JP2007320174A - 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 - Google Patents

液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップ部内の負圧を迅速に回復させるためにノズル開口部から吐出されるインク等の液体の消費を大幅に削減することができる液体噴射装置等を提供すること。
【解決手段】液体を吐出するノズル開口部と、ノズル開口部を備えるノズル形成部21と、を有する液体噴射ヘッド20と、ノズル開口部を覆うようにノズル形成部に対して配置させるキャップ部17と、キャップ部内の液体を吸引するためのポンプ部19と、を有し、液体噴射ヘッドは、ターゲットに液体を吐出するためのターゲット用液体噴射ヘッド22と、キャップ部内に液体を吐出するためのキャップ部用液体噴射ヘッド23と、を有し、ポンプ部には、ポンプ部により吸引された液体を収容する廃液タンク31が接続され、
廃液タンクには、廃液タンクに収容された廃液をキャップ部用液体噴射ヘッドに供給するための廃液供給部34が形成されている液体噴射装置10。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録用紙等に対して印字等をするための液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法に関するものである。
従来より、インクジェット式記録装置は、記録用紙等にインクを吐出するためのインクジェット式記録ヘッドを有している。このインクジェット式記録ヘッドは、ノズルを介してインクを記録用紙等に吐出するため、ノズル近傍においてインクが増粘したり、ノズル内に気泡が混入したりして、インクの吐出が良好に行えなくなるおそれがあった。
このため、インクジェット式記録装置には、これらの現象を回避するためヘッドクリーニング機構が備えられている。
ヘッドクリーニング機構は、ノズルを覆うように配置されるキャップ部と、このキャップ部内を負圧にするためのポンプを有し、負圧状態となったノズル近傍等のインクをポンプで吸引し、クリーニングを行う構成となっている。さらに、ノズルが形成されているノズルプレートに付着したインクをワイパー部材で払拭する構成ともなっている。
このようにクリーニング装置がキャップ部内を負圧状態にしているときに、キャップ部をノズルプレートから離間させると、急激な圧力変化により、気泡等がノズル内に戻りやすくなる。
このため、ポンプによる気泡等の吸引が終了した後、直ちにキャップ部をノズルプレートから離間させずに、キャップ部内の圧力が負圧状態から大気圧状態に戻るまで待機する待機工程を経る必要があった。しかし、これでは印刷時間が短縮できないという問題があった。
そこで、従来は、以下に述べる特許文献1のヘッドキャップ5(キャップ部に相当)内の圧力を負圧状態から大気圧状態に戻す時間を短縮するため、ポンプによる気泡等の吸引が終了した後、ヘッドキャップ5をノズルプレートに接触させた状態で、ノズルからインクを吐出する工程を行っている(例えば、特許文献1)。
このようにノズルからインクを吐出させることで、ヘッドキャップ5内の負圧は急速に大気圧に戻り、インクジェット式記録装置の印刷時間を短縮するする構成となっていた。
特開2004−160733号公報(段落「0012」等)
しかし、このようにキャップ部内の負圧を大気圧に回復させるために、その都度、ノズルからインクを吐出するのでは、インクの消費が大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、キャップ部内の負圧を迅速に回復させるためにノズル開口部から吐出されるインク等の液体の消費を大幅に削減することができる液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、液体を吐出するノズル開口部と、前記ノズル開口部を備えるノズル形成部と、を有する液体噴射ヘッドと、前記ノズル開口部を覆うように前記ノズル形成部に対して配置させるキャップ部と、前記キャップ部内の液体を吸引するためのポンプ部と、を有する液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドは、ターゲットに液体を吐出するためのターゲット用液体噴射ヘッドと、前記キャップ部内に液体を吐出するためのキャップ部用液体噴射ヘッドと、を有し、前記ポンプ部には、前記ポンプ部により吸引された液体を収容する廃液タンクが接続され、前記廃液タンクには、前記廃液タンクに収容された廃液を前記キャップ部用液体噴射ヘッドに供給するための廃液供給部が形成されていることを特徴とする液体噴射装置により達成される。
前記構成によれば、キャップ部内に液体を吐出するためのキャップ部用液体噴射ヘッドと、キャップ部内の液体を吸引するためのポンプ部とを有し、廃液タンクには、廃液タンクに収容された廃液をキャップ部用液体噴射ヘッドに供給するための廃液供給部が形成されている。
このため、ポンプ部により吸引された液体である廃液が廃液タンクに収容され、この廃液タンクに収容された廃液がキャップ部用液体噴射ヘッドに供給されることになる。
つまり、キャップ部内の負圧を例えば、大気圧まで迅速に回復させるために、キャップ部用液体噴射ヘッドから液体をキャップ部内に吐出し、液体を消費しても、この液体は廃液を使用しているため、ターゲットに印画等するための液体は消費されない。
したがって、キャップ部内の負圧を迅速に回復させるためにノズル開口部から吐出されるインク等の液体の消費を大幅に削減することができる液体噴射装置を提供することができる。
好ましくは、前記ターゲットに吐出するための液体を収容する液体収容部が配置され、前記液体収容部内の液体は、前記ターゲット用液体噴射ヘッドにのみ供給され、前記ターゲット用液体噴射ヘッドの前記ノズル形成部及び前記ノズル開口部には、それぞれ、ターゲット用ノズル形成部及びターゲット用ノズル開口部が形成され、前記キャップ部用液体噴射ヘッドの前記ノズル形成部及び前記ノズル開口部には、それぞれ、キャップ部用ノズル形成部及びキャップ部用ノズル開口部が形成されていることを特徴とする液体噴射装置である。
前記構成によれば、ターゲットに吐出するための液体を収容する液体収容部内の液体は、ターゲット用液体噴射ヘッドにのみ供給され、ターゲット用液体噴射ヘッドのノズル形成部及びノズル開口部には、それぞれ、ターゲット用ノズル形成部及びターゲット用ノズル開口部が形成され、キャップ部用液体噴射ヘッドのノズル形成部及びノズル開口部には、それぞれ、キャップ部用ノズル形成部及びキャップ部用ノズル開口部が形成されている

このため、液体収容部内の液体は、キャップ部内の負圧回復のための液体の吐出に決して使用されないため、キャップ部内の負圧を迅速に回復させるためにノズル開口部から吐出されるインク等の液体の消費を大幅に且つ確実に削減することができる。
好ましくは、前記キャップ部用液体噴射ヘッドから吐出される液体量が、前記ターゲット用液体噴射ヘッドから吐出される液体量より大となっていることを特徴とする液体噴射装置である。
前記構成によれば、キャップ部用液体噴射ヘッドから吐出される液体量が、ターゲット用液体噴射ヘッドから吐出される液体量より大となり、通常より多くの吐出量とすることができるので、極めて迅速にキャップ部内の負圧を回復させることができる。
好ましくは、前記廃液タンクは、前記液体収容部と並べて配置されていることを特徴とする液体噴射装置である。
前記構成によれば、廃液タンクは、液体収容部と並べて配置するので、廃液タンクを配置しても、機器全体が大型化することを最小限に抑えることができる。
好ましくは、前記廃液タンクには、前記廃液タンク内の廃液を収容する廃液収容部が接続されていることを特徴とする液体噴射装置である。
前記構成によれば、廃液タンクには、廃液タンク内の廃液を収容する廃液収容部が接続されている。このため、廃液タンク内の廃液をキャップ部用液体噴射ヘッドを介して再利用した後、廃液収容部に収容することで廃液の不必要な循環を回避することができる。
好ましくは、前記廃液収容部には、廃液を吸収するための廃液吸収材が配置されていることを特徴とする液体噴射装置である。
前記構成によれば、廃液収容部には、廃液を吸収するための廃液吸収材が配置されているので、廃液を安定的に保管することができる。
前記課題は、本発明によれば、液体を吐出するノズル開口部と、前記ノズル開口部を備えるノズル形成部と、を有する液体噴射ヘッドと、前記ノズル開口部を覆うように前記ノズル形成部に対して配置させるキャップ部と、前記キャップ部内の液体を吸引するためのポンプ部と、を有し、前記液体噴射ヘッドは、ターゲットに液体を吐出するためのターゲット用液体噴射ヘッドと、前記キャップ部内に液体を吐出するためのキャップ部用液体噴射ヘッドと、を有し、前記ポンプ部には、前記ポンプ部により吸引された液体を収容する廃液タンクが接続され、前記廃液タンクには、前記廃液タンクに収容された廃液を前記キャップ部用液体噴射ヘッドに供給するための廃液供給部を有する液体噴射装置のクリーニング方法であって、前記ターゲットに液体を吐出する際には、前記ターゲット部用液体噴射ヘッドから液体を吐出し、前記液体噴射ヘッドに前記キャップ部を配置し、前記ポンプ部で前記キャップ部内を負圧状態とし、液体を吸引した後の負圧解除工程では、前記キャップ部用液体噴射ヘッドから、液体を吐出することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法により達成される。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の液体噴射装置の実施の形態にかかるインクジェット式記録装置(以下「記録装置」という)10を示す概略斜視図であり、図2は、図1の記録装置10の主要部を示す概略図である。
図1に示すように、記録装置10は、ケース本体11を有し、ケース本体11上にはキャリッジ12が配置されている。このキャリッジ12は、キャリッジモータ13により駆動されるタイミングベルト14よって図1の左右方向である矢印X方向に沿って往復運動可能な構成となっている。
つまり、キャリッジ13は、ガイド軸15に案内されてプラテン16に長手方向に沿って移動される。
このプラテン16上には、ターゲットである例えば、記録用紙(図示せず)が配置され、この記録用紙に対して液体噴射ヘッドである例えば、インクジェット式記録ヘッド20(以下「記録ヘッド」という)が配置される構成となっている。
この記録ヘッド20は、図1のキャリッジ12の下面(プラテン16側)に配置され、キャリッジ12の往復運動と同期して図1の矢印X方向に沿って往復運動をする構成となっている。
この記録ヘッド20は、液体である例えば、インクを吐出するノズル(ノズル開口部の一例)を備えるノズルプレート21(ノズル形成部の一例)を、図2に示すように有している。このため、記録ヘッド20は、インクをノズルから吐出する構成となっている。
ところで、図1に示すように、記録装置10のプラテン16には、上述のように記録用紙が配置され、記録ヘッド20によって、記録用紙に印字等がされる領域である印字領域Pが形成されている。
また、印字領域Pの図1における右側には、記録ヘッド20のノズル及びノズルプレート21等をクリーニングするためのホームポジションHが形成されている。
ホームポジションHは、図1に示すように、キャップ部17とブレード部18とを有している。キャップ部17は、図2に示すように、ノズルプレート21に対して配置され、ノズルを覆うように配置される構成となっている。
すなわち、図2に示すように、キャップ部17は矢印Y方向に上下動することでノズルプレート21に対して当接し、又は離間する構成となっている。
具体的には、キャップ部17がノズルプレート21に対して当接すると、キャップ部17内はノズルプレート21との関係で閉空間となる。一方、キャップ部17がノズルプレート21から離間した場合は、キャップ部17内は開放状態となる。
また、キャップ部17には、キャップ部17内のインク等を吸引するポンプ部15が接続され、このポンプ部15が駆動することで、キャップ部内17のインク等が吸引される。
具体的には、キャップ部17内にはキャップ部吸収材17aが配置されているので、ポンプ部19は、インク等をキャップ部吸収材17aを介して吸引する構成となっている。
ここで、ポンプ部19を用いた記録ヘッド20のクリーニングについて説明する。
図1の印字領域Pで、記録用紙に対して印字等をしていた記録ヘッド20は、ノズルからインクを吐出するため、ノズルプレート21にインク等が付着し、そのまま、印字等を行うと、インクが飛行曲がり等を起こし、印字不良等の原因となってしまう。
そこで、例えば、印字等を行った後、記録ヘッド20はキャリッジ12の移動により、図1のホームポジションHに移動する。
すると、図2に示すように、キャップ部17が矢印Y方向に沿って上昇し、キャップ部17がノズルプレート21に当接し、キャップ部17内部には閉空間Iが形成される。
この状態で、図2のポンプ部19を駆動させ、吸引すると、キャップ部17内の閉空間Iが負圧となり、ノズルプレート21に付着等しているインクがキャップ部17内に落下等して、キャップ部吸収材17aに吸収される。
このようにキャップ部吸収材17aに吸収されたインク等は、ポンプ部によって吸引されて、キャップ部17から排出される。
このように排出されたインク等は、従来は、そのまま廃インクタンク等に収容され保管されていたが、本実施の形態では、このようにキャップ部17から排出されたインク等を再利用するための廃液タンク31が、図2に示すように配置されている。
すなわち、廃液タンク31は、ポンプ部19を介してキャップ部17と接続されている。
また、廃液タンク31は、図1に示すように本体ケース11上に配置され、インクカートリッジ32a乃至32dと並んで配置されている。
インクカートリッジ32a等内には、図1で記録ヘッド20が記録用紙に対して吐出するインクがそれぞれ色別(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)に収納されている。
すなわち、インクカートリッジ32a等は、記録用紙に吐出するためのインクを収容する液体収容部の一例となっている。
このようなインクカートリッジ32a等は、図1に示すように、チューブ34によってキャリッジ12に配置されているバルブユニット33a、33bに接続されている。
したがって、インクカートリッジ32a等内のインクは、チューブ34及びバルブユニットを33a、33bを介して記録ヘッド20に供給される構成となっている。
また、図1の廃液タンク31もチューブ34を介してバルブユニット33cに接続され、記録ヘッド20に供給される構成となっている。
すなわち、廃液タンク31内のインク(以下「廃液インク」という)は、インクカートリッジ32a等内のインクとは異なる別個の経路で記録ヘッド20に供給される構成となっている。
このように、本実施の形態では、インクカートリッジ32a等内のインクと廃液タンク31内の廃液インクのいずれもが記録ヘッド20に供給されるので、記録ヘッド20は従来と異なり以下のような構成となっている。
図3は図2の記録ヘッド20の内部構造を示す概略図である。
図3に示すように、本実施の形態の記録ヘッド20は、その内部が2つに分かれている。具体的には、印字用ヘッド22と負圧解除用ヘッド23である。
印字用ヘッド22は、図1のプラテン16に配置される記録用紙にインクカートリッジ32a等から供給されたインクを吐出するためのターゲット用液体噴射ヘッドの一例となっている。
つまり、図1のインクカートリッジ32a等からチューブ34及びバルブユニット33a、33bを介して供給されたインクは、図3の印字用ヘッド22にのみ供給され、隣接する負圧解除用ヘッド23には供給されない構成となっている。
この負圧解除用ヘッド23は、チューブ34及びバルブユニット33cを介して供給される廃液タンク31内の廃液インクをキャップ部17内に吐出するためのヘッドであり、キャップ部用液体噴射ヘッドの一例となっている。
なお、廃液タンク31に接続されているチューブ34は、廃液タンク31に収容された廃液を負圧解除用ヘッド23に供給するための廃液供給部の一例となっている。
このように、本実施の形態では、インクカートリッジ32a等内のインクは、印字用ヘッド22のみに供給され、廃液タンク31内の廃液インクは負圧解除用ヘッド23にのみ供給される。そして、図3の印字用ヘッド22と負圧解除用ヘッド23は、それぞれ別個のノズルプレート21及びノズルを有し、記録ヘッド20に供給されたインクカートリッジ32a等内のインクと廃液タンク31の廃液は、それぞれ別々のノズルから吐出される構成となっている。
ここで、負圧解除用ヘッド23の作用等について詳述する。上述したように、記録ヘッド20に対するクリーニングでは、キャップ部17が図2に示すようにノズルプレート21に当接し、キャップ部17内の閉空間Iを負圧状態として、ノズルプレート21等に付着しているインク等を排除する。
この場合において、ポンプ部19による吸引が終了するや否や、直ちに、キャップ部17を矢印Y方向に沿って、ノズルプレート21から離間する方向に下げると、キャップ部17内の閉空間Iには、急激な圧力変化が生じ、ノズルプレート21に形成されているノズル内部に気泡等が吸い込まれ、ノズル内部のメニスカスが壊れ、その後のインク吐出に際し、吐出不良が生じるおそれがある。
そこで、従来は、図2に示す空気バルブ弁17bを開け、閉空間Iが徐々に大気圧に回復するまで待機する待機工程を経た後、キャップ部17を下げていた。
しかし、これでは、記録ヘッド20を図1の印字領域Pに移動させるまで時間がかかり、印刷時間が短縮しないという問題があった。
かかる時間の無駄を解消すべく、従来は、キャップ部17がノズルプレート21に当接し、閉空間Iを形成している状態で、記録ヘッドからインクをキャップ部17内に吐出して、閉空間Iの負圧状態が迅速に大気圧に回復する構成としている。
しかし、かかる従来の構成では、負圧解消のために記録ヘッドからインクを吐出するため、インクの消費が大きくなるという問題があった。特に、より早く、負圧状態を解消するには、通常より多い量のインクを吐出する必要があるが、これではインクの無駄が多くなりすぎるという問題もあった。
そこで、本実施の形態では、従来と異なり、記録ヘッド20は、上述の閉空間Iの負圧解除のための専用の負圧解除用ヘッド23を有している。
そして、この負圧解除用ヘッド23に供給されるのは、図1の印字用に使用されるインクカートリッジ32a等内のインクではなく、既にキャップ部17内に吐出された廃液インクである。
したがって、図2の閉空間Iの負圧解除を迅速にするために図3の負圧解除用ヘッド23で廃液インクを吐出しても、インクカートリッジ32a等内のインクの消費は大きくならず、従来に比べ、インクの消費を大幅に減らすことができる。
また、閉空間Iの負圧解除をさらに迅速に行うために、通常より多い量の廃液インクを負圧解除用に吐出しても、インクカートリッジ32a等内のインクの消費量は変わらないので、インクの消費量を勘案せずに、思い切って廃液インクの吐出量を多くでき、負圧解除時間をより短縮することができる。
以上のように構成される記録装置10の記録ヘッド20では、印字領域PとホームポジションHで、その印字用ヘッド22と負圧解除用ヘッド23を以下のように使い分けることになる。
すなわち、図1の印字領域Pで記録用紙に対して印字等をする記録ヘッド20では、図3の記録ヘッド20のうち印字用ヘッド22のみが働く。
つまり、図1のインクカートリッジ32a等から各色のインクの供給を受けた印字用ヘッド22が作用し、記録用紙に印字等を行う。
この記録用紙への印字等が終了し、記録ヘッド20が実施の形態1のホームポジションHに移動すると、キャップ部17が図2に示すようにノズルプレート21に当接し、ポンプ部19が作動して、本吸引等の工程が行われ、キャップ部17内の閉空間Iの負圧解除の工程となる。すると、今度は、図3の負圧解除用ヘッド23のみが上述のように働き、廃液タンク31から供給されら廃液インクをキャップ部17内に吐出し、負圧状態を迅速に解消する。
その後、キャップ部17が下がり、再び、記録ヘッド20が印字領域Pに移動することで、記録装置10は、迅速に印字等を行うことができることになる。
一方、負圧解除用ヘッド23により吐出された廃液インクは、ポンプ部19により再び廃液タンク31に回収されることになる。
ところで、本実施の形態では、上述のように、図1に示す廃液タンク31は本体ケース11上でインクカートリッジ32a等と並べて配置されている。
このため、従来と異なる廃液タンク31を加えても、記録装置10全体が大型化することを最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態では、図2に示すように廃液タンク31には、廃液タンク31内の廃液を図1の負圧解除用ヘッド23に供給することなく収容する廃インクタンク35(廃液収容部の一例)を有している。
したがって、廃液タンク31内の廃液インクを負圧解除用ヘッド23に供給して再利用した後、再利用に適さない廃液インクを廃インクタンク35内に保管することができる。
また、図2に示すように、廃インクタンク35には、廃液インクを吸収するための廃インクタンク吸収材35a(廃液吸収材の一例)が配置されている。
このため、廃インクタンク35内に収容された廃液インクをより安定的に保管することができる。
このように本実施の形態の要部は構成されているが、上述の記録ヘッド20のクリーニング動作と関係がある図1及び図2に示すブレード部18について説明する。
ブレード部18は図1に示すように、キャップ部17と印字領域Pと間に配置されており、キャップ部17による吸引というクリーニングが終了した後などに、記録ヘッド20印字領域Pに向かって移動すると、変形可能なブレード部18の先端がノズルプレート21の表面を擦るように作用し、ノズルプレート21の表面の残留インク等を取り除く働きをする。
つまり、ブレード部18も記録ヘッド20のクリーニング機構の一部をなすものである。
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
本発明の液体噴射装置の実施の形態にかかるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。 図1の記録装置の主要部を示す概略図である。 図2の記録ヘッドの内部構造を示す概略図である。
符号の説明
10・・・インクジェット式記録装置、11・・・ケース本体、12・・・キャリッジ、13・・・キャリッジモータ、14・・・タイミングベルト、15・・・ガイド軸、16・・・プラテン、17・・・キャップ部、17a・・・キャップ部吸収材、17b・・・空気バルブ弁、18・・・ブレード部、19・・・ポンプ部、20・・・インクジェット式記録ヘッド、21・・・ノズルプレート、22・・・印字用ヘッド、23・・・負圧解除用ヘッド、31・・・廃液タンク、32a乃至32d・・・インクカートリッジ、33a乃至33c・・・バルブユニット、35・・・廃インクタンク、35a・・・廃インクタンク吸収材、P・・・印字領域、H・・・ホームポジション、I・・・閉空間

Claims (7)

  1. 液体を吐出するノズル開口部と、
    前記ノズル開口部を備えるノズル形成部と、を有する液体噴射ヘッドと、
    前記ノズル開口部を覆うように前記ノズル形成部に対して配置させるキャップ部と、
    前記キャップ部内の液体を吸引するためのポンプ部と、を有する液体噴射装置であって、
    前記液体噴射ヘッドは、ターゲットに液体を吐出するためのターゲット用液体噴射ヘッドと、
    前記キャップ部内に液体を吐出するためのキャップ部用液体噴射ヘッドと、を有し、
    前記ポンプ部には、前記ポンプ部により吸引された液体を収容する廃液タンクが接続され、
    前記廃液タンクには、前記廃液タンクに収容された廃液を前記キャップ部用液体噴射ヘッドに供給するための廃液供給部が形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記ターゲットに吐出するための液体を収容する液体収容部が配置され、
    前記液体収容部内の液体は、前記ターゲット用液体噴射ヘッドにのみ供給され、
    前記ターゲット用液体噴射ヘッドの前記ノズル形成部及び前記ノズル開口部には、それぞれ、ターゲット用ノズル形成部及びターゲット用ノズル開口部が形成され、
    前記キャップ部用液体噴射ヘッドの前記ノズル形成部及び前記ノズル開口部には、それぞれ、キャップ部用ノズル形成部及びキャップ部用ノズル開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記キャップ部用液体噴射ヘッドから吐出される液体量が、前記ターゲット用液体噴射ヘッドから吐出される液体量より大となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記廃液タンクは、前記液体収容部と並べて配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  5. 前記廃液タンクには、前記廃液タンク内の廃液を収容する廃液収容部が接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体噴射装置。
  6. 前記廃液収容部には、廃液を吸収するための廃液吸収材が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 液体を吐出するノズル開口部と、
    前記ノズル開口部を備えるノズル形成部と、を有する液体噴射ヘッドと、
    前記ノズル開口部を覆うように前記ノズル形成部に対して配置させるキャップ部と、
    前記キャップ部内の液体を吸引するためのポンプ部と、を有し、
    前記液体噴射ヘッドは、ターゲットに液体を吐出するためのターゲット用液体噴射ヘッドと、
    前記キャップ部内に液体を吐出するためのキャップ部用液体噴射ヘッドと、を有し、
    前記ポンプ部には、前記ポンプ部により吸引された液体を収容する廃液タンクが接続され、
    前記廃液タンクには、前記廃液タンクに収容された廃液を前記キャップ部用液体噴射ヘッドに供給するための廃液供給部を有する液体噴射装置のクリーニング方法であって、
    前記ターゲットに液体を吐出する際には、前記ターゲット部用液体噴射ヘッドから液体を吐出し、
    前記液体噴射ヘッドに前記キャップ部を配置し、前記ポンプ部で前記キャップ部内を負圧状態とし、液体を吸引した後の負圧解除工程では、前記キャップ部用液体噴射ヘッドから、液体を吐出することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
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