量を基準とした本発明の新規なチオトロピウム塩の濃度は、所望の治療効果により異なる。チオトロピウムに感受性を示す病気のほとんどの場合、チオトロピウム濃度は0.0005〜5質量%、好ましくは0.001〜3質量%であるとよい。
本発明の調合物のpH値は2.0〜4.5、好ましくは2.5〜3.5、さらに好ましくは2.7〜3.3、さらに特に好ましいのは2.7〜3.2である。最も好ましくは、pH値の上限が3.1であるとよい。
pH値の調整は薬理学的に許容される酸を添加して行う。好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸等が挙げられる。好ましい無機酸は塩酸と硫酸である。有効成分とともにすでに酸付加塩を形成している酸の使用も可能である。有機酸のなかでは、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望であれば、上記の酸の混合物を使ってもよく、特に、酸性化特性に加えて、例えば香料又は酸化防止剤としての特性を有する酸、例えばクエン酸又はアスコルビン酸等の場合は、混合して用いるとよい。無機酸としては、塩酸が明示される。
正確なpHの滴定のためには、薬理学的に許容される塩基類も所望であれば使用することができる。好適な塩基としては、例えばアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。好ましいアルカリ金属イオンはナトリウムである。このような塩基を使用する場合は、結果として得られた塩が、その後、最終医薬組成物の中に含まれ、前記の酸と薬理学的に共存できるよう注意しなければならない。
本発明では、エデト酸(EDTA)又はその公知の塩の1つであるエデト酸ナトリウムを安定剤又は錯化剤として添加することは、本発明の調合物においては不要である。
エデト酸及び/又は上記のその塩を含む実施形態もある。
推奨実施形態としては、エデト酸ナトリウムを基準とした含有量が10mg/100ml未満である。この場合、その含有量の好ましい範囲の1つが5mg/100ml〜10mg/100ml未満、また別の好ましい含有量の範囲は0より多く5mg/100ml以下である。
別の実施形態としては、エデト酸ナトリウムの含有量が10〜30mg/100mlまで、好ましくは25mg/100ml以下である。
この添加剤をすべて取り除いた推奨実施形態もある。
前述のエデト酸ナトリウムについての見解は、他の類似の添加剤で錯化作用を有し、エデト酸ナトリウムの代わりに使用することができるもの、例えばニトリロ三酢酸やその塩等についても同様のことがあてはまる。
本発明の範囲において、錯化剤とは、好ましくは錯体結合の中に入り込むことができる分子を意味する。この化合物は、カチオンを錯化する効果を有することが好ましく、金属カチオンを錯化する効果を有することが最も好ましい。
エタノールに加えて、他の補助溶媒及び/又は他の賦形剤も本発明の該調合物に加えることができる。
好ましい補助溶剤は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含むもので、例えば、アルコール類、特にイソプロピルアルコール、グリコール類、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール類及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル類であるが、これらが溶媒又は沈殿防止剤でないことを前提とする。
本明細書における賦形剤及び添加剤という用語は、それ自体は有効成分ではないが、薬理学的に好適な溶媒中で1種またはそれより多くの有効成分と共に処方することができ、有効成分を含む調合物の定性的特性を改善することができる、薬理学的に許容され、治療上有効な任意の物質を意味する。これらの物質は薬理的作用を持たないことが好ましい。あるいは、所望の療法との関連において容易に認識できるような薬理作用は持たないか、少なくとも望ましくない薬理作用を有していないことが好ましい。賦形剤及び添加剤としては、例えば、大豆レシチン、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタンエステル類、ポリビニルピロリドンなどの界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、最終的な医薬組成物の品質保持期間を延長する酸化防止剤及び/又は防腐剤、香味付与剤、ビタミン類及び/又は当分野において公知の他の添加剤が挙げられる。また、該添加剤として、例えば塩化ナトリウム等の薬理学的に許容される塩も含まれる。
好ましい賦形剤としては、例えばpHの調整に使用されていない場合のアスコルビン酸、さらにはビタミンA、ビタミンE、トコフェロール類及び人体で産生する類似のビタミン類及びプロビタミン類等の酸化防止剤が挙げられる。
防腐剤を使用して病原体による汚染から該調合物を保護することができる。適当な防腐剤は当該分野において公知のものであり、とりわけ、当該分野において公知の濃度の塩化ベンザルコニウム又は安息香酸もしくは安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩である。
好ましい調合物は、溶剤としての水及び新規なチオトロピウム塩の1種の他に、塩化ベンザルコニウム及びエデト酸ナトリウムのみを含むものである。エデト酸ナトリウムを含有させない推奨実施形態もある。
本発明の溶液は、吸入器「Respimat(登録商標)」を使って投与することが好ましい。この吸入器のさらなる実施形態についてはWO97/12687及び同出願の図6に開示されている。
B.3.1.噴射剤ガスを含有しない吸入可能エアロゾルの実施例
以下の実施例は、一例を挙げて本発明をさらに十分に説明することが目的であり、本発明をそれらの内容に限定するものではない。
処方例39:

Figure 2007509895
処方例40:
Figure 2007509895
処方例41:
Figure 2007509895
処方例42:
Figure 2007509895
無水安息香酸チオトロピウムの粉末X線回折ダイアグラムを示す。 無水チオトロピウムサッカラートの粉末X線回折ダイアグラムを示す。 無水トルエンスルホン酸チオトロピウムの粉末X線回折ダイアグラムを示す。 無水メタンスルホン酸チオトロピウムの粉末X線回折ダイアグラムを示す。 本発明の吸入可能粉末を収容するカプセルを投与するための特に好ましい吸入器を示す。

Claims (28)

  1. 式1の新規なチオトロピウム塩の製造方法であって、
    Figure 2007509895
    (式中、X-はアニオンを示す。)
    下記式2で表わされるチオトロピウム塩を、塩AgX(Xは前記定義を有することができるもの)と好適な溶媒中で反応させることを特徴とする、製造方法。
    Figure 2007509895
    (式中、Y-は、X-とは異なるハロゲン化物から選択されるアニオンを示す。)
  2. 前記溶媒がアミド類、エーテル類及びニトリル類からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. アセトニトリルを溶媒として使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 出発物質として用いられる前記式2で表わされる化合物が、式中、
    -が、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物からなる群から選択される、X-とは異なるハロゲン化物を示す化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 式1中、
    -が、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、C1-C4-アルキル硫酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、サッカラート及び安息香酸塩、又は
    C1-C4-アルキルスルホン酸塩であって、アルキル基がフッ素でモノ−、ジ−もしくはトリ置換されていてもよいアルキルスルホン酸塩、又は
    フェニルスルホン酸塩であって、フェニル環がC1-C4-アルキル基でモノ置換もしくは多置換されていてもよいフェニルスルホン酸塩、からなる群から選択されるアニオンを示す、前記式1の化合物を調製するための、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記式1の化合物を製造するための、式2で表わされる前記化合物(式中、Y-が請求項1〜5に示す定義を有することができる)の出発化合物としての使用。
  7. 式2の出発化合物であって、式中、Y-が請求項1〜5に示す定義を有することができ(但し、臭化物を除く)、溶媒和物又は水和物の形であってもよい出発化合物。
  8. 式中、Y-がヨウ化物を示す請求項7記載の式2の出発化合物であって、溶媒和物又は水和物の形であってもよい出発化合物。
  9. 式1の化合物であって、式中、X-が請求項1〜5に示す定義を有することができ(但し、臭化物を除く)、溶媒和物又は水和物の形であってもよい化合物。
  10. 式中、X-が安息香酸塩、サッカラート、トルエンスルホン酸塩又はメタンスルホン酸塩を示す請求項9記載の式1の化合物であって、溶媒和物又は水和物の形であってもよい化合物。
  11. 溶媒和物又は水和物の形であってもよい、結晶性安息香酸チオトロピウム。
  12. 粉末X線回折ダイアグラムにおいて、特性値d=10.38A、5.41A、5.05A及び4.9Aを有することを特徴とする、請求項11記載の結晶性安息香酸チオトロピウム。
  13. 溶媒和物又は水和物の形であってもよい、結晶性チオトロピウムサッカラート。
  14. 粉末X線回折ダイアグラムにおいて、特性値d=14.42A、5.61A、4.79A及び3.59Aを有することを特徴とする、請求項13記載の結晶性チオトロピウムサッカラート。
  15. 溶媒和物又は水和物の形であってもよい、結晶性トルエンスルホン酸チオトロピウム。
  16. 粉末X線回折ダイアグラムにおいて、特性値d=15.73A、5.42A及び4.59Aを有することを特徴とする、請求項15記載の結晶性トルエンスルホン酸チオトロピウム。
  17. 溶媒和物又は水和物の形であってもよい、結晶性メタンスルホン酸チオトロピウム。
  18. 粉末X線回折ダイアグラムにおいて、特性値d=7.32A、5.34A、4.93A、4.55A及び4.19Aを有することを特徴とする、請求項17記載の結晶性メタンスルホン酸チオトロピウム。
  19. 呼吸器系疾患の治療用、とりわけ慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は喘息の治療用医薬組成物を製造するための、請求項9〜18のいずれか1項記載のチオトロピウム塩の使用。
  20. 請求項9〜18のいずれか1項記載のチオトロピウム塩を含有することを特徴とする医薬組成物。
  21. 前記医薬組成物が吸入に適した製剤形態であることを特徴とする請求項20記載の医薬組成物。
  22. 前記医薬組成物が、吸入可能な粉末、噴射剤駆動定量エアロゾル及び噴射剤を含有しない吸入可能溶液又は懸濁液から選択される製剤であることを特徴とする、請求項21記載の医薬組成物。
  23. 前記医薬組成物が吸入可能な粉末であり、前記チオトロピウム塩に加えて、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類、多価アルコール類、シクロデキストリン類、アミノ酸類又は塩類あるいはこれら互いの混合物から選択される生理的に許容される好適な賦形剤1種以上を含有することを特徴とする、請求項22記載の医薬組成物。
  24. 前記賦形剤が、グルコース、フラクトース、アラビノース、ラクトース、サッカロース、マルトース、トレハロース、デキストラン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、セルロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、χ−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、アルギニン塩酸塩、塩化ナトリウム又は炭酸カルシウムあるいはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項23記載の医薬組成物。
  25. 前記医薬組成物が0.01〜2%のチオトロピウムを含有することを特徴とする、請求項23又は24記載の医薬組成物。
  26. 請求項23〜25のいずれか1項記載の吸入可能な粉末を収容することを特徴とするカプセル。
  27. 前記医薬組成物が、前記チオトロピウム塩を溶解又は分散状態で含む噴射剤含有吸入可能エアロゾルであることを特徴とする、請求項22記載の医薬組成物。
  28. 前記医薬組成物が、水、エタノール又は水及びエタノールの混合物を溶媒として含有する、噴射剤を含有しない吸入可能溶液又は懸濁液であることを特徴とする、請求項22記載の医薬組成物。
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