JP2007332600A - スラリ状土砂の空気圧式輸送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 水を含み粘性を有するスラリ状土砂を輸送管内を経由して空気圧により圧送するスラリ状土砂の空気圧式輸送システムであって、輸送管内では圧縮空気の混入により、プラグ状液相部と気相部とが輸送管長手方向に交互に並んで下流方向へ流動するプラグ流が生じるようにしたものにおいて、輸送管を長く延ばしても、輸送管内のプラグ流における個々のプラグ状液相部を輸送管下流部においても極力小さくして、最小限のエネルギで土砂の長距離搬送を効率よく行えるようにする。
【解決手段】 輸送管Pの途中には、逆流防止用の逆止弁Vと、その逆止弁Vの直下流の輸送管P内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部15とを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水を含み粘性を有するスラリ状土砂を輸送管内を経由して空気圧により圧送するスラリ状土砂の空気圧式輸送システムに関する。
尚、本発明において、スラリ状土砂とは、水を含み粘性を有して輸送管内を流動可能なスラリ状の種々の土砂をいい、例えば水底の浚渫で生じた浚渫土砂や泥土(例えば汚泥)を含むことは勿論、それらに各種の処理剤(例えば固化剤)を添加、混合してスラリ状としたものも含む。
従来、スラリ状土砂を輸送管内に強制的に供給し得る土砂供給装置と、その土砂供給装置により輸送管内に供給されたスラリ状土砂を下流側に圧送するための圧縮空気を輸送管の上流端又はその近傍でスラリ状土砂中に混入し得る圧縮空気混入装置とを備えた土砂搬送機を用いたスラリ状土砂用の空気圧式輸送システムは、既に知られている。
このシステムにおいて、輸送管の内部でスラリ状土砂に圧縮空気を連続的に混入させると、輸送管底部をスラグ状に流動するスラリ状土砂(以下、これを単にスラグ流またはスラグ状液相部という)が波打ち、圧力変動を繰り返すうちに、そのスラグ流の一部が輸送管の天井面に達してプラグ状となり、このようなプラグ状の液相部と圧縮空気よりなる気相部とが輸送管長手方向に交互に並んで流動する所謂プラグ流を生じることが知られている。そして、このプラグ流の発生により、スラリ状土砂と輸送管内面との間の見掛け上の摩擦力を低減して比較的小さなエネルギでスラリ状土砂を効率よく大量輸送することができる。
ところで上記空気圧式輸送システムを用いて土砂の長距離輸送を行うに当たり、中継設備を設けないで輸送管自体を長く延ばした場合には、例えば図8に例示したように、輸送管内で発生したプラグ流が、気相部の圧力変動等に起因したプラグ状液相部の崩壊と、崩壊後の合体によるプラグ状液相部の再形成とを繰り返すことにより、輸送管の下流端に近づくにつれてプラグ状液相部が徐々に成長、肥大化し、これを圧送するために各気相部の圧力も増大して土砂搬送機に加わる背圧が大きくなる。そのため、土砂搬送機の元圧(即ち輸送管上流端部での管内圧力)を上記背圧増大に対応して大きくする必要があって、土砂搬送機の設備コストや運転コストが嵩み、また土砂搬送機各部や輸送管の耐久性が低下する等の問題がある。
本発明は、前述の諸事情に鑑みてなされたもので、従来の上記問題を簡単な構造で一挙に解決できるようにした、新規有用なスラリ状土砂の空気圧式輸送システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、水を含み粘性を有するスラリ状土砂を輸送管内を経由して空気圧により圧送するスラリ状土砂の空気圧式輸送システムであって、スラリ状土砂を輸送管内に強制的に供給し得る土砂供給装置と、その土砂供給装置により輸送管内に供給されたスラリ状土砂を輸送管の下流側に圧送するための圧縮空気を輸送管の上流端又はその近傍でスラリ状土砂中に混入し得る圧縮空気混入装置とを備え、輸送管内では前記圧縮空気の混入に伴い、スラリ状土砂よりなるプラグ状液相部と圧縮空気よりなる気相部とが輸送管長手方向に交互に並んで下流方向へ流動するプラグ流が生じるようにしたものにおいて、輸送管の途中には、逆流防止用の逆止弁と、その逆止弁の直下流の輸送管内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部とを設けたことを特徴とする。
また請求項2の発明は、請求項1の発明の上記構成に加えて、輸送管の途中には、逆止弁の直下流に膨脹室を形成し、その膨脹室に補助圧縮空気投入部を開口させたことを特徴とする。
また請求項3の発明は、請求項2の上記構成に加えて、膨脹室に逆止弁の板状弁体を臨ませると共に、その板状弁体の上端部を膨脹室の上部壁に開閉揺動可能にピボット連結したことを特徴とする。
さらに請求項4の発明は、請求項2又は3の上記構成に加えて、膨脹室の底面は、その直上流に連なる輸送管の底面より一段下がっており、その段部に、輸送管下流側に開口を指向させて補助圧縮空気投入部を設けたことを特徴とする。
さらに請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの上記構成に加えて、前記補助圧縮空気投入部が、スラリ状土砂の流れ方向に互いに間隔をおいて配置された複数の噴口を有していることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、輸送管の途中に、逆流防止用の逆止弁と、その逆止弁の直下流の輸送管内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部とを設けて、輸送管内で下流端に近づくにつれて肥大化しようとするプラグ状液相部を、より小さいプラグ状液相部に効率よく再生できるようにしたので、長距離輸送のために輸送管を長く延ばしても、輸送管内のプラグ流における個々のプラグ状液相部を輸送管の下流端寄りにおいても極力小さくでき、その結果、土砂搬送機に加わる背圧が小さくなり、土砂搬送機の元圧を低減できるから、設備コストや運転コストの節減が図られ、しかも装置各部や輸送管の耐久性向上に寄与することができる。また高価な中継設備が不要となり、最小限のエネルギで土砂の長距離搬送を効率よく行うことができる。さらに輸送管の途中に補助圧縮空気を投入することによる曝気効果により、スラリ状土砂中の好気性微生物の活性化を図り、土砂浄化に寄与することができる。
また特に請求項2の発明によれば、輸送管の途中には、逆止弁の直下流に膨脹室を形成し、その膨脹室に補助圧縮空気投入部を開口させたので、その膨脹室での流路断面積拡大効果により、プラグ状液相部の崩壊を促進し、より小さいプラグ状液相部に効率よく再生させることができる。
また特に請求項3の発明によれば、膨脹室に逆止弁の板状弁体を臨ませると共に、その板状弁体の上端部を膨脹室の上部壁に開閉揺動可能にピボット連結したので、逆止弁を膨脹室を利用して容易に設置することができる。
また特に請求項4の発明によれば、膨脹室の底面は、その直上流に連なる輸送管の底面より一段下がっており、その段部に、輸送管下流側に開口を指向させて補助圧縮空気投入部を設けたので、膨脹室底部を這うように流れるスラリ状土砂(スラグ流)を補助圧縮空気により十分に攪拌でき、そのスラリ状土砂が膨脹室底部に沈殿、滞留するのを効果的に防止することができる。
また特に請求項5の発明によれば、補助圧縮空気投入部が、スラリ状土砂の流れ方向に互いに間隔をおいて配置された複数の噴口を有しているので、その補助圧縮空気投入部が逆止弁直下の輸送管内の異なる二ヶ所から補助圧縮空気を各々投入してスラリ状土砂に効率よく混合させることができ、これにより、プラグ状液相部の崩壊を促進し、より小さいプラグ状液相部に効率よく再生させることができる。
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
添付図面において、図1〜図7は、本発明の一実施例を示すものであって、図1は、空気圧式輸送システムの全体縦断面図、図2は、土砂搬送機を示す一部破断拡大縦断面図(図1の2部矢視拡大図)、図3は、図2の3−3線拡大断面図、図4は、プラグ流再生促進手段の縦断面図(図1の4部矢視拡大縦断図)、図5は、図4の5−5線断面図、図6は、プラグ流再生促進手段(逆止弁前後)でのプラグ流の流動状態を概略的に示す縦断面図であって、(A)は液相部の流動状態を、また(B)は気相部の流動状態を示す。また図7は、前記実施例における輸送管全域に亘るプラグ流の流動状態を概略的に示す縦断面図である。
先ず、図1〜図3において、浚渫土砂のための空気圧式輸送システムは、他の浚渫作業地で発生した水を含むスラリ状土砂としての浚渫土砂20を内部に貯留して水上輸送可能なバージ船Bと、そのバージ船Bが横付け可能な揚泥作業船Aと、その揚泥作業船Aから土砂処分地としての埋め立て地Uまで延びる輸送管Pとを備え、その輸送管Pを経由して揚泥作業船Aから埋め立て地Uまで浚渫土砂20が空気圧を利用して大量輸送される。輸送管Pは、その水上部分においては、フロートfで浮遊状態に支持される。
揚泥作業船Aには、バージ船B内に貯留される浚渫土砂20を掻き出すバックホー1と、このバックホー1により掻き出された浚渫土砂20が投入されるホッパ2と、そのホッパ2の下部に連設されて該ホッパ2内の浚渫土砂20を輸送管P内に定量ずつ押込み供給し得る土砂供給装置SSとが搭載され、この装置SSのケーシングHの上部に設けられて上向きに開口する吸入口Hiが、ホッパ2内の底部に直接連通する。そのケーシングHの底部には吐出口Hoが下向きに開口しており、この吐出口Hoには、中間部が横向きに屈曲した土砂排出管4を介して輸送管Pの上流端Puが接続される。
前記土砂供給装置SSとしては、ホッパ2内の浚渫土砂20を輸送管P内に定量ずつ押込み供給し得るものであれば構造形式を問わず適宜、選択可能であるが、本実施例では、ケーシングHに一体に形成される筒状のロータケース部内に、モータMで回転駆動される円柱状のロータRが収納されたロータリー式土砂供給装置が使用される。そのロータRの外周部には複数の移送室Raが周方向に等間隔おきに凹設されており、その各移送室Raは、ロータRの回転に伴い、ケーシングHの吸入口Hiに周期的に連通し且つそこからホッパ2内底部にかけて堆積する浚渫土砂20を一定量ずつ受容して下方の吐出口側に強制移送するようにして、土砂供給作用を行う。
前記土砂排出管4内には、土砂供給装置SSにより輸送管P内に供給された浚渫土砂20を下流側に圧送するための圧縮空気をその浚渫土砂中に連続的に混入し得る圧縮空気混入装置SAが接続される。この圧縮空気混入装置SAは、輸送管P近くの適所(図示例では揚泥作業船A上)に設置されたコンプレッサCと、このコンプレッサCの吐出側に開閉弁6v付きのエア配管6を経て連通するノズル管7とを備えており、このノズル管7は、土砂排出管4の管壁を液密に貫通してその管内に開口し、その噴口N,N′が輸送管P内を指向している。
前記ノズル管7の噴口N,N′は、図示例では前後に2つ設けられ、その一方(下側)の噴口N′は下流側に延長されて輸送管Pの上流端近傍に臨んでいる。そして、このノズル管7の噴口N,N′からは土砂排出管4内の異なる二ヶ所から圧縮空気を各々投入することができる。
而して前記土砂供給装置SSと圧縮空気混入装置SAとにより、浚渫土砂20及び圧縮空気を輸送管Pの上流端部に供給する土砂搬送機Sが構成される。このような土砂搬送機Sを用いた空気圧式輸送システムにおいては、ホッパ2内に浚渫土砂を十分投入した状態でモーターM及びコンプレッサCを運転すると、輸送管Pの上流端部に土砂供給装置SSから浚渫土砂が定量ずつ供給されると同時に、ノズル管7より圧縮空気が勢いよく噴出して浚渫土砂中に混入され、このとき、輸送管P内では、図8に示すように浚渫土砂よりなるプラグ状液相部8と圧縮空気よりなる気相部9とが輸送管長手方向に交互に並んで下流方向へ流動(この流動は、プラグ状液相部8を挟む前後の気相部9,9相互の差圧が、輸送管Pよりプラグ状液相部8に作用する摩擦抵抗を含む流動抵抗に打ち勝つことで生じる)するプラグ流PLが生じ、それが浚渫土砂と輸送管P内面との間の見掛け上の摩擦力を低減するので、比較的小さなエネルギで浚渫土砂を効率よく大量輸送可能となる。尚、前記気相部9においても、輸送管Pの底部にはスラグ状の液相部が多少は流動する。
ところで本実施例の如く輸送管Pを長く延ばした場合には、前述のように輸送管P内で発生したプラグ流PLのプラグ状液相部8が輸送管の下流端に近づくにつれて徐々に成長、肥大化し(図8)、これを圧送するために各気相部9の圧力も増大して土砂搬送機Sに加わる背圧(即ち輸送管P上流端部での管内圧力)が大きくなり、これが前記した種々の問題を惹起する。そこで本実施例では、輸送管Pの下流端に近づくにつれて肥大化しようとするプラグ状液相部8を崩壊させ、それよりも小さいプラグ状液相部8に効率よく再生させるためのプラグ流再生手段Xが少なくとも1組、設けられる。次に図4,5を併せて参照してその一例を説明する。
即ち、プラグ流再生手段Xは、輸送管Pの途中に設けられた逆流防止用の逆止弁Vと、その各々の逆止弁Vの直下流の輸送管P内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部としての補助圧縮空気用ノズル管15とより構成される。そのノズル管15は、輸送管P近くの適所(図示例では揚泥作業船A上)に設置されたコンプレッサC′の吐出側に開閉弁6v′付きのエア配管6′を経て接続される。その逆止弁Vの配設位置は、輸送管Pの上流端から下流側に相当量離間していてプラグ状液相部8の肥大化が土砂搬送機Sへの背圧に及ぼす影響が大となる部位に設定され、輸送管Pが長い場合には、浚渫土砂の流動方向に相互に間隔をおいて複数の逆止弁Vが配設される。またこの逆止弁Vの配設位置は、土砂搬送機Sへの背圧の影響が大きい、輸送管Pの上り配管部分の手前側にも設定可能である。
また輸送管Pには、逆止弁Vの直下流において、輸送管Pよりも流路断面積が大きい膨脹室10が設けられ、その膨脹室10は、輸送管Pの途中に膨脹室形成管Paを一体的に介装することで形成される。この膨脹室形成管Paの上流側半部は、流路断面積が大きい矩形断面に形成され、またその下流側半部は下流側に向かうにつれて徐々に絞られて下流側の輸送管Pに滑らかに接続される。
輸送管Pの、膨脹室10より上流側部分の下流端は、斜め上向きの平面で切断され、その切断面が逆止弁Vの弁座面11となり、その切断部開口が弁孔12となる。逆止弁Vは、矩形平板状の弁体13を膨脹室10に臨ませたリーフ弁より構成され、その弁体13の、弁座面11と反対側の外面には、補強リブと重錘を兼ねる補強片16が固設される。
その弁体13は、それの上端部が膨脹室形成管Paの上部にピボット軸14を介して連結され、そのピボット軸14の軸線回りに弁体13が、前記弁座面12に当接して輸送管Pの途中を遮断する閉じ位置と、同弁座面12より離間して輸送管Pの途中を導通させる開き位置との間を開閉揺動可能である。
上記のような弁体13の配置、特にピボット軸14の位置や弁座面11の上向き傾斜により、閉じ位置にある弁体13には、その自重で緩やかな閉弁力が作用するので、弁体13は、通常は閉弁状態に保持される。また弁体13は、その前後に下流側に向かう差圧が発生すると、その差圧に応じてスムーズに開弁揺動する。一方、弁体13の前後に上流側に向かう差圧が発生すると、弁体13が直ちに閉じ方向に閉弁揺動し、その閉弁位置で保持される。
前記ピボット軸14は、その中間部が弁体13の上端部に固着され、またその両端部が膨脹室形成管Paの両側壁を液密に且つ相対回動可能に貫通、支持される。そのピボット軸14の外端には重錘Wが一体的に連結されており、これにより、弁体13はどの開度に在っても自重の影響を受けずに前記差圧に応じて軽快に開閉揺動することができる。
膨脹室10の底面は、その直上流に連なる輸送管Pの底面より一段下がっており、その段部に、輸送管P下流側を指向する前記ノズル管15を液密に貫通支持させている。ノズル管15の噴口n,n′は、図示例では前後に2つ設けられており、その一方(下側)の噴口n′は下流側に延長されているので、ノズル管15からは膨脹室10の異なる二ヶ所から補助圧縮空気を各々投入できる。また膨脹室10の天井面は、その直上流に連なる輸送管Pの天井面より一段上がっており、その段部に沿うように弁体13のピボット軸14が膨脹室10を横切って延びている。
次に前記実施例の作用を説明する。図示しない浚渫作業現場で採取された水を含む浚渫土砂20は、バージ船B内に貯留されて、最終処分地である埋め立て地Uの近くの水域まで水上輸送される。その水域では揚泥作業船Aが待機しており、その作業船Aから埋め立て地Uまでは輸送管Pが予め設備されている。
そこで揚泥作業船Aにバージ船Bを横付けした後、バックホー1によりバージ船B内の貯留土砂20を掻き出してホッパ2内に投入し、その投入量が規定量以上になると、モーターMおよびコンプレッサCの運転を開始する。これにより、ホッパ2内の浚渫土砂20が土砂供給装置SSにより土砂排出管4を通して定量ずつ輸送管P内に供給され、それと同時にコンプレッサCから圧縮空気がエア配管6及び土砂排出管4を通して輸送管Pの上流端近くの浚渫土砂20中に混入される。このとき、輸送管P内では、図7に示すように浚渫土砂よりなるプラグ状液相部8と圧縮空気よりなる気相部9とが輸送管長手方向に交互に並んで下流方向へ流動するプラグ流PLが生じる。一方、コンプレッサC′からの圧縮空気は、エア配管6′を経てノズル管15から各逆止弁Vの直下流側(膨脹室10)に噴射される。
そして、図示例のように輸送管Pが長く延ばされる場合には、もし仮にプラグ流再生手段Xが無ければ、図8に示すように輸送管P内で発生したプラグ流PLがプラグ状液相部8の崩壊と、崩壊後の合体による再形成とを繰り返すことにより、プラグ状液相部8が輸送管の下流端に近づくにつれて徐々に成長、肥大化しようとする。しかるに本実施例では、輸送管Pの途中に、プラグ流再生手段X、即ち逆流防止用の逆止弁Vと、その逆止弁Vの直下流の輸送管P内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部(ノズル管15)とを設けているため、図7に示すように、肥大化しようとするプラグ状液相部8をより小さいプラグ状液相部8に効率よく再生可能である。
即ち、肥大化しつつあるプラグ状液相部8は、逆止弁Vに差し掛かると、これを開弁させながら通過し、その通過直後に流路断面積が大きい膨脹室10に流入することでプラグ状液相部8の崩壊が始まる。そして、プラグ状液相部8の一部が逆止弁Vを通過すると、通過直後のプラグ状液相部8と逆止弁Vとの間の空間が比較的小さいために、ノズル管15から膨脹室10内へ投入された補助圧縮空気により逆止弁Vの直下流の管内圧力が急増して逆止弁Vを一時的に閉じ、その増大した管内圧力でスラグ流を下流側に勢いよく押出す(図6(A)を参照)。尚、このときの背圧は逆止弁Vで受け止められるので上流側の土砂搬送機Sには波及しない。その後、逆止弁Vの直下流の管内圧力が低下すると、逆止弁Vが再び開弁して、プラグ状液相部8の残り部分の一部が逆止弁Vを通過し、その際に前記と同様の作用がなされる。
このような逆止弁Vの開閉動作の繰り返しと補助圧縮空気投入によるスラグ流押出し作用とにより、逆止弁通過後のスラグ状液相部が十分攪拌され、乱流状態となって圧力変動を繰り返しながら輸送管P内を移動し、その過程で再びプラグ状液相部8が再生される。しかもその再生されたプラグ状液相部8は、逆止弁V通過直前のプラグ状液相部8と比べ小さくなっているため、前後の気相部9,9の差圧が比較的小さくても下流側に無理なく流動する(図7)。尚、この再生されたプラグ状液相部8が下流側で再び成長、肥大化しても、その下流側に配設したプラグ流再生手段Xにより、上記の同様の作用で、プラグ状液相部8の再生がなされる。
また図6(B)に示すように、プラグ流PLにおける気相部9が逆止弁Vに差し掛かったときは、その逆止弁前後での圧力変化は比較的小さいので、逆止弁Vは開弁状態に保たれたまま、気相部9の移動、即ち逆止弁通過が行われる。
かくして、輸送管Pの途中に、逆流防止用の逆止弁Vと、その逆止弁Vの直下流の輸送管P内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部(ノズル管15)とを設けたことにより、輸送管P内で下流端に近づくにつれて肥大化しようとするプラグ状液相部8をより小さいプラグ状液相部8に効率よく再生可能となる。従って、長距離輸送のために中継設備を設けずに輸送管Pを長く延ばした場合であっても、その輸送管P内のプラグ流における個々のプラグ状液相部8を輸送管Pの下流端近くにおいても極力小さくできるため、土砂搬送機S(即ち土砂供給装置SS、圧縮空気混入装置SA)に加わる背圧が小さくなり、これにより、土砂搬送機Sの元圧を低減できるから、設備コストや運転コストの節減が図られ、しかも土砂搬送機Sや輸送管Pの耐久性向上が図られる。その上、輸送管Pの途中に補助圧縮空気を投入することによる曝気効果により、スラリ状土砂中の好気性微生物が活性化するため、土砂の浄化効率が高められる。
ところで本発明者は、本発明を適用した実機モデル1と従来例に対応する実機モデル2を使用して土砂搬送実験を行い、その各々のモデルについて輸送管Pの上流端部での管内圧力P0 と、逆止弁Vの所定距離下流側地点での管内圧力P1 を測定し、その結果、プラグ流PL流動に伴い各測定点で管内圧力に変動が見られた。この場合、輸送管Pの上流端部での管内圧力P0 は土砂搬送機Sの元圧に対応し、また逆止弁Vの所定距離下流側地点での管内圧力P1 の変動の振幅(圧力差)が土砂搬送能力に対応するものと考えられるが、実験の結果、土砂搬送機Sの元圧が殆ど同じであっても、実機モデル1の方が実機モデル2よりも上記振幅(圧力差)が高く、従って土砂搬送能力が高いことが確認された。
また図示例では、逆止弁Vの直下流に設けた膨脹室10の底面が、その直上流に連なる輸送管Pの底面より一段下がっており、その段部に、輸送管P下流側に開口を指向させて補助圧縮空気投入部(ノズル管15)が設けられるため、膨脹室10底部を這うように浚渫土砂20(スラグ流)を補助圧縮空気により十分に攪拌でき、その浚渫土砂が膨脹室底部に沈殿、滞留するのを効果的に防止できる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、前記実施例では、輸送管Pの大部分を水面上に浮遊させて土砂処分地としての埋め立て地Uまで敷設しているが、本発明では、輸送管Pの一部又は全部を地面に敷設するようにしてもよい。
また前記実施例では、輸送管Pを、揚泥作業船Aと、土砂処分地としての埋め立て地Uとの間のスラリ状土砂(浚渫土砂)の輸送に利用しているが、本発明では、スラリ状土砂の出発地と到着地は実施例に限定されず、適宜選択可能である。
また前記実施例では、圧縮空気混入装置SAからの圧縮空気を輸送管P上流端手前の土砂排出管4に噴射するようにしたものを示したが、本発明では、その圧縮空気を輸送管P内に直接噴射するようにしてもよい。
また前記実施例では、ノズル管7の噴口N,N′およびノズル管15の噴口n,n′を前後方向に間隔をおいて各々複数(図示例では2個)ずつ配置したものを示したが、本発明(請求項1〜4)では、少なくとも一方のノズル管7,15の噴口を単一(例えば上流側の噴口N,nのみ)としてもよい。
本発明の一実施例に係る浚渫土砂用の空気圧式輸送システムの全体縦断面図 土砂搬送機を示す一部破断拡大縦断面図(図1の2部矢視拡大図) 図2の3−3線拡大断面図 プラグ流再生手段の縦断面図(図1の4部矢視拡大縦断図) 図4の5−5線断面図 プラグ流再生手段(逆止弁前後)でのプラグ流の流動状態を概略的に示す縦断面図であって、(A)は液相部の流動状態を、また(B)は気相部の流動状態を示す 前記実施例における輸送管全域に亘るプラグ流の流動状態を概略的に示す縦断面図 従来例における輸送管全域に亘るプラグ流の流動状態を概略的に示す図7対応図
符号の説明
P・・・・輸送管
PL・・・プラグ流
SA・・・圧縮空気混入装置
SS・・・土砂供給装置
V・・・・逆止弁
n,n′・・噴口
8・・・・プラグ状液相部
9・・・・気相部
10・・・膨脹室
13・・・弁体
15・・・補助圧縮空気投入部としての補助圧縮空気投入用ノズル管
20・・・スラリ状土砂

Claims (5)

  1. 水を含み粘性を有するスラリ状土砂(20)を輸送管(P)内を経由して空気圧により圧送するスラリ状土砂の空気圧式輸送システムであって、
    スラリ状土砂(20)を輸送管(P)内に強制的に供給し得る土砂供給装置(SS)と、その土砂供給装置(SS)により輸送管(P)内に供給されたスラリ状土砂(20)を輸送管(P)の下流側に圧送するための圧縮空気を輸送管(P)の上流端又はその近傍でスラリ状土砂(20)中に混入し得る圧縮空気混入装置(SA)とを備え、
    輸送管(P)内では前記圧縮空気の混入に伴い、スラリ状土砂(20)よりなるプラグ状液相部(8)と圧縮空気よりなる気相部(9)とが輸送管(P)長手方向に交互に並んで下流方向へ流動するプラグ流(PL)が生じるようにしたものにおいて、
    輸送管(P)の途中には、逆流防止用の逆止弁(V)と、その逆止弁(V)の直下流の輸送管(P)内に補助圧縮空気を投入する補助圧縮空気投入部(15)とを設けたことを特徴とする、スラリ状土砂の空気圧式輸送システム。
  2. 輸送管(P)の途中には、逆止弁(V)の直下流に膨脹室(10)を形成し、その膨脹室(10)に補助圧縮空気投入部(15)を開口させたことを特徴とする、請求項1に記載のスラリ状土砂の空気圧式輸送システム。
  3. 膨脹室(10)に逆止弁(V)の板状弁体(13)を臨ませると共に、その板状弁体(13)の上端部を膨脹室(10)の上部壁に開閉揺動可能にピボット連結したことを特徴とする、請求項2に記載のスラリ状土砂の空気圧式輸送システム。
  4. 膨脹室(10)の底面は、その直上流に連なる輸送管(P)の底面より一段下がっており、その段部に、輸送管(P)下流側に開口を指向させて補助圧縮空気投入部(15)を設けたことを特徴とする、請求項2又は3に記載のスラリ状土砂の空気圧式輸送システム。
  5. 前記補助圧縮空気投入部(15)は、スラリ状土砂(20)の流れ方向に互いに間隔をおいて配置された複数の噴口(n,n′)を有していることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のスラリ状土砂の空気圧式輸送システム。
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