JP2007326984A - 高分子材料、それから得られる発泡体およびこれらを用いた研磨パッド - Google Patents

高分子材料、それから得られる発泡体およびこれらを用いた研磨パッド Download PDF

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【課題】被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上が達成でき、かつスクラッチの発生が少ない研磨パッドおよび該研磨パッドとして有用な高分子材料および発泡体を提供する。
【解決手段】JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)が40〜60℃であり、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)が50〜65℃(ただし、T2≧T1である)である高分子材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子材料、それから得られる発泡体およびこれらを用いた研磨パッドに関する。本発明の研磨パッドは、例えば、半導体ウェハ等を高精度に、かつ高効率に研磨するために有用である。
集積回路を形成するための基材として使用される半導体ウェハの鏡面加工に用いられる研磨パッドとしては、一般的に、ベロア調やスエード調などの繊維と樹脂の複合材料、あるいは熱可塑性ポリウレタン樹脂を不織布に含浸させ湿式凝固させた、圧縮変形特性が大きく、比較的柔らかいシートが多用されていた。
近年、半導体ウェハは、高集積化、多層配線化に伴い、一層の高平坦化等の品質向上に加えて低価格化の要求が増々高まっている。それに伴い、研磨パッドに対しても、従来以上の平坦化を可能にする等の高機能化や長時間使用可能であることなどが要求されている。
従来の比較的柔軟な不織布タイプの研磨パッドは、ウェハとの接触性が良く、研磨スラリーの保持性も良好であるが、その柔軟性のために被研磨面の平坦化が十分でない。しかも、研磨スラリーや研磨屑が不織布の空隙に目詰まりし、これが原因でウェハ表面に傷を生じやすくなる傾向にある。また、研磨スラリーや研磨屑が不織物の空隙深くまで侵入するため洗浄が困難であり、研磨パッドの寿命が短いという問題点も有している。
一方、高分子発泡体を使用した研磨パッドも知られており、不織布タイプの研磨パッドに比べて剛性が高いため、ウェハの研磨等の平坦化を要求される用途によく使用されている。また、高分子発泡体を使用した研磨パッドは独立気泡構造であるため、研磨スラリーや研磨屑が不織布タイプの研磨パッドのように空隙の奥まで侵入しないので、研磨パッドの洗浄が比較的容易で長時間の使用にも耐えられるものである。特に耐摩耗性に優れることから、高分子発泡体としては発泡ポリウレタンがよく用いられている。
特開2000−178374号公報 特開2000−248034号公報 特開2001−89548号公報 特開平11−322878号公報 特開2002−371154号公報 柏木正弘ら、「CMPのサイエンス」、株式会社サイエンスフォーラム、1997年8月20日、p.113〜119
発泡ポリウレタン製の研磨パッドは、通常、発泡ポリウレタンを適宜研削またはスライスすることにより製造されている。従来、研磨パッドに用いられる発泡ポリウレタンは、2液硬化型ポリウレタンを用いて注型発泡硬化することによって製造されている(特許文献1:特開2000−178374号公報、特許文献2:特開2000−248034号公報、特許文献3:特開2001−89548号公報、特許文献4:特開平11−322878号公報などを参照)が、この方法では、反応・発泡の均一化が困難である上、得られる発泡ポリウレタンの高硬度化にも限界があった。また、従来の発泡ポリウレタン製の研磨パッドは、被研磨面の平坦性や平坦化効率等の研磨特性が変動することがあるが、もとになる発泡ポリウレタンにおける発泡構造のばらつきがその一因と考えられる。また、平坦化効率を高めるために、より硬度の高い研磨パッドが望まれている(非特許文献1:「CMPのサイエンス」株式会社サイエンスフォーラム、1997年8月20日発行、を参照)。
一方で、硬度の高い研磨パッドとして、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られる、イソシアネート基由来の窒素原子含有率が6重量%以上であり、かつ50℃における動的粘弾性率E'50(貯蔵弾性率)が5×109dyn/cm2以上である熱可塑性ポリウレタンからなり、密度が0.5〜1.0g/cm3、気泡サイズが5〜20μm、硬度(JIS−C硬度)が90以上であるポリウレタン発泡体からなる研磨パッドが提案されている(特許文献5:特開2002−371154号公報を参照)。しかし、このようなイソシアネート基由来の窒素原子含有率が6重量%以上である研磨パッドを用いると、硬度が高過ぎるために、ウェハを研磨した際にウェハ表面にスクラッチが多発する恐れがあった。
上述状況においては、被研磨面の平坦性および平坦化効率の向上が達成でき、かつスクラッチの発生が少ない研磨パッドが望まれている。また、このような研磨パッドとして有用な高分子材料および発泡体が望まれている。
上述する要望に対応すべく本発明者らは鋭意検討を重ねた。その結果、ビカット軟化温度測定において特定の軟化挙動を示す高分子材料、それから得られる発泡体およびこれらを用いた研磨パッドが、所望の特性を発現することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)が40〜60℃であり、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)が50〜65℃(ただし、T2≧T1である)である高分子材料。
[2] 50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が50〜800MPaであり、50℃における損失正接が0.03〜0.15である、[1]に記載する高分子材料。
[3] 前記高分子材料が、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させることにより得られるポリウレタンである、[1]または[2]に記載する高分子材料。
[4] 前記ポリウレタンが、熱可塑性ポリウレタンであり、イソシアネート基由来の窒素原子の含有量が5.2〜5.8重量%である、[3]に記載する高分子材料。
[5] 前記高分子ジオールが、数平均分子量1300〜2400の成分を少なくとも1種類含有する、[3]または[4]に記載する高分子材料。
[6] 前記高分子ジオールが、ポリエーテルジオールおよび/またはポリエステルジオールを含有する、[3]ないし[5]のいずれかに記載する高分子材料。
[7] 前記高分子ジオールが、炭素数6〜12のジオールを用いて製造されるポリエステルジオールを含有する、[3]ないし[5]のいずれかに記載する高分子材料。
[8] 前記高分子ジオールが、ポリ(エチレングリコール)および/またはポリ(テトラメチレングリコール)である、[3]ないし[5]のいずれかに記載する高分子材料。
[9] 前記有機ジイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[3]ないし[8]のいずれかに記載する高分子材料。
[10] 前記鎖伸長剤が、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[3]ないし[9]のいずれかに記載する高分子材料。
[11] 前記ポリウレタンが、前記高分子ジオールとしてポリ(テトラメチレングリコール)と、前記有機ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと、前記鎖伸長剤として1,4−シクロヘキサンジメタノールとを反応させることにより得られるポリウレタンである、[3]ないし[5]のいずれかに記載する高分子材料。
[12] 前記高分子ジオールの重量と前記有機ジイソシアネートおよび前記鎖伸長剤の合計重量との重量比率が、[高分子ジオールの重量]:[有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の合計重量]=10:90〜50:50である、[3]ないし[11]のいずれかに記載する高分子材料。
[13] [1]ないし[12]のいずれかに記載する高分子材料を発泡させることにより得られる発泡体。
[14] 前記発泡体が、前記高分子材料に非反応性ガスを加圧条件下で溶解させた後、軟化温度より低い温度で圧力を開放して大気圧下で取り出し、次いで該高分子材料を軟化温度以上の温度で発泡させて得られる、[13]に記載する発泡体。
[15] 前記非反応性ガスが、二酸化炭素または窒素である、[14]に記載する発泡体。
[16] [1]ないし[12]のいずれかに記載する高分子材料を含有する研磨パッド。
[17] [13]ないし[15]のいずれかに記載する発泡体を含有する研磨パッド。
[18] [16]または[17]に記載する研磨パッドを用いる、シリコンウェハまたは半導体ウェハの研磨方法。
[19] [16]または[17]に記載する研磨パッドを用いる、半導体デバイスの製造方法。
本発明の好ましい態様によれば、例えば、ケミカルメカニカル研磨に有用な高分子材料やそれから得られる発泡体を提供することができる。さらに、該高分子材料や発泡体を応用して、例えば、ウェハ研磨時に発生するスクラッチが少なく、研磨レートも安定しているなど、半導体ウェハ等を高精度に研磨することが可能な研磨パッドを提供することができる。
本発明の高分子材料は、JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)が40〜60℃であり、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)が50〜65℃であることを満足する。ただし、前記T1およびT2は、T2≧T1の条件を満たす。また、本発明の研磨パッドは、該高分子材料または該高分子材料を発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドである。
JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)が40℃未満の場合には、該高分子材料や該高分子材料を発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドが柔らかくなり過ぎるため、このような研磨パッドを用いてウェハ等の研磨を行う際に被研磨面の平坦性が低下する。一方、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)が60℃を越える場合には、研磨時にスクラッチの発生が増加する。例えば、研磨時における被研磨面の平坦性とスクラッチ抑制の観点から、JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)の好ましい範囲は45〜55℃であり、より好ましくは45〜50℃である。
また、JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)が50℃未満の場合には、該高分子材料や該高分子材料を発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドが柔らかくなり過ぎるため、このような研磨パッドを用いてウェハ等の研磨を行う際には被研磨面の平坦性が低下する。一方、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)が65℃を越える場合には、研磨時にスクラッチの発生が増加する。例えば、研磨時における被研磨面の平坦性とスクラッチ抑制の観点から、JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)の好ましい範囲は53〜62℃であり、より好ましくは55〜60℃である。
さらに、本発明の高分子材料は、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が50〜800MPaであり、50℃における損失正接(tanδ値)が0.03〜0.15である高分子材料を包含する。
高分子材料の50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が50MPa未満の場合には、該高分子材料や該高分子材料を発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドが柔らかくなり過ぎるため、このような研磨パッドを用いてウェハ等の研磨を行う際には被研磨面の平坦性が低下し、また研磨効率が低下する傾向がある。一方、高分子材料の50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が800MPaを超える場合には、研磨時にスクラッチの発生が増加する傾向がある。例えば、研磨時における被研磨面の平坦性とスクラッチ抑制の観点から、高分子材料の50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率のより好ましい範囲は70〜750MPaであり、さらに好ましい範囲は100〜700MPaであり、特に好ましい範囲は130〜650MPaである。
また、高分子材料の50℃における損失正接が0.03未満の場合には、該高分子材料や該高分子材料を発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドを用いてウェハ等の研磨を行う際にスクラッチの発生が増加する傾向がある。一方、50℃における損失正接が0.15を越える場合には、該高分子材料や該高分子材料を発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドが柔らかくなり過ぎるため、このような研磨パッドを用いてウェハ等の研磨を行う際には被研磨面の平坦性が低下し、また研磨効率が低下する傾向がある。例えば、研磨時における被研磨面の平坦性とスクラッチ抑制の観点から、高分子材料の50℃における損失正接は、より好ましくは0.04〜0.14であり、さらに好ましくは0.05〜0.13である。なお、50℃における損失正接は、50℃における損失弾性率(E’’50)と50℃における貯蔵弾性率(E’50)との比(E’’50/E’50)である。
また、本発明の高分子材料は、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させることにより得られるポリウレタンを包含する。そして、該ポリウレタンが溶融成形可能な熱可塑性ポリウレタンであり、イソシアネート基由来の窒素原子の含有量が5.2〜5.8重量%である高分子材料を包含する。窒素含有量が5.2重量%未満の場合には、該ポリウレタンを例えば研磨パッドとして用いた場合、研磨パッドが柔らかくなり、被研磨面の平坦性が低下し、また研磨効率が低下する傾向がある。一方、窒素含有量が5.8重量%を超える場合はスクラッチが発生し易くなる傾向がある。したがって、例えば、研磨時における被研磨面の平坦性とスクラッチ抑制の観点から、イソシアネート基由来の窒素原子の含有量は、好ましくは5.3〜5.7重量%であり、より好ましくは5.3〜5.5重量%である。
該ポリウレタンを製造する材料となる、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤について詳細に説明する。
高分子ジオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらの高分子ジオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。高分子ジオールは、ポリエーテルジオールおよび/またはポリエステルジオールを含有することが好ましい。
上記のポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)、ポリ(オキシプロピレングリコール)、グリセリンベースポリアルキレンエーテルグリコールなどが挙げられる。これらのポリエーテルジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリ(エチレングリコール)および/またはポリ(テトラメチレングリコール)を使用することが好ましい。
上記のポリエステルジオールとしては、例えば、常法に従い、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを直接エステル化反応またはエステル交換反応させることにより製造されるものを挙げることができる。
ポリエステルジオールを構成するジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸等の炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸;トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)およびこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ダイマー酸および水添ダイマー酸としては、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」などを用いることができる。
ポリエステルジオールを構成する低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオールなどを挙げることができる。これらの低分子ジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも使用することが好ましいジオールは、炭素数6〜12のジオールであり、より好ましくは炭素数8〜10のジオールであり、さらに好ましくは炭素数9のジオールである。
上記のポリカーボネートジオールとしては、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られるものを使用することができる。ポリカーボネートジオールを構成する低分子ジオールとしては、ポリエステルジオールの構成成分として先に例示した低分子ジオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどが挙げられる。ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
高分子ジオールは、前記したとおり、1種類または2種類以上を用いることができるが、少なくとも1種類の高分子ジオールの数平均分子量が1300〜2400であることが好ましい。高分子ジオールの数平均分子量が1300未満である場合には、得られるポリウレタンの弾性率が高くなり、該ポリウレタンや該ポリウレタンを発泡させて得られる発泡体を含有する研磨パッドを用いてウェハ等の研磨を行う際に、スクラッチが発生し易くなる傾向がある。一方、高分子ジオールの数平均分子量が2400を越える場合には、押出成形法または射出成形法により成形する際に、成形機中で増粘現象を起こして不溶融物が発生し、成形運転を中断し内部を洗浄しなければならなくなることがある。例えば、適度な弾性率を有するポリウレタンを製造し、かつ押出成形法または射出成形法により成形する際に増粘現象を生じさせない観点から、使用する少なくとも1種類の高分子ジオールの数平均分子量が1400〜2300であることがより好ましく、1500〜2200であることがさらに好ましい。なお、本明細書でいう高分子ジオールの数平均分子量は、いずれもJIS K1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量を意味する。
何ら制限されるものではないが、数平均分子量が1300〜2400の高分子ジオールを用いて得られた熱可塑性ポリウレタンであって、かつ、上記したイソシアネート基由来の窒素原子の含有量が5.2〜5.8重量%の熱可塑性ポリウレタンを用いると本発明の高分子材料を容易に得ることが可能となり好ましい。
ポリウレタンの製造に用いられる有機ジイソシアネートとしては、通常のポリウレタンの製造に従来から使用されている有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよく、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセンなどの脂肪族または脂環式ジイソシアネート;2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを挙げることができる。これらの有機ジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、得られる研磨パッドの耐摩耗性などの点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることがより好ましい。
ポリウレタンの製造に用いられる鎖伸長剤としては、通常のポリウレタンの製造に従来から使用されている鎖伸長剤のいずれを使用してもよい。鎖伸長剤としては、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−、2,3−または1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,9−ノナンジオール、m−またはp−キシリレングリコールなどのジオール類;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、o−、m−またはp−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン等の1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(nは、3〜10)、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノベンズアニリドなどのジアミン類などが挙げられる。これらの鎖伸長剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリウレタンの具体的な例としては、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(ノナメチレンアジペート)、ポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレンアジペート)、ポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレン−co−ノナメチレンアジペート)、ポリ(メチルペンタンアジペート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子ジオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機ジイソシアネートと、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤とを反応させて得られるポリウレタンが挙げられる。
これらの中でも、特に、高分子ジオールとしてポリ(テトラメチレングリコール)と、有機ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと、鎖伸長剤として1,4−シクロヘキサンジメタノールとを反応させることにより得られるポリウレタンが好ましい。
該ポリウレタンの製造法は特に限定されないが、架橋型ポリウレタンを製造する場合には、上記の高分子ジオールと有機ジイソシアネートとを、高分子ジオールのモル数に対する有機ジイソシアネートのモル数が1.5〜3.0倍過剰(より好ましくは1.8〜2.7倍過剰、さらに好ましくは、2.0〜2.5倍過剰)となる範囲で混合し、60〜120℃(より好ましくは70〜110℃、さらに好ましくは80〜100℃)で反応させることによって中間重合体を合成し、該中間重合体をN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒に溶解し、有機ジアミンを反応させて鎖延長反応させる方法などが例示される。
熱可塑性ポリウレタンを製造する場合には、上記の高分子ジオールと有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を所定の比率で溶融混合して製造することができる。各成分の混合比率は、熱可塑性ポリウレタンに付与すべき物性、耐摩耗性などを考慮して適宜決定されるが、高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.95〜1.3モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。イソシアネート基の割合が0.95モルより低いと、得られる熱可塑性ポリウレタンやそれを発泡させることにより得られる発泡体の機械的強度および耐摩耗性が低下する傾向があり、1.3モルより高いと熱可塑性ポリウレタンの生産性、保存安定性、発泡性が低下する傾向がある。例えば、得られる熱可塑性ポリウレタンや発泡体の機械的強度および耐磨耗性、ポリウレタンの生産性、保存安定性、発泡性の観点から、高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基は0.96〜1.10の範囲内であることがより好ましく、0.97〜1.05の範囲内であることがさらに好ましい。
上記の高分子ジオールと有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤に関する所定の比率について、所望の物性を有する高分子材料とする、高分子ジオールの重量と有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の合計重量との重量比率としては、[高分子ジオールの重量]/[有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の合計重量]=10:90〜50:50であるのが好ましく、15:85〜40:60であるのがより好ましく、20:80〜30:70であるのがさらに好ましい。
熱可塑性ポリウレタンの製造方法は特に制限されず、前記の3成分を使用し、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー法またはワンショット法のいずれの方法で製造してもよい。熱可塑性ポリウレタンは、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合する方法によって製造することが好ましく、多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合する方法によって製造することがより好ましい。
本発明の上記ポリウレタンなどの高分子材料は、押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法などの各種の成形法を利用して成形体とすることができる。成形体の形状としては、特に制限されないが、例えば、シート状成形体、フィルム状成形体、板状成形体、繊維状物などを挙げることができる。なお、シート状成形体やフィルム状成形体を得る場合には、均一な厚さを有したシート状成形体やフィルム状成形体が得られることから、Tダイを用いた成形法を採用することが好ましい。
本発明の高分子材料は、特に研磨パッドを構成する素材として使用することができる。例えば、本発明の高分子材料を含有する研磨パッドとして使用することができる。
本発明の高分子材料は、これを発泡させることにより発泡体としてもよい。さらに本発明は、該発泡体を含有する研磨パッドを包含する(以下、「研磨用発泡パッド」とも称する)。
該発泡体の気泡数としては、例えば、研磨用発泡パッドとした場合、研磨スラリーに含まれる研磨剤が気泡に詰まることによる研磨効率の低下やスクラッチ傷等の研磨不良を防ぎ、また、研磨スラリーの保持性などの観点から、6000個/mm2以下であることが好ましく、5000個/mm2以下であることがより好ましく、4500個/mm2以下であることがさらに好ましく、4000個/mm2以下であることが特に好ましい。
平均気泡サイズとしては、例えば、研磨スラリー保持性とスクラッチ傷などの研磨不良を抑制する観点から、5〜60μmの範囲内であることが好ましく、10〜50μmの範囲内であることがより好ましい。
発泡体の密度としては、0.40〜1.10g/cm3の範囲内であることが好ましく、0.50〜1.00g/cm3の範囲内であることがより好ましい。
本発明の発泡体は、上記ポリウレタンなどの高分子材料を発泡させることによって製造することができる。発泡に際しては、熱分解型発泡剤(化学発泡剤)や非反応性ガス等の物理的発泡剤等を使用することができるが、非反応性ガスを発泡剤として使用することが好ましい。非反応性ガスとは、ポリウレタンなどの高分子材料を製造するための成分と反応しない気体を意味している。非反応性ガスとしては、例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。これらのうちでも、高分子材料、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンへの溶解性および製造コストの点から、二酸化炭素または窒素が好ましい。
本発明の発泡体は、上記ポリウレタンなどの高分子材料に上記非反応性ガスを加圧条件下で溶解させた後、圧力を開放し、ポリウレタンなど高分子材料の軟化温度以上の温度で発泡させることにより製造することができる。非反応性ガスの溶解量は、例えば、均一な発泡構造を有する発泡体を得る観点から、溶解条件下における飽和量の98%以上であることが好ましく、飽和量の99%以上であることがより好ましく、飽和量であることがさらに好ましい。
非反応性ガスを溶解するポリウレタンなどの高分子材料としてシート状成形体を用いると、均一な発泡構造を有する発泡体の製造が容易である点、研磨用発泡パッドとする際の工程が簡素化できる点などにおいて有利である。該シート状成形体としては、ポリウレタンなどの高分子材料を一軸押出成形機、二軸押出成形機等の押出成形機または射出成形機を用いて成形したものが好ましい。シート状成形体の厚さは、例えば、発泡体の製造のしやすさおよび非反応性ガスの溶解に要する時間の観点から、0.8〜5mmの範囲内であることが好ましく、1〜4mmの範囲内であることがより好ましい。
なお、熱可塑性樹脂またはその成形体に気体を溶解させ、次いで圧力を減少させることにより、発泡物品を製造する方法は、米国特許第4473665号明細書、特開平6−322168号公報、特開平8−11190号公報、特開平10−36547号公報、特開2000−169615号公報、特開2000−248101号公報などに開示されており、これらの方法により発泡体を製造することができる。
本発明の発泡体は、圧力が3〜15MPaの範囲内、温度が50〜160℃の範囲内に調整された耐圧容器内において、ポリウレタンなどの高分子材料(またはその成形体)に非反応性ガスを溶解させ、高分子材料の軟化温度より低い温度で圧力を開放し、該高分子材料(またはその成形体)を高分子材料の軟化温度以上の温度に加熱して発泡させることにより製造することができる。
ポリウレタンなどの高分子材料の組成にもよるが、生成する気泡のサイズは、非反応性ガスの溶解量に依存する。非反応性ガスの溶解量は溶解時の圧力および温度により調整できる。非反応性ガスの溶解時の圧力が3MPa未満の場合には、非反応性ガスをポリウレタンなどの高分子材料成形体に飽和量溶解するのに長時間を要する傾向がある。一方、非反応性ガスの溶解時の圧力が15MPaを越える場合、非反応性ガスの溶解に要する時間は短くなるが、溶解するガスの量が必要以上に多くなり、生成する気泡のサイズが著しく小さくなる傾向がある。非反応性ガスの溶解時の圧力は、5〜14MPaの範囲内であることがより好ましく、6〜13MPaの範囲内であることがさらに好ましく、7〜12MPaの範囲内であることが特に好ましい。また、非反応性ガスの溶解時の温度が50℃未満の場合には、非反応性ガスをポリウレタンなどの高分子材料(またはその成形体)に飽和量溶解するのに長時間を要する傾向がある。一方、非反応性ガスの溶解時の温度が160℃を越える場合には、圧力開放時に部分的に発泡を生じたり、非反応性ガスの溶解量が著しく少なくなって、生成する気泡のサイズが大きくなり過ぎたりする傾向がある。非反応性ガスの溶解時の温度は、70〜150℃の範囲内であることがより好ましく、80〜140℃の範囲内であることがさらに好ましく、90〜130℃の範囲内であることが特に好ましい。
高分子材料(またはその成形体)に非反応性ガスを溶解させた後、圧力を開放する際の温度が高分子材料の軟化温度以上である場合には、圧力開放時に不均一な発泡が生じ、均一な発泡体が得られ難いという問題が生じる場合がある。圧力を開放する際の温度は、例えば、均一な発泡構造を有する発泡体を得る観点から、ポリウレタンなどの高分子材料の軟化温度をT℃としたとき、(T−40)〜(T−10)℃の範囲内であることが好ましく、(T−35)〜(T−15)℃の範囲内であることがより好ましく、(T−30)〜(T−20)℃の範囲内であることがさらに好ましい。具体的には、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下である。なお、本明細書において、高分子材料の軟化温度とは、高分子材料が軟化する温度を意味し、本明細書においては、貯蔵弾性率(E’)が1×107Paになる温度を意味する。
非反応性ガスを溶解した高分子材料(またはその成形体)において、圧力を開放した後の加熱温度がポリウレタンなど高分子材料の軟化温度未満の場合には、気泡の生成や成長が不十分となる傾向がある。非反応性ガスを溶解した高分子材料(またはその成形体)を加熱する温度は、生成する気泡のサイズおよび発泡体の強度の点から、ポリウレタンなどの高分子材料の軟化温度をT℃としたとき、(T+10)〜(T+40)℃の範囲内であることが好ましく、(T+15)〜(T+35)℃の範囲内であることがより好ましく、(T+20)〜(T+30)℃の範囲内であることがさらに好ましい。加熱発泡方法には制限はないが、非反応性ガスを溶解した高分子材料(またはその成形体)に熱が均一にかかる方法が、発泡構造の均一性確保の点で好ましい。加熱発泡方法としては、例えば、熱水、熱オイルバス、熱風、水蒸気等の熱媒中を通過させる方法や、赤外線ヒーターなどの外部加熱装置により加熱する方法などが挙げられる。
本発明の高分子材料およびその発泡体は、そのまま研磨パッドとすることができる。例えば、上記したように、本発明の高分子材料を、押出成形法や射出成形法などによりシート状成形体とし、これを研磨パッドとすることができる。また、本発明の研磨パッドを製造する際には、上記のシート状成形体とした高分子材料や発泡体を切削、スライスまたは打ち抜きなどにより所望の寸法、形状に加工することができる。さらに、研磨パッドの表面には、研磨スラリーの保持性、流動性の向上、研磨パッド表面からの研磨屑除去効率の向上等を目的として、溝や穴などの成形加工を施すことが好ましい。研磨パッド表面への成形加工の方法は、特に限定されるものではないが、研磨パッド表面を切削加工することにより溝などを形成する方法、研磨パッド表面に加熱された金型、熱線などを接触させ、接触部を溶解させることにより溝などを形成する方法、ドリル、トムソン刃などで孔などを形成する方法、その他レーザーなどで成形加工する方法が挙げられる。また、成形加工で施される溝や孔などの形状(格子状、同心円状、渦巻き状など)および大きさも特に限定されるものではない。
なお、本発明の高分子材料を含有する研磨パッドは、本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の高分子材料以外の他の成分を含有していてもよい。同様に、上記の研磨用発泡パッドにおいても、本発明の効果を阻害しない範囲で、高分子材料以外の他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、架橋剤、充填剤、架橋促進剤、架橋助剤、軟化剤、粘着付与剤、老化防止剤、発泡剤、加工助剤、密着性付与剤、無機充填剤、有機フィラー、結晶核剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤(酸化アンチモンなど)、ブルーミング防止剤、離型剤、増粘剤、酸化防止剤、導電剤などの添加剤が挙げられる。本発明の高分子材料を含有する研磨パッドや研磨用発泡パッドにおける上記他の成分の含有量としては、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であり、特に、本発明の研磨パッドや研磨用発泡パッドが、本発明の高分子材料やそれを発泡させることにより得られる発泡体のみから実質的になることが好ましい。
本発明の研磨パッド(研磨用発泡パッドを含む、以後同様)は、例えば、ウェハのうねりへの追随性を向上させるためにクッション層を有していてもよい。クッション層は、現在汎用的に使用されているポリウレタンを含浸した不織布(例えば、“Suba400”(ロデール・ニッタ(株)製))の他、ゴム、発泡弾性体、発泡プラスチックなどを採用することができ、特に限定されるものではない。クッション層の好ましい厚みは、0.1〜5mmである。0.1mm未満の場合には、半導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわれる傾向がある。5mmを超える場合には、局所平坦性が損なわれる傾向がある。クッション層の厚みは0.2〜4mmであることがより好ましく、0.5〜3mmであることがさらに好ましい。
本発明の研磨パッドは、それ自体公知の研磨スラリーと共に、ケミカルメカニカル研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと略称することがある)に使用することができる。研磨スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素等の研磨剤;塩基、酸、界面活性剤などの成分を含有している。また、CMPを行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。
CMPは、公知のCMP用装置を使用し、研磨スラリーを介して被研磨面と研磨パッドを、加圧下、一定速度で、一定時間接触させることによって実施することができる。研磨の対象となる物品には特に制限はないが、例えば、水晶、シリコン、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスクなどが挙げられる。特に、研磨の対象としては、シリコンウェハや半導体ウェハであることが好ましい。半導体ウェハの具体例としては、例えば、酸化シリコン、酸化フッ化シリコン、有機ポリマーなどの絶縁膜、銅、アルミニウム、タングステンなどの配線材金属膜、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタンなどのバリアメタル膜等を表面に有するものが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例に記載したポリウレタンおよび研磨パッドの物性評価は次の方法で実施した。
ビカット軟化温度測定における針の侵入深さが所定深さに到達したときの温度
押出し成形により作製した厚さ2mmのシートをヒート・デストーション・テスターNo.148HD−PC((株)安田精機製作所製)を用いて、JIS K7206:1999(A50法)に準拠した方法でビカット軟化温度の測定を行った。この際に、針の侵入深さが0.05mmに達した温度(T1)と0.25mmに達した温度(T2)をそれぞれ測定した。
引張弾性率(50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率)
熱プレス法により作製した厚さ300μmのフィルムから2号型試験片(JIS K7113)を打ち抜き、50℃温水に3日間浸漬して水膨潤サンプルを作製した。該水膨潤後サンプルを用いて、島津製作所社製オートグラフAG5000を用い、チャック間距離40mmでサンプル装着後、雰囲気温度50℃において5分静置した後、引張速度50mm/分にて引張弾性率を測定した。
貯蔵弾性率(E’)および損失弾性率(E’’)(50℃における損失正接(tanδ値))
厚さ2mmの射出成形シートを作製し、該シートを90℃で5時間熱処理した試験片を用いて、動的粘弾性測定装置〔DVEレオスペクトラー((株)レオロジー社製)〕を使用して、50℃における動的粘弾性率を周波数11Hzで測定することにより、貯蔵弾性率(E’50)および損失弾性率(E’’50)を求め、これらの値から50℃における損失正接を算出した。
気泡数
研磨パッドの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影し、一定面積内に存在する気泡数を数えて単位面積当たりの気泡数(気泡の数密度)を算出した。
密度
JIS K7112に準拠して、研磨パッドの密度を測定した。
研磨特性評価
下記の実施例および比較例において得られた研磨パッドをCMP研磨装置((株)野村製作所社製 PP0−60S)に設置して、三菱マテリアル(株)社製ダイヤモンドドレッサーMEC100−Lを用い、1.8Kgf/cm2、ドレッサー回転数110回転/分にて18分間、研磨パッド表面を研削した(以下「シーズニング」と称する場合がある)。
次に、プラテン回転数50回転/分、ヘッド回転数49回転/分、研磨圧力45KPa、研磨時間100秒の条件において、キャボット社製研磨スラリーSS25を蒸留水で2倍に希釈した液を120mL/分の速度で供給しつつ直径8インチの酸化膜表面を有するシリコンウェハを100秒間研磨した。
研磨後のシリコンウェハ表面のスクラッチ数および研磨レートを評価した。また、25℃で研磨パッドを湿潤状態で24時間放置後、再度シーズニングを行い、直径8インチの酸化膜表面を有するシリコンウェハを100秒間研磨したときの研磨レートを評価した。
なお、研磨レートは、エリプソメーター(溝尻光学工業所製DH A−XA)により研磨前後のシリコンウェハの厚さを49点測定し、各点における厚さの変化量を研磨時間で割った値を用いて算出された平均値である。
また、スクラッチ数の評価は、KLA−Tencor社製Surfscan SP1を用い、研磨後のウェハ表面に存在する0.16μm以上の大きさの傷の数を測定することによりおこなった。
<実施例1>
数平均分子量1400のポリ(テトラメチレングリコール)〔略号:PTMG1400〕、1,4−シクロヘキサンジメタノール(略号:CHDM)、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(略号:MDI)を、PTMG1400:CHDM:MDIの重量比が25.2:25.7:49.1(窒素原子の含有率:5.5重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断して、このペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−1という)を製造した。
PU−1のビカット軟化温度測定における針の侵入深さが0.05mmおよび0.25mmに到達するときの温度(T1およびT2)、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率および50℃における損失正接を表1に示した。
<実施例2>
数平均分子量2200のポリ(テトラメチレングリコール)〔略号:PTMG2200〕、CHDM、およびMDIを、PTMG2200:CHDM:MDIの重量比が27.2:25.5:47.3(窒素原子の含有率:5.3重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断して、このペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−2という)を製造した。
PU−2のビカット軟化温度測定における針の侵入深さが0.05mmおよび0.25mmに到達するときの温度(T1およびT2)、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率および50℃における損失正接を表1に示した。
<比較例1>
数平均分子量650のポリ(テトラメチレングリコール)〔略号:PTMG650〕、CHDM、およびMDIを、PTMG650:CHDM:MDIの重量比が23.6:24.6:51.8(窒素原子の含有率:5.8重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断して、このペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−3という)を製造した。
PU−3のビカット軟化温度測定における針の侵入深さが0.05mmおよび0.25mmに到達するときの温度(T1およびT2)、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率および50℃における損失正接を表1に示した。
<比較例2>
数平均分子量1000のポリ(テトラメチレングリコール)〔略号:PTMG1000〕、CHDM、およびMDIを、PTMG1000:CHDM:MDIの重量比が14.9:29.7:55.4(窒素原子の含有率:6.2重量%)となるような割合で用い、かつ、それらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断して、このペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−4という)を製造した。
PU−4のビカット軟化温度測定における針の侵入深さが0.05mmおよび0.25mmに到達するときの温度(T1およびT2)、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率および50℃における損失正接を表1に示した。
<実施例3>
熱可塑性ポリウレタン(PU−1)を単軸押出成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。得られたシートの表面を研削し、厚さ1.5mmの均一なシートとした後、幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径51cmの円形状研磨パッドを作製した。
次に、得られた研磨パッドを用いて、上記した方法により研磨特性の評価をおこなった。結果を表2に示した。
<実施例4>
熱可塑性ポリウレタン(PU−2)を単軸押出成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。得られたシートの表面を研削し、厚さ1.5mmの均一なシートとした後、幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径51cmの円形状研磨パッドを作製した。
次に、得られた研磨パッドを用いて、上記した方法により研磨特性の評価をおこなった。結果を表2に示した。
<実施例5>
熱可塑性ポリウレタン(PU−1)を単軸押出成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。次に、得られたシート(60cm×60cm)を耐圧容器に入れ、温度110℃、圧力8MPaの条件下で10時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を3.5重量%含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを120℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.81g/cm3であった。
得られた発泡体(シート状物)の表面を研削し、気泡を表面に露出した厚さ1.5mmの均一なシートとした後、幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径51cmの円形状研磨パッドを作製した。
次に、得られた研磨パッドを用いて、上記した方法により研磨特性の評価をおこなった。結果を表2に示した。
<比較例3>
熱可塑性ポリウレタン(PU−3)を単軸押出成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。得られたシートの表面を研削し、厚さ1.5mmの均一なシートとした後、幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径51cmの円形状研磨パッドを作製した。
次に、得られた研磨パッドを用いて、上記した方法により研磨特性の評価をおこなった。結果を表2に示した。
<比較例4>
熱可塑性ポリウレタン(PU−4)を単軸押出成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にて、T−ダイより押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2mmのシートを成形した。得られたシートの表面を研削し、厚さ1.5mmの均一なシートとした後、幅2.2mm、深さ1.2mmの溝を15.0mm間隔で格子状に形成し、直径51cmの円形状研磨パッドを作製した。
次に、得られた研磨パッドを用いて、上記した方法により研磨特性の評価をおこなった。結果を表2に示した。
Figure 2007326984
Figure 2007326984
表2から明らかなように、実施例3〜5は、ウェハ研磨時に発生するスクラッチが少なく、研磨レートも安定していることが分かる。それに対して、比較例3および4は、ウェハ研磨時にスクラッチの発生が多いか、研磨レートが安定しないことが分かる。
本発明に係る高分子材料およびそれから得られる発泡体は、例えば、研磨パッドなどに適用することができる。

Claims (19)

  1. JIS K7206:1999(A50法)に準拠したビカット軟化温度測定において、針の侵入深さが0.05mmに到達するときの温度(T1)が40〜60℃であり、針の侵入深さが0.25mmに到達するときの温度(T2)が50〜65℃(ただし、T2≧T1である)である高分子材料。
  2. 50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が50〜800MPaであり、50℃における損失正接が0.03〜0.15である、請求項1に記載する高分子材料。
  3. 前記高分子材料が、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させることにより得られるポリウレタンである、請求項1または2に記載する高分子材料。
  4. 前記ポリウレタンが、熱可塑性ポリウレタンであり、イソシアネート基由来の窒素原子の含有量が5.2〜5.8重量%である、請求項3に記載する高分子材料。
  5. 前記高分子ジオールが、数平均分子量1300〜2400の成分を少なくとも1種類含有する、請求項3または4に記載する高分子材料。
  6. 前記高分子ジオールが、ポリエーテルジオールおよび/またはポリエステルジオールを含有する、請求項3ないし5のいずれかに記載する高分子材料。
  7. 前記高分子ジオールが、炭素数6〜12のジオールを用いて製造されるポリエステルジオールを含有する、請求項3ないし5のいずれかに記載する高分子材料。
  8. 前記高分子ジオールが、ポリ(エチレングリコール)および/またはポリ(テトラメチレングリコール)である、請求項3ないし5のいずれかに記載する高分子材料。
  9. 前記有機ジイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項3ないし8のいずれかに記載する高分子材料。
  10. 前記鎖伸長剤が、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項3ないし9のいずれかに記載する高分子材料。
  11. 前記ポリウレタンが、前記高分子ジオールとしてポリ(テトラメチレングリコール)と、前記有機ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと、前記鎖伸長剤として1,4−シクロヘキサンジメタノールとを反応させることにより得られるポリウレタンである、請求項3ないし5のいずれかに記載する高分子材料。
  12. 前記高分子ジオールの重量と前記有機ジイソシアネートおよび前記鎖伸長剤の合計重量との重量比率が、[高分子ジオールの重量]:[有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の合計重量]=10:90〜50:50である、請求項3ないし11のいずれかに記載する高分子材料。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載する高分子材料を発泡させることにより得られる発泡体。
  14. 前記発泡体が、前記高分子材料に非反応性ガスを加圧条件下で溶解させた後、軟化温度より低い温度で圧力を開放して大気圧下で取り出し、次いで該高分子材料を軟化温度以上の温度で発泡させて得られる、請求項13に記載する発泡体。
  15. 前記非反応性ガスが、二酸化炭素または窒素である、請求項14に記載する発泡体。
  16. 請求項1ないし12のいずれかに記載する高分子材料を含有する研磨パッド。
  17. 請求項13ないし15のいずれかに記載する発泡体を含有する研磨パッド。
  18. 請求項16または17に記載する研磨パッドを用いる、シリコンウェハまたは半導体ウェハの研磨方法。
  19. 請求項16または17に記載する研磨パッドを用いる、半導体デバイスの製造方法。

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