JP2007320208A - 多層フィルム - Google Patents

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Abstract


【課題】
表明の平滑性が改良されており、積層セラミックコンデンサーなどのコンデンサー製造用の離型フィルムなどの種々の用途に用いることができる多層フィルム。
【解決手段】
熱可塑性樹脂フィルム少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ウレタンアクリレート系化合物およびポリオールアクリレート系化合物ら選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルム。
【選択図】
なし

Description

本発明は表面平滑性に優れた多層フィルムに関する。
シリコーン樹脂層が積層された熱可塑性樹脂フィルムは、離型フィルムとして粘着フィルム、樹脂シート成形用の工程フィルムなどの用途に用いられている。最近では、積層セラミックコンデンサー製造用の工程フィルムとしても熱可塑性樹脂フィルム、特に、ポリエステルフィルムの上にシリコーン樹脂層が積層された離型フィルムが使用されている。
積層セラミックコンデンサーについては、近年の電子機器の小型化、高性能化が進み、工程フィルムとして使用される離型フィルムをさらに平滑にすることが求められている。しかし、ポリエステルフィルムは押出成形で得られる製品をロール状にして取り扱われるため、ポリエステルフィルム自体の平滑性を改良するには限界がある。
また、ポリエステルフィルムの片面にシリコーン樹脂を積層した離型フィルムにおいて、シリコーン樹脂と基材ポリエステルフィルムとの間の密着性を向上させるため、ポリエステルフィルムの表面に予めシランカップリング剤を架橋させたプライマ層を設けることが知られている。(特開平1−5838)
また、ポリエステルフィルムの帯電防止効果を向上させることを目的に、ポリエステルフィルムに予め主鎖にピロリジウム環を有するポリマーからなる塗布液を塗布後にシリコーン樹脂層を積層することが知られている。(特開平1−171940)さらに帯電防止性能を改良する目的で、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に水可溶性有機シラン化合物を用いた下塗り層を、その上に金属化合物と電荷移動錯体を形成しているテトラアルコキシシラン及び/またはその部分加水分解物を用いた帯電防止層を、さらにその上に硬化型シリコーンを用いた離型層を形成することも知られている。(特開平5−25302)
また、同様にポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリビニル樹脂などのバインダー樹脂と帯電防止剤とからなる帯電防止層を積層し、その上に硬化型シリコーン樹脂層を積層することが知られている。(特開2002−192661号)
更に本発明者は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルムを特許出願している。(特願2004−354732)
特開平1−5838号 特開平1−171940号 特開平5−25302号 特開2002−192661号 特願2004−354732号
本発明は、その表面にシリコーン樹脂層が積層されたポリエステルフィルムを除く熱可塑性樹脂フィルムの表面の平滑性を改良することを目的とするものである。
すなわち、本発明はポリエステルフィルムを除く熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルムに関する。
本発明によれば、積層されているシリコーン樹脂層の表面の平滑性を向上することができる。
本発明に用いられる手段を実施することにより、積層されているシリコーン樹脂層の表面の平滑性を向上することができる。
熱可塑性樹脂フィルム
本発明における熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルムを除く、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムがあり、必要に応じて一軸方向、二軸方向に延伸されたフィルムが用いられる。
硬化樹脂層
本発明に用いられる硬化樹脂層は、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成される。
本発明に用いられるエポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリル系化合物は活性エネルギー線により重合して硬化する化合物である。
エポキシアクリレート系化合物
本発明で用いられるエポキシアクリレート系化合物はエポキシ化合物と不飽和カルボン酸とを反応させて得られるものである。反応は通常エポキシ基1当量あたり、カルボキシル基当量0.5〜1.5となるような割合で行われ、通常エポキシ基への酸の開環付加反応によって製造させた化合物である。このような化合物の重量平均分子量は通常約300〜2,000である。
このような不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸が代表的なものとして挙げられる。なお、不飽和カルボン酸は、その一部または大部分を飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、飽和ジカルボン酸無水物、飽和トリカルボン酸、不飽和トリカルボン酸、不飽和トリカルボン酸無水物などで置き換えることも必要に応じて行われる。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ、フェノール性ノボラック型エポキシ等が代表的なものとして挙げられる。エポキシアクリレート系化合物は、一般に粘度低下剤としてのモノマーや有機溶剤に溶解して用いられる。
エポキシアクリレート系化合物として具体的には、リポキシVR−77、VR−90、VR−60、SP−1506、SP−1509、SP−1519、SP−1563(以上、昭和高分子社製)、CN−104、CN−116、CN−118、CN−119、CN−120、CN−124(サートマー社製)、ビスコート540(大阪有機化学工業社製)、EA−1020、EA−1025、EA−1026、EA−1028(以上、新中村化学工業社製)、Ebecryl600、2958,3700,3701,3708,6040(以上、ダイセル・ユーシービー社製)、カヤラッドR−280、R−190(何れも商品名、日本化薬製)、などがある。
これらは、Ebecryl 600、Ebecryl 3700等のビスフェノールAタイプのエポキシアクリレート、Ebecryl3200、Ebecryl 3500、Ebecryl 3701、Ebecryl 3703等の変性ビスフェノールAタイプのエポキシアクリレート、NKオリゴEA−6320、EA−6340(何れも商品名、新中村化学製)等のフェノールノボラックエポキシアクリレート等に分類される。
粘度低下剤としてのモノマーには、アクリル酸エステル、ビニルベンゼン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、グリシジルメタクリレートなどが例示される。
粘度低下剤としての有機溶媒には、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類が例示される。これらの粘度低下剤は2種以上を併用してもよい。
ポリエステルアクリレート系化合物
ポリエステルアクリレート系化合部には、ジカルボン酸と多価アルコールを付加させたポリエステルのアクリレートまたはメタクリレートがある。ジカルボン酸には、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、これらの無水物などが例示される。多価アルコールにはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサトリオール、ペンタエリスリトールなどが例示される。
またポリエステルアクリレート系を、ジカルボン酸を2−ヒドロキシエチルアクリレートなどと反応させ、次いで反応生成物をエチレンオキサイドと反応させ、更にアクリル酸または無水アクリル酸と反応させて調製することも行われる。
ポリエステルアクリレート系化合物として具体的には、アロニックスM−6100、6200、6500、7100、8030、8560(以上、東亞合成社製)がある。
ポリオールアクリレート系化合物
ポリオールアクリレート系化合物には、ヘキサンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンのテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリルレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジアクリレート、多価アルコール(トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなど)にアルキレンオキサイドを付加させたヒドロキシポリエーテルのアクリレートが例示される。
また、これらのアクリレートのその一部または全部をメタクリレートとした化合物も例示される。
ポリオールアクリレート系化合物に以下の市販品がある。
Sartomer SR355 (クレイバレイ社より販売。トリメチロールプロパンテトラアクリレート)
NKエステルA−TMM−3L (新中村化学(株)製 テトラメチロールメタントリアクリレート)
ウレタンアクリレート系化合物
ウレタンアクリレート系化合物は有機ジイソシアネートと水酸基を有する有機ジオール及びヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートとをNCO/OHの比が0.9〜1.0になるような割合で、通常の方法により製造させたものであり、例えばジブチル錫ジラウレートなどのウレタン化触媒の存在下で有機ジイソシアネートと有機ジオールとでイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを生成させ、次いでほとんどの遊離イソシアネート基が反応するまでヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートを反応させることにより製造することが出来る。
また、ヒドロキシルアルキルアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートと有機ジイソシアネートを反応させて、1分子あたり1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートのプレポリマーを製造し、そのプレポリマーと有機ジオールを反応させる方法でも製造することができる。
なお、有機ジオールとヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートの割合は、後者1モルに対し、前者0.1〜0.5モル程度が通常であり、またウレタンアクリレート系化合物の重量平均分子量は通常約500〜10,000である。
なお、有機ジイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートなどの有機ジイソシアネートが使用でき、特にトルエンジイソシアネートの2,4−および2,6−異性体の混合物が好適である。
前記有機ジオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレンジオール、ジカルボン酸又はその無水物のジエステル反応生成物であるジエステルジオールが代表的なものとして挙げられる。
ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートとしては、一般式
CH=C(R)C(O)−O−(CH−OH
(但し、Rは−H又は−CH3、nは2〜8の整数)で示される化合物が好適である。
このようなウレタンアクリレート系化合物は得られる塗膜の柔軟性、伸び性、基材に対する密着性などの性質に関与する。
ウレタンアクリレート系化合物としては、U−4HA、U−6LPA (新中村化学(株)製)がある。
硬化樹脂層の形成
硬化樹脂層は、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布し、活性エネルギー線により硬化させて形成される。
この硬化樹脂層には、本発明の範囲内で、必要に応じてシリカ等の公知の無機微粒子を配合することもできる。
これらの重合性化合物は通常は有機溶剤で希釈して用いられる。有機溶剤は、特に限定されないが、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エトキシエタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、これらの混合溶媒が例示される。
これらの重合性化合物の有機溶剤希釈溶液を熱可塑性樹脂フィルムの表面に塗布する方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式などのグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーターなどのリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーターなどの種々の公知の塗工機を用いることができる。
これら重合性化合物の溶液の塗布は、塗布後の厚さが0.1〜5μmとなるようにその濃度を調節して塗布することが望ましい。
これらの重合性化合物の溶液には、光重合開始剤が配合されていることが望ましい。光重合開始剤には、アセトフェノン、アセトフエノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフエニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4
−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−tert−ブチルパーオキシカルボニル
ベンゾフエノン(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルなどが挙げられる。
光重合開始剤は色素増感剤と組合せて用いてもよい。色素増感剤としては、例えば、キサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンなどが挙げられる。
光重合開始剤と色素増感剤との組合せとしては、例えばBTTBとキサンテンとの組合せ、BTTBとチオキサンテンとの組合せ、BTTBとクマリンとの組合せ、BTTBとケトクマリンとの組合せなどが挙げられる。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、それぞれチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)から販売されている“IRGACURE651”、“IRGACURE 184”、“IRGACURE 500”、“IRGACURE1000”、“IRGACURE 2959”、“DAROCUR 1173”、などを挙げることができる。
これらの光重合開始剤、色素増感剤は、シリコーン樹脂層を形成する際の硬化阻害する物質は避けることが望ましい。例えば、白金触媒を用いる場合、窒素、リン、硫黄、鉛、錫などを含む化合物は避けることが望ましい。
光重合開始剤を用いる場合、用いられる重合性化合物100重量部に対して通常0.1ないし20重量部程度である。この使用量があまり少ないと、光重合開始剤を使用しない場合と比較して硬化速度が大きくならない傾向にある。
重合性化合物を塗布した後、必要に応じて乾燥し、次いで、形成された塗膜に活性エネルギー線を照射することにより、硬化樹脂層が形成された熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。
活性化エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線などが挙げられ、使用する活性化エネルギー線や硬化性化合物の種類に応じて適宜選ぶことができる。
照射する活性化エネルギー線の強度や照射時間は、用いる硬化性化合物の種類、硬化性化合物を含有する塗膜の厚さなどに応じて適宜選ぶことができる。活性化エネルギー線は、不活性ガス雰囲気中で照射してもよく、この不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが例示される。
硬化樹脂層の膜厚は通常0.01〜5μmであり、特に0.01〜2μmの膜厚みが好適である。硬化樹脂層の厚さが厚くなると、硬化樹脂の重縮合反応により、硬化樹脂層内に残留応力が生じる。このため基材フィルムと硬化樹脂層との間の密着性の低下が生じる。さらに硬化樹脂層はその収縮によりカールが発生しハンドリング性が好ましくない傾向となる。
また、熱可塑性樹脂フィルムへの硬化樹脂層の密着性を高めるために、フィルムの表面に接着層を設けて、接着層の上に硬化樹脂層を設けてもよい。
シリコーン樹脂層
硬化樹脂層の上には、引き続きシリコーン樹脂層が積層される。
使用されるシリコーン樹脂は、種々の用途に応じて選ばれる。例えば、離型フィルム基材への密着性、離型工程の際の剥離強度の安定性、シリコーン樹脂成分の非移行性を勘案して、熱、紫外線、電子線等による硬化反応にて得られるシリコーン樹脂であることが望ましい。また、1分子中に珪素原子に直結するアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、1分子中に珪素原子に直結する水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサンとの付加反応にて得られるシリコーン樹脂であることが望ましい。
具体的なオルガノポリシロキサンの例としては、ジメチルアルケニルシロキシ基末端封鎖ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルアルケニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、シラノール基末端封鎖メチルアルケニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、ジメチルアルケニルシロキシ基末端封鎖メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、ジメチルアルケニルシロキシ基末端封鎖ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、等が挙げられる。
また、具体的なオルガノハイドロジエンポリシロキサンの例としては、ジメチルハイドロジエンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体、ジメチルフェニルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジエンポリシロキサン、環状メチルハイドロジエンポリシロキサン等が挙げられる。
尚、シリコーン樹脂を形成するに当たって、本成分の使用量は、前記のオルガノポリシロキサン成分100重量部に対して、前記のオルガノハイドロジエンポリシロキサン成分は通常0.2〜40重量部であり、これらを熱による付加反応を促進させるためには白金系触媒等を共存させ、また、紫外線による付加反応を促進させるためには光重合開始剤等を共存させることにより、比較的速やかに硬化反応を達成でき、目的とするシリコーン樹脂層を形成することができる。
このシリコーン樹脂には、本発明の範囲内で、必要に応じて公知の反応制御剤、シリカ等の無機充填剤、または、顔料を更に配合することもできる。
シリコーン樹脂層の厚さは通常0.01〜5μmであり、好ましくは0.05〜1μmである。
例えば、この範囲内にあれば、離型フィルム基材への密着性、離型工程の際の剥離強度の安定性、シリコーン樹脂成分の非移行性の点で性能の調整が可能であり、これにより目的とする優れた離型フィルムを得ることができる。
シリコーン樹脂層はコーティング法により設けることができるが、その場合、形態的には、溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型のいずれかの方法をとり得ることができる。ただし、シリコーン樹脂の薄膜を均一に形成させるためには、溶剤型またはエマルジョン型が望ましく、硬化型シリコーン樹脂成分のポットライフの点からも、溶剤型またはエマルジョン型が望ましい。
シリコーン樹脂の熱可塑性樹脂フィルムへのコーティングの方法は、溶剤型、エマルジョン型、無溶剤のいずれの形態をとるかによっても異なるが、例えば、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、バーコート法、スプレーコート法等何れの方法も採用することができ、中でも、ロールコーティング法は高速度で均一被膜を成形する方法として適している。
溶剤型およびエマルジョン型の形態を有する熱硬化型のシリコーン樹脂をコーティングする場合、コーティングされたシリコーン樹脂の溶液または水分散液は乾燥工程へと移されるが、その際の乾燥温度は50〜150℃の範囲であればよく、70〜130℃の範囲が好ましい。
一方、溶剤型およびエマルジョン型の形態を有する紫外線または電子線硬化型のシリコーン樹脂をコーティングする場合には、乾燥工程の後に紫外線または電子線の照射工程を有しているため、その乾燥は、溶剤または水の乾燥除去に必要な最低温度にて実施しても差し支えない。
シリコーン樹脂の密着性を高めるために、シリコーン樹脂のコーティング前に、熱可塑性樹脂フィルムの硬化樹脂層の面側にコロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理等の表面活性化処理、あるいはアンカー処理剤を用いたアンカーコーティング処理を施してもよい。
さらに必要に応じて、多層フィルムの表面上(ただし、シリコーン樹脂層と反対面側)に、他のフィルムをアンカー処理剤や接着剤を介して積層したり、あるいは、印刷層や帯電防止剤層を設けたりして使用することができる。
(実施例)
次に本発明を実施例を通して説明するが、本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)サンプルの調製
下記の重合性化合物と開始剤を酢酸エチルで溶解した溶液として調製し、幅210mm×長さ290mm(A4サイズ)の二軸延伸ポリプロピレンフィルムOPPフィルム(ME−1 東セロ(株)製、フィルム厚み20μm )のコロナ処理面に、メーヤーバNo.3を用いて塗工し、40℃のオーブンで30秒乾燥させ、さらに紫外線照射(120W/cm、1000mJ/cm2)して硬化させ塗工膜とした。
サンプル
重合性化合物:ビスフェノーAタイプエポキシアクリレート系化合物
CH=CHCOOCHCH(OH)CH0−φ−C(CH−φ−OCHCH(OH)CHOOCCH=CH *1 (溶液中の濃度50質量%)
開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン*2
(溶液中の濃度2.5質量%)
*1 NKオリゴ EA−1020(新中村化学工業社製 分子量540)
*2 イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
次に、シリコーン(KS−847 信越化学(株)製)を、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒(7/3重量比)に溶解し、触媒(PL−50T 信越化学(株)製)を添加して調整した溶液を、上記フィルムの塗工膜の上に、メーヤーバーNo.4を用いて塗工する。その後、100℃のオーブンで30秒乾燥させ、0.1g/mの塗工膜を形成させ、40℃で数十時間エージングしてサンプルを作製した。
(2)剥離力[N/50mm]
上記のサンプルを水平台の上に塗工膜面を上にして載置し、その塗工膜側に粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)を貼り付けて200mm×50mmの大きさにカットする。さらに、その粘着テープの上から20g/cmとなるように荷重を載せ、70℃で20時間エイジングした。
その後、引張試験機にて引張速度300mm/分で180°剥離を行い、剥離が安定した領域における平均剥離荷重を粘着テープ幅で除した値を剥離力として求めた。
(3)残留接着率[%]:
上記の各サンプルを水平台の上に塗工膜面を上にして載置し、その塗工膜側に粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)を貼り付けて200mm×50mmの大きさにカットし、さらにその粘着テープの上から20g/cmとなるように荷重を載せ、70℃で20時間エイジングした。その後、離型フィルムを剥がし、粘着テープをステンレス板に2kgゴムローラーにて3往復圧着し、70℃で2時間加熱処理する。次いで、粘着テープをステンレス板から引張試験機にて引張速度300mm/分、180°剥離を行い、その時の剥離力Fを測定する。また、粘着テープ「No.31B」を直接ステンレス板に同条件で貼り合せ、剥離した際の剥離力Fも測定し、Fに対するするFの百分率(F/F×100)を残留接着率として求めた。
(4)移行量
上記の(2)剥離力のテストで得られた粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)の表面側に付着して移行した珪素元素量を測定し、フィルムの上に直接シリコーンを塗工したサンプルの剥離力テストで得られる粘着テープの表面に付着した珪素元素量に対する割合(%)で評価した。
珪素元素量の測定は、粘着テープ表面に付着した珪素元素の蛍光X線強度(単位:kcps)の値を用いた。なお、測定には蛍光X線装置は、Rigaku製の蛍光X線分析装置3270を使用し、下記の条件で測定した。

スペクトル:Kα
フィルタ:OUT
ダイアフラム:30mm
アッテネータ:1/1
スリット:COARSE
分光結晶:PET
検出器:PC
PHA:100−300
印加電圧・電流:50kV−50mA
(5)表面粗さ(中心面平均粗さRa)
フィルムの塗工膜の表面粗さRaは、表面形状測定装置NT1100(Wyko社製)を用い、任意の5点について測定し、その平均値とした。なお、条件は次の通り。

内部レンズ:0.5倍
対物レンズ:50倍
測定方式:EVSI
実施例1および比較例
上記のサンプル1を用いて、上記の(2)から(5)について測定した。
また、上記のサンプル1において、硬化樹脂層を省略した場合(比較例)についても同様に測定した。結果を表1に示す。

表1
実施例 1 比較例
サンプル名 サンプル1 −
表面粗さ Ra[nm] 29 40
剥離力 [N/50mm] 0.11 0.12
残留接着力[%] 99 98
移行量 [%] 100 −
本発明の多層フィルムは、表面の平滑性が改良されているので、コンデンサー、中でも積層セラミックコンデンサーの製造工程で用いられる離型フィルムなどの多種の用途に用いることができる。

Claims (2)

  1. ポリエステルフィルムを除く熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルム。
  2. 厚さ1〜300μmのポリエステルフィルムを除く熱可塑性樹脂フィルムであって、厚さ0.1〜5μmの硬化樹脂層および厚さ0.01〜5μmのシリコーン樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の多層フィルム。

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