JP2007330118A - 釣り竿用竿体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 釣り糸ガイドの取付部位に簡単な工夫を加えることによって、柔軟な曲がりを得ることのできる釣り竿用竿体を提供する。
【解決手段】 強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させて形成したプリプレグシートをマンドレル5に巻回して筒状体を形成する。脚載置部を形成する為に、プリプレグシートにおける脚載置部に対応する部位に切欠き部4aを形成する。脚載置部の外径を、竿外周面における脚載置部より竿先側に位置する部分に比べて小径に形成してある。
【選択図】 図5
【解決手段】 強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させて形成したプリプレグシートをマンドレル5に巻回して筒状体を形成する。脚載置部を形成する為に、プリプレグシートにおける脚載置部に対応する部位に切欠き部4aを形成する。脚載置部の外径を、竿外周面における脚載置部より竿先側に位置する部分に比べて小径に形成してある。
【選択図】 図5
Description
本発明は、外周面に釣り糸ガイドを装備している釣り竿用竿体に関する。
釣り糸ガイドは、竿体の外周面に脚部を載せ付けて、その脚部と竿体の外周面とに亘って取付用糸を巻き付けて固定されていた(特許文献1参照)。
ところで、釣り竿においては、竿体自体の曲がり易さを示す調子の設定が重要になる。そこで、釣り糸ガイドが取り付けてある竿体の剛性について検討してみると、釣り糸ガイドを取り付けた部分においては、竿体と釣り糸ガイドとの合計した剛性を示し、釣り糸ガイドを取付けていない部分においては竿体のみの剛性を示すこととなり、釣り糸ガイドを取り付けた部分の剛性が、釣り糸ガイドを取付けていない部分の剛性より大きな値を示すこととなる。
そうすると、魚が針掛かりして穂先竿等に曲げ力が作用した場合に、釣り糸ガイドを取り付けた部分とその他の部分との剛性の違いによって、釣り糸ガイドを取り付けた部分が大きな曲げ抵抗を示し、釣り糸ガイドを取り付けた部分において、曲率の連続性が途切れ、竿体全体としては多角形に近い形状を示すこととなり、魚の引き等に柔軟に対応できない面があり、釣り操作に円滑さを欠くこととなっていた。
そうすると、魚が針掛かりして穂先竿等に曲げ力が作用した場合に、釣り糸ガイドを取り付けた部分とその他の部分との剛性の違いによって、釣り糸ガイドを取り付けた部分が大きな曲げ抵抗を示し、釣り糸ガイドを取り付けた部分において、曲率の連続性が途切れ、竿体全体としては多角形に近い形状を示すこととなり、魚の引き等に柔軟に対応できない面があり、釣り操作に円滑さを欠くこととなっていた。
本発明の目的は、釣り糸ガイドの取付部位に簡単な工夫を加えることによって、柔軟な曲がりを得ることのできる釣り竿用竿体を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿外周面における脚載置部に、釣り糸ガイドの脚部を載置した状態で取付用糸を前記脚部と竿外周面とに亘って巻き付けて前記釣り糸ガイドを取り付け構成し、前記脚載置部を凹入形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿外周面における脚載置部に、釣り糸ガイドの脚部を載置した状態で取付用糸を前記脚部と竿外周面とに亘って巻き付けて前記釣り糸ガイドを取り付け構成し、前記脚載置部を凹入形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
剛性の定義は、E(縦弾性係数)×I(断面二次モーメント)で表され、I(断面二次モーメント)は次ぎのように表される。
つまり、I=竿体の断面二次モーメント+釣り糸ガイド自体の断面二次モーメント+(竿体の竿軸芯から釣り糸ガイドの重心までの間隔の二乗)×(釣り糸ガイドの断面積)。
脚載置部を形成するのに、竿外周面に凹入部を形成して構成したので、脚載置部を形成した竿体の断面二次モーメントは断面積が小さくなった分だけ小さくなる。
一方、釣り糸ガイド自体の断面二次モーメントは同一であるが、前記した(竿体の竿軸芯から釣り糸ガイドの重心までの間隔の二乗)の部分の数値が小さくなる。
したがって、釣り糸ガイドを取り付けた部分の断面二次モーメントが小さくなり、釣り糸ガイドを取り付けない部分との断面二次モーメントの違いを少なくできる。
剛性の定義は、E(縦弾性係数)×I(断面二次モーメント)で表され、I(断面二次モーメント)は次ぎのように表される。
つまり、I=竿体の断面二次モーメント+釣り糸ガイド自体の断面二次モーメント+(竿体の竿軸芯から釣り糸ガイドの重心までの間隔の二乗)×(釣り糸ガイドの断面積)。
脚載置部を形成するのに、竿外周面に凹入部を形成して構成したので、脚載置部を形成した竿体の断面二次モーメントは断面積が小さくなった分だけ小さくなる。
一方、釣り糸ガイド自体の断面二次モーメントは同一であるが、前記した(竿体の竿軸芯から釣り糸ガイドの重心までの間隔の二乗)の部分の数値が小さくなる。
したがって、釣り糸ガイドを取り付けた部分の断面二次モーメントが小さくなり、釣り糸ガイドを取り付けない部分との断面二次モーメントの違いを少なくできる。
〔効果〕
このように、釣り糸ガイドの脚載置部を凹入形成するだけの改造を施すだけで、釣り糸ガイド取り付け部分の剛性を釣り糸ガイドを取り付けていない部分の剛性に近づけることができた。これによって、竿体の曲がりが円弧に近いものになり、魚の動きに対して柔軟な対応が可能な釣り竿用竿体を提供できるに至った。
このように、釣り糸ガイドの脚載置部を凹入形成するだけの改造を施すだけで、釣り糸ガイド取り付け部分の剛性を釣り糸ガイドを取り付けていない部分の剛性に近づけることができた。これによって、竿体の曲がりが円弧に近いものになり、魚の動きに対して柔軟な対応が可能な釣り竿用竿体を提供できるに至った。
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記脚載置部の外径を、前記竿外周面における前記脚載置部より竿先側に位置する部分に比べて小径に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、脚載置部を小径の部分に形成することによって、竿体自体の断面二次モーメントを小さくでき、それに連れて剛性も低下させることができるので、釣り糸ガイドを取り付けない部分との剛性の違いを小さくできる。
これによって、竿体の曲がりが円弧に近いものになり、魚の動きに対して柔軟な対応が可能な釣り竿用竿体を提供できるに至った。
つまり、脚載置部を小径の部分に形成することによって、竿体自体の断面二次モーメントを小さくでき、それに連れて剛性も低下させることができるので、釣り糸ガイドを取り付けない部分との剛性の違いを小さくできる。
これによって、竿体の曲がりが円弧に近いものになり、魚の動きに対して柔軟な対応が可能な釣り竿用竿体を提供できるに至った。
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2に係る発明において、前記取付用糸を巻き付けて前記脚部を前記脚載置部に取り付けた状態で、固定強化用接着剤を前記脚部に巻き付けられた取付用糸の表面に施して、前記取付用糸を被覆する被覆部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
釣り糸ガイドを竿体の脚載置面に取り付けるのに、取付用糸によって行っているので、取付用の金具等金属製のもので固定する場合に比べて剛性が高くなることを抑制できるとともに、接着剤を併用しているので、取付用糸による固定状態を安定したものにできる。しかも、接着剤自体も金属材質のものではないので、剛性を高めることに寄与しない。
釣り糸ガイドを竿体の脚載置面に取り付けるのに、取付用糸によって行っているので、取付用の金具等金属製のもので固定する場合に比べて剛性が高くなることを抑制できるとともに、接着剤を併用しているので、取付用糸による固定状態を安定したものにできる。しかも、接着剤自体も金属材質のものではないので、剛性を高めることに寄与しない。
請求項4に係る発明の特徴構成は、請求項1〜3の内のいずれか一つに係る発明において、前記被覆部の外周面と、その被覆部より竿先側に位置する竿体の外周面とを、面一又は略面一状態になるように形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
被覆部の外周面と、その被覆部より竿先側に位置する竿体の外周面とを、面一又は略面一状態になるように形成してあるので、従来のように、釣り糸ガイドの脚部や取付用糸が竿体外周面より突出しない状態にできる。したがって、糸を巻き付けた部分と釣り糸ガイドを取付ない部分との段差がなくなり、剛性の違いを抑え美観の向上に寄与する。
被覆部の外周面と、その被覆部より竿先側に位置する竿体の外周面とを、面一又は略面一状態になるように形成してあるので、従来のように、釣り糸ガイドの脚部や取付用糸が竿体外周面より突出しない状態にできる。したがって、糸を巻き付けた部分と釣り糸ガイドを取付ない部分との段差がなくなり、剛性の違いを抑え美観の向上に寄与する。
請求項5に係る発明の特徴構成は、請求項1〜4の内のいずれか一つに係る発明において、強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させて形成したプリプレグシートをマンドレルに巻回して筒状体を形成する釣り竿用竿体の製造方法であって、前記脚載置部を形成する為に、前記プリプレグシートにおける前記脚載置部に対応する部位に切欠き部又は抜き孔を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、脚載置部の外径を、釣り糸ガイドを取り付けていない竿先側部分の外径より小径のものに形成したり、脚載置部を凹入する形状に構成するのに、プリプレグシートにおける前記脚載置部に対応する部位に切欠き部又は抜き孔を形成した。
これによって、切欠き部又は抜き孔を形成したプリプレグシートをマンドレルに巻回して竿体を形成する場合に、その切欠き部又は抜き孔の部分はプリプレグシートが存在しない部分となる。そうすると、切欠き部又は抜き孔の部分は他の部分に比べて凹入する部分または小径の部分になる。
したがって、プリプレグシートに切欠き部又は抜き孔を設けるだけの改造によって、そのプリプレグシートをマンドレルに巻回するだけの通常の竿体製造過程を経るだけで前記した凹入する部分または小径の部分を形成できる。このことは、切欠き部や抜き孔を形成しないプリプレグシートをマンドレルに巻回して竿体を形成した後に、研磨加工や研削加工によって、小径の部分や凹入する部分を形成することを必要としないことを意味する。
これによって、製造工程の煩雑さを招来することなく、曲がりが円滑な扱い易い釣り竿用竿体を提供できるに至った。
つまり、脚載置部の外径を、釣り糸ガイドを取り付けていない竿先側部分の外径より小径のものに形成したり、脚載置部を凹入する形状に構成するのに、プリプレグシートにおける前記脚載置部に対応する部位に切欠き部又は抜き孔を形成した。
これによって、切欠き部又は抜き孔を形成したプリプレグシートをマンドレルに巻回して竿体を形成する場合に、その切欠き部又は抜き孔の部分はプリプレグシートが存在しない部分となる。そうすると、切欠き部又は抜き孔の部分は他の部分に比べて凹入する部分または小径の部分になる。
したがって、プリプレグシートに切欠き部又は抜き孔を設けるだけの改造によって、そのプリプレグシートをマンドレルに巻回するだけの通常の竿体製造過程を経るだけで前記した凹入する部分または小径の部分を形成できる。このことは、切欠き部や抜き孔を形成しないプリプレグシートをマンドレルに巻回して竿体を形成した後に、研磨加工や研削加工によって、小径の部分や凹入する部分を形成することを必要としないことを意味する。
これによって、製造工程の煩雑さを招来することなく、曲がりが円滑な扱い易い釣り竿用竿体を提供できるに至った。
〔第1実施形態〕
石鯛釣り等に使用される釣り竿について説明する。図1に示すように、釣り竿の穂先竿1には、竿先端にトップガイド2、竿元側に中間ガイド3を取り付けて、釣り糸aをガイドする機能が付与されている。
石鯛釣り等に使用される釣り竿について説明する。図1に示すように、釣り竿の穂先竿1には、竿先端にトップガイド2、竿元側に中間ガイド3を取り付けて、釣り糸aをガイドする機能が付与されている。
釣り糸ガイドとしての中間ガイド3について説明する。図2に示すように、中間ガイド3は、硬質リング(図示せず)を縁に嵌め込んだ釣り糸ガイド孔3Bと、釣り糸ガイド孔3Bを先端部に形成して竿外周面に向けて延出される支持フレーム3Cと、支持フレーム3Cの竿外周面に向けて延出された縦向きフレーム部分を竿先側に屈曲形成して形成される竿先側脚部3Aaと、支持フレーム3Cの釣り糸ガイド孔3Bの両側方より竿元側に向けて延出された斜めフレーム部分を先端で合体させて竿元側に屈曲形成した竿元側脚部3Abとを備えて構成されている。
次に、穂先竿1の中間ガイド3の取付構造について説明する。図2(イ)に示すように、穂先竿1の中間ガイド3の取付部位に、穂先竿1における前記取付部位より竿先側の部分1A、及び、前記取付部位より竿元側の部分1Bの外周面径より小径の部分1Cを形成してある。小径の部分1Cの竿軸線方向に沿った長さL2は、中間ガイド3における竿先側脚部3Aaの竿先側端から竿元側脚部3Abの竿元側端に至る間隔に等しいか僅かに長い寸法に設定される。
図2(ロ)に示すように、小径の部分1Cの外周面に中間ガイド3の竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを載置し、竿先側脚部3Aaと小径の部分1Cの外周面、及び、竿元側脚部3Abと小径の部分1Cの外周面とに亘って、夫々、取付用糸bを巻回して、中間ガイド3を穂先竿1に取り付ける。竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとに巻回された取付用糸bの表面に、ウレタン樹脂等の塗料を接着剤として塗布し、取付用糸bの巻付け状態を固定する。
ここに、小径の部分1Cの外周面における中間ガイド3の取り付け部位を脚載置部Dと称する。このウレタン樹脂等の塗料を接着剤として塗布して形成したものを、被覆部Bと称する。
ここに、小径の部分1Cの外周面における中間ガイド3の取り付け部位を脚載置部Dと称する。このウレタン樹脂等の塗料を接着剤として塗布して形成したものを、被覆部Bと称する。
図2(ロ)に示すように、被覆部Bの表面と竿先側の部分1A、及び、竿元側の部分1Bの表面とが面一又は略面一状態になるように、被覆部Bの表面に研磨加工等を施して調整する。これによって、被覆部Bの表面が竿先側の部分1A、及び、竿元側の部分1Bの表面より突出することによって断面積が拡大し重量増を来たすことを防止できるとともに、竿先側の部分1A、及び、竿元側の部分1Bの表面との段差を無くすことができ、美観の向上等に寄与できる。また、小径の部分1Cに載置された竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとの間にも、塗料を施すことによって、取付用糸bの巻付け部位との段差も解消できる。
図示してはいないが、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとは、円周方向に沿った幅が狭い板状のものであって、小径の部分1Cの外周面の曲率に沿うように、板状の竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを湾曲形状に形成してもよい。これによって、小径の部分1Cの外周面を円弧面状態に維持できる。
一方、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを湾曲状ではない平板状に形成する場合には、穂先竿1の小径の部分1Cに対して加工を施すことにする。つまり、図3に示すように、小径の部分1Cの外周面における竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを載置する部分を、平坦面に研削加工する。これによって、平板状の竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとの載置面が小径の部分1Cの平坦面に、全面的に接触する状態で載置され、載置状態が安定する。
このように、小径の部分1Cの外周面において、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを載置する部分として平坦面に形成された部分を脚載置部Dと称する。
また、小径の部分1Cの断面形状が円形の一部に平坦面が形成されその平坦面部位に、平板状の竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとが載置されているので、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとが、円周方向に位置ズレすることが抑制される。
また、小径の部分1Cの断面形状が円形の一部に平坦面が形成されその平坦面部位に、平板状の竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとが載置されているので、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとが、円周方向に位置ズレすることが抑制される。
前記したように、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを被覆した樹脂塗料の表面を、竿先側の部分1A、及び、竿元側の部分1Bの表面と面一又は略面一状態となるように構成したが、面一である必要はなく、いずれが突出する状態であってもよい。
次に、穂先竿1の製造工程について説明する。図5に示すように、マンドレル5に複数枚のメインパターン4を巻回する。メインパターン4は、炭素繊維等の強化繊維cを一方向に引き揃えた繊維群に対して、エポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させることによってプリプレグシートを形成し、そのプリプレグシートを略台形状に裁断して形成されている。
他の強化繊維cとしては、ガラス繊維、ボロン繊維が使用でき、マトリックス樹脂としては、PET等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
他の強化繊維cとしては、ガラス繊維、ボロン繊維が使用でき、マトリックス樹脂としては、PET等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
図5(イ)(ロ)に示すものでは、4枚のメインパターンが用意され、第1層目となる第1メインパターン4Aでは、強化繊維cの引き揃え方向が竿の円周方向に沿った状態に引き揃えられており、第2層目となる第2メインパターン4Bでは、強化繊維cの引き揃え方向が竿の軸線方向に沿った状態に引き揃えられており、第3層目となる第3メインパターン4Cでは、強化繊維cの引き揃え方向が竿の円周方向に沿った状態に引き揃えられており、第4層目となる第4メインパターン4Dでは、強化繊維cの引き揃え方向が竿の軸線方向に沿った状態に引き揃えられている。
図5(ロ)に示すように、第4メインパターン4Dでは、他の3つのメインパターン4A、4B、4Cと異なっており、その形状は次ぎのようになっている。つまり、第4メインパターン4Dは、基本的には竿先側の幅L1を1プライ分より僅かに大きな幅に設定し、その竿先側の幅L1を基準にして、マンドレル5に巻回する際に巻き始め部分となる直線部dとマンドレル5に巻回する際に巻き終り部分となる斜辺部eによって台形状を呈しており、その斜辺部eに切欠き部4aを複数箇所に亘って形成してある。
つまり、中間ガイド3を取り付ける位置に対応して切欠き部4aを形成してあり、図5(ロ)においては、3個の中間ガイド3を装着するものに対応して、3個の切欠き部4aを形成してある。
つまり、中間ガイド3を取り付ける位置に対応して切欠き部4aを形成してあり、図5(ロ)においては、3個の中間ガイド3を装着するものに対応して、3個の切欠き部4aを形成してある。
図5(ロ)に示すように、3個の切欠き部4aにおける斜辺部eに沿った切欠き長さL3は、前記した小径の部分1Cの竿軸線方向に沿った長さL2に相当する。各切欠き部4aにおける斜辺部eに直交して直線部dに向かう奥行き深さL4は、1プライ分の長さに設定する。
以上のように、第1メインパターン4Aから第3メインパターン4Cまでの3層分のメインパターンを巻回して構成した筒状体の上から、3個の切欠き部4aを形成した第4メインパターン4Dを巻回すると、切欠き部4aに相当する部分が小径の部分1Cを構成するものとなる。
上記した奥行き幅L4について、1プライ分の長さに形成したが、その他の構成のものとしては、中間ガイド3の剛性に相当する分だけを切欠く長さに設定するのが、望ましい。少なくとも、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abを載置するだけの奥行き幅L4を形成すればよい。
〔第2実施形態〕
ここでは、図6に示すように、メインパターン4を1枚だけで構成し、このメインパターン4を複数プライに亘って巻回するために、竿先側端部の幅L5を複数プライ巻回することのできる幅に設定する。そうすると、このメインパターン4の斜辺部eに3個の切欠き部4aを形成し、切欠き部4aの寸法は、第1実施形態で示した、切欠き長さL3と奥行き幅L4と同様である。
このようなメインパターン4を複数プライに巻回することによって、切欠き部4aの存在によって、図2に示す、小径の部分1Cを形成することができる。
ここでは、図6に示すように、メインパターン4を1枚だけで構成し、このメインパターン4を複数プライに亘って巻回するために、竿先側端部の幅L5を複数プライ巻回することのできる幅に設定する。そうすると、このメインパターン4の斜辺部eに3個の切欠き部4aを形成し、切欠き部4aの寸法は、第1実施形態で示した、切欠き長さL3と奥行き幅L4と同様である。
このようなメインパターン4を複数プライに巻回することによって、切欠き部4aの存在によって、図2に示す、小径の部分1Cを形成することができる。
〔第3実施形態〕
ここでは、第1実施形態での第4メインパターン4Dと、第2実施形態でのメインパターン4に形成される切欠き部4aとは、異なる形成方法を提示する。図5及び図6に示すように、斜辺部eから直線部dに向けて切欠き部4aを形成したが、この第3実施形態では、斜辺部eより一定長さだけ直線部dに向けて内部に移行した位置に抜き孔4bとして形成するものを使用する。
ここでは、第1実施形態での第4メインパターン4Dと、第2実施形態でのメインパターン4に形成される切欠き部4aとは、異なる形成方法を提示する。図5及び図6に示すように、斜辺部eから直線部dに向けて切欠き部4aを形成したが、この第3実施形態では、斜辺部eより一定長さだけ直線部dに向けて内部に移行した位置に抜き孔4bとして形成するものを使用する。
上記のような第4メインパターン4Dとメインパターン4を巻回して得られる穂先竿1のものとしては、図8に示すように、穂先竿1の中間ガイド3の竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abを載置する為に、穂先竿1の円周方向の一部のみに凹入部を形成して、この凹入部を脚載置部Dとする。
この場合には、図7に示すように、凹入部を形成する抜き孔4bがメインパターン4等の斜辺部eに達するものではなく、斜辺部eは連続する状態で繋がっているので、図5及び図6に示すように、斜辺部eが連続する状態で繋がっていない切欠き部4aを形成している場合に比べて、斜辺部eでの亀裂の発生や解れの伝播等が抑制される。
この場合には、図7に示すように、凹入部を形成する抜き孔4bがメインパターン4等の斜辺部eに達するものではなく、斜辺部eは連続する状態で繋がっているので、図5及び図6に示すように、斜辺部eが連続する状態で繋がっていない切欠き部4aを形成している場合に比べて、斜辺部eでの亀裂の発生や解れの伝播等が抑制される。
〔別実施形態〕
(1) 脚載置部Dを形成する竿としては、中実棒状の穂先竿1等であってもよい。この場合には、中実棒を形成した段階で前記した小径の部分1C等を研削加工又は切削加工によって形成する。これによって、中実棒状の穂先竿1等においても、脚載置部Dを形成でき、釣り糸ガイド3の取付部位での剛性の高まりを緩和できる。
ここに、中実棒状の穂先竿1の製造方法については図示してはいないが、次ぎのようなものである。ガラス繊維等の強化繊維を束にしたものを、熱硬化性樹脂液内を潜らせて、ガラス繊維群に熱硬化性樹脂を含浸させる。含浸させたものをダイスを通して細長い棒状のものに抜き出して固める。抜き出したものを、所定長さに裁断し、裁断後棒状のものに表面研磨を行って中実棒状の竿素材を形成する。
このように形成した竿素材に更に研磨加工、又は、研削加工を行って、小径の部分1C等の脚載置部Dを形成する。
(2) 上記した構成は穂先竿1について説明したが、他の中竿に適用してもよい。
(3) 中間ガイド3としては、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを有したもので説明したが、竿元側脚部3Abだけを有している一本脚タイプの中間ガイド3であってもよい。
(1) 脚載置部Dを形成する竿としては、中実棒状の穂先竿1等であってもよい。この場合には、中実棒を形成した段階で前記した小径の部分1C等を研削加工又は切削加工によって形成する。これによって、中実棒状の穂先竿1等においても、脚載置部Dを形成でき、釣り糸ガイド3の取付部位での剛性の高まりを緩和できる。
ここに、中実棒状の穂先竿1の製造方法については図示してはいないが、次ぎのようなものである。ガラス繊維等の強化繊維を束にしたものを、熱硬化性樹脂液内を潜らせて、ガラス繊維群に熱硬化性樹脂を含浸させる。含浸させたものをダイスを通して細長い棒状のものに抜き出して固める。抜き出したものを、所定長さに裁断し、裁断後棒状のものに表面研磨を行って中実棒状の竿素材を形成する。
このように形成した竿素材に更に研磨加工、又は、研削加工を行って、小径の部分1C等の脚載置部Dを形成する。
(2) 上記した構成は穂先竿1について説明したが、他の中竿に適用してもよい。
(3) 中間ガイド3としては、竿先側脚部3Aaと竿元側脚部3Abとを有したもので説明したが、竿元側脚部3Abだけを有している一本脚タイプの中間ガイド3であってもよい。
3 中間ガイド(釣り糸ガイド)
3Aa、3Ab 脚部
4a 切欠き部
4b 抜き孔
B 被覆部
D 脚載置部
3Aa、3Ab 脚部
4a 切欠き部
4b 抜き孔
B 被覆部
D 脚載置部
Claims (5)
- 竿外周面における脚載置部に、釣り糸ガイドの脚部を載置した状態で取付用糸を前記脚部と竿外周面とに亘って巻き付けて前記釣り糸ガイドを取り付け構成し、前記脚載置部を凹入形成してある釣り竿用竿体。
- 前記脚載置部の外径を、前記竿外周面における前記脚載置部より竿先側に位置する部分に比べて、小径に形成してある請求項1記載の釣り竿用竿体。
- 固定強化用接着剤を前記脚部に巻き付けられた取付用糸の表面に施して、前記取付用糸を被覆する被覆部を形成してある請求項1または2記載の釣り竿用竿体。
- 前記被覆部の外周面と、その被覆部より竿先側に位置する竿体の外周面とを、面一又は略面一状態になるように形成してある請求項3記載の釣り竿用竿体。
- 強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させて形成したプリプレグシートをマンドレルに巻回して筒状体を形成する釣り竿用竿体の製造方法であって、前記脚載置部を形成する為に、前記プリプレグシートにおける前記脚載置部に対応する部位に切欠き部又は抜き孔を形成してある請求項1〜4の内のいずれか一つに記載の釣り竿用竿体の製造方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011182670A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Shimano Inc | 釣竿 |
CN103039413A (zh) * | 2009-03-30 | 2013-04-17 | 大和精工株式会社 | 钓线导向件 |
CN111820199A (zh) * | 2019-04-17 | 2020-10-27 | 株式会社岛野 | 钓线导向装置的导向框、钓线导向装置及钓竿 |
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2006
- 2006-06-13 JP JP2006163430A patent/JP2007330118A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103039413A (zh) * | 2009-03-30 | 2013-04-17 | 大和精工株式会社 | 钓线导向件 |
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CN111820199B (zh) * | 2019-04-17 | 2023-01-24 | 株式会社岛野 | 钓线导向装置的导向框、钓线导向装置及钓竿 |
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