JP2007315843A - γ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造 - Google Patents

γ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造 Download PDF

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Abstract

【課題】γ線に対して優れた遮蔽性を有し、取扱いの安全性や廃棄処理に配慮したγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及び設置が容易なγ線遮蔽構造を提供する。
【解決手段】PET検診等の際に薬剤を投与され、椅子やベッド等で待機する被験者を囲うパーティション14の壁材としてγ線遮蔽パネル材10A、10Bを用い、このγ線遮蔽パネル材同士の接合部にγ線遮蔽シール材12を設ける。γ線遮蔽パネル材10A、10Bは、熱可塑性樹脂、遮蔽粉末、及び遮蔽微粉末を含有し、γ線遮蔽シール材12は、可撓性硬化樹脂、遮蔽粉末、及び遮蔽微粉末を含有するので、γ線に対して高い遮蔽性を発揮することができる。また、パーティション14によって被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者のγ線被曝量を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、γ線を遮蔽するパネル材、シール材、及び構造に関する。
PET(Positron Emission Tomography)と呼ばれる陽電子放出断面層撮影装置による検診は、放射性のFDG薬剤等を被験者の体内に投与し、この投与したFDG薬剤等が放出する放射線を追跡して病変の位置や大きさを画像表示するものである。がん細胞は正常細胞に比べて3〜8倍のブドウ糖を取り込む性質があるので、FDG薬剤にブドウ糖を混入すると、がん細胞にFDG薬剤が集積することになる。よって、FDG薬剤が放出する放射線を追跡すれば、がん細胞の位置や大きさを把握することができる。
通常、FDG薬剤が被験者の体内に投与されてから検診が可能になるまでの約60分程の間、被験者は安静にして待機する必要がある。しかし、この間も被験者の体内からは放射線が放出されているので、この被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者が放射線に被曝してしまうことが問題となる。
また、これまでは検診を行う施設内でFDG薬剤を製造していたが、今後は検査薬メーカーから調達するデリバリシステムが増大する。よって、検診も容易に行えるようになるので被験者の数が増加することが予想され、これに対応した施設の新築又はリニューアル工事が必要になってくる。
被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者の放射線被曝量を低減するために、特許文献1の放射線遮蔽機能を具備した椅子200は、図16に示すように、座面202の下面側、背もたれ204の背面側、及び着座者206の側面を覆う左右のサイドパネル210、212に、タングステン、鉄等の粉末を含む合成樹脂や鉛板等からなる遮蔽パネル214、216、218、220を設けたものである。
よって、着座者206の下方、後方、側方から外部へ放射線が漏洩するのを抑制することができ、被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者の放射線被曝量を低減することができる。
しかし、待機の間、被験者は常に椅子200に座っていなければならず、行動の自由が大きく制限されてしまう。また、既存の椅子やベッド等を用いることができない。
また、被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者の被曝量を低減する他の方法として、放射線遮蔽性の高い金属鉛を遮蔽素材としたパーティションで被験者を囲む方法が用いられている。これにより、パーティション内において、ある程度の自由な行動スペースを被験者に提供することができる。
しかし、金属鉛は火災時には有毒ガスを発生する。さらに、使用が済んだ後の廃棄時には規制を受ける等、安全面や環境面から問題があり、病院施設内に用いる材料としては好ましくない。また、欧米では鉛排除の法規制が整備されつつあり、日本においてもその気運が高まっている。
特許文献2〜4では、放射線遮蔽性を有する遮蔽材が提案されている。
特許文献2の放射線遮蔽用樹脂組成物は、鉛、鉄等の放射線遮蔽物質を混入した樹脂中に、空隙相を均一に分散させたものである。
よって、安価かつ軽量な遮蔽材を製造することができ、また、放射線遮蔽物質及び空隙相による放射線遮蔽効果や優れた成形加工性を得ることができる。
しかし、鉛、鉄等の放射線遮蔽物質は樹脂中で沈降し、樹脂が硬化する前に分布の均一性を失うので放射線遮蔽効果が低下してしまう。
特許文献3の放射線シールド材は、樹脂中に放射線シールド微粉末と鱗片状の放射線シールド粉末を混入したものである。
よって、放射線シールド微粉末と放射線シールド粉末の相互に隙間のない放射線シールド層を形成し、放射線遮蔽性を高めることができる。さらに、放射線シールド微粉末は、平均粒径が1〜50μmのコロイド粒子であるので樹脂をゾル状にし、これによって、放射線シールド粉末の沈降を遅らせ、樹脂の硬化時においても均一な分布を維持することができる。
しかし、放射線シールド微粉末及び放射線シールド粉末は共に、鉛粉末、鉄粉末、又はこれらの混合物なので放射化してしまう。よって、使用が済んだ後の廃棄時には、その取り扱いに注意しなければならない。また、鉛粉末は、取扱いの安全面、環境面において、使用が好ましくない。
特許文献4のγ線遮蔽体は、例えば、熱可塑性高比重樹脂としてのアクリル酸エステル共重体に、タングステン粉末とアルカリ金属等の飽和脂肪族カルボン酸化合物を配合したものである。
よって、タングステン粉末により、γ線の遮蔽性を高めることができる。また、特許文献3と同様に、アルカリ金属はコロイド粒子であるので、アクリル酸エステル共重体をゾル状にし、これによって、タングステン粉末の沈降を遅らせ、分布の均一性を維持することができる。また、タングステン粉末は、鉄や鉛に比べて低放射化材料なので、使用が済んだ後の廃棄処理が安全かつ容易である。
しかし、アルカリ金属は密度が大きくないので、γ線遮蔽体全体としてのγ線遮蔽効果が低下してしまう。また、アルカリ金属は放射化するので、γ線遮蔽体全体としての放射化量を増やしてしまう。
このように、特許文献2〜4には、いくつかの課題があるので、パーティションの壁材として用いた場合に、より高い品質の放射線遮蔽パーティションを構築することが難しく、取扱いの安全面や使用が済んだ後の廃棄等の問題が危惧される。
また、パーティションは、いくつかの壁材を接合して組み立てられるが、その接合部からの放射線の漏洩も防がなければならない。
従来は、図17に示すように、壁材となる放射線遮蔽パネル224の端部をL字形状に加工し、この端部同士が係合するのが一般的である。また、この係合面及び接合部付近の放射線遮蔽パネル224表面にはシール226が施されている。
しかし、端部形状の加工に、あるレベル以上の精度が必要であり、また、シール226の材料に鉛を用いる必要があり、安全及び環境の側面からは、好ましくない状況であった。
これまで述べたのは、被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者が、被験者から放出される放射線に被曝してしまう問題についてであるが、さらに、このような放射線を扱う部屋全体を放射線遮蔽し、室内から室外へ放射線が放出しないようにすることが法律で義務づけられている。
部屋全体を放射線遮蔽する方法としては、γ線が持つエネルギーの強さに応じてコンクリート厚を設計し、部屋の床、壁、及び天井の厚さをコンクリートで増やすように増築する方法が一般的である。
しかし、床、壁、及び天井が厚くなるので、もともとの部屋のスペースが狭くなってしまい、電気や空調等の設備機器の盛替えにも手間と時間が掛かってしまう。また、天井への増打ちが困難であり、打継ぎやひび割れ防止等のコンクリートの品質管理も難しい。さらに、施工時に発生する騒音や振動により近隣の部屋へ悪影響を与えることが問題となる。
また、金属鉛よりも優れた放射線遮蔽性を有するシート状のタングステン材によって部屋全体を覆うことが考えられるが、タングステン材はとても高価である。また、シート状なので作業性が悪く、天井への貼付け作業には多くの時間が掛かってしまうので、建物の内装材としては適していない。
また、特許文献2〜4の材料を用いて部屋全体を放射線遮蔽することが考えられるが、先に述べたように特許文献2〜4にはいくつかの課題があるので、より高い品質の放射線遮蔽を部屋全体に施すことが難しく、接合部の遮蔽や使用が済んだ後の廃棄等についても解決しなければならない問題がある。
なお、PET検診では、FDG薬剤として、主に18F(フッ素18)フルオロデキオキシグルコースを用いるので、被験者の体内からは電磁波のγ線が放出される。よって、放射線の種類の中のγ線を遮蔽する材料が求められている。
特開2004−361288号公報 特開2002−48892号公報 特開平6−249998号公報 特開2003−66188号公報
本発明は係る事実を考慮し、γ線に対して優れた遮蔽性を有し、取扱いの安全性や廃棄処理に配慮したγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及び設置が容易なγ線遮蔽構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂と、高密度の非金属からなる平均粒径0.1〜2μmの遮蔽微粉末と、重金属からなる平均粒径100〜200μmの遮蔽粉末とを含有し、密度が2.3〜5.0g/cmであることを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、遮蔽微粉末の平均粒径は0.1〜2μmであり微小なので、コロイド粒子として熱可塑性樹脂に混合されて熱可塑性樹脂がゾル状になる。このチクントロピック的な性質により熱可塑性樹脂自身の密度が高くなり、熱可塑性樹脂中の遮蔽粉末の沈降を遅らせて、熱可塑性樹脂が硬化するまで遮蔽粉末の分布を均一に保つ。また、遮蔽粉末の平均粒径は100〜200μmであり、この微小な粉末を熱可塑性樹脂に混合することにより、さらに熱可塑性樹脂が高密度になる。よって、γ線に対して高い遮蔽性を発揮することができる。
また、遮蔽粉末及び遮蔽微粉末は共に密度がほぼ等しく、かつ高密度であるので、遮蔽粉末として鉄の粉末程度の密度を有する材料を用いても、γ線遮蔽パネル材全体としての十分なγ線遮蔽性を得ることができる。よって、取り扱いが安全かつ安価な材料でγ線遮蔽パネル材を製造することができる。
また、γ線遮蔽性を有する遮蔽微粉末を配合することによって、γ線遮蔽パネル材全体としてのγ線遮蔽性を低下させることなく、放射化する物質である遮蔽粉末の体積比を小さくできる。また、遮蔽微粉末は非金属なので放射化しない。これらにより、γ線遮蔽パネル材全体としての放射化量が小さくなるので使用が済んだ後に特別な廃棄処理を行わなくてよい。
また、γ線の電磁波が遮蔽微粉末に衝突してエネルギーが弱まる。そして、エネルギーが弱まったγ線が遮蔽粉末に当たるので、遮蔽粉末が放射化する量を小さくすることができる。
また、主原料が熱可塑性樹脂なので、成型加工が容易であり、10mm程度の厚さに加工しても割れたり、反ったりしない。また、熱可塑性樹脂は焼却可能なので、使用が済んだ後に焼却処理することによって廃棄物の体積を小さくすることができる。
また、熱可塑性樹脂、遮蔽微粉末、及び遮蔽粉末の配合を調整することによって、γ線遮蔽性を確保しつつ、γ線遮蔽パネル材の厚さを自由に調整することができる。よって、設置スペースに制限がある場所に薄いγ線遮蔽パネル材を設置することができる。
γ線遮蔽パネル材のγ線遮蔽性能は、γ線遮蔽パネル材全体の密度によりほぼ決まる。また、密度が高過ぎる(遮蔽粉末の配合比が大き過ぎる)と熱可塑性樹脂中に遮蔽粉末が混ざらなくなり、γ線遮蔽パネル材としての形状を成さない。請求項1では、γ線遮蔽パネル材の密度を2.3〜5.0g/cmとすることにより、例えば、γ線遮蔽パネル材の厚さが10mmの場合には、パネル材としての形状を成し、コバルト60(60CO)の線源に対して7〜14%程度の遮蔽率を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記遮蔽微粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンであることを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、遮蔽微粉末に、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンを用いることによって、遮蔽粉末の分布均一性、γ線遮蔽性、γ線エネルギー吸収性において、より優れた効果を得ることができる。
また、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンは、無毒なので、火災や廃棄のための焼却時に有毒ガスを発生することがない。
請求項3に記載の発明は、前記遮蔽粉末は、鉄の粉末、タングステンの粉末、又は銅の粉末であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、遮蔽粉末に、鉄の粉末、タングステンの粉末、又は銅の粉末を用いることにより、取り扱いが安全な材料でγ線遮蔽パネル材を製造することができる。
請求項4に記載の発明は、可撓性硬化樹脂と、高密度の非金属からなる平均粒径0.1〜2μmの遮蔽微粉末と、重金属からなる平均粒径100〜200μmの遮蔽粉末とを含有し、密度が2.3〜5.0g/cmであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、遮蔽微粉末の平均粒径は0.1〜2μmであり微小なので、コロイド粒子として可撓性硬化樹脂に混合されて可撓性硬化樹脂がゾル状になる。このチクントロピック的な性質により可撓性硬化樹脂自身の密度が高くなり、可撓性硬化樹脂中の遮蔽粉末の沈降を遅らせて、可撓性硬化樹脂がゴム状に硬化するまで遮蔽粉末の分布を均一に保つ。また、遮蔽粉末の平均粒径は100〜200μmであり、この微小な粉末を可撓性硬化樹脂に混合することにより、さらに可撓性硬化樹脂が高密度になる。よって、γ線に対して高い遮蔽性を発揮することができる。
また、遮蔽粉末及び遮蔽微粉末は共に密度がほぼ等しく、かつ高密度であるので、遮蔽粉末として鉄の粉末程度の密度を有する材料を用いても、γ線遮蔽シール材全体としての十分なγ線遮蔽性を得ることができる。よって、取り扱いが安全かつ安価な材料でγ線遮蔽シール材を製造することができる。
また、γ線遮蔽性を有する遮蔽微粉末を配合することによって、γ線遮蔽シール材全体としてのγ線遮蔽性を低下させることなく、放射化する物質である遮蔽粉末の体積比を小さくできる。また、遮蔽微粉末は非金属なので放射化しない。これらにより、γ線遮蔽シール材全体としての放射化量が小さくなるので使用が済んだ後に特別な廃棄処理を行わなくてよい。
また、γ線の電磁波が遮蔽微粉末に衝突してエネルギーが弱まる。そして、エネルギーが弱まったγ線が遮蔽粉末に当たるので、遮蔽粉末が放射化する量を小さくすることができる。
また、主原料が可撓性硬化樹脂なので、γ線遮蔽シール材が可撓性を有し、γ線遮蔽パネル材同士の接合部のシール材や、γ線遮蔽パネル材に設けられた配管用の貫通孔等にできる隙間の充填材として用いたときに高い密着性が得られる。よって、γ線遮蔽パネル材同士の接合部の加工精度に影響されず、また、γ線遮蔽パネル材に設けられた穴に対しても十分なγ線遮蔽性を得ることができる。
また、可撓性硬化樹脂は焼却可能なので、使用が済んだ後に焼却処理することによって廃棄物の体積を減らすことができる。
また、γ線の電磁波が、遮蔽粉末及び遮蔽微粉末に衝突してエネルギーが弱まり、γ線の全体量が減少する。このγ線の減少作用により可撓性硬化樹脂のマトリックスの分子結合(ラディカル反応)が弱まる。よって、可撓性硬化樹脂が非可塑性状に硬化する速度を遅らせることができるので、放射性環境下においても長期にγ線遮蔽シール材の可撓性を保持することができる。
また、可撓性硬化樹脂、遮蔽粉末、及び遮蔽微粉末の配合を調整することによって、γ線遮蔽性を確保しつつ、γ線遮蔽シール材の厚さを自由に調整することができる。よって、γ線遮蔽パネル材に合わせた厚さのγ線遮蔽シール材を製造することができる。
γ線遮蔽シール材のγ線遮蔽性能は、γ線遮蔽シール材全体の密度によりほぼ決まる。また、密度が高過ぎる(遮蔽粉末の配合比が大き過ぎる)と可撓性硬化樹脂中に遮蔽粉末が混ざらなくなり、γ線遮蔽シール材としての形状を成さない。請求項4では、γ線遮蔽シール材の密度を2.3〜5.0g/cmとすることにより、例えば、γ線遮蔽シール材の厚さを10mmとした場合には、シール材としての形状を成し、コバルト60(60CO)の線源に対して7〜14%程度の遮蔽率を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、前記遮蔽微粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンであることを特徴としている。
請求項5に記載の発明では、遮蔽微粉末に、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンを用いることによって、遮蔽粉末の分布均一性、γ線遮蔽性、γ線エネルギー吸収性において、より優れた効果を得ることができる。
また、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンは、無毒なので、火災や廃棄のための焼却時に有毒ガスを発生することがない。
請求項6に記載の発明は、前記可撓性硬化樹脂は、ダイマー酸グリシジルエステルと、アミノポリアミド樹脂とを含有することを特徴としている。
請求項6に記載の発明では、可撓性硬化樹脂に、ダイマー酸グリシジルエステルとアミノポリアミド樹脂とを含有した可撓性硬化樹脂を用いることによって、放射性環境下での長期の可撓性保持において、より優れた効果を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、前記遮蔽粉末は、鉄の粉末、タングステンの粉末、又は銅の粉末であることを特徴としている。
請求項7に記載の発明では、遮蔽粉末に、鉄の粉末、タングステンの粉末、又は銅の粉末を用いることにより、取り扱いが安全な材料でγ線遮蔽シール材を製造することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のγ線遮蔽パネル材を複数備え、請求項4〜請求項7の何れか1項に記載のγ線遮蔽シール材で複数の前記γ線遮蔽パネル材同士の間、又は前記γ線遮蔽パネル材に形成された穴をシールすることを特徴としている。
請求項8に記載の発明では、PET検診等の際に薬剤を投与され、椅子やベッド等で待機する被験者を囲うパーティションの壁材としてγ線遮蔽パネル材を用い、このγ線遮蔽パネル材同士の接合部にγ線遮蔽シール材を設けることによって、被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者のγ線被曝量を低減することができる。
また、γ線遮蔽パネル材は、主原料を熱可塑性樹脂とする板状の部材なので、部屋の内壁や床に容易に貼付けることができ、天井にも容易に固定することができる。また、γ線遮蔽パネル材の接合部やγ線遮蔽パネル材に設けられた穴や配管用の貫通孔等にできる隙間においても、γ線遮蔽シール材で塞ぐことによってγ線遮蔽性を確保することができる。よって、PET検診等の放射線を扱う部屋全体を遮蔽し、外部へのγ線の放出を低減することができる。
また、γ線遮蔽パネル材の接合は、γ線遮蔽シール材に押し付けるだけでよいので、γ線遮蔽構造の組み立ては、短時間で容易に行うことができる。
請求項9に記載の発明は、前記γ線遮蔽パネル材又は前記γ線遮蔽シール材の第1の端面を凸形状とし、前記第1の端面に当接する前記γ線遮蔽パネル材又は前記γ線遮蔽シール材の第2の端面を前記凸形状に係合する凹形状とすることを特徴としている。
請求項9に記載の発明では、γ線遮蔽パネル材又はγ線遮蔽シール材の端面を凸形状とし、この端面に当接するγ線遮蔽パネル材又はγ線遮蔽シール材の端面を凹形状とする。そして、この凸形状と凹形状を係合してγ線遮蔽パネル材を接合する。
よって、γ線遮蔽パネル材の接合部のγ線遮蔽をより確実に行うことができる。
また、γ線遮蔽シール材は可撓性を有するので接合面に高い密着性が得られ、また、凸形状及び凹形状の加工は高い精度を必要としない。
本発明は上記構成としたので、γ線に対して優れた遮蔽性を有し、取扱いの安全性や廃棄処理に配慮したγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及び設置が容易なγ線遮蔽構造を提供することができる。
図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造を説明する。
なお、本実施形態では、PET検診を受ける被験者が待機するスペースを囲むパーティションやPET検診を行う部屋全体を覆う遮蔽材に本発明を適用した例を示すが、γ線を遮蔽するさまざまな用途のパネル材、シール材としての適用が可能である。
まず、本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造について説明する。
図1に示すように、床材16上に略垂直に立てられた高さ1,200mm、厚さ10mmのγ線遮蔽パネル材10A、10Bが平面視にて直線状に接合され、γ線遮蔽構造としてのパーティション14を形成している。
γ線遮蔽パネル材10A、10Bの間には、γ線遮蔽シール材12が設けられており、接合保持部材20によってγ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合が保持されている。
γ線遮蔽パネル材10A、10Bは、熱可塑性樹脂としてのポリエステル樹脂に、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛と、遮蔽粉末としての鉄の粉末と、砂利、砂、炭酸カルシウムとを混合して固めたものである。
チタン酸ジルコン酸鉛の平均粒径は0.1〜2μm、鉄の粉末の平均粒径は100〜200μmとなっている。
ポリエステル樹脂、チタン酸ジルコン酸鉛、鉄の粉末の配合比は、ポリエステル樹脂20重量部に対して、チタン酸ジルコン酸鉛15重量部、鉄の粉末65重量部であり、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの全体密度は4.0g/cmとなっている。
γ線遮蔽シール材12は、可撓性硬化樹脂に、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛と、遮蔽粉末としての鉄の粉末とを混合してゴム状に固めたものである。
チタン酸ジルコン酸鉛の平均粒径は0.1〜2μm、鉄の粉末の平均粒径は100〜200μmとなっている。
γ線遮蔽シール材12は可撓性を有するので、γ線遮蔽パネル材10A、10Bにγ線遮蔽シール材12を密着させることができる。
可撓性硬化樹脂は、ダイマー酸グリシジルエステルをマトリックスの主格とし、これに硬化剤として比較的低粘度でポットライフの長いアミノポリアミド樹脂(アミン価:210±20mgKOH/g)を加えて形成した。
ダイマー酸グリシジルエステルとアミノポリアミド樹脂の配合比は、ダイマー酸グリシジルエステル100重量部に対して、アミノポリアミド樹脂20〜50重量部である。この配合比によって、硬化時の温度による重合度を調整する。
可撓性硬化樹脂、チタン酸ジルコン酸鉛、鉄の粉末の配合比は、可撓性硬化樹脂20重量部に対して、チタン酸ジルコン酸鉛15重量部、鉄の粉末65重量部であり、γ線遮蔽シール材12の密度は4.0g/cmとなっている。
γ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合前の状態を示した図2のように、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの水平方向端部には、矩形断面の溝22A、22Bが、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの水平方向端部に沿って鉛直方向に形成されている。
そして、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの水平方向端部と当接するγ線遮蔽シール材12には、溝22A、22Bと係合する突部12A、12Bが形成されている。突部12A、12Bは、溝22A、22Bよりも多少大きく形成されており、これにより、溝22A、22Bに、可撓性を有する突部12A、12Bが係合したときの密着性を高めることができる。
パーティション14の壁面24A、24Bの水平方向端部には、コの字断面形状の固定部材26A、26Bが、壁面24A、24Bの水平方向端部に沿って鉛直方向に設けられている。そして、この固定部材26A、26Bに、接合保持部材20の両端部に形成されたコの字断面形状の係合部20A、20Bが係合する。
次に、本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の接合方法ついて説明する。図3は、図1、2のパーティション14を上から見た平面図である。
まず、図3(A)に示すように、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの間にγ線遮蔽シール材12を配置する。
次に、図3(B)に示すように、γ線遮蔽パネル材10A、10Bによってγ線遮蔽シール材12を押し潰すように、矢印28A、28Bの方向に力を加える。このときγ線遮蔽シール材12は可撓性を有するので収縮した状態になっている。そして、この状態で固定部材26A、26Bを外側から覆うように、接合保持部材20をセットする。
次に、図3(C)に示すように、矢印28A、28Bの方向に加えた力を解くと、γ線遮蔽シール材12には矢印30A、30Bの方向に戻ろうとする復元力が発生する。これにより、固定部材26A、26Bと接合保持部材20の係合部20A、20Bが係合する。また、この係合はγ線遮蔽シール材12の復元力により堅結されているので、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合状態を保持することができる。
なお、接合保持部材20の係合部20A、20Bの間隔Lは、図3(B)においては固定部材26A、26Bに係合せず、図3(C)においては固定部材26A、26Bに係合し、且つ、γ線遮蔽シール材12が収縮した状態となるような長さにする。
なお、図1〜3では、接合保持部材20によってγ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合を保持する例を示したが、γ線遮蔽シール材12が収縮した状態でγ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合を保持できるものであればよく、例えば図4に示すような留め具32を用いてもよい。図4(A)〜(C)の左側には、留め具32によるγ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合手順が斜視図で示され、右側にはそれぞれの斜視図に対応する平面図が示されている。
留め具32は、γ線遮蔽パネル材10Aの水平方向端部に、端部が回転可能に固定された梃部材34と、先端にフック36が形成され、梃部材34の略中央部で端部が回転可能に固定された接合保持部材38とから構成されている。また、γ線遮蔽パネル材10Bの水平方向端部には、接合保持部材38のフック36が係合するピン40がγ線遮蔽パネル材10Bの水平方向端部に沿って鉛直方向に設けられている。ピン40の両端は、γ線遮蔽パネル材10Bの壁面24Bの水平方向端部に設けられた突片42に支持されており、γ線遮蔽パネル材10Bの壁面24Bとの間にフック36が入込む隙間が形成されている。なお、γ線遮蔽パネル材10Aに対して、図示した留め具32の反対側に設けられるもう1つの留め具は、説明の都合上、省略されている。
まず、図4(A)に示すように、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの間にγ線遮蔽シール材12を配置し、接合保持部材38のフック36をピン40に引掛ける。
次に、図4(B)に示すように、梃部材34を矢印44の方向に旋回させると、接合保持部材38が矢印46Bの方向に引張られる。これによりγ線遮蔽シール材12が矢印46A、46Bの力を受けて収縮した状態になる。
次に、図4(C)に示すように、梃部材34を矢印44の方向に旋回しきって、γ線遮蔽パネル材10Aの壁面24Aとほぼ平行になるようにすると、γ線遮蔽シール材12には矢印30A、30Bの方向に戻ろうとする復元力が発生する。これにより、接合保持部材38のフック36とピン40が堅結されているので、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの接合を保持することができる。
図4の方法では、梃の原理によってγ線遮蔽シール材12を収縮させるので大きな力を必要とせず、容易にγ線遮蔽パネル材10A、10Bを接合することができる。
図5は、図1〜3に示した接合保持部材20による接合方法を応用して、γ線遮蔽構造としてのパーティション48のコーナー部の接合例を示したものである。
パーティション48のコーナー部に、平面視にてL字形状となる厚さ10mmのγ線遮蔽パネル材50を設ける。γ線遮蔽パネル材50の水平方向端部には、γ線遮蔽パネル材10A、10Bの水平方向端部と同様な溝22Cが形成されている。γ線遮蔽パネル材50の組成は、γ線遮蔽パネル材10A、10Bと同じである。
そして、γ線遮蔽パネル材10Aとγ線遮蔽パネル材50の間、及びγ線遮蔽パネル材10Bとγ線遮蔽パネル材50の間にγ線遮蔽シール材12をそれぞれ配置し、図3と同様の方法で接合保持部材20を用いて、γ線遮蔽パネル材10A、50、10Bを接合する。接合保持部材20の代わりに留め具32を用いてもよい。
図6は、パーティション52の壁部材として用いられ、厚さが10mmのγ線遮蔽パネル材54の下部と、床部材として用いられ、厚さが10mmのγ線遮蔽パネル材56の接合例を示したものである。γ線遮蔽パネル材54、56の組成は、γ線遮蔽パネル材10A、10Bと同じである。
γ線遮蔽パネル材54の下端部には、矩形断面の溝58がγ線遮蔽パネル材54の下端部に沿って水平に形成されている。また、この溝58の下方に位置するγ線遮蔽パネル材56の上面には、同じ形状の溝60が形成されている。
そして、γ線遮蔽パネル材54の下端部とγ線遮蔽パネル材56の上面との間に設けられたγ線遮蔽シール材57には、溝58、60と係合する突部57A、57Bが形成されている。突部57A、57Bは、溝58、60よりも多少大きく形成されており、これにより、溝58、60に、可撓性を有する突部57A、57Bが係合したときの密着性を高めることができる。
γ線遮蔽パネル材54の自重によってγ線遮蔽シール材57が収縮し、γ線遮蔽パネル材54とγ線遮蔽パネル材56の接合を保持する。よって、接合保持部材20や留め具32等は用いなくてもよい。
本発明においては、図6のようにパーティションの壁と床を密に接合させなくても十分なγ線遮蔽効果が得られるが、図6のように接合することによって、γ線遮蔽性のより高いγ線遮蔽構造を構築することができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造の作用及び効果について説明する。
まず、図1〜6に示したγ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56においては、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛の平均粒径は0.1〜2μmであり微小なので、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂にコロイド粒子として混合されてポリエステル樹脂がゾル状になる。このチクントロピック的な性質によりポリエステル樹脂自身の密度が高くなり、ポリエステル樹脂中の遮蔽粉末としての鉄の粉末の沈降を遅らせて、ポリエステル樹脂が硬化するまで鉄の粉末の分布を均一に保つ。また、鉄の粉末の平均粒径は100〜200μmであり、この微小な粉末をポリエステル樹脂に混合することにより、さらにポリエステル樹脂が高密度になる。よって、γ線に対して高い遮蔽性を発揮することができる。
また、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛は高密度なので、遮蔽微粉末と密度がほぼ等しく、かつ高密度である鉄等の材料を遮蔽粉末として用いても、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56全体としての十分なγ線遮蔽性を得ることができる。よって、取り扱いが安全かつ安価な材料でγ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56を製造することができる。
また、γ線遮蔽性を有するチタン酸ジルコン酸鉛を遮蔽微粉末として配合することによって、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56全体としてのγ線遮蔽性を低下させることなく、放射化する物質である遮蔽粉末としての鉄の粉末の体積比を小さくできる。また、チタン酸ジルコン酸鉛は非金属なので放射化しない。これらにより、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56全体としての放射化量が小さくなるので使用が済んだ後に特別な廃棄処理を行わなくてよい。
また、γ線の電磁波が遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛に衝突してエネルギーが弱まる。そして、エネルギーが弱まったγ線が遮蔽粉末としての鉄の粉末に当たるので、鉄の粉末が放射化する量を小さくすることができる。
また、主原料が熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂なので、成型加工が容易であり、10mm程度の厚さに加工しても割れたり、反ったりしない。また、ポリエステル樹脂は焼却可能なので、使用が済んだ後に焼却処理することによって廃棄物の体積を小さくすることができる。
また、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂、遮蔽粉末としての鉄の粉末、及び遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛の配合を調整することによって、γ線遮蔽性を確保しつつ、γ線遮蔽パネル材の厚さを自由に調整することができる。よって、設置スペースに制限がある場所に薄いγ線遮蔽パネル材を設置することができる。
PET検診に携る看護士のγ線被曝量は26mSv/年といわれており、文部科学省などにより定められた女子の線量限度である5mSv/3月(20mSv/年)を超える値となっている。年間のγ線被曝量を規制値内に抑えるためには、PET検査用線源であるフッ素18(18F)に対して31%の遮蔽率を有するγ線遮蔽パネル材が必要となる。一般に、遮蔽実験を実施する機関では、フッ素18(18F)を所有していないので、コバルト60(60CO)が実験用線源として用いられている。物理学上、フッ素18(18F)に対する31%の遮蔽率は、コバルト60(60CO)に対する11%に相当する。
γ線遮蔽パネル材のγ線遮蔽能力は、γ線遮蔽パネル材のγ線照射面における単位面積当りの重量(=γ線照射面の単位面積×γ線遮蔽パネル材の厚さ×γ線遮蔽パネル材の密度)でほぼ決まる。すなわち、γ線遮蔽パネル材の厚さ及び密度が大きいほど、γ線遮蔽パネル材の遮蔽能力が上がり、遮蔽率が大きくなる。
しかし、γ線遮蔽パネル材の厚さは、設置や取扱い上の制約から限りがあり、10mm程度にすることが好ましい。よって、γ線遮蔽パネル材の厚さを固定した場合には、γ線遮蔽パネル材の密度によって遮蔽率が決まってくる。
ここで、コバルト60(60CO)に対して11%の遮蔽率を得るためには、厚さが10mmで密度が4.0g/cmのγ線遮蔽パネル材であればよい。
実際の使用においては、パーティションによる被験者の囲い方やPET検診を受ける被験者と対面する回数等の使用形態の違いにより被曝量が異なるので、必ずしも密度を4.0g/cmとする必要はない。密度が2.3g/cmで厚さが10mmのγ線遮蔽パネル材の場合には、コバルト60(60CO)に対して7%程度の遮蔽率を有することができるので、使用形態によっては、密度が2.3g/cm以上のγ線遮蔽パネル材を用いることができる。
また、密度が高過ぎる(遮蔽粉末としての鉄の粉末の配合比が大き過ぎる)とポリエステル樹脂中に鉄の粉末が混ざらなくなり、γ線遮蔽パネル材としての形状を成さない。この密度の限界値が厚さ10mmのγ線遮蔽パネル材では、5.0g/cm程度となる。
これらのことを考慮し、γ線遮蔽パネル材の密度は2.3〜5.0g/cmの範囲とする必要があり、好ましくは4.0g/cmに近い3.5〜4.5g/cmとし、より好ましくは4.0g/cmとするのがよい。
第1の実施形態におけるγ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56は、厚さが10mm、全体密度が4.0g/cmなので、パネル材としての形状を成し、コバルト60(60CO)の線源に対して11%程度の遮蔽率を得ることができる。
次に、図1〜6に示したγ線遮蔽シール材12、57においては、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛の平均粒径は0.1〜2μmであり微小なので、ダイマー酸グリシジルエステルにアミノポリアミド樹脂を加えて形成した可撓性硬化樹脂にコロイド粒子として混合されて可撓性硬化樹脂がゾル状になる。このチクントロピック的な性質により可撓性硬化樹脂自身の密度が高くなり、可撓性硬化樹脂中の遮蔽粉末としての鉄の粉末の沈降を遅らせ、可撓性硬化樹脂がゴム状に硬化するまで鉄の粉末の分布を均一に保つ。また、鉄の粉末の平均粒径は100〜200μmであり、この微小な粉末を可撓性硬化樹脂に混合することにより、さらに可撓性硬化樹脂が高密度になる。よって、γ線に対して高い遮蔽性を発揮することができる。
また、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛は高密度なので、遮蔽微粉末と密度がほぼ等しく、かつ高密度である鉄等の材料を遮蔽粉末として用いても、γ線遮蔽シール材12、57全体としての十分なγ線遮蔽性を得ることができる。よって、取り扱いが安全で、安価な材料を遮蔽粉末として用いてγ線遮蔽シール材12、57を製造することができる。
また、γ線遮蔽性を有するチタン酸ジルコン酸鉛を遮蔽微粉末として配合することによって、γ線遮蔽シール材12、57全体としてのγ線遮蔽性を低下させることなく、放射化する物質である遮蔽粉末としての鉄の粉末の体積比を小さくできる。また、チタン酸ジルコン酸鉛は非金属なので放射化しない。これらにより、γ線遮蔽シール材12、57全体としての放射化量が小さくなるので使用が済んだ後に特別な廃棄処理を行わなくてよい。
また、γ線の電磁波が遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛に衝突してエネルギーが弱まる。そして、エネルギーが弱まったγ線が遮蔽粉末としての鉄の粉末に当たるので、鉄の粉末が放射化する量を小さくすることができる。
また、主原料が、ダイマー酸グリシジルエステルにアミノポリアミド樹脂を加えて形成した可撓性硬化樹脂なので、γ線遮蔽シール材12、57が可撓性を有し、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56同士の接合部のシール材として高い密着性が得られる。よって、γ線遮蔽パネル材同士の接合部に対しても十分なγ線遮蔽性を得ることができる。
また、可撓性硬化樹脂は焼却可能なので、使用が済んだ後に焼却処理することによって廃棄物の体積を減らすことができる。
また、γ線の電磁波が、遮蔽粉末としての鉄の粉末、及び遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛に衝突してエネルギーが弱まり、γ線の全体量が減少する。このγ線の減少作用により可撓性硬化樹脂のマトリックスの分子結合(ラディカル反応)が弱まる。よって、可撓性硬化樹脂が非可塑性状に硬化する速度を遅らせることができるので、放射性環境下においても長期にγ線遮蔽シール材12、57の可撓性を保持することができる。
また、可撓性硬化樹脂、遮蔽粉末としての鉄の粉末、及び遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛の配合を調整することによって、γ線遮蔽性を確保しつつ、γ線遮蔽シール材12、57の厚さを自由に調整することができる。よって、γ線遮蔽パネル材に合わせた厚さのγ線遮蔽シール材12、57を製造することができる。
γ線遮蔽シール材のγ線遮蔽能力は、γ線遮蔽パネル材と同様に、γ線遮蔽シール材の密度でほぼ決まり、γ線遮蔽シール材の密度の大きさに比例してγ線遮蔽シール材の遮蔽率が大きくなる。コバルト60(60CO)に対して11%の遮蔽率を得るためには、厚さが10mmで密度が4.0g/cmのγ線遮蔽シール材であればよい。
γ線遮蔽シール材の場合、密度が高過ぎる(遮蔽粉末としての鉄の粉末の配合比が大き過ぎる)と可撓性硬化樹脂中に鉄の粉末が混ざらなくなり、ゴム状に硬化しないので遮蔽シール材料としての形状を成さない。この密度の限界値がγ線遮蔽パネル材と同様に5.0g/cm程度となる。
よって、γ線遮蔽パネル材と同様に、γ線遮蔽シール材の密度は2.3〜5.0g/cmの範囲とする必要があり、好ましくは4.0g/cmに近い3.5〜4.5g/cmとし、より好ましくは4.0g/cmとするのがよい。
第1の実施形態におけるγ線遮蔽シール材12、57は、厚さが10mm、全体密度が4.0g/cmなので、シール材としての形状を成し、コバルト60(60CO)の線源に対して11%程度の遮蔽率を得ることができる。
そして、PET検診等の際に薬剤を投与されて椅子やベッド等で待機する被験者を囲うパーティションの壁材としてγ線遮蔽パネル材を用い、このγ線遮蔽パネル材同士の接合部にγ線遮蔽シール材を設けることによって、被験者に対面する他の被験者や看護士等の第三者のγ線被曝量を低減することができる。
γ線遮蔽パネル材の接合は、γ線遮蔽シール材に押し付けるだけでよいので、γ線遮蔽構造の組み立ては、短時間で容易に行うことができる。
また、γ線遮蔽パネル材の溝22A、22B、22C、58、60に、γ線遮蔽シール材12、57の突部12A、12B、57A、57Bを接合し、さらには、γ線遮蔽シール材12、57の有する可撓性により接合面の密着性を高めているので、γ線遮蔽パネル材の接合部のγ線遮蔽をより確実に行うことができる。γ線遮蔽シール材は可撓性を有するので、溝や突部の加工は、高い精度を必要としない。
なお、第1の実施形態では、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50の高さを1,200mmとしたが、使用形態に応じて適宜決めればよい。通常、PET検診を受ける被験者が待機するパーティションの場合には、椅子に座ったり、ベットに寝ている被験者を囲めばよいので、1,200mm程度の高さにすることが好ましい。
また、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56の厚さを10mmとしたが、所定の密度を有するように、ポリエステル樹脂、鉄の粉末、チタン酸ジルコン酸鉛の配合比を調整すれば、厚さを変えることができる。パネル材の設置や取扱い等を考えると厚さは10mm程度が適している。γ線遮蔽パネル材の厚さを10mmと固定し、高い遮蔽性が必要な場合には、複数枚重ねて対応すればγ線遮蔽パネル材としての汎用性が高くなる。
また、第1の実施形態では、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56側の端面に溝22A、22B、22C、58、60を形成し、γ線遮蔽シール材12、57側の端面に突部12A、12B、57A、57Bを形成した例を示したが、γ線遮蔽パネル材側の端面に突部を形成し、γ線遮蔽シール材側の端面に溝を形成してもよい。また、図7(A)〜(G)に示すγ線遮蔽パネル材62A、62B及びγ線遮蔽シール材63のように、係合可能であれば溝及び突部をどのような形状にしてもよいし、γ線が漏洩しない密着性が得られれば溝及び突部を形成せずに平らな端面同士が面接する図7(H)のようにしてもよい。
また、熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂を用いたが、硬化したときにパネル材を形成できる強度が得られる材料であればよく、エポキシ、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いてもよい。
また、可撓性硬化樹脂のマトリックス主格として、ダイマー酸グリシジルエステルを使用した例を示したが、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、合核ポリオールエポキシ樹脂等を用いてもよい。ダイマー酸グリシジルエステルは、放射性環境下での長期の可撓性保持に優れた材料なので、可撓性硬化樹脂のマトリックス主格に適している。
また、熱可塑性樹脂及び可撓性硬化樹脂に含有する遮蔽微粉末として、チタン酸ジルコン酸鉛を用いたが、γ線遮蔽性のある高密度の非金属であればよく、酸化タングステン等を用いてもよい。チタン酸ジルコン酸鉛は、遮蔽粉末の分布均一性、γ線遮蔽性、及びγ線エネルギー吸収性に優れた材料なので、遮蔽微粉末に適している。
チタン酸ジルコン酸鉛、酸化タングステンは、無毒なので、火災や廃棄のための焼却時に有毒ガスを発生することがない。
遮蔽微粉末の粒径は、熱可塑性樹脂及び可撓性硬化樹脂に混ぜたときに熱可塑性樹脂及び可撓性硬化樹脂をゾル化できる大きさであればよい。遮蔽微粉末の平均粒径を0.1〜2μmとすることがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂及び可撓性硬化樹脂に含有する遮蔽粉末として、鉄の粉末を用いたが、γ線遮蔽性のある高密度の重金属であればよく、タングステンの粉末、銅の粉末等を用いてもよい。遮蔽粉末の粒径は、熱可塑性樹脂及び可撓性硬化樹脂に混ぜたときに熱可塑性樹脂及び可撓性硬化樹脂を高密度にできる大きさであればよい。遮蔽粉末の平均粒径を100〜200μmとすることがより好ましい。
また、γ線遮蔽パネル材10A、10B、50、54、56の表面に木、クロス材、石膏ボード等の仕上げ材を取付けてもよい。
また、接合保持部材20の鉛直方向の長さ、配置、数等については、γ線遮蔽パネル材の接合強度やデザインにより適宜決めればよく、鉛直方向の長さがパーティション10A、10B、50の高さと等しい1つの接合保持部材20によって、γ線遮蔽パネル材10A、10Bを接合するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造について説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態のγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材を用いて、PET検診等を行う部屋の床、壁、及び天井にγ線遮蔽を施す例を示したものである。したがって、以下の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。また、第2の実施形態で示すγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材の組成は、第1の実施形態のγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材と同じものである。
部屋の壁面のγ線遮蔽については、壁材としてのγ線遮蔽パネル材65を仕切り壁として用いたり、また、躯体壁67にγ線遮蔽パネル材65を貼付けたり、ビス止め等によって固定する。
ビス止めによって躯体壁67にγ線遮蔽パネル材65を固定する場合には、図8に示すように、ビス64の頭部付近に形成されたγ線遮蔽パネル材65の穴68をγ線遮蔽シール材66で充填することによって、γ線遮蔽効果を高めることができる。
部屋の天井面のγ線遮蔽については、図9に示すように、天井ボードとしてのγ線遮蔽パネル材70A、70Bを天井に設置する。
鋼製の角パイプ72が躯体天井(不図示)から所定の距離に吊下げられ、水平に張渡されている。この角パイプ72の上方には、2枚のγ線遮蔽パネル材70A、70Bが載置され、γ線遮蔽パネル材70A、70Bの接合部74が、角パイプ72上面の略中央に位置している。
角パイプ72とγ線遮蔽パネル材70A、70Bの間には、γ線遮蔽シール材76が設けられており、γ線遮蔽シール材76の上面及び下面には、角パイプ72の長さ方向に沿って直方体の突部78、80がそれぞれ2つ形成されている。また、この突部78、80に係合する溝82、84が、γ線遮蔽パネル材70A、70B下面と角パイプ72上面に形成されている。
γ線遮蔽シール材76は、γ線遮蔽パネル材70A、70Bの自重によって収縮した状態になり、角パイプ72上面とγ線遮蔽シール材76下面、及びγ線遮蔽シール材76上面とγ線遮蔽パネル材70A、70B下面の密着性が得られている。よって、γ線遮蔽パネル材70A、70Bの接合部74からγ線が漏洩することがない。
さらに、図9では、γ線遮蔽パネル材70A、70Bの下面に固定された接続保持部材86の摘み部92を下方に引張って、接続保持部材86の下端部に形成されたコの字状のフック88を角パイプ72に固定されたコの字状の固定部材90に係合させ、角パイプ72及びγ線遮蔽パネル材70A、70Bとγ線遮蔽シール材76の密着性をより高くしている。固定部材90は、フック88が固定部材90に係合したときにγ線遮蔽シール材76が収縮する位置に固定する。
なお、図9では、γ線遮蔽パネル材70A、70Bの下面、及び角パイプ72の上面に溝82、84を設け、γ線遮蔽シール材76の上下に突部78、80を設けたが、十分な密着性が得られれば、角パイプ72の上面、γ線遮蔽パネル材70A、70Bの下面、及びγ線遮蔽シール材76の上下面を平らにしてもよい。
壁材としてのγ線遮蔽パネル材65と、天井ボードとしてのγ線遮蔽パネル材94との接合方法は、図10の側面図に示すように、γ線遮蔽パネル材65の上端部、及びγ線遮蔽パネル材94には、矩形断面の溝98、96が形成されている。
そして、γ線遮蔽パネル材65上端部とγ線遮蔽パネル材94下面の間には、γ線遮蔽シール材100が設けられ、γ線遮蔽シール材100の上下には溝96、98に係合する突部100A、100Bが形成されている。
γ線遮蔽シール材100は、γ線遮蔽パネル材94の自重によって収縮した状態になり、γ線遮蔽パネル材65上端部及びγ線遮蔽パネル材94と、γ線遮蔽シール材100との密着性が得られる。
また、突部100A、100Bは、溝96、98よりも多少大きく形成されており、これにより、溝96、98に、可撓性を有する突部100A、100Bが係合したときの密着性を高めることができる。
部屋の床面のγ線遮蔽については、第1の実施形態の図6と同様の方法を用いる。
なお、γ線遮蔽パネル材108に配管用の貫通孔106等を設ける場合には、図11に示すように、γ線遮蔽シール材102を配管104と貫通孔106の隙間に充填すればよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造の作用及び効果について説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、また、γ線遮蔽パネル材は、主原料を熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂とする板状の部材なので、部屋の内壁や床に容易に貼付けることができ、天井にも容易に固定することができる。
また、γ線遮蔽パネル材の接合部やγ線遮蔽パネル材に設けられた穴や配管用の貫通孔等にできる隙間においても、γ線遮蔽シール材で塞ぐことによってγ線遮蔽性を確保することができるので、PET検診等を行う部屋の床、壁、及び天井を遮蔽し、部屋の外部へ放出するγ線を低減することができる。
(実施例)
表1は、一般的な遮蔽シミュレーションによって求めた、鉛板材の厚さに対するγ線遮蔽率を示したものである。フッ素18及びコバルト60の線源に対して、鉛板材の厚さが大きいほど遮蔽率が大きくなることがわかる。
これは、鉛板材のγ線照射面の単位面積当りの重量(=γ線照射面の単位面積×鉛板材の厚さ×鉛の比重11.3g/cm)に比例して遮蔽率が高くなることを表している。
Figure 2007315843
よって、ここで例えば、本発明のγ線遮蔽パネル材を用いて、コバルト60に対して11.2%の遮蔽率を得たい場合には、厚さ3mmの鉛板材とγ線照射面の単位面積当りの重量が同じになるようにγ線遮蔽パネル材の厚さと密度を調整すればよい。
γ線遮蔽パネル材の厚さを10mmとした場合には、表2の材料例2に示すように密度を4.0g/cmとすれば、厚さ3mmの鉛板材とγ線照射面の単位面積当りの重量が同じになる。
また、このときのγ線遮蔽パネル材の配合比は、樹脂としてのポリエステル樹脂20重量部、遮蔽粉末としての鉄の粉末65重量部、遮蔽微粉末としてのチタン酸ジルコン酸鉛15重量部とすればよい。γ線遮蔽パネル材の密度は、鉄の粉末とチタン酸ジルコン酸鉛の配合比により決まるので、これら材料の密度から求めることができる。
Figure 2007315843
同様の考え方で、γ線遮蔽パネル材の厚さを10mmとした場合には、材料例1の配合によって密度を2.3g/cmとすれば鉛厚さ2mmに相当するコバルト60に対する遮蔽率7.5%を得ることができ、材料例3の配合によって密度を5.0g/cmとすれば鉛厚さ4mmに相当するコバルト60に対する遮蔽率14.8%を得ることができる。
γ線遮蔽パネル材の密度及び遮蔽率は、遮蔽粉末としての鉄の粉末の配合比に比例しているので、表2に示されていない材料例についても、鉄の粉末の配合比を47〜82重量部の範囲内とすれば、7.5〜14.8%の遮蔽率が得られることがわかる。
鉄の粉末の配合比を47重量部未満にしてしまうと、遮蔽率は7.5%未満になってしまうので、十分なγ線遮蔽性が得られないパネル材となってしまう。
また、γ線遮蔽パネル材の密度を5.0g/cmよりも大きくすれば、計算上はさらに遮蔽率が大きくなるが、実際には、ポリエステル樹脂中に鉄の粉末が混ざらなくなり、パネル材料としての形状を成さなくなるので、γ線遮蔽パネル材の厚さを10mmとした場合には、密度5.0g/cm程度が製造上の限界となる。
また、例えば、材料例2の組成でγ線遮蔽パネル材の厚さを11.5mmにすれば、厚さ5mmの鉛板材に相当する遮蔽率が得られ、材料例2の組成でγ線遮蔽パネル材の厚さを17.0mmにすれば、厚さ6mmの鉛板材に相当する遮蔽率が得られる。
なお、表2の樹脂に、ポリエステル樹脂以外のエポキシ、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂や、ダイマー酸グリシジルエステル、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、又は合核ポリオールエポキシ樹脂をアミノポリアミド樹脂で硬化させた可撓性樹脂を用いたり、遮蔽粉末に鉄の粉末以外のタングステンの粉末、又は銅の粉末を用いたり、遮蔽微粉末に、チタン酸ジルコン酸鉛以外の酸化タングステンを用いても表2と同様の密度と遮蔽率を得ることができる。
樹脂を可撓性硬化樹脂とした場合には、可撓性硬化樹脂中に鉄の粉末が混ざらなくなり、ゴム状に硬化せずに遮蔽シール材料としての形状を成さなくなるので、γ線遮蔽パネル材同様に、密度5.0g/cm程度が製造上の限界値となる。
表3には、表2の材料例2を用いた遮蔽性実験の結果が示されている。
Figure 2007315843
図12に示すように、コバルト60の線源110から1,000mm離れた位置にシーベルトメーター112を設置し、線源110からγ線を放射し、そのときのγ線量をシーベルトメーター112によって10回測定した。その結果が、表3のγ線放射量の欄に示されている。そして、これら測定値の平均値49.7MBqを線源110の放射量(以降、線源放射量と記載)とする。
実施例1の測定では、図13(B)の正面図に示すように、縦300mm×横300mm×厚さ10mmの2枚のγ線遮蔽パネル材114の間に、縦100mm×横300mm×厚さ10mmのγ線遮蔽シール材116が配置されている。γ線パネル材114とγ線シール材116が接する端面は共に平らな面となっている。また、γ線遮蔽シール材116は、その上方のγ線遮蔽パネル材114の自重によって収縮して、γ線パネル材114とγ線シール材116が密着している。このときγ線シール材116の縦の長さは100mmよりも小さいLmmになっている。
また、線源110及びシーベルトメーター112は、図13(A)の側面図に示すように、γ線パネル材114の表面から500mm離れた地点に設けられ、また、図13(B)の正面図に示すように、γ線遮蔽シール材116の略中央に位置している。
γ線遮蔽パネル材114の配合比は、ポリエステル樹脂20重量部、平均粒径0.1〜2μmのチタン酸ジルコン酸鉛15重量部、平均粒径100〜200μmの鉄の粉末65重量部であり、γ線遮蔽シール材116の配合比は、ダイマー酸グリシジルエステルをアミノポリアミド樹脂で硬化した可撓性硬化樹脂20重量部、平均粒径0.1〜2μmのチタン酸ジルコン酸鉛15重量部、平均粒径100〜200μmの鉄の粉末65重量部である。また、γ線遮蔽パネル材114とγ線遮蔽シール材116の密度は、共に4.0g/cmとなっている。
表3の実施例1の値は、図13において、線源110からγ線を10回放射し、このときのシーベルトメーター112の検出量である。これらの平均値は44.1MBqであり、γ線遮蔽パネル材114の側方から回り込んでくるγ線量を差引いた補正平均値は44.0MBqとなっている。この値44.0MBqを図12の測定で求めた線源放射量49.7MBqから引いて、さらに線源放射量49.7MBqで割ると遮蔽率を求めることができる。よって、実施例1のγ線遮蔽シール材116の遮蔽率は11%となる。
実施例2の測定では、図14(B)の正面図に示すように、縦300mm×横300mm×厚さ10mmの1枚のγ線遮蔽パネル材114が配置されている。
また、線源110及びシーベルトメーター112は、図14(A)の側面図に示すように、γ線パネル材114の表面から500mm離れた地点に設けられ、また、図14(B)の正面図に示すように、γ線遮蔽パネル材114の略中央に位置している。
γ線遮蔽パネル材114の配合比は、ポリエステル樹脂20重量部、平均粒径0.1〜2μmのチタン酸ジルコン酸鉛15重量部、平均粒径100〜200μmの鉄の粉末65重量部であり、密度は4.0g/cmとなっている。
表3の実施例2の値は、図14において、線源110からγ線を10回放射し、このときのシーベルトメーター112の検出量である。これらの平均値は44.0であり、γ線遮蔽パネル材114の側方から回り込んでくるγ線量を差引いた補正平均値は43.9MBqとなっている。よって、実施例1と同様に算出すると実施例2のγ線遮蔽パネル材114の遮蔽率は11%となる。
実施例3の測定では、図15(B)の正面図に示すように、縦300mm×横300mm×厚さ10mmの2枚のγ線遮蔽パネル材114が重ねて配置されている。
また、線源110及びシーベルトメーター112は、図15(A)の側面図に示すように、γ線パネル材114の表面から500mm離れた地点に設けられ、また、図15(B)の正面図に示すように、γ線遮蔽パネル材114の略中央に位置している。
γ線遮蔽パネル材114の組成は、実施例2と同じである。
表3の実施例3の値は、図15において、線源110からγ線を10回放射し、このときのシーベルトメーター112の検出量である。これらの平均値は39.1であり、γ線遮蔽パネル材114の側方から回り込んでくるγ線量を差引いた補正平均値は39.0MBqとなっている。よって、実施例1と同様に算出するとγ線遮蔽パネル材114を2枚重ねた遮蔽率は21%となり、実施例2の遮蔽率の約2倍になっていることがわかる。
実施例4の測定は、実施例2のγ線パネル材114の密度を若干上げて図14と同様の測定をしたものである。
実施例4のγ線遮蔽パネル材の遮蔽率は15%となり、実施例2よりも遮蔽率が大きくなっていることがわかる。
実施例5の測定は、実施例4のγ線遮蔽パネル材を2枚重ねて図15と同様の測定をしたものである。実施例5のγ線遮蔽パネル材の遮蔽率は29%となり、実施例4の遮蔽率の約2倍になっていることがわかる。
よって、これら実施例1〜5の測定結果より、密度を4.0g/cm程度とした厚さ10mmのγ線遮蔽シール材及びγ線遮蔽パネル材は、コバルト60に対して11%の遮蔽率を得ることができ、また、γ線遮蔽パネル材の密度を上げると、γ線遮蔽パネル材の遮蔽率も上がることがわかる。
さらに、γ線遮蔽パネル材の枚数にほぼ比例して、γ線遮蔽パネル材の遮蔽率が上がることがわかる。
本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材、γ線遮蔽シール材、及びγ線遮蔽構造を示す斜視図である。 図1の拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の接合方法を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の接合方法の変形例を示す斜視図及び平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材のコーナー部の接合方法を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の床部の接合方法を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材とγ線遮蔽シール材との係合方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の躯体壁への固定方法を示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の躯体天井への固定方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材の接合方法を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るγ線遮蔽パネル材に形成された穴へのγ線遮蔽シール材の充填方法を示す説明図である。 本発明の実施例に係る試験方法を示す側面図である。 本発明の実施例に係る試験方法を示す側面図及び正面図である。 本発明の実施例に係る試験方法を示す側面図及び正面図である。 本発明の実施例に係る試験方法を示す側面図及び正面図である。 従来の放射線遮蔽機能を具備した椅子を示す概略図である。 従来の放射線遮蔽パネルの接合方法を示す説明図である。
符号の説明
10A γ線遮蔽パネル材
10B γ線遮蔽パネル材
12 γ線遮蔽シール材
12A 突部(凸形状)
12B 突部(凸形状)
14 パーティション(γ線遮蔽構造)
22A 溝(凹形状)
22B 溝(凹形状)
22C 溝(凹形状)
48 パーティション(γ線遮蔽構造)
50 γ線遮蔽パネル材
52 パーティション(γ線遮蔽構造)
54 γ線遮蔽パネル材
56 γ線遮蔽パネル材
57 γ線遮蔽シール材
57A 突部(凸形状)
57B 突部(凸形状)
58 溝(凹形状)
60 溝(凹形状)
62A γ線遮蔽パネル材
62B γ線遮蔽パネル材
63 γ線遮蔽シール材
65 γ線遮蔽パネル材
66 γ線遮蔽シール材
68 穴
70A γ線遮蔽パネル材
70B γ線遮蔽パネル材
76 γ線遮蔽シール材
78 突部(凸形状)
80 突部(凸形状)
82 溝(凹形状)
84 溝(凹形状)
94 γ線遮蔽パネル材
96 溝(凹形状)
98 溝(凹形状)
100 γ線遮蔽シール材
100A 突部(凸形状)
100B 突部(凸形状)
102 γ線遮蔽シール材
106 貫通孔(穴)
108 γ線遮蔽パネル材
114 γ線遮蔽パネル材
116 γ線遮蔽シール材

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂と、
    高密度の非金属からなる平均粒径0.1〜2μmの遮蔽微粉末と、
    重金属からなる平均粒径100〜200μmの遮蔽粉末とを含有し、
    密度が2.3〜5.0g/cmであることを特徴とするγ線遮蔽パネル材。
  2. 前記遮蔽微粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンであることを特徴とする請求項1に記載のγ線遮蔽パネル材。
  3. 前記遮蔽粉末は、鉄の粉末、タングステンの粉末、又は銅の粉末であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のγ線遮蔽パネル材。
  4. 可撓性硬化樹脂と、
    高密度の非金属からなる平均粒径0.1〜2μmの遮蔽微粉末と、
    重金属からなる平均粒径100〜200μmの遮蔽粉末とを含有し、
    密度が2.3〜5.0g/cmであることを特徴とするγ線遮蔽シール材。
  5. 前記遮蔽微粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛、又は酸化タングステンであることを特徴とする請求項4に記載のγ線遮蔽シール材。
  6. 前記可撓性硬化樹脂は、ダイマー酸グリシジルエステルと、アミノポリアミド樹脂とを含有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のγ線遮蔽シール材。
  7. 前記遮蔽粉末は、鉄の粉末、タングステンの粉末、又は銅の粉末であることを特徴とする請求項4〜請求項6の何れか1項に記載のγ線遮蔽シール材。
  8. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のγ線遮蔽パネル材を複数備え、
    請求項4〜請求項7の何れか1項に記載のγ線遮蔽シール材で複数の前記γ線遮蔽パネル材同士の間、又は前記γ線遮蔽パネル材に形成された穴をシールすることを特徴とするγ線遮蔽構造。
  9. 前記γ線遮蔽パネル材又は前記γ線遮蔽シール材の第1の端面を凸形状とし、
    前記第1の端面に当接する前記γ線遮蔽パネル材又は前記γ線遮蔽シール材の第2の端面を前記凸形状に係合する凹形状とすることを特徴とする請求項8に記載のγ線遮蔽構造。
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