JP2007332384A - グリース組成物 - Google Patents

グリース組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007332384A
JP2007332384A JP2007203819A JP2007203819A JP2007332384A JP 2007332384 A JP2007332384 A JP 2007332384A JP 2007203819 A JP2007203819 A JP 2007203819A JP 2007203819 A JP2007203819 A JP 2007203819A JP 2007332384 A JP2007332384 A JP 2007332384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mass
agent
grease
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007203819A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4659003B2 (ja
Inventor
Hiroshi Kinoshita
広嗣 木下
Kiyomi Sakamoto
清美 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2007203819A priority Critical patent/JP4659003B2/ja
Publication of JP2007332384A publication Critical patent/JP2007332384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4659003B2 publication Critical patent/JP4659003B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】耐フレーキング性、耐焼き付き性、低摩耗性等に優れるグリース組成物を提供すること。
【解決手段】グリース組成物は、潤滑油基油に組成物全量を基準として、(A)ウレア系増ちょう剤2〜30質量%、(B)ジハイドロカルビルポリサルファイド及び/又は硫化油脂0.1〜20質量%、(C)全塩基価が100〜500mgKOH/gの過塩基性マグネシウムスルフォネート0.05〜10質量%、及び(D)固体潤滑剤、モリブデンジチオカーバメート並びにモリブデンジチオホスフェートからなる極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、及び粘度指数向上剤からなる群より選択される少なくとも1種とからなり、等速ギヤ用、変速ギヤ用、製鉄設備用等のグリースとして有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グリース組成物に関し、詳しくは、特に等速ジョイント用として好適に用いられるグリース組成物に関する。
等速ジョイントとは、自動車のミッションからタイヤへの駆動伝達軸用等として使用されるジョイントである。等速ジョイントの種類としては、バーフィールドジョイント、ゼッパジョイント、アンダーカットフリージョイント等の固定型ジョイント及びダブルオフセットジョイント、トリポードジョイント、クロスグルーブジョイント等のスライド型ジョイント等がある。
これらの等速ジョイントには、従来より潤滑油基油とリチウム石けんやウレア系増ちょう剤からなる基グリースに、二硫化モリブデン、鉛化合物等の添加剤を配合したグリースが主に使用されている。
等速ジョイント用グリースには、耐フレーキング性、耐焼き付き性、耐摩耗性、低摩擦性等の性能が要求される。しかし、最近の自動車の高性能化、高級化傾向に対して、従来使用されてきたグリースでは性能不足となってきており、特に等速ジョイントの寿命延長の面から、耐フレーキング性の向上が強く望まれている。
特開平10−183162号公報
本発明の目的は、特に、耐フレーキング性に優れるグリース組成物を提供することにある。
即ち本発明によれば、潤滑油基油に組成物全量を基準として、(A)ウレア系増ちょう剤2〜30質量%、(B)ジハイドロカルビルポリサルファイド及び/又は硫化油脂0.1〜20質量%、(C)全塩基価が100〜500mgKOH/gの過塩基性マグネシウムスルフォネート0.05〜10質量%、及び(D)固体潤滑剤、モリブデンジチオカーバメート並びにモリブデンジチオホスフェートからなる極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、及び粘度指数向上剤からなる群より選択される少なくとも1種、とからなるグリース組成物が提供される。
本発明のグリース組成物は、耐フレーキング性、耐焼き付き性、低摩耗性等に優れるので、等速ギヤ用、変速ギヤ用、製鉄設備用等のグリースとして有用であり、特に、バーフィールドジョイント、ゼッパジョイント、アンダーカットフリージョイント等の固定型ジョイント;ダブルオフセットジョイント、トリポードジョイント、クロスグルーブジョイント等のスライド型ジョイント等の等速ジョイント用として有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いる潤滑油基油としては、鉱油及び/又は合成油が挙げられる。潤滑油基油の100℃の動粘度は、通常、2〜40mm2/s、好ましくは3〜20mm2/sである。潤滑油基油の粘度指数は、通常、90以上、好ましくは100以上である。
鉱油としては、石油精製業の潤滑油製造プロセスで通常行われている方法により得られる、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ロウ、接触脱ロウ、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の処理を1つ以上行って精製したものが挙げられる。
合成油としては、例えば、ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィン又はこれらの水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ3−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;アルキルナフタレン;アルキルベンゼン;ポリオキシアルキレングリコール;ポリフェニルエーテル;ジアルキルジフェニルエーテル;シリコーン油;又はこれらの混合物等が挙げられる。
本発明に用いる(A)成分は、ウレア系増ちょう剤である。(A)成分としては、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。
ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物及びウレタン化合物としては、例えば、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物(ジウレア化合物、トリウレア化合物及びテトラウレア化合物は除く)、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられ、好ましくはジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。更に具体的には、例えば下記式(1)で表される化合物又はこれらの混合物が好ましい。
A−CONH−R1−NHCO−B ・・・(1)
式中、R1は2価の炭化水素基を示し、A及びBは同一若しくは異なる基であって、−NHR2、−NR34又はOR5を示す。R2、R3、R4及びR5は同一若しくは異なる基であって、炭素数6〜20の炭化水素残基を示す。
式(1)中のR1は、好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜15の2価の炭化水素残基である。2価の炭化水素残基としては、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、直鎖状又は分枝状のアルケニレン基、シクロアルキレン基、芳香族基等が挙げられる。R1の具体例としては、エチレン基、2,2−ジメチル−4−メチルヘキシレン基及び下記式で表される基等が挙げられる。
Figure 2007332384
中でも下記式で表される基が特に好ましい。
Figure 2007332384
2、R3、R4及びR5としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基、直鎖状又は分枝状のアルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、1−メチル−3−プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アミルシクロヘキシル基、アミルメチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基、デシルシクロヘキシル基、ウンデシルシクロヘキシル基、ドデシルシクロヘキシル基、トリデシルシクロヘキシル基、テトラデシルシクロヘキシル基等のアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トルイル基、エチルフェニル基、キシリル基、プロピルフェニル基、クメニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、プロピルナフチル基等のアルキルアリール基;ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられ、中でもシクロヘキシル基、オクタデシル基及びトルイル基が特に好ましい。
これらのジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物又はジウレタン化合物を製造するには、例えば、式OCN−R1−NCOで表されるジイソシアネートと、式R2NH2、R34NH又はR5OHで表される化合物若しくはこれらの混合物とを、基油中で10〜200℃で反応させることにより得られる。この際、R1、R2、R3、R4及びR5は、前記式(1)のR1、R2、R3、R4及びR5と同一である。
前記(A)成分の含有割合は、グリース組成物全量を基準として下限が2質量%、好ましくは5質量%;上限が30質量%、好ましくは20質量%である。(A)成分の含有割合が2質量%未満では増ちょう剤としての効果が少ないため充分なグリース状とならず、一方、30質量%を超える場合はグリースとして硬くなりすぎて充分な潤滑性能を発揮することができない。
本発明に用いる(B)成分は、ジハイドロカルビルポリサルファイド及び/又は硫化油脂である。
ジハイドロカルビルポリサルファイドは、一般的にポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体的には式(2)で表される化合物である。
6−(S)x−R7・・・(2)
式(2)中、R6及びR7は同一若しくは異なる基であって、炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、xは2〜6、好ましくは2〜5の数を示す。R6及びR7の具体例としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、キシリル基、エチルメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、ジメチルナフチル基、エチルメチルナフチル基、ジエチルナフチル基、ジプロピルナフチル基、ジブチルナフチル基等のアルキルアリール基(但し、全ての構造異性体を含む);ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基(但し、全ての構造異性体を含む)等が挙げられる。
中でも、式(2)中のR6及びR7は、別個にプロピレン、1−ブテン又はイソブチレンから誘導された炭素数3〜18のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基、アルキルアリール基あるいはアリールアルキル基が好ましい。具体的には、イソプロピル基、プロピレン2量体から誘導される分枝状ヘキシル基、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニル基、プロピレン4量体から誘導される分枝状ドデシル基、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペンタデシル基、プロピレン6量体から誘導される分枝状オクタデシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチル基、イソブチレン2量体から誘導される分枝状オクチル基、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ドデシル基、イソブチレン3量体から誘導される分枝状ドデシル基、1ブテン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基、イソブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基等のアルキル基(但し、全ての分枝状異性体を含む);フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、キシリル基等のアルキルアリール基(但し、全ての分枝状異性体を含む);ベンジル基、フェニルエチル基等のアリールアルキル基(但し、全ての異性体を含む)等が挙げられる。
更に、式(2)中のR6及びR7は、別個に、プロピレン又はイソブチレンから誘導される炭素数3〜18の分枝状アルキル基がより好ましく、プロピレン又はイソブチレンから誘導される炭素数6〜15の分枝状アルキル基が特に好ましい。
前記ジハイドロカルビルポリサルファイドの硫黄含有割合は任意であるが、極圧性能に優れる点から、通常、硫黄含有割合が10〜55質量%、好ましくは20〜50質量%が望ましい。
(B)成分として用いることができる前記硫化油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油等の動植物油脂;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸又は動植物油脂から抽出された脂肪酸類等の不飽和脂肪酸;これら不飽和脂肪酸と各種アルコールや酸塩化物を反応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;又はこれらの混合物等を任意の方法で硫化して得られるもの等が挙げられる。
硫化油脂の硫黄含有割合は任意であるが、極圧性能に優れる点から、通常、硫黄含有割合が2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%が望ましい。
(B)成分の含有割合は、グリース組成物全量を基準として下限が0.1質量%、好ましくは0.5質量%;上限が20質量%、好ましくは10質量%である。(B)成分の含有割合が0.1質量%未満ではグリースの焼き付き防止性が充分でなく、一方、20質量%を超える場合には、添加量に見合うだけの焼き付き防止性能が得られない。
本発明に用いる(C)成分は、過塩基性マグネシウムスルフォネートである。(C)成分の全塩基価の下限値は100mgKOH/g、好ましくは150mgKOH/gであり、一方、上限値は500mgKOH/g、好ましくは450mgKOH/gである。(C)成分の全塩基価が100mgKOH/g未満の場合は、耐フレーキングに対する(B)成分との相乗効果が充分でなく、一方、全塩基価が500mgKOH/gを超えるものの入手は困難である。
なお、本発明において全塩基価とは、JISK2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味する。
(C)成分としては、過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートが好ましい。この過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートとは、炭酸マグネシウム含有過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネート及び/又はホウ酸マグネシウム含有過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートを意味する。
炭酸マグネシウム含有過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートの製造法は任意であるが、例えば、中性(正塩)のマグネシウムスルフォネートにマグネシウム塩基(マグネシウムの酸化物や水酸化物等)を分散させ、更に炭酸ガスを吹き込んで、炭酸ガスとマグネシウム塩基とを反応させ、系中に炭酸マグネシウム分散体を生成させる方法等により製造できる。
ホウ酸マグネシウム含有過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートの製造法も任意であるが、例えば、中性(正塩)のマグネシウムスルフォネートにマグネシウム塩基(マグネシウムの酸化物や水酸化物等)を分散させ、更にホウ酸、ホウ酸塩又はホウ酸エステルを入れて系中でホウ酸マグネシウム分散体を生成させる方法、または前記炭酸マグネシウム含有過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートにホウ酸、ホウ酸塩又はホウ酸エステルを反応させて、系中に分散している炭酸マグネシウムをホウ酸マグネシウムにする方法等により製造できる。
なお、これらの反応は、通常、ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;軽質潤滑油基油等の溶剤中で行われる。
前記ホウ酸マグネシウム含有過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートの製造法に用いるホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸又はテトラホウ酸等が挙げられる。また、ホウ酸塩としては、例えば、ホウ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム、過ホウ酸リチウム等のホウ酸リチウム;メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等のホウ酸ナトリウム;メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等のホウ酸カリウム;メタホウ酸カルシウム、二ホウ酸カルシウム、四ホウ酸三カルシウム、四ホウ酸五カルシウム、六ホウ酸カルシウム等のホウ酸カルシウム;メタホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム、六ホウ酸マグネシウム等のホウ酸マグネシウム;又はメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が好ましく挙げられる。更に、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と、好ましくは炭素数1〜6のアルキルアルコールとのエステルが挙げられる。具体例としては、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が好ましく挙げられる。
前記過塩基性油溶性マグネシウムスルフォネートの製造に用いる中性(正塩)マグネシウムスルフォネートとしては、例えば、重量平均分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のマグネシウム中性塩が好ましく挙げられる。前記アルキル芳香族スルフォン酸としては、例えば、石油スルフォン酸又は合成スルフォン酸等が挙げられる。
前記石油スルフォン酸としては、一般に、鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものやホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。また、前記合成スルフォン酸としては、例えば、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状又は分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルフォン化したもの等が挙げられる。またこれらアルキル芳香族化合物をスルフォン化する際のスルフォン化剤としては特に限定されず、通常、発煙硫酸又は無水硫酸等が用いられる。
(C)成分としては、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態の市販品を使用することもできる。
(C)成分のマグネシウム含有割合は任意であるが、本発明の組成物において耐フレーキング性能に対して優れた相乗効果を示す点から、そのマグネシウム含有割合は、0.5〜30質量%、特に1〜20質量%が好ましい。
(C)成分の含有割合は、グリース組成物全量を基準として、下限が0.05質量%、好ましくは0.1質量%;上限が10質量%、好ましくは5質量%である。(C)成分の含有割合が0.05質量%未満の場合には、耐フレーキング性能に対する(B)成分との相乗効果が充分でない。一方、10質量%を超える場合は、耐フレーキング性能に対する添加量に見合った効果が得られない。
本発明に用いる(D)成分は、固体潤滑剤、モリブデンジチオカーバメート並びにモリブデンジチオホスフェートからなる極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、及び粘度指数向上剤からなる群より選択される少なくとも1種である。
固体潤滑剤としては、例えば、黒鉛、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリテトラフロロエチレン、二硫化モリブデン、硫化アンチモン、アルカリ(土類)金属ホウ酸塩等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系化合物;ジアルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系化合物;硫黄系化合物;フェノチアジン系化合物等が挙げられる。
油性剤としては、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル等の脂肪酸エステル類;ラウリルアミド、ミリスチルアミド、パルミチルアミド、ステアリルアミド、オレイルアミド等のアミド類;油脂等が挙げられる。
さび止め剤としては、例えば、金属石けん類;ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール部分エステル類;アミン類;リン酸;リン酸塩等が挙げられる。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等が挙げられる。
本発明のグリース組成物を調製するには、例えば、潤滑油基油に、前記(A)〜(D)成分を混合撹拌し、ロールミル等を通すことによって得ることができる。また、潤滑油基油に、(A)成分の増ちょう剤の原料成分を予め添加、溶融し、撹拌混合させて、(A)成分を調製した後に、(B)〜(D)成分を混合撹拌し、ロールミル等を通すことにより製造することもできる。
以下本発明を、実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜4及び比較例1〜6
潤滑油基油として、100℃での動粘度が15mm2/sの溶剤精製パラフィン系鉱油を用い、この基油に、表1に示す量のジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートを加熱溶解させた。続いて、表1に示すアミン類及びアルコールを同基油に加熱溶解させたものを加えてゲル状の(A)成分を生成させた。生成した各実施例における(A)成分の組成を下記構造式に示す。
Figure 2007332384
次いで、生成したゲル状の(A)成分に、表1に示す各種添加剤を加え、撹拌した後にロールミルに通し、各グリース組成物を調製した。尚、比較例1においては、(A)成分の代わりに、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを潤滑油基油に溶解させ、表1に示す各種添加剤を加え、撹拌した後にロールミルに通してグリース組成物を調製した。
得られた各グリース組成物に対して、以下に示す台上耐久試験を行った。結果を表1に示す。
<台上耐久試験>
トリポード式スライド型ジョイントを用い、回転数1500rpm、トルク30kgf・m、作動角度7degの条件で台上耐久試験を行い、ジョイントが寿命に至るまでの時間を評価した。
表1の台上耐久試験の結果から明らかなように、本発明のグリース組成物は、増ちょう剤として(A)成分以外の化合物を用いた比較例1のグリース組成物、(B)成分を含有しない比較例2のグリース組成物、(C)成分を含有しない比較例3及び4のグリース組成物並びに(C)成分の代わりに中性マグネシウムスルフォネートを用いた比較例5のグリース組成物に比べ、等速ジョイントの寿命を著しく延長できることが判る。また、(B)成分及び(C)成分を含有しない比較例6のグリース組成物の場合、台上耐久試験のスタート時に焼き付きが発生し、試験の続行が不可能であった。
Figure 2007332384

Claims (2)

  1. 潤滑油基油に組成物全量を基準として、
    (A)ウレア系増ちょう剤2〜30質量%、
    (B)ジハイドロカルビルポリサルファイド及び/又は硫化油脂0.1〜20質量%、
    (C)全塩基価が100〜500mgKOH/gの過塩基性マグネシウムスルフォネート0.05〜10質量%、及び
    (D)固体潤滑剤、モリブデンジチオカーバメート並びにモリブデンジチオホスフェートからなる極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、及び粘度指数向上剤からなる群より選択される少なくとも1種、とからなるグリース組成物。
  2. (D)成分が、固体潤滑剤としての二硫化モリブデン、極圧剤としてのモリブデンジチオカーバメート並びにモリブデンジチオホスフェート、酸化防止剤としてのアミン系酸化防止剤、並びに油性剤からなる請求項1記載のグリース組成物。
JP2007203819A 2007-08-06 2007-08-06 グリース組成物 Expired - Lifetime JP4659003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007203819A JP4659003B2 (ja) 2007-08-06 2007-08-06 グリース組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007203819A JP4659003B2 (ja) 2007-08-06 2007-08-06 グリース組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26441998A Division JP2000087071A (ja) 1998-07-15 1998-09-18 グリース組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007332384A true JP2007332384A (ja) 2007-12-27
JP4659003B2 JP4659003B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=38932138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007203819A Expired - Lifetime JP4659003B2 (ja) 2007-08-06 2007-08-06 グリース組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4659003B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001326A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Topy Ind Ltd グリース状潤滑剤
WO2011059097A1 (ja) * 2009-11-16 2011-05-19 協同油脂株式会社 難燃性グリース組成物
JP2016160356A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 Jxエネルギー株式会社 グリース組成物

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10183162A (ja) * 1996-12-26 1998-07-14 Kyodo Yushi Kk シリコーンゴム製ブーツを有する等速ジョイント用グリース組成物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10183162A (ja) * 1996-12-26 1998-07-14 Kyodo Yushi Kk シリコーンゴム製ブーツを有する等速ジョイント用グリース組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001326A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Topy Ind Ltd グリース状潤滑剤
WO2011059097A1 (ja) * 2009-11-16 2011-05-19 協同油脂株式会社 難燃性グリース組成物
JP2011105828A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Kyodo Yushi Co Ltd 難燃性グリース組成物
JP2016160356A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 Jxエネルギー株式会社 グリース組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4659003B2 (ja) 2011-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6432889B1 (en) Grease composition
JP4004276B2 (ja) グリース組成物
JP2799634B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
EP1721957B1 (en) Grease composition for constant velocity joint
JP5774881B2 (ja) グリース組成物
JP2001342483A (ja) グリ−ス組成物
JPH09296196A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP3670361B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2003105367A (ja) 潤滑性組成物
EP4090724B1 (en) Grease composition
JP4659002B2 (ja) グリース組成物
JP4659003B2 (ja) グリース組成物
JP2000026883A (ja) グリース組成物
JPH11116981A (ja) 転がり軸受用グリース組成物
JP2001271084A (ja) ボール型等速ジョイント用グリ−ス組成物
JP4865380B2 (ja) グリース組成物
JP2000087071A (ja) グリース組成物
JP5022582B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2005281457A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP4897330B2 (ja) グリース組成物
JP2011057762A (ja) 潤滑剤組成物
JPH10121086A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
WO2016021641A1 (ja) グリース組成物
JP2006077091A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP4351765B2 (ja) エンジン油用潤滑剤およびエンジン油用潤滑性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term