JP2007322318A - サンプル分注装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サンプルプローブの詰まりをより早期の内径汚れの段階において検出でき、サンプルプローブの内径に蓄積した汚れ物質がサンプル内に流出したり、サンプルプローブの内容積が変動したりする不都合の発生を防止する。
【解決手段】サンプル容器2内に挿入されるサンプルプローブ3と、該サンプルプローブ3に接続される管路4内の圧力を変動させて、サンプルプローブ3にサンプル容器2内のサンプルSを吸引させ、あるいはサンプル容器2内にサンプルSを吐出させる分注ポンプ8と、サンプルプローブ3を含む管路4内の圧力を検出する圧力センサ9と、該圧力センサ9により検出された圧力値Pに基づいて、サンプルプローブ3内の汚れを判定する内面汚れ判定部10とを備えるサンプル分注装置1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、血液や尿等のサンプルを分析する装置に用いられるサンプル分注装置に関するものである。
従来、この種のサンプル分注装置として、特許文献1に開示されているものがある。
このサンプル分注装置は、サンプルである血清あるいは血漿内に含まれるフィブリン等の固形物がサンプルプローブ内に詰まって所定量のサンプルを反応容器に分注されないまま分析されてしまう不都合を防止するために、サンプル吸引動作終了後でサンプル吐出動作開始前の所定のタイミングにおけるサンプルプローブを含む管路の圧力を圧力センサで検出し、所定の圧力値よりも低いときにサンプルプローブ詰まりを判定することとしている。
特開平11−83868号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているサンプル分注装置では、サンプル吸引動作終了後の圧力値が正常値に復元するか否かによってサンプルプローブを含む管路の詰まりを検出することができるが、詰まっていない場合にはこれを検出することが困難である。すなわち、サンプルプローブ内の流通断面の一部が実質的に貫通している場合には、管路の圧力センサの圧力値が正常値に戻るので、サンプルプローブ内の流通断面が閉塞されてしまう程詰まるまで詰まりを検出することができないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、サンプルプローブの詰まりをより早期の内径汚れの段階において検出でき、サンプルプローブの内径に蓄積した汚れ物質がサンプル内に流出したり、サンプルプローブの内容積が変動したりする不都合の発生を防止することができるサンプル分注装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、サンプル容器内に挿入されるサンプルプローブと、該サンプルプローブに接続される管路内の圧力を変動させて、サンプルプローブにサンプル容器内のサンプルを吸引させ、あるいはサンプル容器内にサンプルを吐出させる分注ポンプと、前記サンプルプローブを含む管路内の圧力を検出する圧力センサと、該圧力センサにより検出された圧力値に基づいて、サンプルプローブ内の汚れを判定する内面汚れ判定部とを備えるサンプル分注装置を提供する。
本発明によれば、サンプルプローブをサンプル容器内に挿入し、分注ポンプを作動させることにより、サンプルプローブに接続される管路内の負圧を上昇させることにより、サンプルプローブ内にサンプル容器内のサンプルを吸引し、正圧を上昇させることにより、サンプルを吐出することができる。この場合に、圧力センサにより検出された管路内の圧力に基づいて内面汚れ判定部がサンプルプローブ内の汚れを判定するので、サンプルプローブが汚れたまま、サンプルの吸引および吐出が繰り返される不都合を防止することができる。
上記発明においては、前記内面汚れ判定部が、分注ポンプによるサンプルの吸引動作中における圧力センサの検出圧力が所定の圧力値よりも低いときにサンプルプローブ内面が汚れていると判定することとしてもよい。
サンプルプローブ内面に汚れが発生すると、汚れがサンプルプローブ内面に蓄積することにより流通断面積が低減し、吸引動作中におけるサンプルプローブを含む配管内の負圧が上昇する。本発明によれば、吸引動作中における圧力センサの検出圧力が所定の圧力値よりも低い場合には、サンプルプローブ内面が汚れていると判定することにより、サンプルプローブ内面が汚れたままサンプルの吸引および吐出が繰り返される不都合をより確実に防止することができる。
また、上記発明においては、前記内面汚れ判定部が、分注ポンプによるサンプルの吸引動作終了時点における圧力センサの圧力が所定の圧力値よりも低いときにサンプルプローブ内面が汚れていると判定することとしてもよい。
このようにすることによっても、サンプルプローブ内面が汚れたままサンプルの吸引および吐出が繰り返される不都合をより確実に防止することができる。
また、上記発明においては、前記圧力センサにより検出された圧力値を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された圧力値と現在の圧力値とを比較する比較部とを備え、前記内面汚れ判定部が、比較部による比較の結果、圧力差の絶対値が所定のしきい値以上増加した場合にサンプルプローブ内面が汚れていると判定することとしてもよい。
サンプルプローブの内面に汚れが付着していくと、経時的に流通断面積が減少し、圧力センサによる検出圧力が経時的に変化していく。圧力センサにより検出された圧力値が記憶部に記憶され、比較部の作動により現在の圧力値と比較される。そして、内面汚れ判定部は、比較部による比較の結果、圧力差の絶対値が所定のしきい値以上増加した場合にサンプルプローブ内面が汚れていると判定することにより、サンプルプローブ内面が汚れたままサンプルの吸引および吐出が繰り返される不都合をより確実に防止することができる。
本発明によれば、サンプルプローブの詰まりをより早期の内径汚れの段階において検出でき、サンプルプローブの内径に蓄積した汚れ物質がサンプル内に流出したり、サンプルプローブの内容積が変動したりする不都合の発生を防止することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るサンプル分注装置1について、図1〜図3を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るサンプル分注装置1は、図1に示されるように、サンプルSを収容したサンプル容器2内に挿脱させられるサンプルプローブ3と、該サンプルプローブ3に管路4を介して接続された洗浄水ポンプ5と、該洗浄水ポンプ5により管路4内に吸引する洗浄水Wを貯留した洗浄水タンク6と、洗浄水ポンプ5とサンプルプローブ3との間の管路4を開閉する電磁弁7と、該電磁弁7とサンプルプローブ3との間の管路4に配置された、例えば、シリンジからなる分注ポンプ8と、該分注ポンプ8と電磁弁7との間の管路4に配置された圧力センサ9と、該圧力センサ9からの圧力信号に基づいてサンプルプローブ3内の汚れを判定する内面汚れ判定部10とを備えている。サンプルプローブ3および分注ポンプ8は、プローブ駆動装置11およびポンプ駆動装置12に接続され、それぞれ制御装置13によって駆動制御されるようになっている。
内面汚れ判定部10は、圧力センサ9により検出された圧力信号を増幅する増幅回路14と、該増幅回路14により増幅された圧力信号をディジタル信号に変換するA/D変換器15と、該A/D変換器15によりディジタル信号に変換された圧力信号を所定のタイミングでサンプリングするサンプリング部16と、サンプルプローブ3の装着後、最初にサンプリングされた圧力値を記憶する記憶部17と、サンプリング部16によりサンプリングされた現在の圧力値と記憶部17に記憶されている最初の圧力値とを比較する比較部18と、比較の結果、圧力差の絶対値が所定のしきい値Aを越えて増加したときに、内面汚れの発生を報知する報知部19とを備えている。
このように構成された本実施形態に係るサンプル分注装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係るサンプル分注装置1を用いてサンプル容器2内のサンプルSを吸引するには、まず、電磁弁7を開状態として、洗浄水ポンプ5を作動させる。これにより、洗浄水タンク6内の洗浄水Wが配管4内に汲み上げられ、サンプルプローブ3のほぼ先端に至るまでの管路4のほぼ全体に洗浄水Wが満たされる。このとき、サンプルプローブ3においては洗浄水Wの液面がサンプルプローブ3の先端よりも若干高い位置となるようにする。
この状態で、電磁弁7を閉状態とし、制御装置13からの指令信号Sによりプローブ駆動装置11を作動させる。具体的には、プローブ駆動装置11を作動させることにより、サンプルプローブ3をサンプル吸引位置に位置決めしてから下降させ、その先端部3aをサンプル容器2内のサンプルS中に所定深さまで浸漬させる。洗浄水Wの液面がサンプルプローブ3の先端よりも若干高い位置に配置されているので、この状態で、洗浄水Wの液面とサンプルSの液面との間には若干の空気層が形成される。
次いで、制御装置13から送られる吸引指令信号Sに応じてシリンジからなる分注ポンプ8が作動させられる。すなわち、分注ポンプ8のピストンをシリンダから引き抜く方向に移動させることにより、管路4内の圧力を負圧にして洗浄水Wの液面をサンプルプローブ2内において上昇させる。これにより、若干の空気層を介して近接するサンプルSの液面もサンプルプローブ2内において上昇させられ、所定量のサンプルSがサンプルプローブ2内に吸引される。
この吸引動作における制御装置13からの吸引指令信号Sと、圧力センサ9により検出される管路4内の圧力値Pとの関係を図2に示す。制御装置13から図2(b)のように矩形波状の吸引指令信号Sが出力され分注ポンプ8が駆動されると、管路4内の圧力値Pは、吸引指令信号Sに若干遅れて図2(a)に実線で示されるように変化する。本実施形態においては、内面汚れ判定部10内のサンプリング部16は、例えば、吸引指令信号Sの後縁をトリガーとして圧力センサ9の圧力値Pをサンプリングする。サンプルプローブ3を装着した後に最初にサンプリングされた圧力センサ9からの圧力値Pは、記憶部17に送られて記憶される。
その後、プローブ駆動装置11の作動により、サンプルプローブ3が上昇させられてサンプル容器2内から抜き出され、サンプル容器2とは別の位置に配置されている反応容器等(図示略)まで搬送された後に、分注ポンプ8の作動により、サンプルプローブ3内のサンプルSが吐出される。具体的には、分注ポンプ8のピストンをシリンダに対して押し入れる方向に移動させることにより、サンプルプローブ3を含む管路4内の圧力値Pが上昇させられて、サンプルプローブ3内のサンプルSが吐出されることになる。
そして、サンプルプローブ3を吐出位置とは別の洗浄位置に移動し、その状態で電磁弁7を開状態にして洗浄水ポンプ5を駆動することにより、洗浄水タンク6内の洗浄水Wをサンプルプローブ3の先端部3aから吐出させ、サンプルプローブ3内部を洗浄することができる。
以上の動作を繰り返すことにより、サンプル容器2内のサンプルSを反応容器等に順次分注することができる。
この場合において、サンプルプローブ3を用いたサンプルSの分注動作が繰り返されると、サンプルプローブ3内面にサンプルSが経時的に付着していく。そして、このようにサンプルプローブ3内面にサンプルSが付着し始めると、図2(a)に鎖線で示すように、サンプルS吸引中に圧力センサ9により検出される管路4内の圧力値Pの絶対値が増大する。
また、本実施形態においては、吸引指令信号Sの後縁をトリガーとして圧力センサ9の圧力値Pをサンプリングするが、実際の管路4内の圧力値Pは、吸引指令信号Sに遅れて変動するので、サンプリング時における圧力センサ9の圧力値Pは、吸引動作中の圧力値Pとなり、同様にその絶対値が増大している。
図3に、サンプルプローブ3装着後の経過時間とサンプリングされた圧力センサ9の圧力値Pとの関係を示す。
この図3によれば、サンプルプローブ3装着後、圧力センサ9により検出される圧力値Pの絶対値は漸次増大していく。
そして、比較部18による比較の結果、サンプルプローブ3装着直後の圧力値Pと現在の圧力値Pとの差が所定のしきい値Aを越えた場合には、報知部19の作動により、サンプルプローブ3の内面汚れが外部に報知される。したがって、作業者は、報知に従ってサンプルプローブ3を交換することにより、それ以上の圧力値Pの絶対値の増加を防止することができ、また、サンプルプローブ3内面に付着した付着物が剥離してサンプルS内に混入したり、サンプルプローブ3内面に付着物が堆積してサンプルプローブ3の内容積が低減したりする不都合の発生を未然に防止することができる。
なお、本実施形態においては、吸引指令信号Sの後縁をトリガーとして圧力センサ9の圧力値Pをサンプリングすることとしたが、これに限定されるものではなく、吸引動作中の任意の時点における圧力値Pをサンプリングすることとしてもよい。
また、内面汚れを報知する報知部19のしきい値Aは、吸引するサンプルSに応じて適宜設定することとしてもよい。
また、サンプルプローブ3の装着直後の圧力値Pを記憶部17に記憶しておき、該記憶部17に記憶された初期の圧力値Pとの比較において、圧力差が所定のしきい値Aを越えたときにサンプルプローブ3内面の汚れを判定することとしたので、サンプルプローブ3の種類によらず、内面汚れを判定できるというメリットがある。しかし、これに限定されるものではなく、サンプルプローブ3の装着直後の圧力値Pが個体差によらず一定である場合には、記憶部17を設けることなく、現実の圧力値Pの絶対値が所定値以上となったときに内面汚れを判定することとしてもよい。
本発明の一実施形態に係るサンプル分注装置を示す全体構成図である。 図1のサンプル分注装置におけるサンプル吸引動作時の吸引指令信号と管路内の圧力変化とを示す図である。 図2の吸引指令信号終了時の管路内の圧力の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
A しきい値
P 圧力値
S サンプル
1 サンプル分注装置
2 サンプル容器
3 サンプルプローブ
4 管路
8 分注ポンプ
9 圧力センサ
10 内面汚れ判定部
17 記憶部
18 比較部

Claims (4)

  1. サンプル容器内に挿入されるサンプルプローブと、
    該サンプルプローブに接続される管路内の圧力を変動させて、サンプルプローブにサンプル容器内のサンプルを吸引させ、あるいはサンプル容器内にサンプルを吐出させる分注ポンプと、
    前記サンプルプローブを含む管路内の圧力を検出する圧力センサと、
    該圧力センサにより検出された圧力値に基づいて、サンプルプローブ内の汚れを判定する内面汚れ判定部とを備えるサンプル分注装置。
  2. 前記内面汚れ判定部が、分注ポンプによるサンプルの吸引動作中における圧力センサの検出圧力が所定の圧力値よりも低いときにサンプルプローブ内面が汚れていると判定する請求項1に記載のサンプル分注装置。
  3. 前記内面汚れ判定部が、分注ポンプによるサンプルの吸引動作終了時点における圧力センサの検出圧力が所定の圧力値よりも低いときにサンプルプローブ内面が汚れていると判定する請求項1に記載のサンプル分注装置。
  4. 前記圧力センサにより検出された圧力値を記憶する記憶部と、
    該記憶部に記憶された圧力値と現在の圧力値とを比較する比較部とを備え、
    前記内面汚れ判定部が、比較部による比較の結果、圧力差の絶対値が所定のしきい値以上増加した場合にサンプルプローブ内面が汚れていると判定する請求項1に記載のサンプル分注装置。
JP2006154635A 2006-06-02 2006-06-02 サンプル分注装置 Withdrawn JP2007322318A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010001646A1 (ja) * 2008-07-01 2010-01-07 オリンパス株式会社 分注ノズル内径汚れ検知方法および検体分注装置
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