JP2007335446A - 配線基板 - Google Patents

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【課題】GHz帯の高周波信号を低損失で伝送することができる配線基板を提供する。
【解決手段】本発明の配線基板10は、絶縁体12と、該絶縁体中に分散された磁性ナノ粒子とからなり、前記磁性ナノ粒子は、超常磁性を有し短軸長に対する長軸長の比率が2以上の細長形状の磁性ナノ粒子11を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、GHz帯の高周波回路素子を搭載する高周波用の配線基板に関し、特に、低損失で信号伝送することができる配線基板に関するものである。
近年、情報処理の高速化、高速高密度な情報通信への要求により、高周波用半導体素子を作動させる信号の高周波化が著しい。例えば、現在コンピュータのCPUに用いられるLSIチップは最高数GHzのクロック周波数で動作している。また、将来の発展が大いに期待されている衛星放送や携帯電話、携帯端末などのモバイル通信には、GHz帯の高周波信号が使用されている。
高周波回路では、導体配線と配線基板において損失を生じ、特に配線基板における損失が深刻になってきている。これらは、信号伝送時に発熱やノイズ、高消費電力等の問題となって現れる。すなわち、高周波域の素子に使用される配線基板の材料は、GHz帯の高周波信号を低損失で伝送できる材料であることが望まれる。
特性インピーダンスZ(Ω)の配線を電圧V(V)で駆動した場合、伝送損失P(W)は、次式(1)で表され、大きな特性インピーダンスZを示す配線は、低損失で信号伝送することができる。
P=V/Z (1)
一方、特性インピーダンスZは、次式(2)のように配線基板材料の比透磁率μrと比誘電率εrとの比の二乗根に比例する。
=(L/C)1/2 ∝ (μr /εr1/2 (2)
(ここで、Lは配線の単位長さあたりのインダクタンス、Cは単位長さあたりの電気容量を表す。)
従来、大きな特性インピーダンスZを示す低損失配線基板として、低誘電率材料を用いた配線基板が提案されてきた(例えば、特許文献1参照。)。ここでは、配線基板の低比誘電率εr化によって特性インピーダンスZを増大させて低損失化が達成される。
低誘電率材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(εr≒2.1)等のフッ素樹脂があり、これを多孔質化するとさらに低い誘電率が達成できる。例えば、80%の空孔をもつ多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂においては、εr≒1.1である。
しかしながら、多孔質フッ素樹脂で形成された配線基板は、機械的強度が極めて弱く、また熱に対する寸法安定性が非常に低いため、実用化が困難であった。また、原理的に比誘電率εrは1よりも小さくなることができないため、従来の配線基板の低損失化策には限界があった。
これに対して、本発明者らは配線基板の誘電特性のみならず磁気特性に着目し、高比透磁率の磁性ナノ粒子を配合させることにより、配線基板の透磁率を高くする方法を提案している(特許文献2参照。)。しかしながら、この配線基板でも十分な比透磁率が得られない場合があった。
特開平6−53357号公報 特開2005−286306号公報
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、GHz帯の高周波信号を低損失で伝送することができる配線基板を提供することを目的とする。
発明者らは、高比透磁率の磁性ナノ粒子を配合した配線基板であっても、磁性ナノ粒子の形状が配線基板の比透磁率に影響を及ぼし十分な性能が得られていないことを把握した。すなわち、磁性粒子が球形の場合、粒子内部の反磁界の影響を強く受けて十分な比透磁率が得られないことが判明し、反磁界の影響を受けない磁性ナノ粒子の形状に関して鋭意検討を行い、本発明をなすに至った。
前記課題を解決するために提供する本発明は、絶縁体と、該絶縁体中に分散された磁性ナノ粒子とからなり、前記磁性ナノ粒子は、超常磁性を有し短軸長に対する長軸長の比率が2以上の細長形状の磁性ナノ粒子Aを含むことを特徴とする配線基板である。
ここで、前記磁性ナノ粒子Aは、ロッド形状または針形状を有することが好ましい。
また前記磁性ナノ粒子Aは、長軸方向が当該配線基板の主面に対して平行となるように配向されていることが好適である。
また、前記磁性ナノ粒子の体積充填率が60%以下であることが好ましい。
さらに、前記磁性ナノ粒子が、元素Fe,Co,Ni,Mn,Sm,Nd,Tb,Al,Pd、Pt、前記元素の金属間化合物、前記元素の二元合金、前記元素の三元合金、あるいは添加元素としてSi,N,Mo,V,W,Ti,B,C,Pの少なくとも1つを含む前記元素,前記金属間化合物,前記二元合金,前記三元合金、Fe酸化物、Fe以外の前記元素の少なくとも1つをさらに含むFe系酸化物、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Mg−Mn系フェライト、ガーネットからなる群から選択される材料からなることが好ましい。また、前記磁性ナノ粒子の表面がカルボン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルフィン酸、スルホン酸、チオール、アミン、アミン塩より選択される少なくとも1種類の界面活性剤またはシランカップリング剤で被覆されていることが好適である。
また、前記磁性ナノ粒子は、液相合成されたものであるとよい。
また、前記絶縁体が、高分子材料、セラミック、ガラスまたはこれらの複合体であることが好ましい。
例えば、前記絶縁体が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂若しくはシアネート樹脂であるとよい。
あるいは、前記絶縁体が、アルミナ系セラミック、窒化アルミニウム系セラミック、窒化ケイ素系セラミック、窒化ホウ素系セラミックまたはこれらの複合体であるとよい。
あるいは、前記絶縁体が、シリカガラス、シリコンマイカガラス、水晶ガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラスまたはこれらの複合体であるとよい。
本発明の配線基板によれば、高い比透磁率μを有することができ、GHz帯においても良好な低伝送損失を示すことが可能となる。
以下に、本発明に係る配線基板の実施の形態について説明する。
図1に、本発明に係る配線基板の断面図を示す。
配線基板10は、絶縁体12と、絶縁体12中に分散された磁性ナノ粒子とからなり、該磁性ナノ粒子は、超常磁性を有し短軸長に対する長軸長の比率が2以上の細長形状の磁性ナノ粒子11を含むものである。図1においては、分散された磁性ナノ粒子が、短軸長に対する長軸長の比率が2以上の細長形状のものを示しているが、配線基板として透磁率の性能を阻害しない程度に、短軸長に対する長軸長の比率が2未満、あるいは球形の磁性ナノ粒子を一部に含んでいてもよい。
磁性ナノ粒子11は、粒子サイズがナノオーダーの磁性微粒子であり、超常磁性を示すものである。また超磁性ナノ粒子11の形状としては、ロッド形状、針形状であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、長軸方向、短軸方向が識別できる細長形状であればよい。これにより後述する実効の比透磁率を高くすることができる。
ここで、超常磁性について説明する。
強磁性微粒子の自発磁化は、微粒子の磁気異方性エネルギーEによりその向きが保たれる。ここで、磁気異方性エネルギーEは、次式のように磁性微粒子の磁気異方性定数Kと体積Vとの積で表されるが、自発磁化は熱エネルギーkTによって、その向きを変える可能性がある。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
E = K・V
環境温度が高くなり、熱エネルギーkTが磁気異方性エネルギーEと同程度あるいはそれ以上に大きい場合、自発磁化の方向は絶えず熱的に活性化され、振動し、残留磁化が消失する。この状態にある強磁性体の磁気特性を超常磁性という。
磁性ナノ粒子の形状が、ロッド形状あるいは針形状のような細長形状であれば、反磁界の影響を小さくすることができるため、実効の透磁率を高くすることが可能である。材料の比透磁率μ(材料)と実効の比透磁率μ(実効)の関係は、反磁界係数をNとすると、(3)式で表される。
μ(実効)=μ(材料)/[1+N/4π{μ(材料)−1}] (3)
長軸長/短軸長比の異なる粒子について(1)式によりμ(実効)を計算すると、図2のようになる。粒子形状が球形である場合(長軸長/短軸長=1)、μ(材料)が高くてもμ(実効)は3程度であるのに対し、長軸長/短軸長比が高くなるにつれて、μ(実効)はより大きな値を示すことがわかる。以上のことから、粒子形状を細長形状にすることによって、実効の比透磁率を高くすることができることは明らかである。このとき、長軸長/短軸長比は2以上であることが好ましく、5以上であるとより好ましい。
また、これら磁性ナノ粒子11は、図1に示すように配線基板10の主面に対して長軸方向が平行になるように配向されているのが好ましい。より詳しくは配線基板10の主面と平行で、かつ伝送線路の長さ方向に対して直角をなすように配向されているとよい(後述の図3参照。)。ただし、実際には配線基板には伝送線路が多数存在し、その向きは一定方向ではないため、磁性ナノ粒子11の長軸方向が配線基板10の主面と平行で、かつその平行面内でランダムに配向していることが好ましい。
また、磁性ナノ粒子11は、元素Fe,Co,Ni,Mn,Sm,Nd,Tb,Al,Pd、Pt、前記元素の金属間化合物、前記元素の二元合金、前記元素の三元合金、あるいは添加元素としてSi,N,Mo,V,W,Ti,B,C,Pの少なくとも1つを含む前記元素,前記金属間化合物,前記二元合金,前記三元合金、Fe酸化物、Fe以外の前記元素の少なくとも1つをさらに含むFe系酸化物、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Mg−Mn系フェライト、ガーネットからなる群から選択される材料からなることが望ましい。
また磁性ナノ粒子11は、気相あるいは液相合成されたものがあり、好ましくは液相合成されたものである。ここで液相合成法とは、金属塩、有機金属などを液中に溶解させ、還元あるいは分解などにより、粒子を析出させる方法であり、公知の液相合成法として、共沈法、水熱法、アルコール還元法、有機金属化合物の熱分解、逆ミセル法、超音波法、エレクトライド還元法がある。
また磁性ナノ粒子11の表面はカルボン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルフィン酸、スルホン酸、チオール、アミン、アミン塩より選択される少なくとも1種類の界面活性剤またはシランカップリング剤で被覆されていると絶縁体12を構成する樹脂への分散が容易となり好ましい。
なお、液相合成によれば、合成条件の選択により、粒径のコントロールが可能である。粒子の形状制御は用いる界面活性剤によって異方的に成長させることができる。液相合成された粒子は必要に応じて酸の希薄溶液による化学エッジング、あるいはセラミックビーズなどを用いた機械的破砕によって、粒子サイズをコントロールすることも可能である。
また、本発明に使用される磁性ナノ粒子11は、粒径(長軸長)分布の標準偏差が平均粒径の40%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。標準偏差が小さいほど、粒子ごとの磁気特性のばらつきが小さくなるため、優れた高周波特性を示す。
絶縁体12は、高分子材料、セラミック、ガラスまたはこれらの複合体で形成される。
ここでいう高分子材料は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂若しくはシアネート樹脂である。
またセラミックは、アルミナ系セラミック、窒化アルミニウム系セラミック、窒化ケイ素系セラミック、窒化ホウ素系セラミックである。または、これらのセラミックの複合体であってもよい。
またガラスは、シリカガラス、シリコンマイカガラス、水晶ガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラスである。または、これらのガラスの複合体であってもよい。
絶縁体12中に分散された磁性ナノ粒子11を含む磁性ナノ粒子の体積充填率は60%以下であることが好ましい。磁性ナノ粒子の充填率が60%を超える場合、配線基板10の機械的強度が低下し、変形しやすくなる。そのため、配線基板10の製造工程中に歪みを生じてしまい、配線基板10を用いて半導体装置を製造する際の位置合わせが難しくなる。これは、配線の接続不良等の原因となるため、問題である。また、絶縁体12中に分散された磁性ナノ粒子11の体積充填率は5%以上であることが好ましい。磁性ナノ粒子11の体積充填率が5%未満の場合、配線基板10は充分な比透磁率μrを示さない。
以上の構成により、配線基板10は、高い比透磁率μを有し、GHz帯の高周波領域において低損失で信号伝送することができる。
次に、高周波磁界中にある磁性体の比透磁率について説明する。一般に、交流磁界中の磁性体の比透磁率μは(4)式で表される。この場合、μは複素透磁率であり、μ 、μ '’はそれぞれその実数部、虚数部を表す。
μ=μ -jμ '’ (4)
ここで磁性体が超常磁性粒子の場合、μ 、μ '’はそれぞれ(5)式、(6)式で表すことができる。ここで、Msは磁性ナノ粒子の飽和磁化、Vは粒子の体積、xは配線基板中粒子の体積充填率、fは観測周波数、τは磁性ナノ粒子の緩和時間である。
μ =4πMs Vx・(3kT)−1・(1+(2πfτ)−1+1 (5)
μ '’=4πMs Vx・(3kT)−1・2πfτ・(1+(2πfτ)−1 (6)
なお、緩和時間τは(7)式で表される。式中、τは超常磁性粒子固有の最小緩和時間である。
τ=τexp(KV/(kT)) (7)
(6)式において2πfτ=1の時、μ '’は極大を示す。この時の観測周波数f以上の周波数帯では、磁性粒子の磁気モーメントは高周波磁界に追従できなくなるため、超常磁性的な挙動は示さなくなる。従って、配線基板10に分散された磁性ナノ粒子が使用する周波数帯において超常磁性を示すようにするためには(5)〜(7)に示すパラメータを適宜選択する必要がある。(7)式より明らかなように、超常磁性粒子の緩和時間τは磁気異方性定数K、体積V、温度Tの関数である。また、磁気異方性定数Kは磁性材種によって固有の結晶磁気異方性定数と、粒子形状によって発現する形状磁気異方性に分割される。ロッド状粒子の場合、長軸長/短軸長比が大きくなるほど、形状異方性は大きくなる。すなわち、超常磁性粒子の緩和時間τは磁性材種、粒子体積及び形状に依存する。
また、本発明の配線基板に使用する磁性ナノ粒子11について、適切な磁性材料種(Msの決定因子)、粒子体積、形状を選択することにより、μ を目的の大きさに制御することが可能である。
GHz帯の高周波域において、ヒステリシス損失或いは渦電流損失のため、比透磁率μ が小さくなってしまうことが懸念される。しかしながら、本発明で使用される磁性ナノ粒子群においては、緩和時間が非常に小さく、ヒステリシス損失を示さない。また、表皮深さ(skin depth)以下の微細な粒子群が絶縁体中に分散した構造のため、配線基板の抵抗率は充分に大きく、渦電流損失を示さない。
また、一般に強磁性粒子は周波数を増していくと、ある周波数で自然共鳴を起こし、透磁率μ は急激に減少してしまう。自然共鳴周波数が前述の超常磁性を示す境界周波数以下にある場合には、自然共鳴周波数以上では磁性粒子は超常磁性的挙動をとることはできない。そのため、本発明の配線基板において良好な低伝送損失を維持するためには、自然共鳴周波数よりも低い周波数帯で使用する必要がある。
ここで、磁性粒子が自然共鳴を起こす周波数fは、磁性粒子の結晶構造に起因する磁気異方性磁界Hkcと、ロッド形状などの細長形状により発現する磁気異方性磁界Hksにより(8)式の関係がある。
∝√(Hkcks) (8)
kc及びHksは磁気異方性定数によって決定されるので、適当な磁性材種及びその形状を選択することによりfrを前記超常磁性境界周波数よりも高く設定することが可能である。
以下に、本発明に係る配線基板の製造方法について説明する。
本発明に係る配線基板の製造は、つぎの手順で行うとよい。
(s11)溶媒中に磁性ナノ粒子(前述の磁性ナノ粒子11または磁性ナノ粒子11を含む磁性ナノ粒子)を分散させる。このとき、磁性ナノ粒子の表面は前述した界面活性剤またはシランカップリング剤で被覆されている。
(s12)該分散液に絶縁体材料を混合させる。
(s13)該溶液を攪拌し、型に入れ、溶媒を蒸発させて板状の残留固形物を得る。
(s14)該残留固形物を加熱圧縮することにより配線基板を得る。
ステップs14において、一方向に圧縮することで当該配線基板の主面に対して磁性ナノ粒子11の長軸方向が平行で、かつ該平行面内でランダムに配向した板状の配線基板を得ることができる。また、ここで使用する絶縁体は、高分子材料、セラミック、ガラスまたはこれらの複合体のいずれでもよく、ステップs12における絶縁体材料の混入は、高分子材料を溶媒中に溶解させる方法でよい。
また、本発明に係る配線基板の製造は、この他につぎの手順で行うとよい。
(s21)磁性ナノ粒子(前述の磁性ナノ粒子11または磁性ナノ粒子11を含む磁性ナノ粒子)表面に絶縁体材料成分を被覆させて、溶媒中に分散させる。
(s22)該溶液を攪拌しながら溶媒を蒸発させて黒色の残留固形物を得る。
(s23)該残留固形物を圧縮成形し、加熱焼成することにより配線基板を得る。
ここで使用する絶縁体材料は、セラミックまたはガラスからなるものが好ましく、ステップs21における絶縁体材料成分の被覆は、ゾルゲル法などによるとよい。
上記いずれの製造方法でも、図1に示す構成の配線基板を得ることができる。
本発明の配線基板は、ストリップ線路、マイクロストリップ線路、あるいはその他の回路のための基板として用いることができる。
伝送線路の形成方法としては、例えば前述した製造方法により得られた本発明の配線基板に配線14を埋め込み、上面下面にグラウンド15を蒸着することによりストリップ線路する方法がある(図3(a))。あるいは、本発明の配線基板の一方の主面に配線14を設け、他方の主面にグラウンド15を蒸着することによりストリップ線路するとしてもよい(図3(b))。図3(a),(b)では、いずれの場合も磁性ナノ粒子11と配線14との配置関係は理想的な状態を示しており、磁性ナノ粒子11の長軸方向は配線基板10の主面と平行で、かつ配線(伝送線路)14の長さ方向に対して直角をなすように配置されていることが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1における、使用材料、配線基板の形成方法、伝送線路の形成方法を以下に示す。
(1)使用材料
(i)磁性ナノ粒子:セチルトリメチルアンモニウムブロミドの存在下で水熱合成法により作製した長軸長平均200nm、短軸長平均20nmのFe粒子を、セラミックビーズを用いて水中で粉砕し、続いて1Nの塩酸中で化学エッジングすることにより長軸長は平均20nm、短軸長平均7nmのマグネタイト粒子(ロッド状Feナノ粒子)を得た。粒子の長軸長及び短軸長の標準偏差は共に25%であった。更に、得られた粒子の表面をアセチル安息香酸により被覆した。
(ii)絶縁体材料:平均分子量13万のポリメタクリル酸イソブチル(PIBMA)を用いた。
(2)配線基板の形成方法
ロッド状Feナノ粒子トルエン分散溶液と、PIBMAのトルエン溶液を混合した。ここで、Feナノ粒子とPIBMA及びアセチル安息香酸の体積比率は30:70とした。次に、溶液を40℃に保ち、ホモジナイザーを用いて攪拌し、20x20cmの型に入れ、トルエンを蒸発させて黒色の板状残留固形物を得た。ついで、黒色の板状残留固形物を加熱圧縮することにより、配線基板を作製した。
作製した配線基板について、周波数1MHz〜3GHzにおける複素透磁率μの実数部、虚数部(比透磁率μ 及びμ '’)を測定した。その結果を図4に示す。μ は1MHz〜1GHzにおいて約4を示し、μ '’は2.2GHzにおいて極大を示した。
(3)伝送線路の形成方法
次いで、上記で得られたロッド状Feナノ粒子を含む配線基板に配線を埋め込み、上面下面にグラウンドを蒸着することによりストリップ線路を形成し(図3(a))、伝送線路の特性インピーダンスZを評価した結果、樹脂単独で作製した配線基板における特性インピーダンスZよりも30%高い値を示した。したがって、(1)式より、実施例1の配線基板は、より低損失で信号伝送できることが確認された。
本発明に係る配線基板の構成を示す断面図である。 磁性ナノ粒子の短軸長に対する長軸長の比率と実効の比透磁率との関係を示す図である。 伝送線路を形成した本発明の配線基板の断面構成図である。 実施例1の配線基板における比透磁率の周波数依存性を示す図である。
符号の説明
10・・・配線基板、11・・・磁性ナノ粒子、12・・・絶縁体、14・・・配線、15・・・グラウンド

Claims (11)

  1. 絶縁体と、該絶縁体中に分散された磁性ナノ粒子とからなり、
    前記磁性ナノ粒子は、超常磁性を有し短軸長に対する長軸長の比率が2以上の細長形状の磁性ナノ粒子Aを含むことを特徴とする配線基板。
  2. 前記磁性ナノ粒子Aは、ロッド形状または針形状を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記磁性ナノ粒子Aは、長軸方向が当該配線基板の主面に対して平行となるように配向されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  4. 前記磁性ナノ粒子の体積充填率が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  5. 前記磁性ナノ粒子が、元素Fe,Co,Ni,Mn,Sm,Nd,Tb,Al,Pd、Pt、前記元素の金属間化合物、前記元素の二元合金、前記元素の三元合金、あるいは添加元素としてSi,N,Mo,V,W,Ti,B,C,Pの少なくとも1つを含む前記元素,前記金属間化合物,前記二元合金,前記三元合金、Fe酸化物、Fe以外の前記元素の少なくとも1つをさらに含むFe系酸化物、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Mg−Mn系フェライト、ガーネットからなる群から選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  6. 前記磁性ナノ粒子の表面がカルボン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルフィン酸、スルホン酸、チオール、アミン、アミン塩より選択される少なくとも1種類の界面活性剤またはシランカップリング剤で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  7. 前記磁性ナノ粒子は、液相合成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  8. 前記絶縁体が、高分子材料、セラミック、ガラスまたはこれらの複合体であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  9. 前記絶縁体が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂若しくはシアネート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  10. 前記絶縁体が、アルミナ系セラミック、窒化アルミニウム系セラミック、窒化ケイ素系セラミック、窒化ホウ素系セラミックまたはこれらの複合体であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  11. 前記絶縁体が、シリカガラス、シリコンマイカガラス、水晶ガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラスまたはこれらの複合体であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
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