JP2007316147A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の感光体ドラム11の各々の経時変化に対応した帯電電圧補正値を算出し、算出された帯電電圧補正値に基づいて第2帯電電源から供給する帯電電圧を定めるとともに、帯電電圧を供給することで複数の感光体ドラム11に形成される各々の帯電電位に応じた現像電圧を定める。
【選択図】図2
Description
そのため、複数の感光体ドラムが用いられる例えばタンデム方式の画像形成装置においては、複数の感光体ドラム毎に配置された電源を一つ又は複数の感光体ドラムの数よりも少ない幾つかの電源に共通化するとともに、各感光体ドラムの帯電特性に経時変化が発生した場合にも、それぞれ充分な電位コントラストを維持することが可能となる構成の実現が求められている。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示す図である。図1に示した画像形成装置1は、4つの画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y,10M,10C,10Kが縦方向(略鉛直方向)に一定の間隔を置いて並列配置された所謂タンデム型で構成されている。プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kは、像保持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11の表面を所定電位で一様に帯電する帯電部材の一例としての帯電ロール12、現像ロール上に保持したトナー(マイナス帯電特性)とキァリア(磁性粒子)とからなる現像剤を用いて感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像する、現像部材の一例としての2成分現像方式の現像器13、転写後の感光体ドラム11表面を清掃するドラムクリーナ14が一体として構成されている。
また、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kは、画像形成装置1本体に対して着脱自在に構成されており、例えば現像器13内のトナーが消費された場合には、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10K毎に交換することができるように構成されている。
また、搬送ベルト30の感光体ドラム11側の最上流部には、搬送ベルト30を帯電する吸着ロール34が配設されている。搬送ベルト30は、表面が吸着ロール34により所定電位に帯電されることで、用紙Pを安定的に静電吸着させることが可能となる。
一方、用紙搬送路M1に沿って搬送ベルト30の下流側には、用紙P上の未定着トナー像に対して熱および圧力による定着処理を施す定着器40が配設されている。
本実施の形態の帯電電源61および現像電源62は、マイナスの直流電圧を可変しながら出力できるように構成されている。ただし、帯電電源61および現像電源62のいずれか一方または双方が、マイナスの可変直流電圧に所定値の交流電圧を重畳した電圧を出力するように構成することもできる。
また、本実施の形態の転写電源63は、プラスの直流電圧を出力するように構成されている。
また、排紙側には、定着器40にて定着処理された用紙Pを搬送する排紙ロール54、片面プリントの場合には用紙Pを装置本体上部に設けられた排紙部70に向けて排出し、両面プリントの場合には所定のタイミングで排紙部70に向けた回転方向から逆方向に反転することで、定着器40にて片面が定着された用紙Pを両面搬送路M2に向けて送り出す反転ロール55が配設されている。加えて、両面搬送路M2には、両面搬送路M2に沿って搬送ロール56が配設されている。
トナー像が静電転写された用紙Pは、プロセスカートリッジ10Kの下流で搬送ベルト30から剥離され、定着器40に搬送される。用紙Pが定着器40に搬送されると、用紙P上の未定着トナー像は、熱および圧力による定着処理を受けて用紙Pに定着される。定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙部70に載置される。一方、両面プリント時には、両面搬送路M2を経由して再度の同様な転写処理が行なわれた後、排紙部70に載置されることとなる。
図2に示したように、プロセスカートリッジ10Kの帯電ロール12Kには、帯電電源61に設けられた第1帯電電源(帯電電圧供給手段)611が接続されている。また、プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cの帯電ロール12Y,12M,12Cには、帯電電源61に設けられた第2帯電電源(帯電電圧供給手段)612が接続されている。すなわち、帯電ロール12Y,12M,12Cへ帯電バイアス電圧を印加する電源は、一つの第2帯電電源612で共通化されており、帯電ロール12Y,12M,12Cへは同一値の帯電バイアス電圧が印加されるように構成されている。このように、本実施の形態の画像形成装置1では、プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cの帯電ロール12Y,12M,12Cへ帯電バイアス電圧を印加する電源を共通化して、電源の数を削減することで、画像形成装置1の小型化および低コスト化の実現を可能としている。
ここで、まず、帯電ロール12によって帯電された感光体ドラム11の表面電位(VH:感光体帯電電位)と、帯電された感光体ドラム11がレーザ露光装置20により露光された領域の電位(VL:露光部電位)と、現像器(現像ロール)13に印加される現像バイアス電圧(VD:現像電圧)との関係について述べておく。図3は、感光体帯電電位(VH)と露光部電位(VL)と現像バイアス電圧(VD)との関係を示した図である。なお、本実施の形態の画像形成装置1では、帯電ロール12による感光体ドラム11への帯電がマイナス電荷で行なわれ、現像器13での現像がマイナス帯電されたトナーで行なわれる反転現像方式を用いている。したがって、図3の露光部電位の領域が画像部であり、感光体帯電電位の領域が白地部(バックグラウンド)となる。
また、図3に示した現像バイアス電圧(VD)と感光体帯電電位(VH)との差である白地部コントラスト電位(V1)は、白地部での所謂「かぶり」(地肌汚れ)量等を決めるファクターとなる。すなわち、白地部コントラスト電位(V1)が所定値を超えて大きくなると、逆帯電されたトナー(すなわち、プラス帯電されたトナー)が白地部に付着してかぶりとなったり、同様に逆帯電されたキャリアが付着して画像汚れや機内汚染等を引き起こす原因となる。一方、白地部コントラスト電位(V1)が所定値を超えて小さくなると、正常に帯電されたトナー(すなわち、マイナス帯電されたトナー)を白地部から除去できなくなってかぶりとなる。そのため、白地部コントラスト電位(V1)は、所定の範囲内に設定する必要がある。
図4は、帯電ロール12に印加する帯電バイアス電圧(Vdc:帯電電圧)を所定値に維持した場合における、感光体ドラム11の回転数の積算値(すなわち、画像形成サイクルの積算値)と感光体帯電電位(VH)との関係を示した図である。図4に示したように、帯電バイアス電圧(Vdc)を所定値に維持したとしても、感光体ドラム11の回転数の積算値が増加するに従って、感光体ドラム11の帯電特性の経時変化により、感光体帯電電位(VH)は次第に上昇する。なお、図4では、感光体帯電電位(VH)が上昇する場合を示したが、感光体ドラム11を構成する感光層(電荷生成層CGLや電荷輸送層CTL等)の材質や層厚、帯電ロール12の材質等により、感光体帯電電位(VH)は次第に低下するケースもある。
図5は、図4に示した帯電特性の経時変化を示す感光体ドラム11について、画像形成サイクルを重ねた場合においても、感光体帯電電位(VH)を略一定に維持するような帯電バイアス電圧(Vdc)を示した図である。図5に示したように、感光体ドラム回転数(画像形成サイクル)の積算値が増加するのに従って、帯電バイアス電圧(Vdc)を次第に低下させるように補正することで、感光体帯電電位(VH)を略一定に維持することが可能となる。
ところが、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cのトナー消費量は、通常それぞれ異なる。そのため、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cは、異なるタイミングで交換される場合が殆どである。それにより、画像形成装置1内には、感光体ドラム11の回転数の積算値(画像形成サイクルの積算値)のそれぞれ異なるプロセスカートリッジ10Y,10M,10Cが設置されている状況が発生する。そのため、図5に示したように、感光体ドラム回転数の積算値に対応して補正される帯電バイアス電圧(帯電電圧補正値)は、本来は、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10C毎に異なる値に設定されるべきものである。
そこで、本実施の形態の制御部60では、以下のようにして、第2帯電電源612における感光体ドラム回転数の積算値に対応した帯電バイアス電圧の設定を行なっている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置1では、第2帯電電源612から平均帯電バイアス電圧(VDC)が印加された場合に、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cの感光体ドラム11に形成される感光体帯電電位(VH)を例えば図5の関係等から推測する。そして、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cにおいて、推測された感光体帯電電位(VH)と現像器13Y,13M,13Cに印加される現像バイアス電圧(VD)との差が略同一となるように、第2現像電源622,第3現像電源623,第4現像電源624から出力される現像バイアス電圧(VD)を定めている。
ここで、図6は、本実施の形態の画像形成装置1における制御部60の機能構成を示したブロック図である。まず、図6に示した制御部60において、感光体ドラム11の回転数の積算値を各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cに設置された記憶メモリCRMC,CRMM,CRMYへ書込む機能と、各記憶メモリCRMC,CRMM,CRMYから感光体ドラム11の回転数の積算値を読出す機能とについて述べる。
感光体ドラム回転数計測部601は、例えば画像形成装置1の駆動モータ(不図示)から回転数データ(または、駆動モータの駆動時間データ)を取得し、取得した駆動モータの回転数データ(駆動時間データ)に基づいて感光体ドラム11の回転数を計測する。そして、感光体ドラム11の回転数に関するデータを生成する。感光体ドラム回転数計測部601にて生成された感光体ドラム11の回転数に関するデータは、データ書出部602から各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cに設置された記憶メモリCRMY,CRMM,CRMCにそれぞれ書き込まれる。その場合に、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cに設置された記憶メモリCRMY,CRMM,CRMC側では、制御部60のデータ書出部602から取得した感光体ドラム回転数を積算し、感光体ドラム回転数の積算値を記憶する。
一方、データ読出部603は、各記憶メモリCRMY,CRMM,CRMCに記憶された感光体ドラム回転数の積算値を読み出し、後段で説明する帯電バイアス電圧算出部604に出力する。
図7は、制御部60の帯電バイアス電圧算出部604にて行なう帯電バイアス電圧(VDC)を設定する処理の手順の一例を示したフローチャートである。図7に示したように、まず、帯電バイアス電圧算出部604は、データ読出部603から各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cの感光体ドラム11の回転数積算値を取得する(S101)。
図8は、一例として、プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cの感光体ドラム11の回転数積算値(横軸)と帯電電圧補正値(Vdcm)との関係を示した図である。図8に示した場合では、プロセスカートリッジ10Cの回転数積算値における帯電電圧補正値はVdcm3、プロセスカートリッジ10Mの回転数積算値における帯電電圧補正値はVdcm2、プロセスカートリッジ10Yの回転数積算値における帯電電圧補正値はVdcm1となる。
このように、帯電電圧補正値Vdcm1,Vdcm2,Vdcm3の平均値を第2帯電電源612から印加する帯電バイアス電圧(VDC)として設定することで、たとえ、交換されて間もない新品のプロセスカートリッジと、殆ど寿命に近いプロセスカートリッジとが混在して用いられる場合にも、両者の感光体帯電電位(VH)に大きな差が生じることを抑制することが可能となる。そのため、以下に説明する現像バイアス電圧(VD)が、それぞれ大きく異なる値を持つことを抑えることができる。
VD′=VH+V1M …(1)
VD=VD′−(V2M−|VD′|) …(2)
このように求められたそれぞれの現像バイアス電圧(VD)を、第2現像電源622,第3現像電源623,第4現像電源624から出力される現像バイアス電圧(VD)として設定する(S207)。
VDC=VDC−(V2M−|VD′|) …(3)
なお、この場合には、現像バイアス電圧算出部605は帯電バイアス電圧(VDC)の変更は行なわない。
このようにして、現像バイアス電圧(VD)、帯電バイアス電圧(VDC)を設定することで、逆帯電されたトナー(すなわち、プラス帯電されたトナー)が白地部に付着してかぶりとなったり、同様に逆帯電されたキャリアが付着して画像汚れや機内汚染等を引き起こすことを抑制できる。また、正常に帯電されたトナー(すなわち、マイナス帯電されたトナー)が白地部付着してかぶりとなることを抑制できる。さらには、充分な画像濃度および階調性を得ることが可能となる。
さらに、第2帯電電源612から平均帯電バイアス電圧(VDC)が印加された場合に、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cの感光体ドラム11に形成される感光体帯電電位(VH)を推測する。そして、各プロセスカートリッジ10Y,10M,10Cにおいて、推測された各々の帯電電位推測値(VH′)と現像器13Y,13M,13Cに印加される現像バイアス電圧との差が略同一となるように、第2現像電源622,第3現像電源623,第4現像電源624から出力される現像バイアス電圧(VD)を定めている。
また、そのような構成においても、高品質な画像を提供することができる。すなわち、逆帯電されたトナー(すなわち、プラス帯電されたトナー)が白地部に付着してかぶりとなったり、同様に逆帯電されたキャリアが付着して画像汚れや機内汚染等を引き起こすことを抑制できる。また、正常に帯電されたトナー(すなわち、マイナス帯電されたトナー)が白地部付着してかぶりとなることを抑制できる。さらには、充分な画像濃度および階調性を得ることが可能となる。
Claims (11)
- 複数の像保持体と、
前記複数の像保持体の各々に配置され、当該像保持体の表面を帯電する各々の帯電部材と、
前記複数の像保持体の各々に配置され、当該像保持体に形成された静電潜像を現像する各々の現像部材と、
前記各々の帯電部材の中の複数の帯電部材に共通に接続された一の帯電電圧供給手段と、
前記各々の現像部材に個別に接続された複数の現像電圧供給手段と、
前記帯電電圧供給手段から前記複数の帯電部材に供給する帯電電圧と前記現像電圧供給手段から前記各々の現像部材に供給する現像電圧とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の像保持体の各々の経時変化に対応した帯電電圧補正値を算出し、算出された当該帯電電圧補正値に基づいて前記帯電電圧供給手段から供給する前記帯電電圧を定めるとともに、当該帯電電圧を供給することで当該複数の像保持体に形成される各々の帯電電位に応じた前記現像電圧を定めることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、定められた前記現像電圧の中に当該現像電圧の絶対値が第1の所定値よりも小さいものが存在する場合には、前記帯電電圧供給手段に定められた前記帯電電圧と当該現像電圧供給手段に定められた前記現像電圧とから第2の所定値を減算して、当該帯電電圧と当該現像電圧とを補正する処理をさらに行なうことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記設定された現像電圧の絶対値の最小値と前記第1の所定値との差分を前記第2の所定値として設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、
前記帯電電圧補正値を算出する補正電圧算出部と、
前記帯電部材の各々についての前記帯電電圧補正値の平均値を算出し、算出された当該帯電電圧補正値の平均値を前記帯電電圧供給手段から供給する前記帯電電圧として定める帯電電圧設定部と、
前記帯電電圧設定部にて定められた前記帯電電圧を供給することで前記複数の像保持体の各々に形成される帯電電位を推測する帯電電位推測部と、
前記帯電電位推測部にて推測された前記像保持体の各々についての前記帯電電位を基準として、前記現像電圧供給手段から供給する前記現像電圧を定める現像電圧設定部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記補正電圧算出部は、前記像保持体の各々についての積算回転数と積算回転時間と積算画像形成サイクルとのいずれか1または複数に対応した前記帯電電圧補正値を算出することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記像保持体の各々についての積算回転数と積算回転時間と積算画像形成サイクルとのいずれか1または複数を記憶するメモリをさらに備え、
前記補正電圧算出部は、前記メモリから前記像保持体の積算回転数と積算回転時間と積算画像形成サイクルとのいずれか1または複数を取得することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。 - 前記像保持体と、前記帯電部材と、前記現像部材と、当該像保持体の積算回転数と積算回転時間と積算画像形成サイクルとのいずれか1または複数を記憶するメモリとが一体的に構成されたこと特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 複数の像保持体の各々を当該像保持体の各々に配設された帯電部材により帯電し、当該像保持体に形成された静電潜像を当該像保持体の各々に配設された現像部材にて現像する画像形成方法であって、
前記複数の像保持体の各々の経時変化に対応して帯電電圧補正値を算出し、算出された当該帯電電圧補正値に基づいて、一の帯電電圧供給手段から複数の前記帯電部材に供給する帯電電圧を定めるステップと、
前記帯電電圧供給手段から前記帯電電圧を供給することで前記複数の像保持体の各々に形成される帯電電位に応じて、前記各々の現像部材に供給する現像電圧を定めるステップと
を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 算出された前記帯電部材の各々についての前記帯電電圧補正値の平均値を算出し、算出された当該帯電電圧補正値の平均値を前記帯電電圧供給手段から供給する前記帯電電圧として定めることを特徴とする請求項8記載の画像形成方法。
- 定められた前記現像電圧の中に当該現像電圧の絶対値が第1の所定値よりも小さいものが存在する場合には、前記帯電電圧供給手段に定められた前記帯電電圧と前記現像電圧供給手段に定められた前記現像電圧とから第2の所定値を減算して、当該帯電電圧と当該現像電圧とを補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8記載の画像形成方法。
- 前記帯電電圧供給手段に設定された前記帯電電圧を供給することで前記複数の像保持体の各々に形成される帯電電位を推測し、推測された当該帯電電位の各々を基準として前記現像電圧を定めることを特徴とする請求項8記載の画像形成方法。
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