JP2007321172A - 透明導電膜形成方法及び有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
有機薄膜上にスパッタリング法により、透明導電膜を成膜した場合、高エネルギー粒子である反跳Arプラズマ、γ電子、ターゲット粒子などの飛散・衝突により有機薄膜の分子構造(結合断裂)が破壊され、有機発光材料本来の発光ポテンシャルが低下するという問題があった。
【解決手段】
基板上にマスクを設け、スパッタリング法により基板上に透明導電膜をパターン形成する透明導電膜形成方法において、ターゲットと基板間にマグネットを備えたグリッドを設け、スパッタリング法により前記基板上にターゲット形成材料からなる透明導電膜をパターン形成することを特徴とする透明導電膜形成方法とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリング法を用いた透明電極形成方法に関し、また、透明電極形成方法を用いた有機電界発光素子の製造方法に関する。
透明導電膜の応用分野は光通信、半導体レーザー、各種ディスプレイ、記録メディア、民生用機器(デジタルカメラ、プロジェクター、携帯電話、レンズ、ミラー、ランプ等)など多様化しており、透明導電膜の製造技術においては歩留まり向上などの量産時の安定性、また、多層膜形成時の膜性能について重要な要求項目となってきている。
有機電界発光素子は、2つの電極間に有機発光層を挟持した構造を有し、電極間に電流を流すことにより有機発光層を発光させるものであるが、発光した光を取り出すために、どちらか一方の電極を透明にする必要がある。そして、透明電極としてインジウム・錫酸化物(ITO)からなる透明導電膜等を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2、3、4)。
上部光取り出し(トップエミッション)型の有機電界発光素子では、基材と反対側の電極と透明電極とするものであるが、このとき、金属薄膜上に透明導電膜を形成することにより、陰極の保護と配線抵抗の低抵抗化を図ることが提案されている。また、透明導電膜を陰極とするために、下地の有機発光層の保護や電子注入障壁低減を目的として、有機発光層と透明導電膜との間にバッファー層を挟持することが提案されている。透明導電膜形成には従来から行われている蒸着法、並びに近年光通信関連で利用されているプラズマやイオンビームによるアシスト蒸着法やイオンプレーティング法、イオンビームスパッタ法などが主に使用されており、その他としてsol/gel法、スプレー法などの湿式法を用いる場合もある。一方、半導体やフラットパネルディスプレイ、電子部品などの薄膜製造工程における量産装置に使用されている方式としてスパッタリング法がある。スパッタリング法は成膜速度や膜組成などが安定しており、また大面積基板への均一な成膜が可能であるため、量産化に適した方式として広く利用されている。更に膜厚及び導電性・透明性の均一性が高く、微細エッチング特性にも優れることから、主流ともなっている。
以下に、公知文献を示す。
特開2003−901158号公報 特開2001−250678号公報 特許第2850906号公報 特開2005−68501号公報
蒸着法により基板上に導電膜をパターン形成する場合、蒸着法は熱的なエネルギーのみで基板に粒子を堆積させるため、基板に入射する粒子のエネルギーは0.1eV程度である。これに対し、スパッタリング法にて基板上に透明導電膜をパターン形成する場合、基板に入射する粒子のエネルギーは600eV程度と非常に高い。一般的に基板に入射する粒子のエネルギーが50eV程度以上になると、粒子が基板内に入り込んだり、基板を構成する原子が叩き出されたり、あるいは基板に欠陥を発生させるといった問題が発生する。
特に、有機薄膜上にスパッタリング法により、透明導電膜を成膜した場合、高エネルギー粒子である反跳Arプラズマ、γ電子、ターゲット粒子などの飛散・衝突により有機薄膜の分子構造(結合断裂)が破壊され、有機発光材料本来の発光ポテンシャルが低下するという問題があった。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明としては、基板上にマスクを設け、スパッタリング法により基板上に透明導電膜をパターン形成する透明導電膜形成方法において、ターゲットと基板間にマグネットを備えたグリッドを設け、スパッタリング法により前記基板上にターゲット形成材料からなる透明導電膜をパターン形成することを特徴とする透明導電膜形成方法とした。
また、請求項2に係る発明としては、前記マグネットが棒状であり、該マグネットをグリッド上に放射状に複数本並べ、且つ、前記マグネットの極性を、グリッドの中心方向に対して一致させることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜形成方法とした。
また、請求項3に係る発明としては、前記複数の棒状マグネットを、非磁性体材料に空洞を設けたマグネット装填治具の空洞内に装填し、該マグネット装填治具をグリッド上に備えることを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜形成方法とした。
また、請求項4に係る発明としては、透明導電膜形成中に、前記基板がペルチェ素子によって冷却されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の透明導電膜形成方法とした。
また、請求項5に係る発明としては、基材上に第一電極と有機発光層と第二電極を少なくともこの順に備え、電極間に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機電界発光素子の製造方法において、第一電極若しくは第二電極の少なくとも一方を請求項1乃至4のいずれかに記載の方法によりパターン形成したことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法とした。
また、請求項6に係る発明としては、基材上に反射電極と有機発光層と透明電極を少なくともこの順に備え、電極間に電流を流すことにより有機発光層を発光させるトップエミッション型有機電界発光素子の製造方法において、透明電極を請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により形成したことを特徴とするトップエミッション型有機電界発光素子の製造方法とした。
また、請求項7に係る発明としては、請求項5または請求項6に記載の有機電界発光素子の製造方法において、前記有機発光層形成材料をに溶媒に溶解又は分散させインキとする工程と、該インキを用いて凸版反転オフセット印刷法により基材上に有機発光層を形成する工程を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法とした。
マグネットを備えたグリッドを用いてスパッタリング法により基板上に透明導電膜を成膜することにより、Arイオンをターゲットに衝突させることにより放出される反跳Arイオン、二次電子であるγ電子、ターゲット粒子のうち、特に二次電子であるγ電子の基板への入射を低減することが可能となった。マグネットが形成する磁場により、基板に入射しようとするγ電子の運動方向は曲げられるため、γ電子の基板への入射が低減される。
γ電子の基板への入射を低減することにより、例えば、基板が有機薄膜を有しており該有機薄膜上に透明導電膜を形成する場合においては、該有機薄膜を破壊することなく、有機薄膜上に透明導電膜を形成することが可能となった。
また、棒状のマグネットを用い、それらをグリッド上に放射状に並べ、且つ、マグネットの極性を一致させることにより、効率的に基板上へのγ電子の入射を低減することが可能となった。
また、スパッタリング法を用いてメタルマスクにより透明導電膜をパターン形成する場合、プラズマ閉じ込めによりターゲット表面のプラズマ荷電粒子密度が増加することで生じる温度上昇に伴い、熱輻射(赤外線輻射)、更に漏れプラズマの一部がマスク表面に入射するなどで、マスクが熱膨張し、変形するため、正確なパターニングができないという問題がある。本発明にあっては、スパッタリング法による透明導電膜を成膜する際に、基板をペルチェ素子によって冷却することにより、基板及びマスクの温度上昇を防ぐことが可能となり、特に、マスクの熱膨張、熱変形を抑制することが可能となった。よって、基板上に正確なパターンを形成することが可能となった。
また、前記複数の棒状マグネットを、非磁性体材料に空洞を設けたマグネット装填治具の空洞内に装填し、該マグネットをグリッド上に備えることにより、棒状のマグネットの数を調整することにより、グリッド上に形成される磁場の強さを容易に調節することが可能となった。また、複数の棒状のマグネットを反発させることなく、容易に並列に配列することが可能となった。
また、有機電界発光素子の製造方法において本発明の透明導電膜形成方法を用いることにより、基材にダメージを与えることなく透明電極を形成することが可能となり、発光特性の良い有機電界発光素子を得ることができた。特に、トップエミッション型の有機電界発光素子において、有機発光層といった有機薄膜上にダメージを与えることなく透明電極を形成することが可能となり、発光特性が良く、低駆動電圧の有機電界発光素子を得ることができた。
また、凸版反転オフセット印刷法は、ブランケットを用い、ブランケットをブラン胴に固定し、ブランケット表面にあるパターン化されたインキを被転写体に転写させるものであり、インキのパターン形状及び膜厚が制御しやすいという利点がある。有機電界発光素子の製造方法において、有機発光層を凸版反転オフセット印刷法を用いて形成することにより、パターン形状の優れた有機発光層を得ることができた。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本願発明に用いられる透明導電膜の用途は多岐にわたる。中でもオプトエレクトロニクスデバイス用の電極として使用する場合、種々デバイスの使用条件に応じた要求を満たさなければならない。特に、透明導電膜形成材料は電気的特性と可視光領域の光学的特性の両方は最低限満足する材料でなければならない。本発明における透明導電膜形成材料としては、酸化インジウム系のITO(InにSnをドーパントとして添加)、その他には酸化スズ系ではSnO(ドーパント添加)、酸化亜鉛系ではAZO(ZnOにAlをドーパントとして添加)、GZO(ZnOにGaをドーパントとして添加)、IZO(ZnOにInをドーパントとして添加)などを用いることができる。
また、これらの他にCdO系、酸化ガリウム系の材料を用いることが可能である。しかし、CdO系に関しては、Cdが毒性を有するために実用化は困難である。また酸化ガリウム系の透明導電膜もワイドバンドギャップを持つなど数々の特徴を有するが、インジウム同様、ガリウムは資源の観点からは豊富な材料とは言い難い。このように透明導電膜形成材料は材料設計の指針として環境面を最優先しなければならない社会的背景がある。
ITOはIndium tin oxideと呼ばれているが、その母結晶はInである。Snを酸化物換算で5〜10wt%添加した組成のITO(In:Sn)は絶縁体のように透明でありながら、導電性が高く(10×10S/cm)、吸収も少ない。透明性と導電性は互いに関係があるが、1対1の対応があるわけではない。透明性はIn結晶の構造的な完全性が高く、バンドギャップ内の電子捕獲準位が非常に少ないということであるが、それは結晶内の原子が結晶系の座標点(格子点位置)に正しく、過不足なく位置しているか否かで決まることである。In試薬は黄白色であり、酸素をわずかに含む(分圧で10×10−1Pa以下)雰囲気中で蒸着またはスパッタ成膜すれば透明導電膜を得る。しかし、化合物としては酸素を手放しやすく、真空中加熱や数%の水素を含むような還元雰囲気中での加熱によって容易に還元され、還元が進めば青黒から黒、更に茶褐色にまで変色していく。導電性は母結晶のIn原子やSn原子で置換してやるか、酸素原子を必要十分に与えない条件の下で成膜することで発現する。
ITOの透明性の物理的意味は半導体としてのバンドギャップが可視域の短波長限界400nm付近にあることに帰せられる。しかし、これだけでは不十分で、高い透明性を確保するにはバンドギャップ内に常温で電子が常駐するような準位が少ないか無視できるということである。このようなバンドギャップ内準位は酸素空孔や、In位置に置換したSn原子以外のIn、Sn原子または原子集団(クラスター)による格子欠陥に由来するものであり、母結晶自体が良質の結晶格子を形成しやすいものでなくてはならない。酸化性が極度に弱い雰囲気で成膜しない限り、Inはこの要件を満たす。実際、Inはガラス基板温度を300℃程度にしておけば、酸素がやや不足した雰囲気条件であっても、厚さ数十nmの段階から半値幅の狭い良く整ったX線回折パターンを示す。この結晶化しやすい特徴はSnを添加していっても、数十%程度までは失われない。これは、SnO膜やZnO膜とは大きく異なる特徴である。
次に、本発明の透明導電膜形成方法について示す。本願発明は、スパッタリング法により基板上に透明電極を形成するものであり、スパッタリング法としては、イオンビームスパッタリング法、直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法等を用いることが可能である。
マグネトロンスパッタは電流密度が高く、600eVもの高エネルギーでイオンが電子と衝突するので、透明導電膜を高速で成膜できる。また、低圧力のためスパッタされた粒子の平均自由行程も長く、ターゲットと対向配置の基板上にスパッタ粒子を捕集して薄膜を堆積させることができる。しかし、高エネルギープロセスのため、有機薄膜上へ透明導電膜を成膜する場合、下地の有機薄膜に反跳Arプラズマやγ電子、更には加速されたTarget粒子が衝突し大きなダメージを与えるという問題を有している。
本発明の透明導電膜形成に用いるDCマグネトロンスパッタ装置の模式図を図1に示した。図1において、基板(1)とターゲット(3)の間にはグリッド(2)が設けられている。グリッド(2)は、マグネット(7)が備えられている。また、ターゲット(3)は、パッキングプレート(OFC)(4)に固定されており、さらに、パッキングプレート(4)のターゲット(3)と反対側の面には、カソードマグネット(5)が備えられている。なお、装置内は成膜時には真空状態となる。
グリッド(2)には、電圧が印加される。グリッドに電圧を印加することで、プラズマ荷電粒子の極性を中和させることで、プラズマ荷電粒子の捕獲(消滅)が可能になる。従って、マスクへのプラズマ荷電粒子の入射頻度も低下させることができ、キャリアトラップ機構として作用する。
本発明においては、透明導電膜形成材料からなるターゲット(1)と基板間にマグネット(7)を備えたグリッド(2)を設けることを特徴とする。ターゲット−基板間にマグネット(7)付グリッド(2)を設置することで、磁場を形成し、γ電子をマグネットにより形成した磁力線に引き付けることで、基板への電子衝突によるスパッタダメージや基板チャージアップを抑制することが可能となる。特に、基板が表面に有機薄膜を有し、有機薄膜表面に透明導電膜を形成する場合において、有機薄膜のスパッタダメージを低減させ、有機薄膜上に透明導電膜を形成することができる。
本発明における磁力線とは、グリッド上に設置させたマグネットによって形成された磁力線であり、グリッド中心に対し、各マグネットの設置点において放射線状に円形をなす。本発明において、グリッド状のマグネットの極性は、グリッドの中心方向の極性がすべて同じ極性となっていればよい。
本発明におけるプラズマとは、気体を構成している原子や分子は原子核の周りに電子が捕まえられた準中性状態であり、このような気体中では放電などにより外部からエネルギーを与えてやると電子は原子核の引力を振り切り自由になり、気体は電子と原子核(正イオン)がバラバラになった状態になる。これがプラズマである。プラズマは固体、液体、気体に並ぶ物質の第4状態といわれる。
本発明におけるArイオンとは、準中性状態のAr気体を放電などによりプラズマ化させたときに形成される正イオンである。
二次電子であるγ電子はプラズマ電子がAr気体やターゲット粒子に衝突した際に放出される高エネルギーな電子である。
図2にグリッド上へのマグネットの配置図の一例を示した。図2に示したとおり、マグネット(7)は棒状であり、マグネットをグリッド(2)上に放射状に複数本並べ、且つ、マグネットの極性を放射状に並べたマグネットの中心方向に対して一致させることが好ましい。グリッド上部に同極が向かい合うようマグネットを取り付けることで、効率よく反発磁場を形成し、グリッドから一部漏れたγ電子を反発磁場による磁力線に引き付けることが可能となる。
マグネットとしては、公知の永久磁石を用いることができる。マグネットの形状としては棒状であることが好ましく、、三角柱、四角柱といった多角形の柱状であっても構わないし、円柱、楕円柱であっても構わない。また、棒状のマグネットを用いる場合には、複数の棒状のマグネットを直列につないだものであっても構わないし、複数の棒状マグネットを束ねたものであっても構わない。複数の棒状のマグネットを束ねたものをマグネットとして用いることにより、棒状のマグネットの本数を変更することで、容易にマグネットの磁束密度を変更することが可能となる。
図3に、本発明の複数の棒状マグネット(7)を束ねるためのマグネット装填治具を示した。図3に示したように、本発明のマグネット装填治具は、非磁性体に、柱状の空洞を設けた構造となっている。柱状の空洞には、棒状のマグネットを直列に1本又は複数本入れることが可能である。図3においては、1つの空洞に対し、棒状のマグネットを4本直列に並べた形で装填している。また、マグネット装填治具において、柱状の空洞は複数設けられており、各空洞にマグネットを装填することができる。マグネット装填治具は、マグネットが装填された形で、グリッド上に備えられる。
複数の棒状マグネットを極性を揃えた状態で束ねてマグネット束を作る場合、それぞれのマグネットが反発しあって束を作るのに手間がかかっていた。本願発明のマグネット装填治具を用い、必要本数のマグネットをマグネット装填治具に挿入することにより、容易に棒状マグネットを並列に複数本並べることが可能となり、マグネットの磁束密度を容易に変更することができる。
本発明のマグネット装填治具は、非磁性体からなる。非磁性体としては公知のものを使用できるが、軽量であるという点から、Al合金を用いることが好ましい。マグネット装填治具を軽量とすることにより、マグネット装填治具をグリッド上に設置した際に、マグネット及びマグネット装填治具の重さによるグリッドのたわみを低減することができる。
また、マグネット装填治具の柱状の空洞は、三角柱、四角柱といった多角形の柱状であっても構わないし、円柱、楕円柱であっても構わない。棒状マグネットの形状によって、適宜選択される。
図4に発明の透明導電膜形成方法における基板周辺部の説明図を示した。基板(1)は、マスク(15)及びマスクフレーム(16)とマグネットホルダー(14)によって挟まれ、密着した構造となっている。基板(1)は、マスクと密着した面に透明導電膜がマスクの開口形状に応じて、パターニングされる。本発明の透明導電膜形成方法にあっては、透明導電膜形成中に基板がペルチェ素子によって冷却されている。ペルチェ素子は、マグネットホルダー上に設けられる。
ペルチェ素子はかつ真空下で密着基板上部に据付けることで容易に基板及びマスク冷却が可能となる半導体素子である。ペルチェ素子を設けるにあっては装置の大幅改造が不必要であり、簡単に基板及びマスクを冷却することができる。
物体の両端に温度差を与えると、超伝導体以外なら必ず起電力が生じる。この現象をゼーベック(Seebeck)効果と呼び、これを身近に利用しているのが温度測定に用いられている熱電対(Thermocouple)である。物質の高温端と低温端に外部回路を接続すれば、この熱起電力により電流を発生させ、電力として取り出すことができる。これとは逆に二種の物質を接合して電流を流すと接合点で電流の向きに応じて可逆的に熱が発生または吸収される。これをペルチェ(Peltier)効果と呼び、先述のゼーベック効果とは表裏一体の熱電現象である。電流を反転させるだけで可逆的に加熱と冷却が可能で、応答速度も極めて遅いので、熱電冷却や電子冷熱として、半導体レーザーや高感度の赤外線検出器やCCDなどの冷却、更に半導体製造プロセスや医療機器など精密な温度制御や局所的な急速冷却が要求される分野に広く利用される。ゼーベック効果及びペルチェ効果の二つの熱−電気の変換過程を総称し熱電変換(thermoelectric conversion)と呼ぶ。
ペルチェ素子は、P型半導体とN型半導体を用いると、P型の熱電能はプラス、N型熱電能はマイナスの符号を持ち、その相対熱電能は非常に大きいので、大きな熱電効果が得られる。図5にペルチェ素子の説明断面図を示した。図5に示したように、ペルチェ素子は、セラミック基板(42)間に、P型半導体(44a)、N型半導体(44b)を金属電極(43)を介して交互にΠ型に配列することにより、冷却または吸熱の能力をもつ素子となる。この素子は電流を流して温度差を起こさせるペルチェ効果を活用しているため、ペルチェ素子と呼ばれる。
次に、本発明の有機電界発光素子の製造方法について述べる。本発明の有機電界発光素子においては、基材上に第一電極、有機発光層、第二電極がこの順に設けられている。また、第一電極・第二電極間には発光補助層として、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層等が必要に応じて設けられる。また、基材上に設けられた第一電極、有機発光層、第二電極は、両電極及び有機発光層等を環境中の水分等から保護することを目的として、封止される。封止としては、ガラスキャップ、金属キャップを基材と貼り合せる方法や、第一電極、有機発光層、第二電極が設けられた基材を、バリア層等により被覆する方法を用いることができる。
また、第一電極及び第二電極の一方は陽極であり、もう一方が陰極となる。有機電界発光素子とは、電極間に電流を流すことにより有機発光層を発光させるものであるが、発光した光を基材側から取り出す方式をボトムエミッション方式、基材と反対側から取り出す方式をトップエミッション方式という。ボトムション方式においては、有機発光層を基準として基材側の層は有機発光層で発光した光を透過させるために透明とする必要がある。すなわち、基材及び第一電極は透明性を有する必要がある。一方、トップエミッション方式の有機電界発光素子においては、有機発光層を基準として基材と反対側の層は有機発光層で発光した光を透過させるために透明とする必要がある。すなわち、第二電極は透明性を有する必要があり、また、封止によって光が遮断されないようにする必要がある。
図5にトップエミッション方式の有機電界発光素子の説明断面図を示した。図6において、基材(20)上には、第一電極として反射電極(21)がパターン形成され、反射電極(21)間には隔壁(22)が形成され、反射電極(21)上に正孔輸送層(23)、有機発光層(24a、24b、24c)がこの順で設けられ、さらに、有機発光層(24a、24b、24c)上に、電子注入性保護層(25)、第二電極として透明電極(26)が設けられている。そして、反射電極(21)、隔壁(22)、正孔輸送層(23)、有機発光層(24a、24b、24c)、電子注入性保護層(25)、透明電極(26)が設けられた基材は、バリア層(27)、樹脂層(28)、封止基材(29)で封止されている。
本発明のトップエミッション型有機電界発光素子において、基材(20)としては、ガラス基材やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチックフィルムを用いれば、巻き取りにより有機発光素子の製造が可能となり、安価に素子を提供できる。そのプラスチックフィルム材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、電極を成膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層してもよい。また、有機電界発光素子をアクティブマトリックス方式の有機電界発光素子とする場合、基板は薄膜トランジスタ(TFT)を備えたTFT基材を用いる必要がある。
有機電界発光素子の駆動方法としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、本発明の有機電界発光素子はパッシブマトリックス方式の有機電界発光素子、アクティブマトリックス方式の有機電界発光素子のどちらにも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を有機発光層を挟んで直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。薄膜トランジスタ(TFT)としては、アモルファスシリコンまたはポリシリコンの薄膜トランジスタ(TFT)が用いられている。
パッシブマトリックス方式の有機電界発光素子では、走査するストライプ状の電極数が大きくなるほど各画素における点灯時間は短くなるため、ON状態では瞬間発光輝度を大きくする必要がある。瞬間発光輝度を大きくした場合には素子寿命が低下するので、走査するストライプ上の電極数が数百〜千数百本も必要な大容量ディスプレイには適さない。対して、各アクティブマトリックス方式の有機電界発光素子では、画素毎にスイッチング素子とメモリ素子(アクティブ素子)を設けているため、1回の走査周期の間動作状態を保持することができるため、ディスプレイを大型化しても瞬間発光輝度は小さくても良く、耐久性にも優れる。また、ディスプレイなどの高速応答が要求される動画表示に有利である。
第一電極である反射電極(21)は、陽極として、Mg、Al、Cr等の金属材料を蒸着法やスパッタリング法といった真空成膜法により形成することができる。また、反射電極としては、Mg、Al、Cr等の反射電極とITO等の透明電極との2層構成としても良い。このとき、ITOは陽極界面層として設けられる。
反射電極(21)を形成後、反射電極縁部を覆うようにして反射電極間に隔壁(22)が形成される。隔壁は絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としてはポジ型であってもネガ型であってもよく、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができ、フォトリソグラフィー法により露光工程、現像工程を経て、隔壁は形成される。
そして、反射電極(21)上には、正孔輸送層(22)が設けられる。正孔輸送層形成材料としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等を用いることができる。PEDOT/PSSは水に溶解させ塗工液とし、スピンコート法等により基板上に塗工され、乾燥される。
正孔輸送層(22)上には、有機発光層(24a、24b、24c)が設けられる。有機電界発光素子をフルカラー表示させる場合には、赤色(R)、緑色(G)、B色(青)、それぞれの発光色を有する有機発光層を画素毎にパターニングする必要があり、図6においては、赤色有機発光層(24a)、緑色有機発光層(24b)、青色有機発光層(25b)を有している。有機発光層形成材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)やポリフルオレン(PF)等を用いることができる。これらの有機発光材料は、トルエン等の芳香族系有機溶媒に溶解させインキとし、印刷法を用いることにより、3色にパターニングされる。
印刷方法としては、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法等を用いることが可能であるが、中でも、凸版反転オフセット印刷法を好適に使用することができる。図8に凸版反転オフセット印刷法における印刷工程の模式図を示した。
図8において本体フレーム(51)上にあるブラン胴(52)の周囲にはブランケット(53)が装着してある。また、(54)は印刷ステージであり、印刷時には原版である凸版(59)及び被印刷基材(56)を固定する。また、印刷ステージ(54)は本体フレーム(51)上を一軸方向に移動可能になっている。また図中に示す(57)はインキである。被印刷基材には、基材上に第一電極、隔壁、正孔輸送層が予め形成されている。
印刷ステージ(54)上には凸版(59)が固定されており、ブランケット(53)には予めインキ(57)が図示しないインキ供給手段により、カーテンコート法、バーコート法、ワイヤーコート法、スリットコート法等のコーティングを用いて塗布されている(図8(a))。印刷ステージ(54)が移動しブラン胴を回転させることにより、ブランケット(53)上のインキ膜を所望のパターンのネガパターンである凸版(59)により除去され、ブランケット上のインキが所望のパターンにパターン化される(図8(b))。ついで、印刷ステージ(54)が移動しブラン胴を回転させることにより、被印刷基材(56)上にブランケット上のインキパターンが転移し、印刷工程を終了する(図8(c)、(d))。
なお、図5に記載して凸版反転オフセット印刷装置は、ブラン胴が固定され、凸版及び被印刷基材を備えたステージが移動する方式であるが、本発明の凸版反転オフセット印刷装置は、印刷時においてステージが固定されブラン胴が移動する方式であっても構わない。
本発明における印刷用ブランケットとしては、高分子フィルムやゴムのようにある程度の柔軟性を有する材料で構成されることが好ましく、シリコーンゴムをに用いることができる。
次に、有機発光層(24a、24b、24c)上に電子注入性保護層(25)を設ける。電子注入性保護層形成材料としては、CaやBa等の低仕事関数である希土類元素を用いることができ、これらの希土類元素を真空蒸着法により成膜し、電子注入性保護層を形成する。
次に、電子注入性保護層(25)上に陰極として透明電極(26)を設ける。透明電極の形成にあっては、先ほど示した本発明の透明導電膜形成方法を用いることができる。透明電極形成材料としては、ITOを好適に用いることができる。トップエミッション型の有機電界発光素子においては、透明電極を形成する際に本発明の透明導電膜形成方法を好適に用いることができる。本発明の透明導電膜形成方法は、スパッタリング法で成膜する際に、有機発光層といった有機薄膜へのダメージを低減させることができるため、発光特性に優れた有機電界発光素子を得ることができる。また、本発明の透明導電膜形成方法は成膜中のパターニング用マスクの温度上昇も抑えることができる。従って、マスクの熱膨張や熱変形を抑えることができ、透明電極を正確にパターニングすることも可能となる。なお、本発明の有機電界発光素子は、反射電極を陰極、透明電極を陽極としてもよい。
次に、反射電極(21)、隔壁(22)、正孔輸送層(23)、有機発光層(24a、24b、24c)、電子注入性保護層(25)、透明電極(26)が形成された基材(20)に対し、封止を行う。まず、基材(20)全体にバリア層(27)を形成する。
バリア層(27)としては、窒化珪素膜、酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜等を用いることができる。バリア膜はCVD法により形成される。CVD法は膜にしたい元素を含む気化させた化合物(ソースガス)をそのまま、あるいは水素・窒素などのキャリアガスと混ぜ、高温加熱した基板表面にできるだけ均一になるように送り込み、基板表面で分解、還元、酸化、置換などの化学反応を起こさせ、基材上に薄膜を作る方法である。
さらに、バリア層(27)が設けられた基材は、樹脂層(28)を介して封止基板(29)と貼りあわされる。封止基板(29)としては、透明性を有していれば良く、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラスやプラスチック材料を用いることができる。樹脂層(28)としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。
貼り合わせ方法については、加熱したロールによる圧着による方法を用いることができる。また、樹脂層として光硬化型接着性樹脂を用いた場合には、紫外光等を照射することにより貼り合せることができる。
また、本発明の有機電界発光素子においては、基材及び封止基材に可撓性のあるプラスチック基材を用いることにより、フレキシブル有機電界発光素子とすることができる。
また、本願発明の有機電界発光素子においては、両電極を透明電極とし、基材を透明基材とし、封止を透明材料によりおこなうことにより、透明有機電界発光素子とすることができる。図6に透明電界発光素子の説明断面図を示した。図6では、透明基材(30)上に第一電極として透明電極(31)が形成され、さらに、図5と同様に、隔壁(22)、正孔輸送層(23)、有機発光層(24a、24b、24c)、電子注入性保護層(25)、透明電極(26)が形成されている。さらに、透明性を有する、バリア層(27)、樹脂層(28)、封止基材(29)によって封止されている。透明有機電界発光素子においては、基板側、基板と反対側の両面から画像を表示することが可能となる。
基板としてガラス基板を用い、基板上に陽極である反射電極としてCr、陽極界面層としてITOをスパッタリング法により積層形成した。得られた基板上のCr及びITOの積層膜はフォトリソ法によりパターニングをおこない、ストライプパターンとした。次に、ストライプ状のCrの端部を覆うように、ポリイミド材料を用い、フォトリソ法により隔壁を形成した。次に、正孔輸送材料としてPEDOT/PSSを用い、これを水に溶解し塗工液とし、スピンコート法により正孔輸送層を形成した。
次に、ポリフルオレン(PF)からなる緑色有機発光材料を用い、この緑色有機発光材料をトルエンに溶解しインキとし、凸版反転オフセット印刷法によりストライプ状に有機発光層を形成した。次に、蒸着法により有機発光層上にCa及びAlを真空蒸着法によりこの順に形成した。このとき、Ca、Alからなる電子注入性保護層は、陽極のCrストライプパターンと直交するようにマスクを用いて成膜した。
次に、本発明の透明導電膜形成方法を用いて透明電極を形成した。スパッタリング装置としては、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いた、このとき、RFマグネトロンスパッタリング装置内には基板とターゲット間にマグネット付きグリッドを設け、グリッド上のマグネットは棒状であり、放射状に並べたマグネットは中心がN極となるように並べた。また、基板上と接触するようにマスクを設け、マスクはマグネットフォルダにより固定した。また、基板の透明電極成膜面との反対側にはペルチェ素子を設けた。スパッタリング条件は、ガス圧力が0.5Pa、ガス流量がAr/O=100/1.0、放電パワーが0.6kW、ターゲット−基板間距離が130mmである。このとき、透明電極であるITOは電子注入性保護層に重なるように、反射電極であるCrのストライプパターンと直交するように150cmの膜厚となるように設けた。なお、スパッタリング成膜中においてのマスク温度は50℃であった。
次に、有機電界発光素子の発光領域全面にCVD法により酸化ケイ素膜を設け、さらにエポキシ系の接着剤を介してガラス基板と貼り合わせることにより封止をおこない、トップエミッション型有機電界発光素子を得た。
得られた有機電界発光素子の素子特性は、最高輝度が2000cdm−2であり、最大電流効率は2.2cdA−1であった。
(比較例)
実施例と同様に反射電極、隔壁、正孔輸送層、有機発光層、電子注入性保護層を形成したガラス基板に対し、実施例と同様にDCマグネトロンスパッタリング装置を用い、透明電極の成膜をおこなった。ただし、DCマグネトロンスパッタリング装置において、グリッド上にマグネットを設けなかった。さらに、基板たいしてにペルチェ素子も設けなかった。なお、スパッタリングに際し、この他のスパッタリング条件は実施例と同じである。
このとき、スパッタリング中のマスク温度は60℃であり、実施例1と比較して10℃程度高い結果となった。また、透明電極が形成された基板に対し、実施例と同様に封止をおこない、有機電界発光素子を得た。得られた有機電界発光素子の最高輝度は200cdm−1であり、最大電流効率は0.05cdA−1であった。
図1は本発明の透明導電膜形成に用いるDCマグネトロンスパッタ装置の模式図である。 図2はグリッド上へのマグネットの配置図の一例である。 図3は本発明の棒状マグネットを束ねるためのマグネット装填治具である。 図4は本発明の透明導電膜形成方法における基板周辺部の説明図である。 図5はペルチェ素子の説明断面図である。 図6はトップエミッション方式の有機電界発光素子の説明断面図である。 図7は透明電界発光素子の説明断面図である。 図8は本発明の凸版反転オフセット印刷法による印刷工程の模式図である。
符号の説明
1 基板
2 グリッド
3 ターゲット
4 パッキングプレート
5 カソードマグネット
6 マグネット装填治具
7 マグネット
8 磁力線(反発磁場)
9 プラズマ
10 Arイオン
11 二次電子
12 アース
13 ペルチェ素子
14 マグネットフォルダ
15 マスク
15a マスクの開口部
16 マスクフレーム
20 基材
21 反射電極(第一電極)
22 隔壁
23 正孔輸送層
24a 赤色(R)有機発光層
24b 緑色(G)有機発光層
24c 青色(B)有機発光層
25 電子注入性保護層
26 透明電極(第二電極)
27 バリア層
28 樹脂層
29 封止基材
30 透明基材
31 透明電極
41 リード線
42 セラミック基板
43 金属電極
44a p型半導体
44b n型半導体
51 本体フレーム
52 ブラン胴
53 ブランケット
54 印刷ステージ
55 凹版
56 被転写基板
57 インキ
58 ドクターブレード
59 凸版
L 発光

Claims (7)

  1. 基板上にマスクを設け、スパッタリング法により基板上に透明導電膜をパターン形成する透明導電膜形成方法において、
    ターゲットと基板間にマグネットを備えたグリッドを設け、スパッタリング法により前記基板上にターゲット形成材料からなる透明導電膜をパターン形成することを特徴とする透明導電膜形成方法。
  2. 前記マグネットが棒状であり、該マグネットをグリッド上に放射状に複数本並べ、且つ、前記マグネットの極性を、グリッドの中心方向に対して一致させることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜形成方法。
  3. 前記複数の棒状マグネットを、非磁性体材料に空洞を設けたマグネット装填治具の空洞内に装填し、該マグネット装填治具をグリッド上に備えることを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜形成方法。
  4. 透明導電膜形成中に、前記基板がペルチェ素子によって冷却されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の透明導電膜形成方法。
  5. 基材上に第一電極と有機発光層と第二電極を少なくともこの順に備え、電極間に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機電界発光素子の製造方法において、
    第一電極若しくは第二電極の少なくとも一方を請求項1乃至4のいずれかに記載の方法によりパターン形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  6. 基材上に反射電極と有機発光層と透明電極を少なくともこの順に備え、電極間に電流を流すことにより有機発光層を発光させるトップエミッション型有機電界発光素子の製造方法において、
    透明電極を請求項1乃至4のいずれかに記載の方法により形成することを特徴とするトップエミッション型有機電界発光素子の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の有機電界発光素子の製造方法において、
    前記有機発光層形成材料をに溶媒に溶解又は分散させインキとする工程と、
    該インキを用いて凸版反転オフセット印刷法により基材上に有機発光層を形成する工程を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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