JP2007317340A - 光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置,基板厚ずれ補正方法,ラジアルチルト補正方法並びにプログラム - Google Patents

光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置,基板厚ずれ補正方法,ラジアルチルト補正方法並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 光記録媒体の記録部と未記録部の境界で基板厚ずれ信号やラジアルチルト信号にオフセットを生じず、光記録媒体の基板厚ずれやラジアルチルトを高い精度で検出することが可能な光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】 光源からの出射光を回折光学素子13aによりメインビーム(0次光)、第一のサブビーム群(±1次回折光)、第二のサブビーム群(±2次回折光)、第三のサブビーム群(±3次回折光)に分割する。メインビームと第一のサブビーム群とからフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号、または、トラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出し、第二のサブビーム群と第三のサブビーム群とから基板厚ずれの検出に用いる第二の差動非点収差信号、または、ラジアルチルトの検出に用いる第二の差動プッシュプル信号を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光記録媒体に対して記録や再生を行うための光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置に関し、特に、光記録媒体の基板厚ずれやラジアルチルトを高い精度で検出することが可能な光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置に関する。なお、本発明の光学式情報記録再生装置は、光記録媒体に対して記録および再生を行う記録再生装置、光記録媒体に対して再生のみを行う再生専用装置の両方を含むものとする。
光学式情報記録再生装置における記録密度は、光ヘッド装置が光記録媒体上に形成する集光スポットの径の2乗に反比例する。すなわち、集光スポットの径が小さいほど記録密度は高くなる。集光スポットの径は光ヘッド装置における対物レンズの開口数に反比例する。すなわち、対物レンズの開口数が高いほど集光スポットの径は小さくなる。
一方、光記録媒体の基板の厚さが設計値からずれると、基板厚ずれに起因する球面収差により集光スポットの形状が乱れ記録再生特性が悪化する。球面収差は対物レンズの開口数の4乗に比例するため、対物レンズの開口数が高いほど記録再生特性に対する光記録媒体の基板厚ずれのマージンは狭くなる。
また、光記録媒体が対物レンズに対して半径方向に傾くと、この半径方向の傾き(ラジアルチルト)に起因するコマ収差により集光スポットの形状が乱れ記録再生特性が悪化する。コマ収差は対物レンズの開口数の3乗に比例するため、対物レンズの開口数が高いほど記録再生特性に対する光記録媒体のラジアルチルトのマージンは狭くなる。
従って、記録密度を高めるために対物レンズの開口数を高めた光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置においては、記録再生特性を悪化させないために、光記録媒体の基板厚ずれおよびラジアルチルトを検出し補正することがより必要である。
これに鑑みて、光記録媒体の基板厚ずれ及びラジアルチルトを検出する光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置が特許文献1で開示されている。以下、特許文献1について図面を参照して説明する。
図17は、特許文献1に記載の光ヘッド装置の構成を示す図である。図17において半導体レーザ11からの出射光は、コリメータレンズ12で平行光化され、回折光学素子13cにより0次光,±1次回折光,±2次回折光の合計5つの光に分割される。これらの光は、偏光ビームスプリッタ14にP偏光として入射してほぼ100%が透過し、1/4波長板15を透過して直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ16で光ディスク4上に集光される。光ディスク4からの5つの反射光は、対物レンズ16を逆向きに透過し、1/4波長板15を透過して往路と偏光方向が直交した直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ14にS偏光として入射してほぼ100%が反射され、円筒レンズ17,凸レンズ18を透過して光検出器19cに受光される。
図18は、図17に示す回折光学素子13cの平面図である。回折光学素子13cは、点線で示す対物レンズ16の有効径より小さい直径を有する円の内側に入射光の光軸を通り光ディスク4の接線方向に対応する直線で2つの領域21m,21nに分割された回折格子が形成されており、外側には入射光の光軸を通り光ディスク4の接線方向に対応する直線で領域21o、21pの2つに分割された回折格子が形成された構成である。回折格子における格子の方向はいずれも光ディスク4の半径方向に対応しており、格子のパターンはいずれも等間隔の直線状である。領域21m,21nにおける格子の間隔と領域21o,21pにおける格子の間隔は等しい。また、領域21m,21oにおける格子の位相と領域21n,21pにおける格子の位相は互いに180°ずれている。
領域21m,21nに入射した光は、0次光として約80.0%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.2%が回折され、±2次回折光としてそれぞれ約3.0%が回折される。一方、領域21o,21pに入射した光は、0次光として約91.0%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.6%が回折され、±2次回折光としては回折されない。
回折光学素子13cからの0次光をメインビーム、±1次回折光を第一のサブビーム群、±2次回折光を第二のサブビーム群とすると、メインビームおよび第一のサブビーム群には領域21m,21nからの透過光または回折光と、領域21o,21pからの透過光または回折光との両方が同じ比率で含まれ、第二サブビーム群には領域21m,21nからのみの回折光が含まれる。その結果、光軸上の強度で規格化した強度分布が、メインビームと第一のサブビーム群とでは同じになり、メインビームと第二のサブビーム群とでは異なっている。第二のサブビーム群はメインビームに比べて周辺部の強度が低い。
また、領域21m,21oからの+1次回折光の位相と領域21n、21pからの+1次回折光の位相とは、互いに180°ずれており、同様に領域21m,21oからの−1次回折光の位相と領域21n,21pからの−1次回折光の位相とは、互いに180°ずれている。領域21mからの+2次回折光の位相と領域21nからの+2次回折光の位相とは、互いに360°ずれるため、ずれていないのと等価であり、同様に領域21mからの−2次回折光の位相と領域21nからの−2次回折光の位相は、互いに360°ずれるため、ずれていないのと等価である。
図19は、光ディスク4上の集光スポットの配置を示す図である。図19に示す集光スポット23a,23l,23m,23n,23oは、それぞれ回折光学素子13cからの0次光,+1次回折光,−1次回折光,+2次回折光,−2次回折光に相当する。5つの集光スポットは同一のトラック22上に配置されている。第一のサブビーム群は、光軸を通り光ディスク4の接線方向に対応する直線の左側と右側で位相が互いに180°ずれているため、第一のサブビーム群である集光スポット23l,23mは光ディスク4の半径方向の左側と右側に強度が等しい2つのピークを持つ。一方で、第二サブビーム群は、メインビームに比べて周辺部の強度が低いため、第二のサブビーム群である集光スポット23n,23oはメインビームである集光スポット23aに比べて径が大きい。
図20に光検出器19cの受光部のパターンと光検出器19c上の光スポットの配置を示す。ここで、同じ符号で表される受光部は互いに電気的に接続されているものとする。
図20における光スポット24aは、回折光学素子13cからの0次光に相当し、光ディスク4の接線方向に対応する分割線および半径方向に対応する分割線で4つに分割された受光部38a〜38dに受光される。光スポット24lは、回折光学素子13cからの+1次回折光に相当し、光ディスク4の接線方向に対応する分割線および半径方向に対応する分割線で4つに分割された受光部38e〜38hに受光される。
光スポット24mは、回折光学素子13cからの−1次回折光に相当し、4つに分割された受光部38e〜38hに受光される。光スポット24nは、回折光学素子13cからの+2次回折光に相当し、4つに分割された受光部38i〜38lに受光される。光スポット24oは、回折光学素子13cからの−2次回折光に相当し、4つに分割された受光部38i〜38lに受光される。この光検出器19c上の光スポットの配置は、光ディスク4上の集光スポットの配置が円筒レンズ17の作用により光ディスク4の接線方向に対応する方向と半径方向に対応する方向が互いに入れ替わった配置となっている。
受光部38a〜38lからの出力をそれぞれV38a〜V38lで表すと、メインビームによる非点収差信号MAS、第一のサブビームによる非点収差信号SAS1、第二サブビームによる非点収差信号SAS2は、それぞれ以下の演算から得られる。
MAS=(V38a+V38d)−(V38b+V38c)
SAS1=(V38e+V38h)−(V38f+V38g)
SAS2=(V38i+V38l)−(V38j+V38k)
また、フォーカスサーボに用いるフォーカス誤差信号である差動非点収差信号DASは以下の演算から得られる。
DAS=MAS+α1×SAS1(α1は定数)
一方、メインビームによるプッシュプル信号MPP、第一のサブビームによるプッシュプル信号SPP1、第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2は、それぞれ以下の演算から得られる。
MPP=(V38a+V38b)−(V38c+V38d)
SPP1=(V38e+V38f)−(V38g+V38h)
SPP2=(V38i+V38j)−(V38k+V38l)
また、トラックサーボに用いるトラック誤差信号である差動プッシュプル信号DPPは、以下の演算から得られる。
DPP=MPP−β1×SPP1(β1は定数)
また、光ディスク4に記録されたRF信号は、(V38a+V38b+V38c+V38d)の高周波成分から得られる。
非点収差信号は、デフォーカスのない状態でも、光記録媒体に溝が形成されていることにより溝部と溝間部で逆符号のオフセットを持つ。このオフセットは溝横断雑音によるオフセットと呼ばれる。しかし、差動非点収差信号DASにおいては、メインビームによる非点収差信号MASのオフセットと第一のサブビームによる非点収差信号SAS1のオフセットとが相殺され、溝横断雑音によるオフセットが生じない。
プッシュプル信号は、対物レンズが光記録媒体の半径方向にシフトするとオフセットを生じる。このオフセットはレンズシフトによるオフセットと呼ばれる。しかし、差動プッシュプル信号DPPにおいては、メインビームによるプッシュプル信号MPPのオフセットと第一のサブビームによるプッシュプル信号SPP1のオフセットとが相殺され、レンズシフトによるオフセットが生じない。
図21に光ディスク4の基板厚ずれの検出に関わる各種の非点収差信号を示す。図21において、横軸は光ディスク4のデフォーカス量であり、縦軸は非点収差信号である。図21(a)に示す非点収差信号39aは、光ディスク4に基板厚ずれがない場合の差動非点収差信号DASであると共に第二のサブビームによる非点収差信号SAS2である。
これに対し、図21(b)に示す非点収差信号39bは、光ディスク4に正の基板厚ずれがある場合の差動非点収差信号DASである。非点収差信号39cは、光ディスク4に正の基板厚ずれがある場合の第二のサブビームによる非点収差信号SAS2である。また、図21(c)に示す非点収差信号39dは、光ディスク4に負の基板厚ずれがある場合の差動非点収差信号DASであり、非点収差信号39eは、光ディスク4に負の基板厚ずれがある場合の第二のサブビームによる非点収差信号SAS2である。差動非点収差信号DASが0点を横切る位置がデフォーカスのない状態に相当する。
光ディスク4に基板厚ずれがない場合、第二サブビームによる非点収差信号SAS2は差動非点収差信号DASとゼロクロス点が一致し、デフォーカスのない状態で0となる。これに対し、光ディスク4に正の基板厚ずれがある場合、第二サブビームによる非点収差信号SAS2は、差動非点収差信号DASに対してゼロクロス点が図の左側にずれ、デフォーカスのない状態で正となる。また、光ディスク4に負の基板厚ずれがある場合、第二のサブビームによる非点収差信号SAS2は、差動非点収差信号DASに対してゼロクロス点が図の右側にずれ、デフォーカスのない状態で負となる。従って、差動非点収差信号DASを用いてフォーカスサーボをかけた時の第二サブビームによる非点収差信号SAS2を、光ディスク4の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号として用いることができる。
しかしここで、第二のサブビームによる非点収差信号SAS2にも溝横断雑音によるオフセットは発生するため、第二のサブビームによる非点収差信号SAS2をそのまま基板厚ずれ信号として用いると、基板厚ずれ信号に溝横断雑音によるオフセットが発生する。そこで、第二サブビームによる非点収差信号SAS2から、メインビームによる非点収差信号MASと第一のサブビームによる非点収差信号SAS1の差であるフォーカスオフセット信号IDASを引いた信号を基板厚ずれ信号SEとして用いれば、基板厚ずれ信号SEに溝横断雑音によるオフセットを生じることなく基板厚ずれを検出することができる。
このとき、フォーカスオフセット信号IDAS、基板厚ずれ信号SEはそれぞれ以下の演算から得られる。
IDAS=MAS−α2×SAS1(α2は定数)
SE=SAS2−α3×IDAS(α3は定数)
図22は、光ディスク4のラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号を示す図である。図22において、横軸は光ディスク4のデトラック量であり、縦軸はプッシュプル信号である。図22(a)に示すプッシュプル信号40aは、光ディスク4にラジアルチルトがない場合の差動プッシュプル信号DPPであると共に第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2である。これに対し、図22(b)に示すプッシュプル信号40bは、光ディスク4に正のラジアルチルトがある場合の差動プッシュプル信号DPPであり、プッシュプル信号40cは光ディスク4に正のラジアルチルトがある場合の第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2である。
また、図22(c)に示すプッシュプル信号40dは、光ディスク4に負のラジアルチルトがある場合の差動プッシュプル信号DPPであり、プッシュプル信号40eは光ディスク4に負のラジアルチルトがある場合の第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2である。差動プッシュプル信号DPPが0点を横切る位置がデトラックのない状態に相当する。光ディスク4にラジアルチルトがない場合、第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2は差動プッシュプル信号DPPとゼロクロス点が一致し、デトラックのない状態で0となる。
これに対し、光ディスク4に正のラジアルチルトがある場合、第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2は差動プッシュプル信号DPPに対してゼロクロス点が図の左側にずれ、デトラックのない状態で正となる。
また、光ディスク4に負のラジアルチルトがある場合、第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2は差動プッシュプル信号DPPに対してゼロクロス点が図の右側にずれ、デトラックのない状態で負となる。従って、差動プッシュプル信号DPPを用いてトラックサーボをかけた時の第二サブビームによるプッシュプル信号SPP2を、光ディスク4のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号として用いることができる。
しかし、第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2にもレンズシフトによるオフセットは発生するため、第二のサブビームによるプッシュプル信号SPP2をそのままラジアルチルト信号として用いると、ラジアルチルト信号にレンズシフトによるオフセットが発生する。そこで、第二サブビームによるプッシュプル信号SPP2から、メインビームによるプッシュプル信号MPPと第一のサブビームによるプッシュプル信号SPP1の和であるトラックオフセット信号IDPPを引いた信号をラジアルチルト信号REとして用いれば、ラジアルチルト信号REにレンズシフトによるオフセットを生じることなくラジアルチルトを検出することができる。
このとき、トラックオフセット信号IDPP,ラジアルチルト信号REはそれぞれ以下の演算から得られる。
IDPP=MPP+β2×SPP1(β2は定数)
RE=SPP2−β3×IDPP(β3は定数)
特開2003−51130号公報
前述した特許文献1に記載の光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置において、光ディスク4の記録部と未記録部の境界での非点収差信号およびプッシュプル信号を検出した場合について考える。
図23に光ディスク4の記録部と未記録部の境界での各種の非点収差信号を示す。図23には、デフォーカスのない状態で集光スポットが光ディスク4のトラック22a〜22dを横断したときの非点収差信号を示している。図23において、横軸は光ディスク4のデトラック量、縦軸は非点収差信号である。ここで、トラック22a,22bにはRF信号が記録されておらず、トラック22c,22dにはRF信号が記録されているものとする。また、記録部の反射率は未記録部の反射率に比べて高いものとする。
図23(a)に示す非点収差信号41aは、メインビームである集光スポット23aに対する非点収差信号MASであり、図23(b)に示す非点収差信号41bは、第一のサブビーム群である集光スポット23l,23mに対する非点収差信号SAS1である。図23(c)に示す非点収差信号41cは、第二のサブビーム群である集光スポット23n,23oに対する非点収差信号SAS2である。
MAS,SAS1は、トラック22a〜22d上でそれぞれ溝横断雑音による負,正のオフセットを持っている。記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でMASが持つオフセットの絶対値とSAS1が持つオフセットの絶対値の比は、トラック22a,22d上でMASが持つオフセットの絶対値とSAS1が持つオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。
DAS=MAS+α1×SAS1(α1は定数)の演算におけるα1の値は後者の比に設定されるが、この場合、フォーカスサーボに用いる差動非点収差信号DASは記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でもオフセットを持たない。
一方、SAS2もトラック22a〜22d上で溝横断雑音による負のオフセットを持っている。そこで、SAS2からフォーカスオフセット信号IDASを引いた信号を基板厚ずれ信号SEとして用いる場合を考える。
記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でSAS2が持つオフセットの絶対値とIDASが持つオフセットの絶対値の比は、トラック22a,22d上でSAS2が持つオフセットの絶対値とIDASが持つオフセットの絶対値の比に等しくない。
SE=SAS2−α3×IDAS(α3は定数)の演算におけるα3の値は後者の比に設定されるが、この場合、基板厚ずれ信号SEは、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上ではオフセットを持つ。これは、メインビームと第一のサブビーム群は光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、第二サブビーム群はメインビームおよび第一のサブビーム群に比べて周辺部の強度が低いため、SAS2は、MASおよびSAS1に比べて隣接トラックにRF信号が記録されているかどうかの影響を受けやすいことに起因している。
図24に光ディスク4の記録部と未記録部の境界での各種のプッシュプル信号を示す。図24には、デフォーカスのない状態で集光スポットが光ディスク4のトラック22a〜22dを横断したときのプッシュプル信号を示している。図24において、横軸は光ディスク4のデトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。ここで、トラック22a,22bにはRF信号が記録されておらず、トラック22c,22dにはRF信号が記録されているものとする。また、記録部の反射率は未記録部の反射率に比べて高いものとする。
図24(a)に示すプッシュプル信号42aは、メインビームである集光スポット23aに対するプッシュプル信号MPPであり、図24(b)に示すプッシュプル信号42bは第一サブビーム群である集光スポット23l,23mに対するプッシュプル信号SPP1であり、図24(c)に示すプッシュプル信号42cは、第二のサブビーム群である集光スポット23n,23oに対するプッシュプル信号SPP2である。MPP,SPP1はトラック22a,22d上では殆んどオフセットを持っていないが、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上ではいずれも正のオフセットを持っている。記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でMPPが持つオフセットの絶対値とSPP1が持つオフセットの絶対値の比は、MPPが持つレンズシフトによるオフセットの絶対値とSPP1が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。
DPP=MPP−β1×SPP1(β1は定数)の演算におけるβ1の値は後者の比に設定されるが、この場合、トラックサーボに用いる差動プッシュプル信号DPPは、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でもオフセットを持たない。
一方、SPP2もトラック22a,22d上では殆んどオフセットを持っていないが、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上では正のオフセットを持っている。そこで、SPP2からトラックオフセット信号IDPPを引いた信号をラジアルチルト信号REとして用いる場合を考える。
記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でSPP2が持つオフセットの絶対値とIDPPが持つオフセットの絶対値の比は、SPP2が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値とIDPPが持つレンズシフトによるオフセットの絶対値の比に等しくない。
RE=SPP2−β3×IDPP(β3は定数)の演算におけるβ3の値は後者の比に設定されるが、この場合、ラジアルチルト信号REは記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上ではオフセットを持つ。これは、メインビームと第一のサブビーム群は光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、第二サブビーム群は、メインビーム及び第一のサブビーム群に比べて周辺部の強度が低いため、SPP2はMPPおよびSPP1に比べて隣接トラックにRF信号が記録されているかどうかの影響を受けやすいことに起因している。
そこで、本発明は、光記録媒体の基板厚ずれやラジアルチルトを検出することが可能な従来の光ヘッド装置における、上述した課題を解決し、光記録媒体の記録部と未記録部の境界で基板厚ずれ信号やラジアルチルト信号にオフセットを生じず、光記録媒体の基板厚ずれやラジアルチルトを高い精度で検出することが可能な光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の光ヘッド装置は、光源と、この光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する回折光学素子と、この回折光学素子で生成された各光線ビームをトラックを構成する溝を有する円盤状の光記録媒体上に集光する対物レンズと、光記録媒体で反射された各光線ビームの反射光を受光する光検出器とを備えた光ヘッド装置であり、回折光学素子は、光軸上の強度で規格化した強度分布として第一の強度分布を形成するメインビームと、このメインビームと同様の第一の強度分布を形成する第一のサブビーム群と、第一の強度分布と異なる第二の強度分布を形成する第二のサブビーム群と、この第二のサブビーム群と同様の第二の強度分布を形成する第三のサブビーム群とを生成する機能を有することを特徴とする(請求項1)。
このような光ヘッド装置によれば、メインビーム,第一のサブビーム群の強度分布と、第二のサブビーム群,第三のサブビーム群の強度分布とが互いに異なるようにメインビーム,第一のサブビーム群,第二のサブビーム群,第三のサブビーム群が生成される。強度分布が同じである第二のサブビーム群と第三のサブビーム群のそれぞれから非点収差信号、プッシュプル信号を検出し、それらに基づいて基板厚ずれの検出に用いる信号、ラジアルチルトの検出に用いる信号を算出すれば、光記憶媒体における記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない信号を得ることができる。
また、上記の第1の光ヘッド装置において、上述した回折光学素子は、入射光の光軸に垂直な面内においてこの入射光の光軸のまわりの所定の境界線を境界として当該入射光の光軸を含む内側領域と、この内側領域を含まない外側領域とで構成されており、内側領域又は外側領域のいずれか一方の領域へ入射した光から透過光(0次光),第一の正負の次数の回折光,第二の正負の次数の回折光,第三の正負の次数の回折光をメインビーム,第一のサブビーム群,第二のサブビーム群,第三のサブビーム群として生成し、他方の領域へ入射した光から透過光及び第一の正負の次数の回折光をメインビーム,第一のサブビーム群として生成する機能を有してもよい(請求項2)。
このようにすると、光源からの光線を回折させて生成される回折光を、メインビーム,第一のサブビーム群,第二のサブビーム群,第三のサブビーム群とすることができる。
また、上記の第1の光ヘッド装置において、上述した回折光学素子が、内側領域及び外側領域を入射光の光軸点を通り光記録媒体上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に対応する方向に平行な直線を境界にして分割した左内側領域と右内側領域,左外側領域と右外側領域とで構成されており、左内側領域における回折格子の位相と右内側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていると共に、左外側領域における回折格子の位相と右外側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていてもよい(請求項3)。
このようにすると、第一のサブビーム群の位相を光軸を通り光記録媒体上のトラック方向に対応する方向に平行な直線の左側と右側で互いに180°ずらすことができる。第一のサブビーム群をこのようにすることは、メインビームによる非点収差信号若しくはプッシュプル信号と所定の非点収差信号若しくはプッシュプル信号との位相が逆相になり、差動非点収差信号,差動プッシュプル信号において、メインビームによる非点収差信号,プッシュプル信号のオフセットと当該非点収差信号,プッシュプル信号のオフセットとが相殺され、溝横断雑音によるオフセット及びレンズシフトによるオフセットが生じないようになる。
次に、本発明の第2の光ヘッド装置は、光源と、この光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する回折光学素子と、この回折光学素子で生成された各光線ビームをトラックを構成する溝を有する円盤状の光記録媒体上に集光する対物レンズと、光記録媒体で反射された各光線ビームの反射光を受光する光検出器とを備えた光ヘッド装置であって、回折光学素子が、入射光の光軸に垂直な面内において入射光の光軸点を通り光記録媒体上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に対応する方向に直交する線分を境界とした上側領域と下側領域とで構成されており、
当該回折光学素子が、光源からの出射光からメインビーム,2つの光線ビームから成る第一のサブビーム群,2つの光線ビールから成る第二のサブビーム群を生成する機能を有し、メインビームのうちの下側領域で生成する部分と第一のサブビーム群の一方のうちの下側領域で生成する部分とが、光軸上の強度で規格化した強度分布として第一の強度分布を形成し、メインビームのうちの上側領域で生成する部分と第一のサブビーム群の他方のうちの上側領域で生成する部分とが、上側領域と下側領域との境界線のメインビームの光軸に垂直な面への射影に関して第一の強度分布と対称な強度分布である第二の強度分布を形成し、第一のサブビーム群の一方のうちの上側領域で生成する部分と第二のサブビーム群の一方のうちの上側領域で生成する部分とが、第二の強度分布と異なる第三の強度分布を形成し、第一のサブビーム群の他方のうちの下側領域で生成する部分と第二のサブビーム群の他方のうちの下側領域で生成する部分とが、上側領域と下側領域との境界線のメインビームの光軸に垂直な面への射影に関して第三の強度分布と対称な強度分布である第四の強度分布を形成するように各ビームを生成する機能を備えたことを特徴とする(請求項4)。
このような光ヘッド装置によれば、メインビームと、光軸を通る直線を境界として強度分布が異なるような2組の光線ビーム群とが生成される。これらの光線ビーム群による信号を強度分布毎に分けて組み合わせることで、4つの非点収差信号を検出でき、上記の第1の光ヘッド装置と同様の処理を実現することができる。
また、上記の第2の光ヘッド装置において、上述した回折光学素子が、上側領域及び下側領域を入射光の光軸のまわりの所定の境界線を境界にして入射光の光軸に接する上内側領域及び下内側領域と、入射光の光軸に接しない上外側領域及び下外側領域とに分割され構成されており、当該回折光学素子が、上内側領域と上外側領域と下内側領域と下外側領域とへ入射した光の透過光(0次光)をメインビームとし、下内側領域と下外側領域との両方の領域へ入射した光から第一の正または負の次数の回折光を第一のサブビーム群の一方として生成し、上内側領域と上外側領域の両方の領域へ入射した光から第一の負または正の次数の回折光を第一のサブビーム群の他方として生成し、上内側領域又は上外側領域のいずれか一方の領域へ入射した光から第一の正または負の次数の回折光と第二の正または負の次数の回折光とをそれぞれ第一のサブビーム群の一方と第二のサブビーム群の一方として生成し、このいずれかの領域と入射光の光軸のまわりに設けられた境界に対して同じ側に位置する下内側領域又は下外側領域のいずれか一方の領域へ入射した光から第一の負または正の次数の回折光と第二の負または正の次数の回折光とをそれぞれ第一のサブビーム群の他方と第二のサブビーム群の他方として生成する機能を有してもよい(請求項5)。
このようにすると、光源からの光線を回折させて生成される回折光をメインビーム,第一のサブビーム群,第二のサブビーム群とすることができる。
更に、上記の第2の光ヘッド装置において、上述した回折光学素子が、上内側領域,上外側領域,下内側領域,下外側領域それぞれを入射光の光軸を通り光記録媒体上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に対応する方向に平行な線分を境界にして分割した左上内側領域と右上内側領域,左上外側領域と右上外側領域,左下内側領域と右下内側領域,左下外側領域と右下外側領域で構成されており、左上内側領域における回折格子の位相と右上内側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていると共に、左上外側領域における回折格子の位相と右上外側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれており、左下内側領域における回折格子の位相と右下内側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていると共に、左下外側領域における回折格子の位相と右下外側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていてもよい(請求項6)。
このようにすると、上記の第1の光ヘッド装置における第一のサブビーム群に相当するような、光軸を通り光記録媒体上のトラック方向に平行な直線の左側と右側で位相が互いに180°ずれた組み合わせを得ることができる。このようにすることは、メインビームによる非点収差信号若しくはプッシュプル信号と所定の非点収差信号若しくはプッシュプル信号との位相が逆相になり、差動非点収差信号,差動プッシュプル信号において、メインビームによる非点収差信号,プッシュプル信号のオフセットと当該非点収差信号,プッシュプル信号のオフセットとが相殺され、溝横断雑音によるオフセット及びレンズシフトによるオフセットが生じないようになる。
次に、本発明の光学式情報記録再生装置は、上記の第1の光ヘッド装置と、光検出器に受光された反射光のうちのメインビームの反射光から第一の非点収差信号を検出し第一のサブビーム群の反射光から第二の非点収差信号を検出し第二のサブビーム群の反射光から第三の非点収差信号を検出し第三のサブビーム群の反射光から第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出手段と、第一の非点収差信号と第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する差動非点収差信号算出手段と、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とに基づいて光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号を算出する基板厚ずれ信号算出手段とを備えたことを特徴とする(請求項7)。
このような光学式情報記録再生装置によれば、光記憶媒体の記録部と未記録部の境界であるトラック上で第三の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値と第四の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値の比は、記録部内または未記録部内にあるトラック上で第三の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値と第四の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。従って、基板厚ずれの検出に用いる基板厚ずれ信号は記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない。
次に、本発明の光学式情報記録再生装置は、上記の第2の光ヘッド装置と、光検出器に受光された反射光のうちのメインビームの反射光から第一の非点収差信号を検出し第一のサブビーム群の一方のうちの下側領域で生成された部分の反射光と第一のサブビーム群の他方のうちの上側領域で生成された部分の反射光とから第二の非点収差信号を検出し第一のサブビーム群の一方のうちの上側領域で生成された部分の反射光と第一のサブビーム群の他方のうちの下側領域で生成された部分の反射光とから第三の非点収差信号を検出し第二のサブビーム群の一方のうちの上側領域で生成された部分の反射光と第二のサブビーム群の他方のうちの下側領域で生成された部分の反射光とから第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出手段と、第一の非点収差信号と第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する差動非点収差信号算出手段と、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とに基づいて光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号を算出する基板ずれ信号算出手段とを備えたことを特徴とする(請求項8)。
このような光学式情報記録再生装置によれば、上記の第2の光ヘッド装置で生成されたメインビームと第一のサブビーム群と第二のサブビーム群とからフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号と光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号とを算出することができる。
また、上記の光学式情報記録再生装置において、上述した基板厚ずれ信号算出手段が、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とを基に第二の差動非点収差信号を基板厚ずれ信号として算出する機能を有してもよい(請求項9)。
このようにすると、強度分布が同じである第二のサブビーム群と第三のサブビーム群のそれぞれから検出した非点収差信号に基づいて基板厚ずれの検出に用いる第二の差動非点収差信号を基板厚ずれ信号として算出するため、光記録媒体の記録部と未記録部の境界で基板厚ずれ信号にオフセットを生じず、光記録媒体の基板厚ずれを高い精度で検出することができる。
さらに、上記の光学式情報記録再生装置において、上述した基板厚ずれ信号算出手段が、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とを基に第二の差動非点収差信号を算出し、この第二の差動非点収差信号と第一の差動非点収差信号との差を基板厚ずれ信号として算出する機能を有してもよい(請求項10)。このようにすれば、第一の差動非点収差信号に生じる光記憶媒体の面ぶれ等による残留誤差によるオフセットに関係なく基板厚ずれを検出することができる。
また、上記の光学式情報記録再生装置において、基板厚ずれ信号を基に光記録媒体の基板厚ずれを補正する補正駆動手段を備えてもよい(請求項11)。このようにすれば、基板厚ずれを適切に補正することができる。
次に、本発明の光学式情報記録再生装置は、上記の第1の光ヘッド装置と、光検出器に受光されたメインビームの反射光から第一のプッシュプル信号を検出し第一のサブビーム群の反射光から第二のプッシュプル信号を検出し第二のサブビーム群の反射光から第三のプッシュプル信号を検出し第三のサブビーム群の反射光から第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、第一のプッシュプル信号と第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する差動プッシュプル信号算出手段と、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とに基づいて光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出手段とを備えたことを特徴とする(請求項12)。
このような光学式情報記録再生装置によれば、光記憶媒体の記録部と未記録部の境界であるトラック上での第三のプッシュプル信号が持つオフセットの絶対値と第四のプッシュプル信号が持つオフセットの絶対値の比は、記録部内または未記録部内のトラック上での第三のプッシュプル信号が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値と第四のプッシュプル信号が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。従って、ラジアルチルトの検出に用いるラジアルチルト信号は記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない。
次に、本発明の光学式情報記録再生装置は、上記の第2の光ヘッド装置と、光検出器に受光された反射光のうちのメインビームの反射光から第一のプッシュプル信号を検出し第一のサブビーム群の一方のうちの下側領域で生成された部分の反射光と第一のサブビーム群の他方のうちの上側領域で生成された部分の反射光とから第二のプッシュプル信号を検出し第一のサブビーム群の一方のうちの上側領域で生成された部分の反射光と第一のサブビーム群の他方のうちの下側領域で生成された部分の反射光とから第三のプッシュプル信号を検出し第二のサブビーム群の一方のうちの上側領域で生成された部分の反射光と第二のサブビーム群の他方のうちの下側領域で生成された部分の反射光とから第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、第一のプッシュプル信号と第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する差動プッシュプル信号算出手段と、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とに基づいて光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出手段とを備えたことを特徴とする(請求項13)。
このような光学式情報記録再生装置によれば、上記の第2の光ヘッド装置で生成されたメインビームと第一のサブビーム群と第二のサブビーム群とからトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号と光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号とを算出することができる。
また、上記の光学式情報記録再生装置において、上述したラジアルチルト信号算出手段が、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とを基に第二の差動プッシュプル信号をラジアルチルト信号として算出する機能を有してもよい(請求項14)。
このようにすると、基板厚ずれの検出に用いる第二の差動プッシュプル信号をラジアルチルト信号として算出するため、光記録媒体の記録部と未記録部の境界でラジアルチルト信号にオフセットを生じず、光記録媒体のラジアルチルトを高い精度で検出することができる。
さらに、上記の光学式情報記録再生装置において、上述したラジアルチルト信号算出手段が、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とを基に第二の差動プッシュプル信号を算出し、この第二の差動プッシュプル信号と第一の差動プッシュプル信号との差をラジアルチルト信号として算出する機能を有してもよい(請求項15)。
このようにすれば、第一の差動プッシュプル信号に生じる光記憶媒体の面ぶれ等による残留誤差によるオフセットに関係なくラジアルチルトを検出することができる。
また、上記の光学式情報記録再生装置において、ラジアルチルト信号を基に光記録媒体のラジアルチルトを補正する補正駆動手段を備えてもよい(請求項16)。このようにすれば、ラジアルチルトを適切に補正することができる。
次に、本発明の基板厚ずれ補正方法は、光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する光線生成工程と、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光を受光する受光工程と、受光された各光線ビームから第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出工程と、この検出された各非点収差信号に基づいて光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号を算出する基板厚ずれ信号算出工程と、この基板厚ずれ信号を基に光記録媒体の基板厚ずれを補正する補正制御工程とを設けたことを特徴とする(請求項17)。
このような基板厚ずれ補正方法によれば、光記憶媒体の記録部と未記録部の境界であるトラック上での第三の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値と第四の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値の比は、記録部内または未記録部内にあるトラック上での第三の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値と第四の非点収差信号が持つ溝横断雑音によるオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。従って、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号を基に算出される信号は記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない。
また、上記の基板厚ずれ補正方法において、上述した基板厚ずれ信号算出工程が、第一の非点収差信号と第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する第一の差動非点収差信号算出工程と、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とに基づいて第二の差動非点収差信号を算出する第二の差動非点収差信号算出工程と、この第二の差動非点収差信号と第一の差動非点収差信号との差を基板厚ずれ信号として算出する基板厚ずれ信号算出工程とで構成されてもよい(請求項18)。
このようにすると、第一の差動非点収差信号と第二のサブビーム群と第二の差動非点収差信号との差を基板厚ずれ信号とすることで光記録媒体の基板厚ずれをオフセットを生じない信号に基づいて適切に補正制御することができる。
次に、本発明のラジアルチルト補正方法は、光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する光線生成工程と、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光を受光する受光工程と、受光された各光線ビームから第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出工程と、この検出された各プッシュプル信号に基づいて光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出工程と、このラジアルチルト信号を基に光記録媒体のラジアルチルトを補正する補正制御工程とを設けたことを特徴とする(請求項19)。
このようなラジアルチルト補正方法によれば、光記憶媒体の記録部と未記録部の境界であるトラック上で第三のプッシュプル信号が持つオフセットの絶対値と第四のプッシュプル信号が持つオフセットの絶対値の比は、第三のプッシュプル信号が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値と第四のプッシュプル信号が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。従って、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とを基に算出される信号は記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない。
また、上記のラジアルチルト補正方法において、上述したラジアルチルト信号算出工程が、第一のプッシュプル信号と第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する第一の差動プッシュプル信号算出工程と、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とに基づいて第二の差動プッシュプル信号を算出する第二の差動プッシュプル信号算出工程と、この第二の差動プッシュプル信号と第一の差動プッシュプル信号との差をラジアルチルト信号として算出するラジアルチルト信号算出工程とで構成されてもよい(請求項20)。
このようにすると、第一の差動プッシュプル信号と第二の差動プッシュプル信号との差をラジアルチルト信号とすることでオフセットを生じない信号に基づいて光記録媒体のラジアルチルトを補正制御することができる。
次に、本発明の基板厚ずれ補正用プログラムは、光源からの出射光から複数の光線ビームを生成し、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光から検出された信号に基づいて光記録媒体の基板厚ずれを補正する機能を有した光学式情報記録再生装置を制御するコンピュータに、受光された複数の光線ビームから第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出処理と、第一の非点収差信号と第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する第一の差動非点収差信号算出処理と、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とに基づいて第二の差動非点収差信号を算出する第二の差動非点収差信号算出処理と、この第二の差動非点収差信号と第一の差動非点収差信号との差を基板厚ずれ信号として算出する基板厚ずれ信号算出処理と、この基板厚ずれ信号に基づいて光記録媒体の基板厚ずれを補正制御する基板厚ずれ補正制御処理とを実行させることを特徴とする(請求項21)。
このような基板厚ずれ補正用プログラムによれば、第一の差動非点収差信号と第二の差動非点収差信号との差を基板厚ずれ信号とすることで光記録媒体の基板厚ずれをオフセットを生じない信号に基づいて適切に補正制御することができる。
次に、本発明のラジアルチルト補正用プログラムは、光源からの出射光から複数の光線ビームを生成し、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光から検出された信号に基づいて光記録媒体のラジアルチルトを補正する機能を有した光学式情報記録再生装置を制御するコンピュータに、受光された複数の光線ビームから第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出処理と、第一のプッシュプル信号と第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する第一の差動プッシュプル信号算出処理と、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号とに基づいて第二の差動プッシュプル信号を算出する第二の差動プッシュプル信号算出処理と、この第二の差動プッシュプル信号と第一の差動プッシュプル信号との差をラジアルチルト信号として算出するラジアルチルト信号算出処理と、このラジアルチルト信号に基づいて光記録媒体のラジアルチルトを補正制御するラジアルチルト補正制御処理とを実行させることを特徴とする(請求項22)。
このようなラジアルチルト補正用プログラムによれば、第一の差動プッシュプル信号と第二の差動プッシュプル信号との差をラジアルチルト信号とすることで、光記録媒体のラジアルチルトをオフセットを生じない信号に基づいて適切に補正制御することができる。
本発明は以上のように構成され機能するため、これにより、光記録媒体の記録部と未記録部の境界で検出される基板厚ずれ信号やラジアルチルト信号にオフセットを生じず、光記録媒体の基板厚ずれやラジアルチルトを高い精度で検出することが可能となる。
以下、本発明における一実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明における第1実施形態の光ヘッド装置の構成を示す図である。
本実施形態の光ヘッド装置1aは、光源としての半導体レーザ11と、半導体レーザ11からの出射光を平行光化するコリメータレンズ12と、平行化された半導体レーザ11からの出射光を分割し複数の光線ビームを生成する回折光学素子13aと、光線ビームを分岐させる偏光ビームスプリッタ14と、1/4波長板15と、回折光学素子13aで生成された各光線ビームを光ディスク4上に集光する対物レンズ16と、円筒レンズ17と、凸レンズ18と、光ディスク4で反射された各光線ビームの反射光を受光する光検出器19aとを備えて構成されている。
半導体レーザ11からの出射光は、コリメータレンズ12で平行光化されて、回折光学素子13aにより0次光,第一の正負の次数の回折光(±1次回折光),第二の正負の次数の回折光(±2次回折光),第三の正負の次数の回折光(±3次回折光)の合計7つの光に分割される。これらの光は偏光ビームスプリッタ14にP偏光として入射してほぼ100%が透過し、1/4波長板15を透過して直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ16で光ディスク4上に集光される。
光ディスク4からの7つの反射光は、対物レンズ16を逆向きに透過し、1/4波長板15を透過して円偏光から往路と偏光方向が直交した直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ14にS偏光として入射してほぼ100%が反射され、円筒レンズ17と凸レンズ18とを透過して光検出器19aで受光される。
図2は、回折光学素子13aの平面図である。図2に示すとおり、回折光学素子13aは、点線で示す対物レンズ16の有効径よりも小さい直径を有する円線分を境界とした内側に、入射光の光軸点を通り光ディスク4上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に平行な直線を境界として左内側領域21a,右内側領域21bの2つの領域に分割された回折格子が形成されており、円線分の外側には右外側領域21c,左外側領域21dに分割された回折格子が形成された構成である。
回折光学素子13aにおける回折格子の格子方向は、いずれも光ディスク4の半径方向に対応しており、格子のパターンはいずれも等間隔の直線状である。領域21a,領域21bにおける格子の間隔と領域21c,領域21dにおける格子の間隔は等しい。また、領域21a,21cにおける格子の位相と領域21b,21dにおける格子の位相とは互いに180°ずれている。
図3は、回折光学素子13aの断面図である。回折光学素子13aは、領域21a,21bにおいては図3(a)に示すように基板30上に格子29aが形成された構成であり、領域21c,21dにおいては図3(b)に示すように基板30上に格子29bが形成された構成である。格子29aの間隔と格子29bの間隔はいずれもPであり、格子29aの平均の高さと格子29bの平均の高さはいずれもH0である。格子29aの断面形状は、幅がW1で高さがH0+(H1/2)の領域、幅がW2で高さがH0−(H1/2)の領域、幅がW3で高さがH0+(H1/2)の領域、幅がW3で高さがH0−(H1/2)の領域、幅がW2で高さがH0+(H1/2)の領域、幅がW1で高さがH0−(H1/2)の領域の繰り返しである。
ここで、W1=0.272P、W2=0.098P、W3=0.13Pとする。また、半導体レーザ11の波長をλ、格子29aの屈折率をnとしたとき、H1=0.2204λ/(n−1)とする。このとき、回折光学素子13aの領域21a,21bに入射した光は0次光として約59.2%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.4%が回折され、±2次回折光としてそれぞれ約3.4%が回折され、±3次回折光としてそれぞれ約3.4%が回折される。
一方、格子29bの断面形状は、幅がWで高さがH0+H2の領域、幅がWで高さがH0+2H2の領域、幅がWで高さがH0+H2の領域、幅がWで高さがH0−H2の領域、幅がWで高さがH0−2H2の領域、幅がWで高さがH0−H2の領域の繰り返しである。ここで、W=P/6とする。また、半導体レーザ11の波長をλ、格子29bの屈折率をnとしたとき、H2=0.0386λ/(n−1)とする。このとき、回折光学素子13aの領域21c,21dに入射した光は0次光として約88.7%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折され、±2次回折光、±3次回折光としては殆んど回折されない。
回折光学素子13aからの透過光(0次光)をメインビーム、±1次回折光を第一のサブビーム群、±2次回折光を第二のサブビーム群、±3次回折光を第三のサブビーム群とすると、メインビームには領域21a,21bからの0次光と領域21c,21dからの0次光とが含まれ、第一のサブビーム群には領域21a,21bからの±1次回折光と領域21c,21dからの±1次回折光とが含まれ、第二のサブビーム群は領域21a,21bからの±2次回折光であり、第三のサブビーム群は領域21a,21bからの±3次回折光である。その結果、メインビームと第一のサブビーム群とは、光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、第二のサブビーム群と第三のサブビーム群とは、光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、メインビームと第一のサブビーム群の光軸上の強度で規格化した強度分布と、第二サブビーム群と第三のサブビーム群の光軸上の強度で規格化した強度分布とは互いに異なる。第二のサブビーム群と第三のサブビーム群は、メインビームと第一のサブビーム群に比べて周辺部の強度が低い。
また、領域21a,21cからの+1次回折光の位相と領域21b,21dからの+1次回折光の位相とは、互いに180°ずれており、同様に領域21a,21cからの−1次回折光の位相と領域21b,21dからの−1次回折光の位相は、互いに180°ずれている。
また、領域21aからの+2次回折光の位相と領域21bからの+2次回折光の位相は互いに360°ずれるため、ずれていないのと等価であり、同様に領域21aからの−2次回折光の位相と領域21bからの−2次回折光の位相は互いに360°ずれるため、ずれていないのと等価である。領域21aからの+3次回折光の位相と領域21bからの+3次回折光の位相とは互いに540°ずれるため、互いに180°ずれているのと等価であり、同様に領域21aからの−3次回折光の位相と領域21bからの−3次回折光の位相とは、互いに540°ずれるため、互いに180°ずれているのと等価である。
図4は、本実施形態における光ディスク4上の集光スポットの配置を示す図である。集光スポット23a,23b,23c,23d,23e,23f,23gは、それぞれ回折光学素子13aからの0次光,+1次回折光,−1次回折光,+2次回折光,−2次回折光,+3次回折光,−3次回折光に相当する。7つの集光スポットは同一のトラック22上に配置されている。
第一のサブビーム群は、光軸を通り光ディスク4の接線方向に平行な直線を境界にして左側と右側で位相が互いに180°ずれているため、第一のサブビーム群である集光スポット23b,23cは光ディスク4のトラック方向の線分を境界にして左側と右側に強度が等しい2つのピークを持つ。同様に、第三のサブビーム群である集光スポット23f,23gは光ディスク4のトラック方向の線分を境界にして左側と右側に強度が等しい2つのピークを持つ。
一方、第二のサブビーム群は、メインビームに比べて周辺部の強度が低いため、第二のサブビーム群である集光スポット23d,23eはメインビームである集光スポット23aに比べて径が大きい。同様に、第三のサブビーム群は、第一のサブビーム群に比べて周辺部の強度が低いため、第三のサブビーム群である集光スポット23f,23gは第一サブビーム群である集光スポット23b,23cに比べて径が大きい。
図5は、本実施形態における光検出器19aの受光部のパターンと光検出器19a上の光スポットの配置を示す図である。ここで、同じ符号で表される受光部は互いに電気的に接続されているものとする。
図5に示す光スポット24aは、回折光学素子13aからの0次光に相当し、光ディスク4の接線方向に対応する分割線および半径方向に対応する分割線で4つに分割された受光部25a〜25dで受光される。光スポット24bは回折光学素子13aからの+1次回折光に相当し、4つに分割された受光部25e〜25hで受光される。光スポット24cは回折光学素子13aからの−1次回折光に相当し、4つに分割された受光部25e〜25hで受光される。光スポット24dは回折光学素子13aからの+2次回折光に相当し、4つに分割された受光部25i〜25lで受光される。光スポット24eは回折光学素子13aからの−2次回折光に相当し、4つに分割された受光部25i〜25lで受光される。光スポット24fは回折光学素子13aからの+3次回折光に相当し、4つに分割された受光部25m〜25pで受光される。光スポット24gは回折光学素子13aからの−3次回折光に相当し、4つに分割された受光部25m〜25pで受光される。円筒レンズ17の作用により、光検出器19a上では光ディスク4の接線方向に対応する方向と半径方向に対応する方向が互いに入れ替わっている。
ここで、受光部25a〜25pからの出力をそれぞれV25a〜V25pで表すと、メインビームによる第一の非点収差信号MAS、第一のサブビームによる第二の非点収差信号SAS1、第二のサブビームによる第三の非点収差信号SAS2、第三のサブビームによる第四の非点収差信号SAS3は、それぞれ以下の演算から得られる。
MAS=(V25a+V25d)−(V25b+V25c)
SAS1=(V25e+V25h)−(V25f+V25g)
SAS2=(V25i+V25l)−(V25j+V25k)
SAS3=(V25m+V25p)−(V25n+V25o)
フォーカスサーボに用いるフォーカス誤差信号である第一の差動非点収差信号DAS1は以下の演算から得られる。
DAS1=MAS+α1×SAS1(α1は定数)
基板厚ずれの検出に用いる第二の差動非点収差信号DAS2は、以下の演算から得られる。
DAS2=SAS2+α2×SAS3(α2は定数)
一方、メインビームによる第一のプッシュプル信号MPP、第一のサブビームによる第二のプッシュプル信号SPP1、第二のサブビームによる第三のプッシュプル信号SPP2、第三のサブビームによる第四のプッシュプル信号SPP3は、それぞれ以下の演算から得られる。
MPP=(V25a+V25b)−(V25c+V25d)
SPP1=(V25e+V25f)−(V25g+V25h)
SPP2=(V25i+V25j)−(V25k+V25l)
SPP3=(V25m+V25n)−(V25o+V25p)
トラックサーボに用いるトラック誤差信号である第一の差動プッシュプル信号DPP1は以下の演算から得られる。
DPP1=MPP−β1×SPP1(β1は定数)
ラジアルチルトの検出に用いる第二の差動プッシュプル信号DPP2は以下の演算から得られる。
DPP2=SPP2−β2×SPP3(β2は定数)
また、光ディスク4に記録されたRF信号は、(V25a+V25b+V25c+V25d)の高周波成分から得られる。
図6は、各非点収差信号と溝横断雑音によるオフセットを示す図である。図6において、横軸は光ディスク4のデフォーカス量、縦軸は非点収差信号である。図6(a)に示す非点収差信号26aは集光スポット23aが溝間部に配置されている場合の集光スポット23aによる非点収差信号、非点収差信号26bは集光スポット23aが溝部に配置されている場合の集光スポット23aによる非点収差信号である。また、図6(b)に示す非点収差信号26cは集光スポット23b,23cが溝間部に配置されている場合の集光スポット23b,23cによる非点収差信号、非点収差信号26dは集光スポット23b,23cが溝部に配置されている場合の集光スポット23b,23cによる非点収差信号である。
デフォーカスのない状態での非点収差信号は、図6(a)においては溝間部では正、溝部では負、図6(b)においては溝間部では負、溝部では正のオフセットを持っている。これに対し、図6(c)に示す非点収差信号26eは集光スポット23a,23b,23cが溝間部又は溝部に配置されている場合の集光スポット23aによる非点収差信号と集光スポット23b,23cによる非点収差信号に基づく第一の差動非点収差信号である。図6(c)に示す第一の差動非点収差信号においては、図6(a)に示すメインビームによる非点収差信号のオフセットと図6(b)に示す第一のサブビームによる非点収差信号のオフセットが相殺され、溝横断雑音によるオフセットが生じない。同様に、第二の差動非点収差信号においては、第二のサブビームによる非点収差信号のオフセットと第三のサブビームによる非点収差信号のオフセットが相殺され、溝横断雑音によるオフセットが生じない。
図7は、各プッシュプル信号とレンズシフトによるオフセットを示す図である。図7において、横軸は光ディスク4のデトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。図7(a)に示すプッシュプル信号27aは、対物レンズ16が光ディスク4の半径方向の外側にシフトした場合の集光スポット23aによるプッシュプル信号であり、プッシュプル信号27bは、対物レンズ16が光ディスク4の半径方向の外側にシフトした場合の集光スポット23b,23bによるプッシュプル信号である。
また、図7(b)に示すプッシュプル信号27cは、対物レンズ16が光ディスク4の半径方向の内側にシフトした場合の集光スポット23aによるプッシュプル信号であり、プッシュプル信号27dは対物レンズ16が光ディスク4の半径方向の内側にシフトした場合の集光スポット23b,23cによるプッシュプル信号である。集光スポット23aによるプッシュプル信号と集光スポット23b,23cによるプッシュプル信号とは、極性が逆であるが、対物レンズ16が光ディスク4の半径方向にシフトした場合のオフセットの符号は同じであり、図7(a)においては正、図7(b)においては負のオフセットを持っている。
これに対し、図7(c)に示すプッシュプル信号27eは、対物レンズ16が光ディスク4の半径方向の外側又は内側にシフトした場合の集光スポット23aによるプッシュプル信号と集光スポット23b,23cによるプッシュプル信号とに基づく第一の差動プッシュプル信号である。図7(c)に示す第一の差動プッシュプル信号においては、図7(a)に示すメインビームによるプッシュプル信号のオフセットと図7(b)に示す第一のサブビームによるプッシュプル信号のオフセットとが相殺され、レンズシフトによるオフセットが生じない。同様に、第二の差動プッシュプル信号においては、第二のサブビームによるプッシュプル信号のオフセットと第三のサブビームによるプッシュプル信号のオフセットとが相殺され、レンズシフトによるオフセットが生じない。
本実施形態における光ディスク4の基板厚ずれの検出に関わる各種の非点収差信号は図21に示すものと同じである。図21(a)に示す非点収差信号39aは、第一および第二の差動非点収差信号であり、図21(b)に示す非点収差信号39b,39cはそれぞれ第一,第二の差動非点収差信号である。図21(c)に示す非点収差信号39d,39eはそれぞれ第一,第二の差動非点収差信号に相当する。本実施形態においては、従来の光ヘッド装置において図21を参照して説明した原理と同様の原理により、第一の差動非点収差信号を用いてフォーカスサーボをかけた時の第二の差動非点収差信号を基板厚ずれ信号として用いることができる。
本実施形態における光ディスク4のラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号は、図22に示すものと同じである。図22(a)に示すプッシュプル信号40aは第一および第二の差動プッシュプル信号であり、図22(b)に示すプッシュプル信号40b,40cはそれぞれ第一,第二の差動プッシュプル信号である。図22(c)に示すプッシュプル信号40d,40eはそれぞれ第一,第二の差動プッシュプル信号に相当する。本実施形態においては、従来の光ヘッド装置において図22を参照して説明した原理と同様の原理により、第一の差動プッシュプル信号を用いてトラックサーボをかけた時の第二の差動プッシュプル信号をラジアルチルト信号として用いることができる。
ここで、光ディスク4の記録部と未記録部の境界での非点収差信号およびプッシュプル信号について考える。
図8は、光ディスク4の記録部と未記録部の境界での各非点収差信号を示す図である。図8には、デフォーカスのない状態で集光スポットが光ディスク4のトラック22a〜22dを横断したときの非点収差信号を示している。図8において、横軸は光ディスク4のデトラック量、縦軸は非点収差信号である。
トラック22a,22bにはRF信号が記録されておらず、トラック22c,22dにはRF信号が記録されているものとする。また、記録部の反射率は未記録部の反射率に比べて高いものとする。図8(a)に示す非点収差信号28aは、メインビームである集光スポット23aによる第一の非点収差信号MASであり、図8(b)に示す非点収差信号28bは、第一のサブビーム群である集光スポット23b,23cによる第二の非点収差信号SAS1である。図8(c)に示す非点収差信号28cは、第二のサブビーム群である集光スポット23d,23eによる第三の非点収差信号SAS2であり、図8(d)に示す非点収差信号28dは、第三のサブビーム群である集光スポット23f,23gによる第四の非点収差信号SAS3である。
MASおよびSAS1は、トラック22a〜22d上でそれぞれ溝横断雑音による負,正のオフセットを持っている。記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でMASが持つオフセットの絶対値とSAS1が持つオフセットの絶対値の比は、トラック22a,22d上でMASが持つオフセットの絶対値とSAS1が持つオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。DAS1=MAS+α1×SAS1(α1は定数)の演算におけるα1の値は後者の比に設定されるが、この場合、フォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号DAS1は記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でもオフセットを持たない。
一方、SAS2及びSAS3も、トラック22a〜22d上でそれぞれ溝横断雑音による負,正のオフセットを持っている。記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でSAS2が持つオフセットの絶対値とSAS3が持つオフセットの絶対値の比は、トラック22a,22d上でSAS2が持つオフセットの絶対値とSAS3が持つオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。DAS2=SAS2+α2×SAS3(α2は定数)の演算におけるα2の値は後者の比に設定されるが、この場合、基板厚ずれの検出に用いる第二の差動非点収差信号DAS2は記録部と未記録部の境界であるトラック22b、22c上でもオフセットを持たない。
ところで、フォーカスサーボに用いるフォーカス誤差信号である第一の差動非点収差信号には光ディスク4の面ぶれ等による残留誤差があるため、第二の差動非点収差信号をそのまま基板厚ずれ信号として用いると、基板厚ずれ信号に残留誤差によるオフセットが発生する。
そこで、第二の差動非点収差信号から第一の差動非点収差信号を引いた信号を基板厚ずれ信号として用いることで、基板厚ずれ信号に残留誤差によるオフセットを生じることなく基板厚ずれを検出することができる。
このとき、基板厚ずれ信号SEは以下の演算から得られる。
SE=DAS2−α3×DAS1(α3は定数)
図9は、光ディスク4の記録部と未記録部の境界での各種のプッシュプル信号を示す図である。図9は、デフォーカスのない状態で集光スポットが光ディスク4のトラック22a〜22dを横断したときのプッシュプル信号を示している。図9において、横軸は光ディスク4のデトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。ここで、トラック22a、22bにはRF信号が記録されておらず、トラック22c、22dにはRF信号が記録されているものとする。また、記録部の反射率は未記録部の反射率に比べて高いものとする。
図9(a)に示すプッシュプル信号28aは、メインビームである集光スポット23aによる第一のプッシュプル信号MPPであり、プッシュプル信号28bは第一のサブビーム群である集光スポット23b,23cによる第二のプッシュプル信号SPP1である。図9(c)に示すプッシュプル信号28cは、第二のサブビーム群である集光スポット23d,23eによる第三のプッシュプル信号SPP2であり、プッシュプル信号28dは第三のサブビーム群である集光スポット23f、23gによるプ第四のプッシュプル信号SPP3である。
これらのMPP,SPP1は、トラック22a,22d上では殆んどオフセットを持っていないが、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上では、いずれも正のオフセットを持っている。記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でMPPが持つオフセットの絶対値とSPP1が持つオフセットの絶対値との比は、MPPが持つレンズシフトによるオフセットの絶対値とSPP1が持つレンズシフトによるオフセットとの絶対値の比にほぼ等しい。
DPP1=MPP−β1×SPP1(β1は定数)の演算におけるβ1の値は後者の比に設定されるが、この場合、トラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号DPP1は、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でもオフセットを持たない。
一方、SPP2,SPP3もトラック22a、22d上では殆んどオフセットを持っていないが、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上ではいずれも正のオフセットを持っている。記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でSPP2が持つオフセットの絶対値とSPP3が持つオフセットの絶対値の比は、SPP2が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値とSPP3が持つレンズシフトによるオフセットの絶対値の比にほぼ等しい。DPP2=SPP2−β2×SPP3(β2は定数)の演算におけるβ2の値は後者の比に設定されるが、この場合、ラジアルチルトの検出に用いる第二の差動プッシュプル信号DPP2は、記録部と未記録部の境界であるトラック22b,22c上でもオフセットを持たない。
ところで、トラックサーボに用いるトラック誤差信号である第一の差動プッシュプル信号には光ディスク4の偏芯等による残留誤差があるため、第二の差動プッシュプル信号をそのままラジアルチルト信号として用いると、ラジアルチルト信号に残留誤差によるオフセットが発生する。そこで、第二の差動プッシュプル信号から第一の差動プッシュプル信号を引いた信号をラジアルチルト信号として用いれば、ラジアルチルト信号に残留誤差によるオフセットを生じることなくラジアルチルトを検出することができる。このとき、ラジアルチルト信号REは以下の演算から得られる。
RE=DPP2−β3×DPP1(β3は定数)
本実施形態における回折光学素子13aは、対物レンズの有効径より小さい直径を有する円の内側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光,±3次回折光が生成され、外側の領域に入射した光からは0次光及び±1次回折光が生成されるような構成であるが、これに限らず、対物レンズの有効径より小さい直径を有する円の外側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光,±3次回折光が生成され、内側の領域に入射した光からは0次光および±1次回折光が生成される回折光学素子を用いてもよい。
また、対物レンズの有効径より小さい幅を有する帯の内側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光,±3次回折光が生成され、外側の領域に入射した光からは0次光および±1次回折光が生成される回折光学素子や、対物レンズの有効径より小さい幅を有する帯の外側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光,±3次回折光が生成され、内側の領域に入射した光からは0次光および±1次回折光が生成される回折光学素子を用いてもよい。
すなわち、0次光と±1次回折光の光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、±2次回折光と±3次回折光の光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、そして、0次光,±1次回折光の光軸上の強度で規格化した強度分布と±2次回折光,±3次回折光の光軸上の強度で規格化した強度分布が互いに異なるように各光線を生成するような回折光学素子を用いればよい。
本実施形態における回折光学素子13aは、入射光の光軸を通り光記録媒体の接線方向に対応する直線の左側の領域における格子の位相と右側の領域における格子の位相が互いに180°ずれているように構成されているが。これに限らず、デフォーカスのない状態で集光スポットが光記録媒体のトラックを横断したときの0次光による非点収差信号,プッシュプル信号の極性と、±1次回折光による非点収差信号,プッシュプル信号の極性とが逆であり、±2次回折光によるする非点収差信号,プッシュプル信号の極性と、±3次回折光による非点収差信号,プッシュプル信号の極性とが逆であれば、入射光の光軸に関して対称で光記録媒体の接線方向に対応する2つの直線の内側の領域における格子の位相と外側の領域における格子の位相が互いに180°ずれている回折光学素子を用いてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明における第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明における第2実施形態の光ヘッド装置は、図1に示す第1実施形態の光ヘッド装置1aの構成のうち、回折光学素子13a,光検出器19aを回折光学素子13b,光検出器19bに置き換えた構成である。
図10は、本第2実施形態における回折光学素子13bの平面図である。回折光学素子13bは、点線で示す対物レンズ16の有効径より小さい直径を有する円の内側には入射光の光軸を通り光ディスク4の接線方向に対応する直線および半径方向に対応する直線で領域21e〜21hの4つに分割された回折格子が形成されており、外側には入射光の光軸を通り光ディスク4の接線方向に対応する直線および半径方向に対応する直線で領域21i〜21lの4つに分割された回折格子が形成された構成である。
この回折格子における格子の方向はいずれも光ディスク4の半径方向に対応しており、格子のパターンはいずれも等間隔の直線状である。また、領域21e〜21hにおける格子の間隔と領域21i〜21lにおける格子の間隔は等しく、領域21e,21iにおける格子の位相と、領域21f,21jにおける格子の位相とは、互いに180°ずれており、領域21g,21kにおける格子の位相と、領域21h,21lにおける格子の位相とは、互いに180°ずれている。
図11は、回折光学素子13bの断面図である。回折光学素子13bは、領域21e〜21hにおいては図11(a)に示すように基板30上に格子32aが形成され、領域21i〜21lにおいては、図11(b)に示すように基板30上に格子32bが形成された構成である。
格子32aの間隔と格子32bの間隔はいずれもPであり、格子32aの平均の高さと格子32bの平均の高さはいずれもH0である。回折光学素子13bにおける正の次数の回折光は、図10の上側に偏向され、負の次数の回折光は図10の下側に偏向されるものとする。また、領域21e,21f,21i,21jに関しては図10の上側,下側がそれぞれ図11の左側,右側に対応しており、領域21g,21h,21k,21lに関しては図10の上側,下側がそれぞれ図11の右側,左側に対応しているものとする。
格子32aの断面形状は、幅がW1で高さがH0+H1/2の領域、幅がW2で高さがH0−H1/2の領域、幅がW2で高さがH0+H1/2の領域、幅がW1で高さがH0−H1/2の領域の繰り返しである。ここで、W1=0.356P、W2=0.144Pとする。また、半導体レーザ11の波長をλ、格子32aの屈折率をnとしたとき、H1=0.1738λ/(n−1)とする。このとき、回折光学素子13bの領域21e〜21hに入射した光は0次光として約73%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約4.2%が回折され、±2次回折光としてそれぞれ約4.2%が回折される。
一方、格子32bの断面形状は、幅がWで高さがH0−H2/2の領域、幅が2Wで高さがH0+H2/2の領域、幅がWで高さがH0+3H2/2の領域、幅がWで高さがH0−3H2/2の領域、幅が2Wで高さがH0−H2/2の領域、幅がWで高さがH0+H2/2の領域の繰り返しである。ここで、W=P/8とする。また、半導体レーザ11の波長をλ、格子32bの屈折率をnとしたとき、H2=0.0832λ/(n−1)とする。
このとき、回折光学素子13bの領域21i,21jに入射した光は0次光として約81.3%が透過し、−1次回折光として約4.7%が回折され、−2次回折光として約3.8%が回折され、+1次回折光としては約1%しか回折されず、+2次回折光としては約1.3%しか回折されない。回折光学素子13bの領域11k、11lに入射した光は0次光として約81.3%が透過し、+1次回折光として約4.7%が回折され、+2次回折光として約3.8%が回折され、−1次回折光としては約1%しか回折されず、−2次回折光としては約1.3%しか回折されない。
回折光学素子13bからの透過光(0次光)をメインビーム、第一の正負の次数の回折光(±1次回折光)を第一のサブビーム群、第二の正負の次数の回折光(±2次回折光)を第二のサブビーム群とし、回折光学素子13bからの0次光をメインビーム、+1次回折光を第一のサブビーム群の一方、−1次回折光を第一のサブビーム群の他方、+2次回折光を第二のサブビーム群の一方、−2次回折光を第二のサブビーム群の他方とする。メインビームには、領域21e〜21hからの0次光と領域21i〜21lからの0次光が含まれ、第一のサブビーム群の一方の下半分には領域21g,21hからの+1次回折光と領域21k,21lからの+1次回折光、第一のサブビーム群の他方の上半分には領域21e,21fからの−1次回折光と領域21i,21jからの−1次回折光が同じ比率で含まれる。
第二のサブビーム群の一方の上半分には主として領域21e,21fからの+2次回折光のみ、第二のサブビーム群の他方の下半分には主として領域21g,21hからの−2次回折光のみ、第一のサブビーム群の一方の上半分には主として領域21e,21fからの+1次回折光のみ、第一のサブビーム群の他方の下半分には主として領域21g,21hからの−1次回折光のみが含まれる。
この結果、メインビームの下半分と第一のサブビーム群の一方の下半分、メインビームの上半分と第一のサブビーム群の他方の上半分は、光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、第二のサブビーム群の一方の上半分と第一のサブビーム群の一方の上半分、第二のサブビーム群の他方の下半分と第一のサブビーム群の他方の下半分は、光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、メインビームの下半分、第一のサブビーム群の一方の下半分の光軸上の強度で規格化した強度分布と第二のサブビーム群の他方の下半分、第一のサブビーム群の他方の下半分の光軸上の強度で規格化した強度分布は互いに異なり、メインビームの上半分,第一のサブビーム群の他方の上半分の光軸上の強度で規格化した強度分布と、第二のサブビーム群の一方の上半分,第一のサブビーム群の一方の上半分の光軸上の強度で規格化した強度分布とは互いに異なる。第二のサブビーム群の他方の下半分,第一のサブビーム群の他方の下半分は、メインビームの下半分,第一のサブビーム群の一方の下半分に比べて周辺部の強度が低く、第二のサブビーム群の一方の上半分,第一のサブビーム群の一方の上半分は、メインビームの上半分,第一のサブビーム群の他方の上半分に比べて周辺部の強度が低い。
領域21g,21kからの+1次回折光の位相と領域21h,21lからの+1次回折光の位相とは、互いに180°ずれており、同様に領域21e,21iからの−1次回折光の位相と領域21f、21jからの−1次回折光の位相とは、互いに180°ずれている。領域21eからの+2次回折光の位相と領域21fからの+2次回折光の位相は互いに360°ずれるため、ずれていないのと等価であり、同様に領域21gからの−2次回折光の位相と領域21hからの−2次回折光の位相は、互いに360°ずれるため、ずれていないのと等価である。領域21eからの+1次回折光の位相と領域21fからの+1次回折光の位相とは、互いに180°ずれており、同様に領域21gからの−1次回折光の位相と領域21hからの−1次回折光の位相とは、互いに180°ずれている。
図12は、光ディスク4上の集光スポットの配置を示す図である。集光スポット23a,23h,23i,23j,23kは、それぞれ回折光学素子13bからの0次光,+1次回折光,−1次回折光,+2次回折光,−2次回折光に相当する。
これら5つの集光スポットは、同一のトラック22上に配置されている。第一のサブビーム群の一方,第一のサブビーム群の他方は、光軸を通り光ディスク4の接線方向に対応する直線および半径方向に対応する直線で隔てられた左上側,右下側と右上側,左下側とで位相が互いに180°ずれているため、第一のサブビーム群の一方である集光スポット23h,第一のサブビーム群の他方である集光スポット23iは、光ディスク4の接線方向の直線および半径方向の直線で隔てられた左上側,右上側,左下側,右下側に強度が等しい4つのピークを持つ。
一方、第二のサブビーム群の一方,第二のサブビーム群の他方は、光軸を通り光ディスク4の半径方向に対応する直線の上側と下側で位相が互いに180°ずれていると共に、対物レンズ16の有効径より小さい直径を有する円の内側と外側で位相が互いに180°ずれているため、第二のサブビーム群の一方である集光スポット23jと、第二のサブビーム群の他方である集光スポット23kとは、光ディスク4の接線方向の上側と下側に強度が等しい2つのピークを持つと共にサイドローブが大きい。
図13は、光検出器19bの受光部のパターンと光検出器19b上の光スポットの配置を示す図である。
光スポット24aは、回折光学素子13bからの0次光に相当し、光ディスク4の接線方向に対応する分割線および半径方向に対応する分割線で4つに分割された受光部33a〜33dで受光される。光スポット24hは、回折光学素子13bからの+1次回折光に相当し、同様に4つに分割された受光部33e〜33hで受光される。光スポット24iは、回折光学素子13bからの−1次回折光に相当し、4つに分割された受光部33i〜33lで受光される。
光スポット24jは、回折光学素子13bからの+2次回折光に相当し、4つに分割された受光部33m〜33pで受光される。光スポット24kは、回折光学素子13bからの−2次回折光に相当し、4つに分割された受光部33q〜33tで受光される。このとき、円筒レンズ17の作用により、光検出器19b上では光ディスク4の接線方向に対応する方向と半径方向に対応する方向が互いに入れ替わっている。
ここで、受光部33a〜33tからの出力をそれぞれV33a〜V33tで表すと、メインビームによる第一の非点収差信号MAS、第一のサブビーム群の一方の下半分および第一のサブビーム群の他方の上半分による第二の非点収差信号SAS1、第二のサブビーム群の一方の上半分および第二のサブビーム群の他方の下半分による第三の非点収差信号SAS2、第一のサブビーム群の一方の上半分および第一のサブビーム群の他方の下半分による第四の非点収差信号SAS3は、それぞれ以下の演算から得られる。
MAS=(V33a+V33d)−(V33b+V33c)
SAS1=(V33i+V33h)−(V33f+V33k)
SAS2=(V33m+V33t)−(V33r+V33o)
SAS3=(V33e+V33l)−(V33j+V33g)
フォーカスサーボに用いるフォーカス誤差信号である第一の差動非点収差信号DAS1は以下の演算から得られる。
DAS1=MAS+α1×SAS1(α1は定数)
基板厚ずれの検出に用いる第二の差動非点収差信号DAS2は、以下の演算から得られる。
DAS2=SAS2+α2×SAS3(α2は定数)
一方、メインビームによる第一のプッシュプル信号MPP,第一のサブビーム群の一方の下半分および第一のサブビーム群の他方の上半分による第二のプッシュプル信号SPP1,第二のサブビーム群の一方の上半分および第二のサブビーム群の他方の下半分による第三のプッシュプル信号SPP2,第一のサブビーム群の一方の上半分および第一のサブビーム群の他方の下半分による第四のプッシュプル信号SPP3は、それぞれ以下の演算から得られる。
MPP=(V33a+V33b)−(V33c+V33d)
SPP1=(V33i+V33f)−(V33k+V33h)
SPP2=(V33m+V33r)−(V33o+V33t)
SPP3=(V33e+V33j)−(V33g+V33l)
トラックサーボに用いるトラック誤差信号である第一の差動プッシュプル信号DPP1は、以下の演算から得られる。
DPP1=MPP−β1×SPP1(β1は定数)
ラジアルチルトの検出に用いる第二の差動プッシュプル信号DPP2は、以下の演算から得られる。
DPP2=SPP2−β2×SPP3(β2は定数)
また、光ディスク4に記録されたRF信号は、(V33a+V33b+V33c+V33d)の高周波成分から得られる。
本実施形態において、各光線による非点収差信号と溝横断雑音によるオフセットは図6に示すものと同じである。本実施形態においては、第1実施形態において図6を参照して説明した原理と同様の原理により、第一および第二の差動非点収差信号に溝横断雑音によるオフセットが生じない。
本実施形態におけて、各光線によるプッシュプル信号とレンズシフトによるオフセットは図7に示すものと同じである。本実施形態においては、第1実施形態において図7を参照して説明した原理と同様の原理により、第一および第二の差動プッシュプル信号にレンズシフトによるオフセットが生じない。
本実施形態における光ディスク4の基板厚ずれの検出に関わる各非点収差信号は、図21に示すものと同じである。本実施形態においては、従来の光ヘッド装置において図21を参照して説明した原理と同様の原理により、第一の差動非点収差信号を用いてフォーカスサーボをかけた時の第二の差動非点収差信号を基板厚ずれ信号として用いることができる。
本実施形態における光ディスク4のラジアルチルトの検出に関わる各プッシュプル信号は、図22に示すものと同じである。本実施形態においては、従来の光ヘッド装置において図22を参照して説明した原理と同様の原理により、第一の差動プッシュプル信号を用いてトラックサーボをかけた時の第二の差動プッシュプル信号をラジアルチルト信号として用いることができる。
本実施形態における光ディスク4の記録部と未記録部の境界での各非点収差信号は、図8に示すものと同じである。本実施形態においては、第1実施形態において図8を参照して説明した原理と同様の原理により、基板厚ずれの検出に用いる第二の差動非点収差信号は記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、第二の差動非点収差信号から第一の差動非点収差信号を引いた信号を基板厚ずれ信号として用いれば、基板厚ずれ信号に残留誤差によるオフセットを生じることなく基板厚ずれを検出することができる。
本実施形態における光ディスク4の記録部と未記録部の境界での各プッシュプル信号は図9に示すものと同じである。本実施形態においては、第1実施形態において図9を参照して説明した原理と同様の原理により、ラジアルチルトの検出に用いる第二の差動プッシュプル信号は、記録部と未記録部の境界であるトラック上でもオフセットを持たない。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、第二の差動プッシュプル信号から第一の差動プッシュプル信号を引いた信号をラジアルチルト信号として用いれば、ラジアルチルト信号に残留誤差によるオフセットを生じることなくラジアルチルトを検出することができる。
本実施形態における回折光学素子13bは、対物レンズの有効径より小さい直径を有する円の内側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光が生成され、外側の上半分の領域に入射した光からは主として0次光,−1次回折光,−2次回折光が生成され、外側の下半分の領域に入射した光からは主として0次光,+1次回折光,+2次回折光が生成されるように構成されているが、これに限らず、対物レンズの有効径より小さい直径を有する円の外側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光が生成され、内側の上半分の領域に入射した光からは主として0次光,−1次回折光,−2次回折光が生成され、内側の下半分の領域に入射した光からは主として0次光,+1次回折光,+2次回折光が生成されるような回折光学素子を用いてもよい。
また、対物レンズの有効径より小さい幅を有する帯の内側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光が生成され、外側の上半分の領域に入射した光からは主として0次光,−1次回折光,−2次回折光が生成され、外側の下半分の領域に入射した光からは主として0次光,+1次回折光,+2次回折光が生成される回折光学素子を用いてもよい。
またさらに、対物レンズの有効径より小さい幅を有する帯の外側の領域に入射した光からは0次光,±1次回折光,±2次回折光が生成され、内側の上半分の領域に入射した光からは主として0次光,−1次回折光,−2次回折光が生成され、内側の下半分の領域に入射した光からは主として0次光,+1次回折光,+2次回折光が生成される回折光学素子を用いてもよい。
すなわち、0次光の下半分と+1次回折光の下半分、0次光の上半分と−1次回折光の上半分は、光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、+2次回折光の上半分と+1次回折光の上半分、−2次回折光の下半分と−1次回折光の下半分は、光軸上の強度で規格化した強度分布が同じであり、0次光の下半分、+1次回折光の下半分の光軸上の強度で規格化した強度分布と、−2次回折光の下半分、−1次回折光の下半分の光軸上の強度で規格化した強度分布が互いに異なり、0次光の上半分、−1次回折光の上半分の光軸上の強度で規格化した強度分布と+2次回折光の上半分、+1次回折光の上半分の光軸上の強度で規格化した強度分布が互いに異なれば良い。
本実施形態における回折光学素子13bは、入射光の光軸を通り光記録媒体の接線方向に対応する直線および半径方向に対応する直線で隔てられた左上側の領域における格子の位相と右上側の領域における格子の位相とが、互いに180°ずれており、左下側の領域における格子の位相と右下側の領域における格子との位相が、互いに180°ずれているが、これに限らず、入射光の光軸に関して対称で光記録媒体の接線方向に対応する2つの直線および半径方向に対応する直線で隔てられた中央上側の領域における格子の位相と両端上側の領域における格子の位相とが、互いに180°ずれており、中央下側の領域における格子の位相と両端下側の領域における格子の位相とが、互いに180°ずれている回折光学素子を用いてもよい。
デフォーカスのない状態で集光スポットが光記録媒体のトラックを横断したときの、0次光による非点収差信号,プッシュプル信号の極性と、+1次回折光の下半分および−1次回折光の上半分による非点収差信号,プッシュプル信号の極性とが逆であり、+2次回折光の上半分および−2次回折光の下半分による非点収差信号,プッシュプル信号の極性と、+1次回折光の上半分および−1次回折光の下半分に対する非点収差信号,プッシュプル信号の極性とが逆であれば良い。
[第3実施形態]
本発明における第3実施形態について図面を参照しながら説明する。
図14は、本発明における第3実施形態の光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。本第3実施形態の光学式情報記録再生装置は、図1に示す第1実施形態の光ヘッド装置または第2実施形態の光ヘッド装置にリレーレンズ36a,36bを搭載させた光ヘッド装置1bと、演算回路2aと、駆動回路3aとを備えて構成されている。
演算回路2aは、光検出器19aまたは19bの各受光部からの出力を基に、前述した演算式を用いて第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出手段として機能し、前述した演算を実行してフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する差動非点収差信号算出手段として機能し、前述した演算を実行し基板厚ずれ信号を算出する基板厚ずれ信号手段として機能する。
駆動回路3aは、基板厚ずれ信号を基に光記憶媒体の基板厚ずれを補正する補正駆動手段として機能する。具体的には、算出された基板厚ずれ信号が0になるように、点線で囲まれたリレーレンズ36a,36bのどちらか一方を図示しないアクチュエータにより光軸方向に移動させる。リレーレンズ36a,36bのどちらか一方を光軸方向に移動させると対物レンズ16における倍率が変化し、球面収差が変化する。そこで、リレーレンズ36a,36bのどちらか一方の光軸方向の位置を調整して光ディスク4の基板厚ずれに起因する球面収差を相殺する球面収差を対物レンズ16で発生させる。これにより、光ディスク4の基板厚ずれが補正され、記録再生特性に対する悪影響がなくなる。ここで、リレーレンズ36a,36bのどちらか一方を光軸方向に移動させる代わりに、コリメータレンズ12を光軸方向に移動させても良い。
本第3実施形態の光学式情報記録再生装置の動作を説明する。同時に本発明のラジアルチルト補正方法についても説明する。
まず、光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成し(光線生成工程)、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光を受光する(受光工程)。受光された光線ビームから前述した演算式を用いて第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出し(非点収差信号検出工程)、第一の非点収差信号と第二の非点収差信号とからフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出し(第一の差動非点収差信号算出工程)、第三の非点収差信号と第四の非点収差信号とから第二の差動非点収差信号を算出し(第二の差動非点収差信号算出工程)、この第二の差動非点収差信号と第一の差動非点収差信号の差を基板厚ずれ信号として算出する(基板厚ずれ信号算出工程)。この基板厚ずれ信号が0になるように、リレーレンズ36a,36bのどちらか一方を図示しないアクチュエータにより光軸方向に移動させ光記録媒体の基板厚ずれを補正する(補正制御工程)。
ここで、上述した非点収差信号検出工程,第一の差動非点収差信号算出工程,第二の差動非点収差信号算出工程,基板厚ずれ信号算出工程,補正制御工程についてはその内容をプログラム化し非点収差信号検出処理,第一の差動非点収差信号算出処理,第二の差動非点収差信号算出処理,基板厚ずれ信号算出処置,基板厚ずれ補正制御処理として光学式情報記録再生装置を制御するコンピュータに実行させるように構成してもよい。
[第4実施形態]
図15は、本発明における第4実施形態の光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。本第4実施形態の光学式情報記録再生装置は、図1に示す第1実施形態の光ヘッド装置又は第2実施形態の光ヘッド装置と同様の構成の光ヘッド装置1cに演算回路2b,駆動回路3bを備えて構成されている。
演算回路2bは、光検出器19aまたは19bの各受光部からの出力に基づいて、前述した演算式を用いて第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段として機能し、前述した演算を実行してトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する差動プッシュプル信号算出手段として機能し、前述した演算を実行しラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出手段として機能する。
駆動回路3bは、ラジアルチルト信号を基に光記憶媒体のラジアルチルトを補正する補正駆動手段として機能する。具体的には、算出されたラジアルチルト信号が0になるように、対物レンズ16を図示しないアクチュエータにより光ディスク4の半径方向に傾ける。これにより、光ディスク4のラジアルチルトが補正され、記録再生特性に対する悪影響がなくなる。ここで、対物レンズ16を光ディスク4の半径方向に傾ける代わりに、光ヘッド装置全体を光ディスク4の半径方向に傾けても良い。
本第4実施形態の光学式情報記録再生装置の動作を説明する。同時に本発明のラジアルチルト補正方法についても説明する。
まず、光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成し(光線生成工程)、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光を受光する(受光工程)。そして、受光された各光線ビームから前述した演算式を用いて第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出する(プッシュプル信号検出工程)。
前述した演算式を用いて第一のプッシュプル信号と第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出し(第一の差動プッシュプル信号算出工程)、第三のプッシュプル信号と第四のプッシュプル信号に基づいて第二の差動プッシュプル信号を算出する(第二の差動プッシュプル信号算出工程)。この第二の差動プッシュプル信号と第一の差動プッシュプル信号の差をラジアルチルト信号として算出し(ラジアルチルト信号算出工程)、このラジアルチルト信号が0になるように、対物レンズ16を図示しないアクチュエータにより光ディスク4の半径方向に傾けて光記録媒体のラジアルチルトを補正する(補正制御工程)。
ここで、上述したプッシュプル信号検出工程,第一の差動プッシュプル信号算出工程,第二の差動プッシュプル信号算出工程,ラジアルチルト信号算出工程,補正制御工程についてはその内容をプログラム化しプッシュプル信号検出処理,第一の差動プッシュプル信号算出処理,第二の差動プッシュプル信号算出処理,ラジアルチルト信号算出処理,ラジアルチルト補正制御処理として光学式情報記録再生装置を制御するコンピュータに実行させるように構成してもよい。
前述した第3実施形態と第4実施形態の光学式情報記録再生装置を組み合わせた構成の光学式情報記録再生装置であれば、光ディスク4の基板厚ずれとラジアルチルトの両方を補正することができる。
[第5実施形態]
図16は、本発明における第5実施形態の光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。本第5実施形態は、図1に示す第1実施形態の光ヘッド装置又は第2実施形態の光ヘッド装置に液晶光学素子37を搭載させた光ヘッド装置1dと、演算回路2cと、駆動回路3cとを備えて構成されている。
演算回路2cは、光検出器19aまたは19bの各受光部からの出力を基に、前述した演算式を用いて第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出手段として機能し、前述した演算を実行してフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する差動非点収差信号算出手段として機能し、前述した演算を実行し基板厚ずれ信号を算出する基板厚ずれ信号手段として機能すると共に、前述した演算式を用いて第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段として機能し、前述した演算を実行してフォーカスサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する差動プッシュプル信号算出手段として機能し、前述した演算を実行しラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出手段として機能する。
駆動回路3cは、基板厚ずれ信号およびラジアルチルト信号が0になるように、液晶光学素子37に電圧を印加する。液晶光学素子37は複数の領域に分割されており、各領域に印加する電圧を変化させると透過光に対する球面収差およびコマ収差が変化する。
そこで、液晶光学素子37の各領域に印加する電圧を調整して光ディスク4の基板厚ずれに起因する球面収差を相殺する球面収差およびラジアルチルトに起因するコマ収差を相殺するコマ収差を液晶光学素子37で発生させる。これにより光ディスク4の基板厚ずれおよびラジアルチルトが補正され、記録再生特性に対する悪影響がなくなる。
本発明における第1実施形態の光ヘッド装置の構成を示す図である。 図1に示す実施形態における回折光学素子の平面図である。 図1に示す実施形態における回折光学素子の断面図である。 図1に示す実施形態における光ディスク上に形成される集光スポットの配置を示す図である。 図1に示す実施形態における光検出器の受光部のパターンと光検出器上の光スポットの配置を示す図である。 図1に示す実施形態における各非点収差信号と溝横断雑音によるオフセットを示す図である。 図1に示す実施形態における各プッシュプル信号とレンズシフトによるオフセットを示す図である。 図1に示す実施形態における光ディスクの記録部と未記録部との境界での各非点収差信号を示す図である。 図1に示す実施形態における光ディスクの記録部と未記録部との境界での各プッシュプル信号を示す図である。 本発明における第2実施形態の光ヘッド装置における回折光学素子の平面図である。 図10に示す実施形態における回折光学素子の断面図である。 図10に示す実施形態における光ディスク上に形成される集光スポットの配置を示す図である。 図10に示す実施形態における光検出器の受光部のパターンと光検出器上の光スポットの配置を示す図である。 本発明における第3実施形態の光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。 本発明における第4実施形態の光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。 本発明における第5実施形態の光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。 従来の光ヘッド装置の構成を示す図である。 従来の光ヘッド装置に用いられる回折光学素子の平面図である。 従来の光ヘッド装置における光ディスク上の集光スポットの配置を示す図である。 従来の光ヘッド装置における光検出器の受光部のパターンと光検出器上の光スポットの配置を示す図である。 従来の光ヘッド装置における光ディスクの基板厚ずれの検出に関わる各非点収差信号を示す図である。 従来の光ヘッド装置における光ディスクのラジアルチルトの検出に関わる各プッシュプル信号を示す図である。 従来の光ヘッド装置における光ディスクの記録部と未記録部の境界での各非点収差信号を示す図である。 従来の光ヘッド装置における光ディスクの記録部と未記録部の境界での各プッシュプル信号を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d 光ヘッド装置
2a,2b,2c 演算回路
3a,3b,3c 駆動回路
4 光ディスク
11 半導体レーザ
12 コリメータレンズ
13a,13b,13c 回折光学素子
14 偏光ビームスプリッタ
15 1/4波長板
16 対物レンズ
17 円筒レンズ
18 凸レンズ
19a,19b,19c 光検出器
21a〜21p 領域
22,22a,22b,22c,22d トラック
23a〜23o 集光スポット
24a〜24o 光スポット
25a〜25p 受光部
26a〜26e 非点収差信号
27a〜27e プッシュプル信号
28a〜28d 非点収差信号
29a〜29d プッシュプル信号
30 基板
31a,31b 格子
32a,32b 格子
33a〜33t 受光部
36a,36b リレーレンズ
37 液晶光学素子
38a〜38l 受光部
39a〜39e 非点収差信号
40a〜40e プッシュプル信号
41a〜41c 非点収差信号
42a〜42c プッシュプル信号

Claims (22)

  1. 光源と、この光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する回折光学素子と、この回折光学素子で生成された各光線ビームをトラックを構成する溝を有する円盤状の光記録媒体上に集光する対物レンズと、前記光記録媒体で反射された前記各光線ビームの反射光を受光する光検出器とを備えた光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子は、光軸上の強度で規格化した強度分布として第一の強度分布を形成するメインビームと、このメインビームと同様の第一の強度分布を形成する第一のサブビーム群と、前記第一の強度分布と異なる第二の強度分布を形成する第二のサブビーム群と、この第二のサブビーム群と同様の第二の強度分布を形成する第三のサブビーム群とを生成する機能を有することを特徴とした光ヘッド装置。
  2. 前記請求項1に記載の光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子は、前記入射光の光軸に垂直な面内においてこの入射光の光軸のまわりの所定の境界線を境界として当該入射光の光軸を含む内側領域と、この内側領域を含まない外側領域とで構成されており、前記内側領域又は前記外側領域のいずれか一方の領域へ入射した光から透過光(0次光),第一の正負の次数の回折光,第二の正負の次数の回折光,第三の正負の次数の回折光を前記メインビーム,前記第一のサブビーム群,前記第二のサブビーム群,前記第三のサブビーム群として生成し、他方の領域へ入射した光から前記透過光及び前記第一の正負の次数の回折光を前記メインビーム,前記第一のサブビーム群として生成する機能を有することを特徴とした光ヘッド装置。
  3. 前記請求項2に記載の光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子が、前記内側領域及び前記外側領域を入射光の光軸点を通り前記光記録媒体上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に対応する方向に平行な直線を境界にして分割した左内側領域と右内側領域,左外側領域と右外側領域とで構成されており、
    前記左内側領域における回折格子の位相と前記右内側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていると共に、前記左外側領域における回折格子の位相と前記右外側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていることを特徴とする光ヘッド装置。
  4. 光源と、この光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する回折光学素子と、この回折光学素子で生成された各光線ビームをトラックを構成する溝を有する円盤状の光記録媒体上に集光する対物レンズと、前記光記録媒体で反射された前記各光線ビームの反射光を受光する光検出器とを備えた光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子が、入射光の光軸に垂直な面内において入射光の光軸点を通り前記光記録媒体上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に対応する方向に直交する線分を境界とした上側領域と下側領域とで構成されており、
    当該回折光学素子が、前記光源からの出射光からメインビーム,2つの光線ビームから成る第一のサブビーム群,2つの光線ビームから成る第二のサブビーム群を生成する機能を有し、前記メインビームのうちの前記下側領域で生成する部分と前記第一のサブビーム群の一方のうちの前記下側領域で生成する部分とが、光軸上の強度で規格化した強度分布として第一の強度分布を形成し、前記メインビームのうちの前記上側領域で生成する部分と前記第一のサブビーム群の他方のうちの前記上側領域で生成する部分とが、前記上側領域と前記下側領域との境界線の前記メインビームの光軸に垂直な面への射影に関して前記第一の強度分布と対称な強度分布である第二の強度分布を形成し、前記第一のサブビーム群の一方のうちの前記上側領域で生成する部分と前記第二のサブビーム群の一方のうちの前記上側領域で生成する部分とが、前記第二の強度分布と異なる第三の強度分布を形成し、前記第一のサブビーム群の他方のうちの前記下側領域で生成する部分と前記第二のサブビーム群の他方のうちの前記下側領域で生成する部分とが、前記上側領域と前記下側領域との境界線の前記メインビームの光軸に垂直な面への射影に関して前記第三の強度分布と対称な強度分布である第四の強度分布を形成するように各ビームを生成する機能を備えたことを特徴とする光ヘッド装置。
  5. 前記請求項4に記載の光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子が、前記上側領域及び下側領域を入射光の光軸のまわりの所定の境界線を境界にして入射光の光軸に接する上内側領域及び下内側領域と、入射光の光軸に接しない上外側領域及び下外側領域とに分割され構成されており、
    当該回折光学素子が、前記上内側領域と前記上外側領域と前記下内側領域と前記下外側領域とへ入射した光の透過光(0次光)を前記メインビームとし、前記下内側領域と前記下外側領域との両方の領域へ入射した光から第一の正または負の次数の回折光を前記第一のサブビーム群の一方として生成し、前記上内側領域と前記上外側領域の両方の領域へ入射した光から第一の負または正の次数の回折光を前記第一のサブビーム群の他方として生成し、前記上内側領域又は前記上外側領域のいずれか一方の領域へ入射した光から前記第一の正または負の次数の回折光と第二の正または負の次数の回折光とをそれぞれ前記第一のサブビーム群の一方と前記第二のサブビーム群の一方として生成し、このいずれかの領域と入射光の光軸のまわりに設けられた境界に対して同じ側に位置する前記下内側領域又は前記下外側領域のいずれか一方の領域へ入射した光から前記第一の負または正の次数の回折光と第二の負または正の次数の回折光とをそれぞれ前記第一のサブビーム群の他方と前記第二のサブビーム群の他方として生成する機能を有したことを特徴とする光ヘッド装置。
  6. 前記請求項5に記載の光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子が、前記上内側領域,前記上外側領域,前記下内側領域,前記下外側領域それぞれを入射光の光軸を通り前記光記録媒体上の光線ビームが集光される部分のトラック方向に対応する方向に平行な線分を境界にして分割した左上内側領域と右上内側領域,左上外側領域と右上外側領域,左下内側領域と右下内側領域,左下外側領域と右下外側領域で構成されており、
    前記左上内側領域における回折格子の位相と前記右上内側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていると共に、前記左上外側領域における回折格子の位相と前記右上外側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれており、前記左下内側領域における回折格子の位相と前記右下内側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていると共に、前記左下外側領域における回折格子の位相と前記右下外側領域における回折格子の位相は互いに180°ずれていることを特徴とする光ヘッド装置。
  7. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ヘッド装置と、前記光検出器に受光された反射光のうちの前記メインビームの反射光から第一の非点収差信号を検出し前記第一のサブビーム群の反射光から第二の非点収差信号を検出し前記第二のサブビーム群の反射光から第三の非点収差信号を検出し前記第三のサブビーム群の反射光から第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出手段と、前記第一の非点収差信号と前記第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する差動非点収差信号算出手段と、前記第三の非点収差信号と前記第四の非点収差信号とに基づいて前記光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号を算出する基板厚ずれ信号算出手段とを備えたことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  8. 前記請求項4乃至6のいずれか一項に記載の光ヘッド装置と、前記光検出器に受光された反射光のうちの前記メインビームの反射光から第一の非点収差信号を検出し前記第一のサブビーム群の一方のうちの前記下側領域で生成された部分の反射光と前記第一のサブビーム群の他方のうちの前記上側領域で生成された部分の反射光とから第二の非点収差信号を検出し前記第一のサブビーム群の一方のうちの前記上側領域で生成された部分の反射光と前記第一のサブビーム群の他方のうちの前記下側領域で生成された部分の反射光とから第三の非点収差信号を検出し前記第二のサブビーム群の一方のうちの前記上側領域で生成された部分の反射光と前記第二のサブビーム群の他方のうちの前記下側領域で生成された部分の反射光とから第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出手段と、前記第一の非点収差信号と前記第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する差動非点収差信号算出手段と、前記第三の非点収差信号と前記第四の非点収差信号とに基づいて前記光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号を算出する基板ずれ信号算出手段とを備えたことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  9. 前記請求項7または8に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記基板厚ずれ信号算出手段が、前記第三の非点収差信号と前記第四の非点収差信号とを基に第二の差動非点収差信号を前記基板厚ずれ信号として算出する機能を有したことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  10. 前記請求項7または8に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記基板厚ずれ信号算出手段が、前記第三の非点収差信号と前記第四の非点収差信号とを基に第二の差動非点収差信号を算出し、この第二の差動非点収差信号と前記第一の差動非点収差信号の差を前記基板厚ずれ信号として算出する機能を有したことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  11. 前記請求項7乃至10のいずれか一項に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記基板厚ずれ信号を基に前記光記録媒体の基板厚ずれを補正する補正駆動手段を備えたことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  12. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ヘッド装置と、前記光検出器に受光された前記メインビームの反射光から第一のプッシュプル信号を検出し前記第一のサブビーム群の反射光から第二のプッシュプル信号を検出し前記第二のサブビーム群の反射光から第三のプッシュプル信号を検出し前記第三のサブビーム群の反射光から第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、前記第一のプッシュプル信号と前記第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する差動プッシュプル信号算出手段と、前記第三のプッシュプル信号と前記第四のプッシュプル信号とに基づいて前記光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出手段とを備えたことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  13. 前記請求項4乃至6のいずれか一項に記載の光ヘッド装置と、前記光検出器に受光された反射光のうちの前記メインビームの反射光から第一のプッシュプル信号を検出し前記第一のサブビーム群の一方のうちの前記下側領域で生成された部分の反射光と前記第一のサブビーム群の他方のうちの前記上側領域で生成された部分の反射光とから第二のプッシュプル信号を検出し前記第一のサブビーム群の一方のうちの前記上側領域で生成された部分の反射光と前記第一のサブビーム群の他方のうちの前記下側領域で生成された部分の反射光とから第三のプッシュプル信号を検出し前記第二のサブビーム群の一方のうちの前記上側領域で生成された部分の反射光と前記第二のサブビーム群の他方のうちの前記下側領域で生成された部分の反射光とから第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、前記第一のプッシュプル信号と前記第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する差動プッシュプル信号算出手段と、前記第三のプッシュプル信号と前記第四のプッシュプル信号とに基づいて前記光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出手段とを備えたことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  14. 前記請求項12または13に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記ラジアルチルト信号算出手段が、前記第三のプッシュプル信号と前記第四のプッシュプル信号とを基に第二の差動プッシュプル信号を前記ラジアルチルト信号として算出する機能を有したことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  15. 前記請求項12または13に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記ラジアルチルト信号算出手段が、前記第三のプッシュプル信号と前記第四のプッシュプル信号とを基に第二の差動プッシュプル信号を算出し、この第二の差動プッシュプル信号と前記第一の差動プッシュプル信号との差を前記ラジアルチルト信号として算出する機能を有したことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  16. 前記請求項12乃至15のいずれか一項に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記ラジアルチルト信号を基に前記光記録媒体のラジアルチルトを補正する補正駆動手段を備えたことを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  17. 光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する光線生成工程と、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光を受光する受光工程と、受光された各光線ビームから第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出工程と、この検出された各非点収差信号に基づいて前記光記録媒体の基板厚ずれを表す基板厚ずれ信号を算出する基板厚ずれ信号算出工程と、この基板厚ずれ信号を基に光記録媒体の基板厚ずれを補正する補正制御工程とを設けたことを特徴とする基板厚ずれ補正方法。
  18. 前記請求項17に記載の基板厚ずれ補正方法において、
    基板厚ずれ信号算出工程が、前記第一の非点収差信号と前記第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する第一の差動非点収差信号算出工程と、前記第三の非点収差信号と前記第四の非点収差信号とに基づいて第二の差動非点収差信号を算出する第二の差動非点収差信号算出工程と、この第二の差動非点収差信号と前記第一の差動非点収差信号との差を前記基板厚ずれ信号として算出する基板厚ずれ信号算出工程とで構成されたことを特徴とする基板厚ずれ補正方法。
  19. 光源からの出射光から複数の光線ビームを分割生成する光線生成工程と、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光を受光する受光工程と、受光された各光線ビームから第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出工程と、この検出された各プッシュプル信号に基づいて前記光記録媒体のラジアルチルトを表すラジアルチルト信号を算出するラジアルチルト信号算出工程と、このラジアルチルト信号を基に光記録媒体のラジアルチルトを補正する補正制御工程とを設けたことを特徴とするラジアルチルト補正方法。
  20. 前記請求項19に記載のラジアルチルト補正方法において、
    ラジアルチルト信号算出工程が、前記第一のプッシュプル信号と前記第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する第一の差動プッシュプル信号算出工程と、前記第三のプッシュプル信号と前記第四のプッシュプル信号とに基づいて第二の差動プッシュプル信号を算出する第二の差動プッシュプル信号算出工程と、この第二の差動プッシュプル信号と前記第一の差動プッシュプル信号との差を前記ラジアルチルト信号として算出するラジアルチルト信号算出工程とで構成されたことを特徴とするラジアルチルト補正方法。
  21. 光源からの出射光から複数の光線ビームを生成し、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光から検出された信号に基づいて光記録媒体の基板厚ずれを補正する機能を有した光学式情報記録再生装置を制御するコンピュータに、
    前記受光された複数の光線ビームから第一の非点収差信号,第二の非点収差信号,第三の非点収差信号,第四の非点収差信号を検出する非点収差信号検出処理と、前記第一の非点収差信号と前記第二の非点収差信号とに基づいてフォーカスサーボに用いる第一の差動非点収差信号を算出する第一の差動非点収差信号算出処理と、前記第三の非点収差信号と前記第四の非点収差信号とに基づいて第二の差動非点収差信号を算出する第二の差動非点収差信号算出処理と、この第二の差動非点収差信号と前記第一の差動非点収差信号との差を前記基板厚ずれ信号として算出する基板厚ずれ信号算出処理と、この基板厚ずれ信号に基づいて光記録媒体の基板厚ずれを補正制御する基板厚ずれ補正制御処理とを実行させることを特徴とする基板厚ずれ補正用プログラム。
  22. 光源からの出射光から複数の光線ビームを生成し、この各光線ビームを光記録媒体上に集光し反射された反射光から検出された信号に基づいて光記録媒体のラジアルチルトを補正する機能を有した光学式情報記録再生装置を制御するコンピュータに、
    前記受光された複数の光線ビームから第一のプッシュプル信号,第二のプッシュプル信号,第三のプッシュプル信号,第四のプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出処理と、前記第一のプッシュプル信号と前記第二のプッシュプル信号とに基づいてトラックサーボに用いる第一の差動プッシュプル信号を算出する第一の差動プッシュプル信号算出処理と、前記第三のプッシュプル信号と前記第四のプッシュプル信号とに基づいて第二の差動プッシュプル信号を算出する第二の差動プッシュプル信号算出処理と、この第二の差動プッシュプル信号と前記第一の差動プッシュプル信号との差を前記ラジアルチルト信号として算出するラジアルチルト信号算出処理と、このラジアルチルト信号に基づいて光記録媒体のラジアルチルトを補正制御するラジアルチルト補正制御処理とを実行させることを特徴とするラジアルチルト補正用プログラム。
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WO2022257113A1 (zh) * 2021-06-11 2022-12-15 欧菲光集团股份有限公司 衍射光学元件、投射模组及电子设备

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