JP2007332606A - 遠隔制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザに所持される携帯機と遠隔制御対象との通信時間の増大を抑えつつ、通信の信頼性を確保することができる遠隔制御装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置14は、複数個の携帯機12の各々に対する起動信号Swakeを発信してから当該起動信号Swakeを受けた各携帯機12の全てが安定して動作するまでの時間を加味して設定された待機時間twが経過した後に、各携帯機12に対してACK信号Sackの返信を要求する返信タイミング制御信号Scontを発信するようにした。そして、各携帯機12は、当該返信タイミング制御信号Scontを受けてACK信号Sackを返信するようにした。このため、各携帯機12からのACK信号Sackの送信タイミングのばらつきが抑制され、当該ACK信号Sackの返信タイミングが一致する。また、ACK信号Sackのビットフォーマットを従来よりも短くすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、遠隔制御対象を遠隔制御により作動又は作動を許可する遠隔制御装置に関するものである。
従来、ユーザが電子キーとしての携帯機を携帯して車両に接近又は離間するに際して、携帯機と車両との間の相互無線通信を通じてドアの解錠又は施錠を行う車両用の電子キーシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この車両用の電子キーシステムにあっては、運転席側ドア、助手席側ドア、後席右側ドア及び後席左側ドアのドアハンドルノブに設けられた複数個の送信アンテナを備え、各送信アンテナを通じて応答要求信号が発信されることにより、運転席側ドア、助手席側ドア、後席右側ドア及び後席左側ドアの周辺に携帯機の検知領域を形成するようになっている。そして、ユーザが携帯機を携帯して車両に接近して前記検知領域内に入ると、携帯機は前記応答要求信号を受けて所定の識別コードを含む応答信号を返信する。この返信された応答信号が車室内に設けられた受信アンテナを介して受信されると、車両の制御装置は、前記受信した応答信号に含まれる所定の識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときには、車両のドアを電子的に解錠又は解錠を許可する。
次に、携帯機と車両との相互無線通信について詳細に説明する。すなわち、図4に示されるように、車両の制御装置は、前記応答信号として携帯機を起動させるWAKEコードを含む起動信号Swakeを、前記送信アンテナを通じて発信することにより、携帯機の検知領域を形成する。そして、ユーザが携帯機を携帯して前記検知領域に入った際に、携帯機が車両の送信アンテナを通じて発信される起動信号Swakeを受信すると、当該携帯機は、まず起動信号Swakeに含まれるWAKEコードの妥当性、すなわち、正規の信号パターンかどうかを判定する。次に、携帯機は、内蔵された制御ICの動作が安定するのを待って、正常に認識した旨の応答信号であるACK信号Sackを車両側へ返信する。前記検知領域に、マスタ及びスペア等の複数個の携帯機がある場合には、各々からACK信号Sackが車両側へ返信される。
車両の制御装置は、ACK信号Sackを受信することにより、携帯機が前記検知領域内にあると判断し、自身の車両コードを含む車両識別信号Scarを発信する。携帯機は、この車両識別信号Scarを受信すると、それに含まれる車両コードと自身に登録された車両コードとの照合を行い、その照合が成立した場合、携帯機は、再びACK信号Sackを車両側へ返信する。前記検知領域に、マスタ及びスペア等の複数個の携帯機がある場合には、各々からACK信号Sackが車両側へ返信される。
車両の制御装置は、ACK信号Sackを再度受信すると、キーコードを含む認証信号Sranを発信する。このとき、スペアの携帯機にも対応するために、車両側には複数種類のキーコードが登録されており、車両側からは登録されたキーコードを含む認証信号Sranが順に発信される。例えば、図4に示されるように、マスタの携帯機12に対応する認証信号Sranが発信され、その後、スペアの携帯機12に対応する認証信号Sranが順に発信される。
携帯機は、この認証信号Sranを受信すると、それに含まれるキーコードと自身に登録されたキーコードとの照合を行い、その照合が成立した場合には、自身のキーコードが当該車両に登録されたコードである旨判断する。そして、携帯機は、自身の識別コードを含む識別信号Sidを車両側へ返信する。車両の制御装置は、前記識別信号Sidを受信すると、当該識別信号Sidに含まれる識別コードと自身に登録された識別コードとの照合を行い、その照合が成立した場合には、通信相手が車両に登録された携帯機であると判断する。そして、車両の制御装置は、ドア錠を解錠又は解錠を許可する。
ここで、前記ACK信号Sackは、マスタの携帯機とスペアの携帯機とで同じ信号パターンとされた通有の信号である。このため、マスタ及びスペアの携帯機が同時に起動信号Swakeを受け、同時にACK信号Sackを返信する場合には、何ら問題はない。すなわち、同時に返信された2つのACK信号Sackは車両の制御装置において合成されて単一のACK信号Sackとして認識される。このとき、ACK信号Sackの返信タイミングさえ同じであれば、車両の制御装置で認識される合成されたACK信号Sackの信号パターンは、マスタ及びスペアの携帯機から返信される個別のACK信号Sackの信号パターンと一致することになるので、車両の制御装置は、当該合成されたACK信号Sackを明確に認識することができる。
しかし、実際には、図5に示されるように、車両からの起動信号Swakeを受けてから当該信号に含まれるWAKEコードの妥当性の判定が完了するまでのWAKEコード判定時間t1、及びWAKEコードの妥当性の判定が完了してから制御ICの動作が安定するまでの動作安定時間t2については、マスタ及びスペアの携帯機間でばらつきがある。これに起因して、両携帯機が同時に起動信号Swakeを受けた場合であれ、ACK信号Sackの返信タイミングについては両者間でばらつきが生じる。すなわち、両携帯機は車両からの起動信号Swakeを受けて起動し、各々のタイミングでACK信号Sackを返信する。
そして、時間的に相互にずれて返信される2つの携帯機からのACK信号Sackは、合成されて1つの信号として車両の制御装置に認識される。このとき、ビットエラー(ここでは、いわゆるビットつぶれ)が発生するおそれがある。図5に示されるように、ACK信号Sackのパターンが、例えば第1のビットBit1(Hi)、第2のビットBit2(Lo)及び第3のビットBit3(Hi)から構成される場合、2つの携帯機からのACK信号Sackは、合成されて次のような態様で車両の制御装置に認識される。
すなわち、先に受信したACK信号Sackの第1のビットBit1と、後に受信したACK信号Sackの第1のビットBit1とはちょうど重ね合わせられるように合成されて、第1のビットBit1の幅は、本来のビット幅よりも時間的に後ろへ長くなる。また、先に受信したACK信号Sackの第3のビットBit3と、後に受信したACK信号Sackの第3のビットBit3とが重ね合わせられるように合成されて、第3のビットBit3の幅は、本来のビット幅よりも時間的に前へ長くなる。
その結果、先に受信したACK信号Sackの第3のビットBit3の前端と、後に受信したACK信号Sackの第1のビットBit1の後端との間に確保される第2のビットBit2のビット幅は、わずかなものとなる。すなわち、この場合、第2のビットBit2が、ほぼつぶれることとなり、車両の制御装置は当該第2のビットBit2、ひいては合成されたACK信号Sackを認識できないおそれがあった。
そこで、このようなACK信号Sackのいわゆるビットつぶれの発生を抑制するために、本願出願人は、例えば図6に示されるように、ACK信号Sackの各ビット幅を従来よりも長くしたビットフォーマットを採用することを考えている。このようにすれば、マスタ及びスペアの携帯機が同時に起動信号Swakeを受信した場合に、WAKEコード判定時間t1及び動作安定時間t2のばらつきに起因して、両者からのACK信号Sackの返信タイミングが多少ずれた場合であれ、2つのACK信号Sackが合成されたときの第2のビットBit2のビット幅はある程度確保される。このため、車両の制御装置は、合成されたACK信号Sackを認識可能となる。
特開2000−104429号公報 特開2001−241227号公報
ところが、前記電子キーシステムにおいては、マスタ及びスペア等、複数個の携帯機からACK信号Sackの返信がある場合におけるビットつぶれの発生を抑制するために、ACK信号Sackのビットフォーマットを、前記従来の電子キーシステムよりも長く設計するようにしたことにより、次のようなことが懸念されていた。すなわち、ACK信号Sack及び識別信号Sidは、いずれも車両に搭載された同じ受信機により受信される。そして、この受信された両信号は、復調回路により復調され、その復調された信号はフィルタにより雑音(ノイズ)が除去される。ここで、当該フィルタの(周波数)通過帯域は単一であることから、携帯機から発信されるACK信号Sack及び識別信号Sidは、同じビットフォーマットに設定する必要があった。
すなわち、前述したように、ACK信号Sackのビットフォーマットを従来よりも長く設定するようにした場合には、これに合わせて識別信号Sidのビットフォーマットも従来よりも長く設定する必要があり、当該ACK信号Sack及び識別信号Sidのビットフォーマットを長くした分だけ、携帯機と車両との総通信時間が長くなるおそれがあった。携帯機と車両との通信時間の増大は、車両のドアの円滑な解錠又は解錠許可の阻害要因となるので、この点での改善が望まれていた。なお、近年では、前述したような、電子キーシステムを例えば住宅のドアに適用したものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。この場合であれ、前述と同様の問題が懸念されていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザに所持される携帯機と遠隔制御対象との通信時間の増大を抑えつつ、通信の信頼性を確保することができる遠隔制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ユーザに所持される携帯機を備え、当該携帯機は、遠隔制御対象から発信される応答要求信号を受信した場合には識別コードを含む応答信号を返信し、当該返信された応答信号が前記遠隔制御対象に受信されたとき、当該遠隔制御対象の制御装置は、前記受信した応答信号に含まれる識別コードの妥当性を判断するとともに、妥当である旨判断したときには遠隔制御対象を作動又は作動を許可するようにした遠隔制御装置において、前記携帯機からの応答信号は、前記遠隔制御対象に対応する複数個の携帯機の各々に対して当該遠隔制御対象から発信される応答要求信号を正常に受信した場合に各携帯機から返信される各携帯機に通有の応答信号と、当該通有の応答信号を受けて前記遠隔制御対象に対応する複数個の携帯機のうち特定の携帯機に対して当該遠隔制御対象から発信される応答要求信号を正常に受信した場合に当該特定の携帯機から返信される各携帯機に固有の前記識別コードを備える応答信号とを含み、前記複数個の携帯機は、前記遠隔制御対象の制御装置から発信される当該遠隔制御対象に対応する各携帯機の各々に対して発信される応答要求信号の一つである起動信号を受けて起動するとともに、前記遠隔制御対象の制御装置は、各携帯機に対する起動信号を発信してから当該起動信号を受けた各携帯機の全てが安定して動作するまでの時間を加味して設定された待機時間が経過した後に、各携帯機に対して前記起動信号に対する各携帯機に通有の応答信号の返信を要求する返信タイミング制御信号を発信するようにし、当該返信タイミング制御信号を受けて各携帯機は、前記起動信号に対する各携帯機に通有の応答信号を返信するようにしたことをその要旨とする。
マスタ及びスペア等の複数個の携帯機にあって、遠隔制御対象の制御装置からの起動信号を受けた後、それらの動作が安定するまでの時間は、携帯機間で個体差がある。このような実情にあって、本発明によれば、各携帯機は、それらの動作が安定した後に、遠隔制御対象の制御装置からの返信タイミング制御信号を受けて、前記通有の応答信号を各々返信するようになる。すなわち、各携帯機からの前記通有の応答信号の返信タイミングが遠隔制御対象の制御装置から発信される返信タイミング制御信号により制御される。このため、複数個の携帯機間における前記通有の応答信号の返信タイミングのばらつきが抑制され、当該応答信号の返信タイミングが一致する。
ここで、複数の前記通有の応答信号は遠隔制御対象の制御装置において合成されて単一の信号として認識される。このとき、本発明によれば、前記通有の応答信号の返信タイミングが同じとなるので、遠隔制御対象の制御装置で認識される合成された通有の応答信号の信号パターンは、各携帯機から返信される個別の通有の応答信号の信号パターンと一致する。このため、前記起動信号を受けてから各携帯機の動作が安定するまでの時間のばらつきが、合成された通有の応答信号におけるビットエラー(特に、いわゆるビットつぶれ)の発生に影響することはない。したがって、各携帯機から返信される前記通有の応答信号が、遠隔制御対象の制御装置において重ねられるように合成されて受信される場合であれ、ビットエラーの発生が抑制され、遠隔制御対象の制御装置は、当該合成された通有の応答信号を明確に認識することができる。ひいては、携帯機と遠隔制御対象との間の通信に対する信頼性が確保される。
ちなみに、遠隔制御対象の制御装置からの起動信号を受け、各携帯機が自身の動作が安定するのを待って各々のタイミングで前記通有の応答信号を返信するようにした場合には、前記起動信号を受けてから各携帯機の動作が安定するまでの時間のばらつきが、前記通有の応答信号の返信タイミングのばらつきに直接的につながる。そして、当該返信タイミングのばらつきに起因して、各通有の応答信号が遠隔制御対象の制御装置に合成されて受信された場合に、ビットエラーが発生するおそれがある。
また、本発明によれば、各携帯機の前記起動信号に対する前記通有の応答信号の返信タイミングが一致することにより、当該通有の応答信号の信号フォーマットを従来よりも短くすることができる。これは、各携帯機からの前記通有の応答信号の返信タイミングのずれが抑制されることにより、遠隔制御対象の制御装置において合成されて受信される前記通有の応答信号について、ビットエラーの発生が抑制されるからである。そして、信号フォーマットを短くした分だけ、携帯機と遠隔制御対象の制御装置との間の通信時間の短縮化が図られるとともに、遠隔制御対象の作動又は作動の許可が円滑に行われる。
ここで、例えば前記通有の応答信号の信号フォーマットを従来よりも長くすることにより、合成された通有の応答信号のビットエラーの発生を抑制することも考えられる。すなわち、各通有の応答信号の信号フォーマットを長くした分だけ、各携帯機からの通有の応答信号の返信タイミングのずれが吸収される。このため、各通有の応答信号が合成されて受信された場合において、その合成された信号の信号幅が確保されることにより、遠隔制御対象の制御装置は、合成された通有の応答信号を認識可能となる。しかし、この場合、信号フォーマットを従来よりも長くした分だけ、携帯機と遠隔制御対象との間の通信時間が増大することとなる。
これに対し、本発明では、前記通有の応答信号の信号フォーマットを長くすることなく、複数個の携帯機からの通有の応答信号の返信タイミングを一致させることにより、合成されて受信された前記通有の応答信号のビットエラーの発生を抑制するようにしている。したがって、前記通有の応答信号の信号フォーマットを、従来よりも短くすることができ、その短くした分だけ、携帯機と遠隔制御対象の制御装置との間の通信時間の短縮化が図られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遠隔制御装置において、前記複数個の携帯機が前記起動信号を受信してから全ての携帯機の動作が安定するまでの安定時間を予め求め、前記待機時間は、前記安定時間よりも、さらに余裕時間だけ長く設定するようにしたことをその要旨とする。
本発明によれば、遠隔制御対象の制御装置は、前記起動信号を受けてからすべての携帯機の動作が安定するまでの安定時間が経過した後、さらに余裕時間だけ遅らせて返信タイミング制御信号を発信するようになる。ここで、複数個の携帯機にあって、遠隔制御対象の制御装置からの起動信号を受けた後、それらの動作が安定するまでの時間は、各携帯機間で個体差がある。そして、この携帯機の動作が安定するまでの時間は、例えば使用環境等により変動するおそれがある。このため、前記待機時間に前記余裕時間を含めないようにした場合には、遠隔制御対象の制御装置は、動作が安定していない携帯機が存在するにもかかわらず、返信タイミング制御信号を発信してしまうことにもなりかねない。そして、動作が安定していない状態で返信タイミング制御信号を受けた携帯機は、その動作が安定してから前記通有の応答信号を返信することとなる。その結果、各携帯機からの前記通有の応答信号の返信タイミングにずれが生じるおそれがある。本発明によれば、このような使用環境等による携帯機の動作安定時間の変動を吸収することができる。このため、各携帯機は、その動作が安定した後に返信タイミング制御信号を受信することとなり、各携帯機からの前記通有の応答信号の返信タイミングのずれの発生を、より確実に回避することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遠隔制御装置において、前記遠隔制御対象は、車両又は建物であることをその要旨とする。
本発明によれば、携帯機と遠隔制御対象との通信時間の増大が抑制されるとともに、通信の信頼性が確保される。このため、車両又は建物の作動又は作動許可が円滑に行われ、ユーザの利便性が確保される。
本発明によれば、ユーザに所持される携帯機と遠隔制御対象との通信時間の増大を抑えつつ、通信の信頼性を確保することができる。
以下、本発明を、電子キーシステムに具体化した一実施の形態を、図1に基づいて説明する。
<電子キーシステムの概要>
図1に示すように、遠隔制御装置としての電子キーシステム11は、ユーザにより所持される電子キーとしての携帯機12、及び遠隔制御対象としての車両13に搭載される電子制御装置14を備えている。電子制御装置14には、当該車両13に固有の携帯機12との間で相互無線通信を行うための送信機15及び受信機16が接続されるとともに、当該電子制御装置14の制御対象としてのドア錠17及びエンジン18が接続されている。送信機15は送信アンテナ15aを、また受信機16は受信アンテナ16aを備えて構成されている。
電子制御装置14は、送信アンテナ15a及び受信アンテナ16aを通じて携帯機12との間で相互無線通信を行い、当該通信を通じて車室外又は車室内において当該携帯機12の妥当性を判断する。すなわち、電子制御装置14は、携帯機12に応答を要求する室外照合用の応答要求信号Sreqを生成するとともに、当該信号を所定の制御周期で送信アンテナ15aを通じて車外に発信する。これにより、車両13のドアの周辺には、携帯機12の検知領域(図示略)が形成される。
そして、ユーザが携帯機12を所持して施錠状態の車両に接近して前記検知領域内に入ると、携帯機12は前記応答要求信号Sreqを受けて所定の識別コードを含む応答信号Srepを返信する。この返信された応答信号Srepが受信アンテナ16aを介して受信されると、電子制御装置14は、当該受信した応答信号Srepに含まれる所定の識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときには、車両13に所定の動作を行わせる、もしくは当該動作を許可する。本実施の形態では、車両13の所定の動作として、電子制御装置14は、ドア錠17を電子的に解錠又は解錠許可する。なお、前記識別コードの妥当性は、当該識別コードと車両(正確には、電子制御装置14)に登録された識別コードとが一致するかどうかにより判断される。
ドアの解錠後、携帯機12を所持するユーザが車両に乗り込んだとき、電子制御装置14は、図示しないドアセンサによりこれを検出するとともに、車両13に設けられた図示しない車室内通信用の送信機を通じて室内照合用の応答要求信号Sreqを発信することにより、車室内に携帯機12の検知領域を形成する。携帯機12は、応答要求信号Sreqを受けて、識別コードを含む応答信号Srepを返信する。この応答信号Srepを、受信アンテナ16aを通じて受信すると、電子制御装置14は、当該応答信号Srepに含まれる識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断した場合には、エンジン18の始動を許可する。このエンジン18の始動が許可された状態で、車室内の運転席の近傍に配設された図示しない始動スイッチがユーザにより操作されたとき、電子制御装置14はエンジン18を始動させる。そして、ユーザが前記始動スイッチの操作を通じてエンジン18を停止した後に、携帯機12を所持して解錠状態の車両から離間して前記検知領域の外に出ると、電子制御装置14は、このことを携帯機12からの応答信号Srepが途絶えることにより検知して車両のドア錠を電子的に施錠又は施錠を許可する。
<電子キーシステムの動作>
次に、前述のように構成された電子キーシステムの動作ついて詳細に説明する。
図2(a)に示されるように、電子制御装置14は、携帯機12を起動させるWAKEコードを含む起動信号Swakeを、送信アンテナ15aを通じて車室外へ発信する。これにより、車両13のドアの周辺には、携帯機12の検知領域が形成される。そして、ユーザが携帯機12を携帯して前記検知領域に入った際、携帯機12が車両13からの起動信号Swakeを受信すると、当該携帯機12は、まず起動信号Swakeに含まれるWAKEコードの妥当性を判定し、当該コードが妥当である旨判定した場合には、起動して電子制御装置14からの次の指令を待つ。
図2(a)に示されるように、電子制御装置14は、起動信号Swakeを送信してから、予め設定された待機時間twの経過後、当該起動信号Swakeを正常に受信したかどうかの応答を携帯機12に要求する返信タイミング制御信号Scontを発信する。なお、待機時間twについては、後に詳述する。
図2(b),(c)に示されるように、電子制御装置14からの返信タイミング制御信号Scontを受けて、携帯機12は、起動信号Swakeを正常に認識した旨の応答信号であるACK信号Sackを車両側へ返信する。ここで、前記検知領域に、マスタ及びスペア等の複数個の携帯機12がある場合には、各々からACK信号Sackが車両側へ返信される。そして、図3(a)に示されるように、電子制御装置14は、ACK信号Sackを受信することにより、携帯機12が前記検知領域内にあると判断し、登録された自身の車両コードを含む車両識別信号Scarを発信する。
図2(b),(c)に示されるように、携帯機12は、この車両識別信号Scarを受信すると、それに含まれる車両コードと自身に登録された車両コードとの照合を行う。そして、その照合が成立した場合、携帯機12は、再びACK信号Sackを車両側へ返信する。ここで、前記検知領域に、マスタ及びスペア等の複数個の携帯機12がある場合には、各々からACK信号Sackが車両側へ返信される。
図2(a)に示されるように、電子制御装置14は、ACK信号Sackを再度受信すると、キーコードを含む認証信号Sranを発信する。ここで、本実施の形態では、スペアの携帯機12にも対応すべく、電子制御装置14には複数種類のキーコードが登録されている。そして、電子制御装置14は、起動信号Swake及び車両識別信号Scarを発信した後、マスタ及びスペアの携帯機12に対応する認証信号Sranを順に発信する。
図2(b),(c)に示されるように、携帯機12は、この認証信号Sranを受信すると、それに含まれるキーコードと自身に登録されたキーコードとの照合を行う。携帯機12は、その照合が成立した場合には、自身のキーコードが当該車両に登録されたコードである旨判断する。そして、携帯機12は、自身の識別コードを含む識別信号Sidを車両側へ返信する。そして、電子制御装置14は、前記識別信号Sidを受信すると、当該識別信号Sidに含まれる識別コードと自身に登録された識別コードとの照合を行い、その照合が成立した場合には、通信相手が車両に登録された携帯機12であると判断してドア錠を解錠又は解錠を許可する。
<ACK信号の受信態様>
次に、前記検知領域にマスタ及びスペアの2つの携帯機12がある場合に、車両13からの返信タイミング制御信号Scontを受けて両携帯機12から返信されるACK信号Sackが、電子制御装置14に合成されて受信されるときの態様について詳細に説明する。
ユーザが携帯機12を携帯して前記検知領域に入った際、携帯機12が図3(a)に示される車両13からの起動信号Swakeを受信すると、当該携帯機12(正確には、内蔵された図示しない受信IC)は、まず起動信号Swakeに含まれるWAKEコードの妥当性を判定する。具体的には、当該WAKEコードが登録された正規の信号パターンかどうかを判定する。携帯機12は、前記WAKEコードが正規の信号パターンである旨判定した場合、当該WAKEコードを図示しない制御IC(図示略)へ送ることにより起動し、電子制御装置14からの次の指令を待つ。
電子制御装置14は、起動信号Swakeを発信してから予め設定された待機時間twが経過すると、返信タイミング制御信号Scontを発信する。
ここで、ここで、待機時間twについて説明する。図3(b),(c)に示されるように、車両13からの起動信号Swakeを受けてから当該信号に含まれるWAKEコードの妥当性の判定が完了するまでのWAKEコード判定時間t1については、マスタ及びスペアの携帯機12間でばらつきがある。また、WAKEコードの妥当性の判定が完了してから制御ICの動作が安定するまでの動作安定時間t2についても、マスタ及びスペアの携帯機12間でばらつきがある。このような実情から、前記待機時間twは、両携帯機12のWAKEコード判定時間t1及び動作安定時間t2のばらつきを加味して設定されている。
具体的には、前記待機時間twは、マスタ及びスペア等の複数個の携帯機12に対応するために、各携帯機12が前記起動信号Swakeを受信してから当該起動信号Swakeを受信した全ての携帯機12が安定して動作するまでの安定時間teに基づいて設定されている。これにより、両携帯機12のWAKEコード判定時間t1及び動作安定時間t2のばらつきが吸収され、電子制御装置14は、全ての携帯機12の動作が安定した状態で返信タイミング制御信号Scontを発信可能となる。なお、各携帯機12において、前記起動信号Swakeを受信してから動作が安定するまでの時間は、実験等により求められる。また、携帯機12の動作が安定するまでの時間は、例えば携帯機12の使用環境等により変動するおそれがある。この変動を吸収するために、本実施の形態では、前記待機時間twは、前記安定時間teよりも、さらに余裕時間tsだけ長く設定されている。したがって、両携帯機12のいずれの動作も確実に安定した後に、電子制御装置14は、返信タイミング制御信号Scontを発信する。
図3(b),(c)に示されるように、電子制御装置14からの返信タイミング制御信号Scontを受けて、両携帯機12は、各々ACK信号Sackを返信する。すなわち、マスタ及びスペアの両携帯機12からのACK信号Sackは、同じタイミングで返信される。
同時に返信された2つのACK信号Sackは電子制御装置14において合成されて単一のACK信号Sackとして認識される。両携帯機12から返信されてくるACK信号Sackは、マスタの携帯機12とスペアの携帯機12キーとで同じ信号パターンとされている。このため、ACK信号Sackの返信タイミングさえ同じであれば、図3(d)に示されるように、電子制御装置14で認識される合成されたACK信号Sackの信号パターンは、マスタ及びスペアの携帯機12から返信される個別のACK信号Sackの信号パターンと一致することになる。このため、両携帯機12からのACK信号Sackが合成されることにより、当該合成されたACK信号にビットエラー(ここでは、いわゆるビットつぶれ)が発生することが抑制され、電子制御装置14は、当該合成されたACK信号Sackを明確に認識することができる。
ちなみに、例えば起動信号Swakeの受信を引き金として、携帯機12にACK信号Sackを返信させるようにした場合には、次のような問題がある。すなわち、複数個の携帯機12は、起動信号Swakeを受信してからWAKEコード判定時間t1及び動作安定時間t2の経過後に、各々のタイミングでACK信号Sackを返信することとなる。このWAKEコード判定時間t1及び動作安定時間t2は、マスタ及びスペアの携帯機12間でばらつきがあるため、ACK信号Sackの返信タイミングについても、マスタ及びスペアの携帯機12間でばらつきが生じる。
そして、時間的に相互にずれた2つの携帯機からのACK信号Sackは、合成されて1つの信号として電子制御装置14に認識される。このとき、ビットエラー(ここでは、ACK信号Sackを構成する各ビットがつぶれる、いわゆるビットつぶれ)が発生するおそれがある。図5を参照して説明すると、ACK信号Sackのパターンが、例えば第1のビットBit1(Hi)、第2のビットBit2(Lo)及び第3のビットBit3(Hi)から構成される場合、2つの携帯機からのACK信号Sackは、合成されて次のような態様で電子制御装置14に認識される。
すなわち、先に受信したACK信号Sackの第1のビットBit1と、後に受信したACK信号Sackの第1のビットBit1とはちょうど重ね合わせられるように合成されて、第1のビットBit1の幅は、本来のビット幅よりも(時間的に)後ろへ長くなる。また、先に受信したACK信号Sackの第3のビットBit3と、後に受信したACK信号Sackの第3のビットBit3とが重ね合わせられるように合成されて、第3のビットBit3の幅は、本来のビット幅よりも(時間的に)前へ長くなる。その結果、第2のビットBit2の幅は、先に受信したACK信号Sackの第3のビットBit3の前端と、後に受信したACK信号Sackの第1のビットBit1の後端との間の長さとなる。すなわち、この場合、第2のビットBit2が、ほぼつぶれることとなり、電子制御装置14は当該第2のビットBit2を認識できないおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、両携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングを、電子制御装置14からの返信タイミング制御信号Scontにより制御することにより、両携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのばらつきの発生が抑制される。また、返信タイミング制御信号Scontは全ての携帯機12の動作が安定した後に発信されるので、起動信号Swakeを受けてから各携帯機12の動作が安定するまでの時間のばらつきが、各携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングに影響を及ぼすことはない。したがって、両携帯機12から返信されるACK信号Sackが、電子制御装置14において重ねられるように合成されて受信される場合であれ、当該ACK信号Sackの返信タイミングのばらつきに起因するビットエラーの発生が抑制される。その結果、電子制御装置14は、ACK信号Sackを好適に認識可能となり、ひいては携帯機12と電子制御装置14との間の無線通信に対する信頼性が確保される。なお、電子制御装置14からの車両識別信号Scarを受けて両携帯機12から返信される2回目のACK信号Sackの送信タイミングについては、電子制御装置14により制御する必要はない。このときには、両携帯機12は、すでに起動状態にあるからである。
また、両携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングが一致することにより、ACK信号Sackのビットフォーマット(信号フォーマット)を従来よりも短くすることができる。これは、両携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのずれが抑制されることにより、電子制御装置14において合成されて受信されるACK信号について、前述したようなビットエラーが発生することがないからである。そして、ビットフォーマットを短くした分だけ、携帯機12と電子制御装置14との間の通信時間の短縮化が図られるとともに、車両13のドアの解錠又は解錠の許可が円滑に行われる。
ちなみに、ACK信号Sackのビットフォーマットを従来よりも長くすることにより、合成されたACK信号のビットエラーの発生を抑制することも考えられる。すなわち、各ACK信号のビットフォーマットを長くした分だけ、両携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのずれが吸収される(図6参照)。このため、両携帯機12からのACK信号Sackが合成されて受信された場合において、その合成された信号のビット幅(ここでは、第2のビットbit2の幅)が確保されることにより、電子制御装置14は、合成されたACK信号を認識可能となる。しかし、この場合には、ビットフォーマットを従来よりも長くした分だけ、携帯機12と電子制御装置14との間の通信時間が増大することとなる。本実施の形態によれば、このように通信時間が増大することはない。
なお、本実施の形態において、車両13からの車外照合用の応答要求信号Sreqには、起動信号Swake、車両識別信号Scar及び認証信号Sranが含まれる。起動信号Swake及び車両識別信号Scarは、車両13に対応する複数個の携帯機12の各々に対する応答要求信号である。認証信号Sranは、車両13に対応する複数個の携帯機12のうち特定の携帯機12に対する応答要求信号である。
また、携帯機12からの応答信号Srepには、ACK信号Sack及び識別信号Sidが含まれる。ACK信号Sackは、車両13に対応する複数個の携帯機12の各々に対する応答要求信号を正常に受信した場合に各携帯機12から各々発信される各携帯機12に通有の応答信号である。また、識別信号Sidは、車両13に対応する複数個の携帯機12のうち特定の携帯機12に対する応答要求信号を正常に受信した場合に当該特定の携帯機12から発信される各携帯機12に固有の応答信号である。
<実施の形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電子制御装置14は、起動信号Swakeを発信してから当該起動信号Swakeを受けた各携帯機12の全てが安定して動作するまでの安定時間teを加味して設定された待機時間twだけ経過した後に、各携帯機12に対してACK信号Sackの返信を要求(許可)する返信タイミング制御信号Scontを発信するようにした。
複数個の携帯機12にあって、電子制御装置14からの起動信号Swakeを受けた後、それらの動作が安定するまでの時間は、各携帯機12間で個体差がある。このような実情にあって、本実施の形態によれば、各携帯機12は、それらの動作が安定した後に、電子制御装置14からの返信タイミング制御信号Scontを受けて、ACK信号Sackを各々返信するようになる。すなわち、各携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングが電子制御装置14から発信される返信タイミング制御信号Scontにより制御される。このため、複数個の携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのばらつきが抑制され、当該ACK信号Sackの返信タイミングが一致する。
ここで、各携帯機12からのACK信号Sackは電子制御装置14において合成されて単一の信号として認識される。このとき、本実施の形態によれば、ACK信号Sackの返信タイミングが同じとなるので、電子制御装置14で認識される合成されたACK信号Sackのビットパターンは、各携帯機12から返信される個別のACK信号Sackの信号パターンと一致する。このため、起動信号Swakeを受けてから各携帯機12の動作が安定するまでの時間(WAKEコード判定時間t1及び制御ICの動作安定時間t2)のばらつきが、合成されたACK信号Sackにおけるビットエラー(特に、いわゆるビットつぶれ)の発生に影響することはない。したがって、各携帯機12から返信されるACK信号Sackが、電子制御装置14において重ねられるように合成されて受信される場合であれ、ビットエラーの発生が抑制され、電子制御装置14は、当該合成されたACK信号Sackを明確に認識することができる。ひいては、携帯機12と電子制御装置14との間の通信に対する信頼性が確保される。
(2)また、本実施の形態によれば、各携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングが一致することにより、当該ACK信号Sackのビットフォーマットを従来よりも短くすることができる。これは、各携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのずれが抑制されることにより、電子制御装置14において合成されて受信されるACK信号Sackについてビットエラーが発生することがないからである。そして、ビットフォーマットを短くした分だけ、携帯機12と電子制御装置14との間の通信時間の短縮化が図られるとともに、車両13のドアの解錠又は解錠の許可が円滑に行われる。
(3)待機時間twは、複数個の携帯機12が車両13からの起動信号Swakeを受信してから、当該起動信号Swakeに含まれるWAKEコードの妥当性を判定し、その後、すべての携帯機12の制御ICの動作が安定するまでの安定時間teよりも、余裕時間tsだけ長く設定するようにした。
すなわち、本実施の形態では、電子制御装置14は、前記起動信号Swakeを受けてからすべての携帯機12の動作が安定するまでの安定時間teが経過した後、さらに余裕時間tsだけ遅らせて返信タイミング制御信号Scontを発信するようになる。ここで、複数個の携帯機12にあって、電子制御装置14からの起動信号Swakeを受けた後、それらの動作が安定するまでの時間は、各携帯機12間で個体差がある。そして、この携帯機12の動作が安定するまでの時間は、例えば使用環境等により若干変動するおそれがある。このため、前記待機時間twに前記余裕時間tsを含めないようにした場合には、電子制御装置14は、動作が安定していない携帯機12が存在するにもかかわらず、返信タイミング制御信号Scontを発信してしまうことにもなりかねない。そして、動作が安定していない状態で返信タイミング制御信号Scontを受けた携帯機12は、その動作が安定してからACK信号Sackを返信することとなる。その結果、各携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングにずれが生じることが懸念される。本実施の形態によれば、このような使用環境等による携帯機12の動作安定時間(ここでは、WAKEコード判定時間t1及び制御ICの動作安定時間T2の合計)の変動を吸収することができる。このため、各携帯機12は、その動作が安定した後に返信タイミング制御信号Scontを受信することとなり、各携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのずれの発生を、より確実に回避することができる。
(4)携帯機12と遠隔制御対象である車両13との相互無線通信を通じて、当該車両13を作動又は作動を許可する電子キーシステム11を構築するようにした。
このため、携帯機12と車両13(正確には、電子制御装置14)との通信時間の増大が抑制されるとともに、両者間の通信の信頼性が確保される。このため、車両13の作動又は作動許可が円滑に行われ、ユーザの利便性が確保される。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・スペアの携帯機12は、2つ、3つ、又はそれ以上設けるようにしてもよい。
・本実施の形態では、待機時間twは、電子制御装置14からの起動信号Swakeを受けた全ての携帯機12の動作が安定するまでの安定時間teよりも、さらに余裕時間tsだけ長い時間に設定するようにしたが、当該余裕時間tsを省くようにしてもよい。すなわち、待機時間twを安定時間teとする。このようにした場合であれ、携帯機12の使用環境等に起因する安定時間teの変動が皆無又は微少のときには、複数個の携帯機12からのACK信号Sackの返信タイミングのばらつきが抑制され、当該ACK信号Sackの返信タイミングを一致させることができる。
・本実施の形態では、電子制御装置14は、携帯機12からの応答信号Srepに含まれる識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときに、車両13に所定の動作を行わせる、もしくは当該動作を許可するとともに、当該所定の動作として、ドア錠17の解錠又は解錠許可するようにしたが、他の動作を行わせるようにしてもよい。この他の動作としては、例えばエンジン18の始動又は始動許可、並びに図示しないステアリングロックの解錠又は解錠許可等がある。
・本実施の形態では、本発明を、車両用の電子キーシステムに具体化したが、建物用のものに具体化するようにしてもよい。この場合、建物が遠隔制御対象となる。そして、携帯機12と建物との相互無線通信を通じて、例えば当該建物のドア錠を解錠又は解錠を許可する。また、車両13又は建物以外のものを遠隔制御対象としたシステム(装置)に本発明を適用するようにしてもよい。
本実施の形態における電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 (a)〜(c)は、同じく電子制御装置及び2つの携帯機の動作を示すタイミングチャート。 (a)〜(d)は、同じく2つの携帯機からのACK信号の返信タイミングを示すタイミングチャート。 従来の電子制御装置及び2つの携帯機の動作を示すタイミングチャート。 同じく2つの携帯機からのACK信号の返信タイミングを示すタイミングチャート。 同じく2つの携帯機からのACK信号の返信タイミングを示す別のタイミングチャート。
符号の説明
11…電子キーシステム(遠隔制御装置)、12…携帯機、13…車両(遠隔制御対象)、14…電子制御装置、15…送信機、16…受信機、Sack…ACK信号(通有の応答信号)、Scont…返信タイミング制御信号、Sid…識別信号(固有の応答信号)、Srep…応答信号、Sreq…応答要求信号、Swake…起動信号、te…安定時間、ts…余裕時間、tw…待機時間。

Claims (3)

  1. ユーザに所持される携帯機を備え、当該携帯機は、遠隔制御対象から発信される応答要求信号を受信した場合には識別コードを含む応答信号を返信し、当該返信された応答信号が前記遠隔制御対象に受信されたとき、当該遠隔制御対象の制御装置は、前記受信した応答信号に含まれる識別コードの妥当性を判断するとともに、妥当である旨判断したときには遠隔制御対象を作動又は作動を許可するようにした遠隔制御装置において、
    前記携帯機からの応答信号は、前記遠隔制御対象に対応する複数個の携帯機の各々に対して当該遠隔制御対象から発信される応答要求信号を正常に受信した場合に各携帯機から返信される各携帯機に通有の応答信号と、当該通有の応答信号を受けて前記遠隔制御対象に対応する複数個の携帯機のうち特定の携帯機に対して当該遠隔制御対象から発信される応答要求信号を正常に受信した場合に当該特定の携帯機から返信される各携帯機に固有の前記識別コードを備える応答信号とを含み、
    前記複数個の携帯機は、前記遠隔制御対象の制御装置から発信される当該遠隔制御対象に対応する各携帯機の各々に対して発信される応答要求信号の一つである起動信号を受けて起動するとともに、前記遠隔制御対象の制御装置は、各携帯機に対する起動信号を発信してから当該起動信号を受けた各携帯機の全てが安定して動作するまでの時間を加味して設定された待機時間が経過した後に、各携帯機に対して前記起動信号に対する各携帯機に通有の応答信号の返信を要求する返信タイミング制御信号を発信するようにし、当該返信タイミング制御信号を受けて各携帯機は、前記起動信号に対する各携帯機に通有の応答信号を返信するようにした遠隔制御装置。
  2. 請求項1に記載の遠隔制御装置において、
    前記複数個の携帯機が前記起動信号を受信してから全ての携帯機の動作が安定するまでの安定時間を予め求め、
    前記待機時間は、前記安定時間よりも、さらに余裕時間だけ長く設定するようにした遠隔制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の遠隔制御装置において、前記遠隔制御対象は、車両又は建物である遠隔制御装置。
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