JP2007320208A - 多層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】
表明の平滑性が改良されており、積層セラミックコンデンサーなどのコンデンサー製造用の離型フィルムなどの種々の用途に用いることができる多層フィルム。
【解決手段】
熱可塑性樹脂フィルム少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ウレタンアクリレート系化合物およびポリオールアクリレート系化合物ら選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルム。
【選択図】
なし
Description
更に本発明者は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルムを特許出願している。(特願2004−354732)
本発明における熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルムを除く、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムがあり、必要に応じて一軸方向、二軸方向に延伸されたフィルムが用いられる。
本発明に用いられる硬化樹脂層は、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成される。
本発明で用いられるエポキシアクリレート系化合物はエポキシ化合物と不飽和カルボン酸とを反応させて得られるものである。反応は通常エポキシ基1当量あたり、カルボキシル基当量0.5〜1.5となるような割合で行われ、通常エポキシ基への酸の開環付加反応によって製造させた化合物である。このような化合物の重量平均分子量は通常約300〜2,000である。
粘度低下剤としての有機溶媒には、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類が例示される。これらの粘度低下剤は2種以上を併用してもよい。
ポリエステルアクリレート系化合部には、ジカルボン酸と多価アルコールを付加させたポリエステルのアクリレートまたはメタクリレートがある。ジカルボン酸には、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、これらの無水物などが例示される。多価アルコールにはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサトリオール、ペンタエリスリトールなどが例示される。
ポリオールアクリレート系化合物には、ヘキサンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンのテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリルレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジアクリレート、多価アルコール(トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなど)にアルキレンオキサイドを付加させたヒドロキシポリエーテルのアクリレートが例示される。
Sartomer SR355 (クレイバレイ社より販売。トリメチロールプロパンテトラアクリレート)
NKエステルA−TMM−3L (新中村化学(株)製 テトラメチロールメタントリアクリレート)
ウレタンアクリレート系化合物は有機ジイソシアネートと水酸基を有する有機ジオール及びヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートとをNCO/OHの比が0.9〜1.0になるような割合で、通常の方法により製造させたものであり、例えばジブチル錫ジラウレートなどのウレタン化触媒の存在下で有機ジイソシアネートと有機ジオールとでイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを生成させ、次いでほとんどの遊離イソシアネート基が反応するまでヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシメタクリレートを反応させることにより製造することが出来る。
CH2=C(R)C(O)−O−(CH2)n−OH
(但し、Rは−H又は−CH3、nは2〜8の整数)で示される化合物が好適である。
このようなウレタンアクリレート系化合物は得られる塗膜の柔軟性、伸び性、基材に対する密着性などの性質に関与する。
硬化樹脂層は、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布し、活性エネルギー線により硬化させて形成される。
この硬化樹脂層には、本発明の範囲内で、必要に応じてシリカ等の公知の無機微粒子を配合することもできる。
−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−tert−ブチルパーオキシカルボニル
ベンゾフエノン(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルなどが挙げられる。
光重合開始剤を用いる場合、用いられる重合性化合物100重量部に対して通常0.1ないし20重量部程度である。この使用量があまり少ないと、光重合開始剤を使用しない場合と比較して硬化速度が大きくならない傾向にある。
硬化樹脂層の上には、引き続きシリコーン樹脂層が積層される。
例えば、この範囲内にあれば、離型フィルム基材への密着性、離型工程の際の剥離強度の安定性、シリコーン樹脂成分の非移行性の点で性能の調整が可能であり、これにより目的とする優れた離型フィルムを得ることができる。
次に本発明を実施例を通して説明するが、本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではない。
下記の重合性化合物と開始剤を酢酸エチルで溶解した溶液として調製し、幅210mm×長さ290mm(A4サイズ)の二軸延伸ポリプロピレンフィルムOPPフィルム(ME−1 東セロ(株)製、フィルム厚み20μm )のコロナ処理面に、メーヤーバNo.3を用いて塗工し、40℃のオーブンで30秒乾燥させ、さらに紫外線照射(120W/cm、1000mJ/cm2)して硬化させ塗工膜とした。
重合性化合物:ビスフェノーAタイプエポキシアクリレート系化合物
CH=CHCOOCH2CH(OH)CH20−φ−C(CH3)2−φ−OCH2CH(OH)CH2OOCCH=CH2 *1 (溶液中の濃度50質量%)
開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン*2
(溶液中の濃度2.5質量%)
*1 NKオリゴ EA−1020(新中村化学工業社製 分子量540)
*2 イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
上記のサンプルを水平台の上に塗工膜面を上にして載置し、その塗工膜側に粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)を貼り付けて200mm×50mmの大きさにカットする。さらに、その粘着テープの上から20g/cm2となるように荷重を載せ、70℃で20時間エイジングした。
その後、引張試験機にて引張速度300mm/分で180°剥離を行い、剥離が安定した領域における平均剥離荷重を粘着テープ幅で除した値を剥離力として求めた。
上記の各サンプルを水平台の上に塗工膜面を上にして載置し、その塗工膜側に粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)を貼り付けて200mm×50mmの大きさにカットし、さらにその粘着テープの上から20g/cm2となるように荷重を載せ、70℃で20時間エイジングした。その後、離型フィルムを剥がし、粘着テープをステンレス板に2kgゴムローラーにて3往復圧着し、70℃で2時間加熱処理する。次いで、粘着テープをステンレス板から引張試験機にて引張速度300mm/分、180°剥離を行い、その時の剥離力Fを測定する。また、粘着テープ「No.31B」を直接ステンレス板に同条件で貼り合せ、剥離した際の剥離力F0も測定し、F0に対するするFの百分率(F/F0×100)を残留接着率として求めた。
上記の(2)剥離力のテストで得られた粘着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)の表面側に付着して移行した珪素元素量を測定し、フィルムの上に直接シリコーンを塗工したサンプルの剥離力テストで得られる粘着テープの表面に付着した珪素元素量に対する割合(%)で評価した。
珪素元素量の測定は、粘着テープ表面に付着した珪素元素の蛍光X線強度(単位:kcps)の値を用いた。なお、測定には蛍光X線装置は、Rigaku製の蛍光X線分析装置3270を使用し、下記の条件で測定した。
スペクトル:Kα
フィルタ:OUT
ダイアフラム:30mm
アッテネータ:1/1
スリット:COARSE
分光結晶:PET
検出器:PC
PHA:100−300
印加電圧・電流:50kV−50mA
フィルムの塗工膜の表面粗さRaは、表面形状測定装置NT1100(Wyko社製)を用い、任意の5点について測定し、その平均値とした。なお、条件は次の通り。
内部レンズ:0.5倍
対物レンズ:50倍
測定方式:EVSI
上記のサンプル1を用いて、上記の(2)から(5)について測定した。
また、上記のサンプル1において、硬化樹脂層を省略した場合(比較例)についても同様に測定した。結果を表1に示す。
表1
実施例 1 比較例
サンプル名 サンプル1 −
表面粗さ Ra[nm] 29 40
剥離力 [N/50mm] 0.11 0.12
残留接着力[%] 99 98
移行量 [%] 100 −
Claims (2)
- ポリエステルフィルムを除く熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、エポキシアクリレート系化合物、ポリエステルアクリレート系化合物、ポリオールアクリレート系化合物およびウレタンアクリレート系化合物から選ばれた少なくとも1種類の重合性化合物を活性エネルギー線により硬化させてなる硬化樹脂層およびシリコーン樹脂層がこの順に積層されてなる多層フィルム。
- 厚さ1〜300μmのポリエステルフィルムを除く熱可塑性樹脂フィルムであって、厚さ0.1〜5μmの硬化樹脂層および厚さ0.01〜5μmのシリコーン樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の多層フィルム。
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