(実施例1)
この発明に係る画像処理システムの実施形態を説明する。
図1は、本実施例のクライアント側で印刷する際に使用する用紙を説明する図である。101〜105は、チケットプリペイド台紙セットに含まれるプリペイド台紙の夫々を示しており、ユーザは、このプリペイド台紙セットをコンビニエンスストアや百貨店等で購入しておく。プリペイド台紙101、102は3000円のチケットとして使用可能、103、104、は4000円のチケットとして使用可能、105は5000円のチケットとして使用可能であり、5枚セットで販売されている。
プリペイド台紙101、102、103、104、105には、それぞれ異なった画像パターンが印刷されており、台紙の画像パターンや金額設定が特定できるプリペイド台紙ID106、107、108、109、110が印刷されている。
プリペイド台紙IDは、販売されると販売記録が後述のサービスセンターで管理される。
また、本実施例では、3000円、4000円、5000円の5枚セットのプリペイド台紙セットを例にするが、金額設定や枚数が異なってもよい。
図2は、本実施例1の画像処理システムの概略を示す構成図である。201は、ユーザが操作を行うクライアントPCであり、201のクライアントPCには、プリンタ202が接続されている。203は、サービスセンターに設置された券発行処理を行うサーバであり、201クライアントPCとネットワークで接続されている。なお、201のクライアントPCは、不図示のCPUを有し、このCPUは201のクライアントPC上で実行される全ての処理を統括的に制御する。また、203のサーバは、不図示のCPUを有し、203のサーバ上で実行される全ての処理を統括的に制御する。また、プリンタ202は、不図示のCPUを有し、このCPUは203のサーバ上で実行される全ての処理を統括的に制御する。
ユーザは、クライアントPC201における表示画面で所望のコンサートチケットを選択すると、その金額が表示画面に表示される。以下では、この金額が例えば3000円であったものと仮定して実施例を記述する。ユーザは、所望のコンサートチケットが3000円であることを確認すると、クライアントPC201に接続されているキーボードを用いて、プリペイド台紙101の識別情報である用紙ID(3000円のプリペイド台紙101の用紙ID)を打ち込む。すると、クライアントPC201は、券発行要求送信部210で、選択された所望のコンサート情報と、用紙ID情報と、券発行要求とをサービスセンターのサーバ203に送信する。
サーバ203は、クライアントPC201から、券発行要求を受信すると、券要求確認部212でユーザの所望のチケット情報、及び空席状況等を確認する。さらに、クライアントPC201から受信した用紙IDが、管理されている正規IDのものかを用紙ID解析部213で判定する。さらに、正規IDのものであると判定された場合には、用紙IDと対応付けられて保存されている金額(例えば、用紙IDが07286tvqdであるならば、台紙1であるので、金額は3000円である)が、要求確認部212で確認されたチケット情報の金額と合致しているか解析を行う。さらに、このサーバ203は、用紙ID解析部213で、用紙IDからプリペイド台紙に印刷された画像パターンを特定する。
さらに、サーバ203は、用紙ID解析部213で特定した画像パターンに合成すると、特定の干渉パターンが発生するような可視パターン画像を生成する可視パターン生成部214を有する。さらに、サーバ203は、可視パターン生成部214で生成された可視パターンと、コンサートの日時や開催場所等のチケット情報とを合成して券情報データを生成する券情報データ合成部215を有する。さらに、サーバ203は、券情報データ合成部215が作成した券情報データをクライアントPC201に対して送信する送信部216を有する。
クライアントPC201は、サービスセンターのサーバ203から送信された券情報データを受信する券情報データ受信部211を備えており、接続されたプリンタ202は、手差しトレイなどの給紙部にユーザがセットした用紙(例えば、プリペイド台紙101)上に、受信した券情報データを画像形成する券情報データ印刷部217を備えている。
図3における301は、券情報データ合成部215で生成する券情報データの例を説明する説明図である。
101、103は、前述したプリペイド台紙であり、予め決められた画像パターンが印刷されている。
301は、券情報データ合成部215で生成された券情報データであり、311は用紙ID番号、312はチケット情報を示すデータである。313は、特徴的な可視パターンである。この可視パターン313は、プリペイド台紙101に印刷された画像パターン上に印字されると、特定の領域(例えば、”OK”の領域)に特定の干渉パターン(例えば、ロゼッタパターン)が生じる。なお、この可視パターン313は、214の可視パターン生成部で生成されたものである。
302、303は、それぞれ、101の台紙1上、102の台紙2上に、311の券情報データをプリンタ202で印刷させた際に得られる印刷出力結果である。このうち、302は、サーバ203に送信した用紙IDと同じIDを有するプリペイド台紙(101の台紙1)上に券情報データ311が印刷出力されているため特定の干渉パターンが生じている。また、303は、サーバ203に送信した用紙IDと異なるIDを有するプリペイド台紙(102の台紙2)上に券情報データ311が印刷出力されているため特定の干渉パターンが生じていない。
本実施形態では、特定の干渉パターンが特定の領域に存在しないチケットは無効と見なすこととする。もちろん、無効なチケットしか持っていないユーザは、コンサート観覧は出来ないことになる。
また、本実施形態におけるプリペイド台紙に印刷されている画像は、可視パターン生成部214で生成される画像データとの合成によって、特定パターンが特定の領域に可視化されるよう生成されている。
図6は干渉パターン生成の例を示す説明図である。320は券データ情報データ301の“OK”文字部分のパターンの拡大図、321は台紙1の背景パターンの拡大図、322は台紙3の背景パターンの拡大図を示す。
“OK”文字部のパターン320に対して台紙1のパターン321は、同じ間隔で、かつ、同じサイズのドットであり、かつ、ドッド配列の角度が15度回転した関係になっている。
これに対して、台紙3のパターン322は、”OK”文字部分のパターン320に対して、異なる間隔(ドット間隔70%)で、かつ、異なるサイズのドット(ドットサイズ70%)であり、かつ、ドット配列の角度が45度回転した関係になっている。
323は“OK”文字部のパターン320と台紙1のパターン321を合成した結果として生じる特定の干渉パターンの拡大図、324はOK”文字部のパターン320と台紙3のパターン322を合成した結果として生じる干渉パターン(特定の干渉パターンではない干渉パターン)の拡大図を示す。
この拡大図から、干渉パターン323は、一定周期の円環状の連続的なパターン・・・ロゼッタパターンとなっていることがわかる。このロゼッタパターンは、本実施例における特定の干渉パターンの一例である。一方、干渉パターン324は、一定周期の円環状の連続的なパターンとなっていない。即ち、特定の干渉パターンとなっていない。
結果として出力結果302では、特定の領域である“OK”文字領域が、特定の干渉パターンの集合体となっているため、他の隣接領域から浮いたように知覚されるが、出力結果303では“OK”文字領域は他の隣接領域から浮いたようには知覚されない。
次に図4、図5のフローチャートを用いて、本実施形態の画像処理システムの動作フローを説明する。
図4は、クライアントPC201の処理フローを示しており、図5は、サービスセンターのサーバ203の処理フローを示している。どちらの処理フローも、各装置のCPUが統括的に制御する。
ユーザは、クライアントPC201における表示画面で所望のチケットを選択すると、その金額が表示画面に表示される。ユーザは、所望のチケットの値段を確認すると、クライアントPC201に接続されているキーボードを用いて、チケットの値段に合致するプリペイド台紙の用紙IDを打ち込む。すると、クライアントPC201における券発行要求送信部210が、選択された所望のチケット情報と、用紙IDと、券発行要求とをサービスセンターのサーバ203に送信する(S401)。
サーバ203は、クライアントPC201から、券発行要求を受信すると、券要求確認部212でユーザの所望のチケット情報、及び空席状況等を確認する(S501)。S501で空席がないことが確認された場合には、このサーバ203は、クライアントPC201に対して券発行不可の通知を行う(S502)。S502で空席があることが確認された場合には、S503に移行する。
S503では、クライアントPC201から受信した用紙IDが、正規IDのものなのかどうかについてサーバ203が、用紙ID解析部213で判定する。さらに、この用紙ID解析部213は、用紙IDと対応付けられて保存されている金額が、チケット情報の金額と合致しているかどうか判定する。
S503において、用紙IDが正規IDのものでない場合には、S504に移行する。また、用紙IDと対応付けられて保存されている金額が、チケット情報の金額と合致しない場合にもS504に移行する。そして、この二つの条件のどちらにも合致しない場合には、S505に移行する。S504では、このサーバ203は、クライアントPC201に対して券発行不可の通知を行う。
S505では、このサーバ203は、用紙ID解析部213で、用紙ID(識別情報)に基づいて、プリペイド台紙に印刷された画像パターンを特定する。そして、このサーバ203は、特定された画像パターンに基づいて、可視パターン生成部214で、可視パターン画像データを生成する。なお、この可視パターン画像データは、上記プリペイド用紙に印刷されたパターンと合成されると、特定の干渉パターンが生じる画像データとなっている。
なお、S505では、用紙IDに基づいて特定された画像パターンの空間周波数特性を解析し、当該解析された空間周波数特性に基づいて可視パターン画像データを作成し、当該生成された可視パターン画像データをメモリ上に展開するような構成(第1の構成)であってもよい。
または、可視パターン画像データが予め用紙IDと関連付けられた状態で、サーバ203のHDD等に格納されているとすれば、その可視パターン画像データをメモリ上に展開するような構成(第2の構成)であってもよい。
どちらの場合(第1の構成の場合も第2の構成の場合)も、メモリ上に可視パターン画像データを展開することになるが、このようにメモリ上に可視パターン画像データを展開することを可視パターン画像データを生成すると表現することにする。
S506では、サーバ203は、コンテンツデータ(コンサート名や日時などの情報)と、S505で生成された可視パターン画像データとを、券情報データ合成部215において合成して券情報データを作成する。
S507では、サーバ203は、クライアントPC201に対して、券情報データ送信部216で券情報データを送信する。
クライアントPC201は、券発行不可通知を受信した否かを判定し(S402)、券情報データを受信したか否かを判定する(S403)。そして、S402で券発行不可通知が受信したと判定した場合には、処理を中止する。S403で券情報データを受信しなかったと判定した場合には、S402に戻る。
またS403で券情報データを受信したと判定された場合には、クライアントPC201の表示画面上に「正規のプリペイド用紙をプリンタ202の手差しトレイにセットしましたか?」という通知を出す。その通知に対してユーザが不図示のキーボードを用いてOKを指示すると、クライアントPC201は、プリンタ202に対して券情報データを出力する。
このようにクライアントPC201は、受信した券情報データをプリンタ202に対して出力することで、プリペイド台紙上の画像データと券情報データとが合成されるように制御する。
プリンタ202は、券情報データを上記プリペイド台紙上に画像形成する(S404)。
また、本実施例ではユーザが要求したコンサートの代金と、プリペイドチケットの金額が合致しなければ、券発行不可通知をしているが、合致せずとも、例えば、コンサート代金が2800円、プリペイドプリペイド台紙が3000円だった場合、差額200円分をコンサートに来場した際にユーザに支払うシステムにしてもよい。
このように本実施例は、コンサートやスポーツ観戦のプリペイド台紙をコンビニ等で購入し、当該台紙を自宅のプリンタの給紙部にセットした上で、サーバで作成された画像を印刷する技術を開示している。これにより、プリペイド台紙上の画像と、サーバで作成された画像を合成することができ、印刷物上には特定の干渉パターンが生じることになる。
なお、特開2000−182086では、不可視な使用者認識情報が埋め込まれたチケット情報をクライアントPCで印刷するシステムが提案されている。しかしながら、このシステムでは、チケット情報が通信経路上で流出した場合には、不心得者の利用が可能になる。
また、特開2002−109113では、チケット受付け側とあらかじめ決めてあるルールに基づいた改竄視認のためのデータが埋め込まれたチケット情報をクライアントPCで印刷するシステムが提案されている。しかしながら、このシステムでも、チケット情報が通信経路上で流出した場合には、不心得者の利用が可能になる。
一方、本実施例開示の技術を用いれば、台紙上の画像はフェイストゥフェイスの経路で、サーバで作成された画像データは通信経路でユーザの手元に届くことになる。即ち、原本を構成する二つの画像(台紙上の画像と、サーバで作成された画像)とが別経路でユーザの手元に届くことになる。これにより、たとえ片方の画像が不心得者により盗まれたとしても原本自体が奪われることはない。結果として、上述した特開2000−182086や特開2002−109113で開示されているチケット発行システムより強固なセキュリティが実現することになる。
なお、これ以降の実施例でも、二つの画像を別経路で送る技術を開示する。各実施例とも、夫々別経路で画像を送ることにより強固なセキュリティを実現している。
(実施例2)
実施例1においては、
台紙をコンビニエンスストアや百貨店等で購入できるように流通させるという点で、それにかかる経費回収の為には、ビジネス規模が或る程度以上大きくなければならない。
また小売の流通に載せた場合は、
1.流通上の事故によって損失した台紙や、
2.ユーザが購入後に利用しなかった台紙の、
画像パターンの無効化対応、払い戻し保障、有効期限設定等、実現には複雑なシステムが必要になる。
このような仕組みの大規模化や複雑化を避け、小規模で簡易に、チケットその他の文書の原本保証を実現するための実施例を次に示す。
図7は本実施例2のシステム全体の概要を示す構成図である。
まずシステム全体を構成する1101から1109の各部位について説明する。
1101はチケット発行側の、発明の画像処理装置を含むチケット発行システムである。
1102はチケット発行指示を行うパーソナル・コンピュータ等のホスト機器である。
1103は本発明の画像処理装置である。
1104は画像パターン2と合成されることで干渉が発生し、何らかの画像が発生する、或いは発生しない、画像パターンを、紙上に記録した、画像パターン1である。
1105は画像パターン1と合成されることで干渉が発生し、何らかの画像が発生する、或いは発生しない、画像パターンと、チケット画像を合成した、電子画像データであるところの、画像パターン2+チケット画像である。
1106はチケット画像受領側の、通常の画像処理装置を含むチケット画像受領・出力システムである。
1107は画像パターン2+チケット画像を受領し、その印刷指示を行う、パーソナル・コンピュータ等のホスト機器である。
1108は通常の画像処理装置である。
1109は最終的に印刷出力された、最終チケットである。
図8は本実施例2のチケット発行側の処理手順を示す流れ図である。
S1201は、ホスト機器1102から、発明の画像処理装置1103に対してチケット発行指示を行う手順である。
S1202は、チケットに基づいて画像パターン1を生成し、画像パターン2を生成し、チケット画像を生成する手順である。
S1203は、画像パターン1を生成しHardcopyとして記録出力する手順である。
S1204は、画像パターン2を生成し、チケット画像を生成し、更に両者を合成し電子画像データを生成する手順である。
S1205は、画像パターン1のHardcopyを郵送等で送付する手順である。
S1206は、画像パターン2+チケット画像の電子画像データを、電子メール等で送付する手順である。
図9は本実施例2のチケット画像受領・出力側の処理手順を示す流れ図である。
S1301は、画像パターン2+チケット画像(電子データ)を受信する手順である。
S1302は、画像パターン1のHardcopyを受領する手順である。
S1303は、画像パターン2+チケット画像を印刷指示する手順である。
S1304は、画像パターン1のHardcopyを給紙する手順である。
S1305は、画像パターン1上に画像パターン2+チケット画像を重ね合わせ合成印刷出力する手順である。
次に図7と図8と図9の(1)から(9)に沿って、処理手順について説明する。
チケットの作成や管理を行うホスト機器1102は、(1)手順として、発明の画像処理装置1103に対して、チケット発行指示を行う。
発明の画像処理装置1103においては、(2)手順として、合成されることで干渉が発生し、何らかの画像が発生する、或いは発生しない、二つの画像パターンである、画像パターン1及び画像パターン2を、発行指示されたチケットに基づいて生成し、加えてチケット自体の画像化を行う。更に(3)A手順として、画像パターン1のみをメディア上に記録することで、画像パターン1のHardcopy1104を印刷出力し、(3)B手順として、画像パターン2とチケット画像を合成した、電子画像データである1105を、ホスト機器1102に返却する。
Hardcopy1104は、(4)A手順として、郵送等でチケット画像受領・出力側1106に送られる。
電子画像データ1105は、(4)B手順として、電子メール等でチケット画像受領・出力側1106に送られる。
(5)手順として、電子画像データ1105は、ホスト機器1107に受信される。
また(6)手順として、Hardcopy1104は、チケット画像受領・出力側1106に受領される。
ホスト機器1107は、(7)手順として、通常の画像処理装置1108に対して、電子画像データ1105の画像パターン2+チケット画像の印刷指示を行う。
Hardcopy1104は、(8)手順として、通常の画像処理装置1108に給紙される。
最後に(9)手順として、通常の画像処理装置1108は、与えられた電子画像データ1105の画像パターン2+チケット画像を、給紙されたHardcopy1104上に合成印刷出力し、Hardcopyとしての最終チケット1109が得られる。
〈実施例2の補足〉
また上記実施例では、チケット発行側1101とチケット画像受領・出力側1106が、或る程度離れている場合を想定している為に、発明の画像処理装置1103とは異なる、通常の画像処理装置1108を用いているが、チケット発行側1101とチケット画像受領・出力側1106が、同一のチケットセンター内であったり、同一のコンビニエンスストア内であったりする場合、通常の画像処理装置1108を、発明の画像処理装置1103が兼ねることも可能である。
この場合、画像パターン1のHardcopy1104を、印刷出力後、チケット画像受領・出力側1106にあたる本人が、(4)A手順ならびに(6)手順の代わりに、直接入手することも可能であり、また電子画像データ1105の画像パターン2+チケット画像は、発明の画像処理装置1103からホスト機器1102へ、(3)B手順として返却される代わりに、チケット画像受領・出力側1106にあたる本人がアクセス可能な共有フォルダのような、二次記憶装置に格納し、(4)B手順ならびに(5)手順の代わりに、上記二次記憶装置から取り出してHardcopy1104上に合成印刷出力することも考えられる。
そして、上記のような二次記憶装置を有する、発明の画像処理装置1103も考えられる。
〈実施例2および5における、発明の画像処理装置の説明〉
次に、発明の画像処理装置の構成を説明する。
図10は、発明の画像処理装置のシステム構成を示す模式図である。
1401は、ホスト機器1102と通信を行うホスト・インターフェースである。
1402は、発明を実行するプログラム1403を演算実行するCPUである。
1403は、発明を実行するプログラムで、実態としてはROMやハードディスク(HDD)等の不揮発性の記憶装置に格納されてあるところのソフトウェアである。
1404は、プログラム1403を実行するに当たって、汎用的に利用されるプログラムWORKメモリーである。
1405は、プログラム1403を実行するに当たって、生成画像をバッファリングするプログラム画像メモリーである。
1406は、画像メモリー1405にバッファリングされた画像を、エンジン1407に対して転送する、ビデオ・インターフェースである。
1407は、ビデオ・インターフェース1406から転送されてくる画像をメディア上に記録するエンジンである。
1408は、システム全体をつなぎ、各種情報が往還するシステム・バスである。
1409は、必要に応じて追加された構成が考えられる二次記憶装置であり、複数の画像パターン素材を格納する場合もあり、或いは、もしくは加えて、画像パターン2+チケット画像の電子画像データ1105を格納しておく場合もある。
次に、発明の画像処理装置の動作手順を説明する。
図11は、発明の画像処理装置の動作手順を示す流れ図である。
S1501は、ホスト・インターフェース1401がホスト機器1102からの印刷指示を受信する通信手続きである。
S1502は、チケット等の原本発行指示であることを確認する判断手続きである。
S1503は、通常の印刷処理を実行する通常印刷手続きである。
S1504は、チケット情報に基づいて画像パターン1を生成する画像生成手続きである。
S1505は、画像パターン1に応じた画像パターン2を生成する画像生成手続きである。
S1506は、チケットを画像に展開する画像生成手続きである。
S1507は、画像パターン2にチケット画像を合成する画像合成手続きである。
S1508は、画像パターン1をエンジン1406に出力する通信手続きである。
S1509は、印刷完了を確認する判断手続きである。
S1510は、画像パターン2+チケット画像をホスト機器1102に返信する通信手続きである。
S1511は、返信完了を確認する判断手続きである。
S1510’は、画像パターン2+チケット画像を二次記憶装置1409に格納する画像データ記憶手続きである。
次に図10ならびに図11を用いて、発明の画像処理装置の動作手順について説明する。まず、S1501手続きとして、ホスト・インターフェース1401は、ホスト機器1102より、印刷データを受信する。
上記印刷データはチケット発行の指示を含む場合があり、そのことを判断手続きS1502として判断する。
ここで、NOすなわちチケット発行指示を含まない場合は、通常の画像処理装置として、通常印刷手続きS1503を実行し、処理を終了する。
ここで、YESすなわちチケット発行指示が含まれる場合は、チケット情報に基づいて、画像パターン1を生成する、画像生成手続きS1504を実行する。
ここで画像パターン1の生成は、すべてを論理演算処理によって生成する手法もあれば、二次記憶装置1409などに画像パターン素材が格納されている場合は、画像パターン素材の選択と合成によって生成する手法もある。
そして生成された画像パターン1は画像メモリー1405に格納される。
次に画像パターン2を生成する画像生成手続きS1505を実行する。画像パターン2は、画像パターン1と合成されることで、干渉によって任意の画像が現れる、或いは干渉が発生せずに特別な画像が現れない。
そして生成された画像パターン2は画像メモリー1405の、画像パターン1とは異なる領域に格納される。
次に、チケットを画像データにラスタライズする画像生成手続きS1506を実行する。
そして生成されたチケット画像は、画像合成手続きS1507が実行されることで、画像メモリー1405の、画像パターン2に対して合成され、画像メモリー1405の、画像パターン1とは異なる領域に格納される。
次に、通信手続きS1508が実行され、画像メモリー1405の、画像パターン1が、ビデオ・インターフェース1406を通じて、エンジン1407に対して送信される。
そして判断手続きS1509が実行され、印刷完了を待つ。
印刷完了後、通信手続きS1510が実行され、画像メモリー1405の、画像パターン2+チケット画像がホスト機器1102に対して返信される。
そして判断手続きS1511が実行され、返信完了を待つ。
以上を以って、発明の画像処理装置はすべての処理を終了する。
またここで、実施例2の補足や、後述する実施例5の補足で説明されている場合において、発明の画像処理装置1103もしくは4103は、通信手続きS1510を実施する代わりに、画像データ記憶手続きS1510’を実行することも考えられる。
この場合、発明の画像処理装置1103もしくは4103は、HDD等の二次記憶装置を有する構成も考えられる。
(実施例3)
実施例1では、コンビニエンスストアや百貨店等で購入したプリペイド台紙(101から105)をプリンタ202に給紙させ、券情報データ印刷部217のデータを該用紙に印字し、特定の模様を浮き上がらせていた。しかしながら、下記の場合、券情報データ印刷部217のデータを該用紙に正確に印字されず、特定の模様が浮き出ない場合があった。
・プリンタ202が購入した台紙サイズに対応していない場合
・台紙が途中でジャムした場合
・台紙の給紙方向を間違えた場合
・台紙が斜行した場合
また、台紙のIDをサービスセンターに送信する際、IDの入力ミスを起こす場合があった。
一方、本実施例では、台紙をスキャナにて読取り、当該スキャンした画像と券情報データ印刷部217のデータとを合成し、プリンタ202の印字部で印字する。これにより、プリンタに対応していない台紙サイズであっても、プリントすることが可能となり、台紙の斜行や給紙方向間違え、ジャムによる印字ミスが回避される。
また、ID番号をバーコードやQRコード等にしておくことで,読取りと同時にID番号の検出も可能となる。
本実施例の構成について説明する。
図12は、本実施例3の画像処理システムの概略を示す構成図である。2100は、ユーザが操作を行うクライアントPCであり、2100のクライアントPCには、プリンタ2103と台紙読取り部2105が接続されている。2200は、サービスセンターに設置された券発行処理を行うサーバであり、2100クライアントPCとネットワークで接続されている。
クライアントPCは、券発行要求送信部2101を有し、ユーザは、所望のコンサート情報とともに、券発行要求をサービスセンターのサーバ2200に送信する。
サーバ2200は、クライアントPC2100から、券発行要求を受信すると、券要求確認部2201にてユーザ情報、所望のチケット情報、及び空席状況等から券が発行可能か確認を行う。さらには、サーバ2200は、重ね合わせるとある特定の干渉縞が発生するような対になるパターン画像を生成する可視パターン生成部2202と、生成したパターンとコンサートの日時や開催場所等のチケット情報を合成する券情報データ合成部2203と、券情報データ合成部2203で作成したデータをクライアントPC2100に送信する送信部2204と、可視パターン生成部2202で生成された、対となるもう一方の可視パターンを印刷する台紙印刷部2205を備える。
クライアントPC2100は、サービスセンターのサーバ2200から送信された券情報データを受信する券情報データ受信部2102を備えている。
クライアントPCはサービスセンターのサーバ2200の台紙印刷部で印刷した台紙を読取る台紙読取り部2105を備えている。上記読取りデータとサービスセンターのサーバ2200から送信された券情報データを合成する券情報データと台紙読取りデータ合成部を備えている。
プリンタ2103は、用紙に、クライアントPC2101で合成したデータを印刷する合成データ印刷部2104を備えている。
図13は、券の真偽方法について説明を行う図である。
2501は、券情報データ合成部2203で生成された券情報データをクライアントPC側の券情報受信部で受信した電子データあり、2502は用紙ID番号、2504はチケット情報を示すデータである。2503は、ある特定の画像パターン上と合成すると、干渉によって、“OK”という文字パターンを可視化させるように演算した画像データであり、2202の可視パターン生成部で生成されたものである。
2301は、サービスセンター2200の印刷部2205で印刷されてクライアントに郵送された台紙であり、クライアントが台紙と対になるデータを確認できるようにID番号が記録されている。
2601、2602は、それぞれ台紙2301をクライアントPCに接続された台紙読取り部2105で読取ったものと、券情報受信部2102の電子データを券情報データと台紙合成部2106で合成したものの例である。券情報データ2502と読み込みデータが改竄等なく正規の画像であれば、2601の出力結果のように、“OK“というパターンが可視化される。一方、改竄等によって不正なデータだった場合は、2602の出力結果のように”OK“のパターンは可視化されない。
本実施形態における、チケット発行システムでは、“OK“という特定パターンが正しく可視化されていないチケットは無効と見なすこととする。
次に図14、図15、図16のフローチャートを用いて、本実施形態の画像処理システムの動作フローを説明する。
図14は、クライアント側のチケット作成のフローを示しており、ユーザが所望のチケット情報を要求した後の動作を示す。図15は、サービスセンターのサーバ2200の処理フローを示している。図16は、コンサート開催場において、受付担当が券の真偽検証を行う処理フローを示す。
まず、自分のユーザ情報、及び所望のチケット情報とともに、サービスセンターへ券発行要求を行う(S2701)。サーバ側は、S2701で発行された券発行要求情報を受信したら、要求のあったチケットの空席状況の確認を行う(S2801)。S2801で空席がない、あるいは確認したチケット情報に違いがあった場合、ユーザに、“チケット発行不可”の通知を行う(S2802)。S2802で席が確保できたら、S2701で発行されたユーザ情報が登録済のものか否かを確認し(S2803)、ユーザ情報が不適切であれば、ユーザに、“ユーザ情報不正“の通知を行う(S2804)。S2804で、ユーザ情報が適切であると判断すると、干渉によって”OK“と可視化されるように演算した、対となる2つの画像パターンを生成する(S2805)。次に、コンサート名や日時などの券情報と、S2805で生成された片方のパターンを合成して券情報データを作成し(S2806)、要求先のユーザに券情報データを送信する(S2807)。
次に、S2805で生成されたもう片方のパターンを印刷し(S2808)、ユーザに送付する(S2809)。
クライアント側は、券発行不可通知を受信した否か(S2702)、券データを受信したか否か(S2703)を確認し、S2702で券発行不可通知が来たら、処理を中止する。S2703で券データを受信したら、台紙読取り部2105にてサーバ側から送付された台紙を読み込む(S2704)。読取ったデータと券データを合成し(S2705)、クライアントPCに接続されているプリンタ2103にて印刷する。あるいはクライアントPCのモニターで表示、あるいはPC上あるいはネットワーク上の記憶部への保存でも良い(S2706)。
図24において、コンサート開催当日、ユーザはS2706で印刷した用紙を受付に渡すと、受付は、ユーザから受取った用紙に“OK“の文字が可視できるかどうか確認し(S2904)、S2904で確認されれば、ユーザの入場を許可する(S2905)。S2904で可視化が確認できない場合、または、S2901で台紙がなかった場合、ユーザの入場を許可しない(S2906)。
(実施例4)
実施例1では、予め台紙を購入し、台紙を自宅のプリンタの給紙部にセットした上で、サーバで作成された画像を印刷する技術を開示した。
しかしながら、印刷途中でプリンタのインクやトナーが切れたり、または台紙が紙詰まりを起こした場合等、チケット発行を保障ができないことがある。
そこで、本実施例では、クライアントからチケット発行要求があった場合、サービスセンター側で、台紙を印刷し、それを事前にチケット会場へ郵送し、当日、チケット会場で台紙とクライアント側で印刷した画像を合成させて、認証するシステムについて説明を行う。
図17は、本実施例4の画像処理システムの概略を示す構成図である。3100は、ユーザが操作を行うクライアントPCであり、3100のクライアントPCには、プリンタ3103が接続されている。3200は、サービスセンターに設置された券発行処理を行うサーバであり、3100クライアントPCとネットワークで接続されている。
クライアントPCは、券発行要求送信部3101を有し、ユーザは、所望のコンサート情報とともに、券発行要求をサービスセンターのサーバ3200に送信する。
サーバ3200は、クライアントPC3100から、券発行要求を受信すると、券要求確認部3201にてユーザ情報、所望のチケット情報、及び空席状況等から券が発行可能か確認を行う。さらには、サーバ3200は、重ね合わせるとある特定の干渉縞が発生するような対になる可視パターン画像を生成する可視パターン生成部3202と、生成したパターンとコンサートの日時や開催場所等のチケット情報を合成する券情報データ合成部3203と、券情報データ合成部3203で作成したデータをクライアントPC3100に送信する送信部3204と、可視パターン生成部3202で生成された、対となるもう一方のパターンを印刷する台紙印刷部3205を備える。
クライアントPC3100は、サービスセンターのサーバ3200から送信された券情報データを受信する券情報データ受信部3102を備えており、接続されたプリンタ3103は、用紙に、クライアントPC3101で受信した券情報データを印刷する券情報データ印刷部3104を備えている。
図18は、券の真偽方法について説明を行う図である。
3501は、券情報データ合成部3203で生成された券情報データをクライアントPC側で印刷した用紙であり、3502は用紙ID番号、3504はチケット情報を示すデータである。3503は、ある特定の画像パターン上に印刷すると、干渉によって、“OK”という文字パターンを可視化させるように演算した画像データであり、3202の可視パターン生成部で生成されたものである。
3401はコピー機であり、これは開催場所の受付に設置される。
3301は、サービスセンター3200の印刷部3205で印刷されて開催場所の受付に郵送された台紙であり、3501の用紙分だけ印刷、郵送されており、ユーザが提示する3501の用紙と対になる台紙と判定できるような用紙ID番号が印字されている。
3601、3602は、それぞれ台紙3301をコピー機3401の給紙部にセットし、3501の用紙を3401のコピー機で読み込み、コピーした出力結果の例である。3502上に印刷されたデータが改竄等なく正規の画像であれば、3601の出力結果のように、“OK“というパターンが可視化され、改竄等によって不正なデータだった場合は、3602の出力結果のように”OK“のパターンは可視化されない。
本実施形態における、チケット発行システムでは、“OK“という特定パターンが正しく可視化されていないチケットは無効と見なすこととする。
次に図19、図20、図21のフローチャートを用いて、本実施形態の画像処理システムの動作フローを説明する。
図19は、クライアント側のPC3100の処理フローを示しており、ユーザが所望のチケット情報を確認した後の動作を示す。図20は、サービスセンターのサーバ3200の処理フローを示している。図21は、コンサート開催場において、受付担当が券の真偽検証を行う処理フローを示す。
まず、自分のユーザ情報、及び所望のチケット情報とともに、サービスセンターへ券発行要求を行う(S3701)。サーバ側は、S3701で発行された券発行要求情報を受信したら、要求のあったチケットの空席状況の確認を行う(S3801)。S3801で空席がない、あるいは確認したチケット情報に違いがあった場合、ユーザに、“チケット発行不可”の通知を行う(S3802)。S3802で席が確保できたら、S3701で発行されたユーザ情報が登録済のものか否かを確認し(S3803)、ユーザ情報が不適切であれば、ユーザに、“ユーザ情報不正“の通知を行う(S3804)。S3804で、ユーザ情報が適切であると判断すると、干渉によって”OK“と可視化されるように演算した、対となる2つの画像パターンを生成する(S3805)。次に、コンサート名や日時などの券情報と、S3805で生成された片方のパターンを合成して券情報データを作成し(S3806)、要求先のユーザに券情報データを送信する(S3807)。
次に、S3805で生成されたもう片方のパターンを印刷し(S3808)、会場受付に送付する(S3809)。
クライアント側は、券発行不可通知を受信した否か(S3702)、券データを受信したか否か(S3703)を確認し、S3702で券発行不可通知が来たら、処理を中止する。S3703で券データを受信したら、プリンタ3103で、印刷を行う(S3704)。
図21において、コンサート開催当日、ユーザはS3704で印刷した用紙を受付に渡すと、受付は、ユーザから受取った用紙に印字された用紙ID番号を確認して、対となる台紙があるかどうか確認する(S3901)。S3901で台紙があれば、台紙を受付に設置されたコピーの給紙部にセットし(S3902)、用紙をコピー機でコピー出力する(S3903)。
S3903で印刷した結果、出力用紙に“OK“の文字が可視できるかどうか確認し(S3904)、S3904で確認されれば、ユーザの入場を許可する(S3905)。S3904で可視化が確認できない場合、または、S3901で台紙がなかった場合、ユーザの入場を許可しない(S3906)。
(実施例5)
実施例1においては、
台紙をコンビニエンスストアや百貨店等で購入できるように流通させるという点で、それにかかる経費回収の為には、ビジネス規模が或る程度以上大きくなければならない。
また小売の流通に載せた場合は、
1.流通上の事故によって損失した台紙や、
2.ユーザが購入後に利用しなかった台紙の、
画像パターンの無効化対応、払い戻し保障、有効期限設定等、実現には複雑なシステムが必要になる。
このような仕組みの大規模化や複雑化を避け、小規模で簡易に、チケットその他の文書の原本保証を実現するための実施例を次に示す。
図22は本実施例5のシステム全体の概要を示す構成図である。
まずシステム全体を構成する4101から4109の各部位について説明する。
4101は原本文書発行側の、発明の画像処理装置を含む原本文書発行システムである。
4102は原本文書発行指示を行うパーソナル・コンピュータ等のホスト機器である。
4103は本発明の画像処理装置である。
4104は画像パターン2と合成されることで干渉が発生し、何らかの画像が発生する、或いは発生しない、画像パターンを、紙上に記録した、画像パターン1である。
4105は画像パターン1と合成されることで干渉が発生し、何らかの画像が発生する、或いは発生しない、画像パターンと、原本文書画像を合成した、電子画像データであるところの、画像パターン2+原本文書画像である。
4106は原本文書受領側の、通常の画像処理装置を含む原本文書受領・出力システムである。
4107は画像パターン2+原本文書画像を受領し、その印刷指示を行うパーソナル・コンピュータ等のホスト機器である。
4108は通常の画像処理装置である。
4109は最終的に印刷出力された、最終原本文書である。
図23は本実施例5の原本文書発行側の処理手順を示す流れ図である。
4201は、ホスト機器4102から、発明の画像処理装置4103に対して、原本文書発行指示を行う手順である。
4202は、原本文書に基づいて画像パターン1を生成し、画像パターン2を生成し、原本文書画像を生成する手順である。
4203は、画像パターン1を生成しHardcopyとして記録出力する手順である。
4204は、画像パターン2を生成し、原本文書画像を生成し、更に両者を合成し電子画像データを生成する手順である。
4205は、画像パターン1のHardcopyを企業内配送等で送付する手順である。
4206は、画像パターン2+原本文書画像の電子画像データを、電子メール等で送付する手順である。
図24は本実施例5の原本文書受領・出力側の処理手順を示す流れ図である。
4301は、画像パターン2+原本文書画像(電子データ)を受信する手順である。
4302は、画像パターン1のHardcopyを受領する手順である。
4303は、画像パターン2+原本文書画像を印刷指示する手順である。
4304は、画像パターン1のHardcopyを給紙する手順である。
4305は、画像パターン1上に画像パターン2+原本文書画像を重ね合わせ合成印刷出力する手順である。
次に図22と図23と図24の(1)から(9)に沿って、処理手順について説明する。
原本文書の作成や管理を行うホスト機器4102は、(1)手順として、発明の画像処理装置4103に対して、原本文書発行指示を行う。
発明の画像処理装置4103においては、(2)手順として、合成されることで干渉が発生し、何らかの画像が発生する、或いは発生しない、二つの画像パターンである、画像パターン1及び画像パターン2を、発行指示された原本文書に基づいて生成し、加えて原本文書自体の画像化を行う。更に(3)A手順として、画像パターン1のみをメディア上に記録することで、画像パターン1のHardcopy4104を印刷出力し、(3)B手順として、画像パターン2と原本文書画像を合成した電子画像データである4105を、ホスト機器4102に返却する。
Hardcopy4104は、(4)A手順として、企業内配送等で原本文書受領・出力側4106に送られる。
電子画像データ4105は、(4)B手順として、電子メール等で原本文書受領・出力側4106に送られる。
(5)手順として、電子画像データ4105は、ホスト機器4107に受信される。
また(6)手順として、Hardcopy4104は、原本文書受領・出力側4106に受領される。
ホスト機器4107は、(7)手順として、通常の画像処理装置4108に対して、電子画像データ4105の画像パターン2+原本文書画像の印刷指示を行う。
Hardcopy4104は、(8)手順として、通常の画像処理装置4108に給紙される。
最後に(9)手順として、通常の画像処理装置4108は、与えられた電子画像データ4105の画像パターン2+原本文書画像を、給紙されたHardcopy4104上に合成印刷出力し、Hardcopyとしての最終原本文書4109が得られる。
〈実施例5の補足〉
また上記実施例では、原本文書発行側4101と原本文書受領・出力側4106が、或る程度離れている場合を想定している為に、発明の画像処理装置4103とは異なる、通常の画像処理装置4108を用いているが、原本文書発行側4101と原本文書受領・出力側4106が、同一の課であったり近隣部署であったりする場合、通常の画像処理装置4108を、発明の画像処理装置4103が兼ねることも可能である。
この場合、画像パターン1のHardcopy4104を、印刷出力後、原本文書受領・出力側4106にあたる本人が、(4)A手順ならびに(6)手順の代わりに、直接入手することも可能であり、また電子画像データ4105の画像パターン2+原本文書画像は、発明の画像処理装置4103からホスト機器4102へ、(3)B手順として返却される代わりに、原本文書受領・出力側4106にあたる本人がアクセス可能な共有フォルダのような、二次記憶装置に格納し、(4)B手順ならびに(5)手順の代わりに、上記二次記憶装置から取り出してHardcopy4104上に合成印刷出力することも考えられる。
そして、上記のような二次記憶装置を有する、発明の画像処理装置4103も考えられる。
〈すべての実施例における、画像パターン合成例の説明〉
次に図25を用いて正しく合成される、画像パターン1と画像パターン2と原本文書画像とそれらの合成画像の、特に視覚的に解り易い例を示しておく。
図25は、画像パターン1と画像パターン2と原本文書画像が正しく合成される例を示す模式図である。
4401は、Hardcopyとして記録される画像パターン1の模式図である。4402は、電子画像データとして生成される、画像パターン2と「指令A」原本文書画像との合成画像の模式図である。4403は、Hardcopyである4301上に、4402の電子画像データを合成記録した画像の模式図である。
この例では、4401の画像パターン1は、「指令A」原本文書の画像領域を白抜きにした画像パターンとなっている。その為に「指令A」原本文書の画像を合わせ持つ4402の画像パターン2とのみ正しく合成され、4403の如き画像となる。
このことによって、本文書「指令A」が正統な手続きを経て出力された、有効な原本文書であることが明らかとなる。
次に図26を用いて不整合が発生する、画像パターン1と画像パターン2と原本文書画像とそれらの合成画像の、特に視覚的に解り易い例を示しておく。
図26は、画像パターン1と画像パターン2と原本文書画像が不正に合成される例を示す模式図である。
4501は、Hardcopyとして記録される画像パターン1の模式図である。4502は、電子画像データとして生成される、画像パターン2と「辞令C」原本文書画像との合成画像の模式図である。4503は、Hardcopyである4501上に、4502の電子画像データを合成記録した画像の模式図である。
この例では、4501の画像パターン1は、「指令A」原本文書の画像領域を白抜きにした画像パターンとなっている。しかしながら「辞令C」原本文書の画像を合わせ持つ4502の画像パターンと合成されると、原本文書画像領域の形状が異なるために4503の如き画像となり、画像パターンに白抜けが発生する。
このことによって、本文書「辞令C」が正統な手続きを経て出力された、有効な原本文書ではないことが明らかとなる。
(実施例6)
本実施例では、紙ベースの書類のやり取りが主流であるオフィスの業務フローにおいて簡易でかつ高いセキュリティが実現できる手法を説明する。
本実施例では東京本社と横浜支店における書類のやり取りを例に説明する。
図27は、本実施例6の画像処理システムの概略を示す構成図である。
5100は東京本社に設置された社内で扱う書類の原本を管理する画像処理装置である。
情報管理サーバ5200には書類5101の登録部が備えられており、登録した書類は書類5202として保存される。プリンタ5102は情報管理サーバに接続されている。また、管理サーバでは重ね合わせると特定の干渉縞が発生するような対となる可視パターン画像を生成する(5201、5103)。可視パターン5201は電子データとして情報管理サーバに保存される。可視パターン5201は書類5202と合成して保存してもよいし、紐付けして保存しても良い。可視パターン5103は情報管理サーバ5200に接続されているプリンタ5102にて出力され、横浜支店に送付される。
5300は横浜支店に設置された社内で扱う書類の原本を管理する画像処理装置である。
5301は東京支店から送付された可視パターン5103を読み込み、管理サーバ5200に保存されている書類5202と可視パターン5201を合成し印字するプリント機能と読取り機能をもつMFPである。
5303は5301のMFPで合成された可視パターンがそれぞれ改ざん無く正規なものであれば出力される正規の書類である。5302は5301のMEPで合成された可視パターンの少なくとも一つが不正なものの場合出力される書類である。不正な書類の場合は「見本」という文字が浮かび上がるようにしているが「見本」以外のモノがうきでてもよいし、正規な書類に「原本」等浮き上がっても良い。
次に図28、図29のフローチャートにて本実施形態の画像処理システムの動作フローを説明する。
図28は、東京本社に設置された原本管理を行う画像処理装置5100の処理フローを示し、図29は、横浜支店において、原本を作成する際の処理フロー説明する図である。
東京本社において重要書類5101を作成する(S5401)。書類は紙ベースで承認印が付与されている例で説明するが原本を保証できる紙であればその限りではない。その書類を管理サーバ5200に登録する(S5402)。管理サーバ5200では登録された書類に対して、重ね合わせるとある特定の干渉縞が発生するような対の可視パターン画像を生成する(S5403)。一方の可視パターンは書類と共に管理サーバに保存される(5201、5202)。もう一方のパターンはプリンタ5102にて印刷される(S5405)。印刷された可視パターン5103には登録先のサーバーアドレスや登録番号が印字され、パターンがある範囲で印刷されている。これ以外に全面に可視パターンがあるなど別の表示手法でも良い。
印字された可視パターン5103は横浜支店に郵送等で送付する(S5406)。
横浜支店において、東京本店から送付された可視パターン5103の書類があるかどうか確認する(S5501)。ある場合は可視パターン5103の書類を5301のMFPで読取る(S5502)。この読取り部はMFPに限らず、スキャン単体でもよい。読取ったデータと管理サーバにある書類5202と第2の可視パターン5201をMFPで合成する(S5503)。合成した結果“見本”の文字が浮上していなければ(S5504)、正規な書類として許可される。合成した結果はモニター上で確認しても良いし、印刷して確認しても良い。また、合成した結果を記憶部に保存しておいてもよい。S5501で可視パターン書類がない場合や合成した結果“見本”が浮かび上がっている場合は正式な書類として許可されない(S5506)。
(実施例7)
本実施系では、例えば東京本社で管理された原本を、距離の離れた九州事業所で正式書類として出力する際に、九州事業所にプリンタがなく、コピー機しかない場合でも、原本保障して出力できる構成で説明を行う。
図30は、本実施例7の画像処理システムの概略を示す構成図である。6101は、東京本社部門に設置された社内で扱う書類の原本を管理する画像処理装置であり、画像処理装置6101は、重ね合わせるとある特定の干渉縞が発生するような可視パターン画像を生成する可視パターン生成部6103と、可視パターン生成部6103で生成されたパターンを用紙に印刷する印刷部6102を備える。
例えば、九州事業所のある部門で正式文書が必要な場合、九州部門から本社部門に文書発行を依頼する。依頼を受けると、画像処理装置6101の6103の可視パターン生成部において、重ね合わせると特定の可視パターンが生成されるような2つのパターンが生成され、1つのパターンは、原本の本文と合成し、原本仮書類6104として6102の印刷部で印刷出力され、さらには対となるもう一方のパターンが認証書類6102として印刷部で印刷出力される。
ここで、原本仮書類6104は依頼を受けた部門へ郵送し、認証書類6102は別の郵送で九州事業所内の原本管理部門に送付される。
九州事業所内には、コピー機6105が設置されており、本社部門から郵送された認証書類6102を給紙部にセットし、本社部門から郵送された原本仮書類6105をコピー機6105で読取りコピーし、印刷結果が、6106のように“OK”と可視化されていれば、その出力文書を原本正式書類として扱うことが可能となる。
本実施例では、原本仮書類が改竄等によって不正なデータだった場合は、3602の出力結果のように”OK“のパターンは可視化されない。
次に図31、図32のフローチャートを用いて、本実施形態の画像処理システムの動作フローを説明する。
図31は、東京本社に設置された原本管理を行う画像処理装置6101の処理フローを示し、図32は、九州事業所において、原本を作成する際の処理フロー説明する図である。
まず、画像処理装置6101は、九州事業所のある部門から、原本発行要求情報を受信したら(S6201)、干渉によって”OK“と可視化されるように演算した、対となる2つの画像パターンを生成する(S6202)。次に、原本本文情報と、S6202で生成された片方のパターンを合成して原本仮書類を作成し(S6203)、印刷を行う(S6204)。さらに、S6202で生成された対となるもう一方のパターンの印刷を行う。(S6204)
九州事業所においては、原本正式書類を出力するために、本社からまず認証書類が送付されてか確認(S6301)、送付されていれば、コピー機6105の給紙段に認証書類をセットし(S6302)、本社から送付された原本仮文書を読み込みコピーする(S6303)。次に出力した用紙上“OK”が可視化されているか確認し(S6304)、S6304で可視化が確認できれば、出力用紙を正式文書とする。S6304で確認できない場合、または、S6301で認証文書が確認できない場合、正式文書として許可しない。
(実施例8)
実施例1において図6に示した干渉パターンの例では、券データ301に盛り込まれた“OK”文字部パターンそれ自体の可視性が高いという特徴がある。この場合はプリペイド台紙と合成する以前に、券データ301単体を見るだけで干渉パターン部の形状及び存在自体が容易にわかってしまうため、セキュリティシステムとしての堅牢性が低下するという課題がある。
図33は、可視性の低い干渉パターンの形成例を表す説明図である。
図形部の形状及び存在自体を目立たなくするため、券データ301のパターンは背景パターン1001と図形パターン1002の2種類のパターンからなっていて、台紙1003には単一の背景パターン1004が形成されている。1005は台紙1003に券データ301を印刷した状態を表している。
同図の事例においては、背景パターン1001は線数密度133lpi(Line Per Inch)、線角度45度の通常平網と呼ばれるドット成長のスクリーンパターンで形成されており、図形パターン1002の線数密度は同じく133lpi、線角度15度の平網で形成されている。背景パターン1001と図形パターン1002の単位面積当たりのドットの面積比率(網点面積率)は30%である。この条件において通常の視間距離と呼ばれる30cmから50cmの距離で肉眼観察した場合、網点面積率は同一であるため、両者の観察濃度はほぼ等しくなり、図形パターンは背景パターンに埋もれて目立たなくなる。
また、台紙1003の背景パターン1004は線数密度133lpi、線角度0度で形成されている。
同券データ103を台紙1003に印刷した台紙1005上では、台紙1003の背景パターン1004と券データ103の背景パターン1001の干渉パターン1006に対して、背景パターン1004と図形パターン1002の干渉パターン1007は異なったものとなり、結果として図形パターンの形状が背景から浮き出たように見えてくる。
以上、券データ301の背景パターンと図形パターンを等しい線数密度133lpi、異なる線角度(45度、15度)形成することにより、通常視間距離において図形部形状の可視性を抑えつつ、線密度133lpi、線角度0度で形成された背景パターンを有する台紙1003に前記券データ301を印刷することによって、図形形状が浮き出てくる効果がある。
(実施例9)
図34には他の可視性の低い干渉パターンの形成例を表す説明図を示す。
同図においては、券データ301のパターンは背景パターン1008と図形パターン1009の2種類のパターンからなっていて、台紙1010には単一の背景パターン1011が形成されている。1012は台紙1010に券データ301を印刷した状態を表している。
同図の事例においては、背景パターン1008は線数密度133lpi、線角度0度の平網で形成されており、図形パターン1009の線数密度は150lpi、線角度0度の平網で形成されている。この時、背景パターン1008と図形パターン1009の網点面積率は同等の30%になっている。この条件においては単一の網点のサイズは異なるものの、単位面積当たりの網点ドット部の面積率はほぼ同一とみなせる為、やはり両者の観察濃度はほぼ等しくなり、図形パターンは背景パターンに埋もれて目立たなくなる。
また、台紙1010の背景パターン1011は線数密度133lpi、線角度45度で形成されている。
同券データ103を台紙1011に印刷した台紙1012上では、台紙1011の背景パターン1010と券データ103の背景パターン1008の干渉パターン1013に対して、背景パターン1010と図形パターン1009の干渉パターン1014は異なったものとなり、結果として図形パターンの形状が背景から浮き出たように見えてくる。
以上、券データ301の背景パターンと図形パターンを等しい線角度0度、異なる線数(133lpi度、150lpi)で形成することにより、通常視間距離において図形部形状の可視性を抑えつつ、線密度133lpi線角度45度で形成された背景パターンを有する台紙1010に前記券データ301を印刷することによって、図形形状が浮き出てくる効果がある。
(実施例10)
図35には更に他の可視性の低い干渉パターンの形成例を表す説明図を示す。
同図においては、券データ301のパターンは背景パターン1015と図形パターン1016の2種類のパターンからなっていて、台紙1017には単一の背景パターン1018が形成されている。1019は台紙1017に券データ301を印刷した状態を表している。
同図の事例においては、背景パターン1015は線数密度133lpi、線角度60度の平網で形成されており、図形パターン1016の線数密度は133lpi、線角度0度のライン成長のスクリーンパターンで形成されている。この時、背景パターン1015と図形パターン1016の網点(ドット)またはラインの面積率は同等の30%になっている。この条件においてはスクリーンパターンの形状は異なるものの、単位面積当たりのドットまたはライン部の面積率はほぼ同一とみなせる為、やはり両者の観察濃度はほぼ等しくなり、図形パターンは背景パターンに埋もれて目立たなくなる。
また、台紙1017の背景パターン1018は線数密度133lpi、線角度15度の平網で形成されている。
同券データ103を台紙1017に印刷した台紙1019上では、台紙1017の背景パターン1018と券データ103の背景パターン1015の干渉パターン1020に対して、背景パターン1018と図形パターン1016の干渉パターン1021は異なったものとなり、結果として図形パターンの形状が背景から浮き出たように見えてくる。
以上、券データ301の背景パターンと図形パターンを等しいドットまたはライン面積率、異なる成長方式のスクリーンパターンで形成することにより、通常視間距離において図形部形状の可視性を抑えつつ、線密度133lpi線角度15度で形成された背景パターンを有する台紙1010に前記券データ301を印刷することによって、図形形状が浮き出てくる効果がある。
(実施例11)
図36は多数の部門を有する大企業に対応したセキュリティ印刷システムの実施例の説明図である。
大企業においては一般に多数の部門からの文書の印刷ニーズが存在する。それぞれの部門には専門的な業務が割り振られ、同じ社内とはいえども部門が異なれば情報の共有に制約を持たせることが必要な場合も多い。このような部門間の情報セキュリティを確保するために、ある部門からの印刷物が正規のものであるかを保証する仕組みを実現する手段として、実施例1に示したように二つの画像(パターン)を別経路で送る技術を応用するものである。
図36における第一開発センターは第一設計課、第二設計課と続き第九設計課の九つの設計課からなっている。各設計課は機構設計、電気回路設計等の各々の専門業務を担当しており、各設計課毎に固有の背景パターンフォームP1a〜P1nが設定されている。同時に複合プリンタの印刷用紙として各設計課毎の別の固有パターンが印刷済みの台紙P2a〜P2nが用意されている。
各設計課からの図面を印刷する場合には、必ず各設計課固有の背景パターンフォームが合成された状態で複合プリンタに送られる。各設計課固有の背景パターンフォームを合成する仕組みとしては、固定の背景パターンを付加する各設計課専用のプリンタドライバを提供する方法や、設計課毎に用意されたプリントサーバのスプーラに送られた時点で背景パターンが付与される方法などがあり、各拠点毎のインフラの状況にあった方法が使われる。
部門別背景パターンが合成された印刷ジョブは複合プリンタに送られて印刷されるわけであるが、この時に使われる台紙が印刷ジョブと正しい部門用の組み合わせであれば規定の干渉パターン生じるようにP1a〜P1nとP2a〜P2nを設計する必要がある。
P1a〜P1n、P2a〜P2nのパターン設計の方法としては、実施例AからCに上げた方法が適用可能であるが、本実施例のような大企業における多数の部門でのセキュリティー印刷に適用するためには多数の組み合わせのパターン設計が必要になってくる。
図37は多数の組み合わせのパターン生成方法の説明図である。
2001は第一設計課用パターンフォームP1aまたは第二設計課用パターンフォームP1bの背景パターン、2002は第一設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン、2003は第一設計課用パターン付台紙P2aのパターン、2004は第一設計課用パターン付台紙P2aと第一設計課用パターンフォームP1aの図形部の干渉パターン、2005は第二設計課用パターンフォームP1bの図形部パターン、2006は第二設計課用パターン付台紙P2bのパターン、2007は第一設計課用パターン付台紙P2bと第一設計課用パターンフォームP1bの図形部の干渉パターンを示す。
まず、第一設計課用パターンフォームP1aまたは第二設計課用パターンフォームP1bの背景パターン2001はどの部門別パターンフォームでも同一であり、誤差拡散方式で生成されている。
第一設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン2002は、線密度133lpi線角度15度で形成されており、第一設計課用パターン付台紙P2aのパターン2003は線密度133lpi線角度0度で形成されている。両者の関係は線密度が等しく133lpiで線角度の差分が15度となっている。
次に第二設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン2005は、線密度133lpi線角度60度で形成されており、第二設計課用パターン付台紙P2aのパターン2003は線密度133lpi線角度45度で形成されている。両者の関係はやはり同じく線密度が等しく133lpiで線角度の差分が15度となっている。
それぞれの設計課の正規の組み合わせで発生する図形部の干渉パターン2004および2007は設計課毎に違っていることから、設計課毎にユニークな干渉模様として識別利用が可能であることがわかる。
このように、他の部門のパターン対も同様に線数が等しく線角度の差分が15度という条件とすることにより、部門毎にユニークな干渉模様としつつ多数の組み合わせのパターン対を容易に生成することができ、多数の部門でのセキュリティ印刷に適用できる効果がある。
(実施例12)
図38は他の多数の組み合わせのパターン生成方法の説明図である。
2008は第一設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン、2009は第一設計課用パターン付台紙P2aのパターン、2010は第一設計課用パターン付台紙P2aと第一設計課用パターンフォームP1aの図形部の干渉パターン、2011は第二設計課用パターンフォームP1bの図形部パターン、2012は第二設計課用パターン付台紙P2bのパターン、2013は第一設計課用パターン付台紙P2bと第一設計課用パターンフォームP1bの図形部の干渉パターンを示す。
実施例Dと同様、第一設計課用パターンフォームP1aまたは第二設計課用パターンフォームP1bの背景パターン2001はどの部門別パターンフォームでも同一であり、誤差拡散方式で生成されている。
第一設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン2008は、線密度150lpi線角度15度で形成されており、第一設計課用パターン付台紙P2aのパターン2003は線密度133lpi線角度0度で形成されている。
次に第二設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン2011は、線密度100lpi線角度15度で形成されており、第二設計課用パターン付台紙P2aのパターン2012は線密度133lpi線角度0度で形成されている。
それぞれの設計課の正規の組み合わせで発生する図形部の干渉パターン2010および2013は設計課毎に違っていることから、設計課毎にユニークな干渉模様として識別利用が可能であることがわかる。
本実施例では図形パターン部の線角度が全く等しい15度で、線密度が異なる関係になっている。
このように、他の部門のパターン対も両者の関係が線角度15度、かつ異なる線密度とすることにより、部門毎にユニークな干渉模様としつつ多数の組み合わせのパターン対を容易に生成することができ、多数の部門でのセキュリティ印刷に適用できる効果がある。
(実施例13)
図39は更に他の多数の組み合わせのパターン生成方法の説明図である。
2014は第一設計課用パターンフォームP1aの背景パターン、2015は第一設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン、2016は第一設計課用パターン付台紙P2aのパターン、2017は第一設計課用パターン付台紙P2aと第一設計課用パターンフォームP1aの図形部の干渉パターン、2018は第二設計課用パターンフォームP1aの背景パターン、2019は第二設計課用パターンフォームP1bの図形部パターン、2020は第二設計課用パターン付台紙P2bのパターン、2021は第一設計課用パターン付台紙P2bと第一設計課用パターンフォームP1bの図形部の干渉パターンを示す。
第一設計課用パターンフォームP1aの背景パターン2014と、第二設計課用パターンフォームP1bの背景パターン2018は誤差拡散方式で生成されており、どの部門別パターンフォームでも同一となっている。また、第一設計課用パターン付台紙P2aのパターン2016と第二設計課用パターン付台紙P2aのパターン2020は等しく線密度133lpi線角度0度であり、やはりどの部門別パターンフォームでも同一となっている。
本実施例においては、第一設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン2015は線密度133lpi線角度15の平網で、この部分の全体形状がアルファベットの“A”の字の形になっており、第二設計課用パターンフォームP1aの図形部パターン2019も2015同様のパターンで全体形状がアルファベットの“B”の字の形になっていることが特徴である。
その結果第一設計課用パターンフォームP1aの図形部の干渉パターン部2017の全体形状も“A”の字が浮き出て見え、第二設計課用パターンフォームP1aの図形部の干渉パターン部2021の全体形状も“B”の字が浮き出て見える。
このように部門別パターンフォームの図形部パターンの全体形状を部門毎にユニークな形状とすることによって、部門毎にユニークな干渉部の全体形状としつつ多数の組み合わせのパターン対を容易に生成することができる。特に本実施例では図形部の全体形状は文字の形状のみならず企業ロゴ、意匠その他あらゆる形状とすることができ、事実上無限の数の部門でのセキュリティ印刷に適用できる効果がある。
更に、以上の実施例の技術を組み合わせてパターン対を生成することもできる。こうすることでパターン対の組み合わせ数が飛躍的に増加するのみならず、干渉パターンの見易さを優先した組み合わせを利用する等、パターン対自体を用途に応じて選択するという自由度が増すという効果がある。
(実施例14)
図40は重要機密文書でのセキュリティ印刷システムの説明図である。
実施例1に示したような二つの画像(パターン)を別経路で送る技術を応用して印刷物の原本性(正規性)を確保する方法では、一般により原本性要求の高い有価証券や重要機密書類に適用するには堅牢性が足りない。
このため、実施例14では別経路で提供する画像パターン種を増やして3つの経路からとすることにより原本性確保の堅牢性を増している。
図40においては、ある企業の製品開発センター各部署からの機密文書印刷の構成を表し、P1aは第一設計課からの印刷時に機密文書に合成されるパターンフォーム、Q−aは第一設計課からの印刷ジョブ用に用意されたプリントサーバのプリントキュー、P2aはQ−a部で第一設計課からの印刷ジョブに対して付与されるパターンフォーム、P3aは第一設計課用に用意されたパターン付台紙を表し、P1b〜P1n、Q−b〜Q−n、P2b〜P2n、P3b〜P3nはそれぞれ第二設計課から第九設計課用に用意されたパターンフォーム、プリントキュー、パターン付台紙を表している。
同実施例14においては、各々の設計課から送られる印刷物には最終的に3つの拠点で用意されたパターンが合成されることがわかる。
図40に示した実際に用意されたパターン及び合成結果の説明図を用いて更に具体的に説明する。
3001は第一設計課からの印刷時に機密文書に合成されるパターンフォームP1aの背景部パターン、3002はP1aの図形部パターン、3003はQ−a部で第一設計課からの印刷ジョブに対して付与されるパターンフォームP2aの図形パターン、3004は第一設計課用に用意されたパターン付台紙P3aの背景パターン、3005はP1aの図形部パターン位置の干渉パターン、3006はP2aの図形部パターン位置の干渉パターンを表している。
第一設計課からの印刷時に機密文書に合成されるパターンフォームP1aの背景部パターン3001は誤差拡散方式で生成されており、P1aの図形部パターン3002は線密度133lpi線角度0度で星型の全体形状となっている。第一設計課からの機密文書にはパターンフォームP1aがプリンタドライバで合成されて第一設計課からの印刷ジョブ用に用意されたプリントサーバのプリントキューQ−aに送られる。プリントキューQ−aで一旦スプールされた印刷ジョブに対して、複合プリンタに送信される際にはパターンフォームP2aが更に合成される。このパターンフォームP2aの図形パターン3003は線密度133lpi線角度15度で全体形状が文字の形(“B”の形)で形成されている。印刷ジョブが送られた複合プリンタでは第一設計課用に用意されたパターン付台紙P3aが給紙されて印刷される。P3aの背景パターン3004は線密度133lpi線角度45度で生成されており、印刷後にはP1aの図形部パターン位置の干渉パターン3005の星型の全体形状が浮かび上がり、同時にP2aの図形部パターン位置の干渉パターン3006の文字型の全体形状が浮かび上がる。更に星型干渉パターン3005と文字型干渉パターン3006は全体形状だけでなく干渉パターン自体も異なる種類となることがわかる。
同実施例によれば、機密文書の印刷ジョブ生成時に付与される第一のパターン、プリントキューでスプールされた後に付与される第二のパターン、印刷時に使用される台紙に付与されている第三のパターンという、独立した3拠点で提供されるパターンの組み合わせによって原本性の保障が適用できるため、更に強固な堅牢性を実現することが可能となる。
(実施例15)
図42に更に別の3つの拠点で画像パターンを提供した実施例の説明図を示す。
同図において実施例Gと異なるのは、第一設計課用に用意されたパターン付台紙がP3a−1部とP3a−2部の2つのパターンの領域になっていることである。P3a−1の部分は実施例Gと同じパターンであるが、P3a−2のパターン3007部分は線密度150lpi線角度45度のパターンが記録されている。
本実施例ではパターンフォームP2aの図形パターン3003の全体形状“A”の文字部はP3a−1部のパターン3004と合成され、同図形パターン3003の全体形状“B”の文字部はP3a−2部のパターン3007と合成される。
その結果、合成後の“A”文字部の干渉パターン3006と“B”文字部の干渉パターン3008とでは干渉パターン自体が異なってくる効果が得られることになる。
以上、本実施例によれば印刷時に使用される台紙に付与されている第三のパターンを2種類のパターンで生成することにより、合成印刷後に発生する干渉パターンのバリエーションを更に増やすことが可能となり、より強固な堅牢性を実現することが可能となる。