JP2014097907A - 板ガラス - Google Patents

板ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP2014097907A
JP2014097907A JP2012249314A JP2012249314A JP2014097907A JP 2014097907 A JP2014097907 A JP 2014097907A JP 2012249314 A JP2012249314 A JP 2012249314A JP 2012249314 A JP2012249314 A JP 2012249314A JP 2014097907 A JP2014097907 A JP 2014097907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate glass
laser
glass
dross
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012249314A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5942800B2 (ja
Inventor
Naotoshi INAYAMA
尚利 稲山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2012249314A priority Critical patent/JP5942800B2/ja
Priority to KR1020157005394A priority patent/KR20150084762A/ko
Priority to US14/442,166 priority patent/US20160272531A1/en
Priority to PCT/JP2013/077779 priority patent/WO2014077067A1/ja
Priority to CN201380047823.3A priority patent/CN104619656A/zh
Priority to TW102138829A priority patent/TWI565667B/zh
Publication of JP2014097907A publication Critical patent/JP2014097907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5942800B2 publication Critical patent/JP5942800B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/08Severing cooled glass by fusing, i.e. by melting through the glass
    • C03B33/082Severing cooled glass by fusing, i.e. by melting through the glass using a focussed radiation beam, e.g. laser

Abstract

【課題】レーザー溶断によって切断されても安定して製品としての実用に耐え得る強度を付与した板ガラスを提供する。
【解決手段】レーザー溶断によって切断された板ガラスG1,G2であって、切断により形成された端面と表裏面との境界から、400μmの幅を有する表面側、及び裏面側の幅領域Eの各々において、幅領域Eの面積に対し、粒径2μm以上のドロスDが付着した面積の割合が0.01となるようにした。レーザー溶断時に空気圧縮装置で圧縮された空気を、アシストガスとしてレーザーの照射部に噴射し、レーザー熱で溶融したガラスを、その圧力で飛散させて除去するように構成して達成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、板ガラスに係り、詳しくは、レーザー溶断によって切断された板ガラスに関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)や、太陽電池、その他の電子デバイス等に使用される板ガラス製品の製造工程では、大面積の板ガラス(マザーガラス)から小面積の板ガラスを切り出したり、板ガラスの辺に沿う縁部をトリミングしたりする。
このように板ガラスを切断するための方法の一つとしては、特許文献1に開示されるようなレーザー溶断が知られている。このレーザー溶断は、切断の対象となる被加工物の面に延びた切断予定線に沿ってレーザーを照射すると共に、レーザーによる加熱で溶融した部位を除去することで、被加工物を切断(溶断)する方法である。
特開2000−263277号公報
ところで、このレーザー溶断を板ガラスの切断に適用した場合には、下記のような問題が生じている。
すなわち、板ガラスのレーザー溶断は、多様な切断条件(溶断条件)の下で実施することが可能であるが、異なる条件の下で切断された各板ガラスの品質をテストするため、各条件下で得られた複数枚の板ガラスからサンプルを抽出し、例えば、二点曲げ試験等、強度の測定を実施した場合、各サンプルの切断により形成された端面の断面形状が略同一な形状であったとしても、各条件間で測定値のバラつきが大きく、一部のサンプルが製品としての実用に耐え得る強度を有していないことがある。
このことから、製造ライン等において、板ガラスの切断条件を変更した場合には、変更後に切断された板ガラスが、実際にどの程度の強度を有するのかを予測することが困難であるため、レーザー溶断による板ガラスの切断には、板ガラスの品質保証の観点から難があるのが現状であった。そのため、レーザー溶断によって切断された板ガラスに、安定して製品としての実用に耐え得る強度を付与することが望まれている。
上記事情に鑑みなされた本発明は、レーザー溶断によって切断された板ガラスに、安定して製品としての実用に耐え得る強度を付与することを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、レーザー溶断後の切断により形成された端面の断面形状が略同一であったとしても、端面に付着した肉眼では観察できない微小ドロスが、端面の強度に影響を与えることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、上記課題を解決するために創案された本発明に係る板ガラスは、レーザー溶断によって切断された板ガラスであって、切断により形成された端面と表裏面との境界から、400μmの幅を有する表面側、及び裏面側の幅領域の各々において、該幅領域の面積に対し、粒径2μm以上のドロスが付着した面積の割合が0.01以下であることに特徴付けられる。なお、ここでいう「ドロスが付着した」とは、板ガラスから容易に剥離させることができないようにドロスが付着した状態を意味し、例えば、板ガラスに対して水拭き、アルコール拭き、種々の洗剤や流体を用いた洗浄等を行った後においても、ドロスが剥離せずに付着している状態を指す。
板ガラスをレーザー溶断によって切断した場合には、当該板ガラスの表裏面に対してドロスが付着する。このドロスは、板ガラスに付着する際、当該板ガラスに対して物理衝撃や熱衝撃を与え、クラックを発生させる原因となって、板ガラスの強度を低下させることが判明している。また、ドロスは、切断により形成された端部の近傍に付着しやすく、その粒径が大きいほど、より大きな衝撃を与えると共に、その数が多いほど、より多数のクラックを発生させることが分かっている。これらのことから、本願発明者は、板ガラスの表面側、及び裏面側の幅領域の各々において、幅領域の面積に対し、粒径2μm以上のドロスが付着した面積の割合を算出すれば、好適に板ガラスが有する大凡の強度を割り出せると共に、この割合を0.01以下としたならば、当該板ガラスが安定して製品としての実用に耐え得ることを見出した。なお、製品としての実用に耐え得る強度は、100MPa以上としている。
上記の板ガラスにおいて、前記割合が0.0035以下であることが好ましい。
この場合、ドロスの付着によって板ガラスに与えた物理衝撃や熱衝撃が、より小さいことになる。そのため、板ガラスに発生するクラックの数を抑制することができ、板ガラスの強度の低下も、同様に抑制される。これにより、この板ガラスを、より安定して実用に耐え得るものとすることができる。なお、この場合においては、レーザー溶断によって切断された板ガラスの強度を200MPa以上とすることが可能であった。
上記の板ガラスにおいて、前記割合が0.001以下であることが好ましい。
この場合においても、上述の場合と同様の理由により、この板ガラスを、より一層安定して実用に耐え得るものとすることができる。なお、この場合においては、レーザー溶断によって切断された板ガラスの強度を230MPa以上とすることが可能であった。
上記の板ガラスにおいて、板厚が500μm以下であることが好ましい。
板厚の厚い板ガラスと薄い板ガラスとに、ドロスがそれぞれ付着した場合、付着したドロスの粒径が同じであれば、両板ガラスに発生する板厚方向のクラックの長さ(大きさ)は同じである。このことから、板厚が薄いほど、ドロスが付着した場合には、板厚に占めるクラックの長さの割合が大きくなり、当該クラックが板ガラスに与える悪影響が増大するため、板ガラスの強度が低下しやすくなる。しかしながら、本発明に係る板ガラスは、板厚が薄い場合であっても、ドロスが付着した面積の割合が0.01以下であれば、安定して製品としての実用に耐え得るものとなる。この結果、板ガラスの板厚が薄いほど、本発明による効果を好適に享受することが可能となる。ここで、板ガラスの板厚としては、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが最も好ましい。
以上のように、本発明によれば、レーザー溶断によって切断された板ガラスに、安定して製品としての実用に耐え得る強度を付与することが可能となる。
本発明の実施形態に係る板ガラスの製造に用いるレーザー溶断装置を示す斜視図である。 (a)は、切断された板ガラスの表面を示す平面図であり、(b)は、切断された板ガラスの裏面を示す底面図である。 本発明の実施形態に係る板ガラスの製造に用いる他のレーザー溶断装置を示す縦断正面図である。 実施例における板ガラスの二点曲げ試験の態様を示す側面図である。 二点曲げ試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る板ガラスの製造方法について、添付の図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、レーザー溶断によって二枚に切断された両板ガラスのうち、一方の板ガラスを、製品としての実用に耐え得る強度(100MPa以上)を有する板ガラスとして製造する場合を例に挙げて説明する。また、以降の記載において、板ガラスの「表面」とは、レーザー溶断される板ガラスが有する二つの平面のうち、レーザー入射側の面を指し、「裏面」とは、レーザー出射側の面を指している。
図1は、本発明の実施形態に係る板ガラスの製造に用いるレーザー溶断装置を示す斜視図である。同図に示すように、レーザー切断装置1は、板ガラスGを平置き姿勢で積載して搬送するコンベアベルト4と、搬送中の板ガラスGにレーザーLを照射するレーザー照射器2と、レーザーLの照射部にアシストガスAを噴射するアシストガス噴射器3とを主要な要素として構成される。
コンベアベルト4は、板ガラスGに延びた切断予定線Xを挟んで、一対が設けられると共に、一対のコンベアベルト4は、それぞれ図外の駆動ローラー、及び従動ローラーに巻き掛けられている。そして、両ローラーの回転駆動により、コンベアベルト4が切断予定線Xに平行な、同図に示すT方向に沿って移動可能な構成となっている。
レーザー照射器2は、その鉛直下方を板ガラスGに搬送方向Тと平行に延びた切断予定線Xが通過するように定位置に固定されて設置されており、図外のレーザー発振器から発振されたレーザーLを集光して、上方から切断予定線Xに沿って照射するように構成されている。なお、本実施形態においては、レーザーLとして炭酸ガス(CO2)レーザー(波長10.6μm)を使用している。
ここで、レーザーLの照射条件として、レーザーLの光が最もくびれる部位であるビームウエスト(焦点位置)から板ガラスGの板厚方向における中央部までの離間距離をsと表すと共に、レイリー長をbと表すと、(s/b)の値は、0〜1.0であることが好ましい。また、より好ましくは、0〜0.5であり、最も好ましくは、0〜0.2である。なお、レイリー長とは、ビームウエストにおけるビーム径をdとしたとき、ビーム径が(√2)dとなる二つの位置の光軸方向における離間距離である。
アシストガス噴射器3は、レーザー照射器2と同様に定位置に固定されて設置されると共に、レーザーLの照射部を指向して板ガラスGの表裏面に対し、傾斜した姿勢とされている。このアシストガス噴射器3は、図外の空気圧縮装置(例えば、エアコンプレッサー)と接続されており、空気圧縮装置で圧縮された空気を、アシストガスAとしてレーザーLの照射部に噴射し、レーザー熱で溶融したガラスを、その圧力で飛散させて除去するように構成されている。ここで、アシストガスAの噴射圧力として好ましい値を示す。アシストガス噴射器3における板ガラスGの表面に対する傾斜角度が30°を超える場合には、0.01〜0.5MPaであることが好ましく、傾斜角度が30°以下の場合には、0.01〜1.0MPaであることが好ましい。なお、ここでいう噴射圧力とは、アシストガスAが供給されている状態下において、アシストガスAを供給している配管内の静圧を指す。
以上の構成から、レーザー溶断装置1は、コンベアベルト4のT方向への移動により、コンベアベルト4に積載された板ガラスGを、同方向に搬送する。そして、搬送中の板ガラスGに対して、切断予定線Xに沿ってレーザー照射器2からレーザーLを照射し、そのレーザー熱でガラスを溶融させると共に、溶融したガラスをアシストガス噴射器3から噴射されたアシストガスAの圧力により飛散させて除去する。これにより、切断予定線Xに沿って板ガラスGに溶断部Mを進行させ、当該板ガラスGを切断する。
このレーザー溶断装置1によって板ガラスGのレーザー溶断を実施すると、大面積の板ガラスGが、二枚の小面積の板ガラスG1と板ガラスG2とに切断される。このとき、レーザー溶断の際に飛散したドロスDは、アシストガスAの圧力によって、アシストガスAの噴射先側に飛散しやすくなる。そのため、図2(a),(b)に示すように、両板ガラスG1,G2の表面、及び裏面において、アシストガスAの噴射先側に位置していた板ガラスG2の方が、噴射元側に位置していた板ガラスG1よりも、ドロスDの付着した量が多くなる。なお、図2(a),(b)においては、ドロスDの大きさ(量)を、実際よりも誇張して表現している。
また、レーザーLを上述の照射条件で照射することにより、板ガラスGの板厚方向における中央部と、ビームウエストとが大きくずれることなく、板ガラスGを切断することが可能となる。このため、レーザー溶断を実施する際に、板ガラスGにおけるエネルギー密度分布が、切断に不適合なものとなることが防止されることに起因して、ドロスDが付着した面積の割合が大きくなることを回避できる。さらには、アシストガスAの噴射圧力を上述の値の範囲としたことで、レーザーLの熱により溶融した溶融ガラスに高圧のアシストガスAが噴射されることがなくなる。これによって、溶融ガラスの飛散が好適に防止されるため、ドロスDの付着した面積の割合の増加を、より抑制することが可能となる。
以上により、製品としての実用に耐え得る強度(100MPa以上)を有する板ガラスG1が製造される。この板ガラスG1は、切断により形成された端面と表裏面との境界から、400μmの幅を有する表面側、及び裏面側の幅領域Eの各々において、幅領域Eの面積に対し、粒径2μm以上のドロスDが付着した面積の割合が0.001以下となる。なお、ドロスDが付着したとは、板ガラスG1から容易に剥離させることができない状態でドロスが付着した状態を意味し、例えば、板ガラスG1に対して水拭き、アルコール拭き、種々の洗剤や流体を用いた洗浄等を行った後においても、ドロスDが剥離せずに付着している状態を指す。
ここで、幅領域Eの面積に対し、粒径2μm以上のドロスDが付着した面積を小さくすることにより、板ガラスG1を、製品としての実用に耐え得る強度とすることができたのは、以下の理由による。
すなわち、ドロスDは、切断中の板ガラスGに付着する際に、板ガラスG(板ガラスG1)に対して物理衝撃や熱衝撃を与え、クラックを発生させる原因となって、板ガラスG(板ガラスG1)の強度を低下させると共に、切断によって形成された端部の近傍に付着しやすく、その粒径が大きいほど、より大きな衝撃を与えると共に、その数が多いほど、より多数のクラックを発生させる。このため、切断により形成される端部の付近に付着するドロスDの量を少なくすれば、ドロスDの付着に起因する板ガラスG(板ガラスG1)の強度の低下を抑制することが可能となるためである。
また、製造される板ガラスG1は、その板厚が薄いほど、本発明による効果を好適に享受することが可能である。詳述すると、板ガラスG1の板厚が厚い場合と、薄い場合との双方において、付着したドロスDの粒径が同じであれば、板ガラスG1に発生するクラックの板厚方向の長さ(大きさ)は同じである。このことから、板厚が薄いほど、ドロスDが付着した場合には、板厚に占めるクラックの長さの割合が大きくなり、当該クラックが板ガラスG1に与える悪影響が増大し、板ガラスG1の強度が低下しやすくなる。しかしながら、本発明によれば、ドロスDが付着した面積の割合が0.01以下でさえあれば、製造された板ガラスG1は、安定して製品としての実用に耐え得るものとなる。このため、板ガラスG1の板厚が薄いほど、本発明による効果を好適に享受することが可能である。なお、上記のドロスDが付着した面積の割合は、0.0035以下であることがより好ましく、0.001以下であることが更に好ましい。
なお、本発明に係る板ガラスの製造方法は、上記の実施形態で説明した態様に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、レーザーとして炭酸ガスレーザー(波長10.6μm)を使用しているが、この他、炭酸ガスレーザー(波長9.4μm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等を使用することができる。これらのレーザーLを使用した場合においても、上述の(s/d)の値や、アシストガスAの噴射圧力として好ましい値、アシストガス噴射器3の板ガラスGの表面に対する傾斜角度は、炭酸ガスレーザー(波長10.6μm)を使用した場合と同様である。
また、上記の実施形態では、レーザー溶断装置において、アシストガス噴射器は、レーザーの照射部を指向して板ガラスの表裏面に対し、傾斜した姿勢で設置されている。しかしながら、この他、図3に示すように、噴射されたアシストガスAが、レーザーLの照射部を板ガラスGの表面と平行に通過するように設置してもよい。なお、この場合、アシストガス噴射器3の噴射口とレーザーLの照射部との離間距離は、1〜30mmであることが好ましく、アシストガスAの噴射圧力としては、0.01〜1.0MPaであることが好ましい。このような態様によれば、噴射されたアシストガスAが、溶融ガラスに直接噴射されずに、その真上を通過する態様となるため、ドロスDの付着した面積の割合の増加が、さらに抑制される。この効果は、アシストガス噴射器3における板ガラスGの表面に対する傾斜角度が小さいほど、より顕著となる。これらのことから、アシストガスAの噴射元側に位置する板ガラスG1を、製品として実用に耐え得る強度を有する板ガラスとすることができる。
さらに、上記の実施形態では、レーザーの照射のみでなく、アシストガスを噴射しながらレーザー溶断を実施する態様となっているが、アシストガスは必ずしも噴射する必要はなく、レーザーの照射のみでもよい。なお、この場合においても、上述の(s/d)の値として好ましい値は、アシストガスを噴射する場合と同様である。加えて、ここでいうレーザーの照射のみとは、実質的にアシストガスを噴射していない状態と同様とみなせる場合、具体的には、アシストガスの噴射圧力が0.01MPa以下である場合をも含む。このようにすれば、レーザー溶断によって二枚に切断された両板ガラスの双方を、製品として実用に耐え得る強度を有する板ガラスとすることができる。
この他、本発明に係る板ガラスは、
1.切断(加工)される板ガラスの板厚と、切断速度(加工速度)の制御、計測
2.適正な焦点位置の制御
3.適正なレーザー出力の制御
4.アシストガス噴射器における板ガラスの表面に対する傾斜角度の設定
5.アシストガス噴射器の噴射口と、レーザーの照射部との離間距離の設定
6.適正なアシストガスの噴射圧力の制御
7.切断後の端面における断面形状と、ドロスが付着した面積の割合のフィードバック
この1〜7により、ドロスが付着した面積の割合が0.01以下となるようにコントロールして製造することができる。
本発明の実施例として、レーザー溶断によって切断された板ガラスを用いて、切断により形成された端面と表裏面との境界から、400μmの幅を有する表面側、及び裏面側の幅領域の各々において、幅領域の面積に対し、粒径2μm以上のドロスが付着した面積の割合を算出し、この割合と板ガラスの強度(曲げ強度)との関係を試験した。
以下に試験の実施条件について説明する。まず、上述の割合の算出方法については、互いに異なる切断条件を複数設定した後、各条件下でレーザー溶断により切断された板ガラスを複数枚準備した。そして、各条件下で得られた複数枚の板ガラスから任意の板ガラスを抽出して、抽出された板ガラスについて、上述の割合を表面側と裏面側との双方について算出し、算出された値を各条件下における表面側の割合、裏面側の割合とした。次に、曲げ強度の測定方法については、各条件下において、上述の複数枚の板ガラスを等分に分け、表面側の曲げ強度の測定用と、裏面側の曲げ強度の測定用とを分別した。そして、各条件下で得られた複数枚の板ガラスの全てについて、図4に示すように、二体の板状体100で各板ガラスG1を挟んだ後、上方の板状体100を板ガラスG1が破壊するまで降下させると共に、押し曲げ力Fによって、各板ガラスG1が破壊したときの二体の板状体100の間隔に基づいて、各板ガラスG1が有する表面側の曲げ強度、裏面側の曲げ強度を算出した。その後、複数枚の板ガラスの各々について算出された各曲げ強度から平均値を、表面側と裏面側との双方について算出し、この平均値を各条件下での板ガラスが有する表面側の曲げ強度、裏面側の曲げ強度とした。
図5に試験結果を示す。同図に示すように、上述の割合が0.01以下である板ガラスは、その曲げ強度が、製品としての実用に耐え得る100MPa以上となっている。さらに、割合が0.0035以下である板ガラスは、その曲げ強度が200MPa以上となっており、割合が0.001以下である板ガラスは、その曲げ強度が230MPa以上となっている。この結果から、レーザー溶断によって切断された板ガラスにおいて、幅領域の面積に対し、粒径2μm以上のドロスが付着した面積の割合を0.01以下とすれば、安定して製品としての実用に耐え得る板ガラスとなることが分かり、0.0035以下、或いは、0.001以下とすれば、より安定して実用に耐え得るものとなることが分かる。
1 レーザー溶断装置
2 レーザー照射器
3 アシストガス噴射器
4 コンベアベルト
G 板ガラス
G1 切断された板ガラス
G2 切断された板ガラス
D ドロス
L レーザー
A アシストガス
X 切断予定線
M 溶断部
T コンベアベルト(板ガラス)の移動方向
100 板状体
F 押し曲げ力

Claims (4)

  1. レーザー溶断によって切断された板ガラスであって、
    切断により形成された端面と表裏面との境界から、400μmの幅を有する表面側、及び裏面側の幅領域の各々において、
    該幅領域の面積に対し、粒径2μm以上のドロスが付着した面積の割合が0.01以下であることを特徴とする板ガラス。
  2. 前記割合が0.0035以下であることを特徴とする請求項1に記載の板ガラス。
  3. 前記割合が0.001以下であることを特徴とする請求項2に記載の板ガラス。
  4. 板厚が500μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の板ガラス。
JP2012249314A 2012-11-13 2012-11-13 板ガラスの製造方法 Active JP5942800B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012249314A JP5942800B2 (ja) 2012-11-13 2012-11-13 板ガラスの製造方法
KR1020157005394A KR20150084762A (ko) 2012-11-13 2013-10-11 판 유리
US14/442,166 US20160272531A1 (en) 2012-11-13 2013-10-11 Plate glass
PCT/JP2013/077779 WO2014077067A1 (ja) 2012-11-13 2013-10-11 板ガラス
CN201380047823.3A CN104619656A (zh) 2012-11-13 2013-10-11 平板玻璃
TW102138829A TWI565667B (zh) 2012-11-13 2013-10-28 板玻璃

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012249314A JP5942800B2 (ja) 2012-11-13 2012-11-13 板ガラスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014097907A true JP2014097907A (ja) 2014-05-29
JP5942800B2 JP5942800B2 (ja) 2016-06-29

Family

ID=50730988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012249314A Active JP5942800B2 (ja) 2012-11-13 2012-11-13 板ガラスの製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20160272531A1 (ja)
JP (1) JP5942800B2 (ja)
KR (1) KR20150084762A (ja)
CN (1) CN104619656A (ja)
TW (1) TWI565667B (ja)
WO (1) WO2014077067A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022124213A (ja) * 2021-02-15 2022-08-25 Jfeスチール株式会社 鋼帯のレーザー切断方法、レーザー切断設備、冷間圧延方法、及び冷延鋼帯の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018147111A1 (ja) * 2017-02-07 2018-08-16 日本電気硝子株式会社 ガラスフィルムの製造方法
CN117756394A (zh) * 2018-09-03 2024-03-26 尼普洛株式会社 从玻璃管分离中空玻璃体的方法以及用于制造容器的方法和系统

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08141764A (ja) * 1994-11-16 1996-06-04 Hitachi Ltd レーザ切断方法
JP2007319893A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Sharp Corp レーザー切断装置およびレーザー切断方法
JP2007319888A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Sharp Corp 被加工脆性部材のレーザー溶断方法
WO2013011877A1 (ja) * 2011-07-20 2013-01-24 旭硝子株式会社 板ガラス、その製造方法、および、その製造装置
WO2013039229A1 (ja) * 2011-09-15 2013-03-21 日本電気硝子株式会社 ガラス板切断方法およびガラス板切断装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08141764A (ja) * 1994-11-16 1996-06-04 Hitachi Ltd レーザ切断方法
JP2007319893A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Sharp Corp レーザー切断装置およびレーザー切断方法
JP2007319888A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Sharp Corp 被加工脆性部材のレーザー溶断方法
WO2013011877A1 (ja) * 2011-07-20 2013-01-24 旭硝子株式会社 板ガラス、その製造方法、および、その製造装置
WO2013039229A1 (ja) * 2011-09-15 2013-03-21 日本電気硝子株式会社 ガラス板切断方法およびガラス板切断装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022124213A (ja) * 2021-02-15 2022-08-25 Jfeスチール株式会社 鋼帯のレーザー切断方法、レーザー切断設備、冷間圧延方法、及び冷延鋼帯の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5942800B2 (ja) 2016-06-29
WO2014077067A1 (ja) 2014-05-22
US20160272531A1 (en) 2016-09-22
TWI565667B (zh) 2017-01-11
TW201429902A (zh) 2014-08-01
CN104619656A (zh) 2015-05-13
KR20150084762A (ko) 2015-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Shin et al. Cutting thin glass by femtosecond laser ablation
TWI629249B (zh) Method for cutting tempered glass sheets
US9302346B2 (en) Precision laser scoring
TWI529022B (zh) 雷射劃線及分裂薄玻璃之方法
KR101949777B1 (ko) 유리판 절단방법 및 유리판 절단장치
EP3738709A1 (en) Separation method for composite material
US20120145331A1 (en) Methods for laser cutting articles from ion exchanged glass substrates
TWI477340B (zh) Laser processing methods, laser processing and laser processing equipment
US20140084039A1 (en) Method and apparatus for separating workpieces
US10766804B2 (en) Glass film production method
CN102615428A (zh) 钢板的激光焊接方法和激光焊接装置
JP5942800B2 (ja) 板ガラスの製造方法
TWI557084B (zh) 玻璃膜的割斷方法及玻璃膜積層體
US20180043458A1 (en) Apparatuses and methods for scoring a glass article
US20190152826A1 (en) Method for manufacturing glass roll
EP2921461B1 (en) Laser fusion-cutting method for glass plates
CN109641776B (zh) 玻璃物品的制造方法及玻璃物品
JP5907019B2 (ja) 薄板ガラスの切断方法及び薄板ガラス
TW201922601A (zh) 用於處理玻璃板的設備及方法
KR101202256B1 (ko) 극초단 펄스 레이저와 수분 응고를 이용한 절단 장치 및 방법
JPWO2019138990A1 (ja) ガラス物品の製造方法及び製造装置並びにガラス物品
Gomes et al. Surface morphology and fracture strength analysis of nanosecond ablated alumina
JP6673089B2 (ja) ガラス板の製造方法およびガラス板
KR200415435Y1 (ko) 직립형 lcd 기판용 유리판절단장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5942800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150