JP2007319888A - 被加工脆性部材のレーザー溶断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロクラックの発生を原因とする製品の強度低下を効果的に防止できるレーザー溶断方法を提供する。
【解決手段】レーザー溶断法を用いてシリコンウェハや薄板ガラス等溶断するに際して、溶断開始時および溶断終了時におけるレーザーの照射開始位置PSおよびPEを、溶断後において製品51Aとなる製品領域の外周から外側に離れた位置とする。
【選択図】図6
【解決手段】レーザー溶断法を用いてシリコンウェハや薄板ガラス等溶断するに際して、溶断開始時および溶断終了時におけるレーザーの照射開始位置PSおよびPEを、溶断後において製品51Aとなる製品領域の外周から外側に離れた位置とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、板状の被加工部を少なくとも有する被加工脆性部材のレーザー溶断方法に関し、特に、シリコンウェハおよび薄板ガラス等の被加工脆性部材を製品と周辺残材とに切り離すレーザー溶断方法に関する。
従来のレーザー切断方法および当該レーザー切断方法における切断対象を検討すると、それらは大きく分けて以下の3つに分類される。
第1のレーザー切断方法は、鉄やアルミニウムといった金属部材を切断対象とするものであり、それら切断対象の切断予定領域にレーザーを照射し、照射したレーザーの熱によって上記切断予定領域を溶断する(すなわち、加熱により切断対象を溶融または気化させることによって切断する)方法である(たとえば、特開平6−142970号公報(特許文献1)参照)。
第2のレーザー切断方法は、ガラス基板やシリコンウェハ等を切断対象とし、それら切断対象の切断予定領域にレーザーを照射し、照射したレーザーの熱によって切断対象に熱衝撃を与えて切断する(より具体的には、切断対象の一方の主面にレーザーを瞬間的に照射し、これによって切断対象のレーザーが照射された側の面を瞬間的に熱膨張させ、他方の主面との膨張率の差により切断対象にクラックを生じさせて切断する)方法である(たとえば、特開2000−219528号公報(特許文献2)参照)。
第3のレーザー切断方法は、ガラス基板やシリコンウェハ等を切断対象とし、それら切断対象の切断予定領域にレーザーを照射し、照射したレーザーの熱によって上記切断予定領域を溶断する(すなわち、加熱により切断対象を溶融または気化させることによって切断する)方法である(たとえば、特開平6−269968号公報(特許文献3)または特表2004−504729号公報(特許文献4)参照)。なお、ガラス基板やシリコンウェハ等を切断するに際しては、上述のレーザーを用いた熱衝撃法が専ら利用されており、レーザーを用いた溶断法の利用は未だ進んでいない。
上記特許文献4には、断面が多角形である中空円柱状板材から所定形状の製品(具体的にはシリコンウェハ)をレーザー溶断法にて切り出す方法が詳細に記載されている。当該特許文献4に記載のレーザー溶断法においては、溶断に要する時間を最も短くするために、製品領域の外周上の一点にレーザーを入射し、この点を始点として一筆書きの要領で製品領域の外周に沿ってレーザーの照射点を移動させ、再び始点に復帰することで製品を中空円柱状板材の板状の被加工部から切り出すこととしている。
特開平6−142970号公報
特開2000−219528号公報
特開平6−269968号公報
特表2004−504729号公報
上述のレーザー溶断法を用いて被加工脆性部材を溶断するに際しては、マイクロクラックの発生が問題となる。マイクロクラックは、レーザーの入射点の近傍に放射状に生じるものであり、製品強度を著しく低下させてしまう原因となる。たとえば、板厚が100μm〜400μm程度のシリコンウェハや板厚30μm〜100μm程度のガラス基板を溶断するに際しては、レーザーの入射開始点や入射終了点において放射状のマイクロクラックが発生し、切り出し後の製品の強度に著しい悪影響を与えるおそれがある。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされてものであり、マイクロクラックの発生を原因とする製品の強度低下を効果的に防止できるレーザー溶断方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法は、脆性材料からなり、少なくとも板状の被加工部を有する被加工脆性部材にレーザーを照射することによって被加工脆性部材を製品と周辺残材とに溶断するレーザー溶断方法であって、溶断開始時におけるレーザーの照射位置を、溶断後において製品となる被加工部の製品領域の外周から外側に離れた位置とすることを特徴とするものである。なお、その場合には、溶断開始時におけるレーザーの照射位置を製品領域の外周から少なくとも0.1mm以上離れた位置とすることが好ましい。
このようなレーザー溶断方法を採用することにより、溶断開始時においてマイクロクラックが製品領域にまで達することがなくなるため、切り出し後における製品の強度低下を防止することができる。
上記本発明の第1の局面に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法にあっては、溶断開始時におけるレーザーの照射位置が被加工部の端面であることが好ましい。
このように、溶断開始時におけるレーザーの照射位置を板状の被加工部の端面とすることにより、より確実にマイクロクラックが製品領域にまで達することを防止することが可能になる。
本発明の第2の局面に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法は、脆性材料からなり、少なくとも板状の被加工部を有する被加工脆性部材にレーザーを照射することによって被加工脆性部材を製品と周辺残材とに溶断するレーザー溶断方法であって、溶断終了時におけるレーザーの照射位置を、溶断後において製品となる被加工部の製品領域の外周から外側に離れた位置とすることを特徴とするものである。なお、その場合には、溶断終了時におけるレーザーの照射位置を製品領域の外周から少なくとも0.1mm以上離れた位置とすることが好ましい。
このようなレーザー溶断方法を採用することにより、溶断終了時においてマイクロクラックが製品にまで達することがなくなるため、切り出し後における製品の強度低下を防止することができる。
本発明を適用すれば、レーザー溶断法を用いて被加工脆性部材から製品を切り出すに際し、マイクロクラックの発生を原因とする製品の強度低下を効果的に防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
本発明に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法によって加工される被加工脆性部材は、溶断後において製品となる製品領域と、溶断後において周辺残材となる周辺残材領域とを含んだ脆性部材である。溶断対象となる脆性部材としては、板状の被加工部を有する半導体(たとえば断面が多角形であるシリコン等からなる中空柱状板材)や、シリコンウェハや薄板ガラス等が挙げられる。溶断後における製品は各種電子機器等を構成する部品として利用され、溶断後における周辺残材は廃棄されたりあるいはその他の用途に再利用されたりする。本発明に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法によって好適に加工される被加工脆性部材の被加工部の板厚としては、シリコンの場合には概ね100μm〜500μm程度、薄板ガラスの場合には概ね30μm〜100μm程度であるが、この範囲に限定されるものではない。
本発明に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法によって加工される被加工脆性部材は、溶断後において製品となる製品領域と、溶断後において周辺残材となる周辺残材領域とを含んだ脆性部材である。溶断対象となる脆性部材としては、板状の被加工部を有する半導体(たとえば断面が多角形であるシリコン等からなる中空柱状板材)や、シリコンウェハや薄板ガラス等が挙げられる。溶断後における製品は各種電子機器等を構成する部品として利用され、溶断後における周辺残材は廃棄されたりあるいはその他の用途に再利用されたりする。本発明に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法によって好適に加工される被加工脆性部材の被加工部の板厚としては、シリコンの場合には概ね100μm〜500μm程度、薄板ガラスの場合には概ね30μm〜100μm程度であるが、この範囲に限定されるものではない。
本発明に基づく被加工脆性部材のレーザー溶断方法は、少なくとも1つの製品領域と少なくとも1つの周辺残材領域とを含む被加工脆性部材を溶断することにより、被加工脆性部材の製品領域から周辺残材領域を切り離して製品を取り出すものであり、その意味において被加工脆性部材がどのような構成のものであってもよい。したがって、本発明は、たとえば以下に示すような切り出しの態様のすべてに適用可能なものである。
図1(A)ないし図1(D)は、断面が多角形の中空柱状板材から製品を切り出す際の態様を示す図である。また、図2(A)ないし図2(D)は、被加工脆性板から製品を切り出す際の態様を示す図である。なお、これら図示する態様は一例に過ぎず、他の切り出しの態様の場合においても本発明の適用が当然に可能である。
図1(A)ないし図1(D)に示すように、断面が多角形の中空柱状板材からなる半導体シリコン40の周辺残材領域42aから、製品領域41aを溶断予定領域43に沿ってレーザー溶断にて切り離し、製品41Aとしてのシリコンウェハを切り出す場合には、図1(B)に示すように、製品領域41aの外周である溶断予定領域43の近傍においてレーザーを入射し、このレーザー入射点Pを図1(C)に示す如く溶断予定領域43に沿って一筆書きの要領で移動させる。これにより、図1(D)に示すように、半導体シリコン40が製品41Aと周辺残材42Aと切り離されることになる。
また、図2(A)ないし図2(D)に示すように、板状のシリコンウェハ50の周辺残材領域52aから、製品領域51aを溶断予定領域53に沿ってレーザー溶断にて切り離し、製品51Aとしてのシリコンチップを切り出す場合には、図2(B)に示すように、製品領域51aの外周である溶断予定領域53の近傍においてレーザーを入射し、このレーザー入射点Pを図2(C)に示す如く溶断予定領域53に沿って一筆書きの要領で移動させる。これにより、図2(D)に示すように、シリコンウェハ50が製品51Aと周辺残材52Aと切り離されることになる。
図3は、本発明の一実施の形態における被加工脆性部材のレーザー溶断方法に使用するレーザー溶断装置の構成を示した模式図である。図3に示すように、レーザー溶断装置1は、レーザー発振器11、ミラー12およびレーザー照射ノズル13を含むレーザー溶断機構と、載置台20とを主に備えている。
レーザー溶断機構は、載置台20に載置された被加工脆性部材であるシリコンウェハ(元基板)50を製品と周辺残材とに切り離すためのものである。レーザー発振器11は、たとえばCO2レーザーやYAGレーザーなどに代表されるレーザーの発生源である。ミラー12は、レーザー発振器11にて発生したレーザーをレーザー照射ノズル13に導くための光路変更手段である。レーザー照射ノズル13は、内部に集光レンズ14を有しており、所定位置にレーザーを集光する。なお、レーザー照射ノズル13には、内部にアシストガスを導入する導入管(不図示)が設けられ、この導入管を介してレーザー照射ノズル13内に導入されたアシストガスはレーザーの照射方向と同じ方向に向けてレーザー照射ノズル13の先端から吹き出される。
載置台20は、溶断に際してシリコンウェハ50が載置される台である。載置台20には図示しない移動機構が付設されており、載置台20はこの移動機構によってその全体がx,y,zの3軸方向(すなわち、水平面内における任意の方向と高さ方向)に移動自在に構成されている。載置台20としては、平坦な表面を持つ定盤が利用される。この定盤の材質としては、好適には鉄やアルミニウム合金等が挙げられる。
上記構成のレーザー溶断装置1においては、レーザー発振器11から出射されたレーザーがミラー12で折り返されることによってレーザー照射ノズル13内に導入され、集光レンズ14によってシリコンウェハ50の表面近傍(シリコンウェハ50の表面位置を中心とした厚み方向における±1mmの範囲内)に集光されて焦点を結ぶ。シリコンウェハ50に照射されるレーザーとしては、連続光であってもよいしパルス光であってもよい。溶断条件は、溶断するシリコンウェハ50の材質や大きさ厚み等により適宜調節することが必要であるが、たとえば板厚200μm〜300μmのシリコンウェハをYAGレーザーにて溶断する場合には、レーザーの平均出力を200W、周波数を500Hz、パルス幅を3m秒とし、100mm/分〜200mm/分の速度でレーザー溶断を行なう。
レーザー照射ノズル13の先端から吹き出されるアシストガスとしては、好適には0.2MPa〜1.0MPa程度に加圧された空気、窒素、アルゴン等のガスが用いられる。このアシストガスは、レーザーを照射することによって生じるシリコンウェハ50の溶融成分を吹き飛ばすことにより溶断速度を速めたり、シリコンウェハ50の溶断面への溶融成分の再付着を防止したり、集光レンズ14の表面に埃等の異物が付着することを防いだりする。
本発明者は、上述のレーザー溶断装置を用いて厚さ300μmのシリコンウェハに対して上記条件にて溶断を行なった。そして、溶断後において得られた製品の端部を顕微鏡を用いて観察した。その結果を図4および図5に示す。なお、図4(A)は、レーザーの照射開始位置近傍における顕微鏡写真であり、図4(B)は、図4(A)に示す顕微鏡写真の説明図である。また、図5(A)は、レーザーの照射途中位置(すなわち照射開始位置および照射終了位置以外の位置)における顕微鏡写真であり、図5(B)は、図5(A)に示す顕微鏡写真の説明図である。
図4(A)および図4(B)に示すように、レーザーの照射開始位置においては、シリコンウェハの端部からほぼ放射状にマイクロクラックが発生していることが確認された。複数のサンプルについて観察を行なったところ、その最大長さは約30μm〜50μmであった。なお、同様にレーザーの照射終了位置について顕微鏡観察を行なった結果、やはりシリコンウェハの端部からほぼ放射状にマイクロクラックが発生し、その最大長さも約30μm〜50μmであることが確認された。
これに対し、図5(A)および図5(B)に示すように、レーザーの照射途中位置においては、シリコンウェハの端部から溶断方向とほぼ垂直な方向ににマイクロクラックが発生し、そのシリコンウェハ側の端部は、略直角に折れ曲がって溶断方向とほぼ平行な方向に伸びていることが確認された。複数のサンプルについて観察を行なったところ、溶断方向とほぼ垂直な方向に延びる部分におけるマイクロクラックの最大長さは約10μm〜20μmであり、溶断方向とほぼ平行な方向に延びる部分におけるマイクロクラックの最大長さは約50μm〜100μmであった。
以上の観察より、レーザーの照射途中位置よりもレーザーの照射開始位置および照射終了位置においてマイクロクラックが発生し易く、製品の当該部分に対応する位置においてシリコンウェハの強度低下が発生し易いことが判明した。さらに言えば、シリコンウェハを矩形(正方形や長方形)に溶断した後に、フッ酸を含む溶液や水酸化ナトリウムを含む溶液などで製品を20μm〜30μm程度エッチングすればレーザーの照射開始位置および照射終了位置以外の部分においてシリコンウェハの破損の起点となるマイクロクラックをほぼなくすことが可能になることが分かる。
以上を踏まえ、本実施の形態におけるレーザー溶断方法にあっては、レーザーの照射開始位置および照射終了位置におけるシリコンウェハの強度低下を防止するために、シリコンウェハの製品領域の外周から外側に離れた位置からレーザー溶断を開始し、シリコンウェハの製品領域の外周から外側に離れた位置にてレーザー溶断を終了することとする。
図6は、本実施の形態におけるレーザー溶断方法について説明するためのシリコンウェハの溶断後の平面図である。図6に示すように、本実施の形態におけるレーザー溶断方法にあっては、シリコンウェハの製品領域の外周から外側に距離LSだけ離れた位置をレーザーの照射開始位置PSとし、シリコンウェハの製品領域の外周から外側に距離LEだけ離れた位置をレーザーの照射終了位置PEとしている。そして、レーザーの移動の軌跡は、照射開始位置PSから製品領域の外周の一辺に向かって進み、その後製品領域の外周に沿って図中矢印A1〜A4の順で直線状に進み、その後製品領域の外周から離れて照射終了位置PEに達するようにする。これにより、シリコンウェハは、製品51Aと周辺残材52Aとに溶断され、製品51Aが切り出されるようになる。このようにすれば、マイクロクラックが製品51Aの端部から製品の内側に向かって大きく入り込むことが防止され、その後のエッチング処理によって確実にマイクロクラックが生じている部分を除去することが可能になり、製品51Aの強度低下を未然に防止することができる。
なお、距離LSおよびLEは、上述の顕微鏡観察の結果から、被加工脆性部材が板厚300μmのシリコンウェハである場合には、0.1mm以上とすることが好ましい。これは、マイクロクラックの最大長さとレーザー溶断装置におけるレーザー照射位置の誤差を考慮して設定したのもであり、溶断する対象の被加工脆性部材の材質や被加工部の厚み等を考慮して適宜調節されるものである。
図7は、本実施の形態におけるレーザー溶断方法の他の例について説明するためのシリコンウェハの溶断後の平面図である。図7に示すように、本レーザー溶断方法にあっては、シリコンウェハの製品領域の外周から外側に距離LSだけ離れたシリコンウェハの端面をレーザーの照射開始位置PSとしている。ここで、シリコンウェハの端面にてレーザー照射を開始するとは、シリコンウェハの端面を含む部分にレーザー照射を開始する場合のみならず、シリコンウェハの外側にてレーザー照射を開始し、その後シリコンウェハの端面に達するようにする場合をも含むものである。なお、上記以外の点は、図6を参照して説明したレーザー溶断方法と全く同様である。
このようなレーザー溶断方法を採用した場合にも、上述の図6を参照して説明したレーザー溶断方法を採用した場合と同様の効果が得られるばかりでなく、より確実にマイクロクラックが製品領域にまで達することを防止することができる。
なお、上記図6および図7を参照して説明したレーザー溶断方法においては、レーザーの照射開始位置およびレーザーの照射終了位置の両方について製品領域の外周よりも外側の位置とするようにした場合を例示したが、レーザーの照射開始位置のみを製品領域の外周よりも外側の位置とし、レーザーの照射終了位置を製品領域の外周上の位置としてもよい。また、反対に、レーザーの照射終了位置のみを製品領域の外周よりも外側の位置とし、レーザーの照射開始位置を製品領域の外周上の位置としてもよい。さらには、レーザー照射を一筆書きの要領で行なうことを必ず必要とするものではなく、複数回に分けて製品の切り出しを行なう場合にも本発明は適用可能である。
図8は、厚さ300μmのシリコンウェハから10mm角のテスト基板を上述の溶断条件にて切り出し、切り出したテスト基板の破断強度をエッチング量を変動させて検証した結果を示すグラフである。図中において示す「退避」とは、シリコンウェハの製品領域の外周よりも外側の位置をレーザーの照射開始位置あるいは照射終了位置としたことを示しており、「退避せず」とは、製品領域の外周上の位置をレーザーの照射開始位置あるいは照射終了位置としたことを示している。また、この場合の退避距離(距離LSおよびLE)は、いずれも0.1mmである。破断試験機としては、島津製作所製EZ Graphを用いた。なお、グラフの縦軸に示す破断強度は、レーザーの照射開始位置およびレーザーの照射終了位置のいずれも製品領域の外周上とし、かつエッチングを行なわなかった場合の強度を基準とした相対強度である。
図8から分かるように、退避せずとして切り出したテスト基板に比べ、レーザーの照射開始位置のみを退避させて切り出したテスト基板では破断強度は大幅に増加し、さらにレーザーの照射開始位置および終了位置ともに退避させて切り出したテスト基板では、さららなる破断強度の増加することが確認された。退避せずとして切り出したテスト基板の破断強度に比べ、レーザーの照射開始位置および終了位置ともに退避させて切り出したテスト基板の破断強度は、概ね1.5倍〜2.5倍程度である。よって、当該レーザー溶断方法を採用すれば、マイクロクラックの発生を原因とする製品の強度低下を効果的に防止することができ、歩留まりの向上が図られて製品コストを大幅に低下させることが可能になる。したがって、太陽電池や半導体装置等の製造コストを大幅に低減することが可能になる。
なお、今回開示した上記一実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 レーザー溶断装置、11 レーザー発振器、12 ミラー、13 レーザー照射ノズル、14 集光レンズ、20 載置台、40 半導体シリコン、41A 製品、41a 製品領域、42A 周辺残材、42a 周辺残材領域、43 溶断予定領域、50 シリコンウェハ、51A 製品、51a 製品領域、52A 周辺残材、52a 周辺残材領域、53 溶断予定領域、P レーザー入射点、PE 照射終了位置、PS 照射開始位置。
Claims (5)
- 脆性材料からなり、少なくとも板状の被加工部を有する被加工脆性部材にレーザーを照射することによって被加工脆性部材を製品と周辺残材とに溶断するレーザー溶断方法であって、
溶断開始時におけるレーザーの照射位置を、溶断後において製品となる被加工部の製品領域の外周から外側に離れた位置とすることを特徴とする、被加工脆性部材のレーザー溶断方法。 - 溶断開始時におけるレーザーの照射位置を、溶断後において製品となる被加工部の製品領域の外周から少なくとも0.1mm以上外側に離れた位置とすることを特徴とする、請求項1に記載の被加工脆性部材のレーザー溶断方法。
- 溶断開始時におけるレーザーの照射位置が、被加工部の端面である、請求項1または2に記載の被加工脆性部材のレーザー溶断方法。
- 脆性材料からなり、少なくとも板状の被加工部を有する被加工脆性部材にレーザーを照射することによって被加工脆性部材を製品と周辺残材とに溶断するレーザー溶断方法であって、
溶断終了時におけるレーザーの照射位置を、溶断後において製品となる被加工部の製品領域の外周から少なくとも0.1mm以上外側に離れた位置とすることを特徴とする、被加工脆性部材のレーザー溶断方法。 - 溶断終了時におけるレーザーの照射位置を、溶断後において製品となる被加工部の製品領域の外周から少なくとも0.1mm以上外側に離れた位置とすることを特徴とする、請求項4に記載の被加工脆性部材のレーザー溶断方法。
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