JP4256840B2 - レーザ切断方法及びその装置 - Google Patents

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    • B23K26/362Laser etching
    • B23K26/364Laser etching for making a groove or trench, e.g. for scribing a break initiation groove

Description

本発明は、レーザ切断方法及びその装置に関し、詳しくは、脆性材料製の基板を紫外線
レーザによりスクライブするレーザ切断方法及びその装置に関するものである。
従来、レーザを使用するガラスの切断装置が知られている。
特許文献1に示されるものは、図5に示すようにガラス60に対して比較的高い吸収性
を有する赤外線レーザ74を楕円形状に整形させて照射し、レーザ照射部の後側近傍を冷
媒75(水性冷却剤)によって冷却する。すなわち、予め、ガラス60の切断したい部分
に初期クラックを手作業にて作製し、その部分からレーザ74を照射すると共に、照射部
の後側近傍を液体(又は気体)からなる冷媒75によって冷却しながら、両者をガラス6
0上で走査する。これにより、ガラス60の内部の熱歪みによって初期クラックが切断し
たい方向に進展し、ブラインドクラックを深さ方向に発生させスクライブ線204(切り
込み線)が形成される。スクライブ線204の形成後、ガラス60の裏面からブレイク力
73を作用させ、ブラインドクラックに曲げモーメントを付与することにより、ガラス6
0が切断される。
この種の赤外線レーザの熱応力を利用する装置は、図6に示すように赤外線レーザ発振
装置201からの赤外線レーザ201aの照射により、脆性材料製の基板であるガラス6
0を切断予定線2で切断する。赤外線レーザ発振装置201より出射された光201aは
、ミラーm1に反射され、レンズ202によって集光されて加工点63に照射される。一
般的に、加工点63に照射される光はデフォーカスしてあり、あまり集光されていない。
基板1の切断予定線2の始点には、予め初期クラック203を形成してある。
基板1と赤外線レーザ発振装置201を含む光学系とに相対移動を与えることにより、
加工点63が切断予定線2上を矢印A方向に移動する。このとき、初期クラック203を
起点として亀裂が伸展する。
図7において、赤外線レーザ201aが照射されている領域が加工点63、赤外線レー
ザ201aの照射によって亀裂が伸展した切断部(スクライブ線)を204、切断部20
4の先端を4とする。加工点3周辺には白抜き矢印の方向に熱応力(赤外線レーザ201
の照射中心に圧縮応力、切断先端4には引張り応力)がかかつており、そのため加工点6
3の移動により、切断部204が伸展する。
なお、特許文献1に記載されるもののように、冷媒75(水性冷却剤)を利用して熱応
力を大きくするものの他に、赤外線レーザの照射位置や数を変更することで熱応力を制御
するものも知られている。
特許文献2に示されるものは、図5に示す赤外線レーザ74に代えて、光子エネルギー
の高い紫外線レーザを用いるもので、1つの紫外線レーザをレンズで集光し、ガラス内部
の分子結合を直接分断することにより、初期クラックを作ることなく、スクライブ線を形
成する方法であり、冷媒75の介在はない。なお、ブレイクには、機械的衝撃ではなく、
赤外線レーザを用いている。この方法にあっては、スクライブ線の形成に際して紫外線レ
ーザによってガラス体を昇華させ、蒸発・飛散させるので、削り屑のような後工程で障害
となる塵等を発生させ難い、としている。
すなわち、図8において101が紫外線レーザ発振装置、102が紫外線用集光レンズ
、201が赤外線レーザ発振装置、202が赤外線用集光レンズ、M1,m1はそれぞれ
紫外線用のミラー及び赤外線用のミラーであり、第1の工程で紫外線レーザ発振装置10
1より出射された光101aは集光レンズ102によって集光される。また、基板1と光
学系とが相対移動することにより、加工点3は矢印A方向に移動する。同様に、第2の工
程で赤外線レーザ発振装置201より出射された光201aは集光レンズ202によって
加工点3付近に集光される。
基板が加工される様子について図9を参照して説明する。先ず、図9(A)に示すよう
に紫外線レーザ101aが基板1の一端部に照射され、紫外線レーザ101aの照射によって加工点3が形成される。Pは、基板1からの昇華物質を示す。基板1と光学系とが相
対移動することにより、図9(B)に示すように切断予定線2に沿って紫外線レーザ10
1aによりスクライブ線103が形成される。第2の工程で、図9(C)に示すようにス
クライブ線103の上から赤外線レーザ201aが照射され、引張り応力Sが働く。図9
(D)に示すようにスクライブ線103の内端に垂直クラック205が発生し、基板1が
切断される。
特許文献3に示されるものは、レーザ加工装置の載置台上に加工対象物を載置する工程
と、載置台上に設けられた加熱装置により加工対象物を加熱しながら、加熱された加工対
象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、加工対象物の切断予定線に沿って加工
対象物の内部に変質領域による切断予定部を形成する工程と、変質領域による切断予定部
が内部に形成された加工対象物を冷却し、熱応力によるストレスを生じさせて加工対象物
を切断する工程とを備えるレーザ加工方法である。
すなわち、図10において101は紫外線レーザ発振装置、102は紫外線用集光レン
ズ、M1は紫外線用のミラーである。加工対象物である基板11は基板を加熱する機構を
もったステージ5に載置されている。ステージ5に載置された基板11は、予め、加熱機
構によって充分に加熱される。次に、紫外線レーザ発振装置101から出射された光10
1aはレンズ102により加工点3に集光される。また、加工点3は、基板1と光学系と
の相対移動により切断予定線2に沿って矢印A方向に移動する。紫外線レーザ101aに
よってスクライビングされた基板1をステージから下ろし、自然冷却する。
図11は、図10のC−C線断面図である。集光レンズ102を通った紫外光101a
は、加熱された基板11の中央で焦点を結ぶように集光されて、基板11の表面が溶融さ
れることなく集光される(図11(A))。基板1の中央部集光点に改質領域104が局
所的に形成される(図11(B))。基板11をステージから下ろし、自然冷却を行う。
改質領域104の先端に引張り応力Sが働き、改質領域104を起点として亀裂が伸展す
る(図11(C))。基板1の表面から裏面まで亀裂が到達する(図11(D))。基板
11が分断される(図11(E))。
特開平9−150286号公報 特開平5−32428号公報 特開2003−88982号公報
赤外線レーザを用いる切断方法にあっては、スクライブ線の開始部に初期クラック20
3を作り、初期クラックから熱応力によって亀裂を伸展させるため、加工点63と亀裂の
先端4の位置とが一致せず、そのため切断部204の直進性が悪く、切断予定線2に対し
て蛇行するという問題がある。また、垂直方向の直進性も悪く、斜めに削げるように切断
されるという問題もある。更に、加工点63の圧縮応力に対する相対的引張り応力Sを利
用するため、圧縮領域のない基板終端部が割り切れない、という問題もある。
特許文献2に示されるもののように紫外線レーザによってスクライブした後、赤外線レ
ーザによる熱応力を作用させるレーザ切断装置は、基板表面の直進性に改善が見られるも
のの、紫外線レーザを照射した時点でのスクライブ線の厚さ方向への伸展は生じず、その
後の赤外線レーザによる熱応力の作用によってスクライブ線が厚さ方向に伸展するため、
紫外線レーザを照射した時点でのスクライブ線の深さは数μm〜数十μmと浅く、基板の
切断が良好になされ難い。垂直方向には斜めに削げる問題も依然として残る。また、加工
点3の圧縮応力に対する相対的引張り応力Sを利用するため、圧縮領域のない基板終端部
が割り切れない、という問題も残る。
特許文献3に示されるもののように加熱中の基板厚さの中央にレーザ光を集光させて変
質層104を形成し、冷却時の引張り応力によって基板を分断するレーザ切断装置は、亀
裂の起点が変質層中央に保証されないため、直進性に問題がある。特に、基板がガラス等
の非結晶体である場合、亀裂が垂直方向に伸展する保証が全くない。更に、熱伝導による
加熱には時間がかかるため、生産性の面からも不利である。勿論、紫外線レーザを照射さ
せて基板表面にスクライブ線を形成するものでもない。
請求項1の発明は、脆性材料製の基板1の表面に対して紫外線レーザ101aを垂直に入射させ、赤外線レーザ201aを斜めから入射させて加工点3を連続的に形成してスクライビングするレーザ切断方法において、前記基板1の加工点3位置の周辺に予め圧縮応力を作用させてある状態で、基板1と紫外線レーザ101aとに相対移動を与えながら、基板1の加工点3位置に紫外線レーザ101aを照射させて基板1の表面に加工点3を形成し、加工点3を形成することで基板1の加工点3周辺の圧縮応力を除去させ、スクライブ線103を基板1の厚さ方向に伸展させる場合、前記加工点3の後側を冷却する冷却機構6により、前記基板1のスクライビングが終了した部分を追従して冷却することを特徴とするレーザ切断方法である。
請求項2の発明は、脆性材料製の基板1の表面に対して紫外線レーザ101a を垂直に入射させ、赤外線レーザ201aを斜めから入射させて加工点3を連続的に形成してスクライビングするレーザ切断装置において、前記基板1と、紫外線レーザ101aを発生する紫外線レーザ発振装置101と、加熱手段201と、前記加工点3の後側を冷却する冷却機構6とを備え、前記加熱手段201によって基板1の加工点3位置の周辺を加熱し、基板1に熱応力が発生している状態で、基板1と紫外線レーザ101aとに相対移動を与えながら、基板1の加工点3位置に紫外線レーザ101aを照射させて基板1の表面に加工点3を形成し、加工点3を形成した後に基板1の加工点3周辺の加熱状態を解放させ、スクライブ線103を基板1の厚さ方向に伸展させる場合、前記冷却機構6により前記基板1のスクライビングが終了した部分を追従して冷却することを特徴とするレーザ切断装置である。
請求項3の発明は、脆性材料製の基板1の表面に対して紫外線レーザ101a を垂直に入射させ、赤外線レーザ201aを斜めから入射させて加工点3を連続的に形成してスクライビングするレーザ切断装置において、前記基板1と、紫外線レーザ101aを発生する紫外線レーザ発振装置101と、基板1の加工点3位置の周辺を高温に加熱するための加熱用のレーザ発振装置201と、前記加工点3の後側を冷却する冷却機構6とを備え、加熱用のレーザ発振装置201から射出する加熱用のレーザ201aの照射によって基板1の加工点3位置の周辺を加熱し、基板1に熱応力が発生している状態で、紫外線レーザ発振装置101から射出する紫外線レーザ101aによって基板1の加工点3位置を照射して加工点3を形成し、かつ、加熱用のレーザ201a及び紫外線レーザ101aを基板1に対して相対的に移動させて基板1表面にスクライブ線103を形成すると共に、加工点3を形成した後に加工点3の周辺への加熱用のレーザ201aの照射を終了させて加熱状態を解放させ、スクライブ線103を基板1の厚さ方向に伸展させる場合、前記冷却機構6により前記基板1のスクライビングが終了した部分を追従して冷却することを特徴とするレーザ切断装置である。
独立請求項1に係る発明によれば、基板の加工点位置の周辺に圧縮応力を作用させてあ
る状態で、基板と紫外線レーザとに相対移動を与えながら、基板の加工点位置に紫外線レ
ーザを照射させて基板の表面にスクライブ線を形成し、紫外線レーザの照射によって基板
の加工点周辺の圧縮応力を除去させ、スクライブ線を基板の厚さ方向に伸展させる。
しかして、加工点付近の圧縮応力を除去させるだけでスクライブ線の先端に引張り応力
が作用し、スクライブ線を垂直方向に伸展させることができる。すなわち、紫外線レーザ
の照射によって瞬時に基板の加工点付近が膨張して復元し、膨張した部分の圧縮応力が軽
減され、同時にスクライブ線の内端に引張り応力が作用する。このように、紫外線レーザ
を照射した時点でスクライブ線の深さが深くなり、紫外線レーザを照射後の加工点を直接
切断するようになるので、切断部分が蛇行しない。また、基板の加工点付近の膨張はスク
ライブ線の左右対称に瞬時に生じ、スクライブ線を形成した表面から垂直方向に確実に亀
裂が伸展するので、切断面が斜めに削げる加工も良好に防止される。加えて、圧縮応力を
除去させるときの引張り応力、及び、常温に戻るときの引張り応力を利用して亀裂を伸展
させるので、加工点に先行する部分の圧縮応力を必要としない。このため、基板の終端部
分も割り切ることができるという著効が得られる。
独立請求項2に係る発明によれば、先に加熱手段によって基板の加工点位置の周辺を加
熱し、基板に熱応力が発生している状態で、基板と紫外線レーザとに相対移動を与えなが
ら、基板の加工点位置に紫外線レーザを照射させて基板表面にスクライブ線を形成し、紫
外線レーザの照射後に基板の加工点周辺の加熱状態を解放させ、スクライブ線を基板の厚
さ方向に伸展させる。
このように、基板の加工点を含む周辺を予め高温に加熱してある状態で、紫外線レーザ
を使用して基板表面にスクライブ線を形成するので、加工点付近が常温に戻るだけで疑似
冷却状態が醸成され、スクライブ線の先端に引張り応力が作用し、スクライブ線を垂直方
向に伸展させることができる。すなわち、紫外線レーザの照射によって瞬時に基板の加工
点付近が膨張して復元し、膨張した部分の圧縮応力が軽減され、同時にスクライブ線の内
端に引張り応力が作用する。このように、紫外線レーザを照射後の加工点を直接切断する
ようになるので、切断部分が蛇行しない。また、基板の加工点付近の膨張はスクライブ線
の左右対称に瞬時に生じ、スクライブ線を形成した表面部分から垂直方向に確実に亀裂が
伸展するので、切断面が斜めに削げる加工も良好に防止される。加えて、圧縮応力を除去
させるときの引張り応力、及び、常温に戻るときの引張り応力を利用して亀裂を伸展させ
るので、先行部分の圧縮応力を必要としない。このため、基板の終端部分も割り切ること
ができるという著効が得られる。
独立請求項3に係る発明によれば、請求項2に係る発明と比較して、加熱手段として加
熱用のレーザ発振装置から射出する加熱用のレーザを使用するので、加熱用のレーザによ
って簡単に基板の加工点位置の周辺を加熱して、請求項2と同様の効果が得られる。
また、前述の各請求項1〜3において、冷却機構でスクライビングを終了した部分を追従して冷却することで、温度勾配を急峻にし亀裂の伸展を促すことができる。
図1〜図3は、本発明に係るレーザ切断装置の1実施の形態を示す。図1中において
符号101は紫外線レーザ発振装置を示し、このレーザ発振装置101からは紫外線領域
のレーザ101a(パルスレーザ)が射出する。紫外線レーザ101aは、ミラーM1に
て反射させた後、集光レンズ102によって集光させ、ガラスにて代表される脆性材料製
の基板1の表面付近に集光点が与えられる。紫外線レーザ101aは、基板1に吸収性を
もち、その照射によって基板1を昇華させ、蒸発・飛散させる。紫外線レーザ101aの
所定位置への照射によって基板1を昇華させて生ずるくさび状断面の空間を加工点3とす
る。
また、符号201は加熱手段としての赤外線レーザ発振装置を示し、このレーザ発振装
置201からは赤外線領域のレーザ201a(パルスレーザ)が射出する。赤外線レーザ
201aは、ミラーm1,m2にて反射させた後、基板1の加工点3位置を含んで照射さ
れる。赤外線レーザ201aは、基板1に吸収性をもち、その照射によって基板1を溶融
させない程度の高温に加熱する。赤外線レーザ201aによって基板1を昇温させる領域
は、仮想線にて示す切断予定線2に沿い、加工点3となる部分を含んでその周辺である。
このように、赤外線レーザ201aは、基板1の加工点3を中心としてその周辺を昇温さ
せる目的で基板1の表面に照射させるものであるため、ミラーm2による反射光を基板1
に直接照射させることに代えて、図2に示すようにミラーm2による反射光を集光レンズ
202によって集光させて、基板1の表面付近に集光点を形成し、所定の大きさ・強度に
調整して照射することもできる。
一般に、紫外線レーザ101a及び赤外線レーザ201aは、同軸上に合わせることが
困難であるため、紫外線レーザ101aを垂直に入射させ、強く集光させる必要がない赤
外線レーザ201aを斜めから入射させている。なお、赤外線レーザ201aは、加工点
3位置周辺を加熱する加熱手段であるから、バーナーその他の加熱手段によって置換する
ことが可能である。但し、赤外線レーザ201aによれば、エネルギーの消費及び損失を
少なくして、所定領域を狭くかつ正確に加熱することができると共に、輻射による加熱で
あるため加熱効率がよいこと、紫外線レーザ101aに追随移動させることが容易なこと
等の利点がある。
基板1は、ステージ(図示せず)に載置され、先ず、加熱用のレーザ発振装置である赤
外線レーザ発振装置201から射出する加熱用レーザである赤外線レーザ201aの照射
によって基板1の加工点3位置の周辺を加熱し始め、基板1に局部的な熱応力を発生させ
る。この熱応力が発生している状態で、紫外線レーザ発振装置101から射出する紫外線
レーザ101aにより、基板1の加工点3位置を照射する。そして、赤外線レーザ201
a及び紫外線レーザ101aを基板1に関して相対的に移動させて、基板1の表面に紫外
線レーザ101aの照射による加工点3を連続的に形成して、凹溝状のスクライブ線10
3を形成する。加工点3位置の周辺への赤外線レーザ201aの照射が終了すれば、加熱
状態が解放される。
次に、図2のD−D線断面を示す図3を参照して動作について説明する。D−D線は、
切断予定線2と直交している。
基板1をステージに載置する状態で、紫外線レーザ101a及び赤外線レーザ201a
を一体として基板1に対して相対移動(図1,図2に示す矢印A方向)を与えながら、基
板1の切断予定線2の一端部への照射を開始する。先ず、赤外線レーザ201aの照射に
より、基板1の加工点3位置付近が溶融を生じない高温に加熱され、図3(A)に模式的
に黒塗りで示す台形状の加熱部分1aに圧縮応力を生ずる。図3(A)に示すように、当
初、基板1の一端部には赤外線レーザ201aのみが照射されている。基板1の相対移動
により、加熱部分1aに紫外線レーザ101aが照射され、加工点3の形成によるスクラ
イビングがなされ、図3(B)に示すように加熱部分1aにV字状の加工点3が連続する
V字状断面のスクライブ線103が形成される。
これにより、スクライブ線103の一部となる加工点3が形成された基板1の箇所では
加工点3つまり空隙の形成に伴って瞬時に圧縮応力が解放されて膨張し、スクライブ線1
03の先端(内端)に引張り応力が作用し、図3(C)に示すようにスクライブ線103
の先端(内端)から基板1の厚さ方向に亀裂が伸展する。時間の経過により、基板1が自
然冷却を受けて収縮変形する間、スクライブ線103の先端に引張り応力が作用し続け、
図3(D)に示すように亀裂が更に伸展する。基板1が常温にまで戻り、亀裂の伸展が止
まる。このような動作が基板1の他端にまで継続して行われる。
亀裂の伸展長さ(深さ)は、赤外線レーザ201aによる基板1の加熱温度、加熱面積
に加えて、基板1の材質、紫外線レーザ101aの照射エネルギー等のスクライビング条
件によって決まる。基板1の厚さにもよるが、図3(A)〜(D)の動作によって基板1
を完全に分断してもよいし、後工程であるブレイク工程によってブレイク力を作用させて
基板1を分断してもよい。
また、図4に示すように加工点3の後側を冷却する冷却機構6を設け、基板1のスクラ
イビングが終了した部分を追従して冷却することで、温度勾配を急峻にし、亀裂の伸展を
促すこともできる。この冷却機構6は、冷媒を吹き出す。
本発明の1実施の形態に係るレーザ切断装置の概略を示す斜視図。 同じく要部の他の構造例の概略を示す斜視図。 同じく切断作用を示す図2のD−D線断面図であり、図3(A)は赤外線レーザの照射による基板の加熱部分を示す図、図3(B)はスクライブ線(加工点)の形成を示す図、図3(C)は引張り応力の作用を示す図、図3(D)は垂直クラックの伸展を示す図。 同じく冷却機構を設けた構造例を示す斜視図。 従来の切断方法を示す斜視図。 同じく切断方法を示す斜視図。 同じく切断方法の作用を示す説明図。 従来の他の切断方法を示す斜視図。 同じく切断方法の作用を示す説明図。 従来の更に他の切断方法を示す斜視図。 同じく切断方法の作用を示す説明図。
符号の説明
1:基板
3:加工点
6:冷却機構
101:紫外線レーザ発振装置
101a:紫外線レーザ
103:スクライブ線
201:赤外線レーザ発振装置(加熱用のレーザ発振装置又は加熱手段)
201a:赤外線レーザ(加熱用のレーザ)

Claims (3)

  1. 脆性材料製の基板(1)の表面に対して紫外線レーザ(101a)を垂直に入射させ、赤外線レーザ(201a)を斜めから入射させて加工点(3)を連続的に形成してスクライビングするレーザ切断方法において、
    前記基板(1)の加工点(3)位置の周辺に予め圧縮応力を作用させてある状態で、基板(1
    )と紫外線レーザ(101a)とに相対移動を与えながら、基板(1)の加工点(3)位置に紫外線レーザ(101a)を照射させて基板(1)の表面に加工点(3)を形成し、加工点(3)を形成することで基板(1)の加工点(3)周辺の圧縮応力を除去させ、スクライブ線(103)を基板(1)の厚さ方向に伸展させる場合、前記加工点(3)の後側を冷却する冷却機構(6)により、前記基板(1)のスクライビングが終了した部分を追従して冷却することを特徴とするレーザ切断方法。
  2. 脆性材料製の基板(1)の表面に対して紫外線レーザ(101a) を垂直に入射させ、赤外線レーザ(201a)を斜めから入射させて加工点(3)を連続的に形成してスクライビングするレーザ切断装置において、
    前記基板(1)と、紫外線レーザ(101a)を発生する紫外線レーザ発振装置(101)と、加熱手段(201)と、前記加工点(3)の後側を冷却する冷却機構(6)とを備え、
    前記加熱手段(201)によって基板(1)の加工点(3)位置の周辺を加熱し、基板(1)に熱応力が発生している状態で、基板(1)と紫外線レーザ(101a)とに相対移動を与えながら、基板(1)の加工点(3)位置に紫外線レーザ(101a)を照射させて基板(1)の表面に加工点(3)を形成し、加工点(3)を形成した後に基板(1)の加工点(3)周辺の加熱状態を解放させ、スクライブ線(103)を基板(1)の厚さ方向に伸展させる場合、前記冷却機構(6)により前記基板(1)のスクライビングが終了した部分を追従して冷却することを特徴とするレーザ切断装置。
  3. 脆性材料製の基板(1)の表面に対して紫外線レーザ(101a) を垂直に入射させ、赤外線レーザ(201a)を斜めから入射させて加工点(3)を連続的に形成してスクライビングするレーザ切断装置において、
    前記基板(1)と、紫外線レーザ(101a)を発生する紫外線レーザ発振装置(101)と、基板(1)の加工点(3)位置の周辺を高温に加熱するための加熱用のレーザ発振装置(201)と、前記加工点(3)の後側を冷却する冷却機構(6)とを備え、
    加熱用のレーザ発振装置(201)から射出する加熱用のレーザ(201a)の照射によって基板(1)の加工点(3)位置の周辺を加熱し、基板(1)に熱応力が発生している状態で、紫外線レーザ発振装置(101)から射出する紫外線レーザ(101a)によって基板(1)の加工点(3)位置を照射して加工点(3)を形成し、かつ、加熱用のレーザ(201a)及び紫外線レーザ(101a)を基板(1)に対して相対的に移動させて基板(1)表面にスクライブ線(103)を形成すると共に、
    加工点(3)を形成した後に加工点(3)の周辺への加熱用のレーザ(201a)の照射を終了させて加熱状態を解放させ、スクライブ線(103)を基板(1)の厚さ方向に伸展させる場合、前記冷却機構(6)により前記基板(1)のスクライビングが終了した部分を追従して冷却する
    ことを特徴とするレーザ切断装置。
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