JP2007331499A - 車輪の形状を決定する方法 - Google Patents

車輪の形状を決定する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007331499A
JP2007331499A JP2006163959A JP2006163959A JP2007331499A JP 2007331499 A JP2007331499 A JP 2007331499A JP 2006163959 A JP2006163959 A JP 2006163959A JP 2006163959 A JP2006163959 A JP 2006163959A JP 2007331499 A JP2007331499 A JP 2007331499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
posture
state
determining
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006163959A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Furuta
貴之 古田
Hideaki Yamato
秀彰 大和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiba Institute of Technology
Original Assignee
Chiba Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiba Institute of Technology filed Critical Chiba Institute of Technology
Priority to JP2006163959A priority Critical patent/JP2007331499A/ja
Priority to US11/636,687 priority patent/US20070257451A1/en
Publication of JP2007331499A publication Critical patent/JP2007331499A/ja
Priority to US12/700,359 priority patent/US8544572B2/en
Priority to US12/700,325 priority patent/US8561734B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】車の性能を向上させるような車輪の形状を提供することができる。
【解決手段】車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、該車の姿勢を復帰させるために前記姿勢を制御する姿勢制御機構、の制御により、前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車、の前記車輪の形状を決定する方法であって、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状を決定するステップと、を有することを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、車輪の形状を決定する方法に関する。
車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構の制御により、前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車は既に知られている。
特開2005−335513号公報
ところで、従来、前記車輪の形状は、例えば、汎用性、量産性、デザイン性等の観点から決定されていた。
しかしながら、前記車輪の形状は車の性能に影響を及ぼし、特に、傾斜状態にある前記姿勢の非傾斜状態への復帰の可否は、前記車輪の形状に依存する。よって、前述した観点から決定された形状の車輪が前記車に備えられる場合、前記傾斜状態の姿勢が、前記姿勢制御機構の制御により、非傾斜状態へ適切に復帰できなくなる虞があるため、前記車の性能を向上させることが困難となる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車の性能を向上させるような車輪の形状を提供することである。
主たる本発明は、車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、該車の姿勢を復帰させるために前記姿勢を制御する姿勢制御機構、の制御により、前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車、の前記車輪の形状を決定する方法であって、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状を決定するステップと、を有することを特徴とする車輪の形状を決定する方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、該車の姿勢を復帰させるために前記姿勢を制御する姿勢制御機構、の制御により、前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車、の前記車輪の形状を決定する方法であって、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状を決定するステップと、を有することを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
このような車輪の形状の決定方法によれば、車の性能を向上させるような車輪の形状を提供することができる。
また、前記車が備える車輪の数は、一つであることとしてもよい。
このようにすれば、車の姿勢は傾斜状態になり易く、前記姿勢を適切に非傾斜状態へ復帰させる必要があるため、本発明の効果がより有意義なものとなる。
また、前記車は、前記姿勢制御機構として、その回転軸周りに回転可能なホイール、を有したコントロールモーメントジャイロ、を備えていることとしてもよい。
このようにすれば、コントロールモーメントジャイロの制御能力に応じて、適切に車輪の形状を決定することができる。
また、前記ホイールの回転軸は、前記車輪の回転軸に沿っていることとしてもよい。
また、前記車輪が備え、該車輪の回転軸の下方に位置し、前記車の動作中に接地可能な接地部と、前記車輪の回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面と、の交線は円弧であり、前記車輪の形状を決定するステップにおいては、前記車輪の形状として、前記円弧の曲率半径を決定することとしてもよい。
また、前記車は、前記車体が前後方向に倒れた倒れ状態から非倒れ状態へ該車の姿勢を復帰させるために前記車輪の回転を制御する回転制御機構、を備え、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの倒れ状態の前記姿勢を前記非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状として前記車輪の外径を決定するステップと、を有することとしてもよい。
このようにすれば、倒れ状態にある前記姿勢を非倒れ状態へ適切に復帰させることが可能となる。
また、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップにおいては、どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の前記姿勢を復帰させるかを決定することとしてもよい。
このようにすれば、どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の前記姿勢を復帰させるかが明確になり、前記姿勢が傾斜状態かつ倒れ状態になった際に発生する回転モーメントの影響を考慮することができるため、より適切に前記車輪の形状を決定することができる。
また、前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記ホイールの最大回転数と、該ホイールの直径と、該ホイールを保持し回転可能なジンバル、の回転を制御するジンバルモータの最大出力と、を含んでいることとしてもよい。
また、前記回転制御機構は、前記車輪を回転させるための駆動モータであり、前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記駆動モータの最大出力、を含んでいることとしてもよい。
さらに、車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、該車の姿勢を復帰させるために前記姿勢を制御する姿勢制御機構、の制御により、前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車、の前記車輪の形状を決定する方法であって、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状を決定するステップと、を有し、前記車が備える車輪の数は、一つであり、前記車は、前記姿勢制御機構として、その回転軸周りに回転可能なホイール、を有したコントロールモーメントジャイロ、を備えており、前記ホイールの回転軸は、前記車輪の回転軸に沿っており、前記車輪が備え、該車輪の回転軸の下方に位置し、前記車の動作中に接地可能な接地部と、前記車輪の回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面と、の交線は円弧であり、前記車輪の形状を決定するステップにおいては、前記車輪の形状として、前記円弧の曲率半径を決定し、前記車は、前記車体が前後方向に倒れた倒れ状態から非倒れ状態へ該車の姿勢を復帰させるために前記車輪の回転を制御する回転制御機構、を備え、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの倒れ状態の前記姿勢を前記非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状として前記車輪の外径を決定するステップと、を有し、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップにおいては、どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の前記姿勢を復帰させるかを決定し、前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記ホイールの最大回転数と、該ホイールの直径と、該ホイールを保持し回転可能なジンバル、の回転を制御するジンバルモータ、の最大出力と、を含んでおり、前記回転制御機構は、前記車輪を回転させるための駆動モータであり、前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記駆動モータの最大出力、を含んでいることを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
かかる方法は、既述の総ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
===車の構成例===
次に、図1乃至図4を用いて、本実施の形態に係る車の構成例について、その概要を説明する。なお、本実施の形態においては、車の一例として、その車輪の数が一つである一輪車2について説明する。図1は、前記一輪車2の外観を示した斜視図である。図2は、一輪車2の主要構成要素として該一輪車2に設けられた、車体4、車輪8、コントロールモーメントジャイロ30(以下、省略して、CMGとも呼ぶ)等の側面を模式的に示した図である。図3は、図2に示された一輪車2の前記主要構成要素を、図2中、記号A−Aにて示す断面で切断したときの模式断面図である。図4は、車輪8の斜視図である。
また、図1においては、座標軸が示されている。ここでは、一例として、一輪車2の前後方向をX軸、一輪車2に備えられた車輪8の回転軸8aの軸方向をY軸、一輪車2の上下方向をZ軸とする。また、図2においては、矢印にて、一輪車2の前後方向(すなわち、図1におけるX軸方向)と、一輪車2の上下方向(すなわち、図1におけるZ軸方向)とが示されている。また、図3には、矢印にて、車輪8の回転軸8aの軸方向(すなわち、図1におけるY軸方向)と、一輪車2の上下方向(すなわち、図1におけるZ軸方向)とが、それぞれ示されている。また、図4には、矢印にて、車輪8の回転軸8aの軸方向が示されている。
また、本項以降においては、車体4及び車輪8(より正確には、車体4、CMG30、及び車輪8)が横に傾いた状態、すなわち、車体4及び車輪8がX軸回りに回転するように傾斜した状態を傾斜状態と呼ぶこととする。また、前記車体4(より正確には、車体4及びCMG30)が前後方向に倒れた状態、すなわち、車体4がY軸回りに回転するように倒れた状態を倒れ状態と呼ぶこととする。そして、車輪8の回転軸8aが水平方向に沿った状態(すなわち、非傾斜状態)であり、かつ、ジンバル34の回転軸34aが鉛直方向に沿った状態(すなわち、非倒れ状態)である状態を、直立状態と呼ぶこととする。なお、図1乃至図3に示された一輪車2の姿勢は、前記直立状態の姿勢である。
一輪車2は、図1に示すように、車輪8と、車体4と、姿勢制御機構の一例としてのCMG30と、回転制御機構である駆動モータの一例としての内部モータ60とを備えている。
車輪8は、後述する車体4に回転軸8a回りに回転可能に設けられている。この車輪8は、図4に示すように、円樽状の形状を有し、金属製の内筒8bと、該内筒8bの軸方向(すなわち、車輪8の回転軸8aの軸方向)の中央部において、前記内筒8bの外周面を覆うゴム部8cとを備えている。また、内筒8bの前記軸方向の長さは、ゴム部8cの前記軸方向の長さよりも長くなっており、前記内筒8bの前記軸方向の両端部は、車体4によって、回転軸8a回りに回転可能に支持されている。一方、前記ゴム部8cの外径は、該内筒8bの外径よりも大きくなっている。また、前記車輪8の外径(より正確には、ゴム部8cの外径)は、前記軸方向の中央部から端部に向かうにしたがって短くなっている。すなわち、本実施の形態において、前記軸方向の中央における前記外径が、車輪8の最大外径(図3中、記号rにて示す)である。また、前記内筒8bの内部には、後述する内部モータ60が設けられている。そして、この内部モータ60から駆動力が伝達されることによって、前記車輪8は回転する。
また、車輪8は、一輪車2の動作中に地面に接地可能な接地部8dを備えている。そして、本実施の形態においては、図2及び図3に示すように、前記接地部8dは前記ゴム部8cの周面全体である。すなわち、該ゴム部8cの周面は、前記軸方向の一端部から他端部に亘って接地可能である。そして、前記一輪車2は、前記車輪8が前記接地部8dを接地させた状態で回転することにより走行し、例えば、図2中、記号Fで示す回転方向に車輪8が回転すると、前記一輪車2は前進する。また、前記接地部8dは、前記回転軸8aの下方に位置し、一輪車2の動作中に接地可能な前記接地部8dの一例としての第一接地部8fと、前記回転軸8aの上方に位置する前記接地部8dとしての第二接地部8gとを有している。そして、当然のことながら、前記車輪8の、前記第一接地部8fに相当する部分と、前記第二接地部8gに相当する部分とは、前記車輪8の回転によって切り替わる。
一方、図3に示すように、前記ゴム部8cの前記軸方向の両端面には、前記一輪車2の動作中、地面に接地しない非接地部8eが備えられている。そして、該非接地部8eは、前記接地部8dに隣接している。すなわち、前記車体4及び車輪8が、前記第一接地部8fの前記軸方向の一端部、又は他端部が接地した状態よりも横に傾くと、前記姿勢を非傾斜状態へ復帰させることが不可能になる。
また、前記車輪8の回転軸8aを含み、その法線方向が水平方向(すなわち、図2に示された一輪車2の前後方向)となる仮想平面(図2中、記号A−Aで示す直線を含み、紙面と直交する平面)を第一平面とすると、該第一平面と前記第一接地部8fとの交線としての第一交線100の形状は、図3に示すように、曲率半径Rの円弧である(図3参照)。なお、前記第一交線100の中央103を通り、車輪8の回転軸8aと交差する仮想直線(すなわち、図3において、ジンバル34の回転軸34aと重なる仮想直線)を前記第一交線100の中心線とすると、該中心線を境界として、前記軸方向の一端側にある前記第一交線100の形状と、他端側にある前記第一交線100の形状とはほぼ線対称となっている。また、本実施の形態では、前記円弧の曲率中心Cはほぼ前記中心線上に位置している(図3参照)。また、当然のことながら、前記第二接地部8gと前記第一平面との交線である第二交線110も円弧となっている。さらに、前記非接地部8eと前記第一平面との交線である第三交線120は直線となっている。
車体4は、金属製の構造物であり、その内部に車輪8の一部分を収容し、該車輪8を回転可能に支持している。また、車体4の長手方向(すなわち、前記車輪8の回転軸8aに沿う方向)の一端面には、一輪車2の重心(図2及び図3において、記号Mにて示す)の位置を調整するためのカウンタバランス9が設けられている。また、このカウンタバランス9は、図1に示すように、輪状の金属錘である。そして、本実施に係る一輪車2の重心Mは、前記カウンタバランス9を取り付けることによって、図2及び図3に示すように、ほぼ前記第一平面上に位置し、かつ、ほぼ前記第一交線100の中心線上(すなわち、Z軸上)に位置している。なお、本実施の形態においては、前記カウンタバランス9は、前記車体4の、前記回転軸8aに沿う方向における端部に設けられていることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記車輪8の内筒8bの内部に設けられていることとしてもよい。
CMG30は、一輪車2の姿勢を復帰させるために該姿勢を制御するものであり、図1等に示すように、車体4の上部に取り付けられている。このCMG30は、高速回転するホイール32(通称、フライホイールと呼ばれる)と、当該ホイール32を保持し、回転軸34a回りに回転可能なジンバル34と、該ジンバル34を支持し、該ジンバル34と一体的に回転軸34a回りに回転するターンテーブル36と、前記ジンバル34の回転を制御するジンバルモータ38と、を備えている。また、定常状態時、前記ホイール32の回転軸32aは、車輪8の回転軸8a、すなわち、図1に示されるY軸に沿っており、ジンバル34の回転軸34aは、前記回転軸8aと交差している(換言すると、図1におけるZ軸に沿っている)。そして、前記ホイール32は前記ジンバル34に回転可能に支持された状態で、不図示の駆動機構から駆動力が伝達されることにより、所定の回転方向(図2において、矢印にて示される方向)に回転する。また、前記ジンバルモータ38と前記ターンテーブル36とはベルトにより連結されており、ベルト・プーリ機構によって、前記ジンバルモータ38からターンテーブル36へ駆動力が伝達されると、前記ジンバル34と前記ターンテーブル36とが一体的に回転軸34a回りに回転する。ただし、ジンバル34へ駆動力を伝達する機構は、ベルト・プーリ機構に限定されるものではなく、例えば、ギア等により前記駆動力が伝達されてもよい。
そして、本実施の形態に係るCMG30は、前記一輪車2の姿勢を傾斜状態から非傾斜状態へ復帰させる制御能力を備えている。つまり、本実施の形態に係る一輪車2は、CMG30の制御により、前記傾斜状態から前記非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能である。例えば、直立状態の姿勢の一輪車2に、前記車体4及び前記車輪8を横に傾けるような(すなわち、X軸回りに回転させるような)外力が働くと、前記姿勢は直立状態から傾斜状態へ変化する。そして、この姿勢変化が検知されると、前記姿勢を直立状態へ復帰させるために、ホイール32が高速回転している状態で、該ホイール32を保持したジンバル34が、ターンテーブル36と一体的に回転軸34a回りに回転する。これにより、ホイール32の回転軸32aの軸方向が変化すると、所謂ジャイロ効果によって、X軸回りに前記車体4及び前記車輪8を回転させるモーメント(すなわち、前記姿勢を傾斜状態から非傾斜状態へ復帰させるモーメント)が発生し、当該モーメントによって、前記姿勢は傾斜状態から非傾斜状態へ復帰することができる。
また、本実施の形態に係るCMG30は、前記一輪車2の姿勢がZ軸回りに回転するように変化した状態から元の状態へ復帰させる制御能力を備えている。例えば、Z軸回りに前記車体4及び前記車輪8を回転させるような外力が働いて、一輪車2の姿勢が変化した場合には、ホイール32の速度が変化する。そして、かかるホイール32の加速又は減速により、Z軸回りに前記車体4及び前記車輪8を回転させるようなモーメントが発生し、当該モーメントにより、一輪車2の姿勢は所望の状態(すなわち、前記車体4及び前記車輪8がZ軸回りに回転する前の状態)に復帰することができる。
内部モータ60は、前記車輪8を回転させるための駆動モータである。また、該内部モータ60は、倒れ状態にある前記一輪車2の姿勢を非倒れ状態に復帰させるために、車輪8の回転数を制御する能力を備えている。つまり、本実施の形態に係る一輪車2は、内部モータ60が車輪8の回転数を制御することにより、前記倒れ状態から前記非倒れ状態へ前記姿勢を復帰させることが可能である。例えば、直立状態の姿勢の一輪車2に、前記車体4を前後方向に倒すような(すなわち、Y軸回りに回転させるような)外力が働くと、前記姿勢は直立状態から倒れ状態へ変化する。そして、この姿勢変化が検知されると、前記内部モータ60の制御により、車輪8の回転速度は加速又は減速する。そして、前記車輪8の回転速度の変化によって、Y軸回りに前記車体4を回転させるモーメント(すなわち、前記姿勢を倒れ状態から非倒れ状態へ復帰させる力)が発生し、当該モーメントにより、前記姿勢は倒れ状態から非倒れ状態へ復帰することができる。
なお、一輪車2は、姿勢ジャイロ等の姿勢センサ(不図示)を備えており、当該姿勢センサにより前述した姿勢変化を感知する。また、一輪車2にはメインコントローラ(不図示)が設けられている。このメインコントローラには、CPU、RAM、ROM等が備えられており、該メインコントローラは、前記姿勢センサからの出力に応じて、車輪8、CMG30等を制御する。
===車輪8の形状の決定方法===
発明が解決しようとする課題の項で説明したとおり、従来、前記車輪8の形状は、例えば、汎用性、量産性、デザイン性等の観点から決定されていた。しかしながら、前記車輪8の形状は一輪車2の性能に影響を及ぼし、特に、傾斜状態にある前記姿勢の非傾斜状態への復帰の可否は、前記車輪8の形状に依存する。よって、前述した観点から決定された形状の車輪8が前記一輪車2に備えられる場合、前記傾斜状態の姿勢が、CMG30の制御により、非傾斜状態へ適切に復帰できなくなる虞があるため、前記一輪車2の性能を向上させることが困難となる。
そこで、本項では、一輪車2の性能を向上させるために、前述した姿勢復帰性能とCMG30の制御能力とを考慮して車輪8の形状を決定する方法について、図5乃至図10を用いて説明する。図5は、車輪8の形状を決定する方法を示すフローチャートである。図6は、円弧である前記第一交線100の曲率半径Rを決定するために行う数値計算についてのフローチャートである。図7A及び図7Bは、一輪車2の姿勢の状態を説明するための図である。そして、図7Aは、図2に対応する図面であり、前記姿勢が倒れ状態にある際の倒れ角度について説明するための図である。また、図7Bは、図3に対応する図面であり、前記姿勢が傾斜状態にある際の傾斜角度について説明するための図である。図8は、前記曲率半径Rを決定するために行う前記数値計算によって得られる計算結果を説明するための図であり、前記曲率半径Rの値をRbに仮決めして行った際の計算結果を示すグラフである。図9は、図8に対応する図であり、前記ホイール32の最大回転数を、図8に示す計算結果を得る際に入力した前記最大回転数を半減した値へ変更した場合の計算結果を示している。図10は、一輪車2の姿勢が傾斜状態かつ倒れ状態である際に発生する回転モーメントについて説明する図である。なお、図7Aには、矢印にて、一輪車2の前後方向と、直立状態時における一輪車2の上下方向とが、それぞれ示されている。また、図7Bには、矢印にて、直立状態時における前記一輪車2の車輪8の回転軸8aの軸方向と、前記一輪車2の上下方向とが、それぞれ示されている。また、図8及び図9に示されるグラフにおいて、縦軸は倒れ角度を、横軸は傾斜角度をそれぞれ示している。また、前記グラフの各座標上のプロットは、当該座標が示す状態から非傾斜状態に前記姿勢を復帰させることができるか否かについて示すものであり、前記プロットのうち、黒丸状のプロットは前記姿勢が非傾斜状態へ復帰可能であることを、ばつ状のプロットは復帰不可能であることをそれぞれ示している。さらに、図8及び図9に示される各グラフは、前記曲率半径Rの仮決め値をRa、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfへ変化させた際の前記計算結果を示しており、前記仮決め値Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfの大きさは、当該順序で大きくなっている。また、図10には、矢印にて、直立状態時における前記一輪車2の車輪8の回転軸8aの軸方向と、前記一輪車2の上下方向とが、それぞれ示されている。
以下、車輪8の形状を決定する方法の、各ステップについて説明する。
<<どの倒れ状態の姿勢を非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップについて>>
車輪8の形状を決定するにあたり、先ず、一輪車2の姿勢復帰性能を設定するために、どの倒れ状態の姿勢を非倒れ状態へ復帰させるかを決定する(S2)。そして、この決定結果は、前記車体4が前後方向に倒れた際の倒れ角度(図7A中、記号φにて示される角度)により表される。例えば、当該倒れ角度φを30度と決定した場合には、前記車体4がY軸回りに30度回転するように倒れたとしても、前記姿勢を非倒れ状態へ復帰させることが可能になるように、一輪車2の姿勢復帰性能が設定されている。なお、図7Aに示すように、非倒れ状態における前記姿勢を基準として(すなわち、倒れ角度φが0度であると考える)、前記車体4が前方に倒れた際の倒れ角度を正の角度とし、前記車体4が後方に倒れた際の倒れ角度を負の角度とする。
<<車輪の最大外径を決定するステップについて>>
次に、前記車輪8の形状として、前記車輪8の、回転軸8aの軸方向の中央における外径、すなわち、前記車輪8の最大外径rを決定する(S4)。そして、当該最大外径rは、前述した、どの倒れ状態の姿勢を非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップS2における決定結果に基づいて決定される。つまり、前記最大外径rは、設定された姿勢復帰性能が達成されるか否かに影響を及ぼすため、当該最大外径rは、その倒れ角度φが前記決定結果を示す値となっている倒れ状態の前記姿勢が、非倒れ状態へ復帰可能となるように決定される。一方、前記最大外径rを決定する際には、前記内部モータ60の制御能力を示すパラメータを考慮する。そして、当該パラメータには、前記内部モータ60の最大出力が含まれている。すなわち、前記車体4が前記決定結果を示す倒れ角度φで倒れた倒れ状態、から非倒れ状態へ前記姿勢を復帰させることが可能であるか否かは、車輪8の回転数を制御する前記内部モータ60の最大出力にも依存するため、同一の最大外径rを有する車輪8が一輪車2に備えられた場合であっても、前記最大出力が異なると、前記姿勢を非倒れ状態へ復帰させることができる倒れ状態は異なってくる。このため、前記決定結果と前記内部モータ60の最大出力とに基づいて、前記最大外径rを決定することにより、前記決定結果を示す前記倒れ角度φで前記車体4が倒れた際に、前記姿勢を倒れ状態から非倒れ状態へ復帰することが可能となる。すなわち、このような決定方法で決定された最大外径rを有する車輪8が、一輪車2に備えられることにより、設定された前記一輪車2の姿勢復帰性能が達成されることになる。なお、前記最大外径rの算出方法としては、例えば、公知の算出方法を適用することが可能であり、当該算出方法に前記決定結果を示す倒れ角度φと、前記内部モータ60の最大出力とを入力することによって算出された値が最大外径rとして採用されることとなる。
<<どの状態の姿勢を非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップについて>>
次に、一輪車2の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の姿勢を非傾斜状態へ復帰させるかを決定する(S6)。具体的に説明すると、どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の前記姿勢を復帰させるかを決定する。そして、この決定結果は、前記車体4が前後方向に倒れた際の前記倒れ角度φと、前記車体4及び前記車輪8が横に傾いた際の傾斜角度(図7B中、記号θにて示される角度)とによって表現される。例えば、倒れ角度φを30度と、傾斜角度を20度と決定した場合には、前記車体4がY軸回りに30度回転するように倒れ、かつ、前記車体4及び前記車輪8がX軸回りに20度回転するように傾いた状態の前記姿勢が非傾斜状態へ復帰可能となるように、一輪車2の姿勢復帰性能が設定されている。なお、図7Bに示すように、非傾斜状態における前記姿勢を基準として(すなわち、傾斜角度θが0度であると考える)、前記車体4及び前記車輪8が車輪8の回転軸8aの軸方向(より正確には、一輪車2の姿勢が直立状態にある際の前記回転軸8aの軸方向)において他端側に傾いた際の傾斜角度を正の角度とし、一端側に傾いた際の傾斜角度を負の角度とする。
<<円弧の曲率半径を決定するステップについて>>
次に、前記車輪の8の形状として、円弧である前記第一交線100について、前記円弧の曲率半径Rを決定する(S8)。そして、この曲率半径Rは、どの傾斜状態及び倒れ状態の姿勢を非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップS6における決定結果と、姿勢復帰性能が達成されるか否かに影響を及ぼすCMG30の制御能力を示すパラメータとに基づいて決定される。このような決定方法で決定された曲率半径Rを有する車輪8が、一輪車2に備えられた場合、当該一輪車2は、前記決定結果において示される状態へ前記姿勢が変化した場合であっても、CMG30の制御によって、前記姿勢を適切に非傾斜状態へ復帰させることができる。なお、本実施の形態において、前記曲率半径Rを決定する際には、非傾斜状態へ復帰させることが可能な前記姿勢の状態に関して、図6に示す数値計算を行う。以下、当該数値計算の手順について説明する。
先ず、どの状態について前記数値計算を行うかを決定するために、当該数値計算の対象とする傾斜状態及び倒れ状態に関する値を入力する。具体的には、前記傾斜状態を示す値として傾斜角度θを、前記倒れ状態を示す値として倒れ角度φを、それぞれ入力する。なお、本実施の形態では、前記傾斜角度θの入力値、及び、前記倒れ角度φの入力値は、ともに、40度から−40度の範囲にあって、10度刻みの値である。
次に、CMG30の制御能力を示すパラメータ等を入力する。また、本実施の形態において、CMG30の制御能力を示すパラメータには、前記ホイール32の最大回転数、該ホイール32の直径、前記ジンバルモータ38の最大出力等が含まれる。
次に、前記数値計算を行うにあたり、該曲率半径Rの値を仮決めし、当該曲率半径Rの仮決め値を入力する。
以上の入力を行った後、上記入力値に基づき、入力された前記傾斜状態及び倒れ状態の前記姿勢が非傾斜状態へ復帰するか否かに関する計算を行う。具体的には、前記傾斜状態を示す値として入力された傾斜角度θと、前記倒れ状態を示す値として入力された倒れ角度φとの組み合わせによって示される状態にある前記姿勢が、一輪車2に備えられたCMG30の制御能力の範囲内で、非傾斜状態へ復帰可能であるか否かを判定する。
そして、本実施に係る前記計算は、図6に示すように、前記傾斜角度θと前記倒れ角度φとの組み合わせ全てについて、前記姿勢の復帰の可否が判定されるまで、繰り返し行われる。そして、前記組み合わせ全てにおいて前記計算が終了した時点で、前記数値計算は完了し、図8に示されるグラフを計算結果として得ることができる。例えば、曲率半径Rの値をRaと仮決めして数値計算を実施した場合には、図8中、上段の左側に示すグラフが得られる。また、図8に示すように、曲率半径Rの仮決め値を変更すると、非傾斜状態へ復帰可能な状態について、異なる計算結果を得ることができる。一方、図9に示すように、CMG30の制御能力を示すパラメータの一例として、前記ホイール32の回転数を変更した場合にも、前記計算結果は異なってくる。これは、一輪車2の姿勢に関して、前記非傾斜状態へ復帰可能な傾斜状態及び倒れ状態は、前記第一交線100についての曲率半径R、及び、CMG30の制御能力に依存することを意味している。また、このような関係は、前記曲率半径R、CMG30の制御能力を示すパラメータ等を変数とした、一輪車2の姿勢の変動に関する運動方程式によって表現され、前記数値計算において当該運動方程式を解くことによって、前記決定結果が示す各状態の姿勢が非傾斜状態へ復帰可能であるか否かについて判定することができる。
そして、前記数値計算によって得られた計算結果から、前記姿勢が非傾斜状態へ復帰可能であると判定された状態(すなわち、図8及び図9において、黒丸状のプロットが付されている座標が示す前記傾斜状態及び前記倒れ状態)が、前記決定結果を満たしているときの曲率半径Rの仮決め値を求める。そして、当該曲率半径Rの仮決め値が、前記車輪8の形状として決定されることになる。例えば、前記一輪車2の姿勢復帰性能を設定するために、傾斜角度が30から−30度である傾斜状態で、かつ、倒れ角度が30から−30度である倒れ状態にある前記姿勢を非傾斜状態へ復帰させると決定した場合、図8が示す計算結果においては、曲率半径RをRfに仮決めした際の計算結果が前記決定結果(図8中、破線で囲んだ範囲)を満たしているため、前記車輪8の形状として、前記曲率半径RがRfに決定される。
以上のような曲率半径Rの決定方法によれば、一輪車2の姿勢復帰性能として、どの状態(より具体的には、どの傾斜状態及び倒れ状態)の前記姿勢を非傾斜状態に復帰可能とさせるかを決定し、当該決定結果とCMG30の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記決定結果が示す状態の姿勢が非傾斜状態へ復帰可能となる曲率半径Rを求めることとなる。この結果、設定された姿勢復帰性能の範囲内にある傾斜状態、あるいは、倒れ状態へ前記姿勢が変化した場合であっても、CMG30の制御により、適切に非傾斜状態へ復帰させることが可能となり、一輪車2の性能が向上することとなる。
さらに、本実施の形態においては、どの状態の姿勢を非傾斜状態へ復帰させるかを決定するために、どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の姿勢を復帰させるかを決定することとした。このため、どの傾斜状態及び倒れ状態の姿勢を復帰させるかが明確になり、また、一輪車2の姿勢が傾斜状態、かつ、倒れ状態である際に発生する回転モーメントを考慮した上で、車輪8の形状を決定することができる。具体的に説明すると、例えば、一輪車2の走行中、前記姿勢が、車体4及び車輪8が該車輪8の回転軸8aの軸方向の他端側に傾いた傾斜状態で、かつ、前記車体4が前方に倒れた倒れ状態になった場合、前記一輪車2は鉛直方向に沿った仮想軸(図10中、破線にて示す仮想軸)回りに、所定の回転方向(図10中、記号Pにて示す回転方向)へ旋回するような動作を行う。この動作に伴って、CMG30が備えたホイール32の回転軸32aの軸方向が変化する。その際、ホイール32の角運動量の方向が変化するため、ジャイロ効果により、一輪車2をX軸回りに回転させるような回転モーメント(図中、記号Tにて示される方向の回転モーメント)が発生することになる。当該回転モーメントTは、設定された姿勢復帰性能が達成されるか否かに影響を及ぼすため、車輪8の形状(特に、前記第一交線100における曲率半径R)を決定する際に考慮する必要がある。また、当該回転モーメントTの大きさ及び向きは、前記姿勢の傾斜状態の度合い(すなわち、傾斜角度θ)と、倒れ状態の度合い(すなわち、倒れ角度φ)によって決定される。このため、どの傾斜状態及び倒れ状態の姿勢を復帰させるかが明確であれば、前記姿勢を変化させるような回転モーメントTを考慮することができるため、前記車輪8の形状をより適切に決定することが可能となる。
なお、本実施の形態に係る数値計算においては、前記傾斜角度θと前記倒れ角度φとの組み合わせ全てについて、前記姿勢が非傾斜状態へ復帰できるか否かの判定を行うこととした。すなわち、当該判定は複数回行われることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記傾斜角度θの最大値と前記倒れ角度φの最大値との組み合わせにより表現される状態に関して、前記判定を一回のみ行うこととしてもよい。
また、本実施の形態においては、車輪8の形状として、曲率半径Rを決定することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、曲率半径Rに代えて、円弧である第一交線100の曲率中心Cの、一輪車2の重心Mに対する相対位置を決定することとしてもよい。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき、本発明に係る車輪の形状を決定する方法について説明したが、上記発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
また、上記実施の形態において、前記車輪8の数は一つであることとしたが、これに限定されるものではなく、当該車輪8の数は複数であってもよい。すなわち、上記実施の形態においては、車として一輪車2を例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、二輪車、三輪車、四輪車等に備えられる車輪8の形状を決定する際にも、本発明を適用することが可能である。ただし、車輪8の数が一つである場合には、車輪8の数が複数である場合に比べ、車の姿勢がより傾斜状態になり易いため、前記車の姿勢復帰性能を達成させるためには、より適切に車輪8の形状を決定する必要がある。このため、本発明による車輪8の形状の決定方法が、より有意義なものとなる。かかる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態において、前記一輪車2が姿勢制御機構としてCMG30を備えていることとした。かかる場合には、CMG30の制御能力に応じて、車輪8の形状を決定することができる。ただし、前記姿勢制御機構としては、前記CMG30に限定されるものではない。例えば、手押し一輪車のように、前記姿勢制御機構としてヒトの手足が用いられる場合にも、本発明を適用することが可能である。かかる場合、ヒトの前記手押し一輪車の姿勢を制御するための制御能力に応じて、前記車輪8の形状を決定することができる。また、かかる場合、前記数値計算に入力する、姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとしては、ヒトが前記手押し一輪車の姿勢を制御するために発揮することができる力の最大値等を用いることとなる。
また、上記実施の形態において、前記ホイール32の回転軸32aが前記車輪8の回転軸8aに沿っている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記ホイール32の回転軸32aが、前記車輪8の回転軸8aと交差する方向に沿っていることとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、どの倒れ状態の姿勢を非倒れ状態に復帰させるかに関する決定結果と前記内部モータ60の最大出力に基づいて前記最大外径rを決定することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前述した車輪8の形状を決定する方法において、どの倒れ状態の姿勢を非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップS2と、車輪8の最大外径rを決定するステップS4とが、省略されることとしてもよい。ただし、前記決定結果と前記内部モータ60の最大出力に基づいて前記最大外径rを決定した場合には、前記決定結果が示す倒れ状態にある前記姿勢を適切に非倒れ状態へ復帰させることが可能な一輪車2を実現することができる。かかる点において、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態において、前記車輪8の回転数を制御する回転制御機構として、内部モータ60が設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、他の回転制御機構として、ブレーキ等の装置が一輪車2に設けられていてもよい。かかる場合において、最大外径rを決定する際に考慮すべき前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータとしては、例えば、前記ブレーキが車輪8の回転を制御するために該車輪8に及ぼす力の最大値及び最小値が挙げられる。
また、上記実施の形態において、前記CMG30の制御能力を示すパラメータとしては、ホイール32の最大回転数、該ホイール32の直径、及び前記ジンバルモータ38の最大出力等を用いることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記パラメータとしては、上記のパラメータに代えて、CMG30が前記姿勢を制御するために生成するモーメントの出力限界値等を用いることとしてもよい。
前記一輪車2の外観を示した斜視図である。 一輪車2の主要構成要素の側面を模式的に示した図である。 図2に示された一輪車2の前記主要構成要素を、図2中、記号A−Aにて示す断面で切断したときの模式断面図である。 車輪8の斜視図である。 車輪8の形状を決定する方法を示すフローチャートである。 円弧である第一交線100の曲率半径Rを決定するために行う数値計算についてのフローチャートである。 図7Aは、その姿勢が直立状態から変化している一輪車2を示しており、前記姿勢が倒れ状態にある際の倒れ角度についての説明図である。 図7Bは、その姿勢が直立状態から変化している一輪車2を示しており、前記姿勢が傾斜状態にある際の傾斜角度についての説明図である。 曲率半径Rを決定するために行う数値計算によって得られる計算結果を説明するための図である。 図8に対応する図面であり、図8における数値計算の際に入力したホイール32の最大回転数を変更して行った数値計算の結果を示している。 一輪車2の姿勢が傾斜状態かつ倒れ状態である際に発生する回転モーメントについて説明する図である。
符号の説明
2 一輪車 4 車体
8 車輪 8a 回転軸
8b 内筒 8c ゴム部
8d 接地部 8e 非接地部
8f 第一接地部 8g 第二接地部
9 カウンタバランス 30 コントロールモーメントジャイロ(CMG)
32 ホイール 32a 回転軸
34 ジンバル 34a 回転軸
36 ターンテーブル 38 ジンバルモータ
60 内部モータ
100 第一交線 103 中央
110 第二交線 120 第三交線

Claims (10)

  1. 車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、
    該車の姿勢を復帰させるために前記姿勢を制御する姿勢制御機構、の制御により、
    前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車、
    の前記車輪の形状を決定する方法であって、
    前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップと、
    この決定結果と前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状を決定するステップと、
    を有することを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  2. 請求項1に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記車が備える車輪の数は、一つであることを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  3. 請求項2に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記車は、前記姿勢制御機構として、その回転軸周りに回転可能なホイール、を有したコントロールモーメントジャイロ、を備えていることを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  4. 請求項3に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記ホイールの回転軸は、前記車輪の回転軸に沿っていることを特徴とする車輪の形状の決定方法。
  5. 請求項3又は請求項4のいずれかに記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記車輪が備え、該車輪の回転軸の下方に位置し、前記車の動作中に接地可能な接地部と、
    前記車輪の回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面と、
    の交線は円弧であり、
    前記車輪の形状を決定するステップにおいては、前記車輪の形状として、前記円弧の曲率半径を決定することを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  6. 請求項5に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記車は、前記車体が前後方向に倒れた倒れ状態から非倒れ状態へ該車の姿勢を復帰させるために前記車輪の回転を制御する回転制御機構、を備え、
    前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの倒れ状態の前記姿勢を前記非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップと、
    この決定結果と前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状として前記車輪の外径を決定するステップと、
    を有することを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  7. 請求項6に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップにおいては、
    どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の前記姿勢を復帰させるかを決定することを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  8. 請求項7に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記ホイールの最大回転数と、該ホイールの直径と、
    該ホイールを保持し回転可能なジンバル、の回転を制御するジンバルモータ、
    の最大出力と、を含んでいることを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  9. 請求項8に記載の車輪の形状を決定する方法において、
    前記回転制御機構は、前記車輪を回転させるための駆動モータであり、
    前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記駆動モータの最大出力、を含んでいることを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
  10. 車体と、該車体に回転可能に設けられた車輪と、を有する車であって、該車の姿勢を復帰させるために前記姿勢を制御する姿勢制御機構、の制御により、前記車体及び前記車輪が横に傾いた傾斜状態から非傾斜状態へ前記姿勢を復帰させることが可能な車、の前記車輪の形状を決定する方法であって、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状を決定するステップと、を有し、
    前記車が備える車輪の数は、一つであり、
    前記車は、前記姿勢制御機構として、その回転軸周りに回転可能なホイール、を有したコントロールモーメントジャイロ、を備えており、
    前記ホイールの回転軸は、前記車輪の回転軸に沿っており、
    前記車輪が備え、該車輪の回転軸の下方に位置し、前記車の動作中に接地可能な接地部と、前記車輪の回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面と、の交線は円弧であり、前記車輪の形状を決定するステップにおいては、前記車輪の形状として、前記円弧の曲率半径を決定し、
    前記車は、前記車体が前後方向に倒れた倒れ状態から非倒れ状態へ該車の姿勢を復帰させるために前記車輪の回転を制御する回転制御機構、を備え、前記車の姿勢復帰性能を設定するために、どの倒れ状態の前記姿勢を前記非倒れ状態へ復帰させるかを決定するステップと、この決定結果と前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータとに基づいて、前記車輪の形状として前記車輪の外径を決定するステップと、を有し、
    どの状態の前記姿勢を前記非傾斜状態へ復帰させるかを決定するステップにおいては、どの前記傾斜状態及び前記倒れ状態の前記姿勢を復帰させるかを決定し、
    前記姿勢制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記ホイールの最大回転数と、該ホイールの直径と、該ホイールを保持し回転可能なジンバル、の回転を制御するジンバルモータ、の最大出力と、を含んでおり、
    前記回転制御機構は、前記車輪を回転させるための駆動モータであり、前記回転制御機構の制御能力を示すパラメータは、前記駆動モータの最大出力、を含んでいることを特徴とする車輪の形状を決定する方法。
JP2006163959A 2004-05-26 2006-06-13 車輪の形状を決定する方法 Pending JP2007331499A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006163959A JP2007331499A (ja) 2006-06-13 2006-06-13 車輪の形状を決定する方法
US11/636,687 US20070257451A1 (en) 2006-05-08 2006-12-08 Car, walking apparatus, and method of determining shape of wheel
US12/700,359 US8544572B2 (en) 2004-05-26 2010-02-04 Car, walking apparatus, and method of determining shape of wheel
US12/700,325 US8561734B2 (en) 2004-05-26 2010-02-04 Car, walking apparatus, and method of determining shape of wheel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006163959A JP2007331499A (ja) 2006-06-13 2006-06-13 車輪の形状を決定する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007331499A true JP2007331499A (ja) 2007-12-27

Family

ID=38931390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006163959A Pending JP2007331499A (ja) 2004-05-26 2006-06-13 車輪の形状を決定する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007331499A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2045637A2 (en) 2007-10-02 2009-04-08 Nikon Corporation Zoom lens system, optical apparatus, and method for manufacturing zoom lens system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2045637A2 (en) 2007-10-02 2009-04-08 Nikon Corporation Zoom lens system, optical apparatus, and method for manufacturing zoom lens system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101156822B1 (ko) 이동체 및 이동체의 제어 방법
JP6557841B2 (ja) 車両
JP6557880B2 (ja) 車両
US8825254B2 (en) Inverted pendulum type vehicle, and control method of inverted pendulum type vehicle
JP6081238B2 (ja) 移動体
JP5983029B2 (ja) 車線逸脱警報装置、それを搭載した車両、及びその制御方法。
JP6281594B2 (ja) 走行装置、走行装置の制御方法および走行装置の制御プログラム
WO2022059714A1 (ja) 二輪車
JP5263058B2 (ja) 搭乗姿勢保持機構及び同軸二輪車
JP6277404B2 (ja) 自動車
JP4844194B2 (ja) 車両
JP2007331499A (ja) 車輪の形状を決定する方法
JP5578738B2 (ja)
JP2005538892A (ja) 車両性能向上装置
JP2014069674A (ja) 自動車
JP6166363B2 (ja) 物体にトルクを加えるための装置および方法
JP2018144646A (ja) 姿勢制御装置
JP2007153024A (ja) 車両
JP6225869B2 (ja) 倒立二輪型移動体システム
JP2005080902A (ja) 駆動体及び走行車両の姿勢制御方法及装置
JP2014069673A (ja) 自動車
JP5240327B2 (ja)
JP4925417B2 (ja)
WO2015092913A1 (ja) 二輪移動体及びその制御方法
JP2003237608A (ja) 車両制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20090611

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110719

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120417

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20120614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120828

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02