JP2007322785A - カラーフィルターおよび情報表示用パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット方式で製造したカラーフィルターにおいて、表示媒体移動型表示パネルに適用できる、表示品位、表示信頼性に優れたカラーフィルターを提供すると共に、カラーフィルターを用いたカラー表示性に優れた情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】少なくとも色材と、バインダー樹脂とを含有するカラーフィルター材において、カラーフィルターを研磨するかあるいは、カラーフィルターに表面粗さ調整用微粒子とを含有させることで、その表面粗さを20nm〜1000nmの範囲にする。
【選択図】図4

Description

本発明は、カラーフィルター用インク、インクジェット方式を用いて基板上にインクを配列させて製造した、表示媒体駆動型表示パネル用カラーフィルターおよびこのカラーフィルターを用いた情報表示用パネルに関するものである。
従来から、カラーフィルターの製造方法として、フォトリソ法を応用した方法や、インクジェット法を応用した方法があり、液晶表示パネル用カラーフィルターの製造にも適用されている。
カラーフィルターの製造方法のインクジェット法を応用した方法として、例えば、特許文献1のような方法が提案されている。この方法では、透明基板上に、インクに対して濡れ性の低い材料でカラーフィルターの形成領域を区画するように仕切りをマトリックス状に形成した後、インクジェット法を用いてカラーフィルター材料(インク)を仕切り内に塗布することにより、カラーフィルターを形成する。
以来、インクジェット方式によるカラーフィルター材料(インク)の塗布プロセスによるカラーフィルターの製造方法が多数提案され、液晶表示パネル用カラーフィルターの製造に適用されている(例えば特許文献2)。
インクジェット法を応用してカラーフィルターを製造する従来技術として、2官能乃至3官能の多官能モノマーを用いることによって、カラーフィルター基板上にインキをインクジェット方式により吹き付ける際に、ヘッド先端でのインクの粘度増加を起こしにくくなり、良好な吐出性を維持し、ヘッドの目詰まりを起こしにくくする光硬化性インキ組成物が提供されている。またこの光硬化性インキ組成物を用いて画素部(着色層)のような所定パターンの硬化層を正確且つ均一に形成することのできるカラーフィルターの製造方法が提供されている(例えば特許文献3参照)。
またインクジェット法を応用してカラーフィルターを製造する別の従来技術として、透明基板上にブラックマトリクスを形成し、その開口部に光照射や熱処理により硬化する樹脂成分と着色剤を含む硬化型インクをインクジェット方式により付与し、硬化させて着色部5を形成するに当たり、予め開口部に多孔質シリカ粒子を付着させておくことにより、硬化型インクの界面張力を高め、混色を防止する方法が提供されている(例えば特許文献4参照)。
特開昭59−75205号公報 特開2003−026966号公報 特開2004−213033号公報 特開2002−303716号公報
しかし、この液晶表示パネル用カラーフィルターを、粒子で構成される表示媒体移動式の情報表示用パネルに用いた場合に、初期の表示状態では問題なくても、表示書き換え回数が増えるに従って、言い換えると表示媒体の移動回数が増えるに従って、カラーフィルターに表示媒体(粒子)が基板に固着して移動しなくなって表示性能が劣化してしまうという問題があった。カラーフィルター材(インク)としては、熱硬化型カラーフィルター材(インク)、光硬化型カラーフィルター材(インク)があるが、いずれにおいても上述した問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、インクジェット方式で製造したカラーフィルターにおいて、表示媒体移動型表示パネルに適用できる、表示品位、表示信頼性に優れたカラーフィルターを提供すると共に、カラーフィルターを用いたカラー表示性に優れた情報表示用パネルを提供することにある。
本発明のカラーフィルターは、少なくとも色材と、バインダー樹脂とを含有するカラーフィルター材で構成されるカラーフィルターであって、その表面粗さが20nm〜1000nmの範囲であることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルターは、少なくとも色材と、バインダー樹脂と、表面粗さ調整用微粒子とを含有するカラーフィルター材で構成されるカラーフィルターであって、その表面粗さが20nm〜1000nmの範囲であることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルターは、熱硬化型樹脂か光硬化型樹脂を含み、インクジェットを用いて作製したことを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルターを構成部材とした情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な対向基板間の、隔壁によって仕切られた空間に表示媒体を封入し、表示媒体を電界により移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルであって、三原色(R:赤色、G:緑色、B:青紫色)のカラーフィルターを構成部材としてカラー表示を行うようにしたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、インクジェット方式で製造したカラーフィルターにおいて、カラーフィルター材が、少なくとも色材と、バインダー樹脂とを含有し、その表面粗さが20nm〜1000nmの範囲であることによって、表示媒体移動型表示パネルに適用できる、表示品位、表示信頼性に優れたカラーフィルターを提供すると共に、カラーフィルターを用いたカラー表示性に優れた情報表示用パネルを提供することができる。
まず、本発明の対象となる表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の対象となる表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した光学的反射率と帯電性を有する表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動方向を変えることにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の対象となる表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。また、図1(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。また、図2(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率と帯電性を有する表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、基板1、2との間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。また、図3(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし基板内部に埋め込むように設けてもよい。
次に本発明のカラーフィルターを設けた例について説明する。図4は、ライン電極付基板に本発明のカラーフィルターを設けた構成図である。基板2にライン電極6Lを設け、その上にカラーフィルター11(赤色カラーフィルター:11R、緑色カラーフィルター:11G、青紫色カラーフィルター:11B)を形成する。カラーフィルターを構成するインクに表面粗さ調整用として粒子径が20nm〜1000nmの微粒子を添加することや、あるいは、作製したカラーフィルターの表面にサンドブラスト処理等の研磨を施すことによって、カラーフィルターは所望の表面粗さを有する。カラーフィルターを設けない基板1の表示媒体と接する面側はライン電極5Lを形成後に所望の表面粗さに調節しておくか、ライン電極5Lを形成後に図4に示すように色材を代えたカラーフィルター11を配置して所望の表面粗さに調節しておく。
図5は、本発明のカラーフィルターの上に個別電極を設けた構成図である。カラーフィルター11R、11G、11Bは所望の凹凸を有し、その上に電極6を設けると、電極の厚さが非常に薄いために、カラーフィルター層の表面粗さがそのまま電極表面粗さに反映し、電極6は凹凸を有する。カラーフィルターを設けない基板1の表示媒体と接する面側は電極5を形成前に所望の表面粗さに調節しておくか、図5に示すように色材を代えたカラーフィルター11を配置して所望の表面粗さに調節した後に電極5を設け、表示媒体との接触面に凹凸を有するようにする。
図6(a)(b)は、それぞれ本発明のカラーフィルター材を透明基板に配置した構成図であり、図6(a)は断面図、図6(b)は上平面図を示す。電極6を設けた基板2は透明基板を用い、カラーフィルター材の配置領域外への拡がりを防止するためのバンクとしての機能を有するブラックマトリックス14を設ける。開口部に硬化型のインク(カラーフィルター材11R、11G、11B)をインクジェット方式で配置する。
以下、カラーフィルターの製造方法例として、カラーフィルターを研磨する方法と、カラーフィルターに微粒子を含有させる方法とを説明する。
インクジェット法にて配置したカラーフィルター材(インク)を硬化後、表面をサンドブラスト研磨して所望の表面粗さに仕上げる。サンドブラストに用いる研磨用微粒子の大きさを調整して所望の表面粗さを得る。研磨用微粒子には、砂等の無機微粒子や、くるみ粉や樹脂粉等の有機微粒子を用いることができる。
表面粗さ調整用微粒子を配合したカラーフィルター材(インク)をインクジェット法にて配置し、硬化させ、配合した表面粗さ調整用微粒子の粒子径を反映した表面粗さを得る。配合する表面粗さ調整用微粒子には、インク中のバインダー樹脂への分散性を良くするために、バインダー樹脂と同じ成分樹脂で予めコートしたものを用いることが好ましい。
表面粗さ調整用微粒子に樹脂をコートする方法としては、コートする樹脂を水又は有機溶剤に溶解した溶液を粒子状顔料に噴霧する方法がある。具体的には、始めに、コーティング樹脂を、水又は有機溶剤に溶解する。ここで樹脂を溶解する溶剤としては、コーティング樹脂が溶解するものを用いるのは当然であるが、製造時に乾燥工程を経る関係上、沸点の高いものは好ましくなく、メタノール、エタノールやアセトン、2−ブタノン等が好適に用いられる。このようにして調製された樹脂溶液を、表面粗さ調整用微粒子に噴霧する。噴霧は、適当なノズル径を有するスプレーにて、減圧下での処理容器内に入れた表面粗さ調整用微粒子に噴霧する方法により行うことが好ましいが、この方法に限定されるものではない。処理容器内の温度は、水又は有機溶剤が即座に乾燥するために、沸点よりも十分に高い温度に設定することを要する。この設定温度が低すぎると、十分に乾燥していない状態で表面粗さ調整用微粒子同士が付着・凝集してしまい一次粒子径の樹脂コート表面粗さ調整用微粒子が得られなくなる。粒子同士が付着し凝集することを防ぐために、粒子を激しく攪拌しながらコートする樹脂を噴霧する方法により行うことが好ましい。粒子を攪拌する方法としては、処理容器下部に攪拌羽根を挿入し攪拌羽根を回転させる手段が考えられるが、さらに処理容器底面を#40メッシュ程度の金網とし、そこから処理容器内に高温の圧縮空気を導入する手段を併用することによって、粒子をより激しく攪拌することが出来るようになると共に、乾燥速度を速めることも出来るので好ましい。このような装置として、スパイラ・フロー(フロイント(株)製)やアグロマスター(ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。
表面粗さ調整用微粒子のコートに用いる樹脂としては、カラーフィルター材に含有させるバインダー樹脂と同じ樹脂、もしくは、主成分が同じものである樹脂を選択する。
例えば、アクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体等のアクリル酸共重合体類や、メタクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体等のメタクリル酸共重合体類等を挙げることができる。
さらに、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は、2種以上混合することもできる。
特に、カラーフィルター材が含有するバインダー樹脂(成分)との付着力を制御する観点から、カラーフィルター材に含有させるバインダー樹脂(成分)の一つと同じ樹脂で表面粗さ調整用微粒子をコートすることが好ましい。
これらの表面粗さ調整用微粒子にコートする樹脂の量は、表面粗さ調整用微粒子に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%が好適である。
樹脂コーティング量が0.01重量%未満であると、カラーフィルター材に分散含有する際に均一に分散することができなくなり、30重量%を超えると、コートされた表面粗さ調整用微粒子の凝集性が高くなってしまい、カラーフィルター材に分散含有する際に均一に分散することができなくなる。
次に、カラーフィルターを構成するバインダー樹脂、色材、インク媒体について説明する。
カラーフィルター材(インク)中に含有させるバインダー樹脂には硬化剤を加えたものを用いる。
熱硬化型インクが含有するバインダーとしては、公知の樹脂と架橋剤の組み合わせが使用でき、具体的には、メラミン樹脂、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーとメラミン、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーと多官能エポキシ化合物、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーと繊維素反応型化合物、エポキシ樹脂とレゾール型樹脂、エポキシ樹脂とアミン類、エポキシ樹脂とカルボン酸または酸無水物、エポキシ化合物、天然樹脂、あるいはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニール系樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が用いられ、特にアクリル系樹脂が好ましく用いられ、このバインダー樹脂はカラーフィルター材(インク)全重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%の範囲で添加される。
また、光硬化型インクとしては紫外線(UV)硬化型インクがあり、プレポリマー、モノマー、光開始剤及び色材を主成分とするものであり、プレポリマー、モノマー等がバインダーとなる。
プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特に限定することなく用いることができる。
モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を用いることができる。
上記プレポリマー及びモノマーは単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケトン等の中から所望の硬化性が得られるものを選択して用いることができる。
その他必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
R、G、B等、所望の色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。着色剤としては染料、顔料のいずれでも好ましく用いることができる。
例えば、染料としては、C.I.アシッドレッド118、C.I.アシッドレッド254、C.I.アシッドグリーン25、C.I.アシッドブルー113、C.I.アシッドブルー185、C.I.アシッドブルー7、顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー209、C.I.ピグメントブルー16等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機顔料としては、例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料類、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料類、染料レーキ等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば酸化チタン、ベンガラ、酸化クロム、鉄黒等の酸化物や、カドミウムイエロー、クロムバーミリオン、紺青、群青、黄色酸化鉄等が挙げられる。
これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。
好ましい有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175; C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38; C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265; C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
色調の点から、特に、C.I.ピグメントレッド177、254、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントグリーン36、7、C.I.ピグメントブルー209、15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントイエロー138、150等が好ましく用いられる。
さらに、顔料の分類別に以下記載のものが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレツド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。
これらの色材は、単独で或いは複数組合せて用いることができる。
カラーフィルター材(インク)を水性インクとする場合には、インク中の水性媒体は水及び水溶性有機溶媒との混合溶媒とし、水溶性有機溶媒としては、インクの乾燥防止効果を有するものを用い、また、水は種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を用いることが望ましい。
水溶性有機溶剤としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、n―プロパノール、イソプロパノール、n―ブタノール、sec―ブタノール、tert―ブタノール、イソブタノール、n―ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6―ヘキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;スルホラン、N―メチル―2―ピロリドン、2―ピロリドン、1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。
また、上述した成分の他に必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料等を添加することもできる。
具体的には、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらを1種或いは2種以上混合して用いることができる。モノマーを主成分として構成するカラーフィルター材(インク)では、溶媒は用いないでも、インクジェットで吐出できる粘度を有するものを選択して用いる。
本発明のカラーフィルターを用いる情報表示用パネルの製造方法の一例を説明する。
電極の上にカラーフィルターを形成する例として、まず、表示側の透明な基板の一方の面にライン状の透明なITO電極を設ける。このとき、透明なITO電極の形成と同時に、基板の四隅にアライメントマークを設けることが好ましい。
次に、各々のITO電極に対応して、基板のITO電極およびアライメントマークを設けた側の面の電極上に、赤色フィルター(R)、緑色フィルター(G)、青紫色フィルター(B)の繰り返しから構成されるカラーフィルターをインクジェット法で形成する。
カラーフィルターを形成した上に電極を形成する例として、まず、表示側の透明な基板の一方の面に、赤色フィルター(R)、緑色フィルター(G)、青紫色フィルター(B)の繰り返しから構成されるカラーフィルターをインクジェット法で形成する。このとき、カラーフィルターの形成と同時に、基板の四隅にアライメントマークを設けることが好ましい。
次に、カラーフィルターの上にITO導電膜を形成し、各色カラーフィルターの位置に対応するようにITO導電膜をパターニングして、ライン状の透明なITO電極を設ける。
なお、上述した例では、カラーフィルターの例として、赤色フィルター(R)、緑色フィルター(G)、青紫色フィルター(B)からなるカラーフィルターを利用したが、これに限定されるものではなく、その他のカラー例えばシアン、マゼンタ、イエローの組から構成されるカラーフィルターを用いることもできる。また、電極としてITO電極を設けたが、透明で導電性を有していれば他の材料を使用することができる。
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板であり、本発明のカラーフィルター材はこの透明基板に配置する。この透明基板としては、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。カラーフィルター材を配置しない側の基板は透明でも不透明でもかまわない。
基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、アクリル樹脂などのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
開口部の平面形状は、円形、楕円、四角、ストライプいずれの形状でも構わないが、カラーフィルター材(インク)には表面張力があるため、四角形等の場合には、角部に丸みを持たせる方が好ましい。
所定のITO電極が形成された透明ガラス基板の、ITO電極が形成された基板面に、感光性樹脂遮光層を設け、この感光性樹脂遮光層を、マトリックス状開口部を有するバンク(ブラックマトリックス)に、周知のリソグラフィーによってパターニング形成した。
次に、ブラックマトリックスによって区切られたマトリックス状開口部に、隣り合う三つの開口部に赤色カラーフィルター材(R)、緑色カラーフィルター材(G)、青紫色カラーフィルター材(B)を一組となるように、各カラーフィルター材をインクジェット方式で配置する。
三色のカラーフィルター材には、それぞれ、C.I.ピグメントレッド177(R:赤色)、C.I.ピグメントグリーン36(G:緑色)、C.I.ピグメントブルー15:6(B:青紫色)を準備し、以下構成のカラーフィルター材(インク)を調整して各カラーフィルター材をインクジェット方式で配置した。
インクジェット法においては、インク滴のサイズをターゲットであるカラーフィルター層形成領域のサイズに合わせて制御することが好ましいので、本発明の実施例では、50μm□のマトリックス状開口部に対して、6〜30ピコリットルに制御したインク滴とすることでカラーフィルター材を配置し、カラーフィルターを形成した。
実施例、比較例に示した駆動性評価用の表示媒体移動式表示パネルとしては、平均粒子径が10μm程度の白色帯電粒子で構成された白色表示媒体と、前記白色帯電粒子とは帯電極性が異なる、平均粒子径が10μm程度の黒色帯電粒子で構成された、黒色表示媒体とを、基板間隔を50μmに保持し、50μm□のマトリックス状開口部を有するパネル基板間のセル内に封入した構造のものを用いた。
<実施例1>
以下の表1〜3に示す水系熱硬化型インクの配合例A−1〜A−3を示す。
表1は、表面粗さ微粒子を用いていない配合例A−1である。
表2は、表面粗さ調整用微粒子としてアクリル樹脂微粒子を20重量%含有させた配合例A−2である。
表3は、表面粗さ調整用微粒子としてアクリル樹脂コートしたシリカ微粒子を20重量%含有させた配合例A−3である。
Figure 2007322785
Figure 2007322785
Figure 2007322785
上記配合例A−1、A−2、A−3のカラーフィルターを設けたパネル基板を用いて、実施例、比較例に示した表示用パネルを作製し、表示パネルの電極に印加する電圧電位を切り替え、基板間に掛ける電界方向を反転することにより、白色表示媒体(粒子)と黒色表示媒体(粒子)とを反転駆動させて表示書き換えを10万回繰り返し、表示状態を観察した結果を表4に示す。
実施例1〜3と比較例1、2は、配合例A−1で、表面粗さ調整用微粒子を用いず、サンドブラスト処理の有無により表示媒体と接するカラーフィルター面の表面粗さを調整した。
実施例4〜9と比較例3、4は、配合例A−2とA−3で、表面粗さ調整用微粒子の材質と平均粒子径を変えて表示媒体と接するカラーフィルター面の表面粗さを調整した。
Figure 2007322785
表4の結果より、サンドブラスト処理と表面粗さ調整用微粒子のいずれかによっても表面粗さが20〜1000nmの範囲のカラーフィルターは、繰り返し反転駆動を10万回まで行っても、表示媒体粒子が基板に貼り付いて駆動しなくなる現象はなかったことが示された。
<実施例2>
以下の表5〜7に示す光硬化型インクの配合例B−1〜B−3を示す。
表5は、表面粗さ微粒子を用いていない配合例B−1である。
表6は、表面粗さ調整用微粒子としてアクリル樹脂微粒子を20重量%含有させた配合例B−2である。
表7は、表面粗さ調整用微粒子としてアクリル樹脂コートしたシリカ微粒子を20重量%含有させた配合例B−3である。
Figure 2007322785
Figure 2007322785
Figure 2007322785
上記配合例B−1、B−2、B−3のカラーフィルターを設けたパネル基板を用いて、実施例、比較例に示した表示用パネルを作製し、表示パネルの電極に印加する電圧電位を切り替え、基板間に掛ける電界方向を反転することにより、白色表示媒体(粒子)と黒色表示媒体(粒子)とを反転駆動させて表示書き換えを10万回繰り返し、表示状態を観察した結果を表8に示す。
実施例11〜13と比較例11、12は、配合例B−1で、表面粗さ調整用微粒子を用いず、に示すようにサンドブラスト処理の有無により表示媒体と接するカラーフィルター面の表面粗さを調整した。
実施例14〜19と比較例13、14は、配合例B−2とB−3で、表面粗さ調整用微粒子の材質と平均粒子径を変えて表示媒体と接するカラーフィルター面の表面粗さを調整した。
Figure 2007322785
表8の結果より、サンドブラスト処理と表面粗さ調整用微粒子のいずれかによっても表面粗さが20〜1000nmの範囲のカラーフィルターは、繰り返し反転駆動を10万回まで行っても、表示媒体粒子が基板に貼り付いて駆動しなくなる現象はなかったことが示された。
本発明に係る情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディーターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。
なお、本発明に係る情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動型表示用パネルやスタティック駆動型表示用パネル、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動型表示用パネルなど、種々のタイプの情報表示用パネルを用いることができる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象になる情報表示用パネルの一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象になる情報表示用パネルの他の例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象になる情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。 ライン電極付基板に本発明のカラーフィルターを設けた構成図である。 本発明のカラーフィルターを設けた上に個別電極を設けた構成図である 本発明のカラーフィルター材を透明基板に配置した構成図であり、(a)は断面図、(b)は上平面図を示す。
符号の説明
1、2 基板
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 表示用白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 表示用黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
5L、6L ライン電極
11 カラーフィルター
11R 赤色カラーフィルター
11G 緑色カラーフィルター
11B 青紫色カラーフィルター
14 バンク(ブラックマトリックス)

Claims (7)

  1. 少なくとも色材と、バインダー樹脂とを含有するカラーフィルター材で構成されるカラーフィルターであって、その表面粗さが20nm〜1000nmの範囲であることを特徴とするカラーフィルター。
  2. 少なくとも色材と、バインダー樹脂と、表面粗さ調整用微粒子とを含有するカラーフィルター材で構成されるカラーフィルターであって、その表面粗さが20nm〜1000nmの範囲であることを特徴とするカラーフィルター。
  3. 前記カラーフィルター材が、熱硬化型樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルター。
  4. 前記カラーフィルター材が、光硬化型樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルター。
  5. インクジェットを用いて作製したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルター。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルターを構成部材としたことを特徴とする情報表示用パネル。
  7. 請求項6に記載の情報表示用パネルが、少なくとも一方が透明な対向基板間の、隔壁によって仕切られた空間に表示媒体を封入し、表示媒体を電界により移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルであって、三原色(R:赤色、G:緑色、B:青紫色)のカラーフィルターを構成部材としてカラー表示を行うようにしたものであることを特徴とする情報表示用パネル。
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