JP2007324432A - 量子ドット光半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1の量子ドット1による層から中間層3を隔てて、第1の量子ドット1より横幅が大きく第1の量子ドット1のキャリアに対するエネルギーポテンシャルよりも高いエネルギーポテンシャルを持つ第2の量子ドット2による層を配置し、第1の量子ドット1による層と第2の量子ドット2による層の間隔が第1の量子ドット1の歪みの影響により中間層3の格子間隔が変化している範囲以内とする。
【選択図】 図1
Description
図8は従来のInAs/GaAs系QDIP素子の断面図であり、まず、GaAs基板31上にGaAsバッファ層32を介してn型GaAsコンタクト層33及びGaAs中間層34を設けたのち、MBE法を用いてIn及びAsを供給する。
この様な積層工程を繰り返すことによって、中間層を介して多数の量子ドットを積み重ね、最後に、n型GaAsコンタクト層38を設けている。
図9は、量子ドット構造を示すバンドダイヤグラムであり、このInAs/GaAs系QDIP素子では、キャリアのエネルギーに対してGaAs中間層34及びGaAs中間層37がポテンシャル障壁、InAs量子ドット36がポテンシャル井戸として作用し、InAs量子ドット36内部に離散的に量子準位、即ち、基底準位39と第1励起準位40が形成される。
また、赤外線を吸収して電子を放出した量子ドットは、新たに電子を捕獲して量子ドット内に電子を閉じ込めた状態になるまで、赤外線を吸収しなくなるが、結晶中を流れている電子の一部が量子ドットに捕獲されることで再び赤外線を吸収するようになる。
例えば、図8において、量子ドット間をすり抜けて流れる電子は暗電流となる。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、中間層3,4と中間層3,4よりもバンドギャップの小さい複数の量子ドットによる層とを交互に積層した構造を有する量子ドット光半導体素子であって、第1の量子ドット1による層から中間層3を隔てて、第1の量子ドット1より横幅が大きく第1の量子ドット1のキャリアに対するエネルギーポテンシャルよりも高いエネルギーポテンシャルを持つ第2の量子ドット2による層を配置し、第1の量子ドット1による層とその上に設けた第2の量子ドット2による層の間隔が第1の量子ドット1の歪みの影響により中間層3の格子間隔が変化している範囲以内であることを特徴とする。
この際、より横幅の大きい第2の量子ドット2を通った電子8が第1の量子ドット1を通るため、第1の量子ドット1の電子捕獲が促進され、赤外線を吸収できる第1の量子ドット1の数は増えて光電流が増大することになる。
図2参照
まず、より横幅の広い第2の量子ドット2が電子8を捕獲し、捕獲された電子8が第1の量子ドット1までトンネル効果で移動し、その結果、電子8は第1の量子ドット1に捕獲されることになる。
或いは、第2の量子ドット2が電子8を捕獲すると、捕獲された電子8は第2の量子ドット2の基底準位7まで緩和するが、基底準位7においては電子8の存在確率は中央部が最も高いため、電子8は第2の量子ドット2の中央へ移動する。
その後、熱的な励起などにより電子8が第2の量子ドット2から脱出すると、陽極方向にある第1の量子ドット1を通過して第1の量子ドット1で捕獲されることになる。
或いは、第1の量子ドット1及び第2の量子ドット2の近傍では量子ドット材料が中間層3,4に拡散するため、伝導帯端のエネルギーが低くなり、電子8はエネルギーの低くなった拡散領域9,10に誘導されるため漏斗のように働く。
なお、図1の下図に示すように、第2の量子ドット2のキャリアに対するエネルギーポテンシャルが第1の量子ドット1のキャリアに対するエネルギーポテンシャルよりも高いため、即ち、第2の量子ドット2の伝導帯端が第1の量子ドット1の基底準位7よりも高いため、第1の量子ドット1から第2の量子ドット2への電子8の移動は無視できる。
|adot1−adot2|<|adot2−ain|
とすることが望ましく、それによって、第2の量子ドット2を第1の量子ドット1の直上に形成することができる。
Qianghua Xie et al.,Phys.Rev .Lett.,75,p.2542,1995
図5参照
まず、分子線エピタキシー法を用いて半絶縁性GaAs基板11上に下部電極となる厚さが、例えば、1000nmでSi濃度が2×1018cm-3のn型GaAs層12を例えば、600℃の基板温度で成長させる。
このi型GaAs層13を成長する間に基板温度を量子ドット成長に適した温度、例えば500℃に低下させる。
このi型GaAs層15の厚さが25nm以内であるとき、量子ドットを構成するInAsと中間層を構成するGaAsの格子定数の違いによる歪が表面にまで影響し、この部分の格子間隔が量子ドットの格子定数に近くなる方向に変化する。
次いで、例えば0.1ML(分子層)/秒の材料供給速度で、In0.5 Ga0.5 Asとなる組成比の材料を10ML分供給することによってInAs量子ドット14より水平方向の面積が大きくなるように、例えば、直径が40nm程度の電子捕獲用のInGaAs量子ドット17を形成する。
以降は、全体で必要とする積層数、例えば、50周期以下、例えば、全体で4周期の積層数とするために、InAs量子ドット14の形成工程、i型GaAs層15の形成工程、InGaAs量子ドット17の形成工程、及び、i型GaAs層18の形成工程を3回繰り返す。
この時、最後のi型GaAs層18を形成する間に基板温度を上部電極層材料、例えばGaAsの成長に適した温度、例えば、600℃に上昇させる。
再び、図1参照
(付記1) 中間層3,4と前記中間層3,4よりもバンドギャップの小さい複数の量子ドットによる層とを交互に積層した構造を有する量子ドット光半導体素子であって、第1の量子ドット1による層から前記中間層3を隔てて、前記第1の量子ドット1より横幅が大きく第1の量子ドット1のキャリアに対するエネルギーポテンシャルよりも高いエネルギーポテンシャルを持つ第2の量子ドット2による層を配置し、第1の量子ドット1による層とその上に設けた第2の量子ドット2による層の間隔が第1の量子ドット1の歪みの影響により中間層3の格子間隔が変化している範囲以内であることを特徴とする量子ドット光半導体素子。
(付記2) 上記第1の量子ドット1による層とその上に設けた第2の量子ドット2による層の間隔が、25nm以下であることを特徴とする付記1記載の量子ドット光半導体素子。
(付記3) 上記第1の量子ドット1の材料の格子定数と上記第2の量子ドット2の材料の格子定数との差が、前記第2の量子ドット2の材料の格子定数と前記中間層3の材料の格子定数との差よりも小さいことを特徴とする付記1または2に記載の量子ドット光半導体素子。
(付記4) 上記第1の量子ドット1が、InAs、InAlAs、或いは、InGaAsのいずれかから構成され、また、上記第2の量子ドット2が、InAlAsまたはInGaAsから構成されることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の量子ドット光半導体素子。
(付記5) 上記中間層3,4と上記第1の量子ドット1による層と上記第2の量子ドット2による層による構造が繰り返し積層されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の量子ドット光半導体素子。
(付記6) 上記第2の量子ドット2による層とその上に設けた第1の量子ドット1による層の間隔が、25nm以上であることを特徴とする付記5記載の量子ドット光半導体素子。
(付記7) 上記第1の量子ドット1が赤外線吸収部を構成することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の量子ドット光半導体素子。
2 第2の量子ドット
3 中間層
4 中間層
5 下部電極層
6 上部電極層
7 基底準位
8 電子
9 拡散領域
10 拡散領域
11 半絶縁性GaAs基板
12 n型GaAs層
13 i型GaAs層
14 InAs量子ドット
15 i型GaAs層
16 歪んだ領域
17 InGaAs量子ドット
18 i型GaAs層
19 n型GaAs層
20 下部電極
21 上部電極
22 電源
23 電流計
31 GaAs基板
32 GaAsバッファ層
33 n型GaAsコンタクト層
34 GaAs中間層
35 InAs濡れ層
36 InAs量子ドット
37 GaAs中間層
38 n型GaAsコンタクト層
39 基底準位
40 第1励起準位
Claims (5)
- 中間層と前記中間層よりもバンドギャップの小さい複数の量子ドットによる層とを交互に積層した構造を有する量子ドット光半導体素子であって、第1の量子ドットによる層から前記中間層を隔てて、前記第1の量子ドットより横幅が大きく第1の量子ドットのキャリアに対するエネルギーポテンシャルよりも高いエネルギーポテンシャルを持つ第2の量子ドットによる層を配置し、第1の量子ドットによる層とその上に設ける第2の量子ドットによる層の間隔が第1の量子ドットの歪みの影響により中間層の格子間隔が変化している範囲以内であることを特徴とする量子ドット光半導体素子。
- 上記第1の量子ドットによる層とその上に設ける第2の量子ドットによる層の間隔が、25nm以下であることを特徴とする請求項1記載の量子ドット光半導体素子。
- 上記第1の量子ドットの材料の格子定数と上記第2の量子ドットの材料の格子定数との差が、前記第2の量子ドットの材料の格子定数と前記中間層の材料の格子定数との差よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の量子ドット光半導体素子。
- 上記第1の量子ドットが、InAs、InAlAs、或いは、InGaAsのいずれかから構成され、また、上記第2の量子ドットが、InAlAsまたはInGaAsから構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の量子ドット光半導体素子。
- 上記第1の量子ドットが赤外線吸収部を構成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の量子ドット光半導体素子。
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