JP5240327B2 - 車 - Google Patents

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Description

本発明は、車に関する。特に、回転軸回りに回転可能な車輪を有する車に関する。
回転軸回りに回転可能な車輪を有する車は既に良く知られている。また、車の中には、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備えているものもある。さらに、前記車が備えている車輪は、前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部を有している。
特開2005−335513号公報
ところで、前記車の姿勢は、該車の動作に応じて変化できる必要がある。例えば、前記車が旋回動作、方向転換動作等を行う際には、前記姿勢を傾斜させる必要があり、また、当該姿勢が傾斜し易くなるほど、前記車の機動性は向上することになる。このため、前記車輪が有する前記接地部は、前記姿勢が傾斜状態に変化し易くなる形状であることが望ましい。
一方、前記姿勢は、前記姿勢制御機構によって、適切に制御されなければならない。例えば、傾斜状態となった前記姿勢は、前記姿勢制御機構の制御により、直立状態へ適切に復帰させる必要がある。しかしながら、前記姿勢制御機構の姿勢制御能力には限界があり、前記接地部の形状によっては、前記姿勢が適切な状態に維持されなくなる虞もある。したがって、前記接地部の形状は、前記姿勢が適切な状態に維持されるように、前記姿勢制御機構の姿勢制御能力における限界を考慮した形状でなければならない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前記姿勢を傾斜状態に変化させ易く、かつ、該姿勢を適切な状態に維持させることが可能な車を実現することである。
主たる本発明は、回転軸回りに回転可能な車輪、を有する車であって、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備える車であって、前記車輪は、前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部、を有し、前記回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、前記接地部と前記第一仮想平面との交線は、直線部と、曲線部とを有し、前記曲線部上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点が含まれることを特徴とする車であり、前記交線の両端は、前記車輪に備えられ、前記車の動作中に地面に接地しない非接地部、に隣接し、前記交線の中央は、前記車が直立状態にあるときに接地し、前記曲線部の点は、いずれも前記第一点であり、前記直線部は、前記交線の両端部、及び、前記交線の中央部に位置することを特徴とする車。(1)前記第一点を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点における前記曲線部の接線の方向となる第二仮想平面が、前記車の重心よりも下方に位置する。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
一輪車2の外観を示した斜視図である。 一輪車2の主要構成要素の側面を模式的に示した図である。 図2に示された一輪車2の主要構成要素を、図2中、記号A−Aにて示す断面で切断したときの模式断面図である。 車輪8の斜視図である。 第一接地部8fの形状として、第一交線100を説明するための図である。 その線上の点の中に、第二点105は含まれるが、第一点104が含まれていない第一交線100の形状を示す図である。 図6に示す第一交線100を有する第一接地部8f、を備えた一輪車2が、X軸回りに回転するように傾斜した際の、前記一輪車2の姿勢について説明するための図である。 その線上の点の中に、第一点104は含まれる一方で、第二点105が含まれていない第一交線100の形状を示す図である。 図8に示す第一交線100を有する第一接地部8f、を備えた一輪車2が、X軸回りに回転するように傾斜した際の、前記一輪車2の姿勢について説明するための図である。 第一変形例に係る第一接地部8fの第一交線100の形状を説明するための図である。 図5や図10に相当する図であり、その中央部及び両端部に、第二曲線部109を備えた第一交線100の形状を示した図である。 第二変形例に係る第一接地部8fの第一交線100の形状を説明する図であり、図11に相当する図である。 直線部210、第三曲線部221、及び第四曲線部222を備えた第一交線100の形状を説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
回転軸回りに回転可能な車輪、を有する車であって、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備える車であって、前記車輪は、前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部、を有し、前記回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、前記接地部と前記第一仮想平面との交線は曲線であり、前記曲線上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点と、次の(2)の条件を満たす第二点とが含まれることを特徴とする車。
(1)前記第一点を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点における前記曲線の接線の方向となる第二仮想平面が、前記車の重心よりも下方に位置する。
(2)前記第二点を含み、前記第一仮想平面と直交する第三仮想平面であって、該第三仮想平面の法線方向が前記第二点における前記曲線の接線の方向となる第三仮想平面が、前記車の重心よりも上方に位置する。
他方、回転軸回りに回転可能な車輪、を有する車であって、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備える車であって、前記車輪は、前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部、を有し、前記回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、前記接地部と前記第一仮想平面との交線は、直線部と、曲線部とを有し、前記曲線部上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点が含まれることを特徴とする車。
(1)前記第一点を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点における前記曲線部の接線の方向となる第二仮想平面が、前記車の重心よりも下方に位置する。
このようにすれば、前記姿勢を傾斜状態に変化させ易く、かつ、該姿勢を適切な状態に維持させることが可能な車を実現することである。
また、前記交線の両端は、前記車輪に備えられ、前記車の動作中に地面に接地しない非接地部、に隣接し、前記交線の中央は、前記車が直立状態にあるときに接地し、前記交線は、その線上の点がいずれも前記第一点である第一曲線部、及び、その線上の点がいずれも前記第二点である第二曲線部、を備えていることとしてもよい。
他方、前記交線の両端は、前記車輪に備えられ、前記車の動作中に地面に接地しない非接地部、に隣接し、前記交線の中央は、前記車が直立状態にあるときに接地し、前記曲線部の点は、いずれも前記第一点であることとしてもよい。
また、前記第二曲線部は、前記交線の両端部に位置することとしてもよい。
他方、前記直線部は、前記交線の両端部に位置することとしてもよい。
このようにすれば、車が外力を受けた際に、該車が転倒することを防止することができる。
また、前記第二曲線部は、前記交線の中央部に位置することとしてもよい。
他方、前記直線部は、前記交線の中央部に位置することとしてもよい。
このようにすれば、前記車が直立状態にある姿勢を適切に維持することが可能となる。
また、前記姿勢制御機構はコントロールモーメントジャイロであることとしてもよい。
このようにすれば、当該コントロールモーメントジャイロの姿勢制御能力を有効に発揮させることにより、前記姿勢をより適切に制御することが可能となる。
また、前記車輪の数は、一つであることとしてもよい。
このようにすれば、前記車輪の数が一つである場合、車の姿勢は不安定になり易く、前記姿勢を傾斜状態へ変化させることが、より容易になる。
また、回転軸回りに回転可能な車輪、を有する車であって、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備える車であって、前記車輪は、前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部、を有し、前記回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、前記接地部と前記第一仮想平面との交線は曲線であり、前記曲線上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点と、次の(2)の条件を満たす第二点とが含まれ、前記交線の両端は、前記車輪に備えられ、前記車の動作中に地面に接地しない非接地部、に隣接し、前記交線の中央は、前記車が直立状態にあるときに接地し、前記交線は、その線上の点がいずれも前記第一点である第一曲線部、及び、その線上の点がいずれも前記第二点である第二曲線部、を備え、前記第二曲線部は、前記交線の中央部に位置し、前記姿勢制御機構はコントロールモーメントジャイロであり、前記車輪の数は、一つであることを特徴とする車も実現可能である。
(1)前記第一点を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点における前記曲線の接線の方向となる第二仮想平面が、前記車の重心よりも下方に位置する。
(2)前記第二点を含み、前記第一仮想平面と直交する第三仮想平面であって、該第三仮想平面の法線方向が前記第二点における前記曲線の接線の方向となる第三仮想平面が、前記車の重心よりも上方に位置する。
他方、回転軸回りに回転可能な車輪、を有する車であって、該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備える車であって、前記車輪は、前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部、を有し、前記回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、前記接地部と前記第一仮想平面との交線は、直線部と、曲線部とを有し、前記曲線部上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点が含まれ、前記交線の両端は、前記車輪に備えられ、前記車の動作中に地面に接地しない非接地部、に隣接し、前記交線の中央は、前記車が直立状態にあるときに接地し、前記曲線部の点は、いずれも前記第一点であり、前記直線部は、前記交線の両端部に位置し、前記直線部は、前記交線の中央部に位置し、前記姿勢制御機構はコントロールモーメントジャイロであり、前記車輪の数は、一つであることを特徴とする車も実現可能である。
(1)前記第一点を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点における前記曲線部の接線の方向となる第二仮想平面が、前記車の重心よりも下方に位置する。
このようにすれば、既述のほぼ総ての効果を奏するため、本発明の効果がより有効に達成される。
===車の構成例===
先ず、図1乃至図4を用いて、本実施の形態に係る車の構成例について、その概要を説明する。なお、本実施の形態においては、車の一例として、その車輪の数が一つである一輪車2について説明する。図1は、一輪車2の外観を示した斜視図である。図2は、一輪車2の主要構成要素の側面を模式的に示した図である。図3は、図2に示された一輪車2の前記主要構成要素を、図2中、記号A−Aにて示す断面で切断したときの模式断面図である。図4は、車輪8の斜視図である。
また、図1においては、座標軸が示されている。ここでは、一例として、一輪車2の移動方向(例えば、走行方向)をX軸、一輪車2の車輪8の回転軸8aの軸方向をY軸、一輪車2の上下方向をZ軸とする。また、図2においては、矢印にて、一輪車2の移動方向(すなわち、図1におけるX軸方向)と、一輪車2の上下方向(すなわち、図1におけるZ軸方向)とが示されている。また、図3には、矢印にて、一輪車2の車輪8の回転軸8aの軸方向(すなわち、図1におけるY軸方向)と、一輪車2の上下方向(すなわち、図1におけるZ軸方向)とが、それぞれ示されている。また、図4には、矢印にて、車輪8の回転軸8aの軸方向が示されている。
さらに、図1乃至図3には、その姿勢が直立状態になっている一輪車2が示されている。なお、本項以降において、直立状態とは、車輪8の回転軸8a、及び、ホイール32の回転軸32aの軸方向が水平方向となり、かつ、ジンバル34の回転軸34aの軸方向が鉛直方向となる状態を言うものとする。
一輪車2は、図1に示すように、車体4と、車輪8と、姿勢制御機構の一例としてのコントロールモーメントジャイロ30(以下、省略して、CMGとも呼ぶ)と、を有している。
車体4は、金属製の構造物であり、その内部に車輪8の一部分を収容し、該車輪8を回転可能に支持している。また、車体4の、前記車輪8の回転軸8aに沿う方向の端部には、一輪車2の重心Mの位置(図5参照)を調整するためのカウンタバランス9が設けられている。また、このカウンタバランス9は、図1に示すように、輪状の金属錘である。そして、前記カウンタバランス9は、前記カウンタバランス9の中心が前記回転軸8a上にある位置で、前記車体4に取り付けられている。なお、本実施の形態においては、前記カウンタバランス9は、前記車体4の、前記回転軸8aに沿う方向における端部に設けられていることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、後述する車輪8の内筒8bの内部に設けられていることとしてもよい。
車輪8は、回転軸8a回りに回転可能であり、当該車輪8が回転することにより、一輪車2は走行する。この車輪8は、図4に示すように、金属製の内筒8bと、該内筒8bの軸方向(すなわち、車輪8の回転軸8aの軸方向)の中央部において、前記内筒8bの外周面を覆うゴム部8cとを備えている。また、内筒8bの前記軸方向の長さは、ゴム部8cの前記軸方向の長さよりも長くなっており、前記内筒8bの前記軸方向の両端部は、前記車体4によって、回転軸8a回りに回転可能に支持されている。一方、前記ゴム部8cは、図4に示すように、円樽状の形状であり、該内筒8bよりも外径が大きい。そして、該ゴム部8cの外径は、前記軸方向の中央部から端部に向かうにしたがって、短くなっている。また、前記内筒8bの内部には、車輪8を回転させる機構としての内部モータ60が設けられている。
また、車輪8は、一輪車2の動作中に地面に接地可能な接地部8dを備えている。そして、本実施の形態においては、図2に示すように、前記ゴム部8cの周面全体が、前記接地部8dとなっている。すなわち、前記接地部8dは、図3に示すように、前記ゴム部8cの周面の、前記軸方向の一端部から他端部に亘っている。そして、前記一輪車2は、前記車輪8が前記接地部8dを接地させた状態で回転することにより走行し、例えば、図2中、記号Fで示す回転方向に車輪8が回転すると、前記一輪車2は前進する。また、前記接地部8dは、前記回転軸8aの下方に位置する接地部8dとしての第一接地部8fと、前記回転軸の上方に位置する接地部8dとしての第二接地部8gとを有している。したがって、前記一輪車2の動作中、前記第一接地部8fが接地していることになる。なお、当然のことながら、前記車輪8の、前記第一接地部8fに相当する部分と、前記第二接地部8gに相当する部分とは、前記車輪8の回転によって切り替わる。
そして、一輪車2の姿勢が、X軸回りに回転するように(図3中、記号Rにて示す方向に回転するように)傾斜し、前記姿勢が前記第一接地部8fの前記軸方向の一端部、又は他端部が接地する状態になった場合であっても、後述するCMG30の姿勢制御能力が発揮されることにより、前記姿勢は直立状態へ復帰することが可能である。
一方、図3に示すように、前記ゴム部8cの前記軸方向の両端面には、前記一輪車2の動作中、地面に接地しない非接地部8eが備えられている。そして、該非接地部8eは、前記接地部8dに隣接している。すなわち、前記一輪車2の姿勢が、前記第一接地部8fの前記軸方向の一端部、又は他端部が接地した状態よりも傾斜した場合には、CMG30の姿勢制御能力は前記姿勢を直立状態に復帰させることができなくなる。
なお、本実施の形態においては、接地部8dは前記ゴム部8cの周面全体であることとしたが、これに限定されるものではない。前記接地部8dの範囲、すなわち、前記接地部8dと前記非接地部8eの境界の位置は、CMG30の姿勢制御能力に依存するものであり、例えば、本実施の形態に係るCMG30よりも低い姿勢制御能力を有するCMG30を設けた場合には、前記接地部8dの範囲は狭くなり、接地部8dと非接地部8eとの境界は、前記ゴム部8cの周面の、前記軸方向の両端部よりも内側に位置することになる。
ここで、前記車輪8の回転軸8aを含み、その法線方向が水平方向(すなわち、図2に示された一輪車2の移動方向)となる仮想平面を第一仮想平面(図2において、記号Aで示す直線を含み、紙面と直交する平面)としたとき、前記第一接地部8fと前記第一仮想平面との交線としての第一交線100は、図3に示すように曲線となっている。また、当然のことながら、前記第二接地部8gと前記第一仮想平面との交線としての第二交線110も曲線となっており、第一交線100及び第二交線110は、前記車輪の回転軸8aを軸としてほぼ対称となっている。一方、前記非接地部8eと前記第一仮想平面との第三交線120は直線となっている。また、前記第一交線100の一端101及び他端102は、それぞれ第三交線120、すなわち非接地部8eに隣接している。さらに、前記第一交線100の中央103は、一輪車2が直立状態にあるときに接地する位置である。なお、前記第一交線100の形状の詳細については、後述の『第一交線100の形状の一例』の項で、説明する。
CMG30は、図1等に示すように、車体4の上方に設けられている。このCMG30は、高速回転するホイール(通称、フライホイールと呼ばれる)32と、当該ホイール32を保持するジンバル34と、該ジンバル34を支持し、該ジンバル34と一体的に回転軸34a回りに回転するターンテーブル36と、前記ジンバル34及び前記ターンテーブル36を回転させるために、前記ターンテーブル36に駆動力を伝達するジンバルモータ38と、を備えている。なお、ホイール32の回転軸32aの軸方向は、車輪8の回転軸8aの軸方向に沿う方向(すなわち、図1におけるY軸方向)であり、また、ジンバル34の回転軸34aの軸方向は、前記回転軸8aと交差する方向(すなわち、図1におけるZ軸方向)である。また、ジンバル34が回転する際の駆動力は、ジンバルモータ38からベルト・プーリ機構によってターンテーブル36に伝達され、該駆動力によって、前記ジンバル34は前記ターンテーブル36と一体的に回転軸34a回りに回転する。ただし、ジンバル34へ駆動力を伝達する機構は、これに限定されるものではなく、例えば、ギア等により前記駆動力が伝達されてもよい。
このCMG30は、一輪車2の姿勢を制御することができる。例えば、一輪車2に対し、その姿勢を変化させるような大きな外力が働いて、前記姿勢が傾斜状態に変化した場合には、CMG30は、姿勢制御能力を発揮することにより、一輪車2の姿勢を傾斜状態から直立状態へ復帰させることが可能である。
例えば、X軸回りに該一輪車2を回転させるような外力が働くと、一輪車2の姿勢は、図3に記号Rにて示す方向に回転するように傾斜した状態へ変化する。そして、この姿勢変化が検知されると、前記姿勢を直立状態へ復帰させるために、ホイール32が高速回転している状態で、該ホイール32を保持したジンバル34が、ターンテーブル36と一体的に、回転軸34a回りに回転する。これにより、ホイール32の回転軸32aの軸方向の変化し、所謂ジャイロ効果によって、X軸回りに一輪車2を回転させる力(すなわち、前記外力により一輪車2が回転した向き、とは反対の向きに前記一輪車2を回転させる力)が発生し、当該力によって一輪車2の姿勢は直立状態へ復帰することができる。
また、Z軸回りに一輪車2を回転させるような外力が働いて、一輪車2の姿勢が変化した場合には、ホイール32の速度が変化する。かかるホイール32の加速又は減速による作用により、Z軸回りに一輪車2を回転させるような力が発生し、一輪車2の姿勢は所望の状態(すなわち、一輪車2がZ軸回りに回転する前の状態)に復帰することができる。
他方、Y軸回りに該一輪車2を回転させるような外力が働くと、一輪車2の姿勢は、図2に記号Pにて示す方向に回転するように傾斜した状態へ変化する。そして、この姿勢変化が検知され、前記姿勢を直立状態に復帰させる際は、車輪8の回転速度が変化する。すなわち、本実施の形態において、Y軸回りに回転するように傾斜した状態の前記姿勢は、CMG30の姿勢制御能力ではなく、車輪8の加速又は減速による作用によって、直立状態へ復帰される。そして、前記車輪8の回転速度の変化によって、Y軸回りに一輪車2を回転させる力(すなわち、前記外力により一輪車2が回転した向き、とは反対の向きに前記一輪車2を回転させる力)が発生する。これにより、一輪車2の姿勢は傾斜状態から直立状態に復帰することができる。なお、本実施の形態においては、Y軸回りに一輪車2を回転させるような外力が働いて、前記姿勢が変化した場合は、車輪8の回転数を変化させることによって、前記姿勢を直立状態へ復帰させることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ホイール32の回転軸32aの軸方向が互いに異なる複数のCMG30を一輪車2に設けることにより、Y軸回りに一輪車2を回転させるような外力が働いて、一輪車2の姿勢が変化した場合においても、CMG30の姿勢制御能力を用いて一輪車2の姿勢を直立状態に復帰させるようにしてもよい。
なお、一輪車2は、姿勢ジャイロ等の姿勢センサ(不図示)を備えており、当該姿勢センサにより前述した姿勢変化を感知する。また、一輪車2にはメインコントローラ(不図示)が設けられている。このメインコントローラには、CPU、RAM、ROM等が備えられており、該メインコントローラは、前記姿勢センサからの出力に応じて、車輪8、CMG30等を制御する。
===第一交線100の一例===
次に、第一交線100の一例について、図5を用いて説明する。
図5は、前記第一接地部8fの形状として、第一交線100の形状を説明するための図であり、当該図には前記一輪車2の姿勢が直立状態にあるときの第一交線100、第二交線110、第三交線120、及び、前記一輪車2の重心(図5において、記号Mで示す)が示されている。なお、図5には、矢印にて、一輪車2の上下方向と、車輪8の回転軸8aの軸方向とが示されている。また、説明を分かり易くするために、図中、車体4、CMG30等は省略されている。
本実施の形態に係る第一交線100は、該第一交線100の中央103を通り、車輪8の回転軸8aと交差する線(すなわち、図3において、ジンバル34の回転軸34aに相当する線)を中心線としたときに、第一交線100の、前記中心線より前記回転軸8aの軸方向の一端側の部分(以下、一端側という)の形状と、前記中心線より前記軸方向の他端側の部分(以下、他端側という)の形状とはほぼ線対称となっている。このため、以下においては、第一交線100の一端部の形状についてのみ説明する。
第一交線100は、前述したように曲線であり、当該曲線上の点の中には、第一点104と第二点105とが含まれている。前記第一点104及び第二点105と、一輪車2の重心Mとの位置関係を示すと、第一点104は、下記条件(1)を満たす点であり、第二点105は下記条件(2)を満たす点である。
(1)第一点104を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点104における前記曲線(すなわち、第一交線100)の接線方向となる第二仮想平面(図5において、直線B−Bを含み、紙面と直交する平面)が、一輪車2の重心Mよりも下方に位置する。
(2)第二点105を含み、前記第一仮想平面と直交する第三仮想平面であって、該第三仮想平面の法線方向が前記第二点105における前記曲線(すなわち、第一交線100)の接線方向となる第三仮想平面(図5において、直線C−Cを含み、紙面と直交する平面)が、一輪車2の重心Mよりも上方に位置する。
本実施の形態において、一輪車2の重心Mは、該一輪車2の姿勢が直立状態にある際、前記第一仮想平面上に位置しているが、これに限定されるものではなく、例えば、前記重心Mは、前記一輪車2の前記第一仮想平面よりも前方(後方)に位置していることとしてもよい。また、本実施の形態に係る重心Mは、一輪車2の姿勢が直立状態にある際、前記第二交線110より上方(すなわち、車輪8より上方)に位置していることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記重心Mは、前記姿勢が直立状態にある際、前記第一交線100と前記第二交線110との間に位置することとしてもよい。さらに、前記重心Mは、前記第一交線100の中央103を通過し、車輪8の回転軸8aに交差する仮想直線(すなわち、第一交線100の中心線)上にある。
そして、第一交線100は、その線上の点がいずれも前記第一点104である第一曲線部108と、その線上の点がいずれも前記第二点105である第二曲線部109とを備えている。さらに、本実施の形態において、前記第二曲線部109は、図4に示すように、前記曲線の中央103の直近、すなわち、前記第一交線100の中央部に備えられている。一方、前記第一曲線部108は、前記曲線の両端部に備えられ、該第一曲線部108の一端部は第前記第二曲線部109と隣接している。
一方、前記第一曲線部108と前記第二曲線部109との境界には、第三点106が存在している。この第三点106は、前記第一点104、又は、第二点105のうち、いずれにも属さず、該第三点106と一輪車2の重心Mとの位置関係を示すと、該第三点106は下記条件(3)を満たす点である。
(3)第三点106を含み、前記第一仮想平面と直交する第四仮想平面であって、該第四仮想平面の法線方向が前記第三点106における前記曲線の接線方向となる第四仮想平面(図5において、直線D−Dを含み、紙面と直交する平面)が、一輪車2の重心Mを通過する。
なお、本実施の形態においては、前記重心Mが第一交線100の前記中心線上にあるため、前記中央103も前記第三点106に属することとなる。
なお、以上のような第一交線100の形状は、例えば、前記第一交線100の中央103からの距離を変数とする双曲線関数等を用いて表現することが可能である。
===本実施の形態に係る車の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る一輪車2は、回転軸8a回りに回転可能な車輪8、を有する一輪車2であって、該一輪車2の姿勢を制御するためのCMG30、を備える一輪車2であって、前記車輪8は、前記回転軸8aの下方に位置し、該一輪車2の動作中に地面に接地可能な第一接地部8f、を有し、前記回転軸8aを含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、前記第一接地部8fと前記第一仮想平面との第一交線100は曲線であり、前記曲線上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点104と、次の(2)の条件を満たす第二点105と、が含まれている。
(1)前記第一点104を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点104における前記曲線の接線の方向となる第二仮想平面が、前記一輪車2の重心Mよりも下方に位置する。
(2)前記第二点105を含み、前記第一仮想平面と直交する第三仮想平面であって、該第三仮想平面の法線方向が前記第二点105における前記曲線の接線の方向となる第三仮想平面が、前記一輪車2の重心Mよりも上方に位置する。
ところで、発明が解決しようとする課題の項で説明したとおり、前記一輪車2の姿勢は、該一輪車2の動作に応じて変化可能である必要がある。例えば、前記一輪車2が旋回動作、方向転換動作等を行う際には、前記姿勢を傾斜させる必要があり、また、当該姿勢が傾斜状態し易くなるほど、前記一輪車2の機動性は向上することになる。このため、前記車輪8が有する前記第一接地部8fは、前記姿勢が傾斜状態に変化し易くなる形状であることが望ましい。
一方、前記姿勢は、CMG30によって、適切に制御されなければならない。例えば、傾斜状態となった前記姿勢は、前記CMG30の制御により、直立状態へ適切に復帰させる必要がある。しかしながら、前記CMG30の姿勢制御能力には限界があり、前記第一接地部8fの形状によっては、前記姿勢が適切な状態に維持されない虞がある。このため、前記第一接地部8fの形状は、該姿勢が適切な状態に維持されるように、前記CMG30の姿勢制御能力における限界を考慮した形状でなければならない。
そして、本実施の形態に係る一輪車2は、かかる課題を解決するものである。以下、本実施の形態の有効性について、図6乃至図9を用いて説明する。
図6は、本実施の形態との比較例の一例として、その線上の点の中に、第二点105は含まれるが、第一点104が含まれていない第一接地部8fの第一交線100の形状を示す図である。図7は、図6に示す第一交線100を有する第一接地部8f、を備えた一輪車2が、図中、記号Rで示す方向に回転するように傾斜した際の、前記一輪車2の姿勢について説明するための図である。図8は、図6と同様、本実施の形態との比較例の一例として、その線上の点の中に、第一点104は含まれるが、第二点105が含まれていない第一交線100の形状を示す図である。図9は、図8に示す第一交線100を有する第一接地部8f、を備えた一輪車2が、図中、記号Rで示す方向に回転するように傾斜した際の、前記一輪車2の姿勢について説明するための図である。なお、図6と図8には、矢印にて、車輪8の回転軸8aの軸方向と、一輪車2の上下方向とが示されている。また、図7と図9には、矢印にて、一輪車2の上下方向が示されている。また、図6及び図8に示された第一交線100においては、図5に示された第一交線100と同様、一端側の形状と他端側の形状とがほぼ線対称な形状となっているため、以下においては、第一交線100の一端側の形状について説明する。また、図6乃至図9においては、説明を分かり易くするために、車体4、CMG30等は省略されている。
車輪8が有する第一接地部8fの形状としては、該第一接地部8fの第一交線100が、その線上の点として、第二点105を含む一方で、第一点104を含まない形状、すなわち、図6に示すような、前記第一交線100の、前記中央103以外の部分が、第二曲線部109になっており、第一曲線部108が含まれていない形状も考えられる。ここで、当該形状の第一交線100を有する第一接地部8fが一輪車2に備えられた場合、該一輪車2の姿勢が、例えば、図7中、記号Rで示す方向に回転するように傾斜すると、前記第一接地部8fは、第二点105において接地することになる。このとき、図7に示すように、一輪車2の重心Mに作用する重力は、一輪車2に対して、方向Rとは反対の方向で回転させるような回転モーメント(図7において、矢印にて示す)を与える。すなわち、図6に示される第一交線100を有する第一接地部8fは、前記姿勢を直立状態から方向Rに回転するように傾斜した状態に変化させても、該姿勢がCMG30を用いることなく、直立状態へ復帰する形状になっている。つまり、かかる形状の第一接地部8fが前記一輪車2に備えられている場合には、一輪車2の姿勢は傾斜状態になりにくくなる。そして、前記一輪車2は、旋回動作、方向転換動作等を行うことが困難となり、該一輪車2の機動性も低くなる。
このため、第一接地部8fの形状としては、前述したように、前記姿勢が傾斜状態に変化し易くなる形状であることが望ましい。そして、前記姿勢が傾斜状態に変化し易くなる形状としては、該第一接地部8fの第一交線100が、その線上の点として、第一点104を含む一方で、第二点105を含まない形状、すなわち、図8に示すような、前記第一交線100の、前記中央103以外の部分が、第一曲線部108になっており、第二曲線部109が含まれていない形状が考えられる。かかる形状の第一交線100を有する第一接地部8fが一輪車2に備えている場合、前記姿勢が、例えば、図9中、記号Rで示す方向に回転するように傾斜すると、前記第一接地部8fは第一点104において接地する。このとき、図9に示すように、一輪車2の重心Mに作用する重力は、一輪車2に対して、方向Rで更に回転させるような回転モーメント(図9において、矢印にて示す)を与える。すなわち、図8に示される第一交線100を有する第一接地部8fの形状は、図6に示された形状とは異なり、前記姿勢が傾斜状態になりやすい形状である。そして、前記一輪車2の機動性も高くなる。
しかしながら、CMG30の姿勢制御能力には限界があり、図8に示される第一交線100を有する第一接地部8fには、接地させた際に、前記CMG30が前記姿勢を適切に制御することができない部分が存在する。例えば、本実施の形態のように、CMG30が姿勢制御機構として設けられている場合、前記第一接地部8fの中央部が接地すると、前記CMG30は前記姿勢を適切に制御できなくなる。具体的に説明すると、前記姿勢が、直立状態から僅かにX軸回りに回転するように傾斜した状態に変化し、前記CMG30は前記姿勢を直立状態へ復帰させるような制御を行う。この際、制御ノイズやCMG30の分解能の制限等の影響により、CMG30は前記姿勢を適切に制御できなくなり、その結果、前記一輪車2はX軸回りに回動するように振動してしまう。
これに対し、本実施の形態に係る第一接地部8fの第一交線100は、その線上の点として、第一点104及び第二点105の両方を含んでいる。すなわち、前記第一接地部8fには、接地した際に一輪車2に対して直立状態に復帰させるようなモーメントを与える部分(以下、直立モーメント発生部分と言う)と、接地した際に前記一輪車2を転倒させるモーメントを与える部分(以下、転倒モーメント発生部分と言う)とが並存している。そして、本実施の形態のように、第一交線100の両端部が第一曲線部108である場合には、前記第一接地部8fの両端部が転倒モーメント発生部分になる。この結果、当該両端部が接地している限り、前記姿勢は傾斜状態に変化し易くなる。かかる点においては、本実施の形態に係る第一接地部8fの形状は、図8に示された形状と共通する。他方、本実施の形態に係る第一接地部8fの形状は、該第一接地部8fの第一交線100の中央部が第二曲線部109となっている点で、図8に示された形状と異なっている。すなわち、前記第一接地部8fの中央部が前記直立モーメント発生部分になっている。この結果、直立状態にある姿勢が適切に維持されることになる。具体的に説明すると、前記第一交線100の中央部が第一曲線部108である場合、すなわち、前記第一接地部8fの中央部が前記転倒モーメント発生部分である場合には、前述したように、一輪車2の振動が生じ、前記CMG30は前記姿勢を直立状態へ適切に復帰させることができなくなる。ここで、前記第一接地部8fの中央部を前記転倒モーメント発生部分から前記直立モーメント発生部へ置換することにより、前記姿勢が直立付近の状態にある際、前記姿勢を直立状態に復帰させるようなモーメントが発生し、当該モーメントにより前記姿勢は直立状態へ復帰させることができる。この結果、前記一輪車2の振動は抑制され、前記姿勢は適切に直立状態に維持されることとなる。
したがって、本実施の形態に係る一輪車2は、上記の形状を有する第一接地部8fを備えているため、前記姿勢を傾斜状態に変化させ易く、かつ、該姿勢を適切な状態に維持することも可能である。
===第一交線100の変形例について===
上記実施の形態においては、第一交線100の中央部に、その線上の点がいずれも第二点105である第二曲線部109が配置し、前記第一交線100の両端部に、その線上の点がいずれも第一点104である第一曲線部108が配置している場合(以下、本件例)について説明した。しかし、第一交線100の形状については、これに限定されるものではなく、他の例も考えられる。本項では、第一交線100の形状の、他の例(以下、第一変形例、及び、第二変形例とする)について説明する。なお、各変形例に係る第一交線100においては、本件例に係る第一交線100と同様、一端側の形状と他端側の形状とが、ほぼ線対称であるため、以降、第一交線100の一端部の形状についてのみ説明することとする。
<<第一交線100の第一変形例について>>
先ず、第一変形例について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、第一変形例に係る第一接地部8fの第一交線100の形状を説明するための図である。図11については、後述する。また、図10と図11には、矢印にて、車輪8の回転軸8aの軸方向と、一輪車2の上下方向とが示されている。また、説明を分かり易くするために、図中、車体4、CMG30等は省略されている。
図10に示すように、本変形例に係る第一接地部8fの第一交線100の中央部は第一曲線部108であるため、前記第一接地部8fの中央部が接地している限り、前記姿勢は傾斜状態に変化し易くなる。かかる点において、本変形例に係る第一接地部8fの形状は、図8に示された形状と共通するが、前記第一交線100の両端部が第二曲線部109となっている点で、図8に示された形状と異なっている。この結果、一輪車2の転倒を防止することができる。具体的に説明すると、第一接地部8fの両端部は、前記第一接地部8fと前記非接地部8eとの境界に近いため、当該両端部が前記転倒モーメント発生部である場合には、前記両端部が接地している状態にある一輪車2に対して、更に傾斜させるような外力等が働くと、該一輪車2は転倒してしまう虞がある。ここで、前記第一接地部8fの両端部を前記転倒モーメント発生部分から前記直立モーメント発生部分に置き換えることにより、前記両端部が接地した場合、前記姿勢を直立状態に復帰させるモーメントが発生するため、一輪車2の転倒が防止されることになる。
また、第一交線100は、図11に示すように、該第一交線100の中央部及び両端部に、第二曲線部109を備えていることとしてもよい。図11は、図5や図10に相当する図であり、その中央部及び両端部に、第二曲線部109を備えた第一交線100の形状を示す図である。第一交線100が、図11に示す形状である場合には、本件例の実施の形態における効果(すなわち、一輪車2が姿勢を適切に直立状態に維持する効果)と、前記第一変形例の実施の形態における効果(すなわち、一輪車2の転倒を防止する効果)とが、ともに発揮される。
<<第一交線100の第二変形例について>>
次に、第二変形例について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、第二変形例に係る第一接地部8fの第一交線100の形状を説明する図であり、図11に相当する図である。図13については、後述する。なお、図12及び図13には、矢印にて、車輪8の回転軸8aの軸方向と、一輪車2の上下方向をそれぞれ示している。また、図12及び図13においては、説明を分かり易くするために、車体4、CMG30等は省略されている。
本件例、及び、第一変形例の実施の形態において、第一交線100は曲線であり、第一曲線部108と、第二曲線部109とを備えていた。ここで、前記第二曲線部109は、前記第一接地部8fにおける直立モーメント発生部分に相当する。そして、前述したように、当該直立モーメント発生部分が前記第一接地部8fの中央部にある場合、前記一輪車2は前記姿勢を適切に直立状態に維持することができる。一方、前記直立モーメント発生部分が前記第一接地部8fの両端部にある場合には、一輪車2の転倒を防止することができる。ただし、これらの効果を発揮させる第一交線100の形状は、該第一交線100が第二曲線部109を備えている場合に限定されるものではない。例えば、当該第二曲線部109の効果と同様の効果を有する部分として、前記第一交線100が直線部210を備えていてもよい。つまり、前記第一接地部8fが前記直線部210に相当する部分を有し、当該部分が接地している場合には、一輪車2の姿勢は、当該部分が接地している状態を維持する。したがって、本件例、或いは、第一変形例において、第二曲線部109を直線部210に置換することにより、前記一輪車2が姿勢を適切に直立状態に維持する効果、又は、一輪車2の転倒を防止する効果が発揮されることになる。また、第二変形例の実施の形態において、第一交線100は、図12に示すように、直線部210の他に、曲線部220を備えている。そして、この曲線部220の上の点はいずれも第一点104である。すなわち、前記曲線部220は、本件例における第一曲線部108に相当する。したがって、第二変形例に係る直線部210は、本件例に係る第二曲線部109と同様の効果を奏するため、第二変形例の実施の形態に係る一輪車2も、前記姿勢を傾斜状態に変化させ易く、かつ、該姿勢を適切に制御することが可能である。さらに、第二変形例の実施の形態においては、図12に示すように、第一交線100の両端部及び中央部に、前記直線部210が備えられている。かかる場合には、第一変形例と同様、一輪車2の転倒を防止する効果と、一輪車2が前記姿勢を適切に直立状態に維持する効果とが、ともに発揮されることとなる。
以上のように、第二変形例に係る第一交線100は、直線部210と曲線部220とを有し、該第一交線100の中央部及び両端部に、前記直線部210が備えられていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記直線部は、前記第一交線100の中央部、又は、両端部のいずれか一方にのみ備えられていることとしてもよい。ただし、一輪車2の転倒を防止する効果と、一輪車2が姿勢を適切に直立状態に維持する効果とが、ともに発揮される点において、第二変形例の実施の形態の方がより望ましい。
また、第二変形例においては、前記曲線部220上の点が、いずれも第一点104であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、前記曲線部220上の点の中に、第二点105が含まれていることとしてもよい。すなわち、前記曲線部220には、その線上の点がいずれも第一点104である第三曲線部221(すなわち、本件例に係る第一曲線部108に相当する部分)と、その線上の点がいずれも第二点105である第四曲線部222(すなわち、本件例に係る第二曲線部109に相当する部分)とが備えられている場合も考えられる。なお、図13は、直線部210、第三曲線部221、及び第四曲線部222を備えた第一交線100の形状を説明する図である。そして、本変形例の実施の形態においては、図13に示すように、第一交線100の中央部から、直線部210、第四曲線部222、第三曲線部221、及び直線部210が、当該順序で前記第一交線100に備えられている。かかる形状の第一接地部8fを有する一輪車2においても、一輪車2の転倒を防止する効果と、前記一輪車2が姿勢を適切に直立状態に維持する効果が、ともに発揮されることとなる。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る車について説明したが、上記発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
なお、上記実施の形態においては、姿勢制御機構としてCMG30を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。他の姿勢制御機構としては、回転速度を制御することが可能なホイール(一般的にリアクションホイールと呼ばれているもの)等が挙げられ、これらを一輪車2に設けてもよい。ただし、一輪車2に対し、その姿勢を変化させるような大きな外力が働いた場合でも、一輪車2の姿勢を適切に制御することができる。このため、前記CMG30の姿勢制御能力が有効に発揮されることによって、一輪車2の姿勢がより適切に制御されることになる。かかる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態において、CMG30は、回転可能なホイール32を有し、該ホイール32の回転軸32aの軸方向は、一輪車2の上下方向(Z軸)に沿うこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、車の移動方向(X軸)に沿うこととしてもよいし、車輪8の回転軸8aの軸方向(Y軸)に沿うこととしてもよい。
また、上記実施の形態において、前記車輪8の数は一つであることとしたが、これに限定されるものではなく、当該車輪8の数は複数であってもよい。すなわち、上記実施の形態においては、車として一輪車2を例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、二輪車、三輪車、四輪車等にも本発明を適用可能である。ただし、車輪8の数が一つである場合には、車輪8の数が複数である場合に比べて車の姿勢が不安定になり易いため、該姿勢を傾斜状態へ変化させることが、より容易になる。かかる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
2 一輪車 4 車体
8 車輪 8a 回転軸
8b 内筒 8c ゴム部
8d 接地部 8e 非接地部
8f 第一接地部 8g 第二接地部
9 カウンタバランス 30 コントロールモーメントジャイロ(CMG)
32 ホイール 32a 回転軸
34 ジンバル 34a 回転軸
36 ターンテーブル 38 ジンバルモータ
60 内部モータ 100 第一交線
101 一端 102 他端
103 中央 104 第一点
105 第二点 106 第三点
108 第一曲線部 109 第二曲線部
110 第二交線 120 第三交線
210 直線部 220 曲線部
221 第三曲線部 222 第四曲線部

Claims (3)

  1. 回転軸回りに回転可能な車輪、を有する車であって、
    該車の姿勢を制御するための姿勢制御機構、を備える車であって、
    前記車輪は、
    前記回転軸の下方に位置し、該車の動作中に地面に接地可能な接地部、
    を有し、
    前記回転軸を含み、その法線の方向が水平方向となる仮想平面を第一仮想平面としたときに、
    前記接地部と前記第一仮想平面との交線は、直線部と、曲線部とを有し、
    前記曲線部上の点の中には、次の(1)の条件を満たす第一点が含まれることを特徴とする車であり、
    前記交線の両端は、
    前記車輪に備えられ、前記車の動作中に地面に接地しない非接地部、
    に隣接し、
    前記交線の中央は、前記車が直立状態にあるときに接地し、
    前記曲線部の点は、いずれも前記第一点であり、
    前記直線部は、前記交線の両端部、及び、前記交線の中央部に位置することを特徴とする車。
    (1)前記第一点を含み、前記第一仮想平面と直交する第二仮想平面であって、該第二仮想平面の法線方向が前記第一点における前記曲線部の接線の方向となる第二仮想平面が、前記車の重心よりも下方に位置する。
  2. 請求項1に記載の車において、
    前記姿勢制御機構はコントロールモーメントジャイロであることを特徴とする車。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車において、
    前記車輪の数は、一つであることを特徴とする車。
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