JP2007319075A - 容器詰飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】風味を損うことなく、非重合体カテキン類を高濃度で含む容器詰飲料の苦味を低減する。
【解決手段】(A)非重合体カテキン類を0.05〜0.5質量%、(B)β−サイクロデキストリンを0.01〜0.1質量%、及び(C)γ−サイクロデキストリンを0.005〜0.4質量%含有し、(B)/(C)が0.1〜4.0であることを特徴とする容器詰飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は非重合体カテキン類を高濃度含有し、かつ苦味を抑制した容器詰飲料に関する。
カテキン類の生理効果としては、コレステロール上昇抑制作用やαアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている。このような生理効果を発現させるためにより簡便に大量のカテキン類を摂取するための方法として、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれていた。
しかし、カテキン類を高濃度に含む飲料は、飲んだときに苦味が強く感じられ、常飲が困難である。これら茶系飲料の苦味を低減する方法として、サイクロデキストリンを配合する方法が報告されている(例えば特許文献1〜6)。
すなわち、特許文献1は、茶抽出物1質量部乾燥質量に対し、サイクロデキストリン2.5質量部以上を含有する茶抽出物含有組成物並びに同含有食品を、特許文献2は、カテキン類1質量%、カフェイン0.1質量%以下及びサイクロデキストリン0.1〜20.0質量%の各量を含む飲食物の製造に際し、茶抽出液に水蒸気賦活炭を作用させカフェインを吸着・除去する方法を、特許文献3、4は、カテキン類及びサイクロデキストリンを各特定量含む容器詰飲料を各々開示している。更に、特許文献5ではクラスターデキストリンを高濃度茶カテキン類に配合することにより苦味が抑制された容器詰茶飲料を、特許文献6では更に高濃度のカテキン類に対しするサイクロデキストリンの苦味抑制効果を開示している。しかしながら、非重合体カテキン類を高濃度に含む容器詰飲料に、サイクロデキストリンを配合することによって加熱殺菌処理後の苦味を低減させるには、多量のサイクロデキストリンが必要であった。しかしながら多量のサイクロデキストリンを配合するとサイクロデキストリン自身の風味によって飲料本来の風味が損なわれてしまう欠点があり、使用量については限界があった。更に従来使用されているβ−及びγ−サイクロデキストリンの単独使用では苦味抑制効果は十分ではなかった。

特開平3−168046号公報 特開平10−4919号公報 特開2002−238518号公報 特開2004−129662号公報 特開2004−159641号公報 特開2004−254511号公報
本発明の目的は飲料本来の風味を損うことなく、かつ、非重合体カテキン類を高濃度に含む加熱殺菌後の容器詰飲料の苦味を低減する手段を提供することにある。
そこで本発明者は、非重合体カテキン類を高濃度に含む容器詰飲料の加熱殺菌後の風味を低下させることなく、苦味を低減させるべく検討した結果、非重合体カテキン類中のガレート体率を調整し、β−及びγ−サイクロデキストリンを特定の割合で配合したところ、優れた苦味抑制効果が得られ、飲料本来の風味を保持した容器詰飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)非重合体カテキン類を0.05〜0.5質量%、(B)β−サイクロデキストリンを0.01〜0.1質量%、及び(C)γ−サイクロデキストリンを0.005〜0.4質量%含有し、(B)/(C)(質量比)が0.1〜4.0であることを特徴とする容器詰飲料を提供するものである。
また、本発明は、β−及びγ−サイクロデキストリンを配合することによって、非重合体カテキン類の苦味を抑制する方法を提供するものである。
本発明によれば、非重合体カテキン類を高濃度で含む容器詰飲料であって、苦味が抑制され、かつ風味が良好である飲料を提供できる。
本発明で(A)非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称である。ここでいう非重合体カテキン類の濃度は、上記の合計8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の容器詰飲料中には、水に溶解状態にある非重合体カテキン類を、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.07〜0.4質量%、更に好ましくは0.09〜0.3質量%含有する。非重合体カテキン類がこの範囲内であれば多量の非重合体カテキン類を容易に摂取し易く、非重合体カテキン類の生理効果の発現が期待できる。又、非重合体カテキン類含量が0.05質量%未満である場合、体内に吸収される十分な摂取量ではなく、0.5質量%を超えると飲料の苦味が増加する。
本発明の容器詰飲料中の非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレートとカテキンガレートとからなる非重合体カテキンガレート体と、エピガロカテキンとガロカテキンとエピカテキンとカテキンからなる非重合体カテキン非ガレート体がある。ガレート体は苦味が強いことから、本発明容器詰飲料に使用される(A)非重合体カテキン類中の(D)非重合体カテキンガレート体類の割合((D)/(A)×100)は30〜60質量%、更に30〜55質量%であることが苦味抑制の観点から好ましい。
本発明における前記の高濃度の非重合体カテキン類を有する容器詰飲料は、例えば緑茶抽出物の濃縮物を配合して非重合体カテキン類濃度を調整して得ることができる。具体的には、緑茶抽出物の濃縮物の水溶液、あるいは当該緑茶抽出物の濃縮物に緑茶抽出液、半発酵茶抽出液又は発酵茶抽出液を配合したものが挙げられる。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去し、水溶性有機溶媒により抽出した場合によっては有機溶媒も除去し、精製して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。又、緑茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる茶抽出液とは濃縮や精製操作を行わない抽出液のことをいう。
非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の濃縮物水溶液としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などを溶解したものが挙げられる。非重合体カテキン類濃度が上記範囲にあれば、これらを再精製したものを用いてもよい。再精製の方法としては、例えば緑茶抽出物の濃縮物を水又は水とエタノールなどの有機溶媒の混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法がある。あるいは茶葉から熱水もしくはエタノールなどの水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものを更に精製したもの、あるいは抽出物を直接精製したものを用いてもよい。用いる緑茶抽出物の濃縮物水溶液の非重合体カテキン類含有量が0.8質量%未満の場合には、加熱殺菌後における最終容器詰飲料の非重合体カテキン類の含有量が十分ではなく、50質量%を超える濃度では高粘度となり溶解に長時間を要する。緑茶抽出物の濃縮物水溶液中の好ましい非重合体カテキン類濃度は0.9〜30質量%であり、より好ましくは1.0〜20質量%である。
本発明に用いる非重合体カテキン類は、緑茶抽出物又はその濃縮物をタンナーゼ処理により、ガレート体率を調整することができる。タンナーゼによる処理は、緑茶抽出物の非重合体カテキン類に対してタンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpHは、酵素活性が得られる4.0〜6.0が好ましく、更に好ましくは4.5〜6.0であり、特に好ましくは5.0〜6.0である。
本発明では、用いるサイクロデキストリンとは、澱粉類に酵素(サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ)を作用させて得られるものである。
これらのサイクロデキストリンの中でも本発明においては特に(B)β−サイクロデキストリン及び(C)γ−サイクロデキストリンを使用するが、クラスターデキストリンなど他のサイクロデキストリンを併用しても良い。β−サイクロデキストリンとしては例えば、セルデックスB-100(日本食品化工社製)やデキシパールβ−100(塩水港精糖社製)などが挙げられる。γ−サイクロデキストリンとしては例えば、CAVAMAX W8 Food(株式会社シクロケム:WACKER社製)等が挙げられる。又、β−サイクロデキストリンとγ−サイクロデキストリンとの混合物としては、セルデックスTB−50、セルデックスSL−20(日本食品化工社製)などが使用できる。
従来、茶カテキン類を包接して苦味を抑制させるには、(B)β−サイクロデキストリンを使用してきたが、その効果は不十分であった。しかし、本発明者らは、(B)β−サイクロデキストリンと(C)γ−サイクロデキストリンを特定の割合で混合することにより、茶カテキン類の苦味を相乗的に抑制できることを見出した。
本発明における(B)β−サイクロデキストリンは、容器詰飲料中の濃度が0.01〜0.1質量%、更に0.015〜0.1質量%、特に0.015〜0.05質量%となるように添加するのが、最終容器詰飲料の苦味渋味低減化効果、風味低下抑制の点で好ましい。
本発明における(C)γ−サイクロデキストリンは、容器詰飲料中の濃度が0.005〜0.4質量%、更に0.007〜0.35質量%、特に0.01〜0.2質量%となるように添加するのが、最終容器詰飲料の苦味渋味低減化効果、風味低下抑制の点で好ましい。
本発明における(B)β−サイクロデキストリンと(C)γ−サイクロデキストリンとの質量比率((B)/(C))は0.1〜4.0であることが最終容器詰飲料の苦味渋味低減化効果、風味低下抑制の点で好ましい。
本発明の容器詰飲料としては、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、果汁入り飲料、野菜入り飲料等の非茶系飲料や、緑茶等の不発酵茶飲料、烏龍茶等の半発酵茶飲料、紅茶等の発酵茶飲料などの茶系飲料が挙げられる。
本発明の容器詰飲料には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
本発明の容器詰飲料に使用する甘味料としては人工甘味料、炭水化物類、グリセロール類が挙げられる。これらの甘味料は、本発明容器詰飲料中に0.0001〜20質量%、更に0.001〜15質量%、特に0.001〜10質量%含有するのが好ましい。甘味料が少なすぎると、甘みがほとんどなく、酸味、塩味とのバランスがとれない。一方、多すぎると、甘すぎて喉にひっかかる感覚が強く、喉越しが低下する。
甘味料としては、例えば、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。
このような甘味料のうち、人工甘味料の例にはアスパルテーム、サッカリン、シクラメート、アセスルフェーム−K、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン低級アルキルエステル甘味料、L−アスパルチル−D−アラニンアミド、L−アスパルチル−D−セリンアミド、L−アスパルチル−ヒドロキシメチルアルカンアミド甘味料、L−アスパルチル−1−ヒドロキシエチルアルカンアミド甘味料、スクラロース、ソーマチンなどの高甘度甘味料、エリスリトール、キシリトール、トレハロースなどの糖アルコール、グリチルリチン、合成アルコキシ芳香族化合物等がある。ステビノシド及び他の天然源の甘味料も使用できる。これらの人工甘味料の含有量は、0.0001〜20質量%である。
炭水化物系甘味料としては、単糖、オリゴ糖、複合多糖又はそれらの混合物を含む。
単糖にはテトロース、ペントース、ヘキソース及びケトヘキソースがある。ヘキソースの例は、ブドウ糖として知られるグルコースのようなアルドヘキソースである。本発明容器詰飲料中のグルコース含有量は、好ましくは0.0001〜20質量%、更に好ましくは0.001〜15質量%、特に好ましくは0.001〜10質量%である。果糖として知られるフルクトースはケトヘキソースである。本発明容器詰飲料中のフルクトース含有量は好ましくは0.0001〜20質量%、更に好ましくは0.001〜15質量%、特に好ましくは0.001〜10質量%である。
オリゴ糖としては、例えば、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ)が挙げられる。このオリゴ糖の重要なタイプは二糖である。二糖の例は、ショ糖又はテンサイ糖として知られるスクロースである。本発明容器詰飲料中のスクロース含有量は、好ましくは0.001〜20質量%、更に好ましくは0.001〜15質量%、特に好ましくは0.001〜10質量%である。
複合多糖の好ましい例はマルトデキストリンである。マルトデキストリンは長さがいくつかのグルコース単位からなる複合多糖である。それらはコーンスターチの加水分解により得られるスプレードライ多糖である。マルトデキストリンのデキストロース当量はデンプンポリマー加水分解の程度の指標である。
本発明容器詰飲料に用いられる全炭水化物量は、全質量の0.0001〜20質量%である。炭水化物の総量には、フルーツジュース又は茶抽出物中に天然で存在するものだけでなく、添加された炭水化物も含む。炭水化物誘導体、多価アルコール、例えばグリセロール類も、本発明で用いることができる。グリセロール類は、0.1〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、本発明容器詰飲料に使用できる。
酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。これらの酸味料は本発明容器詰飲料中に0.01〜0.5質量%、特に0.01〜0.3質量%含有するのが好ましい。無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの無機酸類、無機酸塩類は、容器詰飲料中に0.01〜0.5質量%、特に0.01〜0.3質量%含有するのが好ましい。
本発明の容器詰飲料には、ナトリウムイオンを0.001〜0.5質量%、及びカリウムイオン0.001〜0.2質量%を含有させてもよい。ここで、ナトリウムイオン及びカリウムイオン濃度がこの0.001質量%未満であると、飲む場面によっては味的に物足りなく感じ、効果的なミネラル補給ができなくて好ましくない。一方、この0.5質量%を超えると、塩類自体の味が強く、長期間の飲用に好ましくない。併せて、高温保存時での色調の変化が大きく好ましくない。本発明のナトリウムイオン及びカリウムイオン成分は、水溶性成分又は無機塩に由来する。それらは果汁及び茶抽出物中にも含有されている。
ナトリウムイオンとしては、ナトリウム塩化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうるナトリウム塩を配合してもよいし、加えられた果汁又は茶の成分由来のものも含まれる。本発明品中のナトリウムイオン濃度は、血漿ナトリウムの場合よりも低い濃度であることが好ましい。高温時長期間保存試験においては、ナトリウムイオン濃度が高くなるほど、色調の変化する度合いが高くなった。生理効果及び色調の安定性の観点から、本発明容器詰飲料中のナトリウムイオン含有量は、好ましくは0.001〜0.5質量%、より好ましくは0.002〜0.4質量%、更に好ましくは0.003〜0.2質量%である。
カリウムイオンとしては、カリウム塩化物、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩を配合できる。また、カリウムイオンとしては、果汁又は茶の成分由来のものも含まれる。カリウムイオン濃度は、ナトリウムイオン濃度に比べて、高温保存時での色調の変化への影響が大きい。安定性の観点から、本発明容器詰飲料中のカリウムイオンは、好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.002〜0.15質量%、更に好ましくは0.003〜0.12質量%である。
ナトリウムイオン及びカリウムイオンに加えて、本発明飲料には好ましくは0.001〜0.5質量%、より好ましくは0.002〜0.4質量%、特に好ましくは0.003〜0.3質量%の塩化物イオンを含有させてもよい。塩化物イオン成分は塩化ナトリウム又は塩化カリウムのような塩の形で配合できる。例えば、塩化ナトリウムが加えられると、その量のナトリウムイオン及びその量の塩化物イオンも、それに応じて各イオンの総量に含まれることになる。
本発明の容器詰飲料のうち、非茶系飲料のpHは2〜6である。2より低いと飲料の酸味、刺激臭が強く飲用に耐えない。また、6より高いと風味の調和が取れなくなり、嗜好性が低下する。併せて、安定性も悪くなる。好ましいpHは2〜5であり、より好ましいpHは2〜4.5である。
本発明の容器詰飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
また本発明の容器詰飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
非重合体カテキン類の測定
メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った(通常カテキン類及びカフェインの濃度は、質量/体積%(%[w/v])で表すが、実施例中の含有量は液量を掛けて質量で示した)。
サイクロデキストリンの測定
β−サイクロデキストリンはセルデックスB−100、γ−サイクロデキストリンはCAVAMAX W8 FOODを標準物質とし、混合品については次に示す測定法にて定量を行った。蒸留水で溶解した試料を、メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL-AVP)を用い、Shodex Asahipak GS-220 HQ(7.6mmID*300mm)×2本を装着し、カラム温度60℃で測定した。移動相は蒸留水、流速0.6mL/min、試料注入量は10μL、検出器はRIで行い、サイクロデキストリン含有量を質量%で表した。
風味の評価
パネラー5名により飲用試験を行った。
実施例1
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを99.5質量%エタノール900gに分散させ、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、水200mLを加えて減圧濃縮することによって再精製物を得た。得られた再精製物中の非重合体カテキン類は、15.2質量%であった。この精製物水溶液のうち7.9gとセルデックスB−100(β−サイクロデキストリン含有量98.0重量%、日本食品加工製)0.4gとCAVAMAX W8 FOOD(γ−サイクロデキストリン含有量98.5重量%、シクロケム社製)2.0gを溶解した。更に、エリスリトール、無水結晶ぶどう糖、スクラロース1%水溶液、グレープフルーツ果汁、無水クエン酸、クエン酸3Na、食塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、グルコン酸カリウム、L-アスコルビン酸、グレープフルーツ香料を添加して全量を1、000gとした。配合後、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この容器詰め飲料の組成、風味評価結果及び保存試験結果を表2に示す。
実施例2
サイクロデキストリンとしてセルデックスSL−20(β−サイクロデキストリン含有量3.3重量%、γ−サイクロデキストリン含有量6.6重量%、日本食品加工製)を4.5g使用した以外は実施例1と同様の飲料を製造した。
実施例3
サイクロデキストリンとしてセルデックスSL−20を4.5g及びCAVAMAX W8 FOODを0.7g使用した以外は実施例1と同様の飲料を製造した。
実施例4
サイクロデキストリンとしてセルデックスTB−50(β−サイクロデキストリン含有量20.0重量%、γ−サイクロデキストリン含有量5.0重量%、日本食品加工製)を2.0g使用した以外は実施例1と同様の飲料を製造した。
実施例5
実施例1における再精製物を製造する際、得られた非重合体カテキン類組成物のうち75.0g(非重合体カテキン類11.47g、ガレート体率:52.1%)をステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を1、000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液3.0gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水1.07g中にキッコーマンタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上)0.27g(非重合体カテキン類に対して2.4%)を溶解した液を添加し、55分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行った。タンナーゼ処理後に得られた精製緑茶抽出物の非重合体カテキン類は、16.8質量%、ガレート体率は39.7%であった。この再精製物を使用した以外は実施例1と同様の飲料を製造した。
実施例6
静岡産の緑茶葉135gを65℃に加熱したイオン交換水4kgに加えて5分間抽出し、次いで抽出液から茶葉を取り除き、熱交換器で25℃以下に冷却した。次にネル濾過により抽出液中の沈殿物や浮遊物を取り除き、円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過した。市販の緑茶抽出物の濃縮物から実施例1と同様にして再精製物を得た。この再精製物水溶液のうち7.9g、セルデックスSL−20を4.5gとCAVAMAX W8 FOODを0.7g、及び先の茶抽出液とアスコルビン酸ナトリウムを加え希釈後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpH6.2に調整し全量を1、000gにした後、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
実施例7
福建省産の烏龍茶葉135g及び重曹2.67gを95℃に加熱したイオン交換水4kgに加えて3分間抽出し、次いで抽出液から茶葉を取り除き、熱交換器で25℃以下に冷却した。次にネル濾過により抽出液中の沈殿物や浮遊物を取り除き、円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過した。一方、市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを99.5質量%エタノール900gに分散させ、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、水200mLを加えて減圧濃縮して再精製物を得た。この再精製物水溶液のうち7.9g、セルデックスSL−20を4.5gとCAVAMAX W8 FOODを0.7g及び先の茶抽出液とアスコルビン酸ナトリウムを加え、希釈後全量を1、000gにした後、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
比較例1
サイクロデキストリンとしてセルデックスB−100を0.15g添加した以外は、実施例1と同様の飲料を製造した。
比較例2
サイクロデキストリンとしてCAVAMAX W8 FOODを1.0g添加した以外は、実施例1と同様の飲料を製造した。
比較例3
サイクロデキストリンとしてセルデックスB−100を0.4g添加し、CAVAMAX W8 FOODを6.0g添加した以外は、実施例1と同様の飲料を製造した。
比較例4
サイクロデキストリンとしてセルデックスB−100を0.15g添加した以外は、実施例6と同様の飲料を製造した。
比較例5
サイクロデキストリンとしてセルデックスB−100を0.4g添加し、CAVAMAX W8 FOODを6.0g添加した以外は、実施例6と同様の飲料を製造した。
比較例6
サイクロデキストリンとしてセルデックスB−100を0.15g添加した以外は、実施例7と同様の飲料を製造した。
比較例7
サイクロデキストリンとしてセルデックスB−100を0.4g添加し、CAVAMAX W8 FOODを6.0g添加した以外は、実施例7と同様の飲料を製造した。
表1、表2から明らかなように、高濃度の非重合体カテキン類を含有する容器詰飲料に(B)β−サイクロデキストリン及び(C)γ−サイクロデキストリンを配合すると、顕著に苦味が抑制された。
Figure 2007319075
Figure 2007319075

Claims (7)

  1. (A)非重合体カテキン類を0.05〜0.5質量%、(B)β−サイクロデキストリンを0.01〜0.1質量%、及び(C)γ−サイクロデキストリンを0.005〜0.4質量%含有し、(B)/(C)(質量比)が0.1〜4.0である容器詰飲料。
  2. (A)非重合体カテキン類中の(D)非重合体カテキンガレート体類の割合が30〜60%である請求項1記載の容器詰飲料。
  3. 茶抽出物の濃縮物を配合した請求項1又は2記載の容器詰飲料。
  4. 非茶系飲料である請求項1〜3のいずれか一項記載の容器詰飲料。
  5. 不発酵茶飲料である請求項1〜3のいずれか一項記載の容器詰飲料。
  6. 半発酵茶飲料である請求項1〜3のいずれか一項記載の容器詰飲料。
  7. (B)β−サイクロデキストリン及び(C)γ−サイクロデキストリンを配合することを特徴とする非重合体カテキン類の苦味抑制方法。
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