JP2007321669A - 作業機械のエンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作業機械を作動させるための油圧を発生させる油圧ポンプ30と、油圧ポンプ30の第一の駆動源としてのエンジン10と、油圧ポンプ30の第二の駆動源としてエンジン10の駆動軸に直結された電気モータ20と、電気モータ20の回転を減速又は停止させる電気モータ20制御を実施することによりエンジン10を停止させるエンジン制御手段70とを備える。
【選択図】図1
Description
例えば、一般に、エンジンの回転数を設定するためのアクセルダイヤルが操作されることでエンジンの回転数が制御されたり、エンジンを始動・停止させるためにON・OFFされるキースイッチがOFF操作されることでエンジンが停止したりするようになっているが、これらの一般的なシステムに加え、作業機械を作動させるための操作レバーを所定時間操作しない場合には自動的にエンジン回転数を下げるとともに、再び操作レバーを操作した場合には自動的にエンジン回転数を元の回転数まで復帰させるオート・エンジン・コントロール(いわゆるAEC)システムが開発されている。
ところで、これらの従来の技術では、エンジン回転数の低下及びエンジンの停止制御に際し、エンジンに付設された電子ガバナを制御することでエンジンへの燃料噴射量を調節するようになっている。
また、上記の特許文献1,2に記載の技術では、オペレータのスイッチ操作に応じてエンジンへの燃料噴射を停止し、エンジンを停止させるようになっている。
例えば、特許文献1,2に記載の技術においては、オペレータの停止スイッチの操作によって燃料噴射が停止してから実際にエンジンが停止するまでにタイムラグがあり、このタイムラグを短縮することが難しい。つまり、迅速にエンジンを停止させることができない。また、急激に燃料供給量を変動させるとエンジン回転数が大きく変動する(ショックを生じる)ため、良好な操作感が得られにくい場合もある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、速やか且つ滑らかにエンジンの回転速度の減速及び停止を行なうことができる、作業機械のエンジン制御装置を提供することを目的とする。
請求項2記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置は、請求項1記載の作業機械のエンジン制御装置において、稼働中の該エンジンを一時的に停止させるためにオペレータに操作されるエンジン一時停止スイッチを備え、該エンジン制御手段が、該オペレータによって該エンジン一時停止スイッチが操作されたときに、該電気モータ制御を実施することにより該エンジンを停止させることを特徴としている。
請求項5記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の作業機械のエンジン制御装置において、該エンジン制御手段が、該電気モータ制御を実施すると同時に、該エンジンへの燃料供給を停止させる燃料供給停止制御を実施して、該エンジンを停止させることを特徴としている。
請求項7記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置は、請求項1〜6の何れか1項に記載の作業機械のエンジン制御装置において、該エンジン制御手段が、該エンジンが停止している状態で、且つ、該オペレータによって該エンジン一時停止スイッチが操作されたときに、該電気モータの回転を開始又は加速させる電気モータ始動制御を実施することにより該エンジンを再始動させることを特徴としている。
請求項2記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置によれば、エンジン一時停止スイッチを備えるので、簡素な構成で、オペレータの任意の操作によりエンジンを一時的に停止させることができる。また、オペレータのエンジン一時停止の要求に容易に応えることができるので、エンジンの稼動が不要な際には頻繁にエンジンを一時停止させ、エンジンの燃料消費量を抑制することができる。
請求項4記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置によれば、エンジン制御手段はエンジンを自動的に停止させるので、エンジンの稼動が不要な際に容易にエンジンを一時停止させることができ、オペレータの操作に係る負担を減らしながら燃料消費量を抑制することができる。
請求項6記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置によれば、電気モータを発電機として機能させバッテリに電力を充電することができ、エネルギー消費の効率化を図り、燃料消費量をより抑制することができる。
請求項8記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置によれば、エンジンは回転数を最低回転数に制限されて再始動するので、再始動時におけるエンジンの急激な吹き上がりを抑制することができる。
請求項10記載の本発明の作業機械のエンジン制御装置によれば、エンジンは電気モータ制御が実施される直前の回転数で再始動するので、より速やかにエンジンを再始動し作業を再開することができる。
[一実施形態]
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る作業機械のエンジン制御装置を示すもので、図1はその概略的なブロック図、図2はそのコントローラ周りのブロック図、図3はそのエンジン制御装置を搭載した油圧ショベルの斜視図である。
図3に示すように、作業機械の代表例である油圧ショベル1は、下部走行体2と、下部走行体2上に旋回自在に結合された上部旋回体3と、上部旋回体3から前方へ延出するように取り付けられたブーム4,アーム5及びバケット6からなる作業装置7とを備えて構成されている。
キャブ8内には、操作レバー60の他にも、エンジン10を始動又は停止させるためにオペレータに操作されるキースイッチ(スタータスイッチ)81と、操作レバー60に設けられオペレータがキースイッチ81をOFFすることなくエンジン10を強制的に一時停止させるためのワンタッチエンジンストップスイッチ(エンジン一時停止スイッチ)82と、エンジン10の制御を自動的に行なうか手動(オペレータの操作)で行なうかを選択するためのAECスイッチ83と、エンジン10の回転数NEを段階的に(例えば10段階で)設定するためのアクセルダイヤル11とが配設されている。
さらに、本実施形態では、後に詳述するが、キースイッチ81がST位置へと操作されなくても所定の条件が成立すると、コントローラ70から第一のインバータ22へと指令が送られ、第一のインバータ22の制御により電気モータ20に電力が供給され、エンジン10の始動(再始動)が行なわれるようになっている。
AECスイッチ83は、エンジン10を自動的に制御するAECシステムを働かせるためのスイッチであって、第一のエンジン自動制御状態であるAEC1状態を選択するためのAEC1ボタンと、第二のエンジン自動制御状態であるAEC2状態を選択するためのAEC2ボタンとを有している。
また、AEC2状態では、エンジン10稼動中にもかかわらず作業停止状態が所定時間(例えば5秒間)続くと、オペレータがキースイッチ81やワンタッチエンジンストップスイッチ82を操作しなくても自動的にエンジン10を停止させる制御が行なわれるようになっている。
また、AECスイッチ83は、自身のスイッチ状態(AEC1状態であるかAEC2状態であるか)をAEC1信号,AEC2信号としてコントローラ70に送信するようになっている。
そして、エンジン10の始動はオペレータによるキースイッチ81の操作により行なわれるとともに、エンジン10が一時停止された後の再始動では、上述のように、コントローラ70からの指令に基づく第一のインバータ22及び燃料噴射装置12の制御によっても行なわれるようになっている。
コントローラ70は、図2に示すように、入力側にキースイッチ81,ワンタッチエンジンストップスイッチ82,AECスイッチ83,エンジン回転数センサ13及びレバーセンサ61が接続されている。一方、出力側には燃料噴射装置12及び第一のインバータ22が接続されている。
また、判断部71は、AECオフ状態において、キースイッチ81オン状態で作業停止状態且つエンジン10稼働中という3つの状態が全て成立していれば、所定の一時停止条件が成立していると判断し、さらに、この一時停止条件が成立した状態でワンタッチエンジンストップスイッチ82からワンタッチ信号が入力されると、エンジン10一時停止要求があると判断し、制御部72にエンジン一時停止信号を送るようになっている。
さらに、判断部71は、AECシステムの作動の有無に関わらず、キースイッチ81がON状態でエンジン10一時停止中にワンタッチエンジンストップスイッチ82が操作されると、第一のエンジン10再始動要求(作業待機要求)があると判断し、エンジン回転数NEをエンジン最低回転数NEminまで上昇させるために第一エンジン再始動信号を制御部72に送信するようになっている。
つまり、制御部72は、エンジン一時停止信号を受信すると、燃料噴射装置12に制御指令を送信し、燃料噴射装置12はエンジン10への燃料噴射(燃料供給)を中止するようになっている。同時に、制御部72は、第一のインバータ22にエンジン回転数NEを0rpmにすべく指令を送るようになっている。第一のインバータ22はこの指令を受けてバッテリ21から電気モータ20へ電力を供給するのを中止し、電気モータ20を電気制動により停止させ、そのときに発生した回生エネルギーをバッテリ21へ充電するようになっている。これにより、エンジン10は、電気モータ20と直結しているので、電気モータ20の停止に伴い停止するように力が働き、また、電気モータ20を発電機として機能させることで負荷が加わり、さらに停止するように力が働くようになっている。
また、制御部72は、第一エンジン再始動信号を受信すると、燃料噴射装置12に燃料供給指令を送信すると同時に、第一のインバータ22に対して電気モータ20に電力を供給する指令をエンジン回転数NEが最低回転数NEminに達するまで送信するようになっている。
本発明の一実施形態にかかる作業機械のエンジン制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
次に、キースイッチ81をさらにST位置まで回すと、キースイッチ81からコントローラ70へ始動信号が送信される。
ここで、オペレータがキャブ8内のAECスイッチ83のAEC1ボタンを押しAEC1状態が選択された場合、第一のAECシステムが働き、このAEC1状態では、エンジン10稼動中にも関わらず作業停止状態が所定時間続くと、コントローラ70は燃料噴射装置12に制御指令を送信し、燃料噴射装置12はエンジン10への燃料噴射量を減少させ、エンジン回転数NEをアクセルダイヤル11で設定されたエンジン回転数NEよりも所定値下げる制御が自動的に行なわれる。
そして、ワンタッチエンジンストップスイッチ82を備えているので、簡素な構成でオペレータの任意のスイッチ操作によりエンジン10を一時的に停止させてオペレータのエンジン一時停止の要求に容易に応え、エンジン10の稼動が不要な際には頻繁にエンジン10を一時停止させ、エンジン10の燃料消費量を抑制することができる。また、所定の一時停止条件はキースイッチ81がON状態,作業停止状態及びエンジン10が稼動している状態の全ての状態が成立していることであるので、作業中に不用意なワンタッチエンジンストップスイッチ82の操作によりエンジン10が停止してしまうことを防止することができる。
さらに、こうしたエンジン10の一時停止状態(キースイッチ81がONでの停止状態)において、再びオペレータによりワンタッチエンジンストップスイッチ82が操作されると、作業待機要求があるとして第一のエンジン10再始動条件が成立し、コントローラ70により第一のインバータ22に第一再始動指令が出され、第一のインバータ22は、始動時と同様にバッテリ21から電気モータ20へ電力を供給する制御を行ない、電気モータ20はエンジン10を駆動する。同時に、コントローラ70は燃料噴射装置12に制御信号を送信し、燃料噴射装置12は、エンジン10の回転数NEが最低回転数NEminまで上昇するように燃料噴射量を制御しエンジン10に向かって燃料を噴射する。コントローラ70から第一のインバータ22への第一再始動指令は、エンジン回転数NEが最低回転数NEminに達すると解除される。
また、エンジン10の始動及び再始動に際して油圧ポンプ30の駆動源である比較的高電圧の電気モータ20を利用するので、従来のエンジン10始動専用の比較的低電圧のスタータモータに比べ、エンジン10の停止・始動を頻繁に行なうことができる。また、電気モータ20はエンジン10に直結しているので、速やか且つ滑らかにエンジン10の停止・始動を行なうことができる。
また、ワンタッチエンジンストップスイッチ82は操作レバー60に設けられているので、簡素な構成でワンタッチエンジンストップスイッチ82を備えることができる。また、オペレータは操作レバー60を操作しながら容易にワンタッチエンジンストップスイッチ82を操作することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、コントローラ70の判断部71は、レバーセンサ61から入力されたレバー信号に基づき、作業が停止した状態にあるか否かを判定するようになっているが、作業が停止した状態を判断する方法はこれに限らない。つまり、例えば、油圧ショベル1にかかる負荷を検出するとともに負荷がある場合にはコントローラ70に負荷信号を送信する負荷センサを備え、負荷センサから入力された信号に基づき、作業が停止した状態にあるか否かを判定するようにしても良い。
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 作業装置
8 キャブ
10 エンジン(内燃機関)
11 アクセルダイヤル
12 燃料噴射装置(燃料供給装置)
13 エンジン回転数センサ
20 電気モータ(スタータモータ)
21 バッテリ
22 第一のインバータ
23 第二のインバータ
30 油圧ポンプ
41 走行用モータ(アクチュエータ)
42 旋回用モータ(アクチュエータ)
43 ブーム用シリンダ(アクチュエータ)
44 アーム用シリンダ(アクチュエータ)
45 バケット用シリンダ(アクチュエータ)
50 コントロールバルブ
60 操作レバー
61 レバーセンサ
70 コントローラ(エンジン制御手段)
71 判断部
72 制御部
73 記憶部(第一記憶手段,第二記憶手段)
81 キースイッチ(スタータスイッチ)
82 ワンタッチエンジンストップスイッチ(エンジン一時停止スイッチ)
83 AECスイッチ
Claims (10)
- 作業機械を作動させるための油圧を発生させる油圧ポンプと、
該油圧ポンプの第一の駆動源としてのエンジンと、
該油圧ポンプの第二の駆動源として該エンジンの駆動軸に直結された電気モータと、
該電気モータの回転を減速又は停止させる電気モータ制御を実施することにより該エンジンを停止させるエンジン制御手段とを備えた
ことを特徴とする、作業機械のエンジン制御装置。 - 稼働中の該エンジンを一時的に停止させるためにオペレータに操作されるエンジン一時停止スイッチを備え、
該エンジン制御手段は、該オペレータによって該エンジン一時停止スイッチが操作されたときに、該電気モータ制御を実施することにより該エンジンを停止させる
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該エンジン制御手段は、該エンジンが稼動中であり、且つ、該作業機械が操作されていないときに、該オペレータによって該エンジン一時停止スイッチが操作されたら、該電気モータ制御を実施することにより該エンジンを停止させる
ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該エンジン制御手段は、該エンジンが稼動中であり、且つ、該作業機械が操作されていない状態が所定時間続いたら、該電気モータ制御を実施することにより該エンジンを自動的に停止させる
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該エンジン制御手段が、該電気モータ制御を実施すると同時に、該エンジンへの燃料供給を停止させる燃料供給停止制御を実施して、該エンジンを停止させる
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該電気モータへ電力を供給するとともに、該エンジンの停止時における該エンジンの回転慣性により該電気モータが発電した電力を充電するバッテリを備えた
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該エンジン制御手段が、該エンジンが停止している状態で、且つ、該オペレータによって該エンジン一時停止スイッチが操作されたときに、該電気モータの回転を開始又は加速させる電気モータ始動制御を実施することにより該エンジンを再始動させる
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該エンジンの再始動時における最低回転数を記憶する第一記憶手段を備え、
該エンジン制御手段が、該エンジンが停止している状態で、且つ、該オペレータによって該エンジン一時停止スイッチが操作されたときに、該第一記憶手段に記憶されている該最低回転数以下に制限しながら該エンジンを再始動させる
ことを特徴とする、請求項7記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該作業機械を操作するための操作レバーを備え、
該エンジン制御手段が、該エンジンが停止している状態で、且つ、該オペレータによって該操作レバーが操作されたときに、該電気モータの回転を開始又は加速させる電気モータ始動制御を実施することにより該エンジンを再始動させる
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の作業機械のエンジン制御装置。 - 該エンジン制御手段によって該電気モータ制御が実施される直前のエンジン回転数を停止前回転数として記憶する第二記憶手段を備え、
該エンジン制御手段が、該エンジンが停止している状態で、且つ、該オペレータによって該操作レバーが操作されたときに、該第二記憶手段に記憶されている該停止前回転数となるように制御しながら該エンジンを再始動させる
ことを特徴とする、請求項9記載の作業機械のエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006153370A JP2007321669A (ja) | 2006-06-01 | 2006-06-01 | 作業機械のエンジン制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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