JP2007330914A - 酸化性雰囲気水製造方法および装置並びに水処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬液の調製や補充の必要が無い、酸化性雰囲気水の製造方法および装置を提供するとともに、とくにその酸化性雰囲気水を効率よく製造することが可能な方法および装置、並びにそれに関連させた水処理方法および装置を提供する。
【解決手段】球状活性炭あるいは液体系有機化合物由来活性炭に被処理水を通水することで、被処理水中に存在する溶存酸素ならびに活性炭の細孔中に存在する酸素を活性炭の触媒作用により効率よく活性化し活性酸素を発生させることを特徴とする酸化性雰囲気水製造方法および装置、並びに前段に活性酸素発生用活性炭層、続いて活性酸素還元用活性炭層を有し、後段に活性酸素に対し保護が求められる逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置を有する水処理方法および装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、酸化性雰囲気水製造方法および装置並びに水処理方法および装置に関し、半導体製造分野、医薬製薬製造分野、原子力や火力等の発電分野、食品工業等の各種産業、又は研究施設などの水処理施設において、水中の不純物を分解処理等することが可能な酸化力のある酸化性雰囲気水を製造する方法および装置、並びにそれに関連した水処理方法および装置に関する。
従来、水処理工程において各種目的で酸化性雰囲気を示す水が用いられる場合がある。例えば、精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)、ナノろ過膜(NF)、逆浸透膜(RO)モジュールなどの膜装置を長期間安定して運転するためには被処理水への殺菌目的での酸化剤の添加が不可欠である場合があり、モジュールの殺菌が不十分な場合には、膜が微生物に侵食されたり、膜表面に微生物、スライム、有機物が付着して製造水量が減少したり、一次側の圧力損失が増大するなどの問題が生じてしまう。
酸化性雰囲気を示す水を用いる際には、多くの場合酸化剤を添加する手段が採用されている。しかし、このような薬剤を添加する方法は薬液の調整ならびに補充に関する手間やコスト、また薬注ポンプの吐出不良によるトラブルの危険性が常に付きまとい、非常に不利となる。
一方、近年、活性酸素による殺菌、殺藻、有機物分解性能や、難分解性有機物を含有する汚水の処理性能が注目されつつあり、特許文献1には、活性酸素発生能を有するレドックスポリマーを表面に担持した粒子を用いて活性酸素を発生させる装置が、特許文献2には、活性炭を用いて活性酸素を発生させ、難分解性有機物を含有する汚水を処理する方法および装置が、それぞれ開示されている。また、これら特許文献には、活性酸素発生能を有する粒子に対して電極を設ける構成も記載されている。しかし、これら特許文献では、用いる活性炭に関して、活性酸素を効率よく発生させるための手法、例えば、どのような種類の活性炭を使用するのが有効か等については、何ら開示されていない。
特開平11−158675号公報 特開2002−370090号公報
そこで本発明の課題は、基本的に、前述したように各種水処理工程において、酸化性雰囲気を示す水が多く用いられているものの、酸化剤の添加の手間やコストの面で不利であることに着目して、薬液の調製や補充の必要が無い、酸化性雰囲気水の製造方法および装置を提供するとともに、とくにその酸化性雰囲気水を効率よく製造することが可能な方法および装置、並びにそれに関連した水処理方法および装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、非常に安価で入手が容易であるとともに高い触媒活性を示す活性炭の物性に注目し、活性炭により酸化性物質を生成させることで、酸化性雰囲気水を製造することを検討した。
通常、活性炭には多くの細孔が存在しそのなかには多量の酸素が捕捉されているとともに、空気にさらされている水溶液中(被処理水中)には、高いところで約6〜8mg/L程度の酸素が溶け込んでいる。さらに、活性炭の化学構造は基本骨格がグラファイト構造であり、自由電子が多数存在している構造となっている。本発明者らは、これらの点に注目し、酸素が活性炭と相互作用をすることで次に示す反応が進行し、酸化力のある活性酸素(スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル)が生成すると考え、各種形状、原料の活性炭にて確認実験を実施した。
AC + O2 → AC + + ・O2 -
AC +・O2 - + 2H+ → AC + + H2O2
AC + H2O2 + H + → AC + + HO・+H2O
AC: 各種活性炭
その結果、石炭由来粒状活性炭、ヤシガラ由来粒状活性炭に関しては活性酸素の生成は極めて少なく、確認できなかったものの、液体系有機化合物由来球状活性炭、樹脂由来の球状活性炭においては多くの活性酸素が生成していることが確認できた。ここで液体系有機化合物由来活性炭とは、コールタールや石油系ピッチならびにその炭化物のような液体の有機化合物を原料とする活性炭をいい、また、樹脂系由来活性炭とはイオン交換樹脂等の合成有機化合物を原料とした炭素系吸着剤をいうものとする。液体系有機化合物由来活性炭や樹脂系由来活性炭は、一般的に、弾性を有し、ひび割れ等による微粉炭の生成が少ないという特徴を有する。
実験には、以下の活性炭を使用した。石炭由来活性炭は、三菱カルゴン株式会社製”ダイアホープ”(粒状活性炭)を使用した。ヤシガラ由来活性炭は、三菱カルゴン株式会社製”ダイアソーブ”(粒状活性炭)を使用した。液体系有機化合物由来活性炭としては、石油ピッチを原料とする、株式会社クレハ社製A-BAC (球状活性炭)を使用した。樹脂由来活性炭は、ローム・アンド・ハース社製”アンバーソーブ”(球状活性炭)を使用した。
また、活性酸素の測定は、特公昭56-54582号公報の記載に準じて、フェノールフタリンと硫酸銅による過酸化水素の呈色反応において、吸光度を測定することで行った。実験結果を表1に示す。実験概要は以下の通りである。
・各種活性炭40wet-g を1000mL純水中に浸漬し攪拌
・活性炭浸漬時間:10分間
Figure 2007330914
上述したように、液体系有機化合物由来の球状活性炭、ならびに樹脂由来球状活性炭において、活性酸素の生成が顕著に確認された。この現象を利用して活性酸素を発生させ、酸化性雰囲気水の生成が可能と考えられる。この活性酸素の発生のためのサイクルを図1に示す。
図1に示すサイクルにて、活性酸素が生成し、活性酸素により酸化殺菌などが実施されていくと(活性酸素が使用されていくと)、活性炭が保持していた電子が放出されていき、活性炭は次第にプラス型となる。よって、ある程度の時間がたつと、活性酸素の生成量は落ち込んでいくことが予測される。そこで、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、活性炭に電極を接触させ電位の異なる対電極と接続することで、電位差を生じさせ、電子の授受が円滑に行えるようになり、活性酸素の生成を長い間維持できることを確認した。また、電位差による電子の授受以外にも、直流電源を接続することにより、電流を間欠、もしくは連続的に印加し電子の授受を強制的に実施する方法も実施可能であることを確認した。
ここでの電極の配置は、酸化性雰囲気水が生成する活性炭充填層側に−極を、そして対極となる+極を酸化性雰囲気水を生成する活性炭充填層の前段・後段、もしくはその活性炭充填層との間に隔膜を設置した際の、他方の部屋などに配置することとする。前記のような電極の配置とすることで、活性炭充填層にて電子を受け取り活性酸素となった、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなどが、再び後段ならびに隔膜で隔てられた隣室へと移動、+極と接触し電子を奪われることで、上記図1の反応図の逆反応が進行する。そのため、殺菌目的の酸化性雰囲気水の利用であれば、必要とされる区間にて殺菌のために消費された活性酸素以上に発生してしまった活性酸素を、後段ならびに、隔膜にて分離した隣室にて再び酸化力のより低い物質に変換することができ、酸化力を低減することが可能となる。さらに、その際に+極で奪い取った電子を再度前段に設置した−極にて活性酸素生成に利用できるので、酸化性囲気水の生成能力を向上させることが可能となるとともに、効率的に電子の授受を進めることが可能となる。また、−極と+極とを近傍に配置してしまうと、−極付近に活性酸素が生成してもその系内にある+極にて即座に酸素へと変換されてしまうため、酸化性雰囲気水の酸化の度合いは低いものとなり、有効利用できる範囲は狭いものに限られてしまう。
また、本発明で酸化性雰囲気水中の酸化力を示す物質は前述したように、活性酸素である。活性酸素の反応物は活性炭が細孔内に捕捉している酸素、ならびに被処理水中に存在する溶存酸素であるため、本発明では特に酸化性物質の生成源となる物質を添加する必要もなく、電解質などとして用いる必要もない。
さらに本発明者らは、活性炭には前述したような電子を放出して酸素を還元する反応のほかに、鉄(Fe2+ →Fe3+) やマンガン(Mn2+ →Mn4+→Mn7+) などの遷移金属イオンから電子を奪いとり酸化する能力があることも予備実験にて確認した。よって、活性炭への電子の供給はFe2+やMn2+、Mn4+などの遷移金属還元体を添加することでも可能であり、Fe、Mnを固体金属のまま活性炭充填層に存在させる、もしくは被処理水中に添加することでも電子の供給は可能と考えられる。また、H2O2とFe2+が共存すると、下記フェントン反応が進行し、より酸化力の高い活性酸素種、ヒドロキシラジカルが生成する。そのため、より強い酸化性雰囲気を有する水を製造することが期待できる。また、過酸化水素は、鉄イオンが媒介することでスーパーオキサイドと反応し、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化することが知られている(ハーバーワイス反応)。
Fe2++H2O2→Fe3++HO- +HO・ (フェントン反応)
O2 - +H2O2→HO・+HO- +O2 (ハーバーワイス反応)
以上のことから、電子供給源として用いる金属は多様にあるが、鉄を用いると高い性能が得られると考えられる。
また、活性酸素の発生源となる酸素も通水される被処理水中にある程度溶存しているものの、酸素を含有するガスをバブリングすることでさらに、活性酸素の生成を促進することが可能と考えられる。また、塩酸や硫酸などの鉱酸や、クエン酸やシュウ酸などの有機酸を添加することで、活性酸素生成反応物であるH+ を供給し、活性酸素の生成を促進することも可能と考えられる。クエン酸やシュウ酸は還元性を有するため、発生した活性酸素を還元することを防止することを目的として、間欠的に添加する、もしくは添加量を微量にして継続的に添加することが望ましい。
また、前述の実験結果で示したとおり、石炭由来粒状活性炭、ヤシガラ由来粒状活性炭においては活性酸素の生成は測定下限値以下であることが確認された。また、一般的に石炭系、ならびにヤシガラ系の活性炭にて活性酸素であるH2O2が分解処理できることが知られている。よって、液体系有機化合物由来、樹脂由来活性炭の後段に、石炭、ヤシガラなどの固体原料由来の活性炭を設置することで前段活性炭装置で生成したH2O2などの活性酸素が除去でき、後段に酸化性雰囲気水によって劣化してしまう装置、たとえば逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置などがあった場合でも、逆浸透膜やイオン交換樹脂等の劣化を抑制することができ、安定的な運転が可能となる。
すなわち、従来、水処理プラントにおいて、各種目的で活性炭を用いて不純物を吸着除去や分解処理する手法が多くとられている。例えば、市水、工業用水、地下水などの脱塩に用いる逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置の前段にて、原水の滅菌のために添加している塩素や次亜塩素酸等の酸化剤を、例えば以下の反応式に示すように、活性炭により接触分解除去する方法などは代表的なものである。
C + HClO→ C・・・O * + HCl ( * C ・・・O:活性炭の表面酸化物)
このとき、活性炭からの活性酸素の生成がおこると、後段のイオン交換樹脂や逆浸透膜分離が酸化劣化することが懸念される。原水中の不純物量が少ない場合には、活性酸素の発生量も表1に示した程度であり、問題になることは少ないと思われるが、原水中の遷移金属の濃度が高い場合、特に、鉄や亜鉛、マンガン、銅の濃度が高い場合には、活性酸素の発生量が多く、当該劣化が顕著に起き得る。
また、活性酸素は反応性が高いため、前段の活性炭装置(相対的に前段の活性炭層)で生成した活性酸素が後段のイオン交換樹脂装置や逆浸透膜分離装置に到達するまでに、大部分は配管内で消費されるなどして、実際にこれらの装置へ流入する活性酸素量は少量である。しかしながら、活性炭装置の運転を継続していると、活性炭同士の磨耗によるひび割れ等で微粉炭が生成し、当該微粉炭がこれらの後段装置へと流入する。多くのプラントでは、微粉炭の除去のために活性炭装置(活性炭層)の後段に除去フィルターを設置しており、直径1μm以上の微粉炭の大部分は、当該フィルターにより除去される。しかしながら、生成する微粉炭には直径0.1μm以下のものもあり、これらの微粉炭は、通常のフィルターによる除去が困難な為、後段のイオン交換装置や逆浸透膜分離装置に流入してしまう。
その微粉炭が、酸化劣化に弱いイオン交換樹脂装置や、逆浸透膜分離装置内に流入してしまうと、その接触点で局所的に活性酸素が生成してしまい、局所的に酸化劣化を引き起こすことが考えられる。鉄や亜鉛、マンガン、銅等の遷移金属の還元体が原水中に存在するとその傾向はさらに大きくなる。
そこで、原水性状によっては、逆浸透膜分離装置等の前段に設置する活性炭装置において、固体原料由来の活性炭のように活性酸素をほとんど発生させない活性炭を使用することで、後段の装置の酸化劣化を防止することができる。
同様の効果は、活性酸素を発生しやすい活性炭を充填した活性炭装置内において、処理水の流出側に固体原料由来の活性炭を積層することや、活性炭層内に電極を配置して電位を印加することでも達成できる。このとき、電位は正でも負でもよく(正電位の印加であれば、活性酸素の酸化反応が進行し最終的には酸素に変換される。負電位の印加であれば活性酸素の還元反応が進行し、最終的には水にまで変換される。)、印加の方法は、パルス的印加でも定電位印加、定電流印加でもよいし、間欠的に印加することもできる。また、それらの電位の基準となる基準電極を設置し、電極電位のぶれを防止してもよい。基準電極の種類としてはどのようなものでもよいが、水溶液系であれば銀/塩化銀電極、ならびに飽和カロメロ電極、非水溶液系であれば銀/銀イオン電極などが一般的である。電極電位の構成としては、活性酸素雰囲気水製造装置側(前段)の電極は負電位として、電極の活性低下を抑えられるように間欠的に極低い電流値を与えることが好ましい。また、電極の活性低下が進行した際には、逆電位を与える、もしくは、印加電圧を水の電気分解による水素発生が起る電位まで大きくとり、電極表面ならびに活性炭表面に生成した反応阻害物質を水素発生による気泡の発生により強制的に取り除くことで、活性を回復することが可能である。また、酸化性雰囲気水を処理する、後段装置においての活性炭層電極電位は負電位とし、継続的に印加し水の電気分解が起らない程度の電極電位にすることが好ましい。
さらに、前述の酸化性雰囲気水製造装置における知見を利用して、酸化性雰囲気水還元手段を構成することができる。
つまり、逆浸透膜分離装置等の前段にて次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤の添加、ならびに酸化性雰囲気水を発生させやすい液体系有機化合物由来の活性炭や、樹脂由来の活性炭等が使用されている場合、さらに原水中の鉄や亜鉛、マンガン、銅などの遷移金属イオンの濃度が高く、その後段に活性炭装置が設置されていた場合には、本発明に係る酸化性雰囲気水還元手段を設置することで、システム後段のイオン交換樹脂や逆浸透膜等の酸化劣化しやすい部材の消耗を抑制することができる。
酸化性雰囲気水還元手段としては、還元剤注入手段や、電極を配置して電位を印加したり、当該電極を設置することでもよいが、前述の酸化性雰囲気水製造装置における知見を利用して、固体原料由来の活性炭のように酸化性雰囲気を発生させにくい活性炭を充填した活性炭装置や、活性炭を充填した活性炭装置の活性炭層内に電極を配置し、電位を印加することが挙げられる。
酸化性雰囲気水還元手段として、酸化性雰囲気水を発生させにくい活性炭を充填した装置を設置する場合には、酸化性雰囲気を発生させている前段の活性炭装置における被処理水の空間速度SV [ s-1] を、酸化性雰囲気水還元手段である後段の活性炭装置における被処理水の空間速度SV [ s-1] よりも速く設定することが好ましい。活性酸素は反応性が高いため、活性炭との接触時間が長くなるほど、活性炭による分解が進行すると考えられるからである。さらに、前段の活性炭装置、及び、後段の活性炭装置に電極を配置し、当該電極をそれぞれ接続する構成をとることもできる。当該構成をとることにより、電子の授受が円滑に行われ、効率よく活性酸素の生成と分解を行うことができる。
ここで、表1の予備実験においては、石炭由来の活性炭やヤシガラ由来の活性炭のような固体原料由来の活性炭は、それ単体で使用した場合には、活性酸素の生成量は検出限界以下であり、ほぼ発生していないと考えられる。ところが、これらの固体原料由来の活性炭であっても、鉄粉等の金属還元体を存在させた状態で同様の実験を行うと、活性酸素が生成された。つまり、石炭由来、ヤシガラ由来の活性炭のような固体原料由来の活性炭においても、性能は低いものの活性酸素生成能を有するものと考えられる。
しかしながら、前述の通り、前段の活性炭装置、及び、後段の活性炭装置に電極を配置し、当該電極同士を接続する構成を採った場合、前段の活性炭装置(酸化性雰囲気水製造装置)において、被処理水中の金属還元体の大部分が酸化されるため、後段の活性炭装置(酸化性雰囲気水還元装置)において、活性酸素はほとんど発生しない。
前段の活性炭装置、及び、後段の活性炭装置に電極を配置し、当該電極同士を接続し、さらに、電圧を印加することで、とくに後段の活性炭装置の電極に正の電位を印加する構成とすることで、後段の活性炭装置における活性酸素の発生を確実に防止することができる。
さらに後述の図12、図13に示したような構成を採ることで、前段の酸化性雰囲気水生成目的の活性炭装置、ならびに後段の活性炭装置に配置した両方の電極に負の電位を印加することができる。この場合には、後段の活性炭装置に配置した電極に印加する電位の絶対値を、前段の活性炭装置に配置した電極に印加する電位の絶対値より高くすることで、前段の装置で発生した活性酸素をさらに還元し水にまで分解することが可能となる。
酸化性雰囲気水還元手段として、活性炭層内に電極を配置した装置を設置する場合においては、印加する電位は正でも負でもその目的を達成することができる。すなわち、図1に示されるように、酸化性雰囲気水中の活性酸素の一形態である過酸化水素は酸化剤としても還元剤としても作用するため、負の電位を印加する場合には、図1の反応を右から左へと強制的に進行させることで、活性酸素であるO2 -やH22をH2Oに変化させることができる。一方、正の電位を印加する場合には、図1の反応を左から右へと強制的に進行させることで、O2に変化させることができる。
また、活性炭層内に複数の電極を配置し、パルス電位を印加することで、活性酸素をH2OやO2に変化させることもできる。
ただし、活性酸素の中でも初期に生成し、生成が容易に進む(O2 -)がアニオンであることから、酸化性雰囲気水還元手段として利用する場合には、正電位、あるいは、パルス電位を印加することで効率よく酸化性雰囲気水を還元することができる。パルス電位を印加した場合には、電極の失活を防止することができる。
また、酸化性雰囲気水還元手段の前段には、脱気手段を設けることが好ましい。活性酸素生成反応の反応出発物である酸素を除去するためである。
これらの酸化性雰囲気水還元手段は、逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置の被処理水に酸化剤が含まれている場合に、当該酸化剤を還元処理するのにも用いることができる。
例えば、逆浸透膜分離装置の被処理水に、被処理水の滅菌のために添加している次亜塩素酸イオンが残留しているような場合、当該イオンは酸化力が強く、電子を奪う能力が高いことから、陰極での還元反応により処理することができる。当該イオンは、アニオンであることから、当該イオンの処理速度は陰極への当該イオンの拡散が律速になり、処理速度を向上するためには、陰極の電極面積を大きくする必要がある。活性炭は導電性があるため、活性炭層内に電極を配置した構成とした前記酸化性雰囲気水還元手段は、当該イオンの処理に好適である。
一方、逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置の前段に活性炭装置を設置している場合において、微粉炭の流入により逆浸透膜やイオン交換樹脂の劣化が起ることが想定される場合には、活性炭装置から後段の逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置に微粉炭が流入するのを防止するため、活性炭装置後段のフィルターを複数段設置することが望ましい。このとき、フィルターの目開きを除々に小さくすることで、差圧の上昇を防止しながら、微粉炭が後段の逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置に流入するのを抑制することができる。
また、前記活性炭装置や酸化性雰囲気水還元手段に使用する活性炭は、球状の活性炭とすることが好ましい。運転中の磨耗による微粉炭の生成を低減できるからである。さらに、液体系有機化合物由来の活性炭を使用した場合には、当該活性炭は、弾性を有し、強度が高いため、ひび割れなどによる微粉炭の生成を低減できる。
なお、酸化性雰囲気水還元手段に液体系有機化合物由来の活性炭を使用する場合には、酸化性雰囲気水の発生を抑制するために、当該活性炭層内や活性炭の後段に電極を配置し、電位を印加することが好ましい。しかし、原水の金属イオン濃度等により、活性炭による活性酸素の生成が極めて少ない場合には、前述したように、活性酸素は後段の装置に到達するまでに大部分は消費されてしまう。よって、微粉炭の生成が極めて少ない、液体系有機化合物由来、樹脂由来の活性炭を用いるだけでも、後段装置の劣化を抑制することが可能な場合もある。
上記のような各種検討の結果、次のような本発明が完成されたものである。
すなわち、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法は、活性炭に被処理水を通水することで、被処理水中に存在する溶存酸素ならびに活性炭の細孔中に存在する酸素を活性炭の触媒作用により活性化し活性酸素を発生させることを特徴とする方法からなる。
この酸化性雰囲気水製造方法においては、上記活性酸素の発生に球状活性炭を用いることができる。また、活性酸素の発生に、原料が液体系有機化合物由来の活性炭を用いることもできる。さらに、このような活性酸素の発生に、原料が樹脂由来の活性炭を用いることもできる。
上記活性炭は、例えば、隔壁にて隔離した少なくとも一方の部屋に配置する構成とすることができる。隔壁には、イオン交換膜を用いることもできるし、モノリス状有機多孔質イオン交換体を用いる用いることもできる。このモノリス状有機多孔質イオン交換体は、連続気泡構造を有するものであり、例えば、特開2002-306976号公報や特開2003-166982 号公報に示す方法により得られる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法においては、−極と+極の電極をそれぞれ配置し、その少なくとも−側の電極付近に前記活性炭の充填層を形成するようにすることができる。これら電極に電圧を間欠もしくは連続的に印加し、活性炭へ電子が供給されるようにすることで、発生する活性酸素の量を継続的に維持することができる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法においては、被処理水を、上流側の活性炭充填層から下流側の活性炭未充填層または別の活性炭充填層へと流すようにする構成とすることができる。この場合、上流側の活性炭充填層を活性酸素発生用に、下流側の別の活性炭充填層を酸化性雰囲気水の還元用に用いることができる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法においては、活性炭の充填層ならびにその前段にて酸素含有ガスをバブリングすることもできる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法においては、活性炭への電子供給のために、還元体金属を被処理水中に添加する、または、活性炭充填層に存在させる、もしくは、還元体金属を含む原水を被処理水として用いることができる。
さらに、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法においては、酸化性雰囲気水を製造しそれを利用した後に、例えば酸化性雰囲気水による劣化の進行の懸念がある装置が存在する場合には、次のような構成の水処理を行うことが可能である。すなわち、上記のような方法により酸化性雰囲気水を製造した後、後段にて、固体原料由来の活性炭に通水することで酸化性雰囲気水を還元することを特徴とする水処理方法である。
本発明に係る酸化性雰囲気水製造装置は、活性炭に被処理水を通水することで、被処理水中に存在する溶存酸素ならびに活性炭の細孔中に存在する酸素を活性炭の触媒作用により活性化し活性酸素を発生させることを特徴とするものからなる。
この酸化性雰囲気水製造装置においては、上記活性炭は、球状活性炭あるいは原料が液体系有機化合物由来の活性炭からなることができ、さらに、これら活性炭が、原料が樹脂由来の活性炭からなることもできる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造装置においては、上記活性炭が、隔壁にて隔離した少なくとも一方の部屋に配置されている構成とすることができる。隔壁はイオン交換膜やモノリス状有機多孔質イオン交換体から形成できる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造装置においては、−極と+極の電極がそれぞれ配置され、その少なくとも−側の電極付近に前記活性炭の充填層が形成されている構成とすることができる。これら電極に電圧を間欠もしくは連続的に印加され、活性炭へ電子が供給されるようにすることで、発生する活性酸素の量が継続的に維持されるように構成することができる。電圧を間欠的に印加した場合、電極表面ならびに活性炭表面における電気化学的反応の進行を極力抑えることが可能で、電極ならびに活性炭表面への酸化被膜の形成などによる活性低下を防止することができる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造装置においては、被処理水が、上流側の活性炭充填層から下流側の活性炭未充填層または別の活性炭充填層へと流される構成とすることができる。この場合、上流側の活性炭充填層が活性酸素発生用に、下流側の別の活性炭充填層が酸化性雰囲気水の還元用に用いられる構成とすることができる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造装置においては、活性炭の充填層ならびにその前段にて酸素含有ガスをバブリングする手段を有する構成とすることができる。
また、本発明に係る酸化性雰囲気水製造装置においては、活性炭への電子供給のために、還元体金属が被処理水中に添加される、または、活性炭充填層に存在される、もしくは、還元体金属を含む原水が被処理水として用いられる構成とすることができる。
さらに、本発明は、上記のような酸化性雰囲気水製造装置と、その後段に設けられ、酸化性雰囲気水を還元する固体原料由来の活性炭充填層を備えた酸化性雰囲気水還元装置を有することを特徴とする水処理装置も提供する。
さらにまた、本発明は、上記のような酸化性雰囲気水の製造に関連させた、水処理方法および装置についても提供する。
すなわち、本発明に係る水処理方法は、被処理水を活性炭に通水した後逆浸透膜分離装置またはイオン交換樹脂装置に通水する水処理方法において、活性炭層を複数段配設して相対的に前段の活性炭層を活性酸素発生用の活性炭層、相対的に後段の活性炭層を活性酸素還元用の活性炭層として使用することを特徴とする方法からなる。つまり、活性炭装置の後段に逆浸透膜分離装置またはイオン交換樹脂装置が設置される場合に、活性酸素を酸化、或いは、還元処理(酸化性雰囲気水を還元)してからそれらの後段の装置に通水し、逆浸透膜やイオン交換樹脂の劣化を防止して保護するようにしたものである。なお、相対的に前段の活性炭層とは、必ずしも最前段の活性炭層を意味するものではなく、また、後段の活性炭層とは、必ずしも最後段の活性炭層を意味するものではない。
この水処理方法においては、上記前段の活性炭層における被処理水の空間速度を上記後段の活性炭層における被処理水の空間速度よりも速く設定することが好ましい。
また、上記前段の活性炭層および上記後段の活性炭層に電極を配置し接続、もしくは電源を介して両電極を接続することが好ましい。
また、相対的に前段の活性炭層と最後段の活性炭層に配置した電極に負の電位を印加することも好ましい。この場合、最後段の活性炭層に配置した電極に印加する電位の絶対値を、前記前段の活性炭層に配置した電極に印加する電位の絶対値よりも高く設定することが好ましい。
また、電極にはとくにパルス電位を印加することが好ましい。
また、活性炭には球状活性炭を用いることが好ましく、とくに球状活性炭に液体系有機化合物由来の活性炭を用いることが好ましい。
本発明に係る水処理装置は、被処理水を活性炭に通水した後逆浸透膜分離装置またはイオン交換樹脂装置に通水する水処理装置において、活性炭層を複数段配設して相対的に前段の活性炭層を活性酸素発生用の活性炭層、相対的に後段の活性炭層を活性酸素還元用の活性炭層に構成したことを特徴とするものからなる。
この水処理装置においては、上記前段の活性炭層における被処理水の空間速度が上記後段の活性炭層における被処理水の空間速度よりも速く設定されていることが好ましい。
また、上記前段の活性炭層および上記後段の活性炭層に電極が配置されて接続、もしくは電源を介して両電極が接続されていることが好ましい。
また、相対的に前段の活性炭層と最後段の活性炭層に配置された電極に負の電位が印加されることも好ましい。この場合、最後段の活性炭層に配置された電極に印加される電位の絶対値が、前記前段の活性炭層に配置された電極に印加される電位の絶対値よりも高く設定されることが好ましい。
また、電極にはとくにパルス電位が印加されることが好ましい。
また、活性炭には球状活性炭が用いられていることが好ましく、とくに球状活性炭に液体系有機化合物由来の活性炭が用いられていることが好ましい。
本発明によれば、酸化性雰囲気水を必要とする各種工程において、薬液の調整・添加の手間やコストを排除できるとともに、薬注ポンプのトラブルによる注入不良などの心配もなく、被処理水中に存在する溶存酸素ならびに活性炭の細孔中に存在する酸素を活性炭の触媒作用により、中でも特定の活性炭の触媒作用により活性化し効率よく活性酸素を発生させた酸化性雰囲気水を製造でき、それを酸化性雰囲気水を必要とする各種工程に供給することができる。装置に電極を配置すれば、長期間酸化性雰囲気水の製造が可能となりメンテナンスフリーの状態で運転を行うことが可能となる点で非常に有利である。
また、後段に逆浸透膜分離装置またはイオン交換樹脂装置を有する本発明の水処理方法および装置によれば、効率よくかつ安定して酸化性雰囲気水を生成してその役目を果たさせ、酸化性雰囲気水の役目が終わった後にはそれを還元して、かつ、微粉炭の発生を抑えて逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置に通水することが可能になるので、逆浸透膜やイオン交換樹脂の劣化を抑えつつ、目標とする水処理を行うことが可能となる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明は、活性炭充填層に水を通水することで、酸化性雰囲気水を生成させる方法ならびに装置である。適用される被処理水としては、活性炭が汚染されない程度の純度の水が好ましく、例えば、工業用水、地下水、湖沼河川水、水道水、純水、回収水などが挙げられる。
本発明における活性炭装置の形態は、処理流量ならびに設置面積などにより随時決定すればよく特に本発明では限定しない。また、用いる活性炭の形態は、球状もしくは略球状など、磨耗によるひび割れにつながる角を有さないものであればどのような形態でもよく、角を有さないものであれば全て本発明の範囲内とする。また、その直径などに関しても、製造しやすく扱いやすいものであれば良く、特に限定しないものとする。さらに原料に関しては、弾性を有し、強度が高くなり、ひび割れなどによる微粉炭の生成を低減できる液体系有機化合物由来のものが好ましく、コールタールならびにその炭化物、および石油系ピッチならびにその炭化物などを用い、製造されたものを使用すると良いが、特にここでは限定しないものとする。また、活性炭の原料は天然ならびに合成樹脂でもよく、フェノール樹脂、アクリル樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ならびにプラスチック廃棄物、さらに水処理にてよく用いられるイオン交換樹脂でもよく、特にここでは限定しないものとする。
本発明における活性酸素生成装置に充填する活性炭の例としては、例えば、クレハ社製石油ピッチ由来球状活性炭A-BAC:平均粒径0.6 mmなどが挙げられる。
本装置を設置する場所としては、特に限定しないが、純水製造プラントなどでは、脱気膜等の溶存酸素除去装置の前段にて設置することが好ましい。
また、電極を設ける場合、電極に用いる材料としてはどのようなものでもよく、特にここでは限定しないが、電子の授受の場となる比表面積が大きい電極材料が好ましい。例えば比表面積が大きく、酸・アルカリに対する耐性が高くかつ、貴金属電極に比べ安価であるグラファイト電極などが適当であると考えられる。さらに電極間に電圧を印加する場合は、間欠、連続どちらでもよくとくに本発明では特に限定しないものとする。また、印加形態も定電流、定電圧など結果的に活性炭で消費された電子が供給されればどちらでもよくここでは特に限定しないものとする。また、印加電圧、印加電流ともに本発明では限定しないが、継続的に酸化性雰囲気水が生成される範囲であれば、極めて低い印加電圧、印加電流でもかまわない。特に本発明においては、水の電解反応ではなく、主に活性炭の触媒作用により活性酸素を生成させるようにしているため、特に高い電圧を必要とせず、活性炭の荷電状態が電子不足状態にならない程度に電子を供給できる程度の電圧・電流を印加すればよい。
また、金属還元体を使用する場合には、活性炭の触媒作用により酸化反応が進行するものであれば、どのような金属でもよく、その形態も固体(単体)状、分子状、イオン状などどのような形態でもよい。とくに、鉄においては、活性炭による酸化反応は顕著に進み、本発明においては高い効力を発揮する。
鉄は酸素+活性炭により水酸化第二鉄に変化する(酸化反応進行=活性炭へ電子を供与)。固体鉄を活性炭と直接触れさせると発熱(同一系内におくと反応は即座に進行し終息してしまう)ので、持続性を持たせるためには系外から間欠的に添加する必要あると考えられる。活性炭は単独でH2O2を生成するが、H2O2と鉄もしくは銅にてフェントン反応を進行させると、反応性が非常に高いOH・が生成する。
本発明の装置で生成する酸化性雰囲気水の酸化性度合いを示す指標として、本発明者らは酸化還元電位(ORP)を用いた。本発明における酸化性雰囲気水とは酸化還元電位が+300 mV以上、好ましくは+400 mV以上、さらに好ましくは+600 mV以上の水もしくは水溶液のことを指している。一般的に酸化還元電位(ORP)は、相対評価に用いられることが多いが、本発明者らの経験上+300 mV以上で酸化的になっているものと考えられる。
図11、図12は、前記酸化性雰囲気水製造手段と前記酸化性雰囲気水還元手段において、二組の対電極用いた際の構成の一態様である。本発明はこの範囲に特に限定されるものではない。
図11に示す水処理装置においては、被処理水51を逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置(図示例では逆浸透膜分離装置52、ROと表示)に通水する前に、活性炭層に通水するに際し、複数段(図示例では3段)の活性炭装置(活性炭層)53、54、55に通水される。最前段の活性炭装置53に配置された電極57(−電極)と中段の活性炭装置54(最後段の活性炭装置55に対しては相対的に前段の活性炭装置となる)の前段部に配置された電極58(+電極)に電源56から電位が印加され、中段の活性炭装置54の後段部に配置された電極60(+電極)と最後段の活性炭装置55に配置された電極61(−電極)に電源59から電位が印加される。最前段の活性炭装置53に配置された電極57は活性酸素生成用として機能し、中段の活性炭装置54に配置された電極58、60は活性酸素酸化処理用として機能し、最後段の活性炭装置55に配置された電極61は活性酸素還元処理用として機能する。
図12に示す水処理装置においては、被処理水51を逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置(図示例では逆浸透膜分離装置52、ROと表示)に通水する前に、活性炭層に通水するに際し、複数段(図示例では3段)の活性炭装置(活性炭層)53、54、55に通水される。最前段の活性炭装置53に配置された電極62(+電極)と中段の活性炭装置54(最後段の活性炭装置55に対しては相対的に前段の活性炭装置となる)の前段部に配置された電極63(−電極)に電源56から電位が印加され、中段の活性炭装置54の後段部に配置された電極60(+電極)と最後段の活性炭装置55に配置された電極61(−電極)に電源59から電位が印加される。最前段の活性炭装置53に配置された電極62は酸素発生、H+ 濃度増加用として機能し、中段の活性炭装置54の前段部に配置された電極63は活性酸素生成用として機能し、中段の活性炭装置54の後段部に配置された電極60は活性酸素酸化処理用として機能し、最後段の活性炭装置55に配置された電極61は活性酸素還元処理用として機能する。
なお、図11、図12に示した水処理装置においては、各電極に印加される電位はパルス印加により付与してもよく、低電位印加により付与してもよく、間欠印加も可能である。また、最後段の活性炭装置55に配置された電極61は、活性酸素還元処理用として機能させることからその極性を負に設定することが好ましいが、最前段、中段の活性炭装置に配置された各電極の極性は、要求機能に応じて設定すればよい。例えば、図11に示したように中段の活性炭装置54に配置された電極58、60を両方とも+電極とすることができるし、場合によっては一つの活性炭装置内の前後段に配置される電極を両方とも−電極とすることもできる。
図11に関して、最前段の活性炭層53(−電極設置)にて活性酸素の生成により酸化性雰囲気水が製造される。つぎの中段の活性炭層54(+電極設置)にて酸化性雰囲気水中の活性酸素を酸化処理する。その後、最後段の活性炭層55(−電極設置)にて還元処理を実施し、残りの活性酸素を還元処理する。この際、前段の対電極間の電極間電位よりも、後段の対電極間での電極電位を大きくとることが好ましく、最後段の活性炭装置の前段に酸素除去目的の脱気装置を設置することがより好ましい。電位の印加方法や形態などは前述してきたとおり、どのような方法でもよく適宜決定する必要がある。
図12に関して、最前段の活性炭層53(+電極設置)にて酸化反応を進行させ、pHを酸側にふる。つぎに、空気ならびに酸素を供給した後、中段の活性炭層54(−+電極設置)にて活性酸素の生成により酸化性雰囲気水を製造し、その後酸化性雰囲気水中の活性酸素を酸化処理する。最後段の活性炭層55(−電極設置)にて還元処理を実施し、残りの活性酸素を還元処理する。この際、前段の対電極間の電極間電位よりも、後段の対電極間での電極電位を大きくとることが好ましく、最後段の活性炭装置の前段に酸素除去目的の脱気装置を設置することがより好ましい。電位に印加方法や形態などは前述してきたとおり、どのような方法でもよく適宜決定する必要がある。また、中段の活性炭層54における活性酸素の生成を助長するために、該活性炭層54に被処理水を導入する前に空気または酸素64を注入することも好ましい。
以下に、本発明に関していくつかの実施例を示す。
実施例1
図2のフローに示すように、被処理水1を、液体系有機化合物由来の球状活性炭を充填した活性炭装置2に通水し、処理水として酸化性雰囲気水3を製造した。下記条件により運転を行い、1時間経過後と運転後30日後に被処理水と処理水をサンプリングし、その酸化還元電位を測定した。被処理水には純水を一度タンクに貯め、大気飽和したものを用いた。
(実験条件)
被処理水:純水
水温:25±2 ℃
pH:5.8±0.4
運転期間:30日
被処理水流量:100 L/h
活性炭装置SV:15 h-1
活性炭:液体系有機化合物由来球状活性炭
結果を表2に示す。運転開始1時間後には良好に酸化性雰囲気水が製造できているが、30日後には酸化性雰囲気水の度合いを示すORPの値が低くなった。また、運転開始後1時間後の処理水中のH2O2の濃度を測定したところ、118ppb生成していること確認した。
Figure 2007330914
比較例1
図3、図4のフローに示すように、被処理水1を、石炭由来の粒状活性炭を充填した活性炭装置4(図3)またはヤシガラ由来の粒状活性炭を充填した活性炭装置5(図4)に通水し、処理水として酸化性雰囲気水3を製造した。その他の条件は実施例1と同様にして実験を実施した。
結果を表3、表4に示す。運転開始後1時間後、30日後ともに酸化性の度合いを示すORPの値が低く、酸化性雰囲気水の生成は確認できなかった。また、実験開始後1時間後の処理水中のH2O2の濃度を測定したところ、石炭由来粒状活性炭、ヤシガラ由来粒状活性炭ともに<1ppbと生成を確認することはできなかった。
Figure 2007330914
Figure 2007330914
実施例2
図5に示すように、被処理水1を、槽6内をイオン交換膜7(アニオン交換膜:AEM)で隔成した一方の室内に充填された液体系有機化合物由来の球状活性炭の層8に通水し、その室に−極9、他方の未充填の室に+極10を配置し、両電極9、10間に電圧印加手段11により100 mVの直流電圧を印加した。液体系有機化合物由来球状活性炭層8通過後に処理水1としての酸化性雰囲気水12が得られ、その酸化性雰囲気水12を+極10を配置した室に通水して酸化性雰囲気水12を還元し、処理水2としての酸化処理還元水(殺菌水)13を得た。下記条件により運転を行い、1時間経過後と運転後30日後に被処理水と処理水をサンプリングし、その酸化還元電位を測定した。被処理水には純水を一度タンクに貯め、大気飽和したものを用いた。
(実験条件)
被処理水:純水
水温:25±2 ℃
pH:5.8±0.4
運転期間:30日
被処理水流量:100 L/h
活性炭充填層SV:15 h-1
活性炭:液体系有機化合物由来球状活性炭
電極:
陽極:グラファイト電極
陰極:グラファイト電極
印加電圧:100 mV (DC)
結果を表5に示す。運転開始後1時間後、30日後ともに、活性炭充填層の出口(処理水1)では酸化性の度合いを示すORPの値が680 mV、695 mVと高く、酸化性雰囲気水の生成が確認できた。また、その後の陽極室出口水(処理水2)に関しては、ORPの値が1時間後で223 mV、30日後で 211 mVと、ともに酸化性の度合いが被処理水と同等のレベルにまで戻されていることが分かる。本実施例では、槽6内をイオン交換膜7で隔成しているが、絶縁膜でも、公知のスペーサーでもよい。
つまり、活性炭を充填した活性炭装置に一方の電極を設置し、その後段の配管内にもう一方の電極を設置する構成とすることもできる。
また、本実施例では、運転期間が比較的短期間であったため、活性炭層を保持するためにイオン交換膜を使用しているが、イオン交換膜と活性炭の接触点で局所的に活性酸素が生成し、イオン交換膜が酸化劣化するのを防止するため、活性炭層とイオン交換膜の間に、メッシュのようなスペーサーを設置することもできる。
Figure 2007330914
比較例2
実施例2と同様のフローならびに装置にて、充填する活性炭をそれぞれ、石炭由来粒状活性炭とヤシガラ由来粒状活性炭として、その他の条件は実施例2と同様にして実験を実施した。
結果を表6、表7に示す。石炭由来粒状活性炭ならびに、ヤシガラ由来粒状活性炭のどちらの場合においても、運転開始後1時間後、30日後ともに、活性炭充填層の出口(処理水1)では酸化性の度合いを示すORPの値は400 mV以下となり、実施例2の石油ピッチ由来の活性炭を用いた際の結果に比べると低く、この程度の酸化度合いであると、酸化性雰囲気水として利用できる範囲も狭まると考えられる。
Figure 2007330914
Figure 2007330914
実施例3
図6に示すように、被処理水1を、液体系有機化合物由来の球状活性炭が充填された活性炭装置21に通水し、得られた処理水1としての酸化性雰囲気水22を、固体原料由来の球状活性炭が充填された活性炭装置23に通水し、処理水2としての酸化処理還元水(殺菌水)24を得た。活性炭装置21に−極25、活性炭装置23に+極26を配置し、両電極25、26間に電圧印加手段27により100 mVの直流電圧を印加した。下記条件により運転を行い、1時間経過後と運転後30日後に被処理水と処理水をサンプリングし、その酸化還元電位を測定した。被処理水には純水を一度タンクに貯め、大気飽和したものを用いた。
(実験条件)
被処理水:純水
水温:25±2 ℃
pH:5.8±0.4
運転期間:30日
被処理水流量:100 L/h
活性炭装置SV:15 h-1(前段・後段ともに)
前段装置活性炭:液体系有機化合物由来球状活性炭
後段装置活性炭:固体原料由来粒状活性炭
電極:
陽極:グラファイト電極
陰極:グラファイト電極
印加電圧:100 mV (DC)
結果を表8に示す。運転開始後1時間後、30日後ともに、前段活性炭充填層の出口(処理水1)では酸化性の度合いを示すORPの値が780 mV、691 mVと高く、酸化性雰囲気水の生成が確認できた。また、その後段の活性炭充填層の出口(処理水2)に関しては、ORPの値が1時間後で221 mV、30日後で 193 mVとともに酸化性の度合いが被処理水と同等のレベルにまで戻されていることが分かる。
Figure 2007330914
なお、上記実施例では直流電圧を印加するようにしたが、電極の配置無しの条件も可能である。
実施例4
図7に示すように、前述の図6と同じフローを用い、さらに、被処理水1に鉄粉添加28を行ってから活性炭装置21に通水し、その他は図6と同じ条件とした。下記条件により運転を行い、1時間経過後と運転後30日後に被処理水と処理水をサンプリングし、その酸化還元電位を測定した。被処理水には純水を一度タンクに貯め、大気飽和したものを用いた。
(実験条件)
被処理水:純水
水温:25±2 ℃
pH:5.8±0.4
運転期間:30日
被処理水流量:100 L/h
活性炭装置SV:15 h-1(前段・後段ともに)
前段装置活性炭:液体系有機化合物由来球状活性炭
後段装置活性炭:固体原料由来粒状活性炭
電極:
陽極:グラファイト電極
陰極:グラファイト電極
印加電圧:100 mV (DC)
結果を表9に示す。運転開始後1時間後、30日後ともに、前段活性炭充填層の出口(処理水1)では酸化性の度合いを示すORPの値が780 mV、791 mVと高く、酸化性雰囲気水の生成が確認できた。また、その後段の活性炭充填層の出口(処理水2)に関しては、ORPの値が1時間後で221 mV、30日後で 190 mVとともに酸化性の度合いが被処理水と同等のレベルにまで戻されていることが分かる。
Figure 2007330914
なお、本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法および装置においては、基本的には薬品添加は不要であるが、活性酸素発生量を制御するために、酸化剤を添加することも可能である。例えば、以下のような酸化剤を添加し、以下のような反応を起こさせることが可能である。
過マンガン酸カリウム添加(酸性下)
MnO4- +8H++5e-→Mn2++4H2O
二クロム酸カリウム添加(酸性下)
Cr2O7 2- +14H++ 6e-→2Cr3++7H2O
過酸化水素水添加
H2O2 +2H++2e-→2H2O
二酸化硫黄添加
SO2 +4H++4e-→S+2H2O
塩素添加
Cl2 +2e-→2Cl
酸化性雰囲気水を還元する場合には、その還元を制御するために、還元剤を添加することも可能である。例えば、以下のような還元剤を添加し、以下のような反応を起こさせることが可能である。
シュウ酸添加
C2H2O4 →2CO2+2H++2e-
硫化水素水添加
H2S →S+2H++2e-
過酸化水素水添加
H2O2 →O2+2H++2e-
二酸化硫黄添加
SO2 +2H2O→SO4 2-+4H +2e-
ヨウ化カリウム添加
2I- →I2+2e-
硫化鉄(II)添加
Fe2+ →Fe3++e--
本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法および装置における活性酸素水発生装置への通水量は、例えば、図8〜図10に示すような各フロー構成により制御することが可能である。また、それら制御の際には、LVやSVの流量を適宜制御し、電極を設ける場合には、印加電圧、電流を適宜制御することができる。また、制御のための測定手段としては、使用形態に応じて、活性酸素センサー、ORP測定手段、DO測定手段等を用いればよい。また、その際の測定場所としては、活性酸素水、その他の処理水のいずれに対しても可能である。なお、以下に説明する図8〜図10に示すような各フローにおいては、図示を省略したが、後段に、活性酸素水の還元手段を設けてもよい。
図8に示すフローにおいて、(A)は、原水31を活性酸素水発生装置32に通水して処理水33を得る基本フローを示しており、(B)は、酸化用水34を活性酸素水発生装置32に通水し、原水31に合流させて処理水33を得るフローを示しており、活性酸素水発生装置32からの活性酸素水の処理水33に対する量を調整できるようにしたものである。(C)は、原水31を貯留したタンク35からポンプ36を用いて活性酸素水発生装置32に通水した後、原水31に合流させ、循環されている処理水の一部を処理水33として取り出し、それによって処理水33の量を調整するとともに、循環によって活性酸素濃度を高めることができるようにしたものである。
図9に示すフローにおいて、(A)は、図8(A)に示したフローに対し、原水31の一部を、活性酸素水発生装置32をバイパスさせることが可能なバイパス路37を設け、バイパスさせることによって処理水33の量を調整できるようにしたものである。(B)は、図8(B)に示したフローに対し、酸化用水34の一部を、活性酸素水発生装置32をバイパスさせることが可能なバイパス路38を設け、バイパスさせることによって原水31に合流させる水量を調整して処理水33の量を調整できるようにしたものである。(C)は、図8(C)に示したフローに対し、タンク35からポンプ36を用いて活性酸素水発生装置32に通水される水の一部を、活性酸素水発生装置32をバイパスさせることが可能なバイパス路39を設け、バイパスさせることによって原水31に合流させる水量を調整して活性酸素の濃度調整を行い、循環され濃度調整された処理水の一部を処理水33として取り出し、それによって処理水33の量を調整することができるようにしたものである。
図10に示すフローにおいて、(A)は、図9(A)に示したフローに対し、活性酸素水発生装置32通過後の処理水の一部をポンプ40を備えた戻し路41により活性酸素水発生装置32の上流側に戻し、処理水中により多くの活性酸素を含有させることができるようにしたものである。(B)は、図9(B)に示したフローに対し、活性酸素水発生装置32通過後の処理水の一部をポンプ42を備えた戻し路43により活性酸素水発生装置32の上流側に戻し、処理水中により多くの活性酸素を含有させることができるようにしたものである。(C)は、図9(C)に示したフローに対し、タンク35からポンプ36を用いて活性酸素水発生装置32に通水された後の水の一部を、ポンプ44を備えた戻し路45により活性酸素水発生装置32の上流側に戻すとともに、その一部をタンク35へと戻し、循環される水の活性酸素の濃度を高め、濃度が高められた処理水の一部を処理水33として取り出し、それによって処理水33の量を調整することができるようにしたものである。(D)は、図9(C)に示したフローに対し、単に、活性酸素水発生装置32通過後の処理水の一部を戻し路46によりタンク35へと戻すようにしたものである。
本発明に係る酸化性雰囲気水製造方法および装置は、活性酸素を含有する酸化性雰囲気水が要求されるあらゆる用途に適用できる。例えば、COD分解、活性炭再生、フェントン処理、エンドトキシン除去処理、ウイルスの殺菌処理、バラスト水の処理、難分解性有機物質の分解処理、食品用途等における殺菌処理、など、多岐にわたる分野に適用できる。また、本発明に係る水処理方法および装置は、酸化性雰囲気水を生成、使用した後、後段に配置された逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装置の保護が求められるあらゆる水処理系に適用できる。
本発明における酸化性雰囲気水の生成メカニズムの一例を示す概念図である。 実施例1におけるフロー図である。 比較例1におけるフロー図である。 比較例1における別のフロー図である。 実施例2におけるフロー図である。 実施例3におけるフロー図である。 実施例4におけるフロー図である。 本発明における活性酸素水発生装置への通水量を制御するための各種フロー構成を示すフロー図である。 本発明における活性酸素水発生装置への通水量制御および活性酸素濃度調整のための各種フロー構成を示すフロー図である。 本発明における活性酸素水発生装置への通水量制御および活性酸素濃度調整(とくに、濃度を高める場合)のための各種フロー構成を示すフロー図である。 本発明に係る水処理装置の一例を示す概略フロー図である。 本発明に係る水処理装置の別の例を示す概略フロー図である。
符号の説明
1 被処理水
2、4、5 活性炭装置
3 酸化性雰囲気水(処理水)
6 槽
7 イオン交換膜
8 活性炭充填層
9、10 電極
11 電圧印加手段
12 酸化性雰囲気水(処理水1)
13 酸化処理還元水(処理水2)
21、23 活性炭装置
22 酸化性雰囲気水(処理水1)
24 酸化処理還元水(処理水2)
25、26 電極
27 電圧印加手段
28 鉄粉添加
31 原水
32 活性酸素水発生装置
33 処理水
34 酸化用水
35 タンク
36 ポンプ
37、38、39 バイパス路
40、42、44 ポンプ
41、43、45、46 戻し路
51 被処理水
52 逆浸透膜分離装置
53、54、55 活性炭装置(活性炭層)
56、59 電源
57、58、60、61、62、63 電極
64 空気または酸素

Claims (44)

  1. 活性炭に被処理水を通水することで、被処理水中に存在する溶存酸素ならびに活性炭の細孔中に存在する酸素を活性炭の触媒作用により活性化し活性酸素を発生させることを特徴とする酸化性雰囲気水製造方法。
  2. 前記活性酸素の発生に球状活性炭を用いる、請求項1に記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  3. 前記活性酸素の発生に、原料が液体系有機化合物由来の活性炭を用いる、請求項1または2に記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  4. 前記活性酸素の発生に、原料が樹脂由来の活性炭を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  5. 前記活性炭を、隔壁にて隔離した少なくとも一方の部屋に配置する、請求項1〜4のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  6. 前記隔壁にイオン交換膜を用いる、請求項5に記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  7. 前記隔壁にモノリス状有機多孔質イオン交換体を用いる、請求項5に記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  8. −極と+極の電極をそれぞれ配置し、その少なくとも−側の電極付近に前記活性炭の充填層を形成する、請求項1〜7のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  9. 前記電極に電圧を間欠もしくは連続的に印加し、活性炭へ電子が供給されるようにすることで、発生する活性酸素の量を継続的に維持する、請求項8に記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  10. 被処理水を、上流側の活性炭充填層から下流側の活性炭未充填層または別の活性炭充填層へと流す、請求項1〜9のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  11. 上流側の活性炭充填層を活性酸素発生用に、下流側の別の活性炭充填層を酸化性雰囲気水の還元用に用いる、請求項10に記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  12. 活性炭の充填層ならびにその前段にて酸素含有ガスをバブリングする、請求項1〜11のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  13. 活性炭への電子供給のために、還元体金属を被処理水中に添加する、または、活性炭充填層に存在させる、もしくは、還元体金属を含む原水を被処理水として用いる、請求項1〜12のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の方法により酸化性雰囲気水を製造した後、後段にて、固体原料由来の活性炭に通水することで酸化性雰囲気水を還元することを特徴とする、水処理方法。
  15. 活性炭に被処理水を通水することで、被処理水中に存在する溶存酸素ならびに活性炭の細孔中に存在する酸素を活性炭の触媒作用により活性化し活性酸素を発生させることを特徴とする酸化性雰囲気水製造装置。
  16. 前記活性炭が球状活性炭からなる、請求項15に記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  17. 前記活性炭が、原料が液体系有機化合物由来の活性炭からなる、請求項15または16に記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  18. 前記活性炭が、原料が樹脂由来の活性炭からなる、請求項15〜17のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  19. 前記活性炭が、隔壁にて隔離した少なくとも一方の部屋に配置されている、請求項15〜18のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  20. 前記隔壁がイオン交換膜からなる、請求項19に記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  21. 前記隔壁がモノリス状有機多孔質イオン交換体からなる、請求項19に記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  22. −極と+極の電極がそれぞれ配置され、その少なくとも−側の電極付近に前記活性炭の充填層が形成されている、請求項15〜21のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  23. 前記電極に電圧を間欠もしくは連続的に印加され、活性炭へ電子が供給されるようにすることで、発生する活性酸素の量が継続的に維持されるように構成されている、請求項22に記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  24. 被処理水が、上流側の活性炭充填層から下流側の活性炭未充填層または別の活性炭充填層へと流される、請求項15〜23のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  25. 上流側の活性炭充填層が活性酸素発生用に、下流側の別の活性炭充填層が酸化性雰囲気水の還元用に用いられる、請求項24に記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  26. 活性炭の充填層ならびにその前段にて酸素含有ガスをバブリングする手段を有する、請求項15〜25のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  27. 活性炭への電子供給のために、還元体金属が被処理水中に添加される、または、活性炭充填層に存在される、もしくは、還元体金属を含む原水が被処理水として用いられる、請求項15〜26のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置。
  28. 請求項15〜27のいずれかに記載の酸化性雰囲気水製造装置と、その後段に設けられ、酸化性雰囲気水を還元する固体原料由来の活性炭充填層を備えた酸化性雰囲気水還元装置を有することを特徴とする、水処理装置。
  29. 被処理水を活性炭に通水した後逆浸透膜分離装置またはイオン交換樹脂装置に通水する水処理方法において、活性炭層を複数段配設して相対的に前段の活性炭層を活性酸素発生用の活性炭層、相対的に後段の活性炭層を活性酸素還元用の活性炭層として使用することを特徴とする水処理方法。
  30. 前記前段の活性炭層における被処理水の空間速度を前記後段の活性炭層における被処理水の空間速度よりも速く設定する、請求項29に記載の水処理方法。
  31. 前記前段の活性炭層および前記後段の活性炭層に電極を配置し接続、もしくは電源を介して両電極を接続する、請求項29または30に記載の水処理方法。
  32. 相対的に前段の活性炭層と最後段の活性炭層に配置した電極に負の電位を印加する、請求項29〜31のいずれかに記載の水処理方法。
  33. 最後段の活性炭層に配置した電極に印加する電位の絶対値を、前記前段の活性炭層に配置した電極に印加する電位の絶対値よりも高く設定する、請求項32に記載の水処理方法。
  34. 電極にパルス電位を印加する、請求項31〜33のいずれかに記載の水処理方法。
  35. 活性炭に球状活性炭を用いる、請求項29〜34のいずれかに記載の水処理方法。
  36. 球状活性炭に、液体系有機化合物由来の活性炭を用いる、請求項35に記載の水処理方法。
  37. 被処理水を活性炭に通水した後逆浸透膜分離装置またはイオン交換樹脂装置に通水する水処理装置において、活性炭層を複数段配設して相対的に前段の活性炭層を活性酸素発生用の活性炭層、相対的に後段の活性炭層を活性酸素還元用の活性炭層に構成したことを特徴とする水処理装置。
  38. 前記前段の活性炭層における被処理水の空間速度が前記後段の活性炭層における被処理水の空間速度よりも速く設定されている、請求項37に記載の水処理装置。
  39. 前記前段の活性炭層および前記後段の活性炭層に電極が配置されて接続、もしくは電源を介して両電極が接続されている、請求項37または38に記載の水処理装置。
  40. 相対的に前段の活性炭層と最後段の活性炭層に配置された電極に負の電位が印加される、請求項37〜39のいずれかに記載の水処理装置。
  41. 最後段の活性炭層に配置された電極に印加される電位が、前記前段の活性炭層に配置された電極に印加される電位よりも高く設定される、請求項40に記載の水処理装置。
  42. 電極にパルス電位が印加される、請求項39〜41のいずれかに記載の水処理装置。
  43. 活性炭に球状活性炭が用いられている、請求項37〜42のいずれかに記載の水処理装置。
  44. 球状活性炭に、液体系有機化合物由来の活性炭が用いられている、請求項43に記載の水処理装置。
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