上記課題を解決するために、請求項1記載のパチンコ遊技機は、開放状態と閉鎖状態とを呈する可変入賞口と、大当たりの発生に応じて閉鎖状態にある前記可変入賞口を予め定められたラウンド数だけ開放状態に維持可能な大当たりを実行する大当たり実行手段と、を有するパチンコ遊技機において、前記大当たりの実行中に開放状態にある前記可変入賞口を閉鎖状態へ変化させてから再度開放状態へ変化させるまでのインターバルの時間をインターバル時間としてインターバル毎に決定するインターバル時間決定手段と、前記インターバル毎の前記インターバル時間を遊技者に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする。請求項1記載のパチンコ遊技機によれば、大当たり中の可変入賞口が閉鎖しているインターバル時間をインターバル毎に変動させるとともに、そのインターバル時間を遊技者に報知するようにしたので、遊技者は可変入賞口が閉鎖状態にあるときに発射ハンドルを操作して玉の発射動作を止めるべきかどうかを考えながら遊技することになり、発射ハンドルの操作によって獲得できる玉数に差が生じる技術介入性のあるパチンコ遊技機を実現して、単純だった大当たり中の遊技に対して新しい遊技性および興趣を与えることができる。加えて、大当たり中の可変入賞口の開放時間として少し短い時間を設定し、インターバル時間として長めに複数種類設け、インターバル時間を遊技者に教えてあげることで、遊技者はラウンド中は現時点での玉の入賞数を、インターバル中はインターバル時間を気にしながら、発射ハンドルを操作して玉を打ち込んだり止めたりして遊技することになる。また、インターバル時間を報知する大当たりと報知しない大当たりとを設けることで、緊張感の異なる大当たりを提供することが可能になる。
請求項2記載のパチンコ遊技機は、請求項1に記載のパチンコ遊技機において、前記インターバル時間決定手段は、前記大当たりに当選したときは、その大当たり中の全てのインターバルについてのインターバル時間を決定し、前記報知手段は、前記大当たりを発生させてから最初に前記可変入賞口を開放状態にするまでの間に、前記インターバル時間決定手段が決定したインターバル時間の一部あるいは全てを遊技者に報知することを特徴とする。請求項2に記載のパチンコ遊技機によれば、大当たり図柄が表示されたときなど、最初にインターバル毎のインターバル時間を全て決定し、遊技者に最初に教えてあげるようにしたので、大当たりに当選してから、所定時間、例えば10秒間だけ全インターバル時間を教えるという演出を行うことによって、「10秒間で全て覚えなきゃいけない!」というまた新しい緊張感を遊技者に与えることができる。
請求項3記載のパチンコ遊技機は、請求項1または2に記載のパチンコ遊技機において、前記報知手段は、前記インターバルが終了するよりも所定時間前に、玉の発射操作の開始タイミングを遊技者に報知することを特徴とする。請求項3に記載のパチンコ遊技機によれば、玉の発射操作の開始タイミングを遊技者に報知することにより、従来は遊技者は勘に頼って可変入賞口が開放する数秒前から玉の打ち込みを開始しないと所定個数の玉を大人賞装置に入賞させることができなかったが、可変入賞口の開放時間が例えば15秒と短い時間に設定されていても、発射装置から発射された玉が可変入賞口まで到達するのに数秒かかることを考慮し、可変入賞口が閉鎖してから次に開放するまでのインターバル時間を考慮した玉の発射操作の開始タイミングが報知されることにより、遊技者は開始タイミングに従って可変入賞口が開放する数秒前から玉の打ち込みを開始することができ、所定個数の玉を大人賞装置に入賞させることによって最大個数の賞球を獲得することができる。
請求項4記載のパチンコ遊技機は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機において、前記報知手段は、前記可変入賞口が開放状態であるときに、当該可変入賞口が閉鎖した後に玉の発射操作を停止すべきかどうかを遊技者に報知することを特徴とする。請求項4に記載のパチンコ遊技機によれば、可変入賞口が開放状態であるときに可変入賞口が閉鎖した後に玉の発射操作を停止すべきかどうかを遊技者に報知するようにしたので、適切なタイミングで玉の発射操作を停止することにより、玉の無駄打ちを確実に抑制することができる。
従来にない遊技性および興趣を遊技者に与えるという目的を、大当たり中のインターバル時間をインターバル毎に変動させ、これを報知して、ラウンドが終了する度に遊技者に玉の発射を止めた方がよいかどうかを考えさせることにより達成した。
図1は、本発明の実施例1に係るパチンコ遊技機1を示す正面模式図である。本実施例1に係るパチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右の斜め下方に配設された左右一対のスピーカ4a,4bと、遊技盤3の下方に設けられた玉供給皿5と、玉供給皿5の右方(図1で見て)に設けられた、発射停止ボタン6aを備える発射ハンドル6とを含んで構成されている。なお、図1中、符号106は、ランプ類(図2参照)を示す。
遊技盤3は、遊技盤3の中央に取り付けられた表示装置9と、表示装置9の中央に配設された特図表示部としての液晶表示部10と、表示装置9の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、表示装置9の下方に設けられた、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記する)である始動入賞装置12と、始動入賞装置12の下方に設けられた可変入賞口である大入賞装置13と、大入賞装置13の下方に設けられた玉排出口14と、表示装置9の左斜め下(図1で見て)に設けられた普図表示部15と、普図表示部15のさらに下方に連設された普図保留表示部16と、表示装置9の下辺枠部に連設された特図保留表示部17とを含んで構成されている。
液晶表示部10は、特図(特別図柄)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を表示する特図表示部である。液晶表示部10に表示された3つの図柄が同時に変動を開始し、特図の変動時間の経過後に停止表示される。このとき、3つ同じ図柄が並べば(揃えば)大当たりとなる。特図の変動時間は、毎回抽選する(特図保留数が多いほど短い時間を選択する)。また、液晶表示部10は、大入賞装置13の閉鎖から開放までの期間(以下、インターバル)毎のインターバル時間を遊技者に報知する報知手段としての役目もする。
通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉を通過させると、例えば127/128の確率で普図(普通図柄)の抽選が行われ、当選したならば、電チューである始動入賞装置12が可動羽根の開閉動作を行う。
始動入賞装置12は、開口部に一対の可動羽根を有する、いわゆる電チューと呼ばれる入賞装置である。始動入賞装置12は、通過ゲート11ヘの玉の通過が検知されて、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、可動羽根(電チュー)を開放する。可動羽根(電チュー)の開放時間は、通常時および大当たり中は0.5秒、時短中および確変中は5秒である。なお、可動羽根(電チュー)の閉鎖時にも、遊技盤3の、可動羽根間の上位位置に植設された釘の間を通って始動入賞装置12への玉の入賞が可能となっている。始動入賞装置12に玉が入賞すると、大当たりの抽選処理が行われる。始動入賞装置12への玉の入賞に伴う抽選処理で大当たりする確率は、通常時および時短中は1/300、確変中は1/30である。
大入賞装置13は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞口であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とを呈する。
普図表示部15は、1つのLED(Light Emitting Diode)で構成され、主回路120から直接制御されて、普図の抽選結果を表示する。詳しくは、普図表示部15は、普図の変動動作を開始すると点滅し、通常時および大当たり中は30秒、時短中および確変中は1〜10秒の変動時間の経過後、普図の抽選結果が当たりのときは点灯し、ハズレのときは消灯する。
普図保留表示部16は、4つのLEDが縦に連設されて構成され、主回路120から直接制御されて、普図の抽選結果の保留数(最大普図保留数4)を上から順に点灯表示する。
特図保留表示部17は、4つのLEDが横に連設されて構成され、主回路120から直接制御されて、特図の抽選結果の保留数(最大特図保留数4)を左から順に点灯表示する。
図2を参照すると、パチンコ遊技機1は、主制御基板100と、液晶表示部10を制御する表示制御基板101と、スピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104を制御する音声制御基板103と、ランプ類106を制御するランプ制御基板105と、払出装置108を制御する払出制御基板107と、発射装置110を制御する発射制御基板109と、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器111と、始動入賞装置12に併設された始動入賞検出器112と、大入賞装置13に併設された大入賞検出器113と、電チューである始動入賞装置12の可動羽根を開閉する電チューソレノイド115と、大入賞装置13を開閉する大入賞ソレノイド116と、各基板に所定電圧を供給する電源回路部117とを含んで構成されている。
主制御基板100は、主回路120を搭載しており、主回路120は、CPU(Central Processing Unit)121,プログラム格納用のROM(Read Only Memory)122,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM(Random Access Memory)123,入出力インタフェースであるI/O(Input/Output)124等を備える。主回路120は、本発明のインターバル時間決定手段の役目をする。
なお、その他の各基板も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図2では省略している。
表示制御基板101は、主回路120より入力される表示制御信号に応じて、液晶表示部10に画像を表示させるための処理を実行する。音声制御基板103は、入力される音声制御信号に応じてスピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104より音声を出力させる。ランプ制御基板105は、入力されるランプ制御信号に応じてランプ類106の点灯/消灯を制御する。払出制御基板107は、入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定個数の賞球が払い出される。発射制御基板109は、遊技者が発射停止ボタン6aを含む発射ハンドル6を操作することに応じて、発射停止ボタン6aを含む発射ハンドル6に対応して設けられた発射装置110を作動または停止させる。発射ハンドル6の操作量に応じて、玉の打出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
図3は、主回路120による大当たり処理を示すフローチャートである。この大当たり処理では、主回路120は、15ラウンドのラウンド処理およびインターバル処理を実行している。大当たりが発生すると、通常は閉まっている大入賞装置13を15回開放状態にすることで入賞率を高め、遊技者に多くの玉を払い出す。
図4は、主回路120によるラウンド処理を示すフローチャートである。このラウンド処理では、主回路120は、1ラウンド分の大入賞装置13の開閉処理を実行している。なお、1ラウンドの玉の入賞可能個数は10個、1入賞あたりの払出玉数は15個である。また、1ラウンドの大入賞装置13の最大開放時間は15秒である。
図5は、主回路120によるインターバル時間抽選処理を示すフローチャートである。このインターバル時間抽選処理では、主回路120は、インターバル毎のインターバル時間を抽選で決定している。インターバル時間としては、5秒、10秒、15秒の3種類が用意されており、所定の選択率で抽選が行われてインターバル時間が決定される。なお、図3の大当たり処理のフローチャートからも分かるように、インターバル処理、ひいてはインターバル時間抽出処理は、インターバル間の数である14回だけ繰り返されるようになっているので、1回の大当たりで14回の抽選が行われて14回分のインターバル時間が抽選で決定されることになる。この14回分のインターバル時間の先頭に、大当たり図柄が表示されてから大入賞装置13の開放までの時間(例えば10秒)が、先頭のインターバル時間(厳密に言えば大入賞装置13の閉鎖から開放までの時間(すなわち、インターバル時間)ではない)として追加されて、全体として15回分のインターバル時間であるとみなされる。
図6は、主回路120によるインターバル処理を示すフローチャートである。このインターバル処理では、主回路120は、インターバル時間が経過するのを計測している。
図7は、表示制御基板101による大当たり表示処理を示すフローチャートである。この大当たり表示処理では、表示制御基板101は、15ラウンドの大当たり表示処理およびインターバル表示処理を実行している。
図8は、表示制御基板101によるラウンド表示処理を示すフローチャートである。このラウンド表示処理では、表示制御基板101は、1ラウンド分の表示処理を実行している。特に、現在のラウンド数を表示している。
図9は、表示制御基板101によるインターバル表示処理を示すフローチャートである。このインターバル表示処理では、表示制御基板101は、インターバル演出を表示するとともに、確変図柄の大当たりの場合には、さらに大入賞装置13の次回開放までの残余インターバル時間をカウントダウン表示している。
図10は、実施例1に係るパチンコ遊技機1における液晶表示部10での大当たり中の画面表示の遷移を例示する図である。確変図柄で大当たりが発生すると(図10(a)参照)、1ラウンド目を開始して大入賞装置13を開放する(図10(b)参照)。次に、大入賞装置13を閉鎖し、次の開放までの残余インターバル時間を表示する(図10(c)参照)。残り1秒までカウントダウンが進行すると(図10(d)参照)、2ラウンド目が開始して大入賞装置13を開放する(図10(e)参照)。以降、15ラウンド目まで繰り返し、大当たりが終了すると、確変状態に突入する(図10(f)参照)。
次に、このように構成された実施例1に係るパチンコ遊技機1の動作について、図1ないし図10を参照しながら説明する。
パチンコ遊技機1への電源投入後、玉供給皿5に準備された玉は、発射ハンドル6を含んで構成される発射装置110によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、遊技盤3の盤面上を流下する。
遊技盤3の盤面上を流下する玉が通過ゲート11を通過すると、これをゲート通過検出器111が検出して、通過検出信号が主回路120に送信される。
主回路120は、ゲート通過検出器111からの通過検出信号に基づいて通過ゲート11の玉の通過を検知しており、通過ゲート11を玉が通過したことが検知されると、普図用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出する普図の内部抽選を実施し、普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4であるかどうかを判定する。普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4であれば、主回路120は、最大普図保留数4を越える普図の抽選結果を保留することなしに破棄する。普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果を記憶して保留し、普図保留表示部16を普図の抽選結果の保留数に応じて上から順に点灯する。
また、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があるかどうかを判定しており、RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があれば、普図表示部15において先の普図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の普図の変動表示中でなければ、主回路120は、電チューである始動入賞装置12が開放中であるかどうかを判定し、電チューである始動入賞装置12が開放中でなければ、RAM123上の普図用保留記憶領域に保留されている最古の普図の抽選結果を読み出し、読み出した普図の抽選結果を所定の普図用判定テーブルと照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、普図の当たり確率は、例えば127/128である。次に、主回路120は、普図の変動時間を通常時および大当たり中は30秒、確変中および時短中は1〜10秒と決定し、普図表示部15で普図の変動(LEDの点滅)を開始する。普図の変動時間が経過すると、主回路120は、判定結果がハズレであれば、普図表示部15を消灯する。判定結果が当たりであれば、主回路120は、普図表示部15を点灯し、電チューソレノイド115を励磁することにより、電チューである始動入賞装置12の可動羽根を通常時および大当たり中は0.5秒、確変中および時短中は5秒である電チューの開放時間だけ開放する。電チューの開放時間が経過すると、主回路120は、電チューソレノイド115を非励磁にすることにより、電チューである始動入賞装置12の可動羽根を閉鎖する。
電チューである始動入賞装置12の可動羽根の開放のいかんにかかわらず、遊技盤3の盤面上を流下する玉が始動入賞装置12に入賞すると、これを始動入賞検出器112が検出して、入賞検出信号が主回路120に送信される。
主回路120は、始動入賞検出器112からの入賞検出信号に基づいて始動入賞装置12への玉の入賞を検知しており、始動入賞装置12への玉の入賞を検知すると、特図用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出する特図の内部抽選を実施し、特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4であるかどうかを判定する。特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4であれば、主回路120は、最大特図保留数4を越える特図の抽選結果を保留することなしに破棄する。特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4でなければ、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域(図示せず)に特図の抽選結果を記憶して保留し、特図保留表示部17を特図の抽選結果の保留数に応じて左から順に点灯する。
また、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があるかどうかを判定しており、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があれば、特図表示部である液晶表示部10において先の特図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の特図の変動表示中でなければ、主回路120は、大入賞装置13が開放中であるかどうかを判定し、大入賞装置13が開放中でなければ、RAM123上の特図用保留記憶領域に保留されている最古の特図の抽選結果を読み出し、読み出した特図の抽選結果を所定の特図用判定テーブルと照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、特図の当たり確率は、通常時および時短中は1/300、確変中は1/30である。次に、主回路120は、特図の保留数が多いほど短い時間となるように特図の変動時間を抽選し、特図表示部である液晶表示部10で特図の変動を開始する。特図の変動時間が経過すると、主回路120は、判定結果がハズレであれば、特図表示部である液晶表示部10にハズレ図柄を停止表示する。判定結果が当たりであれば、主回路120は、特図表示部である液晶表示部10に当たり図柄を停止表示する。例えば、当たりのときは「777」などのゾロ目を表示し、ハズレのときは「123」などのバラケ目を表示する(図柄は1〜7の数字による3桁表示で、奇数のゾロ目は確変図柄)。当たり図柄を停止表示すると同時に、主回路120は、大当たりフラグをONにして大当たりを発生させる。
大当たり処理では、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかを判定し(図3のS101)、大当たりフラグがONでなければ(図3のS101:NO)、大当たり処理を終了する。大当たりフラグがONであれば(図3のS101:YES)、主回路120は、大当たり図柄が確変図柄であるか非確変図柄であるかの区別を含む大当たり表示開始指示を表示制御基板101に送信し(図3のS102)、ラウンド処理を呼び出す(図3のS103)。
ラウンド処理では、主回路120は、ラウンド数を1つインクリメントし(図4のS201)、インターバル時間抽選処理を呼び出す(図4のS202)。
インターバル時間抽選処理では、主回路120は、時間乱数カウンタから値を抽出し(図5のS301)、抽出した値を時間用判定テーブルと比較し(図5のS302)、インターバル時間を決定して(図5のS303)、ラウンド処理に制御を戻す(リターンする)。詳しくは、大入賞装置13が一旦閉鎖してから開放するまでのインターバル時間として5秒,10秒,15秒の3種類が用意されており、大入賞装置13の開放時に次に閉鎖してから開放するまでのインターバル時間を抽選により決定する。
インターバル時間抽選処理からラウンド処理に制御が戻ると、主回路120は、大当たり図柄が表示されてから(正確には、大当たり表示開始指示を送信してから)、例えば10秒(この10秒は、既述したように、大入賞装置13の閉鎖から開放までの時間でないので、厳密に言えばインターバル時間ではないが、先頭のインターバル時間であるとみなされる)、または決定されたインターバル時間の経過後に、大入賞ソレノイド116を励磁することにより大入賞装置13を開放し、現在のラウンド数および決定したインターバル時間を含む大入賞装置13の開放通知を表示制御基板101に送信し、開放タイマのカウントを開始する(図4のS203)。次に、主回路120は、大人賞装置13に10玉入賞したかどうか、あるいは最大開放時間15秒が経過したかどうかを判定し(図4のS204,S205)、大人賞装置13に10玉入賞するか、あるいは最大開放時間15秒が経過するかのいずれかが成立すると(図4のS204:YES,またはS205:YES)、主回路120は、開放タイマのカウントを停止してリセットし、大入賞ソレノイド116を非励磁にすることにより大入賞装置13を閉鎖し、大入賞装置13の閉鎖通知を表示制御基板101に送信して(図4のS206)、大当たり処理に制御を戻す(リターンする)。このため、大入賞装置13は、開放してから15秒経過するか、10個の玉の入賞を検知すると閉鎖する。
ラウンド処理から大当たり処理に制御が戻ると、主回路120は、ラウンド数が最大ラウンド数15であるかどうかを判定し(図3のS104)、ラウンド数が最大ラウンド数15でなければ(図3のS104:YES)、主回路120は、インターバル処理を呼び出す(図3のS105)。
インターバル処理では、主回路120は、インターバルタイマのカウントを開始し(図6のS401)、インターバル時間抽出処理で決定されたインターバル時間が経過したかどうかを判定し(図6のS402)、インターバル時間が経過すると(図6のS402:YES)、大当たり処理に制御を戻す(リターンする)。
インターバル処理からラウンド処理に制御が戻ると、1ラウンド分の処理が完了したので、主回路120は、次のラウンド分の処理を実行するために、再びラウンド処理を呼び出す(図3のS103)。
ラウンド処理およびインターバル処理を繰り返し、ラウンド数が最大ラウンド数15になると(図3のS104:YES)、主回路120は、ラウンド数をリセットし(図3のS106)、大当たりフラグをOFFして(図3のS107)、大当たり処理を終了する。
一方、表示制御基板101は、大当たり表示処理において、主回路120から大当たり表示開始指示があるかどうかを判定しており(図7のS501)、大当たり表示開始指示がなければ(図7のS501:NO)、大当たり表示処理を終了する。大当たり表示開始指示があれば(図7のS501:YES)、表示制御基板101は、大当たり演出を液晶表示部10に表示し(図7のS502)、ラウンド表示処理を呼び出す(図7のS503)。例えば、大当たり表示開始指示が大当たり図柄が確変図柄であることを示している場合には、図10(a)に例示するように、確変図柄「777」で大当たりが発生したことが液晶表示部10に表示される。
ラウンド表示処理では、表示制御基板101は、主回路120から大人賞装置13の開放通知があるかどうかを判定しており(図8のS601)、大人賞装置13の開放通知があれば(図8のS601:YES)、液晶表示部10にラウンド演出を表示し、現在のラウンド数を表示する(図8のS602)。例えば、1ラウンド目が開始された場合には、図10(a)に例示するように、「R1」と表示される。また、2ラウンド目が開始された場合には、図10(e)に例示するように、「R2」と表示される。次に、表示制御基板101は、主回路120から大人賞装置13の閉鎖通知があるかどうかを判定する(図8のS603)。大人賞装置13の閉鎖通知がなければ(図8のS603:NO)、表示制御基板101は、待機する。大人賞装置13の閉鎖通知があれば(図8のS603:YES)、1ラウンドが終了したことを意味するので、表示制御基板101は、大当たり表示処理に制御を戻す(リターンする)。
ラウンド表示処理から大当たり表示処理に制御が戻ると、表示制御基板101は、15ラウンドが終了したかどうかを判定し(図7のS504)、15ラウンドが終了していなければ(図7のS504:NO)、インターバル表示処理を呼び出す(図7のS505)。
インターバル表示処理では、表示制御基板101は、インターバル演出を液晶表示部10に表示し(図9のS701)、確変図柄の大当たりかどうかを判定する(図9のS702)。確変図柄の大当たりでなければ(図9のS702:NO)、表示制御基板101は、直ちに大当たり表示処理に制御を戻す。確変図柄の大当たりであれば(図9のS702:YES)、表示制御基板101は、図10(c),(d)中の「10s」,「1s」のように、大入賞装置13の次回開放までの残余インターバル時間(=インターバル時間−インターバルタイマのカウント秒)をカウントダウン表示し(図9のS703)、大当たり表示処理に制御を戻す(リターンする)。このように、確変図柄での大当たりであった場合、大入賞装置13が閉鎖するときに、次回開放までの残余インターバル時間を液晶表示部10に表示し、カウントダウン表示する。これにより、遊技者はその時間を見ながら大入賞装置13が開放する数秒前から玉の打ち込みを開始することができ、無駄玉の打ち込みを減らすことができる。非確変図柄での大当たりであった場合は、残余インターバル時間の表示は行わない。残余インターバル時間を報知する大当たりと報知しない大当たりとを設けることで、緊張感の異なる大当たりを提供することが可能になる。
残余インターバル時間(またはインターバル時間)を遊技者に教えない非確変図柄での大当たりの場合には、遊技者はインターバル中もずっと玉を打ち続けてしまうと無駄打ちになってしまうが、かといって次に大入賞装置13が開放するまで玉の発射を停止していたのでは次に大入賞装置13が開放してから閉鎖するまでの間に所定個数の玉を大人賞装置13に入賞させることができない可能性が高くなる。このため、遊技者は、結局インターバル中は残余インターバル時間(またはインターバル時間)を勝手に予想しながら玉の打ち込みを開始することになるので、確変図柄の大当たりのときと比べると玉の無駄打ちが多くなり、大当たり終了時の獲得玉数は少なくなってしまう(勘がさえていれば、確変図柄の大当たり時に近い獲得玉数になる)。
大当たりが終了すると、確変図柄の大当たりであった場合は、図10(f)に例示するように、次回の大当たりに当選するまで高確率で遊技できる確変状態となり、普図の抽選時間も短くなる(時短状態)ので通常よりも高い入賞率で遊技することができる。また、非確変図柄の大当たりであった場合は、100回の図柄変動が終了するか、次回の大当たりが発生するまで時短状態となる。
従来のパチンコ遊技機は、大当たり中に大入賞装置13の開閉動作をほとんど気にすることなく玉を打ち込んで遊技できたため、大当たり中の遊技が単調なものになってしまっていたが、本実施例1に係るパチンコ遊技機1では、大当たり中の大入賞装置13の開放時間として少し短い時間(15秒)を設定し、インターバル時間として長めに複数種類(5秒,10秒,15秒)設け、インターバル時間を遊技者に教えてあげることで、遊技者はラウンド中は現時点での玉の入賞数を、インターバル中はインターバル時間を気にしながら、発射ハンドル6を操作して玉を打ち込んだり止めたりして遊技することになる。このため、大当たり中は遊技者の技量(玉を発射したり止めたりするタイミング)に応じて獲得玉に差が出るので、技術介入性が生じ、遊技者が緊張感を持って遊技することができるようになる。
実施例1によれば、大当たり中の大人賞装置13が閉鎖しているインターバル時間をインターバル毎に変動させるとともに、残余インターバル時間を報知するようにしたので、遊技者は大人賞装置13が閉鎖状態にあるときに発射ハンドル6を操作して玉の発射動作を止めるべきかどうかを考えながら遊技することになり、発射ハンドル6の操作によって獲得できる玉数に差が生じる技術介入性のあるパチンコ遊技機1を提供し、遊技者に大当たり中の新しい遊技性および興趣を与えることができる。
また、実施例1によれば、大当たり中に次に大人賞装置13が開放するまでの残余インターバル時間を気にしながら発射ハンドル6を操作するという技術介入性が生まれるので、単純だった大当たり中の遊技に新しい遊技性および興趣を提供することができる。
さらに、実施例1によれば、残余インターバル時間を報知する大当たりと報知しない大当たりとを設けることで、緊張感の異なる大当たりを提供することが可能になる。
なお、実施例1では、次に大入賞装置13が開放するまでの残余インターバル時間をカウントダウン表示するようにしたが、大入賞装置13が閉鎖する前や閉鎖直後に「何秒」とインターバル時間を固定表示するようにしてもよい。
次に、図11(c)は、ラウンド開始時にそのラウンド終了後のインターバル時間を決定し、次のラウンドを開始する所定時間前に玉の打込開始を報知するようにした、本発明の実施例4に係るパチンコ遊技機1における大当たり中の液晶表示部10での画面表示の変形例を説明する図である。この大当たり中の表示の変形例では、表示制御基板101は、大当たり発生後、毎回ラウンドを開始するときにそのラウンド終了後のインターバル時間を抽選して決定し、その決定したインターバル時間は表示せず、次のラウンドにおける大入賞装置13の開放の、例えば4秒前になると、玉の打ち込み開始タイミングを示すメッセージ(ここでは、「打込開始!」)を液晶表示部10に表示する。
このような実施例4に係るパチンコ遊技機1によれば、次のラウンドにおける大入賞装置13が開放する数秒前に「打込開始!」というような玉の打ち込みを促すような表示を行うようにしたことにより、遊技者は玉の打ち込みを開始する的確なタイミングを知ることができ、無駄玉の打ち込みを抑制することができる。
なお、実施例2ないし4において、その他の特に言及しない部分については、実施例1に係るパチンコ遊技機1と全く同様に構成され、かつ同様に動作するので、詳しい説明を割愛する。
上記実施例1ないし4に係るパチンコ遊技機1に関しては、以下のような変形例を考えることができる。
(1)大当たり図柄が表示されてから最初に大人賞装置13が開放するまでの時間も複数種類用意しておき、図柄や抽選によって大当たり図柄の表示時に決定するようにしてもよい。大当たりに当選すると同時にそれまでの遊技とは異なる緊張感を遊技者に与えることができる。
(2)各実施例では、止め打ち効果のあるインターバル時間(5秒、10秒、15秒)を採用したが、止め打ち効果のないほど短い時間(1秒など)をパターンに含めてもよい。この「1秒」が選択された場合、大入賞装置13が閉鎖してから「インターバルは1秒」と教えても遅いので、大入賞装置13が開放状態にあるときに、その大入賞装置13が閉鎖した後に玉の発射操作を停止すべきかどうかを遊技者に教えてあげるようにした方がよい。このようにすれば、遊技者はそのラウンド終了時に玉の発射操作を停止すべきかどうかを的確に判断でき、短いインターバル時間が選択された場合であっても、次のラウンドで所定個数の玉を大入賞装置13に入賞させることができずに損をしてしまう、ということがなくなる。
(3)各実施例では、確変図柄での大当たりのときだけインターバル時間を遊技者に報知するようにしたが、このように限定されるものではなく、別の抽選や条件で遊技者に教えるか教えないか決めてもよいし、1つの大当たりの中でラウンドごとに教えたり教えなかったりしてもよいし、常に教えるようにしても十分な効果がある。
(4)実施例2では、大当たりが発生してから所定時間だけ全てのインターバル時間を表示するようにしたが、一部のインターバル時間を表示しないようにしてもよい。必ずしも全てのインターバル時間を表示しなくても遊技者の興趣を十分に高めることができ、また、大当たりの種類に応じて表示されるインターバル時間の数を変動するようにすれば、緊張感の異なる大当たりを提供することが可能になる。
(5)実施例1ないし4のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
なお、本発明では、大当たり中のインターバル毎のインターバル時間を変動させ、開放までの時間を遊技者に表示するようにしたが、時短中および確変中の普図の変動時間を変化させ、電チューである始動入賞装置の開放までの時間として遊技者に報知するようにしてもよい。時短中や確変中も大当たり中ほどではないが通常時に比べると入賞率の高い状態であるから、電チューである始動入賞装置が閉鎖している時よりも開放状態にあるときに玉が電チューである始動入賞装置に到達するように発射ハンドルを操作して玉を打ったり止めたりして遊技した方が、遊技者にとって有利である。よって、次に電チューである始動入賞装置が開放するまでの時間を遊技者に報知することで、大当たり中のインターバル時間を報知することと同様の効果が期待できる。