JP2012108985A - 光ピックアップ - Google Patents

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Abstract

【課題】構成部材や組立の手間を増やすことなく、省スペース化及び性能向上することが可能な光ピックアップを提供する。
【解決手段】受光素子PDが、戻りレーザ光のうち回折格子8で回折された回折レーザ光GL1のプッシュプル成分を含む部分の光量を検出する第1受光部P1と、前記回折レーザ光の受光光量オフセット成分を含む部分の光量を検出する第2受光部とを備えている光ピックアップ。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ディスクの情報を読み取るための光ピックアップに関し、特に光ディスクで反射された戻り光を分光してトラッキングエラー信号を検出する光ピックアップに関する。
近年、光ディスク装置では省エネルギ化が要求されており、光ピックアップの省エネルギ化も要求されている。従来の光ピックアップでは、レーザ光を3つのビームに分光して光ディスクに照射し、トラッキングエラー信号を検出しているものがある。このように光ディスクに照射されるレーザ光を3つのビームに分光する場合、光源からのレーザ光の光量が分散されているので、レーザ光のロスが多く、前記光源からの光量を大きくする必要がある。これにより、前記光源の最大定格値を大きくしなくてはならず、発熱量も多くなる。また、前記レーザ光の光量が多いと前記レーザ光が通過する光学素子の耐光性が低下する場合もある。
そこで、これらの問題を解決するため、前記光ディスクに照射されるレーザ光のビームを1個にし、前記光ディスクで反射された戻りレーザ光を分光してトラッキングエラー信号を検出する光学系を備えた光ピックアップが登場している。このような光ピックアップでは、光ディスクからの戻りレーザ光のみが通過する光路上に前記戻りレーザ光を分光する光学素子を配置する方法が取られている。前記光ピックアップでは、この光学素子によって戻りレーザ光を分光し、トラッキングエラー信号を検出している。
このような、1つのビームのレーザ光を光ディスクに照射した場合、前記戻りレーザ光には保護層の表面で反射したレーザ光や、光学系で付与される収差等、トラッキングエラー信号を検出するときに、邪魔になるノイズ成分が含まれる場合が多い。前記戻りレーザ光を分光する光学素子として、ノイズ成分を取り除くことができる複雑な形状を有するホログラム素子(複雑な形状の回折格子)を用いている(特開2002―175640号公報、特許2793067号公報)。また、複数の回折格子或いは複数の光回折部を備えた光学素子を用いているものもある(特開2007−149190号公報)。
特開2002−175640号公報 特許2793067号公報 特開2007−149190号公報
しかしながら、上述したような、前記ホログラム素子や複雑な形状の回折素子は従来の光ピックアップでレーザ光の分光に用いられていた回折格子に比べて形状が複雑であり、製造に手間と時間がかかる。また、戻りレーザ光に対する位置決めの精度が高くないと十分な能力を発揮することができず、そのため、前記受光素子の位置決めに手間と時間がかかる。さらに、取り付け後にも微小な移動、歪みでも戻りレーザ光の検出精度が低下するので、強固に固定するための構造及び(又は)固定用の部材が必要であり、それだけ、部材点数が増える。
そこで本発明は、簡単な形状の光学素子を用い、従来の光ピックアップに比べ、省エネルギ化及び性能向上できる光ピックアップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、光ディスクで反射された戻りレーザ光を分光する回折格子と、前記回折格子で分光されたレーザ光の光量を検出する受光素子とを備え、前記光ディスクにレーザ光を照射し、情報の再生又は記録を行う光ピックアップであって、前記受光素子が、前記戻りレーザ光のうち前記回折格子で回折された回折レーザ光のプッシュプル成分を含む部分の光量を検出する第1受光部と、前記回折レーザ光の受光光量オフセット成分を含む部分の光量を検出する第2受光部とを備えており、前記第1受光部で検出された信号と、前記第2受光部で検出された信号とをもとにトラッキングエラー信号を検出する演算回路を備えている。
この構成によると、複雑な構成のホログラムを用いないのでコストの上昇を抑えることが可能である。また、戻りレーザ光を分光する構成であるので、光源から出射されるレーザ光の光量を抑えることができる。これにより、前記光源及び前記光源に電力を供給するドライバ回路の発熱を抑制することが可能である。また、前記レーザ光の光量を抑えるので、光学素子の耐光性への影響を小さくすることが可能である。
上記構成において、前記第1受光部は前記回折レーザ光のラジアル方向の両端部のレーザ光を受光するように、ラジアル方向に並んで配置された2個の受光領域を備えていてもよい。
上記構成において、前記第2受光部は前記回折レーザ光をラジアル方向に等分して受光するように、ラジアル方向に並んで配置された複数の受光領域を備えていてもよい。
上記構成において、前記第2受光部は前記回折レーザ光のラジアル方向と直交する方向の端部の光量を受光するように配置されていてもよい。
上記構成において、前記第1受光部と前記第2受光部とが同じ回折レーザ光の光量を検出するように配置されていてもよい。
上記構成において、前記回折格子は、2つの回折レーザ光を生成し、前記受光素子は、前記2つの回折レーザ光の一方が前記第1受光部に照射され、他方が前記第2受光部に照射されるように形成されていてもよい。
上記構成において、前記第1受光部又は前記第2受光部の少なくとも一方には、前記回折レーザ光の迷光成分を含む部分の光量を検出するように、前記回折レーザ光の中央に受光領域を備えていてもよい。
本発明によると、構成部材や組立の手間を増やすことなく、省スペース化及び性能向上することが可能な光ピックアップを提供することができる。
本発明にかかる光ピックアップに備えられる光学素子の配置を示す図である。 受光素子の受光領域の一例を示す図である。 図2に示す受光素子で検出されるプッシュプル信号、受光光量オフセット信号及びトラッキングエラー信号を示す図である。 本発明にかかる光ピックアップに用いられる受光素子の他の例を示す図である。 本発明にかかる光ピックアップに用いられる受光素子の他の例を示す図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる光ピックアップに備えられる光学素子の配置を示す図である。以下の説明において、光ディスクに接近する方向をディスク方向とする。また、光ディスクの周方向をタンジェンシャル方向(tan方向)、径方向をラジアル方向(rad方向)と記す。
光ピックアップAは、BDの記録層にレーザ光を照射し、情報の再生又は記録を行う光ピックアップである。図1に示すように、光ピックアップAは、光源1、1/2波長板2、偏向ビームスプリッタ3、1/4波長板4、コリメータレンズ5、第1立上げミラー6、対物レンズ7、回折格子8、センサレンズ9及び受光素子PDを備えている。
光源1はBDの記録/再生用の青色レーザ光(波長約405nm)を出射するレーザダイオードである。光源1から出射されたレーザ光は1/2波長板2に入射する。1/2波長板2は光源1から出射されたレーザ光の偏光方向を変更する光学素子であり、光ディスクで反射された光を遮断し、光源1に照射されるのを抑制する効果を有している。
1/2波長板2を通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ3に入射する。偏光ビームスプリッタ3は光源1から出射されたレーザ光、すなわち、青色レーザ光に対応した光学素子であり、レーザ光が入射すると、その入射光の偏光方向によって、反射又は通過する光学素子である。なお、偏光ビームスプリッタ3は、P偏光を反射しS偏光を通過する光学素子として説明する。1/2波長板2を通過したレーザ光はP偏光のレーザ光であり、偏光ビームスプリッタ3の反射面で反射される。レーザ光が偏光ビームスプリッタ3で反射されることで、レーザ光の進行方向がラジアル方向からタンジェンシャル方向に曲げられる。なお、以下の説明において、光ディスクで反射されたレーザ光を戻りレーザ光という場合がある。
偏光ビームスプリッタ3から出射したレーザ光は1/4波長板4に入射する。1/4波長板4は入射した光の位相を1/4波長ずらす光学素子である。すなわち、1/4波長板4は通過した光が直線偏光の場合円偏光に、円偏光の場合直線偏光に変換する光学素子である。偏光ビームスプリッタ3を出射したレーザ光はP偏光(直線偏光)の光であり、1/4波長板4を通過することで円偏光に変換される。
1/4波長板4を通過したレーザ光はコリメータレンズ5に入射する。コリメータレンズ5は発散光の収差を補正して平行光を得るためのレンズである。なお、レーザ光の径を調整することができるように、コリメータレンズ5は光軸方向に移動可能となっている。コリメータレンズ5が1/4波長板4の近くにある場合、レーザ光の径は小さく、逆に遠くにある場合、レーザ光の径は大きくなる。
コリメータレンズ5を通過したレーザ光は、立上げミラー6に入射する。この立上げミラー6はレーザ光を光ディスク(BD)方向に反射するものであり、立上げミラー6で反射されたレーザ光は対物レンズ7に入射する。対物レンズ7は、レーザ光を集光し光ディスクの記録層にレーザスポットとして照射する集光レンズである。なお、対物レンズ7として、開口数約0.85のレンズを用いる。光ディスクの記録層で反射されたレーザ光(戻りレーザ光)は、対物レンズ7を通過することで、もとの平行光に戻り、立上げミラー6で反射され、折り曲げミラー6に戻る。
立上げミラー6で反射された戻りレーザ光は、往路と同じ(略同じ)光路を通ってコリメータレンズ5に入射する。コリメータレンズ5に入射した戻りレーザ光は平行光から収束光に変換され、1/4波長板4に入射する。
1/4波長板4に入射した戻りレーザ光は、円偏光であり1/4波長板4を通過するとき、直線偏光に変換される。なお、この戻りレーザ光は、光源1を出射し、1/2波長板2を通過したレーザ光(P偏光)と直交する偏光方向のS偏光の光となっている。1/4波長板4を通過した戻りレーザ光は偏光ビームスプリッタ3に入射する。偏光ビームスプリッタ3では、P偏光は反射し、S偏光は通過する。1/4波長板4を通過した戻りレーザ光はS偏光であるので、1/4波長板4を通過した戻りレーザ光は偏光ビームスプリッタ3を通過する。なお、偏光ビームスプリッタ3でレーザ光の一部が反射され光源1に向かう場合があるが、この場合も、P偏光を出射する1/2波長板2で遮られ、光源1には到達しない。
偏光ビームスプリッタ3を通過した戻りレーザ光は、回折格子8に入射する。回折格子8は微小な溝が等間隔に並んで形成されており、レーザ光を3つのビームに分光する光学素子である。レーザ光は回折格子8で3つのビームに分光されて、センサレンズ9に入射する。センサレンズ9はフォーカスエラー信号を生成するために配置される光学素子であり、例えば、一方向にレーザ光を集光するシリンドリカルレンズを含んでいる。センサレンズ9を通過した戻りレーザ光は、受光素子PDに照射される。受光素子PDは照射されたレーザ光の光量を信号に変換する素子であり、回折格子8で分光された3つのレーザ光を信号に変換することができる。光ピックアップAは不図示の演算回路を備えており、これらの信号を演算することで、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号が算出される。
本発明の要部である受光素子の受光領域について図面を参照して説明する。図2は受光素子の受光領域の一例を示す図である。なお、各受光部において、点線で示される円は、戻りレーザ光を回折格子8で分光したときの、主レーザ光及び2つの回折レーザ光の像を示している。戻りレーザ光は回折格子8にて、3つに分割されており、受光素子PDは各ビームの光量を信号に変換する受光領域を複数個備えている。受光素子PDは、3つに分光された戻りレーザ光のうち、中央の主レーザ光からフォーカスエラー信号及びデータ信号を検出し、両サイドの回折レーザ光からトラッキングエラー信号を検出する。
図2に示すように、受光素子PDは、中央の主レーザ光MLを受光する主受光部P、図中右側の第1回折レーザ光GL1を受光する第1受光部P1及び左側の第2回折レーザ光GL2を受光する第2受光部P2とを備えている。なお、第1回折レーザ光GL1及び第2回折レーザ光GL2は同じ光量分布のレーザ光である。
主受光部Pは4つの受光領域を備えている。この4つの受光領域はそれぞれ独立して、レーザ光の光量を信号に変換するものである。主レーザ光MLは光軸が4つの受光領域の境界の交差点と重なるように照射されており、このときの主レーザ光MLの各領域での光量をもとに、非点収差法でフォーカスエラー信号が検出される。なお、非点収差法は従来、よく知られたフォーカスエラー信号検出方法の1つであり詳細な説明は省略する。
第1受光部P2はそれぞれ独立して回折レーザ光の光量を信号に変換する第1受光領域P11、第2受光領域P12及び第3受光領域P13を備えている。第1受光領域P11と第2受光領域P12とが戻りレーザ光のラジアル方向端部の光量を検出するように並んで形成されており、第1受光領域P11と第2受光領域P12との間に第3受光領域P13が形成されている。第1受光領域P11と第1回折レーザ光GL1とが重なる部分は、第2受光領域P12と第1回折レーザ光GL1とが重なる部分と同じ面積を有し、形状も対称形となっている。
1ビームのレーザ光を光ディスクに照射する光ピックアップの場合、光ディスクで反射された直後の戻りレーザ光には、ラジアル方向両端部にプッシュプル成分が含まれている。そのため、第1受光領域P11及び第2受光領域P12を、ラジアル方向に並べて形成することで、第1回折レーザ光GL1のプッシュプル成分を含む領域の光量を検出し信号を出力する。すなわち、第1受光部P1は回折レーザ光のプッシュプル成分を含む光量を検出し信号を出力する。
図2に示しているように、第1受光領域P11及び第2受光領域P12の対向する部分は、曲線状となっている。これは、第1回折レーザ光GL1のプッシュプル成分を含む領域の内側の境界が曲線状に現れることに対応するためである。このように第1受光領域P11及び第2受光領域P12の対向する部分を曲線状に形成することでプッシュプル成分を含まない領域の光量を受光するのを極力抑えている。これにより、第1受光領域P11及び第2受光領域P12から出力される信号の精度を高く保つことができる。
回折レーザ光の中央部分には、透明層の表面や記録層を複数備えた光ディスクにおいて再生/記録の対象としている記録層以外の記録層での反射光などによる迷光成分が多く含まれている。この迷光成分を取り除くため、第1受光領域P11と第2受光領域P12の間に配置された第3受光領域P13で回折レーザ光の中央部分の光量による信号を利用している。
光ピックアップAでは、トラックサーチ等によるレンズシフト時や光源1から出射されたレーザ光の光量分布の偏りによって受光素子PDでの受光光量のオフセットが発生する。受光光量のオフセットが発生すると、トラッキングエラー信号の検出精度が低下し、情報の再生/記録のエラーが発生する。光ピックアップAでは、第2回折レーザ光GL2を受光する第2受光部P2が受光光量オフセット成分を検出し、信号に変換し、出力している。すなわち、光ピックアップAでは、第3受光領域P2が受光光量オフセット成分検出部として用いられている。
第2受光部P2は、受光した第2回折レーザ光GL2のラジアル方向の光量の偏りを検出する受光光量オフセット検出部である。第2回折レーザ光GL2における受光光量の偏りを検出することで、光源1から出射されたレーザ光の光量の偏りを検出している。
第2受光部P2は、矩形(ここでは正方形)状の外形を有している。第2受光部P2は第4受光領域P24、第5受光領域P25及び第6受光領域P26とを備えている。第4受光領域P24と第5受光領域P25とはラジアル方向に並んで接触配置されている。第4受光領域P24は、一方の長辺の中央部分に第6受光領域P26が隣接する凹部が形成された長方形状を有している。また、第5受光領域P25は、第4受光領域P24と鏡像となっている。第2受光部P2は、第4受光領域P24と第5受光領域P25とが、凹部をあわせるように接触配置されており、両方の凹部で形成された部分に第6受光領域P26が形成されている。なお、第6受光領域P26は第3受光領域P13と同じ目的で形成されている。
光ピックアップAでは、第1受光部P1で検出されたプッシュプル成分による信号と第2受光部P2で検出された受光光量のオフセット成分による信号とを合成することで、トラッキングエラー信号を生成している。トラッキングエラー信号について説明するため、第1受光領域P11、第2受光領域P12、第4受光領域P24、第5受光領域P25から出力される信号をC、D、A、Bとする。また、第3受光領域P13及び第6受光領域P26は同じ形状及び大きさであるとともに、第1受光部P1及び第2受光部P2に照射される第1回折レーザ光GL1及び第2回折レーザ光GL2は同じ光量のレーザ光であり、第3受光領域P13、第6受光領域P26で検出された信号は同じ信号となる。そのため、第3受光領域P13、第6受光領域P26から出力される信号をXとする。
ここで、トラッキングエラー信号Trrを検出する手順について図面を参照して説明する。図3は図2に示す受光素子で検出されるプッシュプル信号、受光光量オフセット信号及びトラッキングエラー信号を示す図である。図3は上段からプッシュプル信号、受光香料オフセット信号及びトラッキングエラー信号を示している。なお、図3において、縦軸は電圧値、横軸は時間である。また、図3の左側は、受光光量のオフセットの無い状態での各値を示すグラフであり、右側は受光光量のオフセットが存在する状態での各値を示すグラフである。
まず、受光光量オフセットが無い場合のトラッキングエラー信号について説明し、その後、受光光量オフセットが存在する場合のトラッキングエラー信号について説明する。トラッキングエラー信号Trrは、プッシュプル成分からのプッシュプル信号PPと、受光光量オフセット成分からの受光光量オフセット信号Osとの差分で求められる。また、図2に示しているように、第2受光部P2の第4受光領域P24、第5受光領域P25とは迷光成分を含む第2回折レーザ光GL2の中心部分を受光しているので、迷光信号Meを除くことでより精度の高いトラッキングエラー信号を得ることが可能である。
よって、トラッキングエラー信号Trrは、プッシュプル信号PP、受光光量オフセット信号Os及び迷光信号Meとを用いて以下の式で表される。
(式1)
Trr=PP−Os−Me
上述の演算回路はこのトラッキングエラー信号を制御部(不図示)に送信し、制御部は、受信したトラッキングエラー信号をもとにトラッキング制御を行う。なお、プッシュプル信号は第1受光領域P11からの信号Cと第2受光領域P12からの信号Dの差で求められる。
(式2)
PP=C−D
また、受光光量オフセット信号Osは、第4受光領域P24からの信号Aと第5受光領域P25からの信号Bとの差分から求められる。
(式3)
Os=k1×(A−B) (k1は定数)
この定数k1は、プッシュプル信号PPと受光光量オフセット信号Osとのレベルをそろえるための定数である。また、迷光成分Meは第3受光領域P13及び第6受光領域P26からの信号Xをもとに求められる。
(式4)
Me=k2×(X) (k2は定数)
回折レーザ光GL1、GL2において、迷光成分は中央に集中するが、その周りにも分布している。その影響は第4受光領域P24、第5受光領域P25からの信号にも現れる。定数k2はこの迷光成分の分布による影響を取り除くための定数である。また、定数k2は定数k1同様、プッシュプル信号PPと迷光信号Meとのレベルを合わせるためにも用いられる。なお、信号Xは第3受光領域P13、第6受光領域P26のどちらかから出力されたものを用いてもよいし、両方から出力された信号の中間値(平均値)を用いてもよい。
次に受光光量オフセットについて説明する。受光光量オフセットが無い場合、第4受光領域P24で受光される光量と、第5受光領域P25で受光される光量とは同じになり、受光光量オフセット信号Osは図3(B)に示しているように0が出力される。
このとき、プッシュプル信号PPは、図3(A)に示すように、0を挟んで正負に同じ振幅の正弦波となっている。そして、トラッキングエラー信号Trrを上述の式で求めた結果、図3(C)で示すような正弦波のトラッキングエラー信号を得る。
例えば、レンズシフトや光源1のばらつきによってレーザ光の光量分布にもともと光量の偏りがあった場合、光量分布の偏ったレーザ光が照射される。第4受光領域P24側の光量が多くなるように偏っていたとすると、第4受光領域P24から出射される信号Aが、第5受光素子P25から出射される信号Bよりも常に大きくなる。これより、図3(E)に示すように、受光光量オフセット信号Osは、信号=0の線よりも正側にずれる。
このとき、プッシュプル信号PPも、第1受光領域P11からの信号Cが、第2受光領域からの信号Dよりも高めに出力される。これにより、振幅の中心が、信号=0の線よりも正方向にずれた正弦波のプッシュプル信号PPを得る。なお、第3受光領域P13及び第6受光領域P26でも受光光量に偏りが発生している。
この、プッシュプル信号PP、受光光量オフセット信号Os及び迷光信号Meと上述の演算式より、正確なトラッキングエラー信号Trrを得ることができる。トラッキングエラー信号Trrは、受光光量オフセットの影響が取り除かれた信号で演算回路より出力される。図3(F)に示すように、トラッキングエラー信号Trrは、信号=0の線を挟んで正負に同じ振幅を持つ正弦波として制御部に送られる。これにより、制御部は受光光量オフセットが生じている場合でも、正確なトラッキングエラー信号を得ることができ、精度良くトラッキング制御を行うことが可能である。
上述の実施形態では、迷光成分を除去しているが、トラッキングエラー信号を検出するときに、迷光成分による影響が少ない場合、或いは、受光素子PDの迷光成分が含まれている領域での光量を検出する部分(図2において、第3受光領域P13、第6受光領域P26)を省略し、迷光信号Meの出力を省略してもよい。
本発明にかかる光ピックアップに用いられる受光素子の他の例について図面を参照して説明する。図4は本発明にかかる光ピックアップに用いられる受光素子の他の例を示す図である。図4に示す受光素子PD2では、第3受光領域P13、第6受光領域P26が省略されているとともに、第4受光領域P24及び第5受光領域P25が上下2分割で形成されている。それ以外は、図2に示す受光素子PDと同じ構成であり、実質上同じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4に示しているように、第2受光部P2の第4受光領域P24が2つ(P241、P242)に、第5受光領域P25が2つ(P251、P252)に分けられている。なお、第4受光領域P24で第2回折レーザ光GL2が受光され、変換された信号A1は、P241及びP242で変換された信号の和である。同様に第5受光領域P25からの信号B1はP251及びP252で変換された信号の和である。
このように第4受光領域P24及び第5受光領域P25を分割することで、第4受光領域P24及び第5受光領域P5は第2回折レーザ光GL2の迷光成分の影響が少ない(又は無い)周縁部及びプッシュプル成分があまり含まれない(又は含まれない)部分が照射される。受光光量オフセット信号Osの精度を高めることが可能である。なお、受光素子PD2では、第3受光領域P13及び第6領域P26を省略しているので、トラッキングエラー信号Trrを求める演算式は以下のようになる。
(式5)
Trr=(C−D)−k3×(A1−B1) (k3は定数)
迷光成分を考慮しないので迷光信号を検出する領域を形成する手間が省け、受光素子PD2を簡単な構成とすることが可能である。また、迷光信号を用いないので、演算回路も簡単なものになり、トラッキングエラー信号Trrの演算処理スピードを上げることができる。
本発明にかかる光ピックアップに用いられる受光素子のさらに他の例について図面を参照して説明する。図5は本発明にかかる光ピックアップに用いられる受光素子の他の例を示す図である。図5に示す受光素子PD3は、2つ(P241、P242)に分けられた第4受光領域P24の間に、第1受光領域P11が配置されている。また、2つ(P251、P252)に分けられた第5受光領域P25の間に第2受光領域P12が配置された第1受光部P1を備えている。これ以外の部分では、図4に示す受光素子PD2と同じ構成を有しており、実質上同じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
回折格子8で分光された第1回折レーザ光GL1及び第2回折レーザ光GL2は分光方向が異なるだけで同じものである。そこで、受光素子PD3では、第1受光部P1と第2受光部P2とを重ねて形成している。受光素子PD3では、第1受光部P1の第1受光領域P11及び第2受光領域P12でプッシュプル成分を検出するとともに、同じ回折レーザ光より、第2受光部P2の第4受光領域P24及び第5受光領域P25で受光光量オフセット成分を検出している。すなわち、第1受光領域P11及び第2受光領域P12で受光しない領域の回折レーザ光の光量を、第4受光領域P24の2つの領域P241、P242、第5受光領域P25の2つの領域P251、P252で受光し、受光光量オフセット成分を検出している。
この構成によると、受光素子PD3は、主レーザ光を受光する主受光部Pと、一方の回折レーザ光(ここでは、第1回折レーザ光GL1)を受光する第1受光部P1との2つの受光領域を備えるだけでよく、それだけ、受光素子PD3を小型化することが可能である。また、もう一方の回折レーザ光を受光する第3受光部も第2受光部と同じ構成とし、第2受光部及び第3受光部からそれぞれトラッキングエラー信号を検出して、そのトラッキングエラー信号のいずれか一方を用いるようにしてもよいし、両方のトラッキングエラー信号に新たな演算により算出されたトラッキングエラー信号をトラッキングサーボ用のトラッキングエラー信号として用いる構成であってもよい。
なお、上述の各実施形態において、光ピックアップAはBDの記録層にレーザ光を照射して情報の再生又は記録を行う光ピックアップであったが、これに限定されるものではなく、CD、DVD等の光ディスクの記録層にレーザ光を照射し情報の記録を行うものであってもよい。また、BD、DVD、CDのうち、少なくとも2種類の光ディスクに対して情報の再生又は記録を行う光ピックアップであってもよい。
なお、上述の光ピックアップでは、光源1から光ディスクに到達するレーザ光(戻りレーザ光も含む)を分光しないので、光源1から出射されるレーザ光の光量を抑えることが可能である。これにより、光源1の定格を抑えることができ、光源1及び光源1に駆動電力を供給するドライバ回路の発熱を低減することが可能であり、光ピックアップA全体の温度上昇を抑制することが可能である。このことから、熱に弱い電子機器や接着剤により固定されている部材の破損や破壊を抑制することが可能である。また、光源1から出射されるレーザ光の光量を抑えることができるので、レーザ光が通過する光学素子の耐光性への影響を低減することが可能である。
上述の各実施形態で示した光ピックアップでは、戻りレーザ光を分光するとき、形状が簡単で、レーザ光を3分割するだけの回折格子を用い、受光素子の受光領域を変更するだけであるので、光ピックアップの特性に合わせたホログラム素子を用いる場合に比べて、製造が容易である。また、回折格子及び受光素子はホログラム素子よりも要求する位置決めの精度が低く、位置ずれに対しても許容範囲が広い。このことから、ホログラム素子を用いる場合に比べて、位置決め及び固定の作業が容易であり、それだけ、製造にかかる手間と時間を省略することができる。
本発明は、光ディスク装置に備えられた光ピックアップに利用することが可能である。
1 光源
2 1/2波長板
2 第2光源
3 偏光ビームスプリッタ
4 1/4波長板
5 コリメータレンズ
6 第1立上げミラー
7 第1対物レンズ
8 回折格子
9 センサレンズ
PD 受光素子
P 主受光部
P1 第1受光部
P11 第1受光領域
P12 第2受光領域
P13 第3受光領域
P2 第2受光部
P24 第4受光領域
P25 第5受光領域
P26 第6受光領域

Claims (7)

  1. 光ディスクで反射された戻りレーザ光を分光する回折格子と、
    前記回折格子で分光されたレーザ光の光量を検出する受光素子とを備え、前記光ディスクにレーザ光を照射し、情報の再生又は記録を行う光ピックアップであって、
    前記受光素子が、前記戻りレーザ光のうち前記回折格子で回折された回折レーザ光のプッシュプル成分を含む部分の光量を検出する第1受光部と、前記回折レーザ光の受光光量オフセット成分を含む部分の光量を検出する第2受光部とを備えていることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記第1受光部は前記回折レーザ光のラジアル方向の両端部のレーザ光を受光するように、ラジアル方向に並んで配置された2個の受光領域を備えている請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 前記第2受光部は前記回折レーザ光をラジアル方向に等分して受光するように、ラジアル方向に並んで配置された複数の受光領域を備えている請求項1又は請求項2に記載の光ピックアップ。
  4. 前記第2受光部は前記回折レーザ光のラジアル方向と直交する方向の端部の光量を受光するように配置されている請求項3に記載の光ピックアップ。
  5. 前記第1受光部と前記第2受光部とが同じ回折レーザ光の光量を検出するように配置されている請求項4に記載の光ピックアップ。
  6. 前記回折格子は、2つの回折レーザ光を生成し、
    前記受光素子は、前記2つの回折レーザ光の一方が前記第1受光部に照射され、他方が前記第2受光部に照射されるように形成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の光ピックアップ。
  7. 前記第1受光部又は前記第2受光部の少なくとも一方には、前記回折レーザ光の迷光成分を含む部分の光量を検出するように、前記回折レーザ光の中央に受光領域を備えている請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ピックアップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014207040A (ja) * 2013-04-15 2014-10-30 船井電機株式会社 光ピックアップ装置および光ディスク装置
JP2017054576A (ja) * 2016-12-19 2017-03-16 船井電機株式会社 光ピックアップ装置および光ディスク装置

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