JP2007502823A - 接着性および生体侵食性の経粘膜薬物送達システム - Google Patents

接着性および生体侵食性の経粘膜薬物送達システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薬剤の局所または全身投与のための、粘膜接着性送達システムを対象とする。本発明の送達システムによれば、薬剤を、粘膜を通して粘膜の脈管構造内に効果的かつ容易に輸送することが可能になる。
【解決手段】この送達システムは、少なくとも部分的に水溶性の生体接着層と、少なくとも部分的に水溶性の裏打ち層とを含む。これらの層の一方または両方には、薬剤および粘膜浸透増強剤が組み込まれている。粘膜浸透増強剤は、限局性の組織刺激性を示す。粘膜接着性送達システムは、ゲル、フィルム、ディスク、またはパッチの形をとることができる。これは、口腔および鼻腔、喉、眼、膣、消化管、および腹膜を含むがこれらに限定することのない、患者の任意の粘膜に付着させることができる。

Description

本発明は、一般に、全身療法または局所療法のいずれかを目的として薬剤を経粘膜送達するための、生体侵食性の水溶性システムに関する。
いくつかの粘膜接着性用具は、体内の粘膜を通して局所的または全身的に薬剤を送達するのに使用することができる。これらの用具の多くは、体腔(例えば口)内に都合良く適合して粘膜に接着するフィルム、またはパッチの形をとる。これらはしばしば、感圧性を持つように設計され、膜に付着させると即座に接着する。
BEMA(登録商標)(Bioerodible Muco−Adhesive System(生体侵食性粘膜接着性システム))薬物送達システムは、薬剤の、速効性ある局所または全身送達のための、生体侵食性フィルムである。BEMA(登録商標)技術は、粘膜表面に付着させるための、粘膜接着性があり生体侵食性であるディスクを提供し、様々な期間にわたる薬物の経粘膜送達に使用され、例えば数分間または数時間にわたって行われる送達に使用される。BEMA技術は、例えばTapolsky他(米国特許第5800832号)およびTapolsky他(米国特許第6159498号)に開示されている。
:米国特許第5800832号 :米国特許第6159498号
粘膜を通した薬剤化合物の吸収は、粘膜のムコ多糖構造、そのムチンコーティングによって、また粘膜からの流体の流れによって、しばしば妨害される。その結果、研究者らは、粘膜に付着した薬剤の吸収を増強させかつ促進させる、製剤の設計を試みてきた。しかしそのような設計は、成功していない。粘膜液の流れは、吸収をしばしば妨げる傾向がある。吸収を増強させる化学薬品も効果的ではない。そのような化学薬品は、皮膚吸収増強剤として成型され、少なくとも非炎症性でありかつ最良でも抗炎症性であることが必要である。これらの特徴は、組織の損傷、発赤、炎症、および組織の腐肉化を回避すると言われている。
したがって、例えば数分間または数時間にわたって行われる送達など、様々な期間にわたって全身療法または局所療法のいずれかで用いられる薬剤の、容易な経粘膜送達システムが必要である。このシステムは、粘膜表面に都合良く接着する形をとることが好ましい。このシステムは、粘膜表面に付着したら即座に接着するように、適切な生体接着能力を有することが好ましい。さらに、このシステム内の薬剤は、粘膜の端から端まで効果的に輸送される。これらの特徴は、有効な期間にわたって治療部位に薬剤を維持し、かつ送達することになる。このシステムは、生体侵食性であり生分解性であることが好ましい。
本発明は、例えば数分間または数時間にわたって行われる送達など、様々な期間にわたって全身療法または局所療法のいずれかで用いられる薬剤を経粘膜送達するための、生体侵食性であり少なくとも部分的に水溶性である送達システムを対象とする。この送達システムは、粘膜表面に都合良く適合しまたはその他の方法で接着するゲル、システム、またはパッチの形をとる。システムは、粘膜表面に付着させたときに即座に接着するように、感圧性がありかつ適切な生体接着能力を有する。システムは、治療効果の迅速な発現が達成されるように、粘膜表面との密接な接触を維持する。本発明のシステムは、粘膜表面とシステム表面との界面が容易にずれないように、密接な接触を生み出す。
本発明の送達システムは、有効な期間にわたって治療部位に薬剤を維持し、粘膜浸透増強剤の作用によって薬剤の輸送を促進させる。浸透増強剤は、皮膚にではなく、粘膜だけに影響を及ぼすようになされている。このため、本発明の送達システムは、その他の既知の粘膜薬物送達システムに比べて利点がある。粘膜浸透増強剤は、システム表面から除去することによって唾液やムチン、膣液などの粘膜液が薬剤の輸送方向を変えないように、少なくとも部分的に、粘膜表面の端から端まで迅速に薬剤を輸送することを可能にする。
本発明の、粘膜接着性送達システムは、口腔内、膣、鼻、直腸、眼、消化管、および腹膜の表面を含めた任意の粘膜表面に配置することができる。粘膜表面の選択は、1つには、求められている治療計画によって決定することができる。
本発明の、粘膜接着性送達システムは、少なくとも部分的に水溶性である生体接着層と、少なくとも部分的に水溶性であり非接着性の裏打ち層と、少なくとも1種の薬剤と、少なくとも1種の粘膜浸透増強剤とを含めたいくつかの構成要素からなる。生体接着層は、少なくとも1種の生体接着性ポリマーと、任意選択で少なくとも1種の第1のフィルムを形成する少なくとも部分的に水溶性のポリマーとを含む。水溶性の非接着性裏打ち層は、少なくとも1種の第2の、少なくとも部分的に水溶性であるフィルム形成ポリマーを含む。薬剤は、1種または複数の薬剤組成物でよく、生体接着層内に分布させることができ、非接着層内に分布させることができ、またはこれら両方の層内に分布させることができる。粘膜浸透増強剤は、薬剤が位置している場所ならどこでも薬剤と混合した状態にすることができ、または生体接着層にだけ見出すことができる。粘膜接着性送達システムは、粘膜表面に適合する。このシステムは、粘膜表面に接着する。これは柔軟で、水溶性、生分解性、および生体侵食性を持つ。本発明の粘膜接着性送達システムは、流動性ゲル、フィルム、パッチの形をとり、またはその他の成形された固体または半固体の形をとることができる。
任意選択の追加の層は、本発明の粘膜接着性システムの一部を形成してもよい。このシステムの分解および遊離の動態に影響を及ぼすよう設計された第3の層を、含めることができる。潤滑層として機能するように設計された第3の層を含んでもよい。追加の1つまたは複数の層は、生体接着層、裏打ち層、またはこの両方に付着したコーティングの形をとるものでもよい。コーティングは、任意選択の第3の層と同じ材料で形成することができ、同じ1つまたは複数の目的を達成することができる。
本発明は、上述の送達システムを使用して治療するための方法も、対象とする。一実施態様では、この方法は、本発明の粘膜接着性送達システムに哺乳類の粘膜表面を接触させることによって、哺乳類の粘膜表面に薬剤を送達するステップと、この送達システムにより、薬剤を粘膜に通して血流中へと輸送するステップとを含む。送達の動態および効率は、既知の粘膜接着性用具にも優って改善される。この改善は、粘膜浸透増強剤が存在する結果である。
本発明は、創傷に苦しむ哺乳類の粘膜表面を、本発明の粘膜接着性送達システムに接触させることによって、哺乳類の粘膜表面の創傷を治療するための方法も対象とする。このシステムは、適切な抗生物質および任意選択の組織成長ホルモンを含んでよい。
本発明は、1種または複数の薬剤を、哺乳類の粘膜領域に局所的に送達するための方法も提供する。この方法では、薬剤は、選択された粘膜領域全体に局在化したままである。浸透増強剤によって、粘膜組織全体にわたり、薬剤を完全に分散させることが可能になる。送達システムの迅速な分解によって、局所投与が可能になると共に、全身への分布が大幅に回避される。この方法の一実施態様は、殺精子性または抗ウイルス性化合物を膣管に提供するための、送達システムの使用である。
別の実施態様は、大腸または小腸や腹膜の粘膜などの内部粘膜表面に、2層のゲルを付着させることを含む治療方法である。2チャネル送達装置の使用は、流動性2層ゲルの所望の送達をもたらすことができる。
粘膜接着性システムの使用が適している医薬療法には、親油性および極性を持つ薬剤の経粘膜送達と、痛み、癌および/または皮膚障害の治療と、薬剤の局所または全身送達とが含まれる。
本発明は、本発明の粘膜接着性送達システムおよびその使用説明書を含んだキットも対象とする。
(定義)
本明細書で使用する、ある特定の用語には、以下の意味がある。この明細書で使用される、その他の用語および文言の全てには、当業者に理解されるような、それらの通常の意味がある。そのような通常の意味は、Hawley's Condensed Chemical Dictionary,第11版, SaxおよびLewis, Van Nostrand Reinhold, New York, N.Y.,1987; The Merck Index,第11版, Merck & Co., Rahway N.J. 1989; The Physician's Desk Reference (PDR), 2001年版, Medical Economics Company, Montvale, N.J.; Stedman's Medical Dictionary,第25版, Williams & Wilkens, Baltimore, MD, 1990などの専門辞典を参照することにより、また、特に"Webster's New World Dictionary of the American Language" College版, The World Publishing Co. Cleveland, Ohio and New York, N.Y, 1962などの英語辞書を参照することにより、得ることができる。
:Hawley's Condensed Chemical Dictionary,第11版, SaxおよびLewis, Van Nostrand Reinhold, New York, N.Y.,1987 :The Merck Index,第11版, Merck & Co., Rahway N.J. 1989 :The Physician's Desk Reference (PDR), 2001年版, Medical Economics Company, Montvale, N.J. :Stedman's Medical Dictionary,第25版, Williams & Wilkens, Baltimore, MD, 1990 :"Webster's New World Dictionary of the American Language" College版, The World Publishing Co. Cleveland, Ohio and New York, N.Y, 1962
本発明の文脈において、「粘膜の」または「粘膜」という用語は、口腔、鼻腔、直腸、膣、尿道、喉、消化管、腹膜および眼の粘膜を指す。胃、小腸および大腸、腹膜の粘膜は、これら組織への接着をもたらすよう特に設計された粘膜接着性送達システムに接触する組織として含まれる。そのような設計には、この特定の組織に接触すると粘膜接着性システムを放出するよう設計されたカプセルと、2層ゲルとが含まれるが、これらに限定するものではない。
本発明の文脈において、「粘液」または「粘膜液」という用語には、任意の粘膜の分泌物を含めた通常の意味があるが、これらに限定するものではなく、"The Merck Index"第11版, 1989, item no.6207に定義されるように、ムチンを含むことができる。
:The Merck Index"第11版, 1989, item no.6207
本発明の文脈において、「ムコ多糖」という用語には、"Hawley's Condensed Chemical Dictionary"第11版, VanNostrand Reinhold Company, New York, NY, 1987に定義されるように、粘膜の構造ポリマーを含めた通常の意味があるが、これらに限定するものではない。
:"Hawley's Condensed Chemical Dictionary"第11版, VanNostrand Reinhold Company, New York, NY, 1987
本発明の文脈において、「脈管構造」という用語は、器官または組織内の血管の分布を指す。
本発明の文脈において、「少なくとも部分的に水溶性」および「水溶性」という用語は、記述される物質が、ごく僅かに水溶性である状態から完全に水溶性である状態に至るまで、水溶性を示すことを意味する。物質は、水に容易に溶解することができ、または長時間にわたり、辛うじてごく一部だけが水に溶解することができる。さらに物質は、体液の複雑な性質により、水と比べたときに体液に対して異なる溶解度を示す可能性がある。例えば、水に僅かしか溶解しない物質は、体液に対し、軽微な量から適度な量に至る溶解度を示す可能性がある。しかし、その他の場合では、水中と体液中での物質の溶解度はほぼ同じである。
本発明の文脈において、「水溶性ポリマー」という用語は、ポリマーが水膨潤性であり、水と共に分散体を形成することを意味する。水中でのポリマーの濃度に応じて、得られる分散体は、流体状の水から粘性またはゲル状に至るまでの粘度を有することになる。水溶性ポリマーも、水侵食性になる。しかし水溶性ポリマーは、塩化ナトリウムが水に溶解してイオン溶液を形成するようには、水に溶解しない。
本発明の文脈において、「少なくとも1種の」という文言は、指定された属分類に包含される種の1つまたは多数が存在できることを意味する。例えば、生体接着層内に存在する「少なくとも1種の生体接着性ポリマー」という文言は、この層を、生体接着性ポリマーの1種または多数で形成できることを意味する。同様に、「少なくとも1種の薬剤」という文言は、薬剤の1種または多数が存在してよいことを意味する。
本発明は、水溶性生体接着層と、水溶性であり非接着性の裏打ち層と、薬剤と、粘膜浸透増強剤とを含んだ粘膜接着性送達システムを提供する。粘膜接着性送達システムは、薬剤の局所および/または全身投与のための、徐放性送達システムである。送達の動態および効率は、既知の粘膜接着性送達システムの送達能力に比べて改善されている。粘膜浸透増強剤の存在により、この改善された能力が実現される。
粘膜接着性送達システムは、任意の内部または外部粘膜表面に配置することができるので、粘膜接着性送達システムは、医薬品として許容される材料と共に、その生体接着層内に、その裏打ち層内に、またその薬剤および浸透増強剤として、配合される。適切な場合、また望む場合には、これら構成要素の一部を、安全な(「GRAS認定された」)または国民医薬品集により認定された(「NF認定された」)ものと一般に見なされる材料と共に、配合することができる。
(送達システムの機能)
送達システムから粘膜表面への活性剤(薬剤および浸透増強剤)の送達は、本発明による送達システムの有効な機能を促進させる。本発明は、この送達に関する理論によって限定されるものではないが、送達は、拡散、生分解、生体侵食、およびマイクロキャピラリー活性を含めた1つまたは複数の作用によって、実現することが考えられる。これらの送達作用を通して、活性剤は粘膜と接触し、そこでは、浸透増強剤の媒介によって、薬剤の強力な輸送が実現される。
拡散メカニズムは、これら薬剤の輸送を、システム内部での高い濃度から、システムと粘膜との界面でのより低い濃度へと、引き起こすことが考えられる。生分解メカニズムは、システムポリマーの分解によってシステムの表層が除去され、そのため新しい表面が露出して、そこに薬剤および増強剤が現れると考えられる。生体侵食メカニズムは、システム表面のポリマーを可溶化し、またはその他の方法で溶解して、やはり新しいシステム表面を露出させることが考えられる。マイクロキャピラリーメカニズムは、送達システム層内に存在する微小孔およびチャネルを通して、活性剤の運動を引き起こすことが考えられる。この運動は、固体材料を通して拡散するのではなく、そのような固体材料の周りのマイクロチャネルを辿るので、拡散とは全く異なると見なされる。これらメカニズムの全ては、活性剤を界面へと送達し、そこでは、活性剤の粘膜内への輸送を開始することができる。
しかし粘膜は、活性な表面である。粘液、唾液、およびその他の膣液などの身体分泌物は、システム表面の上、下、および周囲に流体の流れを形成する。この流体の流れには、薬剤および浸透増強剤を、界面から誤った方向に向けまたは別の方法で界面から除去し、消化管の外にまたは消化管を通して処分する傾向がある。さらに、粘膜表面およびムコ多糖は、極性化合物、イオン性化合物、および粘膜を通る活性吸収経路に曝されていない任意のその他の化合物の吸収を、防止するようになされている。その結果、多くの薬剤は、粘膜表面の端から端まで十分に浸透せず、または輸送されない。
本発明は、粘膜によって提示されるこの問題を解決するものである。本発明は、浸透増強剤の作用による薬剤の効果的な浸透を実現する。
本発明により使用される粘膜浸透増強剤の特徴は、局所送達システムにおいては驚くべきものである。粘膜は、一般に、皮膚を含む表皮システムの一部と見なされる。これらの表皮層は、共通の機能および性質を有すると見なされる。表皮層は、外から付着された化学物質および組成物の吸収に耐え、またはそのような吸収を防止する。表皮層の性質は、親油性である。表皮層は、水性および有機性の媒体および液体をはじく。その結果、局所製剤は、皮膚および粘膜の表面で有用であると言われている。当業者には、皮膚浸透増強剤の正および負の性質も、粘膜浸透増強剤の適切な性質であることが理解されよう。例えば米国特許第6299900号では、特許請求の範囲に記載されている浸透増強剤が、皮膚または粘膜を横断する薬物輸送に効果的であると言われている。この特許によれば、ある化合物を、効果的な浸透増強剤としては不適格であると見なす主な負の特徴は、刺激を引き起こす可能性があることである。その結果、この分野での現在の知識によれば、皮膚または粘膜の浸透を増強するのに刺激物を使用できないことが示される。
:米国特許第6299900号
したがって、適切で有効な量の刺激物が、本発明による効果的な粘膜浸透増強剤として働くことは、驚くべきことである。本発明は、作用メカニズムによって限定されるものではないが、粘膜刺激物は、粘膜の毛管の局所的な拡張を引き起こすことによって作用すると考えられる。刺激物は、局所粘膜内で、間質液の迅速な流入を引き起こすことも考えられる。毛管の拡張、および間質液の流れの増大によって、粘膜表面に送達された薬剤の迅速な取込みが可能になると考えられる。また、粘膜のムコ多糖構造を通した刺激物の浸透は、これら拡張した毛管および間質液への薬剤の輸送を、促進させると考えられる。また、刺激の程度と浸透の程度とは相関しないことも見出され、したがって、薬剤の粘膜輸送を可能にするのに必要とされる粘膜浸透増強剤の量は、通常は、著しい粘膜の刺激を引き起こさないようになされている。それにも関わらず、ある程度の刺激は、本発明により許容することができる。
(送達システムの構成要素の構造)
(水溶性生体接着層)
水溶性生体接着層は、哺乳類の任意の粘膜の粘膜表面に接着することができる。水溶性生体接着層は、一般に水溶性であり、生体接着性ポリマーと、任意選択の第1のフィルム形成水溶性ポリマーとから作製することができる。生体接着層は、その生体接着能力で知られている少なくとも1種の、薬理学的に許容されるポリマー(「生体接着性ポリマー」)を含むことになり、任意選択で少なくとも1種の第1のフィルム形成水溶性ポリマー(「フィルム形成ポリマー」)を含むことができる。あるいは生体接着層は、生体接着性ポリマーとして働きかつ第1のフィルム形成ポリマーとしても働く単一のポリマーで、形成することができる。さらに、水溶性生体接着層は、その他の第1のフィルム形成水溶性ポリマーと、グリセリンおよび/またはポリエチレングリコール(PEG)などの水溶性可塑剤とを含むことができる。
(生体接着性ポリマー)
水溶性生体接着層の生体接着性ポリマーは、任意の水溶性置換セルロースポリマーまたは置換オレフィンポリマーにすることができ、この場合、置換基は、イオン結合または水素結合でよく、例えばカルボン酸基、ヒドロキシルアルキル基、アミン基、およびアミド基などがある。ヒドロキシル含有セルロースポリマーの場合、生体接着性をもたらすには、アルキル基とヒドロキシアルキル基との組合せが好ましく、これら2種の基の比が、水膨潤性および分散性に影響を与えることになる。これらの例には、任意選択で部分的に架橋することのできるポリアクリル酸(PAA)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)、中程度から高度に置換されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP、任意選択で部分的に架橋できるもの)、中程度から高度に置換されたヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはこれらの組合せが含まれる。一実施態様で、HEMCは、1種のポリマーで形成された生体接着層に関して既に述べたように、生体接着性ポリマーおよび第1のフィルム形成ポリマーとして使用することができる。これらの生体接着性ポリマーは、乾燥したシステム状態で、良好かつ速効性ある粘膜接着性を有するので好ましい。同様に有用な性質を有し、かつ当業者に知られているその他の生体接着性ポリマーも、使用することができる。
PAAと、一部の級のPVPとを同時に使用する結果、一方または両方の成分が沈殿する可能性がある。この沈殿は、特に均質な層を形成しようとする場合、望ましくないと考えられる。さらに、そのような沈殿は、粘膜接着システムの全体的な接着性をわずかに変化させる可能性がある。当業者なら、これらの問題を認識することができ、そのような級のPVPをPAAと共に使用するのを避けることができると理解される。
(第1のフィルム形成水溶性ポリマー)
生体接着層の、第1のフィルム形成水溶性ポリマーは、ヒドロキシアルキルセルロース誘導体、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロース誘導体であって、好ましくは水素結合を効果的に促進させるヒドロキシアルキル基とアルキル基との比を有するものにすることができる。そのような第1のフィルム形成水溶性ポリマーには、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはこれらの組合せを含めることができる。好ましくはこれらセルロースポリマーの置換の程度は、低レベルから中レベルをわずかに超える範囲になる。類似するフィルム形成水溶性ポリマーも、使用することができる。フィルム形成水溶性ポリマーは、その溶解動態を変化させるため、任意選択で架橋しかつ/または可塑化することができる。
(水溶性非接着性裏打ち層)
非接着性裏打ち層も、水溶性であり、第2の水溶性フィルム形成ポリマーを含む。非接着性裏打ち層は、粘膜接着システムを哺乳類の粘膜表面に付着させた後に、溶解することになる。多くの適用例で、水溶性非接着性裏打ち層は、典型的な場合、水溶性生体接着層が溶解する前に溶解する。
水溶性非接着性裏打ち層は、水溶性生体接着層を保護する。水溶性非接着性裏打ち層の溶解は、主に、粘膜に付着させた後の本発明の粘膜接着性システムの滞留時間を制御し、標的とされる膜を横断する一方向送達を促進させる。
(第2の水溶性フィルム形成ポリマー)
水溶性非接着性裏打ち層は、第2の水溶性フィルム形成ポリマーを含む。これらのポリマーには、ポリエーテル、およびポリアルコール、ならびに水素結合セルロースポリマーであって、ヒドロキシルアルキル基置換またはヒドロキシアルキル基およびアルキル基置換を有するものが含まれ、ヒドロキシアルキル基とアルキル基との比が中程度から高いものであることが好ましい。これらの例には、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー、およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。水溶性非接着性裏打ち層の構成成分は、任意選択で架橋することができる。一実施態様で、水溶性非接着性裏打ち層は、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含む。水溶性非接着性裏打ち層は、粘膜表面への「二重固着」を避けるため、滑り易い表面として機能することができる。
限定された分子量特性を有する異なるポリマーまたは類似のポリマーの組合せは、好ましいフィルム形成能力、機械的性質、および溶解動態を実現するために使用することができる。
全ての場合において、使用されるポリマーの水溶性の特徴は、定義のセクションで述べた通りである。
第3の層、またはコーティング専用ポリマー、および非ポリマー材料は、潤滑性、追加の溶解保護、薬物送達速度制御、およびその他の専用特性を、任意選択で経粘膜送達システムに与えるのに用いてもよい。これらの第3の層またはコーティング材料は、経粘膜システムの侵食性動態を調節するように働く構成成分を、含むこともできる。そのような第3の層またはコーティング材料は、2000年10月4日に出願された、米国特許出願第09/684682号に記載されており、その開示を参照により本明細書に援用する。これらの例には、ポリアクチド、ポリグリコリド、ラクチド−グリコリドコポリマー、ポリ−e−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、エチルセルロース、酢酸ビニル、セルロース、アセテート、ポリイソブチレン、またはこれらの組合せが含まれる。
:米国特許出願第09/684682号
(薬剤)
薬剤は、水溶性生体接着層全体に、または水溶性非接着性裏打ち層全体に、またはこれら両方の層全体に、分布させることができる。薬剤は、これら層の全体に均一に分布させることができ、または、水溶性生体接着層の中心付近に集中させるなど、特定の層に集中させることができる。
薬剤は、特定の粘膜または領域であって、例えば口腔や鼻腔、喉、膣、消化管、腹膜などへの、局所送達に適したものにすることができる。あるいは薬剤は、そのような粘膜を介した全身送達に適したものにすることができる。
薬剤は、送達システムの生体接着層および/または裏打ち層に、単独で組み込むことができ、あるいは、後でこれらの層に組み込むことができる薬剤組成物として、予備処方することができる。薬剤組成物は、1種または複数の薬剤、ならびに任意選択の賦形剤、希釈剤、補助剤、担体、ポリマーおよび非ポリマー粘性結合剤、ポリマーおよび非ポリマー親水剤、これらの組合せなどを含むことができる。薬剤および/または薬剤組成物は、粘膜接着システムのいずれかの層に堆積したときに、液体、固体、懸濁液、融解物質、または粉末物質の形をとることができる。これらの薬剤または組成物は、複数の層のいずれにも1回以上堆積することができる。例えば、これらの薬剤または組成物は、いずれかの層上に、約1回から約10回の間で堆積することができる。この場合、薬剤または薬剤組成物は、これらの層が形成された後に、または任意選択でこれらの層を一緒に合わせる前に、これらの層に添加することができる。この種の調製手順は、「ポストローディング」として知られている。
薬剤または薬剤組成物は、コーティング前および乾燥後、層成分が1つになって流動性材料になっているので、この層成分に添加することもできる。システム配合前の、薬剤または薬剤組成物の添加は、「プレローディング」として知られている。薬剤または薬剤組成物は、液体またはゲルに溶解しまたは分散させることができる。液体またはゲルは、上述のポリマーおよびその他の賦形剤なども含む。次いでこの液体またはゲルを処理して、粘膜接着性システムの実施態様を形成することができる。
薬剤は、単一の薬剤組成物、または薬剤組成物の組合せを含むことができる。単独で、または組み合わせて使用することのできる、薬剤化合物のカテゴリーの例には、アドレナリン作動薬;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;嫌酒薬;アルドステロン拮抗薬;アミノ酸;アンモニア解毒剤;アナボリック;蘇生薬;鎮痛薬;アンドロゲン;抗血管形成剤;麻酔補助剤;麻酔薬;食欲低下薬;拮抗薬;脳下垂体前葉抑制剤;駆虫薬;抗ざそう薬;抗アドレナリン作動薬;抗アレルギー薬;抗アメーバ薬;抗アンドロゲン;抗貧血薬;抗狭心症薬;抗不安薬;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗アテローム硬化症薬;抗菌剤;抗胆石薬;抗胆石原薬;抗コリン作用薬;抗凝血薬;抗コクシジウム薬;抗痙攣薬;抗うつ薬;抗糖尿病薬;下痢止め薬;抗利尿薬;解毒剤;制吐薬;抗てんかん薬;抗エストロゲン;抗線維素溶解剤;抗真菌剤;抗緑内症薬;抗血友病薬;抗出血薬;抗ヒスタミン;抗高脂血症薬;抗高リポタンパク血症薬;抗高血圧症薬;抗低血圧症薬;抗感染症薬;抗感染症薬、局所;抗炎症薬;抗角質化剤;抗マラリア;抗菌剤;抗偏頭痛薬;抗カビ剤、抗嘔吐剤、抗腫瘍薬、神経痛治療薬、抗肥満薬;駆虫薬;抗パーキンソン病薬;抗蠕動薬、抗ニューモシス薬;抗増殖薬;抗前立腺肥大症薬;抗原虫薬;鎮痒薬;抗精神病薬;抗リウマチ薬;抗住血吸中薬;抗脂漏薬;抗分泌薬;抗痙攣薬;抗血栓薬;鎮咳薬;抗潰瘍薬;抗尿結石薬;抗ウイルス剤;食欲抑制剤;前立腺肥大症治療薬;血糖調節剤;骨吸収阻害剤;気管支拡張剤;炭酸脱水酵素阻害剤;心筋抑制剤;心臓保護剤;強心薬;心臓血管薬;利胆剤;コリン作動薬;コリン作動性診断補助剤;利尿薬;ドーパミン作動薬;外部寄生生物撲滅薬;催吐薬;酵素阻害剤;エストロゲン;線維素溶解薬;蛍光剤;遊離酸素ラジカルスカベンジャー;胃腸運動作動体;グルココルチコイド;性腺刺激成分;発毛刺激薬;止血薬;ヒスタミンH2受容体拮抗薬;ホルモン;低コレステロール血症薬;低血糖症薬;抗脂血薬;降圧薬;造影剤;免疫化薬;免疫修飾物質;免疫調節薬;免疫増強薬;免疫抑制薬;性交不能治療薬;阻害剤;角質溶解剤;LNRN作動薬;肝臓障害治療薬;ルテオリジン;記憶補助薬;精神機能増強剤;気分調節薬;粘液溶解薬;粘膜保護剤;散瞳薬;鼻うっ血除去薬;神経筋遮断薬;神経保護薬;NMDA拮抗薬;非ホルモンステロール誘導体;子宮収縮薬;プラスミノーゲン活性化因子;血小板活性化因子拮抗薬;血小板凝集阻害剤;脳卒中後および頭部外傷後治療薬;増強剤;プロゲスチン;プロスタグランジン;前立腺肥大阻害剤;プロチロトピン;向精神薬;放射性物質;調節剤;弛緩薬;再分配剤;疥癬虫撲滅薬;硬化薬;鎮静薬;催眠鎮静薬;選択性アデノシンA1拮抗薬;セロトニン拮抗薬;セロチニン阻害剤;セロチニン受容体拮抗薬;ステロイド;刺激剤;抑制剤;徴候性多発性硬化症協力剤;甲状腺ホルモン;甲状腺阻害剤;甲状腺様作動薬;トランキライザー;筋萎縮性硬化症治療薬;脳虚血症治療薬;ページェット病治療薬;不安定狭心症治療薬;尿酸排泄薬;血管収縮薬;血管拡張薬;傷薬;創傷治癒薬;およびキサンチンオキシダーゼ阻害剤が含まれる。
上記開示された種類の薬剤化合物の例である、特定の薬剤化合物には、アセブトロール;アセブトロール;アシクロビル;アルブテロール;アルフェンタニル;アルモトリプタン;アルプラズラム;アミオダロン;アムレクサノックス;アンホテリシンB;アネコルターブアセテート;アトルバスタチン;アトロピン;オーラノフィン;オーロチオグルコース;ベナゼプリル;ビカルタミド;ブレチリウム;ブリフェンタニル;ブロモクリプチン;ブプレノルフィン;ブトルファノール;ブスピロン;カルシトニン;カンデサルタン;カルフェンタニル;カルベジロール;クロルフェニルアミン;クロロチアジド;クロルフェンテルミン;クロルプロマジン;クリンダマイシン;クロニジン;コデイン;シクロスポリン;デシプラミン;デスモプレッシン;デキサメタゾン;ジアゼパン;ジクロフェナク;ジゴキシン;ジジドロコデイン;ドラセトロン;ドーパミン;ドキセピン;ドキシシクリン;ドロナビノール;ドロペリドール;ジクロニン;エレトリプタン;エナラプリル;エノキサパリン;エフェドリン;エピネフリン;エルゴタミン;エトミデート;ファモチジン;フェロジピン;フェンタニル;フェキソフェナジン;フルコナゾール;フルオキセチン;フルフェナジン;フルルビプロフェン;フルバスタチン;フルボキサミン;フロバトリプタン;フロセミド;ガンシクロビル;金チオリンゴ酸ナトリウム;グラニセトロン;グリセオフルビン;ハロペリドール;B型肝炎ウイルスワクチン;ヒドララジン;ヒドロモルフォン;インスリン;イプラトロピウム;イスラジピン;二硝酸イソソルビド;ケタミン;ケトロラク;ラベタロール;ロイプロリド;レボルファノール;リジノプリル;ロラタジン;ロラゼパン;ロサルタン;ロバスタチン;メラトニン;メチルドーパ;メチルフェニデート;メトプロロール;ミダゾラム;ミルタザピン;モルフィン;ナドロール;ナルブフィン;ナロキソン;ナルトレキソン;ナラトリプタン;ネオストグミン;ニカルジピン;ニフェジピン;ノレピネフリン;ノルトリプチリン;オクトレオチドおよびその類似体;オランザピン;オメプラゾール;オンダンセトロン;オキシブチニン;オキシコドン;オキシモルホン;オキシトシン;フェニレフリン;フェニルプロパノーライミン;フェニトイン;ピモジド;ピオグリタゾン;ピロキシカム;プラバスタチン;プラゾシン;プロクロルペラジン;プロパフェノン;プロクロルペラジン;プロピオマジン;プロポフォル;プロプラノロール;偽性エフェドリン;ピリドスチグミン;ケチアピン;ラロキシフェン;レミフェンタニル;rhuFab V2;ロフェコキシブ;レパグリニド;リスペリドン;リザトリプタン;ロピニロール;ソマトスタチンおよびその類似体;スコポラミン;セレギリン;セルトラリン;シルデナフィル;シンバスタチン;シロリムス;スピロノラクトン;スフェンタニル;スマトリプタン;タクロリムス;タモキシフェン;テルビナフィン;テルブタリン;テストステロン;破傷風トキソイド;THCトルテロジン;トリアムテレン;トリアゾラム;トリセタミド;バルサルタン;ベンラファクシン;ベラパミル;ビスジン;ザレプロン;ザナミビル;ザフィルルカスト;ゾルミトリプタン;およびゾルピデムが含まれるが、これらに限定するものではない。
本発明の送達システムに組み込まれる薬剤の量は、投与すべき所望の治療用量に依存するが、典型的な場合、薬剤は、粘膜接着システムの約0.001重量%から約50重量%で存在することになり、より具体的には約0.005から約35重量%の間で存在することになる。
(粘膜浸透増強剤)
粘膜浸透増強剤は、粘膜を横断して粘膜の脈管構造に入る薬剤の容易な輸送を可能にし、または局所的に、粘膜組織全体にわたる薬剤の分散を可能にする。上記論じたように、粘膜浸透増強剤は刺激剤である。刺激剤には、真皮を通した輸送を阻止する傾向があるので、刺激剤にそのような粘膜輸送効果があることは、驚くべきことである。
本発明によれば、刺激剤は、粘膜脈管構造の拡張および粘膜組織の流体うっ積を引き起こす局所血管拡張剤として、機能すると考えられる。粘膜の流体の迅速な交換は、本発明により送達された薬剤の、分離ではなく分布を可能にすると考えられる。
粘膜浸透増強剤は、粘膜に対して局所的な拡張およびうっ積効果を示す、任意の化合物にすることができる。しかし全身的な血管拡張を示す化合物は、本発明による粘膜浸透増強剤の概念に含まれない。
粘膜浸透増強剤の種類には、炎症、刺激、および粘膜発赤を引き起こす、薬草、植物、および化学物質が含まれる。これらには、コショウの活性成分、局所発疱薬、ツタウルシ毒やアメリカツタウルシなどの一般的な「毒草」が含まれる。サリチル酸メチルやメントール、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、トウガラシなどの化学物質も含まれる。テルペン、トリテルペン、これらの酸素化形態、ならびに精油も含まれる。
本発明による粘膜浸透増強剤として、効果的に機能する特定の化合物には、Capsicum frutescens chili、Allium sativum(ニンニク)、Amoracia rusticana(西洋ワサビ)、Achillea millefolium(ノコギリソウ)、Berberis vulgaris(メギ)、Cimicifuga racemosa(ブラックコホシュ)、Coleus forskholii(サヤバナ)、Coptis spp.(イトヨリダイ)、Crataegus spp.(サンザシ)、Eleutherococcus senticosus(シベリアニンジン)、Ginkgo biloba(イチョウ)、Melissa officnalis(レモンバーム)、Olea europaea(オリーブの葉)、Panax ginseng(中国ニンジン)、Petroselinum crispum(パセリ)、Scutellaria baicalensis(黄ゴン)、Tilia europaea(リンデンフラワー)、Trigonella foenum−graecum(コロハ種子)、Urtica dioica(イラクサ)、Valeriana officinalis(ワレリアナ根)、Viburnum spp.(クランプ、バーク、ブラックホー)、Veratrum viride(アメリカンヘリボー)、Verbena officinalis(バーベイン)、Xanthoxylum americanum(サンショウ)、Zingiber officinale(ショウガ)、およびカテクトール誘導体が含まれる。
本明細書で使用する「トリテルペン」という用語は、炭化水素またはその酸素化類似体を含み、かつ一連の直接的な環化、官能化、および時には転位によってスクワレンから得られる、植物2次代謝産物を指す。トリテルペンおよびその類似体は、当技術分野で知られている方法によって、すなわち従来の合成技法を使用して、または植物からの単離によって、調製することができる。適切な、例示的なトリテルペン、およびその生物学的合成は、例えば、R.B.Herbert, The Biosynthesis of Secondary Plant Metabolites,第2版(London: Chapman 1989)に開示されており、その開示を参照により本明細書に援用する。「トリテルペン」という用語は、約30個の炭素原子を有し、かつ植物中およびその他の有機物中の6単位のイソプレンから合成された、化合物の種類の1つを指す。トリテルペンは、炭素、水素、および任意選択で酸素からなる。ほとんどのトリテルペンは、植物中の2次代謝産物である。全てではないがほとんどのトリテルペンは、5環システムである。その例には、メントール、ユーカリプトール、D−リモネン、およびシメンが含まれる。
:R.B.Herbert, The Biosynthesis of Secondary Plant Metabolites,第2版(London: Chapman 1989)
「精油」という用語は、植物組織から得られた発香性の高い、揮発性液体成分を指す。精油は、典型的な場合、1種または複数のテルペン、エステル、アルデヒド、ケトン、アルコール、フェノール、および/または酸化物の混合物を含む。これら化合物の官能基の種類は、精油の治療特性および特徴的な芳香を左右する。
精油は、製造することができる(すなわち、合成しまたは部分的に合成する)。あるいは精油は、植物または植物構成要素(例えば植物組織)から得ることができる。適切な植物または植物構成要素には、例えば草、花、実、種子、樹皮、柄、根、針葉、球根、液果、根茎、根株、葉、またはこれらの組合せが含まれる。
適切な特定の精油には、例えば下記の1種または複数が含まれ、すなわちアジョワン、スイートアーモンド油、オールスパイス、アロエベラ油、ammi visnaga(ケラ)、アミリス、アンゲリカ根、アンゲリカ種子、アニス、アニス種子、ダイウイキョウ、アンニン、アルニカアブソリュート、アボカド油、未精製アボカド油、コパイババルサム、真性ペルーバルサム、ペルーバルサム油、ペルーバルサム液体樹脂、トル−バルサム、スイートフレンチバジル、バジル、バジルct.メチルチャビコール、レモンct.シトラールバジル、スイートct.リナロールバジル、ベイローレル、ベイリーフ、ベイラム、西インドベイリーフ、蜜蝋、未精製の蜜蝋、ベンゾインアブソリュート、ベンゾインレジノイド、ベルガモット、ミントベルガモット、イタリアンベルガモット油、フリーベルガプテンベルガモット、カバノキ、スイートバーチ、ボリジ油、ボロニア、バター、ブチュリーフ、カヤプト、ショウブ根、浸出カレンデュラ油、ツバキ油、大麻、カラウェイ、カラウェイ種子、ショウズク、カーネーションアブソリュート、ニンジン種子、高キャロトールニンジン種子、ニンジン種子油、ケイ皮、ケイ皮の芽(ブラックカラント)、ヒマシ油、キャトニップ、キャトニップ油、ニオイヒバ、ベイスギ、スギ、アトラススギ、ヒマラヤスギ、バージニアスギ、セロリ種子、カモミール、ブルーカモミール、ジャーマンカモミール、モロッコカモミール、モロッコワイルドカモミール、ローマカモミール、チャンパカ、シラントロ、真性シナモンバーク、シナモンバーク、シナモンリーフ、シナモンケイ皮、シスタス、シトロネラ、ジャワシトロネラ、システ油、人工シベット、クラリーセージ、高スクラレオールクラリーセージ、クレメンチン、イタリアンクレメンチンピール油、チョウジ、チョウジの芽、チョウジの葉、ココア、ココアバター、未精製ココアバター、ココナツ油、未精製ココナツ油、コニャック、コンババプチグレン、コリアンダー、グリーンコリアンダー、ハッカ、コスタス油、クミン、ヒノキ、ダバナ油、ジル、ジルウィード、エレミ、エロゲロン(ノミヨケ草)、ユーカリシトリオドラ、ユーカリグロブルス、レモンユーカリ、ウイキョウ、スイートフェンネル、コロハ種子、モミ、カナダモミ針葉、シベリアモミ針葉、ベイモミ針葉、オリバナム、インドオリバナム、オマーンオリバナム、ガルバヌム油、ニンニク、エニシダ、ゼラニウム、ゼラニウムの葉、ゼラニウムローズ、ブルボンゼラニウム、エジプトゼラニウム、ショウガ、コーチンエクストラジンジャー、ニンジン、シベリアニンジン、高麗ニンジン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、ホワイトグレープフルーツ、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヘリクリサム、ヘリクリサムイモーテレ、マダガスカルヘリクリサム、バルカンヘリクリサム、コルシカヘリクリサム、フランスヘリクリサム、大麻油、スイカズラアブソリュート、ヒソップ、ヒソップデクンベンス、イモーテレアブソリュート、フラグラントアスターイヌラ、ジャマイカゴールド、未精製ジャマイカゴールド、ジャスミン、ジャスミンアブソリュート、グランジフローラムジャスミン、サンバックジャスミン、ホホバ油、ホホバのヘリオキャロット、ホホバのメリッサ、キズイセンアブソリュート、ジュニパーベリー、シベリアジュニパーベリー、クロアチアジュニパーベリー、ラノリン、未精製ラノリンアブソリュート、ランタナカマラ、ローレルノビリス、ラバンジン、アブリアリスラバンジン、グロッソラバンジン、ラベンダー、オレゴンラベンダー、ブルガリアラベンダー、ロシアラベンダー、高地ラベンダー、野生で育ったラベンダー、ラベンジン、オーガニックラビンジン、レモン、レモングラス、ライム、蒸留ライム、圧搾ライム、ハマビワ属、アオモジ、ブルー、ピンク、およびホワイトロータス、マカダミア油、メース、グリーンマンダリン、レッドマンダリン、イエローマンダリン、マヌカ、マリーゴールドアブソリュート、マリーゴールドフラワー、マージョラム、スパニッシュマージョラム、スイートマージョラム(真性)、マソイアバーク、メリッサ、同時蒸留したメリッサ、「精留」メリッサ、真性メリッサ、ミモザアブソリュート、ミモザ、モナルダ、ヨモギ、ジャコウ種子、ミルラ、ミルテ、スイセンアブソリュート、ネロリ(オレンジブロッサム)、ニアウリ、ナツメグ、エキストラナツメグ、オークモス、オークモスアブソリュート、オリバナム、オポパナックスアブソリュート、ビターオレンジ、ブラッドオレンジ、スイートオレンジ、野生西インドオレンジ、オレガノ、オリス根、コンクリートオリス、モクセイ、パーム油、精製パーム油、パルマローザ、パプリカ、パセリ種子、パチョリ、インドパチョリ油、インドネシアパチョリ油、ピーナツ、ピーナツ油、ペカン油、ペニローヤル、ペッパー、ブラックペッパー、スーパーブラックペッパー、ペパーミント、インドペパーミント、USAベビーミントペパーミント、ペット香料、プチグレン(オレンジリーフ)、シロマツ、マツ葉、オオマツヨイグサ、ラベンサラアニサタ、真性ラベンサラ、ラベンサレ、ラビントサラ、レッドベリー、ロサリナ、ローズ、ローズゼラニウム、ローズオットー、ブルガリアローズ、イングリッシュローズ、トルコローズ、ローズヒップ種子油、ローズマリー、ローズマリー抗酸化抽出粉末、ローズマリーバーベノン、モロッコローズマリー、スペインローズマリー、ローズウッド、ローズウッド油、ヘンルーダ、セージ、ホワイトセージ、セージダルメシアン、セージオフィシナリス、セージトリローバ、サンダルウッド、セバクソーンベリー、ゴマ油、ゴマ種子油、シアバター、未精製シアバター、カンショウ、グリーンカンショウ、トウヒ、セイヨウオトギリソウ、スタイラックス樹脂、マンジュギク、タンジェリン、ダンシータンジェリン、タラゴン、ティーツリー、オーストラリアティーツリー、ニオイヒバ(シダーリーフ)、タイム、レッドタイム、タイムct.リナロール、タイムブルガリス、ワイルドタイム、レッドタイム、混合トコフェロール、トルバルサム樹脂、チュベローズアブソリュート、チュベローズ、ウコン、カノコソウ、バニラ、純バニラエキス、バニラビーン、バニラバーボンアブソリュート、植物グリセリン、バーベナアブソリュート、ベチベル、バイオレットリーフ、ハマゴウ、オーガニックハイチベチベル、バイオレットリーフアブソリュート、クルミ油、ウィンターグリーン、天然ウィンターグリーン、ニガヨモギ、ノコギリソウ、イランイランノキ、イランイランI、イランイランII、イランイランIII、イランイラン化合物、イランイランコンプリート、およびイランイランエキストラの1種または複数が含まれる。
本発明の組成物に用いることのできる、その他の適切な精油は、"CRC Handbook of Terpeniods: Acylic, Monocyclic, Bicyclic, Tricyclic, Tetracyclic, and Pentacyclic Termenoids", Sjkh Dev編, CRC Press, New York NY, Cleveland Ohio., 1980-1986、"The Illustrated Encyclopedia of Essential Oils, The Complete Guide to the Use of Oils in Aroma Therapy and Herbalism", Julia Lawless, Element Books,Ltd., London, UK 1995、および"The Complete Book of Essential Oils and Aroma Therapy", Valerie Ann Werwood, New World Library, New York, NY 1991などのハンドブックに開示されており、その開示を参照により援用する。
:"CRC Handbook of Terpeniods: Acylic, Monocyclic, Bicyclic, Tricyclic, Tetracyclic, and Pentacyclic Termenoids", Sjkh Dev編, CRC Press, New York NY, Cleveland Ohio., 1980-1986、 :The Illustrated Encyclopedia of Essential Oils, The Complete Guide to the Use of Oils in Aroma Therapy and Herbalism", Julia Lawless, Element Books,Ltd., London, UK 1995 :"The Complete Book of Essential Oils and Aroma Therapy", Valerie Ann Werwood, New World Library, New York, NY 1991
非水溶性潤滑層を、任意選択で水溶性の非接着性裏打ち層に付着させることができる。これは、ケイ素、またはワセリンなどの炭化水素の不連続システムの形をとるものでよい。この潤滑層は、送達システムが十分に水和するまで、改善された快適さをもたらすことができる。
(架橋剤)
非水溶性システムをもたらさない状態で、裏打ち層および/または生体接着層の水溶解動態を変更するために、層ポリマーの限られた架橋桟能を使用することができる。用いる場合、架橋剤は、崩壊速度を効果的に低下させ、粘膜接着性システムの滞留時間を延ばすことになる。当技術分野で知られている架橋剤は、本発明での使用に適しており、例えばグリオキサール、プロピレングリコール、グリセロール、異なるサイズのジヒドロキシ−ポリエチレングリコール、およびブチレングリコールを含むことができる。用いられる特定のポリマーおよび架橋剤に応じて、架橋剤の量を変えることができるが、生体接着性ポリマーおよび/または第1および/または第2の水溶性フィルム形成ポリマーの5%モル当量を超えるべきではなく、好ましくは、生体接着性ポリマーおよび/または第1および/または第2のポリマーの0%から約3%モル当量を含む。この限られた架橋機能の度合いによって、生体接着性ポリマーおよび/または第1および/または第2のフィルム形成ポリマーの水溶性は、低くなるように働く。しかし、この限られた架橋の度合いは、これらのポリマーを水不溶性にするのに十分ではない。典型的な場合、架橋が限られているこれらのポリマーは、水膨潤性を持ったままであり、最終的には水性媒体中で溶解しまたは侵食される。粘膜接着性送達システムの溶解速度は、生体接着性ポリマーおよび/またはフィルム形成ポリマーの限られた架橋の程度を調節することによって、調節することができる。溶解速度の調節によって、粘膜接着性送達システム内での薬剤の滞留時間および放出プロフィルの変更が、可能になる。限られた架橋は、生体接着層の生体接着性ポリマーおよび/またはフィルム形成ポリマー内に、あるいは非接着性裏打ち層のフィルム形成ポリマー内に、あるいはその両方に、含めることができる。限られた架橋を含めるために、一方の層を選択するのかまたは両方の層を選択するのかも、送達システムの溶解速度に影響を及ぼすことになる。
(物理的寸法)
本発明の粘膜接着性システムの厚さは、固体フィルムなどの形をとる場合、層のそれぞれの厚さに応じて変えることができる。典型的な場合、2重層の厚さは約0.01mmから約1mmに及び、より具体的には約0.05mmから約0.5mmに及ぶ。各層の厚さは、2重層粘膜接着性システムの全厚の、約10%から約90%まで様々にすることができ、具体的には、2重層粘膜接着性システムの全厚の、約30%から約60%まで様々にすることができる。したがって、各層の好ましい厚さは、約0.005mmから約1.0mmまで様々にすることができ、より具体的には約0.01mmから約0.5mmにすることができる。
本発明の粘膜接着性システムがゲルの形をとる場合、ゲル層は、任意の適切な厚さをもたらすようにすることができる。典型的な場合、ゲルは、選択された粘膜表面に薄層として塗ることになり、この生体接着層は、裏打ち層と同じかまたはそれよりも厚いものである。
(添加剤)
粘膜接着性システムは、医薬品として許容される溶解速度調節剤、医薬品として許容される崩壊助剤(例えばポリエチレングリコール、デキストラン、ポリカルボフィル、カルボキシメチルセルロース、またはポロキサマー)、医薬品として許容される可塑剤、医薬品として許容される着色剤(例えばFD&Cブルー#1)、医薬品として許容される乳白剤(例えば二酸化チタン)、医薬品として許容される酸化防止剤(例えば酢酸トコフェロール)、医薬品として許容されるシステム形成増強剤(例えばポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン)、医薬品として許容される防腐剤、またはこれらの組合せも、任意選択で含むことができる。これらの成分は、個々に、粘膜接着性システムの最終重量の約1%以下で存在することが好ましいが、この量は、粘膜接着性システムの薬剤またはその他の成分に応じて、様々に変えることができる。当業者は、これらの成分の適切な濃度を容易に決定することができる。好ましい添加剤のいくつかについて、以下に個々に論じる。
(可塑剤)
粘膜接着性システムは、この粘膜接着性システムを軟化させ、靭性を増大させ、柔軟性を増大させ、成形特性を改善し、かつ/またはその他の方法で粘膜接着性システムの性質を変化させるために、1種または複数の可塑剤を任意選択で含むことができる。本発明で使用される可塑剤には、例えば、比較的低い揮発性を有する可塑剤であって、グリセリンやプロピレングリコール、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジグリセロール、ポリエチレングリコール(例えば低分子量PEG)、オレイルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、およびその他の医薬品級アルコールなど、また標準大気圧(1気圧)で約100℃を超える沸点を有するジールを含めることができる。追加の可塑剤には、例えばポリソルベート80、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、およびクエン酸トリブチルが含まれる。追加の適切な可塑剤には、例えば、フタル酸ジエチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、グリセリントリアセチン、およびトリブチリンが含まれる。追加の適切な可塑剤には、例えば鉱油(例えば軽油)やワセリンなど、医薬品級の炭化水素が含まれる。さらに適切な可塑剤には、例えば、中鎖トリグリセリドや大豆油、ベニバナ油、ピーナツ油、およびその他の医薬品級トリグリセリドなどのトリグリセリド、Labrifil(登録商標)やLabrasol(登録商標)、PEG−4蜜蝋などのPEG付加トリグリセリド、ラノリン、ポリエチレンオキシド(PEO)、およびその他のポリエチレングリコール、オレイン酸エチルやミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セチルエステルワックス、グリセリルモノラウレート、モノステアリン酸グリセリルなどの疎水性エステルが含まれる。追加の適切な可塑剤には、例えば、米国特許第5700478号に開示されているような可塑剤が含まれる。
:米国特許第5700478号
(崩壊助剤)
1種または複数の崩壊助剤は、本発明の粘膜接着性システムの崩壊速度を増大させ、かつ滞留時間を短縮するために、任意選択で用いることができる。本発明で有用な崩壊助剤には、例えば、水やメタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコールなどの低級アルキルアルコール、アセトン、メチルエチルアセトンなどの親水性化合物が、単独で、または組み合わせて含まれる。特定の崩壊助剤には、グリセリンやプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど、揮発性が低いものが含まれる。
(溶解速度調節剤)
1種または複数の溶解速度調節剤は、本発明の粘膜接着システムの崩壊速度を低下させ、かつ滞留時間を長くするために、任意選択で用いることができる。本発明に有用な溶解速度調節剤には、例えば、ヘプタン、ジクロロエタン、C6〜C20アルコールでエステル化されたコハク酸およびクエン酸などのジカルボン酸およびトリカルボン酸のポリアルキルエステル、安息香酸ベンジルなどの芳香族エステル、トリアセチン、炭酸プロピレン、および当技術分野で知られているその他の疎水性化合物が含まれる。これらの化合物は、本発明の粘膜接着性送達システム中、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
(可剥性シート)
本発明の粘膜接着性システムでは、ヒトの粘膜に付着させたときの、接着性シートの保護および取扱いの利便性を考慮して、粘膜接着性システムを含むシートを片面に設けることができ、かつ/または可剥性シートを片面または両面に設けることができ、あるいは、上述のシートを片面に設けて可剥性シートをもう一方の面に設けることができる。
可剥性シートは、このシートが可剥性の高いシステムである限り、特に制約されるものではない。すなわち、可剥性シートのシステムの例には、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、およびSaranの群から選択された樹脂を含むシステム;ポリエチレンで被覆された上質紙;ポリオレフィンで被覆されたグラシン紙;紙、アルミニウムの薄いシステム、または上記樹脂であって、シリコーンで表面処理されたものの群から選択された樹脂が含まれる。これらの中で、ポリエチレンまたはSaranの樹脂を含むシステムが好ましい。可剥性シートの厚さは、取扱いおよびコストの観点から、約1μmから約500μmにすることができ、より具体的には約5μmから約200μm、より具体的には約20μmから約100μmである。
(包装)
本発明の粘膜接着性システムは、気密パッケージシステム内にパックし、水分によって品質が劣化しないように保存することができる。気密パッケージシステムの特定の例には、例えば、セロファン、防湿セロファン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリカーボネート、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、イオノマー、ポリビニルアルコール、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、アルミ箔などが含まれる。これらのシステムの中で、その表面にポリプロピレン、塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、またはアルミ箔を積層したシステムは、蒸気の透過に対して優れた障壁特性があるので、特に好ましい。蒸気透過に対する障壁特性に関し、パックされた製品は、約40℃/相対湿度(RH)80%で保存した場合、重量のいかなる変化もほとんど受けないことが好ましい。本発明のパッチ用のパッケージシステムは、上述の条件下で約6カ月保存したときに、その重量変化が約±5%以下になることが好ましい。
(調製)
本発明の粘膜接着性システムは、当技術分野で知られている数多くの方法によって調製することができる。一実施態様では、個々の層の成分を、適切な溶媒または溶媒の組合せに個別に溶解して、被覆に適した溶液または懸濁液を調製する。本発明で使用される溶媒には、例えば、水、メタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコールなどの低級アルキルアルコール、アセトン、メチルエチルアセトン、ヘプタン、またはジクロロエタンが単独で、または組み合わせて含まれる。このシステムにおける、最終的な溶媒含量または残留溶媒含量は、いずれかの層または両方の層から生じたものと考えられる。
次いで生体接着または裏打ち用溶液を、適切な製造基材上に、別々に被覆することができる。各溶液は、適切な基材を使用するシステム浸漬やシステムコーティング、システム流延、スピンコーティング、噴霧乾燥など、当技術分野で知られている技法によって、流延し加工することにより、薄いシステムにする。次いでこの薄いシステムを乾燥する。乾燥ステップは、任意のタイプの炉内で実現することができる。しかし乾燥手順は、用いられる溶媒に適合するように選択すべきであり、残留溶媒の量は、その乾燥手順に応じて様々になる。当業者なら、選択された溶媒に対して、適切な乾燥手順を容易に選択することができる。これらのシステム層は、独立に調製し、次いで1つに積層することができ、または1つの層を他の層の上面に順次被覆していくシステムとして、調製することができる。
これらの層を1つに積層した後、またはこれらの層を互いの上面に被覆した後に得られる組合せシステムは、組織に付着させるために、任意のタイプの形状に切断することができる。粘膜挿入断片の周辺輪郭は、三角形、卵円状、輪環状、腎臓形、四角形、楕円形、豆形、長方形、または任意のその他の対称または非対称の形にすることができる。
薬剤を、予め形成された粘膜接着性システムに液体の形で添加する場合、すなわち後投入する場合、この薬剤を溶解しまたは懸濁させるのに使用される溶媒は、様々なものにすることができ、典型的な場合では、用いられる薬剤ならびに粘膜接着性システムのその他の成分に応じて異なる。典型的な場合、当業者なら、粘膜接着性システムに組み込まれる薬剤に適切な溶媒を、選択することができる。組成物に好ましい溶媒には、蒸気圧が高く標準沸点が低い有機ベースの溶媒、および粘膜投与に適する医薬品溶媒として行政上受容される有機ベースの溶媒が含まれる。使用することのできる溶媒の例には、エタノールまたはイソプロパノールが含まれる。
粘膜接着性システムを後投入するには、治療上有効な量の薬剤を含む組成物溶液の一定分量を、予め組み立てた粘膜接着性システムの選択された層の表面に、直接付着させる。この層は、生体接着層であることが好ましい。選択された層に薬剤組成物を付着させるため、定量吐出装置を使用することができる。使用することのできる、微量定量吐出アプリケータの例には、IVEK(登録商標)精密液体計量システムが含まれる。しかし、任意の適切な定量吐出装置を用いることができる。そのような定量吐出装置の例には、精密シリンジ、ピペット分取装置、および電子流体ディスペンサが含まれる。
この一定分量を乾燥し、またはその他の方法で、選択された層の表面に安定に吸収させて、薬剤含有堆積物を粘膜接着性システム表面に形成する。定量吐出された溶液の乾燥は、システム乾燥に受け入れられることがわかっている任意の従来の手段による。従来の乾燥方法の例には、周囲条件での乾燥、または従来のシステム乾燥炉内での乾燥が含まれる。あるいは、この一定分量を堆積液体として維持することが、特定の製品特性に関しては望ましいと考えられる。
後投入した組成物は、固体の形で堆積させることもできる。システム、粉末、顆粒、または錠剤を含めた種々の固体形態を使用することができる。固体形態は、薬剤および賦形剤を含有するシステムを形成することによって、調製することができる。システムは、当業者に知られている水溶性ポリマー、例えば本明細書に記載する水溶性ポリマーの一部を含む。各システムは、別々の単位として調製することができ、またはシステムは、より大きいシステムから別々の単位に分割して、個々のシステムが有効な量の薬剤を含有するようにすることができる。あるいは、固体形態の組成物は、医薬品錠剤の調製に使用されるような手順を使用して、粉末混合物を圧縮することにより調製することができる。その他の固体形態の組成物は、本発明の粘膜接着性システムへの付着に適している。
粘膜接着性送達システムは、薬剤または組成物と共に予備投入することもできる。この調製方法では、薬剤または組成物を、層の成分および溶媒または分散剤と一緒にする。これらの成分を混合し、次いで上述のステップを通して処理することにより、個々の層を形成し、次いで生体接着性送達システムを形成する。適切なステップは、これらの処理ステップ中、薬剤または組成物の分解を回避するのにも採用される。
生体接着性システムは、ゲルとして配合してもよい。上述の生体接着性システムの各層を、適切なゲル形成剤と一緒にして、この層を流動性組成物またはゲルに形成することができる。ゲル形成剤は、個々の層の成分を溶解しまたは分散させ、またこれらの成分を一緒にし混合して流動性組成物を形成することが可能な、医薬品として許容される有機液体でよい。ゲルは、成形可能であり、成型可能であり、または液体である限り、あるいは言い換えれば流動性である限り、低粘度から高粘度にまで及ぶ粘度を有することができる。この物質は、液体有機エステル、液体有機アミド、液体有機アルコール、液体有機酸、液体炭化水素、液体ハロゲン化炭化水素、液体有機エステル、液体ケトン、液体芳香族化合物、および/または液体有機アミド、またはこれらの組合せでよい。そのような有機液体の例には、トリアセチン、プロピレンカーボネート、安息香酸ベンジル、C6〜C20アルコール、モノ−、ジ−、またはトリ−カルボン酸とC1〜C20アルコールとのエステル、モノ−、ジ−、およびトリ−アルコールとC2〜C20カルボン酸とのエステル、モノ、ジ、および/またはトリテルペンが含まれる。
ゲル形態の生体接着層および裏打ち層は、粘膜表面に同時に、または順次付着させることができる。一旦付着させたら、そのゲルは、生体接着層および裏打ち層として直接働くことができ、またはフィルム層に変換することができる。2種のゲル組成物は、最初に生体接着層を付着させ、その後に裏打ち層が付着されるよう、粘膜表面に別々に、順次付着させることができる。別の実施態様では、ゲルの相互接合流を同時に送達するようになされた二重チャンバ付着機器に、両方のゲル組成物を入れることができる。この機器は、生体接着性ゲルが粘膜表面に付着されるように、かつ相互接合した裏打ちゲルがこの生体接着性ゲルの上面に付着するように、ゲル付着の適切な位置を示すことが好ましい。あるいは、生体接着層を単独で使用することができる。
ゲルは、任意の粘膜表面で使用することができる。特にゲルは、そのような表面に不規則および/または広範な被覆をもたらすという好ましい用途を見出すことができる。別の実施態様では、ゲルは、非流動性システムでは到達するのが難しい粘膜表面を被覆し、覆い、または接触させるのに使用することができる。そのような粘膜表面には、膣表面、鼻表面、深部咽頭表面、および腹膜表面を含めることができる。ゲルを所望の部位に送達ため、カニューレ、またはその他のシステム管、または送達手段を使用することができる。あるいは、ゲル容器チャンバからの排出力を使用して、所望の部位への送達を行うことができる。
生体接着性システムは、外部からの接触では直接触れることのできない粘膜に対し、送達が行われるように配合してもよい。そのような膜には、消化管の内層、すなわち胃腸管が含まれる。これを目的とする配合では、選択された部位に到達したら崩壊するように設計された、生分解性カプセルなどの保護カバーで、生体接着性システムを取り囲む。生体接着性システムは、典型的な場合、上述のように固体として予備形成することができる。次いで、胃腸管のある特定部分の条件に耐えるがその他の条件に遭うと崩壊するコーティングまたはシェルで、固体システムを覆いまたはカプセル化する。ポリエステルコーティングまたはカプセルシェル、例えばポリ乳酸などの使用により、生体接着性システムを胃に送達することが可能になる。ポリ乳酸は、低pHで崩壊するので、このカバーは胃の中で崩壊することになる。生体接着性システムの接着面は、胃壁に接着し、そこで薬剤を送達することになる。同様に、腸溶コーティングや腸溶カプセルシェルなどのカバーを使用することにより、小腸を通過することが可能になり、そこでのより高いpHによって、保護カバーの崩壊が引き起こされる。次いで放出された生体接着性システムは、小腸の壁面に接着し、薬剤を送達する。カバーの組合せを用い、胃腸内容物が大腸に到達したときに放出が行われるよう崩壊を設計することにより、大腸への送達が可能になる。
(粘膜接着性送達システムの使用)
本発明の方法によって作製されたシステムは、不快感を最小限に抑えかつ使い易い状態で有効な滞留時間を得るという利点をもたらし、その柔軟な形態で与えられた薬剤の局所送達ならびに全身送達に適切なビヒクルである。
本発明の方法によって形成されたシステムは、水溶性成分で作製され、生体侵食性でありかつ生分解性である。水溶性成分を使用すると、粘膜接着性システムは、天然の体液がそのシステムをゆっくりと溶解して侵食除去しつつ、ある期間にわたって溶解することが可能になり、それと共に、薬剤は付着部位に残ることが可能になる。包帯、経皮用の機器、およびその他の非水溶システムシステムとは異なって、本発明の使用者は、治療の後に粘膜接着システムを除去する必要がない。付着後、水吸収によって粘膜接着性システムが軟化し、時間と共に粘膜接着性システムがゆっくりと溶解しまたは侵食除去されるなら、使用者は、粘膜表面に異物が存在するという感覚が最小限に抑えられる。
本発明の、粘膜接着性システムの滞留時間は、使用される水溶性ポリマーの溶解速度に依存する。溶解速度は、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースなど、化学的に異なるポリマーを一緒に混合することによって;種々の分子量級の同じポリマーを使用することによって、例えば低分子量と中程度の分子量のヒドロキシエチルセルロースを混合することによって;部分架橋のため、ヒドロキシセルロースなどのポリマーと共にグリオキサールなどの架橋剤を使用することによって;鉱油などの疎水性剤を、裏打ち用配合物に組み込むことによって;あるいは、得られた後にその結晶性または相転移を含めたシステムの物理状態を変化させることのできる、照射または硬化の後処理をすることによって、調節することができる。これらの方策は、成分システムの水溶特性を抑制することなく、粘膜接着性システムの溶解動態を変化させるために、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
付着後、薬剤送達システムは粘膜表面に接着し、所定位置に残る。水を吸収すると、異物の感覚が迅速に低下しかつ無くなるように、粘膜接着性システムは軟化する。システムが粘膜表面に載っているとき、薬剤の容易な送達は、粘膜浸透増強剤の作用によって増強される。滞留時間は、使用される配合物およびシステムに応じて様々でよいが、数分間から数時間の間で調節することができる。
(本発明の送達システムを使用した治療方法)
一実施態様では、本発明の方法は、少なくとも1種の薬剤の局所投与または全身投与のために、上述の粘膜接着性送達システムを用いる。粘膜接着性システムは、口、鼻腔、膣、直腸、眼、消化管、および腹膜の粘膜を含むがこれらに限定することのない適切な粘膜に貼り付けられ、またはその他の方法で接触させる。薬剤に何を選択したか、また粘膜接着性システムの形態に応じて、局所送達または全身送達を実現することができる。例えば、局所送達が望まれる場合、好ましい方法では、粘膜全体にわたるコーティングとして、迅速に分解するゲルを用いることになる。全身送達が望まれる場合、好ましい方法では、迅速に分解せずかつ薬剤として抗偏頭痛薬を含む、フィルムまたはパッチを用いることになる。任意の粘膜は、患者の全身に分布させるべき薬剤を送達するための部位として、指定することができる。患者の頭部に位置する粘膜は、頭部および喉の疾患または不全状態を治療するために、好ましい送達部位と考えられる。消化管の粘膜は、消化管の疾患を治療するための、好ましい部位と考えられる。腹膜の粘膜は、内臓を治療するための、好ましい送達部位と考えられる。膣および/または尿道の粘膜は、生殖および尿路の疾患を治療するための、また一部の形態の避妊薬を投与するための、好ましい送達部位と考えられる。
本発明のこの方法は、前述のセクションで述べた薬剤の種類および種の投与に適切である。例えば、口腔内および鼻粘膜は、本発明の粘膜接着性送達システムに含有される抗偏頭痛薬の送達に、使用することができる。粘膜システムは、口腔内粘膜に接着させることができる。抗偏頭痛薬には、例えば、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、オクトレアチド、スマトリプタン、またはその他の「トリプタン」薬剤を含めることができる。粘膜接着性システムを、口腔内または鼻粘膜上に配置した場合、そのシステムには、急速血漿レベル、および初回通過代謝の回避という利点がある。
別の実施態様では、本発明の粘膜接着性システムは、薬剤として創傷治癒薬を含むことができる。粘膜接着性システムは、膣組織の創傷など、粘膜の創傷に直接接触した状態で、薬剤を効果的に保持すると考えられる。
別の実施態様では、本発明の粘膜接着性システムは、抗ウイルス剤、抗生物質、抗真菌剤、殺精子剤、またはこれらの組合せを含むことができる。粘膜接着性システムは、感染症(例えば細菌、ウイルス、または真菌)を効果的に治療すると考えられ、または妊娠予防薬にすることができる。
別の実施態様では、本発明の粘膜接着性システムは、抗ウイルス剤を含むことができる。粘膜接着性システムは、接触している粘膜を含む組織に抗ウイルス剤を送達し、それによって、例えば性病ヘルペスに冒されている患者を効果的に治療すると考えられる。
さらなる実施態様では、本発明の粘膜接着性システムは、上述の2層ゲルとして配合することができる。2チャネルカニューレ、アプリケーションチューブ、腹腔鏡、またはその他同様のチャネルアプリケーション機器を使用して、ゲルシステムを、選択された粘膜に付着させることができる。この機器は、生体接着性ゲル層が粘膜に接触し、かつ裏打ち層が生体接着層上に流れ出るように、適切に方向を定めることができる。一実施態様で、ゲル中の医薬品として許容される溶媒は消散し、粘膜表面にフィルムまたはコーティングを残す。別の実施態様で、ゲルは、粘膜表面にゲルコーティングとして残存することになる。
(実施態様)
本発明は、以下に示す特定の実施態様を含む。
[1]本発明の一実施態様は、
粘膜表面に接触した状態で配置される水溶性生体接着層であって、1種または複数の生体接着性ポリマー、および/または1種または複数の第1のフィルム形成水溶性ポリマーを含む生体接着層と、
1種または複数の第2の水溶性フィルム形成ポリマーを含む、水溶性の非接着性裏打ち層と、
生体接着層内に分布され、非接着層に分布され、またはこれらの層両方に分布された、1種または複数の薬剤と、
1種または複数の粘膜浸透増強剤と
を含む、粘膜接着性送達システムであって、粘膜表面に適合し、粘膜表面に接着し、柔軟性があり、水溶性であり生分解性であり、粘液中で生体侵食性である粘膜接着性送達システムを提供する。
[2]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]の粘膜接着性システムであって、第1または第2のフィルム形成水溶性ポリマー、あるいはこれら両方が、アルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルセルロースを含むシステムを提供する。
[3]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]の粘膜接着性システムであって、第1のフィルム形成水溶性ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはこれらの組合せを含むシステムを提供する。
[4]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]の粘膜接着性システムであって、第1のフィルム形成水溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むシステムを提供する。
[5]本発明の別の実施態様は、実施態様[4]の粘膜接着性システムであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が、約10から約10の範囲の平均分子量(固有粘度測定値から推定したMw)を有するシステムを提供する。
[6]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[5]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、第1または第2あるいはその両方のフィルム形成水溶性ポリマーが架橋しているシステムを提供する。
[7]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[6]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、第1または第2あるいはその両方のフィルム形成水溶性ポリマーが可塑化しているポリマーを提供する。
[8]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[6]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、水溶性生体接着層が可塑剤を含まないシステムを提供する。
[9]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[8]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の生体接着性ポリマーが、ポリアクリル酸(PAA)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、またはこれらの組合せを含むシステムを提供する。
[10]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[9]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、第2の水溶性フィルム形成許容ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー、またはこれらの組合せを含むシステムを提供する。
[11]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[9]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、第2の水溶性フィルム形成許容ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、またはこれらの組合せを含むシステムを提供する。
[12]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[9]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、第2の水溶性フィルム形成許容ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含むシステムを提供する。
[13]本発明の別の実施態様は、実施態様[14]の粘膜接着性システムであって、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)が、約10から約10の範囲の平均分子量(固有粘度測定値から推定したMw)を有するシステムを提供する。
[14]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[13]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、水溶性の非接着性裏打ち層が、非水溶性潤滑層をさらに含むシステムを提供する。
[15]本発明の別の実施態様は、実施態様[14]の粘膜接着性システムであって、非水溶性潤滑層が、有機ケイ素含有化合物、炭化水素、またはこれらの組合せを含むシステムを提供する。
[16]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[15]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が、アドレナリン作動薬;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;嫌酒薬;アルドステロン拮抗薬;アミノ酸;アンモニア解毒剤;アナボリック;蘇生薬;鎮痛薬;アンドロゲン;麻酔補助剤;麻酔薬;食欲低下薬;拮抗薬;脳下垂体前葉抑制剤;駆虫薬;抗ざそう薬;抗アドレナリン作動薬;抗アレルギー薬;抗アメーバ薬;抗アンドロゲン;抗貧血薬;抗狭心症薬;抗不安薬;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗アテローム硬化症薬;抗菌剤;抗胆石薬;抗胆石原薬;抗コリン作用薬;抗凝血薬;抗コクシジウム薬;抗痙攣薬;抗うつ薬;抗糖尿病薬;下痢止め薬;抗利尿薬;解毒剤;制吐薬;抗てんかん薬;抗エストロゲン;抗線維素溶解剤;抗真菌剤;抗緑内症薬;抗血友病薬;抗出血薬;抗ヒスタミン;抗高脂血症薬;抗高リポタンパク血症薬;抗高血圧症薬;抗低血圧症薬;抗感染症薬;抗感染症薬、局所;抗炎症薬;抗角質化剤;抗マラリア;抗菌剤;抗偏頭痛薬;抗カビ剤、抗嘔吐剤、抗腫瘍薬、神経痛治療薬、抗肥満薬;駆虫薬;抗パーキンソン病薬;抗蠕動薬、抗ニューモシス薬;抗増殖薬;抗前立腺肥大症薬;抗原虫薬;鎮痒薬;抗精神病薬;抗リウマチ薬;抗住血吸中薬;抗脂漏薬;抗分泌薬;抗痙攣薬;抗血栓薬;鎮咳薬;抗潰瘍薬;抗尿結石薬;抗ウイルス剤;食欲抑制剤;前立腺肥大症治療薬;血糖調節剤;骨吸収阻害剤;気管支拡張剤;炭酸脱水酵素阻害剤;心筋抑制剤;心臓保護剤;強心薬;心臓血管薬;利胆剤;コリン作動薬;コリン作動性診断補助剤;利尿薬;ドーパミン作動薬;外部寄生生物撲滅薬;催吐薬;酵素阻害剤;エストロゲン;線維素溶解薬;蛍光剤;遊離酸素ラジカルスカベンジャー;胃腸運動作動体;グルココルチコイド;性腺刺激成分;発毛刺激薬;止血薬;ヒスタミンH2受容体拮抗薬;ホルモン;低コレステロール血症薬;低血糖症薬;抗脂血薬;降圧薬;造影剤;免疫化薬;免疫修飾物質;免疫調節薬;免疫増強薬;免疫抑制薬;性交不能治療薬;阻害剤;角質溶解剤;LNRN作動薬;肝臓障害治療薬;ルテオリジン;記憶補助薬;精神機能増強剤;気分調節薬;粘液溶解薬;粘膜保護剤;散瞳薬;鼻うっ血除去薬;神経筋遮断薬;神経保護薬;NMDA拮抗薬;非ホルモンステロール誘導体;子宮収縮薬;プラスミノーゲン活性化因子;血小板活性化因子拮抗薬;血小板凝集阻害剤;脳卒中後および頭部外傷後治療薬;増強剤;プロゲスチン;プロスタグランジン;前立腺肥大阻害剤;プロチロトピン;向精神薬;放射性物質;調節剤;弛緩薬;再分配剤;疥癬虫撲滅薬;硬化薬;鎮静薬;催眠鎮静薬;選択性アデノシンA1拮抗薬;セロトニン拮抗薬;セロチニン阻害剤;セロチニン受容体拮抗薬;ステロイド;刺激剤;抑制剤;徴候性多発性硬化症協力剤;甲状腺ホルモン;甲状腺阻害剤;甲状腺様作動薬;トランキライザー;筋萎縮性硬化症治療薬;脳虚血症治療薬;ページェット病治療薬;不安定狭心症治療薬;尿酸排泄薬;血管収縮薬;血管拡張薬;傷薬;創傷治癒薬;キサンチンオキシダーゼ阻害剤、およびこれらの任意の組合せの群から選択されるシステムを提供する。
[17]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が、アセブトロール;アセブトロール;アシクロビル;アルブテロール;アルフェンタニル;アルモトリプタン;アルプラズラム;アミオダロン;アムレクサノックス;アンホテリシンB;アトルバスタチン;アトロピン;オーラノフィン;オーロチオグルコース;ベナゼプリル;ビカルタミド;ブレチリウム;ブリフェンタニル;ブロモクリプチン;ブプレノルフィン;ブトルファノール;ブスピロン;カルシトニン;カンデサルタン;カルフェンタニル;カルベジロール;クロルフェニルアミン;クロロチアジド;クロルフェンテルミン;クロルプロマジン;クリンダマイシン;クロニジン;コデイン;シクロスポリン;デシプラミン;デスモプレッシン;デキサメタゾン;ジアゼパン;ジクロフェナク;ジゴキシン;ジジドロコデイン;ドラセトロン;ドーパミン;ドキセピン;ドキシシクリン;ドロナビノール;ドロペリドール;ジクロニン;エレトリプタン;エナラプリル;エノキサパリン;エフェドリン;エピネフリン;エルゴタミン;エトミデート;ファモチジン;フェロジピン;フェンタニル;フェキソフェナジン;フルコナゾール;フルオキセチン;フルフェナジン;フルルビプロフェン;フルバスタチン;フルボキサミン;フロバトリプタン;フロセミド;ガンシクロビル;金チオリンゴ酸ナトリウム;グラニセトロン;グリセオフルビン;ハロペリドール;B型肝炎ウイルスワクチン;ヒドララジン;ヒドロモルフォン;インスリン;イプラトロピウム;イスラジピン;二硝酸イソソルビド;ケタミン;ケトロラク;ラベタロール;レボルファノール;ロイプロリド;リジノプリル;ロラタジン;ロラゼパン;ロサルタン;ロバスタチン;メラトニン;メチルドーパ;メチルフェニデート;メトプロロール;ミダゾラム;ミルタザピン;モルフィン;ナドロール;ナルブフィン;ナロキソン;ナルトレキソン;ナラトリプタン;ネオストグミン;ニカルジピン;ニフェジピン;ノレピネフリン;ノルトリプチリン;オクトレオチド;オランザピン;オメプラゾール;オンダンセトロン;オキシブチニン;オキシコドン;オキシモルホン;オキシトシン;フェニレフリン;フェニルプロパノーライミン;フェニトイン;ピモジド;ピオグリタゾン;ピロキシカム;プラバスタチン;プラゾシン;プロクロルペラジン;プロパフェノン;プロクロルペラジン;プロピオマジン;プロポフォル;プロプラノロール;偽性エフェドリン;ピリドスチグミン;ケチアピン;ラロキシフェン;レミフェンタニル;ロフェコキシブ;レパグリニド;リスペリドン;リザトリプタン;ロピニロール;スコポラミン;セレギリン;セルトラリン;シルデナフィル;シンバスタチン;シロリムス;スピロノラクトン;スフェンタニル;スマトリプタン;タクロリムス;タモキシフェン;テルビナフィン;テルブタリン;テストステロン;破傷風トキソイド;THCトルテロジン;トリアムテレン;トリアゾラム;トリセタミド;バルサルタン;ベンラファクシン;ベラパミル;ザレプロン;ザナミビル;ザフィルルカスト;ゾルミトリプタン;ゾルピデム;およびこれらの任意の組合せの群から選択されるシステムを提供する。
[18]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、およびこれらの組合せの群から選択されるシステムを提供する。
[19]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤が、網脈絡膜に対する抗血管新生剤であるシステムを提供する。
[20]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が免疫抑制剤であるシステムを提供する。
[21]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が抗炎症剤であるシステムを提供する。
[22]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が抗菌剤であるシステムを提供する。
[23]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が抗ウイルス剤であるシステムを提供する。
[24]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、薬剤が抗真菌剤であるシステムを提供する。
[25]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤を合わせた量が、この粘膜接着性システムの約30重量%までの量で存在するシステムを提供する。
[26]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤を合わせた量が、最大でこの粘膜接着性システムの約0.005重量%から約20重量%の間で存在するシステムを提供する。
[27]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤が、独立に、生体接着層全体にわたって均一に位置付けられ、または非接着層全体にわたって均一に位置付けられ、または生体接着層と非接着層の両方の全体にわたって均一に位置付けられているシステムを提供する。
[28]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤が、独立に、生体接着層の全体にわたって均一に位置付けられているシステムを提供する。
[29]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[16]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤が、独立に、生体接着層の中心付近に位置付けられているシステムを提供する。
[30]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[30]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤が、粘膜領域に局所的に送達されるシステムを提供する。
[31]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[30]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、1種または複数の薬剤が、粘膜表面を介して全身に送達されるシステムを提供する。
[32]本発明の別の実施態様は、約1mmまでの厚さを有する、実施態様[1]〜[31]のいずれか1つの粘膜接着性システムを提供する。
[33]本発明の別の実施態様は、約0.1mmから約0.5mmの間の厚さを有する、実施態様[1]〜[31]のいずれか1つの粘膜接着性システムを提供する。
[34]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[33]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、医薬品として許容される溶解速度調節剤、医薬品として許容される崩壊助剤、医薬品として許容される可塑剤、医薬品として許容される着色剤、医薬品として許容される乳白剤、医薬品として許容される酸化防止剤、医薬品として許容されるシステム形成増強剤、医薬品として許容される防腐剤、またはこれらの組合せをさらに含むシステムを提供する。
[35]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[34]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、粘膜表面が口腔内組織であるシステムを提供する。
[36]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[34]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、粘膜表面が膣組織であるシステムを提供する。
[37]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[34]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、粘膜表面が直腸組織であるシステムを提供する。
[38]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[34]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、粘膜表面が鼻腔組織であるシステムを提供する。
[39]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[38]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、水溶性生体接着層と水溶性の非接着性裏打ち層との間に位置付けられた第3の層をさらに含み、この第3の層が、柔軟で、生分解性であり、粘液中で生体侵食性があり、かつ水溶性があるシステムを提供する。
[40]本発明の別の実施態様は、実施態様[1]〜[39]のいずれか1つの粘膜接着性システムであって、この粘膜接着性システムの侵食性動態を調節するよう働く成分をさらに含むシステムを提供する。
[41]本発明の別の実施態様は、実施態様[43]の粘膜接着性システムであって、成分が、ポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチド−グリコリドコポリマー、ポリ−e−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、エチルセルロース、酢酸ビニル、セルロース、アセテート、ポリイソブチレン、またはこれらの組合せの水ベースのエマルジョンであるシステムを提供する。
[42]本発明の別の実施態様は、哺乳類の粘膜表面の創傷を治療するための方法であって、創傷を受けた哺乳類の粘膜表面に、前述の実施態様のいずれか1つの粘膜接着性システムを接触させるステップを含む方法を提供する。
[43]本発明の別の実施態様は、哺乳類の粘膜表面に薬剤を送達するための方法であって、哺乳類の粘膜表面に、前述の実施態様のいずれか1つの粘膜接着性システムを接触させるステップを含む方法を提供する。
[44]本発明の別の実施態様は、実施態様[43]の方法であって、薬剤の送達が局所的である方法を提供する。
[45]本発明の別の実施態様は、実施態様[43]の方法であって、薬剤の送達が全身的なものである方法を提供する。
[46]本発明の別の実施態様は、滞留時間が最長で約7日である、使用を目的とした前述の実施態様のいずれか1つの方法を提供する。
[47]本発明の別の実施態様は、滞留時間が最長で約24時間である、使用を目的とした前述の実施態様のいずれか1つの方法を提供する。
[48]本発明の別の実施態様は、滞留時間が最長で約8時間である、使用を目的とした実施態様のいずれか1つの方法を提供する。
[49]本発明の別の実施態様は、滞留時間が約1分間と約4時間の間である、使用を目的とした実施態様のいずれか1つの方法を提供する。
[50]本発明の別の実施態様は、1種または複数の薬剤を、哺乳類の粘膜領域に局所的に送達するための方法であって、哺乳類の粘膜表面に、前述の実施態様のいずれか1つの粘膜接着性システムを接触させるステップを含む方法を提供する。
[51]本発明の別の実施態様は、粘膜表面を介して哺乳類に1種または複数の薬剤を全身に送達するための方法であって、哺乳類の粘膜表面に、前述の実施態様のいずれか1つの粘膜接着性システムを接触させるステップを含む方法を提供する。
[52]本発明の別の実施態様は、流動性ゲルの形をとる、前述の実施態様のいずれかに記載された粘膜接着性送達システムを提供する。
実施例は、本発明をさらに例示するものであるが、これらに限定するものではない。これらの実施例は、局所治療または全身治療のいずれかに用いられる薬剤の、粘膜送達用組成物を例示する。以下の実施例は、初期の生体接着性送達システムに比べ、迅速な治療作用の発生および増大した生物学的利用能を結膜がもたらすことができることも、例示する。
特定の実施態様について例示し記述してきたが、当業者なら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を加えることができることが理解されよう。
1回分として200gの裏打ち用ストックを、重量比ベースで精製水77%、ヒドロキシエチルセルロース11%、ヒドロキシプロピルセルロース11%、および酢酸トコフェリル1%で製造した。全ての系を、1回分の量が均質になるまで混合した。
1回分として200gの水溶性生体接着剤を、重量比ベースで精製水89.5%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース5.5%、ヒドロキシエチルセルロース4.4%、カプサイシン0.5%、および酢酸トコフェリル0.1%を混合することによって作製した。全ての成分が均質になるまで、混合を行った。
実施例1のストック溶液を使用して、アシクロビル生体侵食性接着薬物送達システムを製作することができる。生体接着剤9.39gとアシクロビル0.65gとを混合することにより、重量比ベースで6.5%のアシクロビルを接着剤ストックに配合することができる。このストックを、Flak Tekミキサで5分間、3000rpmで混合することにより、均質な溶液が生成される。
Werner Mathis Labcoaterを使用して、基材であるシリコーン処理済みMylar(Rexam 3ミル PET 92A/000)を固定することができ、裏打ち層溶液を、0.10mmの開き(湿潤間隙)があるナイフオーバーロールの手前に設定することができる。裏打ち用溶液をコーティングし、その系を、90℃で3.5分間乾燥することができる。薬物を載せた生体接着剤は、0.50mmの湿潤間隙で、乾燥した裏打ち材料系の全面にコーティングし、これを90℃で5分間乾燥することができる。この生体接着性システムを、隅丸角形ダイカッタで切断することができる(10mm×10mm)。
単一の隅丸角形アシクロビル送達システムは、その生体接着性システムの接着面を粘膜組織に接着させた状態で、イヌの下歯肉表面に置くことができる。これを、5匹の別々のイヌで繰り返し、付着させた後に、アシクロビルの血漿レベルを決定することができる。血漿レベルは、送達システムの投与から5分後に、ミリリットル当たりのナノグラム数で測定することができる。イヌにおける血漿中濃度が、ミリリットル当たり数ナノグラム以上である場合、アシクロビルは、治療的な血漿中レベルにあることを表していると見なすことができる。上述のように調製された、カプサイシンのない生体接着性システムと比較すると、本発明の生体接着性システムは、同量の薬剤で非常に効果的な送達をもたらすことができることが示される。
実施例1のストック溶液を使用して、スマトリプタン生体侵食性接着薬物送達システムを作製することができる。生体接着剤17.6g、およびコハク酸スマトリプタン2.4gを混合することにより、重量比ベースで12%のコハク酸スマトリプタンを接着剤ストックに配合することができる。このストックを、Flak Tekミキサで5分間、3000rpmで混合することにより、均質な溶液を生成することができる。
Werner Mathis Labcoaterを使用して、基材であるシリコーン処理済みMylar(Rexam 3ミル PET 92A/000)を固定することができ、裏打ち層溶液を、0.10mmの開き(湿潤間隙)があるナイフオーバーロールの手前に設定することができる。次いで裏打ち用溶液をコーティングし、その系を、90℃で3.5分間乾燥することができる。薬物を載せた生体接着剤を、0.50mmの湿潤間隙で、乾燥した裏打ち材料系の全面にコーティングし、これを90℃で5分間乾燥することができる。この生体接着性システムを、隅丸角形ダイカッタで切断することができる(10mm×10mm)。
実施例1のストック溶液を使用して、ナラトリプタン生体接着性薬物送達システムを作製することができる。生体接着剤18.6g、およびナラトリプタンHCl 1.4gを混合することにより、重量比ベースで7%の塩酸ナラトリプタンを接着剤ストックに配合することができる。このストックを、Flak Tekミキサで5分間、3000rpmで混合することにより、均質な溶液を生成することができる。
Werner Mathis Labcoaterを使用して、シリコーン処理済みMylar(Rexam 3ミル PET 92A/000)を固定することができ、裏打ち層溶液を、0.10mmの開き(湿潤間隙)があるナイフオーバーロールの手前に設定することができる。次いで裏打ち用溶液をコーティングし、その系を、90℃で3.5分間乾燥することができる。薬物を載せた生体接着剤を、0.50mmの湿潤間隙で、乾燥した裏打ち材料系の全面にコーティングし、これを90℃で5分間乾燥することができる。このBEMA(登録商標)システムを、隅丸角形ダイカッタで切断することができる(10mm×10mm)。
同様の手法を使用して、薬物を含有するがカプサイシンを含有しない生体接着性システムの対照サンプルを、製作することができる。生体接着性システムの対照および実験サンプルは、これらを、容器内に位置付けられた水分半透膜に接着させることによって、比較することができる。これらの膜は、容器内をいくつかの孤立したチャンバに分離し、生体接着性システムを持つチャンバはシステムチャンバであり、その他のチャンバは輸送チャンバになる。輸送チャンバには、等張液を満たすことができる。システムチャンバは、粘膜表面への流体の流れを刺激するように、少量の等張液と同一平面にすることができる。約5分という短時間の経過後、各チャンバ内の等張液中の薬物濃度を測定することができる。本発明の生体接着性システムは、含有される薬物の総量が対照に比べてより高いパーセントのものを、輸送チャンバに送達可能であると決定することができる。また、本発明の生体接着性システムは、システムチャンバの等張液に薬物が大量に流出するのを回避できると決定することもできる。
本明細書に引用される全ての特許、特許出願、刊行物、および参考文献の開示全体を、本明細書で完全に再現されるかのように、参照により本明細書に援用する。
前述の明細書では、本発明について、そのある特定の好ましい実施態様に関して記述しており、かつ多くの詳細を例示の目的で述べてきたが、当業者なら、本発明は、追加の実施態様の影響を受け、かつ本明細書に記載する詳細のいくつかは、本発明の基本原理から逸脱することなく大きく変えることができることが、明らかであろう。

Claims (57)

  1. 少なくとも1種の生体接着性ポリマー、または少なくとも1種の生体接着性ポリマーと少なくとも1種の第1のフィルム形成水溶性ポリマーの組合せを含む、少なくとも部分的に水溶性である生体接着層と、
    少なくとも1種の第2の水溶性フィルム形成ポリマーを含む、少なくとも部分的に水溶性である非接着性裏打ち層と、
    少なくとも1種の薬剤と、
    粘膜浸透増強剤と
    を含み、粘膜接着性があり、柔軟性があり、かつ生分解性がある、粘膜接着性送達システム。
  2. 前記生体接着層が、複数の生体接着性ポリマーを、単独でまたは組み合わせて含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記裏打ち層が、複数の第2の水溶性フィルム形成ポリマーを含む、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記生体接着層が、複数の生体接着性ポリマー、または複数の生体接着性ポリマーと複数の第1のフィルム形成水溶性ポリマーとの組合せ、またはこれらと複数の第2の水溶性フィルム形成ポリマーを含む裏打ち層との組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記第1のフィルム形成水溶性ポリマーが、アルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルセルロースを含む、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記第1のフィルム形成水溶性ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記第1のフィルム形成水溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が、固有粘度測定値に基づいて約10から約10の範囲の推定平均分子量を有する、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記生体接着性ポリマー、または第1のフィルム形成水溶性ポリマー、または第2のフィルム形成水溶性ポリマー、またはこれらの任意の組合せが架橋している、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記第1または第2のフィルム形成水溶性ポリマーが可塑化している、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記水溶性生体接着層が可塑剤を含まない、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記生体接着性ポリマーが、ポリアクリル酸(PAA)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記第2の水溶性フィルム形成ポリマーが、アルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルセルロースを含む、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記第2の水溶性フィルム形成用の医薬品として許容されるポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記第2の水溶性フィルム形成ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記第2の水溶性フィルム形成ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記ヒドロキシエチルセルロース(HEC)が、固有粘度測定値によって決定した場合に約10から約10の範囲の推定平均分子量を有する、請求項13に記載のシステム。
  18. 前記水溶性非接着性裏打ち層が、非水溶性潤滑層をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記非水溶性潤滑層が、有機ケイ素含有化合物、炭化水素、またはこれらの組合せを含む、15に記載のシステム。
  20. 前記粘膜浸透増強剤が、粘膜の脈管構造を拡張することができる、請求項1に記載のシステム。
  21. 前記粘膜浸透増強剤が、Capsicum frutescens chili、Allium sativum(ニンニク)、Amoracia rusticana(西洋ワサビ)、Achillea millefolium(ノコギリソウ)、Berberis vulgaris(メギ)、Cimicifuga racemosa(ブラックコホシュ)、Coleus forskholii(サヤバナ)、Coptis spp.(イトヨリダイ)、Crataegus spp.(サンザシ)、Eleutherococcus senticosus(シベリアニンジン)、Ginkgo biloba(イチョウ)、Melissa officnalis(レモンバーム)、Olea europaea(オリーブの葉)、Panax ginseng(中国ニンジン)、Petroselinum crispum(パセリ)、Scutellaria baicalensis(黄ゴン)、Tilia europaea(リンデンフラワー)、Trigonella foenum−graecum(コロハ種子)、Urtica dioica(イラクサ)、Valeriana officinalis(ワレリアナ根)、Viburnum spp.(クランプ、バーク、ブラックホー)、Veratrum viride(アメリカンヘリボー)、Verbena officinalis(バーベイン)、Xanthoxylum americanum(サンショウ)、Zingiber officinale(ショウガ)、カテクトール誘導体、メントール、およびユーカリプトールからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  22. 前記薬剤が、アドレナリン作動薬;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;嫌酒薬;アルドステロン拮抗薬;アミノ酸;アンモニア解毒剤;アナボリック;蘇生薬;鎮痛薬;アンドロゲン;麻酔補助剤;麻酔薬;食欲低下薬;拮抗薬;脳下垂体前葉抑制剤;駆虫薬;抗ざそう薬;抗アドレナリン作動薬;抗アレルギー薬;抗アメーバ薬;抗アンドロゲン;抗貧血薬;抗狭心症薬;抗不安薬;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗アテローム硬化症薬;抗菌剤;抗胆石薬;抗胆石原薬;抗コリン作用薬;抗凝血薬;抗コクシジウム薬;抗痙攣薬;抗うつ薬;抗糖尿病薬;下痢止め薬;抗利尿薬;解毒剤;制吐薬;抗てんかん薬;抗エストロゲン;抗線維素溶解剤;抗真菌剤;抗緑内症薬;抗血友病薬;抗出血薬;抗ヒスタミン;抗高脂血症薬;抗高リポタンパク血症薬;抗高血圧症薬;抗低血圧症薬;抗感染症薬;抗感染症薬、局所;抗炎症薬;抗角質化剤;抗マラリア;抗菌剤;抗偏頭痛薬;抗カビ剤、抗嘔吐剤、抗腫瘍薬、神経痛治療薬、抗肥満薬;駆虫薬;抗パーキンソン病薬;抗蠕動薬、抗ニューモシス薬;抗増殖薬;抗前立腺肥大症薬;抗原虫薬;鎮痒薬;抗精神病薬;抗リウマチ薬;抗住血吸中薬;抗脂漏薬;抗分泌薬;抗痙攣薬;抗血栓薬;鎮咳薬;抗潰瘍薬;抗尿結石薬;抗ウイルス剤;食欲抑制剤;前立腺肥大症治療薬;血糖調節剤;骨吸収阻害剤;気管支拡張剤;炭酸脱水酵素阻害剤;心筋抑制剤;心臓保護剤;強心薬;心臓血管薬;利胆剤;コリン作動薬;コリン作動性診断補助剤;利尿薬;ドーパミン作動薬;外部寄生生物撲滅薬;催吐薬;酵素阻害剤;エストロゲン;線維素溶解薬;蛍光剤;遊離酸素ラジカルスカベンジャー;胃腸運動作動体;グルココルチコイド;性腺刺激成分;発毛刺激薬;止血薬;ヒスタミンH2受容体拮抗薬;ホルモン;低コレステロール血症薬;低血糖症薬;抗脂血薬;降圧薬;造影剤;免疫化薬;免疫修飾物質;免疫調節薬;免疫増強薬;免疫抑制薬;性交不能治療薬;阻害剤;角質溶解剤;LNRN作動薬;肝臓障害治療薬;ルテオリジン;記憶補助薬;精神機能増強剤;気分調節薬;粘液溶解薬;粘膜保護剤;散瞳薬;鼻うっ血除去薬;神経筋遮断薬;神経保護薬;NMDA拮抗薬;非ホルモンステロール誘導体;子宮収縮薬;プラスミノーゲン活性化因子;血小板活性化因子拮抗薬;血小板凝集阻害剤;脳卒中後および頭部外傷後治療薬;増強剤;プロゲスチン;プロスタグランジン;前立腺肥大阻害剤;プロチロトピン;向精神薬;放射性物質;調節剤;弛緩薬;再分配剤;疥癬虫撲滅薬;硬化薬;鎮静薬;催眠鎮静薬;選択性アデノシンA1拮抗薬;セロトニン拮抗薬;セロチニン阻害剤;セロチニン受容体拮抗薬;ステロイド;刺激剤;抑制剤;徴候性多発性硬化症協力剤;甲状腺ホルモン;甲状腺阻害剤;甲状腺様作動薬;トランキライザー;筋萎縮性硬化症治療薬;脳虚血症治療薬;ページェット病治療薬;不安定狭心症治療薬;尿酸排泄薬;血管収縮薬;血管拡張薬;傷薬;創傷治癒薬;キサンチンオキシダーゼ阻害剤、およびこれらの組合せの群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  23. 前記薬剤が、アセブトロール;アセブトロール;アシクロビル;アルブテロール;アルフェンタニル;アルモトリプタン;アルプラズラム;アミオダロン;アムレクサノックス;アンホテリシンB;アトルバスタチン;アトロピン;オーラノフィン;オーロチオグルコース;ベナゼプリル;ビカルタミド;ブレチリウム;ブリフェンタニル;ブロモクリプチン;ブプレノルフィン;ブトルファノール;ブスピロン;カルシトニン;カンデサルタン;カルフェンタニル;カルベジロール;クロルフェニルアミン;クロロチアジド;クロルフェンテルミン;クロルプロマジン;クリンダマイシン;クロニジン;コデイン;シクロスポリン;デシプラミン;デスモプレッシン;デキサメタゾン;ジアゼパン;ジクロフェナク;ジゴキシン;ジジドロコデイン;ドラセトロン;ドーパミン;ドキセピン;ドキシシクリン;ドロナビノール;ドロペリドール;ジクロニン;エレトリプタン;エナラプリル;エノキサパリン;エフェドリン;エピネフリン;エルゴタミン;エトミデート;ファモチジン;フェロジピン;フェンタニル;フェキソフェナジン;フルコナゾール;フルオキセチン;フルフェナジン;フルルビプロフェン;フルバスタチン;フルボキサミン;フロバトリプタン;フロセミド;ガンシクロビル;金チオリンゴ酸ナトリウム;グラニセトロン;グリセオフルビン;ハロペリドール;B型肝炎ウイルスワクチン;ヒドララジン;ヒドロモルフォン;インスリン;イプラトロピウム;イスラジピン;二硝酸イソソルビド;ケタミン;ケトロラク;ラベタロール;ロイプロリド;レボルファノール;リジノプリル;ロラタジン;ロラゼパン;ロサルタン;ロバスタチン;メラトニン;メチルドーパ;メチルフェニデート;メトプロロール;ミダゾラム;ミルタザピン;モルフィン;ナドロール;ナルブフィン;ナロキソン;ナルトレキソン;ナラトリプタン;ネオストグミン;ニカルジピン;ニフェジピン;ノレピネフリン;ノルトリプチリン;オクトレオチド;オランザピン;オメプラゾール;オンダンセトロン;オキシブチニン;オキシコドン;オキシモルホン;オキシトシン;フェニレフリン;フェニルプロパノーライミン;フェニトイン;ピモジド;ピオグリタゾン;ピロキシカム;プラバスタチン;プラゾシン;プロクロルペラジン;プロパフェノン;プロクロルペラジン;プロピオマジン;プロポフォル;プロプラノロール;偽性エフェドリン;ピリドスチグミン;ケチアピン;ラロキシフェン;レミフェンタニル;ロフェコキシブ;レパグリニド;リスペリドン;リザトリプタン;ロピニロール;スコポラミン;セレギリン;セルトラリン;シルデナフィル;シンバスタチン;シロリムス;スピロノラクトン;スフェンタニル;スマトリプタン;タクロリムス;タモキシフェン;テルビナフィン;テルブタリン;テストステロン;破傷風トキソイド;THCトルテロジン;トリアムテレン;トリアゾラム;トリセタミド;バルサルタン;ベンラファクシン;ベラパミル;ザレプロン;ザナミビル;ザフィルルカスト;ゾルミトリプタン;ゾルピデム、およびこれらの組合せの群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  24. 前記薬剤が、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、およびこれらの組合せの群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  25. 前記薬剤が、網脈絡膜に対する抗血管新生剤である、請求項1に記載のシステム。
  26. 前記薬剤が免疫抑制剤である、請求項1に記載のシステム。
  27. 前記薬剤が抗炎症剤である、請求項1に記載のシステム。
  28. 前記薬剤が抗菌剤である、請求項1に記載のシステム。
  29. 前記薬剤が抗ウイルス剤である、請求項1に記載のシステム。
  30. 前記薬剤が抗真菌剤である、請求項1に記載のシステム。
  31. 前記薬剤は、合わせた量が、最大で前記システムの約30重量%の量で存在する、請求項1に記載のシステム。
  32. 前記薬剤は、合わせた量が、最大で前記システムの約0.005重量%から約20重量%の間の量で存在する、請求項1に記載のシステム。
  33. 前記薬剤が、生体接着層全体に均一に分布され、非接着層全体に均一に分布され、または生体接着層と非接着層の両方の全体に均一に分布されている、請求項1に記載のシステム。
  34. 前記薬剤が、生体接着層全体に均一に分布されている、請求項1に記載のシステム。
  35. 前記薬剤が、生体接着層の中心付近に位置付けられている、請求項1に記載のシステム。
  36. 前記薬剤が、粘膜組織に局所的に送達される、請求項1に記載のシステム。
  37. 前記薬剤が、粘膜組織を通して全身に送達される、請求項1に記載のシステム。
  38. 約1mmまでの厚さを有する、請求項1に記載のシステム。
  39. 約0.1mmから約0.5mmの間の厚さを有する、請求項1に記載のシステム。
  40. 医薬品として許容される溶解速度調節剤、医薬品として許容される崩壊助剤、医薬品として許容される可塑剤、医薬品として許容される着色剤、医薬品として許容される乳白剤、医薬品として許容される酸化防止剤、医薬品として許容されるシステム形成増強剤、医薬品として許容される防腐剤、またはこれらの組合せをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  41. 水溶性生体接着層と水溶性非接着裏打ち層との間に位置付けられた第3の層であって、柔軟で、生分解性があり、生分解性があり、かつ水溶性である第3の層をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  42. システムの侵食性の動態を調節するように働く成分をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  43. 前記成分が、ポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチド−グリコリドコポリマー、ポリ−e−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、エチルセルロース、酢酸ビニル、セルロース、アセテート、ポリイソブチレン、またはこれらの組合せの水ベースのエマルジョンである、請求項42に記載のシステム。
  44. 哺乳類の、傷を負った粘膜表面に、請求項1から43のいずれか一項に記載のシステムを接触させるステップを含む、哺乳類の粘膜表面の創傷を治療する方法。
  45. 請求項1から43のいずれか一項に記載の粘膜接着性送達システムを、患者の任意の粘膜に付着させることを含む、薬剤を患者に投与するための方法。
  46. 前記薬剤の送達が局所的である、請求項45に記載の方法。
  47. 前記薬剤の送達が全身的なものである、請求項45に記載の方法。
  48. 前記粘膜が、消化管または腹膜に沿ったものであり、前記粘膜接着性送達システムがゲルの形をとる、請求項45に記載の薬剤を投与するための方法。
  49. 前記ゲルを、マルチチャネル送達装置によって膜に付着させる、請求項48に記載の方法。
  50. 前記滞留時間が約7日間までである、請求項44から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記滞留時間が約24時間までである、請求項44から49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記滞留時間が約8時間までである、請求項44から49のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記滞留時間が約1分間と約4時間の間である、請求項44から49のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記システムが、ゲル、フィルム、ディスク、またはパッチの形をとる、前記送達システムの請求項のいずれかに記載の粘膜接着性送達システム。
  55. 前記生体接着性ポリマーが、置換オレフィンポリマーまたは置換セルロースポリマーであり、置換基が、イオン性基、極性基、またはヒドロキシアルキル基であり、前記置換セルロースポリマーをヒドロキシアルキル基によって置換する場合、該ポリマーはアルキル基によっても置換される、請求項1に記載のシステム。
  56. 前記イオン性基または極性基が、カルボキシル基、アミド基、またはアミン基を含む、請求項55に記載のシステム。
  57. 前記フィルム形成ポリマーが、ポリエーテル、ポリアルコール、ヒドロキシアルキルセルロースポリマー、またはヒドロキシアルキル・アルキルセルロースポリマーであって、ポリマーを非接着性にするヒドロキシアルキル基とアルキル基との比を有するものである、請求項1に記載のシステム。
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