JP2007318660A - 音響波共振子およびフィルタならびに通信装置 - Google Patents

音響波共振子およびフィルタならびに通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、長期にわたり良好に使用することが可能な高性能の音響波共振子およびそれを用いたフィルタならびに通信装置を提供することである。
【解決手段】
基体1と、前記基体1上に配置され、音響波を発する圧電体層5を含んでなる共振体2と、前記基体1と前記共振体3との間に前記共振体3と密着して設けられ、材質の異なる金属層を積層して成る反射器7と、前記基体1と前記反射器7との間で、かつ前記共振体3の直下領域に配置され、前記基体1よりも低い固有音響インピーダンスを有する絶縁層8と、を備えた音響波共振子。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響波共振子およびそれを用いたフィルタならびに通信装置に関する。
無線通信や電気回路に用いられる音響波共振子、フィルタには、例えば2GHz以上の高周波数信号に対応したものが求められている。
従来の音響波共振子としては、図7に示すように、基体に下部電極層、圧電体層、上部電極層を順次積層した共振体と、基体と共振体との間に固有音響インピーダンスの異なる多層膜からなる反射器とを備えた構造のものが知られており、この共振体が発する音響波を電気的エネルギーに変換する。
ここで、共振条件を満たすために反射器は、共振体に接する層が共振体よりも低い固有音響インピーダンスを有する材料で形成されている。
かかる材料としては、樹脂材料や、ガラス発泡体、発泡型接着剤等の多孔質材料が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−089236号公報
しかしながら、共振体の下部電極層に接する反射器の低固有音響インピーダンス層として、樹脂材料や多孔質材料を使用した場合、これらの材料は金属材料と密着性が悪く、共振体の下部電極層が反射器から剥離したりする等、信頼性の面で問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、長期にわたり良好に使用することが可能な信頼性に優れた音響波共振子およびそれを用いたフィルタならびに通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の音響波共振子においては、基体と、前記基体上に配置され、音響波を発する圧電体層を含んでなる共振体と、前記基体と前記共振体との間に前記共振体と密着して設けられ、材質の異なる金属層を積層して成る反射器と、前記基体と前記反射器との間で、かつ前記共振体の直下領域に配置され、前記基体よりも低い固有音響インピーダンスを有する絶縁層と、を備えている。
また、本発明の音響波共振子においては、前記絶縁層が、無機材料又は樹脂材料を主成分とすることを特徴とする。
また、本発明の音響波共振子においては、前記金属層の厚みが、該金属層を伝搬する音響波の波長の1/4の略奇数倍であることを特徴とする。
また、本発明の音響波共振子においては、前記絶縁層の厚みが、該絶縁層を伝搬する音響波の波長の1/4の略奇数倍であることを特徴とする。
また、本発明の音響波共振子においては、前記反射器は、Mg、Al、Tiの中から選ばれる1つ、もしくはこれらの金属材料を主成分とする合金からなる第1の金属層と、Cr、Ni、Cu、Mo、Ag、W、Au、Ptの中から選ばれる1つ、もしくはこれらの金属材料を主成分とする合金からなる第2の金属層とを積層してなることを特徴とする。
また、本発明のフィルタにおいては、入力端子と出力端子とグランド端子とを有し、前記入力端子と前記出力端子とをつなぐ入出力ライン上、および前記入出力ラインとグランド端子との間に上記構成のいずれの本発明の音響波共振子をそれぞれ設ける。
また、本発明の通信装置においては、上記構成のフィルタと、電気信号を送信する送信回路と、電気信号を受信する受信回路とを有し、前記送信回路と前記受信回路との間に前記フィルタを配置して電気信号をフィルタリング処理する。
本発明によれば、金属材料によって形成された反射器上に共振体を形成することで、反射器と共振体とを金属材料同士の結合によって、共振体と反射器における低固有音響インピーダンス層との剥離を抑制し、長期にわたり良好に使用することができる。
また、反射器を金属材料で形成することで、反射器と共振体とを電気的に接続し、反射器に寄生容量が発生するのを抑制し、音響波共振子の電気的特性が悪化するのを防止することができる。
更に、反射器と基体の間に、基体よりも低い固有音響インピーダンスの絶縁層を挿入することにより、十分な反射率を持つ音響波共振子を実現することができる。
以下に、本発明にかかる音響波共振子およびそれを用いたフィルタならびに通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<本発明の音響波共振子>
本発明の音響波共振子の実施の形態の一例について、図1(a)に平面図を、図1(b)に図1(a)のA‐A’部分の断面図を示す。
図1(a)、図1(b)に示すように、本実施の形態に係る音響波共振子は、平板状の基体1と、音響波を発生する共振体2、音響波を反射する音響アイソレート層3とを備えている。
基体1は、音響波共振子を支持する機能を有し、例えば厚みが0.05〜1mm、直径が75〜200mmの鏡面研磨されたSiウエハーが用いられる。Siウエハーは扱いやすく、また対応する薄膜プロセス装置も多いため、製造が容易となることから、特に好適に用いられる。基体1は、Siウエハーの他にも、薄膜プロセスと相性の良い、Si、Al、SiO、ガラス等のウエハーまたは平板を使用することができる。
共振体2は、第1の電極層4と、圧電体層5と、第2の電極層6とを備えており、圧電体層5に上下から電圧を第1の電極層4および第2の電極層6によって印加することで音響波を発する。共振体2は音響アイソレート層3によって音響的に素子基板1から分離されている。
共振体2における圧電体層5は、例えばZnOやAlN,PZT等の圧電体材料からなり、第1の電極層4および第2の電極層6によって印加された高周波電圧に応じて伸縮し、電気的な信号を機械的な振動に変換する機能を持つ。圧電体層5は例えばスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで第1の電極層4上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。音響波共振子が必要な共振特性を発揮するために、圧電体層5の厚みは、材料の固有音響インピーダンスや密度、音響波が材料を伝搬する速度、音響波の波長等を考慮して、精密に設計する必要がある。最適な厚みは、使用周波数、共振子の設計、圧電体層5の材料、第1の電極層4および第2の電極層6の材料等によって異なるが、共振周波数が2GHzの場合、0.3〜1.5μmである。
また、共振体2は、前述のように、その内部で音響波が共振を起こすものであり、使用周波数、共振子の設計、圧電体層5の材料、第1の電極層4および第2の電極層6の材料等を考慮して精密に設計する必要がある。共振体2における音響波を共振する共振部2aは、第1の電極層4、圧電体層5、第2の電極層6が重なった部分であり、第1の電極層4、圧電体層5、第2の電極層6のそれぞれは、共振部2aよりも広く形成されていてもよい。通常、全体の厚みが、おおむねλ/2(λは使用周波数での音響波の波長)となるように設計される。また、平面形状は、図1に示す例では矩形状になっているが、不要振動(スプリアス)を防ぐため、円形状や不定形状、台形状とされる場合もある。さらに、その面積は、共振子の電気インピーダンスを決定する要素となるため、厚みと同様に精密に設計する必要がある。50Ωインピーダンス系で使用する場合は、通常、共振部の電気的なキャパシタンスが、使用周波数でおおむね50Ωのリアクタンスを持つように設計される。共振部2aの面積は、例えば2GHzの振動子の場合であれば、200×200μmとなる。
第1の電極層4は圧電体層5に高周波電圧を印加する機能を有する部材であり、W、Mo、Au、Al、Cu等の金属材料で形成される。第1の電極層4は、例えばスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで音響アイソレート層3上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。第1の電極層4は共振部2aを構成する機能を有するため、音響波共振子が必要な共振特性を発揮するために、その厚みは、材料の固有音響インピーダンスや密度、音響波が材料を伝搬する速度、伝搬する音響波の波長等を考慮して、精密に設計する必要がある。最適な電極厚みは、使用周波数、共振子の設計、圧電体層の材料、電極材料、反射器の構成等によって異なるが、共振周波数が2GHzの場合、0.01〜0.5μmである。
第2の電極層6は、第1の電極層4とともに、圧電体層5に高周波電圧を印加する機能を有する部材であり、W、Mo、Au、Al、Cu等の金属材料で形成される。第2の電極層6は例えばスパッタリング法やCVD法等の薄膜プロセスで圧電体層5上に所定の厚さで形成され、フォトリソグラフィ技術等により所定の形状に加工される。また、第2の電極層6は、電極としての機能と同時に、共振部2aを構成する機能も有するため、音響波共振子が必要な共振特性を発揮するために、その厚みは、第1の電極層4と同様に、精密に設計する必要がある。最適な電極厚みは、共振周波数が2GHzの場合、0.01〜0.5μmである。
音響アイソレート層3は、材質の異なる金属層(第1の金属層、第2の金属層)を積層してなる反射器7と、絶縁層8とを備えている。反射器7は、固有音響インピーダンスの異なる低固有音響インピーダンス層7aと、高固有音響インピーダンス層7bとを備えている。図1では低固有音響インピーダンス層7a、高固有音響インピーダンス層7bはおのおの1層となっているが、良好な反射率を得るために適宜繰り返しても良い。その場合でも、最も共振体2に近い層は共振体2の振動を妨げないように、低い固有音響インピーダンスを持つ低固有音響インピーダンス層7aである必要がある。
反射器7を構成する金属材料のうち、低い固有音響インピーダンスを持つ層7aの材料は、Mg、Al、Tiの中から選ばれる1つ、もしくはこれらの金属材料を主成分とする合金からなることが望ましい。これらの金属材料は、スパッタやCVD、蒸着器など一般的な製造装置で精度良く成膜できるとともに、良好な音響特性および電気特性、信頼性を持っているため、本発明の音響波共振子には最適である。また、前記反射器7を構成する金属材料のうち、高い固有音響インピーダンスを持つ層7bの材料は、Cr、Ni、Cu、Mo、Ag、W、Au、Ptの中から選ばれる1つ、もしくはこれらの金属材料を主成分とする合金からなることが望ましい。これらの材料は、例えばスパッタやCVD、蒸着器など一般的な製造装置で精度良く成膜できるとともに、良好な音響特性および電気特性、信頼性を持っているため、本発明の音響波共振子には最適である。なお、ここで主成分とは、合金を構成する複数の物質のうち最も多いモル数を有する物質をいう。
反射器7を金属材料で形成することで、反射器7の低音響インピーダンス層7aと共振体2の第1の電極層4との界面における金属材料同士の結合によって、共振体2と反射器7における低音響インピーダンス層7aとの密着性を向上させることができる。その結果、共振体2の第1電極層4と反射器7の低固有音響インピーダンス層7aとの剥離を抑制し、長期にわたって良好に使用することが可能な音響波共振子を作成することができる。
また、反射器7が金属材料であるから、反射器7と共振体2の第1の電極層4とを電気的に接続することで、反射器7が所謂浮き電極になることや、共振体2の電極との間に寄生容量が発生することを抑制することができ、音響波共振子の電気的特性が悪化するのを防止することができる。
なお、本発明の音響波共振子における基体1、共振体2、その他材料や構造、プロセス等については以上の例に特に限定されるものではなく、さらに、パッケージ、共振体2と外部接続のための端子部(図示せず)とを接続する配線および電極の取り回しや、複数の共振体2を接続してフィルタとする構成や構造についても特に限定されるものではない。これは以下に説明する音響波共振子についても同様である。例えば、各層間に、密着層や結晶性向上のためのバッファ層があっても良い。
本発明の音響波共振子では、反射器7と基体1との間に絶縁層8が挿入されている。音響アイソレート層3は、各層を構成する材料の音響的、電気的特性、共振部2aの構成、所望の共振特性によって精密に設計する必要がある。音響アイソレート層3を構成する各金属層の厚みd1は、伝播する音響波の波長λの1/4の奇数倍である場合には、音響波の反射率が最大となり、もっとも特性の良い音響アイソレート層3を実現できる。厚みd1は、
0. 1×(1+2×(n−1))λ≦ d1 ≦0.4×(1+2×(n−1))λ
(nは自然数)を満たす厚みであれば、実用上、十分なQ値を持つ。
例えば共振周波数が2GHzの場合は、Al、Mo、BCB樹脂中を伝播する音響波の波長はそれぞれ3.2μm、3.1μm、0.78μm程度であり、波長の1/4倍となる膜厚はそれぞれ0.80μm、0.78μm、0.19μm程度である。
図2に、第1の電極層4、第2の電極層6として、0.1μmのAuを、圧電体層5として0.92μmのZnOを、反射器7として、膜厚λ/4のAlによる低い固有音響インピーダンスを持つ層7a、およびWによる高い固有音響インピーダンスを持つ層7bを、絶縁層8としてBCB樹脂、基体1としてSiを使用した場合の、絶縁層8の厚みdと音響波共振子のQ値(Qp)の関係をシミュレーションした結果を示す。なお、ここでは0.25λ=0.19μmである。図2から判るように、絶縁層8の膜厚d2がλ/4の奇数倍の場合にQ値は最大となるが、その近傍のかなり広い範囲で実用上、十分なQ値を持つ。厚みd2は、
0.1×(1+2×(n−1))λ≦ d2 ≦0.4×(1+2×(n−1))λ
(nは自然数)を満たす厚みであれば、実用十分なQ値を持つ。
図3に、図2と同様の構成で、高い固有音響インピーダンスを持つ層7bの固有音響インピーダンスZ0(MRayl)に対する共振子Q値(Qs)および実効電気機械結合係数(Keff2)の依存性のシミュレーション結果を示す。この図3から、上記の高い固有音響インピーダンスを持つ層7bの材料は良好なQ値および実効電気機械結合係数(Keff2)を実現できることがわかる。
絶縁層8の材料は、音響アイソレート層3が実用十分な反射率を持ち、かつ、基体1と反射器7が電気的に十分絶縁でき、製造工程で十分な強度を持つように選ばれるが、固有音響インピーダンスが小さいSiOなどの無機材料および樹脂材料が最適である。良好な反射特性を持つという観点から、絶縁層8の材料としては、おおむね、固有音響インピーダンスが10MRayl以下であることが望ましい。このような特性を持つ材料としては、ポーラスシリカ、コロイダルシリカ、シリコーンゴムなどの無機材料、BCB(Benzocyclobutene)、ポリイミド、MSQなどの樹脂材料が挙げられる。特に、BCB、ポリイミド、MSQなどの樹脂材料は絶縁性が高いと同時に、無機材料より固有音響インピーダンスが低く、かつ成膜工程が簡単なため、より望ましい。なお、使用される可能性のある絶縁層8の材料は、例えば、エーロゲル、キセロゲル、ガラス発泡体、発泡型接着剤、発泡合成樹脂または低密度の合成樹脂である。使用される可能性のあるエーロゲルは、例えば、シリカゲルまたは多孔質SiO構造体で作られた無機エーロゲル、または例えば、レゾシノール−ホルムアルデヒドエーロゲル、メラミン−ホルムアルデヒドエーロゲルまたはフェノール−ホルムアルデヒドエーロゲルのような有機エーロゲルである。使用される可能性のあるキセロゲルは、例えば、高濃縮ポリ珪酸のような無機キセロゲル、にかわまたは寒天のような有機キセロゲルである。使用される可能性のある発泡物質は、例えば、ポリスチロール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、ポリカルボジイミド、ポリメタクリルイミド、ポリアクリルイミド、アクリル−ブタジエン−スチロール共重合体、ポリプロピレンまたはポリエステルのような化学的に発泡された重合体または物理的に発泡された重合体である。さらに、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂またはフラン樹脂のような発泡合成樹脂が使用される可能性があり、これらは炭化により高い多孔度を持つ。使用される可能性のある低密度の合成樹脂は、例えば、架橋ポリビニルエーテル、架橋ポリアリールエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ−キシリレン、2−クロロ−ポリ−キシリレン、ジクロロ−ポリ−キシリレン、ポリベンゾシクロブテン、スチロール−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル重合体または有機シロキサン共重合体である。
また、本発明の構成の場合は、絶縁層8と共振体2との間には反射器7が存在しており、音響波のほとんどはこの反射器7で反射し、更に、絶縁層8によってより十分に共振体2側に音響波を反射する。その結果、共振体2から基体1側には、音響波の漏洩はほとんどなく、共振子の損失を最小限に抑えることができる。
本発明の音響波共振子では、前記反射器7は、前記第1の電極層4と同一平面形状に形成されており、前記第1の電極層4と電気的に導通されていることが望ましい。図1では、この場合を示している。本発明の反射器7は金属材料で構成されているため、第1の電極層4と電気的に導通されていることにより、第1の電極層4の厚みが実質増したのと同様の効果を得ることができる。このため、電極層4の電気抵抗が減少し、より低損失の音響波共振子を実現できる。また、前記反射器7は、前記第1の電極層4と同一平面形状に形成されている場合は、これらの構成要素を、例えばスパッタやCVD、蒸着器によって同時に成膜し、同じフォトレジストパターンによって同時にパターン化することができる。このため、製造工程が簡略化され、より低コストで音響波共振子を製造できるようになる。
<本発明の音響波共振子の他の例>
本発明の音響波共振子の別の形態では、第2の電極層6は、その外形が平面視で前記反射器7および前記第1の電極層4の外形の内側に位置している。このような音響波共振子の実施の形態の一例について、図4(a)に平面図を、図4(b)に(a)のA−A’部分の断面図を示す。図4の例では、図1の例の場合に存在した、圧電体層5が第1の電極層4および反射器7の側面に生じる段差を埋めている部分が存在しない。このため、第1の電極層4と第2の電極層6および反射器7が導通してしまう問題、基板上に共振体2が形成されて、該共振体2の第2の電極層6が基板上側に引き出される場合、共振体2の厚みが原因で、共振体2の側方で第2の電極層6が断線することがある問題を無くすことができる。さらに、本構造の場合、反射器7、第1の電極層4、圧電体層5、第2の電極層6を順に成膜し、その後にパターン化することができる。このような製造方法とすることにより、成膜とフォトリソグラフを繰り返した時に生じる素子表面の汚染、結晶性の悪化、作業効率の低下などさまざまな問題を無くすことができる。
また、反射器7を上下逆にした構造を、第2の電極層6上に形成することにより、共振部を基体1のみでなく、外界から音響的にアイソレートする構造であってもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更・改良が可能であることはいうまでもない。
<フィルタ>
図5(a)に、本発明のフィルタの実施の形態の一例を示す平面図を、図5(b)に、その回路図をそれぞれ示す。図5において、図1と同様の箇所には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。また、フィルタの構造が分かり易いように、各部の大きさ、配置箇所を適宜修正した。図5(a)に示すフィルタは、図5(b)に示す通り、2段ラダー型フィルタであり、2つの直列共振子と2つの並列共振子が接続された構成となっている。
直列共振子として、2つの音響波共振子で第2の電極層6を共有することで両者を電気的に接続し、第1の直列共振子9の第1の電極層4に形成された入力端子10から、第2の直列共振子11の第1の電極層4に形成された出力端子12まで両者を直列に接続する。
並列共振子として、第1の並列共振子13は、第1の直列共振子9と第2の電極層6を共有することで両者を電気的に接続し、第1の電極層4をグランド(GND)端子14に接続することで入出力ライン15に対して並列接続する。
第2の並列共振子16は、第2の電極層6と第2の直列共振子11の第1の電極層4とを電気的に接続し、第1の電極層4をグランド(GND)端子14に接続することで入出力ライン15に対して並列接続する。なお、第1の並列共振子13と第2の並列共振子16は、第1の電極層4を共有することで電気的に接続されている。このような構成とすることで、共振体2を構成する各層4、5、6のパターニング形状を変えるだけで複数の音響波共振子を接続し、フィルタを構成することができる。
本発明の音響波共振子によれば、従来品よりも低損失、信頼性の高いフィルタを低コストで提供することができるため、従来よりも低損失、低コストで、信頼性の高いフィルタを提供することができる。本発明の音響波共振子を用いて本発明のフィルタを構成したものとしては、共振子を電気的に結合させたラダー型フィルタやラティス型フィルタの他に、共振子を音響的に結合させたスタックト・クリスタル(Stacked Crystal)型フィルタやカップルド・レゾネータ(Coupled Resonator)フィルタ等が挙げられる。
<通信装置>
本発明の通信装置の実施の形態の一例について、図6に示すブロック回路図を用いて説明する。通信装置は、フィルタと電気信号を送信する送信回路17と、電気信号を受信する受信回路18とを有し、前記送信回路17と前記受信回路18との間に前記フィルタ19を配置して電気信号をフィルタリング処理するものであって、図6は、携帯電話の高周波回路のブロック回路図を示すものである。送信回路17から送信される高周波信号は、フィルタ19aによりその不要信号がフィルタリング処理され、パワーアンプ20で増幅された後、アイソレータ21と分波器22を通り、アンテナ23から放射される。また、アンテナ23で受信された高周波信号は、分波器22を通りローノイズアンプ24で増幅されフィルタ19bでその不要信号をフィルタリング処理された後、アンプ25で再増幅されミキサ26で低周波信号に変換されて、その後受信回路18に送られる。
このように、信頼性が高く、高性能で小型な本発明のフィルタをフィルタリング処理として用いることにより、回路中での損失が小さくなり、不要な波の除去性能が高くなり、より感度が良く、信頼性が高い通信装置を低価格で提供することができる。
本発明の音響波共振子の具体例について以下に説明する。ここでは、2GHzで共振する音響波共振子を作製した。
まず、高抵抗のSi基体1を準備し、酸を用いて基体1の洗浄を行った。次に、スピンコート法により基体1上に0.2μmのBCB膜を成膜し、250℃にてキュアを行って絶縁膜8とした。このように準備した基板上に、スパッタリング法により0.8μmの膜厚のMoからなる高音響インピーダンス層7b、0.8μmの膜厚のAlからなる低音響インピーダンス層7aを形成し、音響アイソレート層3とした。
その後、基体1に設けた音響アイソレート層3上に、蒸着法により0.01μmのTi密着層、0.1μmのAu層を成膜し、第1の電極層4(下部電極層)を形成した。次に、第1の電極層4上に、スパッタリング法により0.9μmのZnO膜から成る圧電体層5を成膜した。最後に、圧電体層5上に、蒸着法により0.01μmのTi密着層、0.1μmのAu層を成膜し、第2の電極層6(上部電極層)を形成した。このように形成した薄膜積層体を、フォトリソグラフィおよびウエットエッチング、RIEによるドライエッチングによってパターニングし、図4に示すような音響波共振子を作製した。
このようにして作製した図4に示す音響波共振子について、その共振特性をインピーダンスアナライザにて行なったところ、共振周波数が2.1GHzであり、Q値が600と良好な特性を示すことを確認した。
本発明の音響波共振子の一例を示す、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’部分の断面図である。 絶縁層厚みと、共振子のQ値との関係を表すグラフである。 高固有音響インピーダンス層の音響インピーダンスZ0と共振子特性との関係を表すグラフである。 本発明の音響波共振子の別の一例を示す、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’部分の断面図である。 本発明のフィルタの実施の形態の一例を示す、(a)は平面図、(b)は等価回路図である。 本発明の通信装置の実施の形態の一例を示すブロック回路図である。 従来の音響波共振子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基体
2 共振体
2a 共振部
3 音響アイソレート層
4 第1の電極層
5 圧電体層
6 第2の電極層
7 反射器
7a 低固有音響インピーダンス層
7b 高固有音響インピーダンス層
8 絶縁層
9 第1の直列共振子
10 入力端子
11 第2の直列共振子
12 出力端子
13 第1の並列共振子
14 グランド端子
15 入出力ライン
16 第2の並列共振子
17 送信回路
18 受信回路
19 フィルタ
19a フィルタ
19b フィルタ
20 パワーアンプ
21 アイソレータ
22 分波器
23 アンテナ
24 ローライズアンプ
25 アンプ
26 ミキサ
d1 金属層の厚み
d2 絶縁層の厚み

Claims (7)

  1. 基体と、
    前記基体上に配置され、音響波を発する圧電体層を含んでなる共振体と、
    前記基体と前記共振体との間に前記共振体と密着して設けられ、材質の異なる金属層を積層して成る反射器と、
    前記基体と前記反射器との間で、かつ前記共振体の直下領域に配置され、前記基体よりも低い固有音響インピーダンスを有する絶縁層と、を備えた音響波共振子。
  2. 前記絶縁層が、無機材料又は樹脂材料を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の音響波共振子。
  3. 前記金属層の厚みが、該金属層を伝搬する音響波の波長の1/4の略奇数倍であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響波共振子。
  4. 前記絶縁層の厚みが、該絶縁層を伝搬する音響波の波長の1/4の略奇数倍であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響波共振子。
  5. 前記反射器は、Mg、Al、Tiの中から選ばれる1つ、もしくはこれらの金属材料を主成分とする合金からなる第1の金属層と、Cr、Ni、Cu、Mo、Ag、W、Au、Ptの中から選ばれる1つ、もしくはこれらの金属材料を主成分とする合金からなる第2の金属層とを積層してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の音響波共振子。
  6. 入力端子と出力端子とグランド端子とを有し、前記入力端子と前記出力端子とをつなぐ入出力ライン上、および前記入出力ラインとグランド端子との間に請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の音響波共振子をそれぞれ設けてなるフィルタ。
  7. 請求項6に記載のフィルタと、電気信号を送信する送信回路と、電気信号を受信する受信回路とを有し、前記送信回路と前記受信回路との間に前記フィルタを配置して電気信号をフィルタリング処理する通信装置。
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