JP2007327124A - 転炉炉口の地金溶断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、溶断用ランスから酸素ガスを地金に噴出した場合に溶断可能な地金量を該地金の温度毎と送酸速度毎に各々測定し、転炉に内張された耐火物付着許容厚みを予め把握し、耐火物付着許容厚みよりも低い管理値を規定し、転炉炉口内周部の周方向の地金厚みの複数位置把握を行い、複数の把握位置の少なくとも1箇所の地金厚みが管理値を超えると、溶断用ランスにより酸素ガスを地金に吹き付けて地金除去を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば図4(A)に示す如く、るつぼ型の転炉100にブローランス101を装入して吹き込み精錬している場合、酸素ジェット102により吹き飛ばされた溶銑が飛散して転炉100の炉口内周部103に付着して地金105となり、この地金105が炉口内周部103の中心方向に地金延出部106を形成するように成長することがある。ここで、炉口内周部103に内張りされている耐火レンガ107の取付強度が高く、前記地金105と地金延出部106の重量を充分に支えることができる場合は、先の地金延出部106の自重により図4(B)に示す如く延出部106の根本部分に亀裂を生じ、地金延出部106が自重により脱落し、精錬中の溶鉄の中に落下するならば転炉100の操業に支障を来すことはない。
ところが、耐火レンガ107の取付強度が低いか、耐火レンガ107の取付強度以上に地金105と地金延出部106が成長した場合、これらとともに耐火レンガ107が図4(C)に示すように剥離して落下するおそれがあり、このような場合は図4(D)に示すように転炉100の鉄製の壁部が溶鉄側に露出するので、緊急補修が必要となり、操業を停止して補修作業に取りかかる必要を生じ、転炉100が傷むおそれがあるとともに、緊急補修時間の確保のために転炉を停止させるので生産減に繋がる問題がある。
従来の地金除去作業の一例として、作業員がブローランスを手作業により操作し、炉口周辺部の地金に酸素を吹き付けることによって地金を溶断する地金除去が行われていた。しかしこの方法は、転炉炉口付近での高温作業となるため作業環境が極めて悪い上、多くの時間がかかるという問題があった。一方、重機を利用して棒状の器具を振り下ろし、転炉炉口に付着した地金に前記棒状の器具を衝突させ、その衝撃力により地金を除去するという方法も知られているが、地金の除去に時間がかかる上に、炉口周辺の耐火レンガを損傷しやすいという問題があった。
このため以下の特許文献3に示すように、転炉の炉口近傍に炉口周縁部撮影用のカメラを配置し、このカメラにより炉口内周縁部の地金付着量を監視して把握し、一方向に酸素を噴出できる構成のブローランスを用いて前記地金の付着量に応じてブローランスの回転角度と酸素流量を制御して地金を切る方法が提供されている。
また、以下の特許文献4に示す如く転炉の炉口に酸素を吹き付けて地金を除去する方法の一例として、転炉からの出鋼中に酸素を吹き付けて地金切りを実現する方法が提言されている。
例えば最近の製鉄所の操業状況では、生産効率の向上化の面から、転炉を傾動させて溶鋼を排出した後、再びスクラップなどを投入して精錬工程に戻る際、地金切り作業のために割り当てできる時間は数分間程度であるので、この数分の間に地金切作業り作業を完了して再び転炉を稼働できないと、転炉の操業に影響が出るおそれがあり、転炉の操業に影響を生じると、後工程にも悪影響を及ぼす問題がある。従って、地金の成長状態がどのような状態であっても、地金切り時間を延長することが無いような、一定時間で地金切り作業を完了できる方法が望まれている。
また、前述の出鋼中に転炉の炉口周辺部に酸素を吹き付ける方法においても、不必要に送酸速度を上げて必要以上の酸素を噴いた場合は、地金だけでなく、転炉内壁を構成する耐火レンガも溶損することになるので、適正な送酸速度と作業時間で地金切りを行うことができることが望まれていた。
(1)本発明は、先端部側面側から酸素ガスを噴出可能な構成の溶断用ランスを用いて酸素ガスを転炉炉口の内周部に付着している地金に吹き付け、地金を溶断除去する転炉炉口の地金溶断方法において、前記転炉に内張された耐火物付着許容厚みを予め設定し、この耐火物付着許容厚みよりも低い管理値を規定しておき、前記転炉炉口内周部の周方向の地金厚みの複数位置把握を行い、複数の把握位置の少なくとも1箇所の地金厚みが前記管理値を超えた場合、前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行うことを特徴とする。
(2)本発明は、前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行う場合、前記溶断用ランスから酸素ガスを地金に噴出した場合に溶断可能な地金量を該地金の温度と送酸速度に各々予め把握した関係を基に、溶断用ランスによって酸素ガスを吹き付ける特定の範囲における地金厚みに応じた地金溶断量を把握し、この地金溶断量に対応する送酸速度に設定して前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行うことを特徴とする。
(4)本発明は、前記1つの特定の送酸速度により規定される関係と前記他の1つの特定の送酸速度により規定される関係との間に地金温度と地金溶断量の関係が存在している場合、地金溶断量の多い側の関係に基づく送酸速度に設定して前記溶断用ランスによる地金除去を行うことを特徴とする。
(5)本発明は、前記溶断用ランスから酸素ガスを地金に噴出する場合の噴射角度を前記溶断用ランスの周方向に30゜〜150゜の範囲とすることを特徴とする。
(7)本発明は、(1)〜(6)のいずれかに記載の転炉炉口の地金溶断方法を実施するにあたり、当該ヒートと次のヒート間の転炉の非稼働時間を基に地金溶断時間を設定し、測定した溶断地金量から必要酸素量を求め、該必要酸素量と前記地金量から溶断用ランスの送酸速度を設定して地金溶断を行うことを特徴とする。
更に、転炉炉口の地金を除去しておくならば、次のヒートの吹錬の際にスクラップの投入作業に地金が邪魔にならないのでスクラップ投入トラブルを生じないとともに、溶銑を転炉に装入する作業時においても投入トラブルを生じない効果がある。
本発明によれば、溶断用ランスからの酸素ガスの噴射角度を30゜〜150゜の範囲とするならば、転炉炉口の1/4の地金を溶断するので、転炉の操業において、地金の堆積状態に応じて複数回に区分けして短い時間で溶断の必要な部分を中心に、効率良く地金溶断ができる。従って転炉操業において地金溶断の時間を短縮し、転炉で吹錬する時間に影響を及ぼすことなく地金溶断作業ができる。
本発明によれば、プロフィール計測装置を用いて多点計測して地金の複数箇所の地金量の3次元計測が可能であり、この結果から地金除去を始めることで、必要な時点でより確実な地金除去ができる。
図1において1はるつぼ型の転炉であり、図1において正立状態で示した転炉1の炉口2の内周部分には、吹錬の際に飛散した溶銑が堆積して地金Mが付着した状態が示されている。転炉1は鉄皮3の内面に耐火物(耐火レンガ)4を多数内張りした構造である。5は転炉1を正立させた状態において転炉炉口2に挿入される溶断用ランスである。このブローランス5は昇降・回転機構6を備えており、運転室7に設置された制御盤8からの遠隔自動制御により、昇降運動と回転運動が行われる。また転炉1の斜め上方にはカメラ9が設置され、溶断用ランス5の先端側の位置を制御室7のモニター10に映し出すことができるようになっている。
また、転炉1を傾動してその炉口2を横向きとした状態で対面する側に、プロフィール計測装置11が設置されている。図1には転炉1を傾動してその炉口2を横向きとした状態も併せて示すが、転炉1を傾動する際にブローランス5は図1に示す位置よりも上方に引き上げて転炉1と干渉しないようにしておくのは勿論である。
例えばレーザ計測装置であれば、レーザを転炉炉口2の内周部に照射して反射してきた反射波を計測し、その時間差から地金Mの厚みを把握するので、極めて短時間の操作により転炉炉口2の内周部の地金厚さを把握することができる。なお、ここで用いるプロフィール計測装置11はレーザ計測装置に限るものではなく、超音波計測装置、カメラを利用した画像解析による計測装置等でも良い。
カメラ9からの画像は運転室7のモニター10に表示され、オペレータはモニター10により転炉炉口2への地金付着状況を監視できるとともに、正立状態の転炉1に挿入した溶断用ランス5の先端位置や姿勢等も併せて監視できるようになっている。
前記前開き角αが狭いとピンポイントで酸素を噴出させることができるが、地金付着範囲が広い場合には、一度に溶断させることができず位置を変えて複数回に分けて溶断する必要があり、効率が悪くなり、一方前開き角αが広すぎると地金が付着していない耐火物の部分まで熱負荷が掛かり耐火物を溶損させる恐れがあるため、地金の付着状況に応じて前開き角αを30゜〜150゜の範囲で適宜選択することが好ましく、特に90゜前後が好ましい。
転炉操業は一般に、別途転炉1の近傍に設備されている図示略の吹き込み吹錬用のブロ−ランスを用いて転炉において銑鉄の精錬を行い、精錬終了後に転炉1を傾動して溶鋼を排出し、この後にスクラップ等を投入した後、再度溶銑を流し込み、精錬するという工程を繰り返し行って操業している。この転炉操業において、吹き込み吹錬用のブローランスで繰り返し吹錬を行う間に酸素ガスを溶銑に吹き付ける操作に伴って溶銑が飛散し、転炉炉口2の内周部に地金Mとして徐々に付着してゆく。
本発明ではこの転炉操業において、傾動時に逐次プロフィール計測装置11にて転炉炉口2の内周部の地金付着量を測定して監視し、地金Mの付着量に応じてその重量により耐火物4の支持強度が限界となる値よりも若干低い値に対応する耐火物許容厚みを規定し、地金Mの付着により耐火物許容厚みが規定の管理値を超えた場合に地金Mの溶断作業を行う。
溶断用ランス形状(吐出部の幅、高さ、広がり角度)により、溶断可能な炉壁の地金面積(「有効溶断面積」)が異なり、溶断実験等により予めこの「有効溶断面積」を求めておき、実績の溶断量を「有効溶断面積」と「地金比重(ここでは鉄比重の7を使用)」で割り戻せば「地金厚み」を算出することができる。
従って実際には、逆に測定した「地金厚み」に「有効溶断面積」と「地金比重(ここでは鉄比重の7を使用)」を掛けて「(有効溶断面積当たりの)地金溶断量」を算出し、この「地金溶断量」を元に以下の図3の関係を用いて「地金温度」、「地金溶断時間」から「送酸速度」を決定するものとする。
図3は「地金溶断時間」が2分の場合のデータであるが、例えば溶断時間が変化しても基本的には溶断量は送酸量(送酸速度と溶断時間)に正比例すると考えることができるので、図3の関係をそのまま適用することができる。なお、図3において溶断用ランスの前開き角α=90゜であり、溶断用ランスと転炉炉壁の地金表面までの距離2.5mとして「有効溶断面積」(90゜照射範囲)=2.75m2(=2.5×2×π×90÷360)の場合のデータである。
また、Fe+(1/2)O2→FeO+64kcalの関係とFe+(3/2)O2→Fe2O3+190.7kcalの関係があり、溶断用ランス5により酸素ガスを吹き付けるといずれも地金Mの酸素吹き付け部位において熱が発生する。この発生熱により地金Mを溶かして溶断し、転炉1の内部に落下させて炉口2の内周部から地金Mを除去することができる。
その結果、同じ送酸速度として地金表面温度との相関関係は、地金表面温度が600℃、650℃、700℃、750℃と向上するに連れて、等比級数的に地金溶断量(t)が増加するという結果を得ることができ、その関係は図3に示す3つの送酸速度に応じた3本の相関曲線(相関式:相関関係)にて表示することができるとの結果を得ることができた。また、先の相関曲線は、送酸速度を10000Nm3/hr、15000Nm3/hr、20000Nm3/hrと増加するにつれて地金溶断量が増加する方向にシフトし、それらの相関関係について送酸速度が増加すると溶断量が増加するという関係にあることを知見した。
より具体的には、図3に示す関係において、溶断用ランス5が酸素ガスを吹き付ける転炉炉口2の内周90゜について溶断可能な地金量は、換言すると、溶断可能な地金厚さとも見ることができるので、この地金厚さを把握する。
また、転炉1の内部には耐火レンガなどの耐火物4が内張され、これらの耐火物4は所望の強度にて転炉1の内部に設けられている。ここで例えば、耐火物の支持強度として、前述の地金Mの重量から換算して、仮に、FeとFeOとFe2O3とその他成分とが12%、18%、17%、53%の割合とすれば、耐火物の支持強度として約500mm厚の地金厚み付着量までは耐火物の剥離が起こらないが、500mm厚を超える地金厚みとなると耐火物の剥離を生じるおそれがあるとした場合、地金厚みの管理値を100mm以上、400mm以下(例えば、安全地金最大厚み(約500mm)の20%〜80%)と設定し、この管理値を制御装置8に入力して地金厚み管理を行う。
それには、プロフィール計測装置11にて計測した地金Mの測定温度の平均値から地金表面温度を規定し、プロフィール計測装置11にて計測した地金Mの荷重を算出して耐火物を保護するうえで必要となる溶断量を算出推定し、その関係を図3に示す予め実験により決めておいた相関曲線に当てはめて3種類のどの送酸速度を選択すれば良いかの判断を制御装置8で行い、制御装置8で溶断用ランス5からの送酸速度を決定し、溶断作業を行う。
溶断作業の実際は、図1に示す如く転炉1を正立させた後、溶断用ランス5を転炉炉口2の内周側に挿入し、溶断用ランス5の噴出口12…からほぼ90゜幅の酸素ガスを吹き付けて該当領域にある地金Mを溶断して転炉1の底部に落下させれば良い。ここで落下させた地金Mは溶断後の次工程の吹錬においてそのまま他の投入原料と混同して利用することができる。
一例として、転炉1の規模に応じて地金溶断時間2分、地金表面温度700℃、地金溶断必要量3.5tとした場合、図3の相関図から、送酸速度20000Nm3/hを選択すれば、必要十分な量の地金Mを溶断することができることがわかる。
ところで、図3に示す如く溶断用ランス5の送酸速度を10000Nm3/hr、15000Nm3/hr、20000Nm3/hrの3段階のみ変更可能な場合、図3に示す15000Nm3/hrの送酸速度の相関曲線と、20000Nm3/hrの送酸速度の相関曲線との中間値に地金溶断量が設定される場合がある。例えば、地金表面温度700℃にて地金溶断量3tの場合は、両相関曲線の中間値となるが、そのような場合においては溶断量の余裕を見て20000Nm3/hrの送酸速度の相関曲線を適用して地金の溶断を行なえば良い。
従って本発明の溶断方法を実施することにより、耐火物を損傷するおそれを低減した上で確実な地金溶断効果を得ることができる。
このように、本発明ではブローランス5の酸素流量を制御しながら地金付着量の多い部分の地金Mを除去することが望ましい。なお、溶断用ランスの広がり角よりも溶断するべき地金Mの広がりが大きい場合は、地金付着量の多い部分を中心に溶断用ランスを左右に往復回転させながら溶断することが望ましい。なおまた、送酸速度はブローランス5の高さによっても変化させることが好ましい。すなわち、ブローランス5の噴出口11が転炉炉口2の出鋼口付近にあるときには酸素流量を減少させ、出鋼口付近の耐火レンガの溶損を防止することが好ましい。
また、本実施の形態では、プロフィール計測装置にて計測することにより地金Mの付着量を把握したが、地金Mの付着量や付着状態を把握する際、数値計算シミュレーションにて地金Mの付着量や付着状態を予測し、把握しても良い。
更に、前述のように転炉炉口の地金Mを除去しておくならば、次の転炉操業のチャージの際にスクラップの投入作業に地金が邪魔にならないので、スクラップ投入トラブルを生じることがないとともに、溶銑を転炉1に装入して転炉操業を行う際においても溶銑の投入トラブルを生じない効果がある。例えば、スクラップの投入作業時に転炉炉口2が地金Mで一部塞がれた状態であると、スクラップが地金Mに接触して投入作業に支障を来すおそれがある。また、転炉操業開始のためのチャージの際に転炉炉口2に突出されている地金Mが邪魔になって溶銑が外部にこぼれたりするおそれもある。
転炉炉口に付着した地金を一部採取して成分分析した結果は、Fe=12%、FeO18%、Fe2O3=17%、CaO等その他成分53%であった。溶断用ランスとして、直径30cm、長さ10m、先端部の側面に内径2cmの噴出口を周方向に7個等間隔に、先端部周面の90゜の範囲に形成したものを用いた。この溶断用ランスの送酸速度を10000Nm3/hr、15000Nm3/hr、20000Nm3/hrの3段階に調整し、各送酸速度において転炉炉口の地金の表面部分の温度と溶断量について溶断時間2分の条件で溶断作業した結果、溶断できた地金量を測定した。
溶断できた地金量の計測は、溶断開始前のプロフィール計測装置による地金の平均厚みと溶断終了後にプロフィール計測装置により計測した残留地金の厚みの差から算出して把握した。
図3に示す結果から、送酸速度が10000Nm3/hr、15000Nm3/hr、20000Nm3/hrと上昇するにつれて地金溶断量はいずれの地金表面温度においても増加する傾向にある。また、地金溶断量について地金表面温度との関係は、同一送酸速度の場合に600℃、650℃、700℃、750℃と地金温度が上昇するにつれて、等比級数的に増加することが明らかになった。
従って図3に示す関係を把握し、例えば、地金表面温度700℃、地金溶断必要量3.5tの場合、図3の関係から、20000Nm3/hrの送酸速度に設定すれば、確実に地金の溶断ができることがわかる。
2 転炉炉口、
3 鉄皮、
4 耐火物(耐火レンガ)、
5 溶断用ランス、
8 制御装置、
9 カメラ、
10 モニタ、
11 プロフィール計測装置、
12 噴出口、
Claims (7)
- 先端部側面側から酸素ガスを噴出可能な構成の溶断用ランスを用いて酸素ガスを転炉炉口の内周部に付着している地金に吹き付け、地金を溶断除去する転炉炉口の地金溶断方法において、
前記転炉に内張された耐火物付着許容厚みを予め設定し、この耐火物付着許容厚みよりも低い管理値を規定しておき、前記転炉炉口内周部の周方向の地金厚みの複数位置把握を行い、複数の把握位置の少なくとも1箇所の地金厚みが前記管理値を超えた場合、前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行うことを特徴とする転炉炉口の地金溶断方法。 - 前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行う場合、前記溶断用ランスから酸素ガスを地金に噴出した場合に溶断可能な地金量を該地金の温度と送酸速度に各々予め把握した関係を基に、
溶断用ランスによって酸素ガスを吹き付ける特定の範囲における地金厚みに応じた地金溶断量を把握し、この地金溶断量に対応する送酸速度に設定して前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行うことを特徴とする請求項1に記載の転炉炉口の地金溶断方法。 - 前記溶断用ランスから酸素ガスを地金に噴出した場合に溶断可能な地金量を該地金の温度と送酸速度から予め把握するとともに、特定の送酸速度における地金表面温度と溶断量の関係を特定の送酸速度に対応する地金表面温度と溶断量の関係として求め、前記特定の送酸速度を複数規定して各規定した送酸速度毎の関係を求め、地金温度に応じたこれら複数の関係により決定される地金溶断量に応じた地金除去を行うことを特徴とする請求項2に記載の転炉炉口の地金溶断方法。
- 前記1つの特定の送酸速度により規定される関係と前記他の1つの特定の送酸速度により規定される関係との間に地金温度と地金溶断量の関係が存在している場合、地金溶断量の多い側の関係に基づく送酸速度に設定して前記溶断用ランスによる地金除去を行うことを特徴とする請求項3に記載の転炉炉口の地金溶断方法。
- 前記溶断用ランスから酸素ガスを地金に噴出する場合の噴射角度を前記溶断用ランスの周方向に30゜〜150゜の範囲とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転炉炉口の地金溶断方法。
- 前記転炉傾動時の炉口内周部の複数位置毎の地金量の計測にプロフィール計測装置を用いて多点計測し、転炉炉口内周部の高さ方向と径方向における地金量の3次元計測を行い、炉口内周方向と高さ方向における地金量を把握し、これらの結果から少なくとも1箇所の地金厚みが前記管理値を超えた場合、前記溶断用ランスにより酸素ガスを前記地金に吹き付けて地金除去を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転炉炉口の地金溶断方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の転炉炉口の地金溶断方法を実施するにあたり、
当該ヒートと次ヒート間の転炉の非稼働時間を基に地金溶断時間を設定し、測定した溶断地金量から必要酸素量を求め、該必要酸素量と前記地金量から溶断用ランスの送酸速度を設定して地金溶断を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の転炉炉口の地金溶断方法。
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