JP2007328985A - 蛍光ランプの製造方法 - Google Patents

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和尋 松尾
Mitsuharu Kawasaki
充晴 川崎
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拓之 荒田
Yoshimitsu Mino
吉満 美濃
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Abstract

【課題】本発明は、ガラス管全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる蛍光ランプの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス管1の内面に塗布した蛍光体液3を乾燥させる乾燥工程において、ガラス管1の長手方向の中心軸を回転軸としてガラス管1を回転させる際、ガラス管1を曲げ支持機構16によって支持するとともに、重力方向に対して曲げてたわませる。
【選択図】図3

Description

本発明は、蛍光ランプの製造方法に関する。
図23は、蛍光ランプ、例えばバックライト用の冷陰極型蛍光ランプの従来の製造方法の工程を示す図である。特に、図23(a)〜(f)はガラス管の内面に蛍光体液を塗布する塗布工程を、図23(g)は前記塗布工程においてガラス管の内面に塗布された蛍光体液を乾燥させる乾燥工程をそれぞれ示す。
まず、塗布工程においては、図23(a)に示すように、直管状のガラス管1をガラス管保持装置2を用いてその長手方向の中心軸が重力方向xに略一致するように保持する。そして、ガラス管1をこの状態で維持して塗布作業へと進める。
塗布工程では、図23(b)に示すように、前記ガラス管1の下方に蛍光体液3が入ったタンク4を、前記ガラス管1の上方に蛍光体液吸引用の吸排出チャック5をそれぞれ設置する。
図23(c)に示すように、ガラス管1を前記状態のままでタンク4を上昇させ、ガラス管1の下端部を蛍光体液3に浸ける。一方、吸排出チャック5を下降させ、ガラス管1の上端に密封装着させる。その後、図23(d)に示すように、吸排出チャック5を介して蛍光体液3が液面センサ6の位置にくるまで吸い上げる。次に、図23(e)に示すように、吸排出チャック5を開放し、吸引された蛍光体液3を自重で排出する。その際、ガラス管1の内面には、蛍光体液3が付着している。
そして、図23(f)に示すように、蛍光体液3の排出後、タンク4を降下させ、吸排出チャック5を上昇させて、ガラス管1を移動できる状態にする。
次に、図23(g)に示すように、ガラス管1を乾燥工程に移す。乾燥工程では、ガラス管1をその長手方向の中心軸が重力方向に略一致するように保持しつつ、その中心軸を回転軸として回転させながら、所定の温度に調整された空気をガラス管1上端から送風ノズル7によって送り込み、内面に塗布された蛍光体液3を乾燥させる。
以上の工程により、ガラス管1の内面に蛍光体層を形成する。
ところで、従来の蛍光ランプの製造方法では、冷陰極型蛍光ランプの長尺化に伴い、乾燥工程において、回転による振動によって塗布した蛍光体液の厚みにむらが発生し、均一な膜厚の蛍光体層が得られにくいという問題があった。その結果として、乾燥後のガラス管1の下端部付近においてガラス管1の周方向で蛍光体層の膜厚に差ができる。これは、ガラス管1の上端部を把持しているため、ガラス管1自体の有する反りによってガラス管1の下端部が回転軸よりずれ、回転による遠心力によって引き起こされたものと考えられる。
このために、塗布した蛍光体液3を含むガラス管1の全重量を少なくして前記振動を抑えることも考えられるが、その分、蛍光体液3の塗布膜厚を薄くしなければならず、図24に示すようなランプの輝度を最大化できる蛍光体層の膜厚(18[μm]〜25[μm])を実現することができなくなるという問題が起こる。
そこで、前記振動を抑えるためにガラス管を保持するための別の保持装置を設ける方法が提案されている。つまり、この従来の方法では、ガラス管を回転させたときに発生する振動、すなわちガラス管の不安定な曲がりを前記別の保持装置によって略重力方向に真っ直ぐになるように矯正する(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−023518号公報
このように別の保持装置を設ける方法によれば、回転による振動によってガラス管の周方向で蛍光体層の膜厚に差が生じるのを抑えることができるものの、冷陰極型蛍光ランプの長尺化に伴った別の問題が依然として解決できなかった。
つまり、通常、蛍光体液の乾燥をガラス管の上端部より順次行うため、ガラス管の下端部付近の蛍光体液が乾燥する前にガラス管から流れ落ちてしまい、ガラス管の上端側と下端側とで形成される蛍光体層の膜厚に差が生じることがわかった。
本発明は、上記課題に鑑み、ガラス管全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる蛍光ランプの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、ガラス管の内面に塗布した蛍光体液を乾燥させる乾燥工程において、前記ガラス管の長手方向の中心軸を回転軸として前記ガラス管を回転させる際、前記ガラス管を曲げ支持機構によって支持するとともに、重力方向に対して曲げてたわませることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記ガラス管を移動させながら乾燥させる場合であって、前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が前記ガラス管の移動方向に向かって連続的に伸びていることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が略V字状であり、前記ガラス管をその略V字状の狭角側で接触させて支持することを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が前記ガラス管の回転に合わせて自由回転する複数の回転体であることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記複数の回転体における外縁部同士の最小間隔が前記ガラス管の外径よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記ガラス管を移動させながら乾燥させる場合であって、前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が前記ガラス管の移動方向に向かって延びるベルトを有し、前記ベルトが前記ガラス管に接触し、かつ前記ガラス管の回転速度と同期して動くことを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記ガラス管がたわんだ状態において、前記ガラス管の長手方向の中心軸の上端と下端とを結ぶ直線Nと、重力方向とが交わる角度Qは、0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定したことを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記乾燥工程は、前記支持機構の上方または下方において前記ガラス管に接触する補助支持機構を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記補助支持機構は、前記ガラス管の前記補助支持部との接触部を乾燥させる際、前記ガラス管から離れることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記ガラス管の長手方向の中心軸を回転軸とした回転数が60[rpm]以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、前記ガラス管の長さが700[mm]以上であることを特徴とする。
本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、ガラス管全体において蛍光体層の膜厚のむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について図面を用いながら説明する。図1は、本実施形態にかかる液晶バックライト用冷陰極型蛍光ランプの製造工程、特に、ガラス管の内面に蛍光体液を塗布する塗布工程と、ガラス管の内面に塗布された蛍光体液を乾燥させる乾燥工程との概略を示すものである。ここでは、塗布工程および乾燥工程を除く各製造工程が公知のものと同じであるので、その詳細な説明については省略する。なお、本実施の形態にかかる冷陰極型蛍光ランプの製造方法では、塗布工程の後、連続的に乾燥工程に移行するものである。
(塗布工程)
まず、蛍光体層を形成するガラス管1を準備する。ここで用いたガラス管1は、例えば、長さ1300[mm]、外径3.0[mm]、内径2.0[mm]の直管状のガラス管である。
そして、図1(a)に示すように、ガラス管1をその長手方向の中心軸Pが重力方向xに略一致するようにした状態で、その上端部をコレットチャック9の下面に当接させて把持機構10によって把持する。コレットチャック9は、ガラス管1の上端部に密封装着され、真空ポンプ(図示せず)及びコンプレッサ(図示せず)とに選択的に連通することができる吸排管11に接続され、後述するようにガラス管1内に蛍光体液3を吸排出させることができる。
次に、図1(b)に示すように蛍光体液3を入れたタンク13の上方にガラス管1を前記状態のままで配置する。その後、図1(c)に示すようにタンク13を上昇させることによってガラス管1の下端部を蛍光体液3に浸す。蛍光体液3は、酢酸ブチルに蛍光体粉末、増粘材(例えば、ニトロセルロース)、結着材(例えば、ホウ酸・リン酸カルシウム・バリウム)等を添加し、調製されている。使用する蛍光体は、三波長域用で、赤、青、緑の3種類を用いている。具体的には、赤色にユーロピウム不活性酸化イットリウム(Y23:Eu3+)を、緑色にセリウム・テルビウム不活リン酸ランタン(LaPO4:Ce3+、Tb3+)を、また青色にユーロピウム不活バリウムマグネシウムアルミネート(BaMg2Al1627:Eu2+)をそれぞれ使用している。
その後に、図1(d)に示すように、ガラス管1の上端開口部からコレットチャック9を通じて真空ポンプによって内部のガス(空気)を吸引してガラス管1内にタンク13の蛍光体液3を液面センサ14の位置まで吸い上げた後、図1(e)に示すように前記ガラス管1の上端開口部からコレットチャック9を通じてコンプレッサによってガス(空気)を吹き込んでガラス管1内の余分な蛍光体液3の排出を行う。
次に、図1(f)に示すようにタンク13を下降させ、ガラス管1の内面に蛍光体液3が膜状に塗布した状態で、ガラス管1を乾燥工程へと移行させる。
(乾燥工程)
図2に乾燥工程の概要を示す。図2のA−A´断面図を図3に、B−B´断面図を図4にそれぞれ示す。
図2〜図4に示すように、ガラス管1は、乾燥工程においても塗布工程と同じように、その上端部が把持機構10によって把持されている。しかし、乾燥工程では塗布工程と異なり、ガラス管1はその下端部、例えば下端から100[mm]離れた部分が曲げ支持機構16によって支持されているとともに、重力方向xに対してガラス管1の移動方向をy方向(図2参照)とした場合のxyz直交座標系におけるz方向(図2の紙面において裏面から表面に向かう方向)に曲げられている。ここで、把持機構10自体は、ガラス管1の長手方向の中心軸Pが重力方向xに略一致するように把持しているものの、ガラス管1はこの状態から曲げ支持機構16によって重力方向xに対して曲げられてたわんでいるので、ガラス管1の長手方向の中心軸Pは、曲げ支持機構16によって重力方向xに対して曲げられ、湾曲している。
乾燥工程では、ガラス管1を上記した状態を維持しつつ、長手方向の中心軸Pを回転軸として回転させながら、y方向に移動させつつ、ガラス管1の内面に付着した蛍光体液3を後述するIRヒータ15、およびガラス管1の内部に吹き込まれる乾燥ガスによって乾燥させる。
ここでは、複数のガラス管1をそれぞれが上記した状態に維持されて、それぞれの長手方向が略同一方向になるように並置されている。そして、並置した方向を移動方向yとして移動する。
図2に示すように、IRヒータ15は、例えば15a、15b、15cの三つから構成されており、回転しながらy方向に移動するガラス管1の全体をむらなく加熱するためにy方向に進むに従って下がっていく階段状に配置されている。
すなわち、まずガラス管1の上端から1/3程度の長さの領域を上段のIRヒータ15aによって加熱し、その領域に塗布された蛍光体液3を乾燥させる。続いて、ガラス管1の上端から1/3ないし2/3程度の長さの領域を中段のIRヒータ15bによって加熱し、その領域に塗布された蛍光体液を乾燥させる。最後に、ガラス管1の残部を下段のIRヒータ15cによって加熱し、その領域に塗布された蛍光体液を乾燥させる。ただし、各IRヒータ15a、15b、15cの長さ(ガラス管1の移動方向の長さ)は例えば200[mm]であり、ガラス管1がそれぞれの領域を等速度で移動する。また、ガラス管1は常に移動している必要はなく、ロット式に4、5本のガラス管を同時に移動させてもよい。
なお、IRヒータ15については、その形状等に限定はなく、階段状に配置したものと同じ効果を得ることができるのであれば、例えば斜めに帯状になっているものでもよいし、一つのIRヒータを上下に移動させたものでもよい。
そして、ガラス管1がこれら3つのIRヒータ15を通過する全期間中、上記した乾燥ガスをガラス管1の内部に吹き込む。その乾燥ガスは、コレットチャック9からガラス管1内に直接送風される。また、乾燥ガスは、例えば所定温度の空気であり、その吹き込み量は200[ml/min]である。
このようにガラス管1内に乾燥ガスを吹き込みながら、ガラス管1を上から下へと階段状に配置したIRヒータ15を通過させることにより、その内面に塗布した蛍光体液3を上側から下側へと順にむらなく乾燥させることができる。
次に、曲げ支持機構16の詳細な構造について説明する。
曲げ支持機構16は、図5に示すように、曲げ支持部16aと脚部16bとで構成されている。曲げ支持部16aはその長手方向がガラス管1の長手方向の中心軸Pと垂直に交わる直径6[mm]の略円筒形であり、乾燥工程の最初から最後までガラス管1と接触し続けられるよう、ガラス管1の移動方向yに向かって連続的に伸びている一本の棒状体となっている。これにより、前記したように複数のガラス管1をそれぞれの長手方向が略同一方向になるように並置し、並置した方向(移動方向y)に連続的に移動させて乾燥作業を行うことができ、生産効率を高めることができる。また、曲げ支持部16aは、中心部材と中心部材の外表面を覆う周辺部材とで構成されている。中心部材には、例えば、直径が4[mm]の針金状のステンレスを用いているが、その他の素材として、ガラス管1に接触しても大きく変形することのない程度の強度を有するもの、例えば、鉄等を用いることもできる。周辺部材には、例えば、外径が6[mm]のシリコン樹脂製チューブを用いているが、その他の素材として蛍光体液3に含まれる酢酸ブチルによって溶解せず、かつガラス管1との接触により、ガラス管1を毀損させないもの、例えばナイロン6、テフロン(登録商標)樹脂等を用いることができる。また、曲げ支持部16aは、中心部材がなくてもガラス管1と接触することによって大きく変形することがなければ、それのみであってもよい。脚部16bの部材には、例えば鉄やステンレス、またそれ以外にもガラス管1が曲げ支持部16aに接触しても変形しない程度の強度を有するものも用いることができる。
図4に示すように、曲げ支持部16aは、ガラス管1が重力方向xに略一致した状態から少しずつ曲げられるように、その両端に緩やかなカーブを有している。これにより、ガラス管1を曲げる際に発生する応力が急激にかかるのを軽減し、ガラス管1が毀損することを防止することができる。
ここで、曲げ支持機構16には、次のようなものもある。すなわち、複数のガラス管1を1セットにし、ロット式に移動させる場合、上述したようにガラス管1を曲げる際に発生する応力が急激にかかるのを軽減し、それに起因してガラス管1が毀損するのを防止する手段として、図6に示すようなものがある。図6は、図4に準じたB−B´断面図である。図6に示すように、例えばガラス管1を4本セットでロット式に平行移動させ、曲げ支持機構の両端の押し出し部16cがガラス管1側(z方向)へ前後に移動することで、ガラス管1を急激に曲げることなく、上記の曲げ支持部16aが緩やかなカーブを有している場合と同様の効果を有することができる。具体的に、押し出し部16cを移動させるスピードをコントロールすることにより、ガラス管1の材質や寸法が変更され、機械的強度が変わっても自在に対応することができる。
また、曲げ支持部16aの長手方向に垂直な断面の形状は円形や多角形等限定されることはないが、ガラス管1と接触する面積が小さければ小さいほど、ガラス管1から曲げ支持部16aへの熱放散を小さくすることができ、ガラス管1の局部的な温度低下によって発生する蛍光体層の膜厚のむら(以下、「ホルダーマーキング」という)を防止することができる。
以上のような本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法を用いると、乾燥工程においてガラス管1を回転させる際、ガラス管1を曲げ支持機構16によって重力方向xに対して曲げてたわませるので、乾燥後において、ガラス管1の上端側と下端側とで蛍光体膜の膜厚に差が生じるのを防止することができる。すなわち、ガラス管1を曲げずに真っ直ぐな状態で回転させる場合、ガラス管1の下端部付近に付着した蛍光体液3の乾燥は、乾燥工程の終盤に行われるために、ガラス管1の上端側の蛍光体液を乾燥させている間に、下端側の蛍光体液3の一部がガラス管1の外部に流出し、その分だけ形成される蛍光体膜が薄くなってしまう。これに対して、上記したとおり、ガラス管1を重力方向xに対して曲げ、かつガラス管1の上端と下端の間にたわみを有していると、下端部付近の蛍光体液の一部がガラス管1の外部に流出し難くなり、ガラス管1の上端側と下端側とで蛍光体層の膜厚を均一にすることができる。
もちろん、乾燥工程においてガラス管1を回転させる際、ガラス管1を曲げ支持機構16によって支持しているので、ガラス管1に発生している振動を抑制することができ、その振動に起因してガラス管1の下端部付近であって、かつガラス管1の周方向に発生する蛍光体層の膜厚のむらを防止することもできる。
よって、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法によれば、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。このことは、特に、ガラス管1の長尺化に伴い顕著に得られることができる。これは、ガラス管1が長尺であれば長尺であるほど、乾燥工程における回転時に振動が大きくなり、またガラス管1の上端部と下端部との乾燥のタイミング差が大きくなるからである。具体的には、ガラス管1の長さが700[mm]以上のものに適用することにより上記した作用効果が顕著に現れた。
なお、通常、ガラス管1の内径は1.4[mm]〜4.0[mm]の範囲内に、その肉厚は0.3[mm]〜0.7[mm]の範囲内に設定されている。
ここで、ガラス管1がたわんだ状態において、ガラス管1の長手方向の中心軸Pの上端と下端とを結ぶ直線N(図7参照)と、重力方向xとが交わる角度Q(図7参照)を0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定することが好ましいことがわかった。以下、その理由について説明する。
まず、発明者らは、上記した本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法における乾燥工程において、角度Qを0[°]〜15[°]の範囲で種々変化させて蛍光体層を形成したときの膜厚の状態を確認した。
なお、ガラス管1は、長さ1300[mm]、外径3.0[mm]、内径2.0[mm]、の直管状のものを用いた。
また、膜厚の状態は、透視台を使用して目視によって確認した。その評価として、ガラス管1全体において膜厚にむらが目視では実質的に観察されなかった場合を「実質的に無し」、膜厚のむら自体は目視でわずかに観察されるものの、実使用上問題にならない程度の場合を「ほぼ無し」、膜厚のむらが観察されるものの、使用用途によっては実使用上問題にならない程度の場合を「わずかに有り」、膜厚のむらが観察され、使用用途によっても実使用上問題になる程度の場合を「有り」とした。
さらに、参考のために、曲げ支持機構16を使用していない点を除いて本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同じ方法を用いて形成した蛍光体層の膜厚の状態を確認した。その結果を表1に併せて示す。
Figure 2007328985
表1に示すとおり、角度Qが0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲内において膜厚のむらが「ほぼ無し」か「実質的に無し」となった。特に0.03[°]以上2.50「°」未満の範囲では、透視台を使用した目視では、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚のむらは実質的に確認されなかった。
一方、角度Qが0.02[°]未満の範囲内にある場合、蛍光体層の膜厚のむらが観察されるものの、それらは使用用途によっては実使用上問題にならない程度であった。また、角度Qが15.00「°」以上の場合も、蛍光体層の膜厚のむらが観察されるものの、それらは使用用途によっては実使用上問題にならない程度であった。
このように角度Qが0.02[°]未満の範囲内の場合において膜厚のむらがわずかに見られたのは、乾燥工程において、回転しているガラス管1と曲げ支持機構16との接触がやや不安定となり、回転中のガラス管1の振動の抑制が充分でなかったためと考えられる。すなわち、通常、ガラス管1はもともと曲がりを有しており、蛍光体液3を塗布する前にその曲がりを矯正する工程で真っ直ぐに矯正する。しかし、矯正後のガラス管1であっても、変位測定器によりガラス管1の両端間の曲がりを測定すると最大0.35[mm]程度の曲がりを有している。したがって、ガラス管1の長さを考慮すると、角度Qが0.02[°]より小さい場合、その回転角度によってはガラス管1の有している曲がりよりも曲げ支持機構16によって曲げる角度が小さくなる場合があり、ガラス管1と曲げ支持機構16との接触が不安定になったと考えられる。
逆に、角度Qが15.00[°]以上の範囲の場合において膜厚のむらがわずかに見られたのは、ガラス管1の下端部付近に塗布された蛍光体液3が流出しにくくなり、逆にガラス管1の下端部付近の蛍光体層の膜厚が厚くなったためである。また、角度Qが15.00[°]以上の範囲の場合、ガラス管1がその曲げによる応力により毀損するおそれがある。
このように、角度Qを0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲内に規定することにより、ガラス管1の曲げ度合いを適正化することができ、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを一層防止することができる。
また、ガラス管1の下端から曲げ支持機構16とガラス管1との接触する位置までの長さLは、700[mm]以下に規定することが好ましい。Lが700[mm]より長くなると、ガラス管1の曲げ支持機構16と接触する部分より下部で振動が発生し、均一な蛍光体層の形成ができなくなるおそれがあるからである。なお、Lが700[mm]より長い場合であっても、本発明の第5の実施形態で後述する補助支持機構を曲げ支持機構16の下方に設けた場合には、ガラス管1の曲げ支持機構16との接触部分より下部で起こる振動を抑制することができる。
また、ガラス管1の回転数を、60[rpm]以上に規定することが好ましいことがわかった。回転数が60[rpm]より少ない場合、ガラス管1の周方向の位置によって蛍光体液3の乾燥状態が異なり、形成される蛍光体層の膜厚にむらが発生してしまうおそれがある。一方、ガラス管1の回転数を1500[rpm]よりも多くした場合には、ガラス管1にガラス管1の回転によってかかる負荷が大きくなり、ガラス管1が毀損するおそれがある。そのため、ガラス管1の回転数は、1500[rpm]以下であることが好ましい。
また、本実施形態では、ガラス管1をその長手方向の中心軸Pが重力方向xに略一致するようにした状態で把持しているが、これは、把持機構10の把持する部分の重力方向の長さやガラス管1の把持の精度によって、ガラス管1の長手方向の中心軸Pが重力方向xに対して角度が付いた状態で把持している場合がある。この場合においてもガラス管1の管軸Pが重力方向xに対して約3[°]程度の角度で把持されていれば、上記の作用効果を有する。
なお、ガラス管1は製造直後の状態から曲がったものがあり、均一な膜厚の蛍光体層の形成のためには、通常、蛍光体液3を塗布する前にその曲がりを矯正する工程が必要となる。しかし、蛍光体液3の乾燥工程において、曲がったガラス管1を回転させつつ、曲げ支持機構16によりさらに曲げながら蛍光体液3の乾燥を行った場合には、回転によってガラス管1の曲がる方向が変化するため、曲がりを矯正する工程を経ることなく、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法の乾燥工程の概略を図8に示す。図8のC−C´断面図を図9に、D−D´断面図を図10にそれぞれ示す。
第2の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法は、乾燥工程で用いる曲げ支持機構17を除いて第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様である。よって、曲げ支持機構17について詳細に説明し、それ以外については省略する。
図11に示すように、曲げ支持機構17は、ガラス管1と接触する略V字状の曲げ支持部17aとその曲げ支持部17aを支える脚部17bから構成されている。つまり、曲げ支持機構17は、曲げ支持部17aが略V字状である点を除いては、前記曲げ支持機構16と同じ構成を有している。したがって、この曲げ支持機構17において、その素材、形状等は上記した曲げ支持部17aが略V字状である点を除いて第1の実施形態で列挙したものを適用することができる。この曲げ支持部17aは、図8〜図10に示すように、ガラス管1を略V字状の狭角側で接触させて支持する。その結果、ガラス管1は、重力方向xに対してz方向に曲げられたわむ。ただし、この場合、上記した第1の実施形態のように、固定した曲げ支持機構16によってガラス管1を曲げつつ移動させることができない。よって、曲げ支持機構17は、ガラス管1の曲がりを維持しながら、ガラス管1と同じ速度でガラス管1の移動方向yに平行移動する必要がある。よって、曲げ支持機構17は、図10上のz方向とy方向に可動式の構造になっている。
以上のような本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法によれば、同じく第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様にガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。特に、ガラス管1を、曲げ支持部17aの略V字状の狭角側で接触させて支持するので、ガラス管1が移動方向yにぶれることがなくなり、ガラス管1の安定性が向上する。また、ガラス管1の長さが700[mm]以上である場合に上記した作用効果が顕著に現れる。また、角度Qを0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定することにより、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを一層防止することができる。さらに、ガラス管1の回転数を60[rpm]以上に規定することにより、ガラス管1の周方向の位置によって蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法の乾燥工程の概略を図12に示す。図12のE−E´断面図を図13に、F−F´断面図を図14にそれぞれ示す。第3の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法は、乾燥工程で用いる曲げ支持機構18を除いて第2の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様である。よって、曲げ支持機構18について詳細に説明し、それ以外については省略する。
図15に示すように、曲げ支持機構18は、ガラス管1の回転に合わせて逆方向に自由回転する複数の回転体からなる曲げ支持部18aと、曲げ支持部18aを支える脚部18bとで構成されている。具体的に、曲げ支持部18aは、例えば、鉄やステンレス等で形成された円盤状の回転体であり、少なくともガラス管1と接触する部分がシリコン樹脂等でコーティングされている。これは、接触するガラス管1の外面を損傷させないためである。脚部18bは、回転体である曲げ支持部18aがガラス管1の回転方向とは逆方向に回転できるようにその回転軸を支えている点を除いては、第2の実施形態と同じ構成を有している。ガラス管1は、図12〜図14に示すように、この曲げ支持部18a、すなわち2つの回転体に挟まれるようにして接触し支持されるとともに、重力方向xに対してz方向に曲げられている。なお、複数の回転体におけるそれぞれの外縁部同士の最小間隔はガラス管1の外径よりも小さくなっている。例えば、第1の実施形態と同様に外径3.0[mm]のガラス管1を用いた場合には、それぞれの回転体における外縁部同士の最小間隔は、3.0[mm]より短ければよい。図13に示すように、ガラス管1を重力方向xに対してz方向に曲げた際、ガラス管1のその曲げの力に反発する力によってガラス管1が複数の回転体の間をすり抜けることを防止するためである。
以上のような本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法によれば、同じく第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様にガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。特に、曲げ支持部18aをガラス管1の回転に合わせて自由に回転する回転体にすることにより、回転するガラス管1と曲げ支持部18aとの間で起こる摩擦を低減させることができ、ホルダーマーキングを防止することで、より均一な蛍光体膜を形成することができる。また、ガラス管1の長さが700[mm]以上である場合に上記した作用効果が顕著に現れる。また、角度Qを0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定することにより、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを一層防止することができる。また、ガラス管1の回転数を60[rpm]以上に規定することにより、ガラス管1の周方向の位置によって蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができる。
なお、図12〜図15では、曲げ支持部18aの回転体の数が2つであるが、その数に限定はなく、例えば3つまたは4つの回転体であってもよく、その場合、回転時のガラス管1の安定性をさらに高めることができる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法の乾燥工程の概略を図16に示す。図16のG−G´断面図を図17に、H−H´断面図を図18にそれぞれ示す。第4の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法は、乾燥工程で用いる曲げ支持機構19を除いて第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様である。よって、曲げ支持機構19について詳細に説明し、それ以外については省略する。
図19に示すように、曲げ支持機構19は、外面側がガラス管1に直接接触し、ガラス管1の回転に合わせて自由に動く回転式のベルト19aと、このベルト19aを支持するローラー19bと、ベルト19aの内方に位置し、ベルト19aの不要なたわみを抑え、ガラス管1とベルト19aとを確実に接触させるためのガイド19cと、これらローラー19b、およびガイド19cを保持する筐体19dとで構成されている。
ベルト19aは、上記したようにフリーな状態になっており、ガラス管1に合わせて自由に動くが、これに限らず、ガラス管1の回転速度に同期していれば、強制的に動かしてもよい。なお、ベルト19aの材質には、例えばシリコンゴム等の酢酸ブチルによって溶解しないものであればよい。また、ベルト19aは、乾燥工程におけるガラス管1の移動方向yに伸びており、複数の並置されたガラス管1と同時に接触している。
ローラー19bは、上記したようにベルト19aを支持するための機能を果たすものであるので、その機能を達するものであればその個数、形状、配置位置等は特に限定されるものではない。
ガイド19cは、上記した機能を果たすものであれば、その形状等は特に限定されるものではない。なお、ガイド19cの材質には、例えば鉄やステンレス等ベルト19aを介してガラス管1を支持するに当たり、変形せず十分に支持できるものであればよい。ガイド19cは、例えばベルト19aの長さが短く、硬質で変形しにくいものであれば、ベルト19a自体でガラス管1を支持することができるので、特に設ける必要はない。しかし、例えばベルト19aの長さが長かったり、その材質が軟質なもので、ベルト19a自体でガラス管1を十分に支持することができない場合は、必要になる。
筐体19dは、ガラス管1側が開口し、ガラス管1の移動方向yに沿って延びる溝部19eを有し、この溝部19eで挟むようにしてローラー19b、およびガイド19cを保持する。
ガラス管1は、図16〜図18に示すように、特にベルト19aに直接接触して曲げ支持機構19全体によって支持されるとともに、重力方向xに対してz方向に曲げられている。
以上のような本発明の第4の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法によれば、同じく第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様にガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。特に、曲げ支持機構19のベルト19aがガラス管1の回転速度と同期して動くので、ガラス管1と曲げ支持機構19との間の摩擦を低減し、ホルダーマーキングを防止することができ、より均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。さらに、前記第1の実施形態と同様に、ガラス管1を曲げ支持機構19に接触させたままy方向に移動させることができ、工程時間を短縮することができる。また、ガラス管1の長さが700[mm]以上である場合に上記した作用効果が顕著に現れる。また、角度Qを0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定することにより、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを一層防止することができる。また、ガラス管1の回転数を60[rpm]以上に規定することにより、ガラス管1の周方向の位置によって蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができる。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法の乾燥工程の概略を図20に示す。図20のI−I´断面図を図21に、J−J´断面図を図22にそれぞれ示す。第5の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法は、曲げ支持機構21、補助支持機構22およびヒータ20を除いて第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様である。よって、曲げ支持機構21、補助支持機構22およびヒータ20について詳細に説明し、それ以外については省略する。
本実施形態に係る蛍光ランプの製造方法の乾燥工程は図20〜図22においてそれぞれ(a)、(b)の順序で進行する。
曲げ支持機構21は、図6に示す第1の実施形態に係る曲げ支持機構16の押し出し部16cと同じ構成を有している。さらに、本実施形態では、図20〜図22に示すように、曲げ支持機構21に加えて補助支持機構22が設けられている。この補助支持機構22の構成自体は、曲げ支持機構21と同じ構成を有している。しかし、曲げ支持機構21はガラス管1に接触し、主としてガラス管1を押圧することによって重力方向xに対してz方向に曲げているものであるのに対して、補助支持機構22はガラス管1のうち、把持機構10と曲げ支持機構21との間に位置する部分の側面に接触し、かつ曲げ支持機構21によって曲げられたガラス管1の曲げ部分の曲率Rを大きくするためのものである。なお、補助支持機構22は、ガラス管1を曲げるのに際して曲げ支持機構21の補助的な役割を有しており、ガラス管1に接触したことにより、ガラス管1と曲げ支持機構21とが離間するようなことはない。
IRヒータ20は、図20および図21に示すように重力方向x(図20および図21の紙面において上下方向)に移動する可動式であり、ガラス管1を乾燥させる所定の位置に移動して固定した後、IRヒータ20が上から下へと移動することにより、ガラス管1に塗布された蛍光体液3を上から下の順に乾燥させる。
ガラス管1は、曲げ支持機構21に接触し支持されるとともに、重力方向xに対してz方向に曲げられ、かつ補助支持機構22により、その曲げ部分の曲率半径Rを大きくした状態でIRヒータ20により乾燥される。
以上のような本発明の第5の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法によれば、同じく第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法と同様にガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができ、均一な膜厚の蛍光体層を形成することができる。特に、補助支持機構22を設けているので、曲げ支持機構21がガラス管1を曲げる際、ガラス管1に加わる応力が局所的にかかるのを防止することができ、その結果、ガラス管1がその曲げによって毀損するのを防止することができる。また、ガラス管1の長さが700[mm]以上である場合に上記した作用効果が顕著に現れる。また、角度Qを0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定することにより、ガラス管1全体において蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを一層防止することができる。また、ガラス管1の回転数を60[rpm]以上に規定することにより、ガラス管1の周方向の位置によって蛍光体層の膜厚にむらが発生するのを防止することができる。
なお、補助支持機構22の重力方向xの位置は特に限定されるものではなく、上記した作用効果を達成する範囲内で適宜設定される。よって、曲げ支持機構21がガラス管1の下端部の中でも上方に位置する場合、補助支持機構22は、曲げ支持機構21の下方に位置していてもよい。
また、補助支持機構22は一つに限らず複数設けてもよい。ただし、その際、複数の補助支持機構22の素材やガラス管1との接触面積の大きさによっては、補助支持機構22からガラス管1への熱放散が大きくなり、ガラス管1の補助支持機構22との接触部分においてホルダーマーキングが発生するおそれがある。このホルダーマーキングを確実に回避するためには、ガラス管1のIRヒータで加熱している部分と補助支持機構22を接触させず、ガラス管1から補助支持機構22への熱放散を防止することが必要である。よって、ガラス管1の補助支持機構22との接触部分をIRヒータ20で加熱する際、補助支持機構22がガラス管1から離れる可動式にすることで、ガラス管1から補助支持機構22への熱放散を抑制し、ホルダーマーキングを防止することができる。
なお、この場合、IRヒータ20が第1の実施形態と同様に階段状に設置されたものである場合には、補助支持機構22はガラス管1に接触又は非接触しながらガラス管1の移動方向に平行移動する。
本発明は、蛍光ランプの製造方法に広く適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法のうち塗布工程を説明するための図 同じく蛍光ランプの製造方法のうち乾燥工程を説明するための図 図2のA−A´断面図 図2のB−B´断面図 本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法に用いる曲げ支持機構の斜視図 同じく蛍光ランプの製造方法の変形例を説明するための図 角度Qを説明するための図 本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法のうち乾燥工程を説明するための図 図8のC−C´断面図 図8のD−D´断面図 本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法に用いる曲げ支持機構の斜視図 本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法のうち乾燥工程を説明するための図 図12のE−E´断面図 図12のF−F´断面図 本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法に用いる曲げ支持機構の斜視図 本発明の第4の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法のうち乾燥工程を説明するための図 図16のG−G´断面図 図16のH−H´断面図 本発明の第4の実施形態に係る製造方法に用いる曲げ支持機構の斜視図 本発明の第5の実施形態に係る蛍光ランプの製造方法のうち乾燥工程を説明するための図 図20のI−I´断面図 図20のJ−J´断面図 従来の蛍光ランプの製造工程を説明するための図 蛍光体層の膜厚によるランプの輝度の変化を示す図
符号の説明
1 ガラス管
3 蛍光体液
16、17、18、19、21 曲げ支持機構
16a、17a、18a 曲げ支持部
19a ベルト
19b ローラー
22 補助支持機構

Claims (11)

  1. ガラス管の内面に塗布した蛍光体液を乾燥させる乾燥工程において、前記ガラス管の長手方向の中心軸を回転軸として前記ガラス管を回転させる際、前記ガラス管を曲げ支持機構によって支持するとともに、重力方向に対して曲げてたわませることを特徴とする蛍光ランプの製造方法。
  2. 前記ガラス管を移動させながら乾燥させる場合であって、前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が前記ガラス管の移動方向に向かって連続的に伸びていることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプの製造方法。
  3. 前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が略V字状であり、前記ガラス管をその略V字状の狭角側で接触させて支持することを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプの製造方法。
  4. 前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が前記ガラス管の回転に合わせて自由回転する複数の回転体であることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプの製造方法。
  5. 前記複数の回転体における外縁部同士の最小間隔が前記ガラス管の外径よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の蛍光ランプの製造方法。
  6. 前記ガラス管を移動させながら乾燥させる場合であって、前記曲げ支持機構は、前記ガラス管に接触する曲げ支持部が前記ガラス管の移動方向に向かって延びるベルトを有し、前記ベルトが前記ガラス管に接触し、かつ前記ガラス管の回転速度と同期して動くことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプの製造方法。
  7. 前記ガラス管がたわんだ状態において、前記ガラス管の長手方向の中心軸の上端と下端とを結ぶ直線Nと、重力方向とが交わる角度Qは、0.02[°]以上15.00[°]未満の範囲に規定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法。
  8. 前記乾燥工程は、前記支持機構の上方または下方において前記ガラス管に接触する補助支持機構を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法。
  9. 前記補助支持機構は、前記ガラス管の前記補助支持部との接触部を乾燥させる際、前記ガラス管から離れることを特徴とする請求項8記載の蛍光ランプの製造方法。
  10. 前記ガラス管の長手方向の中心軸を回転軸とした回転数が60[rpm]以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法。
  11. 前記ガラス管の長さが700[mm]以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法。
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