JP2014069673A - 自動車 - Google Patents

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宗久 堀口
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Abstract

【課題】安定して旋回することができる自動車を提案する。
【解決手段】車体本体30を左右方向に傾斜させるリーン装置50と、ピッチ軸を回転軸として回転するフライホイールを有するジャイロをジンバルモータによりヨー軸周りに回転させることによりロール軸周りに作用するジャイロモーメントを発生させるジャイロ装置60と、ステアバイワイヤ機構を有する操舵装置40と、を備える。旋回内側に車体本体30が傾斜するようリーン装置50を駆動したり、車両の横転可能性があるときに横転を抑制する方向に作用するジャイロモーメントが発生するようジャイロ装置60を駆動したり、車両の左右方向の傾斜に対してヨー軸周りに作用するジャイロモーメントによるオーバーステアやアンダーステアの傾向を打ち消す方向に操舵装置40を駆動する。これにより、より安定して旋回することができると共に車両の横転を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、ロータ軸に回動自在に支持されたロータとロータ軸を支持するインナジンバルとインナジンバルをロータ軸に垂直な軸廻りに回動自在に支持するアウタジンバルとを有する車体姿勢制御手段と、ハンドルの操舵方向を検出する操舵角センサと、車体の傾斜量を検出する車体傾斜センサと、アウタジンバルのアウタジンバル軸に回転トルクを付与するアクチュエータと、を備える自動二輪車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動二輪車では、車体傾斜センサの検出結果に応じた回転トルクをアクチュエータよりアウタジンバル軸に付与し、車体姿勢制御手段に発生するジャイロモーメントで車体を所定量傾斜させ、常に、車体の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させるとともに、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段からのジャイロモーメント間のバランスを維持することにより、ドライバの体重の移動を伴わずに右左折することができるようにしている。
また、回転可能に支持された回転体を有するジャイロと、ジャイロを回転体の回転軸と直交する軸回りに回転可能に支持する支持軸と、ジャイロを回転させるジンバルモータと、を有する車両挙動制御装置を備える自動車も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この自動車では、車体を左右方向に貫くピッチ軸で回転体を回転支持すると共に、回転体を車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に回転させ、更に、回転体の回転数を車速が大きいほど大きくすることにより、車両の挙動に応じたジャイロモーメントを発生させている。
さらに、車体を左右方向に傾斜させる機構を備える車両も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この車両では、旋回時に旋回外側へ生じる横加速度による遠心力と重力がつりあう角度に車両の傾斜を制御することによって、搭乗者と車体に作用する力を座席の座面に垂直な方向下向きとなるようにして、搭乗者の違和感を軽減し、旋回時の車両の安定性を向上させている。
特開2004−82903号公報 特開2008−236958号公報 特開2011−178329号公報
近年、省エネルギの観点から、トレッドが狭く軽量で小型の自動車の開発が望まれている。このような自動車は、トレッドに対する重心の高さの割合がトレッドが広い車両に比して大きくなるため、旋回時に旋回外側に横転する可能性が高くなる。したがって、トレッドが狭く軽量で小型の自動車において、安定して旋回することができる構成が望まれている。
本発明の自動車は、安定して旋回することができる自動車を提案することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車であって、
車体を左右方向に傾斜可能なリーン機構と該リーン機構を駆動するためのリーン駆動手段とを有するリーン装置と、
フライホイールと該フライホイールを車体を水平に左右方向に貫くピッチ軸で回転駆動する第1回転駆動手段とを有するジャイロと、車体を垂直方向に貫くヨー軸で前記ジャイロを回転駆動する第2回転駆動手段と、を有するジャイロ装置と、
操舵角に対するトウ角を調整可能な操舵装置と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、旋回時には、リーン装置により車体を旋回内側に傾斜させると共に、ジャイロ装置から車体を前後方向に貫くロール軸周りに旋回内側に回転させるジャイロモーメントを発生させることにより、安定して旋回することができるようになる。そして、操舵装置により車体を旋回内側に傾斜させることによって車体をヨー軸周りに回転させるジャイロモーメントの作用を打ち消す方向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、オーバーステアの傾向やアンダーステアの傾向を抑制することができる。これらの結果、本発明の自動車は、より安定して旋回することができる自動車となる。また、本発明の自動車では、急ハンドルによって車両が旋回外側に横転しそうになるときにジャイロ装置から車体をロール軸周りに旋回内側に回転させるジャイロモーメントを発生させるものとすれば、車両の横転を抑制することができる。このように、本発明の自動車では、安定して旋回することができると共に車両の横転を抑制することができるから、トレッドが狭く軽量で小型の自動車としても、横転することなく、安定して旋回することができる。
ここで、「少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車」としては、自動二輪車のように停車時に安定して自立することができない自動車を除く意であり、1つの前輪と2つの後輪の3輪の自動車や2つの前輪と1つの後輪の3輪の自動車、2つの前輪と2つの後輪の4輪の自動車などのように、停車時や低速走行時に安定して自立することができる自動車を意味している。「リーン装置」としては、リーン駆動手段を駆動することによってリーン機構による車体の左右方向への傾斜が可能となるものを意味しており、運転者や乗員の体重移動によりリーン機構によって車体が左右方向へ傾斜するものは含まない意である。
こうした本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記ジャイロ装置による車両の旋回方向と同方向に車体をヨー軸の周りに回転させるモーメントが大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、ものとすることもできる。こうすれば、オーバーステアの傾向やアンダーステアの傾向をより効果的に抑制することができる。
本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、操舵角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたり、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたりすることができる。車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向にフライホイールが回転しているときに旋回によりリーン装置によって車体を旋回内側に傾斜させると、車体にはヨー軸周りに旋回と同方向に作用するジャイロモーメントが作用するため、オーバーステアの傾向となる。オーバーステアの傾向とするジャイロモーメントは、操舵角が大きいほど、或いは、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど、大きなものとなる。したがって、操舵角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、或いは、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、オーバーステアの傾向を抑制することができる。
また、本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたり、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたりすることができる。前述したように、車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向にフライホイールが回転しているときに旋回によりリーン装置によって車体を旋回内側に傾斜させると、オーバーステアの傾向となる。オーバーステアの傾向とするジャイロモーメントは、リーン機構にによる傾斜角が大きいほど、或いは、リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど、大きなものとなる。したがって、リーン機構による傾斜角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、或いは、リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、オーバーステアの傾向を抑制することができる。
さらに、本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記フライホイールの回転数が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたり、車速が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたりすることができる。前述したように、車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向にフライホイールが回転しているときに旋回によりリーン装置によって車体を旋回内側に傾斜させると、オーバーステアの傾向となる。オーバーステアの傾向とするジャイロモーメントは、フライホイールの回転数が大きいほど、或いは、車速が大きいほど、大きくなる。したがって、フライホイールの回転数が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、或いは、車速が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、オーバーステアの傾向を抑制することができる。
本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、操舵角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたり、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたりすることができる。車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイールが回転しているときに旋回によりリーン装置によって車体を旋回内側に傾斜させると、車体にはヨー軸周りに旋回と逆方向に作用するジャイロモーメントが作用するため、アンダーステアの傾向となる。アンダーステアの傾向とするジャイロモーメントは、操舵角が大きいほど、或いは、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど、大きなものとなる。したがって、操舵角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、或いは、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、アンダーステアの傾向を抑制することができる。
また、本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたり、前記リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたりすることができる。前述したように、車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイールが回転しているときに旋回によりリーン装置によって車体を旋回内側に傾斜させると、アンダーステアの傾向となる。アンダーステアの傾向とするジャイロモーメントは、リーン機構による傾斜角が大きいほど、或いは、リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど、大きなものとなる。したがって、リーン機構による傾斜角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、或いは、リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、アンダーステアの傾向を抑制することができる。
さらに、本発明の自動車において、前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記フライホイールの回転数が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたり、車速が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置であるものとしたりすることができる。前述したように、車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイールが回転しているときに旋回によりリーン装置によって車体を旋回内側に傾斜させると、アンダーステアの傾向となる。アンダーステアの傾向とするジャイロモーメントは、フライホイールの回転数が大きいほど、或いは、車速が大きいほど、大きくなる。したがって、フライホイールの回転数が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、或いは、車速が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整することにより、アンダーステアの傾向を抑制することができる。
本発明の自動車において、前記ジャイロ装置は、前記ヨー軸に取り付けられて前記ジャイロと前記第2回転駆動手段との接続および接続の解除を行なうクラッチを有する装置である、ものとすることもできる。こうすれば、クラッチによるジャイロと第2回転駆動手段の接続と接続の解除により、必要なジャイロモーメントを発生させたり、不要なジャイロモーメントの発生を抑制することができる。
本発明の一実施例としての三輪自動車20を左側面から見た側面図である。 実施例の三輪自動車20を上方から見た上面図である。 実施例の三輪自動車20を前方から見た前面図である。 操舵装置40の構成の概略を示す構成図である。 リーン装置50の構成の概略を示す構成図である。 リーンモータ54の出力軸55を駆動したときのリーン装置50の状態の一例を示す説明図である。 図6における車体の傾斜の様子を示す説明図である。 ジャイロ装置60の構成の概略を示す構成図である。 フライホイール61の回転方向とジンバル支持部64の回転方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向とジンバル支持部64の回転方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と旋回方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と旋回方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と車体の傾斜方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と車体の傾斜方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 制御装置80の入出力関係の一例を機能ブロックとして示すブロック図である。 重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるようにしたときの様子を示す説明図である。 操舵制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4の一例を示す説明図である。 負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4の一例を示す説明図である。 正回転用のマップMO5,MO6の一例を示す説明図である。 負回転用のマップMU5,MU6の一例を示す説明図である。 変形例の四輪自動車220の構成の一例を示す構成図である。 変形例の三輪自動車320の構成の一例を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としての三輪自動車20を左側面から見た側面図であり、図2は実施例の三輪自動車20を上方から見た上面図であり、図3は実施例の三輪自動車20を前方から見た前面図である。なお、図2では、説明の容易のために、車両の屋根の部分を除いて図示した。
実施例の三輪自動車20は、図示するように、1つの操舵輪である前輪22と駆動用のモータ26L,26Rが組み込まれた2つの後輪24L,24Rとを有する1人乗車の三輪自動車として構成されており、運転席32を有し前輪22と後輪24L,24Rとに支持される車体本体30と、運転者によるハンドル42の操作に基づいて前輪22を操舵する操舵装置40と、車体本体30と後輪24L,24Rとの間に取り付けられて後輪24L,24Rの一方を持ち上げると共に他方を押し下げることにより車体本体30を左右方向に傾斜させるリーン装置50と、運転席32の下方に配置されて車両の姿勢制御に用いられるジャイロ装置60と、モータ26L,26Rやリーン装置50,ジャイロ装置60に電力を供給する例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ70と、運転者の操作に基づいて操舵装置40やモータ26L,26Rを駆動制御したり、リーン装置50やジャイロ装置60を駆動制御したりする制御装置80と、を備える。
操舵装置40は、図4の構成図に示すように、ハンドル42と操舵輪である前輪22が機械的に接続されていないステアバイワイヤ構成を有するものとして構成されており、ハンドル42の操作に対して反力を出力する操舵反力アクチュエータ44と、操舵輪である前輪22のトウ角(車両進行方向に対するタイヤの開き角)を調整するためのトウ角調整アクチュエータ46と、を備える。操舵装置40の操舵反力アクチュエータ44は、制御装置80により、運転者の操舵に対して適当な反力としてのトルクがハンドル42に出力されるよう制御されている。また、操舵装置40のトウ角調整アクチュエータ46は、制御装置80により、操舵角センサ86からの操舵角θS等に基づいてトウ角の変化量を調整する操舵制御を実行することにより制御されている。この操舵制御については後述する。
リーン装置50は、図5の構成図に示すように、後輪24L,24Rの内側に配置されてモータ26L,26Rを支持する縦リンクユニット51L,51Rと、縦リンクユニット51L,51Rの上端と下端とにそれぞれ回転自在に連結された横リンクユニット51U,51Dと、車体本体30を支持する支持部36に回転不動に取り付けられると共に横リンクユニット51U,51Dの中央部でそれぞれ回転自在に連結された中央縦部材52と、支持部36に配置されると共に回転子に接続された出力軸55が上側の横リンクユニット51Uの中央に回転不能に取り付けられたリーンモータ54と、を備える。リーンモータ54としては、例えばステッピングモータを用いることができる。リーン装置50は、図5において出力軸55が右回りに回転するようリーンモータ54を駆動すると、出力軸55の回転に伴って上側の横リンクユニット51Uが回転し、この横リンクユニット51Uの回転に伴って下側の横リンクユニット51Dも回転する。横リンクユニット51U,51Dの回転は、図6に示すように、右後輪24Rを持ち上げると共に左後輪24Lを押し下げる動作となるから、図7に示すように、車体を右側に傾斜させる。同様に、図5において出力軸55が左回りに回転するようリーンモータ54を駆動することにより、車体を左側に傾斜させることができる。このとき、車体の傾斜角は、リーンモータ54による回転子の回転角に対応するものとして調整することができ、回転子を所望の回転角で保持することにより、車体を所望の傾斜角で保持することができる。
ジャイロ装置60は、図8の構成図に示すように、導電性の金属材料により円環状に形成されて基本的には車両を水平に左右方向に貫くピッチ軸を回転軸として回転するフライホイール61とフライホイール61を収納するケースとして機能すると共に内側にフライホイール61を回転駆動するための三相コイル(図示せず)が取り付けられたステータケース62とからなるジャイロ63と、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)と直交する垂直軸(車両を垂直方向に貫くヨー軸)でステータケース62に取り付けられてジャイロ63を支持するジンバル支持部64と、ジンバル支持部64を回転駆動するジンバルモータ65と、ジンバル支持部64とジンバルモータ65との接続およびその接続の解除を行なうクラッチ66と、を備える。上述したように、ジャイロ63のフライホイール61とステータケース62は、フライホイール61を回転子とすると共にステータケース62を固定子とするモータ(例えば、誘導電動機など)を構成するから、ステータケース62の内側に取り付けられた三相コイルの回転磁界をコントロールすることにより、フライホイール61の回転を制御することができる。実施例では、ピッチ軸を回転軸として回転するようフライホイール61を配置するのは、ジャイロ装置60を車両に搭載したときに高い左右の対称性を得ることができるためである。ジンバルモータ65としては、例えばステッピングモータを用いることができる。
ジャイロ装置60では、ジンバルモータ65を回転駆動してジャイロ63をヨー軸周りに回転すると、その回転角速度に応じた大きさのジャイロモーメントが車両を水平に前後方向に貫くロール軸周りに発生する。ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車両を右折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、車体を左側に傾斜させる方向となる。この関係を図9に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車両を左折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を右側に傾斜させる方向となる。即ち、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには、旋回の方向(例えば右旋回の方向)と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、旋回の方向とは逆側(右旋回の方向とは逆の左側)に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。また、ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車両を右折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、車体を右側に傾斜させる方向となる。この関係を図10に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車両を左折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を左側に傾斜させる方向となる。即ち、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転しているときには、旋回の方向(例えば右旋回の方向)と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、旋回の方向と同側(右旋回の方向と同じ右側)に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。したがって、フライホイール61をいずれの回転方向に回転させてもジンバル支持部64の回転方向を制御することにより、車体を左右のいずれの側にも傾斜させる方向のジャイロモーメントを発生させることができる。
また、ジャイロ装置60は、クラッチ66によりジンバル支持部64とジンバルモータ65とが接続されているときには、ジンバルモータ65を駆動しなくても、運転者のハンドル操作によって車両が旋回すると、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)が回転するため、ジャイロモーメントが生じる。車両の旋回により生じるジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を右に操作して車両が右旋回すると、車体を左側に傾斜させる方向となる。この関係を図11に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を左に操作して車両が左旋回すると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を右側に傾斜させる方向となる。また、ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を右に操作して車両が右旋回すると、車体を右側に傾斜させる方向となる。この関係を図12に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を左に操作して車両が左旋回すると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を左側に傾斜させる方向となる。したがって、旋回時には、遠心力が作用するため、旋回方向に車体を傾斜させるジャイロモーメントが発生する方が好ましいため、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61を回転させるのが好ましい。なお、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61を回転させるものとしても、上述したように、ジンバルモータ65によりジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させることにより、ジャイロモーメントを発生させることができるから、ジンバルモータ65の制御により所望のジャイロモーメントを発生させることができる。
さらに、ジャイロ装置60は、クラッチ66によりジンバル支持部64とジンバルモータ65とが接続されているときには、ジンバルモータ65を駆動しなくても、リーン装置50により車体が傾斜すると、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)が回転するため、ジャイロモーメントが生じる。このときのジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車体を左側に傾斜すると、ヨー軸周りに車両が左旋回する方向となる。この関係を図13に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車体を右側に傾斜すると、ジャイロモーメントの作用方向は、ヨー軸周りに車両が右旋回する方向となる。また、ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車体を左側に傾斜すると、ヨー軸周りに車両が右旋回する方向となる。この関係を図14に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車体を右側に傾斜すると、ジャイロモーメントの作用方向は、ヨー軸周りに車両が左旋回する方向となる。後述するが、実施例の三輪自動車20では、安定して旋回するために、左旋回するときには車体を左側に傾斜し、右旋回するときには車体を右側に傾斜する。したがって、車体を傾斜させることにより生じるジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには旋回を促進する方向となり、逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときには旋回を抑制する方向となる。
制御装置80は、図示しないがCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムなどを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートなどを備える。図15に、制御装置80の入出力関係の一例を機能ブロックとして示す。制御装置80の図示しない入力ポートには、シフトポジションセンサ81からのシフトポジションやアクセルポジションセンサ82からのアクセルポジション,ブレーキポジションセンサ83からのブレーキポジション,車速センサ84からの車速V,後輪24L,24Rに取り付けられた車輪速センサ85L,85Rからの車輪速,操舵装置40に取り付けられてハンドル42の操舵角θSを検出する操舵角センサ86からの操舵角θS,モータ26L,26Rの回転子の位置を検出する回転位置検出センサ87L,87Rからの回転位置,車両総重量Mを検出する車両総重量センサ88からの車両総重量M,路面勾配を検出する勾配センサ89からの勾配,リーン装置50による車体本体30の傾斜角としてのリーン角θLを検出するリーン角センサ90からのリーン角θL,ジンバル支持部64の基準位置からの回転角θGを検出するジンバル角センサ91からのジンバル角θG,フライホイール61の回転数NWを検出する回転数センサ92からのフライホイール61の回転数NW,車体本体30の左右方向への傾斜角(ロール角)を検出するロール角センサ93からのロール角θRなどが入力されている。一方、制御装置80の図示しない出力ポートからは、モータ26L,26Rへの駆動信号や操舵装置40への駆動信号,リーンモータ54への駆動信号,ジャイロ63への駆動信号,ジンバルモータ65への駆動信号,クラッチ66への駆動信号、などが出力されている。なお、制御装置80の主な制御としては、シフトポジションやアクセルポジション,ブレーキポジションに基づいてモータ26L,26Rを駆動制御する走行制御、操舵角に基づいて前輪22のトウ角を制御する操舵制御、操舵角や車速などに基づいてリーン装置50による車体の傾斜を制御するリーン制御、操舵角や車速,フライホイール61の回転数などに基づいてジャイロ装置60により発生するジャイロモーメントを制御するジャイロ制御、などがある。なお、図15の制御装置80の中に示した「走行制御部」,「操舵制御部」,「リーン制御部」,「ジャイロ制御部」は、上述の制御を機能ブロックとして示したものである。
こうして構成された実施例の三輪自動車20では、走行制御部によりモータ26L,26Rが駆動制御されて走行し、操舵制御部によりハンドル42の操作角(操舵角θS)に対するトウ角が調整されるようトウ角調整アクチュエータ46が駆動制御されてハンドル42の操作方向に旋回する。また、リーン制御部により、操舵角θSに基づいてリーン装置50により車体本体30の左右方向に傾斜するようリーンモータ54が駆動制御され、ジャイロ制御部により、必要に応じて必要な方向のジャイロモーメントが発生するようジャイロ装置60が駆動制御される。
リーン制御としては、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッド(左右の車輪24L,24Rの中心間距離)の中央になるようにリーンモータ54を駆動制御するものとすることができる。このように制御することにより、乗員に横向きの加速度を与えないようにして車両を安定して旋回させることができると共に、旋回外側への車両の横転を抑制することができる。図16に、重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるようにしたときの様子を示す。リーン制御は、簡易な手法を考えれば、乗員や荷物の搭載によっては重心は車両の左右方向には変化しないものとし、重力Fgと遠心力Fcとを計算し、tanθL=Fc/Fgとなるリーン角θLを求め、リーン装置50の傾きが求めたリーン角θLとなるようリーンモータ54を駆動制御することによって行なうことができる。ここで、重力Fgは、車両総重量センサ88からの車両総重量Mとして得ることができる。遠心力Fcは、操舵角センサ86からの操舵角θSや車輪速センサ85L,85Rからの車輪速などから計算される旋回時の回転半径rと、この回転半径と車速センサ84からの車速から計算される角速度ωと、車両総重量センサ88からの車両総重量Mと、により、Fc=Mrω2として計算することができる。リーン制御として簡易な手法を用いずに重心位置を用いて計算するものとしてもよい。この場合、重心位置Gは、予め解っている車両自体の重量および車両自体の重心位置と計測により得られる乗員や荷物(以下、「乗員等」という。)の重量および乗員等の重心位置とにより計算することができる。例えば、簡易な手法としては、乗員等の重心位置を実験などにより予め定めておき、車両総重量センサ88により検出される車両総重量Mから車両自体の重量を減じて乗員等の重量を計算し、この計算した乗員等の重量と定めておいた乗員等の重心位置と車両自体の重量と車両自体の重心位置とを用いて計算することができる。更に詳細な手法としては、乗員の着座位置や座高,重量等を検出して乗員の重量と重心位置を求めると共に各荷物の搭載位置や寸法,重量等を検出して各荷物の重量と重心位置とを求め、乗員の重量および重心位置と各荷物の重量および重心位置と車両自体の重量および重心位置とにより重心位置を計算することもできる。
また、リーン制御としては、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるようにリーンモータ54を駆動制御するものだけでなく、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの範囲内になるようにリーンモータ54を駆動制御するものとしてもよい。この場合、乗員に横向きの加速度を与えるものの、車両を安定して旋回させることができると共に、旋回外側への車両の横転を抑制することができる。
ジャイロ制御としては、例えば、旋回などにより車両が横転する可能性があると判断したときに、旋回内側にジャイロモーメントが作用するようにジャイロ装置60のジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御する横転抑制制御を実行するものとすることができる。横転抑制制御としては、旋回などにより車両が横転する可能性があると判断したときに、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには、車両が横転する方向の旋回と同方向にジンバル支持部64が迅速に回転するようにジンバルモータ65を駆動制御するものとすることができる。例えば、車両が右側に横転する可能性があると判断したときには、右旋回と同方向にジンバル支持部64が迅速に回転するようにジンバルモータ65を駆動制御するのである。上述したように、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに旋回の方向と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、旋回の方向とは逆側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するから、車両が横転する方向の旋回と同方向にジンバル支持部64を迅速に回転させてフライホイール61を迅速に回転させることにより、車両が横転する方向とは逆方向のジャイロモーメントを発生させ、車両の横転を抑制することができる。また、旋回などにより車両が横転する可能性があると判断したときに、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転しているときには、車両が横転する方向の旋回とは逆方向にジンバル支持部64が迅速に回転するようにジンバルモータ65を駆動制御するものとすることができる。例えば、車両が右側に横転する可能性があると判断したときには、右旋回とは逆方向にジンバル支持部64が迅速に回転するようにジンバルモータ65を駆動制御するのである。上述したように、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転しているときに旋回の方向と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、旋回の方向と同側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するから、車両が横転する方向の旋回とは逆方向にジンバル支持部64を迅速に回転させることにより、車両が横転する方向とは逆方向のジャイロモーメントを発生させ、車両の横転を抑制することができる。
横転抑制制御において、旋回などにより車両が横転する可能性の有無の判断は、例えば、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの範囲を含む所定範囲外となるか否かによる判定や、車両が旋回外側に回転する回転角速度が予め定めた閾値以上であるか否かによる判定,旋回外側の車輪に作用するモーメントが旋回外側に車体を傾斜させる方向のモーメントとして予め定められた閾値以上であるか否かによる判定などにより行なうことができる。これらの判定は、いずれも力学的見地から、他の力が作用しなければ、いずれ車両が横転するものとなる。
横転抑制制御は、車両が横転する可能性があるときに実行されるから、車両が横転する可能性がないときには、ジャイロ装置60を他の目的に使用することができる。例えば、リーン装置50により車体を傾斜させるときに、車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントを発生させることにより、車体の傾斜をアシストするリーンアシスト制御を実行することができる。このリーンアシスト制御は、リーン装置50のリーンモータ54の駆動のタイミングで、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転していれば、車体を傾斜させる方向の旋回とは逆方向にジンバル支持部64が回転するようにジンバルモータ65を駆動制御し、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転していれば、車体を傾斜させる方向の旋回と同方向にジンバル支持部64が回転するようにジンバルモータ65を駆動制御することにより行なうことができる。ジャイロモーメントはフライホイール61の回転数が大きいほど且つジンバル支持部64の回転角速度が大きいほど大きくなるから、車体を傾斜させるタイミングで作用させるジャイロモーメントの大きさはフライホイール61の回転数に基づいてジンバル支持部64の回転角速度を求めてジンバルモータ65を駆動制御すればよい。こうしたリーンアシスト制御をジャイロ制御として実行することにより、迅速に旋回内側に車体を傾斜させることができる。また、リーンアシスト制御はリーン装置50のリーンモータ54の駆動による車体の傾斜をアシストするものであるから、リーンアシスト制御を実行することにより、リーンモータ54として出力トルクの小さなものを用いることができると共にリーンモータ54を小型のものとすることができる。
ジャイロ制御としては、操舵角θSや車速Vに応じて旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが作用するようジャイロ装置60のジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するハンドル対応制御を実行するものとしてもよい。ハンドル対応制御としては、操舵角θSが大きいほど、操舵角θSの時間変化率(操舵角の回転角速度)が大きいほど、車速Vが大きいほど、大きなジャイロモーメントであって旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようにジンバルモータ65を駆動制御することにより行なうことができる。これは、操舵角θSが大きいほど、操舵角θSの時間変化率(操舵角の回転角速度)が大きいほど、車速Vが大きいほど、遠心力が大きくなることに基づいている。こうしたハンドル対応制御により、車両はより安定して旋回することができるようになる。
実施例の三輪自動車20では、上述のリーン制御やジャイロ制御により、より安定して旋回することができるようにすると共に車両の横転を抑制することができるが、前述したように、リーン制御を実行して車体が傾斜すると、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)がロール軸周りに回転するため、ヨー軸周りに作用するジャイロモーメントが生じて車両に作用する。この車体を傾斜させることにより生じるジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには旋回を促進する方向となり、逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときには旋回を抑制する方向となる。したがって、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときにはオーバーステアの傾向が生じ、逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときにはアンダーステアの傾向が生じる。実施例の三輪自動車20では、こうしたオーバーステアの傾向やアンダーステアの傾向を操舵制御により抑制している。
図17は、実施例の三輪自動車20の制御装置80が操舵制御部として機能したときに実行される操舵制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。操舵制御ルーチンが実行されると、制御装置80は、まず、フライホイール回転数センサ92からのジャイロ63のフライホイール61の回転数Nfや操舵角センサ86からの操舵角θS,車速センサ84からの車速Vなど操舵制御に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力した操舵角θSから前回このルーチンが実行されたときに入力した操舵角θS(以下、「前回操舵角θS」という。)を減じて操舵角変化量ΔθSを計算する(ステップS110)。続いて、入力したフライホイール61の回転数Nfが正回転しているか負回転しているかを判定する(ステップS120)。実施例では、車両が前進しているときの車輪の回転方向を正回転として判定するものとした。フライホイール61が正回転しているときには、操舵角θS,操舵角変化量ΔθS,フライホイール回転数Nf,車速Vに対して正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4を適用してトウ角係数k1,k2,k3,k4を設定し(ステップS130)、フライホイール61が負回転しているときには、操舵角θS,操舵角変化量ΔθS,フライホイール回転数Nfの絶対値,車速Vに対して負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4を適用してトウ角係数k1,k2,k3,k4を設定し(ステップS140)、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と設定したトウ角係数k1,k2,k3,k4を乗じてトウ角変化量Δθtを計算する(ステップS150)。そして、前回このルーチンが実行されたときに設定したトウ角θt(現在のトウ角)に計算したトウ角変化量θtを加えて新たなトウ角θtを計算し(ステップS160)、操舵輪である前輪22のトウ角が計算したトウ角θtとなるようトウ角調整アクチュエータ46を駆動して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。
ここで、基本係数k0は、基本的な操舵角θの変化量に対するトウ角θtの変化量を設定するための係数であり、オーバーステアの傾向もアンダーステアの傾向もないときに用いられるものである。トウ角係数k1は、操舵角θSに対する単位操舵角変化量当たりのトウ角θtの変化量を増減するための係数であり、トウ角係数k2は、操舵角変化量ΔθSに対する単位操舵角変化量当たりのトウ角θtの変化量を増減するための係数であり、トウ角係数k3は、フライホイール61の回転数Nfに対する単位操舵角変化量当たりのトウ角θtの変化量を増減するための係数であり、トウ角係数k4は、車速Vに対する単位操舵角変化量当たりのトウ角θtの変化量を増減するための係数である。図18に正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4の一例を示し、図19に負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4の一例を示す。
前述したように、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているとき(正回転しているとき)に、車体本体30を傾斜すると、オーバーステアの傾向を生じるヨー軸周りジャイロモーメントが発生する。このため、実施例では、操舵角θSが大きいほど、操舵角変化量ΔθSが大きいほど、フライホイール回転数Nfが大きいほど、車速Vが大きいほど、係数k1,k2,k3,k4が値1より小さくなる傾向に調整された正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4を用いることにより、単位操舵角変化量当たりのトウ角θtの変化量(トウ角変化量Δθt)が小さくなるようにしてハンドル42の操作に対するトウ角θtの切れを鈍くし、オーバーステアの傾向を打ち消すようにしている。一方、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転しているとき(負回転しているとき)に、車体本体30を傾斜すると、アンダーステアの傾向を生じるヨー軸周りジャイロモーメントが発生する。このため、実施例では、操舵角θSが大きいほど、操舵角変化量ΔθSが大きいほど、フライホイール回転数Nfの絶対値が大きいほど、車速Vが大きいほど、係数k1,k2,k3,k4が値1より大きくなる傾向に調整された負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4を用いることにより、単位操舵角変化量当たりのトウ角θtの変化量(トウ角変化量Δθt)が大きくなるようにしてハンドル42の操作に対するトウ角θtの切れを鋭くし、アンダーステアの傾向を打ち消すようにしている。したがって、こうした操舵制御を行なうことにより、車体本体30を傾斜させたときに生じるジャイロモーメントによるオーバーステアの傾向やアンダーステアの傾向を抑制することができる。この結果、安定して旋回することができる。
以上説明した実施例の三輪自動車20によれば、リーンモータ54の駆動により車体本体30を左右方向に傾斜させるリーン装置50と、フライホイール61を有するジャイロ63とジンバルモータ65とを有するジャイロ装置60と、ステアバイワイヤ機構を有する操舵装置40と、を備えることにより、より安定して旋回することができると共に、車両の横転を抑制することができる。したがって、トレッドが狭く軽量で小型の自動車としても、横転することなく、安定して旋回することができる。特に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているとき(正回転しているとき)には、操舵角θSが大きいほど、操舵角変化量ΔθSが大きいほど、フライホイール回転数Nfが大きいほど、車速Vが大きいほど、値1より小さくなる傾向に調整された正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4を用いて係数k1,k2,k3,k4を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に係数k1,k2,k3,k4を乗じてトウ角変化量Δθtを計算し、これに基づいてトウ角θtを計算して前輪22のトウ角を調整することにより、旋回時に車体本体30が旋回内側に傾斜したときに旋回性を促進する方向に作用するジャイロモーメントによるオーバーステアの傾向を抑制することができる。また、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転しているとき(負回転しているとき)には、操舵角θSが大きいほど、操舵角変化量ΔθSが大きいほど、フライホイール回転数Nfの絶対値が大きいほど、車速Vが大きいほど、値1より大きくなる傾向に調整された負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4を用いて係数k1,k2,k3,k4を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に係数k1,k2,k3,k4を乗じてトウ角変化量Δθtを計算し、これに基づいてトウ角θtを計算して前輪22のトウ角を調整することにより、旋回時に車体本体30が旋回内側に傾斜したときに旋回性を抑制する方向に作用するジャイロモーメントによるアンダーステアの傾向を抑制することができる。これらの結果、より安定して旋回することができる。
また、実施例の三輪自動車20によれば、ピッチ軸を回転軸として回転するようフライホイール61を配置することにより、ジャイロ装置60を車両に搭載したときに高い左右の対称性を得ることができる。
さらに、実施例の三輪自動車20によれば、リーン制御として、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるようにリーンモータ54を駆動制御するものとしたり、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの範囲内になるようにリーンモータ54を駆動制御するものとしたりすることにより、より安定して旋回することができると共に、旋回外側への車両の横転を抑制することができる。
加えて、実施例の三輪自動車20によれば、ジャイロ制御として、旋回などにより車両が横転する可能性があると判断したときに、旋回内側にジャイロモーメントが作用するようにジンバルモータ65を駆動制御する横転抑制制御を実行することにより、車両の横転を抑制することができる。さらに、こうした横転抑制制御によりジンバルモータ65が駆動していないときに、リーン装置50により車体を傾斜させるときに車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントを発生させるようにジンバルモータ65を駆動制御するリーンアシスト制御を実行することにより、より迅速に旋回内側に車体を傾斜させることができると共にリーン装置50のリーンモータ54を小型のものとすることができる。
また、実施例の三輪自動車20によれば、ジャイロ制御として、操舵角θSが大きいほど、操舵角θSの時間変化率(操舵角の回転角速度)が大きいほど、車速Vが大きいほど、大きなジャイロモーメントであって旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようにジンバルモータ65を駆動制御するハンドル対応制御を実行することにより、より安定して旋回することができる。
実施例の三輪自動車20では、操舵角θS、操舵角変化量ΔθS、フライホイール回転数Nf、車速Vに対して正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4や負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4を用いて係数k1,k2,k3,k4を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に係数k1,k2,k3,k4を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたが、操舵角θS、操舵角変化量ΔθS、フライホイール回転数Nf、車速Vのうち操舵角θSを含むいずれか3つに対する係数を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に設定した3つの係数を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたり、操舵角θS、操舵角変化量ΔθS、フライホイール回転数Nf、車速Vのうち操舵角θSを含むいずれか2つに対する係数を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に設定した2つの係数を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたり、操舵角θSに対する係数を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に設定した係数を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたりしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、操舵角θS、操舵角変化量ΔθS、フライホイール回転数Nf、車速Vに対して正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4や負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4を用いて係数k1,k2,k3,k4を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に係数k1,k2,k3,k4を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたが、リーン装置による車体の傾斜角であるリーン角θL、リーン角θLの変化量ΔθL、フライホイールの回転数Nfに対して正回転用マップMO5,MO6,MO3や負回転用のマップMU5,MU6,MU3を用いて係数k5,k6,k3を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に係数k5,k6,k3を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしてもよい。この場合、図17の操舵制御ルーチンのステップS130をリーン角θL,リーン角変化量ΔθL,フライホイール回転数Nfに対して正回転用のマップMO5,MO6,MO3を適用してトウ角係数k5,k6,k3を設定する処理とし、ステップS140をリーン角θL,リーン角変化量ΔθL,フライホイール回転数Nfの絶対値に対して負回転用のマップMU5,MU6,MU3を適用してトウ角係数k5,k6,k3を設定する処理とし、ステップS150を操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と設定したトウ角係数k5,k6,k3を乗じてトウ角変化量Δθtを計算する処理とすればよい。このときの正回転用マップMO5,MO6の一例を図20に示し、負回転用のマップMU5,MU6の一例を図21に示す。なお、正回転用のマップMO3と負回転用のマップMU3は図18(c),図19(c)のものを用いればよい。リーン角θLは、前述したように、重力Fgと遠心力FcとによりtanθL=Fc/Fgとして求めることができるから、操舵角θSと車速Vとによって定めることができる。このため、トウ角係数k5を設定するための正回転用マップMO5(図20(a))は、図18(a)のマップMO1と図18(d)のマップMO4とを合体させたものとなり、トウ角係数k5を設定するための負回転用マップMU5(21(a))は、図19(a)のマップMU1と図19(d)のマップMU4とを合体させたものとなる。このように、リーン角θL、リーン角変化量ΔθL、フライホイールの回転数Nfに対する3つの係数k5,k6,k3を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に設定した3つの係数を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものだけでなく、リーン角θL、リーン角変化量ΔθL、フライホイールの回転数Nfのうちリーン角θLかリーン角変化量ΔθLを含むいずれか2つの係数を設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に設定した2つの係数を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたり、リーン角θL、リーン角変化量ΔθLのうちの一方の係数だけを設定し、操舵角変化量ΔθSに基本係数k0と共に設定した一方の係数を乗じてトウ角変化量Δθtを計算するものとしたりしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、操舵角θS、操舵角変化量ΔθS、フライホイール回転数Nf、車速Vに基づいてトウ角変化量Δθtを計算してトウ角θtを得るものとしたが、ヨー軸周りに作用するジャイロモーメントの大きさを計算し、ジャイロモーメントの大きさに基づいてトウ角変化量Δθtを計算してトウ角θtを得るものとしてもよい。この場合、フライホイール61が正回転しているときには、ジャイロモーメントの大きさが大きいほど小さなトウ角変化量Δθtを計算し、フライホイール61が負回転しているときには、ジャイロモーメントの大きさが大きいほど大きなトウ角変化量Δθtを計算するものとすればよい。
実施例の三輪自動車20では、フライホイール61が正回転しているか負回転しているかを判定し、正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4と負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4とから一方を選択して係数k1,k2,k3,k4を設定するものとしたが、フライホイール61を正回転しかしないように駆動する場合には、フライホイール61が正回転しているか負回転しているかの判定を行なうことなく、正回転用のマップMO1,MO2,MO3,MO4を用いて係数k1,k2,k3,k4を設定するものとしてもよいし、逆に、フライホイール61を負回転しかしないように駆動する場合には、フライホイール61が正回転しているか負回転しているかの判定を行なうことなく、負回転用のマップMU1,MU2,MU3,MU4を用いて係数k1,k2,k3,k4を設定するものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、ステアバイワイヤ機構を有する操舵装置40を備えるものとしたが、操舵角θSに対してトウ角変化量Δθtを変更することができるものであればよいから、例えば、可変ステアリングギヤレシオ機構を有する操舵装置を備えるものとしてもよい。
実施例では、本発明の実施形態として、操舵輪としての1つの前輪22と、駆動輪としての2つの後輪24L,24Rと、を備える三輪自動車20を用いて説明したが、図22の変形例の四輪自動車220に示すように、操舵輪としての2つの前輪222L,222Rと、駆動輪としての2つの後輪24L,24Rと、を備えるものとしてもよい。この場合、後輪24L,24R側に取り付けられたリーン装置50と同様なリーン装置250を前輪222L,222R側にも取り付け、リーン装置50による車体の傾斜に同期してリーン装置250による車体の傾斜を行なえばよい。なお、自動車は三輪や四輪に限定されるものではなく五輪以上の自動車であっても構わない。
実施例の三輪自動車20では、縦リンクユニット51L,51Rと横リンクユニット51U,51Dと中央縦部材52とからなる機構(リーン機構)により車体を傾斜するときには、車輪22,24L,24Rも傾斜するものとしたが、図23の変形例の三輪自動車320に示すように、車輪22,24L,24Rは傾斜せずに車体本体330だけが傾斜する機構としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、縦リンクユニット51L,51Rと横リンクユニット51U,51Dと中央縦部材52とからなる機構が「リーン機構」に相当し、リーンモータ54が「リーン駆動手段」に相当し、リーン装置50が「リーン装置」に相当し、フライホイール61が「フライホイール」に相当し、三相コイルが取り付けられたステータケース62が「第1回転駆動手段」に相当し、ジャイロ63が「ジャイロ」に相当し、ジンバルモータ65が「第2回転駆動手段」に相当し、ジャイロ装置60が「ジャイロ装置」に相当し、操舵装置40が「操舵装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20,320 三輪自動車、22,222L,222R 前輪、24L,24R 後輪、26L,26R モータ、30,330 車体本体、32 運転席、36 支持部、40 操舵装置、42 ハンドル、50,250 リーン装置、51L,51R 縦リンクユニット、51U,51D 横リンクユニット、52 中央縦部材、54 リーンモータ、55 出力軸、60 ジャイロ装置、61 フライホイール、62 ステータケース、63 ジャイロ、64 ジンバル支持部、65 ジンバルモータ、66 クラッチ、70 バッテリ、80 制御装置、81 シフトポジションセンサ、82 アクセルポジションセンサ、83 ブレーキポジションセンサ、84 車速センサ、85L,85R 車輪速センサ、86 操舵角センサ、87L,87R 回転位置検出センサ、88 車両総重量センサ、89 勾配センサ、90 リーン角センサ、91 ジンバル角センサ、92 フライホイール回転数センサ、93 ロール角センサ、220 四輪自動車。

Claims (15)

  1. 少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車であって、
    車体を左右方向に傾斜可能なリーン機構と該リーン機構を駆動するためのリーン駆動手段とを有するリーン装置と、
    フライホイールと該フライホイールを車体を水平に左右方向に貫くピッチ軸で回転駆動する第1回転駆動手段とを有するジャイロと、車体を垂直方向に貫くヨー軸で前記ジャイロを回転駆動する第2回転駆動手段と、を有するジャイロ装置と、
    操舵角に対するトウ角を調整可能な操舵装置と、
    を備える自動車。
  2. 請求項1記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記ジャイロ装置による車両の旋回方向と同方向に車体をヨー軸の周りに回転させるモーメントが大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  3. 請求項2記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、操舵角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  4. 請求項2または3記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  5. 請求項2ないし4のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  6. 請求項2ないし5のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  7. 請求項2ないし6のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記フライホイールの回転数が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  8. 請求項2ないし7のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と同方向に前記フライホイールを回転しているときには、車速が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が小さくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  9. 請求項2記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、操舵角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  10. 請求項2または9記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、操舵角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  11. 請求項2,9,10のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  12. 請求項2,9〜11のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記リーン機構による傾斜角が増加するときの変化率が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  13. 請求項2,9〜12のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、前記フライホイールの回転数が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  14. 請求項2,9〜13のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記操舵装置は、前記第1回転駆動手段により車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に前記フライホイールを回転しているときには、車速が大きいほど単位操舵角当たりのトウ角の変化量が大きくなる傾向に操舵角に対するトウ角を調整する装置である、
    自動車。
  15. 請求項1ないし14のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記ジャイロ装置は、前記ヨー軸に取り付けられて前記ジャイロと前記第2回転駆動手段との接続および接続の解除を行なうクラッチを有する装置である、
    自動車。
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