JP2007332426A - 成膜方法及び装置 - Google Patents

成膜方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007332426A
JP2007332426A JP2006166508A JP2006166508A JP2007332426A JP 2007332426 A JP2007332426 A JP 2007332426A JP 2006166508 A JP2006166508 A JP 2006166508A JP 2006166508 A JP2006166508 A JP 2006166508A JP 2007332426 A JP2007332426 A JP 2007332426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
plasma
outer peripheral
peripheral surface
rotating electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006166508A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Hayashi
和志 林
Takashi Kohori
隆 古保里
Toshihiro Kugimiya
敏洋 釘宮
Nobutaka Aomine
信孝 青峰
Arinori Aoshima
有紀 青嶋
Yukio Yoshikawa
幸雄 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd, Kobe Steel Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2006166508A priority Critical patent/JP2007332426A/ja
Publication of JP2007332426A publication Critical patent/JP2007332426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

【課題】回転電極の外周面と基材表面との間に好適な寸法の隙間を確保しながら、パーティクルの発生を抑止する。
【解決手段】回転電極20と基材28とを対向させてその回転電極20と対向電極40との間にプラズマ42を生成し、そのプラズマ42で反応ガスを化学反応させることにより前記基材28の表面に薄膜を形成する。その際、前記回転電極20と基材28との隙間23が最小となる最小隙間位置に対して回転電極20の回転方向上流側に偏った位置にプラズマ42を形成するように、前記対向電極40の位置を前記最小隙間位置に対して回転電極20の回転方向上流側にシフトさせる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板やプラスチックフィルム等からなる基材の表面に、金属材料、半導体材料、絶縁材料等の各種材料からなる薄膜を形成するための方法及び装置に関するものである。
近年、プラズマCVDにより成膜等の処理を行う手段として、基材と微小隙間をおいて対向配置されるプラズマ発生用の電極を略円柱状とし、かつ、これを高速回転させるようにしたものが開発されるに至っている(例えば特許文献1参照)。
前記文献のプラズマ処理装置では、内部が密閉された反応容器内に回転電極が収容されるとともに、同容器の底部に設置されたテーブル上に基材搬送台が設けられている。そして、前記基材搬送台上に基材をセットした状態で前記反応容器内を排気し、前記回転電極を回転させながらこれに高周波電力(直流電力でもよい)を印加して前記回転電極と基材との間にプラズマを発生させるとともに、前記反応容器内に反応ガス(図例ではSiH4とH2との混合ガス)及び希釈ガス(例えばHe)を反応容器10内に導入することにより、これらのガスが回転電極の回転によって前記回転電極と基材との間のプラズマに巻き込まれ、前記プラズマにおいて前記反応ガスが化学反応を起こしながら基材が基材搬送台とともに所定方向に走査される結果、基材表面に薄膜が形成されるようになっている。
特開平9−104985号公報(第10〜11頁、図3〜図7)
前記特許文献1に記載される装置では、大気圧下で安定したプラズマを発生させるために、回転電極は基材と微小隙間をおいて対向する位置に配置される。しかしながら、このような隙間の寸法は基材搬送中の振動や温度変化によって変動するため、装置設計で初期に与えられた隙間の寸法が前記変動の幅よりも小さいと前記変動により回転電極に基材が衝突してしまう等の不都合が発生し易くなる。
そこで、前記振動や温度変化による寸法変動を見込んで前記寸法変動よりも前記回転電極と基材との隙間の初期寸法を大きめに設定することが考えられるが、前記隙間寸法を拡大するほどパーティクルの発生量が増大するという不都合が発生することが確認された。
本発明は、このような事情に鑑み、回転電極の外周面と基材表面との間に好適な寸法の隙間を確保しながらもパーティクルの発生を抑止することができる成膜方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく研究を重ねた結果、回転電極の回転方向上流側の領域ではガスが基材へ向かう方向に流れる一方、回転電極の回転方向下流側の領域では基材から離れる方向のガスの流れが渦を形成し、ここで滞留するガスがプラズマエネルギーにより二次的な反応を起こして気相中で粒子として成長することが、パーティクル増大の要因となることを突き止めた。
本発明は、このような観点からなされたものであり、円筒状外周面を有する回転電極の前記外周面を絶縁物からなる基材の表面に対向させた状態で、もしくは、対向部材の表面に隙間をおいて対向させた状態でその隙間にプラズマを形成するプラズマ形成操作と、そのプラズマ形成領域の近傍で前記回転電極の回転軸方向に対して略垂直な方向に前記基材を移送する基材移送操作と、前記回転電極をその外周面の中心軸周りに回転させることにより前記回転電極の外周面近傍のガスを巻き込んで前記プラズマ形成領域に供給し、前記プラズマのエネルギーにより前記ガスに化学反応を起こさせて前記基材の表面に膜を形成するガス供給操作とを含み、かつ、前記プラズマ形成操作では前記隙間が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成することを特徴とする成膜方法である。
また本発明は、円筒状外周面を有する回転電極と、前記回転電極をその外周面の中心軸回りに回転させる回転駆動手段と、前記回転電極の外周面と絶縁物からなる基材の表面に隙間をおいて対向させた状態で前記回転電極の回転軸方向に対して略垂直な方向に前記基材を移送する基材移送手段と、前記基材を挟んで前記回転電極と反対の側に配設される対向電極と、前記対向電極と前記回転電極との間に電圧を印加してその外周面と前記基材の表面との間にプラズマを形成するプラズマ形成手段とを備え、前記回転電極の回転により前記回転電極の外周面近傍のガスが巻き込まれて前記プラズマ形成領域に供給され前記プラズマのエネルギーにより化学反応を起こさせて前記基材の表面に膜を形成するように構成されるとともに、前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成する位置に前記対向電極が配置されていることを特徴とする成膜装置である。
これらの構成によれば、前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面(もしくは前記基材とは別の対向部材の表面)との隙間において、その寸法が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成することにより、前記プラズマが原料ガスの反応を起こさせる領域も前記回転電極の回転方向上流側に偏らせることができる。よって、前記隙間を比較的大きくしながらも、前記回転電極の回転方向下流側でのガス渦の形成及び前記ガス渦での二次反応に起因するパーティクルの発生を有効に抑止することができる。
ここで、「隙間が最小となる位置に対して回転電極の回転方向上流側に偏った領域にプラズマを形成する」とは、そのプラズマ形成領域の中心位置が前記隙間が最小となる位置よりも回転電極の回転方向上流側に位置することを意図するものであり、前記領域の一部が回転電極の回転方向下流側にはみ出ることを妨げない。
ただし、前記隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側の領域にのみ前記プラズマを形成するようにすれば、前記パーティクル発生の抑止効果は顕著となる。
本発明に係る成膜装置の具体的な態様としては、前記対向電極が前記回転電極に対向する電極面として前記基材の表面と略平行な平面状の電極面を有し、かつ、前記基材移送方向についての前記電極面の中心部位が前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に位置するように前記対向電極が配置されているものや、前記対向電極が、前記回転電極の回転中心軸と略平行な軸回りに回転可能な円筒状外周面を有していて前記円筒状外周面の回転により前記円筒状外周面上に載せられた基材を移送する移送用ローラにより構成されており、かつ、前記移送用ローラの外周面の最頂部が前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に位置するように前記対向電極が配置されているものが、好適である。
前者の場合、前記電極面全体が前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に位置するように前記対向電極を配置すれば、パーティクル発生の抑止効果はより顕著となる。
また本発明は、円筒状外周面を有する回転電極と、前記回転電極をその外周面の中心軸回りに回転させる回転駆動手段と、前記回転電極の外周面と対向して前記外周面との間に隙間を形成する対向部材と、前記対向部材を挟んで前記回転電極と反対の側に配設される対向電極と、前記対向電極と前記回転電極との間に電圧を印加して前記隙間にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、そのプラズマ形成領域の近傍で前記回転電極の回転軸方向に対して略垂直な方向に基材を移送する基材移送手段とを備え、前記回転電極の回転により前記回転電極の外周面近傍のガスが巻き込まれて前記プラズマ形成領域に供給され前記プラズマのエネルギーにより化学反応を起こさせて前記基材の表面に膜を形成するように構成されるとともに、前記隙間が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成する位置に前記対向電極が配置されている成膜装置としたものでも、前記と同様の効果が得られる。
前記成膜装置においても、前記対向電極は、前記隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側の領域にのみ前記プラズマを形成する位置に配置されていることが、より好ましい。
以上のように、本発明は、前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面またはこれに代わる対向部材との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成するものであるので、前記隙間の寸法をその変動分よりも大きく確保しながら、前記回転電極の回転方向下流側でのガス渦に起因するパーティクルの発生を有効に抑止することができる効果がある。
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる成膜装置を示したものである。図示の装置は、ステンレス鋼等の構造材からなるハウジング10を有し、前記ハウジング10の底部に、基材(図例ではガラス板)28が移送される基材移送通路18が形成されるとともに、その上方に回転電極20を覆うガス調整箱14が設けられている。
なお、本発明で扱われる基材の材質は、電気絶縁性が確保される範囲で自由に設定可能であり、前記ガラス板の他、プラスチック(例えばPET、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート)や、その他のセラミックス材料(アルミナ、シリカ等)からなる基材についても本発明の適用が可能である。
前記回転電極20は円筒状外周面を有し、その回転中心軸22回りに回転可能となるように図略の軸受を介して前記ハウジング10側に支持されている。前記回転中心軸22には図略のマグネットカップリングを介して回転駆動用モータが連結され、前記モータにより回転電極20が高速で回転駆動されるようになっている。さらに、前記回転中心軸22には、前記回転電極20に電圧を印加して基材28との隙間23にプラズマ42を発生させるための高周波電源(直流電源でもよい)26が接続されている。
なお、本発明において回転電極20の具体的な材質は問わないが、その表面に溶射処理によって厚さ50μm程度のアルミナがコーティングされたもの等が好適である。
ガス調整箱14は、回転電極20の外周面のうち下端部(基材28と対向する部分)を残してその他の外周面、すなわち上半部分の外周面を含む外周面を覆う形状を有し、その内部空間16が、前記回転電極20が前記基材28と対向する位置よりも前記回転電極20の回転方向上流側の反応ガス供給室16aと回転方向下流側のガス導出室16bとに区画されている。換言すれば、ガス調整箱14の底壁14bに開口14aが形成され、前記開口14aから下向きに回転電極20の下端部のみが突出した状態となっている。
前記ガス調整箱14の天壁には、前記反応ガス供給室16a内に反応ガスを供給するための反応ガス供給口15が設けられるとともに、前記天壁を貫通するようにガス導出管(ガス導出通路形成部)17が固定されている。前記ガス導出管17は、前記反応ガス供給室16aに面する側の壁が前記反応ガス供給室16aとガス導出室16bとを区画する隔壁17bとなっており、かつ、前記導出管17内にガス導出室16b側に連通する上下方向のガス導出通路17aを形成しており、前記ガス導出管17の下端部には案内部材とクリーニング部材とを兼ねるブラシローラ21が設けられている。前記ブラシローラ21は、例えば金属材料や高分子材料で形成されたブラシを有して回転電極20の外周面に軽く接触しながら同期回転し、前記回転電極20に引き連れられているガスを上方のガス導出通路17aに案内するとともに、回転電極20の外周面に付着した膜を掻き取る役目を行う。
なお、本発明は必ずしも図示のガス調整箱14を要さず、例えば回転電極20及び基材搬送装置を共通のハウジング内に収容して前記ハウジング内に直接反応ガスを供給するようにしてもよい。
ハウジング10の下部の基材移送通路18は、前記回転中心軸22を横切る方向(図1では左右方向)に形成されており、前記基材移送通路18に沿って基材移送手段である多数の搬送コロ30が設けられている。
これらの搬送コロ30は、ハウジング10の側壁下部に形成された基材入口10aと基材出口10bとを結ぶ直線に沿って多数配列され、その上に載せられた基材28を基材入口10aからハウジング10内に進入させて前記回転電極20の下端部に微小隙間をおいて対向させ、かつ、基材出口10bを通じてハウジング10の外部に導出するように構成されている。
これらの搬送コロ30に加え、前記基材移送手段には移送用接地ローラ40が含まれている。前記移送用接地ローラ40は、前記搬送コロ30と同様に、前記回転電極20の回転中心軸と略平行な軸回りに回転可能な円筒状外周面を有していて前記円筒状外周面の回転により前記円筒状外周面上に載せられた基材28を回転電極20の回転軸部22に対して略垂直な方向に移送する機能を有するのに加え、適当な配線を介してアースに接続されることにより、前記回転電極20と協働してプラズマ42を形成する対向電極を構成しており、前記基材28を挟んで回転電極20と反対の側(図例では下側)に配置されたものとなっている。
さらに、前記装置の特徴として、前記回転電極20の円筒状外周面と前記基材28の表面との隙間23が最小となる位置(以下「最小隙間位置」と称する。)に対して前記回転電極20の回転方向上流側(図1及び図2では右側;以下「回転電極上流側」と称する。)に偏った領域に前記プラズマ42を形成すべく、前記最小隙間位置よりも前記回転電極20の回転方向上流側に前記移送用接地ローラ40の外周面の最頂部が位置するように、前記移送用接地ローラ40が配置されている。
具体的に、図2に示す装置では、前記プラズマ42を前記最小隙間位置よりも回転電極上流側(図1及び図2では右側)の領域にのみ形成すべく、前記最小隙間位置からの前記移送用接地ローラ40の外周面最頂部のシフト量(基材搬送方向へのシフト量)δが十分大きく(図2に示す例では移送用接地ローラ40の半径よりも大きく)設定されている。
なお、前記隙間23の具体的な寸法は適宜設定可能であるが、大気圧近傍の圧力でプラズマ処理を行う場合には、前記移送用接地ローラ40の最頂部に対応する基材28の表面の位置から回転電極20の外周面に至るまでの最短距離d(図2)が10mm以下(より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下)となるように回転電極20及び移送用接地ローラ40を配置することが、望ましい。
また、図例では、回転電極20の回転の向きと同じ向きに基材28を移送するようにしているが、回転電極20の回転の向きと逆向きに基材28を移送する(図1では右向きに基材28を移送する)場合にも本発明の適用が可能である。この場合も、回転電極20の回転方向の上流側の領域にプラズマ42を形成するように前記移送用接地ローラ40の位置を前記最小隙間位置から回転電極上流側にシフトさせればよい。
前記ハウジング10には、その基材入口10aの近傍及び基材出口10bの近傍で基材移送通路18に対して上から遮断用ガスを供給する上流側遮断用ガス供給部及び下流側遮断用ガス供給部が設けられている。具体的には、ハウジング10内において、前記ガス調整箱14よりも回転電極上流側(図1では左側)及び下流側(同図右側)に、それぞれ、上下方向に延びる上流側遮断用ガス供給通路44及び下流側遮断用ガス供給通路45が形成され、各供給通路44,45の上端に遮断用ガス供給口48,49がそれぞれ設けられており、各遮断用ガス供給口48,49には図略の遮断用ガス供給源が接続されている。また、上流側遮断用ガス供給通路44とガス調整箱14との間の位置には上下方向に延びる混合ガス導出通路46が形成され、その上端にガス導出口50が設けられている。
なお、本発明において前記遮断用ガス供給部は必ずしも要しない。また、「遮断用ガス」は原料ガスと大気とが混ざらないようにするためのガスであって、この遮断用ガスには、プラズマ領域での化学反応に影響を与えないガスを任意選択することが可能であり、一般には、窒素、ヘリウム、アルゴン、その他の不活性ガス等が好適である。
前記ハウジング10よりも基材搬送方向上流側の位置には、処理すべき基材28を予熱するための予熱装置12が設けられている。前記予熱装置12は、搬送コロ30により形成される基材移送通路を囲むヒータハウジング54と、前記ヒータハウジング54内に格納されるヒータ56とを備えている。そして、ヒータハウジング54に設けられた図略の基材入口からヒータハウジング54内に搬入された基材28がヒータ56によって上側から加熱され、その後に前記ヒータハウジング54の基材出口54aからそのまま前記ハウジング10の基材入口10aに移送されるようになっている。
次に、前記装置の作用を説明する。
搬送コロ30に載せられた基材28は、まず予熱装置12を通過して予熱された後、ハウジング10の基材入口10aから同ハウジング10内に導入され、移送用接地ローラ40に達する。この時点で、前記基材28の表面と、適当な電圧が印加された回転電極20との隙間にプラズマ42が生成されるが、前記移送用接地ローラ40は前記基材28の表面と回転電極20の外周面との隙間23が最小となる最小隙間位置よりも回転電極上流側にシフトされた位置に設けられているため、前記プラズマ42の形成領域も前記回転電極上流側に偏ることになる。
一方、回転電極20が図1の矢印方向(同図反時計回り方向)に高速回転駆動されるとともに、これを覆うガス調整箱14の反応ガス供給室16a内に反応ガス供給口15を通じて反応ガス等(例えばシリコン成膜を行う場合には反応ガスであるSiH及びHと不活性ガスであるHe)が流量制御器の制御の下、供給されている。
前記反応ガス等は、前記最小隙間位置よりも回転電極上流側における前記回転電極20の外周面に供給され、同外周面に引き連れられてガス調整箱14の開口14aからプラズマ42の形成領域に供給され、ここで化学反応を起こして基材表面上に薄膜を形成する。そして、薄膜が形成された基材28は、そのまま基材出口10bを通じてハウジング10の外部に排出される。
このとき、上述のようにプラズマ42は前記最小隙間位置に対して回転電極上流側に偏った領域に形成されるので、前記隙間23の寸法を比較的大きく設定しても、回転電極20の回転方向下流側の領域に生ずるガスの渦に起因してパーティクルが増大することが有効に抑止され、これにより良好な膜質を得ることが可能となる。
特に、図示のように移動用接地ローラ40のシフト量δを大きくして、前記プラズマ42が最小隙間位置よりも回転電極上流側の領域のみに形成されるようにすれば、パーティクル発生の抑止効果をより顕著なものとすることができる。
一方、前記プラズマ42の生成領域で発生したガスは、そのまま回転電極20の外周面に引き連れられてガス導出室16b内に入り込み、同外周面からブラシローラ21によってガス導出通路17aに案内され、ハウジング10外部の特定部位(ガス処理部)に導出される。すなわち、プラズマ形成領域で発生したガスは秩序をもって特定箇所に回収される。
本発明の第2の実施の形態を図3に示す。ここでは、前記図1及び図2に示した移送用接地ローラ40に代え、前記対向電極として、略平板状の電極板60が用いられている。前記電極板60は、回転電極20に対向する電極面として前記基材の表面と略平行な平面状の電極面62を有し、基材搬送手段として設置されたゴム等の絶縁材料からなる搬送ベルト58の裏側に設置されている。すなわち、前記搬送ベルト58により搬送される基材28を挟んでその反対の側(図例では下側)に電極板60が配置されている。そして、基材移送方向についての前記電極面62の中間部位63が前記回転電極20の円筒状外周面と基材28の表面との隙間23が最小となる最小隙間位置よりも回転電極上流側にシフト量δだけシフトされた位置に、前記電極板60が配置されている。
前記装置においても、プラズマ42は前記隙間23が最小となる位置に対して回転電極回転方向上流側に偏った領域に形成されるので、前記隙間23の寸法を比較的大きく設定しても、回転電極20の回転方向下流側の領域に生ずるガスの渦に起因してパーティクルが増大することが有効に抑止され、これにより良好な膜質を得ることが可能となる。
ここで、前記電極板60のシフト量δは特に限定されないが、例えば回転電極20の直径を100mm、電極面62の幅を基材移送方向の寸法を20mmとした場合には、δ=5〜20mm程度に設定するのがよい。
特に、図3に示すように、前記電極板60の電極面62の全面が前記隙間23が最小となる位置よりも前記回転電極回転方向の上流側に位置するように、前記電極板60のシフト量δを十分大きく設定すれば、前記パーティクル発生の抑止効果はより顕著となる。
また、大気圧近傍の圧力でプラズマ処理を行う場合には、前記電極板60の下流側端部64に対応する基材28の表面の位置から回転電極20の外周面に至るまでの最短距離d1(図3)が10mm以下(好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下)となるように回転電極20及び移送用接地ローラ40を配置することが、望ましい。
また、前記図3に示す装置において、電極板60の電極面62の全面を用いて効率良くプラズマ42を形成するには、前記電極板60の回転電極回転方向上流側端部66に対応する基材28の表面の位置から回転電極20の外周面に至るまでの最短距離d2が前記距離d1の2倍以内に収まるように前記電極面62の大きさ及び電極板60の位置を設定するのが、より好ましい。
その他、本発明は基材28を移送するための具体的手段を問わない。例えば、第3の実施の形態として図4に示すように、基材移送方向に延びる基材移送用レール66上に前記方向に沿ってスライド可能に基材搬送トレイ68を設置し、前記基材搬送トレイ68に基材28を載置するものにおいても、前記基材搬送トレイ68や基材移送用レール66を絶縁材料で構成して電極板60の配設位置と回転電極20の外周面との間にプラズマ42が形成されるようにすれば、前記と同様の効果を得ることが可能である。
また、本発明では基材28の具体的な形状も問わず、例えば第4の実施の形態として図5に示すように、長尺フィルム状の基材28を搬送コロ30及び移送用接地ローラ40上で走行させてこれら搬送コロ30と移送用接地ローラ40との間の領域で回転電極20に対向させながら前記移送用接地ローラ40と回転電極20との間で基材28上にプラズマ42を形成するようにしてもよい。この場合も、回転電極20の外周面と基材28の表面との隙間が最小となる位置よりも回転電極回転方向上流側の領域にプラズマ42を形成するようにすればよい。
また、本発明では必ずしも回転電極20と基材28との隙間にプラズマを形成しなくてもよく、第5の実施の形態として図6に示すように、前記図5に示した搬送コロ30を省略する代わりに回転電極20に対向する対向部材として整流板70を配置し、前記整流板70上において前記整流板70と回転電極20との隙間が最小となる位置よりも回転電極回転方向上流側の領域にプラズマ42を形成し、前記プラズマ42の近傍で基材28を回転電極20の回転軸部22に対して略垂直な方向に基材28を搬送するようにしてもよい。
図3に示した成膜装置において、基材移送方向の寸法が20mmの電極板60を用い、その基材移送方向についての中心位置を適宜変更しつつ、次の条件下でシリカ膜の成膜実験を行った。
・電源周波数:13.56MHz
・電力:700W
・回転電極20の直径:100mm
・回転電極20の回転数:3000rpm
・回転電極20と基材28との隙間23:4mm
・薄膜原料ガス:テトラエトキシシラン(TEOS)
・キャリアガス:ヘリウム
・全圧:1気圧
・TEOS分圧:6Torr
図7は、前記電極板60すなわち対向電極の中心位置のシフト量δ(回転電極上流側へのシフトを負の値とする。)を0mm,−10mm,−15mmにそれぞれ設定したときの蒸着速度(成膜速度)の分布を示したものである。図示のように、対向電極中心位置のシフト量δに応じてそのシフトの向きと同じ向きに成膜速度分布もシフトするが、成膜速度のピーク値は殆ど変わっていない。よって、対向電極たる電極板60をシフトさせても、そのシフト量が適当な範囲内にあれば最大成膜速度に影響を与えないと考えられる。
これに対して図8は、前記シフト量δとパーティクル発生量(δ=+30mmのときの発生量を1とした相対量)との関係をグラフに示したものであるが、図示のように、対向電極たる電極板60の中心位置を負側すなわち回転電極回転方向上流側にシフトさせることによりパーティクル発生量の著しい低減が認められ、前記シフト量δが20mmであるとパーティクルの発生がほぼ100%防止できることを確認できた。
前記実施例1における隙間23の寸法を4mmから1mmに変更し、その他は前記実施例1と全く同じ条件で実験を行った。このように隙間寸法が1mmの場合、隙間寸法が4mmの場合に比べて元々パーティクル発生量は少ない条件となっているが、その条件下においても、回転電極を上流側にシフトさせることによって、隙間寸法が4mmの場合ほど顕著ではないがパーティクル発生量を削減する効果を確認することができた。
本発明の第1の実施の形態に係る成膜装置の全体構成を示す断面正面図である。 前記成膜装置の要部を示す正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る成膜装置の要部を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る成膜装置の要部を示す正面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る成膜装置の要部を示す正面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る成膜装置の要部を示す正面図である。 対向電極中心位置のシフト量を変えたときの成膜速度の分布の変化を示すグラフである。 対向電極中心位置のシフト量とパーティクル発生量との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 ハウジング
14 ガス調整箱
16 内部空間
17 ガス導出管
18 基材移送通路
20 回転電極
21 ブラシローラ
22 回転軸部
23 回転電極外周面と基材表面との隙間
26 高周波電源
28 基材
30 搬送コロ(基材移送手段)
40 移送用接地ローラ
42 プラズマ
44 上流側遮断用ガス供給通路
45 下流側遮断用ガス供給通路
46 混合ガス導出通路
48,49 遮断用ガス供給口
50 ガス導出口
54 ヒータハウジング
56 ヒータ
60 電極板(対向電極)
62 電極面
63 電極板の基材移送方向の中心部位
68 基材搬送トレイ
70 整流板(対向部材)
δ シフト量

Claims (9)

  1. 円筒状外周面を有する回転電極の前記外周面を絶縁物からなる基材の表面に隙間をおいて対向させた状態で、もしくは、前記外周面を対向部材の表面に隙間をおいて対向させた状態で、その隙間にプラズマを形成するプラズマ形成操作と、そのプラズマ形成領域の近傍で前記回転電極の回転軸方向に対して略垂直な方向に前記基材を移送する基材移送操作と、前記回転電極をその外周面の中心軸周りに回転させることにより前記回転電極の外周面近傍のガスを巻き込んで前記プラズマ形成領域に供給し、前記プラズマのエネルギーにより前記ガスに化学反応を起こさせて前記基材の表面に膜を形成するガス供給操作とを含み、かつ、前記プラズマ形成操作では前記隙間が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成することを特徴とする成膜方法。
  2. 請求項1記載の成膜方法において、前記プラズマ形成操作では前記隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側の領域にのみ前記プラズマを形成することを特徴とする成膜方法。
  3. 円筒状外周面を有する回転電極と、前記回転電極をその外周面の中心軸回りに回転させる回転駆動手段と、前記回転電極の外周面と絶縁物からなる基材の表面に隙間をおいて対向させた状態で前記回転電極の回転軸方向に対して略垂直な方向に前記基材を移送する基材移送手段と、前記基材を挟んで前記回転電極と反対の側に配設される対向電極と、前記対向電極と前記回転電極との間に電圧を印加してその外周面と前記基材の表面との間にプラズマを形成するプラズマ形成手段とを備え、前記回転電極の回転により前記回転電極の外周面近傍のガスが巻き込まれて前記プラズマ形成領域に供給され前記プラズマのエネルギーにより化学反応を起こして前記基材の表面に膜を形成するように構成されるとともに、前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成する位置に前記対向電極が配置されていることを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項3記載の成膜装置において、前記対向電極は、前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側の領域にのみ前記プラズマを形成する位置に配置されていることを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項3または4記載の成膜装置において、前記対向電極は前記回転電極に対向する電極面として前記基材の表面と略平行な平面状の電極面を有し、かつ、前記基材移送方向についての前記電極面の中心部位が前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に位置するように前記対向電極が配置されていることを特徴とする成膜装置。
  6. 請求項5記載の成膜装置において、前記電極面全体が前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に位置するように前記対向電極が配置されていることを特徴とする成膜装置。
  7. 請求項3または4記載の成膜装置において、前記対向電極は、前記回転電極の回転中心軸と略平行な軸回りに回転可能な円筒状外周面を有していて前記円筒状外周面の回転により前記円筒状外周面上に載せられた基材を移送する移送用ローラにより構成されており、かつ、前記移送用ローラの外周面の最頂部が前記回転電極の円筒状外周面と前記基材の表面との隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側に位置するように前記対向電極が配置されていることを特徴とする成膜装置。
  8. 円筒状外周面を有する回転電極と、前記回転電極をその外周面の中心軸回りに回転させる回転駆動手段と、前記回転電極の外周面と対向して前記外周面との間に隙間を形成する対向部材と、前記対向部材を挟んで前記回転電極と反対の側に配設される対向電極と、前記対向電極と前記回転電極との間に電圧を印加して前記隙間にプラズマを形成するプラズマ形成手段と、そのプラズマ形成領域の近傍で前記回転電極の回転軸方向に対して略垂直な方向に基材を移送する基材移送手段とを備え、前記回転電極の回転により前記回転電極の外周面近傍のガスが巻き込まれて前記プラズマ形成領域に供給され前記プラズマのエネルギーにより化学反応を起こして前記基材の表面に膜を形成するように構成されるとともに、前記隙間が最小となる位置に対して前記回転電極の回転方向上流側に偏った領域に前記プラズマを形成する位置に前記対向電極が配置されていることを特徴とする成膜装置。
  9. 請求項8記載の成膜装置において、前記対向電極は、前記隙間が最小となる位置よりも前記回転電極の回転方向上流側の領域にのみ前記プラズマを形成する位置に配置されていることを特徴とする成膜装置。
JP2006166508A 2006-06-15 2006-06-15 成膜方法及び装置 Pending JP2007332426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006166508A JP2007332426A (ja) 2006-06-15 2006-06-15 成膜方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006166508A JP2007332426A (ja) 2006-06-15 2006-06-15 成膜方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007332426A true JP2007332426A (ja) 2007-12-27

Family

ID=38932178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006166508A Pending JP2007332426A (ja) 2006-06-15 2006-06-15 成膜方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007332426A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009104579A1 (ja) * 2008-02-22 2009-08-27 コニカミノルタホールディングス株式会社 プラズマ放電処理装置及び薄膜積層体
WO2012004175A1 (en) 2010-07-09 2012-01-12 Vito Nv Method and device for atmospheric pressure plasma treatment

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009104579A1 (ja) * 2008-02-22 2009-08-27 コニカミノルタホールディングス株式会社 プラズマ放電処理装置及び薄膜積層体
WO2012004175A1 (en) 2010-07-09 2012-01-12 Vito Nv Method and device for atmospheric pressure plasma treatment
US9255330B2 (en) 2010-07-09 2016-02-09 Vito Nv Method and device for atmospheric pressure plasma treatment

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101324367B1 (ko) 성막 장치, 성막 방법 및 컴퓨터 판독 가능 기억 매체
JP5812606B2 (ja) 基板処理装置及び半導体装置の製造方法
JP5463168B2 (ja) 成膜方法および成膜装置
KR20140118829A (ko) 성막 장치
JP2008115412A (ja) プラズマ装置およびプラズマ処理方法
WO2007145292A1 (ja) 薄膜形成方法
JPH10330944A (ja) 基板処理装置
KR102493945B1 (ko) Teos 유동의 독립적 제어를 통한 증착 반경방향 및 에지 프로파일 튜닝가능성
JP2007332426A (ja) 成膜方法及び装置
JP3824302B2 (ja) プラズマ処理装置
JP5405403B2 (ja) 表面処理装置
TW201539578A (zh) 控制粒子剝脫之線上腔室塗佈
JP4558810B2 (ja) 成膜装置
JP5463167B2 (ja) 成膜方法および成膜装置
JP2009161782A (ja) 大気圧プラズマ処理装置
JP6569685B2 (ja) 成膜装置及びガスバリアーフィルムの製造方法
KR100493684B1 (ko) 고밀도플라즈마화학기상증착장치및그방법
JP2011179084A (ja) 大気圧プラズマ装置
JP3984540B2 (ja) プラズマ処理装置
JP4597630B2 (ja) 表面処理方法及び装置
JP2006249470A (ja) プラズマ放電処理装置
JP2007332425A (ja) 表面処理装置及び表面処理方法
WO2015122977A1 (en) Extended precursor gas injection method
WO2020078556A1 (en) Radiation device, deposition apparatus for depositing a material on a substrate and method for depositing a material on a substrate
US9953829B2 (en) Image processing apparatus with improved slide printout based on layout data