JP2007333158A - 水素貯蔵タンク - Google Patents

水素貯蔵タンク Download PDF

Info

Publication number
JP2007333158A
JP2007333158A JP2006167859A JP2006167859A JP2007333158A JP 2007333158 A JP2007333158 A JP 2007333158A JP 2006167859 A JP2006167859 A JP 2006167859A JP 2006167859 A JP2006167859 A JP 2006167859A JP 2007333158 A JP2007333158 A JP 2007333158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
hydrogen storage
heat
heat medium
equilibrium pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006167859A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4953194B2 (ja
Inventor
Katsuhiko Hirose
雄彦 広瀬
Norihiko Hatsugawa
徳彦 秡川
Hideto Kubo
秀人 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2006167859A priority Critical patent/JP4953194B2/ja
Publication of JP2007333158A publication Critical patent/JP2007333158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4953194B2 publication Critical patent/JP4953194B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

【課題】水素吸蔵合金との間で熱交換する熱媒の流通経路での温度変化に伴なう水素の吸蔵/放出速度および水素の吸蔵/放出量の低下を防止する。
【解決手段】平衡圧力が熱媒であるLLCを流通する熱交換管12のLLC流通方向の上流側から下流側に向けて高くなるように、水素吸蔵合金MH1、MH2、およびMH3が配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素貯蔵タンクに関し、詳しくは、水素吸蔵合金を用いて水素の吸蔵および放出を行なうのに好適な水素貯蔵タンクに関する。
従来より、例えば水素ガスを貯蔵する場合、水素ガスを圧縮してボンベに充填したり、水素吸蔵が可能な水素吸蔵合金や水素吸着材料に吸蔵することが広く行なわれている。
ところが、ボンベでは容積が大きい割りには壁厚が大きいために内容量が小さい。また、一般に水素吸蔵合金等では必ずしも水素貯蔵密度が大きくなく、例えば車両に搭載する等の場合には、必要とされる貯蔵密度を満すことは難しい。そのため、水素吸蔵合金の充填密度を高めて多量の水素を吸蔵させる技術等に関する検討が種々なされている。
一方、水素吸蔵合金(MH)は、一般には、冷却し水素を加圧すると吸蔵反応(発熱反応)が進行し、逆に減圧下で合金を加熱すると放出反応(吸熱反応)が進行し、水素の吸放出に際して熱の移動を伴なうことが知られている。水素を一時的に貯蔵し、必要に応じて水素を放出する使用形態において、多量の水素量を貯蔵しあるいは放出するためには、熱の移動が良好に行なわれることが重要である。
すなわち、水素吸蔵合金は、水素を放出するときには顕熱を消費して温度低下し、この温度低下が大きくなると水素の放出速度は低下し、逆に水素を吸蔵するときには発熱し、この温度上昇が大きくなると水素の吸蔵速度も低下し、反応速度は下がる。
上記に関連して、水素吸蔵合金を用いて吸蔵された水素を燃料電池等の外部装置に供給する技術の一つとして、水素吸蔵合金内の循環用管路に熱媒を流して水素吸蔵合金を加熱し、水素を放出することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−18261号公報
ところが、熱媒を流す経路内では、熱媒の熱の大半が熱媒入口付近の水素吸蔵合金に奪われやすく、熱媒出口付近側に配置されている水素吸蔵合金との熱交換が不足するために、結果としてタンク全体で放出し得る水素放出量は少なくなってしまう。
このように、水素吸蔵合金が水素を充填(吸蔵)もしくは放出する際はそれぞれ発熱反応、吸熱反応を伴なうため、水素の充填時および水素放出時には、水素の吸蔵放出に寄与する水素吸蔵合金の全体に対して効率の良い熱交換が行なわれることが重要である。従来より、熱交換器や熱媒等の流量などの検討による水素の吸蔵・放出性能の向上が図られてきたが、これらの検討によっては、熱交換器の複雑、大型化、熱媒流量の増加による効率低下を招く。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、水素吸蔵合金との間で熱交換する熱媒の流通経路での温度変化(水素の放出時の熱媒温度の低下および吸蔵時の熱媒温度の上昇)に伴なう水素の吸蔵/放出速度および水素の吸蔵/放出量の低下を防止した水素貯蔵タンクを提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明の水素貯蔵タンクは、平衡圧力が互いに異なる複数の水素吸蔵合金と、熱媒が流通し、前記水素吸蔵合金と熱交換可能な熱媒管とを備え、前記複数の水素吸蔵合金は、それぞれの平衡圧力が前記熱媒管の一端側から他端側に向けて高くなるように配されており、前記水素吸蔵合金を加熱する場合には前記熱媒を平衡圧力が低い側から高い側へ前記熱媒管に流通するように構成したものである。
本発明の水素貯蔵タンクにおいては、平衡圧力が異なる複数の水素吸蔵合金(以下、「MH」と略記することがある。)を、MHとの熱交換が可能な熱媒を流通する熱媒管の一端側から他端側に向けて高くなるように配し、水素吸蔵合金を加熱する場合に平衡圧力が低い側から高い側へ熱媒を熱媒管に流通する(すなわち熱媒流通方向の上流側から下流側に向けて各MHの平衡圧力を高くする)ことで、水素放出時には、従来のように熱媒の温度が流通距離と共に次第に低下して水素の放出速度が悪くなる熱媒管(例えば中〜下流側)近傍での水素の放出が保たれるように、流通距離が長くなって降下した熱媒温度に対応させて水素の放出反応を行なわせるので、水素吸蔵合金の全体において吸蔵水素の放出反応が進行しやすくなり、水素の放出速度および水素放出量の向上を図ることができる。
本発明における熱媒(heating medium)は、水素吸蔵合金(MH)を所望の温度に制御するために、MHとの間の熱交換により熱を移動させるための流体である。熱媒体とも呼ばれる。
本発明の水素貯蔵タンクにおいては、水素放出時にはMHの平衡圧力の低い側から高い側に向けて熱媒を流通すると共に、水素吸蔵合金を冷却する、つまり水素吸蔵時には、熱媒管に、MHの平衡圧力が高い側から低い側に向かう方向に熱媒を流通する構成にすることができる。
水素放出時とは逆に、MHの平衡圧力が高い側から低い側に向かう方向、すなわち熱媒を流通している熱媒管の熱媒流通方向の上流側から下流側に向けて平衡圧力が小さくなるようにMHが配置されることで、水素を吸蔵する際に流通する熱媒の流通距離、すなわち流通距離に伴ない上昇する熱媒温度に対応させて各MHでの水素の吸蔵反応が行なわれるので、タンク内に収容された水素吸蔵合金の全体において水素の吸蔵反応が進行しやすくなり、水素の吸蔵速度および吸蔵量の向上を図ることができる。
また、水素吸蔵合金の平衡圧力(プラトー圧)が所期の使用圧力より低くなる温度領域であるときには、熱媒管に、MHの平衡圧力が高い側から低い側に向かう方向に、水素吸蔵合金を加熱する熱媒を流通させるようにすることができる。
低温環境下において、水素吸蔵合金の加熱が充分に行なわれ難いときには、平衡圧力の高い水素吸蔵合金(MH)に優先的に熱を与えることにより、比較的低温の環境下でも水素の放出反応が進行しやすいMHでの水素放出を促進し、外部供給が可能な水素量を確保することができる。
本発明の水素貯蔵タンクには、水素吸蔵合金との間で熱交換する熱媒管の管壁に熱交換フィンを設けることができる。本発明では、上記のように複数のMHを平衡圧力に基づいて配置することで水素の吸蔵・放出速度、放出量の向上が図られるものであるが、さらに熱交換フィンを設けることで、熱交換効率が高められるので、水素の放出/吸蔵時の吸熱/放熱効率、ひいては水素の放出/吸蔵速度、放出/吸蔵量をより向上させることができる。
熱交換フィンの配置は、平衡圧力の低い側の水素吸蔵合金中における配置間隔が、平衡圧力の高い側の水素吸蔵合金中における配置間隔より狭幅になっていることが望ましい。
複数のMHのうち、平衡圧力の低い側の水素吸蔵合金では、水素放出時の吸熱、および水素吸蔵時の発熱に伴なう温度変化が大きいため、MHの平衡圧力の低い領域では、平衡圧力が比較的高い領域よりも熱交換フィンの配置間隔(フィンピッチ)を狭めることで、熱交換効率を高めることができ、本発明における水素放出時の吸熱効率および水素吸蔵時の放熱効率、ひいては水素の放出速度および放出量、並びに水素の吸蔵速度および吸蔵量をより向上させることができる。
本発明は、複数の異なる平衡圧力を有する水素吸蔵合金(MH)をタンク内の適所に配置することにより、供給された水素の吸蔵(充填)・放出性能(吸蔵・放出速度および貯蔵・放出量を含む)が飛躍的に向上し、水素使用システムの構築に有効である。
本発明によれば、水素吸蔵合金との間で熱交換する熱媒の流通経路での温度変化(水素の放出時の熱媒温度の低下および吸蔵時の熱媒温度の上昇)に伴なう水素の吸蔵、放出速度および水素の吸蔵/放出量の低下を防止した水素貯蔵タンクを提供することができる。
以下、本発明の水素貯蔵タンクの実施形態を図1〜図5を参照して説明する。本実施形態の水素貯蔵タンクは、MHを加熱する熱媒の流通方向に沿って平衡圧力が高くなるように平衡圧力の異なる3種の水素吸蔵合金(MH)を配置すると共に、平衡圧力が高くなるにつれフィンピッチが広幅になるように熱交換フィンを設けて構成したものである。
本実施形態では、平衡圧力が1MPa、4MPa、8MPaの異なる3種の水素吸蔵合金をタンク内に収容し、これらの水素吸蔵合金との間で熱交換を行なう熱媒として、LLC〔ロングライフクーラント(長期間使用可能な液)〕を用いた場合を中心に説明する。但し、本発明においては下記実施形態に制限されるものではない。
図1および図2に示すように、本実施形態の水素貯蔵タンクは、水素を給排する水素給排口を備え、断面円形で耐圧性を有する高圧タンク11と、高圧タンク11の内部に収容された水素吸蔵合金であるTi20Cr4535合金MH1、Ti36Cr32Mn32合金MH2、およびTi30Cr4510Mo15合金MH3と、各水素吸蔵合金との間で熱交換が行なえるように水素吸蔵合金中に埋設された熱媒管である熱交換管12とを備えている。
高圧タンク11は、図1に示すように、ステンレス合金(SUS316L)を用いて断面円形の筒型に成形し、筒の長さ方向の両端が閉塞された中空体であり、35MPaの耐圧性能を有している。壁厚や断面形状、サイズなどは、目的等に応じて、上記以外の任意の厚み、矩形、楕円形などの任意の形状、サイズを選択することができる。タンクの材質も、アルミニウム合金や、アルミニウム合金の中空状ライナと炭素繊維強化樹脂とを組み合わせた構造なども選択可能である。
高圧タンク11の長手方向の一端には、水素給排口13が形成されており、この水素給排口13に水素を供給排出するための水素給排管(不図示)が接続されている。この水素給排管を挿通してタンク内に水素が供給されたときには、供給された水素を高圧タンク11内の水素吸蔵合金(MH1、MH2、およびMH3)に吸蔵させて貯蔵すると共に、外部に設けられた図示しない水素使用装置から水素の要求があったときには、貯蔵されている水素を水素給排管を通じて水素使用装置に供給できるようになっている。
高圧タンク11の他端には、LLC給排口(熱媒給排口)が形成されており、このLLC給排口に熱交換管12が取り付けられている。タンク外部から熱交換管12を通じて供給されたLLCは、水素貯蔵タンク内のMH中に埋設された管内を流通しながら各MHとの間で熱交換が行なえるようになっている。
熱交換管12は、U字型に成形された断面円形のアルミニウム管であり、アルミニウム管の一端(以下、熱媒供給端ともいう)から供給されたLLC(熱媒)は他端(以下、熱媒排出端ともいう)から排出され、アルミニウム管の熱媒供給端、熱媒排出端と接続して構築された図示しない循環系によりLLCの循環が可能な構成になっている。
熱交換管12の管外壁には、図2に示すように壁面から突出するようにして、アルミニウム製の熱交換用のフィン15A、15B、15Cが所定の間隔(フィンピッチ)で取り付けられており、各フィン間にMHが入り込んでMHとの間で迅速に効率良く熱交換し得るようになっている。
フィン15Aは、Ti20Cr4535合金MH1中にフィンピッチaで等間隔に配置されており、フィン15BはTi36Cr32Mn32合金MH2中にフィンピッチbで等間隔に配置されており、フィン15CはTi30Cr4510Mo15合金MH3中にフィンピッチcで等間隔に配置されている。各フィンピッチは、a<b<cの関係にあり、水素放出時には吸熱量が大きく水素吸蔵時には発熱量が大きくなるMH、すなわち平衡圧力の低いMH中に位置する熱交換管に多くのフィンを設け、熱交換効率がより高められるように構成されている。
本実施形態では、平衡圧力の異なる3種のMH領域を平衡圧力の順に熱交換管に沿って設けることにより、水素の吸蔵、放出速度および水素吸蔵・放出量を向上させ得るように構成しているが、上記のようにフィンピッチをMHの平衡圧力に合わせて狭めることにより、水素の吸蔵、放出速度および水素吸蔵・放出量を更に向上させることができる。
高圧タンク11の内部には、図2に示すように、水素吸蔵合金(MH)として、熱交換管12のLLCの熱媒供給端から熱媒排出端に向かうLLC流通経路に沿って平衡圧力がPMH1<PMH2<PMH3(同温度下)で大きくなる配置順となるように、平衡圧力1MPaのTi20Cr4535合金MH1、平衡圧力4MPaのTi36Cr32Mn32合金MH2、および平衡圧力8MPaのTi30Cr4510Mo15合金MH3が収容されている。
MH1、MH2およびMH3の3種のMHは、外部から水素給排口を介して水素が供給されると水素を吸蔵して貯蔵することができ、必要に応じて加熱したりタンク内圧を低くしたときには、MHに吸蔵されている水素が解離し、貯蔵された水素を外部に放出し、燃料電池等の水素使用装置に供給することができる。具体的には、下記のようにして水素の吸蔵および排出が行なわれる。
本実施形態においては、各MHの平衡圧力が熱媒であるLLC流通方向に沿ってMH1<MH2<MH3(同温度下)の順に大きくなるように3種のMHを配置することにより、水素を外部に放出する場合には、熱交換管12に熱媒として温度TのLLCが供給され、供給されたLLCはまずMH1との間で熱交換し、最も平衡圧力の低いMH1に熱が与えられるとMH1から水素が放出される。その後、MH1と熱交換して温度低下した温度T(<T)のLLCは、熱交換管12を挿通してMH2に到達し、MH2との間で熱交換してMH1の次に平衡圧力の低いMH2に熱が与えられるとMH2から水素が放出される。MH2と熱交換して更に温度低下した温度T(<T)のLLCはMH3に達し、MH3は平衡圧力が最も高いために比較的低温の温度Tの熱が与えられても水素の放出が可能である。
一般に水素吸蔵合金は、その平衡圧力が高いと水素を放出しやすく、したがって平衡圧力を低くすることで比較的安定に吸蔵(貯蔵)しておける水素量は増える反面、吸蔵された水素を放出し難くなるが、本実施形態のようにMHの温度制御を担う熱媒の温度変化に合わせて平衡圧力の異なるMHを選択することによって、水素の吸蔵・放出性、吸蔵・放出される水素量を高めることが可能である。
すなわち、従来のように1種のMHを用いた構成では、LLCが熱交換管12の熱媒供給端から熱媒排出端に向かって流通する過程で温度Tから温度Tまで低下することになるが、この温度低下に伴なってMHの平衡圧力も低下するため、平衡圧力と燃料電池等の水素使用装置に必要とされる下限圧力(例えば燃料電池の作動下限圧力)との圧力差を充分に保つことができない。本実施形態においては、上記のように熱交換を行なう熱交換管に沿ってMHを平衡圧力の順に配置することでLLC温度が流通に伴ない次第に低下してもより高い平衡圧力を持つMH2、MH3は圧力差を保つことができる。つまり、図3に示すように、LLC温度がTではMH1で所望の平衡圧力(すなわち水素放出性;以下同様)を満たすが、その後LLC温度が低下したときには、T(<T)では主としてMH2により、MH1の平衡圧力が下がって得られない所望の平衡圧力を保ち、T(<T)では主としてMH3により、MH1およびMH2の平衡圧力が下がって得られない所望の平衡圧力を保つ。
以上により、水素の放出速度、ひいては水素の放出量を向上させることができる。
また、水素充填時には、MH1/MH2/MH3の配置構造のまま、上記の温度TのLLC(熱媒)の流通方向とは逆方向(熱交換管12の熱媒排出端から熱媒供給端に向かう方向)に、冷却用の熱媒として温度tのLLCを供給し、流通する。このとき、MHの平衡圧力は、熱交換管12の熱媒(LLC)の流通経路に沿って小さくなる(MH3>MH2>MH1;同温度下)。
すなわち、従来のように1種のMHを用いた構成では、LLCが熱交換管12の熱媒排出端から熱媒供給端に向かって流通する過程で温度tから温度tまで上昇するが、この温度上昇に伴なってMHの平衡圧力も上昇するため、LLCが排出される熱媒供給端に近づくに従い、充填圧力と平衡圧力との圧力差が小さくなり、充填速度が低下する。本実施形態においては、上記のように熱交換を行なう熱交換管に沿ってMHの平衡圧力の順に配置することでLLC温度が流通に伴ない次第に上昇しても、より高い平衡圧力を持つMH2、MH3は圧力差を保つことができる。つまり、図4に示すように、LLC温度がTではMH3で所望の充填能力(すなわち水素吸蔵性;以下同様)を示すが、その後LLC温度が上昇したときには、T(>T)では主としてMH2により、MH3の平衡圧力が上がって得られない所望の充填能力を保ち、T(>T)では主としてMH1により、MH3およびMH2の平衡圧力が上がって得られない所望の充填能力を保つ。
以上により、水素の吸蔵速度、ひいては水素の吸蔵量を向上させることができる。
本実施形態の水素貯蔵タンクでは、低温環境下で水素を外部供給しようとする場合、水素吸蔵合金の平衡圧力(プラトー圧)が、所期の使用圧力であるタンク使用時の圧力Pより低くなる温度領域になったときには、MH1/MH2/MH3の配置構造のまま、上記の温度TのLLC(熱媒)の流通方向とは逆方向(熱交換管12の熱媒排出端から熱媒供給端に向かう方向)に、加熱用の熱媒として温度TのLLCを供給し、流通する。このとき、MHの平衡圧力は、水素充填(吸蔵)時と同様に、熱交換管12の熱媒(LLC)の流通経路に沿って平衡圧力が高い側から低い側に向かって小さくなる(MH3>MH2>MH1;同温度下)。
低温環境下での例えば燃料電池(FC)の始動時には、FCが暖機されるまでの間は平衡圧力の高いMH側から低いMH側に向けてMHを加熱するLLCの流通し、平衡圧力の最も高いMH3から優先的に水素が放出されるようにMH3側から熱を付与することにより、低温環境下での水素の放出速度および放出量を確保することができる。
温水をタンク内に供給できる程度までFCが暖機されれば、定常の水素放出を行なうためにLLCの流通方向をさらに逆転し、上記の水素放出時と同様に熱交換管12の熱媒供給端から熱媒排出端に向けてLLCを流通する。
ここで、水素吸蔵合金の平衡圧力(プラトー圧)がタンク使用時の圧力Pより低くなる温度領域は、環境温度の低下により、MHの平衡圧力が、水素を吸蔵もしくは放出する使用状態の使用圧力として予め設定された所期の圧力Pを下回って、水素の吸蔵、放出が低下またはできなくなる温度領域である。
すなわち、低温環境下ではMHの平衡圧力も低下するため、従来のように1種のMHを用いた構成では平衡圧力(充填圧力)と下限圧力との圧力差が小さくなって水素の放出速度や放出量も低下するが、本実施形態においては、上記のように平衡圧力の異なる3種のMHを用いることで、より高い平衡圧力を持つMH3、MH2で圧力差を保つことができ、また、3種のMHを熱交換管に沿って平衡圧力の順に配置し、最も平衡圧力の高いMH3側からMHを加熱するLLCを流通するようにすることで、MHの平衡圧力が所期の使用状態での圧力Pより低くなる低温環境下でも、水素の放出速度、放出量を確保することができる。つまり、図5に示すように、MH温度が高い(>T)とMH1のみでもある程度の平衡圧力(すなわち水素吸蔵性;以下同様)が得られるが、MH温度が低下していくと(<T)MH1のみでは圧力差を保てず、したがって、特に低温環境下では、主としてMH3、MH2により、MH1の平衡圧力が下がるために得られない所望の平衡圧力(充填圧力)を保つ。
以上により、低温環境下での水素の放出速度、ひいては水素の放出量を向上させることができる。
水素吸蔵合金(MH)としては、2元系合金、3元系合金、4元系合金などを挙げることができ、例えば、TiCrV系合金、TiCrMn系合金、LaNi系合金、TiFe系合金、TiVMo合金、TiCrVNi合金、TiCrMoV系合金などから平衡圧力を考慮して適宜選択することができる。
MHの具体例としては、LaNi、Ti25Cr5025、Ti25Cr2550、Ti36Cr32Mn32、Ti30Cr35Mn35、Ti20Cr4535、Ti30Cr4510Mo15、Ti25Cr5020Mo、Ti25Cr4425Fe、Ti25Cr5020Ni、Ti11Cr1271MoNiなどが挙げられる。
複数の水素吸蔵合金の組合せとしては、例えば、(1)50〜80℃での平衡圧力が1×10−1〜7×10−1MPaの水素吸蔵合金(例えば、Ti20Cr4535合金)、(2)10〜30℃での平衡圧力が0.8×10−1〜7×10−1MPaの水素吸蔵合金(例えば、Ti36Cr32Mn32合金)、および、(3)−30〜−10℃での平衡圧力が0.2×10−1〜4×10−1MPaの水素吸蔵合金(例えば、Ti30Cr4510Mo15合金)から選択される、平衡圧力の異なる2種もしくは3種以上の組合せが好ましい。
具体的な例としては、本実施形態の3種の組合せ以外に、例えば、Ti20Cr4535とTi30Cr4510Mo15との組合せ、Ti20Cr4535とTi25Cr5025との組合せや、Ti20Cr4535とTi30Cr35Mn35とTi25Cr5025との組合せを好適に挙げることができる。
水素吸蔵合金(MH)の形態は、粉状、粒状、ペレット状などのいずれの形状、サイズであってもよい。
水素吸蔵合金は、例えば、所望の組成、組成比となるように金属粉をアーク溶解して粗合金とし、(好ましくは更にアニールして)これをボールミル等の粉砕機を用いて粉砕処理する等して得たものを使用することができ、得られた粉状物等のMHをタンク内に(好ましくは高密度に)充填する等して本発明の水素貯蔵タンクを作製することができる。
MHとの間で熱交換を行なう熱媒としては、本実施形態ではLLCを用いた場合を説明したが、LLC以外に種々の物質を利用することができ、(1)使用できる圧力が適当である、(2)単位体積あたりの熱容量または潜熱が大きく、伝熱係数が大きい、(3)装置を腐食しない、(4)不燃性・安価・無毒などの環境や経済性の面で負担が少ない等の特徴から目的に合わせて選択することができる。LLC以外には、例えば、オイル、水などの液体を用いることができる。
上記の実施形態では、最も平衡圧力の低いMH1中に位置する熱交換管の距離(管長)を長くした構成となっており、MH1中の管長を長くしてMH1での水素の吸蔵・放出性能を高く確保すると共に、熱交換管の中〜下流側における低温になりやすい(MH1では吸蔵/放出性が低下しやすい)領域での吸蔵・放出性能を高めて、水素の吸蔵/放出速度、ひいては水素の吸蔵/放出量をより向上させることができる。
本実施形態のMH構成のほか、複数種が配置されるMHの形状、サイズについては、平衡圧力や内部構造、使用環境などに応じて選択すればよい。
また、上記では、複数のMHとして、平衡圧力の異なる3種のMHを用いた場合を説明したが、平衡圧力の異なる2種を用いて熱媒供給端側から熱媒排出端側に向けて平衡圧力が大きくなるようにMHを配置した構成にしてもよいし、平衡圧力の異なる4種以上のMHを用いた構成とすることもできる。
また、平衡圧力PαのMHおよび平衡圧力Pβ(Pα<Pβ)のMHと、この2種のMHの混合よりなる平衡圧力PγのMH(Pα<Pγ<Pβ)とを用いて構成するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る水素貯蔵タンクの斜視図である。 本発明の実施形態に係る水素貯蔵タンクの内部構成を示す概略断面図である。 水素放出時におけるMHの温度と平衡圧力との関係を示す関係図である。 水素吸蔵時におけるMHの温度と平衡圧力との関係を示す関係図である。 低温環境下でのMHの温度と平衡圧力との関係を示す関係図である。
符号の説明
12…熱交換管
15A,15B,15C…フィン
MH1…Ti20Cr4535合金
MH2…Ti36Cr32Mn32合金
MH3…Ti30Cr4510Mo15合金

Claims (5)

  1. 平衡圧力が互いに異なる複数の水素吸蔵合金と、
    熱媒が流通し、前記水素吸蔵合金と熱交換可能な熱媒管と、を備え、
    前記複数の水素吸蔵合金は、それぞれの平衡圧力が前記熱媒管の一端側から他端側に向けて高くなるように配されており、前記水素吸蔵合金を加熱する場合には前記熱媒を前記平衡圧力が低い側から高い側へ前記熱媒管に流通する水素貯蔵タンク。
  2. 前記熱媒管は、前記水素吸蔵合金を冷却する場合には、前記熱媒を前記平衡圧力が高い側から低い側へ流通することを特徴とする請求項1に記載の水素貯蔵タンク。
  3. 前記熱媒管は、前記水素吸蔵合金の平衡圧力が所期の使用圧力より低くなる温度領域であるときには、前記熱媒を前記平衡圧力が高い側から低い側へ流通することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素貯蔵タンク。
  4. 前記熱媒管は、管壁に熱交換フィンを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素貯蔵タンク。
  5. 前記熱交換フィンは、平衡圧力の低い側の水素吸蔵合金中における配置間隔が、平衡圧力の高い側の水素吸蔵合金中における配置間隔より狭幅になるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の水素貯蔵タンク。
JP2006167859A 2006-06-16 2006-06-16 水素貯蔵タンク Expired - Fee Related JP4953194B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006167859A JP4953194B2 (ja) 2006-06-16 2006-06-16 水素貯蔵タンク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006167859A JP4953194B2 (ja) 2006-06-16 2006-06-16 水素貯蔵タンク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007333158A true JP2007333158A (ja) 2007-12-27
JP4953194B2 JP4953194B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=38932810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006167859A Expired - Fee Related JP4953194B2 (ja) 2006-06-16 2006-06-16 水素貯蔵タンク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4953194B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016017542A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 株式会社神戸製鋼所 水素吸蔵放出装置及び水素吸蔵放出方法
JP2018512549A (ja) * 2015-03-13 2018-05-17 セナジー ソリューションズ インコーポレイテッド 圧力容器内のガスの貯蔵容量の増加

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021128437B3 (de) 2021-11-02 2023-03-30 Arianegroup Gmbh Raumfahrzeugtank mit Wärmetauscher, Raumfahrzeug und Verfahren zum Kühlen eines Tankinhalts

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317398A (ja) * 1986-07-08 1988-01-25 日本電気株式会社 飛翔体落下地点予測システム
JPS63125898A (ja) * 1986-11-17 1988-05-30 Kawasaki Heavy Ind Ltd 水素貯蔵装置および水素貯蔵装置内の貯蔵水素量を検出する方法
JPH0518261A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素吸蔵合金収容容器内の水素吸蔵合金の温度制御方法
JPH07208696A (ja) * 1993-12-02 1995-08-11 Mazda Motor Corp 水素吸蔵合金タンク構造
JP2002060201A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 Honda Motor Co Ltd 水素吸蔵合金式水素供給装置
JP2006097785A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Toyota Industries Corp 水素貯蔵タンク及び口金

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317398A (ja) * 1986-07-08 1988-01-25 日本電気株式会社 飛翔体落下地点予測システム
JPS63125898A (ja) * 1986-11-17 1988-05-30 Kawasaki Heavy Ind Ltd 水素貯蔵装置および水素貯蔵装置内の貯蔵水素量を検出する方法
JPH0518261A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Toyota Autom Loom Works Ltd 水素吸蔵合金収容容器内の水素吸蔵合金の温度制御方法
JPH07208696A (ja) * 1993-12-02 1995-08-11 Mazda Motor Corp 水素吸蔵合金タンク構造
JP2002060201A (ja) * 2000-08-11 2002-02-26 Honda Motor Co Ltd 水素吸蔵合金式水素供給装置
JP2006097785A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Toyota Industries Corp 水素貯蔵タンク及び口金

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016017542A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 株式会社神戸製鋼所 水素吸蔵放出装置及び水素吸蔵放出方法
JP2018512549A (ja) * 2015-03-13 2018-05-17 セナジー ソリューションズ インコーポレイテッド 圧力容器内のガスの貯蔵容量の増加

Also Published As

Publication number Publication date
JP4953194B2 (ja) 2012-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nguyen et al. Review of metal hydride hydrogen storage thermal management for use in the fuel cell systems
US8778063B2 (en) Coiled and microchannel heat exchangers for metal hydride storage systems
US7124790B2 (en) System and method for storing and discharging hydrogen
US8636836B2 (en) Finned heat exchangers for metal hydride storage systems
JP2009144901A (ja) 燃料電池自動車用水素貯蔵システム
EP1384940A2 (en) Hydrogen-storage container and method of occluding hydrogen
KR102317404B1 (ko) 수소저장시스템 및 이의 운용방법
JP4953194B2 (ja) 水素貯蔵タンク
Muthukumar Experimental investigation on annular metal hydride reactor for medium to large-scale hydrogen storage applications
JP2008039108A (ja) 水素貯蔵装置
JP4844233B2 (ja) 水素貯蔵装置および水素貯蔵方法
JP2008045650A (ja) 水素貯蔵装置
CN219223450U (zh) 一种基于螺旋管散热的储热结构
KR102634450B1 (ko) 고체 수소 저장장치
CN217544669U (zh) 一种一体化的储氢合金供氢燃料电池系统
JP2007315546A (ja) 水素貯蔵容器および水素吸放出装置
Parashar et al. Design optimization and numerical investigation of multi tube metal hydride reactor for large capacity hydrogen storage application
JP5061529B2 (ja) 高圧水素貯蔵容器
Parashar et al. Experimental study on charging and discharging characteristics of copper finned metal hydride reactor for stationary hydrogen storage applications
JP6407589B2 (ja) 水素吸蔵放出装置及び水素吸蔵放出方法
JP3046975B2 (ja) 水素貯蔵容器
JP5169157B2 (ja) 給湯システム
JP2006207719A (ja) 水素貯蔵容器
JP4001025B2 (ja) 給湯装置
JP3626371B2 (ja) 燃料電池用水素供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120306

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees