JP4001025B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯装置に関し、特に、蓄熱カプセルが収納された蓄熱ユニットを備えた給湯装置の安全対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、蓄熱材が封入された蓄熱カプセルに温熱を蓄え、その温熱を給湯に利用する給湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、蓄熱カプセルの温蓄熱の熱源としては、ヒートポンプが用いられている。このヒートポンプは、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えている。
【0003】
上記給湯装置は、蓄熱カプセルが充填された蓄熱タンクを備えている。該蓄熱タンクは、冷媒回路の凝縮器との間で水が循環する水循環路が接続される一方、市水が蓄熱タンク内を流通して給湯に利用される給湯回路が接続されている。そして、蓄熱タンク内では水が蓄熱カプセルに直接接するように流通している。
【0004】
つまり、水循環路を循環する水はヒートポンプの冷媒回路の凝縮器で冷媒と熱交換することにより、水は冷媒から吸熱して温水となる。この温水は蓄熱タンク内に流れ、蓄熱カプセルの周囲を流通して該蓄熱カプセルと熱交換することにより、蓄熱カプセルは温水から吸熱して温熱を蓄える。一方、市水は蓄熱カプセルの周囲を流通して該蓄熱カプセルの温熱を吸収して温水となり、給湯に利用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−211270号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した給湯装置の蓄熱タンクでは、水や温水が蓄熱カプセルに直接接するように流通しているので、水や温水と蓄熱カプセルとの間における伝熱性能に優れている。
【0007】
しかしながら、上記蓄熱タンクでは、水や温水が蓄熱カプセルに直接接していることから、万一蓄熱カプセルが破損した場合には、該蓄熱カプセル内に封入された蓄熱材が水や温水に混入するおそれがあった。そして、蓄熱材が混入した水や温水は給湯に利用されるため、人体に影響を及ぼす危険性があるという問題があった。さらに、給湯に利用された後、蓄熱材を含んだ水や温水が上水道に流入することによって、環境に影響を及ぼす危険性があるという問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓄熱カプセルと熱媒体との間における伝熱性能を低下させることなく、安全なカプセル型蓄熱ユニット(蓄熱タンク)を備えた給湯装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
具体的に、請求項1に係る発明は、熱媒体が循環する熱源回路(21)と、該熱源回路(21)の熱媒体から吸熱して蓄熱する蓄熱ユニット(31)と、該蓄熱ユニット(31)の蓄熱を取り出す給湯回路(60)とを備えた給湯装置(10)を前提としている。そして、上記蓄熱ユニット(31)は、熱源回路(21)の放熱用伝熱管(42)および給湯回路(60)の給湯用伝熱管(52)が収納されたケーシングと、該ケーシングに収納され且つ放熱用伝熱管( 42 )および給湯用伝熱管( 52 )に接し、熱源回路(21)の熱媒体から吸熱して蓄熱する蓄熱材がカプセル本体に充填されてなる複数の蓄熱材カプセル(33)とを備えている。さらに、蓄熱ユニット( 31 )の蓄熱材カプセル( 33 )と放熱用伝熱管( 42 )と給湯用伝熱管( 52 )との間隙には、伝熱促進剤が充填されている。
【0010】
上記の発明では、蓄熱ユニット(31)は、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と放熱用伝熱管(42)の熱媒体とを熱交換させ、蓄熱材が熱媒体から吸熱して温熱を蓄える。また、蓄熱ユニット(31)は、給湯用伝熱管(52)を流れる水と蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材とを熱交換させ、水が蓄熱材に蓄えた温熱を吸熱して温水になる。そして、この温水は給湯回路(60)を通じて給湯に利用される。
【0011】
ここで、上記熱媒体および水は、それぞれ放熱用伝熱管(42)内および給湯用伝熱管(52)内を流通している。すなわち、蓄熱材カプセル(33)は熱媒体および水に直接接していない。したがって、例えば、蓄熱材カプセル(33)のカプセル本体が破損等し該蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材が流出した場合でも、流出した蓄熱材が熱媒体または水に混入することはない。この結果、良好な給湯が行われ、安全な蓄熱ユニット(31)が提供される。
【0012】
さらに、上記の発明では、蓄熱材カプセル(33)と放熱用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)との間隙に伝熱促進剤が充填されているため、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と放熱用伝熱管(42)の熱媒体や給湯用伝熱管(52)の水とにおけるそれぞれの熱交換が促進され、伝熱性能が向上する。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、図7に示すように、蓄熱ユニット(31)の蓄熱材カプセル(33)内には、伝熱促進体が含有されている。
【0014】
上記の発明では、蓄熱材カプセル(33)内には伝熱促進体が含有されているため、請求項1に係る発明と同様に、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と放熱用伝熱管(42)の熱媒体や給湯用伝熱管(52)の水とにおけるそれぞれの熱交換が促進する。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、図8に示すように、蓄熱ユニット(31)は、放熱用伝熱管(42)の一部と給湯用伝熱管(52)の一部とが接触して構成されている。
【0016】
上記の発明では、放熱用伝熱管(42)の一部と給湯用伝熱管(52)の一部とが接触しているため、放熱用伝熱管(42)の一部においては放熱用伝熱管(42)の熱媒体から蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材を介さずに直接、給湯用伝熱管(52)の水に放熱される。したがって、熱媒体と蓄熱材と水とにおける全体の熱交換率が高められ、伝熱性能が向上する。
【0017】
【発明の参考形態1】
以下、本発明の参考形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本参考形態1の給湯装置(10)は、2台の熱源ユニット(11,12)と蓄熱手段である2台の蓄熱ユニット(31,32)を備えると共に、給湯系統(80)を備えている。そして、第1熱源ユニット(11)は第1蓄熱ユニット(31)に接続され、第2熱源ユニット(12)は第2蓄熱ユニット(32)に接続されている。また、上記給湯系統(80)は、給湯回路(60)と追焚き回路(66)とを備えている。
【0019】
上記各熱源ユニット(11,12)は、各蓄熱ユニット(31,32)に設けられる冷媒用熱交換器(41)とによって閉回路の冷媒回路(21)を構成し、該冷媒回路(21)は冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うヒートポンプを構成している。ここに、上記冷媒回路(21)は、熱源回路を構成している。
【0020】
上記冷媒回路(21)は、圧縮機(22)、蓄熱ユニット(31,32)の冷媒用熱交換器(41)、レシーバ(23)、膨張弁(24)、室外熱交換器(25)およびアキュームレータ(26)とを順に配管接続して構成されている。
【0021】
上記冷媒回路(21)には、例えば、R407C等のHFC冷媒やプロパン等のHC冷媒が充填されている。また、上記冷媒回路(21)の室外熱交換器(25)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であって、冷媒を外気と熱交換させるための熱源側熱交換器を構成している。
【0022】
上記給湯回路(60)は、その一端が上水道に接続され、他端が給湯栓(61)に接続されている。また、上記給湯回路(60)は、各蓄熱ユニット(31,32)に設けられる給湯用熱交換器(51)を備え、第1蓄熱ユニット(31)と第2蓄熱ユニット(32)の各給湯用熱交換器(51)は、直列に接続されている。
【0023】
また、上記給湯回路(60)には、バイパス管(62)が設けられている。該バイパス管(62)の一端は、第1蓄熱ユニット(31)の給湯用熱交換器(51)の上流側配管に接続され、他端は、第2蓄熱ユニット(32)の給湯用熱交換器(51)の下流側配管に混合弁(63)を介して接続されている。該混合弁(63)は、第2蓄熱ユニット(32)からの温水とバイパス管(62)からの水道水との混合割合を変化させるように構成されている。
【0024】
また、上記給湯回路(60)には、風呂注湯管(64)が設けられている。該風呂注湯管(64)の一端は、給湯回路(60)における混合弁(63)と給湯栓(61)との間の配管に接続され、他端は、上記追焚き回路(66)を介して浴槽(68)に接続されている。そして、上記風呂注湯管(64)には、風呂注湯弁(65)が設けられている。
【0025】
また、上記給湯回路(60)における混合弁(63)と給湯栓(61)との間には、給湯温度センサ(71)と流量センサ(72)とが設けられている。該給湯温度センサ(71)および流量センサ(72)は、何れも給湯回路(60)における風呂注湯管(64)の接続部よりも上流側に配置されている。上記給湯温度センサ(71)は、混合弁(63)から送り出された温水の温度を検出している。一方、上記流量センサ(72)は、混合弁(63)から送り出された温水の流量を検出している。
【0026】
上記追焚き回路(66)は、その両端が浴槽(68)に接続され、第2蓄熱ユニット(32)に設けられる追焚き伝熱管(53)と、追焚きポンプ(67)とが順に接続されている。また、上記追焚き回路(66)には、風呂温度センサ(73)が設けられている。該風呂温度センサ(73)は、追焚きポンプ(67)の下流側に配置され、浴槽(68)から追焚き伝熱管(53)に送られる温水の温度を検出している。
【0027】
上記各蓄熱ユニット(31,32)は、上述したように、冷媒用熱交換器(41)と給湯用熱交換器(51)とを備え、該冷媒用熱交換器(41)と給湯用熱交換器(51)とが収納されたケーシング(図示しない)を備えている。さらに、第2蓄熱ユニット(32)のケーシングには、上述したように、追焚き伝熱管(53)が収納されている。
【0028】
そして、第1蓄熱ユニット(31)と第2蓄熱ユニット(32)とは、例えば、上下に積み重ねられて設置され、それぞれのケーシング内に蓄熱材カプセル(33)が収納されている。該蓄熱材カプセル(33)は、カプセル本体に蓄熱材が充填されて成り、例えば、第1蓄熱ユニット(31)の蓄熱材としては融点31℃の硫酸ナトリウム10水和物(Na2SO4・10H2O)、第2蓄熱ユニット(32)の蓄熱材としては融点55℃の酢酸ナトリウム3水和物(CH3COONa・3H2O)が用いられている。また、上記蓄熱材カプセル(33)のカプセル本体は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンで形成されている。
【0029】
上記冷媒用熱交換器(41)は、冷媒用伝熱管(42)で構成されている。一方、上記給湯用熱交換器(51)は、給湯用伝熱管(52)で構成され、第1蓄熱ユニット(31)と第2蓄熱ユニット(32)の各給湯用伝熱管(52)は、直列に接続されている。ここに、上記冷媒用伝熱管(42)は、放熱用伝熱管を構成している。
【0030】
上記各蓄熱ユニット(31,32)は、冷媒用伝熱管(42)内の冷媒と蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材とを熱交換させ、蓄熱材が冷媒から吸熱して温熱を蓄える。また、上記各蓄熱ユニット(31,32)は、給湯用伝熱管(52)内の水道水と蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材とを熱交換させ、水道水が蓄熱材に蓄えた温熱を吸熱して温水になる。さらに、第2蓄熱ユニット(32)は、追焚き伝熱管(53)内の温水と蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材とを熱交換させ、温水が蓄熱材に蓄えた温熱を吸熱して加熱される。
【0031】
また、上記各蓄熱ユニット(31,32)は、上述したように、蓄熱材カプセル(33)と冷媒用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)とをそれぞれ備えることにより、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材が冷媒用伝熱管(42)内の冷媒や給湯用伝熱管(52)内の水道水に直接接しないように構成されている。また、第2蓄熱ユニット(32)においては、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材が追焚き伝熱管(53)内の温水に直接接しないように構成されていることは勿論である。
【0032】
ここで、上記蓄熱材カプセル(33)は、本発明の特徴として、図2に示すように、球状に形成されている。そして、上記蓄熱材カプセル(33)は、該蓄熱材カプセル(33)と冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)とが確実に接するように構成されている。
【0033】
つまり、上記冷媒用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)とは、行列方向に等間隔の碁盤目状に配列されている。そして、上記冷媒用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)とは、千鳥状に配置されている。一方、上記蓄熱材カプセル(33)は、球状に形成されているので、2つの冷媒用伝熱管(42)と2つの給湯用伝熱管(52)とに接するように配置されている。
【0034】
−運転動作−
次に、上記給湯装置(10)の運転動作について説明する。この給湯装置(10)は、いわゆる瞬間湯沸器と同様に、送り込まれた水道水を連続的に加熱して温水を生成し、得られた温水を給湯栓(61)や浴槽(68)に順次供給する。
【0035】
ここでは、各蓄熱ユニット(31,32)が満蓄熱状態、すなわち、各蓄熱ユニット(31,32)の蓄熱材の全部が融解して液体となっている状態から説明を始める。
【0036】
上記給湯栓(61)または風呂注湯弁(65)が開かれると、給湯回路(60)で水道水が流通し始める。該水道水が給湯回路(60)を流れ始めると、それに応じて各熱源ユニット(11,12)の圧縮機(22)が起動する。
【0037】
上記各熱源ユニット(11,12)の冷媒回路(21)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。具体的に、冷媒回路(21)において、圧縮機(22)から吐出された冷媒は、冷媒用伝熱管(42)で放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、レシーバ(23)を介して膨張弁(24)を通過する際に減圧され、その後、室外熱交換器(25)で外気から吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(22)に戻って圧縮され、再び圧縮機(22)から吐出され、この冷媒循環が繰り返される。
【0038】
一方、給湯回路(60)を流れる水道水は、第1蓄熱ユニット(31)の給湯用伝熱管(52)へ流入し、次いで第2蓄熱ユニット(32)の給湯用伝熱管(52)へ流れる。該給湯用伝熱管(52)を流れる間に、水道水は、各蓄熱ユニット(31,32)に収納された蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材から吸熱して温水になる。その際、各蓄熱ユニット(31,32)の蓄熱材は、給湯用伝熱管(52)を流れる水道水に放熱し、その一部が凝固する。
【0039】
上記の際、蓄熱材カプセル(33)と給湯用伝熱管(52)とは確実に接触しているので、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と給湯用伝熱管(52)の水道水とが確実に熱交換でき、水道水は蓄熱材から確実に吸熱することができる。
【0040】
第2蓄熱ユニット(32)の給湯用伝熱管(52)から送り出された温水は、混合弁(63)へ流れる。該混合弁(63)では、バイパス管(62)からの水道水、すなわち、冷水が温水に混入される。この混合弁(63)における温水と冷水の混合割合は、給湯温度センサ(71)の検出温度に基づいて調節される。そして、温水は、混合弁(63)を通過する際に所定温度に調節され、その後、給湯栓(61)や浴槽(68)へ供給される。
【0041】
上述したように、給湯中には、各蓄熱ユニット(31,32)に蓄えられた温熱量が減少してゆく。そして、各蓄熱ユニット(31,32)における温熱量が所定値を下回ると、給湯の行われていない間に各熱源ユニット(11,12)が運転される。
【0042】
具体的に、各熱源ユニット(11,12)の冷媒回路(21)では、圧縮機(22)が運転されて冷凍サイクルが行われる。各蓄熱ユニット(31,32)において、給湯中に凝固した蓄熱材は、冷媒用伝熱管(42)を流れる冷媒から吸熱して融解する。各熱源ユニット(11,12)の運転は、各蓄熱ユニット(31,32)の蓄熱材が全て融解するまで継続される。
【0043】
上記の際、蓄熱材カプセル(33)と冷媒用伝熱管(42)とは確実に接触しているので、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と冷媒用伝熱管(42)の冷媒とが確実に熱交換でき、蓄熱材は冷媒から確実に吸熱することができる。
【0044】
また、風呂温度センサ(73)の検出温度に基づいて、浴槽(68)内の温水を再加熱する必要が生じると、追焚きポンプ(67)が運転される。追焚きポンプ(67)を運転すると、浴槽(68)内の温水が追焚き回路(66)へ取り込まれ、この温水が第2蓄熱ユニット(32)の追焚き伝熱管(53)へ導入される。該温水は、追焚き伝熱管(53)を流れる間に蓄熱材から吸熱し、その温度が上昇した後に浴槽(68)へ送り返される。
【0045】
上記の際も、蓄熱材カプセル(33)と追焚き伝熱管(53)とは確実に接触しているので、温水は蓄熱材から確実に吸熱することができる。
【0046】
−参考形態の効果−
以上説明したように、本参考形態によれば、各蓄熱ユニット(31,32)を流れる冷媒や水道水は、それぞれ冷媒用伝熱管(42)内や給湯用伝熱管(52)内を流通させるようにしたために、すなわち、蓄熱材カプセル(33)が冷媒や水道水に直接接しないようにしたために、万一、蓄熱材カプセル(33)のカプセル本体が破損等し該蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材が流出した場合、流出した蓄熱材が冷媒や水道水に混入するのを防止できる。したがって、常に良好な給湯を行うことができ、安全なカプセル型蓄熱ユニット(31)を提供することができる。
【0047】
また、蓄熱材カプセル(33)は球状に形成されるようにしたために、該蓄熱材カプセル(33)を冷媒用伝熱管(42)や給湯用伝熱管(52)に確実に接触させることができる。したがって、上記蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と冷媒用伝熱管(42)の冷媒や給湯用伝熱管(52)の水道水とにおけるそれぞれの熱交換が確実に行われる。この結果、蓄熱材カプセル(33)と冷媒や水道水とが直接接しないようにすることによる蓄熱材と冷媒や水道水とにおける伝熱性能の低下を抑制することができる。
【0048】
【発明の参考形態2】
次に、本発明の参考形態2を図面に基づいて詳細に説明する。
【0049】
本参考形態2は、図3に示すように、上記参考形態1が蓄熱材カプセル(33)を球状に形成したのに代えて、棒状に形成したものである。
【0050】
つまり、上記蓄熱材カプセル(33)は、長い棒状に形成され、その長手方向が冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)の管軸中心に対して垂直方向に一致するように配置されている。
【0051】
したがって、上記蓄熱ユニット(31)における蓄熱材カプセル(33)の充填効率を増大させることができる。この結果、上記蓄熱材カプセル(33)と冷媒や水とにおける伝熱性能の低下をより抑制することができる。その他の構成、作用および効果は、参考形態1と同様である。
【0052】
【発明の参考形態3】
次に、本発明の参考形態3を図面に基づいて詳細に説明する。
【0053】
本参考形態3は、図4に示すように、上記参考形態2が蓄熱材カプセル(33)をその長手方向が冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)の管軸中心に対して垂直方向に一致するように配置したのに代えて、その長手方向が冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)の管軸方向と平行を成すように配置したものである。
【0054】
したがって、上記蓄熱材カプセル(33)と冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)との接触面積を増大させることができる。この結果、上記蓄熱材カプセル(33)と冷媒や水とにおける伝熱性能の低下をより抑制することができる。その他の構成、作用および効果は、参考形態2と同様である。
【0055】
【発明の参考形態4】
次に、本発明の参考形態4を図面に基づいて詳細に説明する。
【0056】
本参考形態4は、図5に示すように、上記参考形態1が蓄熱材カプセル(33)を球状に形成したのに代えて、変形自在に形成したものである。
【0057】
つまり、上記蓄熱材カプセル(33)は、長い棒状で且つ変形自在に形成され、その長手方向が冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)の管軸中心に対して垂直方向に一致するように配置されている。
【0058】
したがって、上記参考形態1または2に比して、蓄熱材カプセル(33)が冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)に対して図に倣う形状に変形するので、蓄熱材カプセル(33)と冷媒用伝熱管(42)および給湯用伝熱管(52)との接触面積を確実に増大させることができる。この結果、上記蓄熱材カプセル(33)と冷媒や水道水とにおける伝熱性能の低下をより確実に抑制することができる。その他の構成、作用および効果は、参考形態1と同様である。
【0059】
【発明の実施の形態1】
次に、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0060】
本実施形態1は、図6に示すように、上記参考形態4が蓄熱材カプセル(33)、冷媒用伝熱管(42)、給湯用伝熱管(52)および追焚き伝熱管(53)との間隙を空隙のまましていたのに代えて、伝熱促進剤を充填させたものである。該伝熱促進剤には、例えば、水や不凍液などの液体、金属屑や炭素繊維などの固体を用いる。
【0061】
したがって、上記蓄熱材と冷媒や水道水とにおけるそれぞれの熱交換を促進させることができる。この結果、上記蓄熱ユニット(31,32)における伝熱性能を向上させることができる。その他の構成、作用および効果は、参考形態4と同様である。
【0062】
【発明の実施の形態2】
次に、本発明の実施形態2を図面に基づいて詳細に説明する。
【0063】
本実施形態2は、図7に示すように、上記参考形態4における蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材に伝熱促進体を含有させたものである。該伝熱促進体には、例えば、金属屑や炭素繊維などの固体を用いる。
【0064】
したがって、上記実施形態1と同様、蓄熱ユニット(31,32)における伝熱性能を向上させることができる。その他の構成、作用および効果は、参考形態4と同様である。
【0065】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記各形態について、以下のような構成としてもよい。
【0066】
例えば、上記各形態では、熱源として冷媒が循環して冷凍サイクルを行うヒートポンプを利用するようにしたが、例えば、ディーゼルエンジン発電機、ガスタービン発電機、燃料電池などの冷却水を熱媒体としてこれらディーゼルエンジン発電機等の排熱を利用するようにしてもよい。
【0067】
また、蓄熱ユニット(31,32)は、図8に示すように、冷媒用伝熱管(42)の一部と給湯用伝熱管(52)の一部とが接するように配置されている。この場合、冷媒用伝熱管(42)の出口側の一部において、冷媒用伝熱管(42)の冷媒は蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材を介さずに、直接給湯用伝熱管(52)の水道水に放熱できる。したがって、冷媒と蓄熱材と水道水とにおける全体の熱交換効率を高めることができ、蓄熱ユニット(31,32)における伝熱性能を向上させることができる。
【0068】
また、上記各形態では、熱源ユニット(11,12)および蓄熱ユニット(31,32)はそれぞれ2台用いるようにしたが、それぞれ1台あるいは複数台用いるようにしてもよいことは勿論である。
【0069】
また、第1蓄熱ユニット(31)と第2蓄熱ユニット(32)には、それぞれ融点31℃の蓄熱材と融点55℃の蓄熱材を用いるようにしたが、同一融点の蓄熱材を用いるようにしてもよい。また、上記蓄熱材に酢酸ナトリウム3水和物や硫酸ナトリウム10水和物の水和物系の物質を用いるようにしたが、例えば、パラフィン系や糖アルコール系の物質を用いるようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係る発明によれば、蓄熱ユニット(31,32)に放熱用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)を収納し、該放熱用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)の管内にそれぞれ熱媒体と水道水を流通させるようにしたために、万一、蓄熱材カプセル(33)のカプセル本体が破損等した場合でも、蓄熱材カプセル(33)から流出した蓄熱材が熱媒体や水道水に混入するのを防止することができる。したがって、良好な給湯を行うことができ、安全なカプセル型の蓄熱ユニット(31,32)を備えた給湯装置(10)を提供することができる。
【0071】
請求項1または請求項2に係る発明によれば、蓄熱材カプセル(33)と放熱用伝熱管(42)や給湯用伝熱管(52)との間隙に伝熱促進剤を充填するようにしたために、または、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材に伝熱促進体を含有させるようにしたために、蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材と放熱用伝熱管(42)の熱媒体や給湯用伝熱管(52)の水道水とにおけるそれぞれの熱交換を促進させることができる。したがって、蓄熱ユニット(31)における伝熱性能を向上させることができる。
【0072】
請求項3に係る発明によれば、放熱用伝熱管(42)の一部と給湯用伝熱管(52)の一部とが接触するようにしたために、放熱用伝熱管(42)の出口側の一部において、熱媒体は蓄熱材カプセル(33)の蓄熱材を介さずに、直接給湯用伝熱管(52)の水道水に放熱できるので、熱媒体と蓄熱材と水道水とにおける全体の熱交換効率を高めることができ、蓄熱ユニット(31,32)における伝熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考形態に係る給湯装置の回路図である。
【図2】 参考形態1に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【図3】 参考形態2に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【図4】 参考形態3に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【図5】 参考形態4に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【図6】 実施形態1に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【図7】 実施形態2に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【図8】 その他の実施形態に係る蓄熱材カプセル、冷媒用伝熱管および給湯用伝熱管の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
(10)給湯装置
(11)熱源ユニット
(21)熱源回路
(31)蓄熱ユニット
(33)蓄熱材カプセル
(42)放熱用伝熱管
(52)給湯用伝熱管
(60)給湯回路
Claims (3)
- 熱媒体が循環する熱源回路( 21 )と、
該熱源回路( 21 )の熱媒体から吸熱して蓄熱する蓄熱ユニット( 31 )と、
該蓄熱ユニット( 31 )の蓄熱を取り出す給湯回路( 60 )とを備えた給湯装置であって、
上記蓄熱ユニット( 31 )は、熱源回路( 21 )の放熱用伝熱管( 42 )および給湯回路( 60 )の給湯用伝熱管( 52 )が収納されたケーシングと、該ケーシングに収納され且つ放熱用伝熱管( 42 )および給湯用伝熱管( 52 )に接し、熱源回路( 21 )の熱媒体から吸熱して蓄熱する蓄熱材がカプセル本体に充填されてなる複数の蓄熱材カプセル( 33 )とを備え、
上記蓄熱ユニット(31)の蓄熱材カプセル(33)と放熱用伝熱管(42)と給湯用伝熱管(52)との間隙には、伝熱促進剤が充填されている
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1において、
上記蓄熱ユニット(31)の蓄熱材カプセル(33)内には、伝熱促進体が含有されている
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1または2において、
上記蓄熱ユニット(31)は、放熱用伝熱管(42)の一部と給湯用伝熱管(52)の一部とが接触している
ことを特徴とする給湯装置。
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