JP2009084089A - ガラス切断装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ照射による1つの工程で、ガラスを切断することができるガラス切断装置及び方法を提供する。
【解決手段】波長が300乃至1100nmであるレーザ光3を使用し、切断対象のガラス板1の所定の切断線に沿ってレーザ光3の照射位置を走査する。このレーザ光走査の過程において、ガラス板1の切断線の走査始端部でレーザ光3の焦点位置をガラス板1に一致させ、その後の走査部でレーザ光3aの焦点位置をガラス板1から外す(デフォーカス)ようにレーザ光3,3aの焦点位置を制御する。レーザ光3,3aのビーム径は、走査始端部において0.01乃至1mmであり、走査部において0.05乃至6mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザビームよりガラスを切断する装置及び方法に関し、特に、0.05乃至10mm厚のガラス板を高効率で切断(割断)するのに好適のガラス切断装置及び方法に関する。
液晶表示パネル及びプラズマディスプレイパネル等のフラットディスプレイパネルの製造時等には、1枚のガラス基板の上に、表示素子及び回路を形成し、その後、硬質脆性体であるガラス基板を、所定の分割線に沿って分割することにより、1枚のガラス基板から複数枚のパネルを取り出している。このパネルとしては、電極等の金属が形成された1対のガラス基板を接着剤等で貼り合わせたものであり、レーザ切断装置は、このような貼り合わせガラスの他、他の透明な脆性材料等の切断にも使用されている。
図9は従来のホイールカッタを使用したガラス基板の切断方法を示す。ガラス基板30の表面に、ダイヤモンド刃又は超硬合金刃等からなるホイールカッタ17を使用して、スクライブ線(切り込み線)16を形成し、その後、ガラス基板30に物理的なブレイク力を付与して、ガラス基板30を撓ませることにより、スクライブ線16に沿って、ガラス基板を割断する。
このダイヤモンド刃又は超硬合金刃等のホイールカッタによるガラス板の切断は、切断部にマイクロクラックが発生しやすく、ガラス強度を低下させるという欠点があり、また、ブレイク力をかけてスクライブ線に沿ってガラス板を切断するときに、パーティクルが発生し、これが飛散するという欠点がある。
図10は従来のCOレーザを使用したガラスの切断方法を示す図である。ガラス基板30の表面の切断開始端部に、図9と同様のホイールカッタ17を使用して切れ込みを形成し、ガラスを透過しないCOレーザ18等の赤外線レーザをガラス表面に照射し、このCOレーザ18をガラス基板30に対して相対的に走査し、このレーザ照射部の後方の近傍を純水等の冷却剤19により急冷する。これにより、ガラス基板30の表面に熱応力を発生させてスクライブ線16を形成し、その後、ガラス基板30にブレイク力を印加してガラス基板30を撓ませることにより、ガラス基板30をスクライブ線16に沿って割断する。
このようなレーザを使用したガラスの切断方法として、特許文献1には、ガラス管の切断方法であるが、このガラス管の外周面の切断せんとする線上の一部に傷を入れ、この切断せんとする線に沿って、ガラスを溶融するに至らない低いエネルギでレーザビームを照射することにより、ガラス管を切断する方法が開示されている。
また、特許文献2には、被加工ガラス体の表面部に紫外線領域のレーザ光を集光して、この集光点を加工目的の形状に沿って走査させることにより、被加工ガラス体の表面部にスクライビングを施す工程と、スクライビングを施した部位に沿って赤外領域のレーザ光を照射してこの部位に割断に結びつく熱歪みを与える工程とを有するガラス加工方法が開示されている。
更に、特許文献3には、放射ビームの照射により脆性非金属材料の軟化点よりも低い温度に前記脆性非金属材料の表面を加熱し、加熱されたターゲット領域より後方の所定距離離れた位置にある領域に冷媒を供給し、放射ビームと脆性非金属材料本体との相対的な移動速度を、ビームスポットの寸法及び前記所定距離等に基づいて規定する脆性非金属材料の分断方法が開示されている。
特許文献4には、脆性材料の端縁近傍にレーザビームを照射し、その位置に生じる熱応力により亀裂を発生させ、材料を割断する方法において、被加工材料の端縁近傍で、かつ割断予定線を挟んだ両側の位置にレーザビームを同時に照射して亀裂の発生を行う方法が開示されている。
特許文献5には、脆性材料の表面に溝を形成し、この溝に沿ってレーザ光を照射することにより、溝に沿って脆性材料を分割させる脆性材料の分割方法が開示されており、分割開始部となる材料端部にレーザ光を所定時間照射し、材料端部の前記溝に沿って亀裂を発生させ、亀裂が発生した材料端部から溝に沿ってレーザ光を照射して脆性材料を分割させる方法が開示されている。
特許文献6には、割断予定線上に切筋形成装置によって微小切筋を形成し、この微小切筋に沿って、レーザ照射装置からレーザビームを照射するガラス板の割断方法及び装置が開示されている。
特許文献7には、硬質脆性板の一方の面に所望の切断線に沿って工具の鋭い先端又は周縁を接触移動させてスクライブ線を形成し、このスクライブ線を形成した面の反対側の面に硬質脆性板を局部加熱するレーザ光を照射して、照射点をスクライブ線に沿って移動させることにより、硬質脆性板を割断する方法が開示されている。
特許文献8には、ガラスの一方の面上に、スクライバにより加工始点となる第1の初期亀裂を形成し、この第1の初期亀裂をレーザビームにより印加した熱応力によりガラスの割断予定線に沿う方向に誘導して、ガラスを割断する方法が開示されている。
特許文献9には、ガラスの切断すべき部分に、パルスレーザを1行程の相対移動で照射してスクライブ線を形成した後、スクライブ線にブレイク力を作用させてガラスを切断する方法が開示されている。この方法においては、パルスレーザは紫外線を使用し、ガラスの厚さの1.8〜6.3%の深さにスクライブ線を形成する。
特開昭50−114422号公報 特許第3036906号公報 特許第3027768号公報 特許第3210934号公報 特開2000−281373号公報 特開2000−61676号公報 特開2001−26435号公報 特開2001−293586号公報 特開2005−314127号公報
上述の如く、従来のガラスの切断方法においては、先ず、ガラスの表面に、レーザ光の照射又は機械的な疵付けによりスクライブ線を形成し、その後、スクライブ線に沿ってレーザビームを照射して熱応力をガラスに作用させるか、又は物理的なブレイク力をガラスに作用させることにより、割断している。
このように、従来のガラス切断方法においては、2段の工程が必要であり、工程が煩雑であるという問題点がある。
また、CO等の赤外線レーザによる切断は、スクライブ線開始部に初期クラックを設けておく必要があり、交差するスクライブ線を形成するときに、各交差点で初期クラックの形成が必要となり、作業が煩雑になるという欠点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、レーザ照射による1つの工程で、ガラスを切断することができるガラス切断装置及び方法を提供することを目的とする。
本願第1発明に係るガラス切断装置は、波長が300乃至1100nmであるレーザ光を発振するレーザ発振部と、切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記レーザ発振部からのレーザ光の照射部を走査させるレーザ光走査部と、前記ガラス体の前記切断線の走査始端部において前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体に一致させ、前記切断線のその他の部分において前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体から外すように前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
このガラス切断装置において、前記レーザ光のビーム径は、前記走査始端部において0.01乃至1mmであり、前記その他の部分において0.05乃至6mmであることが好ましい。
本願第2発明に係るガラス切断装置は、波長が300乃至1100nmである第1レーザ光を発振する第1レーザ発振部と、切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記第1レーザ発振部からの第1レーザ光の照射部を走査させるレーザ光走査部と、波長が360nm以下である第2レーザ光を発振する第2レーザ発振部と、前記第2レーザ光を前記ガラス体の前記切断線の走査始端部に照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部が前記第2レーザ光を走査始端部に照射した後、前記レーザ光走査部が前記第1レーザ光を所定の切断線に沿って走査するようにこれらを制御する制御部と、を有することを特徴とする。
本願第3発明に係るガラス切断方法は、波長が300乃至1100nmであるレーザ光を使用し、切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記レーザ光の照射位置を走査する工程を有し、このレーザ光走査の過程において、前記ガラス体の前記切断線の走査始端部で前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体に一致させ、その後の走査部で前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体から外すように前記レーザ光の焦点位置を制御することを特徴とする。
このガラス切断方法において、前記レーザ光のビーム径は、前記走査始端部において0.01乃至1mmであり、前記その後の走査部において0.05乃至6mmであることが好ましい。
本願第4発明に係るガラス切断方法は、波長が360nm以下の第2レーザ光を切断対象のガラス体の所定の切断線の走査始端部に照射して初期クラックを形成する工程と、波長が300乃至1100nmである第1レーザ光を切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記第1レーザ光の照射位置を走査する工程とを有することを特徴とする。
本願第1発明及び第3発明によれば、ガラス体の所定の切断線における走査始端部において、レーザ光の焦点位置を前記ガラス体に一致させることにより、ガラス体の表面に高エネルギのレーザ光を照射して、ガラス体の表面に初期クラックを形成し、その後、始端部以外の部分でレーザ光を走査させるときには、レーザ光の焦点位置を前記ガラス体から外すことにより、ガラス体の所定の切断線の近傍の領域を比較的広範囲でレーザ加熱することができ、ガラス体に熱応力を作用させて走査始端部に発生した初期クラックの亀裂を進展させ、これにより、ガラス体を切断することができる。
また、本願第2発明及び第4発明によれば、第2レーザ光の照射により、走査始端部のガラス体表面又は内部に初期クラックを生成し、第1レーザ光の照射により、ガラス体に熱応力を印加して、初期クラックの亀裂を進展させ、ガラス体を切断する。
以上の本発明によれば、300乃至1100nmの波長のレーザ光を使用することにより、ガラス体の厚さが0.05乃至10mm程度であれば、レーザ光はガラス体を透過することができ、1回のレーザ光の走査により、ガラス体を切断することができる。
また、初期クラックの形成に際し、本願第1及び第3発明においては、切断に使用するレーザ光と同様の波長のレーザ光を使用し、その焦点位置をガラス体の表面又は内部に一致させることにより、この焦点位置に集まる高強度のレーザ光をガラス体の表面又は内部に集中させてこの部分に初期クラックを形成することができる。
更に、本願第2発明及び第4発明においては、波長が360nm以下の短波長のレーザ光を照射して、ガラス体の表面に微小な溝を形成し、又はガラス体の内部に微小レーザ照射跡を付け、又はガラス体の表面若しくは内部を改質して母材と物性値が異なる改質部を設けることにより、この部分に初期クラックを形成することができる。
これにより、走査過程における初期クラック形成後の波長が300乃至1100nmのレーザ光の走査により、初期クラックの亀裂が進展して、1回のレーザ光の走査により、ガラス体を切断することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るガラス切断装置及び方法におけるレーザ発振部の動作を説明する模式図、図2乃至図4はレーザ発振部及びレーザ光走査部の構成を示す模式図である。
本実施形態においては、切断対象のガラス体としてのガラス板1に対し、レーザ発振部2を所定の切断線に沿って、移動させる。これにより、レーザ発振部2から出射されたレーザ光3は、ガラス板1の切断線上に照射され、レーザ発振部2が移動することにより、レーザ光3はこの切断線上を走査する。
レーザ発振部2は、一定の焦点距離でレーザ光3を出射し、このレーザ発振部2とガラス板1との間の距離を、走査始端部においては、焦点距離に一致させ、走査始端部を過ぎた通常の走査部においては、焦点距離よりも大きくする(デフォーカスする)。このときのガラス板1の表面におけるレーザ光のビーム径は、例えば、フォーカス状態にある走査始端部においては、0.01乃至1mmであり、デフォーカス状態にある走査部においては、0.05乃至6mmである。このように、制御部(図示せず)により、ガラス板1上を走査するレーザ光3のフォーカス状態及びデフォーカス状態を制御する。
レーザ発振部2から出射されるレーザ光の波長は、300乃至1100nmである。フラットディスプレイパネルで使用されているガラス板は、通常、板厚が0.5乃至10mm程度であるが、この程度の板厚のガラス板を切断する場合は、波長が300乃至1100nmのレーザ光を使用することにより、このレーザ光がガラス板1を透過するので、レーザ光をガラス板1の所定に切断線に沿って走査することにより、ガラス板の全体に熱応力を与えて、これを切断することができる。
レーザ発振部2におけるレーザ光の出力は、50乃至2000W程度が好ましい。また、走査始端部の長さは5mm以下程度である。
次に、上述の如く構成されたガラス切断装置及び切断方法の動作について説明する。先ず、ガラス板1におけるレーザ光導入部である走査始端部において、制御部(図示せず)は、レーザ発振部2からのレーザ光3の焦点位置がガラス板1の表面に一致するように、レーザ発振部2とガラス板1との間の距離を制御する。そして、レーザ発振部2を所定の切断線に沿ってガラス板1に対して相対的に移動させることにより、レーザ光3を前記切断線に沿って走査する。そして、このレーザ光3の照射位置が走査始端部を抜けて走査部に入った後、レーザ光3の焦点位置をガラス板1の表面から外し、レーザ光3をデフォーカスさせる。
このように、走査始端部ではレーザ光3をガラス表面にフォーカスするようにし、その後の走査部においてはレーザ光3をガラス表面からデフォーカスする。これにより、走査始端部においては、フォーカスされたレーザ光3が0.01乃至1mmのビーム径、例えば、ビーム径0.3mmで、ガラス板1の表面に照射され、走査部においては、デフォーカスされたレーザ光3aが0.05乃至6mmのビーム径、例えば、ビーム径3mmで、ガラス板1の表面に照射される。このため、ビーム径が小さい走査始端部においては、レーザ光の照射により、ガラス板1の表面にクラック(初期クラック)が発生するか、又はレーザ照射痕が形成される。そして、走査部においては、大径ビームが照射されることにより、ガラス板1の切断線を挟む比較的広い範囲が加熱され、熱応力がガラス板1に発生する。即ち、ガラス板1がレーザ光3の照射を受けてこれを吸収し、この照射部位が発熱する。これにより、この照射部位とその周囲の温度が低い部位との間で、熱膨張の差から熱応力が発生する。そして、レーザ照射部位が所望の切断線に沿って走査されると、この熱源の移動に伴い、熱源移動方向を中心としてその両側に対称に熱応力が形成され、引張応力が作用する。この引張応力がガラス板1の強度を超えると、初期クラック又はレーザ照射痕を起点として亀裂が発生する。これにより、初期クラックの亀裂が進展し、走査部をレーザ光3aが走査することにより、ガラス板1が切断される。このようにして、レーザ光の1回の行程により、ガラス板1を切断することができる。
次に、レーザ切断装置の具体的構成について説明する。図2に示すレーザ切断装置(レーザ発振部及びレーザ光走査部)の構成を示す模式図である。Qスイッチパルスレーザ発振器6は、連続(CW)発振を含むQスイッチ動作の高ピークパワー発振する300nm〜1100nm程度の波長のレーザ(以下、Qスイッチパルスレーザともいう)光3を出射する。このQスイッチパルスレーザ光3は、誘電体多層膜が施された反射ミラー7aで反射して、被加工物であるガラス板1に向かう。このレーザ光3はレンズ8によりガラス板1の表面に収束される。ガラス板1は、XYテーブル9上に載置されており、このXYテーブル9が移動することにより、レーザ光3がガラス板1の表面を、ガラス板1に相対的に移動し、ガラス板1の表面を操作する。図1に示す実施形態においては、Qスイッチパルスレーザ発振器6、反射ミラー7a及びレンズ8からなるレーザ発振部2が、ガラス板1に向けて接近離隔することにより、ガラス板1に対するレーザ光3のフォーカス又はデフォーカスを制御する。しかし、本実施形態においては、これに限らず、レンズ8の位置を調整することにより、レーザ光3のフォーカスの位置を調整することもできる。この場合は、レーザ発振器6及び反射ミラー7aの位置は固定したままで、レンズ8の位置をガラス基板1に向けて又はその逆に移動させることにより、レーザ3をガラス基板1の表面上で、フォーカスさせたり、デフォーカスさせることができる。
図3は他のレーザ切断装置(レーザ発振部及びレーザ光走査部)の構成を示す図である。Qスイッチパルスレーザ発振器6から出射されたQスイッチパルスレーザ光3は、光ファイバ13に導入され、この光ファイバ13の出口から出射されたレーザ光3は、コリメートレンズ11でコリメートされ、反射ミラー7の反射面に照射される。反射ミラー7はQスイッチパルスレーザ光3を全反射してガラス板1に向かわせる。このレーザ光3はレンズ8によりガラス板1の表面に集光される。この図3に示す装置は、光ファイバ13によりレーザ光3を伝達するので、Qスイッチパルスレーザ発振器6と反射ミラー7との位置関係を任意にすることができる。
図4は更に他のレーザ切断装置(レーザ発振部及びレーザ光走査部)の構成を示す図である。図4に示す装置は、IR(赤外線)レーザ発振器5から出射されたIRレーザ光を使用するものである。このIRレーザ発振器5から出射されたIRレーザ光3は、光ファイバ13によりガラス板1の上方に導かれ、IRレーザ光の集束レンズ14によりガラス板1上に集束される。この図4に示す装置は、光ファイバ13によりレーザ光3を伝達するので、IRレーザ発振器5の位置に関係なく、IRレーザ集束レンズ14を任意の位置に設置可能であり、ガラス板1上に任意の位置関係で集束可能である。
なお、IRレーザとしては、波長が800乃至1100nm程度の半導体レーザ又はYAGレーザを使用することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。前述の実施形態では、走査始端部で、レーザ光3をフォーカスすることにより、初期クラックを生成したが、この他の実施形態では、走査始端部において、波長が360nm以下の第2レーザ光を照射することにより、初期クラックを形成する。
即ち、所定の切断線の走査始端部において、波長が360nm以下の短波長のレーザ光を照射して、図5に示すように、走査始端部のガラス板1の表面に、微小な溝20を形成する。このときのレーザの照射条件は、波長355nm、周波数50kHz、出力3W、ビーム径10μm以下である。
又は、図6に示すように、波長が360nm以下の短波長のレーザ光を、走査始端部におけるガラス板1の内部に集束するように照射して、微小なレーザ照射跡21をガラス板1の内部に形成する。このときのレーザの照射条件は、波長355nm、周波数50kHz、出力3W、ビーム径10μm以下である。
又は、図7に示すように、波長が360nm以下の短波長のレーザ光を、走査始端部におけるガラス板1の表面に照射して、この部分に、母材の物性値と異なる物性値を有する表面改質部22を形成する。このときのレーザの照射条件は、波長355nm、周波数50kHz、出力1W、ビーム径20μm以下である。
又は、図8に示すように、波長が360nm以下の短波長のレーザ光を、走査始端部におけるガラス板1の内部に照射して、この部分に、母材の物性値と異なる物性値を有する内部改質部23を形成する。このときのレーザの照射条件は、波長355nm、周波数50kHz、出力1W、ビーム径20μm以下である。
このようにして、走査始端部において、溝20、照射跡21、表面改質部22又は内部改質部23を形成して、これを初期クラックとして、その後の走査部における300乃至1100nmの波長のレーザ光のデフォーカスでの照射により、初期クラックから亀裂を進展させる。
この他の実施形態においても、前述の図1に示す実施形態と同様に、1回のレーザ光の走査行程で初期クラックの形成と亀裂の進展に伴う切断とを行うことができる。
本発明は、プラズマディスプレイパネル及び液晶表示パネル等のフラットディスプレイパネル等の製造工程において、工程の簡略化及び迅速化に有益である。
本発明の実施形態を示す模式図である。 本発明の実施形態で使用するレーザ切断装置を示す模式図である。 同じく他のレーザ切断装置を示す模式図である。 同じく他のレーザ切断装置を示す模式図である。 本発明の他の実施形態において、初期クラックを形成する方法を示す模式図である。 同じく、他の初期クラックの形成方法を示す模式図である。 同じく、他の初期クラックの形成方法を示す模式図である。 同じく、他の初期クラックの形成方法を示す模式図である。 従来のホイールカッタを使用したガラス基板の切断方法を示す図である。 従来のCOレーザを使用したガラスの切断方法を示す図である。
符号の説明
1:ガラス板
2:レーザ発振部
3、3a:レーザ光
5:IRレーザ発振器
6:Qスイッチパルスレーザ発振器
9:XYテーブル
20:溝
21:レーザ照射跡
22:表面改質部
23:内部改質部

Claims (6)

  1. 波長が300乃至1100nmであるレーザ光を発振するレーザ発振部と、切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記レーザ発振部からのレーザ光の照射部を走査させるレーザ光走査部と、前記ガラス体の前記切断線の走査始端部において前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体に一致させ、前記切断線のその他の部分において前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体から外すように前記レーザ光の焦点位置を制御する制御部と、を有することを特徴とするガラス切断装置。
  2. 前記走査始端部において、前記レーザ光のビーム径は0.01乃至1mmであり、前記その他の部分において、前記レーザ光のビーム径は0.05乃至6mmであることを特徴とする請求項1に記載のガラス切断装置。
  3. 波長が300乃至1100nmである第1レーザ光を発振する第1レーザ発振部と、切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記第1レーザ発振部からの第1レーザ光の照射部を走査させるレーザ光走査部と、波長が360nm以下である第2レーザ光を発振する第2レーザ発振部と、前記第2レーザ光を前記ガラス体の前記切断線の走査始端部に照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部が前記第2レーザ光を走査始端部に照射した後、前記レーザ光走査部が前記第1レーザ光を所定の切断線に沿って走査するようにこれらを制御する制御部と、を有することを特徴とするガラス切断装置。
  4. 波長が300乃至1100nmであるレーザ光を使用し、切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記レーザ光の照射位置を走査する工程を有し、このレーザ光走査の過程において、前記ガラス体の前記切断線の走査始端部で前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体に一致させ、その後の走査部で前記レーザ光の焦点位置を前記ガラス体から外すように前記レーザ光の焦点位置を制御することを特徴とするガラス切断方法。
  5. 前記走査始端部において、前記レーザ光のビーム径は0.01乃至1mmであり、前記その後の走査部において、前記レーザ光のビーム径は0.05乃至6mmであることを特徴とする請求項4に記載のガラス切断方法。
  6. 波長が360nm以下の第2レーザ光を切断対象のガラス体の所定の切断線の走査始端部に照射して初期クラックを形成する工程と、波長が300乃至1100nmである第1レーザ光を切断対象のガラス体の所定の切断線に沿って前記第1レーザ光の照射位置を走査する工程とを有することを特徴とするガラス切断方法。
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