JP2007501243A - 可溶性ctla4分子を用いる心臓血管疾患の治療方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、それらのリガンドの結合によって内因性のB7分子を遮断する可溶性のCTLA4分子を患者に投与することによって、心臓血管系疾患を治療するための組成物および方法に関する。
Description
本出願を通して、種々の刊行物を引用する。それらのすべてを引用するこれらの刊行物の開示は、本発明に関連する技術状況を充分に記載するために本明細書に引用する。
(技術分野)
本発明は、概して心臓血管疾患の分野に関する。特に、本発明は、可溶性CTLA4分子を単独で、または他の治療剤と組み合わせた有効量を、患者に投与することによって、心臓血管疾患を治療または予防するための方法および組成物に関する。
本発明は、概して心臓血管疾患の分野に関する。特に、本発明は、可溶性CTLA4分子を単独で、または他の治療剤と組み合わせた有効量を、患者に投与することによって、心臓血管疾患を治療または予防するための方法および組成物に関する。
(技術背景)
約6200万人の米国人は、心臓冠状動脈疾患(CHD)を伴う、1またはそれ以上のタイプの心臓血管疾患を有し、合衆国だけで1700万人以上の患者(参照:米国心臓協会。2002年心臓および発作の最新の統計、ダラス、テキサス州。:米国心臓協会;2001年)が、発作に苦しんでいる。多くの治療の選択および技術進歩にもかかわらず、これらの疾患での死亡症例は、非常に高く;実際に、心臓血管疾患は、5人に2人が命を落とす合衆国で主要な死因である。それ故、心臓血管疾患の治療および予防のために、新しい方法が必要である。
約6200万人の米国人は、心臓冠状動脈疾患(CHD)を伴う、1またはそれ以上のタイプの心臓血管疾患を有し、合衆国だけで1700万人以上の患者(参照:米国心臓協会。2002年心臓および発作の最新の統計、ダラス、テキサス州。:米国心臓協会;2001年)が、発作に苦しんでいる。多くの治療の選択および技術進歩にもかかわらず、これらの疾患での死亡症例は、非常に高く;実際に、心臓血管疾患は、5人に2人が命を落とす合衆国で主要な死因である。それ故、心臓血管疾患の治療および予防のために、新しい方法が必要である。
CHDの主な原因であるアテローム性動脈硬化症の概念は、動脈壁において、脂質の受動蓄積の過程であり、結果として、もはや防御できない症候性の心臓血管疾患の進行に導く(参照:サイエンティフィックアメリカン 2002 (May): 46-55)。この仮説は、心臓血管疾患が慢性的な炎症過程(参照:Circulation 2002; 105:1135-43)を示す証拠によって替わりつつある。潜在的および先行する急性冠状動脈または脳血管の徴候が、「損傷を受けやすい」(またはハイリスク)動脈硬化性プラークであることが提案されてきた。炎症は、不安定狭心症(UA)および急性心筋梗塞(AMI)に導く、プラークの不安定性および破裂への主要因であると考えられる。損傷を受けやすいプラークは、単独(要員の原因)の障害(参照:Circulation 2003;107:2072-2075)とかなり隔てた多くの解剖学的に区別された場所で、しばしば現れることが示されてきた。損傷を受けやすいプラークの多発性は、病理解剖系列および血管造影法、血管内超音波法(IVUS)、視鏡的、またはサーモグラフィー技術を用いた研究において、実証されてきた。さらにこれらの仮説を支持する臨床指標データ(例えば、死亡、心筋梗塞、発作)は、疫学的データ、完了した臨床試験の過去の仮説が生ずる解析および臨床試験で予測する評価から生じる(下記にまとめる)。
医師による健康調査からの疫学的データは、炎症マーカー(例えば、C反応性蛋白質[CRP]、フィブリノーゲン、インターロイキン−6、可溶性細胞内接着分子−1[sICAM−1])が、AMI(参照:Circulation 1999;100:1148-1150)の進行の将来的なリスク予測である、説得力のある証拠を提供する。続いて、十数人以上に基づく疫学的研究は、同様の観察(参照:Circulation 2002; 105:1135-43)を報告してきた。CRP(および高感受性CRP[hs−CRP])は、これらの疫学的研究にわたって、最もよく研究された炎症性マーカーである。CRPは、一次予防および二次予防の両方の患者分布において、次に起こる心臓血管の徴候(AMI、死亡)の独立した予測の判断材料であることが明らかである。
実験的および臨床的証拠は、炎症の減少が臨床徴候の減少に導くという概念を支持する。アスピリンは、CRPによって測定される炎症の減少に関連するとして、医師による健康調査で示され、冠状動脈の徴候(参照:Circulation 1999;100:1148-1150)に付随する減少に関連する。アスピリンの抗血小板効果に対する抗炎症性効果/CRPの減少が、明らかに健康な人の分布において、どの程度までこの結果に影響を及ぼすかはわかっていない。ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素阻害剤(「スタチン類」;例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、およびロバスタチン)は、抗炎症性を有する既存の治療の二次的な具体例として提供する。血清脂質でのそれらの効果に加えて、スタチンは、CRPも減少する(参照:Circulation 2002; 105:1135-43)。コレステロールおよび再発の徴候(CARE)の研究において、プラバスタチンは、スタチン治療が低密度リポ蛋白質(LDL)または高密度リポ蛋白質(HDL)コレステロールに関連しない様式において、CRPを低くする最初の臨床的証拠を提供した。この超コレステロールの母集団において、後に起こる心臓血管の徴候に対する相対的なリスク減少の規模は、炎症の証拠(参照:Circulation 1999;100:230-235)が無いそれらと比較すると、炎症(すなわち、CRP上昇)の証拠も有する患者間で大きくなる。この観察は、プラバスタチンの炎症とCRPへの影響(PRINCE)の研究において、予測的に確認され、多様なスタチン(参照:Circulation 2002; 105:1135-43)を用いて、いくつか他の試験の解析においても報告される。
コレステロールの上昇に伴うそれらからCRPが上昇する患者において、スタチン治療の利点と分離する証拠は、エアーフォース/テキサスの冠状動脈におけるアテローム性動脈硬化症の予防研究(AFCAPS/TexCAPS;参照:New Engl J Med 2001;344:1959-1965)に由来する。本研究は、心臓血管のリスクを低く抑える母集団において、ロバスタチンを用いる初期の予防研究であった。本研究において、プラセボと比較して、ロバスタチンによって与えられるリスク軽減の規模は、高レベルのLDL/低レベルのCRPのそれらと比較する低レベルのLDL/高レベルのCRPを有する患者において、ほぼ同じ大きさであった。
上記の結果は、炎症が標準的治療法において、治癒の標準として、現在取り組まれていない新規なリスクカテゴリーを示すことを示唆する。すべての心臓発作の約半分が、標準的なコレステロールレベルを持つ母集団に生じるので、新たに同定された危険因子の同定および調節は、心臓血管の死亡症例を減少するための重要な方法である。低LDL/高CRPのこの集団に適する母集団は、約2500万人の米国人(参照:Circulation 2002; 105:1135-43)がいると見積もられる。CRPの上昇は、心臓血管の徴候後に生じるリスクと一致する段階的な様式で生じるのが明らかである。具体的には、上昇したCRP(>3mg/dL)は、健康な個体の10%に見出されるが、USAで起こった慢性的な安定狭心症、不安定狭心症(ブラウンヴァルドクラスIIIb)、およびAMIのそれぞれが、ある患者の<20%、>65%、および>90%に上昇する(参照:Circulation 2002; 105:1135-43)。それ故、炎症マーカーは、心臓血管の徴候の進行におけるリスクでの母集団において、同定および薬理学的介入の機会を示す。
他の炎症マーカーの出現により、CRP測定の有用性に取って代わるか、または増加しうる。最近、可溶性CD40リガンド(sCD40L)の増加および血清インターロイキン−10(IL−10)濃度の減少を含む、新規な炎症マーカーは、増加する心臓血管の死亡症例と関連してきた。証拠は、CD40Lが動脈硬化性プラークの不安定化において重要であることを示唆する。刺激されたリンパ球から発するCD40Lは、炎症性サイトカインおよび接着分子の上方調節を引き起こす、炎症促進性である。さらに、CD40Lは、マクロファージおよび内皮細胞において、組織因子の発現を含むことによって、凝固も促進し、糖タンパク質IIb/IIIa(参照:Proc. Natl. Acad. Sci. 1997;94:1931-1936;Nature 1998;394:200-203;Circulation 2002;106:896-899)も活性化する。
上昇した血清sCD40L濃度を実証した女性の健康研究からの疫学的証拠は、心臓血管のリスク(参照:Circulation 2001;104:2266-2268)において、段階的および継続的な上昇と関連する。心臓血管のリスクにおける上昇は、最も高いsCD40L濃度を持つ女性との間で、ほぼ12倍高い。同様の結果は、難治性不安定狭心症(CAPTURE)研究(参照:NEJM 2003;348:1104-1111)でのc7E3 Fab抗血小板治療でも観察された。本研究において、心臓血管のリスク(死亡または非致命的な心筋梗塞)での段階的および継続的な上昇は、sCD40Lの基準の五分位点に基づいて、プラセボ処置した患者間で起こっていることに気づいた。心臓血管のリスクにおけるこの違いは、初期(24時間)および後期(6ヶ月)の両方を終点にして決定すると明らかであった。抗炎症性サイトカインIL−10を調査するCAPTURE試験からの同様の解析は、高レベルのIL−10(すなわち、高い抗炎症性サイトカインレベル)を持つプラセボ処置した患者が、死亡リスク(参照:Circulation 2003; 107:2109-2114)を減少することを明らかにした。該抗炎症性サイトカインIL−10の血清濃度の最も高い四分位における患者は、血清IL−10レベルの最も低い四分位において、それらの患者と比較する死亡率を>50%減少させた。さらに、退院時の患者分布において、IL−10レベルが高いか、または低いかのどちらかに二分されるなら、高い(抗炎症性)IL−10レベルを持つ、好意の患者の6ヶ月において、死亡率の比が0.38(すなわち、相対的に62%のリスクが軽減)に調節された危険因子を観察した。
要約すると、脂質沈着のみによって介在される受動過程として起こる心臓血管疾患の概念は、古くなっている。心臓血管疾患が、慢性炎症過程の発現であることを示唆し、本炎症での介入が患者の死亡症例を減少しうる実験的および臨床的証拠において、実質的に増加している。しかしながら、現在、これらの過程での細胞性および分子メディエーターが、解明されているだけである。これらの過程の解明は、急性冠状動脈症候群(ACS)のための適当な前臨床モデルの不足が障害となる。これらの正確な機構の知識不足にかかわらず、スタチンの抗炎症効果は、上昇する炎症マーカーを有する患者の薬理学的介入が、心臓血管の死亡症例の減少に導くという概念を立証するように考える。とりわけ、これらの利点は、スタチンの予期せぬ多面的な抗炎症活性によって得られる。さらに、細胞性および分子過程の理解は、さらにこれらの患者における心臓血管の死亡症例を減少する具体的およびより有効な抗炎症剤の開発に導きうる。
一般的に、T細胞応答の規模は、T細胞表面分子およびそれらのリガンド(ミューラーの文献:1989 Ann. Rev. Immunol. 7:445-480)との相互作用によって、誘発される刺激応答により決定される。重要な共刺激シグナルは、抗原提示細胞(リンスリーおよびレッドベターの文献:J. 1993 Ann. Rev. Immunol. 11:191-212)上で、T細胞表面レセプター、CD28およびCTLA4、ならびにB7関連分子であるCD80(すなわち、B7−1)およびCD86(すなわち、B7−2)のようなそれらのリガンドとの相互作用によって提供される。共刺激を含まないT細胞活性化は、免疫系が刺激に対して非応答になるアネルギーT細胞応答(シュバルツの文献:1992 Cell 71:1065-1068)を生じる。
CD28およびCTLA4の可溶型は、CD28IgおよびCTLA4Igで生じる免疫グロブリン(Ig)定常ドメインに対するCD28およびCTLA4の可変(V)様細胞外ドメインを融合することによって構築されてきた。CTLA4Igのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、+357位のリジンで終わる蛋白質と一緒に図24に示す。CTLA4Igは、CD28Ig(リンスリーの文献:1994 Immunity 1:793-80)よりも強いCD80陽性およびCD86陽性細胞の両方と結合する。多くのT細胞依存性の免疫応答は、インビトロおよびインビボの両方で、CTLA4Igによって遮断されることが見出されてきた(リンスリーの文献:1991b, 上記;リンスリーの文献:1992a Science 257:792-795;リンスリーの文献:1992b J. Exp. Med. 176:1595-1604;レンショウの文献:1992 Science 257:789-792;タンの文献:1992 J. Exp. Med. 177:165-173;ツルカの文献:1992 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:11102-11105)。
B7、可溶性CTLA4Igの融合分子のような天然リガンドに対する結合親和性を変えるために、該分子のCTLA4部分において、アミノ酸の突然変異によって修飾した。突然変異するとき、B7リガンドに対する該結合親和性または結合活性を変更するCTLA4の領域は、相補性決定領域1(米国特許第6090914号、第5773253号、第5844095号;同時係属の米国特許出願番号第60/214065号;およびピーチの文献:1994. J. Exp. Med., 180:2049-2058 に記載されたCDR−1)および相補性決定領域3(CDR−3)様領域(CDR−3は、米国特許第6090914号、第5773253号および第5844095号で記載されたCTLA4細胞外ドメインの保存領域;同時係属の米国特許出願番号第60/214065号;およびピーチの文献:J Exp Med 1994 180:2049-2058;該CDR−3様領域は、CDR−3領域を含み、CDR−3モチーフのいくつかのアミノ酸、上流および/または下流によって拡張する)を含む。ヘキサペプチドモチーフMYPPPY(SEQ ID NO.:20)を含む、該CDR−3様領域は、CD28およびCTLA4ファミリーのすべてにおいて、高度に保存される。CTLA4での該ヘキサペプチドモチーフ、およびCD28Igにおいて選択された残基でのアラニン走査型突然変異誘発は、CD80(ピーチの文献:J Exp Med 1994 180:2049-2058;米国特許第5434131号;米国特許第6090914号;米国特許第5773253号)との結合を減少するか、または中止した。
さらに修飾は、CTLA4およびCD28の相同領域を相互変換することによって、可溶性CTLA4Ig分子に行った。これらのキメラCTLA4/CD28相同物の突然変異分子は、CTLA4とCD80の結合親和力の増加に関与する領域(ピーチの文献:1994 J Exp Med 180:2049-2058)として、CTLA4およびCD28、ならびにCTLA4のCDR−1およびCDR−3様領域において、特定の非保存アミノ酸残基に共通しているMYPPPYのヘキサペプチドモチーフを同定した。
上記のCTLA4Ig、CTLA4の突然変異分子またはキメラCTLA4/CD28相同物の突然変異体のような可溶性CTLA4分子は、心臓血管疾患を治療するための治療薬の新規な群として紹介する。
(発明の概要)
本発明は、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子を患者に投与し、それによりT細胞上でCTLA4および/またはCD28と結合するB7陽性細胞の内因性のB7分子を阻害することによって、心臓血管疾患を治療するための組成物および方法を提供する。本発明の方法に使用する可溶性CTLA4分子は、CTLA4Igおよび可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgを含む。
本発明は、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子を患者に投与し、それによりT細胞上でCTLA4および/またはCD28と結合するB7陽性細胞の内因性のB7分子を阻害することによって、心臓血管疾患を治療するための組成物および方法を提供する。本発明の方法に使用する可溶性CTLA4分子は、CTLA4Igおよび可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgを含む。
本発明は、B7陽性細胞上でB7分子と結合する可溶性CTLA4分子を患者に投与し、それによりT細胞上でCTLA4および/またはCD28と結合する内因性のB7分子を阻害することによって、心臓血管疾患を治療するための組成物および方法を提供する。本発明の方法で使用する可溶性CTLA4分子は、CTLA4Igおよび可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgを含む。
本発明は、CTLA4Igおよび/または可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgおよび/または可溶性CTLA分子のいずれかの混合物のような可溶性CTLA4分子を心臓血管疾患の症状がある患者に投与することによって、心臓血管疾患を治療する(例えば、症状を軽減する)ための方法も提供する。例えば、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、+357位のリジンで終わる、図19で示されるようなCTLA4Igおよび該CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgは、本発明の方法の使用に好ましい。
本発明は、医薬的に許容される担体および可溶性CTLA4分子のような生物学的に有効な薬剤を単独または他の治療薬との組み合わせを含む、心臓血管を治療するための医薬組成物も提供する。
心臓血管疾患の治療の医薬組成物を含むキットも、本発明に含まれる。一態様として、本発明の1またはそれ以上の該医薬組成物を含むキットは、心臓血管疾患を治療するために使用する。例えば、可溶性CTLA4分子の有効量を含む該医薬組成物は、B7陽性細胞上のB7分子に結合し、それによってT細胞上のCTLA4および/またはCD28との結合から該B7分子を遮断する。さらに、該キットは、本発明の医薬組成物と組み合わせて使用する1またはそれ以上の他の治療剤を含みうる。
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書で使用する、すべての科学および技術用語は、特に指示しない限り、当該技術分野で一般的に使用される意味を有する。本明細書において、以下の語または句は、特定の意味を有する。
(定義)
本明細書で使用する、すべての科学および技術用語は、特に指示しない限り、当該技術分野で一般的に使用される意味を有する。本明細書において、以下の語または句は、特定の意味を有する。
本明細書において、「リガンド」とは、例えば、CTLA4のリガンドが、B7分子であるような別の分子を特に認識し結合する分子を意味する。さらに具体例として、該B7分子のリガンドは、CTLA4および/またはCD28分子である。分子およびそのリガンドの相互作用は、本発明の組成物によって制御されうる。例えば、そのリガンドB7とCTLA4の相互作用は、CTLA4Ig分子の投与によって遮断される。また、腫瘍壊死因子(TNF)のリガンドは、そのレセプターであるTNFレセプター(TNFR)と相互作用し、エタネルセプト(etanercept)または他のTNF/TNFRを遮断する分子の投与によって遮断される。
本明細書において、「野生型CTLA4」または「非突然変異のCTLA4」とは、CD28および/またはCTLA4(例えば、内因性のCD28および/またはCTLA4)の結合を遮断するようなB7を認識し結合するか、またはB7を妨害する自然発生のアミノ酸配列である、図23で示す全長CTLA4(本明細書にすべてを引用する米国特許第5434131号、第5844095号、および第5851795号にも記載される)、またはいずれかの部分もしくはその誘導体を意味する。特定の態様において、野生型CTLA4の細胞外ドメインは、図23で示すとおり、+1位のメチオニンで始まり、+124位のアスパラギン酸で終わるか、または野生型CTLA4の細胞外ドメインは、−1位のアラニンで始まり、+124位のアスパラギン酸で終わる。野生型CTLA4は、N末端の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、およびC末端の細胞質ドメインを有する細胞表面蛋白質である。該細胞外ドメインは、B7分子のような標的分子と結合する。細胞において、該自然発生の野生型CTLA4蛋白質は、N末端でのシグナルペプチドを含む、未成熟ポリペプチドとして翻訳される。該未成熟ポリペプチドは、未熟型のN末端とは異なる新たに生成したN末端を有する、CTLA4開裂生成物を生成するシグナルペプチドの開裂および除去を含む、翻訳後過程を引き起こす。当業者は、該CTLA4開裂生成物の新たに生じたN末端から1またはそれ以上のアミノ酸を除去する追加の翻訳後過程が起こりうることを理解する。また、該シグナルペプチドは、一般的な出発アミノ酸であるメチオニンの前で開始する生成分子を完全に除去できない。従って、該未熟のCTLA4蛋白質は、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで開始しうる。該CTLA4分子の未熟型は、B7と結合する細胞外ドメインまたはそのいずれかの部分を含む。
本明細書において、「CTLA4の突然変異分子」とは、突然変異または多発性突然変異(好ましくは、野生型CTLA4の細胞外ドメイン)を有する図23またはそのいずれかの部分またはその誘導体を示す野生型CTLA4を意味する。CTLA4の突然変異分子は、同様であるが、野生型CTLA4分子の配列と同一ではない配列を有するが、さらにB7と結合する。該突然変異は、保存性(例えば、ロイシンをイソロイシンに置換する)または非保存性(例えば、グリシンをトリプトファンに置換する)の構造または化学的性質を有するアミノ酸で置換された1またはそれ以上のアミノ酸残基、アミノ酸欠損、付加、フレームシフト、または切断を含みうる。CTLA4の突然変異分子は、その中またはそれに結合された非CTLA4分子を含みうる。突然変異分子は、可溶性(すなわち、循環)または細胞表面に結合される。さらに、CTLA4の突然変異分子は、米国特許出願番号09/865321、60/214065および60/287576;米国特許番号第6090914号、第5844095号および第5773253号に記載されるもの;およびピーチの文献:J Exp Med 180:2049-2058 (1994) に記載されるものを含む。CTLA4の突然変異分子は、合成的または複製的に製造され得る。
「CTLA4Ig」とは、B7と結合する野生型CTLA4の細胞外ドメイン、またはその一部分、免疫グロブリン定常領域(Ig)に結合されるか、またはその一部分を含む、可溶性融合蛋白質である。ある態様として、+1位のメチオニンから始まり、+124位のアスパラギン酸で終わるか、または−1位のアラニンから始まり、+124位のアスパラギン酸で終わる野生型CTLA4(図23で示す)の細胞外ドメイン;+125位のグルタミンアミノ酸残基との結合;および+126位のグルタミン酸から+357位のリジン(CTLA4IgをコードするDNAは、1991年5月31日、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託し、ブタペスト条約の規定下で10801 Blvd大学、マナッサス、VA20110−2209、およびATCC受入番号ATCC68629を受けた;リンスリーの文献:1994 Immunity 1:793-80)で包括的な免疫グロブリン部を含む。CTLA4Igを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である、CTLA4Ig−24は、ATCC識別番号CRL−10762を持つ1991年5月31日に寄託した。該方法で使用する可溶性CTLA4Ig分子および/または本発明のキットは、シグナル(リーダー)ペプチド配列を含みうるか、または含み得ない。具体的には、該方法および/または本発明のキットにおいて、該分子は、シグナルペプチド配列を含まない。
「L104EA29YIg」とは、アミノ酸A29Y(29位のアラニンで置換するチロシンアミノ酸残基)およびL104E(+104位でロイシンに置換するグルタミン酸アミノ酸残基)を変更するか、またはB7分子と結合するその一部分、Igの尾部(図19に含まれる;L104EA29YIgをコードするDNAが、ATCC番号PTA−2104で2000年6月20日に寄託;同時係属の米国特許出願番号09/579927、60/287576および60/214065は、本明細書に引用する)に結合する野生型CTLA4の細胞外ドメインを含む、可溶性CTLA4の突然変異分子である融合蛋白質である。本発明の方法および/またはキットで使用する該可溶性L104EA29YIg分子は、シグナル(リーダー)ペプチド配列を含みうるか、または含み得ない。具体的には、本発明の該方法および/またはキットにおいて、該分子は、シグナルペプチド配列を含まない。
本明細書において、「可溶性」とは、細胞に結合または接着しない、すなわち循環する、そのいずれかの分子またはフラグメントおよび誘導体を意味する。例えば、CTLA4、B7またはCD28は、CTLA4、B7またはCD28のそれぞれの細胞外ドメインに免疫グロブリン(Ig)部を接着することによって可溶化され得る。別法として、CTLA4のような分子は、その膜貫通ドメインを除去することによって可溶化され得る。具体的には、本発明の該方法、組成物および/またはキットで使用する可溶化分子は、シグナル(またはリーダー)配列を含まない。
本明細書において、「可溶性CTLA4分子」とは、これに限らないが、CTLA4の細胞外ドメインが融合分子の可溶化させる、例えば、IgCγ1(IgCガンマ1)、IgCγ2(IgCガンマ2)、IgCγ3(IgCガンマ3)、IgCγ4(IgCガンマ4)、IgCμ(IgCミュウ)、IgCα1(IgCアルファ1)、IgCα2(IgCアルファ2)、IgCδ(IgCデルタ)またはIgCε(IgCイプシロン)のような免疫グロブリン(Ig)部分、またはそのフラグメントおよび誘導体で縮合され;パピローマウイルスE7遺伝子産物(CTLA4−E7)、黒色腫関連抗原p97(CTLA4−p97)またはHIVエンベロープ蛋白質(CTLA4エンベロープgp120)(米国特許第5844095号に記載され、すべての記載をここに引用する)、またはそのフラグメントおよび誘導体のような生物活性または化学的に活性な蛋白質の部分で融合されるか、または結合するCTLA4の細胞外ドメインを有する蛋白質;CD28/CTLA4Ig(米国特許第5434131号に記載され、すべての記載をここに引用する)、またはそのフラグメントおよび誘導体のような混成(キメラ)融合蛋白質;該蛋白質の可溶性(オークスの文献:2000 Cellular Immunology 201:144-153、すべての記載をここに引用する)を提供するために除去する膜貫通ドメインを有するCTLA4分子、またはそのフラグメントおよび誘導体である、CTLA4Ig融合蛋白質(例えば、ATCC受入番号68629で寄託したDNAをコードする)を含む、B7と結合する非細胞表面結合(すなわち、循環)されたCTLA4分子またはCTLA4分子のいずれかの機能部分を意味する。「可溶性CTLA4分子」とは、CTLA4結合活性を有する、フラグメント、その部分または誘導体、および可溶性CTLA4の突然変異分子も含む。本発明の方法で使用する可溶性CTLA4分子は、シグナル(リーダー)ペプチド配列を含みうるか、または含まない。具体的には、本発明の該方法、組成物および/またはキットにおいて、該分子は、シグナルペプチド配列を含まない。
本明細書において、「CTLA4の細胞外ドメイン」とは、B7分子のようなCTLA4リガンドを認識し、結合するCTLA4の部分である。例えば、CTLA4の細胞外ドメインは、+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸(図23)までを含む。また、CTLA4の細胞外ドメインは、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸まで(図23)を含む。該細胞外ドメインは、B7分子と結合するCTLA4のフラグメントまたは誘導体を含む。図23で示す、CTLA4の細胞外ドメインは、B7分子に対するCTLA4分子の結合親和性を変化する突然変異も含む。
本明細書において、用語「突然変異」とは、野生型分子のヌクレオチドまたはアミノ酸配列の変化、例えば、該野生型CTLA4の細胞外ドメインのDNAおよび/またはアミノ酸のような配列の変化を意味する。DNA中の突然変異は、該アミノ酸配列の変化を導くコドンを変化する。DNAの変化は、置換、欠損、挿入、選択的スプライシング、または切断を含みうる。アミノ酸の変化は、該蛋白質の置換、欠損、挿入、付加、切断、または処理または開裂誤差を含みうる。また、ヌクレオチド配列での突然変異は、当該技術分野でよく理解されるアミノ酸配列において、サイレント突然変異を生じうる。それに関して、特定のヌクレオチドコドンは、同一のアミノ酸をコードする。具体例は、アミノ酸であるアルギニン(R)をコードするヌクレオチドコドンCGU、CGG、CGC、およびCGA;またはコドンGAU、および該アミノ酸であるアスパラギン酸(D)をコードするGACを含む。従って、蛋白質は、それらの特異的なヌクレオチド配列と異なる1またはそれ以上の核酸分子によってコードされ得るが、さらに、同一の配列を有する蛋白質分子をコードする。配列をコードするアミノ酸は、以下の通りである:
該突然変異分子は、1またはそれ以上の突然変異を起こしうる。
該突然変異分子は、1またはそれ以上の突然変異を起こしうる。
本明細書において、「非CTLA4蛋白質配列」または「非CTLA4分子」とは、B7と結合しないいずれかの蛋白質分子を意味し、その標的へのCTLA4の結合を妨害しない。CTLA4分子の細胞外ドメインに付着する非CTLA4分子は、該CTLA4分子の溶解性または親和性を修正することができる。具体例は、これに限らないが、免疫グロブリン(Ig)定常領域またはその一部分を含む。好ましくは、Ig定常領域は、ヒトまたはサルのIg定常領域、例えば、ヒンジ、CH2およびCH3領域を含むヒトC(ガンマ)1である。該Ig定常領域は、そのエフェクター機能(米国特許第5637481号、第5844095号および第5434131号)を減少するために突然変異され得る。
本明細書において、「フラグメント」または「部分」は、例えば、CTLA4またはCD28のような分子のいずれかの部分または断片であり、好ましくは、例えば、B7分子のようなその標的を認識し、結合するCTLA4またはCD28もしくはその部分または断片における該細胞外ドメインのような分子である。
本明細書において、「B7」は、これに限らないが、CTLA4および/またはCD28を認識し、結合するB7−1(CD80)(フリーマンの文献:1989, J Immunol. 143:2714-2722 は、すべての記載をここに引用する)、B7−2(CD86)(フリーマンの文献:1993, Science 262:909-911、すべての記載をここに引用し;アズマの文献:1993, Nature 366:76-79 は、すべての記載をここに引用する)を含む、分子のB7ファミリーを意味する。B7分子は、活性化されたB細胞で発現されうる。
本明細書において、「CD28」とは、米国出願番号第5580756号および第5521288号(すべての記載をここに引用する)に記載する、B7を認識し結合する分子を意味する。
本明細書において、「B7陽性細胞」とは、細胞表面で発現するB7分子の1またはそれ以上の型を有するいずれかの細胞である。
本明細書において、「誘導体」とは、その親分子の配列相同性および活性を共有する分子である。例えば、CTLA4の誘導体は、野生型CTLA4の細胞外ドメインに対して、少なくとも70%の相同性のあるアミノ酸配列を有する可溶性CTLA4分子を含み、例えば、CTLA4Igまたは可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgのようなB7を認識し結合する。誘導体は、例えば、アミノ酸アナログのようなアミノ酸配列および/またはアミノ酸の化学的性質へのいずれかの変化を意味する。
本明細書において、「制御する」とは、免疫応答が、活性化、刺激、上方制御、阻害、遮断、下方制御、または免疫応答の修正をすることである。本明細書に記載される心臓血管疾患は、免疫応答、例えば、機能的なCTLA4および/またはCD28陽性細胞とB7陽性細胞との相互作用を制御することによって治療されうる。例えば、可溶性CTLA4/B7複合体、内因性のCTLA4および/またはCD28分子と該B7分子の反応によって妨害する可溶性CTLA4分子を形成するために、B7陽性細胞を本発明の可溶性CTLA4分子に付着することを含む、免疫応答を制御する方法。
本明細書において、レセプター、シグナルまたは分子を「遮断する」または「阻害する」とは、技術が認識されている試験によって検出される該レセプター、シグナルまたは分子の活性化を妨害することを意味する。例えば、細胞介在性の免疫応答の遮断は、免疫疾患に関連する症状の軽減を決定することによって検出され得る。遮断または阻害は、部分または全体であり得る。
本明細書において、「B7相互作用を遮断する」とは、例えばCD28および/またはCTLA4のようなそのリガンドに対するB7の結合を妨害することを意味し、それ故、T細胞およびB7陽性細胞の相互作用を妨害する。B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の具体例は、これに限らないが、CTLA4、CD28またはB7分子(例えば、B7−1、B7−2)のいずれかを認識し結合する抗体(またはその部分もしくは誘導体)のような分子;可溶性CTLA4のような分子の可溶化型(または、その部分もしくは誘導体);該CTLA4/CD28/B7介在性の相互作用により該細胞シグナルを妨害するために設計されるペプチドフラグメントまたは他の小分子を含む。好ましい態様として、該遮断剤は、例えば、CTLA4Ig(ATCC68629)またはL104EA29YIg(ATCCPTA−2104)のような可溶性CTLA4分子、CD28Ig(ATCC68628)のような可溶性CD28分子、B7Ig(ATCC68627)のような可溶性B7分子、抗B7モノクローナル抗体(例えば、ATCC HB−253、ATCC CRL−2223、ATCC CRL−2226、ATCC HB−301、ATCC HB−11341およびアンダーソンの米国特許第6113898号またはヨコイチの文献:1982. J. Immun., 128(2)823-827)に記載されたモノクローナル抗体、抗CTLA4モノクローナル抗体(例えば、ATCC HB−304、および参照82−83に記載されたモノクローナル抗体)および/または抗CD28モノクローナル抗体(例えば、ハンセンの文献:1980. Immunogenetics 10: 247-260 またはマーチンの文献:1984. J. Clin. Immun., 4(1):18-22)に記載されたATCC HB 11944およびmAb 9.3)である。また、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する小分子も含まれる。B7相互作用を遮断することは、免疫疾患(例えば、心臓血管疾患)または炎症性疾患関連する症状の軽減を定量する、T細胞/B7細胞相互作用の減少を定量することによって、またはB7とCTLA4および/またはCD28の相互作用において、減少を定量することのような技術が認識された試験によって検出されうる。遮断は部分または全体であり得る。
本明細書において、分子の「有効量」とは、そのリガンドで該分子の相互作用を遮断する量として定義される。例えば、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量は、B7陽性細胞でB7分子と結合するとき、CTLA4およびCD28のような内因性リガンドの結合からB7分子を阻害する分子の量として定義される。また、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量は、T細胞上のCTLA4および/またはCD28分子と結合するとき、CTLA4およびCD28のような内因性リガンドの結合からB7分子を阻害する分子の量として定義されうる。阻害または遮断は、部分または完全であり得る。
本明細書において、疾病を「治療する、処置する」とは、医薬品または他の治療によって、疾患を管理することを意味する。疾患の治療は、疾患の症状の改善または軽減、疾患の重症度の減少、疾患の進行の過程を修正または予防、疾患の発生予防、および/または基礎疾患の問題を改善または軽減もしくは治癒しうる。心臓血管疾患の症状は、これに限らないが、律動異常;胸痛;心筋虚血;狭心症;運動負荷の減少;疲労;労作性呼吸困難;発作性夜間呼吸困難;跛行;一過性脳虚血発作および生活の質を含む。例えば、心臓血管疾患を治療することは、免疫応答を制御する(例えば、B7陽性細胞で機能的なCTLA4および/またはCD28陽性細胞相互作用を阻害する)ことによって達成されうる。別の方法として、心臓血管疾患を治療することは、本明細書に記載の組成物の使用による発生または進行から疾患を予防することによって、達成されうる。
本明細書において、「心臓血管疾患」とは、該分野において一般的に使用される意味を持ち、これに限らないが、以下の疾患または症状:心室内の心臓動脈血管血栓塞栓性障害、心臓静脈血管血栓塞栓性障害、および血栓塞栓性障害を含む、血栓塞栓性障害;アテローム性動脈硬化症;再狭窄;末梢動脈疾患;冠状動脈バイパス手術;頸動脈疾患;動脈炎;心筋炎;心臓血管炎症;血管炎症;心臓冠状動脈疾患(CHD);不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);初期または再発心筋梗塞;急性心筋梗塞(AMI);心筋梗塞;非Q波心筋梗塞;非STE心筋梗塞;冠状動脈疾患;心虚血;虚血;虚血性突然死;一過性脳虚血発作;発作;アテローム性動脈硬化症;末梢動脈閉塞性疾患;静脈血栓症;深部静脈血栓症;静脈血栓症;動脈塞栓症;冠状動脈血栓症;脳動脈血栓症;脳塞栓症;腎臓塞栓症;肺塞栓症;(a)人工弁または他の移植片、(b)留置カテーテル、(c)ステント、(d)心肺バイパス、(e)血液透析、または(f)血液が血栓症を促進する人工物表面に曝される他の方法で生じる血栓症;アテローム性動脈硬化症、手術または手術時の合併症から生じる血栓症、持続性の固定化、動脈細動、先天性血栓形成傾向、癌、糖尿病、薬物治療またはホルモンの効果、および妊娠時の合併症;上室性不整脈、心房性不整脈、心房粗動、心房細動を含む、心不整脈;ダグラス、ピーター等の書籍:Heart Disease:A Textbook of Cardiovascular Medicine, 2 Volume Set, 6th Edition, 2001, Eugene Braunwald で挙げられる他の疾患を含む。
好ましい心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症;心臓冠状動脈疾患(CHD);再狭窄;末梢動脈疾患;冠状動脈バイパス手術;頸動脈疾患;動脈炎;心筋炎;心臓血管炎症;血管炎症;不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);心筋梗塞;初期または再発心筋梗塞、非Q波心筋梗塞、非ST上昇心筋梗塞、およびST−部分上昇心筋梗塞を含む、急性心筋梗塞(AMI)である。
より好ましい心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症;心臓冠状動脈疾患(CHD);不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);心筋梗塞;初期または再発性心筋梗塞、非Q波心筋梗塞、および非ST部分上昇心筋梗塞、およびST上昇心筋梗塞を含む、急性心筋梗塞(AMI)である。
本明細書において、「遺伝子治療」とは、遺伝子操作によって、疾患を治療する方法である。遺伝子治療は、核酸分子を細胞に導入し、遺伝子産物を発現する細胞が該核酸分子によって、コード化することを含む。例えば、当業者によって周知であるような核酸分子を細胞に導入することは、例えば、沈殿リン酸カルシウム、ジエチルアミノエチルデキストラン、ポリエチレングリコール(PEG)、電気穿孔法、直接注射、リポフェクションまたはウイルス感染(サムブルックの書籍:Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989);クリーガーの書籍:Gene Transfer ad Expression: A Laboratory Manual (W. H. Freeman and Co, New York, N.Y., 1993) およびウーの書籍:Methods in Enzymology (Academic Press, New York, 1993) のそれぞれを本明細書に引用する)を含む多様な方法によって、生体外またはインビトロで目的の核酸分子を含んだ発現ベクターを細胞に導入することによって実施されうる。別の方法として、目的のヌクレオチド配列は、多様なベクターを用い、例えば、核酸を患者に直接投与し(ウイリアムスの文献:1991 PNAS 88:2726-2730);または核酸分子をウイルスベクターに組み入れ、組み換えウイルスまたはウイルス粒子の産生、および組み換えウイルスによる患者の感染(バトルマンの文献:1993 J Neurosci 13:94-951;キャロルの文献:1993 J Cell Biochem 17E:241;レブコウスキーの米国特許第5354678号;ダビソンおよびエリオットの書籍:分子ウイルス学:実践的なアプローチ(IRL Press, New York, 1993))を含む、多様な方法によって、生体内で細胞に導入され得る。生体内で転移のために使用される他の方法は、患者にリポソームへの核酸のカプセル化、およびリポソームの直接導入、または赤血球凝集センダイウイルスと結合したリポソームを含む(本明細書に引用する米国特許第5824655号)。形質転換または感染細胞は、疾患または疾患の症状を改善するために核酸によってコード化される蛋白質生成物を発現する。
本明細書において、「軽減する」とは、これに限らないが、律動異常;胸痛;心筋虚血;狭心症;運動負荷の減少;疲労;労作性呼吸困難;発作性夜間呼吸困難、跛行;一過性脳虚血発作および生活の質を含む、1またはそれ以上の心臓血管疾患の症状のような1またはそれ以上の疾患の症状の重症度の緩和または低下させることを意味する。
本明細書に記載する発明が充分理解されるために、下記で説明する。
本発明の組成物および方法
本発明は、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量を患者に投与することによって、心臓血管疾患を治療するための組成物および方法を提供する。例えば、リガンドは、可溶性CTLA4分子(例えば、CTLA4Ig、CTLA4−E7、CTLA4−p97、CTLA4エンベロープgp120、およびCTLA4/CD28Ig、L104EA29YIg、L104EA29LIg、L104EA29TIgおよび/またはL104EA29WIgのような突然変異CTLA4分子)、可溶性CD28分子、可溶性B7−1分子、可溶性B7−2分子、およびB7、CD28および/またはCTLA4(例えば、抗CTLA4モノクローナル抗体、抗CD28モノクローナル抗体、抗B7−1モノクローナル抗体または抗B7−2モノクローナル抗体)を認識し、結合するモノクローナル抗体を含む。
本発明は、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量を患者に投与することによって、心臓血管疾患を治療するための組成物および方法を提供する。例えば、リガンドは、可溶性CTLA4分子(例えば、CTLA4Ig、CTLA4−E7、CTLA4−p97、CTLA4エンベロープgp120、およびCTLA4/CD28Ig、L104EA29YIg、L104EA29LIg、L104EA29TIgおよび/またはL104EA29WIgのような突然変異CTLA4分子)、可溶性CD28分子、可溶性B7−1分子、可溶性B7−2分子、およびB7、CD28および/またはCTLA4(例えば、抗CTLA4モノクローナル抗体、抗CD28モノクローナル抗体、抗B7−1モノクローナル抗体または抗B7−2モノクローナル抗体)を認識し、結合するモノクローナル抗体を含む。
B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量は、B7陽性細胞のB7分子と結合するとき、CTLA4およびCD28のような内因性リガンドの結合によって、B7分子を阻害する抗B7モノクローナル抗体、可溶性CTLA4および/または可溶性CD28分子の量として定義されうる。該阻害は、部分または全部であり得る。
また、CTLA4および/またはCD28とのB7相互作用を遮断する分子の有効量は、T細胞上で、CTLA4および/またはCD28分子と結合するとき、CTLA4およびCD28のような内因性リガンドの結合からB7分子を阻害する、抗CTLA4モノクローナル抗体、抗CD28モノクローナル抗体または可溶性B7(B7−1またはB7−2)分子の量として定義されうる。該阻害は、部分的または全部であり得る。
CTLA4および/またはCD28とのB7相互作用を遮断する、分子の有効量は、約0.1〜100mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.5〜100mg/kg(患者の体重)、0.5〜5mg/kg(患者の体重)、0.1〜5mg/kg(患者の体重)、約5〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜15mg/kg(患者の体重)、約15〜20mg/kg(患者の体重)、約20〜25mg/kg(患者の体重)、約25〜30mg/kg(患者の体重)、約30〜35mg/kg(患者の体重)、約35〜40mg/kg(患者の体重)、約40〜45mg/kg(患者の体重)、約45〜50mg/kg(患者の体重)、約50〜55mg/kg(患者の体重)、約55〜60mg/kg(患者の体重)、約60〜65mg/kg(患者の体重)、約65〜70mg/kg(患者の体重)、約70〜75mg/kg(患者の体重)、約75〜80mg/kg(患者の体重)、約80〜85mg/kg(患者の体重)、約85〜90mg/kg(患者の体重)、約90〜95mg/kg(患者の体重)、または約95〜100mg/kg(患者の体重)の量である。
ある態様として、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量は、約2mg/kg〜約10mg/kg(患者の体重)の量である。好ましい量は、10mg/kg(患者の体重)である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜4mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜0.5mg/kg(患者の体重)、約0.5〜1.0mg/kg(患者の体重)、約1.0〜1.5mg/kg(患者の体重)、約1.5〜2.0mg/kg(患者の体重)、約2.0〜2.5mg/kg(患者の体重)、約2.5〜3.0mg/kg(患者の体重)、約3.0〜3.5mg/kg(患者の体重)、約3.5〜4.0mg/kg(患者の体重)、約4.0〜4.5mg/kg(患者の体重)、約4.5〜5.0mg/kg(患者の体重)、約5.0〜5.5mg/kg(患者の体重)、約5.5〜6.0mg/kg(患者の体重)、約6.0〜6.5mg/kg(患者の体重)、約6.5〜7.0mg/kg(患者の体重)、約7.0〜7.5mg/kg(患者の体重)、約7.5〜8.0mg/kg(患者の体重)、約8.0〜8.5mg/kg(患者の体重)、約8.5〜9.0mg/kg(患者の体重)、約9.0〜9.5mg/kg(患者の体重)、約9.5〜10.0mg/kg(患者の体重)の量である。
別の態様として、該有効量は、約0.1〜20mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜2mg/kg(患者の体重)、約2〜4mg/kg(患者の体重)、約4〜6mg/kg(患者の体重)、約6〜8mg/kg(患者の体重)、約8〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜12mg/kg(患者の体重)、約12〜14mg/kg(患者の体重)、約14〜16mg/kg(患者の体重)、約16〜18mg/kg(患者の体重)または約18〜20mg/kg(患者の体重)の量である。
別の態様として、該有効量は、約2mg/kg(患者の体重)である。さらに別の態様として、該有効量は、患者の体重の約10mg/kgである。
具体的な態様として、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子は、可溶性CTLA4分子であって、可溶性CTLA4分子の有効量は、約2mg/kg(患者の体重)である。別の具体的な態様として、可溶性CTLA4分子の有効量は、約10mg/kg(患者の体重)である。別の具体的な態様として、可溶性CTLA4の有効量は、60kg以下の重量の患者に対して500mg、60〜100kgの重量の患者に対して750mg、および100kg以上の重量の患者に対して1000mgである。
B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子が可溶性CTLA4である有効量は、必要に応じて時/日/週/月/年あたり、単回または数回で毎日、毎週、毎月および/または毎年、患者へ投与され得る。例えば、一態様として、該分子は、最初の1ヶ月間は、2週ごとに1回、次いで、その後は毎月1回投与される。
好ましい態様として、心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症;心臓冠状動脈疾患(CHD);不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);初期または再発性の心筋梗塞;急性心筋梗塞(AMI);心筋梗塞;非Q波心筋梗塞;または非STE心筋梗塞である。
本明細書(実施例3〜7)は、心臓血管疾患の予防または治療において、CD28−B7相互作用を遮断する分子の使用を支持する臨床データを示す。RAについての臨床研究において、CTLA4Igは、CRP、IL−6、およびTNF−α、心臓血管疾患とも相関するすべての炎症マーカーを低下させる。これらの結果は、CD28−B7経路を遮断するという新規な作用機構が、心臓血管疾患を治療するのに有用であり得ることを示唆する。さらに研究は、実施例8および9で議論される。B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量を患者に投与することによって、心臓血管疾患を治療するための方法の発明として示す。
心臓血管疾患を治療する新規方法のために、本明細書で議論される添付資料は、刊行された医学文献から生じているものの、我々の発明は、衰えていない。免疫学/炎症が、心臓血管疾患において重要な役割を果たし得るという考えは、相対的に最近のことであり、不完全なパラダイムシフトである。心臓学、免疫学、および感染症にまたがる研究の広さは、かなり広く、一分野でのそのような発見は、これらの学問の区別を通して一体とならない。逆に、一度新規な発見をすると、その結果を処理して、完成した作用機構は、すぐに研究者/科学者に明らかとはなり得ない。さらに、合衆国での患者において、優性T細胞個体群は、CD4+CD28null細胞(参照:Circulation 2000;102:2883-2888)であったとする研究で報告された。この結果は、CD28−B7介在シグナルの阻害が、UA患者において、有効ではないことを示唆する。
例えば、CTLA4IgまたはL104EA29YIgによるようなCD28−B7相互作用の阻害によって、心臓血管による死亡症例の減少、または心臓血管機能改善および生活の質を新しくする。心臓血管疾患領域にかかる、これらの薬剤の使用は、(1)関節リウマチ(RA)患者とアテローム性動脈硬化症/不安定狭心症患者の細胞性および生化学的相同性;(2)心臓血管疾患において、介入に適当であると思えるCTLA4IgおよびL104EA29YIgの作用機構;(3)本明細書で示す動物モデルおよび臨床研究において、CTLA4Igおよび/またはL104EA29YIgの抗炎症効果;(4)アテローム性動脈硬化症において、B7−CD28相互作用の重要性についての最近報告された結果によって支持される。これらのデータの多くは、本質的に異なる前臨床研究(細胞性および動物モデル)、ならびに本明細書で示す臨床研究に存在し、以下でまとめる。
(1)関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化症/不安定狭心症の患者における細胞性および生化学的相同性。
(1)関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化症/不安定狭心症の患者における細胞性および生化学的相同性。
これら二つの病理学的過程(表I)において、生化学的および細胞性の相同性がある。さらに、RA患者の早期の死は、最近、急性冠状動脈症候群と関連づけられてきた(参照:J Rheumatology 1999;26:2562-2571; Rheumatology 1999;38:668-674)。
表I.関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化症/不安定狭心症の細胞性および生化学的相同性
注記:パセリ等の文献(参照:Circulation 1999;100:2124-2126)から適用。記号0は、コントロール個体群からのパラメーターにおいて、感知できる増加または減少が無いことを意味する;↑は、コントロール個体群からのパラメーターにおいて、上昇を意味する;報告は、医学文献で入手可能な根拠となる証拠があることを意味する。
これらの相同性は、各々これらの疾患の基礎となる従来の病態生理学方法であり得ることを示唆する。
表I.関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化症/不安定狭心症の細胞性および生化学的相同性
注記:パセリ等の文献(参照:Circulation 1999;100:2124-2126)から適用。記号0は、コントロール個体群からのパラメーターにおいて、感知できる増加または減少が無いことを意味する;↑は、コントロール個体群からのパラメーターにおいて、上昇を意味する;報告は、医学文献で入手可能な根拠となる証拠があることを意味する。
これらの相同性は、各々これらの疾患の基礎となる従来の病態生理学方法であり得ることを示唆する。
(2)CTLA4IgおよびL104EA29YIgの作用機構は、心臓血管疾患における介入に関連するように思われる。
T細胞は、初期のアテロームおよび不安定/破裂プラークに存在する。
T細胞の活性化は、アテローム性動脈硬化症から急性プラーク破裂までの心臓血管疾患の範囲に渡って、重要であるという考えを根拠とする一連の証拠である。T細胞は、ヒトアテローム硬化性障害(参照:New Engl J Med 1999; 340:115-126)に存在する最も一般的な細胞にあって、初期障害および不安定または破裂プラークの両方に存在する。不安定または破裂プラークの病理学研究は、T細胞(ほとんどCD4+)が、アテローム硬化性障害の肩領域から組織浸食(参照:Am. J. Cardiol. 1991;68:36B-50B. Circulation 1994;89:36-44)の一番近い部位に存在し局在することを示してきた。
T細胞は、初期のアテロームおよび不安定/破裂プラークに存在する。
T細胞の活性化は、アテローム性動脈硬化症から急性プラーク破裂までの心臓血管疾患の範囲に渡って、重要であるという考えを根拠とする一連の証拠である。T細胞は、ヒトアテローム硬化性障害(参照:New Engl J Med 1999; 340:115-126)に存在する最も一般的な細胞にあって、初期障害および不安定または破裂プラークの両方に存在する。不安定または破裂プラークの病理学研究は、T細胞(ほとんどCD4+)が、アテローム硬化性障害の肩領域から組織浸食(参照:Am. J. Cardiol. 1991;68:36B-50B. Circulation 1994;89:36-44)の一番近い部位に存在し局在することを示してきた。
T細胞によって産生されるサイトカインは、炎症およびプラークの破裂を促進する用意をする。
T細胞は、インターフェロン−γ(IFN−γ);TNFα、およびインターロイキン−2(IL−2)(参照:Atherosclerosis 1986;6:131-138. J Clin Invest 1985;76:125-131)を含む、炎症性サイトカインを分泌することが知られる。アテローム硬化性プラークでのT細胞の作用は、二要素であると考えられる。第一に、T細胞は、次々に消化酵素を放出するように考えられ、被膜基質および平滑筋層を破裂し、プラークの破裂を促進するマクロファージの作用を制御することができる。第二に、T細胞は、血管平滑筋細胞へIFN−γを分泌することによって、アテロームの線維性被膜内でコラーゲン合成の減少を直接産生することができる。まとめると、これらのT細胞の活性化は、アテローム硬化性プラークの不安定性および破裂を促進する、協調過程を示すように考えられる。
T細胞は、インターフェロン−γ(IFN−γ);TNFα、およびインターロイキン−2(IL−2)(参照:Atherosclerosis 1986;6:131-138. J Clin Invest 1985;76:125-131)を含む、炎症性サイトカインを分泌することが知られる。アテローム硬化性プラークでのT細胞の作用は、二要素であると考えられる。第一に、T細胞は、次々に消化酵素を放出するように考えられ、被膜基質および平滑筋層を破裂し、プラークの破裂を促進するマクロファージの作用を制御することができる。第二に、T細胞は、血管平滑筋細胞へIFN−γを分泌することによって、アテロームの線維性被膜内でコラーゲン合成の減少を直接産生することができる。まとめると、これらのT細胞の活性化は、アテローム硬化性プラークの不安定性および破裂を促進する、協調過程を示すように考えられる。
アテロームに関して、T細胞は、重度の臨床的症状と匹敵するように、ある程度は系内で活性化される。
T細胞は、アテローム内に存在するだけでなく、それらが、これらの障害における系内での活性化についての証拠ともなる。ファンデルワールらの冠状動脈アテロームのT細胞活性化の研究において、T細胞が、IL−2レセプター(IL−2r)の発現およびIL−2分泌(参照:Heart 1998;80:14-18)によって証明されるとおり活性化されることをアテローム切除術の実例から示されてきた。本研究において、IL−2rのT細胞発現の上昇は、アテローム切除術を受ける患者の臨床症状の重症度に比例した。図87は、アテローム切除術の実例において、活性化されたT細胞のパーセントを示す。
T細胞は、アテローム内に存在するだけでなく、それらが、これらの障害における系内での活性化についての証拠ともなる。ファンデルワールらの冠状動脈アテロームのT細胞活性化の研究において、T細胞が、IL−2レセプター(IL−2r)の発現およびIL−2分泌(参照:Heart 1998;80:14-18)によって証明されるとおり活性化されることをアテローム切除術の実例から示されてきた。本研究において、IL−2rのT細胞発現の上昇は、アテローム切除術を受ける患者の臨床症状の重症度に比例した。図87は、アテローム切除術の実例において、活性化されたT細胞のパーセントを示す。
HSP60または他の新規抗原は、心臓血管の炎症を直接促進しうる。
研究によって、感染因子および心臓血管疾患の組織との間に可能な関連性があることが示唆されてきた。多くの感染因子は、クラミジア肺炎(Cp)、ヘリコバクターピロリ、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、数種のヘルペスウイルス、および多様な歯周感染が、CHDと関連してきたことを含むことを示唆した。しかし、冠状動脈アテローム性動脈硬化症に関するこれらの因子との因果関係を立証する証拠は、多種多様である。ヒト呼吸器病原菌であるC.肺炎は、CHDとの関連性において、頻繁に見出されてきた。
研究によって、感染因子および心臓血管疾患の組織との間に可能な関連性があることが示唆されてきた。多くの感染因子は、クラミジア肺炎(Cp)、ヘリコバクターピロリ、サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、数種のヘルペスウイルス、および多様な歯周感染が、CHDと関連してきたことを含むことを示唆した。しかし、冠状動脈アテローム性動脈硬化症に関するこれらの因子との因果関係を立証する証拠は、多種多様である。ヒト呼吸器病原菌であるC.肺炎は、CHDとの関連性において、頻繁に見出されてきた。
CRPの持続性の上昇の役割、およびC.肺炎(Cp)に対する抗体またはヒトHSP60(hu−HSP60)に対する抗体の存在は、ヘルシンキ心臓研究(参照:Circulation 2003;107:2566-2570)のコホート内症例対照研究において、研究されてきた。期待される二重盲検プラセボ対照初期予防試験である本研究は、4081人の患者を無作為に選び、241人の観察された冠状動脈の徴候(冠状動脈死または非致命的なMI)を8.5年かけて検証した。後の冠状動脈の徴候における予測のために、持続性の血清反応陽性(冠状動脈の徴候の指標より前の基準および3〜6ヶ月の両方において、CRP、Cpに対する血清抗体またはhu−HSP60に対する血清抗体の上昇によって定義される)の重要性を研究した(表II)。
表II.ヘルシンキ心臓研究において、危険因子の持続性を有する冠状動脈死または非致命的なMIの進行のためのオッズ比(OR)
表II.ヘルシンキ心臓研究において、危険因子の持続性を有する冠状動脈死または非致命的なMIの進行のためのオッズ比(OR)
これらのデータは、冠状動脈の心臓疾患に罹ったことのない中高年の男性の個体群において、血清反応陽性のCRPの上昇があるとき、Cpまたはhu−HSP60における持続的に上昇した後の冠状動脈の徴候(表2)を予測することを示す。注記のうち、持続的にCRP+、Cp+、およびhu−HSP60+である患者は、後の冠状動脈の徴候の進行のために、16.87(2.06〜137.9)の調整されたORを有した。1/138のコントロール患者だけは、すべて3つのマーカーにおいて、持続的な上昇のためのこの基準を満たし、17人が初発症例で同定された。これらの結果は、進行する心臓血管の徴候の危険性において、個々の予測検証のために新規な抗原性の危険因子の存在を示唆する。
最近、別々の研究において、クラジミア熱ショック蛋白質60(Cp−HSP60)は、ACS(参照:Biasucci, et. al.Circulation 2003;107:3015-3017)と強く関連することが報告された。ヘルシンキ心臓研究における症候性の患者と違って、本研究は、CHDスペクトルの対極部分における患者を研究した。本研究において、UA(ブラウンワルド分類IIIb)またはAMIのどちらかがある冠状疾患集中治療室(CCU)に入った219人の患者を、健康な患者または安定狭心症(SA)がある患者と比較した。Cp−HSP60(抗Cp−HSP60)に対する患者の抗体応答の存在は、100人のコントロール患者、SAがある40人の患者、UAがある179人の患者、およびAMI(表III)がある40人の患者を測定した。
表III.ビアスッキ等によって報告された研究個体群の血清学的特徴
注記:本研究において、HSP60血清反応陽性測定に使用される抗体は、Cp−HSP60およびhu−HSP60を識別しない。具体的には、この欠如のため、これらのデータは、直接関連のある抗HSP60応答および感染を支持しない。
表III.ビアスッキ等によって報告された研究個体群の血清学的特徴
注記:本研究において、HSP60血清反応陽性測定に使用される抗体は、Cp−HSP60およびhu−HSP60を識別しない。具体的には、この欠如のため、これらのデータは、直接関連のある抗HSP60応答および感染を支持しない。
上記の結果は、特異的な抗原応答が、UAおよびAMIのある患者に存在するという考えを支持する。これらの二つの研究は、心臓血管疾患の範囲において、両極端な患者分布を示す。ヘルシンキ心臓研究は、心臓冠状動脈(または他の主要な)疾患の病歴のない患者が、CRPの上昇に基づく冠状動脈死または非致命的なMIの増加する危険性およびCpまたはhu−HSP60への持続的な抗体応答を有するとみなすことを示す。しかし、健康的な初期予防の個体群において、これらの危険因子の患者数は低かった。全く対照的に、ビアスッキ等による研究の患者は、HSP60の血清反応陽性が、UAまたはAMIのある患者において、ほとんど普遍的特性であることを示す。さらに、安定狭心症がある患者において、HSP60に対する20%の血清反応陽性であることは、段階的な関係が、HSP−60および心臓血管徴候に対する抗体との間に、存在しうることを示唆する。
HSP60に対する抗原応答は、CD28−B7相互作用によって介在される。
動物モデルにおいて、マクロファージ(ヒトアテロームにおける通常の細胞型)は、マウスまたはhu−HSP60(参照:Int. Immunol. 2002;14:1247-1253)のどちらかの投与におけるT細胞のIFN−γの主な誘導因子として同定されてきた。この過程は、CD28−B7経路を含むT細胞活性化のために、古典的な「二つのシグナル」モデルによって起こるように思われる。このモデルにおいて、マウスまたはhu−HSP60のどちらかによって、T細胞の活性化は、CTLA4Ig(参照:Int. Immunol. 2002;14:1247-1253)の投与によって遮断される。ヒト、マウス、クラジミアおよび細菌性熱ショック蛋白質において、高度な配列相同性を得られるとき、この結果は、種を越えて保存されうる。実際に、分子模倣物を介して、自己免疫を促進する役目を果たす感染因子のHSPおよびhu−HSPとの間には高度な相同性がある。
動物モデルにおいて、マクロファージ(ヒトアテロームにおける通常の細胞型)は、マウスまたはhu−HSP60(参照:Int. Immunol. 2002;14:1247-1253)のどちらかの投与におけるT細胞のIFN−γの主な誘導因子として同定されてきた。この過程は、CD28−B7経路を含むT細胞活性化のために、古典的な「二つのシグナル」モデルによって起こるように思われる。このモデルにおいて、マウスまたはhu−HSP60のどちらかによって、T細胞の活性化は、CTLA4Ig(参照:Int. Immunol. 2002;14:1247-1253)の投与によって遮断される。ヒト、マウス、クラジミアおよび細菌性熱ショック蛋白質において、高度な配列相同性を得られるとき、この結果は、種を越えて保存されうる。実際に、分子模倣物を介して、自己免疫を促進する役目を果たす感染因子のHSPおよびhu−HSPとの間には高度な相同性がある。
CD28−B7を介するHSP60シグナルは、ヒト疾患の介入のための機会を提供しうる。
前臨床モデル周辺のHSP60および上記の臨床試験(ビアスッキ等のヘルシンキ心臓研究)との間に多くの相同性があるように思う。第一に、マウスモデルは、最大の自己免疫応答(すなわち、自己HSP60に対するT細胞増殖および抗体産生)が、マウス(自己)HSP60およびCp−HSP60(参照:Infection and Immunity 1997;65:1669-1674)の両方の併用投与によってのみ達成されることを示してきた。無関係の動物モデルにおいて、この前臨床の結果は、ヘルシンキ心臓研究での最も高い危険性のある群で観察される結果と非常に似ている。注目すべきは、ヒトアテローム硬化性プラークでのCp−HSP60およびhu−HSP60の共局在化が報告された(参照:Circulation 1998;98:300-307. J Infect Dis 1997:176:292-295)。これらのプラークにおいて、HSP60は、その後、TNF−αの制御、マトリックスメタロプロテイナーゼ発現、および内皮および平滑筋細胞(参照:Circulation 2003;107:3015-3017)を活性化しうる。さらに、この動物モデルでのマウスのHSP60およびCp−HSP60の両方の同時投与は、リンパ球のIL−10産生を6倍減少し、IFN−γ/IL−10産生の比を12倍増加する。IL−10レベルでの同時に起こる減少は、低い血清IL−10濃度が、臨床的に重要な観察が、AMI(参照:ヒースチェンの文献:Circulation 2003; 107:2109-2114)後の死の濃度依存的な危険性と関連していたので、臨床的に意味のある観察となりうる。これらの動物研究および臨床試験からのデータとの類似点を考えると、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用を介するCD28−B7のシグナルの阻害は、心臓血管疾患の予防および/または治療ための特異的な機構に関連する介入を示しうる。
前臨床モデル周辺のHSP60および上記の臨床試験(ビアスッキ等のヘルシンキ心臓研究)との間に多くの相同性があるように思う。第一に、マウスモデルは、最大の自己免疫応答(すなわち、自己HSP60に対するT細胞増殖および抗体産生)が、マウス(自己)HSP60およびCp−HSP60(参照:Infection and Immunity 1997;65:1669-1674)の両方の併用投与によってのみ達成されることを示してきた。無関係の動物モデルにおいて、この前臨床の結果は、ヘルシンキ心臓研究での最も高い危険性のある群で観察される結果と非常に似ている。注目すべきは、ヒトアテローム硬化性プラークでのCp−HSP60およびhu−HSP60の共局在化が報告された(参照:Circulation 1998;98:300-307. J Infect Dis 1997:176:292-295)。これらのプラークにおいて、HSP60は、その後、TNF−αの制御、マトリックスメタロプロテイナーゼ発現、および内皮および平滑筋細胞(参照:Circulation 2003;107:3015-3017)を活性化しうる。さらに、この動物モデルでのマウスのHSP60およびCp−HSP60の両方の同時投与は、リンパ球のIL−10産生を6倍減少し、IFN−γ/IL−10産生の比を12倍増加する。IL−10レベルでの同時に起こる減少は、低い血清IL−10濃度が、臨床的に重要な観察が、AMI(参照:ヒースチェンの文献:Circulation 2003; 107:2109-2114)後の死の濃度依存的な危険性と関連していたので、臨床的に意味のある観察となりうる。これらの動物研究および臨床試験からのデータとの類似点を考えると、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用を介するCD28−B7のシグナルの阻害は、心臓血管疾患の予防および/または治療ための特異的な機構に関連する介入を示しうる。
心臓血管疾患の予防および/または治療のためのCTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用は、HSP60に限定されない。
HSP60は、心臓血管疾患の予防および/または治療において、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの機構的な関連性のための仮説モデルとして提供する。しかしながら、HSP60は、CTLA4IgまたはL104EA29YIg治療によって遮断される単独の抗原性刺激を示さない。例えば、女性の健康研究(参照:Circulation 2001;104:2266-2268)からの最近の疫学的証拠およびCAPTURE研究(参照:NEJM 2003;348:1104-1111)から観察されるデータは、血清sCD40Lレベルに基づく心臓血管の危険性(死または非致命的な心筋梗塞)で、段階的および継続的な上昇の存在を独自に示してきた。それ故、CD40−CD40L相互作用は、心臓血管疾患において、重要な炎症メディエーターとして認識されるようになる。不安定狭心症がある患者において、CD28−B7経路およびCD40−CD40L経路との相互作用を示唆するという証拠でもある。具体的には、(CD40L+)T細胞を発現するCD40Lは、アテローム硬化性障害(参照:Proc. Natl. Acad. Sci. 1997;94:1931-1936)に存在することを示してきた。インビトロで、アテローム関連細胞におけるCD40の結紮は、前炎症性サイトカイン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、接着分子、および組織因子(参照:Nature 1998;394:200-203)の産生を増加することを示してきた。他のモデル系において、抗原提示細胞(APC)におけるCD40LとCD40の相互作用は、CD28介在性T細胞活性化(J. Immunol. 2000;165:3506-3518)のためのB7−1(CD80)およびB7−2(CD86)刺激分子の発現を増加する。さらに、CD3およびCD28に対する刺激抗体を用いて、不安定狭心症がある患者からT細胞の生体外の治療は、sCD40L(参照:Circulation 1999;100:614-620)の放出を刺激する。同時にこれらの観察は、CD28−B7およびCD40−CD40Lシグナル経路が、動脈硬化性プラークの発達および破裂を生じやすくする状態を促進するために共同で作用することを示唆しうる。さらに、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用を介して、この過程の妨害は、治療的に有益であり得る。最終的に、他の未だ発見されていないCD28−B7が介在する過程(おそらく新規な虚血関連抗原を経由する、以下参照)は、心臓血管疾患において、重要な役割を有し;これらの過程でのCTLA4IgまたはL104EA29YIgに使用は、臨床的に有用である。
HSP60は、心臓血管疾患の予防および/または治療において、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの機構的な関連性のための仮説モデルとして提供する。しかしながら、HSP60は、CTLA4IgまたはL104EA29YIg治療によって遮断される単独の抗原性刺激を示さない。例えば、女性の健康研究(参照:Circulation 2001;104:2266-2268)からの最近の疫学的証拠およびCAPTURE研究(参照:NEJM 2003;348:1104-1111)から観察されるデータは、血清sCD40Lレベルに基づく心臓血管の危険性(死または非致命的な心筋梗塞)で、段階的および継続的な上昇の存在を独自に示してきた。それ故、CD40−CD40L相互作用は、心臓血管疾患において、重要な炎症メディエーターとして認識されるようになる。不安定狭心症がある患者において、CD28−B7経路およびCD40−CD40L経路との相互作用を示唆するという証拠でもある。具体的には、(CD40L+)T細胞を発現するCD40Lは、アテローム硬化性障害(参照:Proc. Natl. Acad. Sci. 1997;94:1931-1936)に存在することを示してきた。インビトロで、アテローム関連細胞におけるCD40の結紮は、前炎症性サイトカイン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、接着分子、および組織因子(参照:Nature 1998;394:200-203)の産生を増加することを示してきた。他のモデル系において、抗原提示細胞(APC)におけるCD40LとCD40の相互作用は、CD28介在性T細胞活性化(J. Immunol. 2000;165:3506-3518)のためのB7−1(CD80)およびB7−2(CD86)刺激分子の発現を増加する。さらに、CD3およびCD28に対する刺激抗体を用いて、不安定狭心症がある患者からT細胞の生体外の治療は、sCD40L(参照:Circulation 1999;100:614-620)の放出を刺激する。同時にこれらの観察は、CD28−B7およびCD40−CD40Lシグナル経路が、動脈硬化性プラークの発達および破裂を生じやすくする状態を促進するために共同で作用することを示唆しうる。さらに、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用を介して、この過程の妨害は、治療的に有益であり得る。最終的に、他の未だ発見されていないCD28−B7が介在する過程(おそらく新規な虚血関連抗原を経由する、以下参照)は、心臓血管疾患において、重要な役割を有し;これらの過程でのCTLA4IgまたはL104EA29YIgに使用は、臨床的に有用である。
(3)動物モデルおよび臨床研究でのCTLA4Igおよび/またはL104EA29YIgの抗炎症性効果
腎臓虚血動物モデルにおいて、CD28−B7シグナルの阻害は、新規な自己抗原が、虚血に重要であることを示唆する。
虚血/再灌流の損傷の阻害におけるCTLA4Igの効果は、ラットモデル(参照:J Clin Invest 1997;100:1199-1203)で評価されてきた。このモデルにおいて、ラットは、片側の腎摘出を受けて、反対側の腎臓を45分間虚血にさせた。CTLA4Igの共投与は、コントロールの免疫グロブリンだけでなく、CD4+T細胞、マクロファージ、および主要な組織適合性(MHC)II細胞の虚血腎臓への浸潤を大部分遮断した。この結果と一致して、炎症性「Th1」サイトカイン(IL−2、IFN−γ、IL2r)、マクロファージ関連サイトカイン(TNF−α、IL−6、および誘導型一酸化窒素シンセターゼ)および化学誘引物質/成長因子(MCP−1、RANTES、TGFβ)の減少であった。これらの結果に加えて、CTLA4Igは、初期(すなわち、血漿クレアチニンの上昇)または後期(すなわち、尿蛋白測定)の腎機能障害をほとんど完全に抑制する。この観察について、特に特筆すべきことは、同種抗原を欠いているモデルにおいて、この過程を阻害するCTLA4Igの能力である。別に記載するとおり、腎虚血の非移植モデルにおいて、CD28−B7相互作用の阻害は、CTLA4Ig投与によってすることができ、CD28−B7経路を介して作用する新規な自己抗原は、虚血性障害において重要であることを示唆する。この動物モデルにおける有効性は、おそらくいくつか類似の生理機能を有する冠状動脈虚血モデルにおいて、CTLA4Igの使用のための役割を支持する。
腎臓虚血動物モデルにおいて、CD28−B7シグナルの阻害は、新規な自己抗原が、虚血に重要であることを示唆する。
虚血/再灌流の損傷の阻害におけるCTLA4Igの効果は、ラットモデル(参照:J Clin Invest 1997;100:1199-1203)で評価されてきた。このモデルにおいて、ラットは、片側の腎摘出を受けて、反対側の腎臓を45分間虚血にさせた。CTLA4Igの共投与は、コントロールの免疫グロブリンだけでなく、CD4+T細胞、マクロファージ、および主要な組織適合性(MHC)II細胞の虚血腎臓への浸潤を大部分遮断した。この結果と一致して、炎症性「Th1」サイトカイン(IL−2、IFN−γ、IL2r)、マクロファージ関連サイトカイン(TNF−α、IL−6、および誘導型一酸化窒素シンセターゼ)および化学誘引物質/成長因子(MCP−1、RANTES、TGFβ)の減少であった。これらの結果に加えて、CTLA4Igは、初期(すなわち、血漿クレアチニンの上昇)または後期(すなわち、尿蛋白測定)の腎機能障害をほとんど完全に抑制する。この観察について、特に特筆すべきことは、同種抗原を欠いているモデルにおいて、この過程を阻害するCTLA4Igの能力である。別に記載するとおり、腎虚血の非移植モデルにおいて、CD28−B7相互作用の阻害は、CTLA4Ig投与によってすることができ、CD28−B7経路を介して作用する新規な自己抗原は、虚血性障害において重要であることを示唆する。この動物モデルにおける有効性は、おそらくいくつか類似の生理機能を有する冠状動脈虚血モデルにおいて、CTLA4Igの使用のための役割を支持する。
CTLA4IgおよびL104EA29YIgの抗炎症性の態様は、CV疾患の予防および/または治療において、それらの使用と一致する。
RAがある患者において、CTLA4IgおよびL104EA29Igの臨床開発のための本明細書(実施例3〜7)で示されるデータは、炎症マーカーを好ましいように変更することに関して奨励している。RAがある患者およびアテローム性動脈硬化症またはUAがある患者は、多くの生化学的、細胞性、および抗原同一性(上記参照、表1)を有することが顕著である。RAのフェーズII臨床開発プログラムにおいて、UAがある患者に共有されるいくつかの炎症マーカー(CRP、IL−6、TNF−α)を測定した。RA患者において、2mg/kgまたは10mg/kgのどちらかでのCTLA4Igの投与は、プラセボと比較して180日でCRP、IL−6、TNF−αの投与依存性の減少を生じた。図52、55、および56を参照。この効果は、耐久性があるように思われ、CTLA4Igの治療の360日間を通じて、持続することを示した。図85、86A、および86Bを参照する。さらなる研究は、実施例8および9で議論する。
RAがある患者において、CTLA4IgおよびL104EA29Igの臨床開発のための本明細書(実施例3〜7)で示されるデータは、炎症マーカーを好ましいように変更することに関して奨励している。RAがある患者およびアテローム性動脈硬化症またはUAがある患者は、多くの生化学的、細胞性、および抗原同一性(上記参照、表1)を有することが顕著である。RAのフェーズII臨床開発プログラムにおいて、UAがある患者に共有されるいくつかの炎症マーカー(CRP、IL−6、TNF−α)を測定した。RA患者において、2mg/kgまたは10mg/kgのどちらかでのCTLA4Igの投与は、プラセボと比較して180日でCRP、IL−6、TNF−αの投与依存性の減少を生じた。図52、55、および56を参照。この効果は、耐久性があるように思われ、CTLA4Igの治療の360日間を通じて、持続することを示した。図85、86A、および86Bを参照する。さらなる研究は、実施例8および9で議論する。
(4)アテローム性動脈硬化症において、B7−CD28相互作用の重要性について新規に報告された研究成果
この特許出願は、優先権を主張するための特許出願なので、2つの報告が、アテローム硬化性障害の発達、進行、および不安定性において、CD28−B7相互作用の役割を強く支持することを科学文献で明らかにした。第一に、ブオノの文献(Circulation 2004; 109:2009-2015)は、低密度リポ蛋白質レセプター(LDLR)不足(Ldlr-/-)マウスモデルにおいて、アテローム硬化性障害の発達および進行およびプラーク抗原特異性T細胞応答の特性を示した。Ldlr-/-マウスは、コレステロール豊富な食事を与えるとき、アテローム性動脈硬化症を促進させるように発達する。本研究において、Ldlr-/-マウスは、B7−1-/-B7−2-/-マウスを異種交配して、次いで、該子孫は、CD80およびCD86を完全に欠いている突然変異のB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-系統化合物を生成するように交雑受精を行った。この独特のモデルは、アテローム性動脈硬化症を発現する傾向がある動物モデルにおいて、B7−CD28相互作用の役割の研究を可能にした。期待したとおり、これらの動物が、コレステロール豊富な食事を与えられるとき、Ldlr-/-およびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスの両方は、コントロールの食事を与えたLdlr-/-マウスと比較すると、コレステロールが大きく上昇した。しかしながら、重要なことに、コレステロール豊富な食事を与えたB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスとコレステロール豊富な食事を与えたLdlr-/-マウスとの比較において、コレステロールレベル間で観察される違いはなかった。これらのマウスのアテローム硬化性障害を3つの群の各々からコンピューター画像解析を用いて、大動脈弓および下行大動脈から決定した。8週間において、コントロールの食事を取ったLdlr-/-マウスの中で、最小のアテローム性動脈硬化症であった。しかしながら、コレステロール豊富な食事を取ったLdlr-/-マウスは、大動脈弓および下行大動脈の両方において、アテローム硬化性障害が著しく増加した。対照的に、コレステロール豊富な食事を取ったB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスは、コレステロール豊富な食事を取ったLdlr-/-マウスと比較するとアテローム硬化性障害を著しく減少させた。20週間後、すべて3つの治療群において、アテローム性動脈硬化症の進行があり、該Ldlr-/-マウスおよびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスとの間で観察された大きな違いが幾分弱まった。それにもかかわらず、大動脈弓でのLdlr-/-マウスおよびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスとのアテローム性動脈硬化症において、統計的に充分な減少が20週まで持続した。
この特許出願は、優先権を主張するための特許出願なので、2つの報告が、アテローム硬化性障害の発達、進行、および不安定性において、CD28−B7相互作用の役割を強く支持することを科学文献で明らかにした。第一に、ブオノの文献(Circulation 2004; 109:2009-2015)は、低密度リポ蛋白質レセプター(LDLR)不足(Ldlr-/-)マウスモデルにおいて、アテローム硬化性障害の発達および進行およびプラーク抗原特異性T細胞応答の特性を示した。Ldlr-/-マウスは、コレステロール豊富な食事を与えるとき、アテローム性動脈硬化症を促進させるように発達する。本研究において、Ldlr-/-マウスは、B7−1-/-B7−2-/-マウスを異種交配して、次いで、該子孫は、CD80およびCD86を完全に欠いている突然変異のB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-系統化合物を生成するように交雑受精を行った。この独特のモデルは、アテローム性動脈硬化症を発現する傾向がある動物モデルにおいて、B7−CD28相互作用の役割の研究を可能にした。期待したとおり、これらの動物が、コレステロール豊富な食事を与えられるとき、Ldlr-/-およびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスの両方は、コントロールの食事を与えたLdlr-/-マウスと比較すると、コレステロールが大きく上昇した。しかしながら、重要なことに、コレステロール豊富な食事を与えたB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスとコレステロール豊富な食事を与えたLdlr-/-マウスとの比較において、コレステロールレベル間で観察される違いはなかった。これらのマウスのアテローム硬化性障害を3つの群の各々からコンピューター画像解析を用いて、大動脈弓および下行大動脈から決定した。8週間において、コントロールの食事を取ったLdlr-/-マウスの中で、最小のアテローム性動脈硬化症であった。しかしながら、コレステロール豊富な食事を取ったLdlr-/-マウスは、大動脈弓および下行大動脈の両方において、アテローム硬化性障害が著しく増加した。対照的に、コレステロール豊富な食事を取ったB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスは、コレステロール豊富な食事を取ったLdlr-/-マウスと比較するとアテローム硬化性障害を著しく減少させた。20週間後、すべて3つの治療群において、アテローム性動脈硬化症の進行があり、該Ldlr-/-マウスおよびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスとの間で観察された大きな違いが幾分弱まった。それにもかかわらず、大動脈弓でのLdlr-/-マウスおよびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスとのアテローム性動脈硬化症において、統計的に充分な減少が20週まで持続した。
これらの形態学的な観察に加えて、Ldlr-/-マウスおよびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスからのT細胞との機能的な違いもあるように思われる。具体的には、Ldlr-/-マウスおよびB7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスからのCD4+T細胞の生体外アッセイは、mHSP60で刺激されるとき、コレステロール豊富な食事を与えたLdlr-/-マウスのみ、実質的に(〜5倍高い)IFN−γの量を産生することを説明する。この結果は、高コレステロール血症およびアテローム性動脈硬化症の条件下、Ldlr-/-マウスからのT細胞は、自己HSP60に対する応答を刺激したことを示唆する。
第二の刊行物において、アフェクの文献(Experimental and Molecular Pathology 2004; 76:219-223)は、アポリポ蛋白Eノックアウト(ApoE-/-)マウスのアテローム内のCD80およびCD86の発現を特徴づけるために免疫組織化学的方法を利用する。ApoE-/-マウスは、それらの成熟年齢によって、アテローム性動脈硬化症を発現する。これらの研究者は、成熟の種々の段階で、アテローム硬化性障害内のCD80およびCD86の存在を評価した。このモデルにおいて、CD80およびCD86陽性の免疫染色は、初期およびより進行したアテローム硬化性障害の両方に存在した。さらに、CD80およびCD86染色は、酸化LDL−T細胞活性化のための推定上の自己抗原で共局在化されることを見出した。
まとめると、これらの二つの文献の報告は、特許出願の優先事項において、すでに存在する材料を支持し拡張する。第一に、T細胞が、アテローム内に存在し、系内で活性化されるという考えは、初期および進行したアテロームの両方にCD80およびCD86の共局在化という結果によって強調される。第二に、該B7−1-/-B7−2-/- Ldlr-/-マウスから得られたデータは、B7−CD28シグナルの妨害が、アテローム性動脈硬化症の充分認められたモデルにおいて、アテローム硬化性疾患の発展および進行に影響することをはっきりと的確に説明する。最終的に、mHSP60からのCD4+T細胞の生体外刺激によって、実質的なIFN−γ産生を生じるという観察結果は、HSP60が、B7−CD28依存過程を介して、心臓血管炎症およびプラークの不安定性(すなわち、マトリックスメタロプロテイナーゼおよびコラーゲン合成において、IFN−γの影響によって)を促進するために新規な抗原としての働きをする、以前の仮説を支持する。
組成物
本発明は、例えば、B7と可溶性CTLA4分子のようなCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子を含む、心臓血管疾患を治療するための組成物を提供する。可溶性CTLA4の具体例は、CTLA4Ig(図24)およびL104EA29YIg(図19)のような可溶性CTLA4の突然変異分子、L104EA29LIg(図20)、L104EA29Tig(図21)、およびL104EA29WIg(図22)を含む。
本発明は、例えば、B7と可溶性CTLA4分子のようなCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子を含む、心臓血管疾患を治療するための組成物を提供する。可溶性CTLA4の具体例は、CTLA4Ig(図24)およびL104EA29YIg(図19)のような可溶性CTLA4の突然変異分子、L104EA29LIg(図20)、L104EA29Tig(図21)、およびL104EA29WIg(図22)を含む。
突然変異または野生型の配列を持つCTLA4分子は、CTLA4膜貫通セグメント(オークスの文献:2000 Cellular Immunology 201:144-153)を除去することによって、可溶化され得る。
別法として、突然変異または野生型配列を持つ可溶性CTLA4分子は、CTLA4分子が、該CTLA4分子を可溶化する免疫グロブリン(Ig)分子のような非CTLA4部分と融合される融合蛋白質であり得る。例えば、CTLA4融合蛋白質は、CTLA4Ig分子(図24)(リンスリーの文献:1994 Immunity 1:793-80)に生じる免疫グロブリンの定常領域と融合されるCTLA4の細胞外ドメインを含みうる。CTLA4と融合されうる免疫グロブリンドメインの具体例は、これらに限らないが、IgCγ1(IgCガンマ1)、IgCγ2(IgCガンマ2)、IgCγ3(IgCガンマ3)、IgCγ4(IgCガンマ4)、IgCμ(IgCミュー)、IgCα1(IgCアルファ1)、IgCα2(IgCアルファ2)、IgCδ(IgCデルタ)またはIgCε(IgCイプシロン)を含む。
臨床プロトコルにおいて、免疫グロブリン部分は、患者の有害な免疫応答を発現させないのが好ましい。好ましい部分は、ヒトまたはサルの免疫グロブリン定常領域を含む、該免疫グロブリン定常領域である。適当な免疫グロブリン領域のある具体例は、補体依存性細胞毒性(CDC)を介在するFcレセプターへの結合のようなエフェクター機能を介在するか、または抗体依存性細胞毒性(ADCC)を介在することができるヒンジ、CH2およびCH3領域を含む、ヒトCγ1である。該免疫グロブリン部分は、突然変異がFcレセプターへの免疫グロブリンの結合能力を増加または減少することによって、そのリガンドへの免疫グロブリンの結合能力を調節する、1またはそれ以上の突然変異(例えば、CDCまたはADCCのようなエフェクター機能を減少するための該CH2ドメインにおいて)を有しうる。例えば、該免疫グロブリン部分での突然変異は、例えば、+130、+136、および+139位のシステインは、セリンで置換されるようなヒンジ領域のありとあらゆるそのシステイン残基の変化を含みうる(図24)。該免疫グロブリン部分は、図24で示すとおり、セリンで置換された+148位のプロリンも含みうる。さらに、該免疫グロブリン部分での突然変異は、フェニルアラニンで置換された+144位のロイシン、グルタミン酸で置換された+145位のロイシン、またはアラニンで置換された+147位のグリシンを有することを含みうる。
可溶性CTLA4分子または可溶性CTLA4の突然変異分子において、使用するための追加の非CTLA4部分は、これに限らないが、p97分子、エンベロープgp120分子、E7分子、およびova分子(ダッシュの文献:1994 J. Gen. Virol. 75 (Pt 6):1389-97; イケダの文献:1994 Gene 138(1-2):193-6; フォークの文献:1993 Cell. Immunol. 150(2):447-52; フジサカの文献:1994 Virology 204(2):789-93)を含む。他の分子も、(ジェラードの文献:1994 Neuroscience 62(3):721; バイルンの文献:1989 63(10):4370; スミスの文献:1987 Science 238:1704; ラスキーの文献:1996 Science 233:209)可能である。
本発明の可溶性CTLA4分子は、該分子のCTLA4部分の細胞外ドメインのN末端と結合するシグナルペプチド配列を含む。該シグナルペプチドは、オンコスタチンM(マリックの文献:(1989) Molec. Cell. Biol. 9: 2847-2853)からのシグナルペプチド、またはCD5(ジョーンズの文献:(1986) Nature 323:346-349)、または細胞外蛋白質のいずれかからのシグナルペプチドを含む、分子の分泌を許容する配列のいずれかである。本発明の可溶性CTLA4分子は、CTLA4の細胞外ドメインのN末端で結合するオンコスタチンMシグナルペプチド、およびCTLA4の細胞外ドメイン(野生型または突然変異)のC末端に結合するヒト免疫グロブリン分子(例えば、ヒンジ、CH2およびCH3)を含む。本分子は、+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸までを有するアミノ酸配列、結合アミノ酸残基の+125位のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでを有するアミノ酸配列を含む、該免疫グロブリン部分を含む、−26位のメチオニンから−1位のアラニンまでを有するアミノ酸配列、CTLA4部分を含む、オンコスタチンMシグナルペプチドを含む。
具体的には、下記の突然変異したCTLA4配列を含む、本発明の可溶性CTLA4の突然変異分子は、ヒトIg、例えば、突然変異したCTLA4フラグメントと融合したIgC(ガンマ)1(すなわち、IgCγ1)部分を含む、融合分子であり得る。
一態様として、可溶性CTLA4の突然変異分子は、細胞外ドメインでの単一部位の突然変異からなるCTLA4の細胞外ドメインと融合されるIgCγ1(IgCガンマ1)を含む。CTLA4の細胞外ドメインは、+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸まで(例えば、図23)を含む。該CTLA4の細胞外ドメインは、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸まで(例えば、図23)を含みうる。単一部位の突然変異の具体例は、+104位のロイシンを他のいずれかのアミノ酸に変化させる下記を含む:
さらに、本発明は、IgCγ1(IgCガンマ1)部分と融合する、二つの突然変異を持つCTLA4の細胞外ドメインを有する突然変異分子を提供する。具体例は、+104位のロイシンを別のアミノ酸(例えば、グルタミン酸)および+105位のグリシン、+25位のセリン、+30位のスレオニンに変化させるか、または+29位のアラニンを他のいずれかのアミノ酸に変化させる下記を含む:
さらにまた、本発明は、IgCγ1(IgCガンマ1)部分と融合する3つの突然変異からなるCTLA4の細胞外ドメインを有する突然変異分子を提供する。具体例は、+104位のロイシンを別のアミノ酸(例えば、グルタミン酸)に変化させ、+29位のアラニンを別のアミノ酸(例えば、チロシン)に変化させて、+25位のセリンを別のアミノ酸に変化させる下記を含む:
可溶性CTLA4の突然変異分子は、該CTLA4部分および該分子のIg部分との間に局在化される結合アミノ酸残基を有しうる。該結合アミノ酸は、グルタミンを含むアミノ酸のいずれかである。該結合アミノ酸は、当該技術分野で公知の分子または化学合成方法によって導入されうる。
本発明の可溶性CTLA4の蛋白質、およびそのフラグメントは、化学合成方法によって生成されうる。ポリペプチドの固相化学合成の原理は、当該技術分野において周知であって、この領域(デュガスおよびペニーの書籍:1981 Bioorganic Chemistry, pp 54-92, Springer-Verlag, New York)に関連する一般的なテキストで見出されうる。該可溶性CTLA4蛋白質は、アプライドバイオシステムズの430Aペプチド合成機(アプライドバイオシステムズ社、フォスター市、カリフォルニア)およびアプライドバイオシステムズ社で供給される合成サイクルを用いる固相方法によって合成されうる。t−ブトキシカルボニル保護したアミノ酸のような保護アミノ酸および他の試薬は、多くの化学卸売商から市販品として入手可能である。
本発明は、該突然変異分子のCTLA4部分の細胞外ドメインのN末端と結合するシグナルペプチド配列を含む、CTLA4の突然変異分子を提供する。該シグナルペプチドは、オンコスタチンM(マリックの文献:1989 Molec. Cell. Biol. 9: 2847-2853)からのシグナルペプチド、またはCD5(ジョーンズの文献:1986 Nature 323:346-349)、もしくは細胞外蛋白質のいずれかからのシグナルペプチドを含む、該突然変異分子の分泌を許容するいずれかの配列であり得る。
本発明は、+104位のロイシンが、それぞれグルタミン酸またはセリンで置換されるように、L104EIgおよびL104SIgが、それらのCTLA4配列において、突然変異される場合、例えば、L104EIg(図18で含まれる)またはL104SIgのようなCTLA4の細胞外ドメイン内に単一部位の突然変異を含む、可溶性CTLA4の突然変異分子を提供する。該単一部位の突然変異分子は、さらに+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分、+125位の結合アミノ酸残基のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでを含む免疫グロブリン部分を含む。該突然変異分子の免疫グロブリン部分はまた、+130、+136、および+139位のシステインが、セリンで置換され、+148位のプロリンがセリンで置換されるように突然変異されてもよい。また、該単一部位の可溶性CTLA4の突然変異分子は、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分を有しうる。
本発明は、+104位のロイシンが、グルタミン酸で置換され、+29位のアラニンをそれぞれチロシン、ロイシン、スレオニンおよびトリプトファンに変化させる場合、L104EA29YIg、L104EA29LIg、L104EA29TIgまたはL104EA29WIgのようなCTLA4の細胞外ドメイン内に二重部位の突然変異を含む、可溶性CTLA4の突然変異分子を提供する。+1位のメチオニンで始まり、+357位のリジンで終わるL104EA29YIg、L104EA29LIg、L104EA29TIgおよびL104EA29WIgの配列に加えて、シグナル(リーダー)ペプチド配列をそれぞれ図19〜22で示す。該二重部位の突然変異分子は、さらに、+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分、結合アミノ酸残基の+125位のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでを含む免疫グロブリン部分を含む。該突然変異分子の免疫グロブリン部分も、+130、+136、および+139位のシステインが、セリンで置換され、+148位のプロリンがセリンで置換されるように突然変異される。また、これらの突然変異分子は、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸までを含む、CTLA4部分を有することができる。
本発明は、+104位のロイシンが、グルタミン酸で置換され、+105位のグリシンが、フェニルアラニン、トリプトファンおよびロイシンで、それぞれ置換されるL104EG105FIg、L104EG105WIgおよびL104EG105LIgのようなCTLA4の細胞外ドメイン内に二重部位の突然変異を含む、可溶性CTLA4の突然変異分子を提供する。該二重部位の突然変異分子は、さらに+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分、結合アミノ酸残基の+125位のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでの部分を含む免疫グロブリン部分を含む。該突然変異分子の免疫グロブリン部分は、+130、+136、および+139位のシステインが、セリンで置換され、+148位のプロリンが、セリンで置換されるように突然変異され得る。また、これらの突然変異分子は、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸までを含む、CTLA4部分を有することができる。
本発明は、+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸を含むCTLA4部分、結合アミノ酸残基である+125位のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでを含む免疫グロブリンからなる二重部位の突然変異分子である、L104ES25RIgを提供する。CTLA4の細胞外ドメインを有する部分は、+25位のセリンが、アルギニンで置換され、+104位のロイシンが、グルタミン酸で置換されるように突然変異される。また、L104ES25RIgは、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸までを含む、CTLA4部分を有することができる。
本発明は、+104位のロイシンが、グルタミン酸で置換され、+30位のスレオニンは、それぞれグリシンおよびアスパラギンで置換される場合、L104ET30GIgおよびL104ET30NIgのようなCTLA4の細胞外ドメイン内に二重部位の突然変異を含む、可溶性CTLA4の突然変異分子を提供する。該二重部位の突然変異分子は、さらに+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分、結合アミノ酸残基である+125位のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでを含む免疫グロブリン部分を含む。該突然変異分子の免疫グロブリン部分は、+130、+136、および+139位のシステインが、セリンで置換され、+148位のプロリンが、セリンで置換されるように突然変異されてもよい。また、これらの突然変異分子は、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分を有することができる。
本発明は、+104位のロイシンが、グルタミン酸で置換され、+29位のアラニンが、チロシンで置換され、+25位のセリンが、リジン、アスパラギンおよびアルギニンでそれぞれ置換されるL104EA29YS25KIg、L104EA29YS25NIg、L104EA29YS25RIgのようなCTLA4の細胞外ドメイン内に三重部位の突然変異を含む、可溶性CTLA4の突然変異分子を提供する。該三重部位の突然変異分子は、さらに+1位のメチオニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分、結合アミノ酸残基である+125位のグルタミン、および+126位のグルタミン酸から+357位のリジンまでを含む免疫グロブリン部分を含む。該突然変異分子の免疫グロブリン部分は、+130、+136、および+139位のシステインが、セリンで置換され、+148位のプロリンが、セリンで置換されるように突然変異され得る。また、これらの突然変異分子は、−1位のアラニンから+124位のアスパラギン酸までを含むCTLA4部分を有することができる。
可溶性CTLA4の突然変異分子のさらなる態様として、B7(ピーチの文献:1994 J Exp Med 180:2049-2058)と結合するキメラCTLA4/CD28相同物の突然変異分子を含む。これらのキメラCTLA4/CD28の突然変異分子の具体例は、HS1、HS2、HS3、HS4、HS5、HS6、HS4A、HS4B、HS7、HS8、HS9、HS10、HS11、HS12、HS13およびHS14(米国特許第5773253号)を含む。
本発明の好ましい態様は、CTLA4Ig(+1位のメチオニンで始まり、+357位のリジンで終わる図24で示される)および可溶性CTLA4の突然変異L104EA29YIg(+1位のメチオニンから始まり、+357位のリジンで終わる、図19で示される)のような可溶性CTLA4分子である。
本発明は、さらに本発明の可溶性CTLA4分子に対応するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子を提供する。一態様として、該核酸分子は、DNA(例えば、cDNA)またはその雑種である。例えば、CTLA4Ig分子は、図24で示される+49〜+51位のヌクレオチド部分で、アラニンをコードするGCTまたはGCCコドンを含むことができる。別の実施例において、CTLA4Ig分子は、図24で示される、+436〜+438位のヌクレオチドで、グリシンをコードするGGTまたはGGGコドンを含むことができる。さらに別の態様として、CTLA4Ig分子は、図24で示される+631〜+633位のヌクレオチドで、アルギニンをコードするCGGまたはCGTコドンを含むことができる。CTLA4IgをコードするDNA(図24)は、1991年5月31日、10801 Blvd.大学、ヴァージニア州、マナッサス、20110−2209の米国微生物系統保存機関(ATCC)に寄託され、ATCCの受入番号ATCC68629が付与された。L104EA29YIg(図19に含まれる配列)をコードするDNAは、2000年6月19日、ATCCに寄託され、ATCC受入番号PTA−2104を付与された。また、該核酸分子は、RNAまたはその雑種である。
本発明の核酸分子は、DNAまたはRNA分子、およびアンチセンス分子と異なる核酸分子の誘導体も含む。誘導体分子は、塩基対依存性様式(ザメクニックの文献:1978 Proc. Natl. Acad. Sci. 75:280284;グッドチャイルドの文献:1986 Proc. Natl. Acad. Sci. 83:4143-4146)において、一本鎖DNAまたはRNAと結合する、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、およびメチルホスホネート分子を含む、ペプチド核酸(PNA)および非核酸分子を含む。ペプチド核酸分子は、リジンのようなアミノ酸残基およびアミノ基が加えられる核酸オリゴマーを含む。これらの小分子は、核酸(ニールセンの文献:1993 Anticancer Drug Des 8:53-63)のそれらの相補(鋳型)鎖に結合することによって、転写伸長を停止する抗遺伝子剤も指定される。DNA、RNA、およびそれらのアナログ合成のための方法の総説は、エックステインの書籍:Oligonucleotide and Analogues, 1991, IRL Press, New York; Oligonucleotide Synthesis, ゲイトの書籍:1984, IRL Press, Oxford, England 中に見出されうる。さらに、アンチセンスRNA技術法は、米国特許第5194428号および第5110802号に記載される。当業者は、すぐに本明細書に記載された可溶性CTLA4のポリヌクレオチド配列を用いて、核酸分子のこれらの分類を獲得することができ、例えば、エグホルムの書籍:Innovative and Perspectives in Solid Phase Synthesis(1992), pp325-328. または米国特許第5539082号を参照する。
また、本発明は、本発明の該ヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。用語「ベクター」は、これに限らないが、プラスミド、コスミド、およびファージミドを含む。一態様として、該ベクターは、適当な宿主細胞内で、rDNAの複製を命令するレプリコンを含むベクターを自己複製することができる。また、該ベクターは、組み換えベクターを宿主細胞への組み込みを命令することができる。種々のウイルスベクターは、例えば、多くの周知レトロウイルスおよびアデノウイルスベクター(バークナーの文献:1988 Biotechniques 6:616-629)のようなものも使用され得る。
ベクターは、原核生物または真核生物の宿主細胞中で、可溶性CTLA4転写またはポリペプチド配列の発現を許容することができる。ベクターは、挿入された可溶性CTLA4の核酸配列を転写することができ、適当な宿主細胞内で、実施可能な関連可溶性CTLA4の配列の発現(例えば、転写および/または翻訳)を制御するために使用され得るプロモーターの配列のような発現制御要素からなる発現ベクターを含む。発現制御要素は、当該技術分野で公知であって、これに限らないが、誘導プロモーター、構成的プロモーター、分泌シグナル、エンハンサー、転写停止剤、および他の転写制御要素を含む。翻訳中に含まれる他の発現制御要素は、当該技術分野で公知であって、シャイン−ダルガノ配列(例えば、原核生物の宿主細胞)、および開始および停止コドンを含む。
具体的な開始シグナルは、可溶性CTLA4配列の有効な翻訳に必要であり得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。該可溶性CTLA4開始コドンおよび上流配列が、適当な発現ベクターに挿入される場合、追加の翻訳制御シグナルは、必要とはされない。しかしながら、コード化する配列のみ、またはその部分が挿入される場合、該ATG開始コドンを含む外因性転写制御シグナルは、提供され得る。さらに、開始コドンは、全体の挿入部分の翻訳を確実にするために正確な読み枠内であるべきである。外因性転写要素および開始コドンは、天然および合成共に様々な基源であり得る。発現の有効性は、シャーフの文献:1994 Results Probl. Cell. Differ. 20:125-62;ビットナーの文献:1987 Methods in Enzymol. 153:516-544 の使用において、細胞系に適合するエンハンサーの包含によって強められ得る。
真核生物の宿主細胞において、該可溶性CTLA4配列の発現のための好ましいベクターは、昆虫細胞中の発現のためのバクロウイルスポリヘドリンプロモーターのような発現制御要素を含む。他の発現制御要素は、植物細胞(例えば、熱ショック、RUBISCO、保存蛋白質遺伝子)のゲノムに由来するプロモーターまたはエンハンサー、ウイルスプロモーターまたはリーダー配列または植物ウイルス由来、および哺乳類遺伝子由来または哺乳類ウイルス由来のプロモーターまたはエンハンサーを含む。
好ましいベクターは、アンピシリンまたはテトラサイクリンに耐性するような薬剤耐性ができる遺伝子産物をコードする少なくとも一つの選択可能なマーカー遺伝子を含む。該ベクターは、外因性DNA配列の好都合な挿入ができる多発性エンドヌクレアーゼ制御サイトも含む。本発明の可溶性CTLA4蛋白質をコード化する組み換え発現ベクターを生成する方法は、当該技術分野で周知であって、サムブルックの書籍(Molecular Cloning; A Laboratory Manual, 2nd edition, Sambrook, Fritch, and Maniatis 1989, Cold Spring Harbor Press)およびアウスベルの書籍(1989 Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York N.Y.)で見出すことができる。
可溶性CTLA4転写および/またはコードされた可溶性CTLA4ポリペプチドを生成するための好ましい発現ベクターは、原核宿主細胞と適合する発現ベクターである。原核細胞発現ベクターは、当該技術分野で周知であって、いくつかの商業的供給源で入手可能である。例えば、pETベクター(例えば、pET−21、ノヴァルゲン社)、BLUESCRIPTファージミド(ストラタジーン社、ラホーヤ、カリフォルニア州)、pSPORT(ギブコBRL社、ロックビル、メリーランド州)、またはptrp−lac雑種は、細菌性の宿主細胞内で、可溶性CTLA4ポリペプチドを発現するために使用され得る。
別法として、可溶性CTLA4転写および/またはコード化された可溶性CTLA4ポリペプチドを生成するための好ましい発現ベクターは、真核宿主細胞と適合する発現ベクターである。より好ましいベクターは、脊椎動物細胞と適合するものである。真核細胞発現ベクターは、当該技術分野で周知であって、いくつかの商業的供給源から入手可能である。具体的には、該ベクターは、所望のDNA部分の挿入のために好都合な制限サイトを含むことを提供する。該ベクターの具体例は、PSVLおよびpKSV−10(ファルマシア社)、pBPV−1/pML2d(インターナショナルバイオテクノロジース社)、pTDT1(ATCC、#31255)、および類似の真核生物の発現ベクターである。
発現ベクターの具体例は、これに限らないが、哺乳類の宿主細胞(例えば、BPV−1、pHyg、pRSV、pSV2、pTK2(マニアチス社);pIRES(クローンテック社);pRc/CMV2、pRc/RSV、pSFV1(ライフテクノロジーズ社);pVPakcベクター、pCMVベクター、pSG5ベクター(ストラタジーン社))、レトロウイルスベクター(例えば、pFBベクター(ストラタジーン社))、pCDNA−3(インビトロジェン社)またはその改良型、アデノウイルスベクター;アデノ関連ウイルスベクター、バクロウイルスベクター、酵母ベクター(例えば、pESCベクター(ストラタジーン社))を含む。
宿主ベクター系も提供される。該宿主ベクター系は、適当な宿主細胞中の本発明のベクターを含む。適当な宿主細胞の具体例は、これに限らないが、原核および真核細胞を含む。本発明の実施に従い、真核細胞は、適当な宿主細胞でもある。真核細胞の具体例は、原発性または不死化されたいずれかの動物細胞、酵母(例えば、サッカロマイセス・セレヴィシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、およびピキア・パストリス)、および植物細胞を含む。具体的な動物細胞は、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネズミ、ウマ、サル(monkey)およびサル(ape)由来の細胞を含む。骨髄腫、COSおよびCHO細胞は、宿主として使用され得る動物細胞の具体例である。特に、CHO細胞は、これに限らないが、DG44(チャシンの文献:1986 Som. Cell. Molec. Genet. 12:555-556;コルケカーの文献:1997 Biochemistry 36:10901-10909)、CHO−K1(ATCC No.CCL−61)、CHO−K1 Tet−On細胞株(クローンテック社)、ECACC85050302を指定したCHO(CAMR社、ソールベリー、ウィルトシャー州、英国)、CHOクローン13(GEIMG社、ジェノバ、イタリア)、CHOクローンB(GEIMG社、ジェノバ、イタリア)、ECACC93061607を指定したCHO−K1/SF(CAMR社、ソールベリー、ウィルトシャー州、英国)、およびECACC92052129を指定したRR−CHOK1(CAMR社、ソールベリー、ウィルトシャー州、英国)を含む。具体的な植物細胞は、植物全体、細胞培養液、またはカルス、タバコ由来、とうもろこし、大豆、およびイネ細胞を含む。とうもろこし、大豆、およびイネ種子も許容される。
本発明のCTLA4の突然変異分子は、自然発生のポリペプチド、または天然、合成、半合成または組み換えのいずれかの原料由来として単離されうる。従って、該CTLA4突然変異ポリペプチド分子は、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ、および好ましくはヒトを含む、いずれかの種、特に、哺乳類由来の自然発生の蛋白質として単離され得る。また、該CTLA4突然変異ポリペプチド分子は、原核生物または真核生物の宿主細胞で発現される組み換えポリペプチドとして単離されるか、または化学合成されたポリペプチドとして単離され得る。
当業者は、すぐに単離されたCTLA4突然変異分子を得るための標準的な単離方法を用いることが可能である。単離の性質および程度は、原料および単離された分子の対象とされた使用に依存する。
CTLA4突然変異分子およびフラグメントまたはその誘導体は、組み換え方法によって生成されうる。従って、野生型のCTLA4分子をコードする単離されたヌクレオチド配列は、該CTLA4突然変異のポリペプチド分子をコードするヌクレオチド配列を生じる突然変異を導入するために処置されうる。例えば、CTLA4突然変異分子をコードするヌクレオチド配列は、プライマーおよびPCR増幅を用いる部位特異的な突然変異誘発方法によって生じさせてもよい。該プライマーは、所望の突然変異を誘導するために設計された特異的な配列を含むことができる。別法として、該プライマーは、ランダム突然変異を誘導するためにランダム化または半ランダム化された配列を含むことを設計することができる。標準的な組み換え方法(分子クローニング;実験マニュアル、第2版、サムブルック、フリッチ、およびマニアチス著1989年、コールドスプリングハーバープレス)およびPCR技術(米国特許第4603102号)は、CTLA4突然変異ポリペプチドをコード化するCTLA4突然変異ポリヌクレオチドを生成し単離するために使用され得る。
本発明は、B7と可溶性CTLA4分子、CD28分子、B7(B7−1またはB7−2)分子、抗CTLA4モノクローナル抗体、抗CD28モノクローナル抗体または抗B7(B7−1またはB7−2)モノクローナル抗体のようなCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の医薬的に有効な量を含む、医薬組成物を含む。本発明の医薬組成物は、心臓血管疾患の治療に有用である。ある態様として、心臓血管疾患は、CD28/CTLA4/B7相互作用によって介在される。該可溶性CTLA4分子は、好ましくは、CTLA4の細胞外ドメインで1またはそれ以上の突然変異を有する野生型の配列および/または可溶性CTLA4分子を持つ可溶性CTLA4分子が良い。該医薬組成物は、分子をコード化する可溶性CTLA4蛋白質分子および/または核酸分子、および/またはベクターを含むことができる。好ましい態様として、可溶性CTLA4分子は、図24または19(それぞれ、CTLA4IgまたはL104EA29Y)で示されるCTLA4の細胞外ドメインのアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、可溶性CTLA4の突然変異分子は、本明細書で開示されたL104EA29YIgである。
本発明の組成物は、さらに1またはそれ以上の追加の、他の、または二番目の治療剤を含みうる。「組み合わせて投与される」または「併用療法」とは、本発明の化合物および1またはそれ以上の追加の治療剤が、治療される哺乳類に両方とも投与することを意味する。併用で投与されるとき、各成分は、同時または異なった時点で任意の順序にて連続的に投与され得る。従って、各成分は、分けて投与されるが、所望の治療効果を提供するために、充分近接した時間内で投与され得る。
本発明の分子と組み合わせて用いるとき、追加の治療剤は、例えば、医師用処方薬参考書(Physicians' Desk Reference)(PDR)で示されるか、または別の方法で当業者によって決定される量で使用され得る。
追加の、他の、または二番目の治療剤は、抗凝血性または凝固阻害剤、抗血小板または血小板阻害剤、血栓阻害剤、ビタミンKアンタゴニスト、糖タンパク質IIb/IIIaレセプターアンタゴニスト、血栓溶解または線維素溶解剤、抗不整脈剤、抗高血圧剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE−I)、アンジオテンシンレセプター遮断薬(ARB)、β遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬(L−タイプおよびT−タイプ)、強心配糖体、利尿薬、鉱質コルチコイドレセプターアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、コレステロール/脂質低下剤および脂質プロフィール治療、抗糖尿病剤、抗抑制剤、抗炎症剤(ステロイド性および非ステロイド性)、抗骨粗鬆症剤、ホルモン補充療法、経口避妊薬、抗肥満剤、抗不安薬、抗増殖剤、抗癌剤、抗潰瘍および逆流性食道炎薬、成長ホルモンおよび/または成長ホルモン分泌促進剤、甲状腺模倣薬(甲状腺レセプターアンタゴニストを含む)、抗感染剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、および抗真菌剤を含む。
本発明の組成物と組み合わせて使用する抗凝血性剤(または凝固阻害剤)は、ワーファリンおよびヘパリン(非分画ヘパリンまたは市販品として入手可能な低分子量ヘパリンのいずれか)、合成五糖類、ヒルジンおよびアルガトロバンならびにXa因子阻害剤を含む直接作用する血栓阻害剤を含む。
本明細書において、用語「抗血小板剤(または血小板阻害剤)」とは、例えば、凝集、接着または血小板の顆粒分泌を阻害することによって、血小板機能を阻害する薬剤を意味する。薬剤は、これに限らないが、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、スリンダック、インドメタシン、メフェナム酸、ドロキシカム、ジクロフェナク、スルフィンピラゾン、ピロキシカムのような種々の公知の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、およびその医薬的に許容される塩またはプロドラッグを含む。NSAIDのうち、アスピリン(アセチルサリチル酸またはASA)およびピロキシカムが好ましい。他の適当な血小板阻害剤は、IIb/IIIaアンタゴニスト(例えば、チロフィバン、エプチフィバチド、およびアブシキシマブ)、トロンボキサンA2レセプターアンタゴニスト(例えば、イフェトロバン)、トロンボキサンA2シンセターゼ阻害剤、PDE−III阻害剤(例えば、ジピリダモール)、およびその医薬的に許容される塩またはプロドラッグを含む。
本明細書において、用語「抗血小板剤(または血小板阻害剤)」とは、ADP(アデノシン二リン酸)レセプターアンタゴニストを含むことも意味し、好ましくは、プリン作動性レセプターP2Y1およびP2Y12のアンタゴニスト、さらにより好ましくは、P2Y12と一緒に用いるのがよい。好ましいP2Y12レセプターアンタゴニストは、その医薬的に許容される塩またはプロドラッグを含む、チクロピジンおよびクロピドグレルを含む。クロピドグレルは、さらにより好ましい薬剤である。それらは使用中、消化管が穏やかであることが公知であるので、チクロピジンおよびクロピドグレルも好ましい化合物である。
本明細書において、用語「トロンビン阻害剤(または抗トロンビン剤)」とは、セリンプロテアーゼトロンビン阻害剤を意味する。トロンビンを阻害することによって、トロンビン介在性血小板活性化(すなわち、例えば、血小板凝集および/またはプラスミノーゲン活性化阻害剤1の該顆粒分泌および/またはセロトニン)および/またはフィブリン形成のような種々のトロンビン介在過程は、妨害される。多くのトロンビン阻害剤は、当業者によって公知であって、これらの阻害剤は、本化合物と組み合わせて使用することを意図する。該阻害剤は、これに限らないが、その医薬的に許容される塩およびプロドラッグを含む、ボロアルギニン誘導体、ボロペプチド、ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、およびメラガトランを含む。ボロアルギニン誘導体およびボロペプチドは、リジン、オルニチン、アルギニン、ホモアルギニンおよび対応するそのイソチオウロミウムアナログのα−アミノボロン酸誘導体のC末端のようなボロン酸のN−アセチルおよびペプチド誘導体を含む。本明細書において、用語「ヒルジン」とは、ヒルジンの適当な誘導体またはアナログ、ジスルファトヒルジンのようなヒルログとしての意味を持つ。本明細書において、用語「血栓溶解または線維素溶解剤(または血栓溶解または線維素溶解)」とは、血餅(血栓)を溶解する薬剤を意味する。該薬剤は、その医薬的に許容される塩またはプロドラッグを含む、組織プラスミノーゲン活性剤(天然または組み換え)およびその修飾型、アニストレプラーゼ、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ(TNK)、ラノテプラーゼ(nPA)、VIIa因子阻害剤、PAI−1阻害剤(すなわち、組織プラスミノーゲン活性化阻害剤の不活性化剤)、α2−抗プラスミン阻害剤、およびアニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化剤複合体を含む。本明細書において、用語「アニストレプラーゼ」とは、例えば、本明細書によって、引用して開示されるEP028489に記載されるアニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化剤複合体を意味する。本明細書において、用語「ウロキナーゼ」とは、二本および一本鎖ウロキナーゼの両方を意味し、後者は、プロウロキナーゼとしても意味する。
本化合物と組み合わせて使用するための適当な抗不整脈剤の具体例は、クラスI薬(例えば、プロパフェノン);クラスII薬(例えば、カルバジオールおよびプロプラノロール);クラスIII薬(例えば、ソタロール、ドフェチリド、アミオダロン、アジミリドおよびイブチリド);クラスIV薬(例えば、ジルチアゼムおよびベラパミル);IAch阻害剤およびIKur阻害剤(例えば、WO01/40231で公開されたような化合物)のようなK+チャネル開口薬を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗高血圧剤の具体例は、αアドレナリン遮断薬;βアドレナリン遮断薬;カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよび ミベフラジル);利尿薬(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸トリクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン、ブメタニド、トリアムトレネン、アミロリド、スピロノラクトン);レニン阻害剤;ACE阻害剤(例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、フォシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル);AT−1レセプターアンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン);ETレセプターアンタゴニスト(例えば、シタクスセンタン、アトルセンタンおよび米国特許番号第5612359号および第6043265号で公開された化合物);デュアルET/AIIアンタゴニスト(例えば、WO00/01389で公開された化合物);天然エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;バソペプシダーゼ阻害剤(デュアルNEP−ACE阻害剤)(例えば、オマパトリラート、ゲモパトリラートおよびニトレート)を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当なカルシウムチャネル遮断薬(L−タイプまたはT−タイプ)の具体例は、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびミベフラジルを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な強心配糖体の具体例は、ジギタリスおよびウアバインを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な利尿薬の具体例は、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸トリクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン、ブメタニド、トリアムトレネン、アミロリド、およびスピロノラクトンを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な鉱質コルチコイドレセプターアンタゴニストの具体例は、スピロノラクトンおよびエプレレノンを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当なホスホジエステラーゼ阻害剤の具体例は、PDEIII阻害剤(例えば、シロスタゾール);およびPDEV阻害剤(例えば、シルデナフィル)を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当なコレステロール/脂質低下剤および脂質プロフィール治療の具体例は、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例えば、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、NK−104(別名、イタバスタチン、またはニスバスタチン(nisvastatin)またはニスバスタチン(nisbastatin))およびZD−4522(別名、ロスバスタチン、またはアタバスタチンまたはビサスタチン));スクアレン合成酵素阻害剤;フィブラート;胆汁酸抑制薬(例えば、クエストラン);ACAT阻害剤;MTP阻害剤;リポキシゲナーゼ阻害剤;コレステロール吸収阻害剤;およびコレステロールエステル輸送蛋白質阻害剤(例えば、CP−529414)を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗糖尿病薬の具体例は、ビグアニド(例えば、メトホルミン);グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース);インスリン(インスリン分泌促進薬またはインスリン増感剤を含む);メグリチニド(例えば、レパグリニド);スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリドおよびグリピジド);ビグアニド/グリブリド併用(例えば、グルコバンス)、チオゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPAR−αアゴニスト、PPAR−γアゴニスト、PPARα/γデュアルアゴニスト、SGLT2阻害剤、例えば、WO00/59506で公開された脂肪酸結合蛋白質(aP2)阻害剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、およびジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)阻害剤を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗抑制薬の具体例は、ネファゾドンおよびセルトラリンを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗炎症剤の具体例は、プレドニゾンおよびデキサメタゾンを含むコルチコステロイドおよびグルココルチコイドのようなステロイド化合物;エタネルセプト(エンブレル(登録商標));インフリキシマブ(レミケード(登録商標));蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)阻害剤;シクロオキシゲナーゼ阻害剤(NSAID、およびCOX−1および/またはCOX−2阻害剤を含む);アスピリン;インドメタシン;イブプロフェン;プリオキシカム;ナプロキセン;セレコキシブ;および/またはロフェコキシブを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗骨粗鬆症剤の具体例は、アレンドロネートおよびラロキシフェンを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当なホルモン補充療法の具体例は、エストロゲン(例えば、共役エストロゲン)およびエストラジオールを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗凝血薬の具体例は、ヘパリン(例えば、エノキサパリンおよびダルテパリンのような非分画および低分子量ヘパリン)を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗肥満薬の具体例は、オルリスタットおよびaP2阻害剤(例えば、WO00/59506で公開されたもの)を含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗不安薬の具体例は、ジアゼパム、ロラゼパム、ブスピロン、およびパモ酸ヒドロキシジンを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗増殖剤の具体例は、シクロスポリンA、パクリタキセル、アドリアマイシン;エポチロン、シスプラチン、およびカルボプラチンを含む。
本発明化合物と組み合わせて使用するための適当な抗潰瘍および逆流性食道炎薬の具体例は、ファモチジン、ラニチジン、およびオメプラゾールを含む。
追加の治療剤は、コラーゲン、dnaJ、TNF機能(例えば、ペグスネルセプト)を遮断する分子、サイトカイン機能(例えば、AMG719)を遮断する分子、LFA−1機能(例えば、エファリズマブ)を遮断する分子および幹細胞移植も含む。これらの他の治療は、関節リウマチに対する有効性を決定するために、臨床試験(www.clinicaltrials.gov)を現在実施している。
例えば、ウシIIコラーゲンの形態において、コラーゲンは、1またはそれ以上の心臓血管疾患の症状を軽減するために、心臓血管疾患を患う患者に経口投与されうる。
dnaJは、心臓血管疾患がある多くの患者において、遺伝子内に含まれる蛋白質を模倣する小ペプチドである。該ペプチドは、大腸菌バクテリア熱ショック蛋白質由来である。dnaJは、1またはそれ以上の心臓血管疾患の症状を軽減するために、心臓血管疾患を患う患者に経口投与されうる。
TNFは、関節リウマチおよびおそらく心臓血管疾患がある患者の炎症応答が含まれる分子である。あるいは、例えば、TNFレセプター(TNFR)と結合するTNFを遮断することによって、TNF機能を遮断するいずれかの分子は、心臓血管疾患の進行を緩和する助けをし、その症状を幾分軽減する。インフリキシマブおよびエタネルセプトのようないくつかのTNF遮断薬は、心臓血管疾患を治療するのに有効であることを示してきた。ペグスネルセプトのような他のTNF遮断薬が開発されて、心臓血管疾患の治療において、それらの有効性を試験している(フェーズII臨床試験)。
例えば、インターロイキン−1(IL−1)のようなサイトカインは、免疫応答の介在において、含まれる細胞分泌型分子である。あるいは、例えば、そのレセプターとIL−1の相互作用を遮断することによって、サイトカイン機能を遮断するいずれかの分子は、心臓血管疾患の進行を緩和する助けをし、1またはそれ以上のその症状を軽減する。IL−1とそのレセプター(IL−1R)の相互作用を遮断する組み換え蛋白質である、アナキンラは、心臓血管性関節炎の治療において、有効であることが示されてきた。IL−1阻害剤であるAMG719が開発され、関節リウマチの治療において、その有効性を試験している(フェーズII臨床試験)。
リンパ球機能関連分子1(LFA−1)は、内皮のような種々の細胞型にリンパ球の接着を介在することによって機能するCD11aおよびCD18の二つのサブユニットからなる分子である。あるいは、LFA−1機能妨害は、心臓血管疾患の進行を緩和する助けをし、1またはそれ以上のその症状を軽減する。抗LFA−1抗体であるエファリズマブが開発され、関節リウマチの治療において、その有効性を試験している(フェーズII臨床試験)。
おそらく治療分子によって、それらのリガンドに対するTNF、サイトカインまたはLFA−1の相互作用の遮断は、当業者に公知のいくつものアッセイによって決定されうる。例えば、競合アッセイは、分子がTNFRに結合するTNFと競合するために、TNF/TNFR結合対に曝されうる所望の分子によって遮断を試験するために使用されうる。別法として、機能的アッセイは、例えば、分子が炎症カスケード、またはサイトカインによって引き起こされた腫れ、発赤または痛みのような炎症反応のいずれかの部分を阻害するための能力を試すような遮断を試験するために実施されうる。
追加の治療剤は、p38MAPキナーゼ阻害剤、可溶性gp39(CD40リガンド(CD40L)、CD154、T−BAM、TRAPとしても公知である)、可溶性CD29、可溶性CD40、可溶性CD80(例えば、ATCC68627)、可溶性CD86、可溶性CD28(例えば、ATCC受入番号68628)、可溶性CD56、可溶性Thy−1、可溶性CD3、可溶性TCR、可溶性VLA−4、可溶性VCAM−1、可溶性LECAM−1、可溶性ELAM−1、可溶性CD44、gp39と反応する抗体(例えば、ATCC HB−10916、ATCC HB−12055およびATCC HB−12056)、CD40と反応する抗体(例えば、ATCC HB−9110)、B7と反応する抗体(例えば、ATCC HB−253、ATCC CRL−2223、ATCC CRL−2226、ATCC HB−301、ATCC HB−11341等)、CD28と反応する抗体(例えば、ATCC HB−11944またはマーチンの文献:(J. Clin. Immun. 4(1):18-22, 1980)に記載されるmAb9.3、LFA−1と反応する抗体(例えば、ATCC HB−9579およびATCC TIB−213)、LFA−2と反応する抗体、IL−2と反応する抗体、IL−12と反応する抗体、IFN−γと反応する抗体、CD2と反応する抗体、CD48と反応する抗体、いずれかのICAMと反応する抗体(例えば、ICAM−1(ATCC CRL−2252)、ICAM−2およびICAM−3)、CTLA4と反応する抗体(例えば、ATCC HB−304)、Thy−1と反応する抗体、CD56と反応する抗体、CD3と反応する抗体、CD29と反応する抗体、TCRと反応する抗体、VLA−4と反応する抗体、VCAM−1と反応する抗体、LECAM−1と反応する抗体、ELAM−1と反応する抗体、CD44と反応する抗体も含む。ある態様として、モノクローナル抗体が好ましい。他の態様として、抗体フラグメントが好ましい。当業者はすぐに理解するように、組合せは、本発明の可溶性CTLA4分子および他の薬剤;可溶性CTLA4分子と他の二つの薬剤;可溶性CTLA4分子と他の3つの薬剤などを含むことができる。最適の組合せおよび投与量の決定は、当該技術分野で周知の方法を用いて決定され、最適化される。
共投与のための具体的な組合せは、以下の:CTLA4IgまたはL104EA29YIgおよびCD80モノクローナル抗体(mAbs);CTLA4IgまたはL104EA29YIgおよびCD86mAbs;CTLA4IgまたはL104EA29YIg、CD80mAbs、およびCD86mAbs;CTLA4IgまたはL104EA29YIgおよびgp39mAbs;CTLA4IgまたはL104EA29YIgおよびCD40mAbs;CTLA4IgまたはL104EA29YIgおよびCD28mAbs;CTLA4IgまたはL104EA29YIg、CD80およびCD86mAbs、およびgp39mAbs;CTLA4IgまたはL104EA29YIg、CD80およびCD86mAbsおよびCD40mAbs;およびCTLA4IgまたはL104EA29YIg、抗LFA1mAb、および抗gp39mAbを含む。gp39mAbの具体例は、MR1である。他の組合せは、当業者によって、すぐに評価され理解される。
追加の治療剤は、例えば、シクロスポリンAまたはFK506のようなカルシニューリン阻害剤;例えば、ラパマイシンまたはその誘導体(例えば、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン)のような免疫抑制マクロライド;例えば、FTY720またはそのアナログのようなリンパ球ホーミング剤;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;メトトレキサートのようなジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤;レフルノミドまたはそのアナログ;ミゾリビン;ミコフェノール酸;ミコフェノレート モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはそのアナログ;例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD11a/CD18、CD7、CD25、CD27、B7、CD40、CD45、CD58、CD137、ICOS、CD150(SLAM)、OX40、4−1BBまたはそれらのリガンド等の白血球レセプターに対するモノクローナル抗体のような免疫抑制モノクローナル抗体;または例えば、CTLA4/CD28−Igのような他の免疫調節化合物、または例えば、mAbsまたはLFA−1アンタゴニスト、セレクチンアンタゴニストおよびVLA−4アンタゴニストを含む低分子量の阻害剤のような他の接着分子阻害剤も含む。該化合物は、とりわけ、例えば、CD40に対する抗体およびCD40−Lに対する抗体のようなCD40およびそのリガンドを妨害する化合物との組み合わせに有用である。
少なくとも一つの追加の治療剤(すなわち、二番目の治療剤)と組み合わせる本発明化合物(すなわち、最初の治療剤)の投与は、好ましくは該化合物および薬剤のみよりも有利な有効性を与え、好ましくは、それぞれ(すなわち、相乗的な組合せ)より低用量の使用を許容にしながらが良い。低用量は、副作用の可能性を最小限にし、それ故、安全域を増加させる。少なくとも一つの治療剤が、副治療の投与量で投与されることが好ましい。該治療剤のすべてが、副治療の投与量で投与されることが、さらにより好ましい。副治療とは、それ自体では、治療される状態または疾患のために所望の治療効果を与えない治療剤の量を意味する。相乗的な組合せは、併用で観察される効果が、単独で投与される個別の薬剤の量よりも多くなることを意味する。
可溶性CTLA4を含む医薬組成物は、B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断するため、または心臓血管疾患を治療するための方法に使用される。該医薬組成物中の可溶性CTLA4の有効量は、約0.1〜100mg/kg(患者の体重)の範囲である。別の態様として、該有効量が、約0.5〜100mg/kg(患者の体重)、0.5〜5mg/kg(患者の体重)、約5〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜15mg/kg(患者の体重)、約15〜20mg/kg(患者の体重)、約20〜25mg/kg(患者の体重)、約25〜30mg/kg(患者の体重)、約30〜35mg/kg(患者の体重)、約35〜40mg/kg(患者の体重)、約40〜45mg/kg(患者の体重)、約45〜50mg/kg(患者の体重)、約50〜55mg/kg(患者の体重)、約55〜60mg/kg(患者の体重)、約60〜65mg/kg(患者の体重)、約65〜70mg/kg(患者の体重)、約70〜75mg/kg(患者の体重)、約75〜80mg/kg(患者の体重)、約80〜85mg/kg(患者の体重)、約85〜90mg/kg(患者の体重)、約90〜95mg/kg(患者の体重)、または約95〜100mg/kg(患者の体重)の量である。
ある態様において、可溶性CTLA4の有効量は、約2mg/kg〜約10mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜4mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜0.5mg/kg(患者の体重)、約0.5〜1.0mg/kg(患者の体重)、約1.0〜1.5mg/kg(患者の体重)、約1.5〜2.0mg/kg(患者の体重)、約2.0〜2.5mg/kg(患者の体重)、約2.5〜3.0mg/kg(患者の体重)、約3.0〜3.5mg/kg(患者の体重)または約3.5〜4.0mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜20mg/kg(患者の体重)の量である。別の態様として、該有効量は、約0.1〜2mg/kg(患者の体重)、約2〜4mg/kg(患者の体重)、約4〜6mg/kg(患者の体重)、約6〜8mg/kg(患者の体重)、約8〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜12mg/kg(患者の体重)、約12〜14mg/kg(患者の体重)、約14〜16mg/kg(患者の体重)、約16〜18mg/kg(患者の体重)または約18〜20mg/kg(患者の体重)の量である。ある態様として、該有効量が、2mg/kg(患者の体重)である。別の態様として、該有効量が、約10mg/kg(患者の体重)である。
具体的な態様として、可溶性CTLA4の有効量は、60kg以下の重量である患者に対して500mg、60〜100kgの重量である患者に対して750mgおよび100kg以上の重量である患者に対して1000mgである。
本発明は、例えば、CTLA4Igおよび許容される担体または当該技術分野で公知の補助剤のような本発明分子を含む医薬組成物も提供する。該医薬組成物は、好ましくは、本発明分子(例えば、CTLA4IgまたはL104EA29Yのような可溶性CTLA4分子)と組み合わせるとき、分子の活性を維持し、患者の免疫系に反応しないいずれかの原料を含む、適当な担体および補助剤を含む。これらの担体および補助剤は、これに限らないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清蛋白質、ホスフェートのような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、乳液(例えば、油/水乳液)、硫酸プロタミンのような塩または電解質、硫酸水素ジナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダル・シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースにした物質およびポリエチレングリコールを含む。他の担体は、滅菌溶液;コーティングされた錠剤およびカプセルを含む錠剤も含みうる。具体的には、該担体は、デンプンのような賦形剤、ミルク、砂糖(例えば、スクロース、グルコース、マルトース)、あるタイプの粘土、ゼラチン、ステアリン酸またはその塩、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム、タルク、植物性脂肪または油、ゴム、グリコール、または他の公知の賦形剤を含む。該担体は、香料および着色添加剤または他の成分も含みうる。該担体を含む組成物は、周知の従来法によって製剤化される。該組成物は、例えば、ポリマー微小球のようなリポソームならびに種々のポリマー組成物のような種々の脂質組成物でも製剤化されうる。
本発明のさらなる態様として、本発明は、B7とそのリガンドの相互作用を遮断および/または心臓血管疾患を治療するために有用である本発明分子を含む、キット(すなわち、説明書と併せて、試薬の組合せをパッケージした)を提供する。
該キットは、1またはそれ以上の薬剤、例えば、可溶性CTLA4分子単独、または二つ目の薬剤と一緒、および許容される担体または補助剤、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液のような医薬的に許容される緩衝剤を含む医薬組成物を含むことができる。他の緩衝剤、希釈剤、濾過器、注射針、シリンジ、および使用のための説明書と共にパッケージ挿入物を含む、市販品および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含みうる。該薬剤は、溶解することによって賦形剤が、適当な濃度を有する試薬溶液を提供することを含む、通常凍結乾燥される乾燥粉末として提供されうる。
二番目の薬剤は、抗凝血性または凝固阻害剤、抗血小板または血小板阻害剤、トロンビン阻害剤、血栓溶解または線維素溶解剤、抗不整脈剤、抗高血圧剤、カルシウムチャネル遮断薬(L−タイプおよびT−タイプ)、強心配糖体、利尿薬、鉱質コルチコイドレセプターアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、コレステロール/脂質低下剤および脂質プロフィール療法、抗糖尿病薬、抗抑制剤、抗炎症剤(ステロイド性および非ステロイド)、抗骨粗鬆症剤、ホルモン補充療法、経口避妊薬、抗肥満薬、抗不安薬、抗増殖剤、抗腫瘍剤、抗潰瘍および逆流性食道炎薬、成長ホルモンおよび/または成長ホルモン分泌促進薬、甲状腺模倣物(甲状腺レセプターアンタゴニストを含む)、抗感染剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、および抗真菌剤のような追加の薬剤として上記のものを含む。
該キットは、ラベルおよび/または説明書と共に容器を含む。適当な容器は、例えば、ビン、バイアル、および試験管を含む。容器は、ガラスまたはプラスチックのような多様な原料から作られうる。容器は、滅菌点検口(例えば、該容器は、貫通可能な皮下注射針のような針によって、ストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルである)を有することができる。容器は、B7とそのリガンドの相互作用を遮断および/または心臓血管疾患を治療するために有効である薬剤を有する医薬組成物のような医薬組成物に保つことができる。
該キットは、本明細書に記載された1またはそれ以上の二番目の薬剤および/またはリン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液およびおよびデキストロース溶液のような医薬的に許容される緩衝液を含む、二番目の容器も含むことができる。さらに、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、注射針、注射器、および使用のための説明書と一緒にパッケージ挿入物を含む、商業および使用者の観点から好ましい他の原料も含みうる。
該キットは、ラベルおよび/または容器の説明書または関連するものを適当に含みうる。該ラベルは、例えば、乾燥粉末を溶解するような薬剤の調製を実行するため、および/または具体的な心臓血管疾患のための治療のための指示を提供する。該ラベルおよび/または説明書は、本発明組成物および二番目の薬剤の投与が同時に投与されるか、または異なった時点で、連続的に任意の順序で投与され得ることを示す。
ラベルおよび/または説明書は、医薬組成物をインビボまたはインビトロのどちらかで使用するための指示を示すことができる。該ラベルおよび/または説明書は、該医薬組成物が、単独または二番目の薬剤と組み合わせて使用されることを示すことができる。
該ラベルは、本発明分子について、適当な投与量を示す。例えば、該ラベルは、B7とそのリガンドの相互作用を遮断および/または心臓血管疾患を治療するのに有効である分子の投与量が、約0.1〜100mg/kg(患者の体重)、約0.5〜100mg/kg(患者の体重)、0.5〜5mg/kg(患者の体重)、約5〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜15mg/kg(患者の体重)、約15〜20mg/kg(患者の体重)、約20〜25mg/kg(患者の体重)、約25〜30mg/kg(患者の体重)、約30〜35mg/kg(患者の体重)、約35〜40mg/kg(患者の体重)、約40〜45mg/kg(患者の体重)、約45〜50mg/kg(患者の体重)、約50〜55mg/kg(患者の体重)、約55〜60mg/kg(患者の体重)、約60〜65mg/kg(患者の体重)、約65〜70mg/kg(患者の体重)、約70〜75mg/kg(患者の体重)、約75〜80mg/kg(患者の体重)、約80〜85mg/kg(患者の体重)、約85〜90mg/kg(患者の体重)、約90〜95mg/kg(患者の体重)、約95〜100mg/kg(患者の体重)、約2〜10mg/kg(患者の体重)、約0.1〜4mg/kg(患者の体重)、約0.1〜0.5mg/kg(患者の体重)、約0.5〜1.0mg/kg(患者の体重)、約1.0〜1.5mg/kg(患者の体重)、約1.5〜2.0mg/kg(患者の体重)、約2.0〜2.5mg/kg(患者の体重)、約2.5〜3.0mg/kg(患者の体重)、約3.0〜3.5mg/kg(患者の体重)、約3.5〜4.0mg/kg(患者の体重)、約4.0〜4.5mg/kg(患者の体重)、約4.5〜5.0mg/kg(患者の体重)、約5.0〜5.5mg/kg(患者の体重)、約5.5〜6.0mg/kg(患者の体重)、約6.0〜6.5mg/kg(患者の体重)、約6.5〜7.0mg/kg(患者の体重)、約7.0〜7.5mg/kg(患者の体重)、約7.5〜8.0mg/kg(患者の体重)、約8.0〜8.5mg/kg(患者の体重)、約8.5〜9.0mg/kg(患者の体重)、約9.0〜9.5mg/kg(患者の体重)、約9.5〜10.0mg/kg(患者の体重)、約0.1〜2mg/kg(患者の体重)、約2〜4mg/kg(患者の体重)、約4〜6mg/kg(患者の体重)、約6〜8mg/kg(患者の体重)、約8〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜12mg/kg(患者の体重)、約12〜14mg/kg(患者の体重)、約14〜16 mg/kg(患者の体重)、約16〜18mg/kg(患者の体重)、約18〜20mg/kg(患者の体重)、約0.5mg/kg該(患者の体重)、2mg/kg(患者の体重)、10mg/kg(患者の体重)、約0.5〜100mg/kg(患者の体重)、約0.5〜10mg/kg(患者の体重)、約0.1〜20mg/kg(患者の体重)、60kg以下の患者の体重には約500mg、60〜100kgの間の重量の患者には750mgまたは100kg以上の重量の患者には1000mgであることを示すことができる。
該ラベルおよび/または説明書は、医薬組成物が選択された状態、例えば、心臓血管疾患を治療するために、単独または二番目の薬剤と組み合わせて、同時または異なった時点で、連続的に任意の順序で使用され得ることを示すことができる。
本発明の具体的な態様として、該キットは、最初の薬剤がB7と可溶性CTLA4分子、CD28分子、B7(B7−1またはB7−2)分子、抗CTLA4モノクローナル抗体、抗CD28モノクローナル抗体または抗B7(B7−1またはB7−2)モノクローナル抗体のようなCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子である場合、医薬的に許容される担体および最初の薬剤の有効量を含む、医薬組成物を含む。好ましい態様として、可溶性CTLA4分子は、図24または19(それぞれ、CTLA4IgまたはL104EA29Y)のどちらかで示されるCTLA4の細胞外ドメインのアミノ酸配列を有する。
方法
本発明は、機能的なCTLA4およびCD28陽性細胞とB7陽性細胞の相互作用を制御するための方法を提供する。該方法は、例えば、内因性のCTLA4および/またはCD28分子とB7分子の反応を用いて妨害することによって、機能的なCTLA4およびCD28陽性細胞とB7陽性細胞の相互作用を制御するために、B7陽性細胞と本発明の可溶性CTLA4分子が接触することを含む。本発明の方法で使用するための可溶性CTLA4の適当な量は、上に記載される。
本発明は、機能的なCTLA4およびCD28陽性細胞とB7陽性細胞の相互作用を制御するための方法を提供する。該方法は、例えば、内因性のCTLA4および/またはCD28分子とB7分子の反応を用いて妨害することによって、機能的なCTLA4およびCD28陽性細胞とB7陽性細胞の相互作用を制御するために、B7陽性細胞と本発明の可溶性CTLA4分子が接触することを含む。本発明の方法で使用するための可溶性CTLA4の適当な量は、上に記載される。
本発明は、さらに心臓血管疾患を治療するための方法を提供する。該方法は、例えば、本発明の可溶性CTLA4分子のような本発明の治療組成物を、患者に心臓血管疾患に関連する少なくとも一つの症状を軽減するための有効な量で投与することを含む。可溶性CTLA4の具体例は、例えば、L104EA29YIgのようなCTLA4Igおよび可溶性CTLA4突然変異分子を含む。心臓血管疾患の症状は、これに限らないが、律動異常;虚血;狭心症;運動負荷の減少;疲労;労作性呼吸困難;および一過性脳虚血発作を含む。さらに、本発明は、T細胞/B7陽性細胞の相互作用を遮断することによって、心臓血管疾患のための長期間治療を提供し、それによりCD28に結合するB7のような共刺激性のシグナルによるT細胞活性化/刺激を遮断し、T細胞アネルギーまたは耐性の誘導を導くことを提供しうる。
心臓血管疾患は、これに限らないが、以下の疾患または症状:動脈心臓血管血栓塞栓性障害、静脈心臓血管血栓塞栓性障害、および心室内での血栓塞栓性障害を含む血栓塞栓性障害;アテローム性動脈硬化;再狭窄;末梢動脈疾患;冠状動脈バイパス手術;頸動脈疾患;動脈炎;心筋炎;心臓血管炎症;血管炎症;冠状動脈心臓疾患(CHD);不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);初期または再発性心筋梗塞;急性心筋梗塞(AMI);心筋梗塞;非Q波心筋梗塞;非STE心筋梗塞;冠状動脈疾患;心虚血;虚血;虚血性突然死;一過性脳虚血発作;発作;アテローム性動脈硬化症;末梢閉塞性動脈疾患;静脈血栓症;深部静脈血栓症;静脈血栓症;動脈塞栓症;冠状動脈血栓症;脳動脈血栓症;脳塞栓症;腎臓塞栓症;肺塞栓症;(a)人工弁または他の移植片、(b)留置カテーテル、(c)ステント、(d)心肺バイパス、(e)血液透析、または(f)血液が、血栓症を促進する人工物表面に曝される他の方法から生じる血栓症;アテローム性動脈硬化症、手術または手術の合併症、長期の固定化、動脈細動、先天性血栓形成傾向、癌、糖尿病、薬品またはホルモンの影響、および妊娠合併症から生じる血栓症;上室性不整脈、心房性不整脈、心房粗動、心房細動を含む心不整脈;心臓疾患に挙げられる他の疾患:A Textbook of Cardiovascular Medicine, 2 Volume Set, 6th Edition, 2001, Eugene Braunwald, Douglas P. Zipes, Peter Libby, Douglas D. Zipes を含む。
好ましい心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症;冠状動脈心臓疾患(CHD);再狭窄;末梢動脈疾患;冠状動脈バイパス手術;頸動脈疾患;動脈炎;心筋炎;心臓血管炎症;血管炎症;不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);心筋梗塞;初期または再発性心筋梗塞、非Q波心筋梗塞、非ST上昇心筋梗塞およびST上昇心筋梗塞を含む急性心筋梗塞(AMI)である。
より好ましい心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症;冠状動脈心臓疾患(CHD);不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);心筋梗塞;初期または再発性心筋梗塞、非Q波心筋梗塞、非ST上昇心筋梗塞およびST上昇心筋梗塞を含む急性心筋梗塞(AMI)である。
好ましい心臓血管疾患は、T細胞とB7陽性細胞の相互作用によって介在される心臓血管疾患である。
さらに好ましくは、少なくとも一つの炎症マーカーと関連する心臓血管疾患である。炎症マーカーと関連することによって、マーカー(存在、非存在または特有の濃度)が、疾患の今後の進展のリスク、または疾患再発のリスク、もしくは疾患の活動性の現在のレベルで統計的に相関があることを意味する。炎症マーカーは、これに限らないが、CRP、hsCRP、IL−10、CD40L、sCD40L、IL−6、sICAM−1、TNF−α、白血球数、フィブリノーゲン、および血清アミロイドAを含む。好ましい炎症マーカーは、CRP、hsCRP、IL−6、およびTNF−αであり;最も好ましくは、hsCRPである。高CRP、高hsCRP、低IL−10、高sCD40L、高IL−6、高sICAM−1、高TNF−α、高白血球数、高フィブリノーゲン、および高血清アミロイドAは、炎症の指示薬として公知である。
本発明の可溶性CTLA4分子は、生体内で阻害剤としての性質を示す。例えば、T細胞/B細胞相互作用のようなT細胞/B7陽性細胞の相互作用がT細胞およびB7陽性細胞との接触の結果として起こる条件下で、例えば、B細胞のようなB7陽性細胞と反応するために導入されたCTLA4分子の結合は、免疫応答の制御を生じるT細胞/B7陽性細胞の相互作用を妨害、すなわち、阻害しうる。
本発明の好ましい態様として、機能的なCTLA4およびCD28陽性細胞とB7陽性細胞の相互作用を制御、再発性の心臓血管の徴候(例えば、心筋梗塞)を含む心臓血管疾患を治療または予防、および/または免疫応答を下方制御するためにCTLA4Igまたは可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgの使用を含む。本発明のL104EA29YIgは、少なくとも二つのアミノ酸の変化、+104位のロイシン(L)をグルタミン酸(E)に、+29位のアラニン(A)をチロシン(Y)に変化すること(図19)を含む可溶性CTLA4の突然変異分子である。L104EA29YIg分子は、本明細書にさらに二つ以上の突然変異を含みうる。
B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断するために使用される分子の適量は、上で記載される。B7/CTLA4相互作用を遮断するために使用される分子は、CTLA4Ig、CTLA4Ig/CD28IgまたはL104EA29YIgのような可溶性CTLA4、CD28Igのような可溶性CD28、B7Igのような可溶性B7(B7−1またはB7−2)、抗CTLA4モノクローナル抗体、抗CD28モノクローナル抗体または抗B7モノクローナル抗体であり得る。
本発明によって提供される症状緩和の量は、病態において、症状緩和を測定および記録するために確立されたいずれかの一般に認められた基準を用いて測定されうる。症状緩和を測定するための一般に認められた基準は、狭心症;再発性狭心症;不安定狭心症;虚血時間;心臓血管が原因のための入院;急性心筋梗塞;再発性の心筋梗塞;緊急の血管再生の必要性;経皮冠状動脈処置の必要性;すべての死亡原因;心臓血管死亡率;一過性脳虚血発作;および発作を含みうる。
本発明によって治療される患者は、ヒト、サル(monkey)、サル(ape)、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、ウサギ、ネズミおよびラットを含む、哺乳類の患者を含む。
本発明は、可溶性CTLA4分子単独または追加の治療剤との組み合わせのような本発明の治療組成物を局所または全身に投与するための種々の方法を提供する。該方法は、静脈内、筋肉内、腹腔内、経口、吸入および皮下の方法、ならびに移植可能なポンプ、継続的注入、ボーラス注入、遺伝子治療、リポソーム、坐薬、局所接触、ベシクル、カプセル、生体分解性ポリマー、薬剤溶出ステント、ヒドロゲル、放出制御パッチおよび注射の方法を含む。担体と調合される治療剤は、保存のために通常、凍結乾燥され、投与前に水または中性のpH(約pH7〜8、例えば、pH7.5)の緩衝溶液で再調製される。
可溶性CTLA4分子のような本発明の治療組成物は、追加の治療剤を同時に投与され得るか、または異なった時点で連続的な任意の順序で投与され得る。
当該技術分野で標準的な治療として、本発明組成物は、医薬的に許容される形態のいずれかで患者に投与され得る。
本発明の治療によって、該方法は、CD28および/またはCTLA4陽性細胞とB7陽性細胞の相互作用を制御するために、本発明の可溶性CTLA4分子を患者に投与することを含む。B7陽性細胞は、可溶性CTLA4/B7複合体を形成するために、本発明の可溶性CTLA4分子、またはそのフラグメントまたは誘導体の有効量と接触させる。可溶性CTLA4の適量は、上に記載する。該複合体は、B7ファミリー分子と内因性のCTLA4およびCD28分子との間の相互作用を妨害する。
可溶性CTLA4分子は、患者において、それら個別のリガンドとの結合によって、内因性のB7分子を遮断するのに充分な量および時間(例えば、時間の長さおよび/または多重時間)で患者に投与されうる。内因性のB7/リガンド結合の遮断は、それによってB7陽性細胞とCD28および/またはCTLA4陽性細胞との相互作用を阻害する。ある態様として、可溶性CTLA4は、必要に応じて、日/週/月/年あたり単独または多重時間において、毎日、毎週、毎月および/または毎年、患者に投与され得る。例えば、一態様として、該分子は、最初の1ヶ月間では2週ごとに1回、次いで、その後1月ごとに1回投与され得る。
治療剤の投与量は、これに限らないが、影響を与える組織のタイプ、治療される心臓血管疾患のタイプ、疾病の重症度、患者の健康および薬剤を用いる治療に対する応答を含む、多くの要因に依存している。従って、薬剤の投与量は、各患者および投与様式に依存して変化することができる。可溶性CTLA4分子は、1日あたり約0.1〜100mg/kg(患者の体重)の量で投与され得る。可溶性CTLA4の適量は、上で記載される。
本発明は、心臓血管疾患を治療するために、他の治療剤または医薬剤と一緒に、本発明組成物の使用も含む。例えば、心臓血管疾患は、これに限らないが、本発明組成物の議論の中で、上で挙げられる追加の治療剤と組み合わせて、本発明分子で治療されうる。
本発明の可溶性CTLA4の突然変異分子が、例えば、上で特定したような他の薬剤と組み合わせて投与される場合、共投与される薬剤の投与量は、もちろん用いる併用薬のタイプ、用いる特定の薬剤、治療される症状などに依存して変化する。
前述に従い、さらなる態様として、本発明は、遊離形態または医薬的に許容される塩において、例えば、CTLA4Igおよび/またはL104EA29YIgのような本発明の可溶性CTLA4分子および二番目の医薬品成分(該二番目の医薬品成分とは、例えば、上で示したような免疫抑制、免疫調節または抗炎症性薬である)の治療上の有効量を、例えば、同時または任意の順序で連続的(すなわち、同時または異なった時点で連続的に任意の順序)な共投与からなる上と同義である方法で提供する。
さらに、例えば、キットのような治療上の組合せを別の治療剤を含む少なくとも一つの医薬組成物と一緒に、同時または任意の順序で連続的に(すなわち、同時または異なった時点で連続的な任意の順序)使用するために、遊離形態または医薬的に許容される塩の形態での可溶性CTLA4分子を含むことを提供する。該キットは、その投与のための説明書を含みうる。本発明のキットは、本発明のいずれかの方法で使用され得る。
本発明は、本発明の可溶性CTLA4の突然変異分子を産生するための方法も提供する。可溶性CTLA4の突然変異分子の発現は、原核細胞または真核細胞で起こり得る。
原核生物は、最も高頻度で種々のバクテリアの菌株によって表される。該バクテリアは、グラム陽性またはグラム陰性である。具体的には、大腸菌のようなグラム陰性菌が好ましい。他の細菌の菌株も使用され得る。可溶性CTLA4の突然変異分子をコードする配列は、大腸菌のような原核細胞で外部配列を発現するために設計されるベクターに挿入され得る。これらのベクターは、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトース(lac)プロモーター系(チャンの文献:(1977) Nature 198:1056)、トリプトファン(trp)プロモーター系(ゲーデルの文献:(1980) Nucleic Acids Res. 8:4057)およびPLプロモーターおよびN遺伝子リボソーム結合部(シマタケの文献:(1981) Nature 292:128)から生じたラムダのような通常使用されるプロモーターを含む、リボソーム結合部の配列と一緒に適宜オペレーターを持ち、転写開始のためのプロモーターを含む、本明細書で定義される通常使用された原核生物のコントロール配列を含むことができる。
アンピシリンまたはカナマイシンのような抗生物質の存在中で成長するとき、該ベクターが、バクテリア中で複製し、プラスミドを運ぶ細胞が選択できるように、該発現ベクターは、抗生物質に対する耐性を与えるβ−ラクタマーゼまたはネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のような複製の原型および選択可能なマーカーも含む。
該発現プラスミドは、これに限らないが、CaCl2ショック(コーヘンの文献:(1972) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:2110, およびサムブルックの書籍:Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Press, (1989))および電気穿孔法を含む多様で標準的な方法によって、原核細胞に導入することができる。
本発明の実施において、真核細胞は、適当な宿主細胞でもある。真核細胞の具体例は、いすれかの動物細胞、原発性または不死化された酵母(例えば、出芽酵母、シゾサッカロミセスポンベ、およびピキアパストリス)、および植物細胞を含む。骨髄腫、COSおよびCHO細胞は、宿主として使用され得る動物細胞の具体例である。特定のCHO細胞は、これに限らないが、DG44(チャシンの文献:1986 Som. Cell. Molec. Genet. 12:555-556;コルケカーの文献:1997 Biochemistry 36:10901-10909)、CHO−K1(ATCC番号CCL−61)、CHO−K1 Tet−On細胞株(クローンテック社)、ECACC85050302を指定されたCHO(CAMR社、ソールベリー、ウィルトシャー州、英国)、CHOクローン13(GEIMG社、ジェノバ、イタリア)、CHOクローンB(GEIMG社、ジェノバ、イタリア)、ECACC93061607を指定されたCHO−K1/SF(CAMR社、ソールベリー、ウィルトシャー州、英国)、およびECACC92052129を指定されたRR−CHOK1(CAMR社、ソールベリー、ウィルトシャー州、英国)を含む。具体的な植物細胞は、タバコ(植物全体、細胞培養液、またはカルス)、トウモロコシ、大豆、およびイネ細胞を含む。トウモロコシ、大豆、およびイネ種子も許容される。
CTLA4の突然変異分子をコードする核酸配列は、原核生物の宿主において、外部配列を発現するために指定されるベクターにも挿入されうる。該ベクターの制御要素は、特定の原核生物の宿主に応じて変化することができる。
発現ベクターで使用するための通常使用される原核生物のコントロール配列は、例えば、CMVプロモーター(CDM8ベクター)およびトリ肉腫ウイルス(ASV)(πLNベクター)のような哺乳類細胞と対応するプロモーターおよびコントロール配列を含む。他の通常使用されるプロモーターは、シミアンウイルス40(SV40)(フィアースの文献:(1973) Nature 273:113)由来の初期および後期のプロモーター、またはポリオーマ、アデノウイルス2、およびウシ乳頭腫ウイルスから由来するもののような他のウイルスプロモーターを含む。hMTII(カリンの文献:(1982) Nature 299:797-802)のような誘導プロモーターも用いられ得る。
原核生物において、CTLA4の突然変異分子を発現するためのベクターは、エンハンサー領域と呼ばれる配列も運びうる。これらは、最適化する遺伝子発現に重要であり、プロモーター領域の上流または下流のどちらかで見出される。
原核生物の宿主細胞のための発現ベクターの具体例は、これに限らないが、哺乳類の宿主細胞(例えば、BPV−1、pHyg、pRSV、pSV2、pTK2(マニアチス社);pIRES(クローンテック社)のためのベクター;pRc/CMV2、pRc/RSV、pSFV1(ライフテクノロジー社);pVPakcベクター、pCMVベクター、pSG5ベクター(ストラタジーン社))、レトロウイルスベクター(例えば、pFBベクター(ストラタジーン社))、pCDNA−3(インビトロジェン社)またはその修飾型、アデノウイルスベクター;アデノ関連ウイルスベクター、バクロウイルスベクター、酵母ベクター(例えば、pESCベクター(ストラタジーン社))を含む。
CTLA4の突然変異分子をコードする核酸配列は、原核生物の宿主細胞のゲノムに組み込み、宿主のゲノムを複製することができる。別法として、CTLA4の突然変異分子を運ぶベクターは、染色体外複製を可能にする複製の原型を含むことができる。
出芽酵母中で核酸配列を発現するために、内因性の酵母プラスミドからの複製の原型である2μサークルが使用され得る(ブローチの文献:(1983) Meth. Enz. 101:307)。また、自主的な複製を促進することができる酵母ゲノム由来の配列が用いられる(参照、例えば、スティンチコムの文献:(1979) Nature 282:39);ツチェンパーの文献:(1980) Gene 10:157;およびクラークの文献:(1983) Meth. Enz. 101:300)。
酵母ベクターの転写コントロール配列は、糖分解酵素(ヘスの文献:(1968) J. Adv. Enzyme Reg. 7:149;ホランドの文献:(1978) Biochemistry 17:4900)の合成のためのプロモーターを含む。当該技術分野で公知の他のプロモーターは、CDM8ベクター(トヤマおよびオカヤマの文献:(1990) FEBS 268:217-221);3−ホスホグリセレートキナーゼのためのプロモーター(ヒチェマンの文献:(1980) J. Biol. Chem. 255:2073)、および他の糖分解酵素のためのものを提供するCMVプロモーターを含む。
それらは、周囲の刺激または細胞の成長媒体によって制御されうるので、他のプロモーターを誘導する。これらの誘導プロモーターは、熱ショック蛋白質、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素異化に関連する酵素、およびマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素のための遺伝子から由来するものを含む。
調節配列は、コードする配列の3’末端でも認識され得る。これらの配列は、メッセンジャーRNAを安定化するために作用する。該ターミネーターは、いくつかの酵母由来および哺乳類遺伝子において、以下のコードする配列である3’非翻訳領域内で見出される。
植物および植物細胞についての具体的なベクターは、これに限らないが、アグロバクテリウムTiプラスミド、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)、およびトマトゴールデンモザイクウイルス(TGMV)を含む。
哺乳類細胞の宿主系の変換の一般的な態様は、アクセル社(1983年8月16日に発行された米国特許第4399216号)によって記載されている。哺乳類細胞は、これに限らないが、リン酸カルシウム存在下での遺伝子導入、ミクロ注入法、電気穿孔法、またはウイルスベクターを用いる形質導入を経由することを含む方法によって変換されうる。
植物および酵母ゲノムを含む外部DNA配列を原核生物のゲノムに導入するための方法は、(1)単一細胞または原形質体へのDNAのミクロ注入法、DNA存在下でガラスビーズを持つ細胞をボルテックスするか、またはDNAコーティングしたタングステンまたは金の球体を細胞または原形質体に発射する機械的な方法;(2)ポリエチレングリコール治療によるマクロ分子または患者に高圧電位パルス(電気穿孔法)を透過させる細胞膜を調製することによって、DNAを導入する;または(3)細胞膜を融合するリポソーム(cDNA含有)の使用を含む。
本発明のCTLA4の突然変異分子が、いったん発現すれば、それらは、細胞溶解(例えば、超音波処理、リゾチームおよび/または洗浄剤)および例えば、親和性クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーのような標準的な精製手段を用いて実施される蛋白質探索のような当該技術分野で周知の方法によって、実質的にピュアな生成物(スコープの書籍:Protein Purification, Principles and Practice, Third Edition, Springer-Verlag (1994);サムブルックの書籍:Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Press, (1989))を得るために調達される。CTLA4の突然変異分子の発現は、当該技術分野で公知の方法によって検出される。例えば、該突然変異分子は、クマシー染色SDS−PAGEゲルおよびCTLA4を結合する抗体を用いる免疫ブロット法によって検出され得る。
(実施例)
以下の実施例は、本発明を説明するため、および同一物の製造および使用において当業者の助けとなるために提供する。実施例は、本発明の範囲を他に制限することを意図しない。
以下の実施例は、本発明を説明するため、および同一物の製造および使用において当業者の助けとなるために提供する。実施例は、本発明の範囲を他に制限することを意図しない。
実施例1
下記は、本発明のCTLA4分子をコードするヌクレオチド配列を生成するために使用する方法の記載を提供する。
下記は、本発明のCTLA4分子をコードするヌクレオチド配列を生成するために使用する方法の記載を提供する。
プラスミドをコードするCTLA4Igは、最初に構築され、米国特許第5434131号、第5885579号および第5851795号に記載されるCTLA4Ig分子を発現することを示す。次いで、単一部位の突然変異分子(例えば、L104EIg)は、配列をコードするCTLA4Igから生成し、発現して種々のB7分子の結合速度を試験した。L104EIgヌクレオチド配列(図18に示される配列を含む)は、蛋白質を発現し、結合速度を試験する二重部のCTLA4の突然変異配列(図19〜22で示される配列中に含まれる)を生成するための鋳型として使用した。二重部のCTLA4の突然変異配列は、L104EA29YIg、L104EA29LIg、L104EA29TIg、およびL104EA29WIgを含む。三重部位の突然変異も生成された。
CTLA4Igの構造
CTLA4およびIgCγ1ドメインの細胞外ドメインを含むCTLA4Igをコードする遺伝子構造は、米国特許第5434131号、第5844095号および第5851795号に記載されたとおり構築され、内容を本明細書に引用する。CTLA4遺伝子の細胞外ドメインは、刊行物に記載された配列(ダリアバックの文献:Eur. Journ. Immunol. 18:1901-1905 (1988))に対応する合成オリゴヌクレオチドを用いるPCRによってクローン化された。
CTLA4およびIgCγ1ドメインの細胞外ドメインを含むCTLA4Igをコードする遺伝子構造は、米国特許第5434131号、第5844095号および第5851795号に記載されたとおり構築され、内容を本明細書に引用する。CTLA4遺伝子の細胞外ドメインは、刊行物に記載された配列(ダリアバックの文献:Eur. Journ. Immunol. 18:1901-1905 (1988))に対応する合成オリゴヌクレオチドを用いるPCRによってクローン化された。
CTLA4についてのシグナルペプチドが、CTLA4遺伝子内で同定されなかったために、CTLA4の予想された配列のN末端は、オリゴヌクレオチドの重複部分を用いて、2工程でオンコスタチンM(マーリックの文献:Mol. and Cell. Biol. 9:2847 (1989)) のシグナルペプチドと融合した。第1工程として、該オリゴヌクレオチドCTCAGTCTGGTCCTTGCACTCCTGTTTCCAAGCATGGCGAGCATGGCAATGCACGTGGCCCAGCC (SEQ ID NO:1)(コードしたオンコスタチンMシグナルペプチドからC末端の15番目のアミノ酸をCTLA4のN末端7番目のアミノ酸と融合した)は、順方向プライマーとして、およびTTTGGGCTCCTGATCAGAATCTGGG CACGGTTG (SEQ ID NO: 2)(該アミノ酸配列をコードしているCTLA4レセプターの119〜125位のアミノ酸残基をコードし、Bcl I制限酵素部位を含む)を逆方向プライマーとして使用した。この工程の鋳型は、H38細胞(サラフジンおよびベセスダらによって提供されたT細胞白血球細胞株で感染したHTLV II)由来の全RNAの1μgから合成されたcDNAであった。最初の工程由来のPCR生成物の一部分は、オンコスタチンMのシグナルペプチドのN末端部分をコードし、HindIII制限エンドヌクレアーゼ部である、CTAGCCACTGAAGCTTCACCAATGGGTG TACTGCTCACACA-GAGGACGCTGCTCAGTCTGGTCCTTGCACTC (SEQ ID NO: 3)を含む重複する順方向プライマー、および同一の逆方向プライマーを用いて、再増幅した。PCR反応の生成物は、HindIIIおよびBcl Iで消化され、IgC(ガンマ)1のヒンジ、CH2およびCH3領域に対応するアミノ酸配列を発現ベクターが切断されたHindIII/Xba I、発現ベクターであるパイLN(πLNとしても知られる)が切断されたCDM8またはHindIII/Xba IにコードするcDNAフラグメントが切断されたBcl 1/Xba Iと一緒に結紮した。
CTLA4Igに対応するアミノ酸配列をコードするDNAは、1991年、5月31日に、ブタペスト条約下でATCCに寄託し、ATCC受入番号68629を付与された。
突然変異誘発に基づくCTLA4Igコドン
突然変異誘発およびスクリーニング方法は、CD80および/またはCD86分子、すなわち、改良された結合能力からゆっくりとした解離速度(「オフ」速度)を有する突然変異のCTLA4Ig分子を確認するために開発した。本態様において、突然変異は、CTLA4の細胞外ドメインのCDR−1、CDR−2(C’ストランドとしても公知である)、および/またはCDR−3領域において、該残基内および/または外で実施した(米国特許第6090914号、第5773253号および第5844095号に記載された;同時係属の米国特許出願番号60/214065;およびピーチの文献:J Exp Med 1994 180:2049-2058. CDR様領域は、CDRモチーフのいくつかのアミノ酸、上流および/または下流によって各CDR領域を包含し、拡張する。)。これらの部位は、キメラのCD28/CTLA4融合蛋白質(ピーチの文献:J. Exp. Med., 1994, 180:2049-2058)の研究、およびアミノ酸残基の側鎖が溶媒暴露され、CD28およびCTLA4の特定の位置で、アミノ酸残基の同一性または相同性の欠損があると予測されるモデルに基づいて選択された。また、確認された残基に空間的に接近(5〜20Åユニット)する残基のいずれかは、本発明の一部であると見なされる。
突然変異誘発およびスクリーニング方法は、CD80および/またはCD86分子、すなわち、改良された結合能力からゆっくりとした解離速度(「オフ」速度)を有する突然変異のCTLA4Ig分子を確認するために開発した。本態様において、突然変異は、CTLA4の細胞外ドメインのCDR−1、CDR−2(C’ストランドとしても公知である)、および/またはCDR−3領域において、該残基内および/または外で実施した(米国特許第6090914号、第5773253号および第5844095号に記載された;同時係属の米国特許出願番号60/214065;およびピーチの文献:J Exp Med 1994 180:2049-2058. CDR様領域は、CDRモチーフのいくつかのアミノ酸、上流および/または下流によって各CDR領域を包含し、拡張する。)。これらの部位は、キメラのCD28/CTLA4融合蛋白質(ピーチの文献:J. Exp. Med., 1994, 180:2049-2058)の研究、およびアミノ酸残基の側鎖が溶媒暴露され、CD28およびCTLA4の特定の位置で、アミノ酸残基の同一性または相同性の欠損があると予測されるモデルに基づいて選択された。また、確認された残基に空間的に接近(5〜20Åユニット)する残基のいずれかは、本発明の一部であると見なされる。
B7分子(例えば、CD80、CD86)に対して変化した親和性を持つ可溶性CTLA4の突然変異分子の合成およびスクリーニングをするために、二工程の方法を適用した。実験は、CTLA4の細胞外部分の特定のコドンで、突然変異のライブラリーを最初に生成させて、次いで、B7に変更した反応性を持つ突然変異を確認するために、ビアコア社(BIAcore)の解析によって、これらをスクリーニングした。該ビアコアアッセイ系(ファルマシア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)は、検出器に局在するデキストランコーティングしたセンサーチップへのCD80IgまたはCD86Igのどちらかとの実質的な共有結合を含む、表面プラスモン共鳴検出器システムを使用する。試験分子は、次いで、該センサーチップを含むチャンバーに注入し結合する相補的蛋白質の量は、該センサーチップのデキストランコーティングした側に物理的に関連する分子量の変化に基づいて評価され;分子量の変化は、検出器のシステムによって測定される。
具体的には、単一部位の突然変異のヌクレオチド配列は、テンプレートとして突然変異されない(例えば、野生型)CTLA4Ig(米国特許第5434131号、第5844095号;第5851795号;および第5885796号;ATCC受入番号68629)をコードするDNAを用いて生成した。突然変異オリゴヌクレオチドのPCRプライマーは、該コドンの1および2位でいずれかの塩基を許容し、3位(XXG/TまたはNNG/Tとしても記載される)でグアニンまたはチミンで許容しないことによる特定のコドンのランダム突然変異誘発を予定した。この方法で、アミノ酸をコードする特定のコドンは、20個のアミノ酸のそれぞれについてコードするためにランダムに突然変異され得る。それに関して、XXG/T突然変異誘発は、20個のアミノ酸のそれぞれをコードする32個の可能なコドンを与える。CTLA4Ig(MYPPPY)のCDR3様のループの近接位で、突然変異をコードするPCR生成物は、SacI/XbaIで消化し、CTLA4Ig(図24に含まれる)のπLN発現ベクターを同様に切断するためにサブクローン化した。この方法は、単一部位でのCTLA4突然変異分子である、L104EIg(図18に含まれる)を生じるために使用した。
CTLA4IgのCDR−1様ループの近傍での突然変異誘発において、無変化のNheI制限部位は、最初PCRプライマー定方向突然変異誘発によって、このループの5’位に導入された。PCR生成物は、NheI/XbaIで消化され、CTLA4IgまたはL104EIg発現ベクターを同様に切断するためにサブクローン化された。この方法は、二重部CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIg(図19に含まれる)を生じるために使用した。特に、単一部のCTLA4の突然変異分子をコードする核酸分子であるL104EIgは、二重部のCTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIgを生ずるテンプレートとして使用された。
L104EA29YIg(米国微生物系統保存機関(ATCC)、10801 Blvd大学、マナッサス、ヴァージニア州20110−2209に2000年6月19日に寄託し、ATCC受入番号PTA−2104を付与された)のようなCTLA4突然変異分子をコードする二重部の突然変異ヌクレオチド配列は、鋳型として、L104EIgを用いる上記の突然変異誘発方法を繰り返すことによって生成した。この方法は、CTLA4分子をコードするL104EA29YIg(図19で示す配列を含む)、L104EA29LIg(図20で示す配列を含む)、L104EA29TIg(図21で示す配列を含む)、およびL104EA29WIg(図22で示す配列を含む)のような多くの二重部位の突然変異のヌクレオチド配列を使用した。L104EA29YS25KIg、L104EA29YS25NIgおよびL104EA29YS25RIgをコードするような三重部位の突然変異も生じた。
該可溶性CTLA4分子は、ヌクレオチド配列から発現して、下記の実施例3に記載されたフェーズII臨床研究に使用した。
当業者が理解するとおり、とりわけ、PCR増幅による核酸配列の複製は、容易にDNAストランドへの塩基変化を導入する。しかしながら、ヌクレオチド変化は、必ずしも同一のアミノ酸を重複してコードするいくつかのコドンとして、アミノ酸変化を翻訳するとは限らない。無変化(すなわち、翻訳されたアミノ酸において、変化を引き起こさない)あるいはその反対で、本明細書で明記しない原型または野生型の配列由来のヌクレオチドのいずれかの変化は、本発明の範囲に含まれる。
実施例2
下記の実施例は、突然変異しないCTLA4Ig分子と比較するとB7分子に対して高い結合活性を示す、実施例1に記載された構築から発現した単一および二重部位の突然変異のCTLAポリペプチドを確認するために使用されるスクリーニング方法の説明を提供する。
下記の実施例は、突然変異しないCTLA4Ig分子と比較するとB7分子に対して高い結合活性を示す、実施例1に記載された構築から発現した単一および二重部位の突然変異のCTLAポリペプチドを確認するために使用されるスクリーニング方法の説明を提供する。
現在のインビトロおよびインビボ研究は、それ自身によって、CTLA4Igは、抗原特異的に活性化されたT細胞のプライミングを完全に遮断することはできないことを示す。CTLA4Igを用いるインビトロ研究およびT細胞増殖の阻害を測定するCD80またはCD86に対して、特異的なモノクローナル抗体のそれぞれは、抗CD80モノクローナル抗体が、CTLA4Ig阻害を増加しないことを示す。しかしながら、抗CD86モノクローナル抗体は、CTLA4IgがCD86相互作用を遮断する位置で有効ではないことを示す、該阻害を増加する。これらのデータは、CD86介在応答よりも約100倍低いCTLA4Ig濃度が必要なCD80介在細胞応答の阻害を示す、リンスリーの文献(Immunity, (1994), 1:793-801)による初期の結果を支持する。これらの結果に基づいて、野生型のCTLA4よりCD86に対して、より高い結合活性を有する可溶性CTLA4の突然変異分子は、CTLA4Igよりも抗原特異的に活性化された細胞のプライミングを遮断することがより良くできることを推測した。
このために、上記実施例1の該可溶性CTLA4の突然変異分子は、CD80およびCD86に対して結合活性を改良するCTLA4の細胞外ドメインにおいて、いくつかの突然変異を確認するために新規なスクリーニング方法を用いてスクリーニングした。このスクリーニング方法は、「オフ」速度の決定が独立した濃度であるので(オシャネッシーの文献:(1993) Anal. Biochem., 212:457-468)、蛋白質精製または定量には必要でない明らかにゆっくりとした「オフ」速度を持つ突然変異を直接確認するために有効な方法を提供した。
COS細胞は、精製されたプラスミドDNAを個別にミニプレップ法を用いて、形質転換し数日間繁殖させた。3日コンディショニングした培養液を可溶性CD80IgまたはCD86Igでコーティングしたビアコアバイオセンサーチップ(ファルマシアバイオテックAB社、ウップサーラ、スウェーデン)に適用した。突然変異蛋白質の特異的な結合および解離を表面プラスモン共鳴(オシャネッシーの文献:1997 Anal. Biochem. 212:457-468)によって測定した。すべての実験は、25℃で、ビアコア(登録商標)またはビアコア(登録商標)2000バイオセンサーにて実施した。リガンドは、標準的なN−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドN−ヒドロキシスクシイミドカップリング(ジョンソンの文献:(1991) Anal. Biochem. 198: 268-277;キルコの文献:(1993) J. Biol. Chem 268:5425-15434)を用いて研究グレードのNCM5センサーチップ(ファルマシア)で固定化した。
スクリーニング方法
24ウェルの組織培養プレートで成長させたCOS細胞を突然変異のCTLA4Igで一時的に形質転換した。分泌型の可溶性の突然変異CTLA4Igを含む培養液は、3日後回収した。
24ウェルの組織培養プレートで成長させたCOS細胞を突然変異のCTLA4Igで一時的に形質転換した。分泌型の可溶性の突然変異CTLA4Igを含む培養液は、3日後回収した。
コンディショニングしたCOS細胞培養液をCD86IgまたはCD80Ig(グリーンの文献:1996 J. Biol. Chem. 271:26762-26771)で誘導体化されたビアコアバイオセンサーチップを通過させて、突然変異分子は、野生型のCTLA4Igで観察されるより遅いオフ速度を確認した。選択された培養液サンプルに対応するDNAは、CTLA4Ig突然変異蛋白質を調製し、続いて培養液の蛋白質Aの精製から大量スケールのCOS細胞トランスフェクションを実施するために調製された配列およびDNAであった。
ビアコア解析条件および平衡結合データ解析は、グリーンの文献:1996 J. Biol. Chem. 271:26762-26771 および本明細書に引用する米国特許出願番号第09/579927号、および第60/214065号に記載のとおり行った。
ビアコアデータ解析
センサーグラムのベースラインは、解析の前にゼロ応答ユニット(RU)で標準化された。サンプルは、溶液間のバルク屈折率の違いのためバックグラウンドのRU値を決定するために模倣誘導体化したフローセルに流した。平衡解離定数(Kd)は、Cに対するReqのプロットから計算し、Reqは、定常状態の応答から模倣誘導体チップの応答を引いたものであり、Cは、解析物のモル濃度である。結合曲線は、市販の非直線性曲線適合ソフトウェア(プリズム、グラフパッドソフトウェア)を用いて解析した。
センサーグラムのベースラインは、解析の前にゼロ応答ユニット(RU)で標準化された。サンプルは、溶液間のバルク屈折率の違いのためバックグラウンドのRU値を決定するために模倣誘導体化したフローセルに流した。平衡解離定数(Kd)は、Cに対するReqのプロットから計算し、Reqは、定常状態の応答から模倣誘導体チップの応答を引いたものであり、Cは、解析物のモル濃度である。結合曲線は、市販の非直線性曲線適合ソフトウェア(プリズム、グラフパッドソフトウェア)を用いて解析した。
実験データは、最初に、単一レセプター(1部位モデル、すなわち、単純ラングミュア系、A+B⇔AB)に結合する単一リガンドのためのモデルに適合させて、平衡解離定数(Kd=[A]・[B]/[AB])は、式:R=Rmax・C/(Kd+C)から計算された。続いて、データは、リガンド結合(すなわち、式:R=Rmax1・C/(Kd1+C)+Rmax2・C/(Kd2+C)によって記載されるとおり、二つの相互作用しない独立した結合部位を有するレセプター)の最も単純な2部位モデルに適合させた。
これら二つのモデルの適合度は、実験データとの比較によって視覚的に、二乗和のFテストによって統計的に解析した。該二部位モデルが、著しく(p<0.1)適合しない限り、より単純な一部位モデルを最高の適合であるとして選択した。
結合および解離解析は、BIA評価ソフト2.1(ファルマシア社)を用いて、実施した。結合速度定数は、konは、均一な単一部位の相互作用および平行的な二部位の相互作用の両方を仮定する二つの方法で計算された。単一部位の相互作用である、kon値は、式:Rt=Req(1−exp-ks(t-t0))に従い、計算され、Rtは、所定の時間tでの応答;Reqは、定常状態の応答;t0は、挿入の開始時間;およびks=dR/dt=kon・Ckoffであり、Cは、単量体結合部に関して計算された解析物の濃度である。二部位の相互作用kon値は、式:Rt=Req1(1−exp-ks1(t-t0))+Req2(1−expks2(t-t0))に従って計算した。各モデルにとって、konの値は、Cに対するksのプロットの計算された勾配(約70%最大結合)から決定した。
解離データは、一部位(AB=A+B)または二部位(AiBj=Ai+Bj)モデルに従い解析して、速度定数(koff)を最高の適合曲線から計算した。該結合部位モデルは、二つの結合部モデルが用いられる場合において、残存が機械のバックグラウンド(2−10RU、機械による)より大きいときを除いて、使用した。レセプター占有の半減期は、t1/2=0.693/koffの関係を用いて計算した。
フローサイトメトリー
マウス mAb L307.4(抗CD80)は、ベクトンディキンソン社(サンジョセ、カリフォルニア州)から、IT2.2(抗B7−0[CD86としても知られる])は、ファーミンゲン社(サンディエゴ、カリフォルニア州)から購入した。免疫染色において、CD80陽性および/またはCD86陽性CHO細胞は、10mMのEDTAを含んだリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で、インキュベーションによってそれらの培養器から除去した。CHO細胞(1〜10×105)は、最初に10%のウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM中で、mAbsまたは免疫グロブリン融合蛋白質と一緒にインキュベートし、次いで、洗浄して、フルオレセインイソチオシアネート共役したヤギの抗マウスまたは抗ヒト免疫グロブリンの二次試薬(タゴ社(Tago)、バーリンゲーム、カリフォルニア州)とインキュベートした。細胞は、最後の洗浄を行い、FACScan(ベクトンディキンソン社)で解析した。
マウス mAb L307.4(抗CD80)は、ベクトンディキンソン社(サンジョセ、カリフォルニア州)から、IT2.2(抗B7−0[CD86としても知られる])は、ファーミンゲン社(サンディエゴ、カリフォルニア州)から購入した。免疫染色において、CD80陽性および/またはCD86陽性CHO細胞は、10mMのEDTAを含んだリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で、インキュベーションによってそれらの培養器から除去した。CHO細胞(1〜10×105)は、最初に10%のウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM中で、mAbsまたは免疫グロブリン融合蛋白質と一緒にインキュベートし、次いで、洗浄して、フルオレセインイソチオシアネート共役したヤギの抗マウスまたは抗ヒト免疫グロブリンの二次試薬(タゴ社(Tago)、バーリンゲーム、カリフォルニア州)とインキュベートした。細胞は、最後の洗浄を行い、FACScan(ベクトンディキンソン社)で解析した。
SDS−PAGEおよびサイズ排除クロマトグラフィー
SDS−PAGEは、トリス/グリシン4〜20%アクリルアミドゲル(ノベックス社、サンディエゴ、カリフォルニア州)で実施した。解析ゲルは、クーマシーブルーで染色し、ウェットゲルの画像をデジタルスキャニングによって得た。CTLA4Ig(25μg)およびL104EA29YIg(25μg)は、1.0mL/分の流速で、0.02%のNAN3を含む、リン酸緩衝生理食塩水で平衡にした、TSK−GEL G300 SWXLカラム(7.8×300mm、トソハース、モンゴメリーバレー、ペンシルバニア州)を用いて、サイズ排除クロマトグラフィーによって解析した。
SDS−PAGEは、トリス/グリシン4〜20%アクリルアミドゲル(ノベックス社、サンディエゴ、カリフォルニア州)で実施した。解析ゲルは、クーマシーブルーで染色し、ウェットゲルの画像をデジタルスキャニングによって得た。CTLA4Ig(25μg)およびL104EA29YIg(25μg)は、1.0mL/分の流速で、0.02%のNAN3を含む、リン酸緩衝生理食塩水で平衡にした、TSK−GEL G300 SWXLカラム(7.8×300mm、トソハース、モンゴメリーバレー、ペンシルバニア州)を用いて、サイズ排除クロマトグラフィーによって解析した。
CTLA4XC120SおよびL104EA29YXC120S
単鎖のCTLA4XC120Sは、前記(リンスリーの文献:(1995) J. Biol. Chem., 270:15417-15424)のとおり調製した。つまり、順方向プライマーである、GAGGTGATAAAGCTTCACCAATGGGTGTACTGCTCACACAG (SEQ ID NO:4) を鋳型として使用される、オンコスタチンMのCTLA4(OMCTLA4)発現プラスミドは、該ベクターにおいて、配列を適合させて;CTLA4の細胞外ドメインの最後の7つのアミノ酸(すなわち、アミノ酸118〜124)に対応する該逆方向プライマーである、GTGGTGTATTGGTCTAGATCAATCAGAATCTGGGCACGGTTC (SEQ ID NO:5)、および制限酵素部位、および停止コドン(TGA)を含む。逆方向プライマーは、C120S(120位のシステインからセリン)の突然変異を指定した。特に、上で示した逆方向プライマーのヌクレオチド配列のGCA(ヌクレオチドの34〜36)は、次のヌクレオチド配列:AGA、GGA、TGA、CGA、ACT、またはGCTのうち一つで置換される。当業者が理解するとおり、該ヌクレオチド配列のGCAは、システインのコドンTGCの逆の相補的配列である。同様に、該ヌクレオチド配列のAGA、GGA、TGA、CGA、ACT、またはGCTは、セリンに対するコドンの逆の相補的な配列である。ポリメラーゼ連鎖反応生成物は、HindIII/XbaIで消化し、発現ベクターであるπLN(ブリストルマイヤーズスクイブ社、プリンストン、ニュージャージー州)で、一方向性にてサブクローン化した。L104EA29YXC120Sは、同一の方法で調製した。各作成物は、DNA配列によって変化させた。
単鎖のCTLA4XC120Sは、前記(リンスリーの文献:(1995) J. Biol. Chem., 270:15417-15424)のとおり調製した。つまり、順方向プライマーである、GAGGTGATAAAGCTTCACCAATGGGTGTACTGCTCACACAG (SEQ ID NO:4) を鋳型として使用される、オンコスタチンMのCTLA4(OMCTLA4)発現プラスミドは、該ベクターにおいて、配列を適合させて;CTLA4の細胞外ドメインの最後の7つのアミノ酸(すなわち、アミノ酸118〜124)に対応する該逆方向プライマーである、GTGGTGTATTGGTCTAGATCAATCAGAATCTGGGCACGGTTC (SEQ ID NO:5)、および制限酵素部位、および停止コドン(TGA)を含む。逆方向プライマーは、C120S(120位のシステインからセリン)の突然変異を指定した。特に、上で示した逆方向プライマーのヌクレオチド配列のGCA(ヌクレオチドの34〜36)は、次のヌクレオチド配列:AGA、GGA、TGA、CGA、ACT、またはGCTのうち一つで置換される。当業者が理解するとおり、該ヌクレオチド配列のGCAは、システインのコドンTGCの逆の相補的配列である。同様に、該ヌクレオチド配列のAGA、GGA、TGA、CGA、ACT、またはGCTは、セリンに対するコドンの逆の相補的な配列である。ポリメラーゼ連鎖反応生成物は、HindIII/XbaIで消化し、発現ベクターであるπLN(ブリストルマイヤーズスクイブ社、プリンストン、ニュージャージー州)で、一方向性にてサブクローン化した。L104EA29YXC120Sは、同一の方法で調製した。各作成物は、DNA配列によって変化させた。
高結合活性を持つ突然変異の同定および生化学的特性
24個のアミノ酸は、表面プラスモン共鳴(SPR;上記の通り)によって結合するCD86Igに対してアッセイされた突然変異誘発および生じる〜2300の突然変異蛋白質について選択した。各部位での突然変異誘発の主要な効果を下記の表IIにまとめる。CDR−1領域内(S25−R33)のいくつかのアミノ酸のランダム突然変異誘発は、明らかにリガンド結合を改良しなかった。E31およびR33ならびにM97−Y102残基の突然変異誘発は、明らかにリガンド結合の減少を生じた。S25、A29、およびT30、K93、L96、Y103、L104、およびG105残基の突然変異誘発は、遅い「オン」および/または遅い「オフ」速度を持つ蛋白質を生じた。これらの結果は、CDR−1(S25−R33)領域内の残基、およびM97−Y102内または近傍の残基がリガンド結合(ピーチの文献:(1994) J. Exp. Med., 180:2049-2058)に影響するこれまでの結果を支持する。
24個のアミノ酸は、表面プラスモン共鳴(SPR;上記の通り)によって結合するCD86Igに対してアッセイされた突然変異誘発および生じる〜2300の突然変異蛋白質について選択した。各部位での突然変異誘発の主要な効果を下記の表IIにまとめる。CDR−1領域内(S25−R33)のいくつかのアミノ酸のランダム突然変異誘発は、明らかにリガンド結合を改良しなかった。E31およびR33ならびにM97−Y102残基の突然変異誘発は、明らかにリガンド結合の減少を生じた。S25、A29、およびT30、K93、L96、Y103、L104、およびG105残基の突然変異誘発は、遅い「オン」および/または遅い「オフ」速度を持つ蛋白質を生じた。これらの結果は、CDR−1(S25−R33)領域内の残基、およびM97−Y102内または近傍の残基がリガンド結合(ピーチの文献:(1994) J. Exp. Med., 180:2049-2058)に影響するこれまでの結果を支持する。
S25、T30、K93、L96、Y103、およびG105部位の突然変異誘発は、CD86Ig由来のより遅い「オフ」速度を有するいくつかの突然変異蛋白質と同一のものを生じる。しかしながら、これらの場合において、遅い「オフ」速度は、野生型のCTLA4Igで見られるものと明らかに同様であるCD86Igに対して、全体的な結合活性を持つ突然変異蛋白質を生じる遅い「オン」速度によって損なわれた。さらに、K93の突然変異誘発は、観察された速度変化に関与している著しい凝集を生じる。
L104のランダム突然変異誘発は、固定化したCD86Igにおける培養液サンプルのSPRによるCOS細胞の形質移入およびスクリーニングに続いて、その結果、野生型のCTLA4Igよりおよそ2倍遅い「オフ」速度を持つ突然変異蛋白質を含む6つの媒体サンプルを得た。これらの突然変異に対応するcDNAが配列されたとき、それぞれグルタミン酸の突然変異(L104E)へロイシンをコードすることを見出した。明らかに、104位のロイシンをアスパラギン酸(L104D)への置換は、CD86Ig結合に影響しなかった。
突然変異誘発は、次いで、上記の通りPCRの鋳型として、野生型のCTLA4Igの代わりにL104Eを用いる今回は、表IIに挙げた各部位で繰り返した。再び固定化したCD86Igを用いるSPR解析は、野生型のCTLA4Igよりおよそ4倍遅い「オフ」速度を有する蛋白質の29位のアラニンの突然変異誘発由来の6個の培養液サンプルを同定した。最も遅い二つは、チロシン置換(L104EA29Y)であり、二つは、ロイシン(L104EA29L)であって、一つは、トリプトファン(L104EA29W)、および一つは、スレオニン(L104EA29T)であった。明らかに、遅くない「オフ」速度の突然変異は、29位のアラニンが、ランダムに突然変異されたとき、野生型のCTLA4Igにおいて、単独で確認された。
精製したL104EおよびL104EA29YIgの相対分子量および凝集状態は、SDS−PAGEおよびサイズ排除クロマトグラフィーによって評価した。L104EA29YIg(〜1μg;レーン3)およびL104EIg(〜1μg;レーン2)は、明らかに、減少(〜50kDa;+βME;+2−メルカプトエタノール)および非減少(〜100kDa;−βME)条件下で(図25A)、CTLA4Ig(〜1μg;レーン1)と同一の電気泳動移動度であった。サイズ排除クロマトグラフィーは、L104EA29YIg(図25C)は、明らかに二量体のCTLA4Ig(図25B)と同一の移動度を有することを示した。主要なピークは、図25Bで、より早く溶出するマイナーピークが、高分子量の凝集体を示すと同時に、蛋白質二量体を意味する。CTLA4Igのおよそ5.0%は、高分子量の凝集体が存在したが、L104EA29YIgまたはL104EIgの凝集の証拠はなかった。それ故、L104EIgおよびL104EA29YIgで見られるCD86Igのより強い結合が、突然変異誘発によって誘導される凝集に起因されることはない。
平衡および速度論的結合解析
平衡および速度論的結合解析は、表面プラスモン共鳴(SPR)を用いる精製したCTLA4Ig、L104EIg、およびL104EA29YIgの蛋白質Aで実施した。結果は、以下の表Iに示す。観察された平衡解離定数(Kd;表I)は、濃度(5.0〜200nM)の範囲にかけて、生じる結合曲線から計算した。L104EA29YIgは、L104EIgまたはCTLA4Igの結合よりも強くCD86Igに結合する。L104EIg(6.06nM)またはCTLA4Ig(13.9nM)より低い、L104EA29YIg(3.21nM)のKdは、CD86Igに対するL104EA29YIgのより高い結合活性を示す。L104EIg(4.47nM)またはCTLA4Ig(6.51nM)より低いKdを持つL104EA29YIg(3.66nM)は、CD80Igに対するL104EA29YIgの高い結合活性を示す。
平衡および速度論的結合解析は、表面プラスモン共鳴(SPR)を用いる精製したCTLA4Ig、L104EIg、およびL104EA29YIgの蛋白質Aで実施した。結果は、以下の表Iに示す。観察された平衡解離定数(Kd;表I)は、濃度(5.0〜200nM)の範囲にかけて、生じる結合曲線から計算した。L104EA29YIgは、L104EIgまたはCTLA4Igの結合よりも強くCD86Igに結合する。L104EIg(6.06nM)またはCTLA4Ig(13.9nM)より低い、L104EA29YIg(3.21nM)のKdは、CD86Igに対するL104EA29YIgのより高い結合活性を示す。L104EIg(4.47nM)またはCTLA4Ig(6.51nM)より低いKdを持つL104EA29YIg(3.66nM)は、CD80Igに対するL104EA29YIgの高い結合活性を示す。
速度論的結合解析は、CD86Ig(表I)に対する「オン」速度と同様にCD80に結合するCTLA4Ig、L104EIg、およびL104EA29YIgについて、比較の「オン」速度は、同一であることが明らかになった。しかしながら、これらの分子に対する「オフ」速度は、同等ではなかった(表I)。CTLA4Igと比較すると、L104EA29YIgは、CD80Igよりおよそ2倍遅い「オフ」速度、およびCD86Igよりおよそ4倍遅い「オフ」速度を有した。L104Eは、L104EA29YIgおよびCTLA4Igとの中間の「オフ」速度であった。これらの突然変異の導入は、あまり「オン」速度に影響しないので、L104EA29YIgで観察されたCD80IgおよびCD86Igに対する結合活性の上昇は、おそらく最初に「オフ」速度が減少するためである。
CD86IgおよびCD80Igに対するL104EA29YIgの結合活性の上昇は、各モノマーが二量体と関連する方法に影響する突然変異のためであるかどうか、または各モノマーに導入する構造変化が結合活性を強めるかどうかを決定するために、CTLA4およびL104EA29Yの細胞外ドメインの単鎖の構築は、リンスリーの文献:(1995) J. Biol. Chem., 270:15417-15424 (84)によって、上記の通り120位のシステインからセリンへの以下の突然変異誘発を調製した。精製した蛋白質CTLA4XC120SおよびL104EA29YXC120Sは、それらのリガンド結合特性が、SPRによって解析される前に、ゲル浸透クロマトグラフィー(リンスリーの文献:(1995)、上記)によってモノマーであることを示した。CD86Igに対するモノマー蛋白質の両方の結合親和性を示す結果は、それら個別の二量体(表I)で見られるよりもおよそ35〜80倍低かった。これは、CTLA4の二量化が、高結合活性のリガンド結合(グリーンの文献:(1996) J. Biol. Chem., 271:26762-26771)に必要であることを評価する以前に刊行されたデータを支持する。
L104EA29YXC120Sは、CD80IgおよびCD86Igの両方に対して、CTLA4XC120Sよりおよそ2倍高い親和性で結合した。上昇した親和性は、両方のリガンドよりおよそ3倍遅い解離速度のためであった。それ故、L104EA29Yによるより強いリガンド結合は、おそらく、分子が二量化される変化よりもはるかに各モノマー鎖に導入される結合活性を強める構造変化のためであった。
結合活性を強める突然変異の部位および構造解析
CTLA4の細胞外IgV様ドメインの溶液構造は、NMRスペクトル(メツラーの文献:(1997) Nature Struct. Biol., 4:527-531)によって、最近決定された。これは、3次元の折り畳み(図26の左右に図示)において、104位のロイシンおよび29位のアラニンの正確な位置を可能にした。104位のロイシンは、高度に保存されたMYPPPYアミノ酸配列の近くに位置した。29位のアラニンは、CDR−1(S25−R33)領域のC末端近くに位置し、MYPPPY領域に空間的に隣接している。これら二つの領域のふもとの残基の相互作用が充分であると同時に、それらは、蛋白質内で連続した疎水コアの部分を両方含むが、L104およびA29の直接的な相互作用は、明らかにない。二つの結合活性を強める突然変異の構造の重要性はモデリングによって評価した。該A29Yの突然変異は、CDR−1(S25−R33)領域およびMYPPPY領域との間の間隙内で容易に適用され、該MYPPPY領域のコンフォメーションを安定化させうる。野生型のCTLA4において、L104は、MYPPPY領域近くのL96およびV94と広範囲の疎水性相互作用を形成する。グルタミン酸の突然変異は、二つの理由で、L104と同様のコンフォメーションを採用する可能性が極めて低い。第一に、CDR−1(S25−R33領域)への充分な摂動無しに構造内で、長いグルタミン酸側鎖を適合させるのに充分な空間がない。第二に、該疎水性領域内で、グルタミン酸側鎖の負の電荷を変化するエネルギーコストが、大きいからである。その代わり、モデル研究では、該グルタミン酸側鎖は、その電荷が溶媒和によって安定化されうる場合、表面上で反転することを予測する。そのようなコンフォメーション変化は、領域内で、他の残基との最小の歪みを持つG105によって容易に適合される。
CTLA4の細胞外IgV様ドメインの溶液構造は、NMRスペクトル(メツラーの文献:(1997) Nature Struct. Biol., 4:527-531)によって、最近決定された。これは、3次元の折り畳み(図26の左右に図示)において、104位のロイシンおよび29位のアラニンの正確な位置を可能にした。104位のロイシンは、高度に保存されたMYPPPYアミノ酸配列の近くに位置した。29位のアラニンは、CDR−1(S25−R33)領域のC末端近くに位置し、MYPPPY領域に空間的に隣接している。これら二つの領域のふもとの残基の相互作用が充分であると同時に、それらは、蛋白質内で連続した疎水コアの部分を両方含むが、L104およびA29の直接的な相互作用は、明らかにない。二つの結合活性を強める突然変異の構造の重要性はモデリングによって評価した。該A29Yの突然変異は、CDR−1(S25−R33)領域およびMYPPPY領域との間の間隙内で容易に適用され、該MYPPPY領域のコンフォメーションを安定化させうる。野生型のCTLA4において、L104は、MYPPPY領域近くのL96およびV94と広範囲の疎水性相互作用を形成する。グルタミン酸の突然変異は、二つの理由で、L104と同様のコンフォメーションを採用する可能性が極めて低い。第一に、CDR−1(S25−R33領域)への充分な摂動無しに構造内で、長いグルタミン酸側鎖を適合させるのに充分な空間がない。第二に、該疎水性領域内で、グルタミン酸側鎖の負の電荷を変化するエネルギーコストが、大きいからである。その代わり、モデル研究では、該グルタミン酸側鎖は、その電荷が溶媒和によって安定化されうる場合、表面上で反転することを予測する。そのようなコンフォメーション変化は、領域内で、他の残基との最小の歪みを持つG105によって容易に適合される。
CD80またはCD86を発現するCHO細胞に対する高親和性の突然変異の結合
CD80+およびCD86+CHO細胞を安定に形質転換するためのCTLA4Igおよび突然変異分子の結合のFACS解析(図27)は、本明細書に記載の通り実施した。CD80陽性およびCD86陽性CHO細胞は、CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはL104EIgの増加する濃度でインキュベートし、次いで洗浄した。結合免疫グロブリン融合蛋白質は、フルオレセインイソチオシアネート共役ヤギ抗ヒト免疫グロブリンを用いて検出した。
CD80+およびCD86+CHO細胞を安定に形質転換するためのCTLA4Igおよび突然変異分子の結合のFACS解析(図27)は、本明細書に記載の通り実施した。CD80陽性およびCD86陽性CHO細胞は、CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはL104EIgの増加する濃度でインキュベートし、次いで洗浄した。結合免疫グロブリン融合蛋白質は、フルオレセインイソチオシアネート共役ヤギ抗ヒト免疫グロブリンを用いて検出した。
図27に示したとおり、CD80陽性またはCD86陽性CHO細胞(1.5×105)は、23℃で2時間、CTLA4Ig(■)、L104EA29YIg(○)、またはL104EIg(△)で示した濃度にてインキュベートし、洗浄して、フルオレセインイソチオシアネート共役ヤギ抗ヒト免疫グロブリン抗体でインキュベートした。合計5000個の生存細胞の結合は、FACSキャン(FACScan)で解析(一回測定)して、平均蛍光強度(MFI)は、PC−LYSYSを用いるデータヒストグラムから決定した。データは、二次試薬のみ(MFI=7)でインキュベートした細胞を測定したバックグラウンドの蛍光で補正した。コントロールのL6 mAb(80μg/ml)は、MFI<30を与えた。これらの結果は、4つの独立した実験で表される。
ヒトCD80形質転換CHO細胞へのL104EA29YIg、L104EIg、およびCTLA4Igの結合は、ほとんど同等である(図27A)。L104EA29YIgおよびL104EIgは、CTLA4IgよりもヒトCD86を用いて、安定に形質転換するCHO細胞に強く結合する(図27B)。
機能アッセイ
ヒトCD4陽性T細胞を、免疫磁性陰性選択(リンスリーの文献:(1992) J. Exp. Med. 176:1595-1604)によって単離した。単離したCD4陽性T細胞は、阻害剤の滴定濃度の存在下、CD80陽性またはCD86陽性CHO細胞を加えたホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)で刺激した。CD4陽性T細胞(8〜10×104/ウェル)は、放射線照射したCHO細胞刺激剤の有無で、1nMのPMAの存在下にて培養した。増殖性応答は、72時間培養の最後の7時間、1μCi/ウェルの[3H]チミジンの添加によって測定した。L104EA29YIgおよびCTLA4Igによって、T細胞を刺激したCD80陽性CHO、またはCD86陽性CHOを加えたPMAの阻害を実施した。該結果は、図28に示す。L104EA29YIgは、CTLA4Ig(図28A)以上にCD80陽性PMA処理したCHO細胞の増殖を阻害する。L104EA29YIgは、CD86陽性PMA処理したCHO細胞の増殖を阻害することにおいても、CTLA4Igより有効である(図28B)。それ故、L104EA29YIgは、T細胞のCD80およびCD86介在性副刺激の両方の強力な阻害剤である。
ヒトCD4陽性T細胞を、免疫磁性陰性選択(リンスリーの文献:(1992) J. Exp. Med. 176:1595-1604)によって単離した。単離したCD4陽性T細胞は、阻害剤の滴定濃度の存在下、CD80陽性またはCD86陽性CHO細胞を加えたホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)で刺激した。CD4陽性T細胞(8〜10×104/ウェル)は、放射線照射したCHO細胞刺激剤の有無で、1nMのPMAの存在下にて培養した。増殖性応答は、72時間培養の最後の7時間、1μCi/ウェルの[3H]チミジンの添加によって測定した。L104EA29YIgおよびCTLA4Igによって、T細胞を刺激したCD80陽性CHO、またはCD86陽性CHOを加えたPMAの阻害を実施した。該結果は、図28に示す。L104EA29YIgは、CTLA4Ig(図28A)以上にCD80陽性PMA処理したCHO細胞の増殖を阻害する。L104EA29YIgは、CD86陽性PMA処理したCHO細胞の増殖を阻害することにおいても、CTLA4Igより有効である(図28B)。それ故、L104EA29YIgは、T細胞のCD80およびCD86介在性副刺激の両方の強力な阻害剤である。
図29は、上で調製した同種刺激したヒトT細胞のL104EA29YIgおよびCTLA4Igによる阻害を示し、CD80およびCD86(3.0×104/ウェルでのT細胞および8.0×103/ウェルでのPM)を発現するPMと呼ばれるヒトBリンパ芽球様細胞株(LCL)でさらに同種刺激した。一次的同種刺激は、6日間起こり、次いで、該細胞は、放射性ラベルの導入を決定する前に、3H−チミジンで7時間パルスした。
二次的な同種刺激を以下の通り実施した。7日の一次的な同種刺激したT細胞は、リンパ球分離媒体(LSM)(ICN社、アウロラ、OH)で回収し、24時間静置した。T細胞は、次いで、滴定量のCTLA4IgまたはL104EA29YIgの存在下、上記の通り同じ比でPMを加えることにより再刺激(二回目)した。刺激は、3日間起こり、次いで、該細胞は、上記の通り放射性ラベルでパルスし回収した。一次的な同種刺激したT細胞でのL104EA29YIgの効果は、図29Aに示す。二次的同種刺激したT細胞でのL104EA29YIgの効果は、図29Bに示す。L104EA29YIgは、CTLA4Igより良い一次的および二次的なT細胞増殖性応答の両方を阻害する。
サイトカイン産生(図30)を測定するために、二重の二次的な同種刺激プレートを組み立てた。3日後、培養液を製造業者によって推奨される条件を用いるELISAキット(バイオソース社、カマリロ、CA)を用いて、アッセイした。L104EA29YIgは、二次的な同種刺激に続くT細胞IL−2、IL−4、およびγ−IFN(ガンマ−IFN)サイトカイン産生を遮断において、CTLA4Igよりも強力であることがわかった(図30A〜C)。
サルリンパ球応答(MLR)に混合させたサルのL104EA29YIgおよびCTLA4Igの効果は、図31に示す。2匹のサルからの末梢血液単核細胞(PBMC’S;各サルから3.5×104細胞/ウェル)は、リンパ球分離媒体(LSM)によって精製し、2μg/mlの植物性血球凝集素(PHA)と混合した。該細胞を3日間刺激し、次いで、回収前の16時間放射性ラベルでパルスした。L104EA29YIgは、CTLA4IgよりよくサルT細胞増殖を阻害した。
平衡およびみかけの速度定数は、以下の表(値は、3つの異なった実験からの平均±標準偏差)に与える。
リストされた部位でのCTLA4Igの突然変異誘発によって、結合するCD86Igの効果を上述のSPRによって決定した。優れた効果は、「+」印で示した。
実施例3
下記は、膨張関節、圧痛関節、炎症、朝のこわばり、および痛みの減少を含む、関節リウマチに関連する少なくとも一つの症状を軽減するために、可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIg(L104EA29YIGまたはLEAとしても知られる)またはCTLA4Igを投与したヒト患者のフェーズII臨床研究の記載を提供する。本明細書で使用したCTLA4Ig分子は、+1位のメチオニン(または別法として、−1位のアラニン)で始まり、図24で示す通り+357位のリジンで終わる。CTLA4Ig分子の実施態様をコードするDNAは、ATCC68629として寄託した。本明細書で使用されたL104EA29YIg分子は、+1位のメチオニン(または別法として、−1位のアラニン)で始まり、図19で示す通り+357位のリジンで終わる。L104EA29YIg分子の実施態様をコードするDNAは、ATCC PTA2104として寄託された。
下記は、膨張関節、圧痛関節、炎症、朝のこわばり、および痛みの減少を含む、関節リウマチに関連する少なくとも一つの症状を軽減するために、可溶性CTLA4の突然変異分子であるL104EA29YIg(L104EA29YIGまたはLEAとしても知られる)またはCTLA4Igを投与したヒト患者のフェーズII臨床研究の記載を提供する。本明細書で使用したCTLA4Ig分子は、+1位のメチオニン(または別法として、−1位のアラニン)で始まり、図24で示す通り+357位のリジンで終わる。CTLA4Ig分子の実施態様をコードするDNAは、ATCC68629として寄託した。本明細書で使用されたL104EA29YIg分子は、+1位のメチオニン(または別法として、−1位のアラニン)で始まり、図19で示す通り+357位のリジンで終わる。L104EA29YIg分子の実施態様をコードするDNAは、ATCC PTA2104として寄託された。
さらに、下記は、赤血球沈降速度、およびC反応性蛋白質および/またはIL2レセプターの血清レベルの減少を含む、関節リウマチに関連する少なくとも一つの生物的代理マーカーを軽減するためにL104EA29YIgまたはCTLA4Igを投与したヒト患者の記載を提供する。
患者コホート
54人の男性および160人の女性を含む、合計214人の患者が、研究に参加した(図1A、1B)。基準の患者は、平均して、3.4(±2.0)年の疾患期間であって、少なくとも一つの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で失敗していた。安定な非ステロイド性抗炎症性薬(NSAID)またはステロイド(≦10mg/日)は、許容され、併用のDMARDを禁止した。該患者は、治療群あたり25〜32人の患者のグループに任意抽出した。32人の患者は、プラセボを受け、92人は、L104EA29YIgを受けて、90人は、CTLA4Igを受けた。プロトコル指針に従い、57日より前に中止しなかった患者は、1、15、29、および57日のそれぞれ1回注入し、合計4回の静脈内注入を受けた。すべての患者は、1、15、29、43、57、71、および85日に評価した。投与された投与量は、L104EA29YIg(図1A−1E中のそれぞれLEA.5、LEA2およびLEA10を意味する)またはCTLA4Ig(図1A−1EのそれぞれCTLA.5、CTLA2およびCTLA10を意味する)の0.5、2.0、または10.0mg/kgを含んだ。
54人の男性および160人の女性を含む、合計214人の患者が、研究に参加した(図1A、1B)。基準の患者は、平均して、3.4(±2.0)年の疾患期間であって、少なくとも一つの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で失敗していた。安定な非ステロイド性抗炎症性薬(NSAID)またはステロイド(≦10mg/日)は、許容され、併用のDMARDを禁止した。該患者は、治療群あたり25〜32人の患者のグループに任意抽出した。32人の患者は、プラセボを受け、92人は、L104EA29YIgを受けて、90人は、CTLA4Igを受けた。プロトコル指針に従い、57日より前に中止しなかった患者は、1、15、29、および57日のそれぞれ1回注入し、合計4回の静脈内注入を受けた。すべての患者は、1、15、29、43、57、71、および85日に評価した。投与された投与量は、L104EA29YIg(図1A−1E中のそれぞれLEA.5、LEA2およびLEA10を意味する)またはCTLA4Ig(図1A−1EのそれぞれCTLA.5、CTLA2およびCTLA10を意味する)の0.5、2.0、または10.0mg/kgを含んだ。
すべての患者は、可能な有害反応を聴くアンケートに答えることによって、周囲注入の有害反応および広範囲の安全性をモニタした。患者は、注入後24時間以内に起こりうる、可能な有害反応について質問した。さらに、患者は、彼らが経験する有害反応のいずれかを自発的に報告するように努めた。医師は、例えば、サイトカイン(TNF、IL−6)、トリプターゼおよび補体のような炎症応答メディエーターのレベル等を評価する血液化学および血液学の異常による患者からの検査サンプルを定期的にモニターした。主要評価項目は、85日でのACR20基準での患者との打ち合わせの一部であった。
試験材料の保存
CTLA4IgおよびL104EA29YIgは、200mg/バイアルのCTLA4Igまたは100mg/バイアルのL104EA29YIgをそれぞれ含む単回使用のガラスバイアルで提供した。注入より前に、CTLA4IgおよびL104EA29YIgは、注射用(SWFI)の滅菌水で最終濃度25mg/mlまで希釈した。
CTLA4IgおよびL104EA29YIgは、200mg/バイアルのCTLA4Igまたは100mg/バイアルのL104EA29YIgをそれぞれ含む単回使用のガラスバイアルで提供した。注入より前に、CTLA4IgおよびL104EA29YIgは、注射用(SWFI)の滅菌水で最終濃度25mg/mlまで希釈した。
投与プロトコル
すべての注入は、1時間以上かけて静脈内に投与した(図1〜17)。すべての患者は、研究の薬物投与のうち、少なくとも一つの注入を受けた。
群1:32人の患者、CTLA4IgまたはL104EA29YIgに適合しているプラセボ
群2:26人の患者;0.5mg/kg投与量のCTLA4Ig
群3:32人の患者;2.0mg/kg投与量のCTLA4Ig
群4:32人の患者;10.0mg/kg投与量のCTLA4Ig
群5:32人の患者;0.5mg/kg投与量のL104EA29YIg
群6:29人の患者;2.0mg/kg投与量のL104EA29YIg
群7:31人の患者;10.0mg/kg投与量のL104EA29YIg
すべての注入は、1時間以上かけて静脈内に投与した(図1〜17)。すべての患者は、研究の薬物投与のうち、少なくとも一つの注入を受けた。
群1:32人の患者、CTLA4IgまたはL104EA29YIgに適合しているプラセボ
群2:26人の患者;0.5mg/kg投与量のCTLA4Ig
群3:32人の患者;2.0mg/kg投与量のCTLA4Ig
群4:32人の患者;10.0mg/kg投与量のCTLA4Ig
群5:32人の患者;0.5mg/kg投与量のL104EA29YIg
群6:29人の患者;2.0mg/kg投与量のL104EA29YIg
群7:31人の患者;10.0mg/kg投与量のL104EA29YIg
臨床モニタリング
患者をいずれかの注入を受ける前に疾患活動性の基準の症状を評価した。これらの基準の評価は、膨張関節、圧痛関節、炎症、朝のこわばり、患者および医師ならびに健康アンケート評価(HAQ)によって評価される身体障害(図1C内の身体的機能のスコアとして報告される)によって評価される疾患活動性、および痛みを含む(図1A〜1D)。さらに、基準評価は、C反応性蛋白質(CRP)および可溶性IL−2レセプター(IL−2r)の赤血球沈降速度(ESR)、および血清レベルを含んだ(図1Cおよび1D)。
患者をいずれかの注入を受ける前に疾患活動性の基準の症状を評価した。これらの基準の評価は、膨張関節、圧痛関節、炎症、朝のこわばり、患者および医師ならびに健康アンケート評価(HAQ)によって評価される身体障害(図1C内の身体的機能のスコアとして報告される)によって評価される疾患活動性、および痛みを含む(図1A〜1D)。さらに、基準評価は、C反応性蛋白質(CRP)および可溶性IL−2レセプター(IL−2r)の赤血球沈降速度(ESR)、および血清レベルを含んだ(図1Cおよび1D)。
臨床応答研究は、米国リウマチ学会(ACR)で評価される基準に基づいた。圧痛および膨張関節数において、20%の改善があり、患者および医師の広範囲の疾患の変化、痛み、身体障害、および急性期反応物質(フェルソンの文献:1993 Arthritis and Rheumatism 36:729-740;フェルソンの文献:1995 Arthritis and Rheumatism 38:1-9)のような測定される残存症状の5分の3において、20%の改善があるなら、患者はACR20基準を満たした。同様に、圧痛および膨張関節数のそれぞれに50または70%の改善があり、患者および医師の広範囲の疾患の変化、痛み、身体障害、および例えば、CRPまたはESRのような急性期反応物質等の測定した残存症状の5分の3において、それぞれ50または70%の改善があるなら、患者は、ACR50またはACR70基準を満たした。
バイオマーカー
疾患活動性の可能なバイオマーカー(リウマチ因子、CRP、ESR、可溶性IL−2R、可溶性ICAM−1、可溶性E−セレクチン、およびMMP−3)も評価した。酵素免疫アッセイ(EIA)で立証した方法は、IL−2sRα、sICAM−1、sE−セレクチンおよびMMP−3の血清濃度を決定するために使用した。必要なら、TNFαおよびIL−6は、注入の前および2時間後で評価した。
疾患活動性の可能なバイオマーカー(リウマチ因子、CRP、ESR、可溶性IL−2R、可溶性ICAM−1、可溶性E−セレクチン、およびMMP−3)も評価した。酵素免疫アッセイ(EIA)で立証した方法は、IL−2sRα、sICAM−1、sE−セレクチンおよびMMP−3の血清濃度を決定するために使用した。必要なら、TNFαおよびIL−6は、注入の前および2時間後で評価した。
IL−2sRα、sICAM−1、およびsE−セレクチンは、R&Dシステムズ社(ミネアポリス、MN)から市販品として入手可能な比色EIAキットを用いて測定した。定量の上限および下限は、それぞれ312〜20000pg/mL、40〜907ng/mLおよび10〜206ng/mLであった。アッセイ間の変動係数の範囲は、それぞれ4.48〜8.4%、3.8〜5.0%および5.5〜9.0%であった。キット製造業者によれば、通常の血清値は、それぞれ676〜2132pg/mLの範囲であった。
MMP−3は、アメルシャムファルマシアバイオテック社(ピスカタウェイ、NJ)からの市販品として入手可能な比色EIAキットを用いて測定した。定量の下限および上限は、30〜7680ng/mLであった。アッセイ間の変動係数は、6.3〜10.6%の範囲であった。キット製造業者によれば、通常の血清値は、28〜99ng/mLの範囲であった。
IL−6およびTNFαは、R&Dシステムズ社(ミネアポリス、MN)からの市販品として入手可能な化学発光EIAキットを用いて測定した。定量の下限および上限は、それぞれ0.3〜3000pg/mLおよび0.7〜7000pg/mLであった。アッセイ間の変動係数は、それぞれ3.1〜5.7%および6.4〜20.7%の範囲であった。キット製造業者によれば、通常の血清値は、<0.3〜12pg/mLおよび<0.7〜7.5pg/mLの範囲であった。
抗体試験
血清サンプルは、1日目の投与前、およびおよそ15、29、57、85および169日に薬物特異的抗体の評価を得た。分子の免疫グロブリン(Ig)部分を対象とする既存の滴定濃度が高いために、Ig定常領域の無いCTLA4IgおよびL104EA29YIGに対する特異的な抗体形成も評価した。
血清サンプルは、1日目の投与前、およびおよそ15、29、57、85および169日に薬物特異的抗体の評価を得た。分子の免疫グロブリン(Ig)部分を対象とする既存の滴定濃度が高いために、Ig定常領域の無いCTLA4IgおよびL104EA29YIGに対する特異的な抗体形成も評価した。
96ウェルのイムロンII ELISAプレート(ダイネックス社、チャンティリー、ヴァージニア州)は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、それぞれ2、4、2、または1μg/mlのCTLA4Ig、Ig定常領域を含まないCTLA4Ig、L104EA29YIG、またはIg定常領域を含まないL104EA29YIGでコーティングし、2〜8℃で終夜インキュベートした。該プレートは、0.05%のTween20を含むPBSで洗浄し、1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBSで、37℃にて1時間遮断した。次いで、該プレートを洗浄し、試験血清または品質管理(QC)血清の連続希釈法を適当なウェルに加え、37℃で2時間インキュベートした。血清は、1:10の希釈比で開始する0.25%のBSAを含むPBSおよび0.05%のTween20で3倍に希釈した。プレートを洗浄し、アルカリ性リン酸共役ヤギ抗ヒトκおよびλ(サザンバイオテクノロジーアソシエイツ社、バーミンガム、アラバマ州)抗体カクテルを加えた。37℃で1時間インキュベーションに続いて、該プレートを洗浄し、ジエタノールアミン緩衝液中、1mg/mlのパラ−ニトロフェニルリン酸を各ウェルに加えた。25℃で30分後、該反応を3NのNaOHで停止し、吸収(二波長:405nmおよび550nm)を記録した。結果は、終点滴定濃度(EPT)で表し、平均のプレートバックグラウンド吸収より5倍大きいか、等しい吸収測定値を生じる高希釈溶液の逆数と定義した。プレートのバックグラウンドは、血清非存在下で、記録された吸収測定値として定量した。もし、それらが少なくとも二つの連続希釈法(9倍)または前投与のEPT値と比較して大きいなら、値は、セロコンバージョンに対して正であるとみなした。CTLA4IgまたはL104EA29YIGのどちらかに特異的な抗体に対して、陽性である血清QCサンプルは、免疫化されたサルから生じた。適当なQCサンプルのアリコートは、各解析中ずっとアッセイした。解析の実施は、QCサンプルがアッセイ許容基準内にあるときのみ許容された。
結果
CTLA4IgおよびL104EA29YIgは、すべての投与量レベルで、おおむね血行動態が安定していた。注入周囲の有害反応は、頭痛を除く、すべての投与量群を通して同様であった。85日での患者の頭痛応答は、0.5、2.0、および10.0mg/kgで、それぞれCTLA4Ig処置した患者の23%、44%、および53%、ならびにL104EA29YIg処置した患者の34%、45%、および61%の投与依存性が増加した。対照的に、プラセボを投与した患者の31%は、頭痛を経験した。
CTLA4IgおよびL104EA29YIgは、すべての投与量レベルで、おおむね血行動態が安定していた。注入周囲の有害反応は、頭痛を除く、すべての投与量群を通して同様であった。85日での患者の頭痛応答は、0.5、2.0、および10.0mg/kgで、それぞれCTLA4Ig処置した患者の23%、44%、および53%、ならびにL104EA29YIg処置した患者の34%、45%、および61%の投与依存性が増加した。対照的に、プラセボを投与した患者の31%は、頭痛を経験した。
関節性紅斑および他の有害反応のために臨床研究を中止した患者のパーセントを図2にまとめた。プラセボにおける患者のかなり高いパーセントは、関節性紅斑のために治療を中止した。該CTLA4Ig処置した患者は、増加する投与量より低い投与量で治療を中止した。L104EA29YIgで処置した患者は、ほとんど治療を中止しなかった。これらの結果は、CTLA4Igに対するかなり反対の投与依存性応答、およびL104EA29YIg治療でのより強い治療応答を示す。
85日でのCTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボで処置した患者のACR−20、50、および70応答を図3Aにまとめた。同様に、図3BおよびCは、95%信頼限界でのACR−20応答を記載する。該応答は、患者の体重あたり10mg/kgで、明らかに重要な応答を持つ投与依存性であることがわかる。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボでの治療に対して、応答を示さない患者と膨張および圧痛関節数が減少してきた患者を比較したパーセントを図4AおよびBに示す。該治療応答は、明らかに投与依存性である。患者のより多くの割合は、両方の生成物について、2および10mg/kgの群で20、50、70、およびさらに100%の改善を示す。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボでの平均スコア群を患者および医師によって評価した痛みを軽減してきた患者、疾患活動性のパーセントを図5A、B、C、およびDに示す。ライカートスケールによってモニターするとき、治療応答は、85日でのプラセボと比較するとき、活性のある治療群を支持して投与依存性であることが明らかである。該ライカートスケールは、症状(関節リウマチの臨床試験のための疾患活動性の測定の米国リウマチ学会機関誌コアセット:Arthritis and Rheumatism, June 1993, 36(6):729-740)のランクに対する形容詞を用いて確認された口頭式評価スケールである。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボでの処置から生じる少なくとも2ユニットによる基準からの疾患活動性変化の患者および医師の評価を図6AおよびBで示す。応答は、活性薬物のより高い投与量に対する著しい改善を有する明らかに投与依存性である。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボで処置された患者のC反応性蛋白質(CRP)レベルのパーセントの減少を図7AおよびBに示す。該応答は、2および10mg/kgで活性な治療群に対して、明らかな減少を伴う投与依存性であることが明らかである。さらに、図7Bは、95%信頼区間でプラセボと比較する差がかなり重要であることを示した。図7Cは、85日での基準からの血清レベル変化での変化を示す。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボで処置した患者の血清の可溶性IL−2レセプターの量は、図8に示す。可溶性IL−2レセプターレベルの減少は、投与依存性であることが明らかである。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボで処置した患者の血清の可溶性ICAM−1および可溶性E−セレクチンの量を図33に示す。可溶性のICAM−1および可溶性のE−セレクチンレベルの減少は、投与依存性であることが明らかである。
経時的なCTLA4Igまたはプラセボで処置した患者の圧痛関節数の中央値および平均値を図9AおよびBに示す。基準からの変化(例えば、圧痛関節の減少)は、プラセボまたは0.5mg/kg群より、2および10mg/kgで処置した群において、重要であることが明らかである。
経時的なCTLA4Igまたはプラセボで処置した患者の膨張関節数の中央値および平均値を図10AおよびBに示す。基準からの変化(例えば、膨張関節の減少)は、プラセボまたは0.5mg/kg群より2および10mg/kgで処置した群の方が重要であることが明らかである。
CTLA4Igまたはプラセボで処置した患者の経時的な痛みの評価スコアの平均値を図11に示す。基準からの変化(例えば、痛みの減少)は、プラセボまたは0.5mg/kgの群より2および10mg/kgで処置した群の方が重要であることが明らかである。
CTLA4Igまたはプラセボで処置した患者において、経時的に患者または医師によって評価された疾患活動性の評価スコアの平均値を図12AおよびBに示す。基準からの変化(例えば、疾患活動性の減少)は、プラセボまたは0.5mg/kg群より2および10mg/kgで処置した群の方がより重要であることが明らかである。
L104EA29YIg(図中のLEAを意味する)またはプラセボで処置した患者の圧痛関節数の中央値および平均値を図13AおよびBに経時的に示す。基準からの変化(例えば、圧痛関節の減少)は、投与依存性であることが明らかである。
L104EA29YIg(図中のLEAを意味する)またはプラセボで処置した患者の膨張関節数の中央値および平均値を経時的に図14AおよびBに示す。基準からの変化(例えば、膨張関節の減少)は、プラセボまたは0.5mg/kg群より2および10mg/kgで処置した群の方が重要であることが明らかである。
L104EA29YIg(図中のLEAを意味する)またはプラセボで処置した患者の痛みの評価スコアの平均値を経時的に図15に示す。基準からの変化(例えば、痛みの減少)は、投与依存性であることが明らかである。
L104EA29YIg(図中のLEAを意味する)またはプラセボで処置した患者において、患者または医師によって評価された疾患活動性の評価スコアの平均値を経時的に図16AおよびBに示す。基準からの変化(例えば、疾患活動性の減少)は、投与依存性であることが明らかである。
CTLA4Ig、L104EA29YIg、またはプラセボで処置した患者において、85日でのHAQによって評価された身体障害の割合の改善を図17(健康評価アンケート(HAQ);フリースの文献:1982 J. of Rheumatology 9:789-793)に示す。このパラメーターによって、明らかに投与依存性の改善がある。
可溶性IL−2rおよびC反応性蛋白質レベルのための基準からの変化は、両方の治療群において、投与依存性であった。治療後、可溶性IL−2rレベルは、プラセボの+3%と比較すると、0.5、2.0、および10.0mg/kgにおいて、それぞれCTLA4Igでは、−2%、−10%、および−22%であり、L104EA29YIgでは−4%、−18%、および−32%であった。C反応性蛋白質レベルは、プラセボに対して+20%を比較すると、0.5、2.0、および10.0mg/kgにおいて、それぞれCTLA4Igに対して、+12%、−15%、および−32%であり、L104EA29YIgに対して、+47%、−33%、および−47%であった(図7A)。
定期的な血液検査、高用量での両方の薬剤でIgAおよびIgGレベルの僅かな抑制を除いて試験する化学的検査、身体所見、または生命徴候の評価に関する臨床的に顕著な結果は、全く観察されなかった。特に、薬物治療は、薬剤特異的な抗体を誘導しなかった。
実施例4
以下の実施例は、確認されたX線撮影スケールを用いる骨または関節の浸食を含む、構造損傷の減少または予防するために、L104EA29YIgを投与するヒト患者のフェーズII臨床研究を記載する。構造損傷の減少または予防の改善は、臨床パラメーターによって測定された臨床的改善に沿っている。
以下の実施例は、確認されたX線撮影スケールを用いる骨または関節の浸食を含む、構造損傷の減少または予防するために、L104EA29YIgを投与するヒト患者のフェーズII臨床研究を記載する。構造損傷の減少または予防の改善は、臨床パラメーターによって測定された臨床的改善に沿っている。
骨構造の状態は、CTLA4IgまたはL104EA29YIgの治療の前にヒト患者の何人かにおいて、モニターされる。これらの患者は、それらの長期にわたる治療改善を維持するため、慢性的に2〜12週間ごと(単独または他の薬剤と併用)に0.5〜20mg/kgのCTLA4IgまたはL104EA29YIgを投与した。患者の手および足のX線写真は、FDAガイドラインによって推奨されるとおり、所定の間隔である6ヶ月次いで毎年撮影された。CTLA4IgまたはL104EA29YIgの治療が、骨の老化の進行を減少するなら、これらの患者は、測定するために6および12ヶ月後の長期間、次いで、毎年モニターする。該患者は、当該技術分野における標準的な技術(ラーセンの文献:1977 Acta. Radiol. Diag. 18:481-491;シャープの文献:1985 Arthritis and Rheumatism 28:1326-1335)による、X線および/または磁気共鳴画像(MRI)を含むX線撮影法によってモニターする。X線撮影データの結果は、関節空間の狭窄を伴う骨の老化および軟骨損傷の遅延および/または新規な老化の予防を含む、構造損傷の予防のために評価した。
実施例5
メトトレキサートを受けながら、活動性の関節リウマチの患者の静脈内に投与するCTLA4Igの二つの異なる投与量での安全性および臨床有効性を評価するための研究
関節リウマチ(RA)治療は、有効性およびより高い成功率のより大きな上昇を達成するため、挑戦的な治療を使用するためにさらなる意欲を持って、急激に変化している。最終的なゴールは、治療および許容される安全性を持つ有利さを維持するために、主要で完全な臨床応答の速度を上げることによって、より集中的な方法で患者の症状を改善することである。
メトトレキサートを受けながら、活動性の関節リウマチの患者の静脈内に投与するCTLA4Igの二つの異なる投与量での安全性および臨床有効性を評価するための研究
関節リウマチ(RA)治療は、有効性およびより高い成功率のより大きな上昇を達成するため、挑戦的な治療を使用するためにさらなる意欲を持って、急激に変化している。最終的なゴールは、治療および許容される安全性を持つ有利さを維持するために、主要で完全な臨床応答の速度を上げることによって、より集中的な方法で患者の症状を改善することである。
メトトレキサートは、RA治療に依然として不可欠である。RAを治療するために用いる古典的なDMARD(例えば、金、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン)と比較すると作用初期の開始、優れた有効性および耐用性が実証された最初の薬剤であった。臨床的な利点は、早ければ治療開始から3週間後に見られ、最大限の改善は、一般的に6ヶ月までに達成される。しかしながら、メトトレキサートは、多くの制限がある。例えば、その増加する耐用性に関わらず、有効性および肝毒性の範囲がかなり狭い。メトトレキサートで処置される患者は、注意深いモニタリングが必要であって、許容されない毒性がしばしば治療の中止の理由となる。
メトトレキサートは、疾患の進行または関節の老化を有効にコントロールすることも明らかではない。ある患者において、医師は、増加する毒性リスクにもかかわらず、有効性が上昇する願いを持ち、2回目のDMARDを加えることを強いるように感じる。別法として、サイトカイン炎症カスケードの上流にある自己免疫機構を標的とするメトトレキサートおよび共刺激遮断薬(例えば、CTLA4IgのようなCD80およびCD86遮断薬)を用いる共治療も、有効性を上昇しうる。
上記の実施例3に記載するとおり、疾患活動性の代用マーカーにおいて、重要な臨床応答および減退は、良い耐用性プロファイルを持つ2および10mg/kgの投与量で、CTLA4Igにおいて観察された。上記の実施例3で用いたCTLA4Igの組成物は、全く副作用を誘導しない事も確認した。結果として、フェーズIIBで、関節リウマチのためのCTLA4Igの臨床開発を継続することを決定した。
下記は、メトトレキサートで可溶性のCTLA4分子を投与する、ヒト患者のフェーズIIB臨床研究の説明および6ヶ月後の研究結果を提供した。
この実施例は、主要な有効性が6ヶ月の治療を完了後、または治療を中止したすべての患者を評価した12ヶ月の研究を記載する。有効性、安全性、および疾患の進行も、研究の継続時間を通して評価した。
該研究は、任意抽出、二重盲検法、プラセボコントロール、パラレル投与量デザインを用いた。該研究は、CTLA4Igの二つの投与量:2または10mg/kgの安全性、臨床活動性、免疫原生および薬物動態を評価するために設計した。活動性のRAを持ち、メトトレキサートを受ける合計約330人の患者の3人に1人を任意抽出して、投薬治療群:2mg/kg(N=110)、10mg/kg(N=110)のCTLA4Igおよびプラセボコントロール群(N=110)に、12ヶ月間、1月に1回の注入を行った。すべての群は、毎週、メトトレキサートの治療(毎週10〜30mg)(図57〜62)を継続した。
CTLA4Igまたはプラセボは、15日目も投与した。研究での薬物投与の各投与量を約30分以上かけて静脈内に投与した。主要な有効性の終点は、6ヶ月後のACR20の応答率であった。
最初の6ヶ月間、患者は、コルチコステロイド、グルココルチコイドまたはNSAIDのそれらの投与量を変更することはしなかった。メトトレキサートの増加も、最初の6ヶ月間は認めなかった。メトトレキサートの減少は、毒性を引き起こすことが考えられたときのみ認めた。患者は、少なくとも6ヶ月間、およびCTLA4Igまたはプラセボの最初の治療前の28日間は、不変の投与量でメトトレキサートを処置した。メトトレキサート以外のDMARDは、認めなかった。低投与量の安定なコルチコステロイドの使用(毎日10mgまたはそれ以下で)および/またはアセチルサリチル酸(ASA)を含む安定な非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用を許容した。ASAまたはNSAIDを含まない鎮痛薬は、基準および研究の投薬によって、正確にコントロールできない痛みを経験する患者には、関節を評価する前の12時間を除いて認めた。NSAIDの減少は、消化管毒性のような有害反応のためにのみ認めた。
治療の試験生成物、投与量および投与様式、持続時間
2mg/kgまたは10mg/kgでのCTLA4Igを、最初の1ヶ月間は2週間ごとに、その後12ヶ月間は1月に1度注入した。すべての患者は、任意抽出の前の少なくとも6ヶ月間、毎週メトトレキサート(10〜30mg)の投与を受け、試験の最初の6ヶ月間は登録投与量で維持した。投与量は、最初の6ヶ月間、毒性のためにのみ減らすことがあり得る。
2mg/kgまたは10mg/kgでのCTLA4Igを、最初の1ヶ月間は2週間ごとに、その後12ヶ月間は1月に1度注入した。すべての患者は、任意抽出の前の少なくとも6ヶ月間、毎週メトトレキサート(10〜30mg)の投与を受け、試験の最初の6ヶ月間は登録投与量で維持した。投与量は、最初の6ヶ月間、毒性のためにのみ減らすことがあり得る。
評価のための基準
研究の最初の段階での主要評価項目は、180日(6ヶ月)での20%改善(ACR20)における米国リウマチ学会の基準を満たす患者の比率であった。改善のACR20の定義は、圧痛および膨張関節数、および以下の5個のコアセットの測定:痛みについて患者の包括的な評価、疾患活動性について患者の包括的な評価、疾患活動性について医師の包括的な評価、身体機能について患者の評価および急性期反応物質値(C反応性蛋白質(CRP))のうち3個において、基準から20%改善することである。50%改善(ACR50)および70%改善(ACR70)に対する評価は、以下同様である。有効性(すなわち、RAの悪化)の欠如のために研究を中止した患者は、その時点から、ACR非回答者としてみなした。他の理由で脱落したすべての患者について、中止した時点でのACRの回答は、繰り越した。
研究の最初の段階での主要評価項目は、180日(6ヶ月)での20%改善(ACR20)における米国リウマチ学会の基準を満たす患者の比率であった。改善のACR20の定義は、圧痛および膨張関節数、および以下の5個のコアセットの測定:痛みについて患者の包括的な評価、疾患活動性について患者の包括的な評価、疾患活動性について医師の包括的な評価、身体機能について患者の評価および急性期反応物質値(C反応性蛋白質(CRP))のうち3個において、基準から20%改善することである。50%改善(ACR50)および70%改善(ACR70)に対する評価は、以下同様である。有効性(すなわち、RAの悪化)の欠如のために研究を中止した患者は、その時点から、ACR非回答者としてみなした。他の理由で脱落したすべての患者について、中止した時点でのACRの回答は、繰り越した。
統計的方法
CTLA4Ig(2mg/kgおよび10mg/kg)の二つの投与量をプラセボコントロール群と比較した。すべての患者は、メトトレキサートと同一の不変の接種量で維持した。主要な解析は、プラセボとCTLA4Igの10mg/kgの比較であった。サンプルサイズは、有意性の5%レベル(両側)に基づいた。発表された研究に基づいて、6ヶ月でのプラセボにメトトレキサートを加えたコントロールのACR20応答速度は、約25%であった。治療群あたり107人の患者(見込まれる15%の脱落を調整した)のサンプルは、5%レベル(両側)で、25%の差を検出する94%検出力を得るために測定した。同様に、該サンプルは、ACR50およびACR70において、それぞれ20%および14%の差を検出するために、95%および90%検出力を得るために測定した。10mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボとの比較が、ACR20に関して重要であるなら、CTLA4Igの2mg/kgおよびプラセボの比較を実施した。この2番目の試験は、88%検出力であった。カイ二乗検定に基づいたこの連続した拒否的な手順は、ACR50およびACR70応答における差を試験するためにも使用した。
CTLA4Ig(2mg/kgおよび10mg/kg)の二つの投与量をプラセボコントロール群と比較した。すべての患者は、メトトレキサートと同一の不変の接種量で維持した。主要な解析は、プラセボとCTLA4Igの10mg/kgの比較であった。サンプルサイズは、有意性の5%レベル(両側)に基づいた。発表された研究に基づいて、6ヶ月でのプラセボにメトトレキサートを加えたコントロールのACR20応答速度は、約25%であった。治療群あたり107人の患者(見込まれる15%の脱落を調整した)のサンプルは、5%レベル(両側)で、25%の差を検出する94%検出力を得るために測定した。同様に、該サンプルは、ACR50およびACR70において、それぞれ20%および14%の差を検出するために、95%および90%検出力を得るために測定した。10mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボとの比較が、ACR20に関して重要であるなら、CTLA4Igの2mg/kgおよびプラセボの比較を実施した。この2番目の試験は、88%検出力であった。カイ二乗検定に基づいたこの連続した拒否的な手順は、ACR50およびACR70応答における差を試験するためにも使用した。
すべての有効な解析は、研究の薬物投与のうち、少なくとも一つの投与量を受けたすべての患者から入手可能な評価を含むデータ集に基づいた。基準からのパーセントの変化は、ACRの個別の要素に対しても報告した。中止した患者の最後の観察は、繰り越した。
結果
人口統計および基準特性
人口統計および基準の臨床的特徴は、治療群との間で同様であった。患者の63〜75%は女性であり、87%が白人であった。参加者の疾患の平均継続時間は、10、2mg/kgおよびコントロール群において、それぞれ9.7±9.8、9.7±8.1、および8.9±8.3年であった。kgでの平均重量は、40.1〜186.8kgの範囲で、77.8および79.9kgとかなり似ていた(表III)。
人口統計および基準特性
6ヶ月後、活性な治療群;10および2mg/kgで処置した群のそれぞれ13.9%および21.9%よりもコントロール群(35.5%)の方が中止した患者が多かった。主な理由は、有効性の不足:2および10mg/kgの群において、それぞれ12.4%および10.4%が中止したのに対して、コントロール群で24.3%が中止した。有害反応のための中止率は、2mg/kgおよびコントロール群はそれぞれ6.7%および5.9%であるが、10mg/kg群では、1.7%と低かった。
最初の3〜4ヶ月間、中止は、活性な治療群と比較したコントロール群において、より早い速度で現れた。120日後、すべての治療群の中止は、最初の治療期間(6ヶ月)の持続時間を安定化した。
ACR応答およびコア構成要素
メトトレキサートコントロール群に対して、6ヶ月での10mg/kgの治療群において、ACR20、50、および70の応答率の改善は、統計的に重要であった(図34〜38、40)。2mg/kgの群において、ACR50およびACR70の改善も、統計的に重要であった。2mg/kg群およびコントロール群とACR20の応答の差は、6.6%であった。この差は、p=0.31で、統計的には重要ではなかった(表5、図49)。
図34〜37は、1日〜180日でのACR応答率を示す。図38および40は、種々の治療群において、180日でのACR20、50および70の応答率を示す。ACR50およびACR70の応答率は、最大の有効性が10mg/kgで達成されなかった可能性を示唆した。
図39は、メトトレキサート単独またはCTLA4Ig(2または10mg/kg患者の体重で投与した)の併用治療後、研究180日での新しい圧痛および膨張関節の比率を示す。
図46は、HAQによって測定された基準からの身体機能の改善の平均パーセントを示す。
健康関連QOL
健康関連QOL(HRQOL)において、CTLA4Igの効果を医学アウトカム研究ショートフォーム−36(SF−36)によって測定した。SF−36は、90および180日での基準において、すべての患者に投与した。該SF−36は、8個の領域(身体機能、身体の役割、身体の痛み、一般健康、活力、社会機能、感情の役割、および心の健康)に及ぶ36個の項目からなる。これらの個別の領域は、身体および心の要素の概要を0〜100の範囲のスコアに誘導するために使用され、より高いスコアがより良い生活の質を示す。SF−36のスコアにおいて、5またはそれ以上の絶対的な差は、臨床的に意義があるとみなした。
健康関連QOL(HRQOL)において、CTLA4Igの効果を医学アウトカム研究ショートフォーム−36(SF−36)によって測定した。SF−36は、90および180日での基準において、すべての患者に投与した。該SF−36は、8個の領域(身体機能、身体の役割、身体の痛み、一般健康、活力、社会機能、感情の役割、および心の健康)に及ぶ36個の項目からなる。これらの個別の領域は、身体および心の要素の概要を0〜100の範囲のスコアに誘導するために使用され、より高いスコアがより良い生活の質を示す。SF−36のスコアにおいて、5またはそれ以上の絶対的な差は、臨床的に意義があるとみなした。
プラセボで処置した患者と比較すると、CTLA4Igの10mg/kg群の患者は、SF−36のすべて8個の領域において、統計的に重要なより大きな改善も経験した(図50〜51)。CTLA4Igの2mg/kgで処置した患者において、改善は、プラセボで処置したヒトよりも大きかったが、有意差は、統計的にあまりなかった(図50〜51)。
基準のSF−36のスコアは、3つの治療群で比較した。生活の質において、改善は、治療6ヶ月後に明らかな投与依存傾向を示す。CTLA4Igの10mg/kgの治療群の患者は、SF−36のすべて8個の領域において、臨床的および統計的に重要な改善を示した。最大の効果は、身体の役割、身体の痛み、および感情の役割の領域に示された。この陽性結果は、有効性の結果と一致した。CTLA4Igの2mg/kgで処置した患者において、基準からの改善は、メンタルヘルスを除く、すべてのドメインに対して、統計的にも重要であった。
薬物動態
CTLA4Igの薬物動態は、60および90日までの投与日の時間データに対する血清濃度に由来した。サンプルは、60日の投与前、67、74、81日の投与後、0.5および4時間、および90日の投与前に採取した。予備データは、CmaxおよびAUC値の両方が投与量の増分に相当する割合が上昇することを示す。1:5の比で上昇するごく僅かの投与量において、CmaxおよびAUC値の両方が、それぞれ1:5.04および1:4.92の比で増加した。T−HALF、CLT、およびVss値は、同等であり、投与依存性であることが明らかである。
平均Vss値は、両方の投与量レベルで、0.07L/kgであって、血漿量のおよそ1.6倍であった。
CRPレベルは、コントロール群以上にCTLA4Igで処置した群の両方において、10mg/kgの投与量群(参照、図47、48および52)で観察された減少よりも大きく、基準から減少した。
リウマチ因子レベルは、コントロール群以上にCTLA4Igで処置した群の両方において、10mg/kgの投与量群(参照、図53)で観察された減少よりも大きく、基準から減少した。
可溶性のIL−2rレベルは、コントロール群以上にCTLA4Igで処置した群の両方において、10mg/kgの投与量群(参照、図54)で観察された減少よりも大きく、基準から減少した。
血清IL−6レベルは、コントロール群(参照、図55)以上にCTLA4Igで処置した群の両方より減少した。
血清TNFαレベルでのCTLA4Igの効果は、決定的ではなかった。コントロール群(参照、図56)に対して、2mg/kg群は上昇し、10mg/kg群は減少した。
安全性
CTLA4Igは、すべての投与量で充分耐容性を示した。CTLA4Igを受けた患者のいずれかにおいて、死亡、悪性または日和見感染は全くなかった。重度の有害反応(SAE)および重度でない有害反応(NSAE)は、コントロール群と比較する活性な治療群において、同様または頻度が低かった。
CTLA4Igは、すべての投与量で充分耐容性を示した。CTLA4Igを受けた患者のいずれかにおいて、死亡、悪性または日和見感染は全くなかった。重度の有害反応(SAE)および重度でない有害反応(NSAE)は、コントロール群と比較する活性な治療群において、同様または頻度が低かった。
10mg/kg群において、コントロール群に比べて有害反応のために中止した患者は、ほとんどいなかった(それぞれ、1.7%:5.9%)。2mg/kgにおいて、有害反応のための中止は、コントロール群と同様であった(それぞれ、6.7%:5.9%)。SAEsは、有害反応のための中止と同様の形式となった。
10mg/kgの投与量群において、該研究医薬品と関係すると考えられる重度の有害反応はなかった。
免疫原生
抗薬剤の抗体応答は、CTLA4Igの両方の投与量レベルで、180日を通して、検出されなかった。
抗薬剤の抗体応答は、CTLA4Igの両方の投与量レベルで、180日を通して、検出されなかった。
CTLA4Igは、ACR応答基準によって評価されるとき、メトトレキサートを受ける患者で、関節リウマチの徴候および症状を充分減少した。CTLA4Igの効果は、投与量レベルに比例して上昇することがわかる。すべてのACRコア要素において、基準からの改善は、2mg/kg群より10mg/kg群の方が高い。10mg/kgの投与量のCTLA4Igは、SF−36のすべて8個の領域で、臨床的および統計的に十分改善していることを示した。評価したすべての薬物動態バイオマーカーは、TNFαを除いて、CTLA4Igの投与量レベルと比例して減少していることがわかった。CTLA4Igは、メトトレキサートを受けている関節リウマチ患者に安全で充分耐容性があった。両方のCTLA4Ig投与量における有害反応プロファイルは、コントロール群と同様であった。
実施例6
CTLA4Igを活動性のある関節リウマチ患者にエタネルセプトと組み合わせて、毎月与える共刺激遮断薬の研究
以下の実施例は、活動性のある関節リウマチ患者を治療するためにエタネルセプトと組み合わせるCTLA4Ig投与の説明を与える。
CTLA4Igを活動性のある関節リウマチ患者にエタネルセプトと組み合わせて、毎月与える共刺激遮断薬の研究
以下の実施例は、活動性のある関節リウマチ患者を治療するためにエタネルセプトと組み合わせるCTLA4Ig投与の説明を与える。
インフリキシマブと共に用いるエタネルセプトは、腫瘍壊死因子(TNF)を標的とする関節リウマチ薬の新世代を含む。エタネルセプトは、ヒト免疫グロブリン(IgG1)のFc部分に結合するTNFレセプターの細胞外部分を有する二量化融合蛋白質である。TNFと結合するこの融合蛋白質は、細胞表面TNFレセプターとのその相互作用を遮断し、生物学的に不活性なTNF分子にさせる。
この実施例は、6ヶ月の治療を完了したか、または治療を中止したすべての患者の後の有効性を評価した12ヶ月の研究を記載する。有効性、安全性および疾患の進行も、研究継続期間中ずっと評価した。
該研究は、無作為、二重盲検、プラセボコントロール、平行した投与設計を用いた。活動性のRAがあり、エタネルセプト(25mgを1週間に2回)を受けているおよそ141人の患者の合計は、2個の投与量群のうち1個に任意抽出した:1)2mg/kg(n=94)でCTLA4Ig+エタネルセプトを受けている群または2)エタネルセプトのみを受けているプラセボ群(n=47)。
試験生成物、投与量および投与様式、治療の継続時間
すべての患者は、治療前の少なくとも3ヶ月間、エタネルセプト(25mgを1週間に2回)を受けた。
すべての患者は、治療前の少なくとも3ヶ月間、エタネルセプト(25mgを1週間に2回)を受けた。
CTLA4Igの注入は、1、15、30日目、その後、毎月6ヶ月間(初期治療相)与えた。研究の薬物治療の各投与量を約30分間、静脈内に注入した。
研究の初期治療相は、治療の最初の6ヶ月間行われた。この期間、患者は、エタネルセプト(25mgを毎週2回)の安定な投与量でとどめる必要があった。エタネルセプト以外のDMARDを認めなかった。アセチルサリチル酸(ASA)を含む、低用量の安定なコルチコステロイド(10mgを毎日またはそれ以下)および/または安定な非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用は、認めた。。鎮痛薬(ASAまたはNSAIDを含まない)は、関節の評価前の12時間を除いて、基準線および研究の薬物治療によって正確にコントロールされなかった痛みを経験する患者には認めた。
評価のための基準
この研究の主要評価項目は、6ヶ月後の20%の改善(ACR20)のための改良した米国リウマチ学会(ACR)基準を満たす患者の比率に関するデータを収集した。改良したACR20の基準は、この研究の患者分布において、低いCRPレベルに適応するために使用した。改良したACR基準は、1)圧痛および膨張関節数の20%の改善より大きい、2)残りの4個のコアデータ(広範囲の痛み、医師、患者、機能評価)の集合の測定のうち2つにおいて、20%の改善より大きいと定義した。一般的に、標準ACRコアデータ集合の一部分であるCRPは、エタネルセプトのようなTNF遮断薬を用いる患者において、低レベルのCRPのために改良したACR基準に含まれなかった。標準のACR基準、および二つの別の基準(SF−36の肉体の健康およびSF−36の精神の健康)も、二次的な指標として評価した。
この研究の主要評価項目は、6ヶ月後の20%の改善(ACR20)のための改良した米国リウマチ学会(ACR)基準を満たす患者の比率に関するデータを収集した。改良したACR20の基準は、この研究の患者分布において、低いCRPレベルに適応するために使用した。改良したACR基準は、1)圧痛および膨張関節数の20%の改善より大きい、2)残りの4個のコアデータ(広範囲の痛み、医師、患者、機能評価)の集合の測定のうち2つにおいて、20%の改善より大きいと定義した。一般的に、標準ACRコアデータ集合の一部分であるCRPは、エタネルセプトのようなTNF遮断薬を用いる患者において、低レベルのCRPのために改良したACR基準に含まれなかった。標準のACR基準、および二つの別の基準(SF−36の肉体の健康およびSF−36の精神の健康)も、二次的な指標として評価した。
統計的な方法
CTLA4Igの2mg/kgとエタネルセプトを組み合わせた患者の治療群は、プラセボ+エタネルセプトで処置したコントロール群と比較した。同様の患者分布でのエタネルセプトを用いた以前の研究に基づいて、6ヶ月での改良したACR20応答率(評価のために改良した基準)は、コントロール群の35%であることが推測された。これが、エタネルセプト治療に対して、正確に応答しなかった患者間で期待された応答率であった。2:1の無作為化を用いて、141人(10%の脱落者が見込まれるために調整した)の患者(47人のコントロール/94人のCTLA4Ig)サンプルは、有意性の5%レベルで30%の差を検出するための90%検出力を得る(連続修正のための調整しないカイ二乗検定に基づく、両側であった)。
CTLA4Igの2mg/kgとエタネルセプトを組み合わせた患者の治療群は、プラセボ+エタネルセプトで処置したコントロール群と比較した。同様の患者分布でのエタネルセプトを用いた以前の研究に基づいて、6ヶ月での改良したACR20応答率(評価のために改良した基準)は、コントロール群の35%であることが推測された。これが、エタネルセプト治療に対して、正確に応答しなかった患者間で期待された応答率であった。2:1の無作為化を用いて、141人(10%の脱落者が見込まれるために調整した)の患者(47人のコントロール/94人のCTLA4Ig)サンプルは、有意性の5%レベルで30%の差を検出するための90%検出力を得る(連続修正のための調整しないカイ二乗検定に基づく、両側であった)。
同様に、サンプルは、ACR50および70において、それぞれ30および25%の差を検出するために91%および83%の検出力を得るように決定した。しかしながら、ゆっくりした記録のために、122人の患者のみを任意抽出し、121人を処置し、解析した(1人の患者を任意抽出したが、治療を受けていなかった)
人口統計および基準特性
180日での患者の傾向
*治療を受けなかった1人の患者を除いた
6ヶ月後、中止した合計の比率は、CTLA4Ig+エタネルセプト群(20%)と比較して、プラセボ+エタネルセプト治療群の方が高い(39%)。該差は、プラセボ+エタネルセプト群の有効性の欠如のために中止した割合が高くなったことによる(表9)。
180日での患者の傾向
6ヶ月後、中止した合計の比率は、CTLA4Ig+エタネルセプト群(20%)と比較して、プラセボ+エタネルセプト治療群の方が高い(39%)。該差は、プラセボ+エタネルセプト群の有効性の欠如のために中止した割合が高くなったことによる(表9)。
基準の臨床特性は、29の圧痛関節および20の膨張関節数の平均を含む治療群と同様であった。より低かったCRP値を除いて、基準特性は、活動性の関節リウマチおよび臨床研究に登録された患者に具体的であった(表10)。
ACR応答およびコア要素
CTLA4Ig+エタネルセプト群において、ACR20およびACR70応答の改善は、CTLA4Ig+プラセボ群と統計的に有意差があった(表11および図63)。
180日での改良したACR応答−患者数(%)*
*評価のための基準参照
**p<0.05(CTLA4Ig+エタネルセプト対プラセボ+エタネルセプトのACR応答の確率)
***CTLA4Ig+エタネルセプト:およびプラセボ+エタネルセプトそれぞれについて、N=85およびN=36
CTLA4Ig+エタネルセプト群において、ACR20およびACR70応答の改善は、CTLA4Ig+プラセボ群と統計的に有意差があった(表11および図63)。
180日での改良したACR応答−患者数(%)*
**p<0.05(CTLA4Ig+エタネルセプト対プラセボ+エタネルセプトのACR応答の確率)
***CTLA4Ig+エタネルセプト:およびプラセボ+エタネルセプトそれぞれについて、N=85およびN=36
治療の2ヶ月までに、ACR基準のすべての要素において、数的に高い応答は、CTLA4Ig+エタネルセプト群で観察された。7つのACR要素のうち3つを図64A〜Cに示す。
180日のACR基準の個別の要素において、改善の平均は、プラセボ+エタネルセプト群と比較して、CTLA4Ig+エタネルセプト治療群は常に大きくなった(表12)。
180日の個別のACR要素における改善パーセント(SE)の平均
180日の個別のACR要素における改善パーセント(SE)の平均
生活の質
基準と比較して、CTLA4Ig+エタネルセプト群の患者は、プラセボ+エタネルセプト群の患者の中で、一つのみ(身体機能)と比較して、SF−36のすべての8個の下位尺度において、180日で統計的な改善の有意差を示した。HRQOLの下位尺度の絶対的な変化が臨床的に重要であると考えられた。
基準と比較して、CTLA4Ig+エタネルセプト群の患者は、プラセボ+エタネルセプト群の患者の中で、一つのみ(身体機能)と比較して、SF−36のすべての8個の下位尺度において、180日で統計的な改善の有意差を示した。HRQOLの下位尺度の絶対的な変化が臨床的に重要であると考えられた。
プラセボ+エタネルセプト群と比較して、CTLA4Ig+エタネルセプト群の患者は、SF−36の4つの下位尺度:日常役割機能、体の痛み、活力、および社会生活機能のより統計的な有意差のある大きな改善を経験した(図65)。他の4つの下位尺度における改善は、プラセボ+エタネルセプト群よりも大きいが、それらは統計的に有意差がなかった。
安全性
本研究の最初の6ヶ月間で、死亡または日和見感染は起こらなかった。報告された中で、最も頻繁に有害反応、頭痛、呼吸器系の感染、筋/骨格の痛み、悪心/嘔吐、高血圧、および下痢が、プラセボ+エタネルセプト群と比較して、CTLA4Ig+エタネルセプト群で高い割合で生じた。その上、洞性異常および発疹は、CTLA4Ig+エタネルセプト群で僅かに高かった。
本研究の最初の6ヶ月間で、死亡または日和見感染は起こらなかった。報告された中で、最も頻繁に有害反応、頭痛、呼吸器系の感染、筋/骨格の痛み、悪心/嘔吐、高血圧、および下痢が、プラセボ+エタネルセプト群と比較して、CTLA4Ig+エタネルセプト群で高い割合で生じた。その上、洞性異常および発疹は、CTLA4Ig+エタネルセプト群で僅かに高かった。
CTLA4Ig+エタネルセプト群の患者の多くが、エタネルセプト+プラセボ群(2.8%)よりも重篤な有害反応(SAE)(7.1%)を経験した。しかしながら、SAEは、研究薬と関連しているとは考えられなかった。
CTLA4Igおよびエタネルセプトを受けた二人の患者は、皮膚悪性腫瘍となった。一人の患者は、基底細胞癌となり、150日に達した後、摘出した。他の患者は、扁平上皮細胞癌が既存の障害であり、該患者は、120日に達した後、除去することを決心した。血管性浮腫となった別の患者は、アジスロマイシンへの薬剤反応であると治験責任医師によって考えられた。
中止へと導くすべての有害反応(AE)は、穏やかまたは適度な強度のいずれかであった。振戦のためにCTLA4Ig+エタネルセプト群の中止は、重篤な有害反応とみなした。
免疫原生
CTLA4Igを受けた患者は、CTLA4IgまたはCTLA4−T特異的抗体に対して、抗体陽転しなかった。CTLA4IgまたはCTLA4−T特異的抗体に対するGMTの有意差のある変化は観察されなかった。
CTLA4Igを受けた患者は、CTLA4IgまたはCTLA4−T特異的抗体に対して、抗体陽転しなかった。CTLA4IgまたはCTLA4−T特異的抗体に対するGMTの有意差のある変化は観察されなかった。
CTLA4Ig/エタネルセプトおよびCTLA4Ig/メトトレキサートのACR応答の比較
a 改良したACR。評価のための基準参照
b 標準ACR基準
c プラセボ+バックグラウンド治療(エタネルセプトまたはメトトレキサート)
d ACR応答とプラセボ+バックグラウンド治療の比較の差として、p<0.05
2mg/kgでのCTLA4Ig+エタネルセプトの有効性は、CTLA4Ig+メトトレキサート治療と同じ投与量を受けた患者に観察されたのと同様であった(実施例5)。しかしながら、メトトレキサート試験(実施例5)の評価のための基準は、コア要素の中のCRPを含む標準的なACRであるが、エタネルセプト試験(実施例6)の評価のための基準は、CRPを除く改良したACRであった。
b 標準ACR基準
c プラセボ+バックグラウンド治療(エタネルセプトまたはメトトレキサート)
d ACR応答とプラセボ+バックグラウンド治療の比較の差として、p<0.05
2mg/kgでのCTLA4Ig+エタネルセプトの有効性は、CTLA4Ig+メトトレキサート治療と同じ投与量を受けた患者に観察されたのと同様であった(実施例5)。しかしながら、メトトレキサート試験(実施例5)の評価のための基準は、コア要素の中のCRPを含む標準的なACRであるが、エタネルセプト試験(実施例6)の評価のための基準は、CRPを除く改良したACRであった。
まとめ
6ヶ月での該研究の予備試験の評価は、CTLA4Ig(2mg/kg)とエタネルセプトの組合せが、エタネルセプト単独で用いた場合と比較すると関節リウマチの徴候および症状を減少したことがわかった。改良したACR20およびACR70アッセイでの増加は、統計的に有意差があった。CTLA4Ig+エタネルセプト治療の有効性は、治療開始1月以内に観察された。エタネルセプト治療単独の場合と同様に安全性プロファイルを有するエタネルセプトと併用で投与するとき、CTLA4Igは、一般に安全で充分な耐容性があった。CTLA4Igは、6ヶ月の試験期間中、免疫原生はなかった。さらに、エタネルセプトと併用するCTLA4Ig治療の有効性(実施例6)は、メトトレキサートと用いるCTLA4Igと同じ投与量を用いたときと同様であった(実施例5)。
6ヶ月での該研究の予備試験の評価は、CTLA4Ig(2mg/kg)とエタネルセプトの組合せが、エタネルセプト単独で用いた場合と比較すると関節リウマチの徴候および症状を減少したことがわかった。改良したACR20およびACR70アッセイでの増加は、統計的に有意差があった。CTLA4Ig+エタネルセプト治療の有効性は、治療開始1月以内に観察された。エタネルセプト治療単独の場合と同様に安全性プロファイルを有するエタネルセプトと併用で投与するとき、CTLA4Igは、一般に安全で充分な耐容性があった。CTLA4Igは、6ヶ月の試験期間中、免疫原生はなかった。さらに、エタネルセプトと併用するCTLA4Ig治療の有効性(実施例6)は、メトトレキサートと用いるCTLA4Igと同じ投与量を用いたときと同様であった(実施例5)。
実施例7
メトトレキサートを受けながら、活動性がある関節リウマチ患者の静脈内に投与する二つの異なった投与量のBMS−188667の安全性および臨床的な有効性を評価するためのフェーズIIB、多施設、任意抽出、二重盲検、プラセボ対照研究の1年の結果
以下の実施例は、活動性がある関節リウマチ(RA)患者を治療するためにメトトレキサートと併用するCTLA4Igの2つの異なった投与量の投与の安全性および臨床的な有効性を評価するためのフェーズIIB、多施設、任意抽出、二重盲検、プラセボ対照臨床研究から1年の結果を提供する。本実施例に示す研究は、実施例5で示される6ヶ月研究の続きである。
メトトレキサートを受けながら、活動性がある関節リウマチ患者の静脈内に投与する二つの異なった投与量のBMS−188667の安全性および臨床的な有効性を評価するためのフェーズIIB、多施設、任意抽出、二重盲検、プラセボ対照研究の1年の結果
以下の実施例は、活動性がある関節リウマチ(RA)患者を治療するためにメトトレキサートと併用するCTLA4Igの2つの異なった投与量の投与の安全性および臨床的な有効性を評価するためのフェーズIIB、多施設、任意抽出、二重盲検、プラセボ対照臨床研究から1年の結果を提供する。本実施例に示す研究は、実施例5で示される6ヶ月研究の続きである。
上記の実施例3から生じる予備的な有効性に基づいて、RAの治療でMTXに他の治療を加える標準的な技術である本研究は、CTLA4Ig(BMS−188667)とMTXの併用が、MTX治療にもかかわらず、活動性の疾患を未だに有するRA患者において、MTX+プラセボと比較するとき、臨床的な有効性が大きくなるという仮説を試験するために計画した。
本臨床研究の報告で示す結果は、すべての患者が6ヶ月の治療を完了した後、およびまたすべての患者が12ヶ月の治療を完了した後に実施した解析からのデータに基づいている。
本実施例を通して、10mg/kgのCTLA4Ig+MTX群は、10mg/kg群を意味し、2mg/kg+MTX群は、2mg/kg群を意味し、CTLA4Ig(BMS188667)プラセボ+MTX群は、プラセボ群を意味する。
研究方法
本研究は、6ヶ月および12ヶ月間隔において、ACRによって評価するとおり活動性があるRA患者のCTLA4Ig(BMS−188667)とメトトレキサート(MTX)、またはMTX+プラセボとの組合せの二つの異なった投与量(10および2mg/kg)の臨床的な有効性を比較した。本研究は、MTXに対する不十分な応答を有する活動性があるRAの成人患者を登録した。
本研究は、6ヶ月および12ヶ月間隔において、ACRによって評価するとおり活動性があるRA患者のCTLA4Ig(BMS−188667)とメトトレキサート(MTX)、またはMTX+プラセボとの組合せの二つの異なった投与量(10および2mg/kg)の臨床的な有効性を比較した。本研究は、MTXに対する不十分な応答を有する活動性があるRAの成人患者を登録した。
静脈内投与した活動性がある関節リウマチ患者をモニタリングした一年後の結果:1)メトトレキサートと2mg/kg(体重)の投与量のCTLA4Ig、2)メトトレキサートと10mg/kg(体重)の投与量のCTLA4Ig、または3)プラセボ+メトトレキサート(以下、プラセボという)を本明細書に示す。
本研究のための封入/排除の基準を満たすMTXを用いる治療にもかかわらず、活動性があるRA患者は、MTX治療のバックグラウンドにおいて、以下の治療:10mg/kgのCTLA4Ig(BMS−188667)、2mg/kgのCTLA4Ig(BMS−188667)、またはプラセボのうち一つを受けるために1:1:1にランダム化した。患者は、1日目より前の28日間で安定な投与量において、少なくとも6ヶ月間、MTX(毎週10mg〜30mg)で治療してきた。
治療群:患者は、3つの治療群のうち1つに1:1:1となるようにランダム化した:
1)群1:静脈内注入による10mg/kgのCTLA4Ig(BMS−188667)
2)群2:静脈内注入による2mg/kgのCTLA4Ig(BMS−188667)
3)群3:静脈内注入によるCTLA4Ig(BMS−188667)プラセボ
1)群1:静脈内注入による10mg/kgのCTLA4Ig(BMS−188667)
2)群2:静脈内注入による2mg/kgのCTLA4Ig(BMS−188667)
3)群3:静脈内注入によるCTLA4Ig(BMS−188667)プラセボ
注入投与量は、1日目の前にすぐに治療前の来診での患者の体重(MTX単独治療の患者について、重量をスクリーニングの来診で得て;MTXの併用治療[他のDMARDとの組合せ]の患者について、該重量を2日目の処置の来診で得た)に基づいた。注入投与量は、1日目から360日目まで修正しなかった。
注入は、研究を通じて、1日のほぼ同じときに行った。研究の薬物投与のすべての投与量は、約30分以上かけて定速で、75mLに固定した量を投与した。点滴バッグおよびラインは、各注入の最後に25mLのデキストロース5%水溶液(D5W)で洗い流した。すべての静脈内注入は、座位で患者に投与した。患者は、各注入(投与前、15、30、45、60、75、90、120分)の開始および注入開始から最低2時間後での有害反応(Aes)および生命徴候(血圧、心拍数、体温)の変化を観察した。臨床的に望ましければ、観察期間は、延長されうる。
選択された薬物投与の該研究の最初の期間(1日目から180日目)、同時投与が許容された。許容された薬物投与は、以下を含む:
・MTX:現在の投与量の使用を継続した(増加しない、毒性に関してのみ減少する)
・全身性(非局所)コルチコステロイド:但し、投与量は安定し、合計投与量は、プレドニゾン10mg/日の相当量より少ないか同じであった。関節内注射は、避けるべきであるが;必要なら、2本の関節内注射まで許容した。注意:関節内注射を受けた関節は、すべて後の評価/査定において、「活動性」として計算した。
・ASAを含むNSAID:提供した投与量は不変であった。
・アセトアミノフェン、アセトアミノフェンおよび麻酔鎮痛薬(すなわち、アセトアミノフェンとリン酸コデイン、アセトアミノフェンとナプシル酸プロキシフェン、アセトアミノフェンと塩酸オキシコドン、アセトアミノフェンとオキシコドン二酒石酸塩など)、またはトラマドールを含む併用生成物:患者が経験する痛みを基準または研究の薬物投与(関節評価の12時間前を除いて)によって、正確にコントロールできなかった。
表14は、研究手順および評価の計画表である。
a 胸部X線およびECGは、6ヶ月以内に実施しないか、記録しないなら実施した。
b もし、患者がメトトレキサート治療の最初にDMARDで治療され、最初の登録基準を満たしていないなら、該DMARDは、1日目より前の少なくとも28日間で断念しなければならない。
c 患者が、MTX治療中の場合に限り、この来診は必要であった。
d 妊娠の可能性があるすべての女性に対して、投与前48時間以内に尿または血清の妊娠テストを実施した。血清の妊娠テストは、局所的に行った。
e 中止した患者は、「期限前の契約解除」で来診させなければならない。この来診での評価は、360日目で実施した評価と同一であった。この来診のための評価は、中止の日に計画されてきたことに置き換えた。現在のDMARD、ステロイド、またはNSAID治療の変更は、これらの評価を実施した後まで認めなかった。患者は、安全性データ(有害反応)を取得するために中止30日後に連絡を取った。
f それぞれの患者についての評価を完了した同じ評価人を保証させる努力をしなければならない。
g 最近の重量は、研究薬剤の投与量を計算するために使用されるべきである。研究期間に投与した全投与量は、この重量に基づいた。
h 15日間、+/−3日の来診時期を認めた。次の来診は、+/−7日の来診時期を認めた。
i 身体検査のみ行う。
j すべての評価は、特に指示しない限り、研究の薬剤投与の前に実施または投与されるべきである。
k すべての評価の結果は、ランダム化のための中央無作為化システム(Central Randomization System)と接触する前に有資格の条件を再調査しなければならない。
l マンモグラフィーによる理論的解釈のためのプロトコルの項2.1.4.3.を参照。6ヶ月以内に実施しないなら、同意し署名する前に(文書を保管しなければならない)。1日目以後に研究を中止した患者は、スクリーニング期間に実施したマンモグラムの1年後に次のマンモグラムが必要であった。
m 患者の体重は、中央無作為化システムに提供した。
n X線写真の評価は、治療の最初の9ヶ月以内で中止した患者のための最後の来診では必要なかった。
o 早期に終了した患者は、有害反応を有し、同時に行う薬物投与は、研究の薬物投与の最後の投与後、30および60日に記録した。
・MTX:現在の投与量の使用を継続した(増加しない、毒性に関してのみ減少する)
・全身性(非局所)コルチコステロイド:但し、投与量は安定し、合計投与量は、プレドニゾン10mg/日の相当量より少ないか同じであった。関節内注射は、避けるべきであるが;必要なら、2本の関節内注射まで許容した。注意:関節内注射を受けた関節は、すべて後の評価/査定において、「活動性」として計算した。
・ASAを含むNSAID:提供した投与量は不変であった。
・アセトアミノフェン、アセトアミノフェンおよび麻酔鎮痛薬(すなわち、アセトアミノフェンとリン酸コデイン、アセトアミノフェンとナプシル酸プロキシフェン、アセトアミノフェンと塩酸オキシコドン、アセトアミノフェンとオキシコドン二酒石酸塩など)、またはトラマドールを含む併用生成物:患者が経験する痛みを基準または研究の薬物投与(関節評価の12時間前を除いて)によって、正確にコントロールできなかった。
表14は、研究手順および評価の計画表である。
b もし、患者がメトトレキサート治療の最初にDMARDで治療され、最初の登録基準を満たしていないなら、該DMARDは、1日目より前の少なくとも28日間で断念しなければならない。
c 患者が、MTX治療中の場合に限り、この来診は必要であった。
d 妊娠の可能性があるすべての女性に対して、投与前48時間以内に尿または血清の妊娠テストを実施した。血清の妊娠テストは、局所的に行った。
e 中止した患者は、「期限前の契約解除」で来診させなければならない。この来診での評価は、360日目で実施した評価と同一であった。この来診のための評価は、中止の日に計画されてきたことに置き換えた。現在のDMARD、ステロイド、またはNSAID治療の変更は、これらの評価を実施した後まで認めなかった。患者は、安全性データ(有害反応)を取得するために中止30日後に連絡を取った。
f それぞれの患者についての評価を完了した同じ評価人を保証させる努力をしなければならない。
g 最近の重量は、研究薬剤の投与量を計算するために使用されるべきである。研究期間に投与した全投与量は、この重量に基づいた。
h 15日間、+/−3日の来診時期を認めた。次の来診は、+/−7日の来診時期を認めた。
i 身体検査のみ行う。
j すべての評価は、特に指示しない限り、研究の薬剤投与の前に実施または投与されるべきである。
k すべての評価の結果は、ランダム化のための中央無作為化システム(Central Randomization System)と接触する前に有資格の条件を再調査しなければならない。
l マンモグラフィーによる理論的解釈のためのプロトコルの項2.1.4.3.を参照。6ヶ月以内に実施しないなら、同意し署名する前に(文書を保管しなければならない)。1日目以後に研究を中止した患者は、スクリーニング期間に実施したマンモグラムの1年後に次のマンモグラムが必要であった。
m 患者の体重は、中央無作為化システムに提供した。
n X線写真の評価は、治療の最初の9ヶ月以内で中止した患者のための最後の来診では必要なかった。
o 早期に終了した患者は、有害反応を有し、同時に行う薬物投与は、研究の薬物投与の最後の投与後、30および60日に記録した。
有効性評価
臨床的な測定および応答
臨床応答は、米国リウマチ学会(ACR)のコアデータセットおよび応答の定義を用いて評価した。この評価のために、データは、7つの要素:1)圧痛関節数(標準は、68個の関節数);2)膨張関節数(標準は、66個の関節数);3)患者の痛みの包括的な評価;4)患者の疾患活動性の包括的な評価;5)医師の疾患活動性の包括的な評価;6)患者の身体機能(MHAQ)の評価;および7)急性期反応物質値CRPで集められた。
臨床的な測定および応答
臨床応答は、米国リウマチ学会(ACR)のコアデータセットおよび応答の定義を用いて評価した。この評価のために、データは、7つの要素:1)圧痛関節数(標準は、68個の関節数);2)膨張関節数(標準は、66個の関節数);3)患者の痛みの包括的な評価;4)患者の疾患活動性の包括的な評価;5)医師の疾患活動性の包括的な評価;6)患者の身体機能(MHAQ)の評価;および7)急性期反応物質値CRPで集められた。
ACR20、ACR50、およびACR70の応答の定義は、圧痛および膨張関節(要素1および2)において、基準以上のそれぞれ20%、50%、または70%の改善、および残り5つのうち3つのコアデータセットの測定(要素3〜7)において、それぞれ20%、50%、および70%の改善に対応する。主要な臨床応答は、継続した6ヶ月以上のACR70の応答の維持として定義される。各要素のためのデータが集められた日に対する表14を参照する。
主要な有効性の解析は、6ヶ月(180日目)において、二つのCTLA4Ig(BMS−188667)治療群およびプラセボ群とのACR20応答の差について試験した。連続的な試験手順を用いた。最初に、カイ二乗検定を0.05レベルの有意差において、10mg/kgのCTLA4Ig群についてのデータとプラセボ群のためのデータを比較するために用いた。これが有意差であるなら、2mg/kgのCTLA4Ig群のデータは、0.05レベルにおいて、プラセボ群と比較した。この試験手順は、5%において、全般的にαレベルを維持した。同様の解析は、6ヶ月でのACR50およびACR70応答について実施した。それぞれCTLA4Ig(BMS−188667)治療群およびプラセボ群とのACR20、ACR50およびACR70応答の違いを推定値および95%信頼区間を用いてまとめた。有効性の欠如(すなわち、RAの悪化)のために、研究を中止した患者は、後のすべての時点において、ACR非応答者とみなした。他の理由で中止したすべての患者について、それらの最後のACR応答は、繰り越した。
360日でのACR20、ACR50、およびACR70応答率は、有意差のダネット調整0.027(両側)レベルで、それぞれCTLA4Ig(BMS−188667)治療群およびプラセボと比較した。
各時点で、ACR20応答に対する応答者の比率は、経時的にもプロットし、コクランマンテル−ヘンツェル試験(コクランの文献:1954, Some Methods of Strengthening the Common Chi-Square Test, Biometrics 10:417-451;マンテルおよびヘンツェルの文献:1959, Biostatistical Aspects of the Analysis of Data from Retrospective Studies of Disease, J Nat Cancer Inst, 22:719-748)は、プラセボ群に対するCTLA4Ig(BMS−188667)群のそれぞれにおいて、ACR20応答に達する患者の頻度を比較するために用いた。
15、30、60、90、120、150、180、240、300、および360日でのACR20、ACR50、およびACR70応答は、二つのCTLA4Ig(BMS−188667)群およびプラセボ群との間にも示された。CTLA4Ig(BMS−188667)群およびプラセボ群のACR応答の差は、95%信頼区間を用いてまとめた。経時的にプロットしたACRデータは、作用の発現を評価するため、および最大応答を決定するために使用した。
主要な臨床応答は、継続して6ヶ月間かけて、ACR70応答の維持として定義された。12ヶ月の解析において、3つの群との間の主要な臨床応答に達した患者の割合をまとめた。
計画した解析の完全性を評価するために、いずれかの理由において、研究の薬物投与を受けた、および研究を中止したすべての患者は、中止後すべての研究計画の来診で、ACR非応答者とみなした。
累計指数、ACR−Nは、それぞれ続きの査定で評価され、該AUCは、6ヶ月および12ヶ月まで評価した。台形の公式は、AUCを計算するのに用いた。該ACR−N AUCは、6および12ヶ月のデータにおける分散(ANOVA)の解析に用いる二つのCTLA4Ig(BMS−188667)治療群およびプラセボ群を比較した。これは研究を通して、患者の応答の評価を可能にさせた。これらの解析をLOCFデータセットで実施した。
ACR−N AUCデータの正規性に関する分布仮説は、10%レベルの有意差で、ANOVAモデルから標準残余のシャピロ−ウィルクス試験を用いてチェックした。
代理バイオマーカーをCTLA4Ig+MTXまたはプラセボ+MTX治療計画の有効性を評価するためにも使用した。RAにおいて、免疫修飾または炎症のための可能なバイオマーカーは、CRP、可溶性IL−2R、RF、可溶性ICAM−1、E−セレクチン、血清IL−6、およびTNFαを含む。これらのパラメーターは、180日および360日までの基準から頻度および変化の平均を用いる治療群によってまとめられた。
有害反応(AE)は、因果関係にもかかわらず、研究過程の間、研究者によって記載される新規または悪化する病気のいずれか、症状の徴候または臨床的に重要な研究試験の異常として定義された。重篤な有害反応(SAE)は、以下の基準:致命的であり;生命に関わる;入院させられるか延長する;持続または重要な障害または不能となる、癌、先天性異常/出生異常、過剰摂取を生じる、薬物依存または薬物乱用の進行を生じるか、または重要な医学的な徴候のいずれかを満たすAEとして定義された。
生命徴候の測定は、スクリーニング、研究の薬剤投与の間および後のそれぞれの研究の来診で得られた。生命徴候の測定(座位血圧、心拍数、および体温)は、平均を用いる治療群によってまとめられた。
二つのCTLA4Ig(BMS−188667)治療群(10および2mg/kg)を、プラセボ群と比較した。主要な解析は、前者に有意差がある限り、10mg/kgおよびプラセボ群における6ヶ月でのACR応答率の比較に続いて、2mg/kgとプラセボの比較であった。サンプルサイズは、5%レベル(両側)の有意差に基づいた。6ヶ月でプラセボ群のACR20応答率は、約25%と推測した(ウェインブラット、クリーマー、バンクハーストの文献: A trial of etanercept, a recombinant TNF:Tc fusion protein in patients with RA receiving methotrexate. NEJM 1999; 340: 253-259)。治療群あたり107人の患者サンプル(可能な15%の中止した割合に調整した)は、5%レベル(両側)での25%の違いを検出する94%検出力を得るために決定した。表15に、6ヶ月でのACR20、ACR50、およびACR70応答において、具体的な治療の違いを検出するために必要な検出力をまとめる。
群あたり107a人の患者の応答比率および検出力
a サンプルサイズは、可能な15%の中止比率に調整した;実際のサンプルサイズは、91であった。
群あたり107a人の患者の応答比率および検出力
10mg/kgのCTLA4Igとプラセボの最初の比較が重要であるなら、2mg/kgのCTLA4Igとプラセボ群の比較において、試験の検出力は、6ヶ月のACR20、ACR50、およびACR70応答それぞれを含む比較のために少なくとも0.88、0.90、および0.81であった(コッホ、ガンスキーの文献:Statistical considerations for multiplicity in confirmatory protocols. Drug Info Journal 1996; 30: 523 534)。
(統計的解析)
研究対象集団
患者の傾向
本研究に登録されている524人の患者のうち、339人の患者は、10mg/kg群に115人;2mg/kg群に105人;およびプラセボ群に119人にランダム化した(図68)。ランダム化されない最も多い理由は、包括および/または除外基準を満たすことに失敗するからであった。
研究対象集団
患者の傾向
本研究に登録されている524人の患者のうち、339人の患者は、10mg/kg群に115人;2mg/kg群に105人;およびプラセボ群に119人にランダム化した(図68)。ランダム化されない最も多い理由は、包括および/または除外基準を満たすことに失敗するからであった。
初期段階(1〜180日)
合計256人の患者(ランダム化したうちの75.5%)が、該研究の初期段階を完了した;83人の患者が、この期間に中止した(表16)。結局、中止は、10mg/kgのCTLA4Ig群と比較したプラセボより2倍高い。有効性の欠如のための中止およびAEのための中止も10mg/kgのCTLA4Ig群よりプラセボの方が2倍高かった。
合計256人の患者(ランダム化したうちの75.5%)が、該研究の初期段階を完了した;83人の患者が、この期間に中止した(表16)。結局、中止は、10mg/kgのCTLA4Ig群と比較したプラセボより2倍高い。有効性の欠如のための中止およびAEのための中止も10mg/kgのCTLA4Ig群よりプラセボの方が2倍高かった。
のべ中止数(1〜360日)
合計235人の患者(ランダム化されたうちの69.3%)は、該研究の両方の段階で完了した;104人の患者が、360日までに中止した(表17)。初期段階で記載した中止において、同一の一般的な形式(10mg/kgのCTLA4Ig群と比較したプラセボより2倍高い発生率)は、全般的にも観察された(1〜360日)。この事は、全体的な中止率、有効性の欠如のための中止およびAEのための中止を含む。
a 中止のための他の理由は、コンプライアンスに関連した。
b AEと報告された10mg/kgのCTLA4Ig群の患者であるIM101100−32−5は、該研究から中止となったとして記録されたが;この患者は、このテーブルには含まれていない。
合計235人の患者(ランダム化されたうちの69.3%)は、該研究の両方の段階で完了した;104人の患者が、360日までに中止した(表17)。初期段階で記載した中止において、同一の一般的な形式(10mg/kgのCTLA4Ig群と比較したプラセボより2倍高い発生率)は、全般的にも観察された(1〜360日)。この事は、全体的な中止率、有効性の欠如のための中止およびAEのための中止を含む。
b AEと報告された10mg/kgのCTLA4Ig群の患者であるIM101100−32−5は、該研究から中止となったとして記録されたが;この患者は、このテーブルには含まれていない。
最初の12ヶ月間、いずれかの理由で中止した患者の累積した割合のカプラン−マイアープロットは、図69に示し;有効性の欠如のために中止した患者の累積割合は、図70に示す。治療からおよそ30日後の両方のグラフにおいて、プラセボでの中止率は、両方のCTLA4Ig(BMS−188667)群と継続的に高く比較されることを意味する。さらに、治療からおよそ150日後、2mg/kgのCTLA4Ig群の中止率は、10mg/kgのそれらよりも高かった。
人口統計および患者の特徴
概して、基準の人口統計の特徴および臨床的RAの基準となる特徴は、一般的に、3つの治療群にわたって比較され、臨床治療において、遭遇した相対的に進行したRAの特徴をよく示していた(表18および表19)。多くの患者は、約9〜10年のRAの平均継続期間を持つ約55歳の白人女性であり、相対的に多くの活動性の関節(約29個の圧痛および21個の膨張関節)および視覚的アナログ尺度(VAS)が、およそ59〜65mm(100mmスケール)であった。
RAの継続期間は、3人の患者について報告されなかった
概して、基準の人口統計の特徴および臨床的RAの基準となる特徴は、一般的に、3つの治療群にわたって比較され、臨床治療において、遭遇した相対的に進行したRAの特徴をよく示していた(表18および表19)。多くの患者は、約9〜10年のRAの平均継続期間を持つ約55歳の白人女性であり、相対的に多くの活動性の関節(約29個の圧痛および21個の膨張関節)および視覚的アナログ尺度(VAS)が、およそ59〜65mm(100mmスケール)であった。
ACR基準の要素ではないが、朝のこわばりの持続時間も評価し、3つの群のそれぞれにおいて、ほぼ2時間であった。基準において、RFに陽性の結果も評価し、CTLA4Ig(BMS188667)治療群は、RF(プラセボ群の76%と比較して、10mg/kgおよび2mg/kgのCTLA4Ig群の両方について、86%であった)に陽性と検査された患者より高いパーセントであった。
研究薬の少なくとも一つの投与および有効性の欠如のために中止があった患者の全体的な比率の基準の人口統計およびRAの特徴は、一般的に全体研究の比率と比較されたが、この部分集団において、患者より大きな比率は、全体研究の比率(34%)と比較して、>10年間(45%)RAで診察してきた。
病歴の所見および以前の薬物治療
本研究において、患者の病歴の所見は、相対的に進行したRAで一貫性があり、一般的に治療群間で同様であった。頻繁に起こる所見(患者の>40%)は、筋骨格の所見(RAの症状を含まない;59.3%)、消化管の所見(45.1%)、および尿生殖器の所見(42.2%)であった。他の重要な病歴の所見は、心臓血管疾患が、すべての治療群において、患者の約39%および内分泌腺/代謝の所見が、すべての患者の約29%を含んだ。
本研究において、患者の病歴の所見は、相対的に進行したRAで一貫性があり、一般的に治療群間で同様であった。頻繁に起こる所見(患者の>40%)は、筋骨格の所見(RAの症状を含まない;59.3%)、消化管の所見(45.1%)、および尿生殖器の所見(42.2%)であった。他の重要な病歴の所見は、心臓血管疾患が、すべての治療群において、患者の約39%および内分泌腺/代謝の所見が、すべての患者の約29%を含んだ。
MTX、全身(非局所)コルチコステロイド、DMARDおよび研究前の生物学的RA薬の全体的な使用は、一般的に3つの治療群(表20)にわたって比較した。すべての患者は、MTXを含む、リウマチ薬で以前に治療を受け、本研究に適格であった。MTXのそれまでの治療は、4人の患者について記録されなかった。ランダム化の前に使用する全身(非局所)コルチコステロイドは、10mg/kgのCTLA4Ig群(60.0%)の患者と比較して、全身(非局所)コルチコステロイド(〜67−68%)を受けた2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群において、僅かに多い患者で3つの治療群間を比較した。本研究に参加する前の他のDMARDおよび生物学的RA薬の使用は、いずれかの治療群において、いずれも優勢ではない治療群にわたって、0〜12%変化した。1日目のMTXおよび全身(非局所)コルチコステロイドの平均投与量は、すべて3つの治療群(それぞれ、〜15−16mg/週、〜6−7mgs/日)間で比較した。
a それまでのリウマチ薬のカテゴリーは、相互排他的であった。
b MTXの投与は、4人の患者について記録しなかった。
b MTXの投与は、4人の患者について記録しなかった。
治療研究
3つの治療群のうち、10mg/kgのCTLA4Ig群は、両方の研究相における曝露の平均持続時間が最も長く、プラセボ群は、両方の研究相(それぞれ、180日目:163日、156日、140日;360日目:286日、268日、および234日;10mg/kg、2mg/kg、およびプラセボ)に対して、曝露の平均持続時間が最も短かった。
3つの治療群のうち、10mg/kgのCTLA4Ig群は、両方の研究相における曝露の平均持続時間が最も長く、プラセボ群は、両方の研究相(それぞれ、180日目:163日、156日、140日;360日目:286日、268日、および234日;10mg/kg、2mg/kg、およびプラセボ)に対して、曝露の平均持続時間が最も短かった。
180日(初期段階の最終日)において、注入を受ける患者の比率は、2mg/kgのCTLA4Ig群(79%)およびプラセボ群(66%)で比較した10mg/kgのCTLA4Ig群(85%)より高かった(表21)。330日目(二次段階で最後に計画された注入日)において、注入を受ける患者の比率も、2mg/kgのCTLA4Ig群(70%)およびプラセボ群(59%)と比較して、10mg/kgのCTLA4Ig群(78%)の方が高かった。
メトトレキサート
患者は、1日目より前の28日間、少なくとも6ヶ月間、MTX(毎週10〜30mg)の「安定な」投与量で処置し続けた。4人の患者を除いて、すべての患者は、初期段階(1日〜180日)の期間、CTLA4Ig(BMS−188667)に加えて、毎週10〜30mgのMTXを受けた。二次段階(181〜360日)の期間、MTXの投与量は、毎週10〜30mgの間を維持し調節して与えた。
患者は、1日目より前の28日間、少なくとも6ヶ月間、MTX(毎週10〜30mg)の「安定な」投与量で処置し続けた。4人の患者を除いて、すべての患者は、初期段階(1日〜180日)の期間、CTLA4Ig(BMS−188667)に加えて、毎週10〜30mgのMTXを受けた。二次段階(181〜360日)の期間、MTXの投与量は、毎週10〜30mgの間を維持し調節して与えた。
治療コンプライアンスの測定
初期段階の期間、研究薬の注入をミスした数は、いずれかの時点で≦2であった(表21)。二次段階の期間、プラセボ群の患者は、CTLA4Ig(BMS−188667)群の患者より僅かに多い注入のミスがあるのが明らかであった。しかし、CTLA4Ig(BMS−188667)より多くのプラセボ患者が、後の時点でこれらによって中止した(上記参照)。
初期段階の期間、研究薬の注入をミスした数は、いずれかの時点で≦2であった(表21)。二次段階の期間、プラセボ群の患者は、CTLA4Ig(BMS−188667)群の患者より僅かに多い注入のミスがあるのが明らかであった。しかし、CTLA4Ig(BMS−188667)より多くのプラセボ患者が、後の時点でこれらによって中止した(上記参照)。
同時治療
全身(非局所)コルチコステロイドの使用は、一般的にスクリーニング/登録(58〜67%)期間および本研究の初期段階期間(67〜71%)をそれぞれ表23および24で、3つの群について比較した。コルチコステロイド使用は、360日目まで、すべて3つの治療群で減少しながら、10mg/kgのCTLA4Ig群の多くの患者は、他の二つの治療群(2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群について、それぞれ53.3%および45.4%)と比較して、全身(非局所)コルチコステロイド(63.5%)を受けた。数人の患者(CTLA4Ig:0〜3%、プラセボ:0〜10%)は、スクリーニング/登録期間で、MTX以外のDMARDを受けた。
a 薬物のカテゴリーは、相互排他的であった。
a 薬物のカテゴリーは、相互排他的であった。
注:患者IM101100−83−3(10mg/kgのCTLA4Ig)は、メフロキンを受け、患者IM101100−28−7(プラセボ)は、1〜180日目にキニーネを受け;患者IM101100−18−11(10mg/kgのCTLA4Ig)は、181〜360日目に抗マラリア薬として、キニーネを受け、重大なプロトコル違反とはみなさなかった。
全身(非局所)コルチコステロイドの使用は、一般的にスクリーニング/登録(58〜67%)期間および本研究の初期段階期間(67〜71%)をそれぞれ表23および24で、3つの群について比較した。コルチコステロイド使用は、360日目まで、すべて3つの治療群で減少しながら、10mg/kgのCTLA4Ig群の多くの患者は、他の二つの治療群(2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群について、それぞれ53.3%および45.4%)と比較して、全身(非局所)コルチコステロイド(63.5%)を受けた。数人の患者(CTLA4Ig:0〜3%、プラセボ:0〜10%)は、スクリーニング/登録期間で、MTX以外のDMARDを受けた。
注:患者IM101100−83−3(10mg/kgのCTLA4Ig)は、メフロキンを受け、患者IM101100−28−7(プラセボ)は、1〜180日目にキニーネを受け;患者IM101100−18−11(10mg/kgのCTLA4Ig)は、181〜360日目に抗マラリア薬として、キニーネを受け、重大なプロトコル違反とはみなさなかった。
有効性の結果
CTLA4Ig(BMS−188667)の10mg/kg群は、180日目および360日目において、プラセボ群より有効であった。2mg/kgのCTLA4Ig群において、いくつかの有効性パラメーターについての結果は、プラセボ群よりもかなり良く、他の多くの有効性パラメーターの結果は、プラセボより数的に高かった。
CTLA4Ig(BMS−188667)の10mg/kg群は、180日目および360日目において、プラセボ群より有効であった。2mg/kgのCTLA4Ig群において、いくつかの有効性パラメーターについての結果は、プラセボ群よりもかなり良く、他の多くの有効性パラメーターの結果は、プラセボより数的に高かった。
180日目のACR応答
本研究において、重要な有効性の変化の解析は、180日目のACR20応答率は、10mg/kgのCTLA4Ig群が、プラセボ(表25、図71Aおよび図71B)よりも充分有効(p<0.001)であることを示した。
本研究において、重要な有効性の変化の解析は、180日目のACR20応答率は、10mg/kgのCTLA4Ig群が、プラセボ(表25、図71Aおよび図71B)よりも充分有効(p<0.001)であることを示した。
10mg/kgのCTLA4Ig群における180日目のACR50およびACR70応答も、プラセボ群よりかなり高かった(表25、図71Aおよび図71B)。2mg/kgのCTLA4Ig群における180日目のACR50およびACR70応答は、プラセボ群よりかなり高かった。2mg/kgのCTLA4Ig群における180日目のACR20応答は、プラセボ群よりもわずかに高かったが;統計的な有意差は観察されなかった。
a BMS−188667対プラセボの比較のための統計的な有意差
360日目のACR応答
360日目の10mg/kgのCTLA4Ig群におけるACR20、ACR50およびACR70応答は、プラセボ群よりかなり高かった(p<0.001)(表26、図72Aおよび図72B)。2mg/kgのCTLA4Ig群における同一の応答が、プラセボ群より数的に高かったけれども、これらの差は、統計的な有意差ではなかった。
a 10/mg/kgのCTLA4Ig群対プラセボの比較における統計的な有意差
360日目の10mg/kgのCTLA4Ig群におけるACR20、ACR50およびACR70応答は、プラセボ群よりかなり高かった(p<0.001)(表26、図72Aおよび図72B)。2mg/kgのCTLA4Ig群における同一の応答が、プラセボ群より数的に高かったけれども、これらの差は、統計的な有意差ではなかった。
来診によるACR応答
10mg/kgのCTLA4Ig群とプラセボ群の比較において、統計的に充分な改善は、90日目までに、すべての3つの応答率(ACR20、ACR50、およびACR70)によって観察され、これらの値は、360日目(すべて3つのACR応答率において、p≦0.008)までおよび含むすべての時点で、統計的な有意差のままであった(図73A、図73B、および図73C)。実際に、10mg/kgのCTLA4Ig群におけるACR50およびACR70応答の統計的な有意差の改善は、30日目と同じくらいに起こった(それぞれ、p=0.039およびp=0.04)。
10mg/kgのCTLA4Ig群とプラセボ群の比較において、統計的に充分な改善は、90日目までに、すべての3つの応答率(ACR20、ACR50、およびACR70)によって観察され、これらの値は、360日目(すべて3つのACR応答率において、p≦0.008)までおよび含むすべての時点で、統計的な有意差のままであった(図73A、図73B、および図73C)。実際に、10mg/kgのCTLA4Ig群におけるACR50およびACR70応答の統計的な有意差の改善は、30日目と同じくらいに起こった(それぞれ、p=0.039およびp=0.04)。
2mg/kgのCTLA4Ig群において、プラセボより統計的に有意な改良は、180日目(それぞれ、p=0.027およびp=0.005)のACR50およびACR70応答で観察された。360日目において、ACR応答の改善は、プラセボ群より2mg/kgのCTLA4Ig群より僅かに大きいが、統計的な有意差は全く観察されなかった。
コクラン−マンテル ヘンツェルテストを用いて来診のための調整後、ACR20応答の有意差が、180日目および360日目の両方で、プラセボ群と比較して、10mg/kgのCTLA4Ig群に観察された。両方の時点で、2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群における有意差は、全く観察されなかった。同様の結果は、両方の時点で、ACR50応答について得られた。両方の時点のACR70応答について、有意差は、プラセボ群と比較する両方のCTLA4Ig(BMS−188667)治療群について観察された。
主要な臨床応答のまとめ
主要な臨床応答は、継続して6ヶ月以上のACR70応答の維持として定義された。360日目の主要な臨床応答に達した患者の割合は、プラセボ群(0.8%;それぞれ、p=0.008および0.036)と比較するとき、10mg/kgおよび2mg/kgの両方のCTLA4Ig群(それぞれ、7.8%および5.7%)でかなり高かった(表27)。
a BMS−188667対プラセボの比較のための統計的な有意差を示す
主要な臨床応答は、継続して6ヶ月以上のACR70応答の維持として定義された。360日目の主要な臨床応答に達した患者の割合は、プラセボ群(0.8%;それぞれ、p=0.008および0.036)と比較するとき、10mg/kgおよび2mg/kgの両方のCTLA4Ig群(それぞれ、7.8%および5.7%)でかなり高かった(表27)。
平均の数的ACR(ACR−N)およびACR−Nの濃度曲線下面積(ACR−N−AUC)
概して、すべての治療群における平均の数的ACR(ACR−N)は、本研究の最初の6ヶ月間にかけて増加した(図74)。2回目の6ヶ月間、平均のACR−Nは、10mg/kgのCTLA4Igで僅かに増加したが、2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボでは、相対的に未変化ままであった。各研究の来診において、該ACR−Nは、2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群に比べて、10mg/kgのCTLA4Ig群の方が、継続して高かった。
概して、すべての治療群における平均の数的ACR(ACR−N)は、本研究の最初の6ヶ月間にかけて増加した(図74)。2回目の6ヶ月間、平均のACR−Nは、10mg/kgのCTLA4Igで僅かに増加したが、2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボでは、相対的に未変化ままであった。各研究の来診において、該ACR−Nは、2mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群に比べて、10mg/kgのCTLA4Ig群の方が、継続して高かった。
プラセボ群と比較して、10mg/kgのCTLA4Ig群におけるACR−N AUC(濃度曲線下面積)のための値の差は、360日目まで、充分高かった(p<0.001)。
180日目の基準からの改善率
10mg/kgのCTLA4Ig群において、180日目のそれぞれ個別のACR要素(圧痛および膨張関節数、CRP、痛み、患者の包括的な評価、医師の包括的な評価、および身体機能)の改善は、プラセボ群の改善に比べて、統計的に有意であった(表28)。
10mg/kgのCTLA4Ig群において、180日目のそれぞれ個別のACR要素(圧痛および膨張関節数、CRP、痛み、患者の包括的な評価、医師の包括的な評価、および身体機能)の改善は、プラセボ群の改善に比べて、統計的に有意であった(表28)。
2mg/kgのCTLA4Ig群において、プラセボ群と比較した統計的に充分な改善は、180日目の医師の包括的な評価およびCRPを観察した。さらに、プラセボ群のCRPレベルは、実際に180日目で悪化した。朝のこわばりの平均持続時間の基準からの変化は、180日目で、3つの治療群を比較した。
* 95%のCIが、ゼロを含まないので、プラセボと比べて、p<0.05を示す。
360日目の基準からの改善率
10mg/kgのCTLA4Ig群において、360日のそれぞれ個別のACR要素(圧痛および膨張関節数、CRP、痛み、患者の包括的な評価、医師の包括的な評価、および身体機能)における改善は、プラセボ群の改善に比べて、統計的に有意差があった。基準日から360日目までの改善率の平均は、ACR基準のすべての臨床的パラメーターにおいて、表29に示す。
10mg/kgのCTLA4Ig群において、360日のそれぞれ個別のACR要素(圧痛および膨張関節数、CRP、痛み、患者の包括的な評価、医師の包括的な評価、および身体機能)における改善は、プラセボ群の改善に比べて、統計的に有意差があった。基準日から360日目までの改善率の平均は、ACR基準のすべての臨床的パラメーターにおいて、表29に示す。
2mg/kgのCTLA4Ig群において、プラセボ群と比べて統計的に十分な改善は、360日目の医師の包括的な評価およびCRPを観察した。さらに、プラセボ群のCRPレベルは、360日目に実際に悪化した。360日目において、CTLA4Ig(BMS−188667)治療群は、プラセボ群と比べて、朝のこわばりの持続時間の基準より大きく変化した。
* 95%のCIが、ゼロを含まなかったので、プラセボと比べて、p<0.05を示す。
新規な活動性の関節
新規な活動性の関節の比率は、スモーレンの文献(Smollen JS, Breedveld FC, Eberl G, Jones I et al. Validity and reliability of the twenty-eight-joint count for the assessment of RA activity. Arthritis & Rheum 1993; 38: 38-43)によって、提案された有効な28個の関節数(68個の全圧痛関節のうち、および66個の全膨張関節のうち)を用いて決定した。180日目の新しい活動性の関節(圧痛および膨張の両方)の比率は、10mg/kgのCTLA4Igを受けた患者において、最低であった(図75)。
新規な活動性の関節の比率は、スモーレンの文献(Smollen JS, Breedveld FC, Eberl G, Jones I et al. Validity and reliability of the twenty-eight-joint count for the assessment of RA activity. Arthritis & Rheum 1993; 38: 38-43)によって、提案された有効な28個の関節数(68個の全圧痛関節のうち、および66個の全膨張関節のうち)を用いて決定した。180日目の新しい活動性の関節(圧痛および膨張の両方)の比率は、10mg/kgのCTLA4Igを受けた患者において、最低であった(図75)。
180日目において、新規な圧痛関節および新規な膨張関節を全く報告しない患者の割合は、10mg/kgのCTLA4Ig群で最も高かった(図76A、図77A)。新規な圧痛関節および新規な膨張関節を全く報告しない患者の割合は、10mg/kgのCTLA4Ig群で、それぞれ約59%および52%;2mg/kgのCTLA4Ig群で、それぞれ38%および44%;およびプラセボ群で、それぞれ41%および37%であった。
360日目において、新規な活動性の関節(圧痛および膨張の両方)の比率は、10mg/kgのCTLA4Igを受けた患者において、最低であった(図78)。新規な活動性の関節の比率におけるこのパターンは、180日目で見られたパターンに酷似していた。
同様に、360日目において、新規な圧痛関節および新規な膨張関節を全く報告しない患者の比率は、10mg/kgのCTLA4Ig群で最も高かった(図76B、および図77B)。新規な圧痛および新規な膨張関節を全く報告しない患者の割合は、10mg/kgのCTLA4Ig群で、それぞれ約71%および61%;2mg/kgのCTLA4Ig群で、それぞれ41%および44%;およびプラセボ群において、両方の数は42%であった。
ACR応答を用いた患者間の臨床的パラメーターの改良
ACR20、ACR50、およびACR70応答者において、ACR基準のコア要素の改善は、プラセボと比べて、二つのCTLA4Ig(BMS−188667)治療群より僅かに大きかった。
ACR20、ACR50、およびACR70応答者において、ACR基準のコア要素の改善は、プラセボと比べて、二つのCTLA4Ig(BMS−188667)治療群より僅かに大きかった。
10mg/kgのCTLA4Ig投与量を受けた患者のための作用の開始は、約15日後、≧60日目で生じるACR20の改善、≧90日目でのACR50、または≧30日目でのACR70、およびどの場合にも360日目まで継続してかなりの増加を伴って起こった(図73A、図73Bおよび図73Cを参照)。
医療効果による質問票(Health Outcomes Short Form Questionnaire)における基準からの変化(SF−36)
健康関連QOLにおけるCTLA4Ig(BMS−188667)の影響は、医療効果による質問票SF−36(より良いQOLを示すより高いスコアを持つ0〜100のスコアの範囲でまとめる)を用いて評価した。解析は、LOCF(時系列データの欠測の最直前のデータを補完すること)データセットならびに観察したデータセットで実行した。
健康関連QOLにおけるCTLA4Ig(BMS−188667)の影響は、医療効果による質問票SF−36(より良いQOLを示すより高いスコアを持つ0〜100のスコアの範囲でまとめる)を用いて評価した。解析は、LOCF(時系列データの欠測の最直前のデータを補完すること)データセットならびに観察したデータセットで実行した。
10mg/kgのCTLA4Ig群において、プラセボ群と比べて基準からの統計的に有意差のある改善は、180日目において、LOCF解析(すなわち、95%CIは、ゼロを含まなかった)を用いて、SF−36のすべて4つの心の健康およびすべて4つの体の健康領域で観察された(図79A、79B)。2mg/kgのCTLA4Ig群において、180日目にプラセボと比べて、心の健康または体の健康領域での数的改善があったが、これらの改善は、統計的に有意差はなかった。
観察されたデータセットで実行した解析結果は、180日目での「精神状態の役割」領域が、観察されたとおりのデータセットを用いる、10mg/kgのCTLA4Igおよびプラセボ群の比較において、充分に改良されなかった(しかし、数的には改良された)ことを除いて、LOCFデータセットで観察されたものと同様であった。
360日目について、医療効果の結果は、180日で見られた結果と同様であった。10mg/kgのCTLA4Ig群において、プラセボ群と比べて、基準からの統計的に有意な改善は、LOCF解析(すなわち、95%CIは、ゼロを含まなかった)を用いて、360日のSF−36のすべて4つの精神およびすべて4つの身体領域で観察された(図80A、および80B)。2mg/kgのCTLA4Ig群について、プラセボ群と比べて、360日の4つの身体領域のうち3つにおいて、360日の4つの精神領域のうち1つにおいて、統計的な有意差が観察された。
観察されたデータセットで実施した解析の結果は、LOCFデータセットにおいて観察された結果と同様であった。
バイオマーカーおよび薬物動態データ
180日目の10mg/kgのCTLA4Igの6個のうち5個のバイオマーカー/薬物動態(PD)パラメーター(可溶性のIL−2r、リウマチ因子(RF)、ICAM−1、E−セレクチンおよびIL−6)およびTNF−αの数的な減少において、有意な改善(減少)が見られた(表32)。180日目の2mg/kgのCTLA4Igの6個のうち3個のバイオマーカー/PDパラメーター(可溶性のIL−2r、RFおよびIL−6)およびICAM−1の数的な改善において、有意な改善(減少)が見られた。180日目のプラセボでのバイオマーカー/PDパラメーターのいずれかにおいて、有意な変化はなかった。バイオマーカー/PDパラメーターにおいて、投与量依存と改善(減少)の相関があるように思える。
180日目の10mg/kgのCTLA4Igの6個のうち5個のバイオマーカー/薬物動態(PD)パラメーター(可溶性のIL−2r、リウマチ因子(RF)、ICAM−1、E−セレクチンおよびIL−6)およびTNF−αの数的な減少において、有意な改善(減少)が見られた(表32)。180日目の2mg/kgのCTLA4Igの6個のうち3個のバイオマーカー/PDパラメーター(可溶性のIL−2r、RFおよびIL−6)およびICAM−1の数的な改善において、有意な改善(減少)が見られた。180日目のプラセボでのバイオマーカー/PDパラメーターのいずれかにおいて、有意な変化はなかった。バイオマーカー/PDパラメーターにおいて、投与量依存と改善(減少)の相関があるように思える。
概して、360日目のバイオマーカー/PDデータの変化パターンは、180日目で見られたのと同様であった。360日目の10mg/kgのCTLA4Igでの6個のうち5個のバイオマーカー/PDパラメーター(可溶性IL−2r、RF、ICAM−1、E−セレクチンおよびIL−6)に関して、有意差のある改善(減少)が見られ、TNF−αにおいて、数的には有意差があったが、統計的には有意差がなかった改善を観察した(表33)。360日目の2mg/kgのCTLA4IgでのIL−6のみ有意差のある改善(減少)があったが、数的な改善は、RFおよびICAM−1で見られた。360日目のプラセボでのバイオマーカー/PDパラメーターのいずれかにおいて、有意差のある変化はなかった。180日目のデータで見られたとおり、バイオマーカー/PDパラメーターの改善(減少)のすべては、投与量依存様式で生じることが明らかとなった。
180日目のバイオマーカー/PDパラメーターの基準日後の平均と360日目のそれらの比較は、重要な傾向を明らかにする。10mg/kgのCTLA4Ig群に関して、すべてのバイオマーカー/PDの測定は、僅かに増加している可溶性IL−2rを除いて、減少し続けた。2mg/kgのCTLA4Ig群に関して、バイオマーカー/PDパラメーターのうち3個の平均値は、僅かに減少(ICAM−1、血清IL−6)または相対的に変わらず(E−セレクチン)であり、他の3個のバイオマーカー/PDの測定平均値は、僅かに増加した(可溶性IL−2r、RF、TNFα)。プラセボ群に関して、バイオマーカー/PDパラメーターのすべてについての平均値は、相対的に未変化のままであったTNFαを除いて、360日目でわずかに増加した。
計画した解析の完全性を評価するために、研究の薬物投与を受けたおよびいずれかの理由で中止したすべての患者は、中止後の計画されたすべての研究の来診において、ACR応答者とはみなさなかった。これらの解析の結果(表34)は、すでに示した有効性の結果と一致した。180日目で、10mg/kgのCTLA4Igを受けたおよびACR20、ACR50、またはACR70応答に達した患者の比率は、プラセボを受けた患者の比率に比べて、かなり高かった(p<0.001)。2mg/kgのCTLA4Ig群において、ACR50またはACR70応答のいずれかに達した患者の比率は、かなり高かった(p≦0.009)。
a BMS−188667対プラセボの比較のための統計的な有意差を示す。
さらに、すべて初期の有効性の解析は、WOCF(繰り越しされた最悪の観察結果)データセットで実施した。WOCFデータセットに基づくACR応答は、表26で報告されたものより僅かに低く、表34で示す結果と比較した。これらの結果は、CTLA4Ig(BMS−188667)治療群において、ACR応答率の一致を確認した。
同時に用いる抗リウマチ薬の投与量は、6および12ヶ月において、これらの薬物の必要性を評価するために収集したが、入手したデータは、これらの解析を実行するために不適当であった。メトトレキサートおよび全身(非局所)コルチコステロイドの平均投与量の基準値のみを与えた。
有効性の結果
10mg/kg(+MTX)で投与されたCTLA4Ig(BMS−188667)は、180日および360日目で、プラセボ(+MTX)と比べて、有効性が優っていた。下記の有効性のパラメーターに関して、10mg/kgのCTLA4Igの投与は、プラセボよりかなり良かった:
・初期の有効性の変化:180日目のACR20応答(p<0.001)
・180日目のACR50およびACR70応答(p<0.001)
・360日目のACR20、ACR50およびACR70応答(p≦0.003)
・30日までに観察されたACR50およびACR70応答の統計的な有意差(p=0.039およびp=0.04)、90日までに観察されたすべて3個の応答率(ACR20、ACR50およびACR70)の統計的な有意差;これらの値は、360日(p≦0.008)までおよび含む時点で、統計的に有意差があるままであった。
・患者の比率は、360日(p=0.008)で、主要な臨床応答(継続して6ヶ月以上ACR70応答の維持)に達した。
・360日(p<0.001)までのACR−AUCの平均数
・180日および360日(p<0.05、95%CIは、ゼロを含まなかった)において、それぞれ個別のACR要素の平均比率を改善
・180日および360日の両方において(p<0.05、95%CIは、ゼロを含まなかった)、医療効果の評価(SF−36)のすべて4つの心およびすべて4つの身体領域における改善
10mg/kg(+MTX)で投与されたCTLA4Ig(BMS−188667)は、180日および360日目で、プラセボ(+MTX)と比べて、有効性が優っていた。下記の有効性のパラメーターに関して、10mg/kgのCTLA4Igの投与は、プラセボよりかなり良かった:
・初期の有効性の変化:180日目のACR20応答(p<0.001)
・180日目のACR50およびACR70応答(p<0.001)
・360日目のACR20、ACR50およびACR70応答(p≦0.003)
・30日までに観察されたACR50およびACR70応答の統計的な有意差(p=0.039およびp=0.04)、90日までに観察されたすべて3個の応答率(ACR20、ACR50およびACR70)の統計的な有意差;これらの値は、360日(p≦0.008)までおよび含む時点で、統計的に有意差があるままであった。
・患者の比率は、360日(p=0.008)で、主要な臨床応答(継続して6ヶ月以上ACR70応答の維持)に達した。
・360日(p<0.001)までのACR−AUCの平均数
・180日および360日(p<0.05、95%CIは、ゼロを含まなかった)において、それぞれ個別のACR要素の平均比率を改善
・180日および360日の両方において(p<0.05、95%CIは、ゼロを含まなかった)、医療効果の評価(SF−36)のすべて4つの心およびすべて4つの身体領域における改善
上記の統計的な有意差に加えて、10mg/kgのCTLA4Ig群は、180日および360日において、プラセボ群と比較して、より少ない新規な活動性の関節数および新規な活動性の圧痛および膨張関節が無いと報告される患者数であった。
プラセボと比べて、10mg/kgのCTLA4Igの有意差のある改善は、大体の測定した薬物動態パラメーター(可溶性IL12r、RF、ICAM−1、E−セレクチンおよびIL−6)および1年までのTNF−αの数的な改善において、見られた。
2mg/kgのCTLA4Ig群に関して、いくつかの有効性のパラメーターは、プラセボ群と比べて、かなり良かった:
・180日目のACR50応答(p=0.027)
・180日目のACR70応答(p=0.005)
・60日目までに観察されたACR70の統計的な有意差(p=0.032)および180日目のACR50およびACR70の統計的な有意差(p=0.027およびp=0.005)
・360日目の主要な臨床応答(継続して6ヶ月以上のACR70応答の維持)に達した患者の比率(p=0.036)
・180日および360日目の個別のACR要素のいずれかの平均改善率(p<0.05、95%CIは、ゼロを含まなかった)
他の多くの有効性パラメーターに関して、2mg/kgのCTLA4Igは、プラセボよりも数的に良かった。
・180日目のACR50応答(p=0.027)
・180日目のACR70応答(p=0.005)
・60日目までに観察されたACR70の統計的な有意差(p=0.032)および180日目のACR50およびACR70の統計的な有意差(p=0.027およびp=0.005)
・360日目の主要な臨床応答(継続して6ヶ月以上のACR70応答の維持)に達した患者の比率(p=0.036)
・180日および360日目の個別のACR要素のいずれかの平均改善率(p<0.05、95%CIは、ゼロを含まなかった)
他の多くの有効性パラメーターに関して、2mg/kgのCTLA4Igは、プラセボよりも数的に良かった。
安全性の結果
概して、CTLA4Ig(BMS−188667)の安全性プロファイルは、プラセボと同様であった。重要な安全性の問題はなかった。
概して、CTLA4Ig(BMS−188667)の安全性プロファイルは、プラセボと同様であった。重要な安全性の問題はなかった。
臨床検査の評価
全体的に、新規な安全性の項目は、検査値の変化の平均の評価に現れなかった。ヘモグロビン、WBC、好中球、血小板、ALT、AST、GGTおよび全蛋白質の値は、基準の標準的な範囲内であり、本研究の標準的な範囲内のままであった。一般的に、検査テストの結果は、研究の薬物投与に起因して、一定の範囲値から外れるか、または異常な傾向になるかは明らかではなかった。
全体的に、新規な安全性の項目は、検査値の変化の平均の評価に現れなかった。ヘモグロビン、WBC、好中球、血小板、ALT、AST、GGTおよび全蛋白質の値は、基準の標準的な範囲内であり、本研究の標準的な範囲内のままであった。一般的に、検査テストの結果は、研究の薬物投与に起因して、一定の範囲値から外れるか、または異常な傾向になるかは明らかではなかった。
安全性に関する生命徴候、身体所見、および観察
研究の薬物投与の日のそれぞれにおいて、生命徴候(体温、心拍数、および座位血圧)は、注入前および注入後15、30、45、60、75、90および120分でモニタリングした。概して、すべての生命徴候パラメーターに関する平均値は、すべての治療群における360日の研究期間を通して、標準的な範囲内であり、安定していた。
研究の薬物投与の日のそれぞれにおいて、生命徴候(体温、心拍数、および座位血圧)は、注入前および注入後15、30、45、60、75、90および120分でモニタリングした。概して、すべての生命徴候パラメーターに関する平均値は、すべての治療群における360日の研究期間を通して、標準的な範囲内であり、安定していた。
実施例8
ヒトの急性冠状動脈症候群を模倣する確立された動物モデルが、存在していなかったとはいえ、動物モデルのアテローム性動脈硬化症を阻害するためのCTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用は、可能であり得る。マウスのCTLA4Igを使用することは、高脂肪食を維持したアポリポ蛋白質E null(アポE −/−)マウスで維持したアテローム性動脈硬化症を抑制する能力および炎症(すなわち、感染因子、サイトカイン投与)を促進する刺激の有無を調査する。CTLA4Igは、プラセボ(偽)注射を受けたマウスと比較すると、この動物モデルの動脈硬化性プラーク形成の減少を与えうることを予想した。
ヒトの急性冠状動脈症候群を模倣する確立された動物モデルが、存在していなかったとはいえ、動物モデルのアテローム性動脈硬化症を阻害するためのCTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用は、可能であり得る。マウスのCTLA4Igを使用することは、高脂肪食を維持したアポリポ蛋白質E null(アポE −/−)マウスで維持したアテローム性動脈硬化症を抑制する能力および炎症(すなわち、感染因子、サイトカイン投与)を促進する刺激の有無を調査する。CTLA4Igは、プラセボ(偽)注射を受けたマウスと比較すると、この動物モデルの動脈硬化性プラーク形成の減少を与えうることを予想した。
実施例9
CTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用可能性は、さらにいくつかの患者分布において現れる。
CTLA4IgまたはL104EA29YIgの使用可能性は、さらにいくつかの患者分布において現れる。
不安定狭心症または非ST上昇心筋梗塞(非STEMI)および基礎的な炎症の証拠(すなわち、上昇したhsCRP)を有する入院患者は、プラセボまたはCTLA4Ig/L104EA29YIgのどちらかを受けるためにランダム化する。患者は、標準的な薬物のバックグラウンドまたは倫理的な権限による介入治療を受け、最新の米国心臓協会/米国大学心臓ガイドラインと一致する。主要評価項目は、後の患者の死亡症例の減少および/またはhsCRP(または他の炎症マーカー)によって測定される後のリスク減少に影響する臨床的に複合したものである。
Claims (29)
- B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子の有効量を患者に投与することを特徴とする、心臓血管疾患を治療する方法。
- B7とCTLA4および/またはCD28の相互作用を遮断する分子が、可溶性CTLA4分子である、請求項1の方法。
- 該心臓血管疾患が、アテローム性動脈硬化症;心臓冠状動脈疾患(CHD);再狭窄;末梢動脈疾患;冠状動脈バイパス手術;頸動脈疾患;動脈炎;心筋炎;心臓血管炎;血管炎;不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);心筋梗塞;初期または再発心筋梗塞を含む、急性心筋梗塞(AMI)、非Q波心筋梗塞、非ST上昇心筋梗塞およびST上昇心筋梗塞からなる群から選択される、請求項1の方法。
- 該心臓血管疾患が、アテローム性動脈硬化症;心臓冠状動脈疾患(CHD);不安定狭心症(UA);難治性不安定狭心症;安定狭心症(SA);慢性安定狭心症;急性冠状動脈症候群(ACS);心筋梗塞;初期または再発心筋梗塞を含む、急性心筋梗塞(AMI)、非Q波心筋梗塞、非ST上昇心筋梗塞およびST上昇心筋梗塞からなる群から選択される、請求項3の方法。
- 該心臓血管疾患が、T細胞とB7陽性細胞の相互作用によって介在される、請求項1の方法。
- 該心臓血管疾患が、少なくとも一つの炎症マーカーと関連する、請求項1の方法。
- 該炎症マーカーが、CRP、hsCRP、IL−10、CD40L、sCD40L、IL−6、sICAM−1、TNF−α、白血球数、フィブリノーゲン、および血清アミロイドAからなる群から選択される、請求項6の方法。
- 該炎症マーカーが、CRP、hsCRP、IL−6、およびTNF−αからなる群から選択される、請求項7の方法。
- 該可溶性CTLA4分子の有効量が、約0.1〜100mg/kg(患者の体重)、約0.5〜100mg/kg(患者の体重)、0.5〜5mg/kg(患者の体重)、約5〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜15mg/kg(患者の体重)、約15〜20mg/kg(患者の体重)、約20〜25mg/kg(患者の体重)、約25〜30mg/kg(患者の体重)、約30〜35mg/kg(患者の体重)、約35〜40mg/kg(患者の体重)、約40〜45mg/kg(患者の体重)、約45〜50mg/kg(患者の体重)、約50〜55mg/kg(患者の体重)、約55〜60mg/kg(患者の体重)、約60〜65mg/kg(患者の体重)、約65〜70mg/kg(患者の体重)、約70〜75mg/kg(患者の体重)、約75〜80mg/kg(患者の体重)、約80〜85mg/kg(患者の体重)、約85〜90mg/kg(患者の体重)、約90〜95mg/kg(患者の体重)、約95〜100mg/kg(患者の体重)、約2〜10mg/kg(患者の体重)、約0.1〜4mg/kg(患者の体重)、約0.1〜0.5mg/kg(患者の体重)、約0.5〜1.0mg/kg(患者の体重)、約1.0〜1.5mg/kg(患者の体重)、約1.5〜2.0mg/kg(患者の体重)、約2.0〜2.5mg/kg(患者の体重)、約2.5〜3.0mg/kg(患者の体重)、約3.0〜3.5mg/kg(患者の体重)、約3.5〜4.0mg/kg(患者の体重)、約4.0〜4.5mg/kg(患者の体重)、約4.5〜5.0mg/kg(患者の体重)、約5.0〜5.5mg/kg(患者の体重)、約5.5〜6.0mg/kg(患者の体重)、約6.0〜6.5mg/kg(患者の体重)、約6.5〜7.0mg/kg(患者の体重)、約7.0〜7.5mg/kg(患者の体重)、約7.5〜8.0mg/kg(患者の体重)、約8.0〜8.5mg/kg(患者の体重)、約8.5〜9.0mg/kg(患者の体重)、約9.0〜9.5mg/kg(患者の体重)、約9.5〜10.0mg/kg(患者の体重)、約0.1〜2mg/kg(患者の体重)、約2〜4mg/kg(患者の体重)、約4〜6mg/kg(患者の体重)、約6〜8mg/kg(患者の体重)、約8〜10mg/kg(患者の体重)、約10〜12mg/kg(患者の体重)、約12〜14mg/kg(患者の体重)、約14〜16mg/kg(患者の体重)、約16〜18mg/kg(患者の体重)、約18〜20mg/kg(患者の体重)、約0.5mg/kg(患者の体重)、2mg/kg(患者の体重)、10mg/kg(患者の体重)、約0.5〜100mg/kg(患者の体重)、約0.5〜10mg/kg(患者の体重)、約0.1〜20mg/kg(患者の体重)、60kg以下の患者に対して約500mg、60〜100kgの患者に対して750mg、または100kg以上の患者に対して1000mgである、請求項2の方法。
- 該可溶性CTLA4分子が、活性化したB細胞で発現されたB7抗原と結合する、CTLA4分子の細胞外ドメイン、またはその一部分を含む、請求項2の方法。
- 該CTLA4分子の細胞外ドメインが、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、124位のアスパラギン酸で終わる、図23で示すアミノ酸を含む、請求項10の方法。
- 該可溶性CTLA4分子が、CTLA4融合分子である、請求項2の方法。
- 該CTLA4融合分子が、非CTLA4分子と結合した活性化されたB細胞で発現されるB7抗原と結合する、CTLA4分子の細胞外ドメインを含む、請求項11の方法。
- 該CTLA4分子の細胞外ドメインが、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、124位のアスパラギン酸で終わる、図23で示すアミノ酸を含む、請求項13の方法。
- 該非CTLA4分子が、可溶性CTLA4分子の溶解性または親和性を変えるアミノ酸配列を含む、請求項13の方法。
- 該溶解性または親和性を変えるアミノ酸配列が、免疫グロブリン部を含む、請求項15の方法。
- 該免疫グロブリン部が、エフェクター機能を減少するために、1またはそれ以上の突然変異を含む、請求項16の方法。
- 該免疫グロブリン部が、ヒンジを含み、該ヒンジ内のシステイン残基のいずれかまたはすべてがセリンで置換される、請求項16の方法。
- 該免疫グロブリン部が、免疫グロブリンの定常領域またはその一部である、請求項16の方法。
- 該免疫グロブリン定常領域またはその一部が、エフェクター機能を減少するために突然変異させる、請求項19の方法。
- 該免疫グロブリン定常領域が、免疫グロブリン分子のヒンジ、CH2およびCH3領域を含む、請求項19の方法。
- 該免疫グロブリン定常領域またはその一部が、ヒトまたはサルの免疫グロブリン定常領域またはその一部である、請求項19の方法。
- 該CTLA4融合分子が、CTLA4Igである、請求項12の方法。
- 図24で示されるCTLA4Igが、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、+357位のリジンで終わる、請求項23の方法。
- 該可溶性CTLA4分子が、可溶性CTLA4の突然変異分子である、請求項2の方法。
- 該可溶性CTLA4の突然変異分子が、活性化されたB細胞で発現されたB7抗原と結合し、CTLA4分子の細胞外ドメイン内の突然変異を含む、請求項25の方法。
- 該可溶性CTLA4の突然変異分子が、CTLA4の細胞外ドメインを含み、
a)該CTLA4の細胞外ドメインが、図23で示すとおり、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、+124位のアスパラギン酸で終わり、該CTLA4の細胞外ドメインの+104位のロイシンが、他のいずれかのアミノ酸で置換される、請求項25の方法。 - 該可溶性CTLA4の突然変異分子が、CTLA4の細胞外ドメインを含み、
a)該CTLA4の細胞外ドメインが、図23で示すとおり、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、+124位のアスパラギン酸で終わり;
b)該CTLA4の細胞外ドメインの+104位のロイシンが、グルタミン酸で置換され;および
c)該CTLA4の細胞外ドメインの+29位のアラニンが、チロシンで置換される、請求項25の方法。 - 該可溶性CTLA4の突然変異分子が、図19で示すとおり、+1位のメチオニンまたは−1位のアラニンで始まり、+357位のリジンで終わる、L104EA29YIgである、請求項25の方法。
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