JP6094244B2 - 反射型表示装置及びその製造方法 - Google Patents

反射型表示装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6094244B2
JP6094244B2 JP2013023223A JP2013023223A JP6094244B2 JP 6094244 B2 JP6094244 B2 JP 6094244B2 JP 2013023223 A JP2013023223 A JP 2013023223A JP 2013023223 A JP2013023223 A JP 2013023223A JP 6094244 B2 JP6094244 B2 JP 6094244B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
color
display
sub
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013023223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014153542A (ja
Inventor
知子 鶴田
知子 鶴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2013023223A priority Critical patent/JP6094244B2/ja
Publication of JP2014153542A publication Critical patent/JP2014153542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6094244B2 publication Critical patent/JP6094244B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

本発明は、反射型表示装置及びその製造方法に関する。
近年、表示装置としてバックライトを使用した液晶表示パネルが主流である。しかしこの液晶表示パネルは、目にかかる負担が大きく、長時間見続ける用途には適していない。
そこで、目に対する負担が小さい表示装置として、一対の電極間に電気泳動表示層を備える反射型表示パネル(電気泳動式表示パネル)が提案されている。この電気泳動式表示パネルは、印刷された紙面と同様に、反射光によって文字や画像を表示するものであるため、目に対する負担が小さく、画面を長時間見続ける作業に適している。
現在、電気泳動式表示パネルは、構造上、白黒表示を主とする2色表示が主流であるが、近年では、電気泳動表示層上に、赤、緑、青の3原色の画素からなるカラーフィルタを設けて多色表示(カラー表示)する表示装置が考案されている(特許文献1を参照)。
特開2003−161964号公報 特開2005−43749号公報
電気泳動式表示パネルに代表される反射型表示パネルを用いた反射型表示装置は、外光を利用して表示するため、パネルの輝度(明るさ)に対して制約があり、特に各画素内に赤、緑、青の3原色の着色部を有するカラーフィルタを設けて多色表示した場合には、カラーフィルタによる輝度低下が顕著となり、視認性が悪化するという問題がある。
そこで、多色表示と言っても、フルカラーではなく、白、黒の他に1色の合計3色の表示があれば十分な用途が存在する。このような場合、画素内の一部に表示したい色相を有する着色層を形成することで、白、黒と他1色の3色表示が原理的に可能となる。
画素内の一部に着色部を有した3色表示可能な反射型表示パネルでの駆動方法の例として、白表示の場合には、着色部を非表示(非反射部:黒表示)とし、黒表示の場合には、画素全体を非表示とし、色表示を行う場合には、着色部を表示(反射部:白表示)することで、3色表示がなされる。
しかしながら、このような単色カラーフィルタを形成した反射型表示パネルの場合、特に白表示において、着色部を非表示としているにも関わらず、表面反射等の影響により実際には完全に反射光を遮光することができないため、白表示が僅かではあるが、着色部の色相を帯びる。従って、色表示と白表示とが同系色となるため、色表示の際のコントラストが悪くなり、結果、視認性が劣る表示となってしまう。
そこで、白表示において非表示としている第1の色を示す第1着色部由来の色相を相殺するため、第1着色部と補色関係にある第2の色を示す第2着色部を形成し、白表示において第2着色部を含む第1着色部以外を表示することで、色表示の際のコントラストの改善を図ることができる。しかしながら、着色部の割合が増えることにより、その分、白表示の際の反射率が低下してしまうという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、第1の色を示す第1着色部の上に反射防止機能を有する光学機能層を積層することで、第1の色と補色関係にある第2の色を示す第2着色部の面積を小さく、又はなくすことができ、それにより、明るく鮮やかで、きれいな白/黒表示を可能とする視認性のより良い反射型表示装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、少なくとも基板、第1の電極層、表示層、第2の電極層、及び、インク定着層がこの順に積層された反射型表示装置であって、インク定着層が複数の着色部を有し、第1の電極層の駆動単位に対応して着色部が配置され、複数の着色部の少なくとも一部の上に光学機能層が積層されていることを特徴とする反射型表示装置である。
第2の発明は、少なくとも基板、第1の電極層、表示層、第2の電極層、透明基材、及び、インク定着層がこの順に積層された反射型表示装置であって、インク定着層が複数の着色部を有し、第1の電極層の駆動単位に対応して着色部が配置され、複数の着色部の少なくとも一部の上に光学機能層が積層されていることを特徴とする反射型表示装置である。
第3の発明は、第1及び第2の発明において、着色部は、第1の色を示す第1のサブ画素のみ、又は、第1の色を示す第1のサブ画素及び第2の色を示す第2のサブ画素からなることを特徴とする反射型表示装置である。
第4の発明は、第1から第3の発明において、表示層の白及び黒の表示との組み合わせにより表示される白表示方法として、第1の色を示す第1のサブ画素以外を用いて白表示を行うことを特徴とする反射型表示装置である。
第5の発明は、第1から第4の発明において、第1の色を示す第1のサブ画素の着色部の上に光学機能層が積層されていることを特徴とする反射型表示装置である。
第6の発明は、第1から第5の発明において、光学機能層が反射防止機能や防眩機能を有することを特徴とする反射型表示装置である。
第7の発明は、第1から第3の発明において、第1の色と第2の色が補色関係にあることを特徴とする反射型表示装置である。
第8の発明は、第1から第3の発明において、第1の色を示す第1のサブ画素内の着色部の面積S1と、第2の色を示す第2のサブ画素内の着色部の面積S2が、S1>S2の関係を満たすことを特徴とする反射型表示装置である。
第9の発明は、第2の発明において、透明基材の厚さが、10μm以上100μm以下の範囲内であることを特徴とする反射型表示装置である。
第10の発明は、第1及び第2の発明の反射型表示装置の製造方法であって、着色部をインクジェット印刷法により形成することを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
本発明によれば、上記着色部の上に反射防止能を有する光学機能層を積層することで、明るく鮮やかで、きれいな白/黒表示を可能とする視認性のより良い反射型表示装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る反射型表示装置の構造を模式的に示した断面図 本発明の一実施形態に係る他の反射型表示装置の構造を模式的に示した断面図 図1及び図2に示す反射型表示装置の色表示の説明図 従来のフルカラー方式の反射型表示装置の色表示の説明図
1.反射型表示装置の構造
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置1の断面図である。
<反射型表示装置1>
図1に示す本発明の反射型表示装置1は、基板10、第1の電極層11、接着層12、電気泳動表示層(表示層)13、第2の電極層14、インク定着層15、着色部16、光学機能層17、及び保護フィルム18で構成される。
基板10の表面には、第1の電極層11が形成されている。第1の電極層11が形成された基板10上には、接着層12を介して電気泳動表示層13が積層されている。電気泳動表示層13は、分散液中に電気泳動素子を分散した分散媒を封入したマイクロカプセルをバインダー樹脂で固定したものである。電気泳動表示層13上には、第2の電極層14、インク定着層15、及び保護フィルム18が順次積層されている。インク定着層15は、第1の電極層11の駆動単位に対応して配置された着色部16を複数有する。この着色部16の配置は、等方的に分割された配列であればよく、特に限定されない。図1に示すように、着色部16の上には、光学機能層17が積層される。第1の電極層11は、それぞれのスイッチング素子(図示せず)に接続されていて、第2の電極層14との間に正負の電圧が印加可能とされている。
<反射型表示装置2>
図2に示す本発明の反射型表示装置2は、基板10、第1の電極層11、接着層12、電気泳動表示層(表示層)13、透明基材19、第2の電極層14、インク定着層15、着色部16a及び16b、光学機能層17、及び保護フィルム18で構成される。
基板10の表面には、第1の電極層11が形成されている。第1の電極層11が形成された基板10上には、接着層12を介して電気泳動表示層13が積層されている。電気泳動表示層13は、分散液中に電気泳動素子を分散した分散媒を封入したマイクロカプセルをバインダー樹脂で固定したものである。電気泳動表示層13上には、透明基材19、第2の電極層14、インク定着層15、及び保護フィルム18が順次積層されている。透明基材19は、加工方法等の違いによって構成に含まれる層であって、この透明基材19の有無により表示特性へ有意差を与えるものではない。インク定着層15は、第1の電極層11の駆動単位に対応して配置された第1の色を示す着色部16a及び第2の色を示す着色部16bをそれぞれ複数有する。この着色部16a及び16bの配置は、等方的に分割された配列であればよく、特に限定されない。図2に示すように、2色の着色部16a及び16bを有する場合、いずれかの着色部(図2では着色部16a)の上だけに光学機能層17が積層される。第1の電極層11は、それぞれのスイッチング素子(図示せず)に接続されていて、第2の電極層14との間に正負の電圧が印加可能とされている。
<各構成の具体例>
次に、反射型表示装置1及び2の各構成の具体例を順に説明する。
電気泳動表示層13は、マイクロカプセル殻内に電気極性の異なる2種類の粒子を透明な分散媒中に分散させてなるマイクロカプセルを、バインダー樹脂により固定することにより構成される。電気極性の異なる2種類の粒子としては、例えば、黒色粒子と白色粒子との組み合わせがある。黒色粒子には、無機炭素等の無機顔料の他、ガラスあるいは樹脂等の微粉末、さらにはこれらの複合体等を使用することができる。一方、白色粒子としては、公知の酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の白色無機顔料、酢酸ビニルエマルジョン等の有機化合物、さらにはこれらの複合体等を使用することができる。
マイクロカプセル分散媒は、アルコール等の水系溶剤が使用され、特に問題なければ水を使用する。透明分散媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素、各種エステル類、アルコール系溶媒、又はその他の脂等を単独又は適宜混合した溶媒を使用する。マイクロカプセルを分散した分散液は、混合コアセルベーション法等の相分離法、界面重合法、in−situ法、溶解分散冷却法等、公知の方法を用いてマイクロカプセルカプセル殻に封入され、マイクロカプセルとなる。マイクロカプセル殻は、例えばゴムやゼラチンを用いることができる。
電気泳動層形成用塗液に含まれるバインダー樹脂としては、ポリ乳酸、フェノール樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂等の誘電体樹脂を用いることができる。電気泳動層形成用塗液の塗工方法としては、スクリーン印刷方式、マイクログラビアコーター、キスコーター、コンマコーター、ダイコーター、バーコーダー、カーテンコーター等の塗工装置を用いることができる。電気泳動層形成用塗液が塗工された後は、加熱、送風等により乾燥させることができる。
透明基材19としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム、あるいはガラス等を使用することができる。
透明基材19の厚みは、10μmから100μmが好ましい。10μm未満であると、透明基材19の上にインク定着層15及び電気泳動表示層13を形成した際、層形成時の伸縮差により透明基材19の変形が大きい等の加工性が低く、また変形による表示画像のムラが発生し易くなるからである。一方、100μm以上であると、着色部16と電気泳動表示層13との距離が広がるため、視認角度による視差が発生し、色ムラが顕著になるためである。
第2の電極層14は、光透過性を有する必要があり、透明電極形成材料として、ITO等の酸化インジウム系、酸化スズ系、酸化亜鉛系のような透明性を有する導電性酸化物、又はカーボンナノチューブやチオフェン系化合物等を用いることができる。第2の電極層14の形成には、蒸着法、スパッタ法、CVD法等の乾式成膜法や、塗液を用いた湿式成膜法等の従来技術を用いることができる。
着色部16、16a、16bを有するインク定着層15は、液晶表示装置用のカラーフィルタにおいて行われているように、着色レジスト膜のフォトリソグラフィーにより形成することができる。しかし、本実施形態の反射型表示装置における構造の場合には、インク定着層15を形成し、このインク定着層15に複数のインクを塗布することにより着色部16、16a、16bを形成することができる。インク定着層15は、樹脂を含むインク定着層形成用塗液を塗布することにより形成される。インク定着層15にインクが塗布されて形成された複数の着色部16、16a、16bは、第1の電極層11の駆動単位(サブ画素)に対応して配置される。
インク定着層15は、着色画素として任意の1色、又は、補色関係にある2色のサブ画素を含むもののみである。補色関係にある2色は、赤とシアン、マゼンタと緑、黄と青の組み合わせ等あるが、混色により白色となる補色関係にあるのならば、どのような色の組み合わせも用いることができる。補色関係にある2色のサブ画素のそれぞれは、必ずしも1色の着色部からなるものである必要はなく、色の異なる複数の着色部であって、混色により所定の色を示すものであってもよい。例えば、シアン色サブ画素Cは、混色によりシアンを示す緑と青の着色部からなるものであってもよい。
インク定着層15が任意の一色の着色部16、16a、16bと空隙により構成される場合、空隙は透明樹脂からなる透明サブ画素であってもよい。また、各サブ画素内に形成される着色部16、16a、16bの面積は、同一であっても異なっていてもよい。サブ画素が、第1の色、第2の色、及び透明の3つにより形成される場合、第1の色を示す着色部の面積S1と第2の色を示す着色部の面積S2とが、S1>S2の関係を満たすことが好ましい。S1<S2となると、白表示の際の明るさの低下が顕著となる傾向がある。各サブ画素のサイズは、矩形の場合、通常一辺が50〜200μmである。
インク定着層15の1画素内のサブ画素の配置は、対角状の配置、あるいはストライプ状の配置とすることができる。この場合、混色を防止するために、着色したサブ画素同士は対角状の配置であることが望ましい。
インク定着層15としては、ウレタン樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂等を用いることができる。また、インク定着層15には、インクの溶媒の吸収性を高めるため、合成シリカやアルミナ等の多孔質物質を含ませることもできる。インク定着層15の形成は、枚葉処理を行うのであれば、スクリーン印刷法やオフセット印刷法やスピンコート法、ダイによる間欠塗工により形成することができる。また、ロールtoロールによる連続処理を行うのであれば、ダイコーテイング、コンマコート、カーテンコート、グラビアコート等の汎用の塗布技術によるインク定着層15の形成が可能である。また、塗工された後のインク定着層形成用塗液は、乾燥させられる。乾燥方法としては、加熱、送風等を用いることができる。
インク定着層15へのインクの塗布方法としては、駆動単位を区切るためのブラックマトリックスは形成されないので、色による塗り分けが必要であるため、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。なかでも位置合わせが容易であり、生産性も高いことから、インクジェット印刷法を用いてインク定着層15にインクを吐出し、着色部16、16a、16bを形成することが好ましい。
インクジェット印刷法に用いる装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式とがあるが、ピエゾ変換方式の装置を用いることが望ましい。また、インクジェット装置のインクの粒子化周波数は5〜100kHz程度が望ましい。また、インクジェット装置のノズル径は、5〜80μm程度が望ましい。また、インクジェット装置はヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いるのが好ましい。
着色部16、16a、16bのためのインクに関しては、着色剤、溶剤、バインダー樹脂、分散剤より形成される。 本発明に使用し得るインクの着色材料は、有機顔料、無機顔料、染料等を問わず色素全般を使用することができる。なかでも有機顔料が挙げられ、特に耐光性に優れるものを用いることが好ましい。具体的にはC.I.Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、208、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、C.I.Pigment Green 7、36、56、C.I.Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、C.I.Pigment Orange 36、73、C.I.Pigment Violet 23等を使用することができる。さらに、所望の色相を得るために2種以上の材料を混合して用いることができる。
本発明におけるインクに使用される溶剤としては、インクジェット印刷における適性を考慮し、表面張力が35mN/m以下で、かつ、沸点が130℃以上のものが好ましい。表面張力が35mN/m以上であるとインクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼし、また、沸点が130℃以下であるとノズル近傍での乾燥性が著しく高くなり、その結果、ノズル詰まり等の不良発生を招く傾向となる。
具体的には、溶剤として、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。しかし、溶剤はこれらに限定されるものではなく、上記要件を満たす溶剤であれば好ましく用いることができ、また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して用いても構わない。
本発明に使用し得るバインダー樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、単量体(モノマー)として(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等の重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのモノマーは、その1種単独で、又は、2種以上を併用することもできる。さらに、これらアクリレートと共重合可能なスチレン、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−ブチルマレイミド、ラウリルマイレミド等の化合物を共重合させることもできる。
また、アクリル系樹脂にエチレン性不飽和基を付加させることもできる。アクリル系樹脂にエチレン性不飽和基を付加させる方法としては、グリシジルメタクリレート等のエポキシ含有樹脂にアクリル酸等のエチレン性不飽和基とカルボン酸含有化合物を付加する方法や、メタアクリル酸等のカルボン酸含有樹脂にグリシジルメタアクリレート等のエポキシ含有アクリレートを付加する方法、また、ヒドロキシメタアクリレート等の水酸基含有樹脂にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有アクリレートを付加する方法等が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
ノボラック樹脂としては、フェノールノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂等が挙げられる。
メラミン樹脂としては、アルキル化メラミン樹脂(メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂等)、混合エーテル化メラミン樹脂等があり、高縮合タイプであっても低縮合タイプであってもよい。これらの樹脂は、いずれも単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。また、必要に応じて、さらにエポキシ樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂としては、例えば、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・ポリグリシジルエーテル、レゾルシン・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、エチレングリコール(ポリエチレングリコール)・ジグリシジルエーテル等がある。これらについても、単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。
また、バインダー樹脂の質量平均分子量は、500〜10000の範囲内であることが好ましく、さらに500〜8000の範囲内であることがより好ましい。バインダー樹脂の質量平均分子量が10000を超えると、着色部16、16a、16bの乾燥工程時にインクの流動性が不足し、パターン平坦性が劣ってしまう。また、バインダー樹脂の質量平均分子量が500未満では、要求される耐溶剤性、耐熱性等の物性を満足させることができない。
分散剤は、溶剤への顔料の分散性を向上させるために用いることができる。分散剤として、イオン性、非イオン性界面活性剤等を用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等があり、その他に有機顔料誘導体、ポリエステル等が挙げられる。分散剤は、1種類を単独で使用してもよく、また、必要に応じて2種以上を混合して用いることも可能である。
インクの粘度としては、1〜20mPa・sの範囲にあることが好ましく、さらに5〜15mPa・sの範囲にあるとより好ましい。インクの粘度が20mPa・sを超えると、インクジェット吐出時にインクが所定の位置に着弾しない不良や、ノズル詰まりといった不良を招く傾向がある。一方、インクの粘度が1mPa・s未満である場合、インクを吐出する際に、飛散するような状況を招く傾向がある。
また、着色部16、16a、16bにおける顔料もしくは染料と、バインダー樹脂との比は、1:9〜1:1の範囲であると好ましい。インク中の樹脂量を変更することで、インクの流動性を調整し、着色部16、16a、16b内での濃度バラツキを改善することができる。
光学機能層17としては、反射防止機能、防眩機能等の用途に応じた機能を持たせることができるが、以下には反射防止層17について説明する。
反射防止層は、低屈折率層のみからなる単層構成でもよいが、多層構造からなってもよい。そして、多層構造からなる場合には、一般に、最表面に適切な膜厚の低屈折率層を形成し、さらに高屈折率層等の層を低屈折率層の下層に設けることで作製することができる。より具体的には、着色部16、16a、16b側から順番に、高/低屈折率層、中/高/低屈折率層、ハードコート層/中/高/低屈折率層等からなる。また、光の干渉が生じるのを防ぐため、反射防止層の低屈折率層の厚みは、可視光の波長の1/4よりもほぼ小さくなっている。例えば、反射防止層の低屈折率層の厚みは、80〜150nmの範囲内となっている。これによって、反射防止層の低屈折率層において光の干渉が生じるのを防ぐことができる。なお、材料の屈折率を下げるには、フッ素原子を導入したり、密度を下げたり(空隙を導入したり)することで実現することができる。反射防止層に用いられる材料等については、例えば特許文献2に開示されている材料を用いることができる。
また、反射防止層の形成方法は、ドライ法でもウエット法でもよい。ウエット法としては、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法等がある。また、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷法を用いてもよい。また、反射防止層をパターン形成する場合には、フォトリソグラフィー法、各種印刷法、インクジェット法等用いることができる。例えば、フォトリソグラフィー用の反射防止材料として光硬化樹脂を用い、かつ酸基を導入した樹脂を用いることによって、露光されていない部分をアルカリ溶液により現像することが可能となる。光硬化樹脂タイプの材料としては、ラジカル系硬化系やカチオン系硬化系の材料が用いられる。ラジカル系硬化系の材料には、アクリル系、エン/チオール系、ビニルエーテル系の材料等が含まれ、カチオン系硬化系の材料には、エポキシ系、オキセタン系、ビニルエーテル系の材料等が含まれる。
2.反射型表示装置の動作原理
次に、図1及び図2に示す電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置1及び2の動作原理について説明する。
第1の電極層11に電圧を印加すると、電気泳動表示層13のマイクロカプセルにかかる電界が変動する。第1の電極層11が正極のときは、マイクロカプセル内の負に帯電している粒子が第1の電極層11側に移動し、マイクロカプセル内の正に帯電している粒子が第2の電極層14側に移動する。同様に、第1の電極層11が負極のときは、マイクロカプセル内の正に帯電している粒子が第1の電極層11側に移動し、マイクロカプセル内の負に帯電している粒子が第2の電極層14側に移動する。
例えば、黒色粒子が正に帯電し、白色粒子が負に帯電するようにして、第1の電極層11を負極とすると、図1に示すように、黒色粒子が第1の電極層11側に移動し、白色粒子が第2の電極層14側に移動する。この場合、全ての光は、表面に白色粒子が存在する電気泳動表示層13で反射し、着色部16、16a、16bを有するインク定着層15を透過した光を観察することができる。
図3は、以上の動作原理に基づく、本発明の一実施形態に係る反射型表示装置の色表示を説明するための図である。本実施形態の反射型表示装置は、白黒表示の電気泳動表示層13上に、補色関係にある2色、例えば赤色サブ画素Rとシアン色サブ画素Cとを含む。4つのサブ画素で1画素を構成し、残りの2つのサブ画素は、透明サブ画素T、例えば透明樹脂からなる。
図3(a)は、電気泳動表示層13の1画素に対応する部分のうち、赤色サブ画素Rに対応する部分を黒に、残りのサブ画素部分を白に表示している場合を示している。この図3(a)に示す場合では、電気泳動表示層13は、1画素に対応する部分のうち、赤色サブ画素Rに対応する部分を黒に表示するため、1画素の表示色がシアン色サブ画素C及び透明サブ画素Tを通過した光の混色で表現され、原理上、薄いシアン色となる。しかし、実際には赤色サブ画素R上での表面反射による色付きや、黒表示とはいえ、僅かに反射する光の影響から確認される淡い赤色も混ざった光の混色として視認されるため、シアン色と赤色とが補色関係にあるこの場合、1画素の表示色としては自然な白色として表現される。この時、赤色サブ画素R上に反射防止層を形成することで、表面反射による色付きを低減でき、さらには、シアン色サブ画素Cの着色部の面積を縮小できるため、その結果、反射率の向上を図ることができる。反射防止能の高い反射防止層を形成する場合には、シアン色サブ画素Cを透明サブ画素Tに置き換えることも可能であり、さらなる反射率の向上を図ることができる。
図3(b)は、電気泳動表示層13の1画素に対応する部分のうち、シアン色サブ画素Cに対応する部分を黒に、残りのサブ画素部分を白に表示している場合を示している。この図3(b)に示す場合では、電気泳動表示層13は、1画素に対応する部分のうち、シアン色サブ画素Cに対応する部分のみを黒表示するため、着色部16、16a、16bを有するインク定着層15を透過する光は、電気泳動表示層13のシアン色サブ画素Cに対応する部分では反射せず、残りのサブ画素に対応する部分では反射される。結果、1画素の表示色としては、反射された光のうち赤色サブ画素Rを透過する光により赤が表示される。
なお、電気泳動表示層13の1画素に対応する部分全てを黒表示とすると、着色部16、16a、16bを有するインク定着層15を透過して観察される光は存在せず、黒表示となることは言うまでもない。
また、反射型表示装置の色設計を行う場合においても、赤色サブ画素Rの色濃度に応じて、シアン色サブ画素Cの色濃度を調整する必要がある。ところが、図3に示す反射型表示装置の場合における赤色サブ画素Rの白表示のホワイトバランスに及ぼす影響は、非表示画素でかつ反射防止層を有するため、反射防止層を積層しない場合と比較して、その影響は僅かである。よって、図3に示す反射型表示装置は、シアン色サブ画素Cを含むホワイトバランス調整が非常に容易であり、自然な白色を表現しつつ、赤色表示の彩度を大きく変更できる利点も有している。
このように、図3に示す反射型表示装置で説明した、2色の補色関係のサブ画素を有し、残りのサブ画素は透明樹脂により構成される表示パネルは、明るく鮮やかな色(例えば赤)、及びきれいな白ならびに黒の3色を表示することが可能である。
図4は、従来のフルカラーの反射型表示装置の色表示を説明するための図である。従来の反射型表示装置は、白黒表示の電気泳動表示層13上に、3原色、例えば赤色サブ画素R、緑色サブ画素G、及び青色サブ画素Bを含む。4つのサブ画素で1画素を構成し、残りの1つのサブ画素は、透明樹脂又は空隙からなる透明サブ画素Tである。
図4(a)は、電気泳動表示層13の1画素に対応する部分の全てを白表示とした場合を示している。この図4(a)に示す場合では、電気泳動表示層13は、1画素に対応する部分の全てが白表示であるため、着色部16、16a、16bを有するインク定着層15を透過する光の全てが電気泳動表示層13で反射され、反射された光のうち赤色サブ画素Rを透過する光、緑色サブ画素Gを透過する光、及び青色サブ画素Bを透過する光の混色により、1画素の表示色としては白が表示される。
図4(b)は、電気泳動表示層13の1画素に対応する部分のうち、赤色サブ画素Rに対応する部分を白に、残りのサブ画素に対応する部分を黒に表示している場合を示している。この図4(b)に示す場合では、電気泳動表示層13は、1画素に対応する部分のうち、赤色サブ画素Rに対応する部分のみを白表示するため、着色部16、16a、16bを有するインク定着層15を透過する光は、電気泳動表示層13の赤色サブ画素Rに対応する部分で反射して、赤色サブ画素Rを透過し、残りのサブ画素に対応する部分では反射されず、1画素の表示色としては赤が表示される。
図4に示す従来の電気泳動式表示装置と図3に示す本発明の電気泳動式表示装置とを比較すると、例えば白表示の際の有効画素は、図4では全てのサブ画素を使用するのに対し、図3では赤色サブ画素R以外を用いる。よって、図4に示す表示パネルのほうが有利であると想定されるが、実際は、図4では着色サブ画素を多く含んでおり、図3に示した表示パネルに比べ混色のためのサブ画素数が多く、白のサブ画素(透明樹脂層)の数が少ないため、白表示の反射率が低くなる傾向がある。
また、図4に示す従来の反射型表示装置の色設計において、例えば、赤色彩度を変更する場合、白表示の際に赤色サブ画素が有効画素となるためホワイトバランスに大きく影響を及ぼし、赤色サブ画素Rの濃度が高くなるほど、他のサブ画素についても濃度アップが必要となる。この結果、赤色彩度変更に伴って大幅に白表示の反射率も変化し、パネルの表示特性として各色の彩度改善と白表示の反射率改善の両立は困難となる。
3.実施例
以下、本発明の実施例及び比較例を説明するが、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではない。
〔実施例1〕
ポリエチレン樹脂で表面を被覆した平均粒径3μmの酸化チタン粉末(白色粒子)と、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドで表面処理した平均粒径4μmのカーボンブラック粉末(黒色粒子)とを、テトラクロロエチレンに分散して分散液を得た。この場合、白色粒子が負に帯電し、黒色粒子が正に帯電する。
この分散液をO/Wエマルジョン化し、ゼラチン−アラビアゴムによるコンプレックス・コアセルベーション法によりマイクロカプセルを形成することで、分散液をマイクロカプセル中に封入した。このようにして得られたマイクロカプセルを篩い分けして、平均粒径が60μm、かつ、50〜70μmの粒径のマイクロカプセルの割合が50%以上になるように、粒径をそろえた。
次に、固形分40質量%のマイクロカプセルの水分散液を調製した。この水分散液と、固形分25質量%のウレタン系バインダー(CP−7050、大日本インク株式会社製)と、界面活性剤と、増粘剤と、純水とを混合し、電気泳動層形成用塗液を作製した。この塗液を、表面にITOからなる第1の電極層11が形成された、例えばガラスからなる基板10上に塗布し、電気泳動表示層13を形成した。
この電気泳動表示層13上にITOからなる透明導電層である第2の電極層14を形成し、この上にポリエステル樹脂系の受容液NS−141LX(高松油脂株式会社製)をコンマコーターを用いて連続塗工を行い、平均膜厚10μmのインク定着層15を形成した。
次いで、着色剤の分散液を作製した。着色部16、16a、16bに用いる着色剤に含まれる着色する顔料及び染料には表1に示すものを用いた。表1に示す処方で、顔料に関してはビーズミル分散により十分混連錬し、顔料分散液を作製した。
このようにして得た分散液に、バインダー樹脂としてメラミン樹脂(MW−22、株式会社三和ケミカル製)、及び有機溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて良く攪拌し、表2に示す2種のインクA、Bを作製した。
次いで、電気泳動表示層13上に形成されたインク定着層15に対し、12pl、180dpi(2.54cm当たり180ドット)ヘッド(セイコーインスツルメンツ(株)製)を搭載したインクジェット印刷装置を用いて、着色材料のインクを所定の位置に塗工した。図3に示すように、1画素がいずれも矩形の赤色サブ画素Rとシアン色サブ画素C、及び2つの透明サブ画素Tを対角状に配置したものとした。赤色サブ画素R、及びシアン色サブ画素Cのサブ画素内の着色部の面積は、それぞれ95%、30%であった。その後、熱風オーブンにて80℃×5分乾燥させた。
続いて、低屈折率の反射防止材料を含む塗布液をスピンコート法にて塗布し、パターン露光、現像処理により、赤色サブ画素Rの着色部上にのみ反射防止層である光学機能層17をパターン形成した。
最後に、その上に保護フィルム18を形成して、モノカラー表示の電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置を作製した。その後、白表示及び赤表示した際の白表示特性(反射率、色相)と赤色表示特性(彩度)の測定を行った。なお、彩度はL*a*b*表色系にて表現される(c*=((a*)2+(b*)2)1/2)を示す。測定は、分光色差計(日本電色工業株式会社製「SE6000」、測定スポット径:Φ=6mm)を用いて測定し、D65光源での反射測定にて実施した。その結果、白表示時の表示特性は、反射率R=22.3、色相(a*、b*)=(−2,−1)を示した。また、赤表示時の表示特性は、彩度(c*)=17.5を示し、明るく、きれいな白表示を示し、かつ鮮やかな赤表示が可能な表示装置を得た。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして、表3に示す赤色の着色材料より調製した表4に示すインクCを用いて、赤色着色部の上に反射防止層である光学機能層を具備したモノカラー表示の電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置を作製した。この時、光学機能層17は二層構成とし、着色部16、16a、16b上に、高屈折率層、低屈折率層の順に積層した。
その結果、白表示及び赤表示した際の白表示特性(反射率、色相)と赤色表示特性(彩度)の測定を行った。なお、彩度はL*a*b*表色系にて表現される(c*=((a*)2+(b*)2)1/2)を示す。測定は、分光色差計(日本電色工業株式会社製「SE6000」、測定スポット径:Φ=6mm)を用いて測定し、D65光源での反射測定にて実施した。その結果、白表示時の表示特性は、反射率R=24.0、色相(a*、b*)=(−2,−1)を示した。また、赤表示時の表示特性は、彩度(c*)=18.2を示し、明るく、きれいな白表示を示し、かつ鮮やかな赤表示が可能な表示装置を得た。
〔実施例3〕
ポリエチレン樹脂で表面を被覆した平均粒径3μmの酸化チタン粉末(白色粒子)と、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドで表面処理した平均粒径4μmのカーボンブラック粉末(黒色粒子)とを、テトラクロロエチレンに分散して分散液を得た。この場合、白色粒子が負に帯電し、黒色粒子が正に帯電する。
この分散液をO/Wエマルジョン化し、ゼラチン−アラビアゴムによるコンプレックス・コアセルベーション法によりマイクロカプセルを形成することで、分散液をマイクロカプセル中に封入した。このようにして得られたマイクロカプセルを篩い分けして、平均粒径が60μm、かつ、50〜70μmの粒径のマイクロカプセルの割合が50%以上になるように、粒径をそろえた。
次に、固形分40質量%のマイクロカプセルの水分散液を調製した。この水分散液と、固形分25質量%のウレタン系バインダー(CP−7050、大日本インク株式会社製)と、界面活性剤と、増粘剤と、純水を混合し、電気泳動層形成用塗液を作製した。
この電気泳動層形成用塗液を、スロットダイコータを使用して、透明基材19としてPETフィルムを用いた、100μmの厚みのITO層/PET基材よりなるフィルムのITO層上に塗布し、塗布後60℃で10分間乾燥しマイクロカプセル型電気泳動表示層/ITO層/PETフィルムからなる積層フィルムを得た。
さらに、積層フィルムの電気泳動表示層上にウレタン系接着剤付のSiリリース層フィルムを張り合わせ、Siリリース層/マイクロカプセル電気泳動表示層/ITO層/PETフィルムからなる積層フィルムを得た。
このSiリリース層/マイクロカプセル電気泳動表示層/ITO層/PETフィルムからなる積層フィルムの接着剤側のSiリリースフィルムを剥離し、表面にITOからなる第1の電極層11が形成された、例えばガラスからなる基板10上にラミネートにより貼り合わせ、電気泳動マイクロカプセル基板を得た。
この電気泳動マイクロカプセル基板のPETフィルム上に、ポリエステル樹脂系の受容液NS−141LX(高松油脂株式会社製)をコンマコーターを用いて連続塗工を行い、平均膜厚10μmのインク定着層15を形成した。
次いで、着色部以降の工程は、実施例1と同様にして、モノカラー表示の電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置を作製した。その後、白表示及び赤表示した際の白表示特性(反射率、色相)と赤色表示特性(彩度)の測定を行った。なお、彩度はL*a*b*表色系にて表現される(c*=((a*)2+(b*)2)1/2)を示す。測定は、分光色差計(日本電色工業株式会社製「SE6000」、測定スポット径:Φ=6mm)を用いて測定し、D65光源での反射測定にて実施した。その結果、白表示時の表示特性は、反射率R=22.3、色相(a*、b*)=(−2,−1)を示した。また、赤表示時の表示特性は、彩度(c*)=17.5を示し、明るく、きれいな白表示を示し、かつ鮮やかな赤表示が可能な表示装置を得た。
〔比較例1〕
反射防止層を形成することを除いて、実施例1と同様にして、モノカラー表示の電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置を作製した。この反射型表示装置について、実施例と同様に白表示及び赤表示した際の白表示特性(反射率、色相)と赤色表示特性(彩度)の測定を行った。
その結果、白表示時の表示特性は、反射率R=24.5、色相(a*、b*)=(3,1)を示した。赤表示時の表示特性は、彩度(c*)=17.5を示した。実施例1と比較して、赤表示時の彩度は同様の値を得たが、白表示時の色相が淡い赤色を帯びてしまい、きれいな白表示は得られなかった。
〔比較例2〕
反射防止層を形成することを除いて、実施例2と同様にして、モノカラー表示の電気泳動式表示パネルを用いた反射型表示装置を作製した。この反射型表示装置について、実施例と同様に白表示及び赤表示した際の白表示特性(反射率、色相)と赤色表示特性(彩度)の測定を行った。
その結果、白表示時の表示特性は、反射率R=26.1、色相(a*、b*)=(3,1)を示した。赤表示時の表示特性は、彩度(c*)=18.2を示した。実施例2と比較して、赤表示時の彩度は同様の値を得たが、白表示時の色相が淡い赤色を帯びてしまい、きれいな白表示は得られなかった。
本発明は、電子ペーパー等の反射型表示装置に適用可能である。
1、2 反射型表示装置
10 基板
11 第1の電極層
12 接着層
13 電気泳動表示層(表示層)
14 第2の電極層
15 インク定着層
16、16a、16b 着色部
17 光学機能層(反射防止層)
18 保護フィルム
19 透明基材

Claims (4)

  1. 少なくとも基板、第1の電極層、表示層、第2の電極層、及び、インク定着層がこの順に積層された反射型表示装置であって、
    前記インク定着層が複数の着色部を有し、
    前記第1の電極層の駆動単位に対応して前記着色部が配置され、
    前記複数の着色部の少なくとも一部の上に光学機能層が積層され
    前記着色部は、第1の色を示す第1のサブ画素及び第2の色を示す第2のサブ画素からなり、
    前記表示層の白及び黒の表示との組み合わせにより表示される白表示方法として、前記第1の色を示す第1のサブ画素以外を用いて白表示を行い、
    前記第1の色を示す第1のサブ画素の着色部の上に前記光学機能層が積層され、
    前記光学機能層が反射防止機能又は防眩機能を有し、
    前記第1の色と前記第2の色とが補色関係にあり、
    前記第1の色を示す第1のサブ画素内の着色部の面積S1と、前記第2の色を示す第2のサブ画素内の着色部の面積S2が、S1>S2の関係を満たすことを特徴とする、反射型表示装置。
  2. 少なくとも基板、第1の電極層、表示層、透明基材、第2の電極層、及び、インク定着層がこの順に積層された反射型表示装置であって、
    前記インク定着層が複数の着色部を有し、
    前記第1の電極層の駆動単位に対応して前記着色部が配置され、
    前記複数の着色部の少なくとも一部の上に光学機能層が積層され
    前記着色部は、第1の色を示す第1のサブ画素及び第2の色を示す第2のサブ画素からなり、
    前記表示層の白及び黒の表示との組み合わせにより表示される白表示方法として、前記第1の色を示す第1のサブ画素以外を用いて白表示を行い、
    前記第1の色を示す第1のサブ画素の着色部の上に前記光学機能層が積層され、
    前記光学機能層が反射防止機能又は防眩機能を有し、
    前記第1の色と前記第2の色とが補色関係にあり、
    前記第1の色を示す第1のサブ画素内の着色部の面積S1と、前記第2の色を示す第2のサブ画素内の着色部の面積S2が、S1>S2の関係を満たすことを特徴とする、反射型表示装置。
  3. 前記透明基材の厚さが、10μm以上100μm以下の範囲内であることを特徴とする、請求項2に記載の反射型表示装置。
  4. 請求項1及び2のいずれかに記載の反射型表示装置の製造方法であって、
    前記着色部をインクジェット印刷法により形成することを特徴とする、反射型表示装置の製造方法。
JP2013023223A 2013-02-08 2013-02-08 反射型表示装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP6094244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013023223A JP6094244B2 (ja) 2013-02-08 2013-02-08 反射型表示装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013023223A JP6094244B2 (ja) 2013-02-08 2013-02-08 反射型表示装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014153542A JP2014153542A (ja) 2014-08-25
JP6094244B2 true JP6094244B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=51575460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013023223A Expired - Fee Related JP6094244B2 (ja) 2013-02-08 2013-02-08 反射型表示装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6094244B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016043057A1 (ja) * 2014-09-16 2016-03-24 ソニー株式会社 表示装置および電子機器

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0973082A (ja) * 1995-03-02 1997-03-18 Toshiba Corp 液晶表示装置
US20090153942A1 (en) * 2007-12-17 2009-06-18 Palo Alto Research Center Incorporated Particle display with jet-printed color filters and surface coatings
JP2010276982A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Bridgestone Corp カラーフィルター付き透明基板およびカラーフィルター付き情報表示用パネルの製造方法、及びカラーフィルター付き情報表示用パネル
JP5817134B2 (ja) * 2011-02-10 2015-11-18 凸版印刷株式会社 電気泳動表示装置の製造方法および電気泳動表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014153542A (ja) 2014-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6065905B2 (ja) 反射型カラーディスプレイ
US11467465B2 (en) Reflective display apparatus
JP6287843B2 (ja) 反射型カラーディスプレイ
WO2013047452A1 (ja) カラーフィルタ及びそれを備える表示装置
US10564508B2 (en) Reflection-type display panel and method of producing the same
JP6094244B2 (ja) 反射型表示装置及びその製造方法
JP2018185370A (ja) 反射型表示パネル及びその製造方法
TWI644154B (zh) 多色顯示面板及其製造方法
JP2011065034A (ja) 多面付けカラーフィルタ電気泳動方式前面板及びその製造方法、並びに、多色表示パネルの製造方法
JP2014041210A (ja) 反射型表示パネル及びその製造方法
JP2013037247A (ja) 反射型カラー表示装置及びその製造方法
JP2011065037A (ja) カラー電気泳動方式表示媒体パネル
JP2011065033A (ja) 多面付けカラーフィルタ電気泳動方式前面板及びその製造方法、並びに、多色表示パネルの製造方法
CN102681281A (zh) 多色显示板
WO2017110077A1 (ja) 反射型表示パネル及びその製造方法
JP2013073042A (ja) 反射型表示パネルおよびその製造方法
JP2018189771A (ja) 表示装置およびその製造方法
JP2011065032A (ja) 多色表示パネル及びその製造方法
JP2018022063A (ja) カラーフィルタおよび反射型表示装置
TWI515499B (zh) 多色顯示面板
JP2011065035A (ja) 多色表示パネル
JP2013088750A (ja) 反射型カラー表示装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6094244

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees