JP2007321238A - スパッタ装置およびスパッタ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことが可能であり、また基板5へのパーティクルの付着を防止することが可能な、スパッタ装置を提供する。
【解決手段】ターゲット42を保持しつつ、基板に対するターゲット42の傾斜角を調整可能なターゲット位置調整機構40と、そのターゲット位置調整機構40とチャンバ32の壁面との間を封止する封止部材66とを有し、ターゲット位置調整機構40とチャンバ32との摺動部61が、封止部材66により封止されたチャンバ32の外側に配置されている。ターゲット位置調整機構40は、基板に対するターゲット42の傾斜角を、チャンバ32の外側において調整しうるように構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、スパッタ装置およびスパッタ方法に関するものである。
基板上に金属薄膜等を形成するため、スパッタ装置が利用されている。
図8は、従来技術に係るスパッタ装置の左半部の側面断面図である。スパッタ装置130は、気密封止されたチャンバ32を備えている。そのチャンバ32の下部には、基板5を保持するステージ35が設けられている。またチャンバ32の上部には、被膜の形成材料(スパッタ材料)を備えたターゲット42を保持するターゲット保持機構140が設けられている。なお図示しないが、複数のターゲット保持機構140がチャンバ32の周方向に略等間隔で配置されている。ターゲット42は、スパッタ材料面がチャンバ32の内側に露出するように配置されている。
一般にスパッタ装置には、基板上に形成される被膜の膜厚ばらつきを低減することが求められている。そのため、基板5に対して最適な位置にターゲット42が保持されている。具体的には、スパッタ材料面の中心を通る法線41と、基板5の表面との交点Pが、基板5の中心軸から所定距離Rだけ離れるように、ターゲット42が保持されている。またターゲット42の法線41が、基板5の中心軸から所定角度φだけ傾くように、ターゲット42が保持されている。
特開2001−107228号公報
上述したターゲット42は、スパッタ材料を所定方向に圧延して成形される。このターゲット42の圧延方向と基板との相対位置により、基板上に形成される被膜の膜厚分布が変化する。そのため、ターゲット保持機構140に対するターゲット42の周方向の取付け位置を調整することにより(すなわち、ターゲット42を回転させることにより)、膜厚ばらつきを低減することができる。
しかしながら、ターゲットの取付け位置を変更するたびにチャンバ32を大気開放(分解)する必要があり、膜厚ばらつきの調整作業が煩雑になるという問題がある。
これに対して、特許文献1には、基板に対するターゲットの傾斜角度を調整しうるスパッタリング装置が記載されている。この特許文献1には、両側のターゲットを水平状態から内側に向かって傾斜させることで、基板上の膜厚分布が改善されると記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された技術でも、ターゲットの取付け角度を変更するたびにチャンバ32を開放する必要があり、膜厚ばらつきの調整作業が煩雑である。また特許文献1に記載された技術では、ターゲットの傾斜角度を調整するための摺動部がチャンバの内部に配置されているため、膜厚ばらつきの調整中に前記摺動部において発生したパーティクルが基板上に付着するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことが可能であり、また基板へのパーティクルの付着を防止することが可能な、スパッタ装置およびスパッタ方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るスパッタ装置は、スパッタ処理により被膜を形成すべき基板を内部に配置するチャンバと、前記チャンバ内に配置された、前記被膜の形成材料を含むターゲットと、前記ターゲットを保持しつつ、前記チャンバとの相対位置を調整することにより、前記基板に対する前記ターゲットの相対位置を調整可能なターゲット位置調整機構と、前記ターゲット位置調整機構と前記チャンバの壁面との間を封止する封止部材と、を有し、前記ターゲット位置調整機構と前記チャンバとの摺動部が、前記封止部材により封止された前記チャンバの外側に配置されていることを特徴とする。
基板に対するターゲットの相対位置を調整することにより、基板に形成される被膜の膜厚ばらつきを低減することができる。しかも、ターゲット位置調整機構とチャンバとの摺動部がチャンバの外側に配置されているので、膜厚ばらつきの調整中に前記摺動部で発生したパーティクルが基板に付着するのを防止することができる。
また前記ターゲット位置調整機構は、前記チャンバに対する前記ターゲットの相対位置を、前記封止部材により封止された前記チャンバの外側において調整しうるように構成されていることが望ましい。
この構成によれば、チャンバの外側おいて基板に対するターゲットの相対位置を調整することができるので、チャンバを開放することなく真空状態を維持したまま膜厚ばらつきを調整することが可能になる。これにより、膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことができる。
また前記ターゲット位置調整機構には、所定電位に保持されたシールドが、前記ターゲットの周縁部に対向配置された状態で固定されていることが望ましい。
この構成によれば、基板に対するターゲットの相対位置が変化しても、ターゲットとシールドとの間隔を一定に保持することが可能になり、安定した放電を維持することができる。
一方、本発明に係るスパッタ方法は、スパッタ処理により被膜を形成すべき基板を内部に配置するチャンバと、前記チャンバ内に配置された、前記被膜の形成材料を含むターゲットと、前記ターゲットを保持しつつ、前記チャンバとの相対位置を変化させることにより、前記基板に対する前記ターゲットの相対位置を調整可能なターゲット位置調整機構と、前記ターゲット位置調整機構と前記チャンバの壁面との間を封止する封止部材と、を有するスパッタ装置を用いたスパッタ方法であって、前記ターゲット位置調整機構に保持された前記ターゲットを交換する工程と、前記基板に対するスパッタ処理を行う工程と、前記基板上に形成された被膜の膜厚分布を測定する工程と、前記膜厚分布の測定結果に応じて、前記チャンバに対する前記ターゲットの相対位置を、前記封止部材により封止された前記チャンバの外側において調整する工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、チャンバを開放してターゲットを交換した後は、チャンバの外側おいて基板に対するターゲットの相対位置を調整することにより、チャンバを開放することなく真空状態を維持したまま膜厚ばらつきを調整することが可能になる。これにより、膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことができる。
本発明によれば、基板に対するターゲットの相対位置を調整することにより、基板に形成される被膜の膜厚ばらつきを低減することができる。しかも、ターゲット位置調整機構とチャンバとの摺動部がチャンバの外側に配置されているので、基板へのパーティクルの付着を防止することができる。また、チャンバの外側おいて基板に対するターゲットの相対位置を調整することにより、膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(トンネル接合素子)
最初に、本実施形態のスパッタ装置を使用することによって好適に形成されるトンネル接合素子について説明する。
図1は、トンネル接合素子の側面断面図である。このトンネル接合素子10では、基板5の表面に下地層12が形成されている。この下地層12は、Ta等からなる第1下地層12a、およびNiFe等からなる第2下地層12bを備えている。その下地層12の表面に、PtMnやIrMn等からなる反強磁性層13が形成されている。前記第2下地層12bは、この反強磁性層13の結晶性を整える機能を有する。その反強磁性層13の表面に、第1磁性層(固定層)14が形成されている。前記反強磁性層13は、この固定層14の磁化方向を固定する機能を有する。固定層14は、CoFeやNiFe等からなる第1固定層14a、Ru等からなる中間固定層14b、およびCoFeやNiFe等からなる第2固定層14cを備えた、積層フェリ型の固定層となっている。これにより、固定層14における磁化方向が強固に結合されている。
その固定層14の表面に、AlO(アルミナ)等の電気絶縁性材料からなる非磁性層(トンネルバリア層)15が形成されている。このトンネルバリア層15は、厚さ10オングストローム程度の金属アルミニウム層を形成し、その金属アルミニウム層を熱酸化することによって形成される。そのトンネルバリア層15の表面に、NiFe等からなる第2磁性層(フリー層)16が形成されている。このフリー層16は、周囲の磁場によって磁化方向を反転させることが可能であり、その磁場を取り除いても磁化方向を保持することが可能である。そのフリー層16の表面に、Ta等からなる保護層17が形成されている。なお、実際のトンネル接合素子10は、上記以外の機能層も含めて、15層程度の多層構造になっている。
図2は、トンネル接合素子の製造装置の平面図である。トンネル接合素子の製造装置20は、複数のスパッタ処理室24,25,26,27を備えている。各スパッタ処理室には、本実施形態に係るスパッタ装置30が設けられている。各スパッタ装置30は、複数(例えば3個)のターゲット42を備え、チャンバの内部に配置された基板5に対してスパッタ処理を行うようになっている。なお、本実施形態に係るスパッタ装置30については後に詳述する。
第1スパッタ処理室24は、トンネル接合素子の下地層および反強磁性層を形成するため、TaやNiFe、PtMn等のターゲットを備えている。第2スパッタ処理室25は、固定層を形成するため、CoFeやRu等のターゲットを備えている。第3スパッタ処理室26は、トンネルバリア層となる金属アルミニウム層を形成するため、Al等のターゲットを備えている。第4スパッタ処理室27は、フリー層および保護層を形成するため、NiFeやTa等のターゲットを備えている。複数種類のターゲットを備えたスパッタ処理室では、複数種類のターゲットを順次使用して、基板上に複数種類の被膜を積層形成する。なお複数種類のターゲットを同時に使用することにより、複数種類の材料が混合された被膜を形成することも可能である。
またトンネル接合素子の製造装置20は、被膜形成前の基板をプラズマ処理するためのプラズマ処理室23と、金属アルミニウム層を熱酸化するための酸化処理室28とを備えている。各処理室23〜28は、基板搬送室22を中心として放射状に配置されている。これにより、基板搬送室22を介して各処理室に基板5を供給することが可能になり、基板5を大気に晒すことなくトンネル接合素子を形成することができる。その基板搬送室22には、ロード/アンロード(L/UL)室21を介して基板5を供給および排出することができるようになっている。
図1に示すトンネル接合素子10では、固定層14およびフリー層16の磁化方向が平行か反平行かによって、トンネル接合素子10の抵抗値が異なる。そのため、トンネル接合素子10の厚さ方向に電圧を印加した場合に、トンネルバリア層15を流れる電流の大きさが異なる(TMR効果)。そこで、その電流値を測定することにより、トンネル接合素子10から「1」または「0」を読み出すことができるようになっている。また、トンネル接合素子10の周囲に磁場を発生させて、フリー層16の磁化方向を反転させれば、「1」または「0」を書き換えることができるようになっている。
なお、フリー層16の磁化方向によるトンネル接合素子10の抵抗値の差は、一般的に非常に小さくなる。この抵抗値の微差を検出するには、アルミナ等の電気絶縁性材料からなるトンネルバリア層15の電気抵抗値を極力小さくする必要がある。そのため、トンネルバリア層15は非常に薄く形成する必要があり、しかもトンネルバリア層15の膜厚ばらつきを低減する必要がある。この点、以下に詳述する本実施形態のスパッタ装置を使用して金属アルミニウム層を形成することにより、膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことができる。
(スパッタ装置)
図3は、本実施形態に係るスパッタ装置であり、図2のA−A線における側面断面図である。図3に示すように、スパッタ装置30は、内部を気密封止しうるチャンバ32を備えている。チャンバ32は、円筒状の本体32aと椀状の上蓋32bとを重ねて構成されている。そのチャンバ32の内壁に沿って、防着板38が設けられている。またチャンバ32の下部には、基板5を載置するステージ35が設けられている。このステージ35は、基板5の載置面内で回転しうるように形成され、また基板5を温度調節しうるように形成されている。なお、チャンバ32にはスパッタガスを供給するスパッタガス供給手段(不図示)が設けられている。また、チャンバ32には排気ポンプに接続された排気口(不図示)が設けられている。
チャンバ32の上部には、基板5の表面に形成すべき被膜の形成材料からなる円盤状のターゲット42が配置されている、このターゲット42は、ターゲット位置調整機構40の下面に保持されている。なお複数のターゲット位置調整機構40が、チャンバ32の上部の周方向に略等間隔で配置されていてもよい。本実施形態のスパッタ装置30では、図2に示すように3個のターゲット位置調整機構40が配置されている。
図3に戻り、基板5の表面に形成される被膜の厚さを均一化するため、基板5に対して好適な相対位置にターゲット42が配置されている。具体的には、ターゲット42の中心を通る法線41と、基板5の表面との交点Pが、基板5の中心軸から所定距離Rだけ離れるように、ターゲット42が保持されている。またターゲット42の法線41が、基板5の中心軸に対して所定角度φだけ傾斜するように、ターゲット42が保持されている。さらに本実施形態では、基板5に対するターゲット42の傾斜角を調整しうるように、ターゲット位置調整機構40が構成されている。具体的には、基板5の中心軸から交点Pまでの距離Rが増加する方向(θ方向)および減少する方向(θ方向)に、ターゲット42の傾斜角を調整しうるようになっている。
(ターゲット位置調整機構)
図4は、ターゲット位置調整機構の説明図であり、図3のB−B線における断面図である。なお以下には、ターゲット位置調整機構40の高さ方向をZ方向(チャンバ32の外側が+Z方向)、ターゲット位置調整機構の半径方向をR方向とする円筒座標系に基づいて説明する。図4に示すように、チャンバ32におけるターゲット位置調整機構40の形成位置には、略円形状の開口部33が形成されている。その開口部33の周縁から+Z方向に伸びるように、チャンバ32の外面にパイプ状のケース64が固着されている。
チャンバ32の開口部33を覆うように、上述したターゲット42が配置されている。ターゲット42の+Z側の周縁部には、リング状のターゲットホルダ(以下、単に「ホルダ」という。)46が配置されている。ターゲット42は、電気絶縁部材44を介してホルダ46に固着されている。またターゲット42の−Z側には、接地電位に保持されたシールド48が配置されている。このシールド48は、ターゲット42の周縁部と対向配置された状態で、ターゲット42とともにホルダ46に固定されている。これにより、基板に対するターゲットの相対位置が変化しても、ターゲットとシールドとの間隔を一定に保持することが可能になり、安定した放電を維持することができる。
一方、ターゲット42の表面近傍に磁場を発生させるため、ターゲット42の+Z側の中央部に、電磁ソレノイド等の磁場発生手段50が配置されている。この磁場発生手段50は、その+Z側に配置されたモータ52に接続されている。このモータ52を駆動して、磁場発生手段50を±Z方向に移動させることにより、ターゲット表面の磁場の強さを調整しうるようになっている。なお、ケース64の+Z側端部から所定間隔を置いてフレーム54が配置され、そのフレーム54の+Z側面に上述したモータ52が固定されている。また上述したホルダ46も、連結部材56を介してフレーム54の−Z側面に固定されている。
フレーム54は、平面視において略矩形状に形成されている。そのフレーム54の長手方向端部は、ケース64の+R側まで延設されている。そのフレーム54の端部から−Z方向にサブフレーム57が立設され、そのサブフレーム57から+R方向に回動軸60が立設されている。この回動軸60は、チャンバ32から延設された軸受け部材62によって支持されている。なお、回動軸60と軸受け部材62との間の摺動部61には、オイレスメタル等が配置されている。
一方、ケース64の+Z側端部には、−R方向に折り曲げられたフランジ65が形成されている。そのフランジ65の−Z側面と、上述したホルダ46の+Z側面との間には、封止部材66が配置されている。すなわち封止部材66は、ターゲット位置調整機構40に設けられたホルダ46と、チャンバ32の壁面から延設されたフランジ65との間に配設されている。この封止部材66は、回動軸60を中心にホルダ46が回動した場合でもフランジ65との間を気密封止するものであり、具体的には金属材料等からなるベローズ(蛇腹)で構成されている。
この封止部材66により、チャンバ32の内側(真空側)と外側(大気側)とが区画されている。そして、回動軸60と軸受け部材62との間の摺動部61や、磁場発生手段50とモータ52との摺動部などが、封止部材66によって封止されたチャンバ32の外側に配置されている。なお、伸縮変形する封止部材66自体も、基板から離間したケース64の+Z側端部に配置されている。これにより、摺動部等において発生したパーティクルが、チャンバ32の内側に配置された基板に付着するのを防止することができる。
図5はターゲット位置調整機構の角度調整方法の説明図であり、図4のC矢視図である。図5に示すように、フランジ65の+Z側面の一部には、プレート74が固着されている。このプレート74の+Z側面を覆うように、フレーム54からアーム72が延設されている。このアーム72は雌ねじ部を備え、その雌ねじ部には雄ねじ(ボルト)70が螺合されている。そのボルト70の先端は、上述したプレート74の+Z側面に当接している。
このボルト70をアーム72に対して−Z方向に進行させると、プレート74からアーム72が離反して、フレーム54が回動軸60を中心として回動する。これにより、フレーム54にホルダ(不図示)を介して固定されたターゲット(不図示)の法線41を、θ方向に回動させることができる。またボルト70をアーム72に対して+Z方向に後退させると、プレート74にアーム72が接近する。これにより、フレーム54に固定されたターゲット(不図示)の法線41を、θ方向に回動させることができる。本実施形態では、例えばθ方向およびθ方向にそれぞれ約1°ずつ回動しうるようになっている。
(スパッタ方法)
次に、本実施形態に係るスパッタ装置を使用して、基板上に形成される被膜の膜厚分布を調整する方法について説明する。なおターゲットの交換時に膜厚分布を最適化すれば、そのターゲットのライフ期間を通じて最適な膜厚分布が維持される。そこで、特にターゲットの交換時に膜厚分布を調整する方法について説明する。
まず、ターゲット位置調整機構に保持されたターゲットの交換を行う。具体的には、図3に示すチャンバ32の上蓋32bを開けて、ターゲット位置調整機構40に装着されている使用済みターゲット42を取り外し、新たなターゲット42を装着する。その後、チャンバ32の上蓋を閉めて密閉する。
次に、チャンバ32のステージ35に基板を供給する。具体的には、図2に示すL/UL室21から基板搬送室22に基板5を供給し、その基板搬送室22から第3スパッタ処理室26に基板5を搬入する。
次に、スパッタ装置30を駆動して、基板5の表面に被膜を形成する。具体的には、基板5を回転させつつ、図4に示すターゲット42の表面近傍にAr等のスパッタガスを導入する。また、ターゲット42にRF電力を印加してプラズマを発生させる。すると、スパッタガスの活性種がカソードであるターゲット42に衝突し、ターゲット42からスパッタ材料の原子が飛び出して、基板の表面に付着し被膜が形成される。その際、磁場発生手段50によりターゲット42の表面近傍に磁場を発生させ、高密度プラズマを生成することで、成膜速度を向上させることができる。
次に、基板上に形成された被膜の膜厚分布を測定する。具体的には、図2に示すトンネル接合素子の製造装置20の第3スパッタ処理室26から、基板搬送室22およびL/UL室21を介して成膜後の基板を排出し、外部機器により膜厚分布を測定する。なお、基板搬送室22に膜厚分布測定室(不図示)を接続すれば、製造装置20から成膜後の基板を排出することなく、製造装置20の内部で膜厚分布を測定することが可能になる。
次に、膜厚分布の測定結果に基づいて、ターゲット傾斜角(ターゲットの法線と基板の中心軸との角度)の調整を行う。
図6は、ターゲット傾斜角と膜厚ばらつきとの関係を示すグラフである。なお図6は基板上にAl膜を形成する場合のグラフであり、その横軸はターゲット傾斜角であり、縦軸は膜厚分布の平均値に対する標準偏差の百分率である。図6によれば、ターゲット傾斜角が24°付近において、膜厚ばらつきが極小値をとる。そのためターゲット傾斜角の調整は、膜厚ばらつきが極小となるように行うことが望ましい。
図7は、ターゲット傾斜角の調整方法の説明図である。測定された膜厚分布が、基板5の表面に実線81で示すような凸状(すなわち、基板5の中央部ほど膜厚が厚く、周縁部ほど膜厚が薄い状態)である場合には、ターゲット42の法線41をθ方向に回動させる。これに伴って、ターゲット42の法線41と基板5との交点Pが、基板5の中央から離反する。これにより、以後のスパッタ処理において、基板5の中央部の膜厚を薄く、周縁部の膜厚を厚くすることが可能になり、膜厚ばらつきを低減することができる。
また測定された膜厚分布が、基板5の表面に破線82で示すような凹状(すなわち、基板5の中央部ほど膜厚が厚く、周縁部ほど膜厚が薄い状態)である場合には、ターゲット42の法線41をθ方向に回動させる。これに伴って、ターゲット42の法線41と基板5との交点Pが、基板5の中央に接近する。これにより、以後のスパッタ処理において、基板5の中央部の膜厚を厚く、周縁部の膜厚を薄くすることが可能になり、膜厚ばらつきを低減することができる。
なお測定された膜厚分布が、基板5の表面に一点鎖線84で示すような波紋状(すなわち、基板5にリング状の凸部または凹部が形成されている状態)である場合には、上述した凸状または凹状の場合と比べて、膜厚ばらつきが小さくなっている。この場合には、膜厚ばらつきが極小値に近いものとして、ターゲット傾斜角をそのままの状態に維持する。以上により、基板5より外径の小さいターゲット42を採用した場合でも、膜厚ばらつきの小さい被膜を形成することができる。
ターゲット傾斜角の調整は、チャンバの外側において行う。図5に示すプレート74、アーム72およびボルト70は、いずれもチャンバの外側に配置されている。このボルト70を回転させて、アーム72を±Z方向に移動させることにより、チャンバの外側においてターゲット傾斜角の調整を行うことができる。これにより、チャンバを開放してターゲットを交換した後は、チャンバを開放することなく真空状態を維持したまま膜厚ばらつきを調整することが可能になる。これにより、膜厚ばらつきの調整作業を効率的に行うことができる。
また図4に示すターゲット位置調整機構40では、ターゲット位置調整機構40とチャンバ32との摺動部(すなわち、回動軸60と軸受け部材62との間の摺動部)61が、封止部材66によって封止されたチャンバ32の外側に配置されている。これにより、膜厚ばらつきの調整中に摺動部61で発生したパーティクル等が、チャンバ32の内側に配置された基板の表面に付着するのを防止することができる。これに伴って、基板の表面に形成されるデバイスの品質を向上させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態ではトンネル接合素子のトンネルバリア層を形成する場合を例にして説明したが、上記実施形態のスパッタ装置を使用してトンネルバリア層以外の各層を形成することも可能である。また実施形態のスパッタ装置を使用して、トンネル接合素子以外のデバイスの構成層を形成することも可能である。いずれの場合でも、上記実施形態のスパッタ装置を使用することにより、膜厚ばらつきの調整を効率的に行うことができる。
また、上記実施形態ではターゲット位置調整機構を1方向のみに回動可能としたが、2方向に回動可能としてもよい。これにより、膜厚ばらつきの調整を緻密に行うことが可能になり、膜厚ばらつきをより低減することができる。
また、上記実施形態では膜厚分布の測定結果に基づいて手動でターゲット傾斜角を調整したが、膜厚分布の測定結果からターゲット傾斜角の調整量を決定する判断部と、その調整量に合わせてモータ等を駆動しターゲット傾斜角を調整する角度調整部とを設けて、ターゲット傾斜角の調整を自動的に行ってもよい。これにより、膜厚ばらつきの調整をより効率的に行うことができる。
トンネル接合素子の側面断面図である。 トンネル接合素子の製造装置の平面図である。 本実施形態に係るスパッタ装置の側面断面図である。 ターゲット位置調整機構の断面図である。 ターゲット位置調整機構の角度調整方法の説明図である。 ターゲット傾斜角と膜厚ばらつきとの関係を示すグラフである。 ターゲット傾斜角の調整方法の説明図である。 従来技術に係るスパッタ装置の左半部の側面断面図である。
符号の説明
5…基板 30…スパッタ装置 32…チャンバ 40…ターゲット位置調整機構 48…シールド 61…摺動部 66…封止部材

Claims (4)

  1. スパッタ処理により被膜を形成すべき基板を内部に配置するチャンバと、
    前記チャンバ内に配置された、前記被膜の形成材料を含むターゲットと、
    前記ターゲットを保持しつつ、前記チャンバとの相対位置を調整することにより、前記基板に対する前記ターゲットの相対位置を調整可能なターゲット位置調整機構と、
    前記ターゲット位置調整機構と前記チャンバの壁面との間を封止する封止部材と、を有し、
    前記ターゲット位置調整機構と前記チャンバとの摺動部が、前記封止部材により封止された前記チャンバの外側に配置されていることを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記ターゲット位置調整機構は、前記チャンバに対する前記ターゲットの相対位置を、前記封止部材により封止された前記チャンバの外側において調整しうるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 前記ターゲット位置調整機構には、所定電位に保持されたシールドが、前記ターゲットの周縁部に対向配置された状態で固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパッタ装置。
  4. スパッタ処理により被膜を形成すべき基板を内部に配置するチャンバと、
    前記チャンバ内に配置された、前記被膜の形成材料を含むターゲットと、
    前記ターゲットを保持しつつ、前記チャンバとの相対位置を変化させることにより、前記基板に対する前記ターゲットの相対位置を調整可能なターゲット位置調整機構と、
    前記ターゲット位置調整機構と前記チャンバの壁面との間を封止する封止部材と、
    を有するスパッタ装置を用いたスパッタ方法であって、
    前記ターゲット位置調整機構に保持された前記ターゲットを交換する工程と、
    前記基板に対するスパッタ処理を行う工程と、
    前記基板上に形成された被膜の膜厚分布を測定する工程と、
    前記膜厚分布の測定結果に応じて、前記チャンバに対する前記ターゲットの相対位置を、前記封止部材により封止された前記チャンバの外側において調整する工程と、
    を有することを特徴とするスパッタ方法。
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