JP2007330897A - 放電リアクターの内部電極製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極間距離を任意に設定することができ且つ製造容易な放電リアクターの内部電極製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】高電圧電極1に接続される中心電極2と、該中心電極2に取り付けられる内部電極3と、該内部電極3を取り囲むようにしてその周囲に設けられた誘電体4と、該誘電体4の外周囲に設けられた外部電極5とからなる放電リアクターの内部電極製造方法であって、前記内部電極3は、外周部分に複数の突起10を波状に形成した鋸歯状電極板11を、スペーサ12を介して前記中心電極2の軸方向に沿って所定間隔で複数配列して形成される。
【選択図】図1
【解決手段】高電圧電極1に接続される中心電極2と、該中心電極2に取り付けられる内部電極3と、該内部電極3を取り囲むようにしてその周囲に設けられた誘電体4と、該誘電体4の外周囲に設けられた外部電極5とからなる放電リアクターの内部電極製造方法であって、前記内部電極3は、外周部分に複数の突起10を波状に形成した鋸歯状電極板11を、スペーサ12を介して前記中心電極2の軸方向に沿って所定間隔で複数配列して形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば放電リアクターの内部電極製造方法に関し、詳細には、電極間距離を任意に設定することができ且つ製造容易な放電リアクターの内部電極製造技術に関する。
例えば、コロナ放電型リアクターの放電電極としては、複数の突起列部を外周部に切り欠いて形成した帯状の平板を細長い円筒治具に螺旋状に巻き付けた後、これを所定のピッチ間隔で引き伸ばすことで形成されている(例えば、特許文献1参照)。
或いは、コロナ放電型リアクターの放電電極は、金属からなる円筒体の内壁に雌ねじ状のスパイラル溝を形成することにより形成されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−231416号公報
特開平5−125928号公報
しかしながら、特許文献1に記載の放電電極では、螺旋状としたものを引き伸ばすことで形成されるため、軸方向における突起例部の配列ピッチを所定ピッチとすることができない。そのため、引用文献1に記載の放電リアクターでは、突起列部の配列ピッチが狭過ぎた場合にはガスの混合が悪くなり、逆に広す過ぎた場合には放電効率が落ちてしまう。
また、特許文献2に記載の放電電極では、金属からなる円筒体として形成されることから電極としてはその重量が相当あり、かつ内壁にネジ溝を形成する必要があることから製造が面倒で大量生産には不向きである。
そこで、本発明は、上記した課題を解決するために、電極間距離を任意に設定することができ且つ製造容易な放電リアクターの内部電極製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、高電圧電極に接続される中心電極と、該中心電極に取り付けられる内部電極と、該内部電極を取り囲むようにしてその周囲に設けられた誘電体と、該誘電体の外周囲に設けられた外部電極とからなる放電リアクターの内部電極製造方法であって、前記内部電極は、外周部分に複数の突起を波状に形成した鋸歯状電極板を、スペーサを介して前記中心電極の軸方向に沿って所定間隔で複数配列して形成されることを特徴とする。
本発明の放電リアクターの内部電極製造方法によれば、鋸歯状電極板をスペーサを介して中心電極の軸方向に沿って複数配列するだけで、簡単に電極間隔(鋸歯状電極板間隔)を所定ピッチとすることができる。また、本発明方法によれば、スペーサの長さを変えるだけで電極間距離を任意に設定することができる。
また、本発明方法によれば、金属からなる円筒体の電極とは異なり、厚みの薄い鋸歯状電極板を使用しているので軽量化することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態では、先ず、放電リアクターの構成について説明した後、その放電リアクターの内部電極の製造方法について説明する。
図1は本実施の形態の放電リアクターを自動車用排気管に接続したときの要部拡大斜視図、図2は放電リアクターの内部電極を示し、(A)は鋸歯状電極板の正面図、(B)は内部電極の側面図、図3は放電リアクターの断面を示し、(A)は図1のA−A線位置における断面図、(B)は図1のB−B線位置における断面図、図4は内部電極の高電圧電極への取り付け部分を示し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図、図5はNO浄化試験結果を示す特性図である。
本実施の形態の放電リアクターは、図1から図3に示すように、高電圧電極1に接続される中心電極2と、この中心電極2に取り付けられる内部電極3と、この内部電極3を取り囲むようにしてその周囲に設けられた誘電体(リアクター)4と、この誘電体4の外周囲に設けられた外部電極5とを備え、例えば自動車等から排出される排ガスを浄化して排出させる自動車用排気管6の中途部に接続されている。
中心電極2は、細長い円柱体として形成されており、ガスの流れ方向(図1中矢印Xで示す)にその長手方向を向けて配置されている。かかる中心電極2は、図4に示すように、誘電体4内に挿入される高電圧電極1の挿入部分1Aに一端側部を固定させていわゆる片持ち梁状態に保持されている。すなわち、誘電体4内に挿入される高電圧電極1の挿入部分1Aに形成された貫通孔7に、中心電極2の一端部2Aを挿入させた後、前記高電圧電極1の先端軸芯に形成された雌ねじ部8に固定ネジ9を螺合させることにより、該固定ネジ9で中心電極2を前記高電圧電極1に固定させている。なお、中心電極2は、直径3mm〜10mm程度とされる。
内部電極3は、中心電極2に取り付けられている。かかる内部電極3は、外周部分に先端が尖った複数の突起10を波状に形成した鋸歯状電極板11を、スペーサ12を介して中心電極2の軸方向に沿って所定間隔P1で複数配置されることにより形成されている。鋸歯状電極板11は、例えば直径28mm〜40mm程度で板厚の薄い円盤形状をなすステンレス板からなり、その外周部分に形成した突起10の波ピッチP2を2mm程度としている。スペーサ12は、例えば絶縁体からなる円筒体として形成され、中心電極2の軸に挿通されて取り付けられるようになっている。スペーサ12の間隔としては、例えばガス混合と放電効率の向上が得られる2mm〜20mmが好ましい。
また、この内部電極3は、中心電極2に片持ち梁状態で取り付けられるため、鋸歯状電極板11を多段に積層するとその重量によって同心維持が困難になり易い。そこで、本実施の形態では、誘電体4の内壁4aに両端部13A、13Bを接触させて前記鋸歯状電極板11の同心位置ずれを抑制させる電極保持部材13を設けている。
電極保持部材13は、絶縁体からなる長尺状の棒として形成されており、誘電体4の内径とほぼ同一の長さとされている。この電極保持部材13の中心位置には、取付ねじ14を挿通させる貫通孔15が形成されている。そして、この電極保持部材13は、前記貫通孔15を通して前記中心電極2の先端軸芯に形成されたねじ部16に前記取付ねじ14を螺合させることで固定される。この電極保持部材13の両端部13A、13Bが前記誘電体4の内壁4aに当接することで、前記各鋸歯状電極板11の同心位置が保たれる。
誘電体4は、例えばセラミックス、アルミナ、ガラス、石英などによって円筒管として形成されている。この誘電体4は、内部電極3をその内部に収容させ、その軸芯方向を排気の流れ方向に向けて配置されている。本実施の形態では、誘電体4には、厚み2mm、直径50mmの石英管を使用している。
外部電極5は、誘電体4の外周囲を取り囲むようにしてその周面に巻付けられている。外部電極5が設けられる位置は、前記内部電極3と対向する位置とされる。本実施の形態では、外部電極5を、厚み1mm、長さ40mmの円筒形状とした。本実施の形態では、放電リアクターの静電容量は30pF〜40pFである。
このように構成された放電リアクターでは、高電圧電極1及び中心電極2を介して内部電極3に高周波交流またはパルス電圧を印加すると、この内部電極3と外部電極5間にコロナ放電(プラズマ)が発生し、そのコロナ放電によって排気ガス中に含まれるNOや残留ハイドロカーボンを活性化させ浄化させることができる。
また、本実施の形態によれば、鋸歯状電極板11の外周部分に複数の突起10を形成しているので、この突起10の先端からコロナ放電を効率良く発生させることができる。さらに、その鋸歯状電極板11をスペーサ12を介して中心電極2の軸方向に複数配置させることで、より一層放電効率を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、放電リアクターを自動車用排気管6に接続しているので、放電リアクターで発生したコロナ放電によって排気ガス中に含まれるNOや残留ハイドロカーボンを活性化させ浄化させることができる。
実際に、本実施の形態の放電リアクターを使用してNOを浄化する実験を行った。実験条件としては、4kHzで立ち上げ時間1〜4μs程度のマイナス直流パルス12kVを高電圧電極1に印加し、空気を100リットル/min、NO約600ppm、エチレン600ppmを240℃で流通させた。そのときのNO浄化率を図5に示す。図5中のφ28、φ32、φ36、φ40は、鋸歯状電極板11の直径を示している。
図5から判るように、鋸歯状電極板11の直径と歯数(突起10の数)には関係なく浄化率が上がっていることが判る。
なお、本実施の形態の放電リアクターでは、コロナの安定のためバリア放電リアクターとしたが、コロナの安定が可能なら石英管のようなバリアのないパルスストリーマー放電でもリアクターとして使用することができる。
次に、前記した放電リアクターの内部電極3の製造方法について説明する。
内部電極3を製造するには、図6に示すように、先ず、鋸歯状電極板11を中心電極2に対してその軸に通した後、スペーサ12を中心電極2の軸に通して取り付ける。
次に、さらに鋸歯状電極板11を前記中心電極2に取り付けた後、同様にスペーサ12を中心電極2の軸に通して取り付ける。この作業を繰り返し、複数枚の鋸歯状電極板11とスペーサ12とを交互に中心電極2に取り付ける。
前記鋸歯状電極板11とスペーサ12は、このままであるとがたつきがあるので、これらを溶接やろう付けによって接合し固定する。これで、各鋸歯状電極板11がスペーサ12によって所定ピッチで配列された内部電極3が完成する。
このように、鋸歯状電極板11とスペーサ12を交互に中心電極2の軸に挿通させるだけで、電極間距離が高精度に保持された内部電極3を容易に製造することができる。また、板厚の薄い鋸歯状電極板11で使用しているので、金属からなる円筒状の内部電極に比べて重量を軽くすることができる。
また、スペーサ12の長さを適宜設定することで、最適なガス混合を得ることができると共に、各鋸歯状電極板11の間隔を最適化して放電効率を高めることができる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、上述の実施の形態は本発明の一例であるから、本発明はこの実施の形態に制限されるものではない。
1…高電圧電極
2…中心電極
3…内部電極
4…誘電体
5…外部電極
6…自動車用排気管
10…突起(鋸歯状電極板に形成された突起)
11…鋸歯状電極板
12…スペーサ
13…電極保持部材
2…中心電極
3…内部電極
4…誘電体
5…外部電極
6…自動車用排気管
10…突起(鋸歯状電極板に形成された突起)
11…鋸歯状電極板
12…スペーサ
13…電極保持部材
Claims (1)
- 高電圧電極(1)に接続される中心電極(2)と、該中心電極(2)に取り付けられる内部電極(3)と、該内部電極(3)を取り囲むようにしてその周囲に設けられた誘電体(4)と、該誘電体(4)の外周囲に設けられた外部電極(5)とからなる放電リアクターの内部電極製造方法であって、
前記内部電極(3)は、外周部分に複数の突起(10)を波状に形成した鋸歯状電極板(11)を、スペーサ(12)を介して前記中心電極(2)の軸方向に沿って所定間隔で複数配列して形成される
ことを特徴とする放電リアクターの内部電極製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006165775A JP2007330897A (ja) | 2006-06-15 | 2006-06-15 | 放電リアクターの内部電極製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006165775A Pending JP2007330897A (ja) | 2006-06-15 | 2006-06-15 | 放電リアクターの内部電極製造方法 |
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JP (1) | JP2007330897A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016225264A (ja) * | 2015-06-02 | 2016-12-28 | 田中環境機構合同会社 | ストリーマ放電装置 |
KR102496342B1 (ko) * | 2021-07-30 | 2023-02-07 | 이진석 | 다층 구조의 관형 아크 플라즈마 발생장치 |
-
2006
- 2006-06-15 JP JP2006165775A patent/JP2007330897A/ja active Pending
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